JP3619661B2 - 藻類培養媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、火力発電所や焼却炉から発生する石炭灰、焼却灰、その他の無機質材料を利用して、空気中のCOを吸収し固定するとともに、エタノール等の有用物の原料ともなる藻類を、海洋において大規模に培養するための藻類培養媒体、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微細藻類は単位面積当たりの太陽光利用率、すなわちCO固定能が陸上植物に比べ高く、増殖も速いことから、大気中のCΟ固定の有力な選択肢と考えられている。現在、地球温暖化防止を目的として微細藻類によってCΟを吸収・固定するとともに、これを原料に石油代替燃料などの有用物を製造する研究がなされている。たとえばフォトリアクター内にCOに富んだ火力発電所の排ガスを導入し、これに太陽光を集光して効率的に照射することによって、微細藻類を培養する研究が多くの研究機関で実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで地球温暖化防止に貢献する程の膨大なCOを固定するためには、広大な面積での微細藻類の培養が必要となる。試算によると日本て発生するCOの10%を固定するためには、300km四方の面積が必要となる。日本国内ではこのような広大な面積を確保することは困難なため、海洋での大規模な培養が必要となる。
【0004】
しかし、従来は海洋での微細藻類の培養に必要な養分の効果的な供給が困難であった。なぜなら海洋で養分を散布すると養分は急速に海洋中に拡散してしまうため、ほとんどの養分は藻類の培養に利用されないばかりか、海洋全体が富栄養化してしまい、海洋汚染を引き起こすことになる。
【0005】
このため、何らかの方法で養分を海面に固定し、藻類の増殖に合わせて養分を供給できる養分供給媒体が必要となる。しかしながら、従来は水に浮遊可能でしかも大量に供給可能な養分供給媒体がなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を進めた結果、上記の従来の問題点を解決するに至った。即ち本発明の藻類培養媒体は、無機質材料と硬化材と藻類培養養分と軽量化材とを含有し、密度がlg/cm以下の成型体にされてなることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の藻類培養媒体は海洋などの水面に散布すれば、密度がlg/cm以下と低いので、水面に浮遊させることができる。また本発明の藻類培養媒体は藻類培養養分が無機質材料および硬化材とともに含有されているので、藻類培養養分はこれら無機質材料および硬化材に捕捉されているため、少しずつ藻類の増殖とともに養分を供給することができる。このほか藻類培養媒体の成型体は、藻類に対し、増殖の核の役割を果たす。
【0008】
本発明の藻類培養媒体は、海洋への散布に先立って、あらかじめ藻類の幼芽を付着させておくことができる。
【0009】
藻類培養媒体に藻類を付着させておくことにより、藻類培養媒体を海洋に散布した場合に、藻類の付着を待つことなく、目的とする藻類の培養、増殖を開始できるという利点がある。
【0010】
本発明の藻類培養媒体に用いられる無機質材料は、特に限定されるものではないが、石炭灰や焼却灰が好ましく用いられる。
【0011】
例えば火力発電所で発生する石炭灰や焼却炉で発生する焼却灰はいうまでもなく豊富に供給されるので、資源の供給およびコストの面では全く問題がない。そして廃棄物として処分されなければならないものが有効活用されるという大きな利点がある。
【0012】
特に火力発電所で発生する石炭灰は、シリカとアルミナを主成分とし、成分的にも比較的安定しており、しかも環境汚染の可能性も小さいという利点を有する。焼却炉で発生する焼却灰についても、よく管理がなされれば、石炭灰の場合と同様の利点を有する。
【0013】
本発明の藻類培養媒体に用いられる硬化材はとくに限定されないが、セメント、水ガラスあるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。このうち水ガラスは、アルカリ−ケイ酸系ガラスの濃厚水溶液であって、ナトリウム、リチウムあるいはカリウムもしくは少なくともこれら1つ以上のアルカリ元素を含むケイ酸化合物、あるいはシリカゾル、もしくはケイ酸化合物とシリカゾルの混合物が好ましく用いられる。
