JP4820685B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、詳しくは、潜像担持体の表面を露光することにより静電潜像を形成し、これを二成分現像剤で現像してトナー像を得る画像形成装置に関するものである。
この種の画像形成装置としては、光導電性を有する感光層を表面に設ける感光体(潜像担持体)上に形成された静電潜像を現像装置により現像剤で現像することにより、感光体上にトナー像を形成するものがある。現像装置に用いられる現像剤としては、カラー化が容易なことから、主にトナーと磁性キャリアによって構成される二成分現像剤が広く使用されている。二成分現像剤においては、現像装置内で撹拌・混合されることによりトナーと磁性キャリアとが摩擦帯電し、これにより生じる静電電荷によってトナーが磁性キャリア表面に静電的に付着する。このトナーを付着させた磁性キャリアは、内部に磁石が配置された現像スリーブ(現像剤担持体)の表面に磁力により担持され、現像スリーブの回転に伴って搬送される。
現像スリーブは、感光体に対向する位置に配置され、担持した二成分現像剤が感光体表面に接触するように二成分現像剤を搬送する。そして、感光体上の静電潜像と現像スリーブに印加された電圧とによって作られる電界により、現像スリーブ上のトナーが感光体表面の静電潜像へ移動して付着する。これにより、感光体表面にトナー像が形成される。ここで、静電潜像が形成された画像部の電位と現像スリーブの電位との電位差の絶対値を現像ポテンシャルといい、静電潜像が形成されなかった非画像部の電位と現像スリーブの電位との電位差の絶対値を地肌ポテンシャルという。一般に、現像ポテンシャルを大きくとれば現像能力が増して画像濃度が高まりやすくなり、地肌ポテンシャルを大きくとれば非画像部の汚れ、いわゆる地汚れを抑制しやすくなる。
しかし、現像ポテンシャルや地肌ポテンシャルを単に大きくするだけでは、異常画像を誘発することになる。例えば、特許文献1では、地肌ポテンシャルを大きくすることにより現像スリーブにトナーが固着し、現像能力が低下するという問題が発生するとし、その対策として現像ポテンシャル、地肌ポテンシャル及びトナー粒径を適切な範囲とすることが提案されている。また、特許文献2では、潜像担持体の表面移動方向上流側または下流側に相当するトナー像後端部またはトナー像先端部が薄くかすれる現象を抑制すべく、現像ポテンシャル、地肌ポテンシャル、現像剤担持体上の現像剤量等を適切な範囲とすることが提案されている。また、特許文献3では、均一なソリッドパターンを得るために、ソリッドパターンの先端または後端の露光量を変化させ、潜像電位を制御することが提案されている。このように、現像ポテンシャル、地肌ポテンシャル及び潜像電位分布は、現像において重要なパラメータとなっている。
特開2002−244415号公報 特許第3522080号公報 特開平9−197775号公報
近年、二成分現像剤としては、主に現像能力を向上させる目的で、磁性キャリアの体積抵抗率を109〜1011[Ωcm]程度に調整したものが用いられている。本発明者らが、このような磁性キャリアを用いた二成分現像剤について研究したところ、図19のように、画像部に対して感光体表面移動方向Aの下流側(以下、「先端側」という。)に隣接する非画像部にトナーが付着してしまう現象を発見した。以下、この非画像部に付着したトナーによる異常画像を「ハット画像」という。
従来、このようなハット画像に対する対策は検討されていない。そこで、本発明者らはハット画像について詳しい解析を行ったところ、感光体表面に現像スリーブ上の二成分現像剤が接触するように感光体表面と現像スリーブ表面とを互いに連れ回り方向へ移動させ、かつ、感光体の表面移動速度(以下、「線速」という。)よりも現像スリーブの線速の方が速く設定された画像形成装置において、潜像電位分布、現像ポテンシャル、地肌ポテンシャル、磁性キャリアの抵抗、二成分現像剤が現像ニップを通過する時間の条件により、ハット画像が発生することを解明した。
図20は、ハット画像の発生メカニズムを説明するために現像ニップ出口付近を拡大した模式図である。
感光体表面と現像スリーブ表面とを互いに連れ回り方向へ移動させ、かつ、感光体の線速よりも現像スリーブの線速の方が速い場合、感光体40へ現像されたトナーT1が後からやってくるキャリアCによって摺擦される。このとき、二成分現像剤が感光体40から離れる現像ニップ出口付近では、感光体40と現像スリーブ65との距離が広がって電界が弱まっている。そのため、図20中(1)で示すように、現像ニップ出口付近における感光体40上のトナーT1の多くが、後からやってくるキャリアCに摺擦されたときにキャリアCに掻き取られて再付着する。一般に、帯電量が少ないトナーの量が多いほど過剰に現像され、同時にキャリアCによって掻き取られる量も増える。よって、現像ニップ出口付近でキャリアCに摺擦されたトナーT1の帯電量が少ない場合、図20中(2)に示すように、そのキャリアCには過剰な量のトナーT2が被覆した状態になる。このようなキャリアCがその後に非画像部へ移動すると、図20中(3)に示すように、そのキャリアCに過剰に付着したトナーT2が非画像部へ移動して、これがハット画像となる。過剰にトナーが被覆されたキャリアほどトナーを非画像部へ移動させやすくなるので、非画像部へ移動するトナーT3の量は、トナー帯電量が少ないほど増加する。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ハット画像の発生を防止し得る画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、表面移動する潜像担持体と、該潜像担持体の表面を露光することにより該表面に静電潜像を形成する露光手段と、該潜像担持体と対向する位置に配置され、トナー及び磁性キャリアを含む二成分現像剤が該潜像担持体の表面に接触するように該二成分現像剤を表面に担持して表面移動する現像剤担持体と、該潜像担持体と該現像剤担持体との間に所定の直流電圧を印加する電圧印加手段とを有し、該二成分現像剤が該潜像担持体の表面に対して連れ回り方向へ移動し、かつ、該二成分現像剤の移動速度が該潜像担持体の表面移動速度よりも速く設定された画像形成装置において、上記露光手段により露光される上記潜像担持体表面上の画像部に対して潜像担持体表面移動方向下流側に隣接する非画像部の潜像担持体表面移動方向長さが、該画像部と該非画像部との境界でのエッジ効果が発生する領域の潜像担持体表面移動方向長さの1/eであるδ[m]以上のとき、下記の数1に示す式を満たすように、該露光手段の露光量を制御する露光量制御手段を有することを特徴とするものである。
Figure 0004820685
ここで、上記数1に示す式中の各記号は次のとおりである。sign(x)はxの符号を表す記号である。Vg[V]は、上記潜像担持体表面上の非画像部の電位VD[V]と上記現像剤担持体の電位VB[V]との電位差(VB−VD)である。d[m]は、上記潜像担持体と上記現像剤担持体との間隔である。ε[F/m]は、上記磁性キャリアの誘電率である。ρ[Ω・m]は、上記磁性キャリアの体積抵抗率である。ΔVr[m/sec]は、上記潜像担持体の表面移動速度(線速)Vpc[m/sec]と上記現像剤担持体の表面移動速度(線速)Vr[m/sec]との差(Vr−Vpc)である。上記Vp(i)[V]は、上記潜像担持体表面上の画像部を構成する各画素の電位VL(i)[V]と上記現像剤担持体の電位VB[V]との電位差{VB−VL(i)}である。Q(n)は、下記の数2に示す漸化式Q(i)に対してi=nとして定めたものである。ただし、n(自然数)は、上記二成分現像剤が上記潜像担持体に接触する潜像担持体表面移動方向長さをNip[m]とし、該潜像担持体表面移動方向の画素ピッチをDot[m]としたとき、上記二成分現像剤が上記潜像担持体に接触している間に通過する画素数であり、n=(Nip/Dot)×{1−1/(Vr/Vpc)}から求まる値の小数点以下を切り捨てたものである。
Figure 0004820685
ただし、上記数2に示す式において、i(自然数)は、上記画像部の潜像担持体表面移動方向下流側端部に位置する画素から潜像担持体表面移動方向上流側へn画素分だけ離れた位置の画素i(自然数)を1とし、この画素iは潜像担持体表面移動方向下流側へ一画素増えるごとに1づつ増えるものである。また、dt[sec]は、上記二成分現像剤が上記潜像担持体の表面上の一画素を通過する時間(Dot/ΔVr)である。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記露光量制御手段は、露光パワーを変化させることにより露光量を制御するものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記露光量制御手段は、露光時間を変化させることにより露光量を制御するものであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3の画像形成装置において、上記磁性キャリアの体積抵抗率を把握するための情報を検知する検知手段を有し、上記露光量制御手段は、該検知手段が検知した情報に基づいて上記磁性キャリアの体積抵抗率ρ[Ω・m]を補正することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記検知手段が検知する情報と上記磁性キャリアの体積抵抗率との対応関係を記述したデータを記憶する記憶手段を有し、上記露光量制御手段は、該検知手段が検知した情報に対応する上記磁性キャリアの体積抵抗率を上記記憶手段から読み出し、読み出した体積抵抗率ρ[Ω・m]を用いて露光量を制御することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4又は5の画像形成装置において、上記検知手段として、温度及び湿度を検知する温湿度検知手段を用いることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項4又は5の画像形成装置において、上記検知手段として、上記磁性キャリアの劣化度合いを検知するための劣化検知手段を用いることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の画像形成装置において、上記劣化検知手段は、印字枚数を検知する印字枚数検知手段であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の画像形成装置において、上記二成分現像剤中のトナーと磁性キャリアとの間の付着力が10[nN]以下となり、該二成分現像剤中のトナー含有率が10[%]以下となるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の画像形成装置において、上記二成分現像剤中のトナーの平均帯電量と同じ極性で、かつ、帯電量の絶対値qとトナー粒径Tdとの比率(q/Td)が0.1[fC/μm]以下であるトナーの含有率が20[%]以下となるように構成したことを特徴とするものである。
潜像担持体表面上の画像部に対向する二成分現像剤には、トナーが潜像担持体側へ向かう方向の電界(以下、「現像方向電界」という。)が働くので、その影響により二成分現像剤の潜像担持体側端部(以下、「現像剤穂先部」という。)にトナーと同極性の電荷が移動する。磁性キャリアの抵抗が低い場合や、当該現像剤穂先部が画像部と対向する時間が長い場合ほど、多くの電荷が現像剤穂先部へ移動する。そして、詳しくは後述するが、上記数1に示す式中左辺のsignの中は、画像部に対して先端側に隣接する非画像部と現像剤穂先部との電位差を示し、上記数1に示す式中右辺のsignの中は当該非画像部と現像剤担持体との電位差すなわち地肌ポテンシャルVgを示している。そして、本発明は、画像部に対して先端側に隣接する非画像部と現像剤穂先部との電位差が地肌ポテンシャルVgと同じ符号となるように、静電潜像を形成するための露光量を制御する。このような制御を行うことにより、画像部を通過した現像剤穂先部が非画像部に対向したときに、その現像剤穂先部と非画像部との間に現像方向電界が形成されることがなくなる。
以上、本発明によれば、画像部を通過した現像剤穂先部が非画像部に対向したときに、その現像剤穂先部に付着したトナーが非画像部に移動することを阻止できるので、ハット画像が形成されるのを防止できるという優れた効果がある。
以下、本発明を、複数の潜像担持体である感光体が並行配設された画像形成装置であるタンデム型のカラーレーザー複写機(以下、単に「複写機」という。)に適用した一実施形態について説明する。
[全体構成]
まず、本複写機の基本的な構成について説明する。
図4は、本実施形態に係る複写機の概略構成図である。この複写機はプリンタ部100、これを載せる給紙装置200、プリンタ部100の上に固定されたスキャナ300などを備えている。また、このスキャナ300の上に固定された原稿自動搬送装置(以下、ADFという)400なども備えている。
上記プリンタ部100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスカートリッジ18Y,18C,18M,18Kからなる画像形成ユニット20を備えている。各符号の数字の後に付されたY、C、M、Kは、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック用の部材であることを示している(以下同様)。プロセスカートリッジ18Y,18C,18M,18Kの他には、露光手段としての光書込ユニット21、中間転写ユニット17、二次転写装置22、レジストローラ対49、給紙カセット44、ベルト定着方式の定着ユニット25などが配設されている。
