JP4815639B2 - マルチ加熱型ガラス溶融炉 - Google Patents

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Description

本発明は、直接通電によるジュール熱を利用して溶融槽内のガラス原料を溶融し、ガラス原料と共に溶融槽内に供給された廃棄物をガラス固化処理するためのガラス溶融炉に関し、更に詳しく述べると、複数種類の加熱電極を溶融槽の各所に配置することにより、電流が選択的に溶融ガラス中に流れるようにして、通電異常の発生を回避し、処理能力の低下を極力防止するマルチ加熱型ガラス溶融炉に関するものである。この溶融炉は、各種産業廃棄物の固化処理、特に高放射性液体廃棄物のガラス固化処理に有用である。
従来の廃棄物ガラス固化処理用電気溶融炉としては、大別すると耐火物溶融炉と金属製溶融炉がある。耐火物溶融炉は、耐火レンガにより炉体及び溶融槽を形成し、溶融槽内の側壁近傍に1対ないし複数対の耐熱合金製の加熱電極を配設した構造である。それに対して金属製溶融炉は、耐熱合金製の円筒状の浴壁部により溶融槽を形成し、その浴壁部を対極とする耐熱合金製の加熱電極を溶融槽内に1本ないし複数本配設した構造である。
これらのガラス溶融炉では、溶融ガラスが導電性を有することを利用し、前記加熱電極を介して溶融槽内の溶融ガラスに電流を流すことにより発生するジュール熱によって溶融ガラスを加熱する直接通電方式が採用されている。ここで、廃棄物及びガラス原料を溶融炉の上部から溶融ガラス液面上に供給すると、それらは溶融ガラスによって加熱され、昇温、水分の蒸発、仮焼の過程を経て溶融ガラスになる。その後、溶融ガラスは溶融炉底部から排出され、冷却されてガラス固化体となる。
溶融槽を形成する耐火レンガあるいは金属材料の健全性は、それらと接触する溶融ガラスの温度によって左右される。そのためには、溶融槽内の溶融ガラスの温度分布は均一であることが望ましい。そこで、溶融炉の形状や廃棄物処理量などに応じて様々な電極配置が試みられている。
ところで、このようなガラス溶融炉を用いて高放射性液体廃棄物を処理した場合、炉底浴壁部の異常温度上昇が生じ、廃棄物処理能力が低下する問題が生じている。これは高放射性液体廃棄物に含まれているRu、Pd、Rh等の白金族元素がガラスに難溶性の導電性物質を形成して炉底に堆積し、電極間電流がその導電性堆積物に集中するため、発生するジュール熱が上方の溶融ガラス液面に十分に供給されないことが原因である。
例えば、耐火物溶融炉については、非特許文献1の75頁に記載されているホルスト・ヴィーゼ(Horst Wiese )の「ベルギーのパメラプラントでの高放射性液体廃棄物の工業的ガラス固化」(Industrial Vitrification of High Level Liquid Waste with The PAMERA Plant in Belgium)には、通常の3分の1の電気抵抗値を有する白金族元素からなる導電性物質が炉底に5cm堆積したことによって通電特性が変化し、ガラス製造速度が30kg/hr から20kg/hr に低下したことが報告されている。また、同じ非特許文献1の82頁に記載されている虎田真一郎の「動燃東海ガラス固化技術開発施設のためのガラス溶融炉の開発」(Development of Glass Melter for PNC Tokai Vitrification Facility)には、炉底勾配を持つ実験室規模の溶融炉を使用した数種の実験の結果、45°の勾配が白金族元素からなる堆積物の排出に有効であることが判り、同勾配を持つ実規模大の溶融炉の試験結果からも、その効果が評価されたと報告されている。
