〔参考例〕
以下、ロールプレイングゲームを実行するゲーム装置であるメダルゲーム機の参考例について説明する。参考例に係るメダルゲーム機では、プレイヤーが操作対象であるゲーム主人公の戦士キャラクタ(以下、「主人公」という。)を操作し、ダンジョン内に出現する宝石を拾って、そのダンジョンから脱出することをゲーム目的とする探検ゲームが展開される。そのダンジョンでは、主人公の行く手を阻むゲーム要素としての敵モンスターが出現するので、プレイヤーは、その敵モンスターに倒されることなく、ダンジョンを脱出できるように主人公を操作する。プレイヤーに操作される主人公は、敵モンスターに対抗するため、敵モンスターを攻撃したり、ゲーム要素としての種々のアイテムや魔法カードを使用したり、ゲーム要素としての味方モンスターを召還させてその味方モンスターを敵モンスターとの戦闘に参加させたりしながら、ダンジョン内を進み、脱出を試みる。また、本探検ゲームには、複数のダンジョンが用意されており、各プレイヤーは、すべてのダンジョンのクリアを目指す。
また、参考例に係るメダルゲーム機では、ダンジョンの他に城を占領することをゲーム目的とするゲームも展開される。このゲームでは、プレイヤーが城の占領に成功すると、その城の城主となることができ、城主となったプレイヤーは、自分の城を占領するために挑戦してくる他のプレイヤーと、一種の対戦ゲームを行うことができる。尚、この対戦ゲームのゲーム進行内容は、上記探検ゲームのものと同様であり、また、本対戦ゲームには、複数の城が用意されており、各プレイヤーは、これらの城の中から挑戦する城を選択し、その城の占領を目指す。
以下、参考例に係るメダルゲーム機全体の構成について説明する。
図2は、参考例に係るメダルゲーム機全体の概略構成図である。このゲーム機は、各プレイヤーが操作する12個のゲームユニット1と、これらゲームユニット1を統括的に制御する中央制御装置20とで構成されている。プレイヤーは、ゲーム価値であるメダルをゲームユニット1に投入することで、そのゲームユニット1でのゲームに参加することができる。各ゲームユニット1は、LANケーブル等の通信ラインにより、中央制御装置20に接続されている。本メダルゲーム機では、最大12人のプレイヤーが同時にゲームをプレイすることが可能である。また、中央制御装置20は、12個のゲームユニット1のうちの1つのゲームユニット内部に配置されている。
図3は、ゲームユニット1の外観図である。ゲームユニット1は、ゲームの進行に応じたゲーム画面を表示する表示手段としてのディスプレイ2と、ゲームの進行に応じた効果音やバックミュージック等の音を流すスピーカー3と、プレイヤーがゲーム画面上に出現する主人公の動きを操作するための操作手段である操作レバー4及び3つの操作ボタン5a,5b,5cと、メダルの払出し等を行うためのペイアウトボタン5dと、後述する可搬型のゲーム要素記録媒体としての磁気カードを取り出してゲームを終了するための保存終了ボタン5eとが設けられている。プレイヤーは、ディスプレイ2に表示されるゲーム画面を見ながら、操作レバー4及び3つの操作ボタン5a,5b,5cを操作することで、そのゲーム画面上に出現する主人公を移動させたり、アイテムを使用したりすることができる。また、ゲームユニット1には、プレイヤーが支払うメダルを受け取るためのゲーム価値受取手段としてのメダル投入口6、プレイヤーに対してメダルを払い出すためのゲーム価値払出手段としてのメダル払出ロ7、ゲームを終了したプレイヤーが次回のプレイ時にゲームの続きを行うために、そのプレイヤーの個人情報や終了時のゲーム状態等を記録する磁気カード9を挿入したり、取り出したりするためのカード挿入取出口8なども設けられている。
図4は、ゲームユニット1内部の概略構成を示すブロック図である。ゲームユニット1は、ゲームユニット1内の各部を制御するメイン基板10と、ディスプレイ2の画像表示を制御するための画像表示制御部11と、スピーカー3で流す音を制御するための音響制御部12と、操作レバー4や操作ボタン5a,5b,5c及びペイアウトボタン5d並びに保存終了ボタン5eからの信号を受け取って所定の制御信号に変換する操作制御部13と、カード挿入取出口8に挿入された磁気カード9に対してデータの書き込み及び読み出しを行う磁気カード書込読出部14と、ペイアウトボタン5dの操作に応じてメダルの払い出し等を制御するためのメダル払出制御部15とを有する。また、ゲームユニット1には、メダル枚数を電子データに変換したゲーム価値であるクレジットデータ等の各種データを一時的に記録するRAM16や、上記探検ゲーム及び上記対戦ゲームに必要なゲーム実行プログラム等および各種データベースが格納された換算値記録媒体としてのROM17なども設けられている。メイン基板10は、画像表示制御部11、音響制御部12、操作制御部13、磁気カード書込読出部14、メダル払出制御部15、RAM16及びROM17に、それぞれ接続されている。また、メイン基板10は、インターフェース18を介して、中央制御装置20に接続されており、中央制御装置20の後述する中央制御基板21とのデータ通信が可能となっている。
図5は、中央制御装置20の概略構成を示すブロック図である。中央制御装置20は、各ゲームユニット1のメイン基板10との間で双方向データ通信を行い、本メダルゲーム機全体を制御する中央制御基板21と、各ゲームユニット1で行われる各ゲームを統括的に制御するための制御プログラム等を記録したプログラム用ROM22と、各種データベースを記録したデータベース用ROM23とを有する。また、中央制御基板21は、インターフェース24を介して、各ゲームユニット1のメイン基板10に接続されており、各メイン基板10とのデータ通信が可能となっている。
本メダルゲーム機において、プレイヤーがゲームを終了する場合には、次回のゲーム再開時に、その終了時のゲーム状態を復元させるためのゲーム状態情報であるゲーム状態データを、ゲーム状態記録手段としての磁気カード書込読出部14によりゲーム状態記録媒体としての磁気カード9に記録する。このゲーム状態データには、プレイヤーネーム(主人公の名前)、最終プレイ時間、主人公の能力、プレイヤーが所有するアイテムや味方モンスターの種類等のプレイヤー情報と、ゲーム終了時の主人公がいるダンジョン又は城の種類、そのダンジョン又は城内における主人公、敵モンスター又はゲーム状態変更要素としてのアイテムの位置等のフィールドデータ等のゲーム情報などが含まれる。一方、プレイヤーが一度終了したゲームの続きを行う場合には、自分の磁気カード9をカード挿入取出口8に挿入する。これにより、ゲーム状態読出手段としての磁気カード書込読出部14は、その磁気カード9に記録されたゲーム状態データを読み取る。このゲーム状態データは、RAM16に記録され、ROM17に記録されたゲーム実行プログラムに読み込まれる。これにより、プレイヤーは、ゲーム実行プログラムが実行するゲーム進行手段としてのメイン基板10により進行されるゲームにおいて、前回の続きのゲーム状態からプレイを再開することができる。
尚、磁気カード9に全てのゲーム状態データを記録する必要はなく、例えば、磁気カード9にプレイヤーIDを記録しておき、プレイヤー特定情報であるプレイヤーIDに対応するゲーム状態データの一部又は全部を、中央制御装置20のゲーム状態記録媒体としてのデータベース用ROM23に記録しておくようにしてもよい。この場合、磁気カード9からプレイヤーIDを読み取った後、そのプレイヤーIDに対応するゲーム状態データを、中央制御装置20からゲームユニット1のRAM16にダウンロードすることで、上記と同様に、前回の続きのゲーム状態からプレイを再開することができる。
次に、本メダルゲーム機の各ゲームユニット1で行われるゲームの流れについて説明する。
図6は、各ゲームユニット1のROM17に格納されているゲーム実行プログラムを実行するメイン基板10によるゲームの流れを示すフローチャートである。プレイヤーは、ゲームに参加する場合、まず磁気カード9をカード挿入取出口8に挿入する(S1)。初めてプレイする場合には、プレイヤーは、本メダルゲーム機が設置されているゲームセンタ等の店員あるいは自動販売機などから、新規な磁気カード9を入手し、その磁気カード9をカード挿入取出口8に挿入する。また、前回のゲームの続きをしようとするプレイヤーは、前回終了時のゲーム状態データに記録した磁気カード9をカード挿入取出口8に挿入する。このようにして磁気カード9を受け取ったゲームユニット1は、磁気カード書込読出部14により、磁気カード9の記録内容を読み出し、そのデータをメイン基板10に送る。メイン基板10は、受け取った記録内容に応じて、新規なプレイか否かを判断する(S2)。
