JP4817538B2 - 段ボール貼合用接着剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、段ボールの中芯とライナーを接着するために用いる段ボール貼合用接着剤に関するものである。更に詳しくは、澱粉糊中におけるメイン澱粉を構成する未糊化澱粉として糊化性を向上させた澱粉を使用する、高速貼合適性に優れる段ボール貼合用接着剤に関するものである。特に、ここで述べる向上した糊化性とは、低い温度でも反応し、温度が高くなるに従い、連続的に澱粉が反応するよう、加熱時の糊化発現に時間的幅を持たせた澱粉の糊化特性のことをいう。
【0002】
【従来の技術】
段ボールの貼合せに用いる接着剤としては、価格の面から、澱粉糊を使用することが多い。澱粉を使用する段ボール貼合用接着剤は、一般的に水、キャリア澱粉と呼ばれる糊化した澱粉、メイン澱粉と呼ばれる未糊化澱粉、アルカリ成分、および必要に応じて硼素化合物から製造される。段ボールの製造過程において、接着剤中のメイン澱粉は、ライナー原紙を介して加えられた熱により、糊化し、接着力が発現する。
【0003】
近年、段ボール製造用コルゲーターの大型化、高速化に伴い、接着剤がコルゲーターから受けることができる熱量は減少する傾向にある。従って、高速で貼合するコルゲーターにおいては、接着剤中のメイン澱粉は糊化に必要な熱量を十分に得られず、澱粉は十分な接着力を発現することができない。従って、高速貼合適性の優れた接着剤、即ち高速での貼合せに対し優れた適性を有する接着剤の開発が望まれている。
【0004】
従来、段ボール貼合用接着剤の貼合適性においては、糊化温度の物性値が重要視され、メイン澱粉の糊化作用は、接着剤の貼合適性を決定する主要因子であると考えられてきた。つまりメイン澱粉は、加熱時急激に膨潤、糊化し、一挙に粘度を発現するような糊化挙動を示す澱粉が好ましいと、一般的に考えられている。
【0005】
特公昭61−11982号公報には、糊化温度を下げたエステル化タピオカ澱粉をメイン澱粉として使用し、低い温度で澱粉を急激に糊化させ、高速貼合適性を向上させる方法が記載されている。しかしここで記載されている加工方法は一般的に湿式法と呼ばれ、この方法で調製される加工澱粉(化工澱粉)は、糊化温度を下げるために、高い加工度を必要とし、価格が高くなってしまう。使用する澱粉の80%以上を占めるメイン澱粉として、このような湿式法による加工澱粉を使用すると、コストを大きく押し上げてしまうため、実際にはほとんど用いられておらず、安価な未加工のコーンスターチなどが広く用いられているのが現状である。即ち、現在のところ、十分な熱量が得にくい高速コルゲーターにおける使用に対し満足する高速貼合適性を有し、かつ安価な接着剤は得られていない。
このような背景から、高速貼合適性の優れた安価な接着剤を提供することが求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、段ボールを高速で貼合せるために糊化に必要な熱量が不足するような場合、例えば高速コルゲーターにおいて使用する場合にも、十分な接着力を発現し、優れた高速貼合適性を有し、かつ安価な段ボール貼合用接着剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、乾式法等によって、アルカリ成分を不均一に付着または吸着させ、糊化性を向上させたアルカリ処理澱粉をメイン澱粉として用いることにより、前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)澱粉に対し0.5〜20重量%のアルカリ成分を不均一に付着または吸着させてなるアルカリ処理澱粉を、メイン澱粉として用いて得られる段ボール貼合用接着剤。
(2)乾式法によって、澱粉に対し0.5〜20重量%のアルカリ成分を付着または吸着させてなるアルカリ処理澱粉を、メイン澱粉として用いて得られる段ボール貼合用接着剤。
(3)澱粉に対し0.5〜20重量%のアルカリ成分を不均一に付着または吸着させてなるアルカリ処理澱粉と、生澱粉とを含む澱粉混合物を、メイン澱粉として用いて得られる段ボール貼合用接着剤。
(4)乾式法によって、澱粉に対し0.5〜20重量%のアルカリ成分を付着または吸着させてなるアルカリ処理澱粉と、生澱粉とを含む澱粉混合物を、メイン澱粉として用いて得られる段ボール貼合用接着剤。
