JP4822917B2 - エンジン制御パラメータ調整システム - Google Patents

エンジン制御パラメータ調整システム Download PDF

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Description

本発明は、エンジン制御パラメータ調整システムに係り、特に車両に搭載されたエンジン制御ユニットの制御パラメータを自動的に調整するエンジン制御パラメータ調整システムに関する。
乗用車等の車両が減速している状態でアクセルペダルを踏み込むと、減速状態から加速状態に切り換わる際にエンジンのトルク変動の特性やミッション系のガタ等の原因で加速度の揺れ、すなわち車両の前後方向に振動が生じる場合がある。また、この振動は、車両が加速状態にあるときにアクセルペダルの踏み込みを解除し、車両が減速状態に切り換わる際にも生じることがある。このように車両の加減速時に前後方向の振動が生じると乗員に不快感を与え、乗り心地の悪さの原因となる。
そこで、従来、このような加減速時における前後方向の振動を抑制するように、各種センサからの情報に基づいてエンジンの燃料噴射量や噴射時間、点火時期等を制御するエンジン制御ユニット(ECU)の制御パラメータを車両の開発段階で人為的にチューニングツールを用いて調整することが行われていた。
しかし、複数の制御パラメータをエンジンや車両の特性等にあわせて相互に調整しながら最適値を見出す作業は非常に面倒である。また、それらの特性を熟知した作業者が経験的知識に基づいて調整を行ってもそれらの最適値を見出すには通常1時間から数時間程度を要していた。そのため、これらの制御パラメータの調整を自動的に行うことができるエンジン制御ユニットの制御パラメータの調整方法の確立が求められている。
このような調整方法としては、例えば、ニューラルネットワークに各センサからの情報等を入力し、演算を行わせて制御パラメータの最適値を自動的に決定する調整方法が知られている(特許文献1参照)。また、加減速時に車両に前後方向の振動を生じさせる主要な原因の1つとされる車両駆動系のねじり振動に対して、予め用意された複数のマップに基づいてエンジンの回転速度の変動を打ち消すように燃料噴射量を逐次増減補正するように構成した車両駆動系のねじり振動減衰方法が提案されている(特許文献2参照)。
特許2862308号公報 特開2000−345893号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたニューラルネットワークを用いた制御パラメータの調整方法では、ニューラルネットワークを構築するという新たな工程が必要となる。また、バックプロパゲーションや遺伝的アルゴリズム等を用いたニューラルネットワークの学習には、通常、前述した人為的に調整する場合よりも多くの時間を要する。
また、特許文献2に記載されたマップを用いた方法は、エンジン制御ユニットの制御パラメータの自動調整を行うためのマップの作成自体が煩雑な作業であり、複数のマップを関連付けながら作成するには時間がかかる。そのため、この方法もエンジン制御ユニットの制御パラメータの調整方法としては必ずしも有効な解決方法とは言い難い。
しかも、このような車両の加減速時においては、その前後方向の振動を抑制するだけでなく、適度な加速度の増減が得られるようにしなければならない。すなわち、前後方向の振動が抑制されても、加速時に急激な加速度が加わると乗員の上体が後方に反り返るようになり、また、減速時に急激な加速度が加わると乗員の上体が前方に倒れるようになってしまうため、いずれも乗員に不快感を与え、乗り心地の悪さの原因となる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、車両の加減速時における前後方向の振動の発生を抑制し、かつ適度な加速度の増減を得るためのエンジン制御ユニットの制御パラメータの調整を容易にかつ実用的な時間内で自動的に行うことが可能なエンジン制御パラメータ調整システムを提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、請求項1に記載のエンジン制御パラメータ調整システムは、
車両の加減速時における車両の前後方向の振動を抑制するためにエンジン制御ユニットの制御パラメータを調整するエンジン制御パラメータ調整システムであって、
車両に搭載された制御パラメータを書き換え可能なエンジン制御ユニットと、
前記エンジン制御ユニットの制御パラメータの最適値を算出する演算装置と
を備え、
前記演算装置は、前記制御パラメータを要素とする複数の個体を有し、制御パラメータが個体に含まれる制御パラメータに書き換えられた前記エンジン制御ユニットで制御される車両による試行を行って、少なくともアクセル操作から加速または減速への反転までの時間、加速度の変化率および加速度の最大振幅についてそれぞれ設定された目標値と前記試行により求められる前記時間、変化率および最大振幅の実測値との差に基づいて各個体の評価値を演算し、かつ、試行が完了するごとに交叉により1個体ずつそれに含まれる制御パラメータを変化させ、1回の試行では前記制御パラメータを変化させた個体についてのみ試行を行い、終了条件を満たした時点で最良の評価値を有する個体に含まれる制御パラメータを前記制御パラメータの最適値とし、
前記交叉は、各試行につき、評価値が最悪の個体に含まれる制御パラメータの値を、評価値が最良の個体に含まれる制御パラメータの値との差に応じて所定の割合で前記評価値が最良の個体に含まれる制御パラメータの値に近づけるようにして変化させて行われることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、エンジン制御パラメータ調整システムの演算装置は、エンジン制御ユニットの制御に用いられる制御パラメータを要素とする複数の個体を生成し、1回の試行につき交叉により1個体の制御パラメータを変化させその制御パラメータを変化させた1個体についてのみ試行を行って評価値を求める。評価値は、アクセル操作から加速または減速への反転までの時間、加速度の変化率および加速度の最大振幅についてそれぞれ設定された目標値と、制御パラメータが個体に含まれる制御パラメータに書き換えられたエンジン制御ユニットにより制御される車両による試行により求められる前記時間、変化率および最大振幅の実測値との差に基づいて演算され、終了条件を満たした時点で最良の評価値を有する個体に含まれる制御パラメータが制御パラメータの最適値として出力される。