[光書込ユニット]
上記光書込ユニット21は、図示しない光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて後述の感光体の表面にレーザー光を照射する。
[プロセスカートリッジ]
図5は、上記プロセスカートリッジ18Y,18C,18M,18Kのうち、イエロー用のプロセスカートリッジ18Yと、シアン用のプロセスカートリッジ18Cとの概略構成を示す拡大図である。なお、他のプロセスカートリッジ18M,18Kについても、トナーの色が異なる点以外はそれぞれ同じ構成となっているので、これらの説明については省略する。同図において、トナー像を生成する像生成部たるプロセスカートリッジ18Yは、ドラム状の感光体40Y、帯電器60、現像器61、ドラムクリーニング装置63、除電器64などを有している。
帯電手段である帯電器60は、潜像担持体としての感光体40Yに対して、帯電バイアスが印加されながら回転駆動せしめられる回転帯電部材たる帯電ローラを所定の微小ギャップを介して対向させている。そして、この微小ギャプにて、帯電ローラから感光体40Yに放電を生じさせて、感光体40Yを一様帯電せしめる。帯電ローラを回転させるのは、放電直後のローラ表面を微小ギャップから退避させるとともに、放電していないローラ表面を微小ギャップに進入させることで、安定した放電を生じさせるためである。帯電回転部材としては、帯電ローラの他、帯電ドラムやローラ状の帯電ブラシなどを用いることができる。本複写機では、帯電ローラからの放電によって、感光体40Yの表面を−600[V]程度に一様帯電せしめるようになっている。
帯電処理が施された感光体40Yの表面には、上記光書込ユニット(21)によって変調及び偏向されたレーザー光Lが照射される。すると、照射部(露光部)の電位が−150〜−500[V]程度まで減衰する。この減衰により、感光体40Y表面にY用の静電潜像が形成される。形成されたY用の静電潜像は現像手段たる現像器61によって現像されてYトナー像となる。
感光体40Yは、例えばアルミニウム等からなる素管に、感光性を発揮する有機感光材からなる感光層が被覆され、更にこの上に厚さ3.5〜5.0[μm]のフィラー補強電荷輸送層が被覆されたドラム状のものである。ドラム状のものに代えて、ベルト状のものを採用してもよい。
現像器61は、ケーシング70内に現像部67と撹拌部66とを有している。現像部67には、ケーシング70の開口から周面の一部を露出させる現像スリーブ65や、ドクターブレード73などが設けられている。
現像剤担持体たる筒状の現像スリーブ65は、非磁性材料からなり、その表面がサンドブラスト処理等によって十点平均表面粗さRzが10〜12[μm]程度まで粗面化せしめられたものである。この粗面化により、現像剤搬送能力が高められている。粗面化の代わりに、表面に微小の溝を設けてもよい。現像スリーブ65は、図示しない駆動手段によって回転せしめられるようになっている。このように回転駆動せしめられる現像スリーブ65の内部には、マグネットローラ72がスリーブに連れ回らないように固定されている。このマグネットローラ72は、その周方向に分かれる複数の磁極を有している。これら磁極の影響により、現像スリーブ65の周囲上には磁界が形成される。
現像器61の撹拌部66には、2つの搬送スクリュー68、トナー濃度センサ(以下、「Tセンサ」という。)71などが設けられており、磁性キャリアと、マイナス帯電性のYトナーとを含む図示しないY現像剤が収容されている。このY現像剤は、2つの搬送スクリュー68によって図中奥行き方向に撹拌搬送されて摩擦帯電せしめられる。この撹拌搬送の際、現像スリーブ65の表面に対してその軸線方向に接触する。すると、スリーブ表面から撹拌部66内に向けて伸びている磁界の影響によって現像スリーブ65の表面に担持され、スリーブ表面の回転に伴って撹拌部66内から汲み上げられる。そして、スリーブ表面の回転に伴ってドクターブレード73との対向位置まで搬送される。この対向位置において、Y現像剤は、現像スリーブ65とドクターブレード73との間隙である500[μm]程度のドクターギャップをすり抜ける際に層厚が規制されるとともに、トナーの摩擦帯電が助長される。
上記ドクターギャップをすり抜けたY現像剤は、スリーブ表面の回転に伴って、感光体40Yに対向する現像領域に至る。この現像領域では、感光体40Yと現像スリーブ65とが350[μm]程度の現像ギャップを介して対向している。また、現像領域におけるスリーブ表面上では、マグネットローラ72の図示しない現像磁極からの磁力によってY現像剤中の磁性キャリアが穂立ちして磁気ブラシを形成する。形成された磁気ブラシは、その先端を感光体40Yに摺擦させながら移動して、感光体40Y上のY用の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体40Y上にトナー像たるYトナー像が形成される。現像領域に搬送されるY現像剤中におけるYトナーの帯電量を、−10〜−40[μC/g]、好ましくは、−15〜−35[μC/g]にすることが望ましい。かかる範囲になるように、マグネットローラ72の磁極の磁力、撹拌性能、ドクターギャップ等を設定するのである。
現像によってYトナーを消費した現像剤は、現像スリーブ65の回転に伴って現像器61内に戻る。そして、器内に形成されている反発磁界や重力の影響を受けてスリーブ表面から離脱して、現像部67より低い位置に配設された撹拌部66内に戻される。
上記撹拌部66内において、2つの搬送スクリュー68の間には仕切壁69が設けられている。この仕切壁69により、撹拌部66内が2つに仕切られている。2つの搬送スクリュー68のうち、図中右側に配設されている方は、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、現像剤を図中手前側から奥側へと搬送しながら現像スリーブ65に供給する。図中奥端まで搬送された現像剤は、仕切壁69に設けられた図示しない開口部を通って図中左側の搬送スクリュー68に受け渡される。そして、この搬送スクリュー68の回転駆動により、今度は図中側から手前側へと搬送された後、仕切壁69に設けられた図示しないもう一方の開口部を通って図中右側の搬送スクリュー68上に戻る。このようにして、現像剤は撹拌部66内を循環搬送せしめられる。
透磁率センサからなるTセンサ71は、図中右側の搬送スクリュー68の下方に設けられ、その上を搬送されるY現像剤の透磁率に応じた値の電圧を出力する。現像剤の透磁率は、トナー濃度とある程度の相関を示すため、Tセンサ71はYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。この出力電圧の値は、図示しない制御部に送られる。制御部は、RAM等を備えており、この中にTセンサ71からの出力電圧の目標値であるY用Vtrefを格納している。また、他の現像器に搭載された図示しないTセンサからの出力電圧の目標値であるM用Vtref、C用Vtref、K用Vtrefのデータも格納している。Y用Vtrefは、図示しないYトナー供給装置の駆動制御に用いられる。具体的には、上記制御部は、Y用のTセンサ71からの出力電圧の値をY用Vtrefに近づけるように、図示しないYトナー供給装置を駆動制御して現像器61の撹拌部66内にYトナーを補給させる。この補給により、現像器61内の現像剤のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他のプロセスカートリッジの現像器についても、同様のトナー補給制御が実施される。
[ドラムクリーニング装置]
Y用の感光体40Y上に形成されたYトナー像は、後述の中間転写ベルト10に中間転写される。中間転写後の感光体40Yの表面は、ドラムクリーニング装置63によって転写残トナーがクリーニングされる。ドラムクリーニング装置63は、ファーブラシ、回収ローラ77、スクレーパブレード78、回収スクリュー79、クリーニングブレード75などを備えている。
上記ファーブラシ76は、芯材にアクリルカーボン製の起毛が無数に植毛されたローラ状ブラシである。そして、図示しない無数の起毛の先端を感光体40Yに順次摺擦させるように、感光体40Yとの対向部でカウンタ方向の表面移動となる図中反時計回りに回転駆動される。回収ローラ77は、ファーブラシ76に接触するように、ブラシとの対向部でカウンタ方向の表面移動となる図中反時計回りに回転駆動されながら、図示しない電源から正極性のクリーニングバイアスの印加を受ける。感光体40Y上の転写残トナーは、ファーブラシ76の起毛によって掻き取られてファーブラシ76内に捕捉された後、このクリーニングバイアスの影響を受けて回収ローラ77表面に静電的に付着して回収される。回収された転写残トナーは、回収ローラ77に当接するスクレーパブレード78によってローラ表面から掻き取られて、回収スクリュー79上に落下する。図示しない駆動手段によって回転駆動される回収スクリュー79は、このように落下してくる転写残トナーを受け取ってトナーリサイクル装置89に送る。
上記ファーブラシ76で捕捉し切れなかった転写残トナーは、ブラシよりもドラム回転方向下流側に配設されたクリーニングブレード75によって掻き取られて、ファーブラシ76に捕捉されるようになる。このクリーニングブレード75は、例えばポリウレタンゴム製などの弾性材料から構成されている。
Y用のプロセスカートリッジ18Yにおいて、ドラムクリーニング装置63によってクリーニングされた感光体40Yは、除電器64によって除電される。そして、帯電器60によって一様帯電せしめられて、初期状態に戻る。以上のような一連のプロセスは、他のプロセスカートリッジ(18C、M、K)についても同様である。
[中間転写ユニット]
図6は、上記画像形成ユニット20、中間転写ユニット17、二次転写装置22と、レジストローラ対49、定着ユニット25を示す拡大構成図である。
中間転写ユニット17は、中間転写ベルト10やベルトクリーニング装置90などを有している。また、張架ローラ14、駆動ローラ15、二次転写バックアップローラ16、4つの中間転写バイアスローラ62Y,62C,62M,62K、3つの接地ローラ74なども有している。
中間転写ベルト10は、ベルトループ内側から図示しないベース層、弾性層、表面層を有している。ベース層は、例えば伸びの少ないフッ素系樹脂や、伸びの大きなゴム材料に帆布など伸びにくい材料を含有又は積層せしめた層である。表面層は、フッ素系樹脂など、表面エネルギーが低くてトナーと良好な離型性を発揮する材料からなる層である。弾性層は、例えばフッ素系ゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムなどの弾性材料からなる層で、ベルト全体にある程度の弾性を発揮させるために設けられている。
中間転写ベルト10は、張架ローラ14を含む10本のローラによってテンション張架されている。そして、図示しないベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ15の回転によって図中時計回りに無端移動せしめられる。4つの中間転写バイアスローラ62Y、C、M、Kは、それぞれ中間転写ベルト10のベース層側(内周面側)に接触するように配設され、図示しない電源から中間転写バイアスの印加を受ける。また、中間転写ベルト10をそのベース層側から感光体40Y,40C,40M,40Kに向けて押圧してそれぞれ中間転写ニップを形成する。各中間転写ニップには、上記中間転写バイアスの影響により、感光体と中間転写バイアスローラとの間に中間転写電界が形成される。Y用の感光体40Y上に形成された上述のYトナー像は、この中間転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト10上に中間転写される。このYトナー像の上には、C、M、K用の感光体40C,40M,40K上に形成されたC、M、Kトナー像が順次重ね合わせて中間転写される。この重ね合わせの中間転写により、中間転写ベルト10上には多重トナー像たる4色重ね合わせトナー像(以下、「4色トナー像」という。)が形成される。
ベルト部材たる中間転写ベルト10において、各中間転写ニップの間に位置する部分には、それぞれベース層側から接地ローラ74が当接している。これら接地ローラ74は、導電性の材料で構成されている。そして、各中間転写ニップで中間転写バイアスローラ62Y,62C,62M,62Kからベルトに伝わった中間転写バイアスによる電流を、他の中間転写ニップやプロセスカートリッジにリークさせるのを阻止している。
中間転写ベルト10上に重ね合わせ転写された4色トナー像は、後述の二次転写ニップで図示しない転写紙に二次転写される。二次転写ニップ通過後の中間転写ベルト10の表面に残留する転写残トナーは、図中左側の駆動ローラ15との間にベルトを挟み込むベルトクリーニング装置90によってクリーニングされる。なお、同図では、ベルトクリーニング装置90として、上述のドラムクリーニング装置63と同様にファーブラシ方式とクリーニングブレード方式とを併用させたものの例を示した。但し、何れか一方の方式によるものでもよい。
[二次転写装置]
