JP4820280B2 - 電子チケット発券システム及び電子チケット発券方法 - Google Patents
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Description
そこで、発券無しで中長距離列車に乗車できる方法として、ICカードとインターネット予約・決済とを組み合せた特開2003−281240号公報により開示されるように、座席予約システムがある。これは、予め利用者がPC(Personal Computer)から利用区間、時間帯、日付を入力して座席を仮予約しておくと、仮予約した利用者IDと列車毎に確保されている不確定座席枠のリストが駅管理装置と改札機に配信され、利用者が改札機を通過するタイミングで改札機がICカードの利用者IDと予め配布されているIDが一致するか否かを判断し、一致する場合はそのまま乗車できるという方式である。これにより、予めPCで仮予約さえしておけば、当日駅で発券する手間無く、仮予約した時間帯内で空いている最も早い列車に乗ることができるようになる。
第1に、特許文献1の方式は、仮予約利用者向けの不確定座席枠を実際の座席の運用状況や列車運行状況から統計手法を用いて推測し、それに基づいて所定の座席枠を列車毎に動的に確保する不確定座席枠確保手段を有するが、この推測が難解である。また、実際に列車を利用した仮予約者の人数以上の不確定座席枠数を設定してしまった場合に一般利用者用として発売できるはずであった席数を減らしてしまうこととなり、結果的に乗車効率を下げ、旅客会社の減収につながりかねない。
第2に、特許文献1の方式は、駅に配布した不確定座席枠で売れ乗った座席をいったん座席予約システムセンタに戻した後に、座席予約システムセンタで不確定座席枠確定処理を行い、次の停車駅の駅管理装置に不確定座席枠を配信するが、複数システム間を跨いだ処理ステップ数が多いため、停車駅間隔が短い場合等は列車が次の駅に停車するまでに不確定座席枠配信が間に合わない場合も容易に想定される。
図1は、本実施の形態における電子チケット発券システムの構成を示すブロック図である。この図1に示すように、本実施の形態の電子チケット発券システム100は、座席予約システムセンタ1と、電子チケット発券システム100を運用するそれぞれの停車駅に設置する駅サーバ2とから構成され、それぞれの停車駅の駅サーバ2は、さらに、駅管理装置3の各機器と接続する。図1では、駅サーバ2を1つしか示していないが、駅サーバ2はそれぞれの停車駅に設置されているものとする。ここで、座席予約システムセンタ1と駅サーバ2との間の接続、及び駅サーバ2と駅管理装置3との間の接続は、例えば、専用線を使用して接続されている。
ここで、基本列車パターンとは、「駅要件(乗降駅)」「座席要件(自由席のみ、指定席のみ、自由席優先、指定席優先)」「車両要件(普通車のみ、優待席のみ、普通車優先、優待席優先)」の3要件の組み合わせであるものとする。なお、優待席とは、例えば普通車よりも値段が高く、座席の質が良いもの(例えば、グリーン車)をいう。
また、駅サーバ2は、駅管理装置3と接続し、駅管理装置3は、表示モニタ31と改札機32とから構成される。
さらに、送受信部26は列車がA駅を発車すると、A駅用指定席在庫ファイル25から所定条件で未発売座席を抽出し、次の停車駅であるB駅のB駅サーバの送受信部26へ送信する。
在庫割当部21は、改札機32から受信した会員利用者の基本列車パターンが非在庫型券の場合、会員利用者の基本列車パターンに基づいて、A駅用列車ファイル24を検索し、該当列車が有る場合は乗車OKの回答を改札機32へ送信すると同時に、座席予約システムセンタ1の会員管理部13へ売上履歴(発売情報、会員番号)を送信する。また、検索結果が、該当列車が無い場合は乗車NGの回答を改札機32へ送信する。