【0014】
なお本発明において硬化材とは、無機質材料および他の添加成分からなる藻類培養媒体の構成成分を結合し、成型体にするための成分である。セメント、水ガラスあるいはこれらの混合物は無機質材料および他の添加成分に少量添加しただけで、これらを固めることができるという利点がある。また本発明において硬化材は、無機質材料とともに藻類培養養分を捕捉して、藻類培養養分が短時間に溶出するのを抑え、藻類培養媒体が長い時間にわたって、藻類の増殖に応じて藻類培養養分を供給し続けるのに必要な役割の一部を担っている。
【0015】
本発明においては、藻類培養養分として、リン分あるいは鉄分のうち少なくとも1種類以上を含むものが好ましく用いられる。また、本発明においては、硬化剤に、藻類培養養分である鉄分またはリン分を含むものを用いることができる。例えば鉄分とアルカリ性になるアルカリリン酸化合物あるいはアルミニウムリン酸化合の少なくとも−方を含む硬化剤を好ましく用いることができる。
【0016】
本発明の鉄分またはリン分を培養養分として含む藻類培養媒体を用いれば、藻類が増殖する上で特に必要としている養分の供給ができる。なぜなら藻類が増殖するには、リン分と鉄分を必要とするが、海洋において海水からの供給ではリン分と鉄分は不足するためである。このほか窒素分も必要とするので、本発明の藻類培養養分として窒素分を含有して差支えない。しかしある種の微細藻類では自ら窒素固定能を持つため、この性質を利用したり、この遺伝子を組込むなどすれば窒素分は必ずしも供給する必要がなくなる。また窒素分を大量に供給すると動物性プランクトンの発生、いわゆる赤潮の発生の危険もある。さらに窒素分を制限して増殖した藻類は炭水化物の成分割合が増し、エタノールの原料として望ましいものとなる。
【0017】
本発明の硬化剤は、構成成分として藻類培養成分を含むことができる。言い換えれば、藻類培養養分であって、かつ硬化材の役割を果たすことができるものを用いることができる。
【0018】
藻類培養養分でかつ硬化材となり得るものとして、例えばリン酸イオンを少なくとも1分子以上含むアルカリリン酸化合物、あるいはアルミニウムリン酸化合物がある。リン酸イオンを1分子あたり少なくとも1つ以上含むアルカリリン酸化合物あるいはアルミニウムリン酸化合物は、脱水縮合反応により硬化し、しかも少量で石炭灰を固めることができる。
【0019】
本発明において用いられる軽量化材は、とくに限定されるものではないが、粉末アルミニウム、パーライトシラス、シラスバルーン、粒状軽石あるいはこれらの混合物を好ましく用いることができる。
【0020】
本発明においては、このような軽量化材を用いることによって、その密度をlg/cm以下にすることができるので、藻類培養媒体を海面などの水面に浮かせることが可能となる。なお、火力発電所の石炭灰はシリカやアルミナを主成分とするので、そのまま成型しただけでは、密度はおよそ1.6〜2g/cmと、海水の密度よりも大きいため、海面に浮かせることができない。
【0021】
軽量化材としての粉末アルミニウムは、水ガラスやセメント中のアルカリ成分と反応して水素ガスを発生させるため、成型体に多くの空孔を発生させることができ、成型体の密度を下げるとともに、藻類を付着できる成型体表面積の増大をももたらす。またパーライトやシラスおよびシラスから製造されるシラスパルーン、粒状軽石等を添加すれば成型体の中に閉空孔を有するようになるため、水に浮く作用をもたらす。軽量化材としては、ここに挙げる物質のほかに有機材料で空孔を有する物質や、軽量の有機物質など、それを添加することにより、成型体の密度をlg/cm以下にできるものであれば、いずれも使用可能てある。
【0022】
本発明における、硬化材、藻類培養養分および軽量化材の添加量は、好ましくは無機質材料100重量部に対して、硬化材を少なくと5重量部以上、藻類培養養分は20重量部以下、軽量化材は少なくとも10重量部以上であることが好ましい
【0023】
このような配合比とすることにより、十分な強度を有し、水面に浮遊し、さらに藻類増殖時に継続的に養分を供給できる成型体を製造できる。なお硬化材、軽量化材の配合比は、できるだけ少なく、しかも必要な効果を得ることが資源の有効活用の観点から望ましい。
【0024】
また、本発明の藻類培養媒体は、成型体に撥水剤を添加することができる。本発明で使用する撥水剤は特に限定されるものではないが、好ましくはシリコーン樹脂が用いられる。