上記中間転写ユニット17の図中下方には、2本の張架ローラ23によって紙搬送ベルト24を張架している二次転写装置22が配設されている。紙搬送ベルト24は、少なくとも何れか一方の張架ローラ23の回転駆動に伴って、図中反時計回りに無端移動せしめられる。2本の張架ローラ23のうち、図中右側に配設された一方のローラは、上記中間転写ユニット17の二次転写バックアップローラ16との間に、中間転写ベルト10及び紙搬送ベルト24を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ユニット17の中間転写ベルト10と、二次転写装置22の紙搬送ベルト24とが接触する二次転写ニップが形成されている。そして、この一方の張架ローラ23には、トナーと逆極性の二次転写バイアスが図示しない電源によって印加される。この二次転写バイアスの印加により、二次転写ニップには中間転写ユニット17の中間転写ベルト10上の4色トナー像をベルト側からこの一方の張架ローラ23側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。後述のレジストローラ対49によって中間転写ベルト10上の4色トナー像に同期するように二次転写ニップに送り込まれた転写紙には、この二次転写電界やニップ圧の影響を受けた4色トナー像が二次転写せしめられる。なお、このように一方の張架ローラ23に二次転写バイアスを印加する二次転写方式に代えて、転写紙を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
[レジストローラ対]
上記二次転写ニップよりもベルト移動方向上流側には、レジストローラ対49が配設されている。後述の給紙装置200からプリンタ部100内に給紙された図示しない転写紙は、このレジストローラ対49のローラ間に挟まれる。一方、上記中間転写ユニット17において、中間転写ベルト10上に形成された4色トナー像は、ベルトの無端移動に伴って上記二次転写ニップに進入する。レジストローラ対49は、ローラ間に挟み込んだ転写紙を二次転写ニップにて4色トナー像に密着させ得るタイミングで送り出す。これにより、二次転写ニップでは、中間転写ベルト10上の4色トナー像が転写紙に密着する。そして、転写紙上に二次転写されて、白色の転写紙上でフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された転写紙Pは、紙搬送ベルト24の無端移動に伴って二次転写ニップを出た後、紙搬送ベルト24上から定着ユニット25に送られる。
[定着ユニット]
上記定着ユニット25は、定着ベルト26を2本のローラによって張架しながら無端移動せしめるベルトユニットと、このベルトユニットの一方のローラに向けて押圧される加圧ローラ27とを備えている。これら定着ベルト26と加圧ローラ27とは互いに当接して定着ニップを形成しており、上記紙搬送ベルト24から受け取った転写紙をここに挟み込む。ベルトユニットにおいける2本のローラのうち、加圧ローラ27から押圧される方のローラは、内部に図示しない熱源を有しており、これの発熱によって定着ベルト26を加圧する。加圧された定着ベルト26は、定着ニップに挟み込まれた転写紙を加熱する。この加熱やニップ圧の影響により、フルカラー画像が転写紙に定着せしめられる。
先に示した図4において、定着ユニット25を通過した転写紙Pは、排紙ローラ対56を経て機外へと排出されてスタック部57にスタックされるか、あるいは、定着ユニット25の下方に配設された紙反転ユニットに送られる。紙反転ユニットに送られた場合には、上下反転された後に二次転写ニップに再搬送されて、もう一方の面にも4色トナー像が二次転写される。そして、定着ユニット25を経由してから機外へと排出される。なお、転写紙Pを定着ユニット25から排紙ローラ対56に送るのか、あるいは紙反転ユニットに送るのかは、切換爪55による紙搬送路の切替によって行われる。
[全体動作]
図示しない原稿のコピーがとられる際には、例えばシート原稿の束が原稿自動搬送装置400の原稿台30上セットされる。但し、その原稿が本状に閉じられている片綴じ原稿である場合には、コンタクトガラス32上にセットされる。このセットに先立ち、複写機本体に対して原稿自動搬送装置400が開かれ、スキャナ300のコンタクトガラス32が露出される。この後、閉じられた原稿自動搬送装置400によって片綴じ原稿が押さえられる。
このようにして原稿がセットされた後、図示しないコピースタートスイッチが押下されると、スキャナ300による原稿読取動作がスタートする。但し、原稿自動搬送装置400にシート原稿がセットされた場合には、この原稿読取動作に先立って、原稿自動搬送装置400がシート原稿をコンタクトガラス32まで自動移動させる。原稿読取動作では、まず、第1走行体33と第2走行体34とがともに走行を開始し、第1走行体33に設けられた光源から光が発射される。そして、原稿面からの反射光が第2走行体34内に設けられたミラーによって反射せしめられ、結像レンズ35を通過した後、読取センサ36に入射される。読み取りセンサ36は、入射光に基づいて画像情報を構築する。
このような原稿読取動作と並行して、各プロセスカートリッジ18Y,18C,18M,18K内の各機器や、中間転写ユニット17、二次転写装置22、定着ユニット25がそれぞれ駆動を開始する。そして、読取センサ36によって構築された画像情報に基づいて、光書込ユニット21が駆動制御されて、各感光体40Y,40C,40M,40K上に、Y、C、M、Kトナー像が形成される。これらトナー像は、中間転写ベルト10上に重ね合わせ転写された4色トナー像となる。
また、原稿読取動作の開始とほぼ同時に、給紙装置200内では給紙動作が開始される。この給紙動作では、給紙ローラ42の1つが選択回転せしめられ、ペーパーバンク43内に多段に収容される給紙カセット44の1つから転写紙が送り出される。送り出された転写紙は、分離ローラ45で1枚ずつ分離されて給紙路46に進入した後、搬送ローラ47によってプリンタ部100内の給紙路48に給紙される。このような給紙カセット44からの給紙に代えて、手差しトレイ51からの給紙が行われる場合もある。この場合、給紙ローラ50が選択回転せしめられて手差しトレイ51上の転写紙を送り出した後、分離ローラ52が転写紙を1枚ずつ分離してプリンタ部100の手差し給紙路53に給紙する。プリンタ部100内の給紙路48あるいは手差し給紙路53に給紙された転写紙は、レジストローラ対49、上記二次転写ニップを経由して4色トナー像が二次転写せしめられる。そして、定着ユニット25を経由した後、機外へと排出される。
[トナー]
トナーとしては、結着樹脂に着色剤、帯電制御剤及び、離型促進剤等の他の材料を含有させた母体粒子に、更に添加剤等を外添させたものを用いることが望ましい。上記離型促進剤については、結着樹脂100重量部に対して、1〜15重量部、好ましくは、2〜10重量部の離型促進剤を含有せしめることが望ましい。離型促進剤の含有率が1重量部未満では、定着ベルト26へのトナーのホットオフセットを十分に抑えることができないからである。また、15重量部を超えると現像能力の低下、凝集トナーによる異常画像の発生、転写性の低下、耐久性の低下などを招来してしまうからである。2〜10重量部にすると、ソリッド部における画像濃度が高く、且つ、ドット再現性の良い高品位の画像を得ることができる。
上記離型促進剤としては、従来公知のものを使用することができる。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックス、密ロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックス等の天然ワックス類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス類、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸及び高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸アミド、合成エステル系ワックス等及びこれらの各種変性ワックス等である。これらの離型促進剤を、単独あるいは2種類以上組合わせて用いることができる。特にカルナウバワックス、合成エステル系ワックスを使用すると、定着ベルト26や感光体からのトナーの良好な離型性を得ることができる。
トナーに添加する上記添加剤の添加量については、母体粒子100重量部に対して、0.6〜4.0重量部にすること望ましく、更に1.0〜3.6重量部であると好適である。添加剤の添加量が、0.6重量部未満であると、トナーの流動性の悪さに起因するトナー粒子間の凝集度の増加により、磁性粒子たる磁性キャリアとの接触が不足する。そして、現像器内においてトナーの十分な帯電性が得られなくなる。加えて、転写性や耐熱保存性も不十分となったり、地汚れやトナー飛散の原因にもなり易い。また4.0重量部より多いと、流動性は向上するものの、クリーニングブレード等のビビリやめくれなどによる感光体クリーニング不良や、トナーから遊離した添加剤による感光体等へのフィルミングが生じ易くなる。この結果、クリーニングブレード等のクリーニング部材や感光体の被クリーニング体の耐久性が低下し、定着性も悪化する。特に1.0〜3.6重量部にすると、ソリッド部における画像濃度が高く、且つ、ドット再現性の良い高品位の画像を得ることができる。なお、地汚れとは、感光体の非画像部にトナーを付着させてしまう現象である。
トナーに添加する添加剤としては、従来から公知のものを使用することができる。例えば、Si、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V、Zr等の酸化物や複合酸化物等が挙げられる。特にSi、Ti、Alの酸化物であるシリカ、チタニア、アルミナが好適に用いられる。なお、添加剤については、疎水化、流動性向上、帯電性制御等の目的に応じて、表面処理を施すことが望ましい。
添加剤の含有率の測定には種々の方法があるが、蛍光X線分析法で求めるのが一般的である。添加剤の含有率既知のトナーについて、蛍光X線分析法で検量線を作成し、この検量線を用いて、添加剤の含有率を求める方法である。
トナーの表面処理に用いる処理剤としては、有機系シラン化合物等が好ましい。例えば、メチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のアルキルクロロシラン類、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のアルキルメトキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等である。処理剤による表面処理の方法としては、有機シラン化合物を含有する溶液中に添加剤を浸積し乾燥させる方法や、添加剤に有機シラン化合物を含有する溶液を噴霧し乾燥させる方法などがある。
トナーの母体粒子に添加する添加剤の粒径については、流動性付与等の点から、平均一次粒子径で0.002〜0.2[μm]であることが好ましく、特に好ましくは、0.005〜0.05[μm]である。平均一次粒子径が0.002[μm]より小さい添加剤は、母体粒子表面に添加剤が埋め込まれ易くなるため、凝集が起こり易い。更に、流動性が十分に得られなかったり、感光体等へのフィルミングが起こり易かったりする。これらの傾向は特に高温高湿下において顕著である。また、平均一次粒子径が0.002[μm]より小さいと、どうしても添加剤同士の凝集が生じ易くなるため、これによっても、十分な流動性が得られ難くなる。また、平均一次粒子径が0.2[μm]より大きいと、トナーの流動性の悪さにより、十分な帯電性が得られず、地汚れやトナー飛散の原因になり易い。また、平均一次粒子径が0.1[μm]より大きいと、感光体表面を傷つけ易く、フィルミング等の原因にもなり易い。なお、添加剤の粒径については、透過型電子顕微鏡により測定して求めることができる。
上記結着樹脂としては、従来から公知のものを使用することができる。例えば、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリブチラール、シリコーン樹脂等である。これらを単独あるいは2種類以上組合わせて用いてもよい。特に、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂が好ましい。結着樹脂の製造法は、特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の何れも用いることができる。
上記ポリエステル樹脂としては、各種のタイプのものを使用することができる。特に、次に列記する(a)〜(g)のものを混合して得たものを用いるとよい。
(a)2価のカルボン酸、その低級アルキルエステル、酸無水物の何れかから選ばれる少なくとも一種
(b)下記化1の化学式で示されるジオール成分
Figure 0004820685
(c)3価以上の多価カルボン酸、その低級アルキルエステル、酸無水物、3価以上の多価アルコールの何れかから選ばれる少なくとも一種
(d)エポキシ樹脂
(e)2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物又はそのグリシジルエーテル
(f)エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物
(g)エポキシ基と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物
