JP4813391B2 - 分岐コネクタ - Google Patents
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特許文献1で提供されたコネクタ1は、図10(A)(B)に示すように、バスバー3のジョイント部の端部に抵抗やコンデンサ等の電子部品からなる終端抵抗回路2を設けており、該バスバー3をハウジング4とカバー5からなるコネクタハウジング6内に収容している。
前記のように、通信回路の分岐点に終端抵抗回路を設けて波形整形回路を構成しているため、分岐点における信号の反射を減衰することができる。
また、絶縁樹脂材料からなるコネクタハウジングの射出成形時に終端抵抗回路およびバスバーをインサート成形する場合もあるが、電子部品が樹脂圧で剥がれることがありコネクタの生産性が低下するという問題もある。
コネクタハウジング内に、
幹線接続用の端子部が突設されたジョイント部を備えたバスバーと、
前記バスバーのジョイント部と対向して配置される支線接続用の複数の端子材と、
前記各支線接続用の端子材と前記バスバーのジョイント部との間に介設させて、前記支線接続用の端子材とジョイント部とを導通する加圧導電ゴムシートまたは異方性導電シートから形成された抵抗材と、
が収容されていることを特徴とする分岐コネクタを提供している。
このように、幹線と接続したバスバーのジョイント部に沿って前記シートからなる抵抗材を配置するだけでよく、バスバーのジョイント部と各支線接続用の端子材との間に抵抗やコンデンサ等の電子部品を取り付ける必要がなく、分岐コネクタの組み立て作業性および生産性の向上を図ることができる。また、前記電子部品からなる抵抗材を用いないため、分岐コネクタの高温化による抵抗材への影響も少なくなる。
前記6%以上であれば、抵抗材をフィルタ回路として機能させて、通信回路の分岐部における信号の反射を減衰させることができる。一方、50%を越えると受信側の電圧低下を招き通信エラーとなる。
前記加圧導電ゴムシートは支線接続用端子が接触してバスバーのジョイント部との間で加圧された部分が導通され、支線接続用端子が接触していない部分は導通されないため、支線接続用端子間は該加圧導電ゴムシートを介して導通されない。また、異方性導電シートは支線接続用端子とバスバーのジョイント部の対向方向のみ導通するため、支線接続用端子間は該異方性導電シートを介して導通されない。
即ち、1枚の連続したシートでありながら、ジョイント部と各支線接続用端子との間に個別に抵抗を介在させた状態と同様に作用させることができる。
このように、1枚の加圧導電ゴムシートまたは異方性導電シートをバスバーのジョイント面に貼り付けるように配置するだけでよいため、従来の支線接続用端子とジョイント部との間に個別に抵抗やコンデンサからなる電子部品と取り付ける場合と比較して部品点数の削減、取付工数の大幅な低減を図って生産性を高めることができる。
前記切断は、支線接続用の端子材を支持枠部に貫通固定した後に行うことが好ましい。
また、屈曲部の中空に前記抵抗材を狭持することにより、バスバーのジョイント部への抵抗材の固定を簡単且つ安定して行うことができる。
かつ、ジョイント部と連続する屈曲部は切断するため、バスバーのジョイント部を抵抗材を介して支線接続用の端子材と導通させることができ、抵抗材をフィルタ回路として機能させることができる。
前記構成によれば、分岐コネクタのコネクタハウジング内に、前記バスバーのジョイント部と接触させておく別体の支線接続用端子材を設ける必要がなくなり、分岐コネクタの構成をより簡単なものとすることができる。
このように、加圧導電ゴムシートは加圧力に応じて抵抗値が変化する特性を備えているため、例えば、加圧導電ゴムシートをバスバーに貼り付け、該バスバーをコネクタカバーの内面に固定している場合、コネクタハウジングに対するコネクタカバーの係止固定時の圧力を変えることによって、支線接続用の端子材と加圧導電ゴムシートとの接触圧を調節できる。さらに、支線接続用の端子材のジョイント部側への突出量を変えることによっても接触圧を変化させて、所望の抵抗値を得ることができる。
さらに、加圧導電ゴムシートの厚みを変化させると、コネクタハウジングとカバーの係止固定の圧力が一定の場合には、支線接続用の端子材と加圧導電ゴムシートとの接触圧が変化するため、所望の抵抗値を得ることができる。
また、通信回路の幹線から支線の接続分岐位置に抵抗からなるフィルタ回路を前記加圧導電ゴムシートまたは異方性導電シートからなる抵抗材を介在させることで容易に実現でき、該フィルタ回路により分岐部で生じる信号の反射を早期に減衰させることができる。
図1乃至図6は本発明の第1実施形態を示し、分岐コネクタ10はCAN通信(差動伝送方式)を行う車載LAN100において、幹線101から複数本の支線102が分岐する分岐部103を形成するものである。
バスバー30(30A、30B)は、図5(A)に示すように、長尺帯状のジョイント部30aと、該ジョイント部30aの長さ方向の端部から幹線接続用の端子部30bを突出した形状としている。該バスバー30は導電性金属板を打ち抜き加工後に、幹線接続用の端子部30bを折り曲げて形成したものである。
前記バスバー30のジョイント部30aをコネクタカバー40の内面に沿って取り付け、その一端から幹線接続用の端子部30bを突出させている。
該端子材20の先端接触部とジョイント部30aに挟まれた部分に加えられる加圧導電ゴムシート41への圧力は、該加圧導電ゴムシート41をバスバー30を介して取り付けているコネクタカバー40をコネクタハウジング11へ組みつける際の係止圧力と端子材20の加圧導電ゴムシート41側への突出量で調節している。このように端子材20の接触部における加圧導電ゴムシート41への圧力を調節することにより、加圧導電ゴムシート41に所要の抵抗値を有する導通を発生させ、抵抗材として機能させ、信号の反射を抑制するフィルタ回路を形成している。
左右方向Xの中央2列の該端子貫通穴13aには、平角棒状の支線接続用の端子材20を圧入し、コネクタハウジング11の背面側の他側の端部より端子材20の端部が突出するように固定している。なお、端子材20は支持枠部11bとモールド成形してもよい。
また、図3に示すように、左右方向Xの両端の端子貫通穴13aには、コネクタカバー40と一体成形した前記バスバー30A、30Bの幹線接続用の端子部30bが貫通している。
さらに、コネクタハウジング11の左右方向Xの側面には、コネクタカバー40と係止するための弾性状の係止突起11aを設けている。
前記コネクタカバー40をコネクタハウジング11に取り付ける際には、仕切壁13とカバー40との間に空間を設けて該空間を収容部12としている。
コネクタカバー40に取り付けた加圧導電ゴムシート41は、閉鎖板部40bの内側表面のバスバー30のジョイント部30a全面と接触していると共に、コネクタカバー40とコネクタハウジング11を係止固定した際に、接触点41bで支線接続用の端子材20の先端に所定の接触圧で接触する。
各コネクタ50は、上下各1個の端子収容室52(52A、52B)をコネクタハウジング11に設け、上段の端子収容室52Aにはツイストペア電線60の第1通信線61(CAN_H)の端末に接続したメス端子63Aが挿入係止されている一方、下段の端子収容室52Bにはツイストペア電線60の第2通信線62(CAN_L)の端末に接続したメス端子63Bが挿入係止されている。
前記コネクタハウジング11の上面には弾性係止片53を設け、該弾性係止片53の外面に突設した係止突起54を分岐コネクタ10のコネクタ嵌合部16の上面内側に設けた係止突起16aに係止してロック結合している。
まず、コネクタハウジング11の仕切壁13に設けた中央の左右方向Xの2列の端子貫通穴13bに支線接続用の端子材20を圧入固定する。
次に、バスバー30と加圧導電ゴムシート41を取り付けたコネクタカバー40をコネクタハウジング11の背面側開口15に被せ、コネクタハウジング11の係止突起11aにカバーの係止部40eを係止固定する。すると、端子材20は所定の接触圧で加圧導電ゴムシート41と接触点41bで接触するので、加圧導電ゴムシート41が抵抗として機能して、所定の抵抗値で端子材20とバスバー30のジョイント部30aが導通する。
