JP4819761B2 - 検査データ収集システム - Google Patents

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Description

本発明は、放射線管理区域での物品や人の移動、又は、放射性物質を含む物を搬出する等の際に行なわれる放射能汚染検査や放射線線量検査を支援したり、そのとき取得される検査データの管理を行ったりする検査データ収集システムに関する。
近年、ISO(International Organization for Standardization)9000規格にもとづく品質管理の監査等において、製品検査や物品検査等についての高度なトレーサビリティが求められるようになってきた。特に放射線測定器により得られる測定値は、信頼性と高いトレーサビリティが求められるようになってきた。従来は、1つの検査項目に対して複数の検査データを測定する検査であっても、その検査に対してどのような放射線測定器を使用したかをトレースできれば良いとされていたものが、次第に、検査データ1つ1つに対してどの放射線測定器で測定したかを明らかにし、その測定値をトレースできるようにしなければならなくなってきた。
放射線管理区域での物品や人の移動、又は、放射性物質を含む物を搬出する際に行なわれる放射能汚染検査や放射線線量検査は、検査報告書には、通常、検査項目名とそれに対応する検査データを記載し、それに追記する形で、その検査に使用した放射線測定器の名称や、放射線測定器の識別番号等を列記していた。
この方法では、データの転記間違いが生じる可能性がある。また、測定値と放射線測定器との関係付けを証明する必要があった。その為に、二重チェックや二重測定等の手段を講じる等の煩雑な手順が必要であった。
もし、データの記載間違いを生じ、後になってそれが発覚した場合には、検査のやり直し等の余分な工数と費用が必要になる。また、検査報告書の記載データが手入力のため、作成煩雑な作業になっている。
以上のように放射線管理区域での物品の移動や放射性物質を含む物を搬出する等の際に行なわれる放射能汚染検査や放射線線量検査の現状の課題に対し、従来、十分な品質管理の対策が実施されていない。例えば、特許文献1には、原子力施設解体の際に発生する廃棄物及びその収容容器にデータキャリアを付けて放射能管理を行うことが記載されている。
特開2001−141887号公報
しかしながら、特許文献1の例では、データキャリアに記録された放射能量の情報と、その放射線測定器を使用する検査行為の間には、何らの関係付けも明記されていない。従って、物品の放射能汚染検査や放射線線量検査において、測定されたデータの記載間違いが生じる等の可能性があり、二重チェックや二重測定等の煩雑な手段を講じる必要がある。
本発明の目的は、前記した課題を解決するために、放射能汚染検査や放射線線量検査の測定値1つ1つについて、それを測定した測定器のトレーサビリティを確保することが可能で、人為的な誤りによって、測定値の入力ミスを防止することが可能な検査データ収集システムを提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は、現場において放射能汚染・放射線線量を測定する放射線測定器と、放射線測定器により得られた前記測定値を取得して送信する携帯情報端末と、携帯情報端末から送信された測定値を収集する検査データ管理サーバ計算機と、収集された測定値を格納する検査データ・データベースと、放射線測定器の識別情報と校正有効期限を含む測定器情報を格納する測定器データベースと、を備え、
携帯情報端末は、
放射線測定器の識別情報を取得する識別情報取得手段と、測定値を取得する測定値取得手段と、取得した測定値を検査データ管理サーバ計算機に、通信ネットワークを介して送信する送信手段と、操作部と、表示部とを有し、
識別情報取得手段によって取得された放射線測定器の識別情報を検査データ管理サーバ計算機に送信し、測定器データベースから対応する測定器情報を取得し、測定器情報にもとづいてその放射線測定器が有効であるか否を判定し、
有効と判定したとき測定値を取得可能とし、取得した測定値を、その放射線測定器の識別情報、又は識別情報に関係付けられた所定の情報と関係付けて、送信手段により検査データ管理サーバ計算機へ送信し、
検査データ管理サーバ計算機は、
携帯情報端末から放射線測定器の識別情報を取得したとき、放射線測定器の識別情報にもとづき測定器データベースからその放射線測定器に対応する測定器情報を検索して携帯情報端末に送信し、
携帯情報端末から受信した測定値を、放射線測定器の識別情報、又は識別情報に関係付けられた所定の情報と関係付けて、検査データ・データベースに蓄積することを特徴とする。
本発明によれば、放射能汚染・放射線線量の測定値1つ1つについて、それを測定した放射線測定器のトレーサビリティを確保することが可能で、人為的な誤りによって、測定値の入力ミスを防止することが可能な検査データ収集システムを提供することができる。
《第1の実施形態:放射線管理区域内での物品移動》
本発明の第1の実施形態に係わる検査データ収集システムについて、図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1は、放射線管理区域内での物品移動の際に放射能汚染を測定する検査を行って測定値を含む検査データを取得する第1の実施形態に係わる検査データ収集システムの全体構成図である。図2は、第1の実施形態に係わる検査データ収集システムで用いられる放射線測定端末の外観図である。図3は、第1の実施形態に係わる検査データ収集システムで用いられる検査データ管理サーバ計算機の機能ブロック図である。
原子力発電所における定期的な点検工事又は日常の点検作業において、作業員は放射線管理区域内で、例えば、工具類を用いて作業を行うが、その作業終了後、放射線管理区域内の所定の位置に工具類を戻す前に、所定の検査場所において作業員や工具類が放射能汚染されていないかどうか、汚染の度合いを検査し、汚染されている場合は除染し、汚染が無いことを確認して、工具類は所定の位置に格納され、その検査の結果が原子力発電所の管理者側に報告書の形で報告される。
以下では、放射能汚染を測定する検査を「表面汚染検査」と称する。
放射線管理区域内での物品や作業員の表面汚染検査は、以下のような要領で行なわれる。図1に示すように、表面汚染検査をする測定場所には、作業件名と作業期間を表示したプロジェクトプレート83が掲示されており、プロジェクトプレート83にはRFICタグ81Bが貼付されている。この場所に、表面汚染検査を受ける対象である作業員85が物品84、例えば、工具類を移動させて来る。そこには、放射線測定端末1や作業指示書80等を携帯して検査員86が待機しており、作業員85を一人一人、物品84を一つずつ、表面汚染検査を行って測定値を収集する。
(検査データ収集システムの全体構成)
図1に示すように、検査データ収集システム100Aは、放射線測定端末1と、検査データ管理サーバ計算機(以下、単に、検査データ管理サーバと称する)4Aとが、無線ノード端末2を有する通信ネットワーク3を介して接続されて、構成されている。放射線測定端末1は、放射線測定器(以下、測定器と略称する)101と、支持部64(図2参照)で測定器101の筐体と結合された携帯情報端末103とが、有線の通信手段によって接続されて、構成されている。
なお、図1中、放射線測定端末1は、1台しか表示されていないが複数台用いても良い。
以下に、測定器101、携帯情報端末103及び検査データ管理サーバ4Aの構成を詳細に説明する。
(測定器)
図1において、測定器101は、放射能汚染又は放射線線量を測定する放射線測定器であり、内部バス12に接続したCPU14と、内部バス12に接続した計測部11、操作部13、メモリ15、表示部16、及び出力部17とを含んで構成されている。この計測部11は、測定器101が本来備える構成要素であり、GM管式や、シンチレータと光電子増倍管の組み合わせ等の図示しない放射線検出器と、放射線検出器からの信号を処理する図示しない電子回路と、その電子回路の動作を切り換える図示しないスイッチと、電子回路の出力するアナログ出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を含む。
計測部11に含まれる前記したスイッチは、操作部13からの操作により、CPU14に制御されて動作する。計測部11からの測定値であるデジタル出力信号はCPU14に入力されて、表示部16に表示されたり、通信機能を有する出力部17を介して、携帯情報端末103に出力されたりする。メモリ15には所定のプログラムが予め記憶されており、CPU14がそのプログラムを読み出して実行することにより、ユーザの操作部13の操作に応じて放射能汚染測定又は放射線線量を測定するデジタル式の測定器101として、機能させる。
操作部13は、例えば、測定器101の電源をオン/オフするON/OFFボタン、測定値の単位を切り換える単位変更ボタン、計数の開始、停止を操作する計数開始/停止ボタン、測定器101の内蔵する図示しないスピーカや照明をオン/オフするためのそれぞれのON/OFFボタン、レンジを切り換えるためのレンジ切換ボタン、ファンクションを切り換えるためのファンクション切換ボタン、GM管式を用いた測定器101の場合は、時定数又は測定時間を切り換えるためのボタン等が設けられている(図2参照)。
なお、前記した計測部11から出力部17を介して携帯情報端末103に出力される測定値は、計測部11が前記した操作部13の各種ボタンを操作されて設定されている測定モード、例えば、ファンクション切換ボタンによる表面汚染検査に使用される表面汚染密度測定のモード、表面線量当量率の検査に使用される線量当量率測定のモードの選択状態、時定数切換ボタンによる選択状態を示す識別子を付して送信される。但し、携帯情報端末103に出力される測定値は、レンジ切換ボタンによる数値の変化はなく、レンジ切換ボタンは表示部16の表示にだけ機能する。
表示部16は、計測部11が測定した測定値を表示するが、図2に示すように測定結果を目盛りのついたスケールと針で表示する表示器であっても、測定結果をデジタル表示するLCD(Liquid Crystal Display)であっても良い。
なお、計測部11の前記した電子回路の動作を切り換える図示しないスイッチや、操作部13や、表示部16や、出力部17は、内部バス12と、図示省略のインターフェース回路を介して接続している。
ここでは、出力部17から出力される信号はUSBコネクタ18a(図2参照)を一端に有するUSBケーブル18により携帯情報端末103に入力される。
図2に示す測定器101は、GM管を用いた放射能汚染及び放射線線量を測定できる測定器を例示したものであり、検出面61aを有するプローブ61が信号出力線と電源供給線を含むコード62で本体101aと接続されて、構成されている。
本体101aの上面側には測定器101を片手で持つことができるハンドル部63が設けられている。ハンドル部63の上面側には円筒内周面状の窪みが設けられ、そこにプローブ61の円筒部61cに設けられたスライド板部61bを受け入れるスライド板挟み部63aが前記円筒内周面状の窪み表面と隙間を開けて設けられており、スライド板部61bの側端部が前記隙間に挿入されることによりスライド板挟み部63aがプローブ61を保持できるようになっている。
なお、測定器101は、GM管をプローブ61として用いたものでも、他の形式、例えば、NaIシンチレータを用いるもの、電離箱型式のものを用いるものでも良い。
本体101aの側面にL字型の板材で形成した支持部64を固定して、その上面に、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)のような携帯情報端末103を取り付けてある。
ちなみに、図2では、本体101aの手前側(左側)の側面に支持部64を固定したが、逆に図2の紙面奥側の側面に支持部64を固定して本体101aの右側に携帯情報端末103を取り付けても良い。
図2に示すようにプローブ61にはRFICタグ19が貼付されている。RFICタグ19は、超小型のシリコン・マイクロチップであり、組み込まれたアンテナが、固有のシリアル番号(以下、RFICタグ識別情報(識別情報)と称する)を短距離無線で発信する。以下、後記するRFICタグ81A〜81Eも同様である。
(携帯情報端末)
次に図1及び図2を参照しながら携帯情報端末103の構成を説明する。携帯情報端末103は内部バス22に接続したCPU21と、内部バス22に接続したメモリ23、キーボード24、表示部25、入力部27、通信部28及びRFICタグ・リーダ・ライタ(以下、RFICタグR/Wと称する)29を含んで構成されている。
なお、キーボード24、表示部25、入力部27、通信部28、RFICタグR/W29は、内部バス22と図示省略のインターフェース回路を介して接続している。
ここで、入力部27は請求項に記載の測定値取得手段に、通信部28は請求項に記載の送信手段に、RFICタグR/W29は請求項に記載の識別情報取得手段に対応する。
メモリ23は図示省略するが、例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリから構成され、不揮発性のメモリであるフラッシュメモリには、放射線測定端末1用の携帯情報端末103として機能させるための検査データ収集端末用アプリケーションプログラムが予め記憶されており、CPU21がそのアプリケーションプログラムを読み出して後記する図9〜図11のフローチャートの放射線測定端末1側の動作制御を実行する。
操作キーボード24は、CPU21に対して種々の情報を入力する入力装置であり、アルファベットキー、数字キー、カーソル移動キー、リターンキー、コントロールキー等の他に、マウスの代わりをするスクロールボタンを有している。表示部25は、LCD等によって構成され、測定器101の計測部11によって得られた測定値を、入力部27を介して携帯情報端末103が取得したものを表示したり、通信部28を介して検査データ管理サーバ4Aから携帯情報端末103が取得した情報を表示したりする表示装置である。
入力部27は、メスのUSBコネクタ26とUSBケーブル18のオスのUSBコネクタ18aがコネクタ接続されることによって、測定器101の出力部17から送信される測定値等を受信し、CPU11へ測定値等を入力する。
通信部28は、検査データ管理サーバ4Aの通信部36との間で無線ノード端末2や通信ネットワーク3を介して種々の情報の送受信を行う無線通信装置である。
ここで、通信ネットワーク3は、例えば、インターネットの有線のLANやインターネット、あるいは、IEEE 802.11b規格等の無線LANで構成される。通信ネットワーク3には、通信部28との間で無線通信をする無線ノード端末2が接続されている。
RFICタグR/W29は、各RFICタグ19との間で通信を行い、RFICタグ19に記憶されているRFICタグ識別情報(識別情報)を読取る装置である。
RFICタグR/W29は、図1に示すように作業指示書80、表面汚染検査の測定場所に設置されている作業名称や作業期間等を表示するプロジェクトプレート83、物品84にそれぞれ貼付されているRFICタグ81A,81B,81Cや、作業員85、検査員87が作業衣の胸に付している個人IDカード93A,93Bに内蔵されているRFICタグ81D,81Eの各RFICタグ識別情報を読取るときにも用いる。
図2に仮想線(二点鎖線)で示すように、RFICタグR/W29は前方側に約10cm以下の距離でRFICタグ19,81A〜81Eと通信可能となっており、検査員86は、測定器101のハンドル部63を持ってRFICタグ19,81A〜81Eをスキャンする。
(検査データ管理サーバ)
次に、図1、及び図3から図8を参照しながら検査データ管理サーバの構成について説明する。
検査データ管理サーバ4Aは、例えば、パーソナルコンピュータから構成され、CPU31と、CPU31に接続する内部バス32と、内部バス32に接続するメモリ33、マウス34a、キーボード34b、表示部35、通信部36、記憶部37、プリンタ38を含んで構成されている。
なお、マウス34a、キーボード34b、表示部35、通信部36、記憶部37、プリンタ38は、図示しないインターフェース回路を介して内部バス32と接続している。
表示部35は、例えば、LCDを用いた表示装置である。通信部36は通信ネットワーク3を介して携帯情報端末103と通信する機能を有する。
記憶部37は、例えば、ハードディスク駆動装置で構成されている。記憶部37には、検査データ管理サーバ4Aとして機能させるための図示しない検査データ収集サーバ用アプリケーションプログラムが格納されており、CPU31(図1参照)は、そのアプリケーションプログラムを読み出して実行することによって検査データ管理サーバ4Aとしての機能を実現する。
記憶部37には、作業件名データベース(以下、作業件名DBと称する)41A、測定器データベース(以下、測定器DBと称する)42、検査員データベース(以下、検査員DBと称する)43、物品データベース(以下、物品DBと称する)44A、作業員データベース(以下、作業員DBと称する)45、検査データ・データベース(以下、検査データDBと称する)46A、書式データベース(以下、書式DBと称する)47Aが記憶格納される。個々のDBの内容については、後記する。
