JP4823443B2 - 埋め込み型人工膵臓装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は埋め込み型人工膵臓装置に関し、更に詳しくは、体外で測定された血糖値を経皮伝送することにより、体内で血糖値に対応する量のインスリンを放出することのできる埋め込み型人工膵臓装置、及び体外で測定された血糖値を経皮伝送することにより体内で血糖値に対応する量のインスリンを放出することができることを常態とし、緊急事態においては緊急事態発生の警告を発することができるとともに緊急事態に対応したインスリン投与を可能にする体内埋め込み型人工膵臓装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
糖尿病の従来からある伝統的な治療法として、日に4〜6回程度の採血を行って血中の血糖値を測定し、その血糖値に応じた量のインスリンを日に2〜4回程度の割合で患者が自分で注射する治療法がある。この治療法は、患者が自分で注射すると言う治療操作を行うのであるから、簡便な治療法であると言えば言えるのであるが、患者自身で血糖値を測定し、患者自身が自らに注射をしなければならないという煩雑性があること、注射をするときの痛みを忌避することにより適切な時期に適切なインスリン投与をしないことがあること、予め定められた時刻に予め定められた量のインスリンを注射するために適時のインスリン投与と言う補償がなく、また血糖値を測定してからインスリンを注射により投与するまでの時間的遅れがあって適時のインスリン投与の保障がないこと、測定した血糖値に応じた適切な量のインスリンの投与が保障されないこと、と言った問題点がある。
【0003】
これらの問題点を幾分でも解消する治療法として、ベッドサイド型人工膵臓装置を利用するというのがある。
【0004】
このベッドサイド型人工膵臓装置においては、ベッドに横臥する患者の血糖値を常時監視することができ、しかも血糖値に応じた量のインスリンを患者に自動的に投与することができるという利点がある。
【0005】
しかしながら、ベッドサイド型人工膵臓装置は、今までのところ、大型であるから、その使用場所が限られると言う問題がある。この問題は、患者の生活を著しく制限する。つまり、そのベッドサイド型人工膵臓装置が設置してある病院等で治療を受けなければならないと言う不利不便が患者にある。また、このベッドサイド型人工膵臓装置は、患者の血糖値を測定するのに患者から1日当たり約50mLもの血液を採取しなければならないので、採血される患者の体力的負担が極めて大きいと言う問題がある。また、このベッドサイド型人工膵臓装置においては、常時に患者の身体に採血の為のチューブ及びインスリン投与の為のチューブを結合しなければならず、患者に対する侵襲性が大きくて、この点においても患者の体力的負担が大きいと言う問題がある。しかも、なによりも、採血部位及びインスリン投与部位での感染を生じると言う大きな問題、及び患者を治療現場に拘束してしまって日常生活を営むことができないという大きな問題がある。
【0006】
このような問題を更に解決しようとの試みで携帯型人工膵臓が提案されている。この携帯型人工膵臓装置は、患者の血管にインスリン投与の留置針を刺しておき、この留置針を通じて体外の小型機器からインスリンを体内に自動注入する装置である。この携帯型人工膵臓装置においては、予め定められた量のインスリンを患者に投与することができるように仕組まれたアルゴリズムを有するマイコンチップが搭載されている。
【0007】
この携帯型人工膵臓装置は、患者に自動的にインスリンが投与されるから、患者が自らインスリン投与の操作をしなくて済むという利点があり、また注射によりインスリンを投与するときのような注射のし忘れがなく、その意味では確実にインスリンを患者に投与することができるという利点もある。また、常に留置針が患者の例えば腕に刺さっているので、一々注射をすることによりインスリンを投与するときの注射時の痛みを恐れる必要が患者になくなったという利点もある。この携帯型人工膵臓装置は小型で常時携帯されているので、患者の日常生活行動を大幅に制限することがないという何よりも大きな利点がある。
【0008】
しかしながら、小型であるとはいっても150〜300gの携帯型人工膵臓装置を常時携帯することの煩わしさは否めない。さらに、患者の日常生活行動によって留置針が患者から外れてしまうと言う問題がある。さらに留置針を体表面に固定するテープにおける粘着剤が患者にかゆみを覚えさせ、不快であるという問題がある。また、留置針の穿刺部位における感染の問題もある。決定的な問題点は、この携帯型人工膵臓装置においては、血糖値測定手段を持たないか、あっても注入手段として連動していないので患者における刻々の血糖値の変化に追随して適切な量のインスリンを患者に投与するシステムではなく、患者の血糖値を適切にコントロールすることができないということである。
【0009】
携帯型人工膵臓装置における携帯により生じる諸々の問題点を解消するために、埋め込み型人工膵臓装置が提案されている。この実施されている埋め込み型人工膵臓装置は、患者の体内に埋め込まれる体内ユニットと体外ユニットとからなり、携帯型人工膵臓装置と同様に、患者の日常生活に大きな支障を来すことがないという利点があり、携帯型人工膵臓装置におけるように留置針の穿刺部位での感染の恐れがないとの優れた点もある。
【0010】
しかしながら、この埋め込み型人工膵臓装置は、予め定められた量のインスリンを投与する構成を有するので、患者における血糖値の変動に応じた適切な量のインスリンを患者に投与することができず、したがって、血糖値制御精度が低いと言う問題点がある。
【0011】
さらに、体内に埋め込まれた体内ユニットは、当然のことながら、外部から目視することができないので、その駆動状態を認識することができず、例えば体内ユニットの動作不良が生じても適切な対応をとることができないと言う大きな問題点もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、患者の血糖値の経時変化に追随して必要な量のインスリンを患者の体内で自動的に投与することができ、したがって、血糖値制御精度が高く、しかも体外からインスリンを投与することの不便さを解消し、しかも、患者の日常生活行動が治療現場等に拘束されることがない携帯可能な埋め込み型人工膵臓装置を提供することを目的とする。
【0013】
この発明の他の目的は、患者の血糖値の経時変化に追随して必要な量のインスリンを患者の体内で自動的に投与することができ、装置における異常を監視することができ、患者の日常生活行動範囲を治療現場等に限定しない携帯可能な埋め込み型人工膵臓装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためのこの発明の手段は、
(A)血糖値を実質的に連続して測定する血糖値測定手段と血糖値測定手段で測定された血糖値を経皮伝送する体外側通信手段とを有する携帯可能な体外ユニット、及び
(B)前記体外側通信手段から送信された血糖値のデータを受信する体内側通信手段(b1)と、この体内側通信手段から出力される血糖値に基づいてインスリン量を決定する体内側制御手段(b2)と、インスリンを貯蔵するインスリンリザーバ(b3)と、この体内側制御手段で決定されたインスリン量でインスリンリザーバ内のインスリンを体内組織に送出するインスリン送出手段(b4)と、このインスリン送出手段及び前記体内側制御手段を駆動するための電力を供給する充電可能な電源手段(b5)とを内蔵する体内ユニット、を備えて成り、前記体内側制御手段は、前記インスリン送出手段におけるインスリンの送出量を、前記体外側通信手段を介して経皮伝送された血糖値のデータに基づいて決定し、決定された送出量となるように前記インスリン送出手段を制御し、体内側通信手段が血糖値のデータを実質的に継続して受信しないときには予め定められた送出量でインスリンが送出されるように前記インスリン送出手段を制御することを特徴とする埋め込み型人工膵臓装置であり、
前記埋め込み型人工膵臓装置の好適な態様では、
前記体外ユニットはインスリンの手動入力を指示する入力手段を備え、
前記体内側制御手段は、前記インスリン送出手段におけるインスリンの送出量を、前記体外側通信手段を介して経皮伝送された血糖値のデータに基づいて決定し、決定された送出量となるように前記インスリン送出手段を制御し、体内側通信手段が血糖値のデータを実質的に継続して受信しないときには、前記入力手段からの入力信号を体外側通信手段、及び体内側通信手段を介して入力し、予め決定された量のインスリンを所定回数だけ送出するように前記インスリン送出手段を制御するように構成され、
前記埋め込み型人工膵臓装置の好適な態様では、
前記体外ユニットが、
血糖値を実質的に連続して測定する血糖値測定手段と、その血糖値測定手段で測定された血糖値のデータを送信する送信手段とを有する体外第1ユニット、及び、