上記S3により新規プレイでないと判断された場合、メイン基板10は、図7に示すように、中央制御基板21に対して、磁気カード9に記録されたゲーム状態データが有するプレイヤーIDのID番号を送信する。これを受信した中央制御基板21は、前回の続きであると判断し、そのメイン基板10に対して、新規なID番号を返信する。この新規ID番号を受信したメイン基板10は、磁気カード書込読出部14により、磁気カード9に記録されたゲーム状態データを読み出し(S4)、これをRAM16に記録する。そして、メイン基板10は、そのゲーム状態データに基づき、ROM17に記録されたプログラムをロードし、画像表示制御部11により、ディスプレイ2に、前回の続きのゲーム画面が表示させて、ゲームが開始され(S5)、ゲームが進行する。
一方、上記S2により新規プレイであると判断された場合、メイン基板10は、図8に示すように、中央制御基板21に対して、ダミーIDを送信する。これを受信した中央制御基板21は、新規プレイと認識し、そのメイン基板10に対して、新規なID番号を返信する。この新規ID番号を受信したメイン基板10は、初期情報の入力及び設定を行う(S3)。この初期情報の入力及び設定では、画像表示制御部11により、ディスプレイ2に、図9(a)に示す名前入力画面を表示させる。プレイヤーは、操作レバー4及び操作ボタン5aを操作し、その名前入力画面に表示されている50音ボタンのカーソルを移動させて、主人公の名前を入力する。入力後、名前入力画面中の決定ボタンを選択すると、図9(b)に示す名前確認画面が表示され、その画面中のYesボタンを選択することで名前を決定する。次に、ディスプレイ2には、図9(c)に示す職業選択画面が表示される。この画面では、プレイヤーが操作する主人公の職業を選択する。以上の入力又は選択の操作内容は、操作制御部13からメイン基板10に送られ、プレイヤー情報としてRAM16に記録される。
このようにして初期情報の入力・設定処理が終了したら、メイン基板10によりゲームが開始され(S5)、画像表示制御部11により、ディスプレイ2に、図10に示すメインメニュー画面が表示される。このメインメニュー画面には、ダンジョンを探検する探検ゲームボタンと、他人が所有する城に挑戦する対戦ゲームボタンと、これらゲーム中に使用できる魔法カードの一覧を表示させるカード一覧ボタンとが用意されている。この画面で、プレイヤーは、探検ゲームをするか、対戦ゲームをするかを選択する。
ここで、プレイヤーが探検ゲームを選択した場合、メイン基板10は、画像表示制御部11により、ディスプレイ2に、図11に示すダンジョン選択画面を表示させ、ダンジョン選択処理を実行する。このダンジョン選択画面には、各ダンジョンを示す表示エリアが表示される。そして、プレイヤーは、操作レバー4でカーソルを移動させることにより、挑戦するダンジョンを選択する。各表示エリアには、それぞれダンジョン名と、挑戦するのに必要なメダル枚数(挑戦費用)が表示されている。各ダンジョンでは、それぞれ、そのダンジョン名に由来するゲーム展開がなされ、互いに異なるゲームが進行される。プレイヤーが、例えば、ゆかいなダンジョンを選択した場合、図示の画面上方部分に、選択されたダンジョンが表示される。そして、プレイヤーは、この選択したダンジョンに挑戦することを決めたら、操作ボタン5aを押す。このボタン操作は、操作制御部13からメイン基板10に送られる。そして、メイン基板10は、RAM16に記録されているクレジットデータを、挑戦費用に相当する分だけ減少させる。
具体的に説明すると、ゲームユニット1のROM17は、各ダンジョンのゲーム内容を含むゲーム情報としてのダンジョンデータを記録したダンジョン情報データベースを記録するデータ領域を有している。このダンジョン情報データベースには、ダンジョンデータを特定するためのダンジョン名データに関連付けて、挑戦費用データがそれぞれ記録されている。メイン基板10は、図11に示したダンジョン選択画面で選択されたダンジョンに関するダンジョン選択信号を操作制御部13から受け取ると、プレイヤーにより選択されたダンジョン名を認識する。また、このダンジョン選択信号を操作制御部13から受け取ることにより、メイン基板10は、上記ダンジョン情報データベースからダンジョン名データを選択し、このダンジョン名データに対応した挑戦費用データを読み出す。そして、メイン基板10は、この読み出した挑戦費用データに相当するクレジット分を、RAM16に記録されたクレジットデータから減らす処理を行う。以下、クレジットデータを増減させる処理についても、上記と同様に行われる。
ここで、RAM16に記録されているクレジットデータが、挑戦費用データに相当するクレジット分に満たない場合、プレイヤーに対してメダルの追加投入を促す画面を表示させる。メダルが投入されたら(S6)、図示しないメダル投入センサによりメダル枚数が検出され、メイン基板10は、そのメダル投入枚数に応じたクレジットデータをRAM16に記録する(S7)。尚、メダル投入を促しても、メダルが投入されない場合には、そのダンジョンへの挑戦を許可しない。以下、クレジットデータを減らす処理が行われるときにも、上記と同様にメダル投入を促す。
また、メイン基板10は、ダンジョン選択信号からダンジョン名を認識すると、上記ダンジョン情報データベースから、そのダンジョン名データに対応するダンジョンデータを読み出す。そして、そのダンジョンデータに基づいたプログラムをロードして、画像表示制御部11により、ディスプレイ2にゲーム画面を表示させる。
一方、図10に示したメインメニュー画面で、プレイヤーが対戦ゲームを選択した場合、メイン基板10は、画像表示制御部11により、ディスプレイ2に、図12に示す城選択画面を表示させ、城選択処理を実行する。この城選択画面には、各城を示す表示エリアが表示される。そして、プレイヤーは、操作レバー4でカーソルを移動させることにより、挑戦する城を選択する。各表示エリアには、それぞれ城名と、挑戦費用が表示されている。各城では、それぞれ、互いに異なるゲームの進行状態が用意されており、種々のゲーム展開がなされる。また、各城では、それぞれ、過去に城の占領に成功したプレイヤーが城主となっており、プレイヤーは、その城主であるプレイヤーと対戦することになる。
具体的に説明すると、中央制御装置のデータベース用ROM23は、各城のゲーム内容を含むゲーム情報としての城データを記録した城情報データベースを記録するデータ領域を有している。この城情報データベースに記録されている城データに含まれる城名データには、プレイヤー特定情報である城主のIDが関連付けされている。
図13及び図14は、城選択処理におけるメイン基板10と中央制御基板21との間のデータ通信を説明する説明図である。メイン基板10は、プレイヤーが図10に示したメインメニュー画面で対戦ゲームを選択したときのボタン操作により、操作制御部13からの信号を受け取ると、中央制御基板21に対戦データ要求を送信する。これを受信した中央制御基板21は、ゲームユニット1のディスプレイ2に図12に示した城選択画面を表示させるための画像データを返信する。そして、ディスプレイ2に表示された城選択画面で、プレイヤーにより挑戦する城が選択されると、メイン基板10は、そのボタン操作による操作制御部13からの城選択信号を受け取る。そして、メイン基板10は、その城選択信号に応じた城名データを含む城データ要求を、中央制御基板21に送信する。これを受信した中央制御基板21は、その城データ要求に含まれる城名データに対応する城データを、上記城情報データベースから読み出す。そして、その城データは、図13に示すように、メイン基板10に返信される。そして、この城データを受信したメイン基板10は、その城データに基づくプログラムをロードし、ゲームが進行する。
また、ゲームユニット1のROM17は、各城データを特定するための城名データに関連付けて、挑戦費用データがそれぞれ記録された城挑戦情報データベースを記録するデータ領域を有している。メイン基板10は、上述のようにして、図12に示した城選択画面で選択された城に関する城選択信号を操作制御部13から受け取ることにより、上記探検ゲームと同様に、ROM17に記録された城挑戦情報データベースから城名データに対応した挑戦費用データを読み出し、その挑戦費用データに相当するクレジット分を、RAM16に記録されたクレジットデータから減らす処理を行う。
このようにしてゲームが進行すると、ディスプレイ2には、図15に示すようなゲーム画面が表示される。尚、ゲーム画面は、探検ゲームも対戦ゲームもほぼ同様であり、そのゲームの進み方も同様であるので、以下、探検ゲームを例に挙げて説明する。
図15に示すゲーム画面には、ダンジョン内のフィールドであるダンジョン画面が表示されている。また、画面上部には、ダンジョンのフロアー数、主人公の体力及びプレイヤーのクレジットデータに基づくクレジット数が表示されており、画面右下部分には、プレイヤーが使用可能な主人公の所有する複数の魔法カード及びモンスターカードが表示されている。上記ダンジョン画面は、ダンジョンのフロアーを上方から見たものであり、図示の画面には、主人公、敵モンスター、味方モンスターが表示されている。