【0025】
このように藻類培養媒体に撥水剤を添加することによって、藻類培養媒体は海水など水面に浮上しやすくなる。
【0026】
本発明の藻類培養媒体の製造方法は、無機質材料に硬化材と藻類培養養分と軽量化材を添加し、混合して混合体とする混合工程と、前記混合体を密度が1g/cm以下の成型体に成型する成型工程とを有することを特徴とすることを特徴とするものである。
【0027】
本発明の藻類培養媒体の製造方法によれば、無機質材料と硬化材と藻類培養養分と軽量化材とを含み、十分な強度を有し、水面に浮遊し、さらに藻類増殖時に継続的に養分を供給できる成型体が製造できる。
【0028】
また本発明の藻類培養媒体の製造方法において、使用する藻類培養養分の製造工程として、鉄分と、リン酸イオンを少なくとも1分子以上含むアルカリリン酸化合物、あるいはアルミニウムリン酸化合物の少なくともー方をあらかじめ混合して硬化させる工程を有することが好ましい。
【0029】
このように、鉄分とリン分の養分供給剤をあらかじめ混合硬化させたものを用いることにより、藻類培養媒体として養分供給の速さを抑え、養分供給の時間を伸ばすことができる。
【0030】
本発明の藻類培養媒体の製造方法においては、無機質材料に硬化材と藻類培養養分と軽量化材を用いて成型体にする際にこれら材料を混合した後に、100℃以上で加熱することが好ましい。その加熱方法としては、100℃以上の蒸気中で加熱することが特に好ましい。
【0031】
このように材料を混合した後に、100℃以上で加熱することによって、より少ない硬化材添加量で成型体のより高い強度を確保することが可能である。しかも成型体の硬化に要する時間を大幅に短縮できる。
【0032】
また本発明の藻類培養媒体の製造方法においては、製造した成型体が成分としてアルカリ成分を多く含み、強いアルカリ性を示す場合に、成型体を硬化した後に、例えばあらかじめ水に浸漬して易水溶性のアルカリ分を溶出させるなどの含有アルカリ成分を低減させる工程を設けることができる。
【0033】
このような工程を経た藻類培養媒体は、その原料成分においてアルカリ成分を多く含んでいる場合でも、アルカリ成分の低減が得られているため、海面に散布した場合に、藻類の付着を早めることができる。
【0034】
次に本発明の作用について述べる。
【0035】
本発明は例えば火力発電所で発生する廃棄物である石炭灰を無機質材料とし、これに軽量化剤と藻類培養養分と硬化材などを添加し、混合し、成型することによって、密度が1g/cm以下の成型体を製造し、藻類培養媒体として用いるものであって、軽量化材によって例えば閉空孔を多く含むことにより、成型体密度が1g/cm以下となり、海面に浮遊させることができる。硬化材はこのような複合成分と結合して、成型体としての必要な強度を与えている。
【0036】
本発明の藻類培養媒体の成型体中において、藻類培養養分は石炭灰などの無機質材料に捕捉されるとともに、硬化材に捕捉されているため、藻類培養養分は短時間に溶出することがなく、藻類培養媒体は長い時間にわたって、藻類の増殖に応じて藻類培養養分を供給し続けることができ、藻類培養媒体としての機能を果たすことができる。
【0037】
また本発明は産業廃棄物を主原料とし、藻類を増殖することによって、大気中のCOを吸収するとともに、増殖した藻類は燃料電池に用いるエタノールの原料としての利用が期待されるものであって、環境対策として大変に有効なものである。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を実施例に基づき詳細に説明する。
【0039】
(実施例1)
図1に実施例1における藻類培養媒体の製造工程を示す。無機質材料である石炭灰あるいは焼却灰に、硬化材、藻類培養養分および軽量化材を添加し、混合する。こうして得られた混合物を型枠に入れ、養生(温湿度を保って硬化)してペレット状の藻類培養媒体を製作した。なお、図1には養生に続いて得られたペレットに藻類を付着させた場合についても示した。さらに図2に示したように、製造したペレットがアルカリ成分を多く含み、pHが高くなる場合には、必要に応じて水に浸漬してpΗを下げることも行った。
【0040】
表1に実施例1における実施条件および結果を示す。表1において、藻類培養媒体ペレットの製作には、無機質材料として石炭灰または焼却灰を用い、硬化材にケイ酸ナトリウムを用い、軽量化材にはパーライトを用い、さらに藻類培養養分にはリン酸ナトリウムとリン酸鉄を重量比1:1で用いた。