前記送信手段から送信された血糖値のデータを受信する受信手段と、受信手段から出力される血糖値のデータを前記体内側通信手段に経皮伝送する体外側通信手段と、前記送信手段から送信される血糖値が閾値以下か否かを判断する判断手段と、前記血糖値が閾値以下であると前記判断手段が判断すると、低血糖値であると警告する出力手段とを有し、前記体外第1ユニットとは別体に形成されて成る体外第2ユニットを備えて成り、
前記埋め込み型人工膵臓装置の好適な態様では、
前記体外ユニットが、
血糖値を実質的に連続して測定する血糖値測定手段と、その血糖値測定手段で測定された血糖値のデータを送信する送信手段とを有する体外第1ユニット、及び、
前記送信手段から送信された血糖値のデータを受信する受信手段と、受信手段から出力される血糖値のデータを前記体内側通信手段に経皮伝送する体外側通信手段と、前記受信手段における受信状態を判断する判断手段と、受信不良であると前記判断手段が判断すると、データの受信状態が不良であると警告する出力手段とを有し、前記体外第1ユニットとは別体に形成されて成る体外第2ユニットを備えて成り、
前記埋め込み型人工膵臓装置の好適な態様では、
前記体外ユニットが、
血糖値を実質的に連続して測定する血糖値測定手段と、その血糖値測定手段で測定された血糖値のデータを送信する送信手段とを有する体外第1ユニット、及び
前記送信手段から送信された血糖値のデータを受信する受信手段と、受信手段から出力される血糖値のデータを前記体内側通信手段に経皮伝送する体外側通信手段と、受信手段から出力される血糖値の経時的変動が異常か否かを判断する判断手段と、この判断手段が血糖値の経時的変動が異常であると判断すると、血糖値変動異常であると警告する出力手段とを有し、前記体外第1ユニットとは別体に形成されて成る体外第2ユニットを備えて成り、
前記埋め込み型人工膵臓装置の好適な態様では、
前記インスリンリザーバは、インスリンリザーバ内のインスリン量を検出するインスリン液量検出手段を備え、
前記体外ユニットが、
血糖値を実質的に連続して測定する血糖値測定手段と、その血糖値測定手段で測定された血糖値のデータを送信する送信手段とを有する体外第1ユニット、及び、
前記送信手段から送信された血糖値のデータを受信する受信手段と、受信手段から出力される血糖値のデータを前記体内側通信手段に経皮伝送し、また前記インスリン液量検出手段により検出されたインスリン量を体内側通信手段を介して受信する体外側通信手段と、受信したインスリン量と閾値とを比較判断する判断手段と、前記判断手段においてインスリン量が閾値よりも少ないと判断すると、インスリン残量不足と警告する出力手段とを有し、前記体外第1ユニットとは別体に形成されて成る体外第2ユニットを備えて成り、
前記埋め込み型人工膵臓装置の好適な態様では、
前記体内側制御手段は、電源手段における電力量を前記体外側通信手段を介して送信し、
前記体外ユニットが、
血糖値を実質的に連続して測定する血糖値測定手段と、その血糖値測定手段で測定された血糖値のデータを送信する送信手段とを有する体外第1ユニット、及び、
前記送信手段から送信された血糖値のデータを受信する受信手段と、受信手段から出力される血糖値のデータを前記体内側通信手段に経皮伝送し、前記体内側制御手段から体内側通信手段を介して体外側通信手段に受信された前記電源手段における電力量と閾値とを比較判断する判断手段と、前記判断手段において電力量が閾値以下であると判断すると、電力量不足を警告する出力手段とを有し、前記体外第1ユニットとは別体に形成されて成る体外第2ユニットを備えて成り、
前記埋め込み型人工膵臓装置の好適な態様では、
前記体内ユニットは、マイクロポンプ及びこのマイクロポンプの駆動状態を監視するポンプ監視手段を備えたインスリン送出手段を内蔵して成り、
前記体外ユニットが、
血糖値を実質的に連続して測定する血糖値測定手段と、その血糖値測定手段で測定された血糖値のデータを送信する送信手段とを有する体外第1ユニット、及び、
前記送信手段から送信された血糖値のデータを受信する受信手段と、受信手段から出力される血糖値のデータを前記体内側通信手段に経皮伝送し、前記ポンプ監視手段から出力される監視信号を、前記体内側通信手段を介して入力する体外側通信手段と、前記体外側通信手段から出力される監視信号に基づいてポンプの駆動状態を判断する判断手段と、前記判断手段においてインスリンの送出状態が異常であると判断すると、インスリンの送出状態異常を警告する出力手段とを有し、前記体外第1ユニットとは別体に形成されて成る体外第2ユニットを備えて成り、
前記埋め込み型人工膵臓装置の好適な態様では、
前記体外ユニットが、
血糖値を実質的に連続して測定する血糖値測定手段と、その血糖値測定手段で測定された血糖値のデータを送信する送信手段とを有する体外第1ユニット、及び、
前記送信手段から送信された血糖値のデータを受信する受信手段と、受信手段から出力される血糖値のデータを前記体内側通信手段に経皮伝送する体外側通信手段と、前記体外側通信手段と前記体内側通信手段との間の通信状態を判断する判断手段と、前記判断手段において通信異常と判断すると、通信異常であると警告する出力手段とを有し、前記体外第1ユニットとは別体に形成されて成る体外第2ユニットを備えて成り、
前記埋め込み型人工膵臓装置の好適な態様では、
前記電源手段は、無侵襲に経皮的に体外から充電可能な電源手段であり、
前記埋め込み型人工膵臓装置の好適な態様では、
前記インスリンリザーバは、インスリンリザーバ内にインスリンを補充することのできるインスリン補充部材を有して成る埋め込み型人工膵臓装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明に係る埋め込み型人工膵臓装置の一例は、基本的には、体外ユニットと体内ユニットとから構成される。体外ユニットは、患者の血糖値を実質的に連続して測定し、その測定データを、この体外ユニットとは完全に分離し、しかも体内に埋め込まれている体内ユニットに伝送する機能を有する。他方、体内ユニットは、体外ユニットから伝送されたところの、患者の血糖値に基づいて必要なインスリン量を演算により自動的に決定し、決定された量のインスリンを体内組織に放出することができるように機能する。この埋め込み型人工膵臓装置を採用すると、患者の血糖値に応じた量のインスリンを適切に患者に投与することができる。このように、この発明に係る埋め込み型人工膵臓装置は、クローズドループアルゴリズムにより、患者の血糖値に応じて必要な量のインスリンを継続的に患者に投与することができる。このクローズドループアルゴリズムは、『「携帯型人工膵臓の長期臨床応用の試み−超速効型インスリンアナログを用いたclosed-loopインスリン皮下注入アルゴリズムの開発−」下田誠也、西田健朗、榊田典治、今野由美、一ノ瀬賢司、上村毅郎、上原昌哉、七里元亮、人工臓器Vol.26,No.3,739-743(1997)』及び『「インスリン皮下注入アルゴリズムを適用した携帯型人工膵臓の長期応用時の検討」下田誠也、西田健朗、榊田典治、一ノ瀬賢司、今野由美、T.Nowak、七里元亮、医用電子と生体工学、Vol.36特別号(1998/5月)』に記載されたクローズドループアルゴリズムを基礎にして構成されることができる。
【0016】
また、この発明において、より一層機能の進化した埋め込み型人工膵臓装置の一態様においては、患者の血糖値を実質的に連続して測定し、その測定データを、この体外ユニットとは完全に分離し、患者の体内に埋め込まれている体内ユニットに伝送する機能を有する体外ユニットと、体外ユニットから伝送されたところの、患者の血糖値に基づいて必要なインスリン量を演算により自動的に決定し、決定された量のインスリンを体内組織に放出することができるように機能する一方、体外ユニットから伝送されるべき血糖値のデータが所定時間伝送されないときには、緊急避難的動作ないし操作として予め定められた一定量のインスリンを患者の体内に放出することができるように機能する。この場合、体内ユニットにおいては、前記クローズドループアルゴリズムに加えてオープンループアルゴリズムを内蔵し、前記クローズドループアルゴリズムに加えて、インスリンをワンショットで投与するワンショット投与アルゴリズムを内蔵し、又は前記クローズドループアルゴリズムに加えて、オープンループアルゴリズムとワンショット投与アルゴリズムとを組み合わせたアルゴリズムを内蔵する。
【0017】
ここで、クローズドループアルゴリズムとは、生体の血糖値を測定し、その血糖値に応じたインスリン投与量を決定し、その投与量でインスリンを注入し、インスリン投与により生体の血糖値が変化するとその変化した血糖値を測定し、その血糖値に応じたインスリン投与量を再び決定し、その投与量で再びインスリンを注入すると言うサイクルで生体中の血糖値を制御する制御システムを言う。一方、オープンループアルゴリズムは、生体における血糖値に拘わりなく予め決められたタイミングで予め決められた量のインスリンを生体に投与する血糖値の制御システムである。また、「ワンショットで投与するアルゴリズム」は、任意の時点でインスリン投与の指令があるとその時点で所定量のインスリンを1回ないし複数回生体に投与する血糖値の制御システムである。