その際、交叉は、評価値が最悪の個体に含まれる制御パラメータの値を、評価値が最良の個体に含まれる制御パラメータの値との差に応じて所定の割合で評価値が最良の個体に含まれる制御パラメータの値に近づけるようにして変化させるようにして各試行毎に行われる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエンジン制御パラメータ調整システムにおいて、前記演算装置は、前記アクセル操作を自動的に行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前述したエンジン制御パラメータの演算装置による制御パラメータの最適値の算出は、例えばエンジン制御ユニットと電子制御スロットル装置との間に割り込み装置を設けて演算装置から割り込み装置を介してエンジン制御ユニットにアクセル開度に対応する電圧を印加するようにして、作業者に代わって演算装置が自動的にアクセルを操作することにより行われる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のエンジン制御パラメータ調整システムにおいて、前記評価値は、前記アクセル操作から加速または減速への反転までの時間、加速度の単位時間当たりの変化率および加速度の最大振幅についてそれぞれ設定された目標値と実測値との差にそれぞれ重みを掛けて加算して求められることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、前記演算装置における評価値の算出において、前述したアクセル操作から加速または減速への反転までの時間、加速度の単位時間当たりの変化率および加速度の最大振幅についてそれぞれ設定された目標値と実測値との差にそれぞれ重みを掛けて加算することで評価値が重み付けされて求められる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエンジン制御パラメータ調整システムにおいて、前記個体は、探索される制御パラメータの数をnとした場合に2個設けられ、かつ、試行開始時には、各制御パラメータの上限値および下限値を境界とするn次元の探索空間の各頂点に対応する制御パラメータを要素とする個体がそれぞれ生成されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、エンジン制御パラメータ調整システムの演算装置における最適化された制御パラメータの探索では、各制御パラメータの上限値および下限値を境界とするn次元の探索空間の各頂点に対応する制御パラメータを要素とする2個の個体が生成され、交叉により探索範囲を狭めながら最適解の探索が行われる。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のエンジン制御パラメータ調整システムにおいて、前記個体に含まれる制御パラメータは、スナッチ制御に関連する制御パラメータであることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、エンジン制御パラメータ制御システムを用いて、スナッチ制御に関連する制御パラメータについて制御パラメータの最適値の探索が行われる。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のエンジン制御パラメータ調整システムにおいて、前記個体に含まれる制御パラメータは、アクセル制御に関連する制御パラメータであることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、エンジン制御パラメータ制御システムを用いて、アクセル制御に関連する制御パラメータについて制御パラメータの最適値の探索が行われる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のエンジン制御パラメータ調整システムにおいて、前記アクセル制御に関連する制御パラメータは、アクセル開度の初期増加率、アクセル開度の中間増加率、アクセル開度の後期増加率、及び前記初期増加率から前記中間増加率に切り替える変極点であることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、エンジン制御パラメータ制御システムを用いて、アクセル開度の初期増加率、アクセル開度の中間増加率、アクセル開度の後期増加率、及び前記初期増加率から前記中間増加率に切り替える変極点に関連する制御パラメータについて制御パラメータの最適値の探索が行われ、加速度の増加率を調整するための制御パラメータとミッション系のガタ詰めのタイミングを調整するための制御パラメータとを分けて各制御パラメータを調整する。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のエンジン制御パラメータ調整システムにおいて、前記個体に含まれる制御パラメータは、燃料カット制御に関連する制御パラメータであることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、エンジン制御パラメータ制御システムを用いて、燃料カット制御に関連する制御パラメータについて制御パラメータの最適値の探索が行われる。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載のエンジン制御パラメータ調整システムにおいて、前記演算装置は、加速度の時系列的な変化を示す波形について設定された目標値と実測値との差に基づいて前記各個体の評価値を演算することを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、演算装置は、加速度の目標波形と実測による波形との差をもとに各個体を評価して評価値を演算する。
請求項10に記載の発明は、請求項に記載のエンジン制御パラメータ調整システムにおいて、前記評価値は、前記アクセル操作から加速または減速への反転までの時間、前記加速度の単位時間当たりの変化率、前記加速度の最大振幅および加速度の時系列的な変化を示す波形についてそれぞれ設定された目標値と実測値との差にそれぞれ重みを掛けて加算して求められることを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、演算装置は、加速度の目標波形と実測による波形との差をもとに各個体を評価して評価値を演算する際に、アクセル操作から加速または減速への反転までの時間、加速度の単位時間当たりの変化率、加速度の最大振幅および加速度の時系列的な変化を示す波形についてそれぞれ設定された目標値と実測値との差にそれぞれ重みを掛けて加算して評価値を求める。
請求項1に記載の発明によれば、エンジン制御パラメータ調整システムの演算装置は、少なくともアクセル操作から加速または減速への反転までの時間、加速度の変化率および加速度の最大振幅について、それぞれ設定された目標値と、試行による実測値との差に基づいて調整すべき制御パラメータを要素とする各個体の評価値を演算し、最良の評価値を有する個体に含まれる制御パラメータを調整すべき制御パラメータの最適値として算出する。そのため、車両の加減速時に生じるエンジン回転数の揺れが打ち消され、車両の加速度の揺れも平坦化されて、車両の前後方向に生じる振動が効果的に抑制されるようにエンジン制御ユニットの制御パラメータを調整することが可能となる。また、車両の加減速時に生じ易い急激な加速度の発生も抑制されて適度な加速度の増減が得られ、乗員に不快感を与えることなく良好な乗り心地が得られる。
また、制御パラメータの最適化において、1回の試行につき1個体の制御パラメータを変化させその制御パラメータを変化させた1個体についてのみ試行を行って評価値を求める。そのため、遺伝的アルゴリズムによる最適化のように各試行ごとに生成したすべての個体について評価値を求める場合に比べて制御パラメータの最適値が求められるまでの時間を短縮することができ、実用的な時間内で制御パラメータの調整を行うことが可能となる。さらに、個体の生成や評価値の演算等をすべて演算装置が自動的に行うため、制御パラメータの調整を容易に行うことが可能となる。