金属溶融炉については、非特許文献2に、45°の炉底勾配を有する金属溶融炉にて白金族元素の抜き出し性については良好な結果を得ているにもかかわらず、白金族元素を含有した模擬廃液での処理能力は、白金族元素を含有しない模擬廃液を用いた試験での結果よりも20%以上低下することが確認されたと記載されている。これは、溶融ガラス中の導電性白金族元素の濃度が溶融槽の上部と下部では下部の方が高くなることによる、加熱電流密度分布の下部への移動が主な原因と考えられている。
このように従来のガラス溶融炉では、炉底勾配を有するにもかかわらず十分な排出が行われず、若干量の導電性物質がガラス溶融炉の底部あるいは勾配面に堆積し、溶融槽の下部の濃度が高くなることが予想され、その場合には、前述したような通電異常あるいは廃棄物処理能力の低下という現象が生じることになる。また、通電異常や処理能力の低下が生じた場合には、溶融炉を交換する必要が生じ、高放射性液体廃棄物の処理が滞ることが考えられる。
そこで本発明者等は、先に、耐熱合金製円錐状炉底部浴壁部と、耐火レンガ製垂直部浴壁部と、該耐火レンガ製垂直部浴壁部によって前記耐熱合金製円錐状炉底部浴壁部から電気的に絶縁した耐熱合金製垂直部浴壁部とによって溶融槽を構成し、炉底部浴壁部と垂直部浴壁部を対極とするように溶融槽中心部に垂下させた加熱電極を有するガラス溶融炉を提案した(特許文献1参照)。このガラス溶融炉は、通電異常の発生あるいは廃棄物処理能力の低下などを、ある程度は抑制できるものの、必ずしも十分ではない。また、溶融ガラスの流下時における浴壁近傍の流れ形成、溶融槽内における溶融ガラスの少量化などの点で、未だ改善の余地がある。
特開2008−37673号公報
Proceedings of the International Topical Meeting on Nuclear and Hazardous Waste Management SPECTRUM'88(米国ワシントン州パスコで1988年9月11日から15日にわたって開催された国際廃棄物管理会議スペクトラム88の議事録) 「円筒電極直接通電型溶融炉工学試験装置第9回試験(JCEM−E9試験)」(N8410 98-041)−日本原子力研究開発機構の公開研究成果報告書
本発明が解決しようとする課題は、ガラス固化処理すべき廃棄物中に含まれている白金族元素によって、溶融ガラス中に導電性堆積物が形成されても、通電加熱に際して電気的弊害や廃棄物処理能力の低下が生じないようにするとともに、溶融ガラスのスムーズな流下を実現し、また溶融槽及び加熱電極などの交換を容易にし、かつ交換部分を必要最小限に留め、廃棄物の円滑なガラス固化処理を可能にすることである。
本発明に係るマルチ加熱型ガラス溶融炉は、耐火レンガを円錐状に組積した炉底浴壁部及びその上方に連続する耐熱合金からなる円筒状の上部浴壁部を組み合わせて溶融槽が構成され、直接通電用の加熱電極は、円筒を複数に縦分割した端面円弧形状で上部浴壁部の内側に間隔をあけて円筒状に配設される複数のセグメント電極と、溶融槽内の中央に垂下され先端部が紡錘型に膨出する中空構造の円柱電極と、該円柱電極の先端部を対極とし炉底浴壁部と同一面内に円周状に配設される複数の補助電極と、円柱電極の先端部を対極とし炉底に設置される排出口一体型のロート状底部電極とからなる。このように、複数種類の加熱電極を溶融槽の各所に配置することにより、通電異常の発生を回避し、電流が選択的に溶融ガラス中に流れるようにして、処理能力の低下を極力防止できるようにしたことを最も主要な特徴とするものである。
