本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の半導体装置の一例について図面を参照して説明する。
本実施の形態で示す半導体装置100は、演算処理回路101、検出部102、記憶部103およびアンテナ104等が設けられており、アンテナ104を介して非接触で外部の機器(例えば、リーダ/ライタ112)とデータを交信する機能を有している(図1)。
演算処理回路101は、リーダ/ライタ112から入力された信号に従って、検出部102または記憶部103とデータのやりとりを行う。例えば、検出部102で検出されたデータの抽出、当該データの記憶部103への書き込みまたは記憶部103に書き込まれたデータの読み込み等を行う。そして、検出部102で検出されたデータ等に基づいて演算処理を行い、その結果をリーダ/ライタ112に出力する。
検出部102は、温度、圧力、流量、光、磁気、音波、加速度、湿度、気体成分、液体成分、その他の特性を物理的又は化学的手段により検出することができる。また、検出部102は、物理量または化学量を検出する検出素子105と当該検出素子105で検出された物理量または化学量を電気信号等の適切な信号に変換する検出制御回路106とを有している。検出素子105としては、抵抗素子、光電変換素子、熱起電力素子、トランジスタ、サーミスタ、ダイオード等で形成することができる。なお、検出部102は複数設けてもよく、この場合、複数の物理量または化学量を同時に検出することが可能である。
また、ここでいう物理量とは、温度、圧力、流量、光、磁気、音波、加速度、湿度等を指し、化学量とは、ガス等の気体成分やイオン等の液体成分等の化学物質等を指す。化学量としては、他にも、血液、汗、尿等に含まれる特定の生体物質(例えば、血液中に含まれる血糖値等)等の有機化合物も含まれる。特に、化学量を検出しようとする場合には、必然的にある特定の物質を選択的に検出することになるため、あらかじめ検出素子105に検出したい物質と選択的に反応する物質を設けておく。例えば、生体物質の検出を行う場合には、検出素子105に検出させたい生体物質と選択的に反応する酵素、抗体分子または微生物細胞等を高分子等に固定化して設けておくことが好ましい。
記憶部103は、検出部102によって検出されたデータ等を記憶させることが可能であり、データが記憶される記憶素子107と記憶素子107へのデータの書き込みや読み込み等の制御を行う制御回路108とを有している。なお、記憶部103は1つに限定されず、複数であっても良く、SRAM、フラッシュメモリ、ROM、FeRAMまたは有機メモリ等を用いることができる。また、これらを組み合わせて設けることもできる。なお、有機メモリとは、一対の電極間に有機化合物を有する層を挟んで設けたものをいう。有機メモリは、小型化、薄膜化および大容量化を低コストで同時に実現することができる。そのため、記憶部103を有機メモリで設けることにより、半導体装置の小型化、軽量化、低コスト化を達成することができる。
次に、リーダ/ライタ112と半導体装置100とのデータのやりとりに関して簡単に説明する。まず、リーダ/ライタ112から電磁波として送られてきた信号は、アンテナ104において交流の電気信号に変換される。そして、電源回路109において、交流の電気信号を用いて電源電圧を生成し、各回路へ電源電圧を供給する。復調回路110では、交流の電気信号を復調し、演算処理回路101に供給する。演算処理回路101では、入力された信号に従って各種演算処理を行い検出部102や記憶部103等に命令を下し、データのやりとりを行う。そして、演算処理回路101から変調回路111に検出部102で検出されたデータが送られ、変調回路111から当該データに従ってアンテナ104に負荷変調を加える。リーダ/ライタ112は、アンテナ104に加えられた負荷変調を電磁波で受け取ることにより、結果的にデータを読み取ることが可能となる。
なお、本実施の形態で示す半導体装置100は、各回路への電源電圧の供給を、電源(バッテリ113)を設けずに電磁波により行うタイプとしてもよいし、バッテリ113を設けることによりバッテリ113により各回路に電源電圧を供給するタイプとしてもよいし、バッテリ113を設けて電磁波とバッテリ113により各回路に電源電圧を供給するタイプとしてもよい。半導体装置にバッテリを設けない場合は、バッテリの交換も不要となるため半導体装置の低コスト化を実現することができる。
次に、本発明の半導体装置の上面構造の一例について、図2を参照して説明する。図2に示す半導体装置100は、演算処理回路101等の回路を構成する複数の素子が設けられた薄膜集積回路240と、アンテナ104として機能する導電層241を含む。アンテナ104として機能する導電層241は、薄膜集積回路240に電気的に接続されている。なお、本実施の形態では、アンテナ104として機能する導電層241をコイル状に設け、電磁誘導方式または電磁結合方式を適用する例を示すが、本発明の半導体装置はこれに限られずマイクロ波方式を適用することも可能である。マイクロ波方式の場合は、用いる電磁波の波長によりアンテナ104として機能する導電層241の形状を適宜決めればよい。また、アンテナ104として機能する導電層241と薄膜集積回路240とを重ね合わせるように設けることによって、半導体装置の小型化を図ることができる。
次に、演算処理回路101、検出部102、記憶部103及びアンテナ104を含む本発明の半導体装置100の断面構造について、図3、図4を参照して説明する。なお、ここでは検出部102は検出素子105と検出制御回路106を含んだ構成とし、記憶部103は記憶素子107と制御回路108を含んだ構成とする。
