JP2004280051A - 現像方法、現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

現像方法、現像装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 2成分現像剤を使用して静電潜像を現像する現像方法において、エッジ効果のないライン像を現像すること。
【解決手段】 内部に磁石を有する現像剤担持体(111)を像担持体(100)に対向して配置し、この現像剤担持体表面にトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を層状に担持させて、前記現像剤担持体と前記磁石間に速度差を与えることにより前記二成分現像剤層を前記像担持体との少なくとも対向領域で磁気ブラシを形成しつつ流動させ、この流動の過程で磁性キャリアから離脱した遊離トナーを前記像担持体上の潜像に付着させて現像に供する現像方法を採用し、ライン潜像に対して該ライン潜像の幅方向の中央部から現像し始めるようにした。
【選択図】図5

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の静電画像形成プロセスに適用可能な電子写真方式を応用した現像方法、現像装置、画像形成装置に関する。
現在、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置では、光導電性を有する感光層を表面に設ける像担持体(以下、「感光体」と記す。)と現像剤を収納する現像装置によってトナー像が形成される。現像装置には、主にトナーと磁性キャリアによって構成される二成分現像剤(以下、単に「現像剤」と記す。)が、カラー化が容易なことから広く用いられている。現像剤は、現像装置内の攪拌・混合により摩擦帯電させ、この静電電荷によってトナーを磁性キャリア表面に静電的に付着させている。このトナーを付着させた磁性キャリアは、内部に磁石を配置する現像剤担持体(以下、「現像スリーブ」と記す。)表面に磁力で引きつけられて、回転する現像スリーブ上を搬送される。
現像スリーブの感光体に最近接する位置には、現像のための磁石(以下、「現像主磁石」と記す。)が現像スリーブ内部に配置されている。搬送される現像剤が、この現像主磁石に近づくにつれて、現像主磁石の磁力線に沿って、現像剤中の多数の磁性キャリアが集合して穂又はチェーンを形成する。この多数の穂が、まるでブラシのように見えることから磁気ブラシと、一般に呼称され、この磁気ブラシの状態を利用する現像方式は磁気ブラシ現像と呼称されている。
この磁気ブラシ現像では、誘電体である磁性キャリアが、感光体と現像スリーブ間の電界強度を高めることで、磁気ブラシの穂の先端にいる磁性キャリア表面からトナーが現像されると考えられている。従って、これまでは、この磁性キャリアが集合した穂によって形成される磁気ブラシがない部分は、トナーの現像に利用されていなかった。そのために、トナーが現像できる部位は限られた領域であったために、現像されるトナーを多くすることは、他の条件を調整する下では非常に困難であった。
しかしながら、この限られた領域の中で、高濃度の画像を得る現像方法が提案されている。
a. 二成分現像剤を用いて、磁性粒子の穂に担持されたトナー粒子と現像剤担持体上に担持されたトナー粒子とを交番電界により現像する現像方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。交番電界を用いた場合、一旦感光体上に付着したトナーが交番電界によりホッピング運動し、潜像の深いドット中心部やライン中央部に移動し再配置するため、エッジの強調されない滑らかな画像を得ることができることが知られている。
また別の方法として高濃度、低地カブリ達成のために予め感光体上にトナーを保持させ、次いで余分なトナーを取り除くものがある。そのようなものとしては、以下の例が挙げられる。
b. 内部に磁石を有する静電潜像保持体の表面に担持された磁性トナーを内部に磁石を有する電極ローラーと接触させて画像部以外の不要トナーを除去する装置が開示される(例えば、特許文献2、3参照)。
c. 第1の現像ロールで現像を行った後、キャリアのみが供給される第2の現像ロールで余分なトナーを吸着除去する装置が開示される(例えば、特許文献4参照)。
しかし、上記提案の現像方法では、現像領域は磁性キャリア等が摺擦している領域であって、この領域にある磁性キャリア等の穂に保持されたトナーと現像スリーブ上のトナーだけでは十分な高濃度の画像を得ることが困難である。また、磁性キャリア等の穂が少ないため電極効果によりソリッド部のベタ埋まりの良い滑らかな高品位の画像を得るのは困難である。
このため従来の装置では、現像剤中のトナー濃度を高めてベタむらの発生を防止しているが、そのため通常状態では現像能力が過剰になっている状態が続いてしまい、その結果、現像の方向により画像のライン幅が異なってしまい、結果として、ラインの縦横比が1から大きくずれてしまうことがあるという新たな問題が発生している。ここで、縦横比とは、主走査方向ライン(横ライン)幅に対するそれに直交する副走査方向ライン(縦ライン)幅の比、縦ライン幅/横ライン幅である。
d. ベタ黒画像の画像濃度も高い高品位の画像を得る手段として、内部に磁石を有する現像剤担持体を像担持体に対向して配置し、この現像剤担持体表面にトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を層状に担持させて、前記現像剤担持体と前記磁石間に速度差を与えることにより前記二成分現像剤層を前記像担持体との少なくとも対向領域で磁気ブラシを形成しつつ流動させ、この流動の過程で磁性キャリアから離脱した遊離トナーを前記像担持体上の潜像に付着させて現像に供する現像方法が知られている(例えば、特許文献5参照)。しかし、エッジ強調されていない画像を得る手段について一切言及されていない。
特許第2668781号 特開平6−208304号公報 特開平7−319174号公報 特開平5−46014号公報 US2002/0146632A1
本発明の課題は、ベタ部の濃度むらがなく、ベタ部以外の縦横比を抑制しつつ、エッジ強調されていない滑らかな高品位の画像を得ることができる現像方法、現像装置、画像形成装置を提供することにある。
本発明は、前記課題を達成するため以下の構成とした。
(1). 内部に磁石を有する現像剤担持体を像担持体に対向して配置し、この現像剤担持体表面にトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を層状に担持させて該像担持体表面上に形成される潜像をトナーで現像する現像方法において、前記現像方法は、磁性キャリアを前記像担持体に非接触とし、ライン潜像に対して潜像の幅方向の中央部から現像し始めることとした(請求項1)。
(2). 内部に磁石を有する現像剤担持体を像担持体に対向して配置し、この現像剤担持体表面にトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を層状に担持させて、前記現像剤担持体と前記磁石間に速度差を与えることにより前記二成分現像剤層を前記像担持体との少なくとも対向領域で磁気ブラシを形成しつつ流動させ、この流動の過程で磁性キャリアから離脱した遊離トナーを前記像担持体上の潜像に付着させて現像に供する現像方法であって、前記現像方法は、ライン潜像に対して該ライン潜像の幅方向の中央部から現像し始めることとした(請求項2)。
(3). (2)に記載の現像方法において、内部に磁石を有する現像剤担持体を像担持体に対向して配置して対向領域をつくり、この磁石のまわりを当該現像剤担持体を前記二成分現像剤の搬送方向に回転駆動させ、この現像剤担持体表面にトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を層状に担持させて、前記現像剤担持体と前記磁石間に速度差を与えることにより前記二成分現像剤層を前記像担持体との少なくとも対向領域で磁気ブラシを形成しつつ流動させ、この流動の過程で磁性キャリアから離脱した遊離トナーを前記像担持体上の潜像に付着させて現像に供する現像方法において、前記磁気ブラシの穂立ち部を前記対向領域に少なくとも2つ形成し、前記対向領域で前記穂立ち部を形成する磁石であって前記像担持体に最も近い位置に配置された磁石である第1の磁石により前記2つの穂立ち部のうち1つの穂立ち部を形成し、前記1つの穂立ち部よりも前記搬送方向上流側の位置に配置した第2の磁石により他の1つの穂立ち部を形成させ、前記第2の磁石による穂立ち部によりライン潜像に対して該ライン潜像の幅方向の中央部から現像し始め、かつ薄層(第1層)を形成し、第1の磁石による穂立ち部によりライン潜像に対して該ライン潜像の幅方向の中央部から現像し始めることとした(請求項3)。
(4). (3)記載の現像方法において、少なくとも、前記像担持体と前記現像剤担持体との前記対向領域内での最接近位置と、この最接近位置よりも前記二成分現像剤の搬送方向の上流側の位置で前記穂立ち部を形成することとする(請求項4)。
(5). (3)記載の現像方法において、少なくとも、前記像担持体と前記現像剤担持体との前記対向領域内での最近接位置を間にして、この最接近位置よりも前記二成分現像剤の搬送方向での上流側の位置と下流側の位置でそれぞれ前記穂立ち部を形成することとした(請求項5)。
(6). (5)記載の現像方法において、前記第1の磁石の中心を前記最接近位置よりも前記現像剤の搬送方向の下流側に傾けた配置により、前記上流側の位置と前記下流側の位置のそれぞれに前記穂立ち部を形成することとした(請求項6)。
(7).(2)乃至(9)に記載の現像方法において、内部に磁石を有する現像剤担持体を像担持体に対向して配置し、この現像剤担持体表面にトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を層状に担持させて、前記現像剤担持体と前記磁石間に速度差を与えることにより前記二成分現像剤層を前記像担持体との少なくとも対向領域で磁気ブラシを形成しつつ流動させ、この流動の過程で磁性キャリアから離脱した遊離トナーを前記像担持体上の潜像に付着させて現像に供する現像方法であって、前記現像方法は、磁気ブラシ先端と像担持体とが最接近した位置で、ライン潜像のエッジ部分を現像することとした(請求項7)。
(8). (2)乃至(7)記載の現像方法において、トナー離脱により当該磁性キャリアに残る反対電荷(カウンターチャージ)が現像阻害効果を生じなくなる程に減少したのち、当該磁性キャリアがライン潜像部を通過するように、像担持体と現像剤担持体との速度、像担持体と現像担持体との間隔(現像ギャップ)および磁性キャリアの抵抗を定めて現像を行なうこととした(請求項8)。
(9).(2)又は(8)に記載の現像方法において、前記現像方法は、前記現像領域内で、磁性キャリアの集合した穂が立ち上がる時にトナーを離脱させて、この離脱させた遊離トナーで現像することとした(請求項9)。
(10).(2)乃至(2)の何れかに記載の現像方法において、前記対向領域で前記像担持体に前記穂立ち部を非接触状態で現像することとした(請求項10)。
(11).(2)乃至(10)の何れかに記載の現像方法において、前記遊離トナーの発生領域は、前記像担持体と前記現像剤担持体との最近接位置より現像剤移動方向の上流側にある領域であることとした(請求項11)。
(12).(2)乃至(11)の何れかに記載の現像方法において、前記遊離トナーの発生領域は、前記像担持体と前記現像剤担持体との最近接位置を含む領域であることとした(請求項12)。
(13).(2)乃至(12)の何れかに記載の現像方法において、前記現像方法は、磁性キャリアの集合した穂が磁気ブラシを形成しつつ流動させ、この流動の過程で磁性キャリア表面から離脱させる遊離トナーの発生領域を、現像剤担持体が有する磁界発生手段で調整することとした(請求項13)。
(14).(2)乃至(13)の何れかに記載の現像方法において、前記現像方法は、現像剤担持体上で磁性キャリアが集合した穂が立ち上がるときに、前記磁界発生手段により、磁気ブラシの先端が現像剤担持体上の磁性キャリアの集合した現像剤層から分離し、磁性キャリアからトナーを離脱させて遊離トナーを生ぜしめて行うこととした(請求項14)。
(15).(2)乃至(14)の何れかに記載の現像方法において、前記現像方法は、前記現像剤担持体(Vs)と前記像担持体(Vp)との線速比(Vs/Vp)は、0.9<Vs/Vp<4の範囲にあることとした(請求項15)。
(16).(2)乃至(15)の何れかに記載の現像方法において、前記現像方法は、現像領域内で磁性キャリア表面から離脱させる遊離トナーを、像担持体と現像剤担持体との間に印加する電界で現像させることとした(請求項16)。
(17).(1)乃至(16)の何れかに記載の現像方法において、前記現像方法は、印加する電界が、交番電界であることとした(請求項17)。
(18).像担持体に対向して配置され、内部に磁石を有する現像剤担持体を備え、この現像剤担持体がトナーとトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を表面に担持して、現像領域に搬送し、現像剤担持体と像担持体の間に電界を印加し、像担持体表面上に形成される潜像をトナーで現像する現像装置において、前記現像装置は、(1)ないし(17)のいずれかに記載の現像方法により現像することとした(請求項18)。
(19). 光導電性を有し、表面に潜像を形成する像担持体と、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体に対向して配置され、表面にトナーとトナーを保持する磁性キャリアを収納し、像担持体表面にトナー像を形成する現像装置と、像担持体表面に形成されるトナー像を記録部材に転写する転写装置とを有する画像形成装置において、前記画像形成装置は、(18)に記載の現像装置を有することとした(請求項19)。
請求項1、18、19記載の発明では、ライン潜像に対して潜像の幅方向の中央部から現像し始めることにより、ベタ部の濃度むらがなく、ベタ部以外の縦横比を抑制しつつ、エッジ効果の強調されない画像を得ることが可能となる。
請求項2、18、19記載の発明では、遊離トナーを用い、ライン潜像に対して潜像の幅方向の中央部から現像し始めることにより、エッジ効果の強調されない画像を得ることが可能となる。
請求項3記載の発明では、対向間隔が次第に狭まり遂に最接近位置に至るまでの現像剤搬送過程を利用して、この間で遊離トナーを生じさせて効果的に現像を実現することができるため、エッジ効果がなく、粒状性のよい画像を得ることができる。
請求項4記載の発明では、対向間隔が次第に狭まり遂に最接近位置に至るまでの現像剤搬送過程を利用してこの間で遊離トナーを生じさせることでベタ濃度が高く、しかも横細線や文字の鮮鋭度も優れた高品位の画像を得ることができる。
請求国5記載の発明では、上流側、下流側のそれぞれの穂立ち部で生じた遊離トナーを現像に供し得る。
請求項6記載の発明では、上流側の位置で形成された穂立ち部と下流側の位置で形成された穂立ち部との間の遊離トナーが多く存在し潜像へ遊離トナーが移動できる空間部で強い電界強度のもとで、良好な現像が行われる。