上記(a)の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、イソデシルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、これらのモノメチル、モノエチル、ジメチル、ジエチルエステル、無水フタル酸、無水マレイン酸等がある。特にテレフタル酸、イソフタル酸、これらのジメチルエステルが耐ブロッキング性及びコストの点で好ましい。これらの2価カルボン酸、その低級アルキルエステル、酸無水物はトナーの定着性や耐ブロッキング性に大きく影響する。縮合度にもよるが、芳香族系のテレフタル酸、イソフタル酸等を多く用いると耐ブロッキング性は向上するが、定着性が低下する。逆に、セバシン酸、イソデシルコハク酸、マレイン酸、フマル酸等を多く用いると定着性は向上するが、耐ブロッキング性が低下する。従って、他のモノマー組成や比率、縮合度に合わせてこれらの2価カルボン酸類を適宜選定して、単独又は組合わせて使用することが望ましい。
上記(b)の例としては、ポリオキシプロピレン−(n)−ポリオキシエチレン−(n’)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。特に、2.1≦n≦2.5であるポリオキシプロピレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2.0≦n≦2.5であるポリオキシエチレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。このようなジオール成分は、ガラス転移温度を向上させ、反応を制御し易くするという利点がある。なお、ジオール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール等の脂肪族ジオールを使用することも可能である。
上記(c)における3価以上の多価カルボン酸、その低級アルキルエステル、酸無水物の例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフトレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサトリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸及びこれらのモノメチル、モノエチル、ジメチルおよびジエチルエステル等が挙げられる。
上記(c)における3価以上の多価アルコールの例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。3価以上の多価単量体の配合割合は、単量体組成物全体の1〜30[モル%]程度が適当である。1[モル%]未満の時には、トナーの耐オフセット性が低下し、また、耐久性も悪化し易いからである。また、30[モル%]を超えると、トナーの定着性が悪化し易いからである。
上述した3価以上の多価単量体については、特にベンゼントリカルボン酸、これらの酸の無水物、エステル等のベンゼントリカルボン酸類などが好ましい。ベンゼントリカルボン酸類を用いると、定着性と耐オフセット性の両立を図ることができる。
上述したポリオール樹脂としては、各種のタイプのものが使用できるが、特に、次に列記する物質を反応させて得たものを用いることが望ましい。
上記(d)エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとエピクロロヒドリンを結合して得られたものが良い。特に、エポキシ樹脂が安定した定着特性や光沢を得るべく、数平均分子量の相違する少なくとも2種以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂で、低分子量成分の数平均分子量が360〜2000であり、高分子量成分の数平均分子量が3000〜10000であることが好ましい。更に低分子量成分が20〜50[重量%]、高分子量成分が5〜40重量%であることが好ましい。低分子量成分が多すぎたり、分子量が360よりさらに低分子の場合は、光沢が出すぎたり、さらには保存性の悪化の可能性がある。また、高分子量成分が多すぎたり、分子量10000よりさらに高分子の場合は、光沢が不足したり、さらには定着性の悪化の可能性がある。
上記(e)における2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば次のようものを用いることができる。即ち、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、又はこれらの混合物と、ビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとの反応生成物である。得られた付加物をエピクロロヒドリンやβ−メチルエピクロロヒドリン等でグリシジル化して用いてもよい。特に次の化学式で示されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテルが好ましい。
Figure 0004820685
上述した2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエーテルについては、ポリオール樹脂に対して10〜40[重量%]の範囲で含有せしめることが好ましい。これよりも量が少ないとカールが増すなどの不具合が生ずるからである。また、n+mが7以上であったり量が多すぎたりすると、光沢が出すぎたり、さらには保存性の悪化の可能性があるからである。
上記(f)の化合物としては、1価フェノール類、2級アミン類、カルボン酸類などを用いることができる。これらのうち、1価フェノール類としては次のようなものが挙げられる。即ち、フェノール、クレゾール、イソプロピルフェノール、アミノフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、キシレノール、p−クミルフェノール等である。また、2級アミン類としては、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチル(エチル)ピペラジン、ピペリジン等が挙げられる。また、カルボン酸類としては、プロピオン酸、カプロン酸等が挙げられる。
上記(g)の化合物としては、2価フェノール類、多価フェノール類、多価カルボン酸類が挙げられる。これらのうち、2価フェノール類としては、ビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールが挙げられる。また、多価フェノール類としては、オルソクレゾールノボラック類、フェノールノボラック類、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンが挙げられる。また、多価カルボン酸類としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸が挙げられる。
上述したポリエステル樹脂やポリオール樹脂については、高い架橋密度を持たせると、透明性や光沢度が得られ難くなる。このため、好ましくは、非架橋や弱い架橋(THF不溶分が5%以下)をもたせることが好ましい。
トナーに含有せしめる着色剤としては、従来から公知の染料や顔料を使用することができる。黄色系着色剤としては、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー、(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、ベンズイミダゾロンイエロー、イソインドリノンイエロー等が挙げられる。また、赤色系着色剤としては、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイヤーレッド、パラクロロオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッド(F5R、FBB)、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パ−マネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ等が挙げられる。また、青色系着色剤としては、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン等が挙げられる。また、黒色系着色剤としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物等が挙げられる。その他の着色剤としては、チタニア、亜鉛華、リトボン、ニグロシン染料、鉄黒等が挙げられる。何れの色の着色剤についても、単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。その含有率については、結着樹脂100重量部に対して、通常1〜30重量部、好ましくは3〜20重量部が良い。
トナーには、必要に応じて、帯電制御剤等などを添加してもよい。かかる帯電制御剤としては、従来から公知のものを使用することができる。例えば、ニグロシン染料、含クロム錯体、第4級アンモニウム塩等である。これらについては、トナー粒子の極性に応じて使い分ける。特に、カラートナーの場合、トナーの色調に影響を与えない無色又は淡色のものが好ましく、例えば、サリチル酸金属塩又はサリチル酸誘導体の金属塩(ボントロンE84、オリエント社製)等が良い。これまで例示した帯電制御剤については、単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることが可能である。その含有率については、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜8重量部、好ましくは1〜5重量部が良い。
トナーの製造方法としては、粉砕法、重合法、カプセル方などが知られている。粉砕法の一例を説明すると次のようになる。
(1)結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、離型促進剤、磁性体等をヘンシェルミキサーの如き混合機によって十分に混合する。
(2)バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサー、連続式の2軸押出し機、連続式の1軸混練機などによって混合物を十分に混練する。連続式の2軸押し出し機としては、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機などが知られている。また、連続式の1軸混練機としては、ブッス社製コ・ニーダなどが知られている。
(3)混練物を冷却後、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機によって微粉砕する。そして、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機によって所定の粒度に分級して、母体粒子を得る。
重合法の一例を説明すると次のようになる。
(1)重合性モノマー、重合開始剤(必要に応じて)、着色剤等を水性分散媒中で造粒する。
(2)造粒されたモノマー組成物粒子を適当な粒子径に分級する。
(3)この分級によって得た規定内粒径のモノマー組成物粒子を重合反応させる。
(4)適当な処理をして分散剤を取り除いた後、重合反応によって得られた重合生成物をろ過、水洗、乾燥して母体粒子を得る。
カプセル方の一例を説明すると次のようになる。
(1)樹脂や着色剤等を混練機等で混練し、溶融状態のトナー芯材を得る。
(2)トナー芯材を水中に入れて強く撹拌し、微粒子状の芯材を作成する。
(3)シェル材溶液中に上記芯材微粒子を入れ、撹拌しながら、貧溶媒を滴下し、芯材表面をシェル材で覆ってカプセル化させる。
(4)これによって得られたカプセルをろ過後、乾燥して母体粒子を得る。
トナーには、上述した添加剤とは異なる他の添加剤を添加してもよい。かかる他の添加剤としては、例えば、滑剤として機能するテフロン(登録商標)、ステアリン酸亜鉛及びポリ弗化ビニリデン等が挙げられる。また、研磨剤として機能する酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。また、導電性付与材として機能する酸化亜鉛、酸化アンチモン及び酸化スズ等が挙げられる。
現像剤に用いる磁性キャリアとしては、従来から公知のものを使用することができる。例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のごとき磁性を有する粉体、ガラスビーズ等である。これらの表面を樹脂等で被覆して保護層を形成することが望ましい。
上記保護層に用いる樹脂としては、ポリフッ化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。また保護層の形成法としては、磁性キャリアの表面に噴霧法、浸漬法等の手段で樹脂を塗布する方法が挙げられる。樹脂の使用量については、磁性キャリア100重量部に対して1〜10重量部にすることが好ましい。保護層の膜厚としては、0.02〜2[μm]であることが好ましく、特に好ましくは0.05〜1[μm]、更に好ましくは、0.1〜0.6[μm]である。膜厚が厚いとキャリア及び現像剤の流動性が低下する傾向にあり、膜厚が薄いと経時での膜削れ等の影響を受けやすい傾向にある。
磁性キャリアについては、重量平均粒径で20〜60[μm]のものを用いることが望ましい。また、トナーと磁性キャリアとの混合割合については、磁性キャリア100重量部に対しトナー0.5〜7.0重量部程度が適当である。
