JP4821981B2 - ダイカスト装置及びダイカスト装置のガス巻込み検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイカスト装置及びダイカスト装置のガス巻込み検出方法に関する。
従来のダイカスト装置の一例として、特許文献1に示されるダイカスト装置がある。特許文献1に示すダイカスト装置は、キャビティに連通する射出スリーブに供給された金属溶湯を減圧されたキャビティへ射出、充填する射出装置と、キャビティに射出、充填される金属溶湯の鋳造圧力を検出する圧力検出器と、圧力検出器の検出値に基づいて、金属溶湯を射出、充填する前に、減圧されたキャビティ内へ射出スリーブから金属溶湯が吸引されたか否かを判別する判別部とを有し、減圧した状態の金型内に金属溶湯を射出、充填する際に、金属溶湯が減圧により金型内へ吸引されたか否かを検出するようにしている。
特開2005−238332号公報
ところで、ダイカスト装置において金型のキャビティへ金属溶湯を射出、充填する場合、エア又は型内の残存ガス(エア又は残存ガスについて、これらを代表して、以下、適宜、ガスという。)の巻込みがあり、これによって鋳巣と呼ばれる欠陥が発生する。この欠陥を把握する上で、ガスの巻込みを定量的に判断することが望まれている。
しかしながら、上述した従来技術では、ガスの巻込みを検出できず、また、その定量的な判断について行えるものになっていなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ガスの巻込みの検出及びその定量的な判断を行うことができるダイカスト装置及びダイカスト装置のガス巻込み検出方法を提供することを目的とする。
請求項1記載のダイカスト装置に係る発明は、金型のキャビティへの金属溶湯の充填に用いられるプランジャの位置を検出するプランジャ位置検出手段と、前記プランジャのロッドに連結された油圧シリンダに作動油を給排する油圧装置と、前記油圧シリンダと並列に配置された回転−直線動変換機構を駆動する射出モータと、前記油圧装置及び射出モータを制御する射出制御装置と、設定されたプランジャ速度パターンにおいて金属溶湯の充填完了が近付きプランジャの慣性によるサージ圧を回避し得るように設定された最終充填速度から所定量低下したときの、前記プランジャ位置検出手段によって検出されたプランジャの位置と、ガス巻込みがない場合の金属溶湯の充填が完了するプランジャ位置であるプランジャ基準位置とに基づいて、前記金属溶湯へのエア又はガスの巻込み量を検出するガス巻込み量検出手段とを備えており、前記射出制御装置が、設定されたプランジャ速度パターンにしたがって、前記射出モータを最初に速度制御し、金属溶湯の充填完了が近付くと、プランジャの慣性によるサージ圧を回避し得るように設定された最終充填速度でトルク制御するとともに、前記金属溶湯が充填完了すると、充填された金属溶湯を前記油圧シリンダにより昇圧させるように前記油圧装置を制御し、前記ガス巻込み量検出手段は、前記射出制御装置が前記射出モータを速度制御からトルク制御に切り換えて最終充填速度とし、充填完了が近付いてプランジャの速度が最終充填速度から所定量低下したときの、前記プランジャ位置検出手段によって検出された前記プランジャの位置と、前記プランジャ基準位置とに基づいて、前記金属溶湯へのエア又はガスの巻込み量を検出することを特徴とする。
請求項2記載のダイカスト装置のガス巻込み検出方法に係る発明は、プランジャのロッドに連結された油圧シリンダに作動油を給排する油圧装置と、前記油圧シリンダと並列に配置された回転−直線動変換機構を駆動する射出モータと、前記油圧装置及び射出モータを制御する射出制御装置とを備えており、前記射出制御装置が、設定されたプランジャ速度パターンにしたがって、前記射出モータを最初に速度制御し、金属溶湯の充填完了が近付くと、プランジャの慣性によるサージ圧を回避し得るように設定された最終充填速度でトルク制御するとともに、前記金属溶湯が充填完了すると、充填された金属溶湯を前記油圧シリンダにより昇圧させるように前記油圧装置を制御するダイカスト装置において、設定されたプランジャ速度パターンにしたがってプランジャが金型のキャビティに金属溶湯を充填する際に、金属溶湯の充填完了が近付きプランジャの慣性によるサージ圧を回避し得るように設定された最終充填速度から所定量低下したときの前記プランジャの位置を求めるプランジャ位置検出工程と、該プランジャ位置検出工程で求められた前記プランジャの位置と、ガス巻込みがない場合の金属溶湯の充填が完了するプランジャ位置であるプランジャ基準位置とに基づいて前記金属溶湯へのエア又はガスの巻込み量を検出するガス巻込み量検出工程と、を含み、前記ガス巻込み量検出工程は、前記射出制御装置が前記射出モータを速度制御からトルク制御に切り換えて最終充填速度とし、充填完了が近付いてプランジャの速度が最終充填速度から所定量低下したときの、前記プランジャ位置検出工程で検出された前記プランジャの位置と、前記プランジャ基準位置とに基づいて、前記金属溶湯へのエア又はガスの巻込み量を検出することを特徴とする。
請求項1に記載の発明では、射出制御装置が、設定されたプランジャ速度パターンにしたがって、射出モータを最初に速度制御し、金属溶湯の充填完了が近付くと、プランジャの慣性によるサージ圧を回避し得るように設定された最終充填速度でトルク制御するとともに、金属溶湯が充填完了すると、充填された金属溶湯を前記油圧シリンダにより昇圧させるように油圧装置を制御する。ガス巻込み量検出手段は、射出制御装置が前記射出モータを速度制御からトルク制御に切り換えて最終充填速度とし、充填完了が近付いてプランジャの速度が最終充填速度から所定量低下したときの、プランジャ位置検出手段によって検出されたプランジャの位置と、プランジャ基準位置とに基づいて、金属溶湯へのエア又はガスの巻込み量を検出する。
請求項2に記載の発明では、設定されたプランジャ速度パターンにしたがってプランジャが金型のキャビティに金属溶湯を充填する際に、金属溶湯の充填完了が近付きプランジャの慣性によるサージ圧を回避し得るように設定された最終充填速度から所定量低下したときの前記プランジャの位置を求めるプランジャ位置検出工程と、該プランジャ位置検出工程で求められた前記プランジャの位置と、ガス巻込みがない場合の金属溶湯の充填が完了するプランジャ位置であるプランジャ基準位置とに基づいて前記金属溶湯へのエア又はガスの巻込み量を検出するガス巻込み量検出工程とを含んでおり、前記ガス巻込み量検出工程は、前記射出制御装置が前記射出モータを速度制御からトルク制御に切り換えて最終充填速度とし、充填完了が近付いてプランジャの速度が最終充填速度から所定量低下したときの、前記プランジャ位置検出工程で検出された前記プランジャの位置と、前記プランジャ基準位置とに基づいて、前記金属溶湯へのエア又はガスの巻込み量を検出する。
請求項1および請求項2に記載の発明によれば、射出制御装置が射出モータを速度制御からトルク制御に切り換えて最終充填速度とし、充填完了が近付いてプランジャの速度が最終充填速度から所定量低下したときの、検出された前記プランジャの位置と、プランジャ基準位置とに基づいて、金属溶湯へのエア又はガスの巻込み量を検出するので、金属溶湯にエア又はガスが巻込まれていた場合、その巻込み量を定量的に把握することができる。
本願発明者は、ダイカスト装置における金属溶湯(以下、適宜、溶湯という。)の射出現象を詳細に調査した結果、射出の工程で型内充填完了寸前(型内充填完了近傍)においては溶湯にガス(エア及び残存ガス)を巻込むことが多くあり、ガスを巻込んだ場合、溶湯が圧縮性の状態になることを見出した。本願発明者は、このことに着目し、上記「課題を解決するための手段」欄に記載した本願発明に想到した。ここで、「溶湯が圧縮性の状態になる」とは、以下のことをいう。
すなわち、型内に金属溶湯が供給される際、ガスが溶湯内へ巻き込まれ、溶湯と巻き込んだガスの体積分で型内が全て充填され、巻込んだガスがプランジャの推力により圧縮されはじめると、ガスを巻込んでいる溶湯は、プランジャの推力に対して反力を発揮することになる。このように溶湯がプランジャの推力に対して反力を発揮するようになることを、上述したように「溶湯が圧縮性の状態になる」という。
以下、本発明の一実施の形態に係るダイカスト装置を図面に基づいて説明する。
図1ないし図3において、ダイカスト装置1は、キャビティCを有する金型2と、金型2に金属溶湯(以下、溶湯Mという。)を充填するための射出装置1Aと、から大略構成されている。