本発明のガラス溶融炉は、溶融槽内の上部周囲に配置されているセグメント電極と、ほぼ中央に位置する円柱電極とによって溶融ガラスを直接通電加熱するばかりでなく、円柱電極の先端部と炉底浴壁部に位置する補助電極の間、円柱電極の先端部とロート状底部電極との間、更には前記補助電極同士の間で、適宜通電加熱できるため、たとえ相当量の導電性物質が溶融槽底部に堆積したとしても、電流を選択的に溶融ガラス中に流すことで炉底浴壁部での異常発熱を防止できる。
なお、セグメント電極と円柱電極との間の通電により発生した熱の一部は、耐熱合金製の上部浴壁部、セグメント電極、円柱電極を伝って溶融ガラス液面上の気相部を加熱するため、供給する原料の溶融速度を促進させることができ処理能力が向上する。その結果、必要な処理能力を保持したまま溶融炉の小型化が可能となる。溶融槽内のガラス保有量を低減できると共に、高放射性液体廃棄物の処理の場合は溶融槽内の白金族元素の保有量も低減することから、溶融槽底部への白金族元素の堆積量を低減できる。
その上、溶融槽の底部近傍に円柱電極の先端部や、複数の補助電極、ロート状底部電極が配設されているため、それらの組み合わせを利用し電極間の電気抵抗を測定することにより、白金族元素の堆積量及び堆積状況を検知できる。
本発明に係るガラス溶融炉の一実施例を示す縦断面図。 そのガラス溶融炉の上面図。 そのガラス溶融炉の直接通電加熱用の電源回路の接続状態を示す説明図。
ガラス溶融炉は、基本的に、縦型円筒状の溶融槽と、該溶融槽の上部に位置するガラス原料及び廃棄物の1個ないし複数個の供給口と、溶融槽の底部中央に位置する溶融ガラスの排出口と、耐熱合金製の複数の加熱電極を備え、供給口から溶融槽内に供給したガラス原料及び廃棄物に前記加熱電極を介して通電することにより加熱溶融し、溶融したガラスを排出口から排出し、廃棄物のガラス固化処理を行うように構成されている。
本発明で前記溶融槽は、耐火レンガを円錐状に組積した炉底浴壁部、及びその上方に連続する耐熱合金製の円筒状の上部浴壁部の組み合わせからなる。炉底浴壁部には、底部中央に位置する溶融ガラスの排出口に向けて45°〜60°の勾配傾斜を設ける。上部浴壁部は、垂直浴壁のみか、もしくは垂直浴壁から炉底浴壁部に向けて45°〜90°までの傾斜角度で段階的に又は連続的に変化した部分を有する形状とする。なお、耐熱合金製の上部浴壁部には空冷式の冷却手段を組み込む。耐熱合金製の上部浴壁部の周辺は各種耐火レンガや各種断熱レンガにより組積し、その構造維持及び強度維持のため金属ケーシングで覆う。これによって溶融炉は、耐食性、耐火性、断熱性に優れ、十分な強度をもつものとなる。
前記加熱電極は、円筒を縦方向に3〜4分割した端面円弧形状の湾曲板で、上部浴壁部の内側に間隔をあけて円筒状に配設される複数のセグメント電極と、溶融槽内の中央に垂下され先端部が紡錘型(中央部が太く、両端部が徐々に細くなっていく形状、言い換えればキャンドルライトのような形状)に膨出する中空構造の円柱電極と、該円柱電極の先端部を対極とし炉底浴壁部と同一面内に円周状に4箇所程度配設される補助電極と、円柱電極の先端部を対極とし炉底に設置される排出口一体型のロート状底部電極とからなる。円柱電極は、溶融槽の中心軸に沿って上方から挿入され、紡錘型に膨出している先端部が溶融槽の円錐形状の部分に収まるように設置される。円柱電極及び補助電極には空冷式の冷却手段が組み込まれている。加熱電極を耐熱合金製とし、冷却手段によって冷却することにより、侵食が抑制され寿命は長くなる。なお、円柱電極及びセグメント電極及は、個別に引き抜き交換可能となっている。