(5)前記アルカリ処理澱粉と生澱粉との重量比が1〜99:99〜1である前記(3)または(4)に記載の段ボール貼合用接着剤。
(6)メイン澱粉が、アルカリブラベンダーアミログラフによる測定方法において、20BU(Brabender Unitの略)到達時間が20分以下の物性値を有する前記(1)〜(5)のいずれかに記載の段ボール貼合用接着剤。
【0009】
本発明においては、澱粉に対し、所定量のアルカリ成分を、乾式法等によって不均一に付着または吸着させ、澱粉粒内において、強固に澱粉鎖が結合し、澱粉粒を形成している部分の水素結合を不均一に切断または弛緩することで、糊化性の向上したアルカリ処理澱粉を製造し、これを単独で、または生澱粉等と混合し、これをメイン澱粉として用いる。本明細書において、アルカリ成分を不均一に付着または吸着させるとは、アルカリ成分を、澱粉の一部分のみに、および/または部分的に不均一な濃度で付着または吸着させることを意味する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の段ボール貼合用接着剤は、例えば乾式法を用い、不均一にアルカリ成分を付着または吸着させ、糊化性が向上するよう改質したアルカリ処理澱粉を、単独で、または生澱粉と混合し、これをメイン澱粉として調製されるもので、主に中芯とライナーを接着するために用いられる。
【0011】
本明細書中、乾式法とは、粉体である澱粉に噴霧等の手段によって薬剤を添加するか、または粉体状の薬剤を直接澱粉と混合することにより、不均一な反応系とする反応方法を意味し、一方、湿式法とは、澱粉を溶媒に分散させてスラリー状とした系に薬剤を加え、均一な反応系とする反応方法を意味する。
【0012】
これまで、優れた高速貼合適性を得るためには、メイン澱粉が均一な糊化特性を有し、加熱により一挙に糊化することが必要であると考えられてきた。本発明者らは、鋭意研究の結果、従来の考え方とは違い、意図的に、澱粉に不均一な糊化特性を付与することにより、糊化性を向上させることに成功した。詳しくは澱粉の糊化が開始する温度を低温側にシフトさせることによって、加熱時の糊化発現に時間的幅を持たせる方法の確立である。本発明者らは、このような澱粉をメイン澱粉として用いることにより、従来の接着剤と比べ、高速貼合適性が大きく改善された接着剤が得られることを見出した。不均一な糊化特性を有する澱粉が糊化開始から糊化完了までに要する時間は延びるものと考えられるが、澱粉の一部または全量を、前記のような不均一化処理を施した澱粉に置き換えることにより糊化開始温度が低温側へシフトし、低温度範囲でも一部の澱粉粒で粘度が発現し、初期接着力が発現する前段階において接着力が発現する。従来の接着剤とは異なり、熱量的に不利な状況であっても貼合が可能になるのは、この作用によるものと推測される。ここで初期接着力とは、糊が乾燥して安定した接着強度を示す常態接着力に対して、糊の乾燥が完全に終了しない段階での接着力をいい、高速化したコルゲーターでは糊の乾燥があまり進まないうちに段ボールに切断等の種々の加工が施されるため、段ボール貼合用接着剤では、この初期接着力ならびにその前段階での接着力の強さが特に重要となる。この加熱時の糊化発現に時間的幅を持たせた不均一化処理澱粉を調製するための手段として、澱粉にアルカリ成分を不均一に付着または吸着させる方法が有効であるという結論に達し、本発明を完成させるに至った。
【0013】
本発明で用いる、澱粉に付着または吸着させるアルカリ成分は、特に限定されることはなく、澱粉に付着または吸着し、澱粉粒内の水素結合を切断または弛緩させる能力のあるものであれは、いずれのアルカリ成分を用いてもよい。例としては、アルカリ金属の水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等;アルカリ土類金属の水酸化物、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられるが、コスト面、反応性の観点から水酸化ナトリウムが好ましい。
【0014】