【0041】
これらのペレットを藻の入った海水を貯えた水槽の中に入れて試験を行った。表1に示したように、無機質材として石炭灰を用いた場合も焼却灰を用いた場合も、軽量化材としてパーライトを用いることによって、密度がlg/cm以下で水に対し浮遊させることができること、そして藻類の増殖が得られることが確認された。
【0042】
【表1】
Figure 0003619661
(実施例2)
無機質材料を石炭灰に限定した上で、硬化材を各種変えたほかは、実施例1と同じ条件で藻類培養媒体のペレットを製作し、実施例1と同じ方法で試験を行った。その結果を表2に示す。
【0043】
表2から明らかなように、硬化材として、セメントのほかに、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムおよびシリカゲルを用いた場合にも、水に浮遊し、藻類の増殖が得られる藻類培養媒体ペレットが得られることが確認された。
【0044】
【表2】
Figure 0003619661
(実施例3)
藻類培養養分としても有効なリン酸塩化合物を、硬化材として使用することを試みた。即ち、リン酸塩化合物を硬化材とし、他の藻類培養媒体はリン酸鉄とした藻類培養媒体のペレットを製作した。
【0045】
その結果を表3に示す。表3から明らかなように、リン酸ナトリウム、リン酸2水素ナトリウム、リン酸アルミニウムおよびリン酸水素アルミニウムはいずれも硬化材としても有効であり、これらを用いた場合に水に浮遊し、藻類の増殖が得られる藻類培養媒体ペレットが得られることが確認された。
【0046】
【表3】
Figure 0003619661
図3は上記実施例2−1、実施例2−2および実施例3−1の条件で、硬化材添加量をそれぞれ変化させた場合の、製作されたペレットの圧縮強度の変化を調べた結果を示す。図3の結果から、硬化材は5重量部以上において強度が基準値を満たすことがわかった。
【0047】
(実施例4)
無機質材料を石炭灰に限定し、さらに硬化材をケイ酸ナトリウムに限定した上で、藻類培養養分を各種変えたほかは、実施例1と同じ条件で藻類培養媒体ペレットを製作し、実施例1と同じ方法で試験を行った。その結果を表4に示す。
【0048】
表4から明らかなように、藻類培養養分としてリン酸鉄、硝酸鉄、リン酸アルミニウム、およびリン酸ナトリウムを用い、水に浮遊し、藻類の増殖が得られる藻類培養媒体ペレットが得られることが確認された。
【0049】
【表4】
Figure 0003619661
図4は実施例4−1の条件で、藻類培養養分であるリン酸鉄+リン酸ナトリウム添加量を変化させた場合の、藻類成長速度の変化を調べた結果を示す。図4の結果から、藻類培養養分が20重量部以下であれば、藻類培養養分の増加に対して藻類成長速度が飽和せず、添加量として適切であることがわかった。
【0050】
(実施例5)
無機質材料を石炭灰に限定し、軽量化材を各種変えたほかは、実施例1と同様の条件で藻類培養媒体ペレットを製作し、実施例1と同じ方法で試験を行い、各種軽量化材の有効性を調べた。その結果を表5に示す。
【0051】
表5の結果から、パーライトのほか、シラス及びその化合物、粒状軽石、更にこれらの混合物を利用すれば、水に浮遊し、藻類の増殖が得られる藻類培養媒体ペレットが得られることが確認された。
【0052】
【表5】
Figure 0003619661
図5は上記実施例5−2、実施例5−3および実施例5−5のそれぞれの条件で、それぞれの軽量化材であるパーライト、シラスおよび粉末アルミニウムの添加量を変化させた場合のペレットの密度の変化を調べたものである。図5の結果から軽量化材は10重量部以上の場合に、水に浮遊することがわかった。
【0053】
(実施例6)
実施例1と同じ工程により、製作したペレットを、硬化させる場合に、加熱して養生した場合、および蒸気中で加熱して養生した場合のそれぞれについて、硬化の進行を調べた。その結果を表6に示す。表6の結果から、加熱して養生した場合、および蒸気中で加熱して養生した場合には、これらの措置をしない場合に比べて硬化が速くなり、製造時間の短縮が得られることがわかった。
【0054】
【表6】
Figure 0003619661
(実施例7)
