JP4822139B2 - 機器及び機器の製造方法 - Google Patents
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Description
特に、基準発振回路、PLL回路、及びシンセサイザー回路等、機能及びハード構成が確立し、且つ高安定性、高性能化が要求される回路部品に関してモジュール化への傾向が強まっている。更に、これらの部品群をモジュールとしてパッケージ化することによりシールド構造を確立しやすくなるという利点がある。
複数の関連部品をモジュール化、パッケージ化することにより構築される表面実装用の電子部品としては、例えば圧電振動子、圧電発振器、SAWデバイス等を例示することができるが、これらの機能を高く維持しつつ、更なる小型化を図るために、例えば図6に示した如き二階建て構造のモジュールが採用されている。
即ち、まず図6(a)は二階建て構造型モジュールの第1例としての表面実装型圧電デバイス(水晶発振器)の構成を示す縦断面略図であり、セラミック製の容器本体101と金属リッド102からなる容器の内部に水晶振動素子103を収容した水晶振動子100と、水晶振動子100の底面に接合される容器105の空所105a内に発振回路、温度補償回路などを構成するIC部品106をベアチップ実装して密封した構成を備えた底部構造体(IC部品ユニット)107と、を備えている。この水晶発振器をプリント基板上に実装する際には、容器105の底面に設けた外部電極105bを用いた半田付けが行われる(例えば、特開2001−177346公報、特開平11−355047号公報)。
また、図6(b)は二階建て構造型モジュールの第2例としての水晶発振器の構成を示す断面図であり、底部構造体107を構成する空所105aを下向きに開放するとともに、必要に応じて空所105aの開口を底板105cにより閉止した点が(a)の従来例と異なっている(例えば、特開2000−278047公報)。
しかし、縦横寸法が十数mm程度の小型発振器の側面に形成される調整用端子110の面積は更に微小とならざるを得ないため、プローブを当接させての調整作業は極めて煩雑、且つ効率の悪い作業となる。また、プローブを当接させるのに必要十分な面積を確保する必要から、調整用端子110の小面積化には限界があるため、その分だけ発振器の小型化にも限界が生じている。従って、これらの問題点の改善が強く求められている。
更に、最近では、アッセンブリメーカーがコスト削減のために、従来のように水晶振動子とIC部品を組み付けた完成品としての発振器を購入するのを差し控え、発振器を構成する水晶振動子部分だけを単独で購入し、IC部品との組立作業は自社にて行う傾向がある。この場合、機器本体、例えば携帯電話機に完成した発振器を組み込んでから側面に設けた調整用端子にプローブを当接して調整作業を行おうとすると、側方に隣接配置された周辺部品が障害となる等、レイアウト上の理由から調整作業が極めて困難化する虞がある。逆に、発振器と隣接する他の部品との間にはプローブを差し入れるための十分なスペースを確保しておく必要があり、機器の小型化に対する障害をもたらすこととなる。
請求項2の発明は、請求項1において、前記蓋部材が金属性であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記IC部品を収容したIC部品ユニットが前記プリント基板上に固定され、前記圧電振動子が前記IC部品ユニット上に固定されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜3において、前記圧電振動子の前記蓋部材に相対して配置され、調整用開口が形成された仕切り板を有し、平面視において、前記圧電振動子の前記蓋部材の少なくとも一部が前記調整用開口から露出していることを特徴とする。
請求項5の発明は、プリント基板に圧電振動子及びIC部品を備えた機器の製造方法であって、前記圧電振動子は、容器本体に圧電振動素子を収容し、表面の少なくとも一部に金属面を有した蓋部材により前記容器本体を封止した構成であり、少なくとも制御信号入力端子である調整端子を備えた前記IC部品と、前記圧電振動子とを前記調整端子と前記蓋部材の前記金属面とが導通するように前記プリント基板に搭載する工程と、調整装置の調整用プローブを前記蓋部材の金属面に当接させ、前記金属面を介して前記調整装置から前記IC部品へ調整用データを入力する工程とを備えることを特徴とする。
請求項6の発明は、プリント基板に圧電振動子及びIC部品を備えた機器の製造方法であって、前記圧電振動子は、容器本体に圧電振動素子を収容し、表面の少なくとも一部に金属面と前記圧電振動素子の特性の記録情報とを有した蓋部材により前記容器本体を封止した構成であり、少なくとも制御信号入力端子である調整端子を備えた前記IC部品と、前記圧電振動子とを前記調整端子と前記蓋部材の前記金属面とが導通するように前記プリント基板に搭載する工程と、前記蓋部材の前記記録情報を読み取る工程と、調整装置の調整用プローブを前記蓋部材の金属面に当接させ、読み取った前記蓋部材の前記記録情報に基づく調整用データを、前記金属面を介して前記調整装置から前記IC部品へ入力する工程とを備えることを特徴とする。