請求項7記載の発明では、現像剤担持体と内包する磁石との間に速度差を設けることで、磁気ブラシの穂立ち時の挙動が激しくなり、より多くの遊離トナーが発生するため、ベタ濃度が高くしかも横細線や文字の鮮鋭度も優れた高品位の画像を得ることができる。
請求項8記載の発明では、トナー放出後の磁性キャリアに残ったカウンターチャージ量が減少するので、エッジ効果は起こりにくくなる。
請求項9記載の発明では、遊離トナーによる現像領域が広がる。
請求項10記載の発明では、磁性キャリアによるトナー像の乱れが回避される。
請求項11、12記載の発明では、現像電界が最も強く作用する最近接位置を含む領域で遊離トナーを発生することで、遊離トナーによる現像を行なうことができる。
請求項13記載の発明では、遊離トナーの発生領域を磁界発生手段により調整可能である。
請求項14記載の発明では、磁性キャリアからトナーを離脱させて遊離トナーを生ぜしめる。
請求項15記載の発明では、画像濃度の高い画像を得ることができる。
請求項16記載の発明では、遊離トナーを電界の作用で現像できる。
請求項17記載の発明では、トナーが振動するように激しく運動し、さらに潜像に忠実に揃えられ高品位の画像を得る。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の現像方法は、現像剤担持体表面の磁性キャリアを前記像担持体に非接触とし、ライン潜像に対して潜像の幅方向の中央部から現像し始める現像方法である。
[1]ライン潜像における現像過程
発明者らは、実体顕微鏡(オリンパス社製:SZH10)とハイスピードカメラ(フォトロン社製:FASTCAM−Ultima−I)とを用いて、9000〜40500コマ/秒の撮影速度で撮影した映像によりライン潜像に対するトナーTの現像課程を解析した。
このときの感光体上の潜像部(破線で示した区間内)に時間の経過と共に、トナーがどのような位置から付着するかを模式的に示したのが図1である。図1(a)は(イ)、(ロ)、(ハ)の順に時間が経過し、(イ)では潜像部の中央にトナーが付いており、(ロ)ではさらに中央に重なるようにトナーが付き、(ハ)では最下層部で潜像全域にトナーが埋まり、その上に潜像部の両端を除いてトナーが埋まっている。このようなトナーの付き方がなされた場合には、エッジの部分でトナーの厚みが薄くなり、エッジ効果は強調されない。つまり、トナーの最初に付く位置が重要であり、ライン潜像についてその中央部からトナーが付き始めることになれば、そのライン潜像はエッジ効果を強調されない画像となることがわかった。
これに対して、図1(b)に示すように、(イ)、(ロ)、(ハ)の順に時間が経過し、(イ)では潜像部の全域にトナーがまばらに付いており、(ロ)ではさらに両端部に重なるようにトナーが付き、(ハ)では両端部に過剰にトナーが付着している。このようなトナーの付き方がなされた場合には、エッジの部分でトナーの厚みが厚くなり、エッジ効果が強調される。
図1(a)は本発明に沿う現像態様に相当し、トナーが最初にライン潜像の幅方向に中央からつき始めれば、エッジ効果は強調されないこととなる。図1(b)は従来の現像態様に相当し、最初に画像部の全域につけば、エッジ効果が強調される結果となる。
そこで、エッジ効果がなぜ起こるかを考えながら、本発明によりエッジ効果のない滑らかな画像が得られた原因について考える。
エッジ効果については、「電子写真プロセス技術」(株式会社トリケップス発行・編集トリケップス出版部・発行者 河内健・92年1月31日発行)の27頁〜28頁及び116頁〜123頁に、概略以下の趣旨の記載(1.1〜1.3に記載した内容)がある。
1.1 現像電界とエッジ効果について
二成分現像において、現像領域ではキャリアが電極として働くため、図2に示すように、電界は感光体の容量と、電極〜感光体間の容量に分配され、現像に必要な電界が感光体からキャリア(スリーブ)側へ引き出されるようになる。この電界が現像電界である。そして、現像電界は現像電極が近接するほど効果が大きくなる。
そして、(+)電荷を帯びた領域(潜像)の端部において、電気力線は外側に回り込むように形成される。これがエッジ効果である。図2はアナログ(ポジ)現像の様子を示したものであるが、本発明のデジタル(ネガ)現像でも原理は変わりない。
1.2 カウンターチャージについて
二成分現像において現像時にキャリアからトナーが放出された後、キャリアには放出されたトナーと同量の反対電荷(カウンターチャージ)が残る。このカウンターチャージはキャリア抵抗が低いほど(導電性キャリア)少なくてよいが、キャリア抵抗が低いとキャリアが接触した際に静電潜像を除電してしまう効果が働く。一方、絶縁性キャリアの場合、ベタ部ではこのカウンターチャージが潜像面の電場を打ち消すように働き、現像は進まなくなり濃度の高い画像が得られない。以上の理由から、現在は中低抵抗キャリアが主に用いられるようになっている。
1.3 カウンターチャージを考慮したエッジ効果について
潜像にトナーが現像される過程で、『細線やエッジ部分では電場が扇状に広がるため、対応するカウンターチャージも広がり、現像阻害効果が小さくなり、ベタ中央部に比べ端部や細線の濃度が上昇する』ことになり、見かけ上エッジが強調された画像となる。つまり、細線やエッジ以外の濃度が不十分となりエッジが強調されたように見え、ベタ部の理論飽和付着量以上にエッジにトナーが付着したものではない。
また図3は、現像剤流れの方向によりエッジ効果の出方が異なることを示したものである。図3において、右から左に向かう矢印を現像剤の流れる向きとすると、(−)帯電領域(潜像)の後端(右端)では、潜像端部の電場(曲線で示す)が現像剤中に入り込み端部をドーム状に囲み、現像トナーの端部への接近を妨げてしまう。一方、画像先端(左端)ではこのようなことは起こらず、逆に高付着となる。
このようなことから、現像剤流れの方向によりエッジ効果の出方が異なり、図4に示すように、画像先端部(左端部)は濃度が高く、逆に後端部の濃度が低下(シャープ性がなくなる)する。図中、Densityは画像濃度、V は現像バイアス、V は画像部電位を示す。図4からエッジ効果の方向性が中間調で顕著で、現像剤層が厚いほど、現像ローラーの回転が速い(線速比が大きい)ほど、バイアス電圧が高いほどひどくなっていることがわかる。
以上1.1〜1.3の内容から、エッジ効果のない滑らかな画像を得るためには、トナーの付着過程をコントロールし、そしてカウンターチャージの影響を受けないような現像方法にすればよいことがわかり、本発明がこれら要件を達成しているものと考えられる。
[2]トナーの付着過程をコントロールした現像方法、装置等(請求項1、2関連)
前記した図1(a)のように、潜像部(紙面と垂直な方向に長い潜像と考えれば、ライン潜像)の中央部から現像が行なわれれば、エッジ効果が強調されない。かかる現像態様が以下に述べる遊離トナーによる現像方法において可能であり、エッジ効果が強調されない良好な画像を得ることができる。
図1(a)において、(イ)は後述する感光体と現像スリーブとの最近接部の前の部位において、遊離トナー中における現像が該当し、(ロ)は最近接部直前における現像が該当し、(ハ)は最近接部およびそれより後の部位における現像がそれぞれ該当する。
遊離トナーを用いた現像方法において、トナーは図2に示す電気力線に沿って移動することになり、ライン潜像の中央から現像されるものと考えられる。
他方、図1(b)は遊離トナーを利用しない従来技術に従う現像方法であり、磁性キャリアを感光体に接触させて行なう現像方法である。かかる現像方法では、磁気ブラシが感光体に接触する際の衝撃力によりトナーが潜像へ移動したり、感光体に最接近する際にキャリア−トナー間付着力に現像電界による力が勝り潜像側へ移動したりするため、ライン潜像の幅方向に対してランダムにトナーが付着し、前述したようにカウンターチャージの影響を受けるようになり、『細線やエッジ部分では電場が扇状に広がるため対応するカウンターチャージも広がり、現像阻害効果が小さくなり、端部や細線の濃度が上昇する』ため、エッジ部が強調された画像となる。
しかし、遊離トナーによるライン潜像幅方向中央から現像される現像方法を用いても、エッジ効果を生ずる場合があることがわかった。それは、磁性キャリアが画像に接触する場合で、前述したようにカウンターチャージの影響を受けるようになり、『細線やエッジ部分では電場が扇状に広がるため対応するカウンターチャージも広がり、現像阻害効果が小さくなり、端部や細線の濃度が上昇する』ためで、トナーを放出したキャリアが潜像に近づくことでエッジ効果が起きることになる。
そこで本発明では、現像領域で磁性キャリア先端と感光体とは非接触とした。しかし、本発明の磁気ブラシの穂立ちを利用した遊離トナーを用いない、従来の非接触二成分現像においては、現像に参加し得るトナーが十分になく、ベタ追従性等現像量が不十分となる。そこで、かなり高電界の現像バイアスを印加することとなるが、これによりエッジ部の電界の回りこみが大きくなり、よりエッジの強調された画像となってしまう。
[3]磁性キャリアのカウンターチャージの影響を受けない現像方法(請求項11関連) トナーを放出後、磁性キャリアに残ったカウンターチャージは、磁性キャリアの抵抗により時間とともに現像スリーブ側に電荷が移動して減少する。以下で説明する本発明の遊離トナーによる現像方法では、最近接部のかなり前の位置で磁性キャリアがトナーを放出(離脱)するため、トナーを放出してから放出したキャリアが潜像部に至るまで時間がかかり(図1(a)の(イ)、(ロ)から(ハ)までの時間)、磁性キャリアのカウンターチャージの減衰が起こるため、エッジ効果の強調されない滑らかな画像が得られる。
さらに、より積極的にこの減衰時間を稼ぐことを考えれば、トナー離脱により当該磁性キャリアに残る反対電荷(カウンターチャージ)が現像阻害効果を生じなくなる程に減少したのち、当該磁性キャリアがライン潜像部を通過するように、像担持体と現像剤担持体との速度、像担持体と現像担持体との間隔(現像ギャップ)および磁性キャリアの抵抗を定めることで効果を得る。
(請求項10関連)
次に、以下に説明する現像方法を実施することができる本発明で用いられる現像装置の基本構成を説明する。
図5において、感光層を表面に設け筒状をした感光体100の周囲には、感光体100表面を帯電するための帯電装置101が設けられている。感光体100は図5において矢印で示す反時計回りの向きに回転される。この感光体100に対向し、所定の現像ギャップGPを有するようにして、内部に磁石を有する筒状をした現像スリーブ111が配置されている。
現像ケーシング115内には現像剤(前記したようにトナーと磁性キャリアからなる)が収容されていて、撹拌スクリュー112、113の回転により撹拌されて現像スリーブ111に供給される。
現像ケーシング115の上部にはトナー供給手段としての構成部分があり、トナー収納部116が設けられていて、消費されたトナーに見合う適量分が現像ケーシング115内に補給されるようになっている。
感光体100について、帯電器101よりもこの感光体100の回転方向100Rの下流部位には、予め帯電器101により一様に帯電された帯電処理面に静電潜像を形成するためのレーザー光線Lbの照射される位置があり、この位置でのレーザー光線の照射により静電潜像Lが形成される。静電潜像Lが形成された感光体100は、現像スリーブ111と対向した対向領域に至り、この対向領域で該静電潜像Lに帯電したトナーが付着してトナー像が形成される。
現像スリーブ111の回転とともに搬送される現像剤の搬送方向111R(図において時計回り方向)における対向領域の上流側部分には、トナーを保持した磁性キャリアによる磁気穂の穂高さ、すなわち、現像スリーブ111上の現像剤層の厚みを規制する層厚規制部材としてのドクターブレード114が設けられている。
従来、ドクターブレードとしては非磁性材料のみからなる板状のものが使用されていたが、本実施形態におけるドクターブレード114は、磁性材料からなる板を従来の非磁性の板に接合した構成を有している。磁性材料を用いることで、後述するように、穂高の揃った磁気穂が形成されやすくなる。
図5では、感光体100上のトナー像を記録紙へ転写するための転写装置、感光体100上の残留トナーを除去するためのクリーニング装置、感光体100上の残留電位を除去するための除電装置等は省略してある。
このような構成において、カラー画像の形成に際しては感光体100上のトナー像が、例えばシアンのトナー画像であるとすると、これが中間転写ベルト上に転写され、順次、マゼンタ、イエロー、ブラックなどのトナー像が同様の画像形成プロセスにより中間転写ベルト上に重ね合わせて転写されてフルカラートナー像が形成される。このフルカラートナー画像は不図示の給紙トレイから搬送された記録紙へ転写され、この記録紙上の未定着のトナー画像は該記録紙が中間転写ベルトから分離された後、不図示の定着装置を通過する間に定着される。一方、転写されずに感光体100上に残留したトナーは、クリーニング装置によって除去され回収される。残留トナーを除去された感光体100は除電ランプで初期化され、次回の画像形成プロセスに供される。
現像スリーブ111としては、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体が用いられ、円筒形の該現像スリーブ111が不図示の回転駆動機構によって磁石MGのまわりを図5の例では時計回りの向きに回転されるようになっている。
これらの磁石MGは、現像スリーブ111の回転と共に現像剤を穂立ちさせつつ搬送するように磁界を形成する。これらの磁石MGから発せられる法線方向磁力線に沿うように、磁性キャリアが集合して穂が形成され、さらに、この穂が集合して磁気ブラシが形成される。穂や、磁気ブラシは磁性キャリアの集合からなり、この磁性キャリアには帯電したトナーが保持されている。
現像スリーブ111は現像ギャップGPを介して感光体100に近接して配置されていて、双方の対向領域で現像が行われる。本例では、感光体100も現像スリーブ111も共に筒状をしているので、凸曲面同士が近接して対向する対向領域では、現像スリーブ111と感光体100との間隔が最も近接する位置である最近接位置を間にしてその両側に進むにつれて次第に間隔が広がるという対向面を構成する。なお、感光体100が筒状でなく、例えば、ベルト状に構成されることにより、平面状の場合でも、同じように最近接位置は構成される。図5に示した例では、現像スリーブ111の中心O1と、感光体100の中心O2とを結ぶ仮想の線上に最近接位置がある。
図5において、現像スリーブ111の回りには、磁力分布P1、P2、P3、P4、P5、P6が模式的に示すように生じている。これらは、現像スリーブ111の内側に配置された図示されない磁石MG1、MG2、MG3、MG4、MG5、MG6に対応して形成されたものである。
