JP4818443B2 - カプラ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、離間して配置された別のカプラ装置との間で電磁波を送受信するカプラ装置に関する。
数cm程度の距離まで近接させた2つの通信機器間での近接無線通信方式であるTransferJETの開発が進められている。
この種の近接無線通信方式を利用して通信する場合には、2つの通信機器をそれぞれに搭載されたカプラ装置を対向させるように近接させた状態とする。そしてカプラ装置は、電磁的結合を利用して電磁波を送受信する。
なお、一般的にカプラ装置は、それぞれ導電材料を平板状に形成した結合素子と地板とを互いに対向する状態で配置して構成される。そして、送信側のカプラ装置においては、結合素子と地板との間に信号を給電することによって結合素子に電流を生じさせることによってカプラ装置の周囲に電磁場を生じさせ、受信側のカプラ装置との間に電磁的結合を生じさせる。受信側のカプラ装置では、上記のように生じた電磁的結合により結合素子に電流が生じた際の結合素子と地板との間の電位差として上記の信号を取り出すことができる。
特開2008−099236号公報
カプラ装置は、以上のような原理のために結合素子と地板とが互いに近接して配置される。このため、結合素子に生じた電流の一部が空間を介して地板に流れ、給電したエネルギの一部が電磁的結合に利用されずに損失となってしまう。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、結合素子から地板への電流の漏れを低減し、結合度を効率的に改善することにある。
本発明の第1の態様によるカプラ装置は、他のカプラ装置との間での電磁的結合により電磁波を授受するカプラ装置であって、導電材料により構成され、基準点へ給電されると前記基準点を対称中心として互いに対称な複数の電流経路を生じる結合素子と、前記結合素子と対向し、導電材料により構成される地板とを有し、前記地板は、前記結合素子のうちで前記基準点以外の部分の少なくとも一部に対向する位置またはその位置の近傍に、前記地板上の前記基準点に対向する位置を対称中心として互いに対称な2つの切欠部を有する。
本発明の第2の態様によるカプラ装置は、導電材料で構成され、給電点へ給電されると前記基準点を対称中心として互いに対称な複数の電流経路を生じる結合素子と、導電材料で構成され、前記結合素子と対向する地板とを有し、前記地板は、前記結合素子の少なくとも一部と対向する領域の近傍にあり、前記地板上の前記給電点に対向する位置を対称中心として互いに対称な2つの切欠部を有する。
本発明の第3の態様によるカプラ装置は、互いにほぼ平行した第1および第2の導電部と、前記第1および第2の導電部のそれぞれの中間部を電気的に接続した第3の導電部と、前記第3の導電部の中間部から延出した第4の導電部と、前記第3の導電部の中間部から前記第4の導電部とは前記第3の導電部を挟んで反対側に延出した第5の導電部とを有した結合素子と、互いにほぼ平行した第6および第7の導電部と、前記第6および第7の導電部のそれぞれの中間部から延出し、前記第6および第7の導電部を電気的に接続した第8の導電部とを有した地板と、前記第4の導電部と前記第8の導電部とを短絡した導電性の第1の短絡素子と、前記第5の導電部と前記第8の導電部とを短絡した導電性の第2の短絡素子とを具備し、前記結合素子と前記地板とが、前記第3の導電部の長手方向と前記第8の導電部の長手方向とが互いに交差し、かつ前記第3の導電部の一部と前記第8の導電部の一部とが互いに対向する位置関係でそれぞれ配置され、前記第1の導電部と前記第2の導電部とが前記第3の導電部の中央に位置する給電点を対象中心として互いに対称であり、前記第8の導電部の中央が前記給電点に対向し、前記第6の導電部と前記第7の導電部とが前記第8の導電部上の前記給電点に対向する位置を対称中心として互いに対称である。
本発明の第4の態様によるカプラ装置は、互いにほぼ平行した第1および第2の導電部と、前記第1および第2の導電部のそれぞれの中間部を電気的に接続した第3の導電部と、前記第3の導電部の中間部から延出した第4の導電部と、前記第3の導電部の中間部から前記第4の導電部とは前記第3の導電部を挟んで反対側に延出した第5の導電部とを有した結合素子と、前記第1の導電部およびその周辺の領域に対向して形成されるとともに前記第1の導電部の長手方向に直交する方向についての幅が前記第1の導電部に対向する位置においてそれ以外の位置よりも大きい第1の開口部と、前記第2の導電部およびその周辺の領域に対向して形成されるとともに前記第2の導電部の長手方向に直交する方向についての幅が前記第2の導電部に対向する位置においてそれ以外の位置よりも大きい第2の開口部とが形成された導電性の地板と、前記第4の導電部と前記地板とを短絡した導電性の第1の短絡素子と、前記第5の導電部と前記地板とを短絡した導電性の第2の短絡素子とを備え、前記第1の導電部と前記第2の導電部とが前記第3の導電部の中央に位置する給電点を対象中心として互いに対称であり、前記地板上の前記給電点に対向する位置を対称中心として前記第1の開口部と前記第2の開口部とが対称である。
本発明によれば、結合素子から地板への電流の漏れを低減し、結合度を効率的に改善できる。
第1の実施形態に係るカプラ装置の斜視図。 図1に示すカプラ装置の分解斜視図。 図1に示すカプラ装置の平面図。 図2中のA−A矢視断面図。 図2中のB−B矢視断面図。 図1乃至図5に示すカプラ装置が搭載される機器の一例としての情報処理装置の外観を示す斜視図。 図6に示す情報処理装置のブロック図。 図1中の結合素子における電流経路を示す図。 透過係数の測定条件を示す図。 第1の実施形態のカプラ装置における周波数と透過係数(S21)との関係を示す図。 第2の実施形態に係るカプラ装置の斜視図。 図11に示すカプラ装置の分解斜視図。 第2の実施形態のカプラ装置における周波数と透過係数(S21)との関係を示す図。 第3の実施形態に係るカプラ装置の斜視図。 図14に示すカプラ装置の分解斜視図。 第3の実施形態のカプラ装置における周波数と透過係数(S21)との関係を示す図。 第4の実施形態に係るカプラ装置の斜視図。 図17に示すカプラ装置の分解斜視図。 第4の実施形態のカプラ装置における周波数と透過係数(S21)との関係を示す図。 変形例のカプラ装置の平面図。 図20中のC−C矢視断面図。 変形例のカプラ装置における周波数と透過係数(S21)との関係を示す図。 第5の実施形態に係るカプラ装置の斜視図。 図23に示すカプラ装置の分解斜視図。 図23および図24に示す結合素子に生じる電流の一部を示す図。 第5の実施形態に係るカプラ装置の比較例となる別のカプラ装置の斜視図。 図23および図24に示す結合素子を2つ対向させる際の4つの状態例を示す図。 図26に示すカプラ装置の場合の図27に示す4状態のそれぞれにおける透過係数(S21)の周波数特性を示す図。 図23および図24に示すカプラ装置の場合の図27に示す4状態のそれぞれにおける透過係数(S21)の周波数特性を示す図。 第6の実施形態に係るカプラ装置の平面図。 第7の実施形態に係るカプラ装置の平面図。 第8の実施形態に係るカプラ装置の斜視図。 第8の実施形態に係るカプラ装置の斜視図。 同軸ケーブルが接続された状態の図32に示すカプラ装置を示す斜視図。 第9の実施形態に係るカプラ装置の斜視図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るカプラ装置1の斜視図である。図2は図1に示すカプラ装置1の分解斜視図である。図3はカプラ装置1の平面図である。図4は図3中のA−A矢視断面図である。図5は図3中のB−B矢視断面図である。
これら図1乃至図5に示すようにカプラ装置1は、結合素子11、短絡素子12、地板13および誘電体14を含む。また図5に示すように、カプラ装置1は給電線15およびコネクタ16をさらに含む。なお、図1乃至図4においては給電線15およびコネクタ16の図示を省略している。