射出装置1Aは、金型2に結合された射出スリーブ3と、射出スリーブ3に嵌装されたプランジャ4と、プランジャ4のロッド5に連結された油圧シリンダ6と、油圧シリンダ6に作動油を給排する油圧装置7と、油圧シリンダ6に対して並列に配置されて、プランジャ4のロッド5に連結されたボールねじ機構8(回転−直線動変換機構)と、ボールねじ機構8を駆動する射出用サーボモータ(以下、射出モータという。)9〔請求項2の電動モータ〕と、油圧装置7及び射出モータ9を制御する射出制御装置10と、品質モニタ部11とを備えている。
射出スリーブ3は、その内部が金型2のキャビティCに連通され、基端側の側壁に、アルミニウム合金の溶湯Mを注入するための注入口13が設けられている。射出スリーブ3の内径寸法は、D〔cm〕とされている。
射出スリーブ3には、プランジャ4が摺動可能に嵌装されている。プランジャ4のロッド5の基端部には、射出モータ9によって直線動可能なスライダ12を介して油圧シリンダ6の作動ロッド16の先端部が連結されている。プランジャ4のロッド5の基端部と作動ロッド16の先端部と間にはロードセル15が介在されており、プランジャ4のロッド5及び油圧シリンダ6の作動ロッド16間の伝達力を検出するようにしている。スライダ12は、プランジャ4の移動方向に沿って直動可能に案内され得るようになっている。
油圧シリンダ6は、単動シリンダであり、ピストン17によって画成された油室18に油圧装置7が接続されている。油圧シリンダ6は、油圧装置7によって油室18に対する作動油の給排を行って作動ロッド16を伸縮させる。
油圧装置7は、作動油を貯留するタンク19と、油圧源である油圧ポンプ20と、油圧ポンプ20を駆動するポンプモータ21と、油圧ポンプ20が発生した油圧を蓄圧するアキュムレータ22とを備えている。油圧装置7には、さらに、増圧切換バルブ23と、増圧切換用パイロット弁24(電磁切換弁)と、プレフィル弁25と、パイロット弁26と、逆止弁29と、圧力センサ31、32とが設けられている。
逆止弁29は、油圧ポンプ20と、アキュムレータ22及び増圧切換バルブ23の接続通路との間に介在され、この方向への作動油の流通のみを許容するようになっている。増圧切換バルブ23は、射出制御装置10により制御されるようになっており、開弁されることにより、アキュムレータ22に蓄圧された油圧が油圧シリンダ6の油室18に供給されて作動ロッド16に推力が発生する。
増圧切換用パイロット弁24は、油圧ポンプ20とアキュムレータ22とを連通させる蓄圧位置と、増圧切換バルブ23にパイロット圧を供給する増圧位置とを切換可能な電磁弁である。そして、増圧切換用パイロット弁24からのパイロット圧によって、増圧切換バルブ23が開くと、アキュムレータ22に蓄圧された油圧が油圧シリンダ6の油室18に供給されて作動ロッド16に推力が発生する。アキュムレータ22の蓄圧圧力は、圧力センサ31によって検出することができる。
プレフィル弁25は、パイロット型逆止弁であり、通常は、タンク19から油圧シリンダ6の油室18への作動油の流通のみを許容し、また、パイロット弁26からのパイロット圧によって開弁して、油室18からタンク19への作動油の流れを許容する。
油室18の圧力は、圧力センサ32によって検出することができる。
ボールねじ機構8は、ねじ軸33とナット34のねじ溝間に複数の鋼球が介装されており、ねじ軸33の回転をナット34の直線運動に変換するようになっている。ねじ軸33は、プランジャ4のロッド5及び油圧シリンダ6の作動ロッド16と平行に配置され、アンギュラベアリング35及びベアリング36によって回転可能かつ軸方向に支持されている。ねじ軸33の一端部には、カップリング38によって射出モータ9のシャフト39が連結されている。ナット34は、スライダ12に固定されており、射出モータ9によってねじ軸33を回転させることにより、ねじ軸33上を直線運動して、スライダ12を介してプランジャ4を移動させる。射出モータ9には、シャフト39の回転位置を検出する位置センサ40が取付けられている。位置センサ40(プランジャ位置検出手段)は、所定制御周期で回転位置を検出し、シャフト39の回転速度も検出するようにしている。
射出制御装置10は、動作制御信号算出演算部42と、動作制御信号出力部43と、品質判定部44(ガス巻込み量検出手段)と、を備えている。動作制御信号算出演算部42は、本装置の動作に対する目標値〔目標値(動作)〕並びに位置センサ40、圧力センサ31、32、及びロードセル15からの検出信号を入力して、これらの入力信号に基づいて、射出モータ9、ポンプモータ21、増圧切換用パイロット弁24、及びパイロット弁26を作動するための動作制御信号を算出する。動作制御信号出力部43は、動作制御信号を各部に出力して、各部を制御する。