本発明においては、加熱時の糊化発現に時間的幅を持たせる観点から、アルカリ成分は、澱粉に対し不均一に付着または吸着することが必要である。そのための手段として、乾式法を用いることができる。乾式法としては、粉体状の澱粉に所定の濃度のアルカリ水溶液を噴霧する方法、または粉体状のアルカリ成分を直接澱粉と混合する方法が挙げられる。アルカリ成分の水溶液を噴霧する場合は、アルカリ水溶液の濃度は5重量%以上であることが好ましい。アルカリ水溶液の濃度が5重量%未満であると、アルカリ成分が接触した澱粉粒の水素結合を切断または弛緩する作用が著しく減少する。また乾式法において、澱粉に付着または吸着した澱粉粒内のアルカリ成分が、水素結合を切断または弛緩する程度を調節するため、加熱または冷却を実施してもよい。
【0015】
付着または吸着させるアルカリ成分の量は、澱粉に対し0.5〜20重量%であることが必要であり、1〜10重量%であることが好ましい。アルカリ成分の量が、0.5重量%未満であると、得られる澱粉の糊化特性は、処理前の澱粉と大差がなく、高速貼合適性を向上させることができない。また、アルカリ成分による糊化特性の改質の効果は、付着または吸着するアルカリ成分の量が、澱粉に対し約20重量%となるときにほぼ上限に達するため、経済的観点から、付着または吸着させるアルカリ成分の量は、澱粉に対し20重量%以下である。
【0016】
一方、アルカリ処理澱粉の調製に用いる原料用澱粉は、段ボール貼合用接着剤に通常用いられるいずれの澱粉でもよく、特に限定されるものではないが、例えば、コーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、サゴ澱粉などの天然澱粉、それらを湿式法もしくは乾式法で反応させてエーテル化、エステル化、カチオン化、酸化もしくは酸処理した加工澱粉(化工澱粉)、またはこれらの澱粉の混合物を用いることができる。
【0017】
糊化特性を改質したメイン澱粉は、十分な高速貼合適性を得る観点から、アルカリブラベンダーアミログラフ法において、20BU到達時間が20分以下であることが好ましい。ここでアルカリブラベンダーアミログラフ法は、アルカリ水溶液に分散させた澱粉の糊化性を測定する方法である。
【0018】
また、初期接着力は、初期接着強度を測定することによって評価することができる。初期接着強度は、片面段ボールに絶乾5g/m2の段ボール貼合用接着剤を塗布し、熱板によってライナーと圧着させた後、直ちにライナーと片面段ボールを剥がし、そのときの強度として、ロードセルによって測定できる。本発明の段ボール貼合用接着剤は、初期接着強度が高いほど優れた高速貼合適性を有する。
【0019】
本発明においては、メイン澱粉として、前記アルカリ処理澱粉と、生澱粉とを含む澱粉混合物を用いることもできる。前記澱粉混合物からなるメイン澱粉は、十分な高速貼合適性を得る観点から、アルカリブラベンダーアミログラフ法において、20BU到達時間が20分以下であることが好ましい。ここでアルカリブラベンダーアミログラフ法は、アルカリ水溶液に分散させた澱粉の糊化性を測定する方法である。
【0020】
前記アルカリ処理澱粉と混合する生澱粉は、段ボール貼合用接着剤に通常用いられるいずれの澱粉でもよく、特に限定されるものではないが、例えば、コーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、サゴ澱粉などの天然澱粉、それらを湿式法もしくは乾式法で反応させてエーテル化、エステル化、カチオン化、酸化もしくは酸処理した加工澱粉(化工澱粉)、またはこれらの澱粉の混合物を用いることができる。経済性の観点から、未加工の天然澱粉を用いるのが好ましい。前記アルカリ処理澱粉と生澱粉との重量比は、十分な高速貼合適性を得る観点から、1〜99:99〜1が好ましく、性能面、経済面の観点から3〜15:97〜85が更に好ましい。
【0021】
また前記アルカリ処理澱粉と生澱粉との混合は、澱粉を粉体同士で混合する方法と、澱粉を水に分散させ、分散液中で混合する方法が挙げられるが、どちらの方法でもよい。混合時期については、製糊時に混合する方法と製糊前に前もって混合しておく方法が挙げられるが、どちらの方法でもよい。
【0022】
本発明の段ボール貼合用接着剤には、澱粉が糊化するときにタック性(粘着性)を発現するように硼素化合物、例えば、硼砂、硼酸、メタ硼酸ナトリウムを加えることが好ましい。
本発明の段ボール貼合用接着剤の製造法は、特に限定されるものではないが、例えば、通常行われている、ツータンクもしくはワンタンクステインホール方式、プレミックス方式またはノーキャリア方式を用いることができる。