結合素子11、地板13および誘電体14は、いずれも平板状をなし、それぞれの厚み方向をほぼ一致させた状態で、その厚み方向に沿って結合素子11、誘電体14および地板13の順番で配列されている。なお、以下の説明においては、これら結合素子11、誘電体14および地板13の配列方向(厚み方向/高さ方向)をカプラ装置1の表裏方向と定め、かつ結合素子11の側を表側と定める。つまり、結合素子11は誘電体14の表側に位置し、かつ地板13は誘電体14の裏側に位置することになる。
結合素子11は導電材料を図1乃至図5に示すような形状に形成してなる。すなわち結合素子11は、平板状をなす。そして結合素子11は、その厚み方向に直交する平面において次のような形状をなす。すなわち結合素子11には、2つの矩形部111,112が互いに離間した状態で平行して存在する。結合素子11には、矩形部111,112の中央部どうしを連結するように矩形部111,112の配列方向に沿って延びる状態で連結部113が存在する。連結部113の中央には、凸部113aが形成されている。矩形部111,112および連結部113はいずれも、他のカプラ装置との間で授受する高周波信号がほぼ全域に渡り流れる程度の幅を持つものとする。
短絡素子12は、矩形の平板状をなし、その厚み方向が結合素子11の厚み方向に直交する。短絡素子12は、凸部113aの先端において連結部113に接合されている。短絡素子12は、結合素子11に一体的であっても良いし、別体であっても良い。短絡素子12は、誘電体14の内部を通過する状態で配置されている。短絡素子12は、スルーホールや半田付けなどによって地板13に対して電気的に接続されている。
地板13は、誘電体14の一面のほぼ全面に導電材料よりなる薄い層を形成してなる。この地板13は、カプラ装置1が搭載される通信機器の金属筐体などに電気的に接続される。このため地板13は、接地電極として機能する。地板13は、結合素子11との間で短絡素子12を介さない直接的な導通が生じることがない程度に結合素子11に対して離間される。地板13には、切欠部13a,13bが形成されている。
誘電体14は、誘電材料を板状に形成してなる。誘電体14は、結合素子11と地板13との間隙に配置される。第1の実施形態において誘電体14は、結合素子11と地板13との間隔にほぼ等しい厚みを有し、結合素子11と地板13との間隙をほぼ埋める。このため短絡素子12は、その大半が誘電体14の内部に位置している。ただし誘電体14の厚みは、結合素子11と地板13との間隔よりも小さくても良い。誘電体14は、その厚みが結合素子11と地板13との間隔よりも小さい場合には、典型的には地板13に接し、かつ結合素子11から離間する状態で誘電体14を配置する。しかしながら、結合素子11に接し、かつ地板13から離間する状態で誘電体14を配置しても良い。あるいは、結合素子11および地板13のいずれからも離間した状態で誘電体14を配置しても良い。さらには、結合素子11に接する第1の誘電体と地板13に接する第2の誘電体とをそれぞれ設けて、これら第1および第2の誘電体を互いに離間して配置しても良い。誘電体14には、切欠部14a,14bが形成されている。
給電線15は、地板13および誘電体14を通過する状態で配置されている。給電線15は、一端が結合素子11に、他端がコネクタ16にそれぞれ接続されている。給電線15は、地板13に対しては絶縁されている。
コネクタ16は、地板13に面して配置され、誘電体14に固定される。このコネクタ16には、カプラ装置1が通信機器に搭載された状態においては、コネクタ2が結合される。コネクタ2は、上記の通信機器に搭載された送受信回路3とケーブル4を介して接続されている。そしてコネクタ16は、コネクタ2とともに、給電線15とケーブル4とを電気的に接続する。
なお、図1乃至図5の例では、カプラ装置1は、地番13側に設けられたコネクタ16を介して給電点P1へ給電しているが、給電方法および実装方法はこれに限られるものではない。例えば、送受信回路3と一体的な基板としてカプラ装置1を実装し、当該基板のパターンとして、結合素子11側の給電点P1へ給電するように実装することも可能である。
切欠部13a,13bは、地板13を表裏方向に貫通する状態で形成されている。切欠部13a,13bは、次のような条件を満たすように位置および形状が定められる。
(1) 切欠部13a,13bは、結合素子11のうちで給電線15が接続される点(以下、給電点と称する)P1となる部分に対して表裏方向に並ぶことがない。すなわち、切欠部13a,13bは、結合素子11のうちの給電点P1に対向する領域を含まない。
(2) 切欠部13a,13bは、結合素子11のうちで電磁結合に寄与する電流が生じる部分の一部の近傍に対して表裏方向に並ぶ。すなわち、切欠部13a,13bは、結合素子11の少なくとも一部と対向する地板13中の領域の近傍にある。
具体的には、切欠部13aは矩形部111の全てに対して表裏方向に並び、切欠部13bは矩形部112の全てに対して表裏方向に並ぶ。つまり、切欠部13aは矩形部111に対向する領域にあり、切欠部13bは矩形部112に対向する領域にある。かくして、地板13の表側面に対して表裏方向に結合素子11を投影した場合の投影領域(結合素子11に対向する領域)は図2に二点鎖線で示す領域A1となる。この図2から、領域A1のうちで矩形部111,112に対応する領域A11,A12が切欠部13a,13bに重なることから、矩形部111,112の全てに対向して切欠部13a,13bが設けられていること、すなわち領域A13の近傍(隣接する領域)に切欠部13a,13bが設けられていることわかる。また領域A1のうちで連結部113に対応する領域A13が切欠部13a,13bのいずれにも重ならないことから、切欠部13a,13bが給電点P1を含んだ連結部113には対向していないことがわかる。
切欠部14a,14bは、誘電体14を表裏方向に貫通する状態で形成されている。切欠部14a,14bは、結合素子11のうちで電磁結合に寄与する電流が生じる部分の一部の近傍に対して表裏方向に並ぶ。すなわち、切欠部14a,14bは、結合素子11の少なくとも一部と対向する誘電端14中の領域の近傍にある。
具体的には、切欠部14aは矩形部111の全てに対して表裏方向に並び、切欠部14bは矩形部112の全てに対して表裏方向に並ぶ。そして切欠部14aは切欠部13aと、また切欠部14bは切欠部13bと、表裏方向に直交する平面内での位置および形状を同一としている。つまり、切欠部14aは矩形部111および切欠部13aに対向する領域にあり、切欠部13bは矩形部112および切欠部13bに対向する領域にある。かくして、誘電体14の表面側に対して表裏方向に結合素子11を投影した場合の投影領域(結合素子11に対向する領域)は図2に二点鎖線で示す領域A2となる。この図2から、領域A2のうちで矩形部111,112に対応する領域A21,A22が切欠部14a,14bに重なることから、矩形部111,112の全てに対向して切欠部14a,14bが設けられていること、領域A22の近傍(隣接する領域)に切欠部14a,14bが設けられていることがわかる。また領域A2のうちで連結部114に対応する領域A23が切欠部14a,14bのいずれにも重ならないことから、切欠部14a,14bが給電点P1を含んだ連結部11には対向していないことがわかる。
第1の実施形態においては、切欠部13aおよび切欠部14aと、切欠部13bおよび切欠部14bとはそれぞれ、例えば地板13および誘電体14を互いに重ね合わせた状態で、それら地板13および誘電体14の一部を同時に切り抜くことにより作製すれば良い。
図6はカプラ装置1が搭載される機器の一例としての情報処理装置30の外観を示す斜視図である。この情報処理装置30は、例えば、バッテリ駆動可能なノートブック型の携帯型パーソナルコンピュータとして実現されている。
情報処理装置30は、本体300およびディスプレイユニット350を備えている。ディスプレイユニット350は、回動自在な状態で本体300に支持されている。ディスプレイユニット350は、本体300の上面を露出させる開放状態と、本体300の上面を覆う閉塞状態とを形成し得る。ディスプレイユニット350には、LCD(liquid crystal display)351が設けられている。
