JP2013210276A - 放射線検出器校正システムおよび放射線検出器校正方法 - Google Patents

放射線検出器校正システムおよび放射線検出器校正方法 Download PDF

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光伸 林
Hisashi Ito
比佐司 伊藤
Makoto Tomitaka
真 富高
Hiromichi Yamada
浩通 山田
Kanako Hattori
可奈子 服部
Terutsugu Tarumi
輝次 垂水
Yasuomi Hosaka
泰臣 穂坂
Takayoshi Furusawa
孝良 古澤
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Abstract

【課題】放射線検出器の校正作業を自動化し、正確かつ短時間に校正することができる放射線検出器校正システムを提供する。
【解決手段】実施形態の放射線検出器校正システムは、放射線源12を有する線源照射装置101と、放射線検出器1が設置される検出器設置装置100と、放射線検出器1の校正を制御する校正制御装置102と、放射線線量を測定する放射線測定装置103とを備える。放射線検出器1には検出器情報を予め記憶する検出器情報記憶部2が取り付けられている。校正制御装置102は、検出器情報読取部3から検出器情報を取得して検出器情報に基づいて線源距離パターンから線源距離を求めて検出器設置装置100を制御する検出器設置制御部16と、放射線源パターンから照射放射線線量率および放射線源12を決定して線源照射装置101を制御する線源照射制御部17とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、放射線検出器校正システムおよび放射線検出器校正方法に関する。
放射線モニタリング、放射線管理などを行うために使用される放射線測定機器には、正確な測定が求められる。そのためには、放射線測定機器に用いられる放射線検出器などの定期的な校正が必要となる。
なお、放射線測定器校正装置において、多種類の放射線源が格納された格納部と格納部から放射線源を選択、照射し、格納する駆動部とからなる照射装置と、この照射装置を遠隔操作する制御盤と、放射線源より照射された放射線を測定することによりその指示目盛りを校正する放射線測定器を搭載する校正台車とを有するものが知られている。
また、放射線モニタ校正装置において、校正時のみに密封線源を移動させる制御装置と、非密封線源に対する放射線検出器の応答と密封線源に対する応答とが等価になるように密封線源の位置を演算し、かつ制御装置に校正動作を実行させるための命令を与えると共に、放射線モニタの測定結果を演算して校正定数を算出する演算・操作ユニットとを備えたものが知られている。
また、放射線測定機器校正設備において、作業者が被校正機器の型式などの初期条件を入力し、その入力された条件に該当する校正条件が検索されて、自動校正を行うことが知られている。
特開平3−13883号公報 特公平6−68548号公報
富士時報 Vol.80 No.4 2007 「放射線測定機器校正設備」
しかしながら、上記放射線測定器校正装置においては、放射線源の取り付け、線源照射装置の制御および測定などの作業の多くが人手作業となるため、設定ミスや作業ミスによって許容値以上の測定誤差が生じ、測定をやり直す必要がある。
また、上記放射線モニタ校正装置および上記放射線測定機器校正設備において、校正作業の一部自動化により、一連の校正作業に費やす時間の短縮化されたものの、設定入力に被校正対象の放射線検出器の型式などの条件等の入力に人手による作業が必要なため、設定入力時ごとに設定ミスを生じる可能性がある。
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、放射線検出器の校正作業を自動化し、正確かつ短時間に校正することができる放射線検出器校正システムおよび放射線検出器校正方法を提供することである。
上記課題を解決するために、実施形態の放射線検出器校正システムは、校正基準となる放射線を照射する線源を有する線源照射装置と、被校正対象の放射線検出器が取り付けられる検出器設置装置と、前記放射線検出器の校正を制御する校正制御装置と、前記放射線検出器を校正するために放射線線量を測定する放射線測定装置とを備える放射線検出器校正システムである。当該放射線検出器校正システムは、前記放射線検出器には、前記放射線検出器の各々を識別可能な識別番号と、測定する照射放射線線量率の範囲を識別するための情報とを含む検出器情報を予め記憶する検出器タグが取り付けられ、前記線源照射装置は、前記線源として1または複数の放射線源と、前記放射線源を格納する線源格納部と、被校正対象の前記放射線検出器の校正基準となる前記放射線源から放射線を照射させる線源照射部と、前記線源格納部から前記放射線源を選択し、前記放射線源を前記線源格納部と前記線源照射部との間を移動させる移動機構部と、前記移動機構部を駆動する線源駆動部とを備え、前記検出器設置装置は、前記放射線検出器を支持する支持部と、前記支持部に支持された前記放射線検出器の前記検出器タグから前記検出器情報を読み取る検出器情報読取部と、前記支持部に支持された前記放射線検出器と前記放射線源との線源距離を調整する駆動部とを備え、前記校正制御装置は、前記放射線検出器の前記識別番号ごとに対応する照射放射線線量率と、当該照射放射線線量率が得られる前記線源距離とが関連付けされた線源距離パターンを予め記憶し、前記検出器情報読取部から前記検出器情報を取得して、前記検出器情報に基づいて前記線源距離パターンから前記線源距離を求めて前記検出器設置装置を移動可能に制御する検出器設置制御部と、前記放射線検出器の前記識別番号ごとに対応する前記照射放射線線量率と、前記照射放射線線量率が得られる放射線源との組み合わせが関連付けされた放射線源パターンを予め記憶し、前記検出器設置制御部が取得した前記検出器情報に基づいて前記放射線源パターンから