品質判定部44は、ワークに対する品質上の目標値〔目標値(品質)〕並びに位置センサ40、及びロードセル15からの検出信号を入力して、これらの入力信号に基づいて、ワークの品質の判定を行い、その結果を品質モニタ部11に入力して表示させる。品質判定部44は、後述するトルク制御モードで得られる10%減速プランジャ位置データ(ガス巻込み量測定位置GP)(検出信号)に基づいて巻込みガス体積Vを算出し、この巻込みガス体積Vを前記品質上の目標値と比較してワークの良否判定を行う。前記品質上の目標値としては、ワーク毎に定められるガス巻込み許容値X〔cm3〕が用いられる。
射出制御装置10は、図4に示すように、射出モータ9を作動させて射出スリーブ3を介してキャビティCへの溶湯Mの射出、充填(以下、スリーブ・型内充填処理という。)を行い、溶湯Mの充填完了後、射出圧力の増圧、保持(以下、昇圧処理という。)を行えるように各部を制御する。
射出制御装置10は、上記処理の実現のために、射出モータ9の発生トルク、油圧シリンダ6のヘッド側圧力、プランジャ4の位置、プランジャ4の速度及び射出圧力が所望のパターンを呈するように速度制御モード及びトルク制御モードを設定して、各部を制御する。
速度制御モードでは、射出モータ9の回転(プランジャ速度)を制御して、所定の射出速度パターンに従って射出を行う処理が行われる。速度制御モードにおいては、図4の「油圧シリンダヘッド側圧力」の欄に示すように、油圧シリンダ6のヘッド側圧力は、ゼロとされている。
本実施の形態では、プランジャ4の速度(プランジャ速度)は、時間の経過と共に大きくされる一方、溶湯Mの充填完了が近付くと、プランジャ4の慣性により大きなサージ圧が発生することを回避できるように小さくされている。そして、プランジャ速度は、図4に示すように、大略、山形の波形を示す。
このプランジャ速度パターンに対応した制御により、プランジャ速度が予め定められた最終充填速度になる。プランジャ速度が最終充填速度になるプランジャ4の位置を以下、最終充填速度到達位置といい、符号Aで示す。
プランジャ4が最終充填速度到達位置Aより前進して、そのプランジャ位置が制御モード切替位置Eになり、このことを位置センサ40が検出すると、射出制御装置10は、射出モータ9の制御を、速度制御モードに代えて、トルク制御モードを用いて行う。
ここで、前記制御モード切替位置Eは、最終充填速度到達位置A(図4)から巻込みガスゼロ時充填完了位置B(図3)までの範囲内に設定されている。この巻込みガスゼロ時充填完了位置Bは、基準給湯量でガスの巻込みが無い場合に充填が完了することになると理論上予め求められるプランジャ4の位置である。
本実施の形態では、最終充填速度10%低下ポイントH(図4)でガス巻込み量測定を行い、最終充填速度10%低下ポイントHが、請求項1の「プランジャが一定の力を受けた状態で充填完了寸前において前記プランジャ位置検出手段が検出するプランジャ位置であるプランジャ充填完了寸前位置」に相当している。また、本実施の形態では、巻込みガスゼロ時充填完了位置Bが請求項1の「プランジャ基準位置」に相当している。
トルク制御モードでは、射出方向(前進)のみに所定のトルクを発生すると共に充填完了までの間に所定の速度以上にならないように速度制限もかけるようにしている。そして、このトルク制御モードでは、溶湯Mの充填に対するトルク設定値は、射出モータ9から出力する動力iで所定の射出圧力(i+ii)の何%を補助するかにより決定される。そして、射出モータ9から出力する動力iの配分を大きくすればするほど、油圧動力iiは小さくて済む。プランジャ4が、充填が完了する位置へ到達すると、このトルク値相当の射出圧力を保持するようにしている。
上述したように構成されたダイカスト装置1の作用を説明する。
まず、射出モータ9を速度制御モードで稼働してプランジャ4が前進し、プランジャ4の位置が最終充填速度到達位置Aに達すると、プランジャ速度は最終充填速度になる。この後、プランジャ4の位置が制御モード切替位置Eになることを位置センサ40が検出すると、射出モータ9は、トルク制御モードに切替えて稼働され、この稼働により射出モータ9は一定のトルクを発生し、この発生トルクによりプランジャ4を前進させる。