プレイヤーは、操作レバー4及び操作ボタン5a,5b,5cを操作して、主人公を移動させたり、敵モンスターに攻撃したり、所有する魔法カードを使用したり、あるいは、味方モンスターを召還したりすることができる。また、敵モンスターも主人公に対して攻撃してくるので、その攻撃を受けると、主人公の体力が減り、体力が0になると、ゲームオーバーとなる。また、味方モンスターが攻撃を受けた場合、その味方モンスターの体力が減り、体力が0になると、その味方モンスターは消滅する。
主人公が所有するモンスターカードを使用する場合、プレイヤーは、操作ボタン5cを押す。これにより、メイン基板10は、画像表示制御部11により、ディスプレイ11に、図16に示すカード選択画面を表示させる。このカード選択画面では、画面右下にあるカードにカーソルが出現する。また、このカード選択画面には、カーソルで選択されているカードの内容を示すカード内容画面が画面左側部分に表示される。モンスターカードを選択した場合、このカード内容画面には、そのモンスターカードにより召還されるモンスターの種類及びその特徴の説明と、そのモンスターカードを使用してモンスターを召還するのに必要なメダル枚数(カード使用費用)が表示されている。プレイヤーは、操作レバー4でカーソルを移動させ、召還を希望するモンスターカードを選択した後、操作ボタン5aを押す。このボタン操作は、操作制御部13からメイン基板10に送られる。そして、メイン基板10は、RAM16に記録されているクレジットデータを、モンスターカードのカード使用費用に相当する分だけ減少させるように変更するクレジットデータ変動処理を実行する(S8)。
具体的に説明すると、ゲームユニット1のROM17には、ゲーム要素であるモンスターデータを、プレイヤーが使用可能な状態で記憶する使用可能データ領域と、モンスターデータをプレイヤーが使用不可能な状態で記憶する使用不可能データ領域とを有するモンスターデータベースが格納されている。このモンスターデータベースに記録された各モンスターデータは、モンスター名データに関連付けられた各種データを有している。プレイヤーが召還可能なモンスターデータには、メイン基板10が実行するモンスター召還プログラムによる読み出しを可能にする読出許可符号が付加されている。尚、図15のゲーム画面又は図16のカード選択画面に表示されているモンスターカードは、使用可能データ領域に記録されているモンスターデータの一部である。
メイン基板10は、図16に示したカード選択画面で選択されたモンスターカードに関するカード使用信号を受け取ると、プレイヤーの指示に基づくモンスター名を認識する。そして、メイン基板10は、RAM16に記録されているクレジットデータがカード使用費用データ以上あるとき、そのモンスターデータの使用を決定する。その後、メイン基板10は、モンスターデータベースからモンスター名データに対応するモンスターデータを読み出して、そのモンスターデータを、登場要素記録媒体としてのRAM16に記録する。そして、そのモンスターデータに基づくモンスターをゲーム画面上に出現させる。また、メイン基板10は、このモンスターデータに対応するカード使用費用データに相当するクレジットデータを、RAM16に記録されたクレジットデータから減じる。
尚、魔法カードを使用する場合も、上記モンスターカードを使用する場合と同様の処理により使用することができる。上記モンスターカードを使用する場合と同様に魔法カードを選択すると、例えば、使用した魔法カードが敵モンスターに攻撃するものである場合、魔法カードデータベースからカード効果データを読み出し、その数値を敵モンスターへのダメージ計算に利用し、その算出結果に基づいて、敵モンスターの体力データを減少させる。
また、ダンジョン内には、図15に示したゲーム画面に表示されているようなアイテムカードが存在する。プレイヤーが主人公を操作してアイテムカードを拾うと、魔法カードやモンスターカードを入手することができる。また、ダンジョン内には、所持する魔法カードやモンスターカードを売却したり、所持していない魔法カードやモンスターカードを購入したりすることができる図17(a)に示すショップが用意されている。プレイヤーが主人公を操作してショップに入場した場合、所有する魔法カードやモンスターカードを売却してクレジットに変えたり、そのショップで販売されている魔法カードやモンスターカードを自分のクレジットを支払って購入したりすることができる。
上記ショップで魔法カードやモンスターカードを購入する場合、プレイヤーは、図17(a)に示すショップ画面において、操作レバー4を操作して、カーソルを「カードを買う」ボタンに合わせ、操作ボタン5aを押す。これにより、メイン基板10は、画像表示制御部11により、ディスプレイ11に、図17(b)に示す購入カード選択画面を表示させる。この購入カード選択画面では、画面上方部分に、そのショップで売っている魔法カードやモンスターカードのカード一覧画面が表示され、画面左下に、カーソルで選択されているカードの内容を示すカード内容画面が表示される。カード一覧画面には、カードを購入するために必要なメダル枚数(カード購入費用)が表示されている。プレイヤーは、操作レバー4でカーソルを移動させ、購入を希望するカードを選択した後、操作ボタン5aを押す。このボタン操作は、操作制御部13からメイン基板10に送られる。そして、メイン基板10は、RAM16に記録されているクレジットデータを、その魔法カードのカード購入費用に相当する分だけ減少させるように変更するクレジットデータ変動処理を実行する(S8)。
モンスターカードを購入する場合について、具体的に説明すると、上記モンスターデータベースには、モンスター名データに関連付けられたカード購入費用データも記録されている。メイン基板10は、図17(b)に示した購入カード選択画面で選択されたカードに関するカード購入信号を受け取ると、プレイヤーの指示に基づくモンスター名を認識する。そして、メイン基板10は、RAM16に記録されているクレジットデータがカード購入費用データ以上あるとき、モンスターデータベースの使用不可能データ領域にあるモンスターデータの使用を許可する。その後、メイン基板10は、モンスター名データに対応するモンスターデータに使用許可符号を付加する。これにより、そのモンスターデータは、モンスターデータベースの使用可能データ領域に記録されることになり、プレイヤーにより使用可能となる。また、メイン基板10は、そのカード購入費用データに相当するクレジットデータを、RAM16に記録されたクレジットデータから減じる。尚、魔法カードを購入する場合についても、ほぼ同様である。
一方、上記ショップにおいて、所有する魔法カードやモンスターカードを売却する場合、プレイヤーは、図17(a)に示すショップ画面において、操作レバー4を操作し、カーソルを「カードを売る」ボタンに合わせ、操作ボタン5aを押す。これにより、メイン基板10は、画像表示制御部11により、ディスプレイ11に、図17(c)に示す売却カード選択画面を表示させる。この売却カード選択画面では、画面右下にあるカードにカーソルが出現し、カーソルで選択されているカードの内容を示すカード内容画面が画面左側部分に表示される。また、この売却カード選択画面の画面上方部分には、選択されたカードと交換されるメダル枚数(カード売却収入)を表示した引取価格画面が表示される。プレイヤーは、操作レバー4でカーソルを移動させ、所持するカードの中から売却する魔法カード又はモンスターカードを選択した後、操作ボタン5aを押す。このボタン操作は、操作制御部13からメイン基板10に送られる。そして、メイン基板10は、RAM16に記録されているクレジットデータを、そのカードのカード売却収入に相当する分だけ増加させるように変更するクレジットデータ変動処理を実行する(S8)。
モンスターカードを売却する場合について、具体的に説明すると、上記モンスターデータベースには、モンスター名データに関連付けられたカード売却収入データも記録されている。メイン基板10は、図17(b)に示した売却カード選択画面で選択されたカードに関するカード売却信号を受け取ると、プレイヤーの指示に基づくモンスター名を認識する。そして、メイン基板10は、そのモンスターカードがショップで売却可能なものであるとき、モンスターデータベースの使用可能データ領域にあるモンスターデータの不使用を許可する。その後、メイン基板10は、モンスター名データに対応するモンスターデータから使用許可符号を削除する。これにより、そのモンスターデータは、魔法カードデータベースの使用不可能データ領域に記録されることになり、プレイヤーは、そのモンスターデータを使用できなくなる。また、メイン基板10は、そのカード売却収入データに相当するクレジットデータを、RAM16に記録されたクレジットデータに足す。尚、魔法カードを売却する場合についても、ほぼ同様である。
また、配置されている敵モンスターの中には、倒すとクレジットが増加する宝石モンスターが存在する。この宝石モンスターの動作は、ゲーム実行プログラムを実行するメイン基板10により制御されている。プレイヤーは主人公を操作して宝石モンスターを倒すと、メイン基板10は、RAM16に記録されているクレジットデータを、その宝石モンスターの種類に応じたメダル枚数である宝石獲得額に相当する分だけ増加させるように変更するクレジットデータ変動処理を実行する(S8)。
