JP4812235B2 - 磁気記録媒体の非磁性下地層用複合非磁性粒子粉末及び磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体の非磁性下地層用複合非磁性粒子粉末及び磁気記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、体積基準平均粒子径(D50)が小さく、ビヒクル中における分散性に優れた磁気記録媒体の非磁性下地層用複合非磁性粒子粉末及び、非磁性下地層を薄層化した場合においても表面平滑性及び強度に優れていると共に、ドロップアウトが低減した磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、オーディオ用、ビデオ用、コンピューター用の磁気記録再生用機器の小型軽量化、長時間記録化、高密度記録化、及び記録容量の増大化が求められており、以前と比べ、記録されるキャリアー信号の周波数が短波長領域に移行し、磁気テープの表面からの磁化深度が著しく浅くなると共に、磁気記録媒体の高出力特性、殊に、S/N比を向上させるために、磁気記録層を薄層化する傾向にある。
【0003】
しかしながら、上記磁気記録層が薄層化することによって、磁気記録層の表面平滑化が困難になること及び塗膜強度の低下が問題となってきており、現在、上記磁気記録層の薄層化に対しては、ベースフィルム等の非磁性支持体上に針状へマタイト粒子粉末等の非磁性粒子粉末を結合剤樹脂中に分散させてなる下地層(以下、「非磁性下地層」という。)を少なくとも一層設けることにより、磁気記録媒体の表面平滑性及び強度向上を図っている。
【0004】
近年、オーディオテープやビデオテープの更なる長時間記録化及びパーソナルコンピュータやオフィスコンピューターの普及から外部記憶媒体としてデータを記録するための磁気テープ(バックアップテープ)のより一層の記録容量向上が強く要求されているが、テープ1巻当たりの大きさが規定されているオーディオ、ビデオテープ及びバックアップテープの場合、長時間記録化や高記録容量化のためには、テープ全厚を薄くして1巻当たりのテープ長さを長くする必要がある。そのため、磁気記録層のみならず、非磁性下地層及び非磁性支持体の薄層化も強く要求されており、例えば、従来のバックアップテープは非磁性下地層厚みが3〜5μmであったものが、近年では1〜3μmまで薄層化してきている。
【0005】
殊に、非磁性下地層を薄層化した場合、非磁性粒子粉末の分散レベルが磁気記録媒体の表面平滑性に大きく影響し、従来の膜厚では問題とならなかった非磁性粒子粉末の分散粒子径であっても、薄層化することにより非磁性下地層表面上に突起を生じ、該突起が磁気記録層表面上にまで影響することにより、磁性層面の表面平滑性が悪くなり、ドロップアウトが発生しやすくなる。
【0006】
また、オーディオテープ、ビデオテープ及びコンピュータのバックアップテープは高速で繰り返し使用されるため、非磁性下地層を薄層化した場合でも、テープ強度が従来並みに維持できることが要求されている。
【0007】
従来、非磁性粒子粉末の諸特性改善のために種々の試みがなされており、非磁性下地層用の非磁性粒子粉末として針状ヘマタイト粒子粉末又は針状含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面に、当該粒子粉末100重量部に対して1〜20重量部のカーボンブラックが付着されている針状非磁性粒子粉末を使用すること(特許文献1乃至3)や非磁性下地層用の非磁性粒子粉末として針状ヘマタイト粒子粉末又は針状含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面に、当該粒子粉末100重量部に対して1〜100重量部のフタロシアニン系顔料が付着されている針状非磁性粒子粉末を使用すること(特許文献4)が知られている。
【0008】
また、微粒子であり、分散の難しいカーボンブラックの表面改質としては、カーボンブラックの水中における分散性及び経時分散安定性を向上させるため、カーボンブラックに顔料誘導体を表面処理する技術(特許文献5)や光過敏自動車用部品の下塗として使用する溶剤系プライマー組成物中へのカーボンブラック充填量を増大するため、カーボンブラックに顔料誘導体を表面処理する技術(特許文献6)が知られている。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−242812号公報
【特許文献2】
特開2001−14653号公報
【特許文献3】
特開2001−14654号公報
【特許文献4】
特開2002−175620号公報
【特許文献5】
特開2000−313837号公報
【特許文献6】
特開平11−106680号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
非磁性下地層を薄層化しても、表面平滑性及び強度に優れると共に、ドロップアウトが少ない、磁気記録媒体が得られる非磁性下地層用非磁性粒子粉末は、現在最も要求されているところであるが、未だ得られていない。