一方、幹線接続用のバスバー30の端子部30bは加圧導電ゴムシート41の端子穴41aに貫通しているだけであり、加圧導電ゴムシート41に圧力を加えていないため、幹線接続用のバスバー30の端子部30bには抵抗材は介在しない。
加圧導電ゴムシート41は絶縁性のゴム材料の中に、炭素、金属などの導電性粒子を均等に分散させた状態で成形したものであり、図6(A)に示すように、加圧導電ゴムシート41を加圧しない場合には、導電性粒子が互いに接触せず抵抗値は非常に高い値を示し、実質絶縁体となる。
一方、加圧導電ゴムシート41を加圧すると、導電性粒子が接触し、ゴム材料内に導電経路が生じ、圧力を加えるに従って導電経路が増加し抵抗値が低くなる。
コネクタハウジング11とコネクタカバー40の係止部40eもしくは係止突起11aの位置を変化させることで、支線接続用の端子材20の加圧導電ゴムシート41への接触圧を変化させて、抵抗値を所望の値となるようにする。また、加圧導電ゴムシート41の厚みを変化させることで、端子材20の加圧導電ゴムシート41への接触圧を変化させて、抵抗値を所望の値となるようにする。
本発明に用いる加圧導電ゴムシート41は、前述したように所望の抵抗値を得るために加圧導電ゴムシート41に加える接触圧を調整する必要があるため、ON−OFF型ではなく抵抗値変化型を用いる。
前記異方性導電シートは、導電性金属繊維を厚さ方向に配向させて集束させたシートからなり、前記導電性金属繊維の両端が導体と接触すると厚さ方向にのみ導電するものである。
異方性導電シートの両側に支線接続用の端子材20およびバスバー30のジョイント部30aを接触させることで、異方性導電シートは抵抗材として機能し、ジョイント部30aからなる幹線側と端子材20からなる支線側の各分岐接続位置に発生する信号の反射を減衰させるフィルタ回路として形成することができる。
前記加圧導電ゴムシート41は、ジョイント部30aからなる幹線側と端子材20からなる支線側の各分岐接続位置に発生する信号の反射を減衰させるフィルタ回路として形成することができる。
特に、カバー40にバスバー30のジョイント部30aを一体形成し、該ジョイント部30aに接触するように加圧導電ゴムシート41を取り付けることで、ジョイント部30aと加圧導電ゴムシート41を一体とすることができ、コネクタハウジング11にカバー40を取り付けるだけでジョイント部30aと端子材20との間に抵抗を介在させることができ、分岐コネクタ10の組立作業性を向上させることができる。
第1実施形態とはバスバー30及びコネクタカバー40の構成を異ならせている。
図8に示すように、バスバー30A、30Bはジョイント部30aに長さ方向に間隔を空けてU字状に屈曲させた屈曲部30cの先端からオス端子部30dを複数本(本実施形態では4本)突設している。
収容部12の上部に収容するバスバー30Aでは、屈曲部30cをジョイント部30aの上方向の端部から逆U字状に設け、収容部12の下部に収容するバスバー30Bでは屈曲部30cをジョイント部30aの下方向の端部からU字状に設け、ジョイント部30aの平面部と垂直方向にオス端子部30dを突設している。
屈曲部30cの先端であってオス端子部30dが突設している屈曲点P1とバスバー30のジョイント部30aの間の距離は加圧導電ゴムシート41の厚みよりも若干小さくしており、屈曲点P1とジョイント部30aで加圧導電ゴムシート41を支持していると共に、屈曲点P1と加圧導電ゴムシート41の接触点41bでは、加圧導電ゴムシート41に接触圧が加わる状態としている。
このようにして、バスバー30のジョイント部30aと分離した支線接続用端子材20の屈曲点P1が、加圧導電ゴムシート41を介してジョイント部30aと前後方向Zに対向する状態としている。
なお、左右両端の2本のオス端子部30d−1、30d−4は切断してないので、中央の2本のオス端子部30d−2、30d−3を切断しても、加圧導電ゴムシート41は左右両端のオス端子部30d−1、30d−4と接触した屈曲部30cで保持される。
仕切壁13とコネクタカバー40の間に設けた収容部12には、バスバー30のジョイント部30aと屈曲部30c、端子材20、幹線接続用の端子部30b、加圧導電ゴムシート41を収容している。