【0018】
上述のように、体内ユニットにおいて、クローズドループアルゴリズムに加えてオープンループアルゴリズム及び/又はワンショット投与アルゴリズムが内蔵されているので、この態様における埋め込み型人工膵臓装置によると、体外ユニットが適切に機能しないとき、及び体外ユニットを利用して患者が自らの血糖値を測定するのを忘れたとき等の、インスリンの投与がなされないことによるショック症状の発生を防止することができる。この態様の埋め込み型人工膵臓装置は、インスリンの安定的投与を目的とする人工膵臓装置として好適である。
【0019】
この発明の好適な態様である埋め込み型人工膵臓装置においては、体内ユニット内に装填された電源手段における残存電力量が監視されていて、残存電力量が不足するときには、体外から無侵襲で経皮的に体内ユニット内に装填された電源手段に充電を行うことができる。したがって、電源切れによって体内ユニット内の電源を交換するために、体内に埋め込んだ体内ユニットを頻繁に手術により取り出し、また体内に埋め込むと言った患者にダメージを与えるようなことが、この埋め込み型人工膵臓装置にははない。この態様の埋め込み型人工膵臓装置は、充電を繰り返すことにより半永久的な装置可動を目的とする埋め込み型人工膵臓装置を目的とするのに好適である。
【0020】
この発明に好適な態様である埋め込み型人工膵臓装置においては、体内ユニット内に装填されたインスリンリザーバに、インスリン補充部材を通じて体外からインスリンを補充することができる。このインスリン補充部材は、通常、パイプの一端をインスリンリザーバに結合し、そのパイプの他端部は注射器を穿刺可能な端栓を有して成り、皮下近くに配置された端栓に皮膚を通じて注射器を穿刺し、その注射器からインスリンリザーバ内に補充インスリンを注入することができるように成っている。この態様の埋め込み型人工膵臓装置は、インスリンの補給が可能である限り極めて長期間にわたるインスリン投与を目的とする装置として、好適である。また、前述したところの「無侵襲に経皮的に体外から充電可能である電源手段」と「インスリンリザーバにインスリンを補給するインスリン補充部材」とを備えることにより、埋め込み型人工膵臓装置を体内から取り出さなくても、極めて長期間にわたってインスリン投与を行うことのできる埋め込み型人工膵臓装置が提供される。
【0021】
この発明の他の好適な態様においては、患者の血糖値を実質的に継続して測定し、その測定値を送信する機能を有するところの、携帯可能に形成された体外第1ユニットと、この体外第1ユニットにおける血糖値測定手段における測定状態、体内ユニットにおけるインスリンリザーバにおけるインスリンの残量、電源手段における残存電力量、インスリンの体内組織への吐出状態、体外ユニットと体内ユニットとの通信状態等のいずれか少なくとも一つ又は全部につき、この埋め込み型人工膵臓装置の運転状態を監視し、異常状態になったときには警告を表示する機能を有するところの、携帯可能に形成された体外第2ユニットとに、体外ユニットを機能分化する。このように機能分化した埋め込み型人工膵臓装置であると、装置の運転状態が異常になったときには直ちにその異常に気づくことができ、その異常への対処を適切に行うことができる。したがって、前記各種の警告を表示する機能を有する埋め込み型人工膵臓装置は、運転状態の異常を早期に発見することにより正常運転の実現を容易に行おうとすること、又は患者における早期の対処を可能にすることを目的とする場合に、好適である。
【0022】
更に言うと、上記のような警告機能は埋め込み型人工膵臓装置における安全装置としての機能を果たす。埋め込み型人工膵臓装置においては、装置の運転異常等が発生してはならないのであるが、万一運転異常が発生した場合に、その異常の原因が体外ユニットにあるときには、体外ユニットの修理・交換を適切且つ迅速に行うことができて、運転異常の原因が分からずに徒に時間が経過してしまう等の不都合により患者に重篤なダメージを与えることを未然に防止することができる。またもし、運転異常の原因が体内ユニット側にあるのなら、体内ユニットの交換を迅速に実施することができ、この意味においても重大で深刻な影響を患者に与えないで済ませることができる。
【0023】
次に、この発明に係る埋め込み型人工膵臓装置の一例について、説明する。
【0024】
図1に示されるように、この発明の一例である埋め込み型人工膵臓装置1は、携帯可能に形成された体外ユニット2と、体内ユニット3とを備えてなる。
【0025】
図1及び図2に示されるように、体外ユニット2は、患者の血糖値を実質的に連続して測定し、測定結果である血糖値データを送信する体外第1ユニット4と、この体外第1ユニット4から送信された血糖値のデータ(以下において、血糖値のデータを血糖値データと称することがある。)を前記体内ユニット3に経皮伝送する体外第2ユニット5とを有する。
【0026】
図2に示されるように、体外第1ユニット4は、血糖値を測定する血糖値測定手段6と、その血糖値測定手段6で測定された血糖値のデータ即ち血糖値データを送信する送信回路7とを備える。この血糖値測定手段6は、患者の血液における血糖値を測定することのできる手段であり、ミクロ透析/グルコースセンサー方式の測定装置、及び光学式の測定装置等がある。
【0027】
前記ミクロ透析/グルコースセンサー方式を採用する血糖値測定装置は、患者の皮下に穿刺する透析プローブと、透析プローブに生理食塩水を注入する微量注入ポンプと、この微量注入ポンプで前記透析プローブに生理食塩水を送液し、灌流した生理食塩水を廃液バッグに送液する送液ラインと、その送液ライン中に設けられたグルコースセンサと、このグルコースセンサから出力されるデータに基づいて血糖値を算出し、算出された血糖値データを前記送信回路7に出力する血糖値演算回路とを有する。
【0028】
光学式の血糖値測定装置は、例えば近赤外線発光素子及び近赤外線発光素子から発生した近赤外線ビームの透過光又は反射光を光電変換する受光素子から成る光学系と、受光素子から出力される信号に基づいて患者の血液中の血糖値を算出する血糖値演算回路とを有する。
【0029】
前記光学式の血糖値測定装置は患者に対して無侵襲で患者の血糖値を測定することができるので、この光学式の血糖値測定装置が前記ミクロ透析/グルコースセンサー方式の測定装置よりも、好ましい。
【0030】
いずれの血糖値測定手段6を採用するにしても、血糖値測定手段6から患者の血糖値データが実質的に連続して送信回路7に出力される。この場合、「血糖値データが実質的に連続して出力される」とは、連続して血糖値データが出力されることの他に、短時間のインターバル例えば1秒乃至数秒間隔で血糖値データが出力されることをも意味する。連続して血糖値データが出力される場合のその血糖値データはアナログデータであり、間欠的に出力される血糖値データはデジタルデータである。アナログデータの場合には、連続した血糖値データが出力されるが、デジタルデータは厳密には間欠的なデータである。しかしながら、ここでは、デジタルデータであっても短時間のインターバルで出力されるから実質的に連続したデータであると言える。このようにデジタルデータの場合に短いインターバルで出力してもそれを実質的に連続したデータであるとするのは、血糖値は数秒で急激に変化することはないので、長くても数秒の間隔で血糖値を測定することができるのであれば、医療上、連続的なデータとしても差し支えないからである。
【0031】
送信回路7は、入力する血糖値データをデジタルデータ又はアナログデータとして、体外第2ユニット5に出力する。
【0032】
図2に示されるように、体外第2ユニット5は、送信回路7から出力される血糖値データを受信する受信回路8と、受信回路8で受信した血糖値データを、データバス9を介して体内ユニット3に伝送し、体内ユニット3とデータの送受をする体外側通信手段10と、前記データバス9から各種のデータを取り込んでこの埋め込み型人工膵臓装置1における状態を判断する判断手段11と、種々のデータを格納する記憶手段12と、警告部13と、操作部14と、表示部15と、各手段および各部の制御を行う体外側制御手段11Aとを有する。なお、この実施例では、警告部13と表示部15とが、埋め込み型人工膵臓装置1における出力手段である。
【0033】
警告部13は、聴覚的に警告を発するブザー、合成音声を出力する手段であっても良く、視覚的手段例えば点滅する非常灯、警告文、警告メッセージ等を出力する手段であっても良く、また、体体ユニットの一部又は全部を振動させて体外ユニットを保持する人の触覚に訴える手段であっても良い。表示部15は、例えば液晶表示装置であり、この埋め込み型人工膵臓装置1に関する各種の情報を表示することができるようになっている。なお、この表示部で警告文、警告メッセージ等を表示するのであれば、この表示部は警告部を兼ねていることになる。
【0034】
判断手段11は、
(1)患者の血糖値が異常に低い低血糖値であるか否かの判断、