特に、現像主極を形成する磁力分布P1は、横断面の小さな磁石から構成されているが、サマリウム合金磁石、特にサマリウムコバルト合金磁石などを用いることもできる。希土類金属合金磁石のうち代表的な鉄ネオジウムボロン合金磁石では最大エネルギー積が358kJ/m3であり、鉄ネオジウムボロン合金ボンド磁石では最大エネルギー積が80kJ/m3前後である。このような磁石によって従来の磁石と異なり、相当に小サイズ化しても必要な現像スリーブ111面磁力を確保できる。従来のフェライト磁石やフェライトボンド磁石などでは最大エネルギー積がそれぞれ、36kJ/m3前後、20kJ/m3前後である。スリーブ径を大きくすることが許容される場合には、フェライト磁石やフェライトボンド磁石を用いて形状を大きくとり、あるいはスリーブ側に向いた磁石先端を細かく形成することで半値中央角を狭くすることが可能である。
磁石MG1(磁力分布P1)は最近接位置に対応して位置し、現像スリーブ111の回転方向111R上であって、この磁石MG1(磁力分布P1)の上記回転方向下流側に、磁石MG2(磁力分布P2)、磁石MG3(磁力分布P3)、磁石MG4(磁力分布P4)、磁石MG5(磁力分布P5)、磁石MG6(磁力分布P6)が順に位置している。これらのうち、磁石MG1(磁力分布P1)のみが現像スリーブ111と感光体100との対向領域に位置している。
この現像装置110を用いた本発明の現像方法は、少なくとも磁石MG1(磁力分布P1)により形成される磁気ブラシの立ち上がりから寝るまでの動作態様を利用して行なう。
このために、現像スリーブ111の直径は18〜30mmであって、内部に配置される磁力分布P1に対応する現像主磁石は、ピーク磁束密度の半値幅で表した磁石の幅が6〜8mmで、磁束密度が100〜130mTを有することが好ましい。
現像スリーブ111の直径を18mmとしたとき、前述の実体顕微鏡(オリンパス社製:SZH10)とハイスピードカメラ(フォトロン社製:FASTCAM−Ultima−I)とを用いて、9000〜40500コマ/秒の撮影速度で撮影した映像から、穂が立ち上がり、そして寝るという動作が急激に(速く)行なわれて磁気ブラシはカクカク動くようになっていることがわかった。このため、磁気ブラシの動きが速くなり、穂の形態が乱されるなど攪乱効果を生じて磁性キャリアからのトナーの分離、飛翔が起こり易くなると考えられる。また、現像剤が感光体に接触している時間を短くできるため、磁性キャリアへのカウンターチャージの誘起も起こり難くなると考えられる。
磁石MG4(磁力分布P4)は現像スリーブ111上に現像剤を汲み上げる機能を有する。磁石MG3(磁力分布P3)は現像後トナー濃度の下がった現像剤を穂切れさせる機能を有する。磁石MG2、磁石MG5、磁石MG6(磁力分布P2、P5、P6)は現像スリーブ111上に汲み上げられた現像剤を対向領域まで搬送する機能を有する。
これら各磁石MG1(磁力分布P1)、MG2(P2)、MG3(P3)、MG4(P4)、MG5(P5)、MG6(P6)の中心は現像スリーブの半径方向に向けて配置されている。
本例では磁石を6極で構成し現像スリーブ111と感光体100との対向領域では1つの磁石(磁石MG1)を設けているが、遊離トナーをより多く発生させるためには、現像スリーブ111と感光体100との対向領域に磁石を2つ以上設けてもよい。
現像剤の汲み上げ性、黒ベタ画像追従性を向上させるために、磁石P4からドクターブレード114の間に磁石を増やして8極や10極で構成しても良い。
この現像装置110では、現像スリーブと導通しているスリーブ軸に接地されたバイアス用の電源が接続されている。スリーブ軸に接続された電源の電圧は、現像スリーブ111に印加される。一方、感光体100を構成する最下層の導電性支持体は接地されている。
こうして、対向領域には、磁性キャリアから離脱したトナーを感光体100側へ移動させる電界を形成しておき、トナーを感光体100側に向けて移動させることに供している。
以上、図5で説明したように、感光体100に対向して配置され、内部に磁石MGを有する現像スリーブ111を備え、この現像スリーブ111がトナーとトナーを保持する磁性キャリアとを含む現像剤を表面に担持して、この担持した現像剤を感光体100との間の対向領域に搬送し、現像スリーブ111と感光体100との間に電界を印加し、感光体100の表面上に形成されている潜像Lをトナーで現像する現像装置110が構成される。本発明の現像方法は、かかる現像装置110を用いて行なうことができる。
なお、本例の現像装置はレーザー光線Lbで書き込む方式の画像形成装置と組み合わせた例としている。帯電装置101により感光体100上に一様に負極性の電荷を乗せ、書込量を少なくするために文字部をレーザー光線Lbで露光することで、低下した電位の文字部(潜像L)に負極性のトナーで現像する所謂反転現像方式を採用している。これは一例であり、本発明の現像方式の中で、感光体100に乗せる帯電電荷の極性は大きな問題ではない。
この現像装置110では、内部に磁石MGを有する現像スリーブ111を感光体100に対向して配置しており、このスリーブ111表面にトナーと磁性キャリアとを含む現像剤を層状に担持させて、不動の磁石MGに対して現像スリーブ11を回動させることで、現像スリーブ111と磁石間MGに速度差を与え、この速度差を利用して現像剤層を少なくとも対向領域で磁気ブラシを形成しつつ流動させ、この流動の過程で磁性キャリアから離脱した遊離トナーを感光体100上の潜像Lに付着させて現像に供することを前提としている。
現像スリーブ111と磁石間MGに速度差を与える手段として、上記例では磁石MGを不動とし、現像スリーブ111を回動させることとしたが、これに限らず、現像スリーブ111を不動とし、磁石MGを回動させることにより現像スリーブ111と磁石間MGに速度差を与えて、同様の現像を行なうこと、また、現像スリーブ111と磁石MGを反対方向に回動することも可能である。
(請求項8関連)
現像スリーブと感光体100との関係では、エッジ効果をなくすためには、トナー離脱により当該磁性キャリアに残る反対電荷(カウンターチャージ)が現像阻害効果を生じなくなる程に減少したのち、当該磁性キャリアがライン潜像部を通過するように、現像スリーブ111と感光体100の速度、現像スリーブ111と感光体100との間隔(現像ギャップ、GP)および磁性キャリアの抵抗を定めて現像を行なう。
現像スリーブ111の感光体100とは反対側の領域には、現像ケーシング115内の現像剤を攪拌しながら現像スリーブ111へ汲み上げるための攪拌スクリュー112が設けられている。現像ケーシング115内の現像剤は、トナーTと磁性キャリアCからなり、この現像剤は図示しない駆動手段により回転させられる攪拌スクリュー112、113で混合・攪拌され、トナーTが摩擦帯電される。このときのトナー帯電量(q/m)は、−5〜−60μC/g、好ましくは、−10〜−35μC/gがよい。
また、磁性キャリアCCとしては、鉄、ニッケル、コバルト等の金属又はこれらと他の金属による合金、マグネタイト、γ−ヘマタイト、二酸化クロム、銅亜鉛フェライト、マンガン亜鉛フェライト等の酸化物、マンガン−銅−アルミニウム等のホイスラー合金等の強磁性体粒子を用いることができる。
さらに、この強磁性体粒子をスチレン−アクリル系、シリコーン系、フッ素系等の樹脂で被覆してもよい。これらは、トナーTとの帯電性を考慮して適宜選択することができる。磁性体粒子を被覆する樹脂には、荷電制御剤、導電性物質等を添加してもよい。
また、スチレン−アクリル系、ポリエステル系等の樹脂中にこれらの磁性体粒子を分散させたものであってもよい。
強磁性体の飽和磁化の強さは、35(4.4×10-5Wb・m/kg)〜85(10.7+10-5Wb・m/kg)emu/gが好ましい。35emu/g未満では、磁化の強さが低いために、搬送性が低下し、また、感光体100へのキャリア付着が多くなる。85emu/gを越えると、磁化の強さが高いために、磁気ブラシが強く、硬い穂となる。
また、体積平均粒径は、25〜100μm、好ましくは30〜60μmがよい。少なくとも、粒径が74μm以上の磁性キャリアCCは15%の含有量であることが好ましい。磁性キャリアCCの穂は、含まれる磁性キャリアCCの体積がある程度決まっているために、粒径が大きくなると含有されるトナーTの量が少なくなるからである。
また、体積固有抵抗は、6〜12LogΩ・cmの範囲にあることが好ましい。磁性キャリアの電位が現像スリ−ブの電位とある程度早く同電位になることが好ましいからである。
トナーTとしては、少なくとも熱可塑性の樹脂とカーボンブラック、銅フタロシアニン系、キナクリドン系、ビスアゾ系の顔料を有するものを用いる。樹脂としては、スチレン−アクリル系、ポリエステル系の樹脂が好ましい。この他に、定着助剤としてポリプロピレン等のワックス、トナー帯電量を制御するための含合金染料を内添することができる。さらに、表面処理したシリカ、アルミナ、酸化チタン等の酸化物、窒化物、炭化物等を外添してもよい。さらに、脂肪酸金属塩、樹脂微粒子等を併せて外添してもよい。
トナーTは、体積平均粒径は4〜10μmで、4μm以下の微粉の含有量が20個数%以下であることが好ましい。また、前述のようにシリカ、アルミナ、チタニア等の添加剤を含有しても良いが、かさ密度は0.25g/cm3以上であることが好ましい。かさ密度が高いほど、トナーTが磁性キャリアから離脱しやすくなる。
次に、本発明の現像装置における磁気ブラシの形成過程について説明する。
図6に示したように、現像スリーブ111の外周面からは、その内部に設けた磁石MGにより磁力分布P1、P2、P3、P4、P5、P6が放射状に形成されている。
現像スリーブ111の回転により、現像剤は該現像スリーブ111上に担持されて該現像スリーブ111と共に搬送される。この搬送過程で各磁力分布中を現像剤が通過するとき、磁性キャリアが穂状に集合した磁気穂が現像スリーブ111上の現像剤層から立ち上がり、そして該磁気穂が寝るという現象がある。ここで、磁気穂は磁力分布における法線方向磁力線に沿うように形成される。
ここでは、図5に示した磁力分布のうち、任意の1つの磁力分布、例えば、磁力分布P1を通過する現像剤が形成する磁気穂に着目してその変化を模式的に例示した図6を参照しつつ、磁気穂、遊離トナー、穂立ち部等について説明する。
図6において、磁力分布P内で形成されている法線方向磁力線を(1)〜(7)の符号で模式的に示す。これらの法線磁力線(1)〜(7)は、法線磁力線(1)が現像スリーブ111の略接線方向に向いていて、法線磁力線(2)〜(3)への番号が進むにつれて、立ち上がりの角度を増し、法線磁力線(4)で現像スリーブ111の周面に略垂直となり、最も高く立ち上がった状態となる。
この法線磁力線(4)を対称軸として先程の立ち上がり時における各法線磁力線(3)、(2)、(1)と対称に、法線磁力線(5)、(6)、(7)の順に寝る方向に傾きを増していき、法線磁力線(7)では現像スリーブ111の略接線方向近くまで傾いて寝た状態となっている。法線磁力線(4)は、図5における中心O1と中心O2とを結ぶ線分と合致する。
これらの法線磁力線(1)〜(2)は、現像スリーブ111の表面から外方に向けて定位置に形成されている。現像スリーブ111上に担持されて該現像スリーブ111と共に搬送される現像剤は、該現像スリーブ111上に層をなしているが、図6では繁雑さを避けるため図示を省略している。また、磁性キャリアCCにはトナーTが静電力で保持されているが、これも個々に図示すると繁雑になるので図示を省略している。
(請求項14関連)
現像スリーブ111上の現像剤層が現像スリーブ111とともに移動し磁力分布P1にさしかかると、図6(a)に示すように、法線磁力線(1)に沿って磁性キャリアCCが穂状に集合した磁気穂として現像剤層から分離して立ち上がる。この磁気穂は現像スリーブ111の軸長手方向から見ると穂状をなし、磁気穂が紙面を貫く方向である現像スリーブ111の長手方向に磁石MG1に対向して形成されている。
本例の現像方法は、現像剤担持体上で磁性キャリアが集合した穂が立ち上がるときに、前記磁界発生手段により、磁気ブラシの先端が現像剤担持体上の磁性キャリアの集合した現像剤層から分離し、磁性キャリアからトナーを離脱させて遊離トナーを生ぜしめて行う。
(請求項9、11関連)
図6(a)に示したように現像剤層から法線磁力線(1)に沿って磁性キャリアCCが立ち上がるときに、該磁性キャリアCCからトナーTが離脱する。この離脱した遊離トナーの発生領域は、感光体と現像スリーブとの最近接位置より現像剤移動方向の上流側にある領域である。
こうして磁性キャリアから離脱し空間に放たれたトナーTは磁気穂の立ち上がり側(磁気穂の現像スリーブ111周面に対向する側の裏側)の空間に遊離する。また、磁気穂が現像剤層から立ち上がることにより現像剤層側でも現像剤に変位が生じ、この変位により現像剤層側からも磁性キャリアよりトナーが離脱されて、遊離トナーTを生じる。
なお、隣り合う磁気ブラシの間の現像剤層、従って穂が立ち上がらない部分においても磁性キャリアCCからトナーが離脱して遊離トナーTとなり、現像に供される。
かかる遊離トナーTは、感光体100の画像部(帯電後露光された部位つまり、静電潜像L部)が対向領域にあるときに生じて画像部への飛翔がなされ、感光体の非画像部(帯電されたままで未露光の部位)が対向領域にあるときには遊離トナーTは生じなかった。
図6(a)に示した状態から、さらに現像スリーブ111の回転が進むことにより、磁気穂は法線磁力線(1)から法線磁力線(2)に沿うように形態及び位置を変える。この変化後における磁気穂の状態を図6(b)に示す。この変化の過程で、磁性キャリアCCからは、新たにトナーTが離脱され、磁気穂の立ち上がり側(磁気穂の回転方向111Rでの上流側)に向けて放たれて遊離トナーとなる。
図6(b)に示した状態から、さらに現像スリーブ111の回転が進むことにより、磁気穂は法線磁力線(2)から法線磁力線(3)に沿うように形態及び位置を変える。この変化後における磁気穂の状態を図6(c)に示す。この変化の過程で、磁性キャリアCCからは、新たにトナーTが離脱され、磁気穂の立ち上がり側(磁気穂の回転方向111Rでの下流側)に向けて放たれて遊離トナーとなる。
図6(c)に示した状態から、さらに現像スリーブ111の回転が進むことにより、磁気穂は、法線磁力線(3)から法線磁力線(4)に沿うように形態及び位置を変え現像スリーブ111周面から直立状に最も立ち上がった状態となる。この変化後における磁気穂の状態を図6(d)に示す。この変化の過程で、磁性キャリアCCからは、新たにトナーTが離脱され、磁気穂の先端部のまわりに放たれ、遊離トナーとなる。
図6(d)に示した状態から、さらに現像スリーブ111の回転が進むことにより、磁気穂は法線磁力線(5)に沿うように形態及び位置を変える。この法線磁力線(5)は法線磁力線(4)よりも回転方向111R上の下流側に隣接して位置し現像スリーブ111周面から離れるにつれて下流側(寝る側)に傾いて形成されているので、磁気穂もこれに沿う形で形成される。
この変化後における磁気穂の状態を図6(e)に示す。この変化の過程で、磁性キャリアCCからは、新たにトナーTが離脱されて磁気穂が寝る側と反対側(磁気穂の回転方向111Rでの上流側)及び磁気穂の先端部近傍に放たれた遊離トナーとなる。しかし、(a)から(d)の過程で潜像にトナーが付着し現像電界が弱まり、さらに磁気ブラシと感光体との距離が離れるため、遊離トナーは僅かとなる。