また請求項1に記載の発明によれば、交叉が、評価値が最悪の個体に含まれる制御パラメータの値を、評価値が最良の個体に含まれる制御パラメータの値との差に応じて所定の割合で評価値が最良の個体に含まれる制御パラメータの値に近づけるようにして変化させて各試行毎に行われるようにする。このようにすることで、全個体中の特定の個体だけで制御パラメータの最適値を探索する事態に陥ることなく、個体全体でいわば挟み撃ちするようにして探索空間を探索して制御パラメータの最適値を算出することが可能となり、より短時間で精度良く制御パラメータの調整を行うという効果が効果的に発揮される。
請求項2に記載の発明によれば、エンジン制御パラメータの演算装置によりアクセル操作が自動的に行われるから、作業者は車両が例えばテストコースから逸脱しないようにステアリングホイールの操作を行うだけでよくなり、制御パラメータの最適値の算出が非常に容易になる。また、同時に演算装置によりアクセル操作が正確に行われるため、制御パラメータの最適値の演算をより精緻に行うことが可能となり、制御パラメータの調整の精度が向上され、請求項1に記載の発明の効果をより有効に発揮することができる。
請求項3に記載の発明によれば、アクセル操作から加速または減速への反転までの時間、加速度の単位時間当たりの変化率および加速度の最大振幅についてそれぞれ設定された目標値と実測値との差がそれぞれ重み付けされて評価値が求められる。そのため、より重視したい要素の重みを大きく調整したり、全体をバランスよく調整したりすることが可能となり、前記各請求項に記載の発明の効果がより的確に発揮され、的確な制御パラメータの調整が可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、演算装置における制御パラメータの探索では、各制御パラメータの上限値および下限値を境界とするn次元の探索空間の各頂点に対応する制御パラメータを要素とする2個の個体が生成され、1試行につき1個体のみの制御パラメータを変化させる。このように、交叉により探索範囲を狭めながら2個の個体でいわば挟み撃ちにするようにして探索空間を探索することが可能となる。そのため、制御パラメータの最適値を確実に算出することが可能となり、前記各請求項に記載の発明の効果がより確実に発揮される。
請求項に記載の発明によれば、エンジン制御パラメータ制御システムでスナッチ制御に関連する制御パラメータについて制御パラメータの最適値の算出を行うことで、特にスナッチ制御によりアクセルのON操作後のエンジン回転数の揺れを打ち消すように制御パラメータが調整される。そのため、前記各請求項に記載の発明において特に車両の加速時の加速度の揺れを効果的に抑制することが可能となる。
請求項に記載の発明によれば、エンジン制御パラメータ制御システムを用いて、アクセル制御に関連する制御パラメータについて制御パラメータの最適値の算出を行うことで、特にアクセル制御によりアクセルのON操作後の車両の加速度の急激な増加が抑制されるように制御パラメータが調整される。そのため、前記各請求項に記載の発明において特に車両の加速時の加速度の適度な増加がより的確に得られる。
請求項に記載の発明によれば、加速度の増加率を調整するための制御パラメータとミッション系のガタ詰めのタイミングを調整するための制御パラメータとを分けて各制御パラメータを調整するため、加速度の増加率を下げることなくすなわち車両の加速性能を損なうことなくミッション系のガタを原因とした加速度の揺れを低減することができる。
請求項に記載の発明によれば、エンジン制御パラメータ制御システムを用いて、燃料カット制御に関連する制御パラメータについて制御パラメータの最適値の算出を行うことで、燃料カット制御によりアクセルのOFF操作後のエンジン回転数の揺れを抑制し急激な減速が抑制されるように制御パラメータが調整される。そのため、前記各請求項に記載の発明において特に車両の減速時の加速度の揺れを効果的に抑制し、加速度の適度な減少を得ることが可能となる。
請求項に記載の発明によれば、加速度の目標波形と実測による波形との差をもとに各個体を評価するため、例えば、加速度が負から正或いは正から負に反転した以降において加速度が一様に変化せずに段付き状に変化する場合であっても、適正に各個体を評価することができ、制御パラメータを適正に調整することが可能となる。
請求項10に記載の発明によれば、評価値をアクセル操作から加速または減速への反転までの時間等についてそれぞれ設定された目標値と実測値との差にそれぞれ適切に重み付けして加算して求めることで、前記請求項に記載の発明の効果がより的確に発揮される。
以下、本発明に係るエンジン制御パラメータ調整システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、本実施形態では、演算装置3を搭載した車両を例えばテストコースを走行させてエンジン制御ユニット2の制御パラメータの最適値を算出する場合が想定されており、車両の出荷時には車載のエンジン制御ユニット2に算出された制御パラメータの最適値が設定された状態で演算装置3、加速度センサ6および割り込み装置7が取り外されて出荷されることが想定されている。
エンジン制御パラメータ調整システム1は、図1に示すように、主にエンジン制御ユニット2と、演算装置3とを備えている。
エンジン制御ユニット2には、いわゆるECU(Electric Control UnitまたはEngine Control Unit)として車両に搭載されている公知のエンジンの電子制御用コンピュータが用いられており、本実施形態では特に制御パラメータを書き換えることができるように改良されたECUが用いられている。なお、車両の出荷時には、本発明で算出された制御パラメータの最適値が書き込まれた通常のECUを車両に搭載するようにしてもよい。
エンジン制御ユニット2には、エンジン回転数や車速等を計測する各センサ4a、4bからの情報やブレーキのストップ信号4c等の必要な情報が入力されるようになっている。エンジン制御ユニット2は、設定された制御パラメータに従ってこれらのエンジン回転数等の情報に基づいてエンジンの燃料噴射量や噴射時間、点火時期等を制御するように構成されている。
エンジン制御ユニット2には、アクセルペダルのアクセル開度Aが入力されるようになっている。本実施形態では、アクセル開度Aを電気的に検出し、その踏み込み量に応じてスロットル弁の開度を電気的に制御する電子制御スロットル装置5が用いられており、電子制御スロットル装置5は、アクセル開度Aの情報を電圧値Vとしてエンジン制御ユニット2に出力するようになっている。
なお、スロットル装置を従来のワイヤ方式の装置とすることも可能であり、その場合には、例えば、アクセルペダルのアクセル開度Aをセンサ等で測定してその情報をエンジン制御ユニット2に出力するように構成することが可能である。
エンジン制御ユニット2には、演算装置3が電気的に接続されている。本実施形態では、演算装置3はCPUやROM、RAM、入出力インターフェース等がバスに接続された汎用コンピュータで構成されている。
演算装置3には、前述したエンジン回転数や車速等を計測する各センサ4a、4bからの情報やブレーキのストップ信号4c等の情報が入力されるようになっている。また、演算装置3には、インターフェース31を介して加速度センサ6から車両の前後方向の加速度aの情報が入力されるようになっている。
また、演算装置3は、アクセル操作を自動的に行うように構成されており、本実施形態では、演算装置3は、前述したエンジン制御ユニット2と電子制御スロットル装置5とを結ぶ通信線に設けられた割り込み装置7にアクセル開度Aに対応する電圧を印加するようになっている。