まず、端子材20をオス端子部30dとして一体形成したバスバー30A、バスバー30Bを屈曲部30cが上下に対称となるように配置し、該屈曲部30cの屈曲点P1とジョイント部30aの間から、加圧導電ゴムシート41の弾性により加圧導電ゴムシート41の端部を屈曲部30cの中空30eに押し入れ、支持固定する。
なお、幹線に接続するバスバー30の屈曲部30cとオス端子部30d−1、30d−4との間にも加圧導電ゴムシート41が介在するが、屈曲点P1を切断していないため、加圧導電ゴムシート41を介さずに電流が流れる。
第1実施形態とは分岐コネクタ10の支線側のコネクタ嵌合部16に挿入するコネクタ50の構成が異なっている。
支線側と接続する各コネクタ50の上段の端子収容室52には、ツイストペア電線60の第1通信線61(CAN_H)の端末に接続したオス端子部65Aが挿入係止されている一方、下段の端子収容室52にはツイストペア電線60の第2通信線62(CAN_L)の端末に接続したオス端子部65Bが挿入係止されている。該オス端子部65A、65Bは長尺に突出させて支線接続用の端子材20と兼用している。
前記オス端子部65A、65Bの先端部65aを分岐コネクタ10のコネクタ嵌合部16から突出させている。
これにより、加圧導電ゴムシート41を介してコネクタ50のオス端子部65A、65Bとバスバー30のジョイント部30aを電気的に接続している。
なお、他の構成および作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
11 コネクタハウジング
11a 係止突起
12 収容部
16 コネクタ嵌合部
20 支線接続用の端子材
30 バスバー
30a バスバーのジョイント部
30b バスバーの端子部
30c 屈曲部
30d オス端子部
30e 中空
40 コネクタカバー
40e 係止部
41 加圧導電ゴムシート
50 コネクタ
65 オス端子部
65a 先端部
P1、P2 屈曲点
Claims (6)
- 幹線から複数の支線を分岐接続する位置に設ける分岐コネクタにおいて、
コネクタハウジング内に、
幹線接続用の端子部が突設されたジョイント部を備えたバスバーと、
前記バスバーのジョイント部と対向して配置される支線接続用の複数の端子材と、
前記各支線接続用の端子材と前記バスバーのジョイント部との間に介設させて、前記支線接続用の端子材とジョイント部とを導通する加圧導電ゴムシートまたは異方性導電シートから形成された抵抗材と、
が収容されていることを特徴とする分岐コネクタ。 - 前記シートからなる抵抗材は一枚の連続したシートからなり、前記バスバーの帯状に連続させたジョイント部の表面に沿って配置し、該バスバーのジョイント部の先端部に前記幹線接続用の端子部を屈折して突設している請求項1に記載の分岐コネクタ。
- 前記各支線接続用の端子材は前記コネクタハウジングに設けられた支持枠部に貫通固定され、一端が前記シート状とした抵抗材に接触すると共に、他端が前記コネクタハウジングの一面側に設けたコネクタ嵌合部に収容される相手方コネクタの端子材と嵌合接続される請求項1または請求項2に記載の分岐コネクタ。
- 前記各支線接続用の端子材は、前記バスバーのジョイント部の長さ方向の一側縁に沿って設けられたU字形状の屈曲部の先端から長さ方向に間隔をあけて突設された端子材を屈曲部から切断して形成されたものとし、該屈曲部の中空に前記抵抗材が狭持されている請求項3に記載の分岐コネクタ。
- 前記各支線接続用の端子材は、前記コネクタハウジングの一面側に形成されたコネクタ収容部に収容されたコネクタから突出した端子材からなり、コネクタ内の電線端末に接続された前記端子材の先端を前記抵抗材に直接接触させている請求項1または請求項2に記載の分岐コネクタ。
- 前記抵抗材となる加圧導電ゴムシートは、前記支線接続用の端子材の接触圧を変化させることにより、あるいは/および前記加圧導電ゴムシートの厚みを変化させることにより、該抵抗材の抵抗値が調節されるものである請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の分岐コネクタ。
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