また、主人公がダンジョンの脱出に成功すると、所定の演出の後、脱出ボーナスとして、RAM16に記録されているクレジットデータを、所定枚数のメダル分だけ増加させるように変更するクレジットデータ変動処理が実行される(S8)。そして、ディスプレイ2には、再び図11に示したダンジョン選択画面が表示される。よって、プレイヤーは、このダンジョン選択画面において、次に挑戦するダンジョンを選択することで、同じダンジョン又は別のダンジョンに挑戦することができる。
以上のようにゲームを行うプレイヤーは、RAM16に記録されたクレジットデータをメダルで払出しを受ける場合、図3に示すペイアウトボタン5dを押す。このボタン操作は、操作制御部13からメイン基板10に送られる。そして、メイン基板10は、RAM16に記録されているクレジットデータを、メダル払出制御15に送り、メダル払出制御15により、メダル払出処理を実行する(S11)。これにより、プレイヤーに対して、メダル払出ロ7から、その時点のクレジットデータに相当する枚数のメダルが払い出される。
また、プレイヤーは、ゲームを終了しようとする場合には、図3に示す保存終了ボタン5eを押す。このボタン操作は、操作制御部13からメイン基板10に送られる。そして、メイン基板10は、画像表示制御部11により、ディスプレイ2に表示されている画像の上に重なるようにして、図18に示すゲーム終了選択画面を表示させる(S10)。このゲーム終了選択画面には、「ゲームを終了しますか?」というコメントの下に「はい」ボタンと「いいえ」ボタンが表示されている。プレイヤーは、ゲームを終了させない場合には、操作レバー4でカーソルを「いいえ」ボタンに合わせて、操作ボタン5aを押す。これにより、ゲーム終了選択画面が消えて、直前の画面からゲームが再開される。一方、プレイヤーは、ゲームを終了させる場合には、操作レバー4でカーソルを「はい」ボタンに合わせて、操作ボタン5aを押す。このボタン操作は、操作制御部13からメイン基板10に送られる。そして、メイン基板10は、図7及び図8に示したように、RAM16に記録されているクレジットデータやゲーム状態データを、データセーブ要求として、中央制御基板21に送信する。これを受信した中央制御基板21は、そのデータを、データベース用ROM23に記録されているそのプレイヤーのプレイヤー情報に保存する。そして、中央制御基板21は、メイン基板10に保存が完了した旨のセーブ完了データを送信する。これを受信したメイン基板10は、磁気カード書込読出部14により、磁気カード9にクレジットデータやゲーム状態データ等を書き込み、その磁気カード9を、カード挿入取出口8から排出する。
ここで、本発明の特徴部分である複数の味方モンスターを合体させるイベントについて説明する。
図1は、参考例における味方モンスターの合体処理の流れを示すフローチャートである。本参考例において、プレイヤーは、上述のように、所有するモンスターカードを使用して、味方モンスターを召還させることができる。召還したモンスターは、図15に示すように、主人公の周りに出現し、味方モンスター制御プログラムを実行するメイン基板10により、主人公とともに、自動的に敵モンスターに攻撃する。上記モンスターデータベースには、数十種類ものモンスターデータが記録されており、各モンスターデータは、それぞれ、パラメータ情報である攻撃力データ、守備力データ、体力データ、特殊能力データ等を含んでいる。このような攻撃力データ、守備力データ、体力データ、特殊能力データ等の違いにより、ゲーム中における味方モンスターの強さが異なることになる。また、各モンスターデータは、それぞれ、メダル枚数に換算したときの換算値データも含んでいる。ここで、味方モンスターの召還により、敵モンスターを倒しやすくなったり、ダンジョンを脱出しやすくなったりする。よって、プレイヤーは、味方モンスターを召還しない場合に比べて、宝石モンスターを倒すことでクレジットを獲得しやすくなったり、脱出ボーナスによるクレジットを獲得しやすくなったりする。味方モンスターの召還によりクレジットを獲得しやすくなる度合は、その味方モンスターの強さにほぼ比例するので、換算値データは、モンスターの種類に応じて適宜設定される。すなわち、攻撃力データ、守備力データ、体力データ、特殊能力データ等が高いモンスターほど、その換算値データも高く設定される。尚、本参考例では、各モンスターの換算値データは、そのモンスターが味方モンスターとして召還されたときに、召還されない場合に比べて増加すると見込まれる見込変動量としてのメダル数に設定されている。
プレイヤーは、味方モンスターを合体させる場合、本参考例では、まず、モンスターカードを使用して2体以上の味方モンスターを召還させておく必要がある。そして、召還している味方モンスターの合体を希望するプレイヤーは、カードを使用する場合と同様に、操作ボタン5cを押す。これにより、メイン基板10は、画像表示制御部11により、ディスプレイ11に、図16に示すカード選択画面を表示させる。このカード選択画面において、プレイヤーがもう一度操作ボタン5cを押すと、ディスプレイ11には、図19に示すように、「味方モンスターを合体させますか?」というコメントが表示される(S21)。このコメントに従って、プレイヤーは、操作レバー4でカーソルを移動させ、コメントの下の「はい」ボタンに合わせて操作ボタン5aを押すと、そのボタン操作が、操作制御部13からメイン基板10に送られる。
メイン基板10は、その操作内容を受け取ることで選択条件が満たされたとして、ゲーム要素選択手段として機能し、RAM16に記録されている全ての味方モンスターすなわち召還されている2体の味方モンスターに対応するモンスターを選択する(S22)。そして、メイン基板10は、選択された2体のモンスターに対応するモンスターデータを、上記モンスターデータベースの中からそれぞれ特定し、換算値読出手段として機能して、これらモンスターデータの換算値データを読み出す(S23)。換算値決定手段として機能するメイン基板10は、このようにして読み出された2つの換算値データを加算され、その合計値を算出する(S24)。尚、この合計値は、上述のように、合体前の2体のモンスターにより獲得できると見込まれるメダル枚数を示すものとなる。
合体前のモンスターの換算値データの合計値を算出したら、メイン基板10は、換算値決定手段としての抽選手段として機能し、その合計値を期待値とする抽選を行い(S25)、合体後のモンスターの換算値を決定する(S26)。具体的には、この抽選において、メイン基板10は、まず、ROM17に記録されている抽選テーブルの中から、その合計値に等しい換算値が期待値となるように各換算値がそれぞれ所定の確率で分布する抽選テーブルを読み出す。そして、メイン基板10は、所定の乱数生成プログラムにより乱数を生成し、その乱数に対応する換算値を上記抽選テーブルに基づいて決定する(S26)。
このようにして合体後のモンスターの換算値が決定されたら、メイン基板10は、換算値特定手段として機能し、上記モンスターデータベースの中から、その決定された換算値データを特定し、その換算値データに対応したモンスターデータを読み出す(S27)。そして、ゲーム要素置換手段として機能するメイン基板10は、RAM16に記録されている合体前の2体のモンスターデータを消去するとともに、上記S27で読み出したモンスターデータをRAM16に記録する(S28)。これにより、RAM16から消去された合体前の2体のモンスターはゲーム画面上から消え、新たにRAM16に記録された合体後のモンスターがゲーム画面上に出現する。
このように、合体後のモンスターの換算値を抽選により決定することで、例えば、換算値の合計が「10」であるモンスターが、換算値が「20」であるモンスターに合体したり、換算値が「5」であるモンスターに合体したりするなど、合体後のモンスターの予測が困難になり、ゲーム性を高めることができる。一方で、この抽選の期待値は、合体前のモンスターの換算値の合計と等しいため、長期的な期間で見た場合、合体前の2体のモンスターによりプレイヤーが獲得できると見込まれるメダル枚数と、合体後のモンスターによりプレイヤーが獲得できるメダル枚数はほぼ同じになる。よって、味方モンスターを合体させても、そのゲーム装置のメダル払出率に変化は少なく、メダル払出率を容易に管理することができ、店舗の収益を安定して確保することができる。
本参考例では、抽選により合体後のモンスターの換算値を決定したが、抽選を行わずに、上記モンスターデータベースの中から、直接、合体前の換算値データの合計値と同じ換算値データをもつモンスターデータを特定してもよい。この場合、プレイヤーは、合体前のモンスターから合体後のモンスターを容易に予測できることになるが、そのゲーム装置のメダル払出率はほとんど変化しない。よって、店舗の収益を、より安定して確保することができる。