図1は本発明の一実施形態に係る水晶発振器の回路図であり、図4は図1に示した水晶発振器の回路を構成する部品を組み立てた状態の水晶発振器の断面構成を示す図である。
まず、図1の回路図に示す水晶発振器は、例えばコルピッツ型発振回路の入力端と温度補償回路の一端とを容量を介して接続し、更に温度補償回路の他の一端を水晶振動子の一端Aに接続し、水晶振動子の他の一端BをGNDに接続したものである。
そして、図1に示すコルピッツ型発振回路及び温度補償回路は、集積回路としてICチップ化されたものであり、またその回路設定条件を調整する場合には外部からICチップ内部に供給する制御信号によってICチップ内のメモリ(図示しない)のデータが書き換えられる。
従って、発振回路及び温度補償回路を構成するIC部品には、少なくとも制御信号の入力端子となる調整端子と水晶振動子の端子Aに接続する接続端子A’とGND端子及び発振回路の出力端子を設ける。
一方、図4(a)に示す水晶発振器の構成は、同図(b)に示すような構造の水晶振動子の裏面側に上述したIC部品を配置したものである。
即ち、水晶振動子1は同図(b)に示すようにセラミック等の絶縁材料からなる容器本体10の上部凹所11内の内部電極12上に水晶振動素子(圧電振動素子)13を導電性接着剤(導電性ペースト)を用いて電気的・機械的に接続し、容器本体10の外璧上面の導体リング15には金属リッド(蓋部材)16を溶接等によって電気的・機械的に接続して凹所11内を気密封止したものである。
更に、容器本体10の外底面には複数の底部電極20が配置されている。
そして更に、金属リッド16は、容器本体10の表面又は内部に設けた配線パターンを介して少なくとも一つの底部電極20(導体パターン13a及び13bを接続した底部電極以外のもの)に導通接続したものである。
そして、図4(a)に示す水晶発振器は、IC部品42の温度補償回路との接続端子A’と水晶振動子1の接続端子Aとを導通接続すると共に、IC部品42のGND電極と水晶振動子1の接続電極Bとを導通接続し、更に、IC部品42の調整端子を水晶振動子1の金属リッド16と導通した底部電極20に導通接続し、IC部品42の出力電極とGND電極及び電源電極(水晶発振器機能電極)を容器41の内部又は表面に設けた導体路を介して発振器の実装端子44に導出するように構成したものである。
なお、図4(a)に示す水晶発振器では、容器41の実装端子側の面が閉じられた状態であるが、IC部品42の上面を開口した構造(容器41の下側面を開放した構造)であっても構わない。
また、上記実施形態では、水晶振動子1とIC部品42とを容器41を介して接続する構造を例示したが、水晶振動子1の容器本体10の底面に直接にIC部品41をフェイスダウン接続した構造としてもよく、この場合、容器41の構造は凹部状、枠状となり、一方、容器41の代わりに例えば金属製のボールを容器本体10の裏面に搭載し、IC部品42の水晶発振器機能電極とボールとを容器本体10の内部配線を介して導通接続した構造であっても構わない。
また更に、水晶振動子1としては、水晶振動素子の一主面に複数の励振電極を設け、他の主面に前記複数の励振電極と対面した共通電極を備えたものであっても良く、この場合、金属リッド16側に共通電極が対面するよう水晶振動素子を容器本体10に搭載し、且つ、共通電極を接地すると共に、少なくとも2つの励振電極からなる2端子回路を発振ループ内に直列接続するよう構成する。
更にまた、水晶振動子1の一端をGNDに接続する構造を例示したが、交流的のみのシールド効果で足りる場合には、水晶振動素子の上面電極とGNDとの問に例えば100pF以上の容量値が大きい容量素子を介在させた構造であってもよい。
そして、以上のような構造の水晶発振器であれば、水晶振動素子13の上面の接地された励振電極13cがシールド導体として機能すると共に、金属リッド16を調整端子として利用することができると共に、金属リッド16を調整端子として利用することにより、容器本体10又は容器41に設ける必要があった調整用端子の数を少なくすることができる。
即ち、図2(a)は従来の温度補償回路及び調整回路の構成を示す回路図であり、従来はIC部品(TCXO・IC)内の調整回路を調整するために、調整用端子としてチップセレクト(CS)、データ・イン・アウト(DIO)、アナログ電圧イン・アウト(UTIL)、クロック入力(SCLK)の4端子が必要であった。CSは調整装置側から調整するTCXO・ICを選択するための信号用端子であり、DIOは通信ハンドシェイクのための信号用端子であり、UTILは温度変化によるセンサからのアナログ電圧等の信号用端子であり、SCLKはTCXO・ICを動作させるために外部から供給するクロック信号用の端子である。このように従来のIC部品では4つの調整用端子が必要で、且つ外部からクロック信号を供給しなければならないために、TCXO・ICの発振出力と調整装置との同期がとれなかった。
図2(b)は本出願人の提案に係る新規回路の説明図であり、この回路では、SCLKを自身の水晶発振回路の出力を分周してTCXO・ICに供給する(SCLK端子の削除)。また、DIOとUTILを共通端子に接続して(2本の信号線を1本に削減)、TCXO・ICは常時選択されるようにしてCS端子を削除する。これにより、4端子を1端子にすることができ、且つTCXO・ICと調整装置の同期をとることができる。
