JP4412549B2 - 分布定数型非可逆素子及び分布定数型非可逆素子用ガーネット単結晶 - Google Patents

分布定数型非可逆素子及び分布定数型非可逆素子用ガーネット単結晶 Download PDF

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Description

この発明は、マイクロ波(ここでは0.5 GHzから30 GHzをさす。)用の分布定数型非可逆素子に関し、更に詳しくは小型化が可能な分布定数型非可逆素子に関する。
マイクロ波帯で使用されるアイソレータなどの非可逆素子は、その構造により分布定数型と集中定数型の2つに分類できる。分布定数型非可逆素子は、単純な構造を有するが、そのサイズが大きいのが特徴である。一方、集中定数型非可逆素子は従来の分布定数型非可逆素子に比べ圧倒的に小型であるが、集中定数回路により構成されるため部品点数が多く、比較的複雑な構造を有する。
分布定数型非可逆素子は、構造が単純であるため、集中定数型と比べて低背化に有利であることが示されている(非特許文献1参照)。また、現行製品の約2/3にあたる高さの1mmのアイソレータが試作されている(非特許文献2参照)。
さらに、特許文献1には、磁性体と前記磁性体に直流磁界を印加するための磁石とを有する非可逆素子において、前記磁性体の強磁性共鳴半値幅が200A/m以下であることを特徴とする非可逆素子が開示されているが、集中定数型非可逆素子である。
特開2001−144508号公報 K. Oshiro, S. Yamamoto, T. Tanaka, H. Kurisu, M. Matsuura, H. Mikami, S. Fujii, and S. Murakami, "High-Frequency Electromagnetic Simulation of an Extremely Low-Height Circulator Using a Microstrip Y-Junction," Trans. Magn. Soc. Japan, 4, pp. 60-63, 2004. S. Yamamoto, K. Oshiro, H. Kurisu, M. Matsuura, H. Mikami, and S. Fujii, "Development of an Isolator with Low Height," Journal of the Magnetics Society of Japan. Vol. 29, No. 2, pp. 66-71, 2005.
本発明が解決しようとする課題は、分布定数型非可逆素子の構造を複雑にすることなしに、横方向の小型化が可能な手段を提供することである。
上記課題は、分布定数型非可逆素子において、従来用いられてこなかった動作領域(正円偏波透磁率の実数部と負円偏波透磁率の実数部の差が大きくなる領域)を用いることにより、小型化した非可逆素子を実現することができた。
具体的には、上記課題は、以下の項(1)及び項(2)に示す達成手段により解決された。好ましい実施態様である項(3)〜項(5)と共に列記する。
項(1)永久磁石によりバイアス磁場を印加された軟磁性フェライトと、該軟磁性フェライトにマイクロ波を誘導するための入出力端子を有する中心導体および接地導体から成る分布定数型非可逆素子であって、該軟磁性フェライトの飽和磁化4πMs、該軟磁性フェライト内部のバイアス磁場Hin、及び磁気回転比γにより、式(1)及び式(2)でそれぞれ定義される周波数f1およびf2を用いて、その非可逆動作周波数fnrが式(3)の関係を満たすように構成されたことを特徴とする分布定数型非可逆素子、
Figure 0004412549
Figure 0004412549
f1 < fnr < f2 (3)
項(2)永久磁石によりバイアス磁場を印加された軟磁性フェライトと、該軟磁性フェライトにマイクロ波を誘導するための入出力端子を有する中心導体および接地導体から成り、非可逆動作周波数fnrを有する分布定数型非可逆素子であって、該軟磁性フェライトの飽和磁化4πMsにより、式(4)及び式(5)で定義される磁場H1および磁場H2を用いて、該軟磁性フェライト内部のバイアス磁場Hinが式(6)の関係を満たすように構成されたことを特徴とする分布定数型非可逆素子、
Figure 0004412549
