JP4817529B2 - 撮像装置及び画像処理方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置から複数のブロックに分割して出力された画像を画像処理する画像処理装置、画像処理方法及び撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CCD等の固体撮像素子を用いたデジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像装置においては、例えば特開平5−137059号公報や特開平6−141246号公報に示されるように、複数のCCDを用いて被写体をそれぞれ部分的に撮像し、画像処理においてそれらの部分画像を合成して被写体全体の撮像画像を得ることにより解像度を高める方法が知られている。
【0003】
また、近年においては数百万画素からなるCCDを用いた撮像システムも開発されており、高速に信号処理を行うための工夫がいろいろとなされてきている。
【0004】
図13に従来の撮像素子の構成例を示す。
【0005】
図13は一般的に使われているCCDの概略構成を示す図である。主に、複数の光電変換素子からなる受光部1と、一部の光電変換素子への光入射を防ぐべく複数の光電変換素子の上面に遮光部材を配置した遮光部2L及び2Rと、水平転送CCD(HCCD)4と、不図示の垂直転送CCD(VCCD)と、電荷電圧変換アンプ5等から構成されている。
【0006】
その駆動方法は、受光部1で発生した電荷をVCCDに転送した後、水平方向1行を単位としてHCCD4から読み出すべく順次電荷転送を行い、HCCD4からの出力は電荷電圧変換アンプ105にて電荷電圧変換されて出力される。
【0007】
図14(A)は、従来の別の撮像素子の構成例を示す。
【0008】
図14(A)は、受光部1からの光電変換出力を左右2つの水平転送CCD(HCCD)4L及び4Rに分けて同時に読み出す構成を示す図である。図14(A)に示す構成を有する撮像素子においても、光電変換出力を水平方向1列を単位としてHCCD4L及び4Rにより電荷転送するが、左半分の光電変換出力はHCCD4Lにより左方向へ、また、右半分の光電変換出力はHCCD4Rにより右方向へ電荷転送を行い、さらに個別に用意した電荷電圧変換アンプ5L及び5Rにてそれぞれ電荷電圧変換する。
【0009】
この構成では2つのHCCD4L及び4Rにより並行に読み出し駆動を行うことができるので図13に示す構成のおよそ半分の駆動時間で1フレームの読み出し駆動を行うことができる。
【0010】
また、特開平3−74991号公報には、画像情報を分割して読み取るべく複数の撮像素子を設け、隣接する撮像素子の撮像範囲を境界部分で重複させ、両撮像素子の撮像画像を境界部分で貼り合わせて画像情報全体の画像を得る画像読取装置において、構成する画像データの中から近接画素との間の空間的な濃度変化の小さい画素位置を検出し、その画素位置で一方の撮像素子の撮像画像を構成する画像データと、他方の撮像素子の撮像画像を構成する画像データとを貼り合わせるようにした画像読取装置が示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように複数の撮像素子により被写体を部分的に分割して撮像し、それらの撮像画像を貼り合わせて被写体全体の撮像画像を得る場合、各撮像素子間の感度差が異なると、貼り合わせ部分(境界部分)で感度差に起因する画像濃度の段差が生じ、不自然な画質の撮像画像が得られるという不具合が生じる。
【0012】
また、上記特開平5−137059号公報及び特開平6−141246号公報には、複数の撮像素子により被写体を部分的に分割撮像する技術については開示されているが、撮像素子間の感度差に起因して撮像画像の境界部分に生じる濃度段差の問題については記載がなく、この問題の解決方法も開示されていない。
【0013】
貼り合わせの目立たない撮像画像とするために、特開平3−74991号公報には、境界部分での画像の乱れ等の画質不良を改善する方法が示されているものの、ライン毎に境界部分の濃度変化の少ない位置を検出して2つの部分画像を単純に貼り合わせるため、貼合処理が複雑で処理時間が長くなってしまう。
【0014】
また、この方法は2つの撮像画像の貼り合わせ位置を横方向のライン単位で制御するに過ぎないので、縦方向の境界部分の急激な濃度変化を効果的に抑制することは困難である。特に、撮像素子間の感度差に起因して境界部分に生じる濃度段差を効果的に低減し、貼り合わせの目立たない撮像画像を得ることは難しい。
【0015】
これを改善する手法として、特開平11−055558号公報では、被写体を2枚のCCDにより境界部分が重複するように左右に分割されて撮像し、両撮像画像をアナログ信号処理回路及びA/D変換部を経て画像メモリに記憶した後、更にシェーディング補正部で撮像面内の感度分布のバラツキを補正し、画像合成部で境界部分を貼り合わせて被写体全体の撮像画像が生成されるデジタルカメラが提案されている。
【0016】
この手法では、撮像画像は左右の部分画像のうち、境界部分の画像の平均値演算等の処理により当該境界部分の濃度段差を低減した境界部分の画像が生成され、この境界部分の画像と左右の境界部分の画像を除く部分画像とを合成して生成されものであるが、被写体光像を部分的に重複した複数の画像として分割した後に複数の撮像素子へ導く必要があるため、3次元空間による形状の増大、組み立て精度とこれに伴うコストアップが生じてしまう。
【0017】
また、上述した図14(A)に示す構成では1枚のCCDで撮像部を実現するので、光路分割などの手段は不要であり、撮像システムの構成の簡略化とコストを抑えることはできるものの、撮像画像の左右領域が独立した系(すなわち、HCCD4Lとアンプ5L、HCCD4Rとアンプ5R)にて別々に読み出されるため、その境界面での段差が目立ってしまう。
【0018】
図14(B)は図14(A)のa−a’で示す水平方向1行分の光電変換出力を示した例である。
【0019】