割り込み装置7には、前述した電子制御スロットル装置5からのアクセル開度Aを示す電圧Vと演算装置3からアクセル開度Aを示す電圧とが入力されるようになっている。割り込み装置7は、演算装置3からの動作信号に応じて、前述した電子制御スロットル装置5からの電圧Vのエンジン制御ユニット2への入力を止め、演算装置3から印加された電圧をエンジン制御ユニット2に入力させるようになっている。
本実施形態のエンジン制御パラメータ調整システム1では、このようにして演算装置3により自動的にアクセル操作が行われるように構成されている。なお、前述したようにスロットル装置がワイヤ方式の装置である場合には、例えばアクセル開度Aを測定するセンサとエンジン制御ユニット2とを結ぶ図示しない通信線に割り込み装置を設けることが可能である。
本実施形態では、演算装置3は、図2に示すように、エンジン回転数センサ4aから入力されたエンジン回転数ERが減少して設定されたエンジン回転数の下方値ERになった時点Tで、アクセル操作を表す電圧、すなわち設定されたアクセル開度Aに対応する電圧Vを割り込み装置7を介してエンジン制御ユニット2に入力するようになっている。
また、演算装置3は、エンジン回転数ERが増加して設定されたエンジン回転数の上方値ER(ER>ER)になった時点Tで、アクセルOFFを表す電圧、すなわちアクセル開度0%を示す電圧Vを割り込み装置7を介してエンジン制御ユニット2に入力するようになっている。
なお、図2から分かるように、エンジン回転数ERが下方値ERになる時点Tの直前まではアクセルがOFFの状態であるからエンジン回転数ERが減少し車両は減速しているが、時点TでアクセルがON操作されるから車両の運動状態は減速状態から加速状態に切り換わる。また、同様に時点Tでは、加速している車両でアクセルがOFF操作されるから車両の運動状態が加速状態から減速状態に切り換わる。
ところで、演算装置3は、このように車両の加減速時、すなわち車両の運動状態が減速状態から加速状態に切り換わる際や加速状態から減速状態に切り換わる際に車両の前後方向に生じる振動を抑制するためのエンジン制御ユニット2の制御パラメータの最適値を算出するように構成されている。
エンジン制御パラメータ調整システム1は、演算装置3が算出した制御パラメータの最適値をエンジン制御ユニット2に書き込むことでエンジン制御ユニット2の制御パラメータの調整を行うようになっている。
演算装置3は、制御パラメータの最適値の算出においては、エンジン制御ユニット2におけるエンジン制御に用いられる複数の制御パラメータのうち車両の加減速時における前後方向の振動の発生を抑制するために調整すべき予め選択された制御パラメータを要素とする複数の個体を生成するようになっている。具体的には、個体には、図3に示すように選択されたn個の制御パラメータP1、P2、…、Pnよりなる数値列が含まれる。
一般に、制御パラメータには上限値および下限値が設けられている。そのため、選択された制御パラメータP1〜Pnの最適値が探索される探索空間Sは、図4に例示するように選択された各制御パラメータの上限値および下限値を境界とするn次元の直方体状の空間となる。なお、ここで、n次元の直方体とは、例えばn=1であれば1次元の直線、n=2であれば2次元の矩形、nが4以上の場合はn次元のいわゆる超直方体を表す。また、図4では、選択された制御パラメータの個数nが2の場合が示されている。
本実施形態では、演算装置3は、試行開始時に、n次元の直方体状の探索空間Sの各頂点に対応する制御パラメータを要素とする2個の個体をそれぞれ生成するようになっている。すなわち、図4に即して言えば、演算装置3は、選択された制御パラメータP1の上限値P1maxおよび下限値P1minと制御パラメータP2の上限値P2maxおよび下限値P2minとをそれぞれ組み合わせた(P1max,P2max)、(P1max,P2min)、(P1min,P2max)および(P1min,P2min)をそれぞれ要素とする2=4個の個体をRAM上に生成させるようになっている。
演算装置3は、前記のように個体を生成させると、車両による試行を行うようになっている。具体的には、演算装置3は、エンジン回転数ERが下方値ERより大きくなった段階で1つの個体を選択し、その個体に含まれる制御パラメータP1〜Pnをエンジン制御ユニット2に送信してエンジン制御ユニット2をセットアップする。また同時に、割り込み装置7に動作信号を発信し、アクセルOFFを示す電圧Vを割り込み装置7を介してエンジン制御ユニット2に入力するとともに、加速度センサ6から送信されてくる車両の前後方向の加速度aのRAMへの記録を開始するようになっている。
そして、演算装置3は、アクセルがOFFであることで車両が減速してエンジン回転数ERが下方値ERになった時点Tで、アクセル操作を表す電圧であるアクセル開度Aに対応する電圧Vを割り込み装置7を介してエンジン制御ユニット2に入力するようになっている。
その際、加速度センサ6からは図5に示すような加速度aが入力される。演算装置3は、RAMに記録されたこの加速度aの変化から下記(1)式に基づいて評価値Qを演算してその個体に割り当てるようになっている。
Q=(ReT−Re)×Wr+(JeT−Je)×Wj+(Sh−ShT)×Ws …(1)
ここで、Reは加速度aの変化から求められるアクセル操作開始時Tから加速反転までの時間の実測値、Jeは加速度aの単位時間当たりの変化率の実測値、Shは加速度aが増加し切った時点Tから一旦下降し再度上昇に転ずるまでの加速度aの振幅すなわち加速度の最大振幅の実測値を表す。以下、Reをレスポンス、Jeを傾きという。
また、ReT、JeTおよびShTはそれぞれレスポンスRe、加速度の傾きJeおよび加速度の最大振幅Shの設定された目標値であり、Wr、Wj、Wsはそれぞれ設定された重みを表す。なお、本実施形態では、加速度の最大振幅Shの目標値ShTは0に設定されている。また、前記(1)から分かるように評価値Qの値が小さいほど評価が高い個体であることを表す。
本実施形態では、加速度の傾きJeは、加速度aが増加し切った時刻Tにおける加速度aの値を、加速度aが加速反転した時刻Tと加速度aが増加し切った時刻Tとの時間間隔T−Tで除した値として求められるようになっている。この他にも、加速度の傾きJeを、例えば加速度aが加速反転した時刻Tから一定時間後の時点における加速度aの傾きとして求めるように構成することも可能である。
なお、以上では車両の運動状態が減速状態から加速状態に切り換わる場合の試行について述べたが、車両の運動状態が加速状態から減速状態に切り換わる場合の振動抑制についても同様に試行が行われ、演算装置3で評価値Qが演算されて個体に割り当てられるようになっている。
具体的には、演算装置3は、個体に含まれる制御パラメータP1〜Pnをエンジン制御ユニット2に送信してセットアップし、割り込み装置7を介してエンジン制御ユニット2に設定されたアクセル開度Aに対応する電圧Vを入力してエンジン回転数ERを上昇させ、車両が加速して図2に示したようにエンジン回転数ERが上方値ERになった時点Tで、アクセルOFFを表す電圧Vをエンジン制御ユニット2に入力する。
そして、図6に示すようなRAMに記録された加速度aの変化からレスポンスRe、加速度の傾きJeおよび加速度の最大振幅Shを求め、設定されたレスポンスRe、加速度の傾きJe、加速度の最大振幅Shの目標値ReT、JeT、ShTに基づき前記(1)式に従って評価値Qを演算して個体に割り当てるようになっている。