本発明に係る水晶振動子1は、このようなIC部品側の端子構成に対応させて調整用電極20aの数を単一化するとともに、この調整用電極20aを金属リッド16と導通させることにより、金属リッドを調整用端子として利用できるように構成したものである。
なお、調整用端子を4端子備えた従来タイプのIC部品に適合するように4つの調整用電極を備えた水晶振動子を使用する場合には、図3に示すように金属リッドに代えてセラミック等の絶縁材料を基材とするリッド(蓋部材)30を用い、絶縁基材の上面に、メタライズによって調整用電極数と同数の区画領域(調整領域)31を形成し、各区画領域31を各調整用電極と個別に接続して夫々独立した調整用端子として利用する。各区画領域31間は、絶縁基材の露出部32により仕切られている。なお、各区画領域31と各調整用電極との導通を確保し易くするために、各区画領域31から絶縁基材の側面、底面にかけて延長電極を形成しておくのが好ましい。
次に、図5は温度補償係数等の各種調整値の調整がなされていない水晶振動子を単体で購入したアッセンブリメーカー(例えば、携帯電話機のメーカー)が、発振回路、温度補償回路等を備えたIC部品と水晶振動子との組付けを行う場合における調整作業例を示している。
符号50は、取り付け対象機器の一例としての携帯電話機であり、筐体51上にはバッテリーパック52、プリント基板53等が配置されている。プリント基板53上には表面実装水晶発振器54、他の部品群55が搭載され、プリント基板53の上方に配置された仕切板60には水晶発振器54の上面を露出させるための調整用開口61が形成されている。
水晶発振器54は、IC部品ユニット40上に本発明の水晶振動子1を組付け一体化した構成を備えている。水晶振動子1の蓋部材16、或いは30の上面には当該水晶振動子固有の温度特性等の情報を記録した二次元バーコードが配置されている。仕切板60に設けた調整用開口61からは二次元バーコードと蓋部材16、30の上面が露出されているため、調整装置65に設けたバーコードリーダと調整ピン(プローブ)66を調整用開口61内に差し入れてバーコード記録情報の読取りと、読み取った情報に基づいた調整用データの入力を一括して行う。水晶発振器54以外にも要調整部品(例えば、55a)が隣接配置されている場合には、他の開口61aから要調整部品55aを露出させておき、調整装置65に設けた他の調整ピン67を用いて調整用データの入力を行う。
なお、上記実施形態では、圧電発振器の代表例として水晶発振器を例示したが、本発明は圧電材料から成る圧電振動素子を使用した発振器に適用できる。
Claims (6)
- 圧電振動子及びIC部品が搭載されたプリント基板を備えた機器であって、
前記圧電振動子は、圧電振動素子と、前記圧電振動素子を収容する容器本体と、前記容器本体を封止する蓋部材とを備え、
前記IC部品は、少なくとも制御信号入力端子である調整端子を備え、
前記蓋部材は、表面の少なくとも一部に金属面を有し、
前記IC部品の前記調整端子が前記蓋部材の前記金属面と導通していることを特徴とする機器。 - 前記蓋部材が金属性であることを特徴とする請求項1に記載の機器。
- 前記IC部品を収容したIC部品ユニットが前記プリント基板上に固定され、
前記圧電振動子が前記IC部品ユニット上に固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の機器。 - 前記圧電振動子の前記蓋部材に相対して配置され、調整用開口が形成された仕切り板を有し、
平面視において、前記圧電振動子の前記蓋部材の少なくとも一部が前記調整用開口から露出していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の機器。 - プリント基板に圧電振動子及びIC部品を備えた機器の製造方法であって、
前記圧電振動子は、容器本体に圧電振動素子を収容し、表面の少なくとも一部に金属面を有した蓋部材により前記容器本体を封止した構成であり、
少なくとも制御信号入力端子である調整端子を備えた前記IC部品と、前記圧電振動子とを前記調整端子と前記蓋部材の前記金属面とが導通するように前記プリント基板に搭載する工程と、
調整装置の調整用プローブを前記蓋部材の前記金属面に当接させ、前記金属面を介して前記調整装置から前記IC部品へ調整用データを入力する工程と
を備えることを特徴とする機器の製造方法。 - プリント基板に圧電振動子及びIC部品を備えた機器の製造方法であって、
前記圧電振動子は、容器本体に圧電振動素子を収容し、表面の少なくとも一部に金属面と前記圧電振動素子の特性の記録情報とを有した蓋部材により前記容器本体を封止した構成であり、
少なくとも制御信号入力端子である調整端子を備えた前記IC部品と、前記圧電振動子とを前記調整端子と前記蓋部材の前記金属面とが導通するように前記プリント基板に搭載する工程と、
前記蓋部材の前記記録情報を読み取る工程と、
調整装置の調整用プローブを前記蓋部材の前記金属面に当接させ、読み取った前記蓋部材の前記記録情報に基づく調整用データを、前記金属面を介して前記調整装置から前記IC部品へ入力する工程と、
を備えることを特徴とする機器の製造方法。
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