図14(A)は晴れた日の風景を写した例を示しており、太陽、山、木、草が写っている。図14(B)のレベルAは図14(A)の遮光部2Rからの出力を示し、レベルBは遮光部2Lからの出力を示し、レベルCは太陽に相当する部分の出力である。差分Dは上述した左右独立の系にて読み出されたことにより発生するレベル差である。
【0020】
このレベル差を画面にて違和感なく見えるようにする手法を画面マッチングとよび、その1つとして境界面の濃度段差を目立たなくする方法がある。これは境界面の画像データから求めた相関度に基づき境界面の濃度段差を補正することだが、その精度向上にはS/N低下をもたらす暗電流への対策が必要となっている。
【0021】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、複数のブロックからなる画像データにおいて境界面で発生する濃度のずれを補正し、違和感のない自然な画像を必要最小限の機能構成により実現することを目的とする。
【0022】
また、撮像素子の高画素化への対応を可能とすることを更なる目的とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、第1領域で生成された電荷を第1水平転送路を介して第1画像信号として出力するとともに、第2領域で生成された電荷を第2水平転送路を介して第2画像信号として出力する撮像素子と、光が入射されない状態の前記撮像素子の出力から生成された暗電流補正データを用いて、前記撮像素子にて生成された前記第1画像信号と前記第2画像信号の暗電流補正を行う暗電流補正手段と、前記暗電流補正手段にて暗電流補正された前記第1画像信号と前記第2画像信号の差分から、前記第1画像信号と前記第2画像信号の相関値を求める相関抽出手段と、前記相関抽出手段にて求めた相関値を用いて、前記第1画像信号と前記第2画像信号の出力レベルのずれを補正して合成するずれ補正手段と、連写撮影の場合には、前記暗電流補正手段が前記暗電流補正を行わないように制御し、単写撮影で前記撮像素子の電荷の蓄積時間が閾値以上、且つ、前記撮像素子の近傍の温度が閾値以上である場合に、前記暗電流補正手段が前記暗電流補正を行うように制御し、単写撮影で前記撮像素子の電荷蓄積時間が閾値未満である場合、または、単写撮影で前記撮像素子の近傍の温度が閾値未満である場合に、前記暗電流補正手段が前記暗電流補正を行わないように制御する制御手段とを有する。
【0024】
また、本発明の画像処理方法は、光が入射されない状態の撮像素子の出力から生成された暗電流補正データを記憶する記憶工程と、光が入射された状態の撮像素子の第1領域で生成された電荷を第1水平転送路を介して第1画像信号として出力するとともに、第2領域で生成された電荷を第2水平転送路を介して第2画像信号として出力する撮像工程と、前記記憶工程で記憶された暗電流補正データを用いて、前記撮像工程にて生成された前記第1画像信号と前記第2画像信号の暗電流補正を行う暗電流補正工程と、前記暗電流補正工程において暗電流補正された前記第1画像信号と前記第2画像信号の差分から、前記第1画像信号と前記第2画像信号の相関値を求める相関抽出工程と、前記相関抽出工程において求めた相関値を用いて、前記第1画像信号と前記第2画像信号の出力レベルのずれを補正して合成するずれ補正工程と、連写撮影の場合には、前記暗電流補正工程を行わないように制御し、単写撮影で前記撮像素子の電荷の蓄積時間が閾値以上、且つ、前記撮像素子の近傍の温度が閾値以上である場合に前記暗電流補正工程を行うように制御し、単写撮影で前記撮像素子の電荷蓄積時間が閾値未満、または、単写撮影で前記撮像素子の近傍の温度が閾値未満である場合に、前記暗電流補正工程を行わないように制御する制御工程とを有する。
【0025】
上記構成によれば、画面マッチングにて補正処理を行う際、その補正値を求める画像データに予め暗電流補正を行っておくことで、精度の高い画面マッチング処理を施すことができ、良好な画像データを得ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0033】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態におけるデジタルカメラなどの撮像装置の構成を示す概略ブロック図である。
【0034】
同図に示すように、撮像装置は、CCDエリアセンサ等からなる撮像部101と、画像処理全体の制御を行うマイコンPRS105と、撮像部101からの画像信号を処理する原画処理部110と、原画処理部110からの出力を受けてホワイトバランスや色補間等の処理を行う画像処理部104と、複数の画像データを保存する不揮発性の記憶部材からなる記憶部103、更に、処理済みの画像データを表示するための表示処理部120、表示用メモリ121及びLCD等の表示部、また、処理済みのデータを記憶するためのJPEG圧縮処理部125及び記憶装置130を具備している。
【0035】
マイコンPRS105は、たとえば、内部にCPU(中央演算処理部)、RAM、ROM、EEPROM(電気的消去可能プログラマブルROM)、入出力ポ−ト等が配置されたワンチップのコンピュ−タ(以下、マイコンと略記す)である。
【0036】
マイコンPRS105は、ROMに格納されたシ−ケンスプログラムに基づいて、一連の動作を行う。なお、本発明の特徴は原画処理部110にあるので、原画処理部110がマイコンPRS105の制御下にあることを明確に示すために図1で矢印を付加しているが、他の部分もマイコンPRS105により制御される。
【0037】
撮像部101では、不図示の光学系を通じて被写体からの光束を撮像素子上に結像させており、撮像素子はこれを光電変換して電気的な信号にし、さらにデジタル値に変換して原画処理部110へ出力する。撮像部101については図3を参照して詳細に後述する。
【0038】
原画処理部110は、撮像部101からの撮像信号出力を受けて、OBクランプ部111によりダーク補正を行うための準備として、遮光部(オプティカルブラック)の画素データの抽出を行った後、一旦記憶部103のバッファメモリへ蓄える。このバッファメモリは、撮像素子から読み出された1画面分の撮像データを1つの単位として、これを複数分記憶できる容量を備えている。