演算装置3は、生成した2個の個体のうち、残りの個体についても同様にして試行に基づいて評価値Qを演算してすべての個体にそれぞれ評価値Qを割り当てるようになっている。
演算装置3は、2個の個体のすべてにそれぞれ評価値Qが割り当てられると、交叉と試行を繰り返しながら1回の試行が完了するごとに交叉により1個体ずつそれに含まれる制御パラメータを変化させ、1回の試行では前記制御パラメータを変化させた個体についてのみ試行を行って個体の評価値Qを1個体ずつ向上させていき、終了条件を満たした時点で最良の評価値Qを有する個体に含まれる制御パラメータを制御パラメータの最適値として算出するようになっている。
交叉は、2個の個体の中で評価値Qが最も良い個体、すなわち最小の評価値Qを有する個体とその個体以外の1つの個体との間で交叉を行われるようになっており、本実施形態では、2個の個体の中で評価値Qが最良の個体と評価値Qが最悪の個体との間で行われるようになっている。
具体的には、演算装置3は、下記(2)式に従って評価値Qが最良の個体に含まれる各制御パラメータの値P1best〜Pnbestと評価値Qが最悪の個体に含まれる各制御パラメータの値P1worst〜Pnworstとの差に予め設定された一定の割合αを乗じて前記評価値Qが最悪の個体に含まれる各制御パラメータの値P1worst〜Pnworstに加算することで、評価値Qが最悪の個体に含まれる各制御パラメータの値を評価値Qが最良の個体に含まれる制御パラメータの値に近づけるようにして変化させるようになっている。
Pk´=Pkworst+α(Pkbest−Pkworst) k=1〜n …(2)
その際、評価値Qが最良の個体はそれに含まれる各制御パラメータの値P1best〜Pnbestが変化されずにそのまま残され、評価値Qが最悪の個体のみが制御パラメータの値P1´〜Pn´を要素とする新たな個体に入れ替えられるようになっている。
演算装置3は、評価値Qが最悪の個体を新たな個体に入れ替えると、その新たな個体について前記試行を行って評価値Qを演算するようになっている。なお、その際、その新たな個体以外の個体については改めて試行や評価値Qの演算は行われない。そして、演算装置3は、新たな個体について評価値Qの演算を行うと、改めて2個の個体の中で評価値Qが最良の個体と最悪の個体とを抽出し、それらの間で交叉を行うようになっている。
なお、本実施形態では、前記一定の割合αは試行が繰り返されて探索が進んでも同じ値をとるように構成されているが、αを変化させることも可能である。例えば、探索開始直後には個体を探索空間S内で比較的大きく動かすようにαを大きな値に設定し、探索が進むにつれてαを小さな値に変化させていくように構成することも可能である。
演算装置3は、前述したように終了条件を満たした時点で最良の評価値Qを有する個体に含まれる制御パラメータP1〜Pnを制御パラメータの最適値として算出するようになっている。
本実施形態では、終了条件は、予め設定された試行回数に達したときに前記試行および評価値の演算を終了するように設定されている。
これは、生成された2個の初期個体に対する評価値算出のための試行を2回行い、さらに1試行につき1個体の制御パラメータを変化させていく試行を個体数2の2倍すなわち2n+1回程度行えば、すなわち2+2n+1=3×2回程度の試行を行えば十分に良好な制御パラメータの最適値が得られるという本発明者らの実験に基づく知見による。
なお、この他にも、例えば目標評価値Qaを予め設定し、評価値Qが目標評価値Qa以下の個体が出現した時点で前記試行および評価値の演算を終了ように終了条件を設定することも可能である。この場合、評価値Qが目標評価値Qa以下となった個体に含まれる制御パラメータが制御パラメータの最適値として算出される。
本実施形態では、エンジン制御パラメータ調整システム1は、車両の加速時すなわち車両の運動状態が減速状態から加速状態に切り換わる際には、スナッチ制御およびアクセル制御によって車両の前後方向に生じる振動を抑制するようになっている。また、エンジン制御パラメータ調整システム1は、車両の減速時すなわち車両の運動状態が加速状態から減速状態に切り換わる際には、燃料カット制御によって車両の前後方向に生じる振動を抑制するようになっている。
まず、本発明において、スナッチとは、エンジンにおいて失火以外の原因で連続して回転変動が発生する状態をいい、スナッチ制御においては、エンジン制御ユニット2は、制御パラメータの設定値およびエンジン回転数センサ4aからのエンジン回転数ERの情報等に基づいてエンジンの点火時期の進角制御や遅角制御等を行ってエンジン回転数ERのスナッチ振動を打ち消す制御が行われるようになっている。
エンジン回転数ERのスナッチ振動の抑制に関連する制御パラメータとしては、例えば、図7に示すように1回目スナッチ量SC1、2回目スナッチ量SC2、スナッチ制御介入タイミングTon、スナッチ制御非介入タイミングToff、および介入/非介入タイミング算出に用いる定数C等が挙げられる。
本実施形態では、スナッチ制御に関連するこれらの制御パラメータのうち、スナッチ制御非介入タイミングToffをスナッチ制御介入タイミングTonに連関させることで調整すべき制御パラメータから除外されている。そして、演算装置3には、1回目スナッチ量SC1、2回目スナッチ量SC2、スナッチ制御介入タイミングTonおよび定数Cの4個の制御パラメータが調整すべき制御パラメータとして入力されている。
演算装置3は、これらの制御パラメータの数nが4であるから3×2=48回試行を行って、すなわち生成された2=16個の個体に対する16回の試行と1個体ずつの試行と交叉との繰り返しにおける16×2=32回の試行との計48回の試行を行って、これらの制御パラメータの最適値を算出するようになっている。
また、アクセル制御とは、実際のアクセルペダルの操作に基づくアクセル開度Aを変換して求められた仮想のアクセル開度Aに基づいてエンジン制御を行うことをいう。本実施形態では、エンジン制御ユニット2は、図8に示すようにアクセルペダルの操作により一定の割合で増加するアクセル開度Aに対して、一旦アクセル開度Aの増加率を低下させた後再度増加率を増大させるようにアクセル開度Aを変換し、それに基づいてエンジン制御を行うようになっている。
アクセル制御に関連する制御パラメータとしては、図8に示すように、アクセル開度Aの初期増加率k、中間増加率k、後期増加率k、第1変極点A、第2変極点A等が挙げられる。
本実施形態では、アクセル制御に関連するこれらの制御パラメータのうち、初期増加率kおよび第1変極点Aについては車種が異なってもほぼ同一の値となるという知見により固定値とされて調整すべき制御パラメータから除外されている。そして、演算装置3には、中間増加率k、後期増加率kおよび第2変極点Aの3個の制御パラメータが調整すべき制御パラメータとして入力されている。
ここで、アクセル開度Aの初期増加率kと後期増加率kは、加速時の加速度の増加率を調整するための制御パラメータである。アクセル開度Aの中間増加率kおよび第2変極点Aの制御パラメータは、ミッション系のガタ詰めのタイミングを調整するための制御パラメータである。このように本実施形態においては、加速度の増加率を調整するための制御パラメータとミッション系のガタ詰めのタイミングを調整するための制御パラメータとを分けて各制御パラメータを調整するため、加速度の増加率を下げることなくすなわち車両の加速性能を損なうことなくミッション系のガタを原因とした加速度の揺れを低減することができる。