前記照射放射線線量率および前記放射線源を決定し、前記線源照射装置を照射可能に制御する線源照射制御部とを備え、前記放射線測定装置は、前記校正制御装置と送受信する測定情報送受信部と、前記放射線検出器で測定された放射線測定データを取得して、当該取得した放射線測定データに基づいて前記放射線検出器の校正データを演算する測定演算部と、前記測定演算部による校正の終了を判定するために、前記放射線測定データから統計誤差を演算する統計誤差演算部とを備えることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、実施形態の放射線検出器校正方法は、校正基準となる放射線を照射する線源を有する線源照射装置と、被校正対象の放射線検出器が取り付けられる検出器設置装置と、前記放射線検出器の校正を制御する校正制御装置と、前記放射線検出器を校正するために放射線線量を測定する放射線測定装置とを備え、前記放射線検出器には前記放射線検出器の各々を識別可能な識別番号と測定する照射放射線線量率の範囲を識別するための情報とを含む検出器情報を予め記憶する検出器タグが取り付けられた放射線検出器校正システムの放射線検出器校正方法である。当該放射線検出器校正方法は、前記検出器設置装置が、前記放射線検出器の前記検出器タグから前記検出器情報を読み取る検出器情報読取ステップと、前記検出器設置装置が、読み取った前記検出器情報を前記校正制御装置に送信する検出器情報送信ステップと、前記校正制御装置が、受信した前記検出器情報に基づいて前記放射線検出器の前記識別番号ごとに対応する照射放射線線量率と、当該照射放射線線量率が得られる線源距離とが関連付けされた線源距離パターンから前記線源距離を決定する線源距離決定ステップと、前記校正制御装置が、受信した前記検出器情報に基づいて前記照射放射線線量率が得られる放射線源との組み合わせが関連付けされた放射線源パターンを決定する放射線源決定ステップと、前記校正制御装置が、決定した前記線源距離に基づいて前記検出器設置装置を駆動する検出器設置装置駆動ステップと、前記線源照射装置が、決定された前記放射線源パターンに基づいて前記放射線源を選択し、選択した前記放射線源を所定位置にセットする放射線源設定ステップと、前記線源照射装置が、前記放射線源の照射を行う放射線照射ステップと、前記放射線測定装置が、前記放射線検出器で測定された放射線線量率に基づいて前記放射線検出器を校正する校正ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る放射線検出器校正システムおよび放射線検出器校正方法の実施形態によれば、放射線検出器の校正作業を自動化し、正確かつ短時間に校正することができる。
本発明に係る放射線検出器校正システムの第1の実施形態の構成を示すブロック図。 図1に示す放射線検出器校正システムの線源距離の制御処理を示す制御ブロック図。 第1の実施形態の放射線検出器校正システムの全体の処理フローを示すフロー図。 本発明に係る放射線検出器校正システムの第2の実施形態の構成を示すブロック図。 本発明に係る放射線検出器校正システムの第3の実施形態の構成を示すブロック図。 図5に示す放射線検出器校正システムの線源距離の制御処理を示す制御ブロック図。 本発明に係る放射線検出器校正システムの第4の実施形態の構成を示すブロック図。
以下、本発明に係る実施形態の放射線検出器校正システムおよび放射線検出器校正方法について、図面を参照して具体的に説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複する説明は省略する。ここで説明する下記の実施形態はいずれも、原子炉施設内における放射線検出器校正システムおよび放射線検出器校正方法の一例をとりあげて説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る放射線検出器校正システムの第1の実施形態の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示す放射線検出器校正システムの線源距離の制御処理を示す制御ブロック図である。以下、第1の実施形態の放射線検出器校正システムについて、図1ないし図3を参照して説明する。
第1の実施形態の放射線検出器校正システムは、被校正対象となる放射線検出器1を校正するためのシステムである。そのために、本実施形態の放射線検出器校正システムは、図1に示すように、被校正対象となる放射線検出器1が取り付けられて照射する線源から所定の線源距離に位置を移動する検出器設置装置100と、被校正対象となる放射線検出器に応じて線源を選択して放射線を照射する線源照射装置101と、検出器設置装置100と線源照射装置101とを制御して校正するための校正条件を設定する校正制御装置102と、被校正対象となる放射線検出器1で測定された放射線線量の測定値に基づいて校正を行う放射線測定装置103と、を備えている。
なお、校正場所において、図1に示すように、例えば検出器設置装置100および線源照射装置101が線源照射室に設置され、校正制御装置102および放射線測定装置103が制御室に設置され、線源照射室からの放射線の影響を受けないように線源照射室と制御室とは区画されている。
はじめに、検出器設置装置100の構成について説明する。検出器設置装置100は、図1に示すように、検出器情報読取部3、支持部4、調節駆動部5、駆動部6、レール7、車輪8、測定計器9および目盛部10を備えている。
放射線検出器1は、検出器測定部20と接続されている信号線を介して、放射線検出信号または放射線検出データ(これらを放射線測定データとする)を検出器測定部20に出力する。
図1において、放射線検出器1は、放射線検出器校正システムの被校正対象である。放射線検出器1には、例えば被校正対象を識別するための識別番号や、製造メーカによって付された製造番号、測定する放射線線量率の範囲により識別される検出器の型式などを含む検出器情報を読み取り可能に予め記憶する検出器情報記憶部2が取り付けられている。なお、放射線線量率は、単位時間あたりの放射線量である。