また、参考例においては、上記メダルゲーム機が設置される店舗内には、プレイヤーがゲームを中断するときにゲーム状態データが記録される磁気カード9内のゲーム要素である複数の味方モンスターを、新たな味方モンスターに合体させるための情報置換装置及び情報合成装置としてのモンスター合体装置が設置されている。
図20は、モンスター合体装置の一例を示す外観図である。このモンスター合体装置30は、磁気カード9に記録された複数の味方モンスターを合体させる操作方法等を示す合体画面を表示する表示手段としてのディスプレイ31、合体画面の指示に従ってプレイヤーが操作するための操作手段としての4つの操作ボタン32及び決定ボタン33を備えている。また、このモンスター合体装置30には、プレイヤーからゲーム価値としてのメダルを受け取るためのゲーム価値受取受取手段及び対価受取手段としてのメダル投入口34、上記磁気カード9を挿入するための記録媒体受取手段及び記録媒体引渡手段としての磁気カード挿入ロ35等が設けられている。
図21は、上記モンスター合体装置30の動作を制御するためのゲーム制御部を示す制御ブロック図である。このゲーム制御部300は、ゲーム制御基板301と、メダルの受取り等を管理するメダル管理装置302と、各種データを一時的に記録するRAM303と、磁気カード挿入ロ35に挿入された磁気カード9の磁気情報の読取り及び書込みを行う磁気情報読取書込装置304と、上記モンスターデータベースを格納した換算値記録媒体としてのROM305を備える。ゲーム制御基板301は、メダル管理装置302、RAM303、磁気情報読取書込装置304及びROM305に、それぞれ接続されている。また、このゲーム制御基板301は、本モンスター合体装置30に設けられた図6に示すディスプレイ31、操作ボタン32及び決定ボタン33、メダル投入口34を介して投入されたメダルを検出する図示しないメダル投入センサや、磁気カード挿入ロ35内の磁気カード9を駆動するための図示しない磁気カード駆動装置等の各部にも、それぞれ接続されている。
上記モンスター合体装置30において、プレイヤーは、自分の所持する磁気カード9に記録された複数の味方モンスターを合体させる場合、まず、その磁気カード9を、モンスター合体装置20の磁気カード挿入ロ35に挿入する。これにより、ゲーム制御基板301は、図19に示す画面と同様に、「味方モンスターを合体させますか?」というコメントをディスプレイ31に表示させる。このコメントに従って、プレイヤーは、操作ボタン32でカーソルを移動させ、コメントの下の「はい」ボタンに合わせて決定ボタン33を押すと、そのボタン操作がゲーム制御基板301に送られる。これにより、ゲーム制御基板301は、ゲーム要素読出手段としての磁気情報読取装置304により、磁気カード9から全ての味方モンスターの種類を示すモンスター名データを読み出す。
その後、ゲーム制御基板301は、読み出したモンスター名データに基づき、ROM305に記録されたモンスターデータベースから対応する全てのモンスターデータを読み出し、これらをRAM303に一時的に保存する。そして、ゲーム制御基板301は、ディスプレイ31に、RAM303に記録された全てのモンスターデータの画像を表示された図示しない合体モンスター選択画面を表示する。この合体モンスター選択画面を見て、プレイヤーは、操作ボタン32及び決定ボタン33を操作して、合体させる味方モンスターを2体以上選択する。この操作内容を受けたゲーム制御基板301は、ゲーム要素選択手段として機能する。そして、選択されたモンスターに対応するモンスターデータを、上記モンスターデータベースの中からそれぞれ特定し、換算値読出手段として機能して、これらモンスターデータの換算値データを読み出す。
このようにして読み出された換算値データは、上述と同様に、加算して合計値を算出し、その合計値を期待値とする抽選を行って、合体後のモンスターの換算値が決定する。このようにして、合体後のモンスターの換算値が決定されたら、ゲーム制御基板301は、ゲーム要素生成手段として機能し、上記と同様にして、ROM305に格納されたモンスターデータベースの中から、その決定された換算値データを特定し、その換算値データに対応したモンスターデータを読み出す。そして、ゲーム制御基板301は、ゲーム要素置換手段、利用不可能処理手段及び新規ゲーム要素記録手段としての磁気情報読取書込装置304により、磁気カード9に記録されている合体前のモンスター名データを消去するとともに、合体後のモンスター名データを書き込む。
このようにモンスター合体装置30を利用して磁気カード9内の味方モンスターを合体させた場合、プレイヤーは、その磁気カード9を用いて上記メダルゲーム機でのゲームを再開したとき、合体前のモンスターに係るモンスターカードは消失し、その代わりに合体後のモンスターに係るモンスターカードを所持することになる。すなわち、プレイヤーは、合体前のモンスターを、上記メダルゲーム機でのゲームで使用することができなくなる代わりに、合体後のモンスターを使用することができるようになる。また、モンスター合体装置30を利用してモンスターを合体させても、メダルゲーム機でのゲーム中にモンスターを合体させる場合と同様に、そのメダルゲーム機におけるメダル払出率の変化は少なく、メダル払出率を容易に管理することができ、店舗の収益を安定して確保することができる。
尚、参考例では、メダルゲーム機とモンスター合体装置30とを別個独立して設け、モンスター合体装置30を利用してメダルゲーム機で利用される磁気カード9内に記録されている味方モンスターを新規な味方モンスターに置換する構成について説明したが、この構成の代わりに、例えば、メダルゲーム機とモンスター合体装置30とを、LAN(ローカルエリアネットワーク)等の通信回線を通じてデータ通信可能に接続し、メダルゲーム機のゲーム要素記録媒体としてのデータベース用ROM23に記録されているプレイヤーの味方モンスターを新規な味方モンスターに置換する構成とすることもできる。この場合、例えば、磁気カード9にはプレイヤーIDを記録しておき、そのプレイヤーIDに対応するゲーム状態データに含まれるモンスター名データを、中央制御装置20のデータベース用ROM23に記録しておく。尚、この場合には、磁気カード9からプレイヤーIDを読み取り、そのプレイヤーIDに対応するゲーム状態データを、中央制御装置20からゲームユニット1のRAM16にダウンロードすることで、ゲームを再開することができる。
この構成において、プレイヤーは、自分の複数の味方モンスターを合体させる場合、まず、磁気カード9をモンスター合体装置20の磁気カード挿入ロ35に挿入する。これにより、ゲーム制御基板301は、磁気情報読取装置304により磁気カード9からプレイヤーIDを読み出し、そのプレイヤーIDに基づき、通信回線を介して、メダルゲーム機のデータベース用ROM23の中から、そのプレイヤーのゲーム状態データを特定する。そして、そのプレイヤーのゲーム状態データに含まれる全ての味方モンスターの種類を示すモンスター名データを、通信回線を通じて読み出す。その後、上述した構成の場合と同様にして、換算値決定手段としてのゲーム制御基板301により、合体後のモンスターの換算値を決定したら、ROM305に格納されたモンスターデータベースの中から、その換算値データに対応したモンスターデータを読み出す。そして、ゲーム制御基板301は、ゲーム要素置換手段としての機能し、通信回線を通じて、メダルゲーム機のデータベース用ROM23に記録されているプレイヤーのゲーム状態データのうち、合体前のモンスター名データを消去するとともに、合体後のモンスター名データを書き込む。
以上、参考例によれば、プレイヤーがメダルゲーム機でゲームしているとき、召喚した味方モンスターを合体させて新たな味方モンスターを得ることができ、しかも、その置換前と置換後において、そのメダルゲーム機のメダル払出率をほぼ一定にすることができる。よって、メダルゲーム機が設置される店舗の安定した収益を確保することができる。また、モンスター合体装置30を利用することで、メダルゲーム機のプレイヤーは、そのメダルゲーム機でのゲームを終えてからも、自分の味方モンスターを合体させて新たな味方モンスターを得ることができる。この場合であっても、そのメダルゲーム機のメダル払出率をほぼ一定にすることができ、メダルゲーム機が設置される店舗の安定した収益を確保することができる。
尚、参考例では、2体の味方モンスターを合体させて1体の味方モンスターにする場合について説明したが、同様にして、3体以上の味方モンスターを合体させて1体の味方モンスターにすることもできる。また、2体以上の味方モンスターを合体させて、2体以上の味方モンスターにすることも可能である。この場合にも、合体前のモンスターの換算値の合計と、合体後のモンスターの換算値の合計とが等しくなるようにすれば、店舗の収益を安定して確保することができる。