図3(A)に示す半導体装置は、演算処理回路101を構成する素子201、検出制御回路106を構成する素子202、制御回路108を制御する素子203、アンテナ104として機能する導電層204を有している。図3(A)において、検出素子105は、第1の層205、第2の層206及び第3の層207の積層体に相当し、検出制御回路106を構成する素子202に電気的に接続されている。記憶素子107は、第1の導電層208、有機化合物を含む層209及び第2の導電層210の積層体に相当し、制御回路108を構成する素子203に電気的に接続されている。
素子201、202、203は、トランジスタ、容量素子及び抵抗素子等を含み、図示する構造では、素子201、202、203として、複数のトランジスタを示す。トランジスタとしては、薄膜トランジスタ(TFT)で設けてもよいし、Si等の半導体基板にチャネル層を設ける電界効果トランジスタ(FET)で設けてもよい。また、アンテナとして機能する導電層204は、素子201に含まれるトランジスタ等に電気的に接続されている。
第1の導電層208または第2の導電層210としては、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、炭素(C)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)等から選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金からなる単層または積層構造を用いることができる。例えば、合金としては、AlとTiが含まれた合金等が挙げられる。また、他にも、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を用いることが可能である。酸化珪素を含む酸化インジウムにさらに2〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したターゲットを用いて形成されたものを用いても良い。
有機化合物を含む層209としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)や4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)等の低分子化合物の単層または積層構造、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)、[メトキシ−5−(2−エチル)ヘキシロキシ]−p−フェニレンビニレン(MEH−PPV)、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PAF)、ポリ(9−ビニルカルバゾール)(PVK)、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリピレン類、ポリカルバゾール類等の高分子化合物の単層または積層構造を用いることができる。また、低分子化合物または高分子化合物からなる層に加えて、前記低分子または高分子化合物と無機化合物とを混合してなる層を積層して設けることもできる。また、図3(A)において、記憶素子107は、パッシブマトリクス型を用いた場合を示しているが、アクティブマトリクス型を用いてもよい。
また、アンテナとして機能する導電層204は、トランジスタのソース配線やドレイン配線と同じ層に設けられた場合を例示しているが、トランジスタのゲート電極や、記憶素子107を構成する一対の導電層、検出素子を構成する導電層と同じ層に設けてもよい。このように、アンテナとして機能する導電層を、他の素子が含む導電層と同じ層に設けることにより、アンテナとして機能する導電層を形成する工程を独立して設ける必要がなくなり、アンテナとして機能する導電層を形成する工程と、他の素子の導電層を形成する工程を同時に行うことができる。従って、作製工程を簡略化し、作成費用の削減や歩留まりの向上を実現することができる。また、アンテナとして機能する導電層を、他の素子が含む導電層とは別に設ける場合には、スクリーン印刷等の印刷法や液滴吐出法を用いて形成することによって作製工程の簡略化および材料の利用効率の向上を実現することができる。なお、本実施の形態では、アンテナとして機能する導電層204は他の素子が含む導電層と同じ層に設ける例を示すが、アンテナとして機能する導電層を別途作製し、後の工程でトランジスタと電気的に接続するように貼り合わせて設けることも可能である。
検出素子105の構造は、検出したい物理量または化学量に依存する。つまり、検出素子105は、その構造により、作用が異なる。例えば、検出素子105が含む第1の層205がP型半導体層、第2の層206がI型半導体層、第3の層207がN型半導体層の場合、検出素子105はPINダイオードに相当する。PINダイオードは、光が照射されると、電流が流れる性質があり、光を検出することができる。
なお、光を検出する素子として、PINダイオードだけではなく、PNダイオード、ショットキーダイオード、アバランシュダイオード、フォトトランジスタ、フォトトライアック、フォトサイリスタ等の他の素子を用いてもよい。
また、検出素子105が含む第1の層205が導電層、第2の層206が化合物半導体層、第3の層207が導電層の場合、検出素子105は、紫外線を検出することができる。これは、検出素子105は、紫外線が照射されると、電流が流れる性質があるためである。第1の層205、第3の層207に用いる導電層は、公知の導電性材料からなり、第2の層206に用いる化合物半導体層は、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)及びインジウム(In)から選択された少なくとも1つを含む元素と窒素を含む半導体からなる。化合物半導体層の結晶構造は、非晶質、微結晶質のどちらでもよい。