検査データ管理サーバ4Aは、図3に示すように、CPU31において前記した検査データ収集サーバ用アプリケーションプログラムを実行する際の機能構成として、携帯情報端末103からRFICタグ識別情報を受信したとき、そのRFICタグ識別情報に対応するデータを記憶部37内の各DB41A,42,43,44A,45から検索して、携帯情報端末103に送信するデータベース検索応答部(以下、DB検索応答部と称する)39a、携帯情報端末103から送信されてきた測定値等の検査データを収集する検査データ収集部39bを有している。
検査データ管理サーバ4Aは、更に、ユーザがマウス34aやキーボード34b等の入力装置を操作して、検査データDB46Aに記憶格納された検査データを読み出し、お客様ごとの届出書類の書式が予め登録された書式DB47Aから所定の書式を読み出して、届出書類の作成を支援する届出書類作成支援部(届出書類作成手段)39cを有している。
DB検索応答部39a、検査データ収集部39bの具体的な動作は図9〜図11のフローチャートの中で説明し、届出書類作成支援部39cの具体的な動作についてはその後で説明する。
次に各DB41A,42,43,44A,45,46Aの構成について説明する。
(作業件名DB)
図4は、作業件名DBに格納される作業件名データセットのレコード構成を示した図である。図4に示すように、作業件名DB41Aに格納される作業件名データセット41aのレコードは、測定場所名称411、測定場所ID412、前記した作業指示書80に貼付されたRFICタグ81B、又はプロジェクトプレート83に貼付されたRFICタグ81BのRFICタグ識別情報413、作業件名414、作業件名ID415、その作業に従事する作業員の作業員ID416、作業期間417、その他418・・・等によって構成される。図4で例示するように作業件名DB41A中の作業件名データセット41aは、1つの測定場所に対して、複数の作業件名に対するデータ(作業件名情報)を含む構成とされているので、測定場所ごとに作業件名データセット41aが作成されることを意味する。
ちなみに、その他418以降のレコードには、例えば、作業員の所属が含まれる。また、作業員IDは、別途に作業員DB45(図6参照)に登録された作業員の個人ID72のうち、その作業に従事すると前もって登録された作業員の個人ID72である。
これら各レコードは予め作業前に作業件名データセットに41aに登録される。
(測定器DB)
図5は、測定器DBのレコード構成の例を示した図である。図5に示すように、測定器DB42のレコードは、測定器名称421、測定器ID422、測定器101に貼付されたRFICタグ19のRFICタグ識別情報423、測定器型式424、製造番号425、製造者426、校正実施日247、校正有効期限428、その他の各レコードによって構成されている。測定器型式424は、GM管式サーベイメータ、NaIシンチレータサーベイメータ等の型式が表示され、その型式表示には表面汚染検査、表面線量当量率検査等の使用目的を示す情報も含まれており、これを読み取ることにより使用できるものが表面汚染検査、表面線量当量率検査のいずれなのか、それともその両方なのか携帯情報端末103で判定できるようになっている。
その他のレコード中には、例えば、測定器101がGM管式サーベイメータの場合、感度(時定数又は測定時間(秒))、1.0の計数率(cpm)をBq/cmに換算する換算定数(Bq/cm/cpm)、検出限界値(Bq/cm)が含まれる。
ここで、「感度」とは、GM管式サーベイメータにおける時定数又は測定時間(秒)のことである。「換算定数」とは、GM管式サーベイメータの場合の、計数率(cpm)を表面汚染密度(Bq/cm)に換算する定数のことである。また、「検出限界」とは、そのGM管式サーベイメータにおける検出精度のことであり、この値より小さい数値の測定値が出力されても、意味を持たない値のことである。従って、このGM管式サーベイメータを使用して、表面汚染検査の対象が放射能汚染されているとの判定は、測定値(cpm)からバックグラウンド(BG(cpm))を差し引いた結果の計数率(cpm)から換算した表面汚染密度(Bq/cm)が「検出限界値」以上のとき、「汚染されている」と判定し、「検出限界値」未満の場合、「汚染されていない」と判定する。
以上の各測定器101に対する測定器DB42のレコードの内容が請求項の測定器情報に対応する。
(検査員DB、作業員DB)
図6は、検査員DB、作業員DBのレコード構成の例を示した図である。図6に示すように、検査員DB43並びに作業員DB45のレコードは、氏名71、氏名ID72、個人IDカード93A,93B等に内蔵されているRFICタグ81D,81E等のRFICタグ識別情報73、所属74、生年月日75、性別76、職種77、資格78、届出作業件名ID79等の各レコードによって構成されている。
(物品DB)
図7は、物品DBのレコード構成の例を示した図である。図7に示すように、物品DB44Aのレコードは、物品名称441、物品ID442、物品84に貼付されているRFICタグ81CのRFICタグ識別情報443、物品種別444、物品製造メーカ445、物品寸法446等の各レコードによって構成されている。
(検査データDB)
図8は、検査データ・データセットのレコード構成の例を示した図である。図8に示すように、検査データDB46Aに格納される検査データ・データセット56aのレコードは、作業件名461、作業件名ID462、測定場所ID463、物品ID464、測定器ID465、検査員の個人ID72(図6参照)である検査員ID466、作業員(被測定者)の個人ID72(図6参照)である作業員ID467、測定値468、及び測定日時469の各レコードによって構成される。
ここで、作業件名461は検査対象(測定対象物)である物品84、例えば、工具類を取り扱う作業名称である。測定場所ID463は、検査対象である物品84を検査する場所の識別番号である。物品ID464は、検査対象の物品84の識別番号である。測定器ID465は、測定器101の識別番号である。測定値468は、測定器101により物品84や作業員85を検査した時に得られた測定値である。測定日時469は物品84や作業員85の表面汚染検査をした日時を示す。
図8においてA,Bは1つの検査データの1つの組単位を示し、検査対象(測定対象物)の物品84及び作業員85に対して兼用される書式である。従って、検査データの1つの組単位においては、物品ID464と、作業員ID467のうちの一方だけが記録され、他方はブランクである。
なお、物品84や作業員85について検査する測定場所が複数存在する場合、及び放射線測定端末1が複数の場合、作業件名461及び作業件名ID462の下に、測定場所ID463、物品ID464又は作業員ID466、測定器ID465、検査員ID466、測定値468及び測定日時469のレコードを1組とした検査データ・データセット46aが、放射線測定端末1の数だけ発生することになる。
以上のようにして、物品84や作業員85の測定値468を、その測定値468を測定した測定器101の識別番号(識別情報に関係付けられた所定の情報)に関係付けるとともに、検査員86の識別番号及び測定日時にも関係付ける。このような関係付けにより、検査で測定される測定値は、誰が、いつ、どこで、どの測定器を使用して測定したものであるかを容易にトレースすることができるようになる。
なお、前記した検査データ・データセット46aに記録されるレコード461〜467のデータは、前もって前記した作業件名DB41A、測定器DB42、検査員DB43、物品DB44A、作業員DB45に登録されており、携帯情報端末103がそれらのデータを、検査データ管理サーバ4Aの前記したDB検索応答部39aの機能により取得して、測定値とともに、検査データ管理サーバ4Aに送信し、記憶部37に検査データ・データセット46aとして記録格納される。
(検査データの取得及び記録手順)
次に、図9から図12を参照しながら(適宜、図1、図2参照)放射線管理区域内の物品84や作業員85の表面汚染検査の測定値を取得し、その検査データを検査データDB46Aへ登録するまでの手順について説明する。
図9から図11は、表面汚染検査時の放射線測定端末及び検査データ管理サーバにおける処理の制御の流れを示すフローチャートである。フローチャートを一点鎖線で左右に分け、左側が放射線測定端末1における制御の流れを示し、右側が検査データ管理サーバ4Aにおける制御の流れを示す。検査データ管理サーバ4A側では、ステップS52は検査データ収集部39bにおいて実行されるが、他の検査データ管理サーバ4A側の制御は、DB検索応答部39aにおいて実行される。
図12は、表面汚染検査時に、放射線測定端末を構成する携帯情報端末の表示部に表示される検査測定記録シートの例を示した図である。
まず、検査を行う検査員86は、表面汚染検査作業の目的に適した測定器101(図1参照、ここでは、GM管式サーベイメータを想定する)と携帯情報端末103を組み合わせて、放射線測定端末1を構成し、それと作業指示書80(図1参照)を携帯して検査対象の測定場所に移動する。そこには作業名称と作業期間が表示されたプロジェクトプレート83が掲示されている。検査員86は自分の作業衣服の胸部に個人IDカード93Bを付けているか、又は、自分の首に掛けた携帯紐で個人IDカード93Bをぶらさげている。検査員86は、携帯情報端末103の電源をオンした後、検査データ収集端末用アプリケーションプログラムを起動する。そして、測定器101の電源をオンにし、その操作部13のボタンを操作して、表面汚染検査に適したモードに設定し、バックグラウンドが正常レベルであることを確認する。
この時点で、携帯情報端末103の検査データ収集端末用アプリケーションプログラムは、測定器101からのUSBケーブル18が接続されていることを確認し、RFICタグR/W29が作動していること、通信部28が通信ネットワーク3を介して検査データ管理サーバ4Aと通信接続し、携帯情報端末103を認識していることを確認する。
ここで検査データ管理サーバ4Aが、携帯情報端末103を認識しているとは、検査データ管理サーバ4Aが起動して、検査データ収集サーバ用アプリケーションプログラムがすでに起動した上で、DB検索応答部39aが携帯情報端末103と通信接続状態にあることを言う。
このように携帯情報端末103は、自身の検査データ収集端末用アプリケーションプログラムと検査データ管理サーバ4A上の検査データ収集サーバ用アプリケーションプログラムが協調動作していることを確認すると、ステップS11へ進み、表示部25の表示画面に「プロジェクトプレート読み込み」のメッセージを表示する。検査員86は、表示の指示に従って、プロジェクトプレート83のRFICタグ81BにRFICタグR/W29をかざす。すると、RFICタグR/W29はRFICタグ81Bと通信して、RFICタグ識別情報を受信し、携帯情報端末103は、受信したRFICタグ識別情報を、作業件名の検索であることを示す制御コマンドを付して通信部28から通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Aに送信する(ステップS12、「RFICタグ識別情報読み込み、送信」)。
なお、ここではRFICタグR/W29は各RFICタグと10cm程度以下の範囲で通信可能とする。従って、RFICタグ81Bと個人IDカード93BのRFICタグ81E(図1参照)及び測定器101のRFICタグ19(図1参照)とは混信はしない。
たとえ、混信があったとして作業件名の検索であることを示す制御コマンドが付されて別のRFICタグのRFICタグ識別情報を検査データ管理サーバ4Aに送信したとしても、作業件名DB41Aには該当するRFICタグ識別情報に対応する作業件名情報が存在しないので、容易にエラーを検出でき、読み込みエラーを携帯情報端末103に通知することは容易である。
検査データ管理サーバ4AのDB検索応答部39aは、作業件名の検索の制御コマンドとともにRFICタグ識別情報を受信し(ステップS13)、受信したRFICタグ識別情報にもとづいて作業件名DB41Aを参照して該当する「作業件名」、「作業件名ID」等の作業件名情報を取得し、携帯情報端末103に送信する(ステップS14)。このとき、図4で例示したように作業件名DB41Aは、一つの測定場所に対して、複数の作業件名情報を有する一つのデータセットとして構成されているので、DB検索応答部39aは、「測定場所名称」、「測定場所ID」をも測定場所の識別のために携帯情報端末103に送信する。
携帯情報端末103側では、「作業件名」、「作業件名ID」等を通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Aから受信し、表示部25にそれが正しいか否か確認を求める表示をする(ステップS15、「「作業件名」、「作業件名ID」等を受信し、表示」)。
検査員86は、表示された作業件名が正しいか否かを作業指示書80で確認して、ステップS16において正しい場合(Yes)は、キーボード24のキー「Y」を検査員86が押下すると、ステップS18へ進む。誤っている場合(No)は、キーボード24のキー「N」を検査員86が押下すると、ステップS17に進み、「作業件名を再度入力して下さい」のメッセージを表示して、ステップS12へ戻る。そこで検査員86が正しいプロジェクトプレート83のRFICタグ81BをRFICタグR/W29でスキャンする。
ステップS16でYesの場合は、図9のフローチャートでは表示を省略しているが、図12に示した検査測定記録シート95の表示画面が携帯情報端末103の表示部25に表示される。このとき、表示画面の表示した検査測定記録シート95において、検査記録番号、検査日、作業件名及び測定場所のレコード欄950が自動的に記入される。そして、表示画面には図示省略の、「次へ:→」のアイコン表示がなされており、キーボード24の矢印キー「→」を検査員86が操作すると、ステップS18へ進む。
ステップS18では、携帯情報端末103は、表示部25の表示画面に「測定器のRFICタグ読み込み」のメッセージを表示する。検査員86は、表示の指示に従って、プローブ61(図2参照)のRFICタグ19をRFICタグR/W29にかざす。すると、RFICタグR/W29はRFICタグ19と通信して、RFICタグ識別情報を受信する。携帯情報端末103は、受信したRFICタグ識別情報を、測定器情報の検索であることを示す制御コマンドを付して、通信部28から通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Aに送信する(ステップS19、「RFICタグ識別情報読み込み、送信」)。
検査データ管理サーバ4AのDB検索応答部39aは、測定器情報の検索の制御コマンドとともにRFICタグ識別情報を受信し(ステップS20)、受信したRFICタグ識別情報にもとづいて測定器DB42を参照して測定器101に係わる「測定器ID」、「測定器名称」、「測定器型式」、「校正有効期限」等の測定器情報を取得し、携帯情報端末103へ通信ネットワーク3経由で送信する(ステップS21)。
なお、測定器情報の中には、その他に「感度」、「換算定数」、「検出限界値」が含まれ、それらも携帯情報端末103に送信される。
ステップS22では、携帯情報端末103は、測定器101の「測定器ID」、「測定器名称」、「測定器型式」、「校正有効期限」等の測定器情報を、通信ネットワーク3を介して検査データ管理サーバ4Aから取得し、検査測定記録シート95(図12参照)に表示する(測定器の「測定器ID」、「測定器名称」、「測定器型式」、「校正有効期限」等の測定器情報を受信し、表示)。具体的には、検査測定記録シート95において、測定器情報の欄951の各レコード欄に測定器情報である「測定器名称」、「測定器ID」、「校正有効期限」、「感度」、「換算定数」、「検出限界値」が自動的に記入されて表示される。
次にステップS23では、携帯情報端末103は、測定器情報の有効性をチェックする(測定器は有効か?)。測定器101の校正有効期限が切れていない場合及び表面汚染検査ができる測定器型式の場合(Yes)は、ステップS25に進み、使用判定欄952(図12参照)が「OK」と表示され、この時点の測定値をバックグラウンド(BG)として記憶する。このとき、「BG測定値xxxxcpm」と表示画面に一時的に表示しても良い。
続いて、表示画面に「検査員のRFICタグの読み込み」とメッセージを表示して、次の操作を検査員86に促す。
測定器101の校正有効期限が切れている場合とか、うっかり表面汚染検査に使えない測定器型式の場合(No)は、ステップS24へ進み、使用判定欄952が「NO」、又は、「測定器校正無効」、「測定器型式不適」等と表示され、続いて、表示画面に「測定器は無効です」とメッセージを表示して、次の操作を検査員86に促す。そして、ステップS18へ戻る。
これを受けて、検査員86は、測定器101を他の校正されたものと交換する等の処置をとることができる。このとき、携帯情報端末103をオン状態のまま、別の測定器101とUSBケーブル18で接続し直すことで、ステップS11からステップS16までの作業は、繰り返す必要は無い。