本体300は薄い箱状の筐体を有している。本体300には、その筐体の上面より筐体の外部に露出する状態で、キーボード301、タッチパッド302および電源スイッチ303等が配置されている。また本体300には、その筐体の内部にカプラ装置1が設けられている。本体300内におけるカプラ装置1の向きは任意であって良い。ただし典型的には、図1におけるZ方向を本体300の筐体の上面に直交する方向と一致させる。また典型的には、地板13よりも結合素子11を本体300の筐体の上面の近くに位置させる。
カプラ装置1は、情報処理装置30と図示しない他の装置との間で近接無線通信を行うために利用される。近接無線通信は、ピアツーピア形式で実行される。通信可能距離は、例えば3cm程度である。通信端末どうしの無線接続は、両通信端末にそれぞれ搭載されたカプラ装置1どうしの間の距離が通信可能距離以内に接近した場合にのみ可能となる。そして、2つのカプラ装置1が通信可能距離以内に接近した時に、当該2つの通信端末の間の無線接続が確立される。そして、ユーザによって指定されたデータファイル、または予め決められた同期対象データファイル等のデータが、2つの通信端末の間で送受信される。
図6に示す例では、カプラ装置1は本体300の上面におけるパームレストとして機能する領域(以下、パームレスト領域と称する)の下に配置されている。かくしてパームレスト領域の一部は、通信面として機能する。すなわち、情報処理装置30との間での近接無線通信を行おうとする他の通信端末をパームレスト領域に近接させることで、当該通信端末と情報処理装置30との無線接続を確立できる。
図7は情報処理装置30のブロック図である。なお、図6と同一部分には同一符号を付している。
情報処理装置30は、カプラ装置1、キーボード301、タッチパッド302、電源スイッチ303およびLCD351の他に、ハードディスクドライブ(HDD)304、CPU305、主メモリ306、BIOS(basic input/output system)−ROM307、ノースブリッジ308、グラフィクスコントローラ309、ビデオメモリ(VRAM)310、サウスブリッジ311、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)312、電源コントローラ313および近接無線通信デバイス314を含む。
ハードディスクドライブ304は、オペレーティングシステム(OS)やBIOS更新プログラム等の各種プログラムを実行するためのコードを格納する。
CPU305は、情報処理装置30の動作を制御するために、ハードディスクドライブ304から主メモリ306にロードされた各種プログラムを実行する。CPU305が実行するプログラムには、オペレーティングシステム401、近接無線通信ガジェットアプリケーションプログラム402、認証アプリケーションプログラム403、あるいは送信トレイアプリケーションプログラム404を含む。
またCPU305は、ハードウェア制御のために、BIOS−ROM307に格納されたBIOSプログラムを実行する。
ノースブリッジ308は、CPU305のローカルバスとサウスブリッジ311との間を接続する。ノースブリッジ308は、主メモリ306をアクセス制御するメモリコントローラを内蔵する。また、ノースブリッジ308は、AGPバスなどを介してグラフィクスコントローラ309との通信を実行する機能を有する。
グラフィクスコントローラ309は、LCD351を制御する。グラフィクスコントローラ309は、ビデオメモリ310に記憶された表示データから、LCD351で表示させる表示イメージを表す映像信号を生成する。なお表示データは、CPU305の制御の下にビデオメモリ310に書き込まれる。
サウスブリッジ311は、LPCバス上のデバイスを制御する。サウスブリッジ311は、ハードディスクドライブ304を制御するためのATAコントローラを内蔵している。さらに、サウスブリッジ311は、BIOS−ROM307をアクセス制御するための機能を有している。
エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)312は、エンベデッドコントローラと、キーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。エンベデッドコントローラは、ユーザによる電源スイッチ303の操作に応じて情報処理装置30をパワーオン/パワーオフするように電源コントローラを制御する。キーボードコントローラは、キーボード301およびタッチパッド302を制御する。
電源コントローラ313は、図示しない電源装置の動作を制御する。なお当該電源装置は、情報処理装置30の各部の動作電力を生成する。
近接無線通信デバイス314は、PHY/MAC部314aを備える。PHY/MAC部314aは、CPU305による制御の下に動作する。PHY/MAC部314aは、カプラ装置1を介して、他の通信端末と通信する。この近接無線通信デバイス314は、図3における送受信回路3に相当する。近接無線通信デバイス314は、本体300の筐体内に収容される。
なお、近接無線通信デバイス314とサウスブリッジ311との間のデータの転送は、PCI(peripheral component interconnect)バスによって行われる。なお、PCIの代わりにPCI Expressを用いても良い。
次に以上のように構成されたカプラ装置1の動作について説明する。
図5に示すようにカプラ装置1が接続された送受信回路3から高周波信号が送出されると、この高周波信号がケーブル4、コネクタ2、コネクタ16および給電線15を介して結合素子11の給電点P1へと供給される。そうすると結合素子11に高周波信号に応じた電流が生じる。このときの結合素子11における電流経路は、図8に太線で示すものとなる。
すなわち、電流経路は、給電点P1から連結部113に沿って矩形部111,112のそれぞれに向かう2つが生じる。連結部113においては、そのほぼ全域に電流が生じる。従って、連結部113における電流経路は連結部113の中央部を通ると見なすことができる。
矩形部111,112においては、そのほぼ全域に電流が生じる。従って、矩形部111における電流経路は矩形部111,112の中央部を通ると見なすことができる。このため、電流経路は矩形部111の中央で2つに分かれて矩形部111の端部E1,E2に及ぶ。矩形部112でも同様に、電流経路は矩形部112の中央で2つに分かれて矩形部112の端部E3,E4に及ぶ。
このようにして、給電点P1から端部E1,E2,E3,E4のそれぞれまで及ぶ4つの電流経路が形成される。かくして、端部E1,E2,E3,E4は、それぞれ開放端となる。そして4つの電流経路のそれぞれは、一部が他の電流経路と共通になっている。すなわち、連結部113内を矩形部111に向かう電流経路は、端部E1および端部E2のそれぞれまで及ぶ2つの電流経路が共通であり、連結部113内を矩形部112に向かう電流経路は、端部E3および端部E4のそれぞれまで及ぶ2つの電流経路が共通である。
ところで、結合素子11は、次の(1)〜(3)の条件が満たされるようにその大きさが定められる。
(1)4つおのおのの電流経路の長さが、高周波信号の中心周波数の波長λの1/4にほぼ相当する。
(2)端部E1および端部E2と端部E3および端部E4とがそれぞれ、直線L1を対称軸として略対称な位置にある。
(3)端部E1および端部E3と端部E2および端部E4とがそれぞれ、直線L2を対称軸として略対称な位置にある。
ただし、直線L1,L2は、いずれも給電点P1を通るとともに、互いに直交する直線である。
かくして4つの電流経路はそれぞれ、互いに略直交した2つの向きをそれぞれ向く部分を含む。さらに、給電点P1から端部E1,E2,E3,E4のそれぞれまで及ぶ4つの電流経路をそれぞれ第1、第2、第3および第4の電流経路と称する場合、第1の電流経路と第3の電流経路とが、あるいは第2の電流経路と第4の電流経路とが、それぞれ直線L2を対象軸として略対称である。また、第1の電流経路と第2の電流経路とが、あるいは第3の電流経路と第4の電流経路とが、それぞれ直線L1を対象軸として略対称である。
このため、4つの電流経路のうちの少なくとも2つが、同じ方向(以下、第1の方向と称する)に沿うとともに、互いに逆向きとなる部分を含んでいる。また4つの電流経路のうちの少なくとも2つが、第1の方向に略直交した方向(以下、第2の方向と称する)に沿うとともに、互いに逆向きとなる部分を含んでいる。なお、本実施形態においては、第1の方向は直線L1に沿った方向になり、第2の方向は直線L2に沿った方向になるが、これは必須ではない。