磁性キャリアとしては、鉄、ニッケル、コバルト等の金属、これらと他の金属による合金、マグネタイト、γ−ヘマタイト、二酸化クロム、銅亜鉛フェライト、マンガン亜鉛フェライト等の酸化物、マンガン−銅−アルミニウム等のホイスラー合金などといった強磁性体の粒子を用いることができる。この強磁性体の粒子をスチレン−アクリル系、シリコーン系、フッ素系等の樹脂で被覆してもよい。強磁性体の材料については、離型促進剤を含有せしめたトナーとの帯電性を考慮して適宜選択することが望ましい。また、強磁性体の粒子を被覆する樹脂には、荷電制御剤、導電性物質等を添加してもよい。また、スチレン−アクリル系、ポリエステル系等の樹脂中にこれらの磁性体粒子を分散させたものであってもよい。強磁性体の飽和磁化の強さは、40×4π×10-4〜90×4π×10-4[A/m](40〜90[emu/g])が好ましい。40×4π×10-4[A/m](45[emu/g])未満では、飽和磁化の弱さに起因して搬送性が低下したり、感光体へのキャリア付着が多くなったりするからである。また、90×4π×10-4[A/m](90[emu/g])を越えると、飽和磁化の強さに起因して、磁気ブラシやスキャベンジ効果が強くなって、ハーフトーン部にスキャベンジ跡が生じて画像品質を低下させるからである。
磁性キャリアの製造方法の一例を説明すると、以下のようになる。即ち、まず、次に列記する材料を用意する。
・芯材
Cu−Znフェライト粒子(重量平均径:35[μm])5000重量部
・コート材
トルエン450重量部
シリコーン樹脂SR2400(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、不揮発分50%)450重量部
アミノシランSH6020(東レ・ダウコーニング・シリコーン製)10重量部
カーボンブラック10重量部
先に掲げたトルエン等からなる混合物をスターラーで10分間撹拌してコート材を得る。回転式底板ディスクや撹拌羽根が設けられた流動床内で旋回流を形成しながら噴霧するコーティング装置にこのコート材を投入して、上記芯材に塗布する。そして、得られた粒子を電気炉で250[℃]で2時間焼成して、0.5[μm]程度の厚みのコート膜が形成された磁性キャリアを得る。
次に、本実施形態における感光体の構成について説明する。
図7は感光体の感光層を示す拡大断面図である。なお、上述のように、各プロセスカートリッジにおける各機器の構成は同様であるので、以下、Y、M、C、Kの符号を省略して説明する。
同図において、感光体40は、図示しない導電性支持体の上に被覆された感光層を有している。この感光層は、導電性支持体側から表面側に向けて、電荷発生層40aと、電荷輸送層40bと、更にこの上に被覆されたフィラー補強電荷輸送層40cとから構成されている。
上記導電性支持体としては、例えば、体積抵抗率が1010[Ω・cm]以下の導電性物質を、蒸着又はスパッタリングによってフィルム状もしくは円筒状のプラスチックや紙に被覆したものを用いることができる。被覆する導電性物質としては、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属や、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物などが挙げられる。また、導電性物質を被覆するのではなく、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等からなる金属板を、押し出しや引き抜きなどの工法によって筒状に成形した後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管を用いてもよい。また、本複写機では、ドラム状の感光体を用いているが、ベルト状のものを用いる場合には、導電性支持体として、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルトやエンドレスステンレスベルトを用いることもできる。この他、プラスチックや紙からなる支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものを用いてもよい。この場合、導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズなどの金属酸化物粉体などがあげられる。また、同時に用いられる結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂などが挙げられる。支持体上に形成する導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。また、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロンなどの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けたものも、導電性支持体として用いることができる。
感光層の電荷発生層40aは、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とする。必要に応じてバインダー樹脂を含有せしめてもよい。また、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤を含有せしめてもよい。電荷発生物質としては、無機系材料、有機系材料の何れを使用することも可能である。これらのうち、無機系材料としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコンなどが挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子などをドープしたものが良好に用いられる。一方、有機系材料としては、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることも可能である。
電荷発生層40aに対して必要に応じて含有せしめられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これらのバインダー樹脂を、単独または2種以上の混合物として用いることも可能である。また、バインダー樹脂として、高分子電荷輸送物質を用いることもできる。更には、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。かかる低分子電荷輸送物質には、電子輸送物質と正孔輸送物質とがあり、これらは更に低分子型の電荷輸送物質と高分子型の電荷輸送物質がある。以下、高分子型の電荷輸送物質を高分子電荷輸送物質という。
上記電子輸送物質としては、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質を単独または2種以上の混合物として用いることも可能である。
上記正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質を、単独又は2種以上の混合物として用いることも可能である。また、次のような高分子電荷輸送物質を用いることができる。ポリ−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾール環を有する重合体、特開昭57−78402号公報等に例示されるヒドラゾン構造を有する重合体、特開昭63−285552号公報等に例示されるポリシリレン重合体、特開平7−325409号公報に例示されるトリアリールアミン構造を有する重合体等である。これらの高分子電荷輸送物質を、単独または2種以上の混合物として用いることも可能である。
電荷発生層40aを形成する方法としては、真空薄膜作製法や、溶液分散系からのキャスティング法などが知られている。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが用いられ、上述した無機系材料、有機系材料を良好に形成することができる。また、キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、それを次のようにして形成することができる。即ち、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要に応じてバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散する。そして、分散液を適度に希釈して塗布するのである。この塗布については、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などを用いればよい。
以上のようにして設けられる電荷発生層40aの膜厚は、0.01〜5[μm]程度が適当であり、好ましくは0.05〜2[μm]である。
電荷輸送層40bについては、電荷輸送成分とバインダー成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成することができる。その膜厚は、5〜50[μm]程度が適当であり、解像力が要求される場合には5〜30[μm]程度が適当である。
電荷輸送層40bに用いるバインダー成分としては、次の高分子化合物を例示することができる。即ち、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂などである。これらの高分子化合物を単独または2種以上の混合物として用いたり、電荷輸送物質と共重合化して用いたりすることができる。
電荷輸送物質として用いることが可能な材料には、上述の低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質、高分子電荷輸送物質も含まれる。また、必要に応じて適当な酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質などの低分子化合物やレベリング剤を添加することも可能である。低分子型の電荷輸送物質を用いる場合、この使用量は高分子化合物100重量部に対して20〜200重量部、好ましくは50〜100重量部程度が好ましい。また、高分子電荷輸送物質を用いる場合、電荷輸送成分100重量部に対して樹脂成分が0〜500重量部程度の割合で共重合された材料が好ましく用いられる。
電荷輸送層塗工液を調製する際に使用可能な分散溶媒としては、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類など挙げることができる。これらの化合物は単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。低分子化合物の使用量は、高分子化合物100重量部に対して0.1〜200重量部、好ましくは、0.1〜30重量部、レベリング剤の使用量は、高分子化合物100重量部に対して0.001〜5重量部程度が適当である。
フィラー補強電荷輸送層40cは、少なくとも電荷輸送成分とバインダー樹脂成分とフィラーとを含み、電荷輸送性と機械的耐性を併せ持つ。また、上述の電荷輸送層を2層以上に機能分離した表面層としても機能する。
フィラー補強電荷輸送層40cに用いられるフィラー材料としては、無機材料、シリカ、酸化チタン、アルミナなどが挙げられる。これらを2種類以上混合して用いてもよい。塗工液および塗工膜中の分散性向上を図るべく、表面処理剤によるフィラー表面の改質を施してもよい。フィラー材料については、電荷輸送物質や結着樹脂などと混合した溶媒等中で、適当な分散機によって分散せしめることができる。また、フィラー材料の一次粒径の平均は、0.01〜0.8[μm]であることが、電荷輸送層の透過率や耐摩耗性の点から好ましい。フィラー材料を分散せしめた溶液の塗工方法としては、浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法などを用いることができる。フィラー補強電荷輸送層40cの膜厚は、0.5[μm]以上であることが好まく、より好ましくは2[μm]以上がよい。
導電性支持体と感光層との間には、下引き層を設けてもよい。この下引き層は、一般には樹脂を主成分とする。この樹脂については、溶媒中に分散せしめた分散液の状態で電荷輸送層40bに塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂を用いることが望ましい。かかる樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
上記下引き層には、モアレ抑制や残留電位の低減化を図るべく、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。また、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤などを使用することもできる。この他、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物あるいは、SiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも使用可能である。下引き層の膜厚は0[μm]よりも厚く20[μm]以下が適当であり、好ましくは1〜10[μm]である。
これまで説明した各層には、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質、レベリング剤を添加してもよい。
各層に添加することが可能な酸化防止剤としては、次に掲げるものを例示することができる。
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N、N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N、N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N、N’−ジメチル−N、N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