(2)血糖値測定手段6の動作が異常か否かの判断、
(3)患者の血糖値の変動が異常か否かの判断、
(4)後述するインスリンリザーバ内のインスリン量が所定の閾値以下か否かの判断、
(5)後述する電源手段における電力量が所定の閾値以下であるか否かの判断、
(6)体内組織へのインスリンの送出状態が異常か否かの判断、及び、
(7)体外側通信手段と体内側通信手段との間の通信状態が異常か否かの判断等の、各種の判断の少なくとも一つの判断ないし全部の判断を実行する。
【0035】
この判断手段11には、判断を行う手順を実行するプログラムが格納される。
【0036】
記憶手段12は、各種のデータを取り込んで格納するメモリである。
【0037】
前記各種の手段および部位は体外側制御手段11Aにより制御される。
【0038】
体外側通信手段10は、前記送信回路7から出力された血糖値データを体内ユニット3に経皮伝送可能に構成される。経皮伝送とは生体組織を透過して、かつ生体組織に対して無侵襲に伝送することを意味する。したがって、この発明における埋め込み型人工膵臓装置1では、体外ユニット2と体内ユニット3とが完全に分離していることになる。
【0039】
この体外側通信手段10と後述する体内側通信手段16とでやり取りされるデータは、この埋め込み型人工膵臓装置の動作を実行するに必要な各種のデータであり、光通信、無線通信のいずれにおいても送受信可能である。体外側通信手段10から送信される信号としては、血糖値測定手段で測定されたアナログ又はデジタルの血糖値測定データ、体内ユニットの動作開始を指令する始動指令データ、ワンショットでインスリンの注入を行う動作をさせるワンショット注入動作指令データ、オープンループアルゴリズムとクローズドループアルゴリズムとを意図的に切り替える切り替え指令データ、医師の指示により体内ユニットに内蔵されている注入アルゴリズムを変更する際に、送信されている新しい注入アルゴリズムデータ等の装置運転に必要なデータがある。
【0040】
なお、体外側通信手段10と体内側通信手段16との間でのデータ通信が、この埋め込み型人工膵臓装置1の周囲に存在する他の電子機器、他の通信機器等を混信させることを回避するために、前記データ通信におけるデータ又は指令信号等が暗号化されていることが好ましい。
【0041】
図1に示されるように、体内ユニット3は、筐体17と、この筐体17内に収容されたところの、体内側通信手段16(図4参照)、インスリンリザーバ18、インスリン送出手段19、電源手段20、及び体内側制御手段42とを有する。
【0042】
前記筐体17は、生体適合性を有すると共に前記各パーツを収容することが可能な程度に十分な大きさを有する。この筐体17が生体適合性を有するために、筐体17の形状を、外に向かって凸となる曲面となるように、しかし鋭利な突起を生じないように形成し、筐体17の素材を、免疫拒否反応等を起こさないような素材から選択される。
【0043】
この筐体17の一例として、平面図形が円形であり、かつ側面図形が楕円形であり、全体として湾曲してなる形状の筐体を挙げることができる。筐体17の一部又は全部に平面部分を有していると、この体内ユニット3を患者の体内に埋め込んだときに、生体組織と平面部分との間に間隙を生じてしまい、この間隙に腹水等の体液が貯まって患者の健康を阻害する恐れを生じる。したがって、筐体17はできるだけ平面部分のないように、しかも内部に効率良く各パーツが実装されるように、その形状が設計される。
【0044】
筐体の大きさとしては、体内にこの筐体を収容するのであるから生体組織に対する異物感を払拭すると言う観点からできるだけ小さくすることが望まれる一方、一定量のインスリンを内蔵する必要から無闇に小さくすることもできない。そこで、筐体の大きさとして、筐体の平面形状が円形であるときにはその直径は10cmを超えないようにし、筐体の側面の厚みが2.5cmを超えないようにするのが、良い。
【0045】
この筐体17としては、例えばポリエステル、オルガノポリシロキサン等の生体適合性ポリマー、及びチタン等の生体適合性のある金属で形成しても良く、また、金属で形成したケースの生体側表面に前記ポリエステル、オルガノポリシロキサン等の生体適合性ポリマーをコーティングしても良い。この筐体17の生体適合性を高める為に、筐体17の生体側の表面を研磨するのも、良い。また、この筐体17は、内部に体液が侵入し、或いは筐体17内の異物が体内に漏出するのを防止することができるように、密閉液密型とするのが良い。
【0046】
前記体内側通信手段16は、体外第2ユニット5から経皮伝送されるデータを受信し、また、体内ユニット3における各種のデータを体外第2ユニット5に経皮伝送するように形成される。体内側通信手段16は、皮下にある送受信部21と、この送受信部21とデータバス9との間でデータのやり取りをするために、筐体17から引き出された送受信線22とを備える。なお、この実施の態様においては、体内側通信手段16が送信するデータとしては、体内ユニットの動作状態を示すデータ、インスリンを投与する動作モードを示すデータ、インスリン残量、マイクロポンプにおける流量等の、体内ユニットにおける各部の状態を示すデータ等がある。
【0047】
前記インスリンリザーバ18は、インスリンを収容することができ、インスリンを変質させる等の悪影響を与えず、インスリンへの不要成分の溶出のない素材で形成され、また、インスリンの投与によりインスリン量の減少と共にインスリンを収容する内部空間が減少するように形成される。このインスリンリザーバ18が、インスリンを収容する内部空間が減少するように、例えば自己収縮性の素材で形成され、又は自己収縮性の構造例えばベローズ構造を有していると、内部が負圧に成らずに円滑にインスリンをインスリンリザーバ18の外に導出することができる。
【0048】
インスリンの体内組織への投与量はμL/分のオーダであること、頻繁にインスリンの補充をしなくても済むようにできるだけ長期間にわたってインスリンを投与することができるような量でインスリンを貯蔵できること、及び体内ユニットを大型にしないことといった観点から、インスリンリザーバの内容積としては通常10mL前後である。
【0049】
また、このインスリンリザーバ18は、内部に収容するインスリンの液量を検出するインスリン液量検出手段を備える。
【0050】
図4に示されるように、このインスリン液量検出手段は、例えば、インスリンリザーバ18内に設けられたインスリン液量検出センサ23と、このインスリン液量検出センサ23から出力される検知信号を入力してインスリン液量を示すデータを出力するインスリン液量検出回路24とを有する。
【0051】
このインスリン液量検出手段で検出されたインスリン液量は、前記体内側通信手段16を介して前記体外側通信手段10に送信される。
【0052】
図1に示されるように、このインスリンリザーバ18は、更にインスリン補充部材25を有する。このインスリン補充部材25は、インスリンを流通させることができ、その一端が前記インスリンリザーバ18に結合された管路26と、その管路26の他端に装填され、注射針の穿刺可能な端栓27とを有する。この管路26は前記筐体17から引き出されており、この筐体17を体内に埋め込んだときに前記端栓27が皮下に位置するように配置される。
【0053】
図1及び図4に示されるように、インスリン送出手段19は、マイクロポンプ28と、このマイクロポンプ28を駆動するポンプ駆動回路29と、前記インスリンリザーバ18からマイクロポンプ28の吸引側に結合された導入管30と、マイクロポンプ28の吐出側に結合され、筐体17から外に出、インスリンを投与する部位、例えば門脈及び腹腔等にまで先端が延在する導出管31とを有する。この導出管31は、例えば、生体適合性に優れたシリコンなどで形成される。
【0054】
図3に示されるように、前記マイクロポンプ28は、ダイヤフラム32を有する可変圧力室33と、前記ポンプ駆動回路29から出力される駆動信号に従ってダイヤフラム32を駆動するアクチュエータ34と、この可変圧力室33の壁に設けられた貫通孔35に設けられた導入側逆止弁36及び導出側逆止弁37とを備えてなる。このマイクロポンプ28は、ポンプ駆動回路29から出力される駆動信号により制御される前記アクチュエータ34によりダイヤフラム32が往復動し、ダイヤフラム32の往復動により可変圧力室33内の容積が可変し、これにより導入側逆止弁36及び導出側逆止弁37と相俟って可変圧力室33内におけるインスリンの吸引吐出動作が実現する。前記アクチュエータ34は、発生力、変位及び応答特性等の特性により選択されるが、通常、ピエゾ型、静電型、熱膨張型等のアクチュエータが適宜に採用される。このマイクロポンプ28は、図3に示される構造に限らず、インスリンを精度良く吸引吐出することができる限り様々の構造を取り得る。
【0055】
また、インスリン送出手段19は、前記マイクロポンプ28の駆動状態を監視するポンプ監視手段を有する。
【0056】