検出器情報記憶部(検出器タグ)2は、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)タグ、バーコードタグなどである。校正開始前に、放射線検出器1には検出器情報を記憶するRFIDタグなどが予め取り付けられる。
なお、例えば検出器情報記憶部2がRFIDタグの場合、検出器情報の記憶手段に加えて、検出器情報記憶部2は外部からの読み出し要求に応じて、検出器情報を読み出し、読み出した検出器情報を外部に送信する情報アクセス手段などを有する。
検出器情報記憶部2に記憶される検出器情報は、少なくとも、例えば放射線検出器1の個体を識別する識別番号や、測定する放射線線量率の範囲の違いを識別するための型式などの情報を含む。校正作業において、これらの放射線検出器1の検出器情報を人手による設定入力によらず、読み取り可能とする。
検出器情報読取部3は、放射線検出器1の検出器情報記憶部2から検出器情報を読み取り、読み取った検出器情報を校正制御装置102の検出器設置制御部16に送信する。
支持部4は、被校正対象として取り付けられた放射線検出器1を、測定中に取り付け位置からずれることがないように支持する。支持部4は、調節駆動部5によって校正場所の垂直方向に移動可能とされている。
調節駆動部5は、校正制御装置102の検出器設置制御部16からの指令に応じて、支持部4の高さを調節する。この場合に、例えば図示しないマーキング確認装置によって、線源照射装置101の線源照射部11に対する、検出器設置装置100に取り付けられた放射線検出器1の高さ方向の位置合せの測定を行ってもよい。また、校正場所の水平方向についても、調節駆動部5によって調節される構造であってもよい。
駆動部6は、校正制御装置102の検出器設置制御部16からの指令に応じて、車輪8を駆動する。駆動部6は、車輪8を駆動するための図示しないモータ(電動モータ)、モータ駆動回路などを有する。詳しくは、駆動部6は後述するような検出器設置制御部16の制御処理により制御される。
レール7は、例えば校正場所の床面などに敷設されている。レール7は、線源照射装置101から照射される放射線方向に沿って、線源照射装置101とレール7上を移動する検出器設置装置100との線源距離が測定の調整に十分な長さを有している。
車輪8は、検出器設置装置100が移動可能なように取り付けられている。車輪8は、駆動部6の駆動力に応じてレール7上を移動する。車輪8は、線源照射装置101と検出器設置装置100との線源距離が定まった場合に、測定時に移動しないようにロック可能とされている。
目盛部10は、放射線検出器1と放射線源12との距離を計測するための目盛の基準が、測定計器9によって読み取り可能なようにレール7付近に設けられている。
測定計器9は、目盛部10の目盛を読み取る。測定計器9は、例えば周知の画像処理によって目盛部10の目盛数値を読み取る手段や、目盛に対応するマーカーを読み取る手段等を有している。
次に、線源照射装置101の構成について説明する。線源照射装置101は、図1に示すように、線源照射部11、放射線源12、昇降機構部13、線源格納部14、線源駆動部15および監視カメラ19を備えている。
線源照射部11は、線源照射室外からの放射線を遮へいする遮へい体で形成されている。また、線源照射部11には、この遮へい体から放射線源12から放出された放射線が通過するための照射窓が設けられている。この照射窓が検出器設置装置100の支持部4によって支持された放射線検出器1の方向に向くように、線源照射装置101において線源照射部11が構成されている。
放射線源12は、放射線検出器1を校正するための基準となる放射源(標準線源)である。放射線源12は、1または複数の線源である。標準線源により与えられる基準量は、例えば放射線のエネルギー、放射線の放出率、線量率等である。線源の放射線は、例えばX線、α線、γ線などである。放射線源12は、例えば照射窓が設けられた遮へい体で覆われている。なお、図1に示す放射線源12は、所定のホルダーに取り付けられた線源が線源照射部11内に支持された状態である。
線源格納部14は、複数の放射線検出器1を校正するための1または複数の放射線源12を格納している。線源格納部14に格納された複数の放射線源12の中から選択された線源は、所定のホルダーに取り付けられ、または、予め取り付けられている。線源格納部14から選択された放射線源12は、所定のホルダーに取り付けられた状態で、後述するように上方の線源照射部11の所定の位置に移動される。
昇降機構部13は、線源格納部14から選択された放射線源12を所定のホルダーに取り付けられた状態で上方に位置する線源照射部11へ上昇させる。また、選択された放射線源12の測定終了後、昇降機構部13は、その放射線源12を線源照射部11から下方に位置する線源格納部14へ下降させる。これらの昇降機構部13の動作は、線源駆動部15により制御される。
線源駆動部15は、校正制御装置102の線源照射制御部17から放射線源情報を受信する。線源駆動部15は、受信した放射線源パターンに基づいて、線源格納部14から放射線源12を選択する。なお、放射線源パターンについては、詳しくは後述する。
線源駆動部15は、選択された放射線源12を、線源格納部14から線源照射部11の所定の位置へ移動させるため、昇降機構部13を制御する。また、測定終了後、測定に使用された放射線源12を線源照射部11から線源格納部14の所定の位置に移動させるため、昇降機構部13を制御する。昇降機構部13の動作は、前述した通りである。
線源駆動部15は、線源照射制御部17からの照射開始の指令に応じて、線源照射部11にセットされた放射線源12の照射を開始させる。これによって、照射された放射線が放射線検出器1で検出され、放射線検出器1から検出器測定部20に測定された放射線線量の測定値またはそれに応じた出力信号など(放射線測定データとする)が出力される。その結果、検出器測定部20において所定の演算処理によって放射線線量率が算出される。