【0039】
バッファメモリは、たとえば連写といわれる短時間に複数回の撮影動作を行う時に、画像処理部104以降の処理速度などによる影響を無くす、あるいは最小にするために設けているが、本第1の実施形態では、画素データの暗電流補正を行うために用いる撮像素子の暗時出力も記憶する機能をもたせている。
【0040】
また、原画処理部110と記憶部103間のデータの入出力は、メモリコントロール部113により制御される。
【0041】
一旦、記憶部103へ格納された画素データは原画処理部110に読み込まれ、原画処置部110を構成する暗電流補正部114、画面相関抽出部112、画面マッチング部116、シェーディング補正部117、傷補正部118等により信号処理が行われる。スイッチ141は、画面相関抽出を行う場合と、画像処理部104への出力に向けた信号処理を行う場合とで選択的に切換えてデータを供給するものである。
【0042】
なお、原画処理部110での信号処理手順は、図7を参照して詳細に後述する。
【0043】
画像処理部104では、原画処理部110により処理された画素データに対して、ホワイトバランスやガンマ補正および色補間、色補正等、いわゆる絵作りに関する一連の画像処理を行い、RGBの各色成分に分けて信号出力する。従って、画像処理部104からの出力データ量は、色補間処理を施すために、原画処理部110からの出力データ量の整数倍に増加している。
【0044】
例えば、撮像部101の撮像素子がベイヤー配列のカラーフィルタで覆われている場合、R(赤)信号とG(緑)とを交互に出力される行と、G信号と B(青)信号とを交互に出力する行とが、水平1ライン単位で1行おきに存在する。原画処理部110から出力されるデータは同じくベイヤー配列の順序を有するので、画像処理部104で入力データを色補間処理して各画素についてRGBデータをそれぞれ出力すると、入力データに対して3倍の画像データ量となる。これを概念的に示したものが、図2である。
【0045】
画像処理部104からの出力は、撮像装置に備えられたLCD等の表示部122に表示される最適なサイズとなるように、表示処理部120にてフィルタ処理を含めた画像サイズ縮小のための信号処理を行った後に、表示用メモリ121に格納される。ここでは、 RGBの各色成分毎に格納され、カメラに備えられたLCD表示部122の駆動部とのインターフェイスもRGBで行われる。出力は入力と同じくライン単位で行われる。
【0046】
JPEG圧縮処理部125は、YUV変換部とJPEG符号化処理部とから構成されている。YUV変換部で、画像処理部104より入力されたRGB画像データを輝度成分と色差成分に変換し、JPEG符号化処理部により画像圧縮処理する。JPEG符号化処理部では、入力された画像データをJPEG符号化処理により画像圧縮を行う。ここでは、DCT(離散コサイン変換)およびハフマン変換を行っており、輝度及び色差からなる信号を、DCT処理のために輝度信号は縦8x横16画素、色差信号は8x8画素を最小単位として、ラスタスキャンからジグザグスキャンへ変換するための機能もこの部位に含まれている。
【0047】
圧縮処理されたデータは後段の記憶装置130に順次記憶される。上述の符号化処理を繰り返し、撮像部101からの撮像データ1画面分の処理を行う。このJPEG符号化処理の前後で、マイコンPRS105は必要に応じて撮影日時情報などのヘッダーやフッターを任意の形式で生成し、符号化により圧縮された画像データとともに記憶装置130に格納する。
【0048】
このとき、記憶装置130へは同一の撮像データに基づいて、2つの互いに異なる画像サイズの画像データが格納される。第1の画像データは画像処理部104内部の画像縮小処理部による画像縮小処理を施さないもの、第2の画像データは画像処理部104内部の画像縮小処理部により画像縮小処理を実施したものである。第1の画像データは撮影された画像を示す画像データとして、第2のデータはサムネイル等の画像データの編集や確認に際しての管理情報として扱うことを主目的として生成される。第1の画像データと第2の画像データは互いに独立した画像ファイルとして管理されるが、関連付けがなされている。
【0049】
また、JPEG符号化の際に必要な圧縮率やそのために必要な変換参照データ等の設定値は、撮像装置のシャッターが押された時点でマイコンPRS105により設定が完了する。
【0050】
記憶装置130へは複数の画像データの保存を行うことのできる比較的書き込み速度の速い揮発性の記憶部材と、比較的書き込み速度の遅い着脱可能な不揮発性記憶部材とから構成されており、JPEG圧縮処理部125からの出力は、最初に揮発性の記憶部材に格納される。このとき、同一の撮像データより生成された、画像サイズの異なる2つの画像データが格納される。その後、撮像装置の動作の合間を見計らって、不揮発性記憶部材へ順次格納される。
【0051】
なお、不揮発性記憶部材は撮像装置から着脱可能であって、撮像装置に装着した状態で揮発性記憶部材からのデータ書き込みを単数あるいは複数の画面分行った後に撮像装置から取り外し、撮像装置のデータ形式で読み出し可能な別のシステムに装着して記憶されているデータの再生や編集、保存を行えるようになっている。上述の第1の画像データと第2の画像データは共に記憶装置130にて上述の目的を満足できるような形式で管理される。
【0052】
図3は図1に示す撮像部101の内部構成を示す概略図である。図3において、90はCCDエリアセンサ等の撮像素子、81及び82は公知のCDS(二重相関サンプリング)/AGC(自動ゲイン調整)部、83及び84は公知のA/D変換器である。また、撮像素子90を駆動する不図示のセンサ駆動部も備えている。この構成により、読み出された光電変換出力に適したアナログ処理を施した後、デジタル信号に変換して出力する。
【0053】