【0011】
即ち、前出特許文献1乃至3には針状ヘマタイト粒子粉末又は針状含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にカーボンブラックが付着された非磁性粒子粉末が記載され、前出特許文献4には針状ヘマタイト粒子粉末又は針状含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にフタロシアニン系顔料が付着された非磁性粒子粉末が記載されているが、後出比較例に示す通り、未処理のカーボンブラックを付着させたものは、サイズの大きい二次凝集を形成しやすく、従来の厚さの非磁性下地層であれば十分に使えるレベルであるが、薄層化した非磁性下地層及び磁気記録媒体の場合には、十分に表面平滑性を低減することができないため、ドロップアウトを改善することができない。
【0012】
特許文献5に記載されている方法で得られた顔料誘導体処理カーボンブラックは、水性の液体中での分散性及び経時分散安定性改善を目的としたものであり、また、特許文献6に記載されている方法で得られた顔料誘導体処理カーボンブラックは、溶剤系プライマー組成物中へのカーボンブラック充填量を増大することを目的としたものであり、いずれも非磁性下地層中での挙動粒子径を小さくするための技術とは異なるものである。
【0013】
【課題を解決する為の手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
【0014】
即ち、本発明は、ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にカーボンブラックが付着している複合非磁性粒子粉末からなり、前記カーボンブラックが顔料誘導体によってあらかじめ処理されたものであることを特徴とする磁気記録媒体の非磁性下地層用複合非磁性粒子粉末である(本発明1)。
【0015】
また、本発明は、ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に該糊剤被覆粒子表面にカーボンブラックが付着している複合非磁性粒子粉末からなり、前記カーボンブラックが顔料誘導体によってあらかじめ処理されたものであることを特徴とする磁気記録媒体の非磁性下地層用複合非磁性粒子粉末である(本発明2)。
【0016】
また、本発明は、本発明2のヘマタイト粒子粉末又は含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面が、あらかじめアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物によって被覆されていることを特徴とする磁気記録媒体の非磁性下地層用複合非磁性粒子粉末である(本発明3)。
【0017】
また、本発明は、非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む非磁性下地層及び該非磁性下地層の上に形成される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層からなる磁気記録媒体において、前記非磁性粒子粉末が本発明1乃至本発明3のいずれかに記載の非磁性下地層用複合非磁性粒子粉末であることを特徴とする磁気記録媒体である(本発明4)。
【0018】
また、本発明は、非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む非磁性下地層、該非磁性下地層の上に形成される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層及び、前記非磁性支持体の他方の面に形成されるバックコート層からなる磁気記録媒体において、前記非磁性粒子粉末が本発明1乃至本発明3のいずれかに記載の非磁性下地層用複合非磁性粒子粉末であることを特徴とする磁気記録媒体である(本発明5)。
【0019】
次に、本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
【0020】
先ず、本発明に係る磁気記録媒体用の非磁性下地層用複合非磁性粒子粉末(以下、「複合非磁性粒子粉末」という。)について述べる。
【0021】
本発明に係る複合非磁性粒子粉末は、芯粒子であるヘマタイト粒子又は含水酸化鉄粒子の粒子表面に、あらかじめ顔料誘導体によって表面処理されたカーボンブラックが付着している複合非磁性粒子からなる。
【0022】
本発明における芯粒子としては、ヘマタイト粒子又は含水酸化鉄粒子を用いることができる。また、前記ヘマタイト粒子又は含水酸化鉄粒子の粒子内部にAl、Zr、Ti、P、Sn、Sb又はMn等の異種元素を含有させてもよい。殊に、得られる磁気記録媒体の強度向上を考慮した場合、粒子内部にアルミニウムを含有させたヘマタイト粒子又は含水酸化鉄粒子を用いることが好ましい。粒子内部に含有させる異種元素は、各元素換算で0.05〜50重量%が好ましく、より好ましくは0.10〜40重量%、更により好ましくは0.15〜30重量%である。