図6(e)に示した状態から、さらに現像スリーブ111の回転が進むことにより、磁気穂は、法線磁力線(5)からさらに寝る度合いを増した法線磁力線(6)に沿うように形態及び位置を変える。この変化後における磁気穂の状態を図6(f)に示す。この変化の過程では、ほとんど新たな遊離トナーTは離脱されない。
図6(f)に示した状態から、さらに現像スリーブ111の回転が進むことにより、磁気穂は、磁力線(6)からさらに寝る度合いを増した磁力線(7)に沿うように形態及び位置を変える。この変化後における磁気穂の状態を図6(g)に示す。この変化の過程でも、ほとんど新たな遊離トナーTは離脱されない。
図6(g)に示した状態から、さらに現像スリーブ111の回転が進むことにより、図示しないが、磁気穂は現像スリーブ111の周面に形成されている現像剤層と一緒になり、この変位によっても、ほとんど新たな遊離トナーTは離脱されない。
図6では、1つの磁気穂のみに着目してその変位と遊離トナーの発生状態を模式的に図示したので、あたかも各法線磁力線(1)〜(7)のうちの一つにだけ磁気穂が形成されこれだけが変位していくかのように見えるが、実際には、各磁力線(1)〜(7)に沿ってそれぞれに同時的に磁気穂が形成されていて、現像スリーブ111の回転に従い、次々に隣の法線磁力線に磁気穂が変位し、この変位を伴う流動の過程で磁性キャリアからトナーが離脱し、この離脱した遊離トナーが現像に供される。
図6の例では、各法線磁力線(1)〜(7)に沿って形成される磁気穂の集合で磁気ブラシが形成される。本例では、対向領域内で磁気穂が立ち上がり、そしてこの磁気穂が寝るまでの間の現像スリーブまわりの領域が穂立ち部である。
ここで、磁気穂が立ち上がり、そして磁気穂が寝るまでの間とは、現像スリーブ111上を現像剤が搬送される過程でこの現像剤が磁石MGの磁力により、現像スリーブ111上の現像剤層から磁気穂としてその先端部が分離したときから、この磁気穂の先端部が現像スリーブ111上の現像剤層と一緒になったときまでの間であり、主としてこの間での磁気穂の形態変化に応じて磁性キャリアに保持されていたトナーが磁性キャリアから離脱する。
別の表現をすれば、1つの磁力分布での多数の法線磁力線に沿って形成される磁気穂の集合を磁気ブラシと称し、この磁気ブラシを構成する磁気穂が位置する現像スリーブ111まわりの領域が穂立ち部であり、この穂立ち部で形成されている磁気ブラシ(磁気穂)の磁性キャリアから離脱した遊離トナーを用いて現像する。
磁気穂の形態変化に応じて多量の遊離トナーを生じさせ、この遊離トナーは磁気ブラシ(磁気穂)のまわりに多量に存在することから、この遊離トナーを現像に供することができ、従来の磁性キャリアから直接潜像にトナーを転移させる現像法に比べて、現像効率を高めることが可能となる。
上記遊離トナーを生じさせる磁気穂の形態変化は前記したように小径スリーブを用いるか、スリーブ径が大きい場合は磁石の形成する磁力の半値幅を狭くすることにより、穂が立ち上がり、そして寝るという動作が急激に(速く)行なわれて磁気ブラシがカクカク動くという現象によるところが大きいと考えられる。
以上説明した現像装置では、以下に説明する本発明の現像方法を行なうための構成を備えることにより、従来の現像領域よりも広い範囲で現像領域を設定することから、現像スリーブ111の線速(Vs)と感光体100の線速(Vp)との線速比(Vs/Vp)を大きくすることなく、現像されるトナーの供給量を多くする現像装置を提供することができる。
ここで現像領域とは、磁性キャリアが集合する磁気穂が磁気ブラシを形成しているか又は現像スリーブ111上に薄い現像剤層を形成しているかの状態に係わらず現像剤中のトナーTが感光体100に向かって現像される領域と定義される。
(請求項8関連)
次に、これら遊離トナーを現像スリーブ111と感光体100間に電界を形成し、現像するための現像バイアスについて説明する。
図7は、現像スリーブに接続される電源として直流電源を用いた場合であって、反転現像方式における直流電界を印加しているときの現像状態を模式的に示した図である。有機顔料をキャリア生成材料に用いる感光体100では、一般に負極性に帯電させて負極性のトナーで画像形成することが多く、本例もこれによる。尤も、現像方式の中で、感光体100に乗せる帯電電荷の極性は大きな問題ではない。
レーザー光線Lbで書き込む場合、書込量を少なくするために文字部を露光するため、この部分の帯電電荷がキャリア生成材料から生成される正孔により中和されて、画像部(文字部)の電位である画像部電位が低下する。
この低下した電位の画像部に、現像スリーブ111に接続した電源により負側に偏倚した直流電圧を印加することで、負極性の遊離トナー及び磁性キャリアCCに保持されたトナー(図7、図8では何れもトナーTと表示)に現像スリーブ111側か画像部に向かうベクトルが作用する。
図5において、感光体100上の非画像部に仮にトナーが存在したとしても、非画像部側から現像スリーブ111側へ向かうベクトルが作用することにより非画像部から確実に離間させられて地肌汚れが防止される。
本発明の現像方法は、キャリアCCの粒径等の粉体特性、飽和磁化の強さ等の磁気特性と磁石の飽和磁化の強さ等の磁気特性、幅及び形状等の形態特性によりキャリアCC表面のトナーTに作用する力を制御し、遊離トナーTを発生させることができる。さらに、この遊離トナーTを生ずる磁気ブラシを形成することで、感光体100上の潜像Lに対するトナー付着量を大きくすることができ、いわゆる現像性の高い現像方法を得ることができる。
(請求項16、17関連)
図8は、現像スリーブに接続される電源として交番電圧電源を用いた場合、更に詳しくは、直流と交流を重畳した電圧を発生する電源を用いることで、現像バイアスの電界を交番電界としたときの反転現像方式における現像状態を模式的に示した図である。
このように、感光体100と現像スリーブ111が対向する部位において、交番電界を印加することもできる。本例の現像方法では、現像スリーブ111に印加するバイアス電界は、特に、直流と交流を重畳させて発生させる交番電界が好ましい。
図8において、上述した直流電界の場合と同じように、例えば、負極性トナーTは、現像スリーブ111と感光体100との間に印加された電界により現像される。
この場合も、現像スリーブ111上の磁性キャリアCCが誘電体であるために、感光体100と磁性キャリアCCが集合した磁気穂では、さらに電界が強められることにより、磁性キャリアCC上に付着しているトナーTが、感光体100の静電潜像Lに現像される。さらに、交番電界が印加されていることにより、現像されて感光体100上にあるトナーTが振動するように運動し、次第に潜像Lに忠実に揃えられ高品位の画像を得ることができる。また、ここでも、感光体100に磁気ブラシの穂が近接していると磁性キャリアCCによって強調された電界が生ずるために、この部分でトナーTが振動するようにより激しく運動し、さらに、潜像Lに忠実に揃えられ高品位の画像を得ることができる。
つまり、現像バイアス電界として、負側に偏倚した交番電界が印加されていることにより、画像部においては遊離トナーTが画像部に向かう強弱のベクトルの作用を受けつつ確実に画像部に到達し、非画像部に仮に存在したとしても、非画像部側から現像スリーブ111側へ向かう強弱のベクトルの作用を受けつつ確実に非画像部から離間させられて地肌汚れが防止される。
(請求項15関連)
以上の現像方法において、現像スリーブ111の線速(Vs)と感光体100の線速(Vp)との線速比(Vs/Vp)は0.9<Vs/Vp<4の範囲として現像する。
現像スリーブ111と感光体100は、対向している部分では同方向に回転している。現像スリーブ111の線速が感光体100の線速より小さくとも、つまり線速比(Vs/Vp)が1以下でも磁性キャリアCC表面から離脱させるトナーTが十分にあるため、現像されるトナー付着量を多く維持することが可能になる。
線速比(Vs/Vp)は0.9より大きな線速比とした現像スリーブ111の回転により現像されるトナーTを多くして、画像濃度の高い画像を得ることができる。遊離トナーTの量によっては、更に線速比を下げられる可能性が残っている。
(請求項10関連)
本例の現像方法は、前述した通り、対向領域で感光体100に磁気ブラシの穂立ち部を非接触状態で遊離トナーを用いて現像する現像方法である。かかる非接触状態は現像ギャップGPと、現像剤の汲み上げ量、すなわちドクターギャップと、対向領域に存在する磁石の磁力強度、さらには磁性キャリアの粒径や飽和磁気モーメント等の兼ね合いにより構成することができる。
本例の現像方法によれば、磁気ブラシが感光体100に非接触であることから、ハーフトーン部でのザラツキがなく、横細線や文字の鮮鋭度も優れた画像を得る現像方法を提供することができる。
さらに詳細には、本例の現像方法は、現像スリーブ111上において、現像領域で、現像剤が磁気ブラシを形成しつつ流動させ、この流動の過程で表面にトナーTを有する磁性キャリアCCが集合した磁気穂が立ち上がり、そして磁気穂が寝る間にトナーTを離脱させて磁性キャリアCC表面からトナーTを離脱させて遊離トナーTを生じさせてこの遊離トナーで現像する。
また、現像領域内で、磁気穂(磁気ブラシ)の磁性キャリアCCを感光体100に近接して移動し、これにより磁性キャリアCC上のトナーTが潜像Lに向けて離脱されて飛翔して現像される。
そして磁気ブラシが現像スリーブ111とともに搬送される間は、磁気ブラシの先端部を感光体100に近接させても、既に感光体100の潜像Lに付着しているトナーTを離脱させることがないために、トナー付着量を低下させることがなく、画像品位を低下させることがない。
(請求項19関連)
以上説明した本発明にかかる現像方法を行なう現像装置を備えた画像形成装置を例示する。この画像形成装置は、前記図5で説明した基本構成を備えた現像装置を具備している。この現像装置は、必要に応じて、前記した内容の変更を加えて実施される。
図9は、画像形成装置の一例としてのカラー複写機の概略構成を示している。このカラー複写機は、カラー画像読取装置(以下、カラースキャナという)1、カラー画像記録装置(以下、カラープリンタという)2、給紙バンク3、図示省略の制御部等で構成されている。
上記カラースキャナ1は、コンタクトガラス4上の原稿5の画像を照明ランプ6、ミラー群7a、7b及びレンズ8を介してカラーセンサ9に結像して、原稿5のカラー画像情報を、例えばレッド(Red)、グリーン(Green)、ブルー(Blue)(以下、それぞれR、G、Bという)の色分解光毎に読み取り、電気的な画像信号に変換する。
カラーセンサ9は、本例ではR、G、Bの色分解手段とCCD(charge coupled device)のような光電変換素子で構成され、原稿4の画像を色分解した3色のカラー画像を同時に読み取っている。そして、このカラースキャナ1で得たR、G、Bの色分解画像信号強度レベルをもとにして図示しない画像処理部で色変換処理を行い、ブラック(Black、以下、Bkという)、シアン(Cyan、以下、Cという)、マゼンタ(Magenta、以下、Mという)、イエロー(Yellow、以下、Yという)のカラー画像データを得る。
上記Bk、C、M、Yのカラー画像データを得るためのカラースキャナ1の動作は次のとおりである。後述のカラープリンタ2の動作とタイミングを取ったスキャナスタ−ト信号を受けて、照明ランプ6及びミラー群7a、7b等からなる光学系が矢印左方向へ原稿5を走査し、1回の走査毎に1色のカラー画像データを得る。この動作を合計4回繰り返すことによって、順次4色のカラー画像データを得る。そして、その都度カラープリンタ2で順次顕像化しつつ、これを重ねあわせて最終的な4色フルカラー画像を形成する。
上記カラープリンタ2は、像担持体としての筒状をした感光体100、書き込み光学ユニット10、現像装置としてのリボルバ現像ユニット11、中間転写装置12、定着装置13等で構成されている。
感光体100は矢印の反時計方向に回転し、その周りには、感光体クリ−ニング装置14、除電ランプ15、帯電器101、帯電電位検出手段としての電位センサ16、リボルバ現像ユニット11の選択された現像器24(これが前記図5で説明した現像装置110に相当する)、現像濃度パターン検知器17、中間転写装置12の中間転写ベルト18などが配置されている。
また、上記書き込み光学ユニット10は、カラースキャナ1からのカラー画像データを光信号に変換して、原稿5の画像に対応した光書き込みを行い、感光体100に静電潜像を形成する。この書き込み光学ユニット10は、光源としての半導体レーザー19、図示しないレーザー発光駆動制御部、ポリゴンミラー20とその回転用モ−タ21、f/θレンズ22、反射ミラー23などで構成されている。
また、上記リボルバ現像ユニット11は、Bk現像器24K、C現像器24C、M現像器24M、Y現像器24Y、及び各現像器を矢印の反時計方向に回転させる後述のリボルバ回転駆動部などで構成されている。
各現像器は、感光体100に対向して配置され、内部に磁石を有する現像スリーブ111を備え、このスリーブ111がトナーとトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を表面に担持して、この担持した二成分現像剤を感光体100との間の対向領域に搬送し、現像スリーブ111と感光体100との間に電界を印加し、感光体100の表面上に形成されている潜像をトナーで現像する。
各現像器24内のトナーは磁性キャリアであるフェライトキャリアとの撹拌によって負極性に帯電され、また、各現像スリ−ブ111には図示しない現像バイアス用の電源によって負の直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアス等が印加され、現像スリ−ブ111が感光体100の導電性支持体に対して所定電位にバイアスされている。
複写機本体の待機状態では、リボルバ現像ユニット11はBk現像器24Kが現像位置にセットされており、コピ−動作が開始されると、カラースキャナ1で所定のタイミングからBkカラー画像データの読み取りが開始し、このカラー画像データに基づきレーザー光による光書き込み、静電潜像形成が始まる(以下、Bk画像データによる静電潜像をBk潜像という。C、M、Yについても同様)。
このBk静電潜像の先端部から現像可能とすべくBk現像位置に静電潜像先端部が到達する前に、Bk現像スリ−ブ111を回転開始して、Bk静電潜像をBkトナーで現像する。そして、以後Bk静電潜像領域の現像動作を続けるが、静電潜像後端部がBk現像位置を通過した時点で、速やかに次の色の現像器が現像位置にくるまで、リボルバ現像ユニット11が回転する。これは少なくとも、次の画像データによる静電潜像先端部が到達する前に完了させる。なお、このリボルバ現像ユニット11については、後で詳しく説明する。
また、上記中間転写装置12は、中間転写ベルト18、ベルトクリ−ニング装置25、搬送ベルト38、紙転写コロナ放電器(以下、紙転写器という)26などで構成されている。中間転写ベルト18は駆動ローラー18a、転写対向ロ−ラ18b、クリ−ニング対向ロ−ラ18c及び従動ロ−ラ群に張架されており、図示しない駆動モ−タにより駆動制御される。
この中間転写ベルト18の材質は、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン)であり、その電気抵抗は表面抵抗で10〜1010Ω/cm程度である。