【0023】
本発明の段ボール貼合用接着剤は、メイン澱粉の糊化性が改質された、高速貼合適性の優れた接着剤である。このような特性が付与される機構については、詳細は不明であるが、アルカリ成分が付着または吸着する際、アルカリ成分と接触した一部分の澱粉粒のみが、アルカリ成分に含まれる水酸化物イオンの作用により水素結合が切断または弛緩されることによって、膨潤または破裂を起こし、それにより加熱時の糊化発現に時間的幅が生じ、不均一な糊化特性を有する澱粉が得られるものと推測される。
【0024】
アルカリ成分を使用して澱粉の糊化性を向上させる方法については、特開平9−194501号公報に、アルカリ水溶液に澱粉を浸漬させる方法が見られるが、この発明においては、澱粉をアルカリ水溶液中に浸漬するため、得られる澱粉の糊化特性は均一なものとなってしまううえ、用いられるアルカリ水溶液は、澱粉が完全に糊化することを防ぐため、濃度の薄いアルカリ水溶液を使用しなければならないので、澱粉の水素結合を切断または弛緩する効果が少なく、本発明と同様の糊化特性を得ることはできない。そのため、優れた高速貼合適性を持つ接着剤を調製することは困難である。
【0025】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例および比較例において、▲1▼アルカリブラベンダーアミログラフ法における20BU到達時間の測定、▲2▼フォードカップ粘度の測定、▲3▼B型粘度の測定、▲4▼糊化温度の測定、▲5▼初期接着強度の測定は以下の方法で行った。
▲1▼アルカリブラベンダーアミログラフ法における20BU到達時間:ブラベンダーアミログラフを用いて測定した。即ち、澱粉125gに全量で300gとなるまで純水を加え、デンプンを分散させる。これに、25重量%の水酸化ナトリウム水溶液10mlと純水180mlとを混合した溶液を、ゆっくり加える。得られた澱粉分散液をブラベンダーアミログラフの容器に移した後、全量が500gとなるよう純水を加えて調整し、ブラベンダーアミログラフを始動させる。ブラベンダーアミログラフは、液温が44℃になるまで毎分1.5℃の速度で昇温し、44℃に達したら44℃で保持するようプログラムし、44℃に達してから、分散液の粘度が20BUに達するまでの時間を測定する。またこのアルカリブラベンダーアミログラフ法においては、カートリッジ700cm−gを使用し、回転数100rpmで行う。
▲2▼フォードカップ粘度:東洋テスター工業(株)製のフォードカップ(水10秒)により測定した。
▲3▼B型粘度:東京計器(株)製の回転粘度計(型式:BM型)を用いて60rpmで測定した。
▲4▼糊化温度:ブラベンダーアミログラフを用いて測定した。即ち、試料500gをブラベンダーカップに取り、カートリッジ750cm−g、回転数100rpm、昇温1.5℃/分の条件で測定し、測定中の最低粘度から500BU上昇したときの温度を糊化温度とした。
▲5▼初期接着強度:50mm×85mmの大きさの片面段ボール(原紙構成:王子:NRK−280g/北陽:MM−180g)に絶乾5g/m2の段ボール貼合用接着剤を塗布し、ロードセルの付いたピンテスターにセットする。その上にライナー(王子:NRK−280g)を置き、自重1.5kgの熱板(120℃)により、10秒間圧着する。圧着後、直ちにライナーと片面段ボールを剥がし、そのときの強度を初期接着強度として、ロードセルによって測定した。
【0026】
(比較例1)
3L容のステンレスジョッキに40℃に加温した水630gを取り、特殊機加工業(株)製撹拌機ロボミックスを用い、5500rpmの条件で、未加工のコーンスターチ(キャリア澱粉)62gを分散させた。これに25重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液40gを加え、15分間撹拌してキャリア澱粉糊を調製した。このキャリア澱粉糊に40℃の水840g、予めアルカリブラベンダーアミログラフ法により、20BU到達時間を測定しておいた未加工のコーンスターチ(メイン澱粉)438g、硼砂10gを連続して加えた後、15分撹拌して、ワンタンクステインホール方式による接着剤を得た。得られた接着剤のフォードカップ粘度、B型粘度、糊化温度および初期接着強度を測定した。その測定結果を表1に示す。