【0023】
本発明における芯粒子の粒子形状は、針状、紡錘状、米粒状、球状、粒状、多面体状、フレーク状、鱗片状及び板状等のいずれの形状であってもよい。得られる磁気記録媒体の塗膜強度を考慮すれば、軸比(平均一次長軸径と平均一次短軸径の比)(以下、「軸比」という。)が2.0〜20.0の針状、紡錘状及び米粒状が好ましく、より好ましくは2.5〜18.0、更により好ましくは3.0〜15.0である。
【0024】
本発明における芯粒子粉末の平均一次長軸径は、0.005〜0.30μmであり、好ましくは0.010〜0.25μm、より好ましくは0.015〜0.20μmである。
【0025】
平均一次長軸径が0.30μmを超える場合には、得られる複合非磁性粒子も又粗大粒子となり、これを用いて非磁性下地層を形成した場合には、塗膜の表面平滑性が損なわれやすい。平均一次長軸径が0.005μm未満の場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を起こしやすいため、芯粒子表面への糊剤及び/又は顔料誘導体処理カーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる。
【0026】
本発明における芯粒子粉末のBET比表面積値は25〜300m/gが好ましく、より好ましくは30〜280m/g、更により好ましくは35〜250m/gである。BET比表面積値が25m/g未満の場合には、芯粒子粉末が粗大であったり、粒子相互間で焼結が生じた粒子となっており、得られる複合非磁性粒子粉末もまた粗大粒子となり、これを用いて磁気記録層を形成した場合には、塗膜の表面平滑性が損なわれやすい。BET比表面積値が300m/gを超える場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を起こしやすいため、芯粒子表面への糊剤及び/又は顔料誘導体処理カーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる。
【0027】
本発明における芯粒子粉末の体積基準平均粒子径(D50)は、通常下限値が2.70μmを超える値を有している。本発明に係る体積基準平均粒子径(D50)が2.70μm以下の複合非磁性粒子粉末を得るためには、芯粒子粉末の体積基準平均粒子径(D50)もまた可能な限り低いものが好ましく、その上限値は、より好ましくは5.00μmであり、更により好ましくは4.50μmである。
【0028】
本発明における芯粒子粉末の黒色度は、ヘマタイト粒子粉末の場合、通常L値の下限値が19.5を超え、上限値は45.0、好ましくは40.0であり、含水酸化鉄粒子粉末の場合、通常L値の下限値が19.5を超え、上限値は60.0、好ましくは55.0である。
【0029】
本発明における芯粒子粉末の体積固有抵抗値は、通常、1.0×10Ω・cm程度である。
【0030】
本発明における芯粒子粉末の樹脂吸着強度は、通常60%以下であり、粒子内部にアルミニウムを含有しているヘマタイト粒子粉末又は含水酸化鉄粒子粉末の場合は、通常65%程度を有している。
【0031】
本発明に係る複合非磁性粒子粉末は、顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率及び体積基準平均粒子径(D50)を考慮した場合、芯粒子であるヘマタイト粒子又は含水酸化鉄粒子の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に、該糊剤被覆粒子表面にあらかじめ顔料誘導体によって表面処理されたカーボンブラックが付着している複合非磁性粒子からなるものが好ましい。
【0032】
本発明において、糊剤を用いる場合には、芯粒子であるヘマタイト粒子又は含水酸化鉄粒子の粒子表面へ顔料誘導体処理カーボンブラックを付着できるものであれば何を用いてもよく、好ましくはアルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤、オリゴマー又は高分子化合物から選ばれる一種又は二種以上である。
【0033】
顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率及び付着効果を考慮すれば、アルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤を用いることがより好ましい。
【0034】
有機ケイ素化合物としては、化1で表わされるアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物、並びに、化2で表わされるポリシロキサン、化3で表わされる変成ポリシロキサン、化4で表わされる末端変成ポリシロキサン並びに化5で表されるフルオロアルキルシラン又はこれらの混合物である。
【0035】
【化1】
Figure 0004812235
【0036】
アルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0037】
顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率及び付着効果を考慮すると、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物が好ましい。
【0038】
【化2】
Figure 0004812235
【0039】
【化3】
Figure 0004812235
【0040】
【化4】
Figure 0004812235
【0041】
顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率及び付着効果を考慮すると、メチルハイドロジェンシロキサン単位を有するポリシロキサン、ポリエーテル変成ポリシロキサン及び末端がカルボン酸で変成された末端カルボン酸変成ポリシロキサンが好ましい。
【0042】
フルオロアルキルシランとしては、具体的には、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0043】
顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率及び付着効果を考慮すると、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物が好ましく、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物が最も好ましい。
【0044】
【化5】
Figure 0004812235
【0045】
カップリング剤のうち、シラン系カップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0046】
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェイト)チタネート、テトラ(2−2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
【0047】
アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0048】
ジルコネート系カップリング剤としては、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0049】
オリゴマーとしては、分子量300以上、10,000未満のものが好ましく、高分子化合物としては、分子量10,000以上、100,000程度のものが好ましい。芯粒子であるヘマタイト粒子又は含水酸化鉄粒子への均一な被覆処理を考慮すれば、液状もしくは各種溶剤に可溶なオリゴマー又は高分子化合物が好ましい。
【0050】
糊剤による被覆量は、糊剤被覆芯粒子粉末に対してC換算で0.01〜15.0重量%が好ましい。糊剤を0.01〜15.0重量%の範囲で処理することにより、顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率が10%以下である複合非磁性粒子粉末を得ることができる。より好ましくは0.02〜12.5重量%であり、更に好ましくは0.03〜10.0重量%である。
【0051】
本発明における顔料誘導体としては、有機顔料の顔料骨格中に置換基を導入して得られた化合物を用いることができる。
【0052】
主骨格となる有機顔料としては、フタロシアニン系顔料、キクリドン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、インジゴ系、ジオキサジン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジケトピロロピロール系等の縮合多環系顔料及びアゾ系顔料等が挙げられる。
【0053】
顔料誘導体の置換基としては、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、アルキルアミノ基、フタルイミド基等が挙げられる。具体的には、−SOM、−OSOM、−COOM、−P=O(OM)(式中、Mは水素原子あるいはリチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属を示す)、−NR、−NR の末端基を有する側鎖型アミン、>NR で表される主鎖型アミン(式中、R、R、Rは水素原子あるいは炭化水素基を表し、Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン元素イオンあるいは無機・有機イオンを表す)等である。
【0054】
本発明における顔料誘導体としては、銅フタロシアニン系誘導体及びアゾ系顔料誘導体である、Solsperse 5000(商品名)、Solsperse 12000(商品名)、Solsperse 22000(商品名)(以上、アビシア株式会社製)、EFKA 6745(商品名)、EFKA 6750(商品名)(以上、エフカ アディティブズ製)等の市販品を好適に使用することができる。