次に、検査員86は自分の個人IDカード93BにRFICタグR/W29をかざすと、RFICタグR/W29はRFICタグ81Eと通信して、RFICタグ識別情報を受信し、携帯情報端末103は、受信したRFICタグ識別情報を、検査員の検索であることを示す制御コマンドを付して、通信部28から通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Aに送信する(ステップS26、「RFICタグ識別情報読み込み、送信」)。
検査データ管理サーバ4AのDB検索応答部39aは、検査員の検索の制御コマンドとともにRFICタグ識別情報を受信し(ステップS27)、受信したRFICタグ識別情報にもとづいて検査員DB43を参照して該当する検査員86の「氏名」、「個人ID」、「所属」等の検査員情報を取得し、携帯情報端末103へ送信する(ステップS28)。
携帯情報端末103は、通信ネットワーク3を介して検査員86の「氏名」、「個人ID」、「所属」等を受信して検査測定記録シート95に表示する(ステップS29)。具体的には、検査測定記録シート95において、検査員情報の欄953の各レコード欄に、検査員情報である「氏名」、「個人ID」、「所属」等が自動的に記入されて表示される。
そして、表示画面には図示省略の、「次へ:→」のアイコン表示がなされており、キーボード24の矢印キー「→」を検査員86が操作すると、ステップS30へ進む。
ステップS30では、携帯情報端末103は、表示部25の表示画面に「被測定物、又は、被測定者のRFICタグの読み込み」とメッセージを表示する。この表示画面では、「検査終了(N)」のアイコンも表示する。このアイコンについては、ステップS50の説明において後記する。
検査員86は、表示の指示に従って、物品84に貼付されているRFICタグ81C、又は作業員85の個人IDカード93AにRFICタグR/W29にかざす。すると、RFICタグR/W29は、RFICタグ81C又はRFICタグ81Dと通信して、RFICタグ識別情報を受信し、携帯情報端末103は、受信したRFICタグ識別情報を物品名の検索、又は作業員名の検索であることを示す制御コマンドを付して、通信部28から通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Aに送信する(ステップS31、「RFICタグ識別情報読み込み、送信」)。
検査データ管理サーバ4Aは、物品名の検索、又は作業員名の検索であることを示す制御コマンドとともにRFICタグ識別情報を受信し(ステップS32)、受信したRFICタグ識別情報にもとづいて、先ず作業員DB45から該当する作業員85を検索する(ステップS33)。そして、ステップS34では、DB検索応答部39aは該当者があったか否かを判定し、該当者があった場合(Yes)は、ステップS35へ進み、作業員DB45から該当する作業員85の「氏名」、「個人ID」、「所属」等を取得し、携帯情報端末103へ送信する(ステップS35)。
次に、ステップS36では、携帯情報端末103は、被測定者の作業員85の「氏名」、「個人ID」、「所属」等を通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Aから受信し、表示部25の表示画面の検査測定記録シート95に表示する。具体的には、検査測定記録シート95において、作業員情報の欄954(図12参照)の各レコード欄に作業員情報である「所属」、「個人ID」、「氏名」等が自動的に記入され、表示される。
そして、ステップS37では、携帯情報端末103は、「被測定者を確認してください」のメッセージを表示画面に表示し、検査員86に作業員85がその作業に登録された作業員か否かをチェックすることを促す。この表示画面には、「Yes」、と「No」のアイコが表示されており、検査員86がキーボード24の「Y」キー又は「N」キーのいずれかを押下すると「Yes」アイコン又は「No」アイコンが選択されたと判定し、携帯情報端末103は、被測定者確認OKか否かのチェックができるようになっている(ステップS38)。検査員86は、作業指示書80を点検して、その作業に事前に登録されている作業員85の場合(Yes)は、キーボード24の「Y」キーを押下すると、携帯情報端末103はアイコン「Yes」が押下されたと判定し、ステップS43へ進む。検査員86は、作業指示書80を点検して、その作業に事前に登録されている作業員85でない場合(No)は、キーボード24の「N」キーを押下すると、携帯情報端末103はアイコン「No」が押下されたと判定し、内部にチェックフラグを立てて(ステップS39)、ステップS43へ進む。
ステップS34において、DB検索応答部39aは、該当者がなかった場合(No)は、ステップS40へ進み、物品DB44Aから該当する物品84を検索し、物品DB44Aから該当する物品84の「物品名称」、「物品ID」を取得し、携帯情報端末103へ送信する(ステップS41)。
ステップS42では、携帯情報端末103は、物品84の「物品名称」、「物品ID」を取得し、通信ネットワーク3を介して検査データ管理サーバ4Aから取得し、検査測定記録シート95(図12参照)に表示する(「物品の「物品名称」、「物品ID」を受信し、表示」)。具体的には、検査測定記録シート95において、物品情報の欄957の各レコード欄に物品情報である「物品名称」、「物品ID」が自動的に記入されて表示される。そして、ステップS42の後ステップS43へ進む。
次に、ステップS43では、携帯情報端末103は、表示部25の表示画面に「測定値取得」のメッセージを表示して、検査員86に表面汚染検査の実施を促す。検査員86はプローブ61を物品84又は作業員85に近づけ表面汚染検査を行う。
なお、このメッセージ画面には、図示省略するがデジタル値の測定値を表示する「測定値表示ウインド」と、「測定値確定、次へ →」のアイコンが表示されており、この画面表示状態で測定値が「測定値表示ウインド」に、測定器101から出力される測定値が、次々と表示され続ける。携帯情報端末103は、この表示画面の状態でキーボード24の「→」キーが押下されたか否かをチェックする(ステップS44、「取得操作完了?」)。
検査員86は、測定器101の表示部16の測定値の表示と、携帯情報端末103の表示部25の表示画面の「測定値表示ウインド」に表示された測定値を確認して、正しい測定値と確認した上で、「→」キーを押す。
なお、その測定器101が表面汚染検査と表面線量当量率検査の兼用型式の測定器でそのファンクションの切換設定が間違っていて表面線量当量率検査のモードのときは、携帯情報端末103は、この「→」キーを押されたことを検知したときにときに、警報音を出して、「測定モードが違います」とメッセージを表示しても良い。
携帯情報端末103は、「→」キーが押された場合(Yes)は、ステップS45へ進み、「→」キーが押されない場合(No)は、ステップS44を繰り返す。ステップS45では、測定値を日時情報とともに取得し、携帯情報端末103は、その測定値等を検査測定記録シート95に表示する。すなわち、作業員85を検査した場合の検査データ欄955、又は物品84を検査した場合の検査データ欄958が、ステップS22で取得された「測定器ID」、ステップS23で取得された「バックグラウンド(BG)」、ステップS44で取得された測定値(cpm)からバックグラウンド(BG)を差し引いた結果に、換算定数を乗じて得た「表面汚染密度」(測定値)等の検査データが自動的に記入され、表示される。ちなみに、測定値は欄955c又は欄958cに記入される。
ステップS46では、携帯情報端末103は、測定値(表面汚染密度の値)にもとづいて測定値は有効か否かを判定する。つまり、表面汚染密度の値が測定器101の検出限界値未満の場合(Yes)は、対応する汚染判定欄956又は汚染判定欄959が「OK」と表示され、ステップS47へ進む。測定値(表面汚染密度の値)が測定器101の検出限界値以上の場合(No)は、対応する汚染判定欄956又は汚染判定欄959が「NO」と表示される。汚染判定956又は汚染判定959が「NO」と表示された場合、その作業員85又は物品84に対して除染対策を実施し、ステップS30に戻って再検査を実施することになる。
ステップS47では、ステップS30以降の繰り返し測定値の取得作業における最初の測定値か否かをチェックする。最初の測定値の場合(Yes)は、ステップS48へ進み、「作業件名」、「作業件名ID」、「測定場所ID」、「測定器ID」、検査員86の「個人ID」を、携帯情報端末103のメモリ(フラッシュメモリ)23に記憶し、ステップS49へ進む。ステップS47のチェックにおいて、最初の測定値でない場合(No)は、そのままステップS49へ進む。
ステップS49では、携帯情報端末103は、被測定者の作業員85の「個人ID」、又は被測定物品の「物品ID」と、測定値等(BGの値を含む)を日時情報とともにメモリ(フラッシュメモリ)23に記憶する。ここで、測定値とは、測定値欄955c又は測定値欄958cの情報である。
ステップS50では、携帯情報端末103は表示部25の表示画面に「検査終了(N)」のアイコンを表示し、検査継続か否かをチェックする。ここで、検査継続か否かのチェックは、検査員86がキーボード24で「N」のキーを押下したか否かをチェックすることで行う。「N」のキーが押下されたことが検出されなかった場合(Yes)は、ステップS30に戻り、被測定物品または被測定者の表面汚染検査を繰り返す。「N」のキーが押下されたことが検出された場合(No)は、ステップS51へ進む。
なお、この例ではステップS30に進んでも、そのメッセージ画面には、「検査終了(N)」のアイコンを表示して、ステップS50のチェックの画面が継続しているので、次の検査対象のRFICタグ81CまたはRFICタグ81Dを読み込む動作をしない限り、キーボード24の「N」キーを押下して、ステップS51へ移行できる。
ステップS51では、メモリ(フラッシュメモリ)23に記憶された「作業件名」、「作業件名ID」、「測定場所ID」、「測定器ID」、検査員86の「個人ID」、被測定者の作業員85の「個人ID」と測定値等、被測定物品の「物品ID」と測定値等を、検査データ送信を意味する制御コマンドを付して、検査データ管理サーバ4Aに送信する。このとき、測定値の情報には汚染判定結果及び日時情報が付されている。また、「作業件名ID」とともに、レコード欄950の検査記録番号も付されて送信すると都合が良い。
また、携帯情報端末103の表示部25の表示画面に表示してきた検査測定記録シート95を検査データ管理サーバ4Aに転送し、記憶装置37に記憶させても良い。
検査データ管理サーバ4Aでは、検査データ送信の制御コマンドを受信して、検査データ収集部39bにおいて、「作業件名」、「作業件名ID」、「測定場所ID」、「測定器ID」、検査員86の「個人ID」、被測定者の作業員85の「個人ID」と測定値等、被測定物品の「物品ID」と測定値等を、通信ネットワーク3経由で受信して、検査データDB46Aに蓄積される(ステップS52)。その検査データの検査データDB46Aへ記憶される書式は図8に示した通りである。
以上で、一連の検査データの取得及び記録手順が終了する。
検査員86は、携帯情報端末103を測定器101と切り離し、携帯情報端末103が汚染されていないことを確認の上、所定の場所に格納する。
ここでは、携帯情報端末103も放射線管理区域外には持ち出さず、放射線管理区域内の所定の場所に格納することとする。
なお、検査員86が複数いて、別の放射線測定端末1を用いて検査している場合は、その放射線測定端末1の携帯情報端末103においても前記したステップS11〜S52の制御がなされ、別セットの「作業件名」、「作業件名ID」、「作業場所ID」、「測定器ID」、検査員86の「個人ID」、被測定者の作業員85の「個人ID」と測定値、被測定物品の「物品ID」と測定値等が、通信ネットワーク3経由で受信されて、検査データDB46Aに別セットの検査データ・データセット46aとして蓄積される。
(届出書類の作成)
検査員86は、自分のオフィスに戻り、オフィスに設置されている図示省略のパーソナルコンピュータの端末から検査データ管理サーバ4Aに接続し、届出書類作成支援部39cの機能を起動し、検査データDB46Aを読み出して、「作業件名ID」を指定することによりその「作業件名ID」のラベルを付された検査データ・データセット41aから、「測定器ID」、検査員86の「個人ID」、被測定者の作業員85の「個人ID」と「測定値」、被測定物品の「物品ID」と「測定値」、「測定日時」等を取得する。
「測定器ID」にもとづいて測定器DB42から「測定器名称」、「校正有効期限」、「感度」、「換算定数」、「検出限界値」を取得し、検査員86の「個人ID」にもとづいて検査員DB43から検査員86の「氏名」、「所属」を取得し、被測定者の作業員85の「個人ID」にもとづいて作業員DB45から作業員85の「氏名」、「所属」を取得し、被測定物品の「物品ID」にもとづいて物品DB44Aから「物品名称」を取得する。
このとき、同じ「作業件名ID」を有し、測定日時が同じ別の検査データ・データセット46aが検査データDB46A内に存在する場合は、その検査データ・データセット46aも読み出して前記のように関連する情報を読み出す。
なお、この読み出された検査データ・データセット46aの情報及びそれに関連して他のDBから読み出された情報も含めたものが検査データであり、その検査データの個々のデータには、それぞれ、各データの種類を示す識別符号が付せられており、後記する届出書類のレコード欄に記入するために対応させ易くなっている。
そして、検査員86は、書式DB47Aからその原子力発電所の管理部門が指定する、放射線管理区域内の物品・作業員の移動に伴う所定の届け書類、例えば、「クリーンエリア作業時の作業員汚染確認測定記録」の届出書類書式を選択して、読み出し、その届出書類書式に、データを落とし込む。
書式DB47Aに登録されている届出書類の書式は、図示省略するが、前記した検査測定記録シート95(図12参照)のレコード欄を一部削除したものであり、レコード欄として、作業件名欄、測定場所(作業エリア)欄、測定日欄、測定器情報欄(名称欄、識別番号欄、バックグラウンド欄、感度欄、換算定数欄、検出限界値欄等)、検査員86の所属欄と氏名欄、作業員85の所属欄と氏名欄、作業員85の汚染判定結果欄、物品84の物品名称欄、測定値欄、汚染判定結果欄等が用意されている。
そして、各レコード欄には、記入されるデータの種別を示す識別符号を有しており、前記した検査データの各データの種類を示す識別符号と対応付けられている。
届出書類作成支援部39cは、届出書類書式の各レコード欄に、「作業件名」、「測定場所名称」をそれぞれ自動記入し、使用した測定器101の「測定器名称」に対応させてその測定器101の「感度」、「バックグラウンド」、「換算定数」、及び「検出限界値」を自動記入し、検査員86の「氏名」に対応させてその検査員86の「所属」を各データの前記識別符号にもとづいて自動記入し、測定値の情報の作業員85の「氏名」に対応させてその作業員85の「所属」、検査に使用された「測定器名称」、及び「汚染の判定結果」を各データの前記識別符号にもとづいて自動記入し、物品84の「物品名称」に対応させてその物品84の検査に使用された「測定器名称」及び「汚染の判定結果」を各データの前記識別符号にもとづいて自動記入する等、検査データの各データの前記識別符号にもとづいて届出書類書式の各レコード欄に対応づけるようになっている。
この結果、半自動的に届出書類が作成できる。このような書式の特定の位置のレコード欄とそこに記録すべきデータの種類とを識別符号で関連付けることは、例えば、パーソナルコンピュータのアプリケーションソフト「Excel(米国マイクロソフト社の登録商標)」の作表機能等を用いて実施することができる。
電力会社によって届出書類の書式が異なる場合、その書式ごとに、書式の各レコード欄に対応づけるデータの識別符号を書式のレコード欄中に指定しておけば、届出書類作成支援部39cは、書式を読み出したときに、その書式のレコード欄の指定する識別符号のデータを検査データから選定して、書式の各レコード欄に容易に貼り付けることができる。
以上、本実施形態によれば、作業員(被測定者)85又は物品(被測定物品)84の表面汚染検査で測定器101によって得られた測定値と、その測定器101の識別番号(測定器ID)や検査員86の識別番号(個人ID)、作業員(被測定者)85の識別番号(個人ID)、物品(被測定物品)84の識別番号(物品ID)とは互いに関係付けられて、検査データDB46Aに蓄積される。従って、検査データ1つ1つについて、どの測定器101で、どの検査員86が、どの作業員(被測定者)85を、又はどの物品(被測定物品)84を測定したかをトレースすることができるようになる。
また、電力会社に提出する書類に表面汚染検査結果を記載するときに、作業員(被測定者)85又は物品(被測定物品)84に対する測定値、又は判定結果を確実に対応させることができる。また、そのときに使用した測定器101を確実に対応させて記載することができる。この結果、転記ミスを防止することができる。
なお、以上の実施形態においては、検査データDB46Aとして測定値に対して必要な項目を関係付けて蓄積しているが、図12に示した検査測定記録シート95そのものを検査データDB46Aに蓄積するようにしても良い。