前記ポンプ監視手段は、ポンプの駆動状態を検出することができるように形成され、例えば、マイクロポンプ28内の圧力及び流量(流速)を検知する手段を有する。このポンプ監視手段は、ポンプの駆動状態を検出した信号を、体内側通信手段16を介して体外側通信手段10に出力する。
【0057】
このポンプ監視手段は、マイクロポンプにおけるインスリンの吸引吐出状態を検知することができるように構成され、通常は、マイクロポンプにより吸引吐出されるインスリンの圧力及び流量(又は流速)を検知するセンサーを有して形成される。マイクロポンプ内のインスリンの圧力を検知するために、圧力センサーが採用される。マイクロポンプ内のインスリンの流量を検知するためには、例えば、管路の途中に設けられた絞りを通ってインスリンが流通するとその絞り前後で生じる圧力差を検知し、その圧力差と絞り面積とからインスリンの流量を測定検知する面積流量計、超音波を照射することによりインスリンの流量を測定検知する超音波流量計、マイクロポンプ内の一定容積である可変圧力室内におけるインスリンの流入流出を繰り返し、その流入流出の回数を測定してインスリンの流量を測定検知する容積流量計等を採用することができる。
【0058】
具体的には、図3に示されるように、マイクロポンプ28におけるインスリン導入管50に入口側圧力センサー51及び入口側流量検出手段52を装着し、マイクロポンプ28におけるインスリン導出管31に出口側圧力センサー53及び出口側流量検出手段54を装着する。
【0059】
入口側圧力センサー51及び出口側圧力センサー53により検知されるマイクロポンプ28における吐出圧Aと入口側流量検出手段52及び出口側流量検出手段54により検知されるマイクロポンプ28におけるインスリン流量Bとの関係から、表1に示されるように、ポンプの駆動状態及び流路にインスリンの流通状態を推定することができる。なお、この推定は、後述する判断手段11により実行される。
【0060】
【表1】
Figure 0004823443
【0061】
前記電源手段20は、このマイクロポンプ28の駆動電力を供給し、体内側制御手段42における電源となり得る手段である電池38例えばリチウムイオン二次電池と、電池38の電圧を検知して電圧検知信号を出力する電圧検知回路39と、電池38を充電するための充電インターフェース40と、電池38の充電を制御する充電制御回路41とを有する。
【0062】
前記体内側制御手段42は、この埋め込み型人工膵臓装置が正常に動作している場合、体外第2ユニット5の体外側通信手段10及び体内ユニット3における体内側通信手段16を介して送信されてきた血糖値データに基づいてマイクロポンプ28により吐出されるインスリン量をクローズドループアルゴリズムに従って算出し、算出されたインスリン量のインスリンを吐出するようにポンプ駆動信号を出力する。
【0063】
この体内側制御手段42は、体外第2ユニット5から経皮伝送されてくる血糖値データの受信を監視し、所定時間以上が経過しても血糖値データが受信できない場合には受信すべきデータが欠損したということでこれを欠損データとカウントし、欠損データの数が一定数(N2)であれば、直前の血糖値データに基づいて必要なインスリン量を算出し、その算出された量のインスリンを吐出するようにポンプ駆動信号を出力する。
【0064】
次にこの埋め込み型人工膵臓装置1の作用につき、説明する。
【0065】
体内ユニット3は、患者の体内に手術により埋め込まれる。インスリン送出手段19における導出管31の先端を、例えば門脈や腹腔に挿入しておく。
【0066】
体外第1ユニット4における血糖値測定手段6により患者の血糖値を測定する。体外第1ユニット4は携行可能に形成されているので、この血糖値測定は、場所に拘束されることなく、いずれの場所においても行われることができる。光学的測定又はグルコースセンサーによる測定のいずれにおいても血糖値測定手段6から送信回路7に血糖値データが実質的に連続して出力される。血糖値データが、送信回路7から体外第2ユニット5における受信回路8に出力される。送信回路7から受信回路8への出力は、無線方式で行われる。
【0067】
図5に示されるように、受信回路8に出力された血糖値データは判断手段11において血糖値データが受信されたことを確認し、その血糖値データを記憶手段12に一旦格納しておく。次いで、血糖値データを体外側通信手段10により体内側通信手段16へ、無侵襲に経皮伝送する。
【0068】
図5に示されるように、体内側通信手段16に送信された血糖値データは、血糖値データが受信されたことを確認した後に、体内側制御手段42に転送される。
【0069】
体内側制御手段42は、クローズドループアルゴリズムに従ってインスリンの注入量を演算し、決定する。体内側制御手段42は、決定した量のインスリンが吐出されるように、ポンプ駆動回路29を駆動する駆動信号を出力する。駆動信号を入力したポンプ駆動回路29は、マイクロポンプ28を駆動することにより、所定量のインスリンをインスリンリザーバ18から吸引し、導出管31に吐出する。
【0070】
血糖値測定手段6は、患者の血糖値を実質的に連続して測定し、例えば1秒又は数秒のインターバルで1回の測定を行い、測定結果である血糖値データを連続して出力する。なお、血糖値測定手段6から実質的に連続して出力される血糖値データは、測定した血糖値のいくつかを平均した値であっても良い。
【0071】
体内ユニット3に、測定された血糖値データが、定期的に経皮伝送される。測定された血糖値は毎回異なる値である。異なる値の血糖値が経皮伝送されたとしても、体内側制御手段42においては、クローズドループアルゴリズムに従って、測定された血糖値に対応するインスリン量が決定され、その量のインスリンが患者の体内組織内に投与される。このクローズドループアルゴリズムにおいては、測定された血糖値に対応するインスリン量が、患者の体重、性差、年齢及び生活歴等に応じて個人毎に決定されるように、設計されている。なお、このような患者毎の必要インスリン量、及び注入アルゴリズムは、医師により決定される。このような患者に特有のデータは、体内ユニットにおける体内側制御手段42に、予めインプットされている。
【0072】
したがって、インスリンリザーバ18内のインスリンがとぎれることがなく、マイクロポンプ28が正常に動作し、導出管31内におけるつまりが発生せず、血糖値が定期的に測定されている限り、クローズドループアルゴリズムに従って計算された量のインスリンが患者に投与されることになる。
【0073】
ところで何らかの理由によって体外第2ユニット5からそれまで経皮伝送されていた血糖値データが、体内ユニット3における体内側通信手段16において受信することができないと言った状況が起こることがある。この状況は、患者に適切にインスリンを投与することができないと言う状況と直結しているから、緊急状況である。
【0074】
このような緊急の場合、体内側制御手段42は、体外第2ユニット5から送信された最後の血糖値データを入力した時点から所定の時間t1例えば1〜5秒が経過するまでの期間中に、次の血糖値データの入力があるか否かを判断する。この所定時間内に血糖値データが体内ユニット3で受信されていなければ、前記体内側制御手段42は、来るべき血糖値データが来なかったと言うことで欠損データの個数をカウントする。欠損データの個数が、予め定められた所定の個数N2、例えば30個以下であれば、経皮受信した最終の血糖値データをメモリ43から読み出して、この最終の血糖値データを使用して、クローズドループアルゴリズムに従って、この最終の血糖値データに対応するインスリン量を算出する。なお、インスリン量の算出においては、患者の性別、体重、加齢等を考慮してその患者に適したインスリン量が算出されるように、設定されている。算出された量のインスリンがポンプから吐出されるように、体内側制御手段42は、ポンプ駆動回路29に駆動信号を出力する。
【0075】
欠損データの個数が、予め定められた所定の個数N2を超えたときには、体内側制御手段42は、オープンループ信号を、体内側通信手段16を介して体外側通信手段10に経皮伝送する。図6に示されるように、体外第2ユニット5に経皮伝送されたオープンループ信号は、警告部13を動作させて例えば警報音を発し、また表示部15に例えば「オープンループ制御中」等の表示をする。
【0076】
警告音及び表示部15での表示があると、患者としては、血糖値測定手段についての動作状態、体外第1ユニットと体外第2ユニットとの通信状態、体外側通信手段と体内側通信手段との交信状態等を確かめることにより欠損データの原因が体外ユニットにあるときには体外ユニットの交換又はその修理を行うことにより緊急事態に対処することができ、前記欠損データの原因が体内ユニットにあるときには迅速な手術により体内ユニットの交換と言った対処を取ることができる。
【0077】
そして、体内側制御手段42は、それまでのインスリン注入アルゴリズムをクローズドループアルゴリズムからオープンループアルゴリズムに切り替えてオープンループアルゴリズムにおいて算出されたインスリン量をメモリ43から読み出し、そのインスリン量のインスリンを吐出するようにポンプ駆動回路29に、駆動信号を出力する。この場合、その患者の体重、年齢、性差、生活歴等を考慮してその患者に適したインスリン量が設定されている。
