JP4812616B2 - 画像処理装置及び画像処理装置の制御方法 - Google Patents
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他方、装置起動時の自己診断により装置に異常が発見された場合、装置の起動が停止し、装置の使用が出来ない場合が一般的である。しかしながら、上記の例と同様に、ユーザがスキャナとして装置を使用したい場合に、プリンタ部分に異常が発見されて装置起動を停止してしまうと、本来スキャナとしての動作に支障がない場合であってもユーザが装置を使用することが出来ない。このように、ユーザが画像処理装置を起動する場合において、装置がクリアすべき条件はユーザの使用目的によって異なる。従って、装置起動に際し、一様に同じ起動条件を適用すると、ユーザの使用目的との間に不整合が生じる。
本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、ユーザの使用目的と画像処理装置の起動時に装置がクリアすべき条件との不整合を解消することを目的とする。
また請求項2に記載の発明は、前記起動処理制御部は、前記画像処理装置を制御する制御部と前記画像処理装置内部及び外部の少なくとも一方との接続状態を前記起動条件として検出し、前記検出された接続状態に応じて前記自己診断部に実行させる診断内容のうち、前記制御部と前記画像処理装置内部及び外部の少なくとも一方との接続部の診断要否を指定する請求項1に記載の画像処理装置を特徴とする。
また請求項3に記載の発明は、ユーザが前記画像処理装置の起動条件を指定する操作部を更に有し、前記起動処理制御部は、前記指定された起動条件に応じて前記画像処理装置の起動処理を実行する請求項1または2に記載の画像処理装置を特徴とする。
また請求項5に記載の発明は、前記起動条件は、前記画像処理装置が実行する画像処理の画像情報量が所定の閾値以下であることを示す情報を含み、前記自己診断部は、前記画像処理の作業領域のチェックにおいて前記画像情報量に対応した範囲の領域をチェックする請求項3または4に記載の画像処理装置を特徴とする。
本発明は、画像処理装置の起動時に、装置がクリアすべき条件を可変とすることにより、ユーザの使用目的と装置の起動条件との不整合を解消し、もって画像処理装置の起動に要する時間を最適化する。
[実施例1]
本実施例は、ユーザが画像処理装置を起動する際に使用目的を指定することによって、装置起動時に実行される自己診断の内容を変更し、もって画像処理装置の起動に要する時間を最適化する。
まず、図1を用いて、本実施例に係る画像処理装置の全体構成を説明する。図1は、本実施例に係る画像処理装置100の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施例に係る画像処理装置100は、CPU101、RAM102、HDD103、ROM104、NVRAM105、SDカードスロット106、操作表示部I/F107、ホストI/F108、管理I/F109、エンジンI/F110、操作表示部111、スキャナ112、プリンタ113及びサブCPU114を有する。更に、画像処理装置100に関連する機器として、ホスト装置200及び管理センタサーバ300がある。
実際の撮像処理においては、スキャナ112の原稿載置台に載置され若しくはADF(Auto Document Feeder:自動原稿搬送機)にセットされた原稿をスキャナ112に含まれるCCD(Charge Coupled Device)等を用いた光電変換素子によって読み取る。また、実際の画像形成処理においては、プリンタ113に含まれる給紙トレイから用紙が引き出され、プリントエンジンによって用紙上に画像が形成され、排紙トレイに排紙される。サブCPU114は主に省電力稼動時において、CPU101に代わり画像処理装置100の制御部を構成する。図1に示すこれらの要素がバス115を介して接続されている。
尚、図1に示すブロック図は画像処理装置100の一例であり、図1に示す全ての要素が同一のバス115に接続されている必要はない。また、ファクシミリとして動作する際の通信装置等、図1に示す構成要素以外の要素を有しても良い。
また、画像処理制御部125は、画像データを描画データとして生成するための描画領域127を有する。尚、図2においては、起動処理制御部122が主制御部121に含まれる例を示しているが、主制御部121とは別のモジュールとして構成しても良い。