各層に添加することができる可塑剤としては、次に掲げるものを例示することができる。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
各層に添加することができる滑剤としては、次に掲げるものを例示することができる。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
各層に添加することができる紫外線吸収剤としては、次に掲げるものを例示することができる。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’、4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’、4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ3’−ターシャリブチル5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アクリレートなど。
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2’チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
先に示した図5において、本実施形態に係る複写機は、現像器61の現像スリーブ65に現像バイアスを印加する電圧印加手段たる図示しない現像バイアス電源を備えている。また、帯電器60の回転帯電部材たる帯電ローラに帯電バイアスを印加する帯電バイアス印加手段たる図示しない帯電バイアス電源も備えている。これら電源のうち、現像バイアス電源は、現像スリーブ65に直流成分だけからなる直流現像バイアスを供給するように構成されている。一方、帯電バイアス電源は、帯電ローラに少なくとも交流成分を含む交流帯電バイアスを供給するように構成されている。本複写機では、交流方式の帯電と、直流方式の現像との組合せを採用しているのである。かかる構成では、先に図1に示したように、フィラー補強電荷輸送層40cの膜削れによる感光体40の劣化を抑えることができる。
次に、本発明の特徴部分である、光書込ユニット21の露光量の制御について説明する。
図8(a)は、ベタ画像において現像剤穂先部が画像部から非画像部へと移動したときの現像剤穂先部の電荷量変化を表したものである。
図8(b)は、感光体表面移動方向Aに対して直交する方向に延在するライン(以下、「横ライン」という。)の画像を感光体表面移動方向Aへ複数並べた画像パターンを現像剤穂先部が通過するときの現像剤穂先部の電荷量変化を表したものである。
感光体40の画像部に対向する現像剤には、トナーが感光体40へ向かう方向の現像方向電界が働くので、その影響により、図8(a)及び図8(b)に示すように、現像剤穂先部にトナーと同極性の電荷が移動する。磁性キャリアの抵抗が低い場合や、現像剤穂先部が画像部と対向する時間が長い場合ほど、多くの電荷が現像剤穂先部へ移動する。
このときに移動する電荷量Q[C/m2]は、ベタ画像の場合、磁性キャリアの体積抵抗率をρ[Ω・m]とし、磁性キャリアの誘電率をε[F/m]とし、感光体40と現像スリーブ65との間隔(現像ギャップ)をd[m]とし、現像ポテンシャルをV1[V]とし、現像剤穂先部が画像部と対向する時間t[sec]としたとき、下記の数3に示す式から求めることができる。
Figure 0004820685
ベタ画像を含めた他の画像パターンについて考えるならば、現像剤穂先部に移動する電荷量Q[C/m2]は、現像剤が感光体40に接している間に通過する各画素の電位VL(i)[V]と現像スリーブ65の電位VB[V]との電位差{VL(i)[V]−VB[V]}をVp(i)[V]とし、現像剤が一画素を通過する時間{Dot[m]/ΔVr[m/sec]}をdt[sec]とし、現像剤が感光体40に接触している間に通過する画素数〔(Nip/Dot)×{1−1/(Vr/Vpc)}〕をnとしたとき、下記の数4に示す式から求めることができる。
Figure 0004820685
ただし、iは自然数であり、図9に示すように、現像剤が通過する画素順にi=1から1づつ増える。また、画素ごとの感光体40の電位(画像部電位)をVL(i)とし、現像スリーブ65の電位をVB[V]とする。また、感光体表面移動方向Aの画素ピッチをDot[m]とし、感光体40の線速Vpc[m/sec]と現像スリーブ65の線速Vr[m/sec]との線速差(Vr[m/sec]−Vpc[m/sec])をΔVr[m/sec]とする。また、現像剤が感光体40に接触する感光体表面移動方向Aの長さ(現像ニップ幅)をNip[m]とする。
ここで、本実施形態においては、現像スリーブ65と感光体40とが連れ回り方向へ駆動し、かつ、現像スリーブ65の線速が感光体40の線速よりも速く設定されているので、現像ニップでは現像スリーブ65上の現像剤が感光体40の表面を追い越すような状況になる。このような状況においては、画像部を通過した現像剤がその画像部に対して先端側に隣接する非画像部と対向する事態が生じる。この場合、画像部通過時に現像剤穂先部へ移動した電荷が現像剤穂先部に保持されたまま、その現像剤穂先部が非画像部と対向することになる。これにより、現像剤穂先部の電荷量に応じて、その非画像部に形成される電界が変化する。
図10は、現像剤穂先部が非画像部に対向したときに形成される電界と現像剤穂先部の電荷量との関係を表したグラフである。
図10に示すように、非画像部に対向した現像剤穂先部の電荷量が所定値Q0以下であれば、非画像部に形成される電界は、トナーが現像スリーブ65側へ向かう方向の電界(以下、「逆現像方向電界」という。)となる。この場合、現像剤穂先部に付着したトナーが非画像部へ移動することはない。しかし、非画像部に対向した現像剤穂先部の電荷量が所定値Q0を越えている場合、非画像部に形成される電界は、現像方向電界となり、現像剤穂先部に付着したトナーが非画像部へ移動してしまう。その結果、ハット画像となるトナーが非画像部に付着し、ハット画像が発生する。よって、ハット画像の発生を防止するには、画像部を通過した現像剤穂先部の電荷量をいかにして所定値Q0以下となるようにするかが重要となる。
図11は、画像部先端領域の露光量を通常露光量よりも低くした場合の画像部通過時における現像剤穂先部の電荷量の変化を表したものである。なお、図中破線は通常時の露光量の場合を示し、図中実線は通常時よりも露光量を低くした場合を示している。
図11に示すように、画像部先端領域の露光量を通常時よりも低くした場合、画像部通過時における現像剤穂先部の電荷量が通常時露光量の場合よりも減少していることがわかる。よって、画像部先端領域の露光量を低くすれば、画像部を通過した現像剤穂先部が非画像部に対向したときの現像剤穂先部の電荷量を低く抑えることができる。ただし、画像部先端領域の露光量が低くさせ過ぎると、その画像部先端領域の画像濃度が低くなってしまうという弊害が生まれる。よって、本実施形態では、画像部先端領域の露光量を、画像部の画像濃度を十分に確保し得る露光量以上であって、画像部を通過した現像剤穂先部の電荷量が所定値Q0以下とすることができる露光量以下、すなわち、非画像部において現像方向電界が形成されないような露光量以下の範囲内に制御する。
具体的に説明すると、上記数4に示した式から、非画像部において現像方向電界が形成されない条件すなわち画像部を通過した現像剤穂先部の電荷量が所定値Q0以下とすることの条件を求めた結果が、上記数1に示した式である。すなわち、上記数1に示した式中左辺のsignの中は、画像部に対して先端側に隣接する非画像部と現像剤穂先部との電位差を示し、上記数1に示した式中右辺のsignの中は地肌ポテンシャルVgを示している。この数1に示した式を満たすように露光量を制御すれば、画像部に対して先端側に隣接する非画像部と現像剤穂先部との電位差が地肌ポテンシャルVgと同じ符号となる。したがって、画像部を通過した現像剤穂先部が非画像部に対向したときに、その現像剤穂先部と非画像部との間に現像方向電界が形成されることがなくなる。
ここで、画像部に対して先端側に隣接する非画像部の感光体表面移動方向Aの長さが、画像部と非画像部との境界でのエッジ効果が発生する領域の感光体表面移動方向Aの長さの1/eであるδ[m]未満である場合、その非画像部全域でエッジ効果による強い逆方向電界が形成される。そのため、画像部先端領域の露光量が通常時の露光量であっても、その非画像部と現像剤穂先部との間には現像方向電界が形成されず、ハット画像が発生することがない。したがって、画像部に対して先端側に隣接する非画像部の感光体表面移動方向Aの長さがδ[m]未満である場合には、露光量を制御する必要はない。しかし、画像部に対して先端側に隣接する非画像部の感光体表面移動方向Aの長さがδ[m]以上である場合、その非画像部のうち画像部先端から感光体表面移動方向下流側へδ[m]以上離れた領域では、上述したような露光量を制御しないとその領域と現像剤穂先部との間で現像方向電界が形成され、ハット画像が発生するおそれがある。よって、本実施形態では、画像部に対して先端側に隣接する非画像部の感光体表面移動方向Aの長さがδ[m]以上である場合にだけ露光量を制御する。なお、画像部に対して先端側に隣接する非画像部の感光体表面移動方向Aの長さがδ[m]以上であるか否かに関わらず、露光量を制御するようにしてもよい。
上述した数値δは、画像部に形成される電界と非画像部に形成される電界とによって決まる値であり、次のような計算により求めることができる。
図12にように二次元平面に現像スリーブと感光体を配置し、それぞれ感光体表面には潜像電荷密度分布を与え、現像スリーブには印加される電圧を与え、現像スリーブと感光体との間の電場を計算する。この電場の計算手法は、差分法によりポアソン方程式を解き電場を計算する手法をとる。この手法の詳細は、「電界解析による現像・転写プロセスのシミュレーション」(門永雅史、栗林夏城、仲野正雄:電子写真技術のシミュレーションに関する講習会、日本機械学会、p33、2005)に記載されている。また、潜像電荷密度分布の計算手法は、「放電場解析による帯電・線像形成プロセスのシミュレーション」(渡辺好夫:電子写真技術のシミュレーションに関する講習会、日本機械学会、p19、2005)に記載されている手法を用いる。このようにして求めた感光体表面の電界の一例を図13に示す。
数値δは、図13に示す通り、感光体表面上の電界が現像方向電界から逆現像方向電界へと変わる地点すなわち電界がゼロとなる地点から、逆現像電界のピーク値と画像部先端から十分に離れた位置での逆現像電界との差が1/eとなる地点までの距離として求められる。本発明者らが用いた画像形成装置の標準条件において、数値δは70[μm]であった。なお、数値δは、潜像電荷分布、現像バイアス、現像スリーブ65と感光体40との距離などによって変わる値である。
〔評価試験1〕
本発明者らは、図4に示したプリンタ部100及び給紙装置200を備える評価試験機にて、ハット画像の評価試験(以下、「評価試験1」という。)を行った。本評価試験1の条件を以下に示す。
・解像度:600dpi
・感光体40のフィラー補強電荷輸送層40cの厚み:5.0[μm]
・感光体40の線速Vpc:245[mm/s]
・感光体40のベタ露光部電位:−100[V]
・感光体40の地肌部電位VD:−750[V]
・直流現像バイアスVB:−600[V]
・現像スリーブ直径:25[mm]
・現像スリーブ表面の十点平均粗さRz:10[μm]
・現像スリーブの線速Vr:490[mm/s]
・現像器61内の現像剤収容量:500[g]
・現像磁極によるスリーブ表面上の法線方向のピーク磁束密度:120[mT]
・剤搬送量:45[mg/cm2
・磁性キャリアの重量平均粒径:35[μm]
・磁性キャリアに対するトナーの被覆率:60[%]
・磁性キャリアの体積抵抗率ρ:1010[Ω・cm]
・磁性キャリアの誘電率ε:8.0×10-11[F/m]
・トナーの体積平均粒径:7.5[μm]
・現像ギャップd:350[μm]
・現像剤が感光体に接している幅(現像ニップ幅):2.0[mm]
・帯電量と粒径との比が−1.0[fC/μm]以下であるトナーの含有率:20.3[%]
・磁性キャリアとの間の付着力が10[nN]以下となるトナーの含有率:12.3[%]
以上の条件から下記の数値が求まる。
・画素ピッチDot:42.3[μm]
・感光体40と現像スリーブ65との線速差ΔVr:245[mm/s]
・感光体40の非画像部と現像スリーブ65との電位差Vg:150[V]
・現像剤が通過する画素数n:23[ドット]
・現像剤が1画素を通過する時間dt:0.172[sec]
磁性キャリアの体積抵抗率については、次のようにして測定した。
電極間距離が1[mm]で表面積が2×4[cm2]である2つの電極を収容したフッ素樹脂からなる容器に磁性キャリアを充填し、両電極間に1000[V]の直流電圧を印加する。そして、ハイレジスタンスメーター4329A(横川ヒューレットパッカード社製4329A+LJK5HVLVWDQFHOHWHU)にて、直流抵抗を測定した。その後、得られた抵抗値から算出した体積抵抗率を磁性キャリアの体積抵抗率[Ω・cm]とした。
磁性キャリアの誘電率については、次のようにして測定した。
電極が取り付けられた内径18[mm]の円筒状セルに磁性キャリアを入れ、セル内の磁性キャリアを厚さ0.65[mm]、直径18[mm]の円盤状に押し固めた状態で、TR−10C型誘電体損測定器(安藤電気株式会社)にて測定した。なお、周波数は1[kHz]、RATIOは11×10-9である。
トナー帯電量分布については、次のようにして測定した。