また、ステップS52の次に、検査データ収集部39bは、作業件名DB41Aの当該の作業件名IDに含まれる事前に登録された作業員85において、検査データが受信されていない作業員85の個人IDを検索して、その「個人ID」と「氏名」を、その作業で通信中の携帯情報端末103に通知し、検査員86に検査忘れの注意喚起、又は当日の作業欠席を確認させるようにしても良い。又、当日の作業立会者に対して作業員85と同じく表面汚染検査をした場合に、前記した要チェックフラッグにもとづいて検出し、別個の取り扱いが可能となる。
《第2の実施形態:搬出物品検査(構内輸送、構外輸送)》
次に本発明の第2の実施形態に係わる検査データ収集システムについて、図面を参照しながら以下詳細に説明する。
原子力発電所における定期的な点検工事等において、放射性廃棄物が発生するが、そのような放射性廃棄物を容器に納めて、更に、梱包して構内の放射性廃棄物貯蔵設備まで輸送したり、放射性物質輸送容器(以下、単に容器と称する)の中に格納して構外の放射性廃棄物貯蔵設備等に輸送したりする場合がある。そのような場合に、容器や梱包の表面が放射能汚染をしていないことを確認する表面汚染検査とか、容器や梱包の表面から所定の距離における表面線量当量率が規定値未満であることの確認検査(以下、表面線量当量率検査と称する)の結果が原子力発電所の管理者側に報告書の形で報告され、輸送の許可が得られる。
それは、以下のような要領で行なわれる。表面汚染検査や表面線量当量率検査を実施する測定場所には、作業件名と作業期間を表示したプロジェクトプレート83(図13参照)が掲示されており、プロジェクトプレート83にはRFICタグ81B(図13参照)が貼付されている。この場所に、表面汚染検査や表面線量当量率検査を受ける対象である物品84(前記した梱包や容器を以下では物品と称する)を搭載した輸送車両90が駐車している。そこには、放射線測定端末1や作業指示書80等を携帯している検査員86、搬出作業を監理する監理員87、搬出作業の責任者である搬出責任者88、車両運転手89が待機している。
(検査データ収集システムの全体構成)
図13は、構内輸送または構外輸送での前記容器の輸送の際に表面汚染検査や表面線量当量率検査を行って検査データを取得する第2の実施形態に係わる検査データ収集システムの全体構成図である。図14は、第2の実施形態に係わる検査データ収集システムで用いられる検査データ管理サーバ計算機の機能ブロック図である。
第1の実施形態に係わる検査データ収集システムと同一の構成については、同じ符号を付し重複する説明を省略する。
図13に示すように、検査データ収集システム100Bは、放射線測定端末1と、検査データ管理サーバ4Bとが、無線ノード端末2を有する通信ネットワーク3を介して接続されて、構成されている。放射線測定端末1は、表面汚染検査用の測定器又は表面線量当量率検査用の測定器である放射線測定器(以下、測定器と略称する)101と、携帯情報端末103とが、有線の通信手段によって接続されて、構成されている。
また、第1の実施形態に係わる検査データ収集システム100Aにおける放射線測定端末1では、測定器101は表面汚染密度を測定する機能だけで十分であったが、本実施形態に係わる検査データ収集システム100Bにおける放射線測定端末1では、測定器101は表面汚染密度を測定する機能と表面線量当量率を測定する機能が必要である。従って、ここでは、測定器101としてGM管式サーベイメータを使用し、ファンクションを表面汚染密度の測定モードと表面線量当量率の測定モードとの間で切り換えて使用するものとして説明する。
なお、図13中、放射線測定端末1は、1台しか表示されていないが複数台用い、表面汚染検査用、表面線量当量率検査用に分けて使用しても良い。また、表面汚染検査用、表面線量当量率検査用それぞれ複数の放射線測定端末1を用いても良い。
以下に、検査データ管理サーバ4Bの構成を詳細に説明する。
(検査データ管理サーバ)
次に、図13、及び図14から図20を参照しながら、適宜、図2、図6を参照して検査データ管理サーバ4Bの構成について説明する。
検査データ管理サーバ4Bは、第1の実施形態と同様に、例えば、パーソナルコンピュータから構成されている。記憶部37には検査データ管理サーバ4Bとして機能させるための検査データ収集サーバ用アプリケーションプログラムが格納されており、CPU31(図13参照)はそのアプリケーションプログラムを読み出して実行することによって検査データ管理サーバ4Bとしての機能を実現する。このアプリケーションプログラムは第1の実施形態と異なる。
ちなみに、本実施形態の検査データ収集システム100Bにおいては、取り扱う測定値の種類が第1の実施形態とことなるので、検査データ管理サーバ4Bのアプリケーションプログラムが第1の実施形態のものと異なるのと同様に、携帯情報端末103のメモリ(フラッシュメモリ)23に予め記憶されている検査データ収集端末用アプリケーションプログラムも第1の実施形態のものと異なる。その具体的内容については後記する図21から図25に示すフローチャートの説明の中で説明する。
検査データ管理サーバ4Bの記憶部37には、作業件名DB41B、測定器DB42、検査員DB43、物品DB44B、検査データDB46B、書式DB47B、監理員DB48、搬出責任者DB49、車両運転手DB50、輸送車両DB51、測定ポイントDB52、内容物測定記録DB53が記憶格納される。個々のDBの内容については、後記する。
検査データ管理サーバ4Bは、図14に示すように、CPU31において前記した検査データ収集サーバ用アプリケーションプログラムを実行する際の機能構成として、前記携帯情報端末103からRFICタグ識別情報を受信したとき、その識別情報に対応するデータを記憶部37内の各DB41B,42,43,44B,48,49,50,51,52,53から検索して、携帯情報端末103に送信するDB検索応答部39a、携帯情報端末103から送信されてきた測定値等を収集する検査データ収集部39bを有している。検査データ管理サーバ4Bは、更に、ユーザがマウス34aやキーボード34b等の入力装置を操作して、検査データDB46Bに記憶格納された検査データを読み出し、お客様ごとの届出書類の書式が予め登録された書式DB47Bから所定の書式を読み出して、届出書類の作成を支援する届出書類作成支援部39cを有している。
DB検索応答部39a、検査データ収集部39bの具体的な動作は図21〜図25のフローチャートの中で説明し、届出書類作成支援部39cの具体的な動作についてはその後で説明する。
次に各DB41B,42,43,44B,46B,48、49、50,51,52,53の構成について説明する。
(作業件名DB)
図15は、作業件名DBに格納される作業件名データセットのレコード構成の例を示す図である。図15に示すように、作業件名データセット41bのレコードは、搬出場所(名称)541、搬出場所ID542、前記した作業指示書80に貼付されたRFICタグ81B、又はプロジェクトプレート83に貼付されたRFICタグ81BのRFICタグ識別情報543、作業件名544、作業件名ID545、その物品搬出作業に従事する作業員85の個人ID72(図6参照)である作業員ID546、搬出希望日時547、搬出先548、使用場所549、使用場所区分550、その他551等によって構成される。図15に例示するように作業件名データセット41bは、1つの搬出場所に対して、複数の作業件名に対するデータの組として構成されているので、搬出場所ごとに作業件名データセット41bが作成されることを意味する。
ちなみに、その他551以降のレコードには、例えば、作業員の所属が含まれる。これら各レコードは予め作業前に作業件名DB41Bに登録される。
また、「使用場所」とはこれまで使用していた場所での物品84の置かれていた場所の名称であり、「使用場所区分」とは放射線管理のレベルを言う。
測定器DB42のレコード構成は、第1の実施形態の説明で用いた図5に示したものと同じである。
検査員DB43、監理員DB48、搬出責任者DB49、車両運転手DB50のレコード構成は、第1の実施形態の説明で用いた図6に示したものと同じである。
物品DB44Bのレコード構成は、第1の実施形態の説明で用いた図7に示したものと同じである。
(輸送車両DB)
図16の(a)は、輸送車両DBのレコード構成の例を示した図である。図16の(a)に示すように、輸送車両DB51のレコードは、車両のIDを示す車両番号511、輸送車両90(図13参照)に貼付されたRFICタグ81IのRFICタグ識別情報512、車両機種(名称)513、車検有効期限514、所属会社515、届出作業件名ID516の各レコードによって構成される。
(測定ポイントDB)
図16の(b)は、測定ポイントDBのレコード構成の例を示した図である。図16の(b)に示すように、測定ポイントDB52のレコードは、座標や位置名称等で示した測定ポイント名称521、測定ポイントID522、測定ポイント91(図13参照)に貼付されたRFICタグ81Kの識別情報523、関係付け情報524の各レコードによって構成される。
ここで、測定ポイント名称521の測定ポイントの座標や位置名称は、作業指示書80中に具体的に記載して、物品84の形状、輸送車両90の外観に対してどこを測定ポイントとするかを指定している。
図13では、測定ポイントを総称して測定ポイント91と表示し、その測定ポイント91を判別するためのRFICタグをRFICタグ81Kと表示しているが、実際には以下のように、表面汚染検査の測定ポイント91と、表面線量当量率検査のゼロ距離及び1m距離の測定ポイント91は分けており、それに対応するRFICタグ81Kも分けている(図17、図18参照)。
ここで、通常、測定ポイント91として、スミヤ法で表面汚染密度(Bq/cm)を測定する測定ポイント91A(図17参照)がある。又、ゼロ距離での表面線量当量率(mSv/h)を測定する容器表面の測定ポイント91B(図17及び図18参照)と、測定ポイント91Bから法線方向外側に1mはなれた空間位置で表面線量当量率(mSv/h)を測定する測定ポイント91C(図18参照)を一対にして測定することが多い。
そこで、この対応する一対の測定ポイント91B、91Cの対応関係と、表面汚染密度の測定であるか、表面線量当量率の測定であるかの識別を関係付けるために、前記したように関係付け情報524のレコードを用意してある。
更に、物品84に対する測定ポイント91A、91B、91Cの場合は、その物品84を特定する物品IDが関係付け情報524の中に含まれている。同様に輸送車両90に対する測定ポイント91A、91B、91Cの場合は、その輸送車両90を特定する車両番号(ID)が関係付け情報524の中に含まれている。
こうすることにより、その測定値がどの物品84又は輸送車両90に対するものであるか、又、一対の測定ポイント91B,91Cのいずれであるか、表面汚染密度の測定と表面線量当量率の測定のいずれであるかを特定しやすい。
図17は、物品(容器)を輸送車両に積載した状態を示す説明図である。
図18は表面線量当量率検査の測定ポイントを示すRFICタグの取り付け方法を説明する図であり、(a)はゼロ距離の表面線量当量率検査の測定ポイントを示すRFICタグを貼付されたカードの構成図であり、(b)は1m距離の表面線量当量率検査の測定ポイントを示すRFICタグを収納するホルダケースを説明する図であり、(c)は(b)に示したホルダケースの変形例を示す図であり、(d)は、(c)におけるA部拡大の作用説明図である。
図17に示すように、物品84、つまり、容器の表面には物品84を識別するためのRFICタグ81Cが貼付されており、更に、測定ポイント91Aを示すためのRFICタグ81K(1)、及び測定ポイント91Bを示すためのカード105が測定ポイント91Bの近くに貼付されている。カード105上には、RFICタグ81K(2)が貼付されている。
これらのRFICタグ81K(1),81K(2),81K(3)は、作業指示書80に従って検査の前に検査員86が貼付等の作業をする。ちなみに、作業指示書80には、測定すべき物品84や車両90のどの表面を測定すべきか、また、その表面に対して何箇所測定すべきかの指示が記載されており、それに従って、その指定された表面においてスミヤ法により複数箇所の表面汚染密度をサーベイして、最大の測定値を示す箇所を探し、そこを測定ポイント91Aとする。同様にゼロ距離の表面線量当量率を複数の箇所でサーベイして、最大の測定値を示す箇所を探し、そこを測定ポイント91Bとする。測定ポイント91Cは測定ポイント91Bに自動的に対応して決まる。
図18の(a)に示すように、カード105にはポケット105aが用意されており、その中にホルダケース(電波遮へいケース)107が収納されている。図18の(b)に示すようにホルダケース107は、導電性の、例えば、アルミニウム合金等の金属製の収納ケース107aと、それに納められたRFICタグ81K(3)が貼付されたホルダ107cと、ジグザグ状に折りたたまれたバネ107bとから構成されている。
収納ケース107aは、一端が有底で、他端が開口し、内部に薄板のホルダ107cを収容可能な平面形状が長方形の薄い隙間空間を有する鞘形状であり、有底の一端側の内側にバネ107bの一端を固定している。バネ107bの他端はホルダ107cの収納ケース107aに収納される挿入側の一端に固定されており、バネ107bの引っ張り力により、ホルダ107cが収納ケース107a内に収納されるようになっている。ホルダ107cの他端は所定の長さ、例えば、1mの長さの紐106一端に固定され、紐106の他端は、カード105に固定されている。
検査員86が、ポケット105aからホルダケース107を取り出して、所定の長さ一杯に伸ばすと、ホルダ107cが収納ケース107aから引き出され、その上に貼付されたRFICタグ81K(3)が露出し、RFICタグR/W29と通信可能となる。収納ケース107aの中に収容されている間は、RFICタグ81K(3)は電波遮蔽され通信不可能な状態になっている。
ここで、物品84の表面にカード105が貼付された位置が前記したゼロ距離の表面線量当料率を測定する測定ポイント91Bに対応し、紐106を測定ポイント91Bから法線方向外側に一杯伸ばした空間位置が容器表面から1m離れた位置における表面線量当量率を測定する測定ポイント91Cに対応する(図18の(b)参照)。
そして、RFICタグ81K(1)は、測定ポイント91Aにおける表面汚染検査を判別するためのものである。又、RFICタグ81K(2)は、測定ポイント91Bにおけるゼロ距離での表面線量当量率検査を判別するためのものであり、RFICタグ81K(3)は、測定ポイント91Cにおける表面線量当量率検査を判別するためのものである。
ちなみに、このように表面線量当量率を測定する測定ポイント91Cに対応するRFICタグ81K(3)を保持することによって、容易に物品84の表面から所定距離の空間位置を特定でき、また、その測定ポイント91Cに対応付けられたRFICタグ識別情報を読み込んだ後に、物品84の表面から所定距離を確保しながら特別にスケールを用いることなく、その次に1m距離の表面線量当量率を放射線測定端末1により取得することができる。
測定ポイント91Cを対応させるホルダケースは図18の(b)の形状に限定されることはなく、図18の(c)に示すような形状でも良い。ホルダケース108は、例えば、アルミニウム合金等の金属製の収納部108aと、収納部108aの一端側に設けた回転軸108cで収納部108aと回動可能に接続したホルダ108bを含んで構成されている。収納部108aは1枚の金属板をU字形に2枚に隙間を開けて折り重ねた鞘形状であり、その隙間に回転軸108cを回転中心にしてホルダ108bが回転して折りたたまれる。回転軸108cの位置には、ねじりコイルバネ108dが、ホルダ108bを回転させて収納部108aから飛び出す方向に付勢するように取り付けられている。ホルダ108bには、ラッチ溝108eが設けられ、又、RFICタグ81K(3)が貼付されている。
回転軸108cが設けられた収納部108aの反対側のU字形の底部に窓を設け、窓に連通した一方が有底の案内管108fが、収納部108aのU字形の底部に固定されて設けられている。案内管108f内には案内部108gがスライド可能に収容され、案内部108gからT字の縦棒状に伸びたラッチ爪108h(図18の(d)参照)が窓から収納部108a内に突出して、ホルダ108bのラッチ溝108eと係合するようになっている。案内部108gの先端にはコイルバネ108iの一端が固定され、コイルバネ108iの他端は案内管108fの底部内側に固定されている。案内部108gの開口端側は、前記した紐106の測定ポイント91B側の一端が接続されている。
図18の(d)において、ねじりコイルバネ108dの力に抗して手でホルダ108bを収納部108a内に回転軸108cの周りに回動させて折込むと、ラッチ爪108hとラッチ溝108eが係合し、コイルバネ108iによって係合が外れないようになる。この状態ではRFICタグ81K(3)は電波遮へいされて通信不能になっている。
紐106が所定の長さ一杯に伸ばされるとコイルバネ108iが伸びて、ラッチ爪108hとラッチ溝108eとの係合がはずれ、ねじりコイルバネ108dの付勢力によりホルダ108bが開き、RFICタグ81K(3)が露出し、RFICタグR/W29と通信可能になる。
