JP4815608B2 - 集積化可能な非可逆回路素子及びその取付け方法 - Google Patents
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Description
従来のアイソレータ/サーキュレータでは、良好な非可逆動作特性を得るために、フェライトを伝送線路と接地面で挟んだ構造をしており、一般にフェライトの表面に伝送線路を形成している。また、強いバイアス磁場をフェライト部分に印加するため、素子全体を鉄などのヨークで囲む構造にして磁気回路を形成している。しかし、素子全体をヨークで囲んでいるため、他の電気素子と同じ基板に伝送線路を形成できないという理由からアイソレータ/サーキュレータは一つのチップとなり、集積化することが難しいという問題がある。つまり、従来の非可逆回路素子(アイソレータ/サーキュレータ)は、伝送線路をフェライト表面上に形成し、ヨーク又はアースで囲う構造になっているため、非可逆回路素子を回路基板上に形成することは困難であった。図4は、従来の非可逆回路素子の一例である。
特許文献1には、SiO2の基板に伝送線路を設け、前記基板の上部に平板状フェライトを配置するとともに、前記基板および前記平板状フェライトを接地導体で囲う非可逆回路素子が記載されている。しかしながら、特許文献1では、非可逆回路素子を回路基板上に形成することは考慮されていない。
特許文献2には、非可逆回路素子本体10と、永久磁石20と、ヨーク30とからなり、ヨーク30の少なくとも1つの面は開放されている非可逆回路素子が記載されている。非可逆回路素子本体10は、内部に伝送線路を埋設したもので、伝送線路を誘電体基板上に形成するものではない。特許文献2の構成では、実際には非可逆回路素子としての性能を十分に発揮できないと考えられる。
本発明は上記問題点を解決し、誘電体基板上、特に回路基板上に形成することができる、集積化可能な非可逆回路素子(アイソレータ/サーキュレータ)を提供することを目的とする。
前記回路基板の接地面側に配置された平板状フェライトと、
前記平板状フェライトの、前記回路基板とは反対側の面に配置された平板状永久磁石と、
前記平板状永久磁石の、前記平板状フェライトとは反対側の面に配置され、前記平板状永久磁石および前記平板状フェライトを囲うように配置されたヨークと、を有し、
前記回路基板の接地面における接地導体は前記平板状フェライトに面する部分において一部が取除かれており、
前記ヨークは、少なくとも一部が前記回路基板の接地面に接続されているとともに、
前記ヨークの少なくとも回路基板側の面は開放されていることを特徴とするものである。
前記平板状フェライトはYIG単結晶体としてもよい。
また、本発明による非可逆回路素子の取付け方法は、
誘電体の回路基板の一方の面に伝送線路、反対面に接地面を形成する回路基板形成工程と、
前記回路基板の接地面側に平板状フェライトを配置し、該平板状フェライトの前記回路基板とは反対側に平板状永久磁石を配置し、該平板状フェライト及び平板状永久磁石を囲うようにヨークを設置し前記回路基板の接地面側に取付けるヨーク取付け工程と、
前記ヨークを前記接地面の接地導体に接続する接地工程と、を含み、
前記接地面における接地導体は前記平板状フェライトに面する部分において一部が取除かれており、前記ヨーク取付け工程において、前記平板状フェライトは前記回路基板の接地導体が取除かれた部分に配置されることを特徴とするものである。
図1および図2は、本発明の非可逆回路素子の構造の一例を示す図である。図1の、左図は斜視図、右図は上面からの透視図及び側面図である。図2は、誘電体基板、ヨーク、接地面の関係を表す図である。本非可逆回路素子は、一方の面に伝送線路2、反対面に接地面(接地導体)3を有する誘電体基板1と、誘電体基板1の接地面3側に配置された平板状フェライト4と、平板状フェライト4の、誘電体基板1とは反対側の面に配置された平板状永久磁石5と、平板状永久磁石5の、平板状フェライト4とは反対側の面に配置され、平板状永久磁石5および平板状フェライト4を囲うように配置されたヨーク6と、からなる。誘電体基板1は、例えばプリント基板などであるが、プリント基板に限定されるものではない。また、平板状フェライト4は、例えばYIG単結晶体などであるが、これに限定されずフェライトの性質を有するものであれば何でも良い。ヨーク6は、少なくとも一部が誘電体基板1の接地面3に接続されているとともに、ヨーク6の少なくとも誘電体基板1側の面は開放されている。
本非可逆回路素子の構成により、回路基板上に形成された伝送線路の結合部とは反対の面の接地面における接地導体の一部を取り除き、そこにフェライト単結晶、バイアス用永久磁石およびヨークを配置するだけで、非可逆動作特性が得られる。これにより、従来は他の電気素子との集積化が困難であったアイソレータ/サーキュレータの小型化および集積化が実現可能となる。本非可逆回転素子は基本的には小型非可逆素子の動作原理(特許文献1)に基づいているが、一般の分布定数型非可逆素子に適用することもできる。
誘電体基板: 厚さ0.1mm、誘電率12.9のガリウム砒素(GaAs)
フェライト(YIG単結晶体): 4πMs=850G、ΔH=2 Oe、厚み0.15mm
永久磁石: SmCo
ヨーク: 厚さ0.15mmの鉄
とし、有限要素法により伝送特性を計算した結果を図3に示す。
1.92GHz付近で挿入損失0.88dB、アイソレーション24.04dBという良好な伝送特性の結果が得られた。
2 伝送線路
3 接地面(接地導体)
4 平板状フェライト(YIG単結晶体)
5 平板状永久磁石
6 ヨーク
Claims (3)
- 一方の面に伝送線路、反対面に接地面を有する誘電体の回路基板と、
前記回路基板の接地面側に配置された平板状フェライトと、
前記平板状フェライトの、前記回路基板とは反対側の面に配置された平板状永久磁石と、
前記平板状永久磁石の、前記平板状フェライトとは反対側の面に配置され、前記平板状永久磁石および前記平板状フェライトを囲うように配置されたヨークと、を有し、
前記回路基板の接地面における接地導体は前記平板状フェライトに面する部分において一部が取除かれており、
前記ヨークは、少なくとも一部が前記回路基板の接地面に接続されているとともに、
前記ヨークの少なくとも回路基板側の面は開放されていることを特徴とする、非可逆回路素子。 - 前記平板状フェライトはYIG単結晶体である、請求項1に記載の非可逆回路素子。
- 誘電体の回路基板の一方の面に伝送線路、反対面に接地面を形成する回路基板形成工程と、
前記回路基板の接地面側に平板状フェライトを配置し、該平板状フェライトの前記回路基板とは反対側に平板状永久磁石を配置し、該平板状フェライト及び平板状永久磁石を囲うようにヨークを配置し前記回路基板の接地面側に取付けるヨーク取付け工程と、
前記ヨークを前記接地面の接地導体に接続する接地工程と、を含み、
前記接地面における接地導体は前記平板状フェライトに面する部分において一部が取除かれており、前記ヨーク取付け工程において、前記平板状フェライトは前記回路基板の接地導体が取除かれた部分に配置されることを特徴とする非可逆回路素子の取付け方法。
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JP2007080427A JP4815608B2 (ja) | 2007-03-27 | 2007-03-27 | 集積化可能な非可逆回路素子及びその取付け方法 |
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