演算装置3は、これらの制御パラメータの数nが3であるから3×2=24回試行を行って、すなわち生成された2=8個の個体に対する8回の試行と1個体ずつの試行と交叉との繰り返しにおける8×2=16回の試行との計24回の試行を行って、これらの制御パラメータの最適値を算出するようになっている。
また、車両の減速時に行われる燃料カット制御に関連する制御パラメータとしては、エンジンを構成する各気筒の1気筒目に対して燃料カットを行うか否かおよび行う場合の燃料カットのタイミングCT1、1気筒目の燃料カット後2気筒目に対して燃料カットを行うか否かおよび行う場合の燃料カットのタイミングCT2、…等が挙げられる。
本実施形態では、燃料カット制御に関連するこれらの制御パラメータのうち、1気筒目に対する燃料カットのタイミングCT1、1気筒目の燃料カット後の2気筒目に対する燃料カットのタイミングCT2および2気筒目の燃料カット後の3、4気筒目に対する燃料カットのタイミングCT34の3個の制御パラメータが調整すべき制御パラメータとして演算装置3に入力されている。
演算装置3は、これらの制御パラメータの数nが3であるから3×2=24回試行を行って、すなわち生成された2=8個の個体に対する8回の試行と1個体ずつの試行と交叉との繰り返しにおける8×2=16回の試行との計24回の試行を行って、これらの制御パラメータの最適値を算出するようになっている。
次に、本実施形態に係るエンジン制御パラメータ調整システム1の作用について説明する。
車両が減速している状態すなわち車両の加速度aが負の状態でアクセルペダルを踏み込んで加速すると、前述したようにエンジンのトルク変動等が原因となって図9に示すように加速度aの揺れすなわち車両の前後方向に振動が生じる。なお、図9には、エンジン回転数ERとアクセル開度Aがあわせて表示されている。
まず、この車両の加速時に行われる前記スナッチ制御の場合について述べる。演算装置3は、スナッチ制御に関連する調整すべき制御パラメータとして入力されている1回目スナッチ量SC1、2回目スナッチ量SC2、スナッチ制御介入タイミングTonおよび定数Cの4個の制御パラメータを要素とする2=16個の個体をRAM上に生成させる。その際、各個体の制御パラメータの値はSC1、SC2、TonおよびCの上限値および下限値を組み合わせたものである。
それと同時に、演算装置3は、アクセル開度Aを調整して車両のエンジン回転数ERを上昇させ、エンジン回転数ERが下方値ERより大きくなった段階でアクセルOFFを表す電圧Vを割り込み装置7をエンジン制御ユニット2に入力し、エンジン回転数ERを減少させ、車両の加速度aが負の値となるようにする。
そして、生成させた16個の個体の中から1つの個体を選択し、その個体に含まれる制御パラメータSC1、SC2、Ton、Cをエンジン制御ユニット2に送信してエンジン制御ユニット2をセットアップするとともに、加速度センサ6から送信されてくる車両の前後方向の加速度aのRAMへの記録を開始する。
演算装置3は、車両のエンジン回転数ERが減少して下方値ERになった時点TでアクセルONの電圧Vすなわち設定されたアクセル開度Aに対応する電圧Vをエンジン制御ユニット2に入力してエンジン回転数ERを上げ、車両を加速させる。そして、得られた加速度aから前記(1)式に基づいてその個体の評価値Qを演算してその個体に割り当てる。
なお、レスポンスRe、加速度の傾きJeおよび加速度の最大振幅Shの目標値ReT、JeT、ShTは予め演算装置3に設定されている。また、本実施形態では、エンジン回転数ERが上昇して上方値ERに達した時点でアクセルをOFF操作して車両減速時の燃料カット制御に関連する制御パラメータの調整が同時に行われるが、これについては後述する。
演算装置3は、他のすべての個体についても同様にそれぞれ試行を行って、生成した16個の個体すべてについて評価値Qを割り当てる。
続いて、演算装置3は、16個の個体の中で評価値Qが最良の個体と評価値Qが最悪の個体を抽出し、前記(2)式に従って評価値Qが最悪の個体の制御パラメータSC1、SC2、Ton、Cを変化させ、評価値Qが最悪の個体を新たな個体と入れ替える。具体的には、前述した図4に示したn=2の例で言えば、図10に示すように●で示される評価値Qが最悪の個体が◎で示される評価値Qが最良の個体に向かって接近するようにして1試行につき1個体を入れ替えながら最適値の探索範囲が狭められていく。
そして、この場合、前述したように48回の試行が行われ、約10分でこれらの制御パラメータの最適値が算出される。また、このようにして算出された制御パラメータの最適値をエンジン制御ユニット2に設定した場合の車両の加速度aおよびエンジン回転数ERの推移を図11に示す。
図11を図9と比較して分かるように、スナッチ制御によりアクセルのON操作後のエンジン回転数ERの揺れがほぼ打ち消され、車両の加速度aが平坦化されており、車両の運動状態が減速状態から加速状態に切り換わる際の車両の前後方向に生じる振動が抑制されている。
車両の運動状態が減速状態から加速状態に切り換わる際に行われる前記アクセル制御についてもスナッチ制御と同様にして制御パラメータk、k、Aの最適値の算出が行われる。図12は、アクセル制御により算出された制御パラメータの最適値をエンジン制御ユニット2に設定した場合の車両の加速度aおよびエンジン回転数ERの推移を示す図である。
スナッチ制御の結果を示す図11と比較すると、アクセル制御の結果では、エンジン回転数ERや車両の加速度aに若干揺れが見られるが、車両の運動状態が減速状態から加速状態に切り換わる際に加速度の適度な増加が得られていることが分かる。
なお、例えば、車両の加速度aの平坦化を重視したい場合には、前記(1)式において重みWr、Wjに対して重みWsをより大きな値を変えればよい。また、本実施形態では、スナッチ制御に関連する制御パラメータの調整を行った後、アクセル制御に関連する制御パラメータの調整を行うようにしている。このように調整を行うことで、車両の加速時の加速度aの平坦化および加速度の適度な増加をともに達成することができる。
車両の減速時に行われる燃料カット制御に関連する制御パラメータの調整も同様にして行われる。すなわち、演算装置3は、スナッチ制御に関連する調整すべき制御パラメータとして入力されている1気筒目に対する燃料カットのタイミングCT1、1気筒目の燃料カット後の2気筒目に対する燃料カットのタイミングCT2および2気筒目の燃料カット後の3、4気筒目に対する燃料カットのタイミングCT34の3個の制御パラメータを要素とする2=8個の個体をRAM上に生成させる。その際、各個体の制御パラメータの値はCT1、CT2、CT34の上限値および下限値を組み合わせたものである。
そして、生成させた8個の個体の中から1つの個体を選択し、その個体に含まれる制御パラメータCT1、CT2、CT34をエンジン制御ユニット2に送信してエンジン制御ユニット2をセットアップするとともに、加速度センサ6から送信されてくる車両の前後方向の加速度aのRAMへの記録を開始する。
演算装置3は、車両のエンジン回転数ERが増加して上方値ERになった時点TでアクセルOFFの電圧Vをエンジン制御ユニット2に入力してエンジン回転数ERを下げ、車両を減速させる。そして、得られた加速度aから前記(1)式に基づいてその個体の評価値Qを演算してその個体に割り当てる。
演算装置3は、他のすべての個体についても同様にそれぞれ試行を行って、生成した8個の個体すべてについて評価値Qを割り当てる。後は、前記スナッチ制御等と同様にして制御パラメータの最適値を算出する。