円柱電極の紡錘型に膨出している先端部に複数本の加熱手段を組み込み、該加熱手段により、円柱電極の先端部近傍のガラスを加熱可能とし、廃棄物を含む溶融ガラスを排出する際に、紡錘型としたことによるガラス流路形成と相俟って、溶融槽底部に蓄積されているガラスを流出し易くする。セグメント電極の内部にも、上段及び下段に分けてそれぞれ複数の加熱手段を配設し、それらの加熱手段によってセグメント電極近傍のガラスを加熱し溶融させることで、通電加熱し易くする。なお、円柱電極の先端部内の加熱手段及びセグメント電極内の加熱手段は、個別に引き抜き交換可能となっている。
本発明では、各冷却手段を作動して上部浴壁部及びセグメント電極や円柱電極、補助電極を冷却しながら、セグメント電極と円柱電極との間、円柱電極の先端部と補助電極との間、円柱電極の先端部とロート状底部電極との間、及び相対向する補助電極同士の間に存在するガラスに選択的に通電することにより、ガラスを加熱し溶融する。また、溶融ガラスの排出口の周辺にも加熱手段を配設し、例えば廃棄物を含む溶融ガラスを排出口から取り出す際に、溶融槽底部に蓄積しているガラスを加熱して排出口から流出可能とする。この加熱手段には、例えば誘導加熱用コイルまたは抵抗発熱体を具備したものを使用する。
本発明では、溶融槽の供給口からガラス原料及び高放射性液体廃棄物を供給し、主にセグメント電極と円柱電極との間に通電することによりジュール熱が発生し、周囲のガラスが加熱され、廃棄物を含む溶融ガラスが形成される。その際、炉底浴壁部上に白金族元素による難溶性の導電性物質が堆積したとしても、円柱電極が炉底浴壁部から離れた溶融ガラス中に位置しているため、補助電極あるいはロート状底部電極との間で通電すれば、炉底浴壁部上の導電性物質には炉底浴壁部の一部として電流が流れ、たとえ相当量の導電性物質が炉内に堆積したとしても、電流は選択的に溶融ガラス中を流れ、通電不良は生じない。また、溶融槽底部に45〜60°程度の勾配を設けると、廃棄物に含まれる白金族元素がガラスに難溶性の導電性物質を形成しても、容易に排出できるようになる。
更に、耐熱合金製のセグメント電極及び上部浴壁部などが溶融ガラス表面より上方まで配置されているので、高温の溶融ガラスの熱を効率的に溶融槽上部空間に伝えて原料への熱の供給を大きくでき、供給する原料の溶融効率が高まるため、廃棄物処理能力が向上する。
なお、本発明においては、補助電極あるいはロート状底部電極と円柱電極の先端部との間の電気抵抗を選択的に測定することにより、白金族元素の堆積量や堆積状況が検知できるようになる。
図面は本発明に係る廃棄物ガラス固化用のマルチ加熱型ガラス溶融炉の一実施例を示しており、図1はその縦断面を、図2は上面を、それぞれ示している。
溶融槽10は、耐火レンガを円錐状に組積した炉底浴壁部12、及び該炉底浴壁部12の上端から上方に向かって連続する耐熱合金からなる円筒状の上部浴壁部14で構成される。溶融槽10の上部には、図示するのを省略するが、廃棄物とガラス原料を供給するための原料供給口、廃棄物処理時に発生する廃ガスを排出するための廃ガス出口を設ける。また溶融槽10の底部中央には溶融ガラス排出口16を設ける。
ここで炉底浴壁部12は、中央の溶融ガラス排出口16に向かって60°の勾配で徐々に窄まっていく形状である。他方、上部浴壁部14は、炉底浴壁部12と同じ勾配を持って上方に拡開していく下側部分と、該下側部分から垂直に立ち上がる垂直部分からなり、内部に管路18を設けて冷却用の空気が流通可能な構造とする。この空冷構造によって、耐熱合金製の上部浴壁部14の、高温の溶融ガラスとの接触による侵食を抑制できる。このような溶融槽10の外側には各種耐火レンガ20を配置し、炉全体は金属ケーシング22で覆われる。