改札機32から受信した会員利用者の基本列車パターンが在庫型券の場合は、まず会員利用者の基本列車パターンに基づいて、A駅用列車ファイル24を検索し該当列車が有るか否かを判定後、さらにA駅用指定席在庫ファイル25を検索し未発売座席が有る場合は、乗車OKの回答を改札機32へ送信すると同時に、当該座席のステータスを発売済みに更新し、座席予約システムセンタ1の会員管理部13へ売上履歴(発売情報、会員番号)を送信する。基本列車パターンに該当する列車が無いか、又は、未発売座席が無い場合は乗車NGの回答を改札機32へ送信する。
また、在庫割当部21は、所定時間サイクルでA駅用列車ファイル24をチェックし、当駅の発車時刻が過ぎた列車がある場合は、当該列車のレコードをA駅用列車ファイル24から削除すると同時に、A駅用指定席在庫ファイル25から後続駅区間で未発売状態の座席があるレコードを抽出し、抽出したレコードについて未発売状態が始まる駅サーバ2へ当該座席レコードを送信する。
ICカード4は、表示装置41と記憶領域42とから構成される。記憶領域42は、会員番号と、基本列車パターンと、発売座席情報(列車名、座席番号)とを記憶する領域を有する。ICカード4は、後記する会員用端末6から入力される会員番号と基本列車パターンとを記憶領域42へ記憶し、改札機32から発売座席情報を受信して記憶領域42へ記憶する。
そして、改札機32は、駅サーバ2の在庫割当部21から乗車OKの回答を受信したときは、ラッチを開け、発売座席情報(列車名、座席番号)をICカード4に送信する。一方、駅サーバ2から乗車NGの回答を受信したときは、ラッチを開けずに、通過不可メッセージを改札機32に付随した画面に表示する。
なお、携帯電話5の場合も同様であるため、説明は省略する。
ここで、図1に沿って、本実施の形態の運用について説明する。
まず、本実施の形態の利用者は、電子チケット発券システム100の会員登録されていることが前提となり、登録済み会員は専用のICカード4又は携帯用会員アプリケーション51をダウンロードした携帯電話5を利用する。
利用者の会員登録時には、会員氏名、住所・電話番号及び決済するクレジット番号を含む基本的な個人情報を登録する。専用ICカード4を利用する会員は、登録時の初期設定又は会員自身が会員用端末6を用いて基本列車パターンを設定する。携帯電話5を利用する会員は、携帯用会員アプリケーション51を起動し基本列車パターンを設定する。
なお、基本列車パターンで設定する情報は「駅要件(乗降駅)情報」「座席要件(自由席のみ、指定席のみ、自由席優先、指定席優先)情報」「車両要件(普通車のみ、優待席のみ、普通車優先、優待席優先)情報」の3要件である。
これによって、利用者は、新幹線、特急列車等に、駅で乗車券の発券をすることなく、乗りたい列車にすぐ飛び乗ることができる。特に、通勤や同じ場所への定期的な出張等で乗降駅がある程度固定されている利用者にとって有益である。
なお、運賃料金の支払いについて、クレジット口座引き落としのポストペイ方式ではなく、改札入場時に予め携帯用会員アプリケーション51やICカード4に入金しておいた額から運賃料金分を引き落とすプリペイド方式をとっても良い。
これにより、乗車可能列車及び未発売座席の有無の判定についての性能向上を図ることができる。
なお、フォーマットは、座席予約システムセンタ1の列車ファイル16と同様であるため、説明は省略する。なお、各駅用列車ファイル24は、列車管理期間分当該ファイルにて管理する。
なお、販売未済情報は、「0」は未発売状態であり、「1」は発売済み状態を示す。後記する図5、図9及び図10も同様とする。
なお、フォーマットは、座席予約システムセンタ1の指定席在庫ファイル17と同様であるため、説明は省略する。
図6乃至図8のフローチャートに沿って、本実施の形態の全体の動作概要について説明する。
まず、最初に、会員登録された利用者は、専用のICカード4又は携帯用会員アプリケーション51をダウンロードした携帯電話5を使用する。
専用ICカード4を利用する会員は、登録時の初期設定で、又は、会員自身が会員用端末6を用いて基本列車パターンを入力すると、会員用端末6は、ICカード4の記憶領域42に入力した基本列車パターン情報を記憶する(ステップS101)。