また、検出素子105が含む第1の層205が導電層、第2の層206が圧電体層、第3の層207が導電層の場合、検出素子105は、圧力の変化を検出することができる。これは、圧力が変化すると、検出素子105の容量値が変化するためであり、変化した容量値を読み取ることにより、圧力の変化を検出することができる。圧電体層は、鉛、チタン、ジルコニウム及び酸素を含む材料、又は、鉛、ストロンチウム、チタン、ジルコニウム及び酸素を含む材料からなる。
なお、検出素子105の第1の層205を導電層で設ける場合であって、アンテナとして機能する導電層204と同一の材料で設ける場合には、第1の層205とアンテナとして機能する導電層204とを同一の材料を用いて同一の層に形成することにより作製工程の簡略化を図ることができる。また、第1の層205を導電層で設ける場合であって、第1の導電層208と同一の材料で設ける場合には、第1の層205と第1の導電層208とを同一の材料を用いて同一の層に形成することにより作製工程の簡略化を図ることができる。また、第1の層205と第1の導電層208とアンテナとして機能する導電層204とを同一の材料を用いて同一の層に設けることも可能である。
次に、上記構成とは異なる本発明の半導体装置100の断面構造について、図3(B)を参照して説明する。図3(B)に示す半導体装置は、検出素子105、記憶素子107、素子201、202、203、導電層204を有する。ここでは、トランジスタのソース配線またはドレイン配線を記憶素子107の第1の導電層208としているが、もちろん図3(A)に示したようにソース配線やドレイン配線上に絶縁膜を介して別途第1の導電層を設けてもよい。また、アンテナ104として機能する導電層204は、ゲート電極を構成する導電層と同じ層に設けているが、上述したようにトランジスタのソース配線やドレイン配線と同じ層や、記憶素子107を構成する一対の導電層、検出素子を構成する導電層と同じ層に設けてもよい。もちろん印刷法や液滴吐出法を用いて形成してもよいし、トランジスタが形成される基板と別の基板に設けた後に当該トランジスタが形成された基板と貼り合わせることによって設けてもよい。また、図3(B)において、記憶素子107は、パッシブマトリクス型を用いた場合を示しているが、アクティブマトリクス型を用いてもよい。
検出素子105は、導電層211、乾湿層212、導電層213を有する。乾湿層212は、吸湿性がある有機材料を含み、具体的には、ポリイミド、アクリル等を含む。他にも乾湿層212として、セルロース系の親水性高分子、アンモニウム塩、スルホン酸基をベースとした材料、多孔質セラミックまたは塩化リチウム等を用いることができる。感湿層212に水が侵入すると、侵入した水分量に応じて、乾湿層212の誘電率が変化し、その結果、検出素子105の容量値が変化する。このように周囲の環境に応じて変化する容量値を読み取ることにより、湿度を検出することができる。また、図3(A)に示す検出素子105において、第3の層207を薄膜の導電層で設けることによって導電層を通して乾湿層が水分を吸収または放出するため、上下で乾湿層212を導電層により挟む構造とすることも可能である。
なお、検出素子105の導電層211または導電層213をアンテナとして機能する導電層204と同一の材料で設ける場合には、導電膜211または導電膜213とアンテナとして機能する導電層204とを同一の材料を用いて同一の層に形成することにより作製工程の簡略化を図ることができる。また、検出素子105の導電層211または導電層213を第1の導電層208と同一の材料で設ける場合には、第1の層205と第1の導電層208とを同一の材料を用いて同一の層に形成することにより作製工程の簡略化を図ることができる。また、導電層211、導電層213と第1の導電層208とアンテナとして機能する導電層204とを同一の材料を用いて同一の層に設けることも可能である。
次に、上記構成とは異なる半導体装置100の断面構造について、図4(A)を参照して説明する。図4(A)に示す半導体装置は、検出素子105、記憶素子107、素子201、202、203、導電層204を有する。ここでは、トランジスタのソース配線やドレイン配線上に絶縁膜を設け、当該絶縁膜上に検出素子105の第1の層および記憶素子107の第1の導電層208が形成されているが、ソース配線やドレイン配線と同一の層に設けることも可能である。また、図4(A)において、記憶素子107は、アクティブマトリクス型を用いて場合を示しているが、パッシブマトリクス型を用いてもよい。
検出素子105は、導電層217、有機化合物を含む層218及び導電層219を有する。検出素子105は、周囲の温度が変化すると、その抵抗値が変化する。このように、周囲の環境に応じて変化する抵抗値を読み取ることにより、温度を検出する。
なお、上記の構成では、温度を検出する素子として、有機化合物を含む層218を含む素子を用いているが、本発明はこの構成に制約されない。温度を検出する素子として、トランジスタを用いてもよい。トランジスタは、周囲の温度が変化すると、そのソースとドレイン間の抵抗値が変化する。このような、抵抗値の変化を読み取ることにより、温度を検出することができる。
なお、検出素子105の導電層217をアンテナとして機能する導電層204と同一の材料で設ける場合には、第1の層205とアンテナとして機能する導電層204とを同一の材料を用いて同一の層に形成することにより作製工程の簡略化を図ることができる。また、検出素子105の導電層217を第1の導電層208と同一の材料で設ける場合には、第1の層205と第1の導電層208とを同一の材料を用いて同一の層に形成することにより作製工程の簡略化を図ることができる。また、導電層217と第1の導電層208とアンテナとして機能する導電層204とを同一の材料を用いて同一の層に設けることも可能である。また、検出素子105の有機化合物を含む層218を記憶素子107の有機化合物を含む層209と同一の材料で設ける場合には、有機化合物を含む層218を有機化合物を含む層209と同一の材料を用いて同一の層に形成することにより作製工程の簡略化を図ることができる。なお、この場合、検出素子105の導電層219と記憶素子107の第2の導電層210とを同一の材料で形成してもよい。