なお、図17に示すように、輸送車両90に対しても、表面汚染検査用の測定ポイント91A、表面線量当量率検査用の測定ポイント91B(ゼロ距離の表面線量当量率検査)、図示しない測定ポイント91C(1m距離の表面線量当量率検査)が、例えば、車輪等を指定して決められている。このような場合、RFICタグ81K(1),81K(2),81K(3)を車輪に貼付又は保持させることができない場合もある。その場合は、作業指示書80に測定ポイント91A,91B,91Cに対応するRFICタグ81K(1),81K(2),81K(3)が貼付されており、そのRFICタグ81K(1),81K(2),81K(3)のRFICタグ識別情報を読み込んで、そのRFICタグ81Kに対応する測定値を取得することとする。その場合も、車輪に一時的にカード105を貼付して、ゼロ距離の表面線量当量率検査と1m距離の表面線量当量率検査を対応付けるために前記したカード105に貼付させたRFICタグ81K(2)、及びポケット105a内に保持させたホルダケース107又はホルダケース108のRFICタグ81K(3)を利用しても良い。
ホルダケース107又はホルダケース108は、請求項に記載の所定距離規制格納手段を構成する。
(内容物測定記録DB)
図19は、容器や梱包等の物品の内容物測定記録DBのレコード構成を示した図である。図19に示すように、内容物測定記録DB53のレコードは、物品ID531、内容物名532、内容物ID533、数量534、測定器ID535、表面汚染密度の測定値536、表面線量当量率の測定値537、放射能量の測定値538、重量の測定値539、比放射能の計算値540の各レコードによって構成される。
このレコードに含まれる各測定値536,537,538,539は輸送車両90に搭載される前に、別途測定されて、内容物測定記録DB53に登録されている。
(検査データDB)
図20は、検査データ・データセットのレコード構成の例を示した図である。図20に示すように、検査データDB46Bに格納される検査データ・データセット46bのレコードは、作業件名471、作業件名ID472、搬出場所ID473、物品ID474、測定器ID475、検査員の個人ID72(図6参照)である検査員ID476、監理員87の個人ID72(図6参照)である監理員ID477、搬出責任者88の個人ID72(図6参照)である搬出責任者ID478、測定ポイントID479、車両運転手898の個人ID72(図6参照)である車両運転手ID480、車両番号(ID)481、測定値482、測定日時483、その他484等の各レコードによって構成される。
ここで、作業件名471は検査対象である搬出物品等の物品84を取り扱う作業名称であり、作業件名ID472は作業件名の識別番号である。搬出場所ID473は、検査対象である物品84を搬出する場所(測定場所でもある)の識別番号である。物品ID474は、検査対象の物品84の識別番号である。測定器ID475は、測定器101の識別番号である。測定ポイントID479は、測定ポイントの識別番号である。これら、作業件名471、作業件名ID472、物品ID474、測定ポイントID479は前もって、作業指示書80に記載されており、検査員86が書類によっても確認できるようになっている。
ちなみに、測定ポイントID479は、具体的には前記したように作業指示書80で指定された当該の表面を測定器101でサーベイして、サーベイで検出された測定値の最大値を示す部位近くに貼付等により対応させたRFICタグ81K(1),RFICタグ81K(2),RFICタグ81K(3)と対応している。
測定値482は、測定器101により物品84を検査した時に得られた測定値である。測定日時483は物品84の検査をした日時を示す。
図20においてAで示したレコード欄は、放射線測定端末1により取得される一連の検査データの1つの検査データを示し、物品84について検査する測定ポイント91が複数存在する場合には、搬出場所ID473からその他のレコード484までの1セットのレコードを測定ポイント91の数だけ設けて、放射線測定端末1による一つの検査データ・データセット46bが構成される。複数の放射線測定端末1を使用する場合は、検査データ・データセット46bが検査データDB46Bの中に、放射線測定端末1の数だけ生成されることになる。
以上のようにして、物品84の測定値482を、その測定値482を測定した測定器101の識別番号に関係付けるとともに、検査員86や監理員87や搬出責任者88や車両運転手89の識別番号及び測定日時にも関係付ける。このような関係付けにより、検査で取得される測定値は、誰が、いつ、どこで、どの測定器101を使用して測定したものであるかを容易にトレースすることができるようになる。
なお、前記した検査データDB46Bに記録される検査データ・データセット46bのレコード471〜481のデータは、前もって前記した作業件名DB41B、測定器DB42、検査員DB43、物品DB44B、監理員DB48、搬出責任者DB49、車両運転手DB50、輸送車両DB51、測定ポイントDB52に登録されており、携帯情報端末103がそれらのデータを、検査データ管理サーバ4Bの前記したDB検索応答部39aの機能により取得して、測定値とともに、検査データ管理サーバ4Bに送信し、記憶部37に検査データDB46Bに記憶格納される。
〈検査データの取得及び記録手順〉
次に、図21から図25を参照しながら放射線管理区域内の物品84の構内輸送又は構外への輸送における、表面汚染検査や表面線量当量率検査の測定値を取得し、その検査データを検査データDB46Bへ登録するまでの手順について説明する。
図21から図25は、表面汚染検査や表面線量当量率検査時の放射線測定端末及び検査データ管理サーバにおける処理の制御の流れを示すフローチャートである。フローチャートを一点鎖線で左右に分け、左側が放射線測定端末1における制御の流れを示し、右側が検査データ管理サーバ4Bにおける制御の流れを示す。検査データ管理サーバ4B側の制御は、ステップS160は検査データ収集部39bにおいて実行されるが、他の検査データ管理サーバ4B側の制御は、DB検索応答部39aにおいて実行される。
図26は、表面汚染検査及び表面線量当量率検査時に、携帯情報端末の表示部に表示される検査測定記録シートの例を示した図である。
まず、検査を行う検査員86は、表面汚染検査及び表面線量当量率検査の目的に適した、測定器101(ここでは、GM管式サーベイメータを想定する)と携帯情報端末103を組み合わせて、放射線測定端末1を構成し、それと作業指示書80を携帯して検査場所でもある搬出場所に移動する。そこには作業名称が表示されたプロジェクトプレート83が掲示されている。検査員86は自分の作業衣服の胸部に個人IDカード93Bを付けているか、又は、自分の首に掛けた携帯紐で個人IDカード93Bをぶらさげている。検査員86は、携帯情報端末103の電源をオンした後、検査データ収集端末用アプリケーションプログラムを起動する。そして、測定器101の電源をオンにし、その操作部13のボタンを操作して、表面汚染検査や表面線量当量率検査に適したモードに設定し、バックグラウンドが正常レベルであることを確認する。
この時点で、携帯情報端末103の構内輸送及び構外輸送の検査データ収集端末用アプリケーションプログラムは、測定器101からのUSBケーブル18が接続されていることを確認し、RFICタグR/W29が作動していること、通信部28が通信ネットワーク3を介して検査データ管理サーバ4Bと通信接続し、携帯情報端末103を認識していることを確認する。
ここで検査データ管理サーバ4Bが、携帯情報端末103を認識しているとは、検査データ管理サーバ4Bが起動して、構内輸送及び構外輸送の検査データ収集サーバ用アプリケーションプログラムがすでに起動した上で、DB検索応答部39aが携帯情報端末103と通信接続状態にあることを言う。
このように携帯情報端末103は、自身の構内輸送及び構外輸送の検査データ収集端末用アプリケーションプログラムと検査データ管理サーバ4B上の構内輸送及び構外輸送の検査データ収集サーバ用アプリケーションプログラムが協調動作していることを確認すると、ステップS101へ進み、表示部25の表示画面に「プロジェクトプレート読み込み」のメッセージを表示する。検査員86は、表示の指示に従って、プロジェクトプレート83のRFICタグ81BにRFICタグR/W29をかざす。すると、RFICタグR/W29はRFICタグ81Bと通信して、RFICタグ識別情報を受信し、携帯情報端末103は、受信したRFICタグ識別情報を、作業件名の検索であることを示す制御コマンドに付して通信部28から通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Bに送信する(ステップS102、「RFICタグ識別情報読み込み、送信」)。
なお、ここではRFICタグR/W29は各RFICタグと10cm程度以下の範囲で通信可能とする。従って、RFICタグ81Bと個人IDカード93BのRFICタグ81E(図1参照)及び測定器101のRFICタグ19(図1参照)とは混信はしない。
例え、混信があったとして作業件名の検索であることを示す制御コマンドが付されて別のRFICタグのRFICタグ識別情報を検査データ管理サーバ4Aに送信したとしても、作業件名DB41Bには該当するRFICタグ識別情報に対応する作業件名情報が存在しないので、容易にエラーを検出でき、読み込みエラーを携帯情報端末103に通知することは容易である。
検査データ管理サーバ4BのDB検索応答部39aは、作業件名の検索の制御コマンドとともにRFICタグ識別情報を受信し(ステップS103)、受信したRFICタグ識別情報にもとづいて作業件名DB41Bを参照して該当する「作業件名」、「作業件名ID」、「搬出希望日時」、「搬出場所」、「搬出先」、「使用場所」、「使用場所区分」等の作業件名情報を取得し、携帯情報端末103に送信する(ステップS104)。このとき、図15で例示したように作業件名DB41Bは、一つの搬出場所に対して、複数の作業件名情報を有する一つのデータセットとして構成されているので、DB検索応答部39aは、「搬出場所」、「搬出場所ID」をも測定場所の識別のために携帯情報端末103に送信する。
携帯情報端末103側では、「作業件名」、「作業件名ID」、「搬出希望日時」、「搬出場所」、「搬出先」、「使用場所」、「使用場所区分」等を通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Bから受信し、表示部25にそれが正しいか否か確認を求める表示をする(ステップS105)。
検査員86は、表示された作業件名が正しいか否かを作業指示書80で確認して、ステップS106において正しい場合(Yes)は、キーボード24のキー「Y」を検査員86が押下すると、ステップS108へ進む。誤っている場合(No)は、キーボード24のキー「N」を検査員86が押下すると、ステップ107に進み、「作業件名を再度入力して下さい」のメッセージを表示して、ステップS102へ戻る。そこで検査員86が正しいプロジェクトプレート83のRFICタグ81Bまたは作業指示書80のRFICタグ81AをRFICタグR/W29でスキャンする。
ステップS106でYesの場合は、図21のフローチャートでは表示を省略しているが、図26に示した検査測定記録シート97の表示画面が携帯情報端末103の表示部25に表示される。このとき、表示画面の表示した検査測定記録シート97において、検査記録番号、検査日、作業件名、搬出場所及び搬出先のレコード欄970が自動的に記入される。そして、表示画面には図示省略の、「次へ:→」のアイコン表示がなされており、キーボード24の矢印キー「→」を検査員86が操作すると、ステップS108へ進む。
ステップS108では、携帯情報端末103は、表示画面に「検査員のRFICタグの読み込み」とメッセージを表示して、次の操作を検査員86に促す。それを受けて、検査員86は自分の個人IDカード93BにRFICタグR/W29をかざすと、RFICタグR/W29はRFICタグ81Eと通信して、RFICタグ識別情報を受信し、携帯情報端末103は、受信したRFICタグ識別情報を、検査員の検索であることを示す制御コマンドを付して、通信部28から通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Bに送信する(ステップS109、RFICタグ識別情報読み込み、送信)。
検査データ管理サーバ4BのDB検索応答部39aは、検査員の検索の制御コマンドとともにRFICタグ識別情報を受信し(ステップS110)、受信したRFICタグ識別情報にもとづいて検査員DB43を参照して該当する検査員86の「氏名」、「個人ID」、「所属」等の検査員情報を取得し、携帯情報端末103へ送信する(ステップS111)。
携帯情報端末103は、通信ネットワーク3を介して検査員86の「氏名」、「個人ID」、「所属」等の検査員情報を受信して検査測定記録シート97に表示する(ステップS112)。具体的には、検査測定記録シート97において、検査員情報の欄971の各レコード欄に、検査員情報である「所属」、「検査員氏名」、「個人ID」等が自動的に記入されて表示される。
そして、表示画面には図示省略の、「次へ:→」のアイコン表示がなされており、キーボード24の矢印キー「→」を検査員86が操作すると、ステップS113へ進む。
ステップS113では、携帯情報端末103は、表示部25の表示画面に「測定器のRFICタグ読み込み」のメッセージを表示する。検査員86は、表示の指示に従って、プローブ61(図2参照)のRFICタグ19をRFICタグR/W29にかざす。すると、RFICタグR/W29はRFICタグ19と通信して、RFICタグ識別情報を受信する。携帯情報端末103は、受信したRFICタグ識別情報を、測定器情報の検索であることを示す制御コマンドを付して、通信部28から通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Bに送信する(ステップS114、「RFICタグ識別情報読み込み、送信」)。
検査データ管理サーバ4BのDB検索応答部39aは、測定器情報の検索の制御コマンドとともにRFICタグ識別情報を受信し(ステップS115)、受信したRFICタグ識別情報にもとづいて測定器DB42を参照して測定器101に係わる「測定器ID」、「測定器名称」、「測定器型式」、「校正有効期限」等の測定器情報を取得し、携帯情報端末103へ通信ネットワーク3経由で送信する(ステップS116)。
ステップS117では、携帯情報端末103は、測定器101の「測定器ID」、「測定器名称」、「測定器型式」、「校正有効期限」等の測定器情報を、通信ネットワーク3を介して検査データ管理サーバ4Bから取得し、検査測定記録シート97(図26参照)に表示する(測定器の「測定器ID」、「測定器名称」、「測定器型式」、「校正有効期限」等の測定器情報を受信し、表示)。具体的には、検査測定記録シート97において、汚染測定器情報の欄972の各レコード欄に測定器情報である「測定器名称」、「測定器ID」、「校正有効期限」、「感度」、「換算定数」、「検出限界値」が、又、線量測定器情報の欄975に「測定器名称」、「測定器ID」、「校正有効期限」が自動的に記入されて表示される。
ここでは、「測定器型式」の情報によって測定器101が表面汚染検査及び表面線量当量率検査の両方にファンクションボタンの操作で切り換えて使用できるMG管式サーベイメータであることを判別して、汚染測定器情報の欄972及び線量測定器情報の欄975に記入表示される。もし、測定器101が表面汚染検査専用の型式の測定器101の場合は汚染測定器情報の欄972だけが記入表示されるし、逆に測定器101が表面線量当量率検査専用の型式の測定器101の場合は線量測定器情報の欄975だけが記入表示される。
次にステップS118では、携帯情報端末103は測定器情報の有効性をチェックする(「測定器は有効か?」)。測定器101の校正有効期限が切れていない場合及び表面汚染検査及び/又は表面線量当量率検査ができる測定器型式の場合(Yes)は、ステップS120に進み、使用判定欄974、及び/又は使用判定欄977(図26参照)が「OK」と表示される。図22のフィローチャートでは省略しているが、検査員86が操作部13とキーボード24を操作して、この時点の表面汚染検査のモードと表面線量当量率検査のモードにおけるバックグラウンド(BG)の測定値を取得し、それを携帯情報端末103に記憶させる。このとき、同時にモード設定の情報が付されて測定値は携帯情報端末103に送信されるので、バックグラウンド(BG)の測定値をそれぞれ判定できる。
ただし、空間線量の低い位置で、つまり、物品84や車両90から離れて、バックグラウンドの低い状態で測定する。
測定器101の校正有効期限が切れている場合とか、うっかり表面汚染検査にも線量当量測定にも使えない測定器型式の場合(No)は、ステップS119へ進み、使用判定欄974及び/又は使用判定欄977が「NO」、又は、「測定器校正無効」等と表示され、続いて、表示画面に「測定器は無効です」とメッセージを表示して、次の操作を検査員86に促す。そして、ステップS113へ戻る。
これを受けて、検査員86は、測定器101を他の校正されたものと交換する等の処置をとることができる。このとき、携帯情報端末103をオン状態のまま、別の測定器101とUSBケーブル18で接続し直すことで、ステップS101からステップS112までの作業は、繰り返す必要は無い。