レーザードップラー速度計を使用したトナー粒子帯電量分布測定装置(Eスパートアナライザー:ホソカワミクロン株式会社製)を用いてトナー帯電量と粒径を測定し、帯電量分布を得る。
この測定方法の詳細について説明すると、まず、磁石で構成されている現像剤保持台に現像剤を保持させる。次いで、現像剤保持台に保持した現像剤を、エアーガン(窒素ガス)により、磁性キャリアとトナーとに分離して、トナー粒子のみを測定部に吸引導入する。測定部に吸引導入されたトナーは順次帯電量を計測され、トナーの帯電量分布を得る。得られた帯電量分布より、トナー帯電量と粒径との比がある範囲となる含有率を求める。
トナーとキャリアとの間の付着力分布については、次のようにして測定した。
なお、測定に使用した装置は、遠心分離装置:日立工機社製、CP100MX(最高回転数:100、000rpm、最大加速度:720、000G、アングルロータP100AT2)、画像ファイリング用顕微鏡:デジタル顕微鏡VK−8510、画像処理ソフト:Image−ProPlus(プラネトロン)である。
図14は、粉体付着力測定装置の測定セルの説明図である。
測定セル1は、粉体を付着させた試料面2aを有する試料基板2と、試料基板2から分離した粉体を付着させる付着面3aを有する受け基板3と、試料基板2の試料面2aと受け基板3の付着面3aの間に設けられたスペーサ4とから構成される。この装置を用いてトナーとキャリアとの間の付着力を測定する方法を、図15に基づいて説明すると、まず、試料基板2上に接着層11を形成する。接着層11は、キャリアを敷き詰めやすくするために、10μmオーダーの均一な薄膜にする必要がある。薄膜の形成方法としては、試料基板2上に接着剤を付け、平板により接着剤を押し広げる方法で行った。次に、キャリアを接着層11に敷き詰める。図15には、試料基板2に粉体を付着させた状態の一例が示されている。図15に示すように、試料基板2上に接着層11が設けられ、接着層11にはキャリアが敷き詰められ、キャリア上にトナー同士が接触しないようにトナーが付着している(トナーの付着方法については後述する。)。キャリアを敷き詰めるのは、トナーがキャリアの間に入り込んで、接着層11に付着するのを避けるためである。図15に示すように、キャリアの粒径が接着層11の層厚に較べて十分に大きい場合、キャリアは一層で良い。次に、キャリア上にトナーを付着させる。キャリア上にトナーを多量に付着させると、遠心分離したトナー同士が接触又は積層してしまうため、各粒子の粒径を計測することができない。このため、トナーの付着量を制御する必要があり、隣接する粉体同士が接触しないように付着させることにより、遠心分離したトナーは粉体同士の接触又は積層が無く、トナーの粒径を容易に計測できる。トナーの付着方法としては、圧縮空気等を利用してトナーをキャリア上に散布する方法で行った。
図16は、遠心分離装置の一部断面図である。
遠心分離装置5は、測定セル1を回転させるロータ6と、保持手段7とを備えている。ロータ6は、自身の回転中心軸9に対して垂直な断面で穴形状であり、保持手段7を設置する試料設置部8を有している。保持手段7は、棒状部7aと、棒状部7aに設けられ測定セル1を保持するセル保持部7bと、測定セル1をセル保持部7bから押し出すための穴部7cと、棒状部7aを試料設置部8に固定する設置固定部7dとを備えている。セル保持部7bは、測定セル1を設置したときに、測定セル1の垂直方向がロータの回転中心軸9に垂直となるように構成される。
この装置を用いて、回転数を1000[rpm]から100000[rpm]まで17段階に分けて遠心分離し、それぞれの回転数において用いた受け基板の画像をファイリングする。そして、ファイリングした画像を画像処理ソフトにかけてトナーの個数をカウントし、最終的に付着力の分布曲線を作成する。得られた付着力分布から、付着力がある値以下となる含有率を求める。
トナーの体積平均粒径については、コールターカウンター法によって求めた。
具体的には、コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機社製)を介してパーソナルコンピュータに送って解析した。より詳しく説明すると、1級塩化ナトリウムを用いた1%のNaCl水溶液を電解液として用意し、この電解水溶液100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5[ml]加える。更に、これに被検試料たるトナーを2〜20[mg]加え、超音波分散器で約1〜3分間分散処理する。そして、別のビーカーに電解水溶液100〜200[ml]を入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、上記コールターマルチサイザー2e型にかける。アパーチャーとしては、100[μm]のものを用い、50000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、2.00〜2.52[μm]未満;2.52〜3.17[μm]未満;3.17〜4.00[μm]未満;4.00〜5.04[μm]未満;5.04〜6.35[μm]未満;6.35〜8.00[μm]未満;8.00〜10.08[μm]未満;10.08〜12.70[μm]未満;12.70〜16.00[μm]未満;16.00〜20.20[μm]未満;20.20〜25.40[μm]未満;25.40〜32.00[μm]未満;32.00〜40.30[μm]未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00[μm]以上32.0[μm]以下のトナー粒子を対象とする。そして、下記の数5に示す式から、トナーの体積平均粒径を算出した。
Figure 0004820685
但し、Xは各チャンネルにおける代表径、Vは各チャンネルの代表径における相当体積、fは各チャンネルにおける粒子個数である。
フィラー補強電荷輸送層の厚みについては、フィッシャーインストルメンツ社製の膜厚測定装置(FISCHERSCOPEMMS)にて測定した。
磁性キャリアの重量平均粒径については、以下のようにして求めた。
マイクロトラック粒度分析計(Honewell社製モデルHRA9320−X100)にて、磁性キャリアの粒径分布を測定する。測定条件については、次のように設定する。
・粒径範囲:100〜8[μm]
・チャネル長さ(チャネル幅):[2μm]
・チャネル数:46
・屈折率:2.42
そして、かかる測定条件にて測定した粒径分布と、下記の数6に示す式から、磁性キャリアの重量平均粒径を算出した。
Figure 0004820685
但し、Dは各チャネルに存在する粒子の代表粒径[μm]、nは各チャネルに存在する粒子の総数である。なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を等分に分割するための長さを示すものである。また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子径の下限値とする。
磁性キャリアの表面に対するトナーの被覆率については、次のようにして求めた。
上述のマイクロトラック粒度分析計を用いて、磁性キャリアと同様にしてトナーの重量平均粒径[μm]を測定する。そして、下記の数7に示す式から被覆率を求めた。
Figure 0004820685
但し、Dcは磁性キャリアの重量平均粒径[μm]、Dtはトナーの重量平均粒径[μm]、Wtはトナーの重量[g]、Wcは磁性キャリアの重量[g]、ρtはトナーの真密度[g/cm3]、ρcは磁性キャリアの真密度[g/cm3]である。
剤搬送量については、次のようにして求めた。
まず、非磁性パイプ内に磁石を挿入した採取管を用意する。そして、上記ドクターブレード73による規制位置を通過した現像スリーブ65の表面に担持されている現像剤に対して、採取管を当ててその現像剤の一部を採取する。次いで、採取管から磁石を引き抜いて採取現像剤を取り除き、その重量を測定する。そして、採取によって現像剤のなくなったスリーブ箇所の面積を、ビデオ撮影画像に基づく画像解析によって求める。その後、その面積と、先に測定しておいた重量とに基づいて、剤搬送量[mg/cm2]を算出した。
次に、ベタ画像についてハット画像の評価試験を行った結果について説明する。
図17(a)は、本評価試験1で用いたベタ画像を示す説明図である。
図1(a)は、本評価試験1において露光量を制御したときの画像部先端領域における画素電位の分布を示す説明図である。
本評価試験1におけるハット画像評価は、良い(○)、悪い(△)、非常に悪い(×)の3段階で行った。本評価試験1において、図1(a)に示す電位分布に対し、上記数1に示した式中左辺のsignの中を求めると、約+3.7となり、感光体40の非画像部と現像スリーブ65との電位差Vgは+150であるから、その符合が一致する。この条件においてハット画像評価を行ったところ、その評価は○となった。
本評価試験1における露光量の制御は以下のようにして行った。
図18は、本評価試験機における露光パワーと感光体40のベタ画像部の電位の関係を示すグラフである。
本試験では、露光パワーを変えて感光体40のベタ画像部の電位を測定し、図18に示す関係から、画素ごとに狙いの電位となるように露光パワーを制御した。
〔比較試験1〕
次に、露光量の制御を行わない以外は上記評価試験1と同じ条件でハット画像の評価試験を行った比較試験1について説明する。
本比較試験1では、上記数1に示した式中左辺のsignの中を求めると、約−33.6となった。感光体40の非画像部と現像スリーブ65との電位差Vgは+150であるので、その符合が異なる。この条件においてハット画像評価を行ったところ、その評価は×となった。
〔比較試験2〕
次に、露光量の制御条件が異なる以外は上記評価試験1と同じ条件でハット画像の評価試験を行った比較試験2について説明する。
本比較試験2では、図1(b)に示すように露光量の制御を行った。このとき、上記数1に示した式中左辺のsignの中を求めると、約−6.6となった。感光体40の非画像部と現像スリーブ65との電位差Vgは+150であるので、その符合が異なる。この条件においてハット画像評価を行ったところ、その評価は△となった。
〔評価試験2〕
次に、上記評価試験1と同じ評価試験機を用いて、孤立16ドットラインの画像についてハット画像の評価試験(以下、「評価試験2」という。)を行った。以下、上記評価試験1とは異なる条件のみ示す。
・感光体40の地肌部電位VD:−700[V]
・感光体非画像部と現像スリーブの電位差Vg:100[V]
図17(b)は、本評価試験2で用いた孤立16ドットラインの画像を示す説明図である。
図2(a)は、本評価試験2において露光量を制御したときの画像部先端領域における画素電位の分布を示す説明図である。
本評価試験2において、図2(a)に示す電位分布に対し、上記数1に示した式中左辺のsignの中を求めると、約+5.8となった。感光体40の非画像部と現像スリーブ65との電位差Vgは+100であるから、その符合が一致する。この条件においてハット画像評価を行ったところ、その評価は○となった。なお、ハット画像評価は上記評価試験1と同様の方法で行った。
〔比較試験3〕
次に、露光量の制御を行わない以外は上記評価試験2と同じ条件でハット画像の評価試験を行った比較試験3について説明する。
本比較試験3では、上記数1に示した式中左辺のsignの中を求めると、約−27.8となった。感光体40の非画像部と現像スリーブ65との電位差Vgは+100であるので、その符合が異なる。この条件においてハット画像評価を行ったところ、その評価は×となった。
〔比較試験4〕
次に、露光量の制御条件が異なる以外は上記評価試験2と同じ条件でハット画像の評価試験を行った比較試験4について説明する。
本比較試験4では、図2(b)に示すように露光量の制御を行った。このとき、上記数1に示した式中左辺のsignの中を求めると、約−4.6となった。感光体40の非画像部と現像スリーブ65との電位差Vgは+100であるので、その符合が異なる。この条件においてハット画像評価を行ったところ、その評価は△となった。
〔評価試験3〕
次に、上記評価試験1と同じ評価試験機を用いて、8ドットペアラインの画像についてハット画像の評価試験(以下、「評価試験3」という。)を行った。本評価試験3の条件は、上記評価試験2と同じとした。
図17(c)は、本評価試験3で用いた8ドットペアラインの画像を示す説明図である。
図3(a)は、本評価試験3において露光量を制御したときの画像部先端領域における画素電位の分布を示す説明図である。
本評価試験3において、図3(a)に示す電位分布に対し、上記数1に示した式中左辺のsignの中を求めると、約+8.0となった。感光体40の非画像部と現像スリーブ65との電位差Vgは+100であるから、その符合が一致する。この条件においてハット画像評価を行ったところ、その評価は○となった。なお、ハット画像評価は上記評価試験1と同様の方法で行った。
〔比較試験5〕
次に、露光量の制御を行わない以外は上記評価試験3と同じ条件でハット画像の評価試験を行った比較試験5について説明する。
本比較試験5では、上記数1に示した式中左辺のsignの中を求めると、約−8.1となった。感光体40の非画像部と現像スリーブ65との電位差Vgは+100であるので、その符合が異なる。この条件においてハット画像評価を行ったところ、その評価は△となった。
〔比較試験6〕
次に、露光量の制御条件が異なる以外は上記評価試験3と同じ条件でハット画像の評価試験を行った比較試験6について説明する。