【0027】
(実施例1)
未加工コーンスターチ7kgをレディゲミキサーに入れ、よく撹拌しながら、澱粉に対し1.25重量%のアルカリ成分が付着または吸着するよう、25重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を350g(アルカリ成分として87.5g)噴霧した。噴霧後、70℃で30分間澱粉を乾燥させ、アルカリブラベンダーアミログラフ法で20BU到達時間を測定した。次にこのアルカリ処理澱粉をメイン澱粉として用い、比較例1と同様の方法により段ボール貼合用接着剤を調製し、接着剤のフォードカップ粘度、B型粘度、糊化温度および初期接着強度を測定した。その測定結果を表1に示す。
【0028】
(実施例2)
澱粉に対し7.14重量%のアルカリ成分が付着または吸着するよう、噴霧する25重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液の量を2000g(アルカリ成分として500g)とする以外は、実施例1と同様の方法で、段ボール貼合用接着剤を調製し、接着剤のフォードカップ粘度、B型粘度、糊化温度および初期接着強度を測定した。その測定結果を表1に示す。
【0029】
(実施例3)
未加工のコーンスターチ7kgをレディゲミキサーに入れ、よく撹拌しながら、顆粒状の水酸化ナトリウム87.5g(澱粉に対し1.25重量%)を加えた。次にこの澱粉を70℃で30分間乾燥し、アルカリブラベンダーアミログラフ法で20BU到達時間を測定した。このアルカリ処理澱粉をメイン澱粉として用い、比較例1と同様の方法で段ボール貼合用接着剤を調製し、接着剤のフォードカップ粘度、B型粘度、糊化温度および初期接着強度を測定した。その測定結果を表1に示す。
【0030】
(比較例2)
澱粉に対し0.16重量%のアルカリ成分が付着または吸着するよう、噴霧する25重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液の量を44g(アルカリ成分として11g)とする以外は、実施例1と同様の方法で、段ボール貼合用接着剤を調製し、接着剤のフォードカップ粘度、B型粘度、糊化温度および初期接着強度を測定した。その測定結果を表1に示す。
【0031】
(実施例4)
実施例1で調製したアルカリ処理澱粉10重量%と未加工のコーンスターチ90重量%を混合し、アルカリブラベンダーアミログラフ法で20BU到達時間を測定した。次にこの澱粉混合物をメイン澱粉として用い、比較例1と同様の方法により段ボール貼合用接着剤を調製し、接着剤のフォードカップ粘度、B型粘度、糊化温度および初期接着強度を測定した。その測定結果を表2に示す。
【0032】
(実施例5)
アルカリ処理澱粉と未加工コーンスターチの混合比率を重量比で5:95とする以外は、実施例4と同様の操作を行い、メイン澱粉のアルカリブラベンダーアミログラフ法による20BU到達時間を測定し、このメイン澱粉を用いて調製した接着剤のフォードカップ粘度、B型粘度、糊化温度および初期接着強度を測定した。その測定結果を表2に示す。
【0033】
(実施例6)
未加工のタピオカ澱粉7kgをレディゲミキサーに入れ、よく撹拌しながら、澱粉に対し1.37重量%のアルカリ成分が付着または吸着するよう、15重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を640g(アルカリ成分として96g)噴霧した後、カチオンマスターC−60(四日市合成(株)製)390gを続けて噴霧することによって澱粉をカチオン化し、不均一な糊化特性を持つ、乾式カチオン化タピオカ澱粉を調製した。噴霧後、70℃で30分間澱粉を乾燥させ、アルカリブラベンダーアミログラフ法で20BU到達時間を測定した。このアルカリ処理カチオン化澱粉をメイン澱粉として用い、比較例1と同様の方法により段ボール貼合用接着剤を調製した。接着剤のフォードカップ粘度、B型粘度、糊化温度および初期接着強度を測定し、その測定結果を表3に示す。
【0034】
(実施例7)
実施例6のアルカリ処理カチオン化澱粉5重量%と、未加工のコーンスターチ95重量%を混合し、アルカリブラベンダーアミログラフ法で20BU到達時間を測定した。次にこの澱粉混合物をメイン澱粉として用いて、比較例1と同様の方法により段ボール貼合用接着剤を調製し、接着剤のフォードカップ粘度、B型粘度、糊化温度および初期接着強度を測定した。その測定結果を表3に示す。