次に、上記構成とは異なる半導体装置100の断面構造について、図4(B)を参照して説明する。図4(B)に示す半導体装置は、検出素子105、記憶素子107、素子201、202、203、導電層204を有する。ここでは、トランジスタのソース配線またはドレイン配線を記憶素子107の第1の導電層としているが、もちろん図4(A)に示したようにソース配線やドレイン配線上に絶縁膜を介して別途第1の導電層を設けてもよい。また、アンテナ104として機能する導電層204は、記憶素子107を構成する第1の導電層および検出素子を構成する第1の層と同じ層に設けているが、上述した他の層に設けることも可能である。
検出素子105は、導電層214、感応層215を有する。導電層214は、公知の導電性材料からなる。感応層215は、二酸化窒素ガスや一酸化窒素ガスを検出対象とする場合、金属亜硝酸塩と金属硝酸塩の一方又は両方を混合したものを用いる。また、二酸化炭素ガスを検出対象とする場合、金属炭酸塩と金属炭酸水素塩の一方又は両方を混合したものを用いる。金属亜硝酸塩とは、例えば、亜硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウムなどである。金属硝酸塩とは、例えば、硝酸リチウム、硝酸ナトリウムなどである。金属炭酸塩とは、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムなどである。金属炭酸水素塩とは、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどである。感応層215は、検出対象とするガスの分圧の変化に応じて、電気化学的な解離平衡を生じ、それによって生じる起電力変化が素子202に伝達される。素子202は、このような起電力変化を読み取ることにより、周囲のガスを検出することができる。
次に、上記構成とは異なる半導体装置100の断面構造について、図13を参照して説明する。図13に示す半導体装置は、検出素子105、記憶素子107、素子201、202、203、導電層204を有する。図13では、生体物質等の有機化合物等からなる化学物質を選択的に識別する場合に関して説明する。
検出素子105は、第1の層251、第2の層252および第3の層253からなる並列して配置された構造を有している(図13(A))。なお、ここでは第1の層251〜第3の層253が並列して配置された場合を示すが、上述したように第1の層251〜第3の層253を積層させて設けてもよいし、第1の層251および第3の層253を並列に配置し、当該第1の層251と第3の層253を覆うように第2の層252を設けてもよい。
また、第1の層251、第3の層253として、上記図3、図4と同様に公知の導電層を用いる。導電層としては、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、炭素(C)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)等から選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金からなる単層または積層構造を用いることができる。
第2の層252としては、検出したい物質と選択的に反応する物質(識別素子)を設ける。例えば、検出したい物質と選択的に反応する酵素266を高分子等の基体265上に公知の手段を用いて固定化して設ける。そして、第2の層252に、血液、汗、尿等を接触させることによって、その中に含まれる特定の物質のみが第2の層252と反応し、その結果、検出素子105に検出される。また、基体265上には酵素の他にも、検出したい物質により各種タンパク質、DNA、抗体分子または微生物細胞等を固定化して設けることができる。
ここでは、生体物質261〜263の3種類の物質があった場合を簡単に説明する。酵素266と生体物質261が選択的に反応する場合には、生体物質261の存在の有無や含有量が、第1の層251および第3の層253間の抵抗値や電流値によって検出素子105によって検出される。より具体的には、高分子等の基体265に固定化された識別素子である酵素266と生体物質261との間で起こる生化学反応によって、生成あるいは消費される化学物質を第1の層および第3の層により測定することによって検出を行う。一方、生体物質262、263に関しては、酵素266と反応しないため、一切検出されることはない(図13(B))。このように、検出素子105において、第2の層252に検出したい物質と反応する酵素等を設けておくことによって、特定の生体物質の存在の有無や含有量等の情報を知ることができる。また、複数の検出素子を設け、検出素子にそれぞれ特定の生体物質と反応する酵素等を設けておくことによって、複数の生体物質を一度に検出することが可能となる。また、図13では、検出素子105として、識別素子を設けた第2の層252を導電層からなる第1の層および第2の層で挟んで設ける構成を示したが、他にも、検出素子105として、ISFET(Ion Sensitive Field Effect Transistor)等を用いることも可能である。
なお、上記図3、図4、図13の構造は、それぞれ自由に組み合わせて設けることが可能である。つまり、アンテナ104として機能する導電層204を設ける位置、記憶素子107の設ける位置およびその構成(パッシブマトリクス型またはアクティブマトリクス型)または検出素子105の設ける位置等を自由に組み合わせて設けることができる構成は全て本発明の半導体装置に含まれる。
また、上記の構造では、基板216上に、演算処理回路101、検出部102、記憶部103及びアンテナ104を設けているが、本発明はこの構造に制約されない。基板216上から、演算処理回路101等を構成する複数の素子を剥離してもよい。基板216から複数の素子を剥離することにより、小型化、薄型化、軽量化を実現することができる。