撮像素子90は公知のベイヤー配列型CCDと呼ばれているものであり、91L及び91Rは、それぞれ画面左半分、右半分の領域に存在する光電変換素子、92L及び92Rは、それぞれ画面左半分、右半分の領域に存在する垂直転送CCD(VCCD)である。各光電変換素子とVCCDはそれぞれペアになっており、2次元にこのペアが複数個配置されることで撮像領域を形成し、被写体からの光束を電荷に変換することで画像を撮像するものである。また、4LはVCCD92Lから順次転送される電荷を水平方向に転送する水平転送CCD(HCCD)、4Rは、VCCD92Rから順次転送される電荷を水平方向に転送するHCCDである。
【0054】
撮像領域を形成する撮像素子90の受光面は、R、G、Bの原色フィルタにより覆われており、Gは市松状に、R、BはGフィルタの間に1ライン毎交互に配置されている(ベイヤー配列)。また、画素は正方格子化されていて、画像の取り込み後の演算が容易なものである。
【0055】
光電変換素子91Lで発生した電荷はVCCD92Lに転送された後、HCCD4Lに向けて水平方向の1行を単位として垂直方向に順次転送される。その後、HCCD4Lにより方向Bに転送されて、電荷電圧変換アンプ95にて電荷から電圧に変換され、CDS/AGC部81により処理され、更にA/D変換器83にてデジタルデータに変換された後に、図1に示す原画処理部110へ出力される。
【0056】
一方、光電変換部91Rで発生した電荷はVCCD92Rに転送された後、9HCCD4Rに向けて水平方向の1行を単位として垂直方向に順次転送される。その後、HCCD4Rにより方向Aに転送されて、電荷電圧変換アンプ96にて電荷から電圧に変換され、CDS/AGC部82により処理され、A/D変換器84にてデジタルデータに変換された後、図1に示す原画処理部110へ出力される。このように、撮像された撮像データが、左右領域で分かれて出力される。
【0057】
また、撮像素子90を構成するVCCD92L及び92R、HCCD4L及び4R、受光部の光電変換素子、遮光部の光電変換素子はいづれも図3に示されているものより多くの個数により構成されている。例えば図3において、遮光部の光電変換素子は1水平方向について右端、左端に各1つで表現しているが、実際には、複数個で構成されている。
【0058】
図4は、不図示のカメラ接眼部からファイダを覗いた様子を示し、 AFP1〜AFP3は3つの測距点を示しており、 測距点AFP2で焦点調節している状態を表している。また、図4においては下端に示す各表示はシャッター速度や焦点調節の合焦判定等、カメラの設定状態を示すもので、説明のために全ての表示部が点灯した状態を示しているが、カメラの動作時は、動作状態に応じて点灯あるいは消灯が独立して行われるため、図4のように全ての表示が点灯することはない。また、測距点AFP1〜AFP3は、それぞれ焦点調節に選択されると、不図示の光学系および照明装置により、撮影者が充分確認できる短い時間で外側の四辺形と内側の四辺形に囲まれた領域が赤く点灯する。
【0059】
このとき図1の撮像部101に含まれている撮像素子の受光部は図5に示すようにK×L画素である。また、上述したように、図5に示すK×L画素の信号に対して原画処理部110にて処理し、さらに画像処理部104にてホワイトバランスや色補正、色補間等一連の信号処理がRGBの各色毎に施されると、図2に示すように、R、G、Bの各色毎にK×L画素からなる出力画像になる。すなわち、K×L画素からなる撮像素子からのデータ量が、原画処理部110および画像処理部104により信号処理されることによって、3倍のデータ量となることを示している。
【0060】
図6は、左右画面間で発生する出力差を境界近傍の複数の光電変換出力から求めて行う場合の補正処理を説明するための図である。
【0061】
図6(A)は図3に示す撮像素子90を簡略化した図である。図6(A)に示す例では、晴れた日の風景を撮影しており、太陽、山、木、草が写っている。なお、図6(A)に示す構成において、上述の図14(A)に示す構成と同じものについては同じ参照番号を付し、ここでは説明を省略する。
【0062】
図6(B)は図6(A)のb−b’で示す水平方向1行分の光電変換出力例を示す。図6(B)のレベルAは、HCCD4Rから読み出される遮光部2Rの出力レベルを示し、レベルBは図6(A)のHCCD4Lから読み出される遮光部2Lの出力レベルを示す。また、差分Dは、右画面と左画面のレベル差を示す。
【0063】
図6(A)に示す相関抽出部A及びBは差分Dを補正するための補正量を求めるために用いる撮像データ領域である。それぞれ、撮像領域の左右境界から同数(複数)の光電変換素子出力を抽出し、相関値を求めて補正値を生成する。
【0064】
ここで本発明における補正値を生成する方法について説明する。
【0065】
まず、HCCD4R及びアンプ5Rを介して読みだされた相関抽出部Aの画素データを暗電流補正し、補正後のデータを平均した値AVGAと、HCCD4L及びアンプ5Lを介して読みだされた相関抽出部Bの画素データを暗電流補正し、補正後のデータを平均した値AVGBとを求める。相関抽出部A及びBの水平方向の画素数をNとした場合、AS(N)、BS(N)は、それぞれHCCD4R及びアンプ5R、HCCD4L及びアンプ5Lにより読みだされた相関抽出部Aおよび相関抽出部Bの画素データに暗電流補正を行った出力とする。すなわち、
AVGA=(AS(1)+AS(2)+...+AS(N))/N
AVGB=(BS(1)+BS(2)+...+BS(N))/N
…(1)
【0066】
により求める。次に、平均値AVGA、AVGBに基づいて相関値を求める。
相関値=AVGB−AVGA …(2)
上記のようにして求めた相関値は、そのまま補正値として用いることができるので、ここではHCCD4L及びアンプ5Lを介して読みだされた画素データに暗電流補正した後のデータと演算する。すなわち、B(n)をHCCD4L及びアンプ5Lを介して読み出された画素データに暗電流補正を行った出力とすると、まず、
BB(n)=B(n)+補正値(相関値) …(3)
【0067】
を演算する。これにより、差分Dに対応するレベルを補正することができる。なお、nは画素番号を示し、水平方向1行を構成する光電変換素子の個数をKとすると、1≦n≦K/2である。次に、左右画面の画素データにオフセット値Cを加算する。なお、A(n)はHCCD4R及びアンプ5Rを介して読み出された画素データに暗電流補正を行った出力である。