【0035】
(実施例8)
未加工のコーンスターチと混合する澱粉を、乾式法で反応させた不均一な糊化特性を有するカチオン化タピオカ澱粉(商品名ピラー4;王子トレーディング(株)製)とすること以外は、実施例7と同様の操作を行い、メイン澱粉のアルカリブラベンダーアミログラフ法における20BU到達時間を測定し、このメイン澱粉を用いて調製した接着剤のフォードカップ粘度、B型粘度、糊化温度および初期接着強度を測定した。測定結果を表3に示す。
【0036】
(比較例3)
湿式法でアルカリ処理した均一な糊化特性を有するカチオン化タピオカ澱粉であるゲルトロン12(ゼネラルスターチ(株)製)と未加工のコーンスターチとを混合してメイン澱粉とする以外は、実施例7と同様の操作を行い、メイン澱粉のアルカリブラベンダーアミログラフ法における20BU到達時間を測定し、このメイン澱粉を用いて調製した接着剤のフォードカップ粘度、B型粘度、糊化温度および初期接着強度を測定した。測定結果を表3に示す。
【0037】
(比較例4)
湿式法でアルカリ処理した均一な糊化特性を有するアセチル化タピオカ澱粉と未加工のコーンスターチとを混合してメイン澱粉を調製すること以外は、実施例7と同様の操作を行い、メイン澱粉のアルカリブラベンダーアミログラフ法で20BU到達時間を測定し、このメイン澱粉を用いて調製した接着剤のフォードカップ粘度、B型粘度、糊化温度および初期接着強度を測定した。測定結果を表3に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0004817538
【0039】
【表2】
Figure 0004817538
【0040】
【表3】
Figure 0004817538
表1〜3より、本発明の段ボール貼合用接着剤は、貼合速度を決定する要素である初期接着力が高いことから、優れた高速貼合適性を有することがわかる。
【0041】
【発明の効果】
本発明により、不均一な糊化特性をもつ澱粉が調製され、この澱粉を段ボール貼合用接着剤のメイン澱粉に用いることで、高速貼合適性の優れた接着剤を得ることができる。

Claims (8)

  1. 澱粉に対し0.5〜20重量%のアルカリ金属の水酸化物を不均一に付着または吸着させてなるアルカリ処理澱粉を、メイン澱粉として用いて得られる段ボール貼合用接着剤。
  2. 乾式法によって、澱粉に対し0.5〜20重量%のアルカリ金属の水酸化物を付着または吸着させてなるアルカリ処理澱粉を、メイン澱粉として用いて得られる段ボール貼合用接着剤。
  3. 澱粉に対し0.5〜20重量%のアルカリ成分を不均一に付着または吸着させてなるアルカリ処理澱粉と、生澱粉とを含む澱粉混合物を、メイン澱粉として用いて得られる段ボール貼合用接着剤であって、前記アルカリ処理澱粉と生澱粉との重量比が1〜99:99〜1である段ボール貼合用接着剤
  4. 乾式法によって、澱粉に対し0.5〜20重量%のアルカリ成分を付着または吸着させてなるアルカリ処理澱粉と、生澱粉とを含む澱粉混合物を、メイン澱粉として用いて得られる段ボール貼合用接着剤であって、前記アルカリ処理澱粉と生澱粉との重量比が1〜99:99〜1である段ボール貼合用接着剤
  5. メイン澱粉が、アルカリブラベンダーアミログラフによる測定方法において、20BU到達時間が20分以下の物性値を有する請求項1〜のいずれか1項に記載の段ボール貼合用接着剤。
  6. 澱粉に対し0.5〜20重量%のアルカリ金属の水酸化物を不均一に付着または吸着させて得られたアルカリ処理澱粉を、メイン澱粉として用いて、ツータンクもしくはワンタンクステインホール方式、プレミックス方式またはノーキャリア方式により、段ボール貼合用接着剤を製造することを特徴とする段ボール貼合用接着剤の製造方法。
  7. アルカリ処理澱粉を乾式法によって製造する請求項6記載の製造方法。
  8. 乾式法が、粉体状の澱粉にアルカリ金属の水酸化物の水溶液を噴霧する方法、または粉体状のアルカリ金属の水酸化物を直接澱粉と混合する方法である請求項7記載の製造方法。
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