図4の起動モード管理テーブルに示す起動モードについて説明する。起動モードとは、画像処理装置100が起動した後の状態を示す情報であり、本実施例においては、完全起動モード、プリンタ簡易起動モード、プリンタ完全起動モード、スキャナ簡易起動モード、スキャナ完全起動モード、コピー簡易起動モード及びコピー完全起動モードを有する。
プリンタ簡易起動モードとは、画像処理装置100に含まれる機能において、プリンタに係る部分のみを起動するモードであり、特に、プリンタとして出力する予定の枚数が少ない場合(本実施例においては1枚)に選択する起動モードである。
プリンタ簡易起動モードの起動処理内容は、ホストI/F108のチェック、画像処理制御部125の描画領域のうち出力用紙1枚分に相当する領域のチェック、エンジンI/F110のうちプリンタ113に関する部分のチェック及びHDD103の書き込み/読み出しチェックである。これにより、画像処理装置100は簡易プリンタとして起動し、ホスト装置200からの印刷ジョブの受信に応じて出力枚数の少ない画像形成を実行可能な状態となる。
プリンタ簡易起動モードにおいては、プリンタとして使用する部分のみチェックを行うと共に、予定されている出力枚数に応じて描画領域のチェック範囲を縮小しており、診断結果の信頼性を保ったまま起動時診断に要する時間を短縮することができる。
以上説明したように、本実施例に係る画像処理装置においては、ユーザが指定した起動モードに応じて、起動時診断の診断内容を変更するため、ユーザの使用目的と画像処理装置の起動時に装置がクリアすべき条件との不整合を解消することが可能となり、ユーザの使用目的に応じて起動時診断の診断時間を短縮することができる。
また、上記の説明においては、起動モードの選択方法として、装置に電源を投入した後、操作表示部111に表示される起動選択画面において起動モードを選択する例を説明したが、この他、装置に起動モードを指定するためのレバーやスライド式のスイッチ等の操作部を設けても良い。画像形成装置100の電源を投入する前に、起動モード選択用の操作部を操作して起動モードを指定することにより、電源投入後、起動時診断を実行する前に必要となるソフトウェア処理を低減することができる。
また、上記の説明においては、図3に示すような起動モードを選択する起動選択画面において起動モードを選択し、選択された起動モードに従って起動処理の内容を変更する例を説明した。この他、例えば通常診断、詳細診断、簡易診断等のように、診断レベルを選択し、選択された診断レベルによって診断項目や診断内容を変更するようにしても良い。例えば、RAM102やHDD103等の記憶領域の診断容量については、診断レベルによって変更することができる。従って、上記の起動モードを選択する態様と、診断レベルを選択する態様とを両方用いても良い。更には、起動時に実行する診断内容をユーザが直接設定するようにしても良い。また、図4に示す例以外の起動モードを有しても良い。
本実施例においては、画像処理装置の起動時において装置がクリアすべき条件の変更について、実施例1とは異なる例を説明する。尚、実施例1と同様の符号を付す構成については実施例1と同一又は相当部を示し、説明を省略する。実施例1においては、装置起動時にユーザの使用目的に応じて診断の項目、内容を変更し、装置に含まれる機能のうちユーザが使用しない機能のチェックを低減することによって、装置起動に要する時間を低減する例を説明した。本実施例においては、装置起動の診断結果に対して、装置に異常が発生している場合であっても、異常部分を無効化して装置を起動することにより、装置全体のダウンタイムを低減する例を説明する。
本実施例に係る起動処理制御部122は、画像処理装置100の起動時診断において、図2に示す各制御部から受け取った診断結果に異常がある場合、図6に示す起動判断テーブルを参照する。起動判断テーブルは、起動時診断において検出された異常の内容と、それに対応する処理に関する情報を含む起動判断情報である。図6に示す例について更に詳細に説明する。HDDベリファイエラー、RAMベリファイエラーは、HDD103、RAM102に対する書き込み/読み出しチェックにおけるエラーである。この場合の起動処理内容としては、エラーした領域が全体の記憶領域若しくは空き領域に対して占める割合を確認し、その割合が所定の閾値以下であれば、エラー領域をアクセス禁止領域として無効化することにより、装置を起動する。また、正常な領域が所定の閾値以上存在することをもって、装置の起動を許可しても良い。これにより、ユーザにとっては見かけ上エラーが生じていないように装置を起動することができ、装置のダウタイムを低減することができる。