Figure 0004412549
H2 < Hin < H1 (6)
項(3)前記軟磁性フェライトの磁気共鳴半値幅が790 A/m (10 Oe)以下である項(1)または項(2)に記載の分布定数型非可逆素子、
項(4)前記軟磁性フェライトが液相エピタキシャル法、フラックス法またはFZ法により作製したガーネット単結晶である項(1)〜項(3)いずれか1つに記載の分布定数型非可逆素子、
項(5)項(4)に記載の分布定数型非可逆素子に使用される分布定数型非可逆素子用ガーネット単結晶。
本発明によれば、分布定数型非可逆素子を小型化することができる。実施例においては、直径3.3 mmの範囲で2 GHzで非可逆動作しており、従来の分布定数型非可逆素子の製品(15 mm角)と比べ劇的な小型化を実現している。このため、携帯電話などに好適に使用することが可能となる。
バイアス磁場が印加された軟磁性フェライト(以下、単にフェライトともいう。)中を伝搬する電磁波に対するテンソル透磁率μはフェライト中の磁化との相互作用の結果、以下の式で与えられる。
Figure 0004412549
ここで、μr及びκrはそれぞれ以下の式により与えられる。
Figure 0004412549
Figure 0004412549
ただし、式(8)及び式(9)において、4πMs、ΔH、Hin、およびfは、それぞれフェライトの飽和磁化、磁気共鳴半値幅、フェライト内部に印加されるバイアス磁場、および電磁波の周波数である。このとき、電磁波の磁場の振幅および進行方向はバイアス磁場に垂直であるとした。
高周波磁場hと高周波磁束密度bは、式(5)のμを用いて、
b = μ h
と表現できる。式(7)から明らかなように、μはテンソルであり平面波に対しては対角化されていない。このことは、x軸方向に進む電磁波は、磁化と相互作用することにより、y軸方向に進む電磁波を生じることを示す。つまり、フェライト中では、電磁波の進行方向が変化することがわかる。この性質を利用し、電磁波の進行方向を制御している素子がサーキュレータやアイソレータに代表される非可逆素子である。
バイアス磁場が印加されたフェライト中の電磁波を平面波で取り扱うと、テンソル透磁率μが対角化されていないため、円偏波を用いて取り扱うのが便利である。正円偏波、負円偏波に対してテンソル透磁率は対角化され、次の2つの式が成立する。
b+ = μ+ h+
b+ = μ- h-
ここで、μ+及びμ-は以下の式(10)及び式(11)のようになる。
Figure 0004412549
Figure 0004412549
この円偏波は平面波の線形結合であらわされ、逆に、平面波は円偏波の線形結合で表される。一般にμ+とμ-は複素数であり、これらの実数部をμ+'、μ-'、虚数部をμ+"、μ-"とすると、μ++' - i μ+"、μ- = μ-'- i μ-"で表される。
正円偏波と負円偏波の線形結合で表される平面波の電場と磁場の振幅面はμ+'とμ-'の違いによりその向きを変える。このことは、平面波はその振幅面に垂直に伝搬するため、振幅面が変われば、平面波の進行方向も変化することを意味している。よって、μ+'とμ-'の差|μ+' - μ-'|が大きいほど平面波の進行方向は早く回転し、より短い距離で電磁波の進行方向を変えることができるため、素子の横方向サイズを小型化することが可能と考えられる。
図1にバイアス磁場を39.5 kA/m (500 Oe)、フェライトの飽和磁化を85 mT (850 G)、磁気共鳴半値幅を158 A/m (2 Oe)とした時のμ+'、μ-'、およびμ+' - μ-'を示す。
集中定数型アイソレータはμ+' > 0, μ+' - μ-' > 0の領域で使用されてきた。一方、従来の分布定数型アイソレータはμ+' > 0, μ+' - μ-' < 0の領域で使用されている。図1の場合、μ+' > 0, μ+' - μ-' > 0の領域は、1.4 GHz以下の周波数領域であり、μ+' > 0, μ+' - μ-' < 0の領域は3.5 GHz以上の領域である。この2つの領域を比べると、1.4 GHz以下の領域の方が圧倒的に|μ+' - μ-'|が大きい。したがって、集中定数型アイソレータと比べると従来の分布定数型アイソレータは電磁波の進行方向を制御するために長い距離を必要とし、横方向のサイズも必然的に大きくなる。