溶融槽10内には、直接通電用の加熱電極として、円筒を縦方向に3分割したような端面円弧形状のセグメント電極30を、3個、上部浴壁部14の内側に若干の間隔をあけて円筒状に配設すると共に、該セグメント電極30を対極とする円柱電極32を、溶融槽10内の中央に設置する。この円柱電極32は、先端部32aが紡錘型に膨出する中空構造であり、前記先端部32aが溶融槽10の円錐形状の部分に収まるように、上方から垂下保持する。これらの加熱電極は、溶融槽内の任意の高さに移動させて設置できるようになっており、溶融ガラスを必要な温度にまで加熱昇温できるような十分な大きさとする。なお、各セグメント電極30及び円柱電極32は、それらの冷却を行うため、いずれも内部に管路31,33を設け、空気が流通可能な構造とする。これにより、電極表面のガラス温度を低下させ、高温の溶融ガラスによる侵食を抑制し長寿命化することができる。
また、炉底浴壁部12には、前記円柱電極32の先端部32aを対極とし該炉底浴壁部12と同一面内に表面が露出するように、4個の補助電極34を円周状に配設する。各補助電極34は炉底浴壁部12に内包されており、内部に管路35を設け、冷却用の空気が流通可能な構造とする。更に、炉底には、前記円柱電極32の先端部32aを対極とする耐熱合金製の排出口一体型のロート状底部電極36を設置する。
直接通電加熱を行うための電源回路は、図3に示すように、セグメント電極30と円柱電極32との間の第1の交流電源40、円柱電極32と補助電極34との間の第2の交流電源42、円柱電極32とロート状底部電極36との間の第3の交流電源44、及び補助電極34間の第4の交流電源46から構成される。これらの4つの電源回路は、定電力制御、定電流制御、あるいは定電圧制御などにより通電制御可能である。これにより、溶融ガラスを適切な温度に維持し、均一な温度分布を実現する。
各セグメント電極30には、その内部に上段と下段に分けてそれぞれ複数の加熱手段(抵抗発熱体など)50を組み込む。ここでは、上段と下段に、それぞれ9本ずつ、加熱手段を配設している。これらの加熱手段50により、セグメント電極30近傍の、上部浴壁部14で囲まれている部分のガラスを、必要に応じて局部的に加熱する。また、円柱電極32の紡錘型に膨出している先端部32a内にも複数本(ここでは5本)の加熱手段(抵抗発熱体など)52を組み込む。これらの加熱手段52により、円柱電極32の先端部32a近傍のガラスを、必要に応じて局部的に加熱する。なお、加熱手段52は、個別に引き抜き交換可能とする。これらの加熱手段50,52により、溶融槽10内の固体ガラスを直接通電可能な温度まで加熱する起動運転を制御する。
円柱電極32の先端部32a内に加熱手段52を組み込むことで、周囲の溶融ガラスの温度調節が容易になるだけでなく、炉底浴壁部12近傍の溶融ガラスの加熱が容易になり、炉内溶融ガラスの温度分布の均一化、並びに炉底浴壁部近傍の溶融ガラス排出の促進を図ることができる。また、円柱電極32の先端部32aを紡錘状としたことで、溶融ガラスの流路が炉底中央の溶融ガラス排出口16に向かうようになり、ガラス流下などの運転制御がより一層容易になる。これらにより、導電性堆積物もガラス排出に伴ってスムーズに排出され、導電性堆積物による電気的弊害発生の可能性は更に低減し、均一な廃棄物含有ガラスを製造できる。
更に、炉底中央に位置する溶融ガラス排出口16から下方に延びている排出管60の周辺にも加熱手段62を設置する。これには、例えば誘導加熱用コイルや抵抗発熱体を用いる。この加熱手段62によって、溶融槽10からの溶融ガラスの排出の開始及び停止を制御することができる。