上記のように送信側のカプラ装置1の結合素子11に生じた電流によって、当該送信側のカプラ装置1の周囲に電磁波が生じる。そして、この電磁波によって、受信側のカプラ装置1の結合素子11に電流が誘起される。このようにして、2つのカプラ装置1どうしで高周波信号の送受信が行われる。
さて、上記のような使用状態においては、地板13は接地されており、かつ結合素子11と地板13とが近接しているので、結合素子11に生じた電流のエネルギの一部が地板13に漏れる。しかしながら、カプラ装置1においては、切欠部13a,13bが形成されているから、矩形部111,112に対しては、地板13は表裏方向に並んではいない。このため、切欠部13a,13bが形成されていない場合に比べて、矩形部111,112における電流経路と地板13との距離が大きくなっており、結合素子11から地板13へと漏れるエネルギの量が低減されることになる。また切欠部14a,14bが形成されているから、誘電体14を地板13と結合素子11との間に配置すると、当該誘電体14が挟まっている部分に地板13と結合素子11との間の電界が集中し、誘電体14から放射されるエネルギーが地板13側へと引き寄せられる。そこで、誘電体14に切欠部14a、14bを設けることで、地板13と結合素子11との間の電界の集中を避けることができる。そしてこれらの結果として、通信相手のカプラ装置との電磁的結合に利用されるエネルギ量が増加し、透過係数(S21)が向上する。
特に、結合素子11の周囲に関しては、切欠部13a,13b,14a,14bの面積を広くすると、通信相手のカプラ装置との透過係数(S21)を向上させることができる。
なお、地板13は、上述の通り結合素子11のうちで電磁結合に寄与する電流が生じる部分の一部に対向する位置(表裏方向に並ぶ位置)で切り欠かれている。しかしながら、地板13全体としては面積が広い方が接地特性が向上し、結果として、通信相手のカプラ装置との電磁的結合に利用されるエネルギー量を増加させることができる。更に、地板13の下部(結合素子11とは反対側)で結合素子11に対向する位置に、金属筐体や電気基板、金属塗装を施した部材等を配置すると、更に接地特性を向上させることが可能である。
このような結合素子11近傍の切欠部の面積が広い方が特性が向上する点、および地板の面積が広い方が特性が向上する点については、後述する第2の実施形態以降でも同様である。
試験カプラ101を図9に示す状態でTransferJETの基準カプラ102と対向させる条件における周波数と透過係数(S21)との関係を図10に示す。
図9においては図示を省略しているが、試験カプラ101に備えられる結合素子と基準カプラ102に備えられる結合素子とを互いに対向させている。そして、両結合素子の中心どうしを図9に示す位置関係としている。
図10において、曲線C1は試験カプラ101をカプラ装置1とした場合の特性を示し、曲線C2は試験カプラ101をカプラ装置1における切欠部13a,13b,14a,14bを形成しない構造のカプラ装置とした場合の特性を示す。
この図10から、切欠部13a,13b,14a,14bの存在により、所要周波数帯域内の全ての周波数において透過係数が向上することが明らかである。ちなみに、所要周波数帯域の中心周波数における透過係数の差はおよそ1dBである。
(第2の実施形態)
図11は第2の実施形態に係るカプラ装置5の斜視図である。図12は図11に示すカプラ装置5の分解斜視図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図11に示すようにカプラ装置5は、結合素子11、短絡素子12、地板13および誘電体51を含む。またカプラ装置5は、図5に示すような給電線15およびコネクタ16をさらに含むが、これら給電線15およびコネクタ16は図11においては図示を省略している。
つまりカプラ装置5は、カプラ装置1における誘電体14に代えて誘電体51を備える。
誘電体51は、誘電体14と同様に誘電材料を板状に形成してなるが、切欠部14a,14bを形成していない点が誘電体14とは異なる。誘電体51は、誘電体14と同様に配置されている。かくして、誘電体51の表側面に対して表裏方向に結合素子11を投影した場合の投影領域(結合素子11に対向する領域)は図12に二点鎖線で示す領域A3となる。
このようなカプラ装置5においても、切欠部13a,13bが形成されているから、矩形部111,112に対しては、地板13は表裏方向に並んではいない。このため、切欠部13a,13bが形成されていない場合に比べて、矩形部111,112における電流経路と地板13との距離が大きくなっており、結合素子11から地板13へと漏れるエネルギの量が低減されることになる。そしてこの結果として、電磁的結合に利用されるエネルギ量が増加し、結合度が向上する。
図9に示す条件における周波数と透過係数(S21)との関係を図13に示す。
図13において、曲線C3は試験カプラ101をカプラ装置5とした場合の特性を示し、曲線C4は試験カプラ101をカプラ装置5における切欠部13a,13bを形成しない構造のカプラ装置とした場合の特性を示す。
この図13から、切欠部13a,13bの存在により、所要周波数帯域内の全ての周波数において透過係数が向上することが明らかである。ちなみに、所要周波数帯域の中心周波数における透過係数の差はおよそ4.6dBである。
(第3の実施形態)
図14は第3の実施形態に係るカプラ装置6の斜視図である。図15は図14に示すカプラ装置6の分解斜視図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図14に示すようにカプラ装置6は、結合素子11、短絡素子12および地板13を含む。またカプラ装置6は、図5に示すような給電線15およびコネクタ16をさらに含むが、これら給電線15およびコネクタ16は図14においては図示を省略している。
つまりカプラ装置6は、カプラ装置1における誘電体14を有していない。それ以外の構造については、カプラ装置6はカプラ装置1と同様である。
このようなカプラ装置においても、切欠部13a,13bが形成されているから、矩形部111,112に対しては、地板13は表裏方向に並んではいない。このため、切欠部13a,13bが形成されていない場合に比べて、矩形部111,112における電流経路と地板13との距離が大きくなっており、結合素子11から地板13へと漏れるエネルギの量が低減されることになる。そしてこの結果として、電磁的結合に利用されるエネルギ量が増加し、結合度が向上する。
図9に示す条件における周波数と透過係数(S21)との関係を図16に示す。
図16において、曲線C5は試験カプラ101をカプラ装置6とした場合の特性を示し、曲線C6は試験カプラ101をカプラ装置6における切欠部13a,13bを形成しない構造のカプラ装置とした場合の特性を示す。
この図16から、切欠部13a,13bの存在により、所要周波数帯域の中心周波数付近の周波数において透過係数が向上することが明らかである。ちなみに、所要周波数帯域の中心周波数における透過係数の差はおよそ1.5dBである。
(第4の実施形態)
図17は第4の実施形態に係るカプラ装置7の斜視図である。図18は図17に示すカプラ装置7の分解斜視図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図17に示すようにカプラ装置7は、結合素子11、短絡素子12、地板71および誘電体72を含む。またカプラ装置7は、図5に示すような給電線15およびコネクタ16をさらに含むが、これら給電線15およびコネクタ16は図17においては図示を省略している。
つまりカプラ装置7は、カプラ装置1における地板13および誘電体14に代えて地板71および誘電体72を備える。
地板71および誘電体72は、地板13および誘電体14と基本的には同様に配置され、かつ同様に機能する。地板71および誘電体72において地板13および誘電体14と異なっているのは、切欠部の形状および位置である。
地板71には切欠部71a,71bが、誘電体72には切欠部72a,72bがそれぞれ形成されている。