監視カメラ19は、線源照射室内を監視するためのカメラである。監視カメラ19の監視映像は、オペレータなどにより校正制御装置102の監視モニタ18で確認可能とされる。なお、これらの監視映像は、ネットワークなどを介して、外部で監視可能な構成であってもよい。
次に、校正制御装置102の構成について説明する。校正制御装置102は、図1に示すように、検出器設置制御部16、線源照射制御部17および監視モニタ18を備えている。
検出器設置制御部16は、検出器設置装置100に取り付けられた放射線検出器1の検出器情報を取得し、検出器設置装置100の移動制御を行う。
検出器設置制御部16は、検出器設置装置100の検出器情報読取部3に検出器情報の読み取り指令を送信する。検出器情報の読み取り指令を受信後、検出器情報読取部3は、放射線検出器1に備えられた検出器情報記憶部2から検出器情報を読み取る。検出器情報読取部3は、読み取った検出器情報を検出器設置制御部16に送信する。
検出器設置制御部16には、複数の放射線検出器1の型式に対応する照射放射線線量率と、その照射放射線線量率が得られる1または複数の放射線源12からの線源距離とが関連付けされた線源距離パターンが予め記憶されている。なお、照射放射線線量率は、単位時間あたりの照射する放射線量である。
検出器設置制御部16は、検出器情報読取部3から受信した検出器情報に基づいて、対応する線源距離パターンを決定する。検出器設置制御部16は、決定した線源距離パターンの中から定めた測定順ごとに線源距離を検出器設置装置100の駆動部6に指示する。駆動部6は、検出器設置制御部16から線源距離rの指示を受信すると、検出器設置制御部16の線源距離の制御処理に応じて、車輪8を駆動する。検出器設置制御部16は、例えばPID制御によって駆動部6を制御する。
図2は、図1に示す検出器設置制御部16の線源距離の制御処理を示す制御ブロック図である。
図2に示すように、取得した検出器情報の線源距離から目標線源距離演算部31により目標線源距離rが定まり、それと共にモータの指令速度vが与えられる。駆動部6のモータの現在の(推定された)速度および現在の線源距離が、線源距離/モータ速度演算部33により所定の演算により推定される。
目標線源距離rと現在の線源距離との偏差dr、および、モータの指令速度vと現在のモータ速度との偏差dvを入力として、PIDコントローラ32は駆動部6の電圧制御を行う。例えば、PIDコントローラ32が行う制御処理は、比例制御、積分制御および微分制御を組み合わせたPID制御処理である。
以上のPID制御処理によって、駆動部6がモータの指令速度vに追従しながら目標線源距離rに到達するように駆動され、その目標線源距離rまで検出器設置装置100(レール7および目盛部10を除く)が移動する。目標線源距離rへの移動(所定の誤差範囲の線源距離への移動)が完了すると、検出器設置制御部16は、照射放射線線量率を含んだ検出器情報を線源照射制御部17に送信する。なお、検出器設置制御部16は、検出器設置装置100の移動完了前に、照射放射線線量率を含んだ検出器情報を線源照射制御部17に送信してもよい。
線源照射制御部17は、線源照射装置101の放射線源12の選択や線源照射開始・停止などを制御する。このために、線源照射制御部17は、線源格納部14に格納されている放射線源12ごとに放射線源パターンを予め記憶している。放射線源パターンは、例えば放射線の種類、照射放射線線量率等を含む情報である。
また、線源照射制御部17は、予め放射線検出器1の型式ごとに、対応する照射放射線線量率と、その照射放射線線量率が得られる放射線源12との組み合わせを含む放射線源パターンが関連付けされ、記憶されている。線源照射制御部17は、検出器設置制御部16より受信した検出器情報に基づいて放射線源パターンを決定する。これによって、線源照射制御部17は、選択する放射線源12を決定する。線源照射制御部17は、選択した放射線源12を線源照射装置101の線源駆動部15に送信する。線源駆動部15は、選択された放射線源12を線源格納部14から線源照射部11に移動させるように、昇降機構部13などを制御する。
線源照射制御部17は、検出器設置制御部16から測定動作開始の通知を受信すると、線源照射装置101の線源駆動部15に線源照射開始の指令を出す。この指令を受信した線源駆動部15は、線源照射部11に支持された放射線源12から放射線を照射させる。
線源照射制御部17は、放射線測定装置103の測定情報送受信部22を介して測定動作終了の通知を受信すると、線源駆動部15に線源照射停止の指令を出す。放射線源12(線源)の照射を停止後、線源駆動部15は昇降機構部13を駆動して、線源照射部11から放射線源12を下降させて線源格納部14に格納させる。
線源照射制御部17は線源格納部14から放射線源12の格納終了の通知を受信すると、被校正対象とされる放射線検出器1の校正動作を終了、または、次の(異なる)線源距離による測定動作に移行するかを判断する。線源照射制御部17は、これらの動作状態を、例えば監視モニタ18に表示する。
監視モニタ18は、測定計器9や監視カメラ19の映像を表示する。また、監視モニタ18には、検出器設置制御部16や線源照射制御部17などから出力される線源照射状態や測定状態、測定結果などの情報も表示可能とされる。
なお、検出器設置制御部16および線源照射制御部17は、各装置(検出器設置装置100、線源照射装置101、放射線測定装置103等)と通信可能となるように信号線、ネットワークなどが接続されている。通信手段は、例えば有線や無線などであり、その通信手段は限定されない。
以上説明したように、校正制御装置102の検出器設置制御部16および線源照射制御部17には、放射線検出器1に取り付けられた検出器情報記憶部2に記憶された検出器情報と関連付けされて、線源距離パターンおよび放射線源パターンなどが予め記憶されている。これにより、校正条件を人手によって入力することなく、校正条件を自動的に入力し、設定することができる。