またベルトクリ−ニング装置25は、入口シ−ル、ゴムブレ−ド、排出コイル、入口シ−ル及びゴムブレ−ドの接離機構等で構成されており、1色目のBk画像を中間転写ベルト18に転写した後の2、3、4色目の画像をベルト転写している間はブレード接離機構によって中間転写ベルト18面から入口シ−ル、ブレ−ドを離間させておく。また紙転写器26は、コロナ放電方式にてAC電圧+DC電圧、又はDC電圧を印加して、中間転写ベルト18上の重ねトナー像を記録紙27に一括転写する。
また、カラープリンタ2内の記録紙カセット28及び給紙バンク3内の記録紙カセット300a、b、cには、各種サイズの記録紙27が収納されており、指定されたサイズの記録紙27のカセットから、給紙コロ30、31a、b、cによってレジストロ−ラ対30方向に給紙、搬送される。また、OHP用紙や厚紙などの手差し給紙用にプリンタ2の右側面に手差しトレイ33がある。
上記構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、まず感光体100は矢印の反時計方向に、中間転写ベルト18は矢印の時計回りに図示しない駆動モ−タによって回転される。中間転写ベルト18の回転に伴ってBkトナー像形成、Cトナー像形成、Mトナー像形成、Yトナー像形成が行われ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト18上に重ねてトナー像が形成される。
上記Bkトナー像形成は次のように行われる。帯電器101はコロナ放電によって感光体100を負電荷で一様帯電する。そして、半導体レーザー19はBkカラー画像信号に基づいてラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様荷電された感光体100の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。
Bk静電潜像にBk現像スリーブ上の負帯電のBkトナーが接触することにより、感光体100の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはBkトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。
感光体100上に形成されたBkトナー像は、感光体100と接触状態で等速駆動している中間転写ベルト18の表面に、ベルト転写器34によって転写される(以下、感光体100から中間転写ベルト18へのトナー像転写をベルト転写という)。
感光体100上の若干の未転写残留トナーは、感光体100の再使用に備えて感光体クリ−ニング装置14で清掃される。ここで回収されたトナーは回収パイプを経由して図示しない排トナータンクに蓄えられる。
感光体100側ではBk画像形成工程の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナ1によるC画像データ読み取りが始まり、そのC画像データによるレーザー光書き込みで、C静電潜像形成を行う。そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、かつC静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット11の回転動作が行われ、C現像器24Cが現像位置にセットされてC静電潜像がCトナーで現像される。
以後、C静電潜像領域の現像を続けるが、C静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像器24Kの場合と同様にリボルバ現像ユニット11の回転動作を行い、次のM現像器24Mを現像位置に移動させる。これもやはり次のM静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、M及びYの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBK、Cの工程と同様であるので説明は省略する。
上記中間転写ベルト18には、感光体100に順次形成するBk、C、M、Yのトナー像を、同一面に順次位置合わせして、4色重ねのトナー像が形成され、次の転写工程において、この4色のトナー像が記録紙27に紙転写器26により一括転写される。
上記画像形成動作を開始する時期に、記録紙27は上記記録紙カセット又は手差しトレイのいずれかから給送され、レジストローラー対32のニップで待機している。紙転写器26に中間転写ベルト18上のトナー像先端がさしかかるときに、丁度、記録紙27の先端がこのトナー像の先端に一致するようにレジストローラー対32が駆動され、搬送ベルト38の助けで記録紙27とトナー像とのレジスト合わせが行われる。
記録紙5が中間転写ベルト18上のトナー像と重ねられて正電位の紙転写器26の上を通過する。このとき、コロナ放電電流で記録紙27が正電荷で荷電され、トナー画像のほとんどが記録紙27上に転写される。続いて紙転写器26の左側に配置した図示しないAC+DCコロナによる分離除電器との対向部を通過するときに、記録紙27は除電され、中間転写ベルト18から剥離されて、搬送ベルト27から搬送ベルト35に移る。
中間転写ベルト18面から4色重ねトナー像を一括転写された記録紙27は、紙搬送ベルト35で定着装置36に搬送され、所定温度に制御された定着ロ−ラ36aと加圧ロ−ラ36bのニップ部でトナー像が溶融定着され、排出ローラー対37で装置本体外に送り出され、図示しないコピ−トレイに表向きにスタックされ、フルカラーコピーを得る。
一方、ベルト転写後の感光体100の表面は、感光体クリ−ニング装置14(ブラシロ−ラ、ゴムブレ−ド)でクリ−ニングされ、除電ランプ15で均一に除電される。また、記録紙27にトナー像を転写した後の中間転写ベルト18の表面は、ベルトクリ−ニング装置25のブレードを再びブレ−ド接離機構で押圧することによってクリ−ニングされる。
ここで、リピ−トコピ−のときは、カラースキャナ1の動作及び感光体100への画像形成は、1枚目の4色目(Y)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト18の方は、1枚目の4色重ねトナー像の記録紙27への一括転写工程に引き続き、表面のベルトクリ−ニング装置25でクリ−ニングされた領域に、2枚目のBkトナー像がベルト転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。
以上は、4色フルカラーコピー−を得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行うことになる。
また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット11の所定色の現像器のみを現像作動状態にして、ベルトクリ−ニング装置25のブレ−ドを中間転写ベルト18に押圧状態のまま連続してコピ−動作を行う。
また、A3サイズのフルカラーコピーモードの場合には、中間転写ベルト18が1周するごとに1色のトナー像を形成し、4回転で4色のトナー像を形成していくのが望ましいが、装置全体を小さく、つまり中間転写ベルト18の周長を抑え、小サイズの場合のコピースピードを確保し、かつ最大サイズのコピースピードも落さないようにするためには、中間転写ベルト18が2周する間に1色のトナー像を形成するのが好ましい。この場合には、Bkトナー像を中間転写ベルト18に転写した後、次の中間転写ベルト18の1周では、カラープリンタ2における現像及び転写が行われずに空回転し、その次の1周で次色のCトナーによる現像を行い、そのCトナー像を中間転写ベルト18に転写するように順次行っていく。このとき現像器切り換えのためのリボルバ現像ユニット11の回転動作は、上記空回転時に行う。
本発明の画像形成装置では、遊離トナーで現像を行なう現像装置を備え、遊離トナーで現像することで、広い範囲で現像領域を設定することにより、現像されるトナーの供給量を多くすることで、機械を設計する際の現像ギャップ、現像スリーブの回転数等の許容範囲を広くすることでき、また、ソリッド部や横細線の高品位の画像、特に、カラーの画像では、ハーフトーン部の再現性の優れた画像を得る画像形成装置を提供することができる。
実施例
感光体100の感光体径が90mmで、感光体100の線速が156mm/秒に設定され、現像スリーブ111のスリーブ径が18mmで、現像スリーブ111の線速が214mm/秒に設定されている。したがって、感光体線速に対するスリーブ線速の比は1.4である。なお、本例では、感光体100の線速に対する現像スリーブ111の線速の比(Vs/Vp)は最低0.9にまで下げてもなお必要な画像濃度を得ることができる。
現像ケーシング内の現像剤は、トナーTと磁性キャリアCCからなる現像剤であり、現像剤は図示しない駆動手段により回転速度152rpmで回転する攪拌スクリューで混合・攪拌され、トナーTが摩擦帯電される。
ここで用いた磁性キャリアCCは、銅−亜鉛の球形フェライトの表面にシリコーン樹脂をコートし、体積平均粒径は58μm、磁化の強さは65emu/g(8.2×10-5Wb・m/kg)、体積固有抵抗は8.5LogΩ・cmの特性を有している。トナーTは、ポリオール樹脂に顔料、荷電制御剤を内添させ、疎水性シリカ0.7wt%、疎水性チタン0.85wt%外添させている。体積平均粒径7μm、かさ密度0.33g/cm3以上である。黒トナーは顔料にカーボンブラック、イエロートナーはビスアゾ系顔料、マゼンタトナーはキナクリドン系顔料、シアントナーは銅フタロシアニン系顔料を用いた。これらを混合した現像剤は、初期トナー濃度5wt%にし、初期トナー帯電量はいずれの色のトナーも−20〜−35μC/gである。
本実施例では図9において、回転式現像装置(リボルバ現像装置11)を感光体100の横に配置したが、下側に配置すれば、現像装置110におけるトナー飛散防止機能を向上させることができる。
特に示さない限り上述した現像剤を用いて、磁気ブラシと感光体100が非接触状態で現像して評価した。なお、評価はイエロートナーTのみで行ったが、黒等の異なった色のトナーTであっても同様の結果が得られる。
[例1]穂立ち部中心を最近接位置に合わせた例
発明者らは、実体顕微鏡(オリンパス社製:SZH10)とハイスピードカメラ(フォトロン社製:FASTCAM−Ultima−I)とを用いて、9000〜40500コマ/秒の撮影速度で撮影した映像により対向領域で生じている磁性キャリアCCとトナーTの挙動を解析した。以下、この解析に基づき、開口部115aの範囲である制限された対向領域で行なわれる現像態様を説明する。
基本構成として示した図5における磁石配置、磁力分布のもとで、現像スリーブ111が回転方向111Rの向きに回転することにより、磁力分布P4で汲み上げられた現像剤はドクターブレード114部のドクターギャップを通過することで通過量を一定に規制されて、回転方向に磁力分布P6により(磁力分布P5の寝る途中にドクターブレード114があるため)搬送されて、上記制限された対向領域(以下、単に対向領域という。)に至る。
対向領域には、磁力分布P1が形成されていて、これらの磁力分布部で磁気ブラシができ、現像スリーブ111の回転に応じて、現像剤は磁気ブラシを形成しつつ流動し、この対向領域内の現像領域でトナーが潜像に転移して現像がなされ、現像後の残りの現像剤は穂切れ極であるP3で殆ど全て取り除かれ、撹拌スクリュー112側に落ちる。
(請求項12関連)
本例は穂立ち部中心を最近接位置に合わせた構成による現像であり、現像スリーブ111と感光体100との関係及び穂立ち部との関係は、図10のようになっている。遊離トナーの発生領域は、感光体と現像スリーブとの最近接位置を含む領域となる。
図10は図5に示した現像装置の基本構成のもとで、磁気ブラシ、穂立ち部等を示している。図10において、磁力分布P1での磁気ブラシを符号BR1で示す。磁気ブラシBR1は図6で説明したような磁気穂が多数の法線磁力線(1)〜(7)に沿って集合したもので、各磁気穂を構成する磁性キャリアはトナーを保持しつつ流動し、この流動の過程で磁性キャリアからトナーを離脱して遊離トナーを生じさせる。
さらに観察結果を詳細に説明する。
現像スリーブ111上では、磁石MG1の極性に係わらず磁気ブラシBR1を形成し、磁気穂が立ち上がり始める部分に相当する磁石の間(例えば、磁石MG6と磁石MG1との間や、磁石MG1と磁石MG2との間に対応する現像スリーブ111上)では現像剤の層が接線磁力が強いため、現像剤が現像スリーブ111側に押し付けられている。
図10に示すように、それまで磁性キャリアCCの集団の現像剤層中に閉じこめられていた磁性キャリアCCは、互いに磁力を有しているために、磁石間では現像スリーブ法線方向の磁力線は小さいが、互いに隣接する磁石は逆極になっているために現像スリーブ接線磁力は大きいため、これが磁石間では磁石上のものと比較して薄い磁性キャリアCCの集団である現像剤層を形成する力になっていて、磁性キャリアCCを現像剤層の集団の中に留めておかれる。
この現像剤層が磁石MG1に対応する位置にくると、いくつかの磁性キャリアCCが集合して磁気穂を形成して立ち上がる。この磁気穂を形成するために集合する磁性キャリアCCの個数は、一般にドクターブレード114を通過する現像剤の量で決定されるが、それ以外にも磁性キャリアCCの磁気的性質、磁石の有する磁力の大きさ、磁石の形状、配置の仕方による磁力線の大きさ及び傾きによって決定される。
また、磁石MG1は固定されているが、現像スリーブ111は回転しているために、立ち上がり始めた磁気穂の位置における磁力線の角度、大きさも変わっていく。このとき、磁性キャリアCCの磁気応答性に遅れがあるため、磁力線に沿った形状に磁気ブラシがすぐに揃わない、さらに、多数の磁性キャリアCCが集合した磁気穂は、集団からの拘束力から抜け出して立ち上がるが、磁石の大きな磁場が作用し、すべての磁性キャリアCCの磁気的な極性はは同一方向を向いており、互いに反発力が作用している。これらのために、磁性キャリアCCの現像剤層が突然に割れて、磁性キャリアCCの磁気穂が磁気ブラシとして立ち上がる。
この立ち上がるときに磁界発生手段により磁気ブラシの先端が現像スリーブ上の磁性キャリアの集合した現像剤層から分離した状態になる。こうして、磁性キャリアCCが磁気穂を形成して立ち上がることで、磁性キャリアCCの集団の中に閉じこめられていたトナーTが空間に解放され、さらに、磁性キャリアCCの表面に吸着しているトナーTに大きな衝撃力や遠心力が作用し、また、スリーブにある磁性キャリアCCと立ち上がった磁気穂の磁性キャリアとの間にあったトナーTはトナー/キャリア間の付着力が弱くなり現像電界によりトナーTは磁性キャリアCC表面から離脱して現像空間に解放され遊離トナーTとなる。
さらに、磁気穂は磁場の変化のため一定速度で立ち上がったり、寝たりせず、加速度を持つ。このため、トナーTには慣性力が働き、磁性キャリアCC表面から離脱して現像空間に解放されて遊離トナーTとなる。また、磁性キャリアCC表面から離脱した遊離トナーTは、磁性キャリアCCとの静電的付着力、物理的付着力が作用していないために、現像電界等によって容易に移動させることができる。