実施例1と同じ工程によって無機質材料を主原料とするペレットを製作する際に、撥水剤の添加の効果を調べた。結果を表7に示す。表7の結果から撥水剤を添加することにより、比較的少量の軽量化材の添加で水に浮くペレットを製造できることがわかった。
【0055】
【表7】
Figure 0003619661
【0056】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明の無機質材料を主原料とする藻類培養媒体は、海面などの水面に浮遊させることにより藻類を増殖・繁殖させることができる。例えば石炭灰や焼却灰などの廃棄物を主原料として有効利用して用いることができ、大気中の炭酸ガスを吸収し、かつ水域を汚染させることなく藻類の増殖を行うことができる。
【0057】
なお、このようにして増殖された藻類は、アルコールの原料として用いることができ、さらに藻類から作られたアルコールは燃料電池に用いることができることにより、再生産の可能なクリーンなエネルギーの運び手として利用できるものとして期待される。従って本発明は今後の人類が当面する環境とエネルギーの問題の解決に役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態における藻類培養媒体の製造工程を示す工程図。
【図2】一実施形態における藻類培養媒体の製造工程を示す工程図。
【図3】一実施形態における硬化剤の添加量と藻類培養媒体の強度との関係を示す図。
【図4】一実施形態における養分供給剤の添加量と藻類の成長速度との関係を示す図。
【図5】一実施形態における軽量化材添加量と藻類培養媒体の密度との関係を示す図。

Claims (13)

  1. 無機質材料と硬化材と藻類培養養分と軽量化材とを含有し、密度がlg/cm以下の成型体にされてなる藻類培養媒体。
  2. 無機質材料に硬化材と藻類培養養分と軽量化材とを含有し、密度が1g/cm以下の成型体に藻類を付着されてなることを特徴とする藻類培養媒体。
  3. 無機質材料は石炭灰または焼却灰から選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の藻類培養媒体。
  4. 硬化材はセメントまたは水ガラスから選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の藻類培養媒体。
  5. 藻類培養養分はリン分または鉄分から選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の藻類培養媒体。
  6. 硬化剤が構成成分として藻類培養養分を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の藻類培養媒体。
  7. 軽量化材は粉末アルミニウム、パーライト、シラス、シラスバルーン、または粒状軽石から選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の藻類培養媒体。
  8. 硬化材、藻類培養養分および軽量化材の添加量は、無機質材料100重量部に対して、硬化材を少なくと5重量部以上、藻類培養養分は20重量部以下、軽量化材は少なくとも10重量部以上含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の藻類培養媒体。
  9. 撥水剤を含有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の藻類培養媒体。
  10. 無機質材料に硬化材と藻類培養養分と軽量化材を添加し混合して混合体とする混合工程と、前記混合体を密度が1g/cm以下の成型体に成型する成型工程とを有することを特徴とする藻類培養媒体の製造方法。
  11. 前記藻類培養養分は、鉄分にアルカリリン酸化合物またはアルミニウムリン酸化合物の少なくとも一種を混合して硬化させる藻類培養養分製造工程により製造されることを特徴とする請求項10記載の藻類培養媒体の製造方法。
  12. 前記混合体を100℃以上で加熱する工程を有することを特徴とする請求項10記載の藻類培養媒体の製造方法。
  13. 前記成型体を硬化した後に、含有アルカリ成分を低減させる工程を有することを特徴とする請求項10ないし請求項12のうち、いずれか1項記載の藻類培養媒体の製造方法。
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