次に、放射線測定装置103の構成について説明する。放射線測定装置103は、図1に示すように、検出器測定部20および測定モニタ21を備えている。
検出器測定部20は、放射線検出器1から送信(または出力)される測定データ(または出力信号)を受信する。検出器測定部20は、受信した測定データに基づいて、後述するように、放射線検出器1の校正に必要なデータを算出する。また、検出器測定部20は、測定モニタ21に接続され、適宜、放射線検出器1の測定状態や、測定結果等を測定モニタ21に出力する。
以上の機能を実現するために、検出器測定部20は、図1に示すように、測定情報送受信部22、測定演算部23および統計誤差演算部24を有している。以下、これらの機能部について説明する。
測定情報送受信部22は、統計誤差の演算結果、測定動作終了などの測定状態、測定結果等を含む測定情報を校正制御装置102に送信する。また、測定情報送受信部22は、校正制御装置102から放射線検出器1の検出器情報、線源距離パターンおよび放射線源パターンなどの情報を受信する。
測定演算部23は、信号線を介して放射線検出器1で測定された放射線測定データを取得する。測定演算部23は、取得した放射線測定データや、線源距離パターンおよび放射線源パターンなどの情報を用いて、放射線検出器1の校正に必要な校正データを演算する。例えば、校正データは、照射放射線線量率、放射線検出器1の指示値(測定値)などである。
統計誤差演算部24は、放射線測定データから統計誤差を演算する。統計誤差演算部24は、統計誤差が十分小さくなったと判断した場合、放射線測定装置103の一の測定動作を終了させるため、測定情報送受信部22を介して校正制御装置102へ測定動作終了の通知を送信する。なお、一の測定とは、一つの線源により一つの線源距離での測定を指す。
ここで、放射線測定において、放射線の発生に特有の統計的揺らぎが存在するため、統計誤差が生じる。線源からの放射線を一定の計数時間で繰り返し測定する場合、単位時間当りの計数n(nは整数)は一定値ではなく、ばらつきが生じる。
例えば、このばらつきはポアッソン分布に従う。また、計数率が大きくなると、ポアッソン分布で表される計数率の確率分布は、ガウス分布に近似できる。ガウス分布では、分布の広がりを表す標準偏差σなどで統計指標が与えられる。統計誤差演算部24は、例えば前述したような統計指標などを用いて統計誤差を演算する。
測定モニタ21は、例えば測定演算部23、統計誤差演算部24などから出力される演算結果や、測定開始や測定中などの測定状態などを表示する。
図3は、第1の実施形態の放射線検出器校正システムの全体の処理フローを示すフロー図である。以下に、図1を参照しながら、図3に示すフローについて説明する。
被校正対象となる放射線検出器1が支持部4に取り付けられた後、校正制御装置102の検出器設置制御部16が校正開始の指示を受ける。校正開始の指示を受けて、検出器設置制御部16は検出器設置装置100の検出器情報読取部3へ検出器情報の読み取り指令を送信し、これを受信した検出器情報読取部3は検出器情報記憶部2から検出器情報を読み取る(ステップS1)。
検出器情報読取部3は、読み取った検出器情報を校正制御装置102の検出器設置制御部16に送信する(ステップS2)。
次に、検出器設置制御部16は、受信した検出器情報に基づいて、線源距離パターンを決定する(ステップS3)。
検出器設置制御部16は、この決定した線源距離パターンに基づいて検出器設置装置100の駆動部6を駆動する(ステップS4)。
次に、検出器設置制御部16は、読み取った検出器情報を線源照射制御部17に送信する(ステップS5)。
線源照射制御部17は検出器設置制御部16から検出器情報を受信し、この検出器情報に基づいて放射線源パターンを決定する(ステップS6)。
続いて、線源照射制御部17は決定した放射線源パターンに基づいて放射線源12を選択し、選択した放射線源12を線源照射装置101の線源駆動部15に通知する。この通知を受けた線源駆動部15が、選択された放射線源12を線源格納部14から取り出し、昇降機構部13により放射線源12を所定位置にセットさせる(ステップS7)。
次に、線源駆動部15は、線源照射制御部17の線源照射開始の指令に応じて、線源照射部11にセットされた放射線源12の照射を開始させる。これにより、線源照射部11から照射された放射線が放射線検出器1で検出され、放射線検出器1から放射線測定装置103の測定演算部23に出力信号(出力データ)が出力される。その結果、測定演算部23において、所定の演算処理によって放射線線量率が算出されて、校正のための測定が開始される(ステップS8)。
次に、統計誤差演算部24は、この測定演算部23の測定値から統計誤差を算出する(ステップS9)。
続いて、統計誤差演算部24は、算出した統計誤差が所定の誤差範囲かチェックする(ステップS10)。
統計誤差演算部24によりチェックされた統計誤差が所定の誤差範囲の場合には(ステップS10のYes)、測定演算部23は測定を終了する(ステップS11)。一方、統計誤差が所定の誤差範囲を超える場合には(ステップS10のNo)、処理をステップS8に戻す。
測定終了後、測定演算部23は、測定情報送受信部22を介して線源照射装置101の線源駆動部15に測定終了の通知を送信する。この通知を受けた線源駆動部15は、放射線源12を元の格納場所(線源格納部14)に格納させる(ステップS12)。一つの測定が終了後、本処理フローは終了する。
なお、いくつかの線源を用いて校正が行われる場合には、図示しないが、例えば線源ごとにステップS3〜S12の処理が繰り返し行われて、被校正対象となる放射線検出器1の校正が終了する。図3は一例であり、第1の実施形態の放射線検出器校正システムの全体の処理フローが図3に限定されるものではない。