FB(n)=BB(n)+C …(4)
FA(n)=A(n)+C …(5)
これにより図6(C)に示す波形を得ることができる。
【0068】
なお、図6(C)のレベルCに当たるオフセット値Cは、図1に示す画像処理部104等でデジタル信号処理が行い易いように、補正後の画素データに共通に加えるオフセット値である。
【0069】
なお、図6(B)及び図6(C)に示す出力波形は表示画像での出力を示すものであるが、撮像素子から得られるRGBの各色成分により構成される画像データであるので、上記補正値生成はRGBの各色成分ごとに独立に行われるものである。
【0070】
次に、図1の原画処理部110において行われる処理を、図1乃至図7を参照して詳細に説明する。図7は原画処理部110の動作を示すフローチャートである。
【0071】
撮像部101から原画処理部110に入力される画素データは、図5に示すように、水平方向にK個、垂直方向にL個からなる、受光部にある光電変換素子の出力と、図6(A)に示す遮光部2L及び2Rにある複数の光電変換素子の出力とから構成される。これら光電変換素子の出力は、図3に示すように、左画面の出力がA/D変換器83を介して、また、右画面の出力がA/D変換器84を介して、原画処理部110に並行に入力される。原画処理部110ではこれら2系統のデジタル画素データを並行処理する。
【0072】
まず、最初に暗電流補正に用いる暗電流補正データを取得する処理を行う。
【0073】
マイコンPRS105は撮像部を制御して、撮像部101に光が入射されない状態で光電変換素子の出力が初期値となるようにリセットした後に、予め決めておいた時間の電荷蓄積動作を行う。ステップS10では、この電荷蓄積動作完了後にA/D変換器83および84からそれぞれ出力されたデジタル画素データを並行に入力する。
【0074】
ステップS11では、図6(A)に示す遮光部2L及び2R中の複数の光電変換素子の暗電流出力に対応する画素データを一時的に記憶し、公知の方法にてクランプに用いるデジタルデータを決定する。続いて、図6(A)の受光部1の領域にある光電変換素子から得られる画素データとのクランプ処理を公知の方法で行う。
【0075】
次にステップS12において、クランプ処理されたデータ(暗電流補正データ)を、メモリコントロール部113を介して、記憶部103内に予め確保された暗電流補正データ格納領域に格納する。なお、記憶部103への格納の際にはその後のデータの扱いが容易となるように、HCCD4Rにより方向Aに転送された画素データの格納順が読み出し順と逆になるように(すなわち、方向Bの順になるように)、メモリコントロール部113にて制御する。
【0076】
ステップS10乃至S12の処理を、水平ライン数であるL回(すなわち、ステップS13でYESとなるまで)繰り返す。これにより、1フレーム分の暗電流補正データの取り込みが終了する。
【0077】
続いて、撮像部101により、通常の被写体撮影により得た画素データを入力する(ステップS14)。この画素データについてもクランプ処理し(ステップS15)、クランプ処理後の画素データをメモリコントロール部113を介して記憶部103に予め確保された画素データ格納領域に格納し(ステップS16)、ステップS14乃至S16の動作をL回(ステップS17でYES、すなわち1フレーム分の画像データの処理が終了するまで)繰り返す。
【0078】
次に、暗電流補正を行うためにスイッチ141を切換えて、記憶部103からメモリコントロール部113を介して読み出した画像データ及び暗電流補正データを暗電流補正処理部114に入力し、画素データに対して暗電流補正を行う(ステップS18)。暗電流補正部114は、マイコンPRS105の制御下で、画素データを取得したときの蓄積時間に相当する暗電流補正データとなるように各々の蓄積時間比に基づいて暗電流補正データに対して演算処理を行って調整し、調整した暗電流補正データを画素データから減算する。これにより、画素データを構成する個々の光電変換素子出力に含まれている暗電流成分を除去してS/N特性の良好な画素データを生成することができる。上記のように暗電流補正された素データは、画面相関抽出部112に入力されると共に、記憶部103にも格納される。
【0079】
画面相関抽出部112では、右画面と左画面のレベルのずれを画像マッチング部116にて補正するために必要な補正値を求める基準となる相関値を求めるために、画面相関抽出処理を行う(ステップS19)。具体的には、画面相関抽出部112に図6(A)に示す相関抽出部Aおよび相関抽出部Bの画像データが入力されると、上述の式(1)により変数AVGAおよび変数AVGBを求め、さらに、上述の式(2)により相関値を算出する。
【0080】
画面相関抽出部112から出力される相関値は、マイコンPRS105に読み込まれ、予め用意しておいた処理内容にしたがって処理された後に、画面マッチング部116でのずれ補正処理制御に反映される。
【0081】
続いて、求めた画像の相関値に基づいてマイコンPRS105が生成した補正値を用いて、画面マッチング処理部116による画面マッチングを行う(ステップS20)。このときスイッチ141は画面マッチング部116側に切換えられており、メモリコントロール部113を介して記憶部103から暗電流補正された画素データが読み出される。なお、本第1の実施形態においては、図3の左画面の画像データに対して補正処理を行うことにより画面のマッチングを行うものとする。
【0082】
ステップS20では、図3の右画面の画像データがスイッチ141を経て画面マッチング部116に入力される。右画面の画像データに対して、画面マッチング部116は、上記式(5)により上述したように図6(C)に示すレベルCに対応する値(オフセット値)を加算する。一方、図3の左画面の画像データがスイッチ141を経て画面マッチング部116に入力されると、入力されたラインの相関値に基づいて、マイコンPRS105が予め用意しておいた補正値を用いて、上記式(3)及び(4)に示す演算を行い、レベルのずれが補正される。