また、参考例では、味方モンスターを合体させる場合について説明したが、ダンジョンに登場するゲーム要素としての複数の敵モンスターが合体するようにしてもよい。この場合、例えば、ゲーム画面上に複数体隣り合って位置したときに抽選を行い、その抽選に当選したときに所定の選択条件が満たされ、メイン基板10は、上述と同様にして、その複数体の敵モンスターの合体処理を実行する。
また、参考例では、味方モンスターを合体させる場合について説明したが、プレイヤーが使用可能なゲーム要素としての魔法カードが合体するようにしてもよい。この場合、魔法カードデータベースに登録されているカード売却収入データやカード購入費用データを、その魔法カードの換算値データとして利用することができる。魔法カードも、購入したり売却したりすることで、プレイヤーのクレジットの増減に関与するし、また、使用されることで、味方モンスターの場合と同様に、プレイヤーのクレジットの増減に関与することになる。よって、魔法カードを合体させる場合にも、店舗の収益を安定して確保するため、上述のように、合体前の魔法カードの換算値データの合計値を期待値として抽選を行うなどする必要がある。また、味方モンスターと魔法カードが合体して新たな味方モンスターとするようにしてもよい。この場合、合体後の味方モンスターは、合体後の味方モンスターの能力に、魔法カードの効果に関する能力が追加されるように、合体前の味方モンスター及び魔法カードと合体後の味方モンスターとの間に関連性があるようにするのが望ましい。例えば、味方モンスターと火炎攻撃用の魔法カードが合体したときには、その合体後の味方モンスターの火炎攻撃の能力値が高まるようにする。
また、参考例では、複数のモンスターを合体させるときには、その合体前のモンスターの換算値データのみに基づいて、合体後のモンスターの換算値を決定する場合について説明したが、複数のモンスターを合体させるときに、プレイヤーがメダルを支払う構成としてもよい。このとき、例えば、プレイヤーが支払ったメダル分を合体前のモンスターの換算値データの合計値に加算して、その加算後の値を、合体後のモンスターの換算値を決定する抽選の期待値とするようにしてもよい。このような構成とすることで、プレイヤーは、自分のメダルを費やすことで、より強い味方モンスターを獲得しやすくなり、ゲーム性も向上させることができる。
また、参考例では、実質的には、各ゲームユニット1が独立したゲームを展開する構成について説明したが、各ゲームユニット1を結ぶ中央制御装置20で全体のゲーム進行を行い、各ゲームユニット1のプレイヤーが、同一のゲームに参加する構成としてもよい。この場合、各プレイヤーが操作する主人公が互いに協力しながらダンジョンの脱出を目指す設定にしてもよいし、各プレイヤーが操作する主人公が互いに敵同士となる対戦ゲームのように設定してもよい。このとき、各ゲームユニット1は、同一店舗内にある必要はなく、複数の店舗間にまたがってネットワークを介して接続されるように構成してもよい。これによれば、より多くのユーザーによる大規模なゲームを実現することができる。
〔実施形態〕
次に、本発明を、育成型競馬シュミレーションゲームを実行するメダルゲーム機と、このメダルゲーム機で利用される後述の可搬型のゲーム要素記録媒体としての磁気カードに記録された複数のゲーム要素である持ち馬に基づいて新規な新馬(ゲーム要素)を生成する情報合成装置を備えるゲーム装置としてのカード合成装置とを備えるゲームシステムに適用した実施形態について説明する。本実施形態に係るゲームシステムにおいては、ゲームセンタ等に設置されたメダルゲーム機と、そのゲームセンタ等に設置されたカード合成装置とが、互いに独立した状態で設置されている。これらメダルゲーム機とカード合成装置は、後述の磁気カードを通じて、互いにゲーム要素を利用できる構成となっている。
図22は、本実施形態におけるメダルゲーム機401の一例を示す外観図である。このメダルゲーム機401は、中央部分に設けられたフィールド402と、このフィールド402を取り囲むように設けられた複数のステーション410とを備えている。フィールド402には、出馬ゲート403を備える競馬場の馬場404が設けられ、この馬場404内で複数の図示しない模型馬が走行することでレースが展開される。また、このフィールド402の周囲には、レースの実況や歓声等を流す複数のスピーカー405が配置されている。また、フィールド402の上方には、ゲーム名称等を表示するための表示部406やフィールド402を照明する照明装置407が配置されている。これら表示部406及び照明装置407は、支持柱408により支持されている。
上記ステーション410には、ゲームの進行に応じたゲーム画面を表示するディスプレイ411と、このディスプレイ411の表示面に重ね合わされたタッチパネル412とが設けられている。プレイヤーがゲーム画面の指示に従いディスプレイ411に表示されたゲーム画面の所定位置に触ると、タッチパネル412によりその位置が検出され、メダルゲーム機401においてプレイヤーの操作内容が認識される。また、ステーション410には、プレイヤーにより対価として支払われるゲーム価値であるメダルが投入されるゲーム価値受取手段及び対価受取手段としてのメダル投入口13、プレイヤーに対してメダルが払い出されるゲーム価値払出手段としてのメダル払出ロ14およびゲーム要素を記録し持ち運び可能な可搬型のゲーム要素記録媒体としての磁気カード409を挿入するための磁気カード差込ロ15が設けられている。
上記メダルゲーム機401においては、所定のサイクルに従って実際の中央競馬と同一名称のレースが順次開催される。1年分のレースとして約60のレースが用意されており、レースごとに、メダルをベットのための時間すなわち馬券を購入するための時間、模型馬によりレースが行われる時間、レース結果を表示するための時間が確保される。プレイヤーは、レースごとに着順を予想し、自由に馬券を購入することができる。この馬券の購入は、メダルをベットすることにより行い、購入した馬券がレースの結果と一致していれば、メダルのベット数とオッズに応じた枚数のメダルが配当として払い出される。
また、上記メダルゲーム機401では、プレイヤーが馬主としてゲームに参加することができる。ここでは、プレイヤーは、複数用意された競争馬の中から好きな馬を選択し、その馬を所定枚数のメダルを支払って購入することができる。購入した馬の名前は、予めメダルゲーム機本体内に記録された中から選択した名前と、プレイヤーの入力したプレイヤー名(例えばプレイヤーの氏名)とを組み合わせることにより作成される。そして、プレイヤーは、購入した馬のパラメータ情報である能力値を高めるべく調教を行い、そのプレイヤーに対応するゲーム要素である馬を育成することができる。すなわち、プレイヤーが調教処理を行うことで、自分の持ち馬の能力値が変動する。また、育成した馬を自分の希望するレースに出馬させることができる。尚、このメダルゲーム機401では、プレイヤーが馬主としてゲームに参加する場合のゲームの継続性を確保するため、プレイヤーに配布される磁気カード409を用いることで、別の日にゲームの続きを再開することができる。
図23は、上記メダルゲーム機401の動作を統合的に制御するためのメイン制御部を示す制御ブロック図であり、図24は、上記ステーション410ごとに設けられたゲーム進行手段としてのステーション制御部を示す制御ブロック図である。
図23に示すように、フィールド402側に配置されるメイン制御部500は、メイン制御装置501と、フィールド402における模型馬の走行等を制御するためのフィールド制御装置502と、上記照明装置407を制御する照明制御装置503と、上記スピーカー405で流す歓声や実況等を制御する音響制御装置504と、プレイヤーごとの各種データを記録するためのSRAM505およびフラッシュメモリ506と、ゲームに必要なプログラムおよび各種データベースが格納されたROM507とを備える。上記メイン制御装置501は、フィールド制御部502、照明装置503、音響装置504、SRAM505、フラッシュメモり506およびROM507に、それぞれ接続されている。ROM507には、プレイヤーにより選択される予め多種類用意された馬名データとその音声データ、各馬に関する各種データ、レースの日程等のデータベースが格納されている。
図24に示すように、各ステーション410に設けられているステーション制御部600は、ステーション制御装置601と、メダルの払い出し等を管理するメダル管理装置602と、プレイヤーの各種データを一時的に記録するRAM603と、磁気カード差込口15に差し込まれた磁気カード409の磁気情報を読み取る磁気情報読取装置604と、磁気カード409にIDコード等の各種ゲーム関連情報を書き込むための磁気情報書込装置605とを備える。上記ステーション制御装置601は、メダル管理装置602、RAM603、磁気情報読取装置604及び磁気情報書込装置605に、それぞれ接続されている。また、このステーション制御装置601は、ステーション410に設けられた図22に示すディスプレイ411及びタッチパネル412、メダル投入口14を介して投入されたメダルを検出する図示しないメダル投入センサや、磁気カード差込口15に差し込まれた磁気カード409を駆動するための図示しない磁気カード駆動装置等の各部にも、それぞれ接続されている。