図10において、対向領域で形成されている穂立ち部SP1における磁気ブラシから遊離トナーを生じさせて現像する場合、これら穂立ち部のうちで最上流側の位置にある穂立ち部(4)までに潜像の付着すべき部位に十分にトナーは付着がなされていわば、飽和状態となるため、穂立ち部(4)の下流側に位置する穂立ち部(5)〜(7)では現像は殆ど行なわれない。
なお、現像スリーブ111と感光体100との間に印加される電界が交番電界のもとでは、穂立ち部(5)〜(6)でトナーの振動が起こり、潜像電位に整えられてトナー付着がなされる。
このような穂立ち部による現像方法では、現像スリーブ111と感光体100との対向間隔が次第に狭まり遂に最近接位置に至るまでの現像剤搬送過程を利用して、この間で遊離トナーを生じさせて現像し、かつ、感光体100上に現像されたトナーを磁気ブラシBR1によりで離脱させることでベタ濃度が高くしかも横細線や文字の鮮鋭度も優れた高品位の画像を得ることができる。
(請求項10関連)
図10に示すように、対向領域内での最近接位置(中心O1と中心O2とを結ぶ仮想線上の位置)に磁気ブラシBR1および穂立ち部SP1が形成されており、磁気ブラシBR1は感光体100と非接触となっている。本例の場合も後に述べるように、本発明の課題を達成できる良好な現像を行なうことができる。
すなわち、図10において、最近接位置に位置している穂立ち位置SP1では、磁気穂が立ち上がり始める領域での遊離トナーが最近接位置に対峙する磁気穂の動作と相俟って現像に供される。また、磁気ブラシBR1の穂立ち部の中心に位置する磁気穂は最近接位置にあり、感光体100に近接した非接触状態とすることで既に感光体100上に付着しているトナーTを感光体100上から離脱させ、先に現像されている感光体100上からトナーTを離脱させ、再び磁気穂の磁性キャリアCC上に付着させる。これにより、非画像部又は低電位の画像部に現像されたトナーTが引き戻されるので高品位の画像を得る。DCバイアス現像では、おそらく磁気ブラシが感光体100に最近接した位置で現像が終わっていと思われるが、ACバイアス現像の場合は感光体と磁気ブラシとの間でトナーの振動が観察される。
この最近接位置での磁気ブラシの先端部は感光体100に近接して移動し、これにより磁性キャリアCC上のトナーTが潜像Lに向けて離脱されて飛翔して現像されるし、また、この磁気ブラシが現像スリーブ111とともに搬送される間は、磁気ブラシの先端部を感光体100に近接させても、既に感光体100の潜像Lに付着しているトナーTを離脱させることがないために、トナー付着量を低下させることがなく、画像品位を低下させることがない。
次に、主/副走査ライン潜像にどのようにトナーが現像していくかを観察するために、感光体100に代えて図11に示すように透明ガラスドラム100'上に、主走査方向に長いくし型電極200X、副走査方向に長いくし型電極200YをITO蒸着により作製したものに感光体で使用されているポリカーボネ−ト樹脂をディッピング法により塗布したものを擬似感光体とした。
なお、図11に示したくし型電極200Xについて、丸印の部分を拡大して図12に示す。図12において、斜線部が画像部(静電潜像部)であり、短冊状の領域が非画像部である。また、数字は寸法を示す。単位はmmである。画像部は副走査方向(擬似感光体の回転方向)に長いライン状であり、ライン幅は0.3mmである。くし型電極200Yについてもこれに準ずる。
かかる擬似感光体の裏側からライン潜像を現像時のトナー付着過程を実体顕微鏡(オリンパス社製:SZH10)とハイスピードカメラ(フォトロン社製:FASTCAM−Ultima−I2)とを用いて、9000〜40500コマ/秒の撮影速度で観測した。
トナーは前述のイエロートナー(TC=7wt%、q/m=-18μC/g)を用い、現像バイアスとして直流成分VDC=-800Vに、交流成分VPP=1kV、f=2.5kHzの矩形波(duty=50%)を重畳した電圧を印加し、感光体画像部電位を-50V、非画像部電位を-900Vとした。現像ギャップGPは0.7mmとした。
副走査方向に長い2つの横長(副走査方向に長い)のライン状トナー画像の像形成過程を観察した1シーンを図13に、画像先端部を拡大して図14に示す。図13、図14において斜線で示した部分がトナーが現像されている部分である。図13で、疑似感光体100'、現像剤ともに右から左へ移動している。本例では、従来の現像剤が感光体と接触する現像ニップ(最近接位置)よりも上流の位置(図10に示す最近接位置よりも上流側の位置)から遊離トナーによる現像が始まっており、図の右端部がスキーの先端部のようにラインの幅方向の中央部よりに次第に細くなり尖っている如き形状をしており、ライン幅方向の中央部から現像が開始されていることがわかる。
同様に、主走査方向に長いライン像においても、従来の現像剤が感光体と接触する現像ニップより上流から現像が始まっていることが前述の観察からわかった。また観察により得られたライン像の一部を模式的に現した図を図15に示す。
図15には3つの経過時間t(t=t、t、t)でのトナー画像の形成過程が示されている。t=tで右斜線部が現像され、t=tでさらにラインが太くなり(左斜線部)、t=tでラインがほぼ現像トナーで埋まっており、副走査方向のライン同様にライン潜像の幅方向の中央部から現像が開始されていることがわかった。
このような現像方法による画像形成装置を用い、画像評価したところ、
黒ベタ追従性:良好
縦横比:1.01
エッジ部:良好
であった。
[例2]穂立ち部中心を最近接位置から上流側へずらした例
(請求項12、13関連)
図16を参照するに、本例では前記図10に示した構成をベースに、つまり、現像ギャップを適宜に設定することで磁気ブラシを感光体100に非接触とする構成をベースに、さらに、前記図5に示した現像装置の基本構成の場合よりも、磁界発生手段である磁石MG1の中心を最近接位置である中心O1、中心O2を結ぶ仮想の線よりも現像剤の搬送方向(回転方向111R)の上流側に傾けた配置にしている。これに伴い磁石MG2、磁石MG6の位置を変更し、磁石MG2から磁石MG6の磁力をコントロールした。
このように、本例の現像方法は、磁性キャリアの集合した穂が磁気ブラシを形成しつつ流動させ、この流動の過程で磁性キャリア表面から離脱させる遊離トナーの発生領域を、現像スリーブが有する磁界発生手段としての磁石の位置、或いは磁力で調整する。
これにより、現像スリーブ111まわりに形成される穂立ち部SP1及び磁気ブラシBR1の位置が図10に示した基本構成の場合よりも全体として上流側にシフトした形となり、最近接位置(中心O1と中心O2とを結ぶ仮想線上の位置)を間にしてその現像剤の搬送方向上で、上流側の位置に穂立ち部(4)、下流側の位置に穂立ち部(5)がそれぞれ形成される。本例においても、遊離トナーの発生領域は、感光体100と現像スリーブ111との最近接位置を含む領域となる。
本例では、磁気ブラシBR1が感光体100に非接触である。本例の場合も本発明の課題を達成できる良好な現像を行なうことができる。
現像条件は、図16における傾き角θを10°に設定した以外は実施例1と同様に行った。
最近接位置は磁気ブラシBR1の最も磁気穂が立つ位置より下流側(図16において(4)と(5)の間)にあり、この領域には遊離トナーTが多く存在し、かつ、感光体100の潜像Lへ遊離トナーが移動できる領域である。電界強度は、最近接位置で最も強いので、この空間位置での遊離トナーTが良好に現像に供される。
かかる構成により、磁気ブラシが形成される領域で生ずるクラウド状ないしスモーク状の遊離トナーTは、その大部分が現像電界によって感光体100の画像部へ移動し易くなる。この現像状況を図17に基づいて段階的に説明する。
図17は、磁性キャリアの穂の状況によるトナーの離脱状況を説明するために示す模式図である。図17(a)は、図16の(2)に相当する磁性キャリアの穂が立ち上がるときのトナーの離脱状況を説明するために示す模式図であり、図17(b)は、図16の(4)に相当する磁性キャリアの穂が完全に立ち上がり、感光体100に最近接したときのトナーの離脱状況を説明するために示す模式図であり、図17(c)は、図16の(5)に相当する磁性キャリアの寝始めるときのトナーの離脱状況を説明するために示す模式図である。ここで、図17中の磁性キャリアの斜線部分は、磁性キャリア上のトナーが離脱可能な領域を示し、図17中の矢印は、その向きがトナーの飛翔方向で長さはトナーの飛翔しやすさを示している。
図17に示すように、遊離トナーTは磁気ブラシの感光体側にあるキャリアCCから離脱しやすい。したがって傾き角を10°上流側に向けたことで、磁気穂の全表面から効率的にトナーを遊離させることが可能となる。
これにより、トナーTの使用効率を向上させることができる。また、本実施例では、感光体100と現像スリーブ111が対向する部位において、交番電界を印加する電源により交番電界が印加され、磁気ブラシBR1が感光体100に近接した非接触状態となることで、既に感光体100上に付着しているトナーTを感光体100上から離脱させ、先に現像されている感光体100上からトナーTを離脱させ、再び磁気穂の磁性キャリアCC上に付着させる。これにより、非画像部又は低電位の画像部に現像されたトナーTが引き戻されるので高品位の画像を得る。
また、主/副走査ライン潜像にどのようにトナーが現像していくかを前記例1と同様に観察したところ、実施例1と同様に主/副走査ラインともにライン幅の中央から現像が開始されていた。
このような現像方法による画像形成装置を用い、画像評価したところ、
黒ベタ追従性:良好
縦横比:0.99
エッジ部:良好
であった。
以上説明したように、本発明の現像方法では、従来の現像領域よりも広い範囲で現像領域を設定することにより、すなわち、主に現像ニップ前領域で遊離トナーにより現像されることで、副走査ラインに対してはライン中央部から現像が開始されるため、エッジ効果のない滑らかな画像が得られる。また、主走査ラインに対しても主に現像ニップ前領域で遊離トナーにより現像され、ライン中央部から現像が開始されるため、現像性が高くなり、ソリッド部のベタ埋まりの良い滑らかで、非画像部のかぶりの少なく、かつ横細線や文字の鮮鋭度も優れた高品位の画像を得ることができる。
[比較例]
上記した実施例1において、現像装置110の現像剤担持体(現像スリーブ111)と感光体100との間隔を狭め、図10における最近接部に対応する穂立ち部SP1が感光体に接触するようにして、かつ、穂立ち部SP1の上流側の穂立ち部SP1からの遊離トナーの感光体側への移動を抑制するようにウレタン性のシール部材を設けた以外は同様に評価を行った。
主/副走査ライン共に、磁気ブラシが接触した部分から現像が始まることがわかった。このときの画像は、TC=7wt%では黒ベタ追従性が悪く、エッジ部が強調された画像となったため、TC=10wt%としたところ、黒ベタ追従性、エッジ部は改善されたが、縦横比:1.3となった。
(請求項3〜7関連)
これまで述べた現像方法、現像装置、画像形成装置は、図5で例示したように、現像スリーブ111(現像材担持体)を感光体100(像担持体)に対向配置させてつくられる対向領域においては、1つの磁力分布Pが形成されるようにすることで該対向領域に磁気ブラシの穂立ち部が1つだけつくられる態様に基づいて説明した。
本発明は、上記のように、対向領域に磁気ブラシの穂立ち部が1つだけつくられる態様ばかりでなく、磁気ブラシの穂立ち部を前記対向領域に少なくとも2つ形成する態様においても実施される。
以下では、磁気ブラシの穂立ち部を前記対向領域に少なくとも2つ形成し、前記対向領域で前記穂立ち部を形成する磁石であって前記像担持体に最も近い位置に配置された磁石である第1の磁石により前記2つの穂立ち部のうち1つの穂立ち部を形成し、前記1つの穂立ち部よりも前記搬送方向上流側の位置に配置した第2の磁石により他の1つの穂立ち部を形成させ、前記第2の磁石による穂立ち部によりライン潜像に対して該ライン潜像の幅方向の中央部から現像し始め、かつ薄層(第1層)を形成し、第1の磁石による穂立ち部によりライン潜像に対して該ライン潜像の幅方向の中央部から現像し始める現像方法の例を説明する。
本例の基本構成を説明した図18〜図21及び磁気部ブラシ及び遊離トナーの発生態様を説明した図22、図23において、既に説明した図に示された部材等と機能が共通する部材等については説明が重複するのでここでは符号のみ示し、説明は省略する。
図18において、現像スリーブ111cは不動の磁石の回りを回転するように構成されている。現像ローラー111の構造を示した図19において、現像ローラー111は不動部材である現像ケーシング115に固定されている固定軸111a及びこの固定軸111aと一体の円柱状をした磁石支持体111bと、磁石支持体111bのまわりをギャップを介して覆っている筒状の現像スリーブ111c及びこの現像スリーブ111cと一体的な回転部材111d等からなる。
固定軸111aに対して回転部材111dは軸受111eを介して回転自在であり、回転軸111dは図示省略の回転駆動手段から動力を伝達されて回転駆動される。
磁石支持体111bの外周部には、図20に示すように所定の間隔をおいて複数の磁石MG1a、MG1b、MG1c、MG2、MG3、MG4、MG5、MG6(以下、全体をMGと総称する。)が固定されている。これらの磁石MGの周囲を現像スリーブ111cが回転されるわけである。
現像スリーブ111cとしては、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体が用いられ、円筒形の該現像スリーブ111cが不図示の回転駆動機構によって磁石MGのまわりを図18、図20の例では時計回りの向きに回転されるようになっている。
これらの磁石MGは、現像スリーブ111cの回転と共に現像剤を穂立ちさせつつ搬送するように磁界を形成する。これらの磁石MGから発せられる法線方向磁力線に沿うように、磁性キャリアが集合して穂が形成され、さらに、この穂が集合して磁気ブラシが形成される。穂や、磁気ブラシは磁性キャリアの集合からなり、この磁性キャリアには帯電したトナーが保持されている。
現像スリーブ111cは現像ギャップGPを介して感光体100に近接して配置されていて、双方の対向領域で現像が行われる。本例では、感光体100も現像スリーブ111cも共に筒状をしているので、凸曲面同士が近接して対向する対向領域では、現像スリーブ111cと感光体100との間隔が最も接近する位置である最接近位置を間にしてその両側に進むにつれて次第に間隔が広がるという対向面を構成する。なお、感光体100が筒状でなく、例えば、ベルト状に構成されることにより、平面状の場合でも、同じように最接近位置は構成される。図18、図19に示した例では、現像スリーブ111cの中心O1と、感光体100の中心O2とを結ぶ仮想の線上に最接近位置がある。
図20において、現像スリーブ111cの回りに、前記した第2の磁石MG1a、第1の磁石MG1b、磁石MG1c、MG2、MG3、MG4、MG5、MG6に対応して、これら磁石による磁力分布が符号P1a、P1b、P1c、P2、P3、P4、P5、P6で模式的に示すように生じている。