このように構成されたガラス溶融炉は、基本的には従来同様、溶融ガラスが導電性を有することを利用して、前記各加熱電極を介して溶融槽内の溶融ガラスに電流を流し、それにより発生するジュール熱によって溶融ガラスを加熱する。高放射性液体廃棄物及びガラス原料を、溶融炉の上部の原料供給口から溶融ガラス液面上に供給すると、ここで溶融ガラスによって加熱されて、昇温、水分の蒸発、仮焼の過程を経て溶融ガラスになり、排出口から排出され、それを固化させることでガラス固化体が得られる。なお、溶融処理時に発生する廃ガスは廃ガス出口から排出する。
セグメント電極30と円柱電極32との間の通電により発生した熱は、耐熱合金製の上部浴壁部14などを伝って効率よく溶融ガラス液面上の原料に供給されるため処理能力が向上する。その結果、必要な処理能力を保持したままでガラス溶融炉の小型化が可能となり、溶融槽内のガラス保有量を低減できる。特に、高放射性液体廃棄物の処理の場合は、溶融槽内の白金族元素の保有量も低減することから、溶融槽底部への白金族元素の堆積量を低減できる。
10 溶融槽
12 底部浴壁部
14 上部浴壁部
30 セグメント電極
32 円柱電極
34 補助電極
36 ロート状底部電極

Claims (6)

  1. 縦型円筒状の溶融槽と、該溶融槽の上部に位置するガラス原料及び放射性液体廃棄物の供給口と、溶融槽の底部に位置する溶融ガラスの排出口と、耐熱合金製の複数の加熱電極を備え、該加熱電極を介して通電することにより、前記溶融槽内に供給したガラス原料及び放射性液体廃棄物を加熱溶融し、溶融ガラスを排出する放射性廃棄物ガラス固化処理用溶融炉において、
    前記溶融槽は、耐火レンガを円錐状に組積した炉底浴壁部及びその上方に連続する耐熱合金からなる円筒状の上部浴壁部を組み合わせて構成され、円錐状の前記炉底浴壁部は、底部中央に位置する溶融ガラスの排出口に向けて45°〜60°の勾配傾斜が設けられた形状であって、直接通電用の加熱電極は、円筒を複数に縦分割した端面円弧形状で上部浴壁部の内側に間隔をあけて円筒状に配設される複数のセグメント電極と、該セグメント電極を対極とし溶融槽内の中央に垂下され先端部が紡錘型に膨出する中空構造の円柱電極と、該円柱電極の先端部を対極とし炉底浴壁部と同一面内に円周状に配設される複数の補助電極と、円柱電極の先端部を対極とし炉底に設置される排出口一体型のロート状底部電極とからなり、耐熱合金製の上部浴壁部及び加熱電極に冷却手段が組み込まれており、前記円柱電極は、溶融槽の中心軸に沿って上方から挿入され、紡錘型に膨出している先端部が溶融槽の円錐形状の部分に収まるように設置されていることを特徴とするマルチ加熱型ガラス溶融炉。
  2. 円柱電極の紡錘型に膨出している先端部に加熱手段が内蔵され、該加熱手段によって、円柱電極の先端部近傍のガラスを加熱可能とした請求項記載のマルチ加熱型ガラス溶融炉。
  3. 円柱電極及びその先端部内の加熱手段が、個別に引き抜き交換可能となっている請求項記載のマルチ加熱型ガラス溶融炉。
  4. セグメント電極の内部に、上段及び下段に分けてそれぞれ複数の加熱手段を配設し、該加熱手段によって、セグメント電極近傍のガラスを加熱可能とした請求項1乃至のいずれかに記載の溶融炉の加熱方法。
  5. セグメント電極及びその内部に挿入されている加熱手段が、個別に引き抜き交換可能となっている請求項記載の溶融炉。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載のマルチ加熱型ガラス溶融炉を用い、加熱電極であるセグメント電極、円柱電極、補助電極、ロート状底部電極の任意の組み合わせで電極間の電気抵抗を測定することにより、廃棄物に含まれている白金族元素の堆積、堆積量及び堆積状況を検知可能としたガラス溶融炉の炉内堆積物検知方法。


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