ステップS120では、携帯情報端末103は、表示部25の表示画面に「監理員のRFICタグの読み込み」とメッセージを表示する。検査員86は、表示の指示に従って、監理員87の個人IDカード93CにRFICタグR/W29にかざす。すると、RFICタグR/W29はRFICタグ81Fと通信して、RFICタグ識別情報を受信し、携帯情報端末103は、受信したRFICタグ識別情報を監理員名の検索であることを示す制御コマンドを付して、通信部28から通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Bに送信する(ステップS121、「RFICタグ識別情報読み込み、送信」)。
検査データ管理サーバ4Bの監理員名の検索であることを示す制御コマンドとともにRFICタグ識別情報を受信し(ステップS122)、受信したRFICタグ識別情報にもとづいて監理員DB48を参照して、該当する監理員87の「氏名」、「個人ID」、「所属」等の監理員情報を取得し、携帯情報端末103へ送信する(ステップS123)。
携帯情報端末103は、通信ネットワーク3を介して監理員87の「氏名」、「個人ID」、「所属」等の監理員情報を受信して検査測定記録シート97に表示する(ステップS124)。具体的には、検査測定記録シート97において、保安監督者(監理員)情報の欄979の各レコード欄に、監理員情報である「所属」、「氏名」、「個人ID」等が自動的に記入されて表示される。
そして、表示画面には図示省略の、「次へ:→」のアイコン表示がなされており、キーボード24の矢印キー「→」を検査員86が操作すると、ステップS125へ進む。
ステップS125では、携帯情報端末103は、表示部25の表示画面に「搬出責任者のRFICタグの読み込み」とメッセージを表示する。検査員86は、表示の指示に従って、搬出責任者88の個人IDカード93D(図13参照)にRFICタグR/W29にかざす。すると、RFICタグR/W29はRFICタグ81G(図13参照)と通信して、RFICタグ識別情報を受信し、携帯情報端末103は、受信したRFICタグ識別情報を搬出責任者名の検索であることを示す制御コマンドを付して、通信部28から通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Bに送信する(ステップS126、「RFICタグ識別情報読み込み、送信」)。
検査データ管理サーバ4Bの搬出責任者名の検索であることを示す制御コマンドとともにRFICタグ識別情報を受信し(ステップS127)、受信したRFICタグ識別情報にもとづいて監理員DB48を参照して該当する搬出責任者88の「氏名」、「個人ID」、「所属」等の搬出責任者情報を取得し、携帯情報端末103へ送信する(ステップS128)。
携帯情報端末103は、通信ネットワーク3を介して搬出責任者88の「氏名」、「個人ID」、「所属」等の搬出責任者情報を受信して検査測定記録シート97に表示する(ステップS129)。具体的には、検査測定記録シート97において、搬出責任者情報の欄980の各レコード欄に、搬出責任者情報である「所属」、「氏名」、「個人ID」等が自動的に記入されて表示される。
そして、表示画面には図示省略の、「次へ:→」のアイコン表示がなされており、キーボード24の矢印キー「→」を検査員86が操作すると、ステップS130へ進む。
ここで、以下のステップS130〜S158は複数の輸送車両90にそれぞれ物品84が積載され、輸送車両90及び物品84が検査対象のときに繰り返される第1の制御ループとなる。
ステップS130では、携帯情報端末103は、表示部25の表示画面に「車両運転手のRFICタグの読み込み」とメッセージを表示する。検査員86は、表示の指示に従って、車両運転手89の個人IDカード93E(図13参照)にRFICタグR/W29にかざす。すると、RFICタグR/W29はRFICタグ81H(図13参照)と通信して、RFICタグ識別情報を受信し、携帯情報端末103は、受信したRFICタグ識別情報を車両運転手名の検索であることを示す制御コマンドを付して、通信部28から通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Bに送信する(ステップS131、「RFICタグ識別情報読み込み、送信」)。
検査データ管理サーバ4Bの車両運転手名の検索であることを示す制御コマンドとともにRFICタグ識別情報を受信し(ステップS132)、受信したRFICタグ識別情報にもとづいて車両運転手DB50を参照して該当する車両運転手89の「氏名」、「個人ID」、「所属」等の車両運転手情報を取得し、携帯情報端末103へ送信する(ステップS128)。
携帯情報端末103は、通信ネットワーク3を介して搬出責任者88の「氏名」、「個人ID」、「所属」等の車両運転手情報を受信して検査測定記録シート97に表示する(ステップS133)。具体的には、検査測定記録シート97において、測定結果(輸送車両)の測定値の欄993、996が未記入の最初の行の車両運転手ID欄990に「個人ID」が自動的に記入されて表示される。
そして、表示画面には図示省略の、「次へ:→」のアイコン表示がなされており、キーボード24の矢印キー「→」を検査員86が操作すると、ステップS135へ進む。
ステップS135では、携帯情報端末103は、表示部25の表示画面に「輸送車両のRFICタグの読み込み」とメッセージを表示する。検査員86は、表示の指示に従って、輸送車両90の所定の位置、例えば、左ドア外側に貼付されたRFICタグ81I(図17参照)にRFICタグR/W29にかざす。すると、RFICタグR/W29はRFICタグ81Iと通信して、RFICタグ識別情報を受信し、携帯情報端末103は、受信したRFICタグ識別情報を車両番号(ID)の検索であることを示す制御コマンドを付して、通信部28から通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Bに送信する(ステップS136、「RFICタグ識別情報読み込み、送信」)。
検査データ管理サーバ4Bの車両番号(ID)の検索であることを示す制御コマンドとともにRFICタグ識別情報を受信し(ステップS137)、受信したRFICタグ識別情報にもとづいて輸送車両DB51を参照して該当する輸送車両の「車両番号(ID)」等を取得し、携帯情報端末103へ送信する(ステップS138)。
携帯情報端末103は、通信ネットワーク3を介して輸送車両の「車両番号(ID)」等を受信して検査測定記録シート97に表示する(ステップS139)。具体的には、検査測定記録シート97において、測定結果(輸送車両)の測定値の欄993、996が未記入の最初の行の輸送車両ID欄989に「車両番号(ID)」が自動的に記入されて表示される。
そして、表示画面には図示省略の、「次へ:→」のアイコン表示がなされており、キーボード24の矢印キー「→」を検査員86が操作すると、ステップS140へ進む。
ここで、以下のステップS140〜S157は1台の輸送車両90に複数の物品84が積載され、輸送車両90及び物品84が検査対象のときに繰り返される第1の制御ループの中に含まれる第2の制御ループとなる。
ステップS140では、携帯情報端末103は、表示部25の表示画面に「搬出物品のRFICタグの読み込み」とメッセージを表示する。検査員86は、表示の指示に従って、物品84に貼付されているRFICタグ81CにRFICタグR/W29にかざす。すると、RFICタグR/W29はRFICタグ81Cと通信して、RFICタグ識別情報を受信し、携帯情報端末103は、受信したRFICタグ識別情報を物品名の検索であることを示す制御コマンドを付して、通信部28から通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Bに送信する(ステップS141、「RFICタグ識別情報読み込み、送信」)。
検査データ管理サーバ4Bは、物品名の検索であることを示す制御コマンドとともにRFICタグ識別情報を受信し(ステップS142)、受信したRFICタグ識別情報にもとづいて、物品DB44Bから該当する物品84を検索し、物品DB44Bから該当する物品84の「物品名称」、「物品ID」を取得する(ステップS143)。
ステップS144では、検査データ管理サーバ4Bは、ステップ143において取得した物品IDにもとづいて内容物測定記録DB53から「内容物名」、「内容物ID」、「数量」、「表面汚染密度」、「表面線量当量率」、「放射能量」、「重量」、「比放射能」等を取得し、「物品名称」、「物品ID」と共に携帯情報端末103へ送信する。
ステップS145では、携帯情報端末103は、物品84の「物品名称」、「物品ID」及び、「内容物名」、「内容物ID」、「数量」、「表面汚染密度」、「表面線量当量率」、「放射能量」、「重量」、「比放射能」等を、通信ネットワーク3を介して検査データ管理サーバ4Bから取得し、汚染検査測定記録シート97(図26参照)に表示する。具体的には、検査測定記録シート97において、梱包・容器内容物情報の欄978の各レコード欄に内容物情報である「内容物名」、「内容物ID」、「表面汚染密度」、「表面線量当量率」、「放射能量」、「重量」、「比放射能」等が自動的に記入されて表示される。
また、検査測定記録シート97において、測定結果(梱包又は容器)の測定値の欄984、987が未記入の最初の行の物品情報欄981に「物品名称」、「物品ID」、「内容物ID」が自動的に記入されて表示される。
ここで、以下のステップS146〜S156は1台の輸送車両90に少なくとも1つの物品84が積載され、輸送車両90及び物品84の各測定ポイント91A,91B、91Cに対して、前記第2の制御ループの中で繰り返される第3の制御ループとなる。
(測定ポイント91Aにおける表面汚染密度の測定)
次に、ステップS146では、携帯情報端末103は、表示部25の表示画面に「測定ポイントのRFICタグの読み込み」のメッセージを表示とメッセージを表示する。この表示画面では、「次の物品又は次の輸送車両へ (N)」のアイコンも表示する。このアイコンの役割については、ステップS157の説明において後記する。
検査員86は、表示の指示に従って、先ず物品84に貼付されている測定ポイント91Aを示すRFICタグ81K(1)にRFICタグR/W29にかざす。すると、RFICタグR/W29はRFICタグ81K(1)と通信して、RFICタグ識別情報を受信し、携帯情報端末103は、受信したRFICタグ識別情報を測定ポイント名称の検索であることを示す制御コマンドを付して、通信部28から通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Bに送信する(ステップS147、「RFICタグ識別情報読み込み、送信」)。
検査データ管理サーバ4Bは、測定ポイント名称の検索であることを示す制御コマンドとともにRFICタグ識別情報を受信し(ステップS148)、受信したRFICタグ識別情報にもとづいて、測定ポイントDB52から該当する測定ポイント91Aを検索し、物品DB44Bから該当する測定ポイント91Aの「測定ポイント名称」、「測定ポイントID」、「関係付け情報」の測定ポイント情報を取得し、携帯情報端末103へ送信する(ステップS149)。
携帯情報端末103は、通信ネットワーク3を介して測定ポイント91Cの「測定ポイント名称」、「測定ポイントID」、「関係付け情報」の測定ポイント情報を受信し、検査測定記録シート97に表示する(ステップS150)。具体的には、携帯情報端末103は、受信した関係付け情報にもとづいて、例えば、次の測定が物品84の測定ポイント91Aに対する表面汚染検査であることを判定して、検査測定記録シート97において、物品84に対応する物品IDが記入されている行の測定ポイント情報欄983から下方に向けて未記入の最上段に、「測定ポイント名称」を自動的に記入して、その右の測定値欄を点滅させ、続いて小画面の「測定値取得(xxxx)」のメッセージを表示して(ステップS151)、検査員86に表面汚染検査の測定を促す。ここでは、「(xxxx)」のメッセージ部分は、「(表面汚染密度)」が表示される。
なお、この測定ポイント情報欄983の左の測定器ID欄982が未記入のときは、測定器IDを自動的に記入する。また、このメッセージ画面には、図示省略するがデジタル値の測定値を表示する「測定値表示ウインド」と、「測定値確定、次へ →」のアイコンが表示されており、この画面表示状態で測定値が「測定値表示ウインド」に、測定器101から出力される測定値が、次々と表示され続ける。携帯情報端末103は、この表示画面の状態でキーボード24の「→」キーが押下されたか否かをチェックする(ステップS152、「取得操作完了?」)。
検査員86は、測定器101の表示部16の測定値の表示と、携帯情報端末103の表示部25の表示画面の「測定値表示ウインド」に表示された測定値を確認して、正しい測定値と確認した上で、「→」キーを押す。
携帯情報端末103は、「→」キーが押された場合(Yes)は、ステップS153へ進み、「→」キーが押されない場合(No)は、ステップS152を繰り返す。ステップS153では、測定値を日時情報とともに取得し、携帯情報端末103は、その測定値を検査測定記録シート97に表示する。すなわち、この場合は、物品84の測定ポイント91Aにおける表面汚染を測定した測定値として、ステップS117において取得された「測定器ID」、ステップS118の後に得された「バックグラウンド(BG)」、ステップS152で取得された測定値(cpm)から、バックグラウンド(BG)を差し引いた値に、換算定数を乗じて得た結果が前記点滅していた測定値欄984に自動的に記入され、表示される。
ステップS154では、携帯情報端末103は、測定した表面汚染密度の値にもとづいて測定値は有効か否かを判定する。つまり、表面汚染密度の値が測定器101の検出限界値を超えていない場合(Yes)は判定欄988が「OK」と表示され、ステップS155へ進む。表面汚染密度の値が測定器101の検出限界値以上の場合(No)は、判定欄988が「NO」と表示される。判定欄988が「NO」と表示された場合、除染対策を実施し、ステップS146に戻って再検査を実施することになる。
なお、除染対策を実施した後に、スミヤ法により作業指示書80に指示された表面における表面汚染密度の最大値を示す測定ポイント91Aを再度設定する必要がある場合もある。
ステップS155では、携帯情報端末103は、「測定ポイントID」と、測定値を日時情報とともにメモリ(フラッシュメモリ)23に記憶する。ここで、測定値とは、測定値欄984の情報である。
ステップS156では、携帯情報端末103は表示部25の表示画面に「同一物品又は同一車両の別の測定ポイントがあるか?」の質問メッセージを表示し、検査員86のチェックを促し、同一物品84、または、同一輸送車両90に対する検査継続か否かをチェックする。ここで、検査継続か否かのチェックは、検査員86がキーボード24で「N」のキーを押下したか否かをチェックすることで行う。「N」のキーが押下されたことが検出されなかった場合(Yes)は、ステップS146に戻り、次の測定ポイント91A、測定ポイント91B、又は測定ポイント91Cの検査を繰り返す。「N」のキーが押下されたことが検出された場合(No)は、ステップS157へ進む。
(測定ポイント91Bにおける表面線量当量率の測定)
次に、ステップS156においてYesの場合で、ステップS146に戻り、ステップS147において、測定ポイント91Bの近くのRFICタグ81K(2)のRFICタグ識別情報を読み込む場合について説明する。
次に、ステップS146では、携帯情報端末103は、表示部25の表示画面に「測定ポイントのRFICタグの読み込み」のメッセージを表示とメッセージを表示する。この表示画面では、「次の物品又は次の輸送車両へ (N)」のアイコンも表示する。
検査員86は、表示の指示に従って、物品84に貼付されている測定ポイント91Bを示すRFICタグ81K(2)にRFICタグR/W29にかざす。すると、RFICタグR/W29はRFICタグ81K(2)と通信して、RFICタグ識別情報を受信し、携帯情報端末103は、受信したRFICタグ識別情報を測定ポイント名称の検索であることを示す制御コマンドを付して、通信部28から通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Bに送信する(ステップS147、「RFICタグ識別情報読み込み、送信」)。
検査データ管理サーバ4Bは、測定ポイント名称の検索であることを示す制御コマンドとともにRFICタグ識別情報を受信し(ステップS148)、受信したRFICタグ識別情報にもとづいて、測定ポイントDB52から該当する測定ポイント91Bを検索し、物品DB44Bから該当する測定ポイント91Bの「測定ポイント名称」、「測定ポイントID」、「関係付け情報」の測定ポイント情報を取得し、携帯情報端末103へ送信する(ステップS149)。
携帯情報端末103は、通信ネットワーク3を介して測定ポイント91Bの「測定ポイント名称」、「測定ポイントID」、「関係付け情報」の測定ポイント情報を受信し、検査測定記録シート97に表示する(ステップS150)。具体的には、携帯情報端末103は、受信した関係付け情報にもとづいて、次の測定が物品84の測定ポイント91Bに対するゼロ距離の表面線量当量率検査であることを判定して、検査測定記録シート97において、物品84に対応する物品IDが記入されている行の測定ポイント情報欄986から下方に向けて未記入の最上段の欄に、「測定ポイント名称」を自動的に記入して、その右の測定値欄987aを点滅させ、続いて小画面の「測定値取得(xxxx)」のメッセージを表示して(ステップS151)、検査員86に表面線量当量率検査の測定を促す。ここでは、「(xxxx)」のメッセージ部分は、「(ゼロ距離の表面線量当量率)」が表示される。