携帯電話5を利用する会員は、携帯用会員アプリケーション51を起動し基本列車パターンを入力すると、携帯用会員アプリケーション51は、携帯電話5の記憶領域52に入力した基本列車パターン情報を記憶する(ステップS101)。
なお、基本列車パターンは、前記したとおり、駅要件情報、座席要件情報及び車両要件情報の3要件である。
基本列車パターンの座席要件が指定席等の在庫型券の場合は、A駅用指定席在庫ファイル25(図5参照)に未発売座席が有るか否かを併せて判定する(ステップS104)。すなわち、A駅用指定席在庫ファイル25の列車番号に対するレコードのうち、基本列車パターンの駅要件の乗車駅から降車駅までの座席が未発売状態(ステータス=0)のものが有るか否かで判定する。
該当する割当列車が無い場合は(S104の割当列車無し)、改札機32へNO回答を送信する。
該当する割当列車が有る場合は(S104の割当列車有り)、割当列車データ及び割当座席データを含むYES回答を編集し、改札機32へ送信する(ステップS105)。
ここで、割当列車データとは、チケット番号、列車番号、列車名、発車駅、降車駅、発車時刻及び降車時刻を示し、割当座席データとは、チケット番号、座席番号、号車、座席要件(自由席又は指定席)と車両要件(普通車又は優待席)を含む種別を示す。
YES回答の場合は(ステップS107のYES回答)、割当列車データ及び割当座席データをICカード4又は携帯電話5へ送信し、改札ラッチを開ける。
NO回答の場合は(ステップS107のNO回答)、改札ラッチを閉じる。
駅サーバ2は、在庫割当部21が座席を割当てた場合、座席予約システムセンタ1の会員管理部13へ割当列車データ、割当座席データ及び会員IDを含む発売ジャーナルを送信する(図6ステップS106参照)。
運賃料金計算部12は、計算した運賃料金データの回答電文を編集し、会員管理部13へ送信する(ステップS204)。回答を受信した会員管理部13は、回答に係る運賃料金データを会員発売実績ファイル20に記憶する(ステップS205)。
そこで、座席予約システムセンタ1の在庫管理部11は、始発A駅発車N分前の列車に該当するレコードを列車ファイル16(図2参照)から抽出し、当該列車に基づく座席に関してA〜B駅区間が未発売状態(ステータス=0)である座席在庫を、指定席在庫ファイル17から抽出し、A駅サーバ2aへ送信する(ステップS301)。
例えば、A駅発車N分前時点での座席予約システムセンタ1の指定席在庫ファイル17はステップS302実行後、図4から図9に遷移する。A駅発車N分前時点で、図4の指定席在庫ファイル17のA〜B駅区間は、座席「1B」、「1D」、「1E」及び「2C」が未発売状態(ステータス=0)であるが、ステップS301では、座席「1B」「1D」「1E」「2C」のレコードを抽出し、A駅サーバ2aへ送信する。このとき、図9で示すように、A駅サーバ2aへ送信した当該座席の駅区間が全て発売済み状態に変更される。
座席予約システムセンタ1の指定席在庫ファイル17のレコードのうちB〜C駅区間が発売済みのレコードは抽出せず座席予約システムセンタ1へ残すことにより、無駄なデータ処理を省くことができ、抽出時間の短縮化を図ることができる。また、B駅発車N分前に制限することにより、B駅発車N分前までは、座席予約システムセンタ1は、既存端末や既存チャネルからの依頼を受けて、継続して発売をすることができる。
また、ある停車駅で売れ乗った未発売座席を一旦座席予約システムセンタ1に戻した後、駅サーバ2へ未発売座席を配信していないため、停車駅間隔が短い場合等は列車が次の駅に停車するまでに配信が間に合わないということはない。
2 駅サーバ
11 在庫管理部
16 列車ファイル
17 指定席在庫ファイル
21 在庫割当部
24 A駅用列車ファイル
25 A駅用指定席在庫ファイル
26 送受信部
100 電子チケット発券システム
Claims (5)
- 座席予約サーバと、前記座席予約サーバにネットワークで通信可能とされる各停車駅に配置される駅サーバと、を含んでなる電子チケット発券システムであって、