平面波は正円偏波と負円偏波の重ね合わせで表現できるから、平面波に対する実効透磁率μeffは、μ+とμ-により、以下の式(12)により表される(例えば、R. F. Soohoo, "Microwave Magnetics," Harper & Row, pp. 163-187 (1985)参照)。
Figure 0004412549
実効透磁率μeffも複素数であり、その実数部μeff' と虚数部μeff" により
μeff =μeff' −iμeff"
で表される。
図2に図1と同じ条件(バイアス磁場を39.5 kA/m (500 Oe)、フェライトの飽和磁化を85 mT (850 G)、磁気共鳴半値幅を158 A/m (2 Oe))とした時のμeff'、μ+'、およびμ+' - μ-' の周波数依存性を示す。図2から、μ+' < 0であっても、μeff' > 0の領域(1.4 GHz以上2.7 GHz以下)が存在することがわかる。さらに、この領域では|μ+' - μ-'|の値も大きい。したがって、このμ+' < 0且つμeff' > 0の領域で分布定数型アイソレータを動作させることができれば、水平方向の劇的な小型化が可能である。
飽和磁化4πMsの軟磁性フェライト内部に印加されたバイアス磁場をHinとすると、μ+' < 0且つμeff' > 0となる周波数領域は、式(10)の実数部μ+'の分母が最も小さくなる周波数f1から式(12)の実数部の分母が最も小さくなる周波数f2までの範囲となる。
式(10)の実数部は次の式(13)で表される。
Figure 0004412549
この式(13)の分母が最も小さくなる周波数f1は、式(14)で与えられる。
Figure 0004412549
また、式(12)の実数部は、式(15)で表される。
Figure 0004412549
式(15)の分母が最も小さくなる条件はμ+' = -μ-'であり、この条件を満たす周波数f2は、軟磁性フェライトの磁気共鳴半値幅を無視すると、式(16)で与えられる。
Figure 0004412549
したがって、永久磁石によりバイアス磁場を印加された軟磁性フェライトと、該軟磁性フェライトにマイクロ波を誘導するための入出力端子を有する中心導体および接地導体から成る分布定数型非可逆素子において、周波数f1およびf2を用いて非可逆動作周波数fnrがf1 < fnr < f2となるごとく分布定数型非可逆素子を構成すると、該軟磁性フェライトの透磁率がμ+' < 0且つμeff' > 0となる。つまり、このような分布定数型非可逆素子では軟磁性フェライトの正円偏波と負円偏波の透磁率差|μ+' - μ-'|が大きくなり、小型化が可能となる。
また、非可逆動作周波数をfnrとしたとき、飽和磁化4πMsの軟磁性フェライトの透磁率がμ+' < 0且つμeff' > 0となるためのバイアス磁場領域は、式(15)の分母を最小にする磁場H2から式(13)の分母を最小にする磁場H1までの範囲となる。式(13)からH1は、式(17)で与えられる。
Figure 0004412549
H2は条件μ+' = -μ-'から式(18)で与えられる。
Figure 0004412549

但し、f2のときと同様に磁気共鳴半値幅を無視した。したがって、永久磁石によりバイアス磁場を印加された軟磁性フェライトと、該軟磁性フェライトにマイクロ波を誘導するための入出力端子を有する中心導体および接地導体から成り、非可逆動作周波数fnrを有する非可逆素子において、H1およびH2を用いて該軟磁性フェライト内部のバイアス磁場がH2 < Hin < H1となるごとく分布定数型非可逆素子を構成すると該軟磁性フェライトの透磁率がμ+' < 0且つμeff' > 0となる。つまり、このような分布定数型非可逆素子では軟磁性フェライトの正円偏波と負円偏波の透磁率差|μ+' - μ-'|が大きくなり、小型化が可能となる。
磁気損失はμeff"に比例しており、図1、2の場合μeff"は約2.7 GHzにピークを持つ。したがって、μ+' < 0且つμeff' > 0の領域(1.4 GHz以上2.7 GHz以下)を使用するためには、磁気共鳴半値幅が小さい軟磁性フェライトが必要不可欠となる。磁気共鳴半値幅は790 A/m (10 Oe)以下が望ましい。