なお、この測定ポイント情報欄986の左の測定器ID欄982が未記入のときは、測定器IDを自動的に記入する。又、このメッセージ画面には、図示省略するがデジタル値の測定値を表示する「測定値表示ウインド」と、「測定値確定、次へ →」のアイコンが表示されており、この画面表示状態で測定値が「測定値表示ウインド」に、測定器101から出力される測定値が、次々と表示され続ける。携帯情報端末103は、この表示画面の状態でキーボード24の「→」キーが押下されたか否かをチェックする(ステップS152、「取得操作完了?」)。
検査員86は、測定器101の表示部16の測定値の表示と、携帯情報端末103の表示部25の表示画面の「測定値表示ウインド」に表示された測定値を確認して、正しい測定値と確認した上で、「→」キーを押す。
携帯情報端末103は、「→」キーが押された場合(Yes)は、ステップS153へ進み、「→」キーが押されない場合(No)は、ステップS152を繰り返す。ステップS153では、測定値を日時情報とともに取得し、携帯情報端末103は、その測定値を検査測定記録シート97に表示する。すなわち、この場合は、物品84の測定ポイント91Bにおけるゼロ距離の表面線量当量率を測定した測定値として、ステップS117において取得された「測定器ID」、ステップS118の後に得された「バックグラウンド(BG)」、ステップS152で取得された測定値(mSv/h)から、バックグラウンド(BG)を差し引いた結果が前記点滅していた測定値欄987aに自動的に記入され、表示される。
ステップS154では、携帯情報端末103は、測定したゼロ距離の表面線量当量率の値にもとづいて測定値は有効か否かを判定する。つまり、ゼロ距離の表面線量当量率の値が測定器101の所定の第1の判定値未満の場合(Yes)は判定欄988が「OK」と表示され、ステップS155へ進む。ゼロ距離の表面線量当量率の値が第1の判定値以上の場合(No)は、判定欄988が「NO」と表示される。判定欄988が「NO」と表示された場合、遮へい対策を実施し、ステップS146に戻って再検査を実施することになる。ちなみに、第1の判定値は法律で定められた値であり、組み込み定数である。
なお、遮へい対策染を実施した後に、作業指示書80に指示された表面におけるゼロ距離の表面線量当量率の最大値を示す測定ポイント91Bを再度設定する必要がある場合もある。
ステップS155では、携帯情報端末103は、「測定ポイントID」と、測定値を日時情報とともにメモリ(フラッシュメモリ)23に記憶する。ここで、測定値とは、測定値欄987aの情報である。
(測定ポイント91Cにおける表面線量当量率の測定)
次に、ステップS156においてYesの場合で、ステップS146に戻り、ステップS147において、測定ポイント91CのRFICタグ81K(3)のRFICタグ識別情報を読み込む場合について説明する。
検査員86は、カード105のポケット105aからホルダケース107を取り出して、紐106を目一杯引っ張りホルダ107cを収納ケース107aから露出させRFICタグ81K(3)を通信可能な状態にする。このとき法線方向に引っ張る。
次に、ステップS146では、携帯情報端末103は、表示部25の表示画面に「測定ポイントのRFICタグの読み込み」のメッセージを表示とメッセージを表示する。この表示画面では、「次の物品又は次の輸送車両へ (N)」のアイコンも表示する。
検査員86は、表示の指示に従って、物品84に貼付されている測定ポイント91Cを示すRFICタグ81K(3)にRFICタグR/W29にかざす。すると、RFICタグR/W29はRFICタグ81K(3)と通信して、RFICタグ識別情報を受信し、携帯情報端末103は、受信したRFICタグ識別情報を測定ポイント名称の検索であることを示す制御コマンドを付して、通信部28から通信ネットワーク3経由で検査データ管理サーバ4Bに送信する(ステップS147、「RFICタグ識別情報読み込み、送信」)。
検査データ管理サーバ4Bは、測定ポイント名称の検索であることを示す制御コマンドとともにRFICタグ識別情報を受信し(ステップS148)、受信したRFICタグ識別情報にもとづいて、測定ポイントDB52から該当する測定ポイント91Bを検索し、物品DB44Bから該当する測定ポイント91Bの「測定ポイント名称」、「測定ポイントID」、「関係付け情報」の測定ポイント情報を取得し、携帯情報端末103へ送信する(ステップS149)。
携帯情報端末103は、通信ネットワーク3を介して測定ポイント91Bの「測定ポイント名称」、「測定ポイントID」、「関係付け情報」の測定ポイント情報を受信し、検査測定記録シート97に表示する(ステップS150)。具体的には、携帯情報端末103は、受信した関係付け情報にもとづいて、次の測定が物品84のすでに測定済みの測定ポイント91Bとペアの測定ポイント91Cに対する1m距離の表面線量当量率検査であることを判定して、検査測定記録シート97において、測定ポイント情報欄986の右の測定値欄987bを点滅させ、続いて小画面の「測定値取得(xxxx)」のメッセージを表示して(ステップS151)、検査員86に表面線量当量率検査の測定を促す。ここでは、「(xxxx)」のメッセージ部分は、「(1m距離の表面線量当量率)」が表示される。
このメッセージ画面には、図示省略するがデジタル値の測定値を表示する「測定値表示ウインド」と、「測定値確定、次へ →」のアイコンが表示されており、この画面表示状態で測定値が「測定値表示ウインド」に、測定器101から出力される測定値が、次々と表示され続ける。携帯情報端末103は、この表示画面の状態でキーボード24の「→」キーが押下されたか否かをチェックする(ステップS152、「取得操作完了?」)。
検査員86は、測定器101の表示部16の測定値の表示と、携帯情報端末103の表示部25の表示画面の「測定値表示ウインド」に表示された測定値を確認して、正しい測定値と確認した上で、「→」キーを押す。
携帯情報端末103は、「→」キーが押された場合(Yes)は、ステップS153へ進み、「→」キーが押されない場合(No)は、ステップS152を繰り返す。ステップS153では、測定値を日時情報とともに取得し、携帯情報端末103は、その測定値を検査測定記録シート97に表示する。すなわち、この場合は、物品84の測定ポイント91Cにおける1m距離の表面線量当量率を測定した測定値として、ステップS117において取得された「測定器ID」、ステップS118の後に得された「バックグラウンド(BG)」、ステップS152で取得された測定値(mSv/h)から、バックグラウンド(BG)を差し引いた結果が前記点滅していた測定値欄987bに自動的に記入され、表示される。
ステップS154では、携帯情報端末103は、測定した1m距離の表面線量当量率の値にもとづいて測定値は有効か否かを判定する。つまり、1m距離の表面線量当量率の値が測定器101の所定の第2の判定値未満の場合(Yes)は判定欄988が「OK」と表示され、ステップS155へ進む。1m距離の表面線量当量率の測定値が第2の判定値以上の場合(No)は、判定欄988が「NO」と表示される。判定欄988が「NO」と表示された場合、遮へい対策を実施し、ステップS146に戻って再検査を実施することになる。ちなみに、第2の判定値は法律で定められた値であり、組み込み定数である。
なお、遮へい対策染を実施した後に、作業指示書80に指示された表面におけるゼロ距離の表面線量当量率の最大値を示す測定ポイント91Bを再度設定する必要がある場合もある。
ステップS155では、携帯情報端末103は、「測定ポイントID」と、測定値を日時情報とともにメモリ(フラッシュメモリ)23に記憶する。ここで、測定値とは、測定値欄987bの情報である。
(輸送車輌の表面汚染検査や表面線量当量率検査)
次に、輸送車両90の、例えば、車輪に対して表面汚染検査や表面線量当量率検査をする場合について説明する。この場合は、物品84に対する検査と方法は同じであるが、RFICタグ81K(1)が測定ポイント91Aの近くに貼付されておらず、作業指示書80に貼付されている場合もある。その場合は、先ず、携帯情報端末103に作業指示書80に貼付されたRFICタグ81K(1)のRFICタグ識別情報を読み込ませて、測定ポイント91Aの名称を検査データ管理サーバ4Bから取得させて、その後に、表面汚染密度の測定値を測定器101から取得させる。その制御の流れは、物品84の測定ポイント91Aに対する表面汚染検査の制御の流れのステップS146〜S156の制御と同一であるが、表示画面の検査測定記録シート97における記入欄が異なり、測定結果(輸送車両)の欄が対象となり、測定ポイント情報欄992に測定ポイント91Aの名称が記入され、表面汚染密度の測定値はその右の測定値欄993に記入される。
また、ステップS155においてメモリ23に記憶する測定値とは、測定値欄993の情報である。
同様に、ゼロ距離の表面線量当量率検査に対しても、カード105を車輪に一時的に貼付または、当接させてカード105に貼付されたRFICタグ81K(2)のRFICタグ識別情報を読み込ませて、測定ポイント91Bの名称を検査データ管理サーバ4Bから取得させて、その後に、ゼロ距離の表面線量当量率の測定値を測定器101から取得させる。その制御の流れは、物品84の測定ポイント91Bに対する表面汚染検査の制御の流れのステップS146〜S156の制御と同一であるが、表示画面の検査測定記録シート97における記入欄が異なり、測定結果(輸送車両)の欄が対象となり、測定ポイント情報欄995に測定ポイント91Bの名称が記入され、ゼロ距離の表面線量当量率の測定値はその右の測定値欄996aに記入される。
また、ステップS155においてメモリ23に記憶する測定値とは、測定値欄996aの情報である。
また、1m距離の表面の線量当量率検査に対しても、一時的に車輪に貼付又は当接させたカード105のポケット105a内のホルダケース107を取り出し、紐106を伸ばして収納ケース107aからRFICタグ81K(3)を露出させ、そのRFICタグ識別情報を読み込ませて、測定ポイント91Cの名称を検査データ管理サーバ4Bから取得させて、その後に、1m距離の表面線量当量率の測定値を測定器101から取得させる。その制御の流れは、物品84の測定ポイント91Cに対する表面汚染検査の制御の流れのステップS146〜S156の制御と同一であるが、表示画面の検査測定記録シート97における記入欄が異なり、測定結果(輸送車両)の欄が対象となり、測定ポイント91Cとペアになる測定ポイント91Bの測定ポイント情報欄995に対応させて、1m距離の表面線量当量率の測定値はその右側の測定値欄996bに記入される。
また、ステップS155においてメモリ23に記憶する測定値とは、測定値欄996bの情報である。
なお、ステップS156で「N」のキーが押下されずに、ステップS146の表示画面において「次の物品又は次の輸送車両へ (N)」に従って検査員86が「N」のキーを押下した場合、ステップS157へ進むようにしておくと便利である。
ステップS156において「N」のキーが押下されたことが検出されてステップS157へ進んだ場合、又は、ステップS156からステップS146へ進んだ後、ステップS146の表示画面における「次の物品又は次の輸送車両へ (N)」のアイコンに従って(N)のキーが押下され、ステップS157に移行した場合、携帯情報端末103は表示部25の表示画面に「同一輸送車両に別物品があるか?」の質問メッセージを表示し、検査員86のチェックを促し、別の物品84に対する検査継続か否かをチェックする。ここで、検査継続か否かのチェックは、検査員86がキーボード24で「Y」、「N」のいずれのキーを押下したかをチェックすることで行う。「Y」のキーが押下されたことを検出した場合(Yes)は、別の物品84の検査に移ったと判定して、ステップS140に戻り、次の物品84の検査を繰り返す。「N」のキーが押下されたことが検出された場合(No)は、ステップS158へ進む。
ステップS158では、携帯情報端末103は、表示部25の表示画面に「別の輸送車両があるか?」の質問メッセージを表示し、検査員86のチェックを促し、別の輸送車両90やそれに搭載された物品84に対する検査継続か否かをチェックする。ここで、検査継続か否かのチェックは、検査員86がキーボード24で「Y」、「N」のいずれのキーを押下したかをチェックすることで行う。「Y」のキーが押下されたことを検出した場合(Yes)は、別の輸送車両90の検査に移ったと判定して、ステップS130に戻り、次の輸送車両90やそれに搭載された物品84の検査を繰り返す。「N」のキーが押下されたことが検出された場合(No)は、ステップS159へ進む。
ステップS159では、メモリ(フラッシュメモリ)23に記憶された「作業件名ID」、「物品ID」、「測定器ID」、検査員86の「個人ID」、監理員の「個人ID」、搬出責任者の「個人ID」、車両運転手の「個人ID」、「車両番号(ID)」、測定値等を、検査データ送信を意味する制御コマンドを付して、検査データ管理サーバ4Bに送信する。このとき、測定値の情報には、それがどの測定ポイント91A,91B,91Cに対するどのような内容(表面汚染密度、ゼロ距離の表面線量当量率、1m距離の表面線量当量率)のものであるかを示す情報、どの物品84又は輸送車両90に対するものであるかを示す情報、どの輸送車両90に積載された物品84であるかを示す情報、判定結果及び日時情報、輸送車両90とその車両運転手89とを対応付ける情報等が付されている。
また、「作業件名ID」とともに、レコード欄970の検査記録番号も付されて送信すると都合が良い。
検査データ管理サーバ4Bでは、検査データ送信の制御コマンドを受信して、検査データ収集部39bにおいて、「作業件名ID」、「物品ID」、「測定器ID」、検査員86の「個人ID」、監理員の「個人ID」、搬出責任者の「個人ID」、車両運転手の「個人ID」、「車両番号(ID)」、測定値等を、通信ネットワーク3経由で受信して、検査データDB46Bに蓄積される(ステップS160)。その検査データの検査データDB46Bへ記憶される書式は図20に示した通りである。
以上で、一連の検査データの取得及び記録手順が終了する。
検査員86は、携帯情報端末103を測定器101と切り離し、携帯情報端末103が汚染されていないことを確認の上、所定の場所に格納する。
なお、検査員86が複数いて、別の放射線測定端末1を用いて検査している場合は、その放射線測定端末1の携帯情報端末103においても前記したステップS101〜S160の制御がなされ、別セットの「作業件名ID」、「物品ID」、「測定器ID」、検査員86の「個人ID」、監理員の「個人ID」、搬出責任者の「個人ID」、車両運転手の「個人ID」、「車両番号(ID)」、測定値等が、通信ネットワーク3経由で受信されて、検査データDB46Bに別セットの検査データ・データセット46bとして蓄積される。
(届出書類の作成)
検査員86は、自分のオフィスに戻り、オフィスに設置されている図示省略のパーソナルコンピュータの端末から検査データ管理サーバ4Bに接続し、届出書類作成支援部39cの機能を起動し、検査データDB46Bを読み出して、「作業件名ID」を指定することにより、届出書類作成支援部39cは、その「作業件名ID」のラベルを付された検査データ・データセット41bから、「搬出場所ID」、「物品ID」、「測定器ID」、「検査員ID」、「監理員ID」、「搬出責任者ID」、「測定ポイントID」、「車両運転手ID」、「車両番号(ID)」、「測定値」、「測定日時」を取得する。
そして、「作業件名ID」にもとづいて作業件名DB41Bに格納されている作業件名データセット41b(図15参照)から「搬出場所(名称)」、「搬出希望日時」、「搬出先」、「使用場所」、「使用場所区分」等を取得する。
また、届出書類作成支援部39cは、「物品ID」にもとづいて物品DB44Bから「物品名称」を取得し、又、内容物測定記録DB53からその物品84(梱包や容器)に格納されている放射性物質を含む内容物の情報(図19参照)が取得する。
更に、「測定器ID」にもとづいて測定器DB42から「測定器名称」、「校正有効期限」、「感度」、「換算定数」、「検出限界値」等を取得する。
「検査員ID」にもとづいて検査員DB43から検査員86の「氏名」、「所属」を取得し、「監理員ID」にもとづいて監理員DB48から監理員87の「氏名」、「所属」を取得し、「搬出責任者ID」にもとづいて搬出責任者DB49から搬出責任者88の「氏名」、「所属」を取得し、「車両運転手ID」にもとづいて車両運転手DB50から車両運転手89の「氏名」、「所属」を取得し、「車両番号(ID)」から輸送車両DB51から輸送車両90の所属会社を取得する。
「測定ポイントID」にもとづいて測定ポイントDB52から「測定ポイント名称」、「関係付け情報」を取得する。
このとき、同じ「作業件名ID」を有し、測定日時が同じ別の検査データ・データセット46bが検査データDB46B内に存在する場合は、その検査データ・データセット46bも読み出して前記のように関連する情報を読み出す。