ここで、図1に示す校正制御装置102および放射線測定装置103の主な機器構成として、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えるコンピュータであってもよく、また、HDD(Hard Disk Drive)、キーボード、マウス、モニタなどをさらに備える構成であってもよい。このようなコンピュータなどに、例えば前述したような処理を実行するプログラムが各々に備えられ、CPU、RAM等により当該プログラムに従って、図3に示した各々の処理を実行する。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、放射線検出器1に取り付けられた検出器情報記憶部2からその検出器情報を読み取ることができるため、放射線検出器1の型式、種類などのデータを手動で校正条件を入力する必要がなく、校正作業においてヒューマンエラーを防止することができる。
すなわち、第1の実施形態によれば、放射線検出器の校正作業を自動化し、正確かつ短時間に校正することができる。
[第2の実施形態]
図4は、本発明に係る放射線検出器校正システムの第2の実施形態の構成を示すブロック図である。以下、第2の実施形態の放射線検出器校正システムについて、図4を参照して説明する。
第2の実施形態の放射線検出器校正システムと第1の実施形態と異なる点は、図1に示す第1の実施形態の構成に加えて、図4に示すように、検出器情報記憶部2に測定情報記録部30を付加した点である。なお、第1の実施形態と同一または類似の構成には、共通の符号を付し、重複する説明は省略する。
第2の実施形態の放射線検出器校正システムでは、校正終了後、測定情報送受信部22から校正制御装置102に測定動作終了の指令と共に、測定した放射線線量率の校正結果を送信する。
送信された校正結果は、校正制御装置102を介して検出器設置装置100の検出器情報読取部3に送信される。さらに、校正結果は、検出器情報読取部3から検出器情報記憶部2に送信され、検出器情報記憶部2の測定情報記録部30に記録される。測定情報記録部30は、例えばRFIDタグが有している書き込み可能な不揮発性の半導体メモリなどである。
また、測定情報記録部30で記録された校正結果は、検出器設置制御部16からの読み出し指令に応じて、検出器情報読取部3に読み出されて検出器設置制御部16へ送信される。
検出器設置制御部16は、取得した校正結果などのデータを監視モニタ18に例えば検出器感度−使用年数などを示すグラフとして表示する。これにより、放射線検出器感度の経年推移を把握することができる。
第2の実施形態によれば、放射線検出器1に取り付けられた検出器情報記憶部2により、測定した校正結果を測定情報記録部30に記録することができる。また、過去の校正結果を取り出し、グラフ化する機能などを持たせることで放射線検出器1の経年推移を管理することができ、放射線検出器1の交換時期等の管理に役立てることができる。これにより、第1の実施形態の効果に加えて、さらに放射線検出器1の校正の信頼性を高めることができる。
[第3の実施形態]
図5は、本発明に係る放射線検出器校正システムの第3の実施形態の構成を示すブロック図である。図6は、図5に示す放射線検出器校正システムの線源距離の制御処理を示す制御ブロック図である。以下、第3の実施形態の放射線検出器校正システムについて、図5および図6を参照して説明する。
本発明の第3の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態の構成に加えて、放射線測定装置103に接続されたバックグラウンド放射線測定器25を検出器設置装置100に付加した点である。なお、第1の実施形態と同一または類似の構成には、共通の符号を付し、重複する説明は省略する。
放射線検出器1の校正場所においては、バックグラウンドとなる放射線が存在する。そのため、放射線検出器1において測定する放射線線量率(NRとする)にはこのバックグラウンド放射線線量率(NBとする)が含まれることになる。
したがって、測定レンジの低い放射線検出器1を校正する場合においては、バックグラウンド放射線線量率NBの影響により校正の測定誤差が生じ、測定精度の低下につながる。このため、第3の実施形態では、以下に説明するようなバックグラウンド放射線線量率NBに対する補正処理を行う。
以下、バックグラウンド放射線線量率NBに対する補正処理について説明する。図5に示すように、校正を実施する校正場所において、設置されたバックグランド放射線測定器25(校正済み)によりバックグラウンド放射線線量率NBを測定する。バックグラウンド放射線測定器25は、被校正対象となる放射線検出器1が支持される近辺に設置されている。
測定されたバックグラウンド放射線線量率NBは、放射線測定装置103の検出器測定部20に送信される。この測定されたバックグラウンド放射線線量率NBは、測定情報送受信部22を介して、検出器設置制御部16に送信される。
検出器設置制御部16は、前述したように、放射線検出器1から取得した検出器情報に基づいて照射放射線線量率NIを決定し、測定されたバックグラウンド放射線線量率NBとから放射線線量率N=NI−NBの差分演算を行う。すなわち、放射線線量率Nは、バックグラウンド放射線線量率NBを考慮した線源距離の算出に用いられる、すなわち、放射線検出器1の位置での放射線線量率である。
前述した第1の実施形態のとおり、検出器設置制御部16には、放射線検出器1の型式に対応する照射放射線線量率NIと、その照射放射線線量率NIが得られる放射線源12からの線源距離パターンが予め記憶されている。検出器設置制御部16は、この予め記憶された線源距離パターンから放射線線量率Nを導き、さらにこの放射線線量率Nが得られる線源距離を導いて、この線源距離に基づいて検出器設置装置100の駆動部6を駆動する。
図6は、図5に示す検出器設置制御部16の線源距離の制御処理を示す制御ブロック図である。
図6に示すように、取得した検出器情報およびバックグラウンド放射線線量率NBから目標線源距離演算部31により目標線源距離rが定まり、それと共にモータの指令速度vが与えられる。駆動部6のモータの現在の(推定された)速度および現在の線源距離が、線源距離/モータ速度演算部33により所定の演算により推定される。目標線源距離rと現在の線源距離との偏差dr、および、モータの指令速度vと現在のモータ速度との偏差dvを入力して、PIDコントローラ32は駆動部6の電圧制御を行う。なお、図6に示すPID制御処理は前述した図2のPID制御処理と同様であり、ここでは詳しい説明は省く。