第1の磁石MG1b(磁力分布P1b)は最接近位置に対応して位置し、現像スリーブ111cの回転方向111R上であって、この第1の磁石MG1b(磁力分布P1b)を挟んで上記回転方向上流側に第2の磁石MG1a(磁力分布P1a)、下流側に磁石MG1c(磁力分布P1c)がそれぞれ位置している。
さらに、現像スリーブ111cの回転方向111R上であって、この磁石MG1c(磁力分布P1c)の上記回転方向下流側に、磁石MG3(磁力分布P3)、磁石MG4(磁力分布P4)、磁石MG5(磁力分布P5)、磁石MG6(磁力分布P6)が順に位置している。これらのうち、第2の磁石MG1a(磁力分布P1a)、第1の磁石MG1b(磁力分布P1b)、磁石MG1c(磁力分布P1c)は、現像スリーブ111cと感光体100との対向領域に位置している。
この現像装置110Aを用いた本発明の現像方法は、少なくとも第2の磁石MG1a(磁力分布P1a)及び第1の磁石MG1b(磁力分布P1b)により形成される磁気ブラシの立ち上がりから寝るまでの動作態様を利用して行なう。
磁石MG1c(磁力分布P1c)は隣り合う第1の磁石MG1b(磁力分布P1b)の形成する磁力の半値幅を、磁石MG6(磁力分布P6)は隣り合う第2の磁石MG1a(磁力分布P1a)の形成する磁力の半値幅を、それぞれ磁気ブラシの上記動作態様が現像に効果的に行なわれるように所定の狭い幅に規制する。これにより、現像性能を高めることができる。
図21(a)において、本例では、全ての磁石MGは互いに隣り合うことで互いに磁石の形成する磁力の半値幅を規制する関係にあり、相互に協働して、各磁石(磁力分布)の機能を有効に果たし得るような磁石の形成する磁力の半値幅の値を設定している。
磁石の形成する磁力の半値幅を狭くすることにより、穂が立ち上がり、そして寝るという動作が急激に(速く)行なわれて磁気ブラシはカクカク動くようになる。このため、磁気ブラシの動きが速くなり、穂の形態が乱されるなど攪乱効果を生じて磁性キャリアからのトナーの分離、飛翔が起こり易くなると考えられる。また、現像剤が感光体に接触している時間を短くできるため、磁性キャリアへのカウンターチャージの誘起も起こり難くなると考えられる。
磁石MG4(磁力分布P4)は現像スリーブ111c上に現像剤を汲み上げる機能を有する。磁石MG3(磁力分布P3)は穂切れ極である。磁石2、磁石5、磁石6(磁力分布P2、P5、P6)は現像スリーブ111c上に汲み上げられた現像剤を対向領域まで搬送する機能を有する。
これら各磁石MG1a(磁力分布P1a)、MG1b(P1b)、MG1c(P1c)、MG2(P2)、MG3(P3)、MG4(P4)、MG5(P5)、MG6(P6)の中心は現像スリーブの半径方向に向けて配置されている。
本例では磁石を8極で構成し現像スリーブ111cと感光体100との対向領域では3つの磁石(磁石MG1a、磁石MG1b、磁石MG1c)を設けているが、遊離トナーをより多く発生させるためには、磁石を4つ以上設けてもよい。
現像剤の汲み上げ性、黒ベタ画像追従性を向上させるために、磁石P3からドクターブレード114の間に磁石を増やして10極や12極で構成しても良い。
第2の磁石MG1a、MG1b、MG1cは、この順で現像スリーブ111cの回転方向111R上流側から並ぶ横断面の小さな磁石から構成されており、これら磁石は希土類金属合金により作製されている。
本例では、図21(a)に示すように、第1の磁石MG1b、磁石MG2、磁石MG3、磁石MG6がN極をなし、磁石MGa、MG1c、磁石MG5がS極をなしている。例えば第1の磁石MG1bとして、現像ローラー上で85mT以上の法線方向磁力を有する磁石が用いられた。例えば60mT以上の磁力を有すれば、磁性キャリア付着などの異常画像の発生が無いことが確認されている。これよりも小さい磁力の場合には磁性キャリア付着が発生した。
第2の磁石MG1a、第1の磁石MG1b、磁石MG1cの各磁石幅は2mmであった。この時の磁力分布P1bの磁力の半値幅は16°であった。更に磁石の幅を狭くすることで、磁力の半値幅は更に細くなることが確認された。1.6mm幅を用いた際の第1の磁石MG1bによる磁力分布P1bの磁力の半値幅は12°であった。
第1の磁石MG1bと第2の磁石MG1a、磁石MG1cなど磁石の位置関係を示した図21(b)において、磁力分布P1a、磁力分布P1cの各磁力の半値幅は35°以下に形成する。この部分での磁力の半値幅は外側に位置する磁力分布P2や磁力分布P6の磁力の半値幅が大きいために磁力分布P1bでのように半値幅を相対的に狭く設定することができない。
第1の磁石MG1bと第2の磁石MG1a、磁石MG1cの位置関係については、第1の磁石MG1bの両側にある第2の磁石MG1a、磁石MG1cによる挟角を30°以下に形成する。上記の例では、磁力分布P1bでの半値幅を16°に設定するために当該挟角は22°とした。更に磁石MG1a、磁石MG1cとこれら磁石の各外側にある磁石MG2、MG6とによる変極点(0mT:磁力がN極からS極、S極からN極に変わる点)の挟角を120°以下にしている。
この現像装置110Aでは、図20に示すように、固定軸111aには接地されたバイアス用の電源VPが接続されている。固定軸111aに接続された電源VPの電圧は、図19に示した導電性の軸受111e、導電性の回転部材111dを経て現像スリーブ111cに印加される。一方、図20において、感光体100を構成する最下層の導電性支持体31は接地されている。
こうして、対向領域には、磁性キャリアから離脱したトナーを感光体100側へ移動させる電界を形成しておき、トナーを感光体100側に向けて移動させることに供している。
以上、図18乃至図21で説明したように、感光体100に対向して配置され、内部に磁石MGを有する現像スリーブ111cを備え、この現像スリーブ111cがトナーとトナーを保持する磁性キャリアとを含む現像剤を表面に担持して、この担持した現像剤を感光体100との間の対向領域に搬送し、現像スリーブ111cと感光体100との間に電界を印加し、感光体100の表面上に形成されている潜像Lをトナーで現像する現像装置110Aが構成される。本発明の現像方法は、かかる現像装置110Aを用いて行なうことができる。
なお、本例の現像装置110Aはレーザー光線Lbで書き込む方式の画像形成装置と組み合わせた例としている。帯電装置101により感光体100上に一様に負極性の電荷を乗せ、書込量を少なくするために文字部をレーザー光線Lbで露光することで、低下した電位の文字部(潜像L)に負極性のトナーで現像する所謂反転現像方式を採用している。これは図5により説明した現像装置110と同じである。
この現像装置110Aでも、内部に磁石MGを有する現像スリーブ111cを感光体100に対向して配置しており、このスリーブ111c表面にトナーと磁性キャリアとを含む現像剤を層状に担持させて、不動の磁石MGに対して現像スリーブ111cを回動させることで、現像スリーブ111cと磁石間MGに速度差を与え、この速度差を利用して現像剤層を少なくとも対向領域で磁気ブラシを形成しつつ流動させ、この流動の過程で磁性キャリアから離脱した遊離トナーを感光体100上の潜像Lに付着させて現像に供することを前提としている。
(速度差)
現像スリーブ111cと磁石間MGに速度差を与える手段として、上記例では磁石MGを不動とし、現像スリーブ111cを回動させることとしたが、これに限らず、現像スリーブ111cを不動とし、磁石MGを回動させることにより現像スリーブ111cと磁石間MGに速度差を与えて、同様の現像を行なうこと、また、現像スリーブ111cと磁石MGを反対方向に回動することも可能である。
(現像ギャップ)
磁性キャリア粒径が感光体100と現像スリーブ111との間隔である現像ギャップGPは、磁気ブラシの先端部を感光体100に非接触とする。
(遊離トナーの発生)
図18、図20、図21等に示したように、現像スリーブ111cの外周面からは、その内部に設けた磁石MGにより磁力分布P1a、P1b、P1c、P2、P3、P4、P5、P6が放射状に形成されている。
遊離トナーの発生については、既に図6により説明した。ここでも遊離トナーの発生態様は前記した図6と共通である。図18、図20などにおいて、現像スリーブ111cの回転により、現像剤は該現像スリーブ111c上に担持されて該現像スリーブ111cと共に搬送される。この搬送過程で各磁力分布中を現像剤が通過するとき、磁性キャリアが穂状に集合した磁気穂が現像スリーブ111c上の現像剤層から立ち上がり、そして該磁気穂が寝るという現象がある。ここで、磁気穂は磁力分布における法線方向磁力線に沿うように形成される。
現像スリーブ111c上の現像剤層が現像スリーブ111cとともに移動し磁力分布P1aにさしかかると、法線方向磁力線(1)に沿って磁性キャリアCCが穂状に集合した磁気穂として現像剤層から分離して立ち上がる。この磁気穂は現像スリーブ111cの軸長手方向から見ると穂状をなし、磁気穂が紙面を貫く方向である現像スリーブ111cの長手方向に磁石MG1aに対向して形成されている。
現像剤層から法線方向磁力線(1)に沿って磁性キャリアCCが立ち上がるときに、該磁性キャリアCCからトナーTが離脱する。こうして磁性キャリアから離脱し空間に放たれたトナーTは磁気穂の立ち上がり側(磁気穂の現像スリーブ111c周面に対向する側の裏側)の空間に遊離する。また、磁気穂が現像剤層から立ち上がることにより現像剤層側でも現像剤に変位が生じ、この変位により現像剤層側からも磁性キャリアよりトナーが離脱されて、遊離トナーTを生じる。
さらに現像スリーブ111cの回転が進むことにより、磁気穂は、法線方向磁力線(3)から法線方向磁力線(4)に沿うように形態及び位置を変え現像スリーブ111c周面から直立状に最も立ち上がった状態となる。この変化の過程で、磁性キャリアCCからは、新たにトナーTが離脱され、磁気穂の先端部のまわりに放たれ、遊離トナーとなる。
(2つ以上の穂立ち部)
本発明の現像方法は、磁気ブラシの穂立ち部を対向領域に少なくとも2つ形成したことにある。感光体100の径に比べて現像スリーブ111cの径が小さいので、対向領域は最大限、現像スリーブ111cの投影面積に相当する「直径幅×軸方向長さ」の領域であり、これが最大対向領域ということになる。
しかし、本例では、図18に示したように、現像ケーシング115が現像スリーブ111cのまわりを囲んだ構成であり、上記最大対向領域のうち、現像スリーブ側から感光体の潜像へ付着するトナーの飛翔経路を妨げない必要な部位だけを開口させており、この開口部を介して現像スリーブ111cと感光体100とが直接対向している。
本例の現像方法では、トナー飛散を防止するなどのため、上記最大対向領域よりも、ケース115の開口部115aの回転方向111R方向での寸法を小さくしている。このため、開口部115aで制限された、上記最大対向領域よりも狭い制限された対向領域で感光体100と現像スリーブ111cとが直接対向している。
本例の現像方法において、現像領域は、磁性キャリアが集合する磁気穂が磁気ブラシを形成しているか又は現像スリーブ111c上に薄い現像剤層を形成しているかの状態に係わらず現像剤中のトナーTが感光体100に向かって現像される領域と定義される。
[ケース1]
図22は図18乃至図21に示した現像装置の基本構成のもとで、磁気ブラシ、穂立ち部等を示している。図22において、前記磁力分布P1a、P1b、P1cでの磁気ブラシをそれぞれ符号BR1a、BR1b、BR1cで示す。これらの磁気ブラシは図6で説明したような磁気穂が多数の法線方向磁力線(1)〜(7)に沿って集合したもので、外観上の形状はそれほどの変化はないが、各磁気穂を構成する磁性キャリアはトナーを保持しつつ流動し、この流動の過程で磁性キャリアからトナーを離脱して遊離トナーを生じさせる。
磁気ブラシは多数の磁気穂からなり、空間に位置を占める。この多数の磁気穂の示す空間領域をブラシの穂立ち部と称する。磁気ブラシBR1、BR2、BR3の各穂立ち部をそれぞれ穂立ち部SP1a、SP1b、SP1cで示す。このように、対向領域で3つの穂立ち部がある。
本例では、図22に示すように、対向領域内での最近接位置(中心O1と中心O2とを結ぶ仮想線上の位置)に磁気ブラシBR1b及び穂立ち部SP1bが形成されると共に、該最接近位置よりも現像剤の搬送方向の上流側の位置に磁気ブラシBR1a及び穂立ち部SP1aを形成しており、これら何れの磁気ブラシBR1a、BR1bも感光体100とは非接触である。
穂立ち部SP1bは感光体100に対して最も近い最接近位置に対応して位置している第1の磁石MG1b(磁力分布P1b)により形成され、穂立ち部SP1aはこの穂立ち部SP1bよりも回転方向111R(現像剤の搬送方向と同義)上流側に配置された第2の磁石MG1a(磁力分布P1a)により形成される。
図22において、上流側の穂立ち部SP1aについては前記領域A0相当の磁性キャリアCCの穂の立ち上がりから穂が寝るまでの領域[A0]での遊離トナーが現像スリーブ111cの回転に伴い、下流側に寄せられる傾向がある。さらに、法線磁力線(4)よりも磁気穂が寝る側で多くの遊離トナーTがより感光体100に近づく側に生じて現像に供される。また、穂立ち部SP1aの下流側の穂立ち部SP1bについても前記領域A0に相当する領域[A0]がある。
図22に示した例では、対向領域で3つの穂立ち部SP1a、SP1b、SP1cが形成されている。これらの穂立ち部における磁気ブラシから遊離トナーを生じさせて現像する場合、これら穂立ち部のうちで最上流側の位置にある穂立ち部SP1aと、最接近位置にある穂立ち部SP1bにより潜像の付着すべき部位に十分にトナーは付着がなされていわば、飽和状態となるため、穂立ち部SP1bの下流側に位置する穂立ち部SP1cでは現像は殆ど行なわれない。
なお、現像スリーブ111cと感光体100との間に印加される電界が交番電界のもとでは、穂立ち部SP1b下流側でトナーの振動が起こり、潜像電位に整えられてトナー付着がなされる。
本例で穂立ち部SP1cが現実に存在している例が示されているのは、第1の磁石MG1b(磁力分布P1b)の半値幅を最接近位置に狭い半値幅で設定するために当該第1の磁石MG1b(磁力分布P1b)に隣接して第1の磁石MG1b(磁力分布P1b)を設けなければならず、そのため、第1の磁石MG1b(磁力分布P1b)により自動的に穂立ち部SPcが生じているのである。
例えば、磁石MGの構成を変えたり、現像スリーブの径を変えたり、ケース115を形状、寸法を変えたりすることにより、図22に示された構成において穂立ち部SP1a、SP1bだけが存在する構成、或いは対向領域内で最接近位置の近傍を含むそれより上流側に少なくとも2つ以上の穂立ち部を構成することができれば本発明の課題は達せられる。
[ケース2]
本例では前記図22に示した構成をベースに、つまり、現像ギャップを適宜に設定することで磁気ブラシを感光体100に非接触とする構成をベースに、さらに、前記図18乃至図21に示した現像装置の基本構成の場合よりも、固定軸111aを回動させることにより、第1の磁石MG1bの中心を最接近位置である中心O1、中心O2を結ぶ仮想の仮想の線よりも現像剤の搬送方向(回転方向111c)の下流側に傾けた配置にしている。