なお、この読み出された検査データ・データセット46bの情報及びそれに関連して他のDBから読み出された情報も含めたものが検査データであり、その検査データの個々のデータには、それぞれ、各データの種類を示す識別符号が付せられており、後記する届出書類のレコード欄に記入するために対応させ易くなっている。
そして、検査員86は、書式DB47Bからその原子力発電所の管理部門が指定する、構内における物品輸送または構外への輸送に伴う所定の届け書類、例えば、「構内放射性物質輸送記録票」や、「搬出物品確認申請書」等の届出書類書式を選択して、読み出し、その届出書類書式に、データを落とし込む。
書式DB47Bに登録されている届出書類の書式は、図示省略するが、前記した検査測定記録シート97(図26参照)のレコード欄を一部削除したものであり、レコード欄として、作業件名欄、搬出場所欄、測定日欄、搬出先欄、搬出物品名称欄、内容物情報欄、測定ポイント欄と表面汚染測定値欄、測定ポイント欄と表面線量当量率測定値欄(ゼロ距離及び1m距離)、測定器情報欄(名称欄、識別番号欄、バックグラウンド欄、感度欄、換算定数欄、検出限界値欄等)、検査員86の所属欄と氏名欄、監理員87の所属欄と氏名欄、搬出責任者88の所属欄と氏名欄等が用意されている。
そして、各レコード欄には、記入されるデータの種別を示す識別符号を有しており、前記した検査データの各データの種類を示す識別符号と対応付けられている。
届出書類作成支援部39cは、届出書類の書式の各レコード欄に、「作業件名」、「搬出場所名称」、「搬出先」等を各データの前記識別符号にもとづいてそれぞれ自動記入し、物品84(梱包や容器)の測定ポイント91Aごとの表面汚染密度や、測定ポイント91B、91Cごとの表面線量当量率を各データの前記識別符号にもとづいて自動記入し、輸送車両90の測定ポイント91Aごとの表面汚染密度や、測定ポイント91B、91Cごとの表面線量当量率を各データの前記識別符号にもとづいて自動記入する。
更に、使用した測定器101に対する情報として、「測定器名称」に対応させてその測定器101の「感度」、「バックグラウンド」、「換算定数」、「検出限界値」等、更に、物品84の内容物の情報(図19参照)を各データの前記識別符号にもとづいて自動記入する。また、必要に応じて検査員86の「所属」、「氏名」、監理員87の「所属」、「氏名」、搬出責任者88の所属」、「氏名」を各データの前記識別符号にもとづいて自動記入する。
この結果、半自動的に届出書類が作成できる。電力会社によって届出書類の書式が異なる場合、その書式ごとに、書式の各レコード欄に対応づけるデータの種類の識別符号を書式のレコード欄中に指定しておけば、測定値482(図20参照)がどの測定ポイント91に対応するものか、また、どの物品84又は輸送車両90に対応するものか、その測定に使用された測定器101はどれか、その測定をした検査員86は誰かを容易に引用できるので、届出書類作成支援部39cは、書式を読み出したときに、その書式のレコード欄の指定する識別符号のデータを検査データから選定して、書式の各レコード欄に容易に貼り付けることができる。
以上、本実施形態によれば、物品84(梱包や容器)の表面汚染検査や表面線量当量率で測定器101によって得られた測定値と、その測定器101の識別番号や検査員86の識別番号、作業員(被測定者)85の識別番号、物品(被測定物品)84の識別番号とは互いに関係付けられて、検査データDB46Aに蓄積される。従って、測定値1つ1つについて、どの測定器101で、どの検査員86が、どの作業員(被測定者)85を、又はどの物品(被測定物品)84を測定したかをトレースすることができるようになる。
また、電力会社に提出する書類に表面汚染検査結果や表面線量当量率検査結果を記載するときに、物品84や輸送車両90に対する測定値、又は判定結果を確実に対応させることができる。また、そのときに使用した測定器101を確実に対応させて記載することができる。この結果、転記ミスを防止することができる。
なお、以上の実施形態においては、検査データDB46Bとして測定値に対して必要な項目を関係付けて蓄積しているが、図26に示した検査測定記録シート97そのものを検査データDB46Bに蓄積するようにしても良い。
また、ステップS156において、「同一物品又は同一輸送車両の別の測定ポイントがあるか?」に対して「No」の場合は、携帯情報端末103は、検査データ管理サーバ4Bに、「同一物品又は同一輸送車両の別の測定ポイントがあるか?」の質問をして、直前までで測定してきた同一物品84又は同一輸送車輌90に対して測定し忘れた測定ポイント91があるかないかをチェックさせても良い。そうすると、DB検索応答部39aが測定ポイントDB52に対して、物品ID及び輸送車輌IDをキーとして関係付け情報524(図16の(b)参照)をチェックして、これまでの作業名称IDの下における形態情報端末103との間で応答してきた車両番号(ID)又は物品IDに係わる未応答の測定ポイントIDがある場合に、その「測定ポイント名称」及び「測定ポイントID」と、それに関係する「物品名称」、「物品ID」、「車両番号」を携帯情報端末103に回答する。
このようにすることにより、測定忘れをしている測定ポイント91を特定して表示させることができる。
本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態においてRFICタグ19,81A,81B,81C,81D,81E,81F,81G,81H,81I,81K(1),81K(2),81K(3)は、全て読み出し専用タイプとしたがそれに限定されるものではない。データ書き込み可能なRFICタグとして、対応する識別番号(作業件名ID、測定器ID、個人ID、物品ID、車輌番号(ID)、測定ポイントID、測定場所ID、搬出場所ID等)を記録して、RFICタグR/W29でその識別番号を読み出しても良い。
この場合、識別番号の頭に、例えば、作業件名IDであることを示す識別子、個人IDを示す識別子、測定器IDを示す識別子というように、種類分けを示す識別子を付しておけば、携帯情報端末103がその識別番号を読み込んで検査データ管理サーバ4A,4Bに送信するときに制御コマンドを付して送らずとも、検査データ管理サーバ4A,4BのDB検索応答部39a側でそれが何の種類の識別番号であるかを判別して、検索応答できる。
この場合のRFIDタグに記録された前記識別番号(作業件名ID、測定器ID、個人ID、物品ID、車輌番号(ID)、測定ポイントID、測定場所ID、搬出場所ID等)も、本発明の請求項に記載のRFICタグ識別情報に含まれる。
また、測定器情報そのものをRFICタグ19又は測定器101のメモリ15に記憶させておいて、携帯情報端末103がそれを取得するようにしても良い。
本発明は、例えば、放射性物質を取り扱う原子力発電所や研究施設、病院等の放射能管理設備で取り扱われた物品や人の移動での表面汚染検査やこれらの放射能管理設備から搬出する物品の表面汚染検査や表面線量当量率検査に適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係わる検査データ収集システムの全体構成図である。 第1の実施形態の検査データ収集システムで用いられる放射線測定端末の外観図である。 第1の実施形態における検査データ管理サーバ計算機の機能ブロック図である。 作業件名DBに格納される作業件名データセットのレコード構成を示した図である。 測定器DBのレコード構成の例を示した図である。 検査員DB、作業員DB、監理員DB、搬出責任者DB、車両運転手DBのレコード構成の例を示した図である。 物品DBのレコード構成の例を示した図である。 検査データ・データセットのレコード構成の例を示した図である。 第1の実施形態における表面汚染検査時の放射線測定端末及び検査データ管理サーバにおける処理の制御の流れを示すフローチャートである。 第1の実施形態における表面汚染検査時の放射線測定端末及び検査データ管理サーバにおける処理の制御の流れを示すフローチャートである。 第1の実施形態における表面汚染検査時の放射線測定端末及び検査データ管理サーバにおける処理の制御の流れを示すフローチャートである。 第1の実施形態における表面汚染検査時に、携帯情報端末の表示部に表示される検査測定記録シートの例を示した図である。 本発明の第2の実施形態に係わる検査データ収集システムの全体構成図である。 第2の実施形態における検査データ管理サーバ計算機の機能ブロック図である。 作業件名DBに格納される作業件名データセットのレコード構成を示した図である。 (a)は輸送車両DBのレコード構成の例を示した図であり、(b)は測定ポイントDBのレコード構成の例を示した図である。 物品(容器)を輸送車両に積載した状態を示す説明図である。 表面線量当量率検査の測定ポイントを示すRFICタグの取り付け方法を説明する図であり、(a)はゼロ距離の表面線量当量率検査の測定ポイントを示すRFICタグを貼付されたカードの構成図であり、(b)は1m距離の表面線量当量率検査の測定ポイントを示すRFICタグを収納するホルダケースを説明する図であり、(c)は(b)に示したホルダケースの変形例を示す図であり、(d)は、(c)におけるA部拡大の作用説明図である。 容器や梱包等の物品の内容物測定記録DBのレコード構成を示した図である。 検査データ・データセットのレコード構成の例を示した図である。 第2の実施形態における表面汚染検査や表面線量当量率検査時の放射線測定端末及び検査データ管理サーバにおける処理の制御の流れを示すフローチャートである。 第2の実施形態における表面汚染検査や表面線量当量率検査時の放射線測定端末及び検査データ管理サーバにおける処理の制御の流れを示すフローチャートである。 第2の実施形態における表面汚染検査や表面線量当量率検査時の放射線測定端末及び検査データ管理サーバにおける処理の制御の流れを示すフローチャートである。 第2の実施形態における表面汚染検査や表面線量当量率検査時の放射線測定端末及び検査データ管理サーバにおける処理の制御の流れを示すフローチャートである。 第2の実施形態における表面汚染検査及び表面線量当量率検査時の放射線測定端末及び検査データ管理サーバにおける処理の制御の流れを示すフローチャートである。 第2の実施形態における表面汚染検査及び表面線量当量率検査時に、携帯情報端末の表示部に表示される検査測定記録シートの例を示した図である。
符号の説明
1 放射線測定端末
2 無線ノード端末
3 通信ネットワーク
4A,4B 検査データ管理サーバ
11 計測部
12,22,32 内部バス
13 操作部
14,21,31 CPU
15,23,33 メモリ
16,25,35 表示部
17 出力部
18 USBケーブル
18a USBコネクタ(オス)
19 RFICタグ
24,34b キーボード
26 USBコネクタ(メス)
27 入力部(測定値取得手段)
28 通信部(送信手段)
36 通信部
28a アンテナ
29 RFICタグR/W(識別情報取得手段)
34a マウス
37 記憶部
38 プリンタ
39a DB検索応答部
39b 検査データ収集部
39c 届出書類作成支援部(届出書類作成手段)
41A,41B 作業件名DB
42 測定器DB
43 検査員DB
44A、44B 物品DB
45 作業員DB
46A,46B 検査データDB
47A,47B 書式DB
48 監理員DB
49 搬出責任者DB
50 車両運転手DB
51 輸送車両DB
52 測定ポイントDB
53 内容物測定記録DB
61 プローブ
64 支持部
81A,81B,81C,81D,81E,81F,81G,81H,81I、81K,81K(1),81K(2),81K(3) RFICタグ
83 プロジェクトプレート
84 物品
85 作業員
86 検査員
87 監理員
88 搬出責任者
89 車両運転手
90 輸送車両
91,91A,91B,91C 測定ポイント
100A,100B 検査データ収集システム
101 放射線測定器
101a 本体
103 携帯情報端末
105 カード
105a ポケット
106 紐
107,108 ホルダケース(所定距離規制格納手段)
107a 収納ケース(電波遮へいケース)
107b バネ
107c、108b ホルダ
108a 収納部(電波遮へいケース)
108c 回転軸
108d ねじりコイルバネ
108e ラッチ溝
108f 案内管
108g 案内部
108h ラッチ爪
108i コイルバネ

Claims (5)

  1. 現場において放射能汚染・放射線線量を測定する放射線測定器と、
    前記放射線測定器により得られた測定値を取得して送信する携帯情報端末と、
    前記携帯情報端末から送信された前記測定値を収集する検査データ管理サーバ計算機と、
    前記収集された測定値を格納する検査データ・データベースと、
    前記放射線測定器の識別情報と校正有効期限を含む測定器情報を格納する測定器データベースと、を備え、
    前記携帯情報端末は、
    前記放射線測定器の識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記測定値を取得する測定値取得手段と、前記取得した測定値を前記検査データ管理サーバ計算機に、通信ネットワークを介して送信する送信手段と、操作部と、表示部とを有し、
    前記識別情報取得手段によって取得された前記放射線測定器の識別情報を前記検査データ管理サーバ計算機に送信し、前記測定器データベースから対応する前記測定器情報を取得し、該測定器情報にもとづいてその放射線測定器が有効であるか否を判定し、
    有効と判定したとき前記測定値を取得可能とし、取得した測定値を、その放射線測定器の前記識別情報、又は該識別情報に関係付けられた所定の情報と関係付けて、前記送信手段により前記検査データ管理サーバ計算機へ送信し、
    前記検査データ管理サーバ計算機は、
    前記携帯情報端末から前記放射線測定器の識別情報を取得したとき、該放射線測定器の識別情報にもとづき前記測定器データベースからその放射線測定器に対応する前記測定器情報を検索して前記携帯情報端末に送信し、
    前記携帯情報端末から受信した前記測定値を、前記放射線測定器の前記識別情報、又は該識別情報に関係付けられた所定の情報と関係付けて、前記検査データ・データベースに蓄積することを特徴とする検査データ収集システム。
  2. 前記放射線測定器に第1のRFICタグが貼付されており、
    前記放射線測定器の識別情報は、前記第1のRFICタグの記憶している第1のRFICタグ識別情報であり、
    前記識別情報取得手段はRFICタグ・リーダ・ライタであることを特徴とする請求項1に記載の検査データ収集システム。
  3. 前記現場において測定対象物である物品又は人員にそれぞれを判別するための第2のRFICタグが貼され、又は保持されており
    前記携帯情報端末は、前記測定対象物である物品又は人員に貼付され、又は保持された前記第2のRFICタグの記憶している第2のRFICタグ識別情報を読み込み、前記取得した測定値と関係付けて、前記送信手段により前記検査データ管理サーバ計算機へ送信し、
    前記検査データ管理サーバ計算機は、前記携帯情報端末から受信した前記測定値を、前記測定対象物である物品又は人員の前記第2のRFICタグ識別情報にもとづいて関係付けて、前記検査データ・データベースに蓄積することを特徴とする請求項2に記載の検査データ収集システム。
  4. 前記現場において放射能汚染・放射線線量を測定する測定対象物である物品又は輸送車両の、測定ポイントごとに測定ポイントを判別するための第3のRFICタグが貼され、又は備え付けられており
    前記携帯情報端末は、前記測定ポイントに貼付され、又は備え付けられた前記第3のRFICタグの記憶している第3のRFICタグ識別情報を読み込み、前記取得した測定値と関係付けて前記送信手段により前記検査データ管理サーバ計算機へ送信し、
    前記検査データ管理サーバ計算機は、前記携帯情報端末から受信した前記測定値を、前記測定ポイントの前記第3のRFICタグ識別情報にもとづいて関係付けて、前記検査データ・データベースに蓄積することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の検査データ収集システム。
  5. 更に、前記検査データ管理サーバ計算機は、届出書類の書式を格納する書式データベースと、該書式及び前記検査データ・データベースに蓄積されたデータにもとづき、届出書類を作成支援する届出書類作成手段を備え、
    前記書式データベースに格納された書式は、前記届出書類の前記物品の名称を記入するレコード欄、前記測定ポイントの名称を記入するレコード欄、前記測定値を記入するレコード欄、前記測定器情報を記入するレコード欄が設けられ、それぞれの前記レコード欄は記入されるデータの種別を示す識別符号を有し、
    届出書類作成支援部は、前記検査データ・データベースに蓄積された前記測定値と、それに関係付けられた前記測定ポイントの名称、前記物品の名称、前記測定器情報を、前記レコード欄に前記データの種別を示す識別符号にもとづいて前記各レコード欄を記入することを特徴とする請求項4に記載の検査データ収集システム。
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