そして、この場合、前述したように24回の試行が行われ、約5分でこれらの制御パラメータの最適値が算出される。このようにして算出された制御パラメータの最適値をエンジン制御ユニット2に設定した場合の車両の加速度aおよびエンジン回転数ERの推移を図13に示す。また、このような燃料カット制御を行わない場合の車両の加速度aおよびエンジン回転数ERの推移を図14に示す。
図13と図14とを比較すると、図13に示されるように燃料カット制御に関連する制御パラメータが最適化された場合には、アクセルのOFF操作後のエンジン回転数ERの揺れが見られなくなり、車両の加速度aがより平坦化されて車両の運動状態が加速状態から減速状態に切り換わる際の車両の前後方向に生じる振動が抑制されている。
また、燃料カット制御に関連する制御パラメータが最適化された場合には、車両の運動状態が加速状態から減速状態に切り換わった直後の加速度の減少率が図14の場合に比べてより滑らかになっており、加速度aの適度な減少が得られていることが分かる。
以上のように、本実施形態に係るエンジン制御パラメータ調整システム1によれば、演算装置3では、レスポンスRe、加速度の傾きJeおよび加速度の最大振幅Shについて目標値ReT、JeT、ShTを定め、それらと実測値との差に基づいて調整すべき制御パラメータを要素とする各個体の評価値Qを演算し、最良の評価値Qを有する個体に含まれる制御パラメータを調整すべき制御パラメータの最適値として算出する。
そのため、車両の加減速時に生じるエンジン回転数ERの揺れが打ち消され、車両の加速度aの揺れも平坦化されて、車両の前後方向に生じる振動が効果的に抑制されるようにエンジン制御ユニット2の制御パラメータを調整することが可能となる。また、車両の加減速時に生じ易い急激な加速度の発生も抑制されて適度な加速度の増減が得られ、乗員に不快感を与えることなく良好な乗り心地が得られる。
また、本実施形態では、制御パラメータの最適化において、1回の試行につき1個体の制御パラメータを変化させその制御パラメータを変化させた1個体についてのみ試行を行って評価値Qを求めるため、遺伝的アルゴリズムによる最適化のように各試行ごとに2個の個体のすべてについて評価値Qを求める場合に比べて制御パラメータの最適値が求められるまでの時間を短縮することができ、実用的な時間内で制御パラメータの調整を行うことが可能となる。
実際、前述したように従来の制御パラメータを人為的に調整する方法やニューラルネットワークを用いる方法等では、制御パラメータ調整に1時間から数十時間の時間を要していたが、本実施形態に係るエンジン制御パラメータ調整システム1によれば、約5〜10分、或いは長くても20分程度で制御パラメータの調整を行うことができる。
さらに、個体の生成や評価値Qの演算等をすべて演算装置3が自動的に行うため、制御パラメータの調整を容易に行うことが可能となる。
また、演算装置がアクセル操作を自動的に行うように構成すれば、作業者は車両のステアリングホイールの操作を行うだけでよくなり、制御パラメータの最適値の算出が非常に容易になるとともに、演算装置によりアクセル操作が正確に行われるため、制御パラメータの最適値の演算をより精緻に行うことが可能となり、制御パラメータの調整の精度を向上させることができる。
また、レスポンスRe、加速度の傾きJeおよび加速度の最大振幅Shの目標値ReT、JeT、ShTと実測値との差を重み付けして評価値Qを演算するように構成することで、より重視したい要素の重みを大きく調整したり、全体をバランスよく調整したりすることが可能となり、より的確な制御パラメータの調整が可能となる。
また、演算装置3での交叉において、探索される制御パラメータの数をnとした場合に個体を2個設け、試行開始時に各制御パラメータの上限値および下限値を境界とするn次元の探索空間の各頂点に対応する制御パラメータを要素とする個体を生成するように構成すれば、前述した1試行につき1個体のみの制御パラメータを変化させることとあわせて、2個の個体によっていわば挟み撃ちにするようにして探索空間を探索することが可能となるため、制御パラメータの最適値を確実に算出することが可能となる。
また、演算装置3での交叉において、各試行につき、評価値Qが最良の個体に含まれる制御パラメータの値に基づいて他の1つの個体に含まれる制御パラメータの値を変化させるように構成すれば、遺伝的アルゴリズムによる最適化のように各個体がランダムに探索空間内を探索するのではなく、評価値Qが向上する確率が高い方向に前記他の個体の制御パラメータの値を変化させる、すなわち最適値に近づく可能性が増加する方向に前記他の個体の制御パラメータの値を変化させることができるため、より短時間で精度良く制御パラメータの調整を行うことが可能となる。
また、前記他の個体として評価値Qが最悪の個体に含まれる制御パラメータの値を評価値Qが最良の個体に含まれる制御パラメータの値に近づけるように変化させるように構成することで、全個体中の特定の個体だけで制御パラメータの最適値を探索する事態に陥ることなく、個体全体でいわば挟み撃ちするようにして探索空間を探索して制御パラメータの最適値を算出することが可能となり、より精度良く制御パラメータの調整を行うことが可能となる。
また、スナッチ制御に関連する制御パラメータについて最適値の算出を行うことで、特にスナッチ制御によりアクセルのON操作後のエンジン回転数ERの揺れを打ち消すように制御パラメータが調整されるため、車両の加速度aの揺れを効果的に抑制することが可能となる。
また、アクセル制御に関連する制御パラメータについて最適値の算出を行うことで、特にアクセル制御によりアクセルのON操作後の車両の加速度aの急激な増加が抑制されるように制御パラメータが調整されるため、加速度aの適度な増加がより的確に得られる。
また、燃料カット制御に関連する制御パラメータについて最適値の算出を行うことで、燃料カット制御によりアクセルのOFF操作後のエンジン回転数ERの揺れを抑制し急激な減速が抑制されるように制御パラメータが調整されるため、車両の加速度aの揺れを効果的に抑制し、加速度aの適度な減少を得ることが可能となる。
なお、前記(1)式に示したように評価値Qの演算の際に、レスポンスRe、加速度の傾きJe、加速度の最大振幅Shの実測値と目標値ReT、JeT、ShTとの差だけでなく、例えば図15に実線で示すように加速度aが負から正に加速反転した時刻T以降の目標加速度aTを設定してそれと加速度aの実測値との差にも基づいて各個体の評価値Qを演算するように構成することも可能である。
また、レスポンスReの目標値ReT、加速度の傾きJeの目標値JeT、及び加速度aが負から正に加速反転した時刻T以降の目標加速度aTをつなぎ合わせて直線近似した波形を目標値として設定し、その目標値と実測による加速度の波形との差に基づいて各個体の評価値Qを演算することも可能である。
具体的には、前記(1)式に代わり、下記(3)式に従って各個体の評価値Qを演算する。
Q=(ReT−Re)×Wr+(JeT−Je)×Wj+(Sh−ShT)×Ws + Err×We …(3)
ここで、Errは、波形の目標値と実測による加速度の波形との2乗誤差の積分値を示し、Weは重みを示す。
前記(3)式は、前記(1)式に対し、右辺第4項に示すErr×Weを追加している。また、前記(1)式では、右辺第2項及び右辺第3項において各目標値と実測値の差を強調するためにそれぞれの差を2乗していたが、前記(3)式においては、右辺第2項及び右辺第3項における目標値と実測値との差の強調は行っていない。なお、前記(3)式においても、右辺第2項及び右辺第3項における目標値と実測値との差をそれぞれ2乗して差を強調することもできる。