本発明に使用する軟磁性フェライトは、何れの方法によっても作製することができるが、液相エピタキシャル法、フラックス法またはFZ法(浮遊帯域成長方法)により作製することが好ましい。フラックス法とは、適当な無機塩を溶媒として、試料を高温で溶融し、飽和溶液を冷却しながら結晶を析出させる方法であり、FZ法とは、結晶の一部に溶融帯を作って、移動させることによって、単結晶を育成する方法である。
軟磁性フェライトは何れの形状とすることができ、具体的には円板状あるいは円筒状が例示できる。軟磁性フェライトの厚みは特に限定されないが、0.05〜1.0 mmであることが好ましく、0.1〜0.8 mmであることがより好ましい。
以下に、液相エピタキシャル法について詳述する。本発明に使用する軟磁性フェライトは、まず、液相エピタキシーにより、ガドリニウム・ガリウム・ガーネット111面(Gd3Ga5O12)を基板とし,その上に軟磁性フェライトであるイットリウム鉄ガーネット(YIG:Y3Fe5O12)を成膜する。YIGの厚みは0.1〜0.6 mm程度とすることが特に好ましい。ただし、成膜はスパッタ法,レーザーアブレーション法、メッキ法などでも可能である。また、ガドリニウム・ガリウム・ガーネット基板は一例であり、この他に酸化マグネシウム(MgO)または、酸化アルミ(Al2O3)または、上述のGd3Ga5O12の内、Gdの少なくとも一部をネオジウム(Nd)、またはカルシウム(Ca)で置換したものおよび、Gaの少なくとも一部をスカンジウム(Sc)または、マグネシウム(Mg)または、ジルコニウム(Zr)で置換したものを用いても良い。フェライト磁石のイットリウム鉄ガーネットはイットリウムの少なくとも一部をビスマス(Bi)、またはセリウム(Ce)で置換したもの、鉄の少なくとも一部をガリウム(Ga)で置換したものを用いても良い。なお、軟磁性フェライトにはニッケル亜鉛酸化鉄(NiZnフェライト:NixZnFe2O4、x=0.2〜0.8)などの軟磁性材料も用いることができる。スパッタおよびレーザーアブレーションによって成膜する場合は膜を結晶化させるために成膜後に熱処理を行っても良い。
次に基板上に成膜した軟磁性フェライトをクリスタルイオンスライシング技術により切り取る。また、基板を研磨することでも軟磁性フェライトを得ることもできる。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例における形態に限定されるものではない。
図3に飽和磁化85 mT (850 G)、磁気共鳴半値幅158 A/m (2 Oe)のYIGフェライト単結晶を用いた場合のマイクロストリップYアイソレータの一例を示す。軟磁性フェライト20(YIGフェライト)の大きさは直径3.3 mmで、厚さ0.4 mmである。特性インピーダンス50 Ωの入出力端子35およびアイソレータ部であるY結合部31からなる中心導体30、該中心導体がパターニングされた6.5 mm x 6.0 mm x 1.0 mmのSiO2基板60、直径3.3 mm、厚さ0.4 mmの軟磁性フェライト20、50 Ωのチップ抵抗55から構成される。
分布定数型非可逆素子(分布定数型アイソレータ)50は、接地導体40である上下ケース、入出力端子35を有する中心導体30、およびバイアス磁場が印加された軟磁性フェライト20を備えている。図3において、磁場の印加により生じた磁力線25を図示した。中心導体は、図3とは逆に、軟磁性フェライト表面にパターニングすることもできる。
軟磁性フェライトに磁場を印加させるための永久磁石(不図示)は接地導体である上下ケースの内側に設置してもよいし外側に設置してもよい。また、軟磁性フェライトと永久磁石は中心導体を挟んで反対側に設置してもよいし、同じ側に設置してもよい。軟磁性フェライトに効率よくバイアス磁場を印加するために、上下ケースが磁気回路を兼ねてもよいし、上下ケースとは別に磁気回路を設けてもよい。
図3においては、3つの入出力端子が示されているが、このうちの1つをチップ抵抗55で終端させて、アイソレータとしての機能を持たせている。
また、中心導体を保護するために、ポリイミド膜などの保護膜(不図示)を設けることも好ましい。