このプランジャ4の作動により、溶湯Mの充填がさらに進行する。この際、仮にガスが巻込まれていると、キャビティCに充填された溶湯Mは、ガスが巻込まれたことにより圧縮性の状態になる。そして、プランジャ4は、圧縮性の状態になっている溶湯Mの反力を受けることにより減速され、その後、停止することになる。また、ガスが巻込まれた溶湯Mは、ガスが巻込まれていない溶湯Mに比して、その体積が大きくなっている。
プランジャ4の速度が減速する過程におけるプランジャ速度が10%低下する時点(最終充填速度10%低下ポイントH)で、図5に示すように、位置センサ40によりプランジャ4の位置(以下、ガス巻込み量測定位置GPという。)が検出される(プランジャ位置検出工程)。この際、溶湯Mにガスが巻込まれている場合、その溶湯Mの体積は、ガスが巻込まれていない溶湯Mに比して、その体積が大きくなっていることに伴い、プランジャ4の位置(ガス巻込み量測定位置GP)は、巻込みガスゼロ時充填完了位置Bより、長さS(S=B−GP)だけ手前になる。
品質判定部44(射出制御装置10)は、上記演算を実行し、さらに、次式(1)に基づいて、巻込みガス体積Vを算出する(巻込み量検出工程)。
V=(π/4)×D2×S〔cm3〕 … (1)
品質判定部44(射出制御装置10)は、巻込みガス体積Vをガス巻込み許容値X〔cm3〕と比較して、ワークの良否判定を行う。この場合、巻込みガス体積Vがガス巻込み許容値X以下であればワークは良、ガス巻込み許容値Xを超える値であれば不良と判断する。
この判定結果は、上述したように品質モニタ部11に表示される。判定結果が、ワークが良品であることを示す場合には、該ワークに対する加工を施す後工程に進み、判定結果が、ワークが不良品であることを示す場合には、該ワークを不良品置場に送り出すようにしている。
上述したようにして、金属溶湯M内へのガスの巻込み量を検出し、さらに、ガスの巻込み量に応じてワークの良否判定を行い、良否判定結果に応じて、区別して処理を行うので、後工程への不良品流出を防ぐことができる。
上述したように、充填完了寸前でトルク制御に切替えて溶湯Mの充填を行うことによりプランジャの速度及び位置の変化から型内充填状況を把握できる。
また、型内充填時にガスを巻込むことにより溶湯Mの体積変化が変化する現象を検知し、最終的にプランジャ位置で巻込み量を判断するため、定量的な品質判断が可能となる。
従来技術では、ガスの巻込みについて、定量的な判断が困難であるが、これに比して本実施の形態によれば、定量的な判断を行うことにより、ワークの良否判定を精度高く実施できる。さらに、精度高くワークの良否判定を行えることで、品質が良であるワークを誤って不良とするような事態を適切に回避でき、かつ上述したように後工程への不良品流出を防止できる。
上記トルク制御モードにおける最終充填速度10%低下ポイントHでのガス巻込み量測定位置GPの検出に先だって、位置センサ40が、プランジャ4の位置が増圧切替え位置Jに到達することを確認すると、射出制御装置10から増圧切替バルブ23に開き信号が出力される。増圧切替え位置Jは、基準給湯量に基づいて予め設定されている。
増圧切替バルブ23は開き信号の入力を受けて一定の応答遅れをもって開弁する。そして、アキュムレータ22に蓄圧されたエネルギが放出され、油圧シリンダ6のヘッド側が昇圧され、これに伴い、図4の「油圧シリンダヘッド側圧力」の欄の動力パターンで示されるように、プランジャ4を介して型内が所定の射出圧力へ昇圧・保持される。
上記実施の形態では、プランジャ4が射出モータ9(電動モータ)に駆動されるタイプのダイカスト装置1を例にしたが、本発明はこれに限らず、電動モータを採用しないタイプのダイカスト装置に用いてもよい。
上記実施の形態では、最終充填速度10%低下ポイントHでガス巻込み量測定位置GPを検出する場合を例にしたが、本発明はこれに限らず、プランジャ速度が5%、15%低下したポイント等、他の低下ポイントでガス巻込み量測定位置GPを検出するようにしてもよい。
上記実施の形態では、検出されるガス巻込み量測定位置GPから(1)式を用いてガス体積Vを算出し、ガス体積Vを用いてワークの良否判定を行う場合を例にしたが、本発明はこれに限らない。例えば、位置データを閾値に用い、ガス体積Vを算出せずに、ガス巻込み量測定位置GPと位置データの閾値との比較によりワークの良否判定を行うようにしてもよい。