【0078】
体外第2ユニット5からそれまで経皮伝送されていなかった血糖値データが再び経皮伝送され始めると、体内ユニット3においては、血糖値データの受信を確認し、それまでオープンループアルゴリズムに従ってインスリンの注入量を算出するというモードをクローズドループアルゴリズムに切り替え、経皮伝送されてきた血糖値データに応じたインスリンの量を算出し、ポンプ駆動回路29に駆動信号を出力する。同時に、欠損データの数が0にリセットされる。
【0079】
体外第2ユニット5は、この埋め込み型人工膵臓装置1の動作状態を以下のように監視する。
【0080】
血糖値測定手段6から出力された血糖値データが体外第2ユニット5に送信されると、図5に示されるように、血糖値データの受信を確認した後に、送信された血糖値データを記憶手段12に記憶し、血糖値データと予め記憶手段12に記憶されていた閾値即ち血糖値下限閾値と比較する。送信された血糖値データが閾値以下であると判断手段11が判断すると、つまり、血糖値データと閾値との減算処理をしてその減算結果が0以下であるときには、その血糖値データを低血糖値として記憶手段12に格納する。このようにして送信されてくる血糖値データを閾値と比較して低血糖値か否かを判断手段11が判断し、低血糖値と判断された血糖値データは記憶手段12に格納される。なお、この測定血糖値データと比較される閾値は、患者の特性例えば体重、性差、年齢、生活歴等に応じて決定され、予めインプットされている。
【0081】
判断手段11は、低血糖値と判断される血糖値データが連続してN1回出力された判断すると、警告信号を警告部13に出力して警報音を発し、及び/又は表示部15に「血糖値低」の表示をする。
【0082】
その結果、低血糖値が連続して検出されたことが患者に理解できるので、患者は、食事時間を早めること、ジュース、砂糖入りコーヒ・紅茶等の甘味料入り食物の摂取すること、運動を控えること、グルカゴンを投与すること、といった、これらのいずれか或いは組み合わせた応急の対処をすることができる。
【0083】
体外第2ユニット5に送信された血糖値データは、メモリに格納されて経時的なデータとなっている。判断手段11は、送信された血糖値データを血糖値下限閾値と血糖値の上限閾値とそれぞれ比較し、及び/又は各データの変化率を求める。送信された血糖値データが血糖値下限閾値及び血糖値上限閾値を外れる回数が所定の回数あったと判断されるとき、及び/又はデータの変化率のうち所定の値を超える変化率の個数が所定個数以上あったと判断されるときには、警告信号を警告部13に出力して警報音を発し、及び/又は表示部15に「血糖値異常変動」の表示をする。
【0084】
その結果、血糖値の変動が異常であることは血糖値の制御が不良になっているとして、患者は、生活活動の抑制と休息とをとること、医師に相談すること、血糖値測定手段をチェックすること、と言った対応をとることができる。
【0085】
また、体外第2ユニット5の受信回路8において、時間t1の経過期間中に受信するはずの血糖値データが受信されなかったときには、判断手段11は、血糖値データが受信されないと判断し、警告信号を出力して、警告部13にて警告音を発し、及び/又は表示部15に「血糖値データ受信異常」を表示する。
【0086】
この警告音又は「血糖値データ受信異常」の表示によって、患者は、血糖値測定手段をチェックすること、体外第2ユニットをチェックすること、と言った対処をすることができる。
【0087】
警告音は、確認スイッチを押すこと(オン状態にすること)により、停止させることができる。
【0088】
この埋め込み型人工膵臓装置1を長らく使用していると、マイクロポンプの動力源として、体内側制御手段42等の駆動源として電池38の電力が消耗していく。電池の電力量は、電圧検知回路39にて監視される。
【0089】
図7におけるフローに示されるように、電圧検知回路39において電池38の電圧が検出される。検出された電圧データは、体内側通信手段16から体外側通信手段10へと経皮伝送される。伝送された電圧データは判断手段11にて、所定の電圧下限閾値V1以下であるか否かが判断される。電圧検知回路39で検出された電池38の電圧が所定の電圧下限閾値V1以下であると判断されると、警告信号が、体内側通信手段16および体外側通信手段10を経由して、体外第2ユニット5に伝送され、体外第2ユニット5における警告部13にて警告音が発せられ、表示部15に「電力不足」が表示される。
【0090】
図7に示されるように、警告音が発せられ、表示部15に「電力不足」が表示された状態では、先ず、確認スイッチを押して警告音を停止させる。この状態では、「電力不足」は解消されていないので、充電等により「電力不足」を解消してから、リセットスイッチを押すと表示も消去され、警告状態は解除される。確認スイッチを押して警告音を停止させても、警告原因である「電力不足」を解消せずリセットスイッチを押さなければ警告は解除されず、一定時間が経過すると、警告音が再度鳴り出す。また、確認スイッチを押して警告音を停止させた後、充電等を行わずにリセットスイッチを押すと俊治に警告音が発せられて警告表示も行われる。
【0091】
このように、警告部での警告音発声を確認スイッチで停止させた後に所定時間の間におけるリセットスイッチのオン・オフ状態に応じて警告部での警告音発声の再スタート及び表示部における警告表示の再スタートをする理由は、警告音が無用であるからといって確認スイッチによりその警告音発声を一旦停止しておいたところ、異常状態発生を失念してしまって適切な対応を取ることがないと言った、患者にとって危険な状態の発生を防止することにある。上述したようなアルゴリズムを採用しておくと、警告音発声を解除したけれど異常状態発生についての適切な対応を取らない限り何度でも警告音の再発生及び警告の再表示を行うことにより、異常状態発生時における患者の安全を確保することができる。
【0092】
以上のようにして電池38の電圧が所定の電圧以下であると判断されたときには、充電を行う。充電は、患者に対して無侵襲に行われる。すなわち、充電インターフェース(充電I/F)40が例えば皮下に埋め込まれたコイルであると、コイルの埋め込まれた皮膚の近傍に交流電流を通電したコイルを接近させると、皮下のコイルに誘導電流が発生する。この電流を電池38に通電して電池38を充電する。充電の状態は、充電制御回路41により監視される。電池38が充電されると、充電制御回路41により、皮下のコイルと電池38との接続が強制的に切断される。
【0093】
この埋め込み型人工膵臓装置1を使用し続けるとインスリンリザーバ18中のインスリン量が徐々に減少していく。このインスリンの減少は、インスリン液量検出手段により監視される。
【0094】
インスリンリザーバ18に設けられたインスリン液量検出センサ23によりインスリン液量が検出され、インスリン液量検出回路24にてインスリン液量を示す電気信号に変換される。このインスリン液量に相当する電気信号(以下、これをインスリン液量データと称する。)は、体内側通信手段16から体外第2ユニット5の体外側通信手段10へと経皮伝送される。体外側第2ユニットでは、インスリン液量データを判断手段11に転送する。判断手段11は、記憶手段12に格納されているところの、インスリン液量の下限閾値を読み出す。判断手段11により、測定されたインスリン液量データと下限閾値とが比較される。測定されたインスリン液量データが下限閾値以下であると、判断手段11が判断すると、図8に示されるように、警告信号を出力して警告部13で警告音を発生させ、表示部15に「インスリン量不足」の表示をする。
【0095】
警告音が発せられ、表示部15に「インスリン量不足」の表示がでると、インスリンリザーバ18にインスリンを補充する。なお、インスリンの補充前に、図8に示される手順で、警告音を停止し、表示部15における表示を消失させる。
【0096】
インスリンの補充は、インスリン補充手段25における端栓27が皮下にあるから、皮膚に注射針を穿刺し、端栓27に貫通させる。注射器を操作してインスリンリザーバ18内に所定量のインスリンを注入する。このように、簡単な皮下注射の要領でインスリンをインスリンリザーバ18に補充することができる。
【0097】
インスリン送出手段19に設けられたポンプ監視手段は、ポンプの駆動状態とインスリンの導出管31における流通状態を監視する。すなわち、ポンプ監視手段における、例えば、入口側圧力センサー及び出口側圧力センサーからなる圧力センサーにより検知されるマイクロポンプ内のインスリンの圧力データと、例えば入口側流量検出手段及び出口側流量検出手段からなる流量検出手段により検出されたマイクロポンプ内のインスリンの圧力データ及び流量データを、体内側通信手段16から体外側通信手段10へと経皮伝送し、判断手段11に転送される。
【0098】