また、図23及び図24に示すように、各ステーション410側のステーション制御装置601は、フィールド402側のメイン制御装置501に接続されており、これらの間で必要な交信が可能となっている。
図25(a)は、プレイヤーごとに記録、管理されるゲーム関連情報としてのプレイヤーデータのデータ構造を示す説明図である。このプレイヤーデータは、プレイヤーごとに割当てられるIDコード、そのプレイヤーに関する個人情報、そのプレイヤーの持ち馬の能力値データを含む持ち馬に関する持ち馬情報、そのプレイヤーが最後にゲームを行った日を特定するための最終プレイ日情報、データの更新を記録する書換情報、磁気カード409の改窒防止等を目的とするチェックコード等が含まれている。また、このプレイヤーデータには、ゲームの状態や履歴の情報や、ゲーム進行に関係のない画面のレイアウト情報等も含まれている。上記IDコードは、1人のプレイヤーに対して1つだけ割当てられる番号であり、他のプレイヤーデータとIDが重複しないように設定される。尚、上記個人情報、上記持ち馬情報のうち能力値に関する部分(パラメータ情報)及び上記最終プレイ日情報は、中断されたゲームの継続性を確保するためのゲーム履歴として用いられる。また、磁気カードに記録される情報以外のプレイヤーデータは、図23に示すSRAM505又はフラッシュメモリ506に保存される。
上記個人情報には、プレイヤー名、総プレイ回数などのプレイヤー個人に関する情報が含まれている。この個人情報は、プレイヤー名を持ち馬の冠名として用いるようにゲーム内容に反映されるデータとして使用されるほか、顧客管理データとしても利用される。上記持ち馬情報には、持ち馬の名前を特定するための馬名コード、成長の仕方の特徴を示す成長力ーブを特定される馬タイプ情報、性別、年齢、出走回数、スピード、スピード最大値、スタミナ、スタミナ最大値、コンディション、獲得賞金累積額、過去のレースごとの戦績(例えば1着、2着あるいは着外)等が含まれている。このうち、馬タイプ情報、性別、年齢、スピード、スピード最大値、スタミナ及びスタミナ最大値等の能力値データは、磁気カード409に記録される。ここで、スピード最大値及びスタミナ最大値は、調教により育成されることで高められるスピード及びスタミナの最大値であり、各馬はこれら最大値以上にスピード及びスタミナを高めることはできない。このように、スピードがスピード最大値に達している馬を調教しても、その馬のスピード値を上げることができないので、その調教に費やしたメダルは無駄になる。そこで。例えば、その調教に費やしたメダル数をプールしておき、そのプールされたメダル数が所定値に達したら、突然変異馬が登場するようなイベントを設けてもよい。馬名コード(ゲーム要素特定情報)は、上記ROM507に格納された馬データのデータベース内の各馬名データと関連付けられており、この馬名コードに基づき、馬名データを読み出してゲームに使用する。
図25(b)は、プレイヤーがプレイを中断するときに、磁気カード409に書き込まれる書込データのデータ構造を示す説明図である。この書込データには、上記プレイヤーデータの中の一部が記録される。具体的には、上記IDコード、上記チェックコード及び上記持ち馬情報の一部と、ゲーム進行に関係のない画面のレイアウト情報等が記録される。尚、本実施形態では、1体の持ち馬につき、1枚の磁気カードが必要とされ、複数の持ち馬を使用してゲームを行うプレイヤーは、その数に応じた磁気カードを所持することになる。
プレイヤーは、ゲームを再開しようとする場合、任意のステーション410で上記磁気カード409を挿入する。これにより、その磁気カード409に記録されたチェックコードを読み込んで、これに書き込まれている情報が正常なものであるか否かを判断した後、その磁気カード409に記録されたIDコードを読み込む。そして、その磁気カード409に記録された持ち馬情報と、そのIDコードに対応する残りのプレイヤーデータを、図23に示すSRAM505又はフラッシュメモリ506から読み出す。このようにして読み出されたプレイヤーデータは、上記ステーション410における図24に示したRAM603に読み込まれ、所定の処理に利用される。これにより、プレイヤーは、磁気カード409を用いることで、何時でもゲームの続きを再開することができ、自分が育成したゲーム要素である馬を継続的に使用してゲームを楽しむことができる。
図26は、上記カード合成装置420の一例を示す外観図である。このカード合成装置420は、磁気カード409の内容を合成するゲームのゲーム画面を表示する表示手段としてのディスプレイ421、ゲーム画面の指示に従ってプレイヤーが操作するための操作手段としての4つの操作ボタン422及び決定ボタン423を備えている。また、このカード合成装置420には、プレイヤーにより対価として支払われるゲーム価値であるメダルが投入されるゲーム価値受取手段及び対価受取手段としてのメダル投入口424、上記磁気カード409を挿入するための記録媒体受取手段としての2つの磁気カード挿入ロ425a,425b、新規なゲーム要素を記録した可搬型のゲーム要素記録媒体としての磁気カード429を排出するための記録媒体引渡手段としての磁気カード排出ロ426等が設けられている。
上記カード合成装置420では、上記メダルゲーム機401における持ち馬情報(ゲーム要素)を記録した磁気カード409を、2つの磁気カード挿入ロ425a,425bにそれぞれ1枚ずつ挿入し、かつ、所定枚数のメダルをメダル投入口424に投入することで、プレイヤーは、新しい持ち馬情報(ゲーム要素)が記録された新規な磁気カード429を得ることができる。
図27は、上記カード合成装置420の動作を制御するためのゲーム制御部を示す制御ブロック図である。このゲーム制御部700は、ゲーム制御基板701と、メダルの受取り等を管理するメダル管理装置702と、各種データを一時的に記録するRAM703と、磁気カード挿入ロ425a,425bに挿入された磁気カード409の磁気情報を読み取るゲーム要素読出手段としての磁気情報読取装置704と、新規な磁気カード429に新しい持ち馬情報を新規に書き込むための新規ゲーム要素記録手段としての磁気情報書込装置705とを備える。ゲーム制御基板701は、メダル管理装置702、RAM703、磁気情報読取装置704及び磁気情報書込装置705に、それぞれ接続されている。また、このゲーム制御基板701は、本カード合成装置420に設けられた図26に示すディスプレイ421、操作ボタン422及び決定ボタン423、メダル投入口424を介して投入されたメダルを検出する図示しないメダル投入センサや、磁気カード挿入ロ425a,425b及び磁気カード排出口426内の磁気カード409,429を駆動するための図示しない磁気カード駆動装置等の各部にも、それぞれ接続されている。
次に、本実施形態に係るゲームシステムにおけるゲームの流れについて説明する。尚、ここでは、1人のプレイヤーが使用していた複数の持ち馬から新馬を作る場合について説明する。
図28は、本ゲームシステムにおけるゲームの流れを示す説明図である。
(ステップ1)
プレイヤーは、まず、上記メダルゲーム機401でゲームを行い、自分の持ち馬を複数調教して育成する。このとき、プレイヤーは、磁気カード409を利用することで、継続的かつ長期的に、持ち馬を育成することができる。そして、プレイヤーは、自分の育成した馬をレースに出走させるなどして、上記メダルゲーム機401でのゲームを楽しむことになる。メダルゲーム機401でのゲームで育成した持ち馬は、ゲーム内での時間変化に伴って年齢が高くなり、馬主であるプレイヤーの指示により引退させることができる。プレイヤーは、引退させた馬のうち、牝馬と牡馬の持ち馬情報(ゲーム要素)をそれぞれ記録した2枚の磁気カード409を所持し、これら磁気カードを、カード合成装置420の磁気カード挿入ロ425a,425bにそれぞれ挿入する。
(ステップ2)
カード合成装置420は、2枚の磁気カード409にそれぞれ記録された牝馬と牡馬の持ち馬情報から新馬の持ち馬情報を生成する。すなわち、本実施形態におけるゲームシステムでは、上記メダルゲーム機401で育成した持ち馬のうちの牝馬と牡馬とを配合して、その血統を受け継ぐプレイヤー独自の新馬を得ることができる。
図29は、カード合成装置420によるカード合成処理の流れを示すフローチャートである。カード合成装置420は、牝馬と牡馬の持ち馬情報をそれぞれ記録した2枚の磁気カード409を磁気カード挿入ロ425a,425bから受け取ると、まず、磁気情報読取装置704により、これら磁気カード409に記録されたチェックコードを読み込んで、これに書き込まれている情報が正常なものであるか否かを判断する(S31)。ここで、正常でないと判断されたら、その磁気カード409を磁気カード挿入ロ425a,425bから排出し、ディスプレイ421に警告メッセージを表示させる(S32)。一方、正常であると判断されたら、カード合成処理に必要となるメダル枚数を支払うように促す画面をディスプレイ421に表示させ、プレイヤーに所定枚数のメダルをメダル投入口424から投入させる。所定枚数のメダル投入があったら(S33)、磁気情報読取装置704により、各磁気カード409からそれぞれの持ち馬情報を読み出す(S34)。ここで読み出される持ち馬情報は、具体的には、各持ち馬の馬タイプ情報、性別、年齢、スピード最大値及びスタミナ最大値等の能力値データである。読み出された各持ち馬情報は、ゲーム制御基板701に送られ、RAM703に一時的に保存される。