切欠部71a,71bは、地板71を表裏方向に貫通する状態で形成されている。切欠部71a,71bの表裏方向に直交する面における形状は、C字状である。切欠部71aは矩形部111の周辺部に対して表裏方向に並び、切欠部71bは矩形部112の周辺部に対して表裏方向に並ぶ。切欠部71a,71bは、矩形部111,112に対して表裏方向には並ばない。かくして、地板71の表側面に対して表裏方向に結合素子11を投影した場合の投影領域(結合素子11に対向する領域)は図18に二点鎖線で示す領域A4となる。
切欠部72a,72bは、誘電体72を表裏方向に貫通する状態で形成されている。切欠部72aは切欠部71aと、また切欠部72bは切欠部71bと、表裏方向に直交する平面内での位置および形状を同一としている。かくして、誘電体72の表側面に対して表裏方向に結合素子11を投影した場合の投影領域(結合素子11に対向する領域)は図18に二点鎖線で示す領域A5となる。
このように切欠部71a,71b,72a,72bは、地板71および誘電体72における矩形部111,112に対向する領域を縁取る状態で存在する。すなわち、領域A4の近傍の領域(隣接する領域)に切欠部71a,71bが、領域A5の近傍の領域(隣接する領域)に切欠部72a,72bが設けられている。
このようなカプラ装置7においても、矩形部111,112に対向する部分近傍における地板71の面積が、切欠部71a,71bが形成されていない場合に比べて小さくなっており、結合素子11から地板13へと漏れるエネルギの量が低減されることになる。また誘電体72を地板71と結合素子11との間に配置すると、当該誘電体72が挟まっている部分に地板71と結合素子11との間の電界が集中し、誘電体72から放射されるエネルギーが地板71側へと引き寄せられる。そこで、誘電体72に切欠部72a,72bを設けることで、地板71と結合素子11との間の電界の集中を避けることができ、この結果として、通信相手のカプラ装置との電磁的結合に利用されるエネルギ量が増加し、透過係数(S21)が向上する。
図9に示す条件における周波数と透過係数(S21)との関係を図19に示す。
図19において、曲線C7は試験カプラ101をカプラ装置7とした場合の特性を示し、曲線C8は試験カプラ101をカプラ装置7における切欠部71a,71b,72a,72bを形成しない構造のカプラ装置とした場合の特性を示す。
この図19から、切欠部71a,71b,72a,72bの存在により、所要周波数帯域内の全ての周波数において透過係数が向上することが明らかである。ちなみに、所要周波数帯域の中心周波数における透過係数の差はおよそ3dBである。
以上の実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
結合素子の形状は任意であって良い。例えば結合素子は、TransferJETの基準カプラにおける結合素子や、逆Fタイプの結合素子などのような周知の別の形状の素子であって良い。あるいは、特願2009−270598として本出願人が提案した結合素子であっても良い。
図20は他の形状のカプラを元に本願の発明を適用したカプラ装置8の平面図である。図21は図20中のC−C矢視断面図である。
このカプラ装置8は、結合素子81、地板82および誘電体83を含む。
結合素子81はさらに、円板部81a、共振スタブ81bおよび連結部81cを含む。円板部81aは、導電材料を薄い円板状に形成してなる。共振スタブ81bは、導電材料を薄い板状に形成してなる。共振スタブ81bの厚み方向に交差する面における形状は、図20に示すようなクランク状である。連結部81cは、導電材料を円柱状に形成してなる。連結部81cは、その一端が円板部81aの中心付近に接合され、他端が共振スタブ81bの中央付近に接合される。共振スタブ81bの両端は、誘電体83に固定される。共振スタブ81bは、その一端の近傍の点P2にて送受信回路(図示せず)に接続され、他端の近傍の点P3にて地板82に接続される。
地板82は、誘電体83の一面のほぼ全面に導電材料よりなる薄い層を形成してなる。誘電体83は、誘電材料を板状に形成してなる。そして地板82および誘電体83には、それらの厚み方向に交差する面におけるほぼ同一位置にほぼ同一の形状の切欠部82a,83aが形成されている。切欠部82a,83aは、共振スタブ81bのうちの点P2,P3を含んだ端部以外の部分の少なくとも一部に対して表裏方向に並ぶ。なお図20の例では、切欠部82a,83aは、共振スタブ81bのうちの点P2,P3を含んだ端部以外の部分の全てに対して表裏方向に並ぶ。
このカプラ装置8では、点P2に送受信回路より給電することによって、共振スタブ81b、連結部81cを介して円板部81aへと到達する電流経路が生じる。しかし、切欠部82aが形成されていることにより、切欠部82aが形成されていない場合に比べて、共振スタブ81bにおける電流経路と地板82との距離が大きくなっており、結合素子81から地板82へと漏れるエネルギの量が低減されることになる。また誘電体83を地板82と結合素子81との間に配置すると、当該誘電体83が挟まっている部分に地板82と結合素子81との間の電界が集中し、誘電体83から放射されるエネルギーが地板82側へと引き寄せられる。そこで、誘電体83に切欠部83a,83bを設けることで、地板82と結合素子81との間の電界の集中を避けることができ、この結果として、通信相手のカプラ装置との電磁的結合に利用されるエネルギ量が増加し、透過係数(S21)が向上する。
図9に示す条件における周波数と透過係数(S21)との関係を図22に示す。
図22において、曲線C9は試験カプラ101をカプラ装置8とした場合の特性を示し、曲線C10は試験カプラ101をカプラ装置8における切欠部82a,83aを形成しない構造のカプラ装置とした場合の特性を示す。
この図22から、切欠部82a,83aの存在により、所要周波数帯域内の全ての周波数において透過係数が向上することが明らかである。ちなみに、所要周波数帯域の中心周波数における透過係数の差はおよそ3.5dBである。
このように結合素子の形状を変更した場合においても、第2の実施形態のように誘電体の切欠部を省略したり、第3の実施形態のように誘電体を省略したり、第4の実施形態のように切欠の位置を変更するなどの変更をさらに組み合わせて実施できる。
(第5の実施形態)
図23は第5の実施形態に係るカプラ装置9の斜視図である。図24は図23に示すカプラ装置9の分解斜視図である。
図23および図24に示すようにカプラ装置9は、結合素子91、短絡素子92,93、地板94および誘電体95を含む。なお、短絡素子92,93は、図24では図示を省略している。またカプラ装置9は、図5に示すような給電線15およびコネクタ16をさらに含むが、これら給電線15およびコネクタ16は図23および図24においては図示を省略している。
結合素子91、地板94および誘電体95は、いずれも平板状をなし、それぞれの厚み方向をほぼ一致させた状態で、その厚み方向に沿って結合素子91、誘電体95および地板94の順番で配列されている。
結合素子91は、導電材料を図23および図24に示すような形状に形成してなる。すなわち結合素子91は、その厚み方向に直交する平面において次のような形状をなす。結合素子91は、いずれも矩形状をなした5つの導電部91a,91b,91c,91d,91eを有する。導電部91a,91bは、互いにほぼ平行する。導電部91cは、導電部91a,91bのそれぞれの中間部に両端が接する。導電部91d,91eは、導電部91cの中間部から導電部91cを挟んで互いに反対側に延出する。
短絡素子92,93は、矩形の平板状をなし、その厚み方向が結合素子91の厚み方向に直交する。短絡素子92は、導電部91dの先端近傍において導電部91dに接合されている。短絡素子93は、導電部91eの先端近傍において導電部91eに接合されている。短絡素子92,93は、結合素子91に一体的であっても良いし、別体であっても良い。短絡素子92,93は、誘電体95の内部を通過する状態で配置されている。短絡素子92,93は、スルーホールや半田付けなどによって地板94に対して電気的に接続されている。