判断手段11では、前出の表1に示されるマトリックスにて、マイクロポンプの駆動状態の正常及び異常を判断し、また導出管におけるインスリンの詰まりの有無を判断する。
【0099】
判断手段11において、表1に示されるような基準で、マイクロポンプ28の動作不良又は導出管における詰まり発生と判断する。このとき、判断手段11は警告信号を出力して警告部13から警告音を発生させ、表示部15に「ポンプ動作不良」又は「注入路異常」の表示をする。
【0100】
これによって、患者は、緊急避難行動として注射によるインスリン投与を実行すると言った対処を迅速にとることができ、インスリン無投与による高血糖とそれによるケトアシドーシスなどの障害から患者が救われる。
【0101】
この埋め込み型人工膵臓装置1は、また体外側通信手段10と体内側通信手段16との間の通信状態を監視する。この監視により、体外ユニット2と体内ユニット3との連絡を確かなものとすることができる。
【0102】
体外側通信手段10と体内側通信手段16との間の通信状態は、例えば体内側通信手段16に、確認信号を受信すると応答信号を出力する回路を設けておき、体外側通信手段10から体内側通信手段16に確認信号を出力するとともに同じ確認信号を判断手段11にも出力しておく。確認信号を入力することにより体内側通信手段16から発信される応答信号を体外側通信手段10が受信し、受信した応答信号を判断手段11に出力する。判断手段11において確認信号と応答信号との両方が転送されたときには、体外側通信手段10と体内側通信手段16との間の通信は異常なしと、判断する。他方、判断手段11には応答信号又は確認信号のいずれかしか転送されていないと判断されるときには、体外側通信手段10と体内側通信手段16とのいずれかに故障を生じていて通信不良であると判断する。判断手段11により通信不良との判断がなされると、判断手段11は警告信号を出力して警告部13から警告音を発し、表示部15に「通信不良」の表示をさせる。
【0103】
通信不良であると、体外第2ユニット5から体内ユニット3に血糖値データが経皮伝送されなくなるし、又、体外ユニットから体内ユニットの状態を検知できなくなる。その結果、インスリンの投与はオープンループアルゴリズムに切り替えられるが、埋め込み型人工膵臓装置の適切な運転ができなくなる。したがって、通信不良を示す警告音が発せられ、又は「通信不良」が表示されると、患者は、体外ユニットのチェックを行い、通信が正常に行われるように修理依頼をしたり、医師に相談するといった対処をすることができる。
【0104】
以上において、この発明の一例として、体外第1ユニットと体外第2ユニットとからなる体外ユニットと体内ユニットとを備えて成る埋め込み型人工膵臓装置1を説明した。上述した埋め込み型人工膵臓装置は、この装置の種々の状態を監視し、異常状態が発生したときには聴覚的及び視覚的に警告を発する表示手段を備えている。なお、上記例では表示手段は警告部と表示部とを有して成る。
【0105】
この発明においては、体外第1ユニットと体外第2ユニットとをそれらの機能を損なうことなく一体化してなる体外ユニットを採用することもできる。また、この発明においては、以上で詳述した各種の警告機能を持たずに、又は以上で詳述した各種の警告機能とその他の警告機能とを有しつつ、体外第1ユニットと体外第2ユニットとを一体化した体外ユニットを採用することもできる。
【0106】
又、インスリン液量検出手段として、インスリン液量検出センサ23とインスリン液量検出回路24との組合せの代わりに、図9に示されるように、圧力センサ53とインスリン液量検出回路54との組合せを採用することもできる。この場合、インスリンリザーバ18は、内部が負圧になっても容易に変形しない程度の剛性を有する素材で形成される。前記圧力センサ53は、前記インスリンリザーバ18内の圧力を検出することができるように、例えば圧電素子を用いて形成され、かつ前記インスリンリザーバ18に取り付けられている。この圧力センサ53は、前記インスリンリザーバ18内の圧力を検出し、検出した圧力すなわち負圧を電気信号としてインスリン液量検出回路54に出力する。インスリン液量検出回路54は、入力する電気信号に基づいて、インスリンリザーバ18内のインスリン残量を算出する。このインスリン残量の計算は、インスリンリザーバ18内にインスリンが充満しているときのインスリン量及びインスリンリザーバ18内の圧力と、インスリンリザーバ18内が空になったときのインスリンリザーバ18内の負圧との関係から得られる検量線に基づいて、インスリンリザーバ18内の負圧量から容易に算出することができる。したがって、このインスリン液量検出回路24は、前記検量線を記憶するメモリーを搭載していることになる。
【0107】
【発明の効果】
この発明に係る埋め込み型人工膵臓装置は、携帯乃至携行可能な体外ユニットとこの体外ユニットとは完全に分離した体内ユニットとを備え、前記体外ユニットは、患者の血糖値を測定し、その測定データを、体内ユニットに伝送する機能を有し、体内ユニットは、体外ユニットから伝送されたところの、患者の血糖値に基づいて必要なインスリン量を決定し、決定された量のインスリンを体内に放出することができるように機能するから、患者の血糖値に応じた量のインスリンを高精度で患者に投与することができ、しかも体内ユニットを患者の体内に埋め込んでいるから、ベッドサイド型の人工膵臓装置及び携帯型人工膵臓装置に存在した欠点がない。例えば、患者の日常生活行動の拘束が全く存在しない状態で、体内に存在する体内ユニットで自動でインスリンが投与されるから、患者にインスリン投与の煩雑さを感じさせず、インスリンの投与を失念することがなく、感染の恐れもなく、携帯用人工膵臓装置におけるようなインスリン注入針が抜け出ると言う事故がなく、インスリン注入針を肌に固定するための固定用テープの装着も不要になり、インスリン注入針を穿刺するときの痛みもなくほぼ無侵襲でインスリンを投与することができる。
【0108】
この発明に係る埋め込み型人工膵臓装置は、体外ユニットとこの体外ユニットとは完全に分離した体内ユニットとを備え、前記体外ユニットは、患者の血糖値を測定し、その測定データを、体内ユニットに伝送する機能を有し、体内ユニットは、体外ユニットから伝送されたところの、患者の血糖値に基づいて必要なインスリン量を決定し、決定された量のインスリンを体内に放出することができるように機能し、しかも一定の時間において血糖値データが体外ユニットから経皮伝送されることがない場合には、体内ユニットの体内側制御手段により、予め決定された量のインスリンが患者に投与されると言う機能も有するから、前述した各種の技術的効果に加えて、一定の時間において血糖値データが体外ユニットから経皮伝送されることがない場合には、体内ユニットの体内側制御手段により、予め決定された量のインスリンが患者に投与されるので、体外ユニットが機能不全に陥っても直ちに患者にダメージを与えることがないという技術的効果を奏することができる。
【0109】
この発明に係る埋め込み型人工膵臓装置は、体内ユニットに内臓されている電源手段中の電池を、患者に無侵襲で充電することができるので、長期間例えば2年以上もの長期にわたるインスリン投与が可能になる。
【0110】
この発明に係る埋め込み型人工膵臓装置は、体内ユニット内にインスリンを簡単な操作で補充することができるので、この点においても、長期にわたるインスリンの投与が可能になる。
【0111】
この発明に係る埋め込み型人工膵臓装置は、体内ユニット及び体外ユニットの状態を監視し、異常状態が検出されると警告がなされるので、異常状態発生時における患者の対応を迅速に行うことができ、異常状態に患者が気がつかずに重いショック症状に見舞われると言うことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の埋め込み型人工膵臓装置の機械的構成の一例を示す概略説明図である。
【図2】図2は、この発明の埋め込み型人工膵臓装置の電気的構成の一例を示す概略説明図である。
【図3】図3は、マイクロポンプの一例を示す断面説明図である。
【図4】図4は、体内ユニットの電気的構成の一例を示す概略説明図である。
【図5】図5は、体内ユニットにおける血糖値データを監視する手順及び体外ユニとにおける血糖値データを監視する手順を示す流れ図である。
【図6】図6は、体内ユニットにおいてオープンループ信号が出力されたときに警告を発する手順を示す流れ図である。
【図7】図7は、体内ユニット内の電池の容量を監視する手順を示す流れ図である。
【図8】図8は、体内ユニットにおけるマイクロポンプの動作が異常になったとき、インスリンリザーブ内のインスリン量が少量となったとき、及びインスリンを投与する導出管に「つまり」が発生したときの、警告を表示する手順を示す流れ図である。
【図9】図9は、インスリン液量検出手段の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…埋め込み型人工膵臓装置、
2…体外ユニット、