【0055】
カーボンブラックは、ファーネスブラック、チャンネルブラック及びアセチレンブラック等のカーボンブラック粒子粉末を用いることができる。
【0056】
本発明における顔料誘導体処理カーボンブラックの付着量は、芯粒子粉末100重量部に対して1〜50重量部であり、好ましくは3〜40重量部、より好ましくは5〜30重量部である。1重量部未満の場合には、芯粒子の粒子表面を被覆する顔料誘導体処理カーボンブラックが少なすぎるため、本発明の目的とする複合非磁性粒子粉末を得ることが困難となる。50重量部を超える場合には、顔料誘導体処理カーボンブラックが芯粒子表面から脱離しやすくなり、その結果、得られた粒子粉末はビヒクル中への分散性が低下すると共に、体積基準平均粒子径(D50)を2.70μm以下とすることが困難となる。
【0057】
本発明に係る複合非磁性粒子粉末の粒子形状は、芯粒子粉末である非磁性粒子粉末の粒子形状に大きく依存し、芯粒子に相似する粒子形態を有している。
【0058】
即ち、本発明に係る複合非磁性粒子粉末の平均一次長軸径は、0.005〜0.30μmが好ましく、より好ましくは0.010〜0.25μm、更により好ましくは0.015〜0.20μmである。
【0059】
平均一次粒子径が0.30μmを超える場合には、複合非磁性粒子が大粒子となり、これを用いて非磁性下地層を形成した場合には、塗膜の表面平滑性が損なわれやすい。平均一次粒子径が0.005μm未満の場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を起こしやすく、その結果、粗大粒子が生成し非磁性塗料の製造時におけるビヒクル中への均一な分散が困難となる。
【0060】
本発明に係る複合非磁性粒子の粒子形状は、針状、紡錘状、米粒状、球状、粒状、多面体状、フレーク状、鱗片状及び板状等のいずれの形状であってもよい。得られる磁気記録媒体の塗膜強度を考慮すれば、軸比が2.0〜20.0の針状、紡錘状及び米粒状が好ましく、より好ましくは2.5〜18.0、更により好ましくは3.0〜15.0である。軸比が20.0を超える場合には、粒子の絡み合いが多くなり、非磁性塗料の製造時におけるビヒクル中への分散性が悪くなったり粘度が増加する場合がある。
【0061】
本発明に係る複合非磁性粒子粉末のBET比表面積値は、25〜300m/gが好ましく、より好ましくは30〜280m/g、更により好ましくは35〜250m/gである。BET比表面積値が25m/g未満の場合には、複合非磁性粒子粉末が粗大であり、これを用いて非磁性下地層を形成した場合には、塗膜の表面平滑性が損なわれやすい。BET比表面積値が300m/gを超える場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を起こしやすいため、非磁性塗料の製造時におけるビヒクル中への分散性が低下する。
【0062】
本発明に係る複合非磁性粒子粉末の体積基準平均粒子径(D50)は、0.01〜2.70μmであり、好ましくは0.01〜2.60μm、より好ましくは0.01〜2.50μmである。殊に、芯粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に、該被覆に顔料誘導体処理カーボンブラックが付着している複合非磁性粒子粉末(以下、「本発明2に係る複合非磁性粒子粉末」という。)の場合には、体積基準平均粒子径は0.01〜2.50μmが好ましく、より好ましくは0.01〜2.40μm以下、更により好ましくは0.01〜2.30μmである。体積基準平均粒子径(D50)が2.70μmを超える場合には、非磁性下地層を薄層化した場合に、得られた磁気記録媒体の表面性が低下し、ドロップアウトが増加するため好ましくない。
【0063】
本発明に係る複合非磁性粒子粉末の黒色度は、上限値がL値で45.0以下であることが好ましい。L値が45.0を超える場合には、明度が高くなり、黒色度が十分とは言えず、これを用いて得られる磁気記録媒体の光透過率を十分に低減することが困難となる。黒色度のより好ましい上限値はL値が40.0であり、更により好ましくは35.0以下である。
【0064】
本発明に係る複合非磁性粒子粉末の体積固有抵抗値は、1.0×10Ω・cm未満であることが好ましく、より好ましくは1.0×10〜5.0×10Ω・cm、更により好ましくは1.0×10〜1.0×10Ω・cmである。体積固有抵抗値が1.0×10Ω・cm以上の場合は、得られる磁気記録媒体の表面電気抵抗値を十分に低減することが困難となる。
【0065】
本発明に係る複合非磁性粒子粉末の樹脂吸着強度は、70%以上であることが好ましく、より好ましくは72%以上、更により好ましくは74%以上である。殊に、本発明2に係る複合非磁性粒子粉末の場合、好ましくは74%以上であり、より好ましくは76%以上である。
【0066】