地板94は、導電材料を図23および図24に示すような形状に形成してなる。すなわち地板94は、その厚み方向に直交する平面において次のような形状をなす。地板94は、いずれも矩形状をなした7つの導電部94a,94b,94c,94d,94e,94f,94gを有する。導電部94a,94bは、互いにほぼ平行する。導電部94cは、導電部94a,94bのそれぞれの中間部に両端が接する。導電部94d,94eは、導電部94aの両端から導電部94bに向かって延出する。導電部94f,94gは、導電部94bの両端から導電部94aに向かって延出する。導電部94d,94eの導電部94aからの突出量および導電部94f,94gの導電部94bからの突出量は、導電部94dおよび導電部94fと、導電部94eおよび導電部94fとが互いに接することがないように設定される。導電部94d,94eの導電部94aからの突出量は、導電部91a,91bと導電部94aとの間の水平方向の最小離間幅以下であることが望ましい。導電部94f,94gの導電部94bからの突出量は、導電部91a,91bと導電部94bとの間の水平方向の最小離間幅以下であることが望ましい。
なお、本実施形態では、導電部94d,94eの導電部94aからの突出量を、導電部91a,91bと導電部94aとの間の水平方向の最小離間幅以下に、導電部94f,94gの導電部94bからの突出量を、導電部91a,91bと導電部94bとの間の水平方向の最小離間幅以下にしているが、これに限られるものではない。地板94の導電部94eと導電部94gとの間の距離が大きいほど、結合素子91の導電部91bに流れる電流を大きくすることができ、導電部94eと導電部94gとの間の距離が短いほど、結合素子91の導電部91bに流れる電流を小さくすることが可能となる。つまり、この離間距離を調整することで、導電部91bに流したい電流強度を調整することが可能となる。 誘電体95は、誘電材料を板状に形成してなる。誘電体95は、結合素子91と地板94との間隙に配置される。誘電体95は、結合素子91と地板94との間隔にほぼ等しい厚みを有し、結合素子91と地板94との間隙をほぼ埋める。このため短絡素子92,93は、その大半が誘電体95の内部に位置している。ただし誘電体95の厚みは、結合素子91と地板94との間隔よりも小さくても良い。誘電体95は、その厚みが結合素子91と地板94との間隔よりも小さい場合には、典型的には地板94に接し、かつ結合素子91から離間する状態で配置される。しかしながら、結合素子91に接し、かつ地板94から離間する状態で誘電体95を配置しても良い。あるいは、結合素子91および地板94のいずれからも離間した状態で誘電体95が配置されても良い。さらには、結合素子91に接する第1の誘電体と地板94に接する第2の誘電体とをそれぞれ設けて、これら第1および第2の誘電体を互いに離間して配置しても良い。誘電体95の厚み方向に直交する平面における形状は任意であってよいが、ここでは結合素子91の一面の全ておよび地板94の一面の全てを覆うことができる形状とし、かつそのような状態で配置されている。なお、図24中に二点鎖線で示した領域A6は、地板94の表側面に対して表裏方向に結合素子91を投影した場合の投影領域を示し、領域A7は、誘電体95の表側面に対して表裏方向に結合素子91を投影した場合の投影領域を示す。
結合素子91と地板94とは、導電部91cの中央部と導電部94cの中央部とが互いに対向し、かつ導電部91cの長手方向と導電部94cの長手方向とが交差する位置関係にある。さらに結合素子91と地板94とは、導電部91d,91eと導電部94cとが対向する位置関係にある。
さて、以上のような構造のカプラ装置9においては、給電点P4へと給電した場合、結合素子91においては図25に示すように、導電部91cを導電部91aに向かって流れる電流I1、導電部91cを導電部91bに向かって流れる電流I2、導電部91dをその先端に向かって流れる電流I3、ならびに導電部91eをその先端に向かって流れる電流I4がそれぞれ生じる。導電部91d,91eは、その先端の近傍にて短絡素子92,93により地板94に接地されているのに対して、導電部91a,91bの端部は開放端となっているため、電流I1,I2は電流I3,I4に比べて小さくなる。
これに加えて、地板が第1乃至第4の実施形態と同様に輪郭が矩形をなす形状を持つ場合、すなわち図26に示すような地板94′を持ったカプラ装置9′の場合、導電部91a,91bに近接して地板94′が存在するために、電流I1,I2により生じる電磁エネルギが地板94′に多く流れてしまい、対向している他のカプラ装置との間の結合に寄与する電磁エネルギが減少してしまう。
これらの結果として、カプラ装置9′においては、対向する別のカプラ装置との間の電磁的結合には、電流I1,I2の寄与よりも電流I3,I4の寄与のほうが大幅に大きくなる。そして、このような現象の結果としてカプラ装置9′では、対向する2つの結合素子91の相対的な向きに応じて結合度が大きく変化する。
ここで、互いに対向する2つの結合素子91の相対的な向きとして図27の(a)〜(d)に示す4つの向きをそれぞれ0度、90度、180度および270度とする。
図28はカプラ装置9′の場合の図27に示す4状態のそれぞれにおける透過係数(S21)の周波数特性を示す図である。
図28から分かるようにカプラ装置9′の場合には、0度および180度の場合に比べて、90度および270度の場合の結合度が大幅に低下してしまっている。これは、電流I3,I4の方向が、0度および180度では2つの結合素子91で互いに同じになるのに対して、90度および270度では互いに交差してしまうためであると考えられる。つまり、0度および180度では電流I3,I4どうしでの強結合が生じ、90度および270度では電流I1,I2と電流I3,I4とでの弱結合が生じるために、結合度に違いが生じると考えられる。
これに対してカプラ装置9においては、上記のような構造としてあるために、導電部91a,91bに並んで地板94が位置していない。このため、電流I1,I2により生じる電磁エネルギが地板94にほとんど流れず、その多くが別のカプラ装置との電磁結合のために作用する。この結果、電磁的結合に対する電流I1,I2の寄与度と電流I3,I4の寄与度との差がカプラ装置9′に比べて小さくなる。
図29はカプラ装置9の場合の図27に示す4状態のそれぞれにおける透過係数(S21)の周波数特性を示す図である。
図29を図28と比較して明らかなように、カプラ装置9では、カプラ装置9′に比べて各角度での結合度のばらつきが小さくなっている。これによりカプラ装置9によれば、2つのカプラ装置9どうしの相対的な向きに拘わらずに、常に安定した信号伝送を行うことができる。
なお、導電部94d,94e,94f,94gは、省略することもできる。しかしながら、導電部94d,94e,94f,94gを設けることにより、外形サイズを変化させることなく地板94の面積を増大することができる。
また、誘電体95に代えて図26に示した誘電体95′を備えても良い。すなわち、結合素子91、短絡素子92,93、地板94および誘電体95′によりカプラ装置を構成することもできる。
また、地板94に代えて図26に示した地板94′を備えても良い。すなわち、結合素子91、短絡素子92,93、地板94′および誘電体95によりカプラ装置を構成することもできる。
また、誘電体95は省略することもできる。
(第6の実施形態)
図30は第6の実施形態に係るカプラ装置40の平面図である。なお、図30において図23および図24と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図30に示すようにカプラ装置40は、結合素子91、短絡素子92,93および地板41を含む。またカプラ装置40は、図5に示すような給電線15およびコネクタ16をさらに含むが、これら給電線15およびコネクタ16は図30においては図示を省略している。
地板41は、導電材料を図30に示すような形状に形成してなる。すなわち地板41は、その厚み方向に直交する平面において次のような形状をなす。地板41は、結合素子91の導電部91aおよびその周辺の領域に対向する位置に開口部41aが形成され、結合素子91の導電部91aおよびその周辺の領域に対向する位置に開口部41bが形成されている。開口部41a,41bは、導電部91a,91bに対向する位置における幅W1がそれ以外の位置における幅W2よりも大きくなるように、一部が突出した形状をなす。