3…体内ユニット、
4…体外第1ユニット、
5…体外第2ユニット、
6…血糖値測定手段、
7…送信回路、
8…受信回路、
9…データバス、
10…体外側通信手段、
11…判断手段、
12…記憶手段、
13…警告部、
14…操作部、
15…表示部、
16…体内側通信手段、
17…筐体、
18…インスリンリザーバ、
19…インスリン送出手段、
20…電源手段、
21…体内側制御手段、
22…送受信線、
23…インスリン液量検出センサ、
24…インスリン液量検出回路、
25…インスリン補充部材、
26…管路、
27…端栓、
28…マイクロポンプ、
29…ポンプ駆動回路、
30…導入管、
31…導出管、
32…ダイヤフラム、
33…可変圧力室、
34…アクチュエータ、
35…貫通孔、
36…導入側逆止弁、
37…導出側逆止弁、
38…電池、
39…電圧検知回路、
40…充電インターフェース、
41…充電制御回路、
42…体内側制御手段、
53…圧力センサ、
54…インスリン液量検出回路

Claims (11)

  1. (A)血糖値を実質的に連続して測定する血糖値測定手段と血糖値測定手段で測定された血糖値を経皮伝送する体外側通信手段とを有する携帯可能な体外ユニット、及び(B)前記体外側通信手段から送信された血糖値のデータを受信する体内側通信手段(b1)と、この体内側通信手段から出力される血糖値に基づいてインスリン量を決定する体内側制御手段(b2)と、インスリンを貯蔵するインスリンリザーバ(b3)と、この体内側制御手段で決定されたインスリン量でインスリンリザーバ内のインスリンを体内組織に送出するインスリン送出手段(b4)と、このインスリン送出手段及び前記体内側制御手段を駆動するための電力を供給する充電可能な電源手段(b5)とを内蔵する体内ユニット、を備えて成り、前記体内側制御手段は、前記インスリン送出手段におけるインスリンの送出量を、前記体外側通信手段を介して経皮伝送された血糖値のデータに基づいて決定し、決定された送出量となるように前記インスリン送出手段を制御し、体内側通信手段が血糖値のデータを実質的に継続して受信しないときには予め定められた送出量でインスリンが送出されるように前記インスリン送出手段を制御することを特徴とする埋め込み型人工膵臓装置。
  2. 前記体外ユニットはインスリンの手動入力を指示する入力手段を備え、前記体内側制御手段は、前記インスリン送出手段におけるインスリンの送出量を、前記体外側通信手段を介して経皮伝送された血糖値のデータに基づいて決定し、決定された送出量となるように前記インスリン送出手段を制御し、体内側通信手段が血糖値のデータを実質的に継続して受信しないときには、前記入力手段からの入力信号を体外側通信手段、及び体内側通信手段を介して入力し、予め決定された量のインスリンを所定回数だけ送出するように前記インスリン送出手段を制御する前記請求項1に記載の埋め込み型人工膵臓装置。
  3. 前記体外ユニットが、血糖値を実質的に連続して測定する血糖値測定手段と、その血糖値測定手段で測定された血糖値のデータを送信する送信手段とを有する体外第1ユニット、及び、前記送信手段から送信された血糖値のデータを受信する受信手段と、受信手段から出力される血糖値のデータを前記体内側通信手段に経皮伝送する体外側通信手段と、前記送信手段から送信される血糖値が閾値以下か否かを判断する判断手段と、前記血糖値が閾値以下であると前記判断手段が判断すると、低血糖値であると警告する出力手段とを有し、前記体外第1ユニットとは別体に形成されて成る体外第2ユニットを備えて成る前記請求項1、2のいずれか1項に記載の埋め込み型人工膵臓装置。
  4. 前記体外ユニットが、血糖値を実質的に連続して測定する血糖値測定手段と、その血糖値測定手段で測定された血糖値のデータを送信する送信手段とを有する体外第1ユニット、及び、前記送信手段から送信された血糖値のデータを受信する受信手段と、受信手段から出力される血糖値のデータを前記体内側通信手段に経皮伝送する体外側通信手段と、前記受信手段における受信状態を判断する判断手段と、受信不良であると前記判断手段が判断すると、データの受信状態が不良であると警告する出力手段とを有し、前記体外第1ユニットとは別体に形成されて成る体外第2ユニットを備えて成る前記請求項1、2のいずれか1項に記載の埋め込み型人工膵臓装置。
  5. 前記体外ユニットが、血糖値を実質的に連続して測定する血糖値測定手段と、その血糖値測定手段で測定された血糖値のデータを送信する送信手段とを有する体外第1ユニット、及び前記送信手段から送信された血糖値のデータを受信する受信手段と、受信手段から出力される血糖値のデータを前記体内側通信手段に経皮伝送する体外側通信手段と、受信手段から出力される血糖値の経時的変動が異常か否かを判断する判断手段と、この判断手段が血糖値の経時的変動が異常であると判断すると、血糖値変動異常であると警告する出力手段とを有し、前記体外第1ユニットとは別体に形成されて成る体外第2ユニットを備えて成る前記請求項1、2のいずれか1項に記載の埋め込み型人工膵臓装置。
  6. 前記インスリンリザーバは、インスリンリザーバ内のインスリン量を検出するインスリン液量検出手段を備え、前記体外ユニットが、血糖値を実質的に連続して測定する血糖値測定手段と、その血糖値測定手段で測定された血糖値のデータを送信する送信手段とを有する体外第1ユニット、及び、前記送信手段から送信された血糖値のデータを受信する受信手段と、受信手段から出力される血糖値のデータを前記体内側通信手段に経皮伝送し、また前記インスリン液量検出手段により検出されたインスリン量を体内側通信手段を介して受信する体外側通信手段と、受信したインスリン量と閾値とを比較判断する判断手段と、前記判断手段においてインスリン量が閾値よりも少ないと判断すると、インスリン残量不足と警告する出力手段とを有し、前記体外第1ユニットとは別体に形成されて成る体外第2ユニットを備えて成る前記請求項1、2のいずれか1項に記載の埋め込み型人工膵臓装置。
  7. 前記体内側制御手段は、電源手段における電力量を前記体外側通信手段を介して送信し、前記体外ユニットが、血糖値を実質的に連続して測定する血糖値測定手段と、その血糖値測定手段で測定された血糖値のデータを送信する送信手段とを有する体外第1ユニット、及び、前記送信手段から送信された血糖値のデータを受信する受信手段と、受信手段から出力される血糖値のデータを前記体内側通信手段に経皮伝送し、前記体内側制御手段から体内側通信手段を介して体外側通信手段に受信された前記電源手段における電力量と閾値とを比較判断する判断手段と、前記判断手段において電力量が閾値以下であると判断すると、電力量不足を警告する出力手段とを有し、前記体外第1ユニットとは別体に形成されて成る体外第2ユニットを備えて成る前記請求項1、2のいずれか1項に記載の埋め込み型人工膵臓装置。
  8. 前記体内ユニットは、マイクロポンプ及びこのマイクロポンプの駆動状態を監視するポンプ監視手段を備えたインスリン送出手段を内蔵して成り、前記体外ユニットが、血糖値を実質的に連続して測定する血糖値測定手段と、その血糖値測定手段で測定された血糖値のデータを送信する送信手段とを有する体外第1ユニット、及び、前記送信手段から送信された血糖値のデータを受信する受信手段と、受信手段から出力される血糖値のデータを前記体内側通信手段に経皮伝送し、前記ポンプ監視手段から出力される監視信号を、前記体内側通信手段を介して入力する体外側通信手段と、前記体外側通信手段から出力される監視信号に基づいてポンプの駆動状態を判断する判断手段と、前記判断手段においてインスリンの送出状態が異常であると判断すると、インスリンの送出状態異常を警告する出力手段とを有し、前記体外第1ユニットとは別体に形成されて成る体外第2ユニットを備えて成る前記請求項1、2のいずれか1項に記載の埋め込み型人工膵臓装置。
  9. 前記体外ユニットが、血糖値を実質的に連続して測定する血糖値測定手段と、その血糖値測定手段で測定された血糖値のデータを送信する送信手段とを有する体外第1ユニット、及び、前記送信手段から送信された血糖値のデータを受信する受信手段と、受信手段から出力される血糖値のデータを前記体内側通信手段に経皮伝送する体外側通信手段と、前記体外側通信手段と前記体内側通信手段との間の通信状態を判断する判断手段と、前記判断手段において通信異常と判断すると、通信異常であると警告する出力手段とを有し、前記体外第1ユニットとは別体に形成されて成る体外第2ユニットを備えて成る前記請求項1、2のいずれか1項に記載の埋め込み型人工膵臓装置。
  10. 前記電源手段は、無侵襲に経皮的に体外から充電可能である前記請求項1、2のいずれか1項に記載の埋め込み型人工膵臓装置。
  11. 前記インスリンリザーバは、インスリンリザーバ内にインスリンを補充することのできるインスリン補充部材を有して成る前記請求項1、2のいずれか1項に記載の埋め込み型人工膵臓装置。
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