【0083】
画面マッチング部116によりマッチング処理された後は、図3のA/D変換器83および84の2系統で別々に出力され、それぞれ別個に処理されていた画像データが、各行毎のデータとしてまとめられる。
【0084】
続いて、ステップS21において、シェーディング補正処理部117により、予め用意しておいた係数を画面マッチング処理された画像データに乗じることで光学的要因により生じた画像データの歪みを補正する。
【0085】
次に、ステップS22において、傷補正処理部118により、ゴミや傷などにより適正な光電変換出力が得られない部位を、その周囲の出力に基づいて算出した値に置換する。ゴミや傷などのある部分は周囲の画素の出力と差異があることから、その差異が予め決めておいた値よりも大きい時にゴミ又は傷があると判断することができる。
【0086】
傷補正部118による処理を終えた画像データは、画像処理部104へ順次出力される。
【0087】
画面マッチング処理(ステップS20)、シェーディング補正処理(ステップS21)および傷補正処理(ステップS22)も水平方向のライン単位で行われるので、これらの処理をL回繰返すことにより(ステップS23でYES)、水平ライン数がLからなる光電変換素子の出力について、1フレーム分の原画処理が終了する。
【0088】
上記の処理により、図6(B)に示す出力波形が図6(C)に示す出力波形に補正され、右画面と左画面のレベル差である図6(B)に示す差分Dが補正され、左右画面で段差のない画像データを得ることができる。
【0089】
このように、第1の実施形態では、画面マッチングにて補正処理を行う場合に、その補正値を求める画像データに予め暗電流補正を行っておくことで、精度の高い画面マッチング処理を施すことができる。
【0090】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態を図面を参照して説明する。
【0091】
図8は、本発明の第2の実施形態におけるデジタルカメラなどの撮像装置の構成を示す概略ブロック図である。図8に示す構成と図1に示す構成とでは、スイッチ部141と暗電流補正部114の配置が入れ換わってところが異なる。なお、図8において、図1と同様の構成には同じ参照番号を付し、各構成要素の詳細な動作については説明を省略するs。
【0092】
上記第1の実施形態では、原画処理部110において、画像データの暗電流補正を画面相関抽出の前処理として1フレーム分行っておき、記憶部103に暗電流補正後の画像データを格納する構成であった。本第2の実施形態では、処理必要な画素データについてその都度暗電流補正する場合について説明する。
【0093】
以下、本第2の実施形態における原画処理部110’の動作を図9を参照しながら説明する。
【0094】
ステップS10乃至S17で行われる処理は図7で行われる処理と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0095】
ステップS30において、図6(A)に示す相関抽出部A及び相関抽出部Bのクランプ処理済みの画像データと、暗電流補正データとをメモリコントロール部113を介して記憶部103から読み込む。本第2の実施形態においては、暗電流補正部114とメモリコントロール部113との間にスイッチ141が無いので、メモリコントロール部113から暗電流補正部114に直接データが入力される。暗電流補正部114における暗電流補正処理動作は、図7のステップS18で説明した動作と同様である。
【0096】
次のステップS31において相関値を得るために、スイッチ141はここでは暗電流補正後の画像データを画面相関抽出部112へ出力するよう切換えられている。従って、暗電流補正部114は、暗電流補正済みの相関抽出部A及び相関抽出部Bの画像データを画面相関抽出処理部112へ出力し、画面相関抽出処理部112では入力したデータに基づいて、図7のステップS19と同様の動作により、相関値を得る。ここで暗電流補正部114により暗電流補正され、画面相関抽出部112へ入力される画像データは相関抽出部Aおよび相関抽出部Bの領域のみであるから、ステップS30及びS31の処理は、第1の実施形態に比べて、かなり短時間で終了する。
【0097】
続いて、求めた画像の相関値に基いてマイコンPRS105で生成された補正値を用いて、画面マッチング処理部116による画面マッチング等の処理を行うが、本第2の実施形態においては、その前に暗電流補正処理部114による暗電流補正処理を行う(ステップS32)。
【0098】
記憶部103には、既に、1フレーム分の暗電流補正データと画像データが格納されているので、これらのデータを記憶部103から暗電流補正部114へメモリコントロール部113を介して読み出す。こうして読み出したデータを用いて、図7のステップS18と同様にして1フレーム分の画像データに対して暗電流補正処理を行う。
【0099】
ここでは、スイッチ141は画面マッチング部116へデータが出力されるように切換えられており、暗電流補正された画像データが画面順次マッチング部116へ入力される。ステップS33において、マイコンPRS105が生成した補正値を用いて、図7のステップS20と同様の画面マッチングを行い、1行分の画像データに対してマッチング処理が終了すると、HCCD4Rにより方向Aに転送された右画面の画像データの順序を逆にして(すなわち、データ順を方向Bの順にする)、左画面の画像データと合わせて1行分の画像データにし、シェーディング補正部117に出力する。
【0100】
なお、右画面の画像データの順序の変換は、ステップS32で暗電流補正を行う際に、メモリコントロール部113により記憶部103からの読み出し順序を逆にすることで行っても良い。
【0101】
この後に行うシェーディング補正処理(ステップS34)およびゴミ・傷補正処理(ステップS35)は、それぞれ図7のステップS21及びS22の動作と同様であるために、説明を省略する。上記ステップS32乃至S35をL回(すなわ水平ライン数分)繰り返し(ステップS36)、1フレーム分の原画像処理が終了する。