かくしてこのような構造のカプラ装置40においても、地板41の面積を極力確保しながら、導電部91a,91bから地板41へと流れる電磁エネルギの量を低減することができる。そしてこの結果、第5の実施形態とほぼ同様な効果を達成することができる。
(第7の実施形態)
図31は第7の実施形態に係るカプラ装置50の平面図である。なお、図31において図23および図24と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図31に示すようにカプラ装置50は、結合素子91、短絡素子92,93および地板51を含む。またカプラ装置50は、図5に示すような給電線15およびコネクタ16をさらに含むが、これら給電線15およびコネクタ16は図31においては図示を省略している。
地板51は、導電材料を図31に示すような形状に形成してなる。すなわち地板51は、その厚み方向に直交する平面において次のような形状をなす。地板51は、結合素子91の導電部91aおよびその周辺の領域に対向する位置に開口部51aが形成され、結合素子91の導電部91bおよびその周辺の領域に対向する位置に開口部51bが形成されている。開口部51a,51bは、その縁の一部を図31に示すように湾曲させることにより、導電部91a,91bに対向する位置における幅がそれ以外の位置における幅よりも大きくなっている。
かくしてこのような構造のカプラ装置50においても、地板51の面積を極力確保しながら、導電部91a,91bから地板51へと流れる電磁エネルギの量を低減することができる。そしてこの結果、第5の実施形態とほぼ同様な効果を達成することができる。
(第8の実施形態)
図32および図33は第8の実施形態に係るカプラ装置60の斜視図である。
図32および図33に示すようにカプラ装置60は、結合素子61、短絡素子62,63、地板64および誘電体65を含む。
結合素子61、地板64および誘電体65は、いずれも平板状をなし、それぞれの厚み方向をほぼ一致させた状態で、その厚み方向に沿って結合素子61、誘電体65および地板64の順番で配列されている。
結合素子61は、導電材料を図32および図33に示すような形状に形成してなる。すなわち結合素子61は、その厚み方向に直交する平面において次のような形状をなす。結合素子61は、いずれも矩形状をなした5つの導電部61a,61b,61c,61d,61eを有する。導電部61a,61bは、互いにほぼ平行する。導電部61cは、導電部61a,61bのそれぞれの中間部に両端が接する。導電部61d,61eは、導電部61cの中間部から導電部61cを挟んで互いに反対側に延出する。ただし、導電部61dは導電部61cの長手方向のほぼ中央にて導電部61cに接しているのに対し、導電部61eは導電部61cの長手方向の中央からずれた位置にて導電部61cに接している。
なお、本実施形態においては、導電部61eは導電部61cの長手方向の中心からずれた位置で導電部61cから延出しているが、これに限られるものではなく、導電部61dおよび導電部61eの双方を、導電部61cの長手方向の中心から延出するようにしても良い。導電部61dおよび導電部61eの位置を、導電部61cを挟んで対称となるように構成することにより、更に回転特性を向上させることが可能となる。
短絡素子62,63は、矩形の平板状をなし、その厚み方向が結合素子61の厚み方向に直交する。短絡素子62は、導電部61dの先端近傍において導電部61dに接合されている。短絡素子63は、導電部61eの先端近傍において導電部61eに接合されている。短絡素子62,63は、結合素子61に一体的であっても良いし、別体であっても良い。短絡素子62は、誘電体65の内部を通過する状態で配置されている。短絡素子62は、スルーホールや半田付けなどによって地板64に対して電気的に接続されている。
地板64は、導電材料を図32に示すような形状に形成してなる。すなわち地板64は、その厚み方向に直交する平面において次のような形状をなす。地板64は、結合素子61の導電部61aおよびその周辺の領域に対向する位置に矩形状の開口部64aが形成され、結合素子61の導電部61bおよびその周辺の領域に対向する位置に矩形状の開口部64bが形成されている。また地板64は図63に示すように、結合素子の中央に対向する位置から一端部まで連続する切り込み64cが形成されている。さらに地板64は、切り込み64cの端部から垂直に表側に起立した状態の端子64dが形成されている。
誘電体65は、誘電材料を板状に形成してなる。誘電体65は、結合素子61と地板64との間隙に配置される。誘電体65は、結合素子61と地板64との間隔にほぼ等しい厚みを有し、結合素子61と地板64との間隙をほぼ埋める。誘電体65は、結合素子61の導電部61aの周辺の領域に対向する位置にC字状の開口部65aが形成され、結合素子61の導電部61bの周辺の領域に対向する位置にC字状の開口部65bが形成されている。また誘電体65は、結合素子の中央に対向する位置から一端部まで連続する切り込み65cが形成されている。この切り込み65cは、切り込み64cに対向している。
なお、図32および図33では、切り込み64c,65cは、地板64および誘電体65の中央に位置しているが、この位置からずれていても良い。また、切り込み64c,65cは、少なくとも一部が湾曲または屈曲していても良い。
短絡素子63は、切り込み65に面し、かつ端子64dに対向するように配置されている。短絡素子63は、その両端が結合素子61および地板64に接している。
このカプラ装置60は、通信機器に搭載された送受信回路と同軸ケーブルを介して接続される。
図34は同軸ケーブル66が接続された状態のカプラ装置60を示す斜視図である。
同軸ケーブル66は、切り込み65cに配置されて、その先端が導電部61cの中央の近傍まで引き込まれる。そして、同軸ケーブル66の芯線66aが導電部61cの中央部付近に半田付けされる。かくして、導電部61cの中央部に給電点P5が形成される。また、同軸ケーブル66のシールド線66bが短絡素子63および端子64dに半田付けされる。
かくしてカプラ装置60では、同軸ケーブル66の先端部を内部に収容しつつ、この同軸ケーブル66との電気的な接続も合理的に行うことができる。
またカプラ装置60では、切り込み65cを挟んで互いに対向する位置でシールド線66bと結合素子61および地板64とを電気的に接続しているので、地板94の電流分布が対称に近くなり、特性が向上する。
ただし、端子64dは省略することも可能である。
(第9の実施形態)
35は第9の実施形態に係るカプラ装置70の斜視図である。なお、図32と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
35に示すようにカプラ装置70は、短絡素子62,63、地板64、誘電体65および結合素子75を含む。
結合素子75は、導電材料を図35に示すような形状に形成してなる。すなわち結合素子75は、その厚み方向に直交する平面において次のような形状をなす。結合素子75は、いずれも矩形状をなした4つの導電部61a,61b,61d,61eとほぼ矩形をなした75aを有する。すなわち結合素子75は、結合素子61における導電部61cに代えて導電部75aを有する。導電部75aは、導電部61cにおける切り込み65cに対向する部分の一部に切り込み75bを形成した形状を有する。切り込み75bは、導電部75aの中央部を避けて形成される。
このようなカプラ装置70によれば、第8の実施形態と同様な効果が得られる上、給電点P5を第8の実施形態の場合よりも導電部75aの中央部に近づけることができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
[付記]
互いにほぼ平行な第1および第2の面を有した誘電体と、
前記第1の面にて前記誘電体に取り付けられた導電性の結合素子と、
一部が前記誘電体の一部に対向する状態で前記第2の面にて前記誘電体に取り付けられた導電性の地板とを具備し、
前記誘電体は、前記結合素子と前記地板とが対向している位置から端部まで連続する切り込みが形成されており、