第3の実施形態によれば、放射線検出器1の校正場所のバックグラウンド放射線線量率NBを測定するバックグラウンド放射線測定器25により、バックグラウンド放射線線量率NBを考慮した線源距離の算出が可能となり、測定精度の向上につなげることができる。これにより、第1の実施形態の効果に加えて、さらに放射線検出器1の校正の精度を高めることができる。
[第4の実施形態]
図7は、本発明に係る放射線検出器校正システムの第4の実施形態の構成を示すブロック図である。以下、第4の実施形態の放射線検出器校正システムについて、図7を参照して説明する。
本発明の第4の実施形態が、第3の実施形態と異なる点は、第3の実施形態の構成に加えて、放射線測定装置103に接続された温度センサ26と湿度センサ27と気圧センサ28を検出器設置装置100に付加した点である。なお、第3の実施形態と同一または類似の構成には、共通の符号を付し、重複する説明は省略する。
第3の実施形態に記載したバックグラウンド放射線線量率NBを測定するバックグラウンド放射線測定器25においては、設置された環境の温度、湿度、気圧などの条件により、放射線測定器自身の検出感度に影響が生じる可能性がある。第3の実施形態のようにバックグラウンド放射線線量率NBを考慮する場合、バックグラウンド放射線線量率NBの測定誤差に関しても、その測定の環境条件について考慮することで測定精度の向上につながる。
以下に、温度、湿度、気圧などの環境条件に対する処理について説明する。ここでは、代表して温度に対するバックグラウンド放射線線量率NBの補正処理について説明する。図7に示すように校正場所に設置された温度センサ26により、校正場所の温度を測定する。温度センサ26により測定された温度データは、温度センサ26に接続された信号線を介して、放射線測定装置103の検出器測定部20により逐次取得される。この取得された温度データは、測定情報送受信部22を介して、検出器設置制御部16に送信される。
検出器設置制御部16は、予め記憶または算出された温度に対するバックグラウンド放射線測定器25の感度係数ktを、バックグラウンド放射線測定器25の温度に起因する検出感度の補正に用いる。すなわち、検出器設置制御部16は、バックグラウンド放射線測定器25にて測定したバックグラウンド放射線線量率NBに感度係数ktを掛け、放射線検出器1から取得した検出器情報に基づいた照射放射線線量率NIとの差分(N=NI−ktNB)を演算する。
なお、バックグラウンド放射線測定器25の湿度、気圧などの環境条件に起因する検出感度の補正についても同様である。また、感度係数ktなどは、例えば温度などに対するテーブルデータや、換算式から導出されるものであってもよい。
正味の放射線線量率Nを算出した後、検出器設置制御部16は、前述したように線源距離パターンから線源距離を導き、検出器設置装置100の駆動部6を駆動する。
第4の実施形態によれば、バックグラウンド放射線測定器25の温度、湿度、気圧などの環境条件に起因する検出感度の影響を補正することで、バックグラウンド放射線線量率NBの測定精度を向上させ、そのバックグラウンド放射線線量率NBを考慮した線源距離を算出することで、測定精度を向上させることができる。これにより、第3の実施形態の効果に加えて、さらに放射線検出器1の校正の精度を高めることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形には、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…放射線検出器、2…検出器情報記憶部(検出器タグ)、3…検出器情報読取部、4…支持部、5…調節駆動部、6…駆動部、7…レール、8…車輪、9…測定計器、10…目盛部、11…線源照射部、12…放射線源、13…昇降機構部(移動機構部)、14…線源格納部、15…線源駆動部、16…検出器設置制御部、17…線源照射制御部、18…監視モニタ、19…監視カメラ、20…検出器測定部、21…測定モニタ、22…測定情報送受信部、23…測定演算部、24…統計誤差演算部、25…バックグラウンド放射線測定器、26…温度センサ、27…湿度センサ、28…気圧センサ、30…測定情報記録部、31…目標線源距離演算部、32…PIDコントローラ、33…線源距離/モータ速度演算部、100…検出器設置装置、101…線源照射装置、102…校正制御装置、103…放射線測定装置

Claims (7)

  1. 校正基準となる放射線を照射する線源を有する線源照射装置と、被校正対象の放射線検出器が取り付けられる検出器設置装置と、前記放射線検出器の校正を制御する校正制御装置と、前記放射線検出器を校正するために放射線線量を測定する放射線測定装置とを備える放射線検出器校正システムであって、
    前記放射線検出器には、前記放射線検出器の各々を識別可能な識別番号と、測定する照射放射線線量率の範囲を識別するための情報とを含む検出器情報を予め記憶する検出器タグが取り付けられ、
    前記線源照射装置は、
    前記線源として1または複数の放射線源と、
    前記放射線源を格納する線源格納部と、
    被校正対象の前記放射線検出器の校正基準となる前記放射線源から放射線を照射させる線源照射部と、
    前記線源格納部から前記放射線源を選択し、前記放射線源を前記線源格納部と前記線源照射部との間を移動させる移動機構部と、
    前記移動機構部を駆動する線源駆動部とを備え、
    前記検出器設置装置は、
    前記放射線検出器を支持する支持部と、
    前記支持部に支持された前記放射線検出器の前記検出器タグから前記検出器情報を読み取る検出器情報読取部と、
    前記支持部に支持された前記放射線検出器と前記放射線源との線源距離を調整する駆動部とを備え、
    前記校正制御装置は、