管理I/Fエラーは、通信制御部124と管理I/F109若しくは管理センタサーバ300へのアクセスエラーである。この場合の起動処理内容としては、管理I/F109を無効化して装置を起動する。これにより、スキャナ112やプリンタ113等、画像処理装置100の主となる機能は使用することができ、装置全体のダウンタイムを低減することができる。ホストI/Fエラーは、通信制御部124とホストI/F108若しくはホスト装置200へのアクセスエラーである。この場合の起動処理内容としては、ホストI/F200を無効化して装置を起動する。これにより、ホスト装置200との通信を必要としない動作、例えば複写動作や、スキャン画像を画像処理装置100のHDD103に格納する動作は実行可能であり、装置全体のダウンタイムを低減することができる。
CPUキャッシュエラーは、CPU101内部のキャッシュ領域のエラーである。この場合の起動処理内容としては、CPU101とバス115との接続を制御する回路が接続を変更し、CPU101からサブCPU114に接続を切り換えることにより、図2に示す各制御部がサブCPU114の制御によって動作するようにする。これにより、CPU101よりも低速ではあるが、一時的にサブCPU114の制御による起動を許可することにより、装置のダウンタイムを低減することができる。また、CPU101とサブCPU114との電源供給を別系統とすることにより、電源系統のエラーによりCPU101が異常と診断された場合であっても、サブCPU114による制御を実行することができる。
Claims (6)
- 起動時に自己診断を実行する画像処理装置であって、
起動条件を取得して起動処理を行う起動処理制御部と、
前記起動処理制御部の処理に従って装置各部を診断する自己診断部とを有し、
前記起動処理制御部は、前記取得した起動条件に応じて前記自己診断部に実行させる診断内容を変更し、
前記起動条件は、前記画像処理装置の起動後の状態を指定する情報であり、前記起動処理制御部は、前記指定された前記画像処理装置の起動後の状態において必要な部位の診断を前記自己診断部に実行させることを特徴とする画像処理装置。 - 前記起動処理制御部は、前記画像処理装置を制御する制御部と前記画像処理装置内部及び外部の少なくとも一方との接続状態を前記起動条件として検出し、前記検出された接続状態に応じて前記自己診断部に実行させる診断内容のうち、前記制御部と前記画像処理装置内部及び外部の少なくとも一方との接続部の診断要否を指定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- ユーザが前記画像処理装置の起動条件を指定する操作部を更に有し、前記起動処理制御部は、前記指定された起動条件に応じて前記画像処理装置の起動処理を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
- 前記起動処理制御部は、ユーザが指定可能な前記起動条件とそれに対応して前記自己診断部が実行する診断内容とが格納された起動条件情報を有し、前記指定された起動条件と前記起動条件情報とを照合して前記自己診断部を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記起動条件は、前記画像処理装置が実行する画像処理の画像情報量が所定の閾値以下であることを示す情報を含み、
前記自己診断部は、前記画像処理の作業領域のチェックにおいて前記画像情報量に対応した範囲の領域をチェックすることを特徴とする請求項3または4に記載の画像処理装置。 - 起動時に自己診断を実行する画像処理装置の制御方法であって、
前記画像処理装置の電源投入に応じて、前記画像処理装置の起動後の状態を指定する情報である起動条件を取得し、
前記取得した起動条件に基づき、起動時に実行する自己診断の内容として、前記指定された前記画像処理装置の起動後の状態において必要な部位の診断を実行することを決定し、
前記決定した内容に基づいて前記自己診断を実行することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
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