そこで、基板216から複数の素子を剥離する際の手順について、図5を参照して説明する。まず、基板220上に、剥離層221、複数の薄膜集積回路を含む層222を積層して形成する(図5(A))。剥離層221は、公知の手段(スパッタリング法やプラズマCVD法等)により、タングステン、モリブデン及び珪素から選択された元素を含む材料から形成される。複数の薄膜集積回路を含む層222には、演算処理回路101等を構成する複数の素子が設けられている。
次に、基板220から薄膜集積回路223を剥離する。ここでは、レーザ光(例えばUV光)を照射することによって複数の薄膜集積回路を含む層222に、選択的に開口部を形成して、剥離層221を露出させた後(図5(B))、物理的な力を用いて基板220から薄膜集積回路223を剥離する。また、開口部を形成後、基板220から薄膜集積回路223を剥離する前に、開口部にエッチング剤を導入して、剥離層221を除去した後に剥離してもよい。ここでは、開口部にエッチング剤を導入して、剥離層221を除去すると共に、複数の薄膜集積回路を含む層222を分断して、複数の薄膜集積回路223を形成する。エッチング剤には、フッ化ハロゲンを含む気体又は液体、具体的には、三フッ化塩素(ClF3)を用いるとよい。そして、薄膜集積回路223の一方の面を基体224(基板224ともいう)に接着させて、基板220から薄膜集積回路223を剥離する(図5(C))。
次に、薄膜集積回路223の他方の面を基体225に接着させて、薄膜集積回路223を基体224、225により封止する(図5(D))。この際、加熱処理及び加圧処理の一方又は両方を行う封止ロール226、基体225が巻き付けられた供給ロール227及びベルトコンベア229を用いると、順次、基体224、225に封止された薄膜集積回路223を形成することができる。次に、切断手段228により、基体224、225を切断する。そうすると、基体224、225に封止された薄膜集積回路223が完成する。本発明の半導体装置とは、上記のような、基体224、225に封止された薄膜集積回路223をその範疇に含む。なお基体224、225とは、有機樹脂からなる基板(例えばプラスチック基板)、フィルム(例えばポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニル等からなる)に相当する。
また、本発明の半導体装置を人体に埋め込む際、人体に有害な影響を与えないようにするため、基体224、225を覆うように、保護層230を設けるとよい。保護層230は、人体に有害な影響を与えない材料により形成され、具体的には、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、チタン(Ti)、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)又は窒化炭素等の絶縁層により形成する。なお、ここでいうDLCには、水素化アモルファスカーボン膜等も含んでいる。
次に、上記とは異なる、基板216から複数の素子を剥離する手順について、図6を参照して説明する。まず、基板220上に、剥離層221、複数の薄膜集積回路を含む層222、保護層231を形成する(図6(A))。次に、保護層231と複数の薄膜集積回路を含む層222に、選択的に開口部を形成して、剥離層221を露出させる(図6(B))。続いて、上記図5で示した方法を用いて基板220から薄膜集積回路を含む層222を剥離する。ここでは、薄膜集積回路を含む層222と保護膜231とに設けられた開口部にエッチング剤を導入して、剥離層221を除去すると共に、複数の薄膜集積回路を含む層222を分断して、複数の薄膜集積回路223を形成する。次に、薄膜集積回路223の一方の面を基体224に接着させて、基板220から薄膜集積回路223を剥離する(図6(C))。続いて、薄膜集積回路223の露出された面上に、保護層232を形成する(図6(D))。そうすると、保護層232により覆われた薄膜集積回路223が完成する。続いて、切断手段228により、基体224を切断する。そうすると、保護層231、232に覆われた薄膜集積回路223が完成する。なお、検出する物理量や化学量によっては、保護層の一部を選択的に除去して開口部を設け、検出素子が露出するように形成する。
本実施の形態で示した半導体装置は、様々な物理量や化学量を検出し且つ非接触で外部の機器にその情報を表示し管理することが可能となる。また、本発明の半導体装置は表面がDLC等の保護層により覆われているため、人体に埋め込んで設ける際に有害な影響を与える恐れがない。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態で示した検出素子の構造に関して図面を参照して説明する。
図7は、周囲の明るさまたは光の照射の有無を検出する検出部の一例を示している。検出素子708は、フォトダイオード、フォトトランジスタ等で形成されている。検出制御回路709は、検出駆動回路752、検出回路753およびA/D変換回路754を有している(図7(A))。以下に、図7(B)を参照して検出回路753について説明する。
リセット用TFT755を導通状態にすると検出素子708には逆バイアス電圧が印加される。ここで、検出素子708のマイナス側端子の電位が電源電圧の電位まで充電される動作を「リセット」と呼ぶ。その後、リセット用TFT755を非導通状態にする。そのとき、検出素子708の起電力により、時間が経過するに従い電位状態が変化する。すなわち、電源電圧の電位まで充電されていた検出素子708のマイナス側端子の電位が、光電変換によって発生した電荷によって除々に低下する。
