JP4817546B2 - 装身用パーツの表面加工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネックレスやブレスレット等のように心金若しくは糸等の線条物に多数個引き通して装飾体を構成し、あるいは、例えば装飾用釦のように単独で服飾品の一部に取り付けられる装身用パーツの表面加工方法に関し、簡単には消失しない表面凹凸加工を施すことができるとともに、工程の簡略化と合理化、そしてコストの低減をはかることを目的とする。
【0002】
【従来の技術】
金・銀・銅・プラチナ等の材料を用いたネックレスやブレスレット等の装飾用小物部品、あるいは単独で使用される装飾用小物部品などの装身用パーツに対し、その外表面を粗面化加工して装飾効果を増すことは従来からおこなわれている。 装身用パーツに対する表面粗面化は、これまで主に全表面にわたり略均一で歩留まり性のよい粗面化形成が可能な放電加工手段が用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来方法による場合においては、装飾用小物部品に対する粗面化といっても、要するに「梨子地」加工といって、表面の光沢性を失わせる程度で、表面を粗面にするための凹凸がきわめて細かく、しかも粗面層形成が浅いために、加工工程の中で梨子地の模様等を賦しても、その後の仕上げ工程で部分的に消失しやすく、また商品として購入したユーザーが僅か数ヶ月使用しただけでも表面の磨耗により次第に薄くなって消失することが多い。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明にあっては、上記した装身用パーツの表面に対し、加工段階はもとより、使用段階においても簡単には消失しない多数の凹凸を簡単に、しかも低コストにて量産形成することができるようにしたものであって、具体的には対面させた一対の金型を互いに接近させて対面部間に1又は複数個の装身用パーツを圧挟したまま、少なくとも一方の金型を周方向に回転させて装身用パーツを一対の金型間において転動させつつ、少なくとも一方の金型対面部に形成した多数の突起により、前記装身用パーツの表面に微細な凹凸模様を賦型するようにした装身用パーツの表面加工方法であって、前記一対の金型は、上型及び下型からなり、前記下型の上面には、円形かつ平坦に形成された前記対面部と、該対面部を囲む立ち上がり壁と、が形成されており、前記上型の下面には、円形かつ平坦に形成され、前記装身用パーツを圧挟する際に前記下型の前記立ち上がり壁により囲まれた領域内に進入する前記対面部が形成されているようにした装身用パーツの表面加工方法に関する。
【0005】
上記した構成において、一対の金型における下型の対面部上に加工すべき1又は複数個の装身用パーツを載置するとともに、該下型に対して上型を下降接近させる等、対面させた一対の金型を互いに接近させて上記の複数個の装身用パーツを上下の金型間に圧挟したままの状態において、上下の金型のうち少なくとも一方の金型を周方向に回転させて上記装身用パーツを上下の金型間において転動させつつ、上下金型の少なくとも一方の対面部に形成した多数の突起部と接触させて、上記各装身用パーツの表面に微細な凹凸模様を賦型させる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の具体的な内容を図1〜図3にあらわした実施例をもとに説明すると、1および6は互いに接離自在とした上下一対の金属製金型をあらわし、1は下型、6は上型を示す。 下型1は円形をなすとともに、上面に平坦な対面部2を有し、しかも該対面部2の周辺部に立ち上がり壁3を形成して皿状に構成されている。
【0007】
一方上型6は上記下型1に対応させて円形に構成されるとともに、下側には上記下型1の立ち上がり壁3により囲まれたエリア内に進退が可能なラム部7を有すると共に、該ラム部7の下面には下型1の対面部2に対応させる平坦な対面部8が形成され、しかも該対面部8には任意の形状・大きさからなる多数の突起が形成される。
【0008】
なおこの場合の突起については、上記平坦な対面部8に微細な突起9を形成し、あるいは帯状の突条を縦横に交差させて等間隔毎に施したものでもよく、要するに上下の金型により装身用パーツを一定の加圧力にて加圧させた状態において、上下の金型のうち、少なくともその一方を回転させた際に、装身用パーツの外表面に適度の多数の微細な凹凸を賦型することができるものであれば、格別その形状や大きさ、数量等の如何を問わない。
【0009】
さらに上記した上下一対の金型1および6は次のようにして互いの対面部2・8を対面させる。 すなわち下型1は対面部2を上にしてターンテーブル4上に載置され、回転軸5を介してターンテーブル4を回転させることにより下型1も回転するように構成される。 なおこの場合のターンテーブル4上面に対する下型1の取り付けについては、下型1を単にターンテーブル4上に、回転軸心に位置合わせして載置しただけであるが、より好ましくはターンテーブル4に対する適当な固定手段を設けるのが望ましい。
【0010】
一方上型6は、ラム部7の下面に形成された対面部8が、前記下型1の対面部2に対面するべく対面部8を下側にして取り付け軸芯を合致させてエア又は油圧式のシリンダー11のロッド10の先端部に取り付けられ、シリンダー11を駆動させてロッド10の伸縮により上型6のラム部7を下型1の立ち上がり壁3により囲まれたエリア内に進退可能にして双方の対面部2・8を対面させる。