本比較試験6では、図3(b)に示すように露光量の制御を行った。このとき、上記数1に示した式中左辺のsignの中を求めると、約−2.5となった。感光体40の非画像部と現像スリーブ65との電位差Vgは+100であるので、その符合が異なる。この条件においてハット画像評価を行ったところ、その評価は△となった。
以上、本実施形態に係る画像形成装置としての複写機は、表面移動する潜像担持体としての感光体40と、感光体40の表面を露光することによりその表面に静電潜像を形成する露光手段としての光書込ユニット21と、感光体40と対向する位置に配置され、トナー及び磁性キャリアを含む二成分現像剤が感光体40の表面に接触するように現像剤を表面に担持して表面移動する現像剤担持体としての現像スリーブ65と、感光体40と現像スリーブ65との間に所定の直流電圧を印加する電圧印加手段としての現像バイアス電源とを有し、現像剤が感光体40の表面に対して連れ回り方向へ移動し、かつ、現像剤の移動速度が感光体40の表面移動速度よりも速く設定されている。そして、本複写機は、光書込ユニット21により露光される感光体表面上の画像部に対して感光体表面移動方向下流側(先端側)に隣接する非画像部の感光体表面移動方向長さが、画像部と非画像部との境界でのエッジ効果が発生する領域の感光体表面移動方向長さの1/eであるδ[m]以上のとき、上記数1に示した式を満たすように、光書込ユニット21の露光量を制御する露光量制御手段としての図示しない制御部を有する。上述したように、上記数1に示す式中左辺のsignの中は、画像部の先端側に隣接する非画像部と現像剤穂先部との電位差を示し、上記数1に示す式中右辺のsignの中は地肌ポテンシャルVgを示している。そして、本発明は、画像部に対して先端側に隣接する非画像部と現像剤穂先部との電位差が地肌ポテンシャルVgと同じ符号となるように、静電潜像を形成するための露光量を制御する。このような制御を行うことにより、上述したように、画像部を通過した現像剤穂先部が非画像部に対向したときに、その現像剤穂先部と非画像部との間に現像方向電界が形成されることがなくなる。その結果、画像部を通過した現像剤穂先部が非画像部に対向したときに、その現像剤穂先部に付着したトナーが非画像部に移動することを阻止でき、ハット画像が形成されるのを防止できる。
また、本実施形態においては、制御部が露光パワーを変化させることにより露光量を制御する。これにより、比較的容易に露光量を制御することができる。
なお、露光量の制御は、露光時間を変化させることによっても行うことができる。
また、本実施形態において、磁性キャリアの体積抵抗率を把握するための情報を検知する検知手段として、温度及び湿度を検知する温湿度検知手段としての温湿度センサを設け、その温湿度センサが検知した温度及び湿度の情報に基づいて、磁性キャリアの体積抵抗率ρ[Ω・m]を補正し、露光量を制御するようにしてもよい。この場合、使用環境に応じた適正な磁性キャリアの体積抵抗率を把握できるので、ハット画像が形成されるのを精度よく防止できる。
この場合、温度及び湿度の情報と磁性キャリアの体積抵抗率との対応関係を記述したデータを記憶する記憶手段を設け、その温湿度センサが検知した温度及び湿度の情報に対応する磁性キャリアの体積抵抗率を上記記憶手段から読み出し、読み出した体積抵抗率ρ[Ω・m]を用いて露光量を制御するのが好ましい。これにより、温湿度センサの検知結果に基づく磁性キャリアの体積抵抗率ρ[Ω・m]の補正処理が容易になる。
なお、温湿度センサに限らず、磁性キャリアの体積抵抗率を把握するための他の情報を検知する検知手段を用いても同様である。例えば、磁性キャリアの劣化度合いを検知するための劣化検知手段を用いることができる。この劣化検知手段としては、例えば、印字枚数を検知する印字枚数検知手段が挙げられる。
また、本実施形態においては、現像剤中のトナーと磁性キャリアとの間の付着力が10[nN]以下となり、現像剤中のトナー含有率が10[%]以下となるように構成されている。これにより、画像部の先端側に隣接する非画像部にトナーが現像されてハット画像が形成されるのを防止しつつ、良好な現像が行える。
また、本実施形態においては、現像剤中のトナーの平均帯電量と同じ極性で、かつ、帯電量の絶対値qとトナー粒径Tdとの比率(q/Td)が0.1[fC/μm]以下であるトナーの含有率が20[%]以下となるように構成されている。これにより、画像部の先端側に隣接する非画像部にトナーが現像されてハット画像が形成されるのを防止しつつ、良好な現像が行える。
(a)は、実施形態に係る複写機を利用した評価試験機を用いた評価試験1において、露光量を制御したときの画像部先端領域における画素電位の分布を示す説明図。(b)は、比較試験2における露光量を制御したときの画像部先端領域における画素電位の分布を示す説明図。 (a)は、同評価試験機を用いた評価試験2において、露光量を制御したときの画像部先端領域における画素電位の分布を示す説明図。(b)は、比較試験4における露光量を制御したときの画像部先端領域における画素電位の分布を示す説明図。 (a)は、同評価試験機を用いた評価試験3において、露光量を制御したときの画像部先端領域における画素電位の分布を示す説明図。(b)は、比較試験6における露光量を制御したときの画像部先端領域における画素電位の分布を示す説明図。 実施形態に係る複写機の概略構成図。 同複写機におけるイエロー用のプロセスカートリッジとシアン用のプロセスカートリッジとの概略構成を示す拡大図。 同複写機における画像形成ユニット、中間転写ユニット、二次転写装置と、レジストローラ対、定着ユニットを示す拡大構成図。 同複写機における感光体の感光層を示す拡大断面図。 (a)は、ベタ画像において現像剤穂先部が画像部から非画像部へと移動したときの現像剤穂先部の電荷量変化を表した説明図。(b)は、横ライン画像を感光体表面移動方向へ複数並べた画像パターンを現像剤穂先部が通過するときの現像剤穂先部の電荷量変化を表した説明図。 同感光体表面上の画像部先端領域及びこれに隣接する非画像部の各画素と、地肌ポテンシャルとの関係を示す説明図。 現像剤穂先部が非画像部に対向したときに形成される電界と現像剤穂先部の電荷量との関係を表したグラフ。 画像部先端領域の露光量を通常露光量よりも低くした場合の画像部通過時における現像剤穂先部の電荷量の変化を表したグラフ。 現像スリーブと感光体との間の電場を計算するためのモデルを説明するための模式図。 同電場の計算結果の一例を示すグラフ。 トナーとキャリアとの間の付着力を求めるために用いる粉体付着力測定装置の測定セルの説明図。 同測定セルの試料基板に粉体を付着させた状態の一例を示す説明図。 トナーとキャリアとの間の付着力を求めるために用いる遠心分離装置の一部断面図。 (a)は評価試験1で用いたベタ画像を示す説明図。(b)は評価試験2で用いた孤立16ドットラインの画像を示す説明図。(c)は評価試験3で用いた8ドットペアラインの画像を示す説明図。 同評価試験機における露光パワーと感光体のベタ画像部の電位の関係を示すグラフ。 画像部の先端側に隣接する非画像部にトナーが付着してハット画像が形成される現象を示す説明図。 ハット画像の発生メカニズムを説明するために現像ニップ出口付近を拡大した模式図。
符号の説明
10 中間転写ベルト
18Y,18C,18M,18K プロセスカートリッジ
20 画像形成ユニット
21 光書込ユニット
40Y,40C,40M,40K 感光体
61 現像器
65 現像スリーブ
72 マグネットローラ
100 プリンタ部
200 給紙装置
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置

Claims (10)

  1. 表面移動する潜像担持体と、
    該潜像担持体の表面を露光することにより該表面に静電潜像を形成する露光手段と、
    該潜像担持体と対向する位置に配置され、トナー及び磁性キャリアを含む二成分現像剤が該潜像担持体の表面に接触するように該二成分現像剤を表面に担持して表面移動する現像剤担持体と、
    該潜像担持体と該現像剤担持体との間に所定の直流電圧を印加する電圧印加手段とを有し、
    該二成分現像剤が該潜像担持体の表面に対して連れ回り方向へ移動し、かつ、該二成分現像剤の移動速度が該潜像担持体の表面移動速度よりも速く設定された画像形成装置において、
    上記露光手段により露光される上記潜像担持体表面上の画像部に対して潜像担持体表面移動方向下流側に隣接する非画像部の潜像担持体表面移動方向長さが、該画像部と該非画像部との境界でのエッジ効果が発生する領域の潜像担持体表面移動方向長さの1/eであるδ[m]以上のとき、下記の数1に示す式を満たすように、該露光手段の露光量を制御する露光量制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
    Figure 0004820685
    ここで、上記数1に示す式中の各記号は次のとおりである。
    sign(x)はxの符号を表す記号である。
    Vg[V]は、上記潜像担持体表面上の非画像部の電位VD[V]と上記現像剤担持体の電位VB[V]との電位差(VB−VD)である。
    d[m]は、上記潜像担持体と上記現像剤担持体との間隔である。
    ε[F/m]は、上記磁性キャリアの誘電率である。
    ρ[Ω・m]は、上記磁性キャリアの体積抵抗率である。
    ΔVr[m/sec]は、上記潜像担持体の表面移動速度(線速)Vpc[m/sec]と上記現像剤担持体の表面移動速度(線速)Vr[m/sec]との差(Vr−Vpc)である。
    上記Vp(i)[V]は、上記潜像担持体表面上の画像部を構成する各画素の電位VL(i)[V]と上記現像剤担持体の電位VB[V]との電位差{VB−VL(i)}である。
    Q(n)は、下記の数2に示す漸化式Q(i)に対してi=nとして定めたものである。ただし、n(自然数)は、上記二成分現像剤が上記潜像担持体に接触する潜像担持体表面移動方向長さをNip[m]とし、該潜像担持体表面移動方向の画素ピッチをDot[m]としたとき、上記二成分現像剤が上記潜像担持体に接触している間に通過する画素数であり、n=(Nip/Dot)×{1−1/(Vr/Vpc)}から求まる値の小数点以下を切り捨てたものである。
    Figure 0004820685
    ただし、上記数2に示す式において、i(自然数)は、上記画像部の潜像担持体表面移動方向下流側端部に位置する画素から潜像担持体表面移動方向上流側へn画素分だけ離れた位置の画素i(自然数)を1とし、この画素iは潜像担持体表面移動方向下流側へ一画素増えるごとに1づつ増えるものである。
    また、dt[sec]は、上記二成分現像剤が上記潜像担持体の表面上の一画素を通過する時間(Dot/ΔVr)である。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記露光量制御手段は、露光パワーを変化させることにより露光量を制御するものであることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1の画像形成装置において、
    上記露光量制御手段は、露光時間を変化させることにより露光量を制御するものであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1、2又は3の画像形成装置において、
    上記磁性キャリアの体積抵抗率を把握するための情報を検知する検知手段を有し、
    上記露光量制御手段は、該検知手段が検知した情報に基づいて上記磁性キャリアの体積抵抗率ρ[Ω・m]を補正することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4の画像形成装置において、
    上記検知手段が検知する情報と上記磁性キャリアの体積抵抗率との対応関係を記述したデータを記憶する記憶手段を有し、
    上記露光量制御手段は、該検知手段が検知した情報に対応する上記磁性キャリアの体積抵抗率を上記記憶手段から読み出し、読み出した体積抵抗率ρ[Ω・m]を用いて露光量を制御することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項4又は5の画像形成装置において、
    上記検知手段として、温度及び湿度を検知する温湿度検知手段を用いることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項4又は5の画像形成装置において、
    上記検知手段として、上記磁性キャリアの劣化度合いを検知するための劣化検知手段を用いることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7の画像形成装置において、
    上記劣化検知手段は、印字枚数を検知する印字枚数検知手段であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の画像形成装置において、
    上記二成分現像剤中のトナーと磁性キャリアとの間の付着力が10[nN]以下となり、該二成分現像剤中のトナー含有率が10[%]以下となるように構成したことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の画像形成装置において、
    上記二成分現像剤中のトナーの平均帯電量と同じ極性で、かつ、帯電量の絶対値qとトナー粒径Tdとの比率(q/Td)が0.1[fC/μm]以下であるトナーの含有率が20[%]以下となるように構成したことを特徴とする画像形成装置。
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