本発明の第1実施の形態に係るダイカスト装置について制御系を含めて模式的に示す図である。 図1のダイカスト装置におけるガス巻込み状況を模式的に示す断面図である。 図1のダイカスト装置において溶湯Mにガスが巻込まれた状況を模式的に示す断面図である。 図1のダイカスト装置の作動パターンを模式的に示す波形図である。 図1のダイカスト装置におけるガス体積の算出例を示す断面図である。
符号の説明
1…ダイカスト装置、9…射出モータ(電動モータ)、10…射出制御装置、44…品質判定部(ガス巻込み量検出手段)、40…位置センサ(プランジャ位置検出手段)。

Claims (2)

  1. 金型のキャビティへの金属溶湯の充填に用いられるプランジャの位置を検出するプランジャ位置検出手段と、
    前記プランジャのロッドに連結された油圧シリンダに作動油を給排する油圧装置と、前記油圧シリンダと並列に配置された回転−直線動変換機構を駆動する射出モータと、前記油圧装置及び射出モータを制御する射出制御装置と、
    設定されたプランジャ速度パターンにおいて金属溶湯の充填完了が近付きプランジャの慣性によるサージ圧を回避し得るように設定された最終充填速度から所定量低下したときの、前記プランジャ位置検出手段によって検出されたプランジャの位置と、ガス巻込みがない場合の金属溶湯の充填が完了するプランジャ位置であるプランジャ基準位置とに基づいて、前記金属溶湯へのエア又はガスの巻込み量を検出するガス巻込み量検出手段とを備えており、
    前記射出制御装置が、設定されたプランジャ速度パターンにしたがって、前記射出モータを最初に速度制御し、金属溶湯の充填完了が近付くと、プランジャの慣性によるサージ圧を回避し得るように設定された最終充填速度でトルク制御するとともに、前記金属溶湯が充填完了すると、充填された金属溶湯を前記油圧シリンダにより昇圧させるように前記油圧装置を制御し、
    前記ガス巻込み量検出手段は、前記射出制御装置が前記射出モータを速度制御からトルク制御に切り換えて最終充填速度とし、充填完了が近付いてプランジャの速度が最終充填速度から所定量低下したときの、前記プランジャ位置検出手段によって検出された前記プランジャの位置と、前記プランジャ基準位置とに基づいて、前記金属溶湯へのエア又はガスの巻込み量を検出することを特徴とするダイカスト装置。
  2. プランジャのロッドに連結された油圧シリンダに作動油を給排する油圧装置と、前記油圧シリンダと並列に配置された回転−直線動変換機構を駆動する射出モータと、前記油圧装置及び射出モータを制御する射出制御装置とを備えており、
    前記射出制御装置が、設定されたプランジャ速度パターンにしたがって、前記射出モータを最初に速度制御し、金属溶湯の充填完了が近付くと、プランジャの慣性によるサージ圧を回避し得るように設定された最終充填速度でトルク制御するとともに、前記金属溶湯が充填完了すると、充填された金属溶湯を前記油圧シリンダにより昇圧させるように前記油圧装置を制御するダイカスト装置において、
    設定されたプランジャ速度パターンにしたがってプランジャが金型のキャビティに金属溶湯を充填する際に、金属溶湯の充填完了が近付きプランジャの慣性によるサージ圧を回避し得るように設定された最終充填速度から所定量低下したときの前記プランジャの位置を求めるプランジャ位置検出工程と、
    該プランジャ位置検出工程で求められた前記プランジャの位置と、ガス巻込みがない場合の金属溶湯の充填が完了するプランジャ位置であるプランジャ基準位置とに基づいて前記金属溶湯へのエア又はガスの巻込み量を検出するガス巻込み量検出工程と、
    を含み、
    前記ガス巻込み量検出工程は、前記射出制御装置が前記射出モータを速度制御からトルク制御に切り換えて最終充填速度とし、充填完了が近付いてプランジャの速度が最終充填速度から所定量低下したときの、前記プランジャ位置検出工程で検出された前記プランジャの位置と、前記プランジャ基準位置とに基づいて、前記金属溶湯へのエア又はガスの巻込み量を検出することを特徴とするダイカスト装置のガス巻込み検出方法。
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