前記座席予約サーバは、
当日発車する発券無し乗車が可能な列車の列車情報を記憶する列車ファイルと、指定席の販売未済情報を座席単位に記憶する指定席在庫ファイルと、を備えた記憶装置と、
発券無し乗車が可能な列車の列車レコードを列車ファイルから抽出し、前記停車駅の駅サーバに送信し、前記列車と前記停車駅とに基づき、前記停車駅と次停車駅間の未発売の座席レコードを前記指定席在庫ファイルから抽出し、前記停車駅の駅サーバに送信する在庫管理部と、を有し、
前記駅サーバは、
発券無し乗車が可能な列車一覧を記憶する駅列車ファイルと、指定席の販売未済情報を座席単位に記憶する駅指定席在庫ファイルと、を備えた記憶装置と、
前記座席予約サーバから送信される列車レコードと座席レコードの受信、及び前記駅サーバより前の停車駅の駅サーバから送信される座席レコードを受信する送受信部と、
前記送受信部により受信された列車レコードを駅列車ファイルに追加し、前記送受信部により受信された座席レコードを用いて前記駅指定席在庫ファイルを更新し、発券無し乗車が可能な列車が発車後、前記駅列車ファイルから発車済み列車レコードを削除し、後続停車駅の未発売の座席レコードを前記駅指定席在庫ファイルから抽出し、抽出した座席レコード毎に座席が未発売となる最初の後続停車駅の駅サーバに送信する在庫割当部と、を有することを特徴とする
電子チケット発券システム。 - 請求項1に記載の電子チケット発券システムであって、
前記駅サーバと通信可能とする改札機を有し、
会員識別子と発券無し乗車要件である基本列車パターンとを記憶する記憶領域を有した媒体を用いて、利用者が前記改札機を通過する際、
前記在庫割当部は、
前記改札機から受信した前記媒体の前記記憶領域に記憶された会員識別子と基本列車パターンに基づき、前記駅列車ファイルと前記駅指定席在庫ファイルとから該当列車が有るか否かを判定し、該当列車が有る場合には、前記改札機に該当列車及び座席情報を含む該当列車有りの回答を送信することを特徴とする
電子チケット発券システム。 - 請求項2に記載の電子チケット発券システムであって、
前記媒体の記憶領域に記憶された基本列車パターンの登録又は変更する会員用端末を有することを特徴とする
電子チケット発券システム。 - 請求項2又は請求項3に記載の電子チケット発券システムであって、
前記媒体の記憶領域を表示する表示装置を有することを特徴とする
電子チケット発券システム。 - 当日発車する発券無し乗車が可能な列車の列車情報を記憶する列車ファイルと、指定席の販売未済情報を座席単位に記憶する指定席在庫ファイルと、を記憶する記憶領域を有する座席予約サーバと、
発券無し乗車が可能な列車一覧を記憶する駅列車ファイルと、指定席の販売未済情報を座席単位に記憶する駅指定席在庫ファイルと、を記憶する記憶領域を有し、前記座席予約サーバにネットワークで通信可能とされる各停車駅に配置される駅サーバと、を含んでなる電子チケット発券システムにおける電子チケット発券方法であって、
前記座席予約サーバは、
発券無し乗車が可能な列車の列車レコードを前記列車ファイルから抽出し、前記停車駅の駅サーバに送信し、前記列車と前記停車駅とに基づき、前記停車駅と次停車駅間の未発売の座席レコードを前記指定席在庫ファイルから抽出し、前記停車駅の駅サーバに送信し、
前記駅サーバは、
前記駅サーバより前の停車駅の駅サーバから送信される座席レコードを受信し、
前記座席予約サーバから送信される列車レコード及び座席レコードを受信し、
前記受信された列車レコードを駅列車ファイルに追加し、前記受信された座席レコードを用いて前記駅指定席在庫ファイルを更新し、発券無し乗車が可能な列車が発車後、前記駅列車ファイルから発車済み列車レコードを削除し、後続停車駅の未発売の座席レコードを前記駅指定席在庫ファイルから抽出し、抽出した座席レコード毎に座席が未発売となる最初の後続停車駅の駅サーバに送信することを特徴とする
電子チケット発券方法。
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