さらに前記地板の一部が前記切り込みに面したことを特徴とするカプラ装置。
1…カプラ装置、2…コネクタ、3…送受信回路、4…ケーブル、5,6,7,8,9,40,50,60,70…カプラ装置、11,91,61,75…結合素子、12,62,63,92,93…短絡素子、13,94,41,51,64…地板、13a,13b…切欠部、14,65,95…誘電体、14a,14b…切欠部、15…給電線、16…コネクタ、51…誘電体、71…地板、71a,71b…切欠部、72…誘電体、72a,72b…切欠部、81…結合素子、81a…円板部、81b…共振スタブ、81c…連結部、82…地板、82a…切欠部、83…誘電体、83a…切欠部、111,112…矩形部、113…連結部、61a,61b,61c,61d,61e,75a,91a,91b,91c,91d,91e,94a,94b,94c,94d,94e,94f,94g…導電部、41a,41b,51a,51b,64a,64b,65a,65b…開口部、65c,75b…切り込み。

Claims (14)

  1. 他のカプラ装置との間での電磁的結合により電磁波を授受するカプラ装置であって、
    導電材料により構成され、基準点へ給電されると前記基準点を対称中心として互いに対称な複数の電流経路を生じる結合素子と、
    前記結合素子と対向し、導電材料により構成される地板とを有し、
    前記地板は、前記結合素子のうちで前記基準点以外の部分の少なくとも一部に対向する位置またはその位置の近傍に、前記地板上の前記基準点に対向する位置を対称中心として互いに対称な2つの切欠部を有することを特徴とするカプラ装置。
  2. 前記結合素子と前記地板との間に、前記結合素子および前記地板に対向する誘電体を備えることを特徴とする請求項1に記載のカプラ装置。
  3. 前記結合素子と前記地板との間に、前記結合素子および前記地板に対向する誘電体を備え、
    前記誘電体は、前記結合素子に対向する位置またはその位置の近傍の一部に切欠部を有することを特徴とする請求項1に記載のカプラ装置。
  4. 前記地板に設けられた切欠部と前記誘電体に設けられた切欠部とは、互いにほぼ合同な形状であって、前記地板の高さ方向に並ぶことを特徴とする請求項3に記載のカプラ装置。
  5. 前記結合素子は、
    (1)第1、第2、第3および第4の開放端を有する平板状をなし、
    (2)前記基準点から前記第1、第2、第3および第4の開放端のそれぞれまでおよぶ長さがいずれも、前記電磁波の中心周波数の波長の1/4の整数倍にほぼ相当する長さである4つの電流経路を前記複数の電流経路として形成し、
    (3)前記4つの電流経路のうちの少なくとも2つは、一部が第1の方向に沿うとともに互いに逆向きであり、
    (4)前記4つの電流経路のうちの少なくとも2つは、一部が前記第1の方向に略直交する第2の方向に沿うとともに互いに逆向きであり、
    (5)前記基準点を対称中心として前記第1の開放端の位置と前記第4の開放端の位置とが対称であり、かつ前記基準点を対称中心として前記第2の開放端の位置と前記第3の開放端の位置とが対称であり
    (6)前記基準点を通る対象軸に関して前記第1の開放端の位置と前記第3の開放端の位置とが対称であるとともに、前記対象軸に関して前記第2の開放端の位置と前記第4の開放端の位置とが対称な位置である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のカプラ装置。
  6. 導電材料で構成され、給電点へ給電されると前記給電点を対称中心として互いに対称な複数の電流経路を生じる結合素子と、
    導電材料で構成され、前記結合素子と対向する地板とを有し、
    前記地板は、前記結合素子の少なくとも一部と対向する領域の近傍にあり、前記地板上の前記給電点に対向する位置を対称中心として互いに対称な2つの切欠部を有することを特徴とするカプラ装置。
  7. 前記結合素子と前記地板との間に誘電体を備え、
    前記誘電体は、前記結合素子と対向する領域の少なくとも一部に切欠部を有することを特徴とする請求項6に記載のカプラ装置。
  8. 前記結合素子と前記地板との間に誘電体を備え、
    前記誘電体は、前記結合素子と対向する領域の近傍に切欠部を有することを特徴とする請求項6に記載のカプラ装置。
  9. 互いにほぼ平行した第1および第2の導電部と、前記第1および第2の導電部のそれぞれの中間部を電気的に接続した第3の導電部と、前記第3の導電部の中間部から延出した第4の導電部と、前記第3の導電部の中間部から前記第4の導電部とは前記第3の導電部を挟んで反対側に延出した第5の導電部とを有した結合素子と、
    互いにほぼ平行した第6および第7の導電部と、前記第6および第7の導電部のそれぞれの中間部から延出し、前記第6および第7の導電部を電気的に接続した第8の導電部とを有した地板と、
    前記第4の導電部と前記第8の導電部とを短絡した導電性の第1の短絡素子と、
    前記第5の導電部と前記第8の導電部とを短絡した導電性の第2の短絡素子とを具備し、
    前記結合素子と前記地板とが、前記第3の導電部の長手方向と前記第8の導電部の長手方向とが互いに交差し、かつ前記第3の導電部の一部と前記第8の導電部の一部とが互いに対向する位置関係でそれぞれ配置され
    前記第1の導電部と前記第2の導電部とが前記第3の導電部の中央に位置する給電点を対象中心として互いに対称であり、
    前記第8の導電部の中央が前記給電点に対向し、
    前記第6の導電部と前記第7の導電部とが前記第8の導電部上の前記給電点に対向する位置を対称中心として互いに対称であることを特徴とするカプラ装置。
  10. 前記地板は、前記第6の導電部にその両端の近傍から前記第7の導電部に向かって延出する第9および第10の導電部、ならびに前記第7の導電部にその両端から前記第6の導電部に向かって延出する第11および第12の導電部のうちの少なくとも1つを更に有し、
    前記第9および第10の導電部はそれぞれ離間し、前記第11および第12の導電部はそれぞれ離間したことを特徴とする請求項に記載のカプラ装置。
  11. 前記結合素子と前記地板との間に配置された誘電体を備えることを特徴とする請求項または請求項10に記載のカプラ装置。
  12. 互いにほぼ平行した第1および第2の導電部と、前記第1および第2の導電部のそれぞれの中間部を電気的に接続した第3の導電部と、前記第3の導電部の中間部から延出した第4の導電部と、前記第3の導電部の中間部から前記第4の導電部とは前記第3の導電部を挟んで反対側に延出した第5の導電部とを有した結合素子と、
    前記第1の導電部およびその周辺の領域に対向して形成されるとともに前記第1の導電部の長手方向に直交する方向についての幅が前記第1の導電部に対向する位置においてそれ以外の位置よりも大きい第1の開口部と、前記第2の導電部およびその周辺の領域に対向して形成されるとともに前記第2の導電部の長手方向に直交する方向についての幅が前記第2の導電部に対向する位置においてそれ以外の位置よりも大きい第2の開口部とが形成された導電性の地板と、
    前記第4の導電部と前記地板とを短絡した導電性の第1の短絡素子と、
    前記第5の導電部と前記地板とを短絡した導電性の第2の短絡素子とを具備し、
    前記第1の導電部と前記第2の導電部とが前記第3の導電部の中央に位置する給電点を対象中心として互いに対称であり、
    前記地板上の前記給電点に対向する位置を対称中心として前記第1の開口部と前記第2の開口部とが対称であることを特徴とするカプラ装置。
  13. 記誘電体は、前記結合素子と前記地板とが対向している位置から端部まで連続する切り込みが形成されており、
    さらに前記地板の一部が前記切り込みに面したことを特徴とする請求項2乃至請求項4、請求項7、請求項8および請求項11のいずれか一項に記載のカプラ装置。
  14. 前記結合素子の一部は、前記地板と対向する位置から離れた位置にて前記切り込みに面したことを特徴とする請求項13に記載のカプラ装置。
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