前記(3)式によれば、加速度の目標波形と実測による波形との差をもとに各個体を評価するため、例えば、加速度aが負から正或いは正から負に反転した時刻T以降において加速度が一様に変化せずに段付き状に変化する場合であっても、適正に各個体を評価することができる。また、これにより、制御パラメータを適正に調整することが可能となる。
さらに、本実施形態では、試行回数について、生成された2個の初期個体に対する評価値算出のための2回の試行と、1試行につき1個体の制御パラメータを変化させていく2の2倍すなわち2n+1回の試行を行う場合について述べたが、後者は例えば2の2倍でなくてもよく、また、2+2n+1=3×2回の試行全体をさらに複数回繰り返して制御パラメータの調整の精度を高めるようにすることも可能である。
また、本実施形態では、スナッチ制御に関連する制御パラメータの調整を行った後、アクセル制御に関連する制御パラメータの調整を行うようにしているが、これに限らず、アクセル制御に関連する制御パラメータの調整を行った後、スナッチ制御に関連する制御パラメータの調整を行うようにしても良い。
本実施形態に係るエンジン制御パラメータ調整システムの構成を示すブロック図である。 エンジン回転数に基づく演算装置によるアクセルのON/OFF操作を説明する図である。 本実施形態で用いられる個体の構成を説明する図である。 探索空間の構成およびその各頂点に対応する制御パラメータを要素とする個体が生成されることを説明する図である。 車両の加速時に入力される加速度を示す図である。 車両の減速時に入力される加速度を示す図である。 車両の加速時に行われるスナッチ制御を説明する図である。 車両の加速時に行われるアクセル制御を説明する図である。 車両の加速時の加速度およびエンジン回転数の推移を示すグラフである。 評価値が最悪の個体から入れ替えられた新たな個体を示す図である。 スナッチ制御が行われた場合の加速度およびエンジン回転数の推移を示すグラフである。 アクセル制御が行われた場合の加速度およびエンジン回転数の推移を示すグラフである。 燃料カット制御が行われた場合の加速度およびエンジン回転数の推移を示すグラフである。 燃料カット制御を行わない場合の車両の減速時の加速度およびエンジン回転数の推移を示すグラフである。 評価値算出に用いられる目標加速度の例を示す図である。
符号の説明
1 エンジン制御パラメータ調整システム
2 エンジン制御ユニット
3 演算装置
a 加速度
Je 傾き
JeT 傾きの目標値
n 選択された制御パラメータの個数
P1〜Pn 制御パラメータ
Q 評価値
Re レスポンス
ReT レスポンスの目標値
S 探索空間
Sh 加速度の最大振幅
ShT 加速度の最大振幅の目標値
Wr、Wj、Ws 重み
α 割合

Claims (10)

  1. 車両の加減速時における車両の前後方向の振動を抑制するためにエンジン制御ユニットの制御パラメータを調整するエンジン制御パラメータ調整システムであって、
    車両に搭載された制御パラメータを書き換え可能なエンジン制御ユニットと、
    前記エンジン制御ユニットの制御パラメータの最適値を算出する演算装置と
    を備え、
    前記演算装置は、前記制御パラメータを要素とする複数の個体を有し、制御パラメータが個体に含まれる制御パラメータに書き換えられた前記エンジン制御ユニットで制御される車両による試行を行って、少なくともアクセル操作から加速または減速への反転までの時間、加速度の変化率および加速度の最大振幅についてそれぞれ設定された目標値と前記試行により求められる前記時間、変化率および最大振幅の実測値との差に基づいて各個体の評価値を演算し、かつ、試行が完了するごとに交叉により1個体ずつそれに含まれる制御パラメータを変化させ、1回の試行では前記制御パラメータを変化させた個体についてのみ試行を行い、終了条件を満たした時点で最良の評価値を有する個体に含まれる制御パラメータを前記制御パラメータの最適値とし、
    前記交叉は、各試行につき、評価値が最悪の個体に含まれる制御パラメータの値を、評価値が最良の個体に含まれる制御パラメータの値との差に応じて所定の割合で前記評価値が最良の個体に含まれる制御パラメータの値に近づけるようにして変化させて行われることを特徴とするエンジン制御パラメータ調整システム。
  2. 前記演算装置は、前記アクセル操作を自動的に行うことを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御パラメータ調整システム。
  3. 前記評価値は、前記アクセル操作から加速または減速への反転までの時間、加速度の単位時間当たりの変化率および加速度の最大振幅についてそれぞれ設定された目標値と実測値との差にそれぞれ重みを掛けて加算して求められることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジン制御パラメータ調整システム。
  4. 前記個体は、探索される制御パラメータの数をnとした場合に2n個設けられ、かつ、試行開始時には、各制御パラメータの上限値および下限値を境界とするn次元の探索空間の各頂点に対応する制御パラメータを要素とする個体がそれぞれ生成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエンジン制御パラメータ調整システム。
  5. 前記個体に含まれる制御パラメータは、スナッチ制御に関連する制御パラメータであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のエンジン制御パラメータ調整システム。
  6. 前記個体に含まれる制御パラメータは、アクセル制御に関連する制御パラメータであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のエンジン制御パラメータ調整システム。
  7. 前記アクセル制御に関連する制御パラメータは、アクセル開度の初期増加率、アクセル開度の中間増加率、アクセル開度の後期増加率、及び前記初期増加率から前記中間増加率に切り替える変極点であることを特徴とする請求項に記載のエンジン制御パラメータ調整システム。
  8. 前記個体に含まれる制御パラメータは、燃料カット制御に関連する制御パラメータであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のエンジン制御パラメータ調整システム。
  9. 前記演算装置は、加速度の時系列的な変化を示す波形について設定された目標値と実測値との差に基づいて前記各個体の評価値を演算することを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御パラメータ調整システム。
  10. 前記評価値は、前記アクセル操作から加速または減速への反転までの時間、前記加速度の単位時間当たりの変化率、前記加速度の最大振幅および加速度の時系列的な変化を示す波形についてそれぞれ設定された目標値と実測値との差にそれぞれ重みを掛けて加算して求められることを特徴とする請求項に記載のエンジン制御パラメータ調整システム。
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