【0011】
なお上記の実施例においては、ターンテーブル4上に固定された下型1に対して上型6を進退自在に構成したが、反対に上型を固定にして下型を上型に向けて進退可能に構成し、あるいは上下の金型を、共に進退自在としてもよい。 また上記の実施例においては下型1のみをターンテーブル4の回転により回転させる構成としたが、反対に下型を固定して上型の方を回転させ、あるいは上・下型共に、互いに反対方向に回転させるように構成すると、装身用パーツの表面加工効率を、より一層向上させることができる。
【0012】
さらに対面部に対する任意の形状・大きさからなる多数の微細な突起の形成については、上記実施例においては上型のみとしたが、下型のみ、あるいは上型と下型の両方の対面部に形成するようにしてもよい。
【0013】
上記した構成において、下型1の対面部2上に1又は複数個の装身用パーツPを載置するとともに、シリンダー11を作動させて上型6を下型1に向けて降下させることにより、対面させた一対の金型6・1を互いに接近させて上記の複数個の装身用パーツPを対面部8・2により、対面部に施した多数の微細な突起9により装身用パーツPの外表面に適度の深さの凹凸を賦型できる程度の挟圧力をもって圧挟したまま、さらにターンテーブル4を回転させて下型1を周方向に回転させ、上記装身用パーツPを上下金型6・1間において転動させつつ、金型対面部8に形成した多数の突起9により、上記装身用パーツPの表面に微細な凹凸模様を賦型する。
【0014】
【発明の効果】
本発明は上記した通り、対面させた一対の金型を互いに接近させて対面部間に1又は複数個の装身用パーツを圧挟したまま、少なくとも一方の金型を周方向に回転させて装身用パーツを一対の金型間において転動させつつ、少なくとも一方の金型対面部に形成した多数の突起により、前記装身用パーツの表面に微細な凹凸模様を賦型するようにした装身用パーツの表面加工方法であって、前記一対の金型は、上型及び下型からなり、前記下型の上面には、円形かつ平坦に形成された前記対面部と、該対面部を囲む立ち上がり壁と、が形成されており、前記上型の下面には、円形かつ平坦に形成され、前記装身用パーツを圧挟する際に前記下型の前記立ち上がり壁により囲まれた領域内に進入する前記対面部が形成されているようにしたものであるために、装飾用小物部品の外表面に対する微細な凹凸模様層の賦型作業が容易且つ低コストで実現でき、しかも装飾用小物部品の外表面に施される微細な凹凸模様層の賦型が深くなり、その結果その後の仕上げ工程においても上記凹凸模様が消失することがなく、また商品としてユーザーが長期間使用しても消えることが殆どない。
【0015】
また、対面させた一対の金型を互いに接近させて対面部間に上記の複数個の装身用パーツを圧挟したまま金型を回転させて少なくとも一方の金型対面部に形成した多数の突起により、上記装身用パーツの表面に微細な凹凸模様を賦型する場合において、一対の金型を互いに反対方向に回転させるようにした場合においては、装身用パーツに対する微細な凹凸模様の賦型作業効率がより一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である装身用パーツの表面加工処理をおこなうための金型装置の要部断面図。
【図2】図1に示した上下一対の金型の斜視図。
【図3】図2に示した上下一対の金型のうち、上型を下側から見た状態を拡大してあらわした斜視図。
【符号の説明】
1 下型
2 対面部
3 立ち上がり壁
4 ターンテーブル
5 回転軸
6 上型
7 ラム部
8 対面部
9 微細な突起
10 ロッド
11 シリンダー

Claims (3)

  1. 対面させた一対の金型を互いに接近させて対面部間に1又は複数個の装身用パーツを圧挟したまま、少なくとも一方の金型を周方向に回転させて装身用パーツを一対の金型間において転動させつつ、少なくとも一方の金型対面部に形成した多数の突起により、前記装身用パーツの表面に微細な凹凸模様を賦型するようにした装身用パーツの表面加工方法であって、
    前記一対の金型は、上型及び下型からなり、
    前記下型の上面には、円形かつ平坦に形成された前記対面部と、該対面部を囲む立ち上がり壁と、が形成されており、
    前記上型の下面には、円形かつ平坦に形成され、前記装身用パーツを圧挟する際に前記下型の前記立ち上がり壁により囲まれた領域内に進入する前記対面部が形成されているようにした装身用パーツの表面加工方法
  2. 任意の形状・大きさからなる多数の突起の形成は、上下一対の金型の両方の対面部に施したものであるところの請求項1に記載の装身用パーツの表面加工方法。
  3. 対面させた一対の金型を互いに接近させて対面部間に1又は複数個の装身用パーツを圧挟したまま、前記一対の金型を互いに反対方向に回転させて装身用パーツを一対の金型間において転動させつつ、少なくとも一方の金型対面部に形成した多数の突起により、前記装身用パーツの表面に微細な凹凸模様を賦型するようにした請求項1又は2に記載の装身用パーツの表面加工方法。
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