    前記放射線検出器の前記識別番号ごとに対応する照射放射線線量率と、当該照射放射線線量率が得られる前記線源距離とが関連付けされた線源距離パターンを予め記憶し、前記検出器情報読取部から前記検出器情報を取得して、前記検出器情報に基づいて前記線源距離パターンから前記線源距離を求めて前記検出器設置装置を移動可能に制御する検出器設置制御部と、
    前記放射線検出器の前記識別番号ごとに対応する前記照射放射線線量率と、前記照射放射線線量率が得られる放射線源との組み合わせが関連付けされた放射線源パターンを予め記憶し、前記検出器設置制御部が取得した前記検出器情報に基づいて前記放射線源パターンから前記照射放射線線量率および前記放射線源を決定し、前記線源照射装置を照射可能に制御する線源照射制御部とを備え、
    前記放射線測定装置は、
    前記校正制御装置と送受信する測定情報送受信部と、
    前記放射線検出器で測定された放射線測定データを取得して、当該取得した放射線測定データに基づいて前記放射線検出器の校正データを演算する測定演算部と、
    前記測定演算部による校正の終了を判定するために、前記放射線測定データから統計誤差を演算する統計誤差演算部とを備える
    ことを特徴とする放射線検出器校正システム。
  2. 前記検出器タグは、前記校正制御装置から前記放射線検出器の前記校正データを含む校正結果を取得して前記校正結果を記憶する測定情報記録部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器校正システム。
  3. 前記放射線検出器を校正する校正場所のバックグラウンド放射線線量率を測定するバックグランド放射線測定器をさらに備え、
    前記校正制御装置の前記検出器設置制御部は、前記校正場所のバックグラウンド放射線線量率に基づいて、前記検出器情報に基づく前記照射放射線線量率を補正し、当該補正した前記照射放射線線量率が得られる前記放射線源からの前記線源距離を求める
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線検出器校正システム。
  4. 前記校正場所の温度を測定する温度センサをさらに備え、
    前記校正制御装置の前記検出器設置制御部は、前記温度センサで測定された前記校正場所の温度に基づいて前記放射線測定器で測定するバックグラウンド放射線線量率を補正し、当該補正した前記バックグラウンド放射線線量率から前記検出器情報に基づく前記照射放射線線量率を補正し、当該補正した前記照射放射線線量率から得られる前記放射線源からの前記線源距離を求める
    ことを特徴とする請求項3に記載の放射線検出器校正システム。
  5. 前記校正場所の湿度を測定する湿度センサをさらに備え、
    前記校正制御装置の前記検出器設置制御部は、前記湿度センサで測定された前記校正場所の湿度に基づいて前記放射線測定器で測定するバックグラウンド放射線線量率を補正し、当該補正した前記バックグラウンド放射線線量率から前記検出器情報に基づく前記照射放射線線量率を補正し、当該補正した前記照射放射線線量率から得られる前記放射線源からの前記線源距離を求める
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の放射線検出器校正システム。
  6. 前記校正場所の気圧を測定する気圧センサをさらに備え、
    前記校正制御装置の前記検出器設置制御部は、前記気圧センサで測定された前記校正場所の気圧に基づいて前記放射線測定器で測定するバックグラウンド放射線線量率を補正し、当該補正した前記バックグラウンド放射線線量率から前記検出器情報に基づく前記照射放射線線量率を補正し、当該補正した前記照射放射線線量率から得られる前記放射線源からの前記線源距離を求める
    ことを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか一項に記載の放射線検出器校正システム。
  7. 校正基準となる放射線を照射する線源を有する線源照射装置と、被校正対象の放射線検出器が取り付けられる検出器設置装置と、前記放射線検出器の校正を制御する校正制御装置と、前記放射線検出器を校正するために放射線線量を測定する放射線測定装置とを備え、前記放射線検出器には前記放射線検出器の各々を識別可能な識別番号と測定する照射放射線線量率の範囲を識別するための情報とを含む検出器情報を予め記憶する検出器タグが取り付けられた放射線検出器校正システムの放射線検出器校正方法であって、
    前記検出器設置装置が、前記放射線検出器の前記検出器タグから前記検出器情報を読み取る検出器情報読取ステップと、
    前記検出器設置装置が、読み取った前記検出器情報を前記校正制御装置に送信する検出器情報送信ステップと、
    前記校正制御装置が、受信した前記検出器情報に基づいて前記放射線検出器の前記識別番号ごとに対応する照射放射線線量率と、当該照射放射線線量率が得られる線源距離とが関連付けされた線源距離パターンから前記線源距離を決定する線源距離決定ステップと、
    前記校正制御装置が、受信した前記検出器情報に基づいて前記照射放射線線量率が得られる放射線源との組み合わせが関連付けされた放射線源パターンを決定する放射線源決定ステップと、
    前記校正制御装置が、決定した前記線源距離に基づいて前記検出器設置装置を駆動する検出器設置装置駆動ステップと、
    前記線源照射装置が、決定された前記放射線源パターンに基づいて前記放射線源を選択し、選択した前記放射線源を所定位置にセットする放射線源設定ステップと、
    前記線源照射装置が、前記放射線源の照射を行う放射線照射ステップと、
    前記放射線測定装置が、前記放射線検出器で測定された放射線線量率に基づいて前記放射線検出器を校正する校正ステップと、
    を含むことを特徴とする放射線検出器校正方法。
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