図4にYIG内部にバイアス磁場が39.5 kA/m (500 Oe)印加されたときのシミュレーション結果を示す。非可逆動作の中心周波数が1.95 GHzに見られ、その時の挿入損失は0.4 dB、アイソレーションは27 dBである。図2から、μ+' < 0且つμeff' > 0の領域は1.4 GHz以上2.7 GHz以下であるから、非可逆動作の中心周波数1.95 GHzがこの領域内であることは明らかである。また、Y結合部の直径3.3 mmの部分以外は、特性インピーダンスが50 Ωに整合されており、アイソレータ部は直径3.3 mmのY結合部のみである。よって、μ+' < 0且つμeff' > 0の領域を使用することにより、マイクロストリップYアイソレータの小型化が可能となることが示された。
図5に図3の設計に基づいて実際に試作したアイソレータの周波数特性を示す。YIGフェライト単結晶内部に49.8 kA/m (630 Oe)のバイアス磁場を印加した。2.0 GHz付近に非可逆動作の中心が見られ、挿入損失が0.7 dB、アイソレーションが10 dBである。シミュレーション結果と多少異なるが、49.8 kA/m (630 Oe)のバイアス磁場に対して2.0 GHzは、μ+' < 0且つμeff' > 0を満たしており、μ+' < 0且つμeff' > 0の領域でアイソレータを動作することが実験でも確かめられた。
図1は、飽和磁化が85 mT (850 G)、磁気共鳴半値幅が158 A/m (2 Oe)を有する軟磁性フェライト内部に39.5 kA/m (500 Oe)のバイアス磁場を印可した場合の正円偏波および負円偏波に対する透磁率の実数部μ+'およびμ-'を示している。また、その差μ+' - μ-'を破線で示した。 図2は、飽和磁化が85 mT (850 G)、磁気共鳴半値幅が158 A/m (2 Oe)を有する軟磁性フェライト内部に39.5 kA/m (500 Oe)のバイアス磁場を印可した場合の実効透磁率の実数部μeff'および虚数部μeff"を示している。また、図1と同様にμ+' - μ-'を破線で示した。 図3は、高周波解析に用いた非可逆素子であるアイソレータの構造の一例を示している。 図4は、図3により示されたアイソレータの伝送特性の解析結果である。 図5は、図3により示された構造に基づき、実際に試作したアイソレータの伝送特性の測定結果である。
符号の説明
20 軟磁性フェライト
25 磁力線
30 中心導体
31 Y接合部
35 入出力端子
40 接地導体
50 分布定数型非可逆素子
55 チップ抵抗
60 基板

Claims (5)

  1. 永久磁石によりバイアス磁場を印加された軟磁性フェライトと、該軟磁性フェライトにマイクロ波を誘導するための入出力端子を有する中心導体および接地導体から成る分布定数型非可逆素子であって、
    該軟磁性フェライトの飽和磁化4πMs、該軟磁性フェライト内部のバイアス磁場Hin、及び磁気回転比γにより、式(1)及び式(2)でそれぞれ定義される周波数f1およびf2を用いて、
    その非可逆動作周波数fnrが式(3)の関係を満たすように構成されたことを特徴とする分布定数型非可逆素子。
    Figure 0004412549
    Figure 0004412549
    f1 < fnr < f2 (3)
  2. 永久磁石によりバイアス磁場を印加された軟磁性フェライトと、該軟磁性フェライトにマイクロ波を誘導するための入出力端子を有する中心導体および接地導体から成り、非可逆動作周波数fnrを有する分布定数型非可逆素子であって、
    該軟磁性フェライトの飽和磁化4πMsにより、式(4)及び式(5)で定義される磁場H1および磁場H2を用いて、該軟磁性フェライト内部のバイアス磁場Hinが式(6)の関係を満たすように構成されたことを特徴とする分布定数型非可逆素子。
    Figure 0004412549
    Figure 0004412549
    H2 < Hin < H1 (6)
  3. 前記軟磁性フェライトの磁気共鳴半値幅が790 A/m (10 Oe)以下である請求項1または2に記載の分布定数型非可逆素子。
  4. 前記軟磁性フェライトが液相エピタキシャル法、フラックス法またはFZ法により作製したガーネット単結晶である請求項1〜3いずれか1つに記載の分布定数型非可逆素子。
  5. 請求項4に記載の分布定数型非可逆素子に使用される分布定数型非可逆素子用ガーネット単結晶。
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