本発明に係る複合非磁性粒子粉末の顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率は、15%以下が好ましく、より好ましくは12%以下、更により好ましくは10%以下である。殊に、本発明2に係る複合非磁性粒子粉末の場合には、12%以下が好ましく、より好ましくは10%以下、更により好ましくは8%以下である。複合非磁性粒子粉末の顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率が15%を超える場合には、非磁性下地層の製造時において、脱離した顔料誘導体処理カーボンブラックにより均一な分散が阻害される場合があると共に、得られた磁気記録媒体の表面性が低下する。
【0067】
本発明に係る複合非磁性粒子粉末は、必要により、芯粒子粉末の粒子表面をあらかじめ、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた一種又は二種以上の中間被覆物で被覆しておいてもよく、中間被覆物で被覆しない場合に比べ、芯粒子の粒子表面からの顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率をより低減することができると共に、体積基準平均粒子径(D50)をより小さくすることができる。
【0068】
中間被覆物による被覆量は、中間被覆物が被覆された芯粒子粉末に対してAl換算、SiO換算又はAl換算量とSiO換算量との総和で0.01〜20重量%が好ましい。
【0069】
0.01重量%未満である場合には、顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率及び体積基準平均粒子径(D50)の改良効果が得られない。0.01〜20重量%の被覆量により、顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率及び体積基準平均粒子径(D50)改良効果が十分に得られるので、20重量%を超えて必要以上に被覆する意味がない。
【0070】
中間被覆物で被覆されている本発明に係る複合非磁性粒子粉末(以下、「本発明3に係る複合非磁性粒子粉末」という。)は、中間被覆物で被覆されていない本発明2に係る複合非磁性粒子粉末の場合とほぼ同程度の粒子サイズ、BET比表面積値、体積固有抵抗値、樹脂吸着強度及び黒色度を有している。又、体積基準平均粒子径(D50)及び顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率は中間被覆物を被覆することによって向上し、体積基準平均粒子径(D50)は、0.01〜2.40μmが好ましく、より好ましくは0.01〜2.30μm、更に好ましくは0.01〜2.20μmであり、顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率は11%以下が好ましく、より好ましくは9%以下、更により好ましくは7%以下である。
【0071】
次に、本発明に係る磁気記録媒体について述べる。
【0072】
本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成された非磁性下地層及び該非磁性下地層上に形成された磁気記録層とからなる。また、必要に応じて、非磁性支持体の一方の面に形成される磁気記録層に対し、非磁性支持体の他方の面にバックコート層を形成させてもよい。殊に、コンピュータ記録用のバックアップテープの場合には、巻き乱れの防止や走行耐久性向上の点から、バックコート層を設けることが好ましい。
【0073】
本発明における非磁性支持体としては、現在、磁気記録媒体に汎用されているポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド、ポリスルフォン、セルローストリアセテート、ポリベンゾオキサゾール等の合成樹脂フィルム、アルミニウム、ステンレス等金属の箔や板及び各種の紙を使用することができる。得られる磁気記録媒体の強度を考慮すれば、ポリエステル類、ポリアミド又は芳香族ポリアミドが好ましい。
【0074】
非磁性支持体の厚みは、その材質及び用途により種々異なるが、通常好ましくは1.0〜300μm、より好ましくは2.0〜200μmである。殊に、記録容量を上げるために薄層化する傾向にあるコンピュータ記録用のバックアップテープの場合、その厚みは、通常1.0〜7.0μmが好ましく、より好ましくは2.0〜6.0μmである。
【0075】
本発明における非磁性下地層は、本発明に係る複合非磁性粒子粉末と結合剤樹脂を含んでいる。
【0076】