ある一定時間を経過した後、バイアス用TFT757を導通状態とすると、増幅用TFT756を通って出力側に信号が出力される。この場合、増幅用TFT756とバイアス用TFT757はいわゆるソースフォロワ回路として動作する。ここではソースフォロワ回路をnチャネル型TFTで形成した例で示されているが、勿論、pチャネル型TFTでも形成することができる。
増幅側電源線758には電源電圧Vddが加えられている。バイアス側電源線759は基準電位0ボルトが与えられている。増幅用TFT756のドレイン側端子は増幅側電源線に接続され、ソース側端子はバイアス用TFT757のドレイン端子に接続されている。バイアス用TFT757のソース側端子はバイアス側電源線759に接続されている。バイアス用TFT757のゲート端子にはバイアス電圧Vbが印加され、このTFTにはバイアス電流Ibが流れる。バイアス用TFT757は基本的には定電流源として動作する。増幅用TFT756のゲート端子には入力電圧Vinが加えられ、ソース端子が出力端子となる。このソースフォロワ回路の入出力関係は、Vout=Vin−Vbとなる。この出力電圧VoutはA/D変換回路754によりデジタル信号に変換する。デジタル信号は演算処理回路703に出力する。
図8は、検出素子に静電容量を検出する素子を設けた一例を示している。静電容量を検出する素子は、一対の電極を備えている。電極間に液体又は気体など検出する対象物が充填されるようになっている。この一対の電極間の、静電容量の変化を検出することで、例えば容器に密封された内容物の状態を判断する。また、一対の電極間にポリイミド、アクリルその他吸湿性の誘電体を介在させて、電気抵抗の微小な変化を読み取ることにより湿度の変化を検出することもできる。
検出制御回路709は、以下に示す構成となっている。発振回路760は測定基準信号を生成し、検出素子708の電極にその信号を入力する。このときの電圧は電圧検出回路761にも入力される。電圧検出回路761により検出された基準信号は、変換回路763で実効値を示す電圧信号に変換される。検出素子708の電極間に流れる電流は、電流検出回路762により検出する。電流検出回路762により検出された信号は、変換回路764により実効値を示す電流信号に変換される。演算回路766は、変換回路763の出力である電圧信号と、変換回路764の出力である電流信号を演算処理してインピーダンス若しくはアドミタンスなどの電気パラメータを算出する。また、電圧検出回路761の出力と電流検出回路762の出力は、位相比較回路765に入力される。位相比較回路765はこの両者の信号の位相差を、演算回路767に出力する。演算回路767は、演算回路766と位相比較回路765の出力信号を用いて静電容量を算出する。そして、その信号を演算処理回路703に出力する。
図14、図15は、温度を検出する検出素子の等価回路とその動作について示している。
まず、温度を検出する検出素子として、一対の導電層間に有機化合物を含む層を含む素子を用いる場合について、図14を参照して説明する。
温度を検出する検出素子971と定電流源972は直列に接続されており、検出素子971の一方の端子は高電位電源に接続され、一定の電位(VDD)に保たれている。また、定電流源972の一方の端子は低電位電源に接続され、一定の電位(VSS)に保たれている(図14(A))。検出素子971は、周囲の温度により、抵抗値が変化する性質があり、具体的には、室温を通常の温度としたとき、温度が通常よりも高くなると抵抗値が低下し、温度が通常よりも低くなると抵抗値が上昇する。このような検出素子971の性質は、検出素子971の電圧電流特性と温度の関係のグラフ図14(B)に示す通りである。
検出素子971には、定電流源972により、一定の電流が供給されており、この状態で、周囲の温度が変化すると、検出素子971の抵抗値が変化する。そして、検出素子971の抵抗値の変化に伴って、検出素子971の他方のノードの電位(Vaとする)が変化する。このような、検出素子971の他方のノードの電位Vaを読み取ることにより、周囲の温度を検出することができる。
次に、温度を検出する検出素子として、1つ又は複数のトランジスタを用いる場合について、図15を参照して説明する。
1つ又は複数のトランジスタからなる検出素子973と定電流源974は直列に接続されており、検出素子973の一方の端子は高電位電源に接続され、一定の電位(VDD)に保たれている(図15(A))。また、定電流源974の一方の端子は低電位電源に接続され、一定の電位(VSS)に保たれている。
検出素子973は、周囲の温度により、抵抗値が変化する性質があり、検出素子973の抵抗値の変化に伴って、検出素子973の他方のノードの電位(Vbとする)が変化する。このような、検出素子973の他方のノードの電位Vbを読み取ることにより、周囲の温度を検出することができる。検出素子973のノードの電位Vbと温度は、ほぼ直線的な関係を示す(図15(B))。
なお、検出素子973は、1つのトランジスタ975を含む場合、2つのトランジスタ976、977を含む場合、3つのトランジスタ978〜980を含む場合等があり、本発明ではそのいずれを採用してもよい(図15(C)〜(E))。
また、温度を検出する検出素子としてトランジスタを用いる場合には、検出素子におけるトランジスタと検出制御回路や演算処理回路等におけるトランジスタとを異なる構造で設けることが好ましい。検出素子におけるトランジスタは、温度変化によりトランジスタの特性が変化しやすい構造とし、検出制御回路や演算処理回路等のその他の回路に用いられるトランジスタは温度変化があった場合であっても特性が変化しにくい構造とする。具体的には、検出素子におけるトランジスタに比べて、検出制御回路や演算処理回路等のトランジスタにおける半導体膜のチャネル長(ソース領域とドレイン領域間の半導体膜の長さ)を大きくすることによって温度変化に対する影響を減少することができる。また、トランジスタのチャネル幅(チャネル長と垂直方向)を変えることによって、温度変化に対する影響を緩和させることも可能である。