図23に示した穂立ち部は、前記[ケース1]のもとで、第1の磁石MG1b(磁力分布P1b)の磁気力のピーク位置である中心線(法線磁力線(4))を最接近位置(中心O1と中心O2とを結ぶ仮想線)よりも現像剤の搬送方向(回転方向111R)での下流側に傾き角θ傾けることにより構成可能である。つまり、磁力分布P1a〜P1c(磁石MG1a〜MG1c)を回転方向111Rに回動し、他の磁力分布P2〜P6(磁石MG2〜MG6)は前記した基本構成の位置にあるように設定する。
これにより、現像スリーブ111cまわりに形成される穂立ち部SP1a、SP1b、SP1c及び磁気ブラシBR1a、BR1b、BR1cの位置が図22に示した[ケース1]の場合よりも全体として下流側に角度θシフトした形となり、最接近位置(中心O1と中心O2とを結ぶ仮想線上の位置)を間にしてその現像剤の搬送方向上で、上流側の位置に穂立ち部SP1a、下流側の位置に穂立ち部SP1bがそれぞれ形成される。本例では、磁気ブラシBR1b、BR1aが感光体100に非接触である。
本例では、前記[ケース1](図22)例に比べて、磁気ブラシBR1aが寝る領域(領域[A0]下流側)と磁気ブラシBR1bが立ち上がり始める領域(領域[A0])とに囲まれた空間(この空間は遊離トナーが多く存在する)が、感光体100に最接近することになる。本例では、前記[ケース1]に比べて、磁気ブラシBR1a、BR1b間に現像剤の存在しない空間ができるため、2つの磁気ブラシ先端の電界強度が強くなり、電源VPにより与えられる電界強度が高まり、これら磁気ブラシから生ずる遊離トナーによる現像性能が高まり、本発明の課題を達成できる良好な現像を行なうことができる。
(ライン潜像の現像)
図18乃至図23で説明した構成の現像装置110Aにより、磁気ブラシの穂立ち部を対向領域に少なくとも2つ以上形成する態様において、感光体100体に最も近い位置に配置された磁石である第1の磁石MG1b(磁力分布P1b)により前記2つの穂立ち部のうち1つの穂立ち部を形成し、この1つの穂立ち部よりも搬送方向111R上流側の位置に配置した第2の磁石MG1a(磁力分布P1a)により他の1つの穂立ち部を形成させ、前記第2の磁石MG1a(磁力分布P1a)による穂立ち部によりライン潜像に対して該ライン潜像の幅方向の中央部から現像し始め、かつ薄層(第1層)を形成し、第1の磁石MG1b(磁力分布P1b)による穂立ち部によりライン潜像に対して該ライン潜像の幅方向の中央部から現像し始めることにより高品位の現像を行うことができる。
対向領域に位置する2つ以上の穂立ち部によるライン潜像に対する現像の態様については、態様領域において穂立ち部が1つのものについて図10乃至図17により既に説明した内容に準ずるのでここでは重複した説明はしない。
なお、本発明(請求項3)、「前記第2の磁石による穂立ち部によりライン潜像に対して該ライン潜像の幅方向の中央部から現像し始め、かつ薄層(第1層)を形成し、第1の磁石による穂立ち部によりライン潜像に対して該ライン潜像の幅方向の中央部から現像し始める」におけるの意味は、その概要については、既に図1により説明したとおりであるが、さらに説明を加えると次のようになる。
感光体上の潜像部(破線で示した区間内)に時間の経過と共に、トナーがどのような位置から付着するかを図24に模式的に示した。図24(イ)、(ロ)は、第2の磁石MG1a(磁力分布P1a)による穂立ち部での現像の様子を示し、図24(ハ)、(ニ)は、第1の磁石MG1b(磁力分布P1b)による穂立ち部での現像の様子を示している。
図24(イ)に示すように、先ず、第2の磁石MG1a(磁力分布P1a)の穂立ち部により、「潜像部」と表示したライン潜像の幅方向(図中の左右方向)の中央にトナーが付着し薄層(第1層)を構成する。更に時間の経過とともに第2の磁石MG1a(磁力分布P1a)の穂立ち部による現像が終わりに近づくまでの間に図24(ロ)に示すように薄層(第1層)を構成するトナーは量を増していく。しかし、この状態でも、エッジ部にはトナーは付着していない。又は中央部に比べて付着密度は粗である。
更に時間の経過により、上記「潜像部」が第1の磁石MG1b(磁力分布P1b)による穂立ち部に至ると、図24(ハ)に示すように、上記図24(イ)、(ロ)に示した薄層(第1層)の上に、ライン潜像の幅方向(図中の左右方向)の中央からトナーが付着し薄層(第2層)を構成する。更に時間の経過とともに第2の磁石MG1a(磁力分布P1a)の穂立ち部による現像が終わりに近づくまでの間に示すように薄層(第2層)を構成するトナーは量を増していく。しかし、第2の磁石MG1a(磁力分布P1a)の穂立ち部による現像が終わる状態のもとでも、図24(ニ)に示すように薄層(第2層)を構成するトナーは、エッジ部についてのトナーの付着密度は中央部に比べて粗の傾向と呈している。
ここでは、模式的に説明したので、第1層、第2層となっているが、実際には、このようにはっきりと層が分かれるわけではない。しかし、現像を終えたときには、ライン潜像の幅方向(図中の左右方向)の中央部がエッジ部に比べてトナーの付着密度が高くなり、従来の問題であったエッジ効果が緩和される。すなわち、そのライン潜像はエッジ効果を強調されない画像となる。
これに対して、従来の現像法では、前記図1(b)の(ニ)、(ホ)、(ヘ)で説明したように、ライン潜像のエッジの部分でトナーの厚みが厚くなり、エッジ効果が強調されてしまっている。
図1(a)は本発明におけるトナー現像過程を説明した模式的説明図、図1(b)は従来の現像におけるトナー現像過程を説明した図である。 静電潜像部に形成される電界を模式的に示した図である。 画像エッジ近傍の電場と現像剤の流れの中のトナー粒子の動きを模式的に示した図である。 帯状パターンの現像濃度を示した図である。 現像装置の基本構成を説明した正面図である。 図5(a)乃至(g)は、磁気穂の変位と遊離トナーの発生を段階的に説明した図である。 像担持体上でトナーに作用する静電力を模式的に説明した図である。 像担持体上でトナーに作用する静電力を模式的に説明した図である。 画像形成装置の概略構成を説明した図である。 対向領域に穂立ち部を形成した例を説明した図である。 疑似感光体を例示した斜視図である。 くし型電極の部分拡大図である。 ラインパターンの現像状態を撮影した写真を書き写した図である。 図13におけるラインパターンの部分拡大図である。 ラインパターンの現像状態を撮影した写真を書き写した図である。 対向領域に穂立ち部を形成した例を説明した図である。 磁性キャリアの穂の状況によるトナーの離脱状況を説明するために示す模式図である。 現像装置の基本構成を説明した正面図である。 現像スリーブの断面図である。 現像装置の基本構成を説明した概略構成図である。 図21(a)は磁力分布とその大きさ程度を示した図、図21(b)は各磁石の位置関係を説明した図である。 対向領域に複数の穂立ち部を形成した例を説明した図である。 対向領域に複数の穂立ち部を形成した例を説明した図である。 図24(イ)〜(ロ)は本発明におけるトナー現像過程を説明した模式的説明図である。
符号の説明
111 現像剤担持体
100 像担持体
CC 磁性キャリア
T トナー

Claims (19)

  1. 内部に磁石を有する現像剤担持体を像担持体に対向して配置し、この現像剤担持体表面にトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を層状に担持させて該像担持体表面上に形成される潜像をトナーで現像する現像方法において、
    前記現像方法は、磁性キャリアを前記像担持体に非接触とし、ライン潜像に対して潜像の幅方向の中央部から現像し始めることを特徴とする現像方法。
  2. 内部に磁石を有する現像剤担持体を像担持体に対向して配置し、この現像剤担持体表面にトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を層状に担持させて、前記現像剤担持体と前記磁石間に速度差を与えることにより前記二成分現像剤層を前記像担持体との少なくとも対向領域で磁気ブラシを形成しつつ流動させ、この流動の過程で磁性キャリアから離脱した遊離トナーを前記像担持体上の潜像に付着させて現像に供する現像方法であって、
    前記現像方法は、ライン潜像に対して該ライン潜像の幅方向の中央部から現像し始めることを特徴とする現像方法。
  3. 請求項2に記載の現像方法において、
    内部に磁石を有する現像剤担持体を像担持体に対向して配置して対向領域をつくり、この磁石のまわりを当該現像剤担持体を前記二成分現像剤の搬送方向に回転駆動させ、この現像剤担持体表面にトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を層状に担持させて、前記現像剤担持体と前記磁石間に速度差を与えることにより前記二成分現像剤層を前記像担持体との少なくとも対向領域で磁気ブラシを形成しつつ流動させ、この流動の過程で磁性キャリアから離脱した遊離トナーを前記像担持体上の潜像に付着させて現像に供する現像方法において、
    前記磁気ブラシの穂立ち部を前記対向領域に少なくとも2つ形成し、前記対向領域で前記穂立ち部を形成する磁石であって前記像担持体に最も近い位置に配置された磁石である第1の磁石により前記2つの穂立ち部のうち1つの穂立ち部を形成し、前記1つの穂立ち部よりも前記搬送方向上流側の位置に配置した第2の磁石により他の1つの穂立ち部を形成させ、
    前記第2の磁石による穂立ち部によりライン潜像に対して該ライン潜像の幅方向の中央部から現像し始め、かつ薄層(第1層)を形成し、第1の磁石による穂立ち部によりライン潜像に対して該ライン潜像の幅方向の中央部から現像し始めることを特徴とする現像方法。
  4. 請求項3記載の現像方法において、
    少なくとも、前記像担持体と前記現像剤担持体との前記対向領域内での最接近位置と、この最接近位置よりも前記二成分現像剤の搬送方向の上流側の位置で前記穂立ち部を形成することを特徴とする現像方法。
  5. 請求項3記載の現像方法において、
    少なくとも、前記像担持体と前記現像剤担持体との前記対向領域内での最近接位置を間にして、この最接近位置よりも前記二成分現像剤の搬送方向での上流側の位置と下流側の位置でそれぞれ前記穂立ち部を形成することを特徴とする現像方法。
  6. 請求項5記載の現像方法において、前記第1の磁石の中心を前記最接近位置よりも前記現像剤の搬送方向の下流側に傾けた配置により、前記上流側の位置と前記下流側の位置のそれぞれに前記穂立ち部を形成することを特徴とする現像方法。
  7. 請求項2乃至9に記載の現像方法において、
    内部に磁石を有する現像剤担持体を像担持体に対向して配置し、この現像剤担持体表面にトナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を層状に担持させて、前記現像剤担持体と前記磁石間に速度差を与えることにより前記二成分現像剤層を前記像担持体との少なくとも対向領域で磁気ブラシを形成しつつ流動させ、この流動の過程で磁性キャリアから離脱した遊離トナーを前記像担持体上の潜像に付着させて現像に供する現像方法であって、
    前記現像方法は、磁気ブラシ先端と像担持体とが最接近した位置で、ライン潜像のエッジ部分を現像することを特徴とする現像方法。
  8. 請求項2乃至7記載の現像方法において、
    トナー離脱により当該磁性キャリアに残る反対電荷(カウンターチャージ)が現像阻害効果を生じなくなる程に減少したのち、当該磁性キャリアがライン潜像部を通過するように、像担持体と現像剤担持体との速度、像担持体と現像担持体との間隔(現像ギャップ)および磁性キャリアの抵抗を定めて現像を行なうことを特徴とする現像方法。
  9. 請求項2乃至8に記載の現像方法において、
    前記現像方法は、前記現像領域内で、磁性キャリアの集合した穂が立ち上がる時にトナーを離脱させて、この離脱させた遊離トナーで現像することを特徴とする現像方法。
  10. 請求項2乃至9の何れかに記載の現像方法において、
    前記対向領域で前記像担持体に前記穂立ち部を非接触状態で現像することを特徴とする現像方法。
  11. 請求項2乃至10の何れかに記載の現像方法において、
    前記遊離トナーの発生領域は、前記像担持体と前記現像剤担持体との最近接位置より現像剤移動方向の上流側にある領域であることを特徴とする現像方法。
  12. 請求項2乃至11の何れかに記載の現像方法において、
    前記遊離トナーの発生領域は、前記像担持体と前記現像剤担持体との最近接位置を含む領域であることを特徴とする現像方法。
  13. 請求項2乃至12の何れかに記載の現像方法において、
    前記現像方法は、磁性キャリアの集合した穂が磁気ブラシを形成しつつ流動させ、この流動の過程で磁性キャリア表面から離脱させる遊離トナーの発生領域を、現像剤担持体が有する磁界発生手段で調整することを特徴とする現像方法。
  14. 請求項2乃至13の何れかに記載の現像方法において、
    前記現像方法は、現像剤担持体上で磁性キャリアが集合した穂が立ち上がるときに、前記磁界発生手段により、磁気ブラシの先端が現像剤担持体上の磁性キャリアの集合した現像剤層から分離し、磁性キャリアからトナーを離脱させて遊離トナーを生ぜしめて行うことを特徴とする現像方法。
  15. 請求項2乃至14の何れかに記載の現像方法において、
    前記現像方法は、前記現像剤担持体(Vs)と前記像担持体(Vp)との線速比(Vs/Vp)は、0.9<Vs/Vp<4の範囲にあることを特徴とする現像方法。
  16. 請求項2乃至15の何れかに記載の現像方法において、
    前記現像方法は、現像領域内で磁性キャリア表面から離脱させる遊離トナーを、像担持体と現像剤担持体との間に印加する電界で現像させることを特徴とする現像方法。
  17. 請求項2乃至16の何れかに記載の現像方法において、
    前記現像方法は、印加する電界が、交番電界であることを特徴とする現像方法。
  18. 像担持体に対向して配置され、内部に磁石を有する現像剤担持体を備え、この現像剤担持体がトナーとトナーを保持する磁性キャリアとを含む二成分現像剤を表面に担持して、現像領域に搬送し、現像剤担持体と像担持体の間に電界を印加し、像担持体表面上に形成される潜像をトナーで現像する現像装置において、
    前記現像装置は、請求項1乃至20のいずれかに記載の現像方法により現像することを特徴とする現像装置。
  19. 光導電性を有し、表面に潜像を形成する像担持体と、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体に対向して配置され、表面にトナーとトナーを保持する磁性キャリアを収納し、像担持体表面にトナー像を形成する現像装置と、像担持体表面に形成されるトナー像を記録部材に転写する転写装置とを有する画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、請求項18に記載の現像装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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