【0102】
上記の通り本第2の実施形態によれば、画面マッチングを行うための補正値を求める際に、1フレーム分の画像データの内、必要部分のみを選択して補正値を求めることで、メモリコントロールの処理が簡潔なシステム構成で、上記第1の実施形態と同様に精度の高い画面マッチング処理を施すことができる。
【0103】
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態を図面を参照して説明する。
【0104】
上記第1および第2の実施形態では、画像データを画面相関抽出の前処理として暗電流補正を必ず行うものであった。これに対し、本第3の実施形態においては、画面相関抽出の前処理である暗電流補正をするかしないかを選択的に切換える場合について説明する。
【0105】
図10は、本第3の実施形態における撮像装置の概略構成を示す図である。図1と比較してスイッチ部142が追加されていることが異なっているが、それ以外の各構成要素の機能は図1に示すものと同じであるため同じ参照番号を付し、説明を省略する。
【0106】
次に、図11を参照して原画処理部110”の動作説明をする。なお、図7に示す処理と同じ処理については同じ参照番号を付し、説明を省略する。
【0107】
ステップS40において、暗電流補正を行うかどうかを判断する。暗電流処理を行う場合には、スイッチ141を1に設定して、データを暗電流補正部1144に出力し、ステップS18に進む。また、行わない場合には、スイッチ141を0にし、スイッチ142を1に設定することで、暗電流補正部114を迂回して、画像データを直接画面相関抽出部112に出力し、ステップS19の処理に進む。
【0108】
ステップS40における暗電流補正の実行の有無を決める動作の一例について、図12のフローチャートを参照して説明する。
【0109】
ステップS41で、カメラの動作モードが連写か単写かを判断し、連写であれば暗電流補正処理を行わないと判断する(ステップS44)。カメラ動作モードが単写であるならば、ステップS42で、撮像部101での電荷蓄積時間が予め決めておいた時間Tと比較して長いか短いかを判定し、短い時には暗電流補正処理を行わないと判断する(ステップS44)。一方、長い時には、ステップS43で、現在の撮像部101あるいは撮像部101近傍の温度を不図示の温度計により測定し、その結果と予め決めておいた温度Tempとを比較して高いか低いかを判定し、高ければ暗電流補正処理を行うと判断し(ステップS4)、低ければ行わないと判断する(ステップS4)。
【0110】
蓄積時間が短いとき、あるいは撮像部の温度が低く、複数の光電変換素子の個々の暗電流出力の差が比較的小さいときには、暗電流補正の補正効果に比較して、処理時間や消費電流などのマイナス作用の影響が大きくなる。特に連続撮影モードでカメラを動作させているときには、撮影間隔が広がってしまう。従って、上記要因に応じて画面相関抽出を行う画像データへの暗電流補正処理の有無を選択的に行うことで、最適な処理を行うことができる。
【0111】
【他の実施形態】
上記第1乃至第3の実施形態においては、図3の右画面の画像データに左画面の画像データのレベルを合わせるように補正する場合について説明したが、左画面の画像データに右画面の画像データのレベルを合わせるようにしても、また、中間のレベルに合わせるように左右両画面の画像データを合わせるようにしても良い。これらの動作は、画面相関抽出部112により得られる相関値に基づく補正値を変更すれば容易に実施可能である。
【0112】
また、本発明は上記実施の形態で説明した構成に限られるものではなく、例えば、入力される信号がRGBなる色成分や輝度成分、色差成分でなくても良く、また撮像素子がCCD撮像素子でなくてもよい。また、撮影された1画面が2つより大きい画像ブロックであっても良く、また、画面マッチングの方法が統計的処理など、上記実施の形態で示した内容とは異なっていても、本発明の機能が達成できる構成であれば良いことは言うまでもない。
【0113】
また、本発明は、デジタルカメラに限らず、カメラ以外の光学機器や他の装置など2次元に配設された光電変換素子により撮像されて得られた画像信号を処理して、最終的に例えばモニタやプリンタ等の出力装置へ画像として出力するものであれば適用できる。
【0114】
また、上記実施の形態では、エリアセンサにより得られる画像信号を、複数の出力系(HCCD、アンプ等)を介して所定領域毎に別々に読み出す場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、撮影領域をずらして複数枚の画像を撮影したり、複数のエリアセンサを用いて複数の画像を撮影し、得られた複数の画像を合成することでより広い被写体領域の画像を得る場合など、所定領域毎に出力される画像信号を合成して1枚の画像を取得する様々な場合に適用することが可能である。
【0115】
また、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インターフェイス機器、スキャナ、カメラヘッドなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラなど)に適用してもよい。
【0116】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。ここでプログラムコードを記憶する記憶媒体としては、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、ROM、RAM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、CD−ROM、CD−R、DVD、光ディスク、光磁気ディスク、MOなどが考えられる。
【0117】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0118】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した図7、図9または図11に示すフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数のブロックからなる画像データにおいて境界面で発生する濃度のずれを補正し、違和感のない自然な画像を必要最小限の機能構成により実現することができる。