次に、リーダ/ライタ112と半導体装置100との動作の一例を説明するフローチャートを図9に示す。
リーダ/ライタ112は、検出起動信号、データ読み出し信号、データ書き込み信号などの制御信号を送信する。その制御信号を半導体装置100が受信する。半導体装置100は、演算処理回路で制御信号を識別する。そして、検出部を動作させてデータの測定及び記憶部への記録を行う動作、記憶部に記録されているデータを読み出す動作、記憶部にデータを書き込む動作の中からどの動作を行うか判定する。データの測定及び記憶部への記録を行う動作は、まず、検出制御回路を動作させ、検出素子の信号を読み取り、検出制御回路を介して二値化を行い、演算処理回路を介して記憶部に記録させる作業を行う。リーダ/ライタ112からのデータを書き込む動作では、リーダ/ライタ112から送信されたデータを記憶部に書き込みを行う。記憶部に記録されているデータを読み出す動作では、制御回路を動作させ、記憶素子のデータを読み出し、それをリーダ/ライタ112に送信する動作を行う。回路の動作に必要な電力は、信号の送信と同時に、若しくは随時行うものとする。
次に、半導体装置に設けられた検出素子で検出したデータを、リーダ/ライタと送受信するシステムについて、図10を用いて説明する。図10は、上述した半導体装置100と、半導体装置100の情報の送受信を行うリーダ/ライタ112の一例を示す。リーダ/ライタ112は、アンテナ904と、発信器921、復調回路910、変調回路911を備えている。その他に演算処理回路901、外部インターフェイス部923を備える。制御信号を暗号化して送受信するには、暗号化/複合化回路部922と記憶部903をリーダ/ライタ112に備えておけば良い。電源回路部909は各回路に電力を供給するものであり、外部電源924から供給された電力を各回路へ供給する。
半導体装置100の検出部102で検出された情報は、演算処理回路101で処理した後、記憶部103に保持される。リーダ/ライタ112の変調回路911を介して電磁波として送られてきた信号は、半導体装置100のアンテナ104において、電磁誘導により交流の電気信号に変換される。復調回路110では、該交流の電気信号を復調し、後段の演算処理回路101に送信する。演算処理回路101では、入力された信号に従って記憶部103に保持されているデータを呼び出す。そして、演算処理回路101から変調回路111に信号を送り、変調回路111で交流の電気信号に変調される。そして、該交流の電気信号をアンテナ104を介して、リーダ/ライタ112のアンテナ904に送信する。
リーダ/ライタ112のアンテナ904で受信した交流の電気信号を、復調回路910で復調し、後段の演算処理回路901、外部インターフェイス部923に送信する。そして外部インターフェイス部923に接続されるディスプレイ、コンピュータなどの情報処理装置925で、検出部102で検出したデータを表示する。
なお、本実施の形態は上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
(実施の形態3)
本発明の半導体装置は、上記実施の形態で示したように様々な物理量または化学量を検出することができる。そのため、人間や動物等に上述した半導体装置を携帯させることによって、生体情報や健康状態等の様々な情報を場所を問わず簡単に知ることが可能となる。また、半導体装置の携帯の方法としては、人間を例に挙げると体の表面に貼り付けて設ける方法や人体に埋め込んで設ける方法等が考えられるが、検出したい物理量や化学量を考慮して適宜個人が選択して設ければよい。以下に、本発明の半導体装置の使用形態の具体例について図面を参照して説明する。
温度を検出する素子を含む半導体装置502を動物501に埋め込み、動物501付近に設けられたえさ箱等にリーダ/ライタ503を設ける(図11(A))。そして、リーダ/ライタ503を用いて、半導体装置502により検出される動物501の体温等の情報を定期的に読み取ることにより、動物501の健康状態を監視し管理することができる。この場合、あらかじめ、半導体装置502に識別番号を記憶させておくことにより複数の動物を同時に管理することができる。特に、半導体装置502を動物501に埋め込む場合には、TFT等を用いて半導体装置502を形成することによりサイズが小さくなるように設けることが好ましい。また、上記実施の形態で示したように、半導体装置502がフレキシブル性(可撓性)を有するように設けることによって、埋め込まれた半導体装置に応力が加わった場合であっても当該半導体装置の破損を防止することができる。
また、ガス等の気体成分を検出する素子を含む半導体装置506を食品505に設け、包装紙や陳列棚にリーダ/ライタ507を設ける(図11(B))。そして、リーダ/ライタ507を用いて、半導体装置506により検出される情報を定期的に読み取ることにより、食品505の鮮度を管理することができる。
また、光を検出する素子を含む半導体装置512を植物511に設け、植物511の植木鉢等にリーダ/ライタ513を設ける(図11(C))。そして、リーダ/ライタ513を用いて、半導体装置512により検出される情報を定期的に読み取ることで、日照時間の情報を得ると共に、花の開花時期や出荷時期の情報を正確に予想することができる。特に、光を検出する素子を含む半導体装置512においては、同時に太陽電池を設けることによって、リーダ/ライタ513からの電磁波による電力供給とあわせて、外部からの光によって半導体装置512に電力を供給することが可能となる。太陽電池は、検出素子と併用させて設けてもよいし、検出素子とは別に設けてもよい。