次に、ゲーム制御基板701は、読み出した持ち馬情報のうちの性別データに基づき、各磁気カード409の持ち馬情報が牝馬と牡馬の組合せであるか否かを判断する(S35)。ここで、牝馬と牡馬の組合せでないと判断された場合、これら磁気カード409を磁気カード挿入ロ425a,425bから排出し、ディスプレイ421に警告メッセージを表示させる(S32)。一方、牝馬と牡馬の組合せであると判断された場合には、ゲーム要素生成手段としてのゲーム制御基板701は、読み出した各持ち馬情報のうち、それぞれの馬タイプ情報、スピード及びスタミナ等の能力値データに基づいて、新馬の持ち馬情報を生成する新馬生成処理を行う(S36)。
この新馬生成処理では、新馬の父と母となる馬の持ち馬情報がもつ特徴を反映した持ち馬情報が生成される。具体的な例を挙げると、父と母となる馬が同じ馬タイプ情報をもつものである場合には、この新馬生成処理で生成される持ち馬情報の馬タイプ情報は、その馬タイプ情報に設定する。また、父と母となる馬が相反する馬タイプ情報をもつものである場合には、例えば、乱数による抽選等により決定した馬タイプ情報を、新馬生成処理で生成される持ち馬情報の馬タイプ情報として設定する。また、本実施形態では、新馬生成処理で生成される持ち馬情報のうち、スピード最大値及びスタミナ最大値等の能力値データは、乱数による抽選等により決定した値を、父と母となる馬のうち値が大きい方のスピード最大値及びスタミナ最大値に加算又は減算して得る。例えば、乱数による抽選等により「+1」、「0」、「−1」の何れかの値を決定し、その決定した値を、父と母となる馬のうち値が大きい方のスピード最大値及びスタミナ最大値に加算して得た値を、新馬のスピード最大値及びスタミナ最大値とする。このように、もとの磁気カード409に記録された各持ち馬情報がもつ特徴を反映して新しい持ち馬情報を生成することで、プレイヤーがメダルゲーム機401で育成した父と母となる馬の血統を引き継いだ新馬を生成することができる。また、新しい持ち馬情報に含まれる年齢はゼロに設定される。
尚、本実施形態では、持ち馬情報のみを用いて新しい持ち馬情報を生成する場合について説明したが、この他のあらゆる情報に基づいて新しい持ち馬情報を生成することが可能である。例えば、上述したプレイヤーデータに含まれる個人情報の総プレイ回数なども考慮すれば、更にプレイヤーの特徴を生かした持ち馬情報を生成することが可能となる。このとき、例えば、プレイヤーの総プレイ回数が多くなるにつれて、生成するスピード等の初期値を高い値に設定するようにすれば、常連のプレイヤーが有利になるような仕組みとすることもできる。尚、上記の場合には、上記メダルゲーム機401において、磁気カード409に総プレイ回数を記録しておく必要がある。
このようにして新馬生成処理により、新しい持ち馬情報を生成したら、その持ち馬情報は、磁気情報書込装置705により新しい磁気カード429に記録される(S37)。また、新しく生成した持ち馬情報に基づいて生成したチェックコード、初期状態の画面レイアウト等のその他の情報、プレイヤーから受け取った磁気カード409のうちのいずれか一方のIDコードも新しい磁気カード429に記録される。
尚、ここでは、1人のプレイヤーが所持する複数の磁気カード409にそれぞれ記録された各持ち馬情報等から、新しい持ち馬情報を生成する場合について説明したが、2人のプレイヤーがそれぞれ所持する磁気カード409にそれぞれ記録された各持ち馬情報等から、新しい持ち馬情報を生成することも可能である。この場合、上記S37において、新しい磁気カード429に情報を記録する前に、どちらのIDコードを書き込むかをプレイヤーに選択させるようにする。また、各プレイヤーのIDコードをそれぞれ記録した新しい2枚の磁気カード429をプレイヤーに引き渡すようにしてもよい。
(ステップ3)
このようにして、新しい持ち馬情報等を新規な磁気カード429に記録したら、その磁気カード429は、磁気カード排出ロ426から排出される。これにより、プレイヤーは、メダルゲーム機401でのゲームで育成した持ち馬の子となる新馬の持ち馬情報が記録された新しい磁気カード429を手にすることができる。また、プレイヤーから受け取った元の磁気カード409も、2つの磁気カード挿入ロ425a,425bから排出され、プレイヤーに返却される。
(ステップ4)
新馬の持ち馬情報が記録された新しい磁気カード429を取得したプレイヤーは、その磁気カード429を、上記メダルゲーム機401の磁気カード差込ロ15に挿入する。これにより、メダルゲーム機401では、その磁気カード429に記録されたIDコードを読み込み、その磁気カード429に記録された持ち馬情報と、そのIDコードに対応する残りのプレイヤーデータを、図3に示すSRAM505又はフラッシュメモリ506から読み出し、ステーション410のRAM603に読み込まれる。これにより、プレイヤーは、上記カード合成装置420により生成した新馬をゲームに使用することができるようになり、その新馬の育成やその新馬のレースなどを楽しむことができる。
以上、本実施形態によれば、上記カード合成装置420を利用することで、プレイヤーがメダルゲーム機401で育成した持ち馬の持ち馬情報等をそれぞれ記録した2枚の磁気カード409から、これら持ち馬の血統を受け継ぐ新馬の持ち馬情報等を記録した磁気カード429を取得することができる。そして、プレイヤーは、取得した磁気カード429をメダルゲーム機401に利用することで、その新馬をメダルゲーム機401でのゲームで使用することができる。
尚、本実施形態では、1枚の磁気カード409に1つの持ち馬情報しか記録できない構成であったが、1枚の磁気カード409に複数の持ち馬情報を記録できる構成としてもよい。この場合、1枚の磁気カード409に記録された複数の持ち馬情報に基づいて、上記同様に新馬の持ち馬情報を生成することもできる。また、本実施形態では、生成した新しい持ち馬情報を新しい磁気カード429に記録して、これをプレイヤーに引き渡す構成であったが、生成した新しい持ち馬情報を、プレイヤーから受け取った元の磁気カード409に追加して書き込むようにしてもよい。
また、本実施形態では、生成した新しい持ち馬情報を記録した新しい磁気カード429をプレイヤーに引き渡すとともに、プレイヤーから受け取った元の磁気カード409もプレイヤーに返却する構成としている。しかし、この場合、プレイヤーは、メダルを支払えば、同じ磁気カード409から何度も新しい持ち馬情報を記録した新しい磁気カード429を得ることができるため、カード合成装置420によるゲーム性が低くなってしまうおそれがある。よって、プレイヤーから受け取った元の磁気カード409は、プレイヤーに返却しないで回収するように構成してもよい。この場合、磁気カード挿入ロ425a,425bに挿入された磁気カード409をカード合成装置420の内部に回収するための利用不可能処理手段としての記録媒体回収手段としてのカード回収装置を設ける必要がある。このカード回収装置は、磁気カード409を収容する収容箱、磁気カード挿入ロ425a,425bに挿入された磁気カード409をその収容スペースに搬送するための搬送機構などで構成されるものを利用することができる。また、カード合成装置420に、利用不可能処理手段としての磁気情報消去装置を設け、プレイヤーから受け取った元の磁気カード409内の情報を消去した後、プレイヤーに返却するようにしてもよい。
尚、本実施形態では、競馬シュミレーションゲームを例に挙げて説明したが、本実施形態のようなプレイヤーが育成した複数のキャラクタから新しいキャラクタを生成する構成は、上記参考例の構成に適用することも可能である。例えば、上記参考例における磁気カード9にプレイヤーが召還できる味方モンスターの能力データ等を磁気カードに記録しておけば、上述したカード合成装置420と同様の装置により、複数の味方モンスターから、新たな能力をもつ味方モンスターを得ることができる。尚、この場合、ゲームの趣旨から、合体前のモンスターは利用できないようにするのが望ましい。
また、上記参考例では、主人公がダンジョンを冒険するロールプレイングゲームについて説明し、本実施形態では、育成型競馬シュミレーションゲームについて説明したが、本発明は、その他種々のゲームに適用することができる。例えば、プレイヤーが操作対象である戦闘機を操作し、敵の戦闘機を撃墜しながら敵の基地の占拠を目指してプレイするようなシューティングゲームなどにも適用することができる。