【0120】
また、撮像素子の高画素化への対応を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における撮像装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における画像処理部からの出力データの概念を示す図である。
【図3】図1に示す撮像部の構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の撮像装置のファインダーを覗いた様子を示す図である。
【図5】図1の撮像部に含まれている撮像素子の受光部を説明する図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における補正処理を説明するための図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における原画処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態における撮像装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施形態における原画処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3の実施形態における撮像装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図11】本発明の第3の実施形態における原画処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施形態における暗電流補正の実行の有無を決める動作を示すフローチャートである。
【図13】従来の撮像素子の構成例を示す図である。
【図14】従来の別の撮像素子の構成例を示す図である。
【符号の説明】
101 撮像部
103 記憶部
104 画像処理部
105 マイコンPRS
110、110’、110” 原画処理部
111 OBクランプ部
112 画面相関抽出部
113 メモリコントロール部
114 暗電流補正部
116 画面マッチング部
117 シェーディング補正部
118 傷補正部
120 表示処理部
121 表示用メモリ
122 表示部
125 JPEG圧縮部
130 記憶装置
141 スイッチ

Claims (5)

  1. 第1領域で生成された電荷を第1水平転送路を介して第1画像信号として出力するとともに、第2領域で生成された電荷を第2水平転送路を介して第2画像信号として出力する撮像素子と、
    光が入射されない状態の前記撮像素子の出力から生成された暗電流補正データを用いて、前記撮像素子にて生成された前記第1画像信号と前記第2画像信号の暗電流補正を行う暗電流補正手段と、
    前記暗電流補正手段にて暗電流補正された前記第1画像信号と前記第2画像信号の差分から、前記第1画像信号と前記第2画像信号の相関値を求める相関抽出手段と、
    前記相関抽出手段にて求めた相関値を用いて、前記第1画像信号と前記第2画像信号の出力レベルのずれを補正して合成するずれ補正手段と、
    連写撮影の場合には、前記暗電流補正手段が前記暗電流補正を行わないように制御し、単写撮影で前記撮像素子の電荷の蓄積時間が閾値以上、且つ、前記撮像素子の近傍の温度が閾値以上である場合に、前記暗電流補正手段が前記暗電流補正を行うように制御し、単写撮影で前記撮像素子の電荷蓄積時間が閾値未満である場合、または、単写撮影で前記撮像素子の近傍の温度が閾値未満である場合に、前記暗電流補正手段が前記暗電流補正を行わないように制御する制御手段と
    を有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記相関抽出手段は、前記第1画像信号と前記第2画像信号から抽出された同数の画素分の信号の差分に基づいて前記相関値を求めることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 光が入射されない状態の撮像素子の出力から生成された暗電流補正データを記憶する記憶工程と、
    光が入射された状態の撮像素子の第1領域で生成された電荷を第1水平転送路を介して第1画像信号として出力するとともに、第2領域で生成された電荷を第2水平転送路を介して第2画像信号として出力する撮像工程と、
    前記記憶工程で記憶された暗電流補正データを用いて、前記撮像工程にて生成された前記第1画像信号と前記第2画像信号の暗電流補正を行う暗電流補正工程と、
    前記暗電流補正工程において暗電流補正された前記第1画像信号と前記第2画像信号の差分から、前記第1画像信号と前記第2画像信号の相関値を求める相関抽出工程と、
    前記相関抽出工程において求めた相関値を用いて、前記第1画像信号と前記第2画像信号の出力レベルのずれを補正して合成するずれ補正工程と、
    連写撮影の場合には、前記暗電流補正工程を行わないように制御し、単写撮影で前記撮像素子の電荷の蓄積時間が閾値以上、且つ、前記撮像素子の近傍の温度が閾値以上である場合に前記暗電流補正工程を行うように制御し、単写撮影で前記撮像素子の電荷蓄積時間が閾値未満、または、単写撮影で前記撮像素子の近傍の温度が閾値未満である場合に、前記暗電流補正工程を行わないように制御する制御工程と
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  4. コンピュータに、請求項3に記載の画像処理方法の各工程を実行させるためのプログラム。
  5. 請求項4に記載のプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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