また、圧力を検出する素子を含む半導体装置515を人体の腕に貼り付けるかもしくは埋め込んで設ける(図11(D))。そして、リーダ/ライタを用いて、半導体装置515により検出される情報を読み取れば、血圧、脈拍等の情報を得ることができる。特に、半導体装置515を人体に貼り付けるかもしくは埋め込んで設ける場合には、TFT等を用いて半導体装置515を形成することによりサイズが小さくなるように設けることが好ましい。また、上記実施の形態で示したように、半導体装置515がフレキシブル性(可撓性)を有するように設けることによって、貼り付けるかもしくは埋め込まれて設けられた半導体装置に応力が加わった場合であっても当該半導体装置の破損を防止することができる。
また、温度を検出する素子を含む半導体装置516を耳たぶに埋め込む(図11(E))。そして、リーダ/ライタを用いて、半導体装置516により検出される情報を読み取れば、体温の情報を得ることができる。
また、安息の状態で測定する体温を基礎体温とよぶが、この基礎体温には一定のリズムがあり、測定結果により、自分自身の体調を把握することができる。基礎体温は、目を覚ましたら、動かずにそのままの状態で測定しなければならず、好ましくは、口中の舌下で5分間測定する。つまり、基礎体温を測定するには、基礎体温計を清潔に保ちつつ、毎日口中に入れて測定するという煩雑さがある。しかしながら、本発明の半導体装置517を舌等に埋め込んでおけば、基礎体温計を使用する必要がなくなり、毎日口にリーダ/ライタをかざせば、体温を測定することができる(図11(E))。
また、圧力を検出する素子を含む半導体装置518を鼻の下に貼り付けるかもしくは埋め込むことによって設ける(図11(E))。そして、リーダ/ライタを用いて、半導体装置518により検出される情報を読み取れば、呼吸の有無の情報を得ることができる。これは、特に、病院等において多くの患者の状態を知りたい場合等に有効となる。
また、振動を検出する素子を含む半導体装置522をのどに貼り付けるかもしくは埋め込むことによって設ける(図11(E))。そして、リーダ/ライタによって、半導体装置522により検出される情報を読み取れば、のどにおける声帯の振動の有無の情報を得ることができる。これは、特に、病気等により声が出せない場合であっても、声帯の振動を検出することによって声を出そうとする意思表示を示す場合に有効となる。
また、紫外線を検出する検出素子を含む半導体装置519を光が透過する箇所に貼り付けるかもしくは埋め込んで設ける(図11(F))。そうすると、専用のセンサを持ち歩くことなく、必要なときに、好きな場所で、半導体装置519にリーダ/ライタをかざせば、紫外線を測定することができる。紫外線は、人間が感知することができないものであり、皮膚や目に有害な影響を及ぼし、免疫力を低下させるものであるが、紫外線を測定することができれば、速やかに自己防衛手段をとることができる。
また、上記以外にも、圧力を検出する素子を含む半導体装置520を心臓付近に貼り付けて、心拍数を測定してもよい。上述の通り、本発明の半導体装置は、人体の健康管理、疾病の予防予測に活用することができる。また、インターネット等のネットワークを用いて、リーダ/ライタで読み取った生体情報を得ることにより、本発明の半導体装置を在宅医療監視システムなどに活用することができる。その具体例を図12に示す。
個体551に、物理量や化学量を検出可能な半導体装置552を携帯させる。半導体装置552は、図11に示したように、人体に貼り付けて設けてもよいし、埋め込んで設けてもよく、個体551が適宜選択して設ければよい。また、血液や脈拍等は個体差があるため個体551にあわせた半導体装置552を設ける。このように、個体551に半導体装置552を携帯させることにより、半導体装置552によって検出された個体551の生体情報をリーダ/ライタ553で読み取りコンピュータ等の装置554の表示部555に表示することができる。さらに、読み取られた生体情報は、インターネット等のネットワークを用いることによって、リアルタイムで自宅550から医療機関560に送信することができる。
医療機関560は、送信されてきたデータをコンピュータ等の装置561で受信することにより、個体551の情報を監視、管理する。また、個体551の担当医・専門医は、送信されてきた情報をもとに個体551の診断を行うことができる。
このように、個体551の健康状態に係る物理量または化学量の変化が定期的に検出され、医療機関560に送信されるため、自宅550に居ながら医療機関560が個体551の健康状態を監視することが可能となる。そのため、個体551に異常が認められた場合には、迅速に医師を派遣して精密な検査を行うことができる。
また、個体551が常に半導体装置552を携帯している場合には、携帯電話等の情報機器にリーダ/ライタを搭載することによって、外出先においても常時個体551の健康状態を把握することができる。また、個体551に異常が認められた場合には、個体551の生体情報を管理している医療機関560と個体551の付近にある医療機関570が情報のやりとりを行うことによって、迅速に個体551のもとに医師を派遣し処置することができる。これは、特に個体551が、外出している場合に、自宅以外の場所で異常が認められた場合に有効となる。
また、このように定期的に個体551の生体情報を管理することによって、個体551に不足しているものを改善することも可能である。例えば、個体551の生体情報をコンピュータ等の装置554によって管理、分析することにより、現在の個体551に不足しているビタミンがある場合には、そのことを表示部555に表示して注意を促すと共に摂取すべき食材等を表示させることも可能である。
以上のように、本発明の半導体装置552を個体に常に携帯させておくことにより、個人の健康状態を自分自身のみならず医療機関等も把握することが可能となり、病気等を未然に防止し、不慮の病気や事故が発生した場合であっても迅速に最善の対処を行うことができる。
なお、本実施の形態は上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。