結合剤樹脂としては、磁気記録媒体の製造にあたって汎用されている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化型樹脂等を単独又は組み合わせて用いることができる。具体的には、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、ウレタンエラストマー、ナイロン−シリコーン系樹脂、ニトロセルロース−ポリアニド樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ニトロセルロース等セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、クロロビニルエーテル−アクリル酸共重合体、アミノ樹脂、ポリブタジエン等の合成ゴム系樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂及び電子線硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、(不飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタンカーボネート樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、ポリイソシアネート、電子線硬化型アクリルウレタン樹脂等を用いることができる。また、各結合剤樹脂には極性基として、−COOM、−SOM及び−OPO(但し、MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は炭化水素基である。)等の酸性基、リン酸エステル類及びアルキルベタイン型の両性類基、−OH、−NH等が含まれていてもよい。本発明に係る複合非磁性粒子粉末のビヒクル中における分散性を考慮すれば、極性基として−COOM、−SOM又はアルキルベタイン型両性類基が含まれている結合剤樹脂が好ましい。
【0077】
本発明に係る複合非磁性粒子粉末と結合剤樹脂との配合割合は、結合剤樹脂100重量部に対して複合非磁性粒子粉末が5〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。
【0078】
非磁性支持体上に形成された非磁性下地層のカレンダー処理後の塗膜厚さは、0.1〜5.0μmが好ましく、より好ましくは0.3〜4.0μmであり、更により好ましくは0.5〜3.0μmである。殊に、記録容量を上げるために薄層化する傾向にあるコンピュータデータ記録用のバックアップテープの場合、その厚みは、通常0.1〜3.0μmが好ましく、より好ましくは0.3〜2.5μm、更により好ましくは0.5〜2.0μmである。0.1μm未満の場合には、非磁性支持体の表面粗さを改善することが困難となると共に、得られる磁気記録媒体の強度も不十分となりやすい。5.0μmを超える場合には、磁気記録媒体の薄層化が困難となるため好ましくない。
【0079】
尚、非磁性下地層に、磁気記録媒体の製造に通常用いられている潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
【0080】
帯電防止剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化チタン−酸化スズ−酸化アンチモン等の導電性粉末及び界面活性剤等を用いることができるが、カーボンブラックは、帯電防止の他に、光透過率及び摩擦係数低減、磁気記録媒体の強度向上といった効果が期待できることから、帯電防止剤としては、カーボンブラックを用いることが好ましく、ビヒクル中での分散性を考慮すれば、本発明の芯粒子への付着処理に用いている顔料誘導体処理されたカーボンブラックを用いることがより好ましい。
【0081】
本発明1に係る複合非磁性粒子粉末を用いた非磁性下地層は、塗膜の光沢度が180〜300%、好ましくは184〜300%、より好ましくは188〜300%であって、塗膜の表面粗度Raが0.5〜9.0nm、好ましくは0.5〜8.5nmであって、塗膜の強度は、ヤング率(相対値)が126〜160、好ましくは128〜160、塗膜の光透過率は1.20〜5.00μm−1が好ましく、より好ましくは1.25〜5.00μm−1、表面電気抵抗値が1.0×10〜5.0×1012Ω/cm、好ましくは1.0×10〜2.5×1012Ω/cm、より好ましくは1.0×10〜1.0×1012Ω/cmである。
【0082】
本発明2に係る複合非磁性粒子粉末を用いた非磁性下地層は、塗膜の光沢度が184〜300%、好ましくは188〜300%、より好ましくは192〜300%であって、塗膜の表面粗度Raが0.5〜8.5nm、好ましくは0.5〜8.0nmであって、塗膜の強度は、ヤング率(相対値)が128〜160、好ましくは130〜160、塗膜の光透過率は1.20〜5.00μm−1が好ましく、より好ましくは1.25〜5.00μm−1、表面電気抵抗値が1.0×10〜5.0×1012Ω/cm、好ましくは1.0×10〜2.5×1012Ω/cm、より好ましくは1.0×10〜1.0×1012Ω/cmである。
【0083】
本発明3に係る複合非磁性粒子粉末を用いた非磁性下地層は、塗膜の光沢度が188〜300%、好ましくは192〜300%、より好ましくは196〜300%であって、塗膜の表面粗度Raが0.5〜8.0nm、好ましくは0.5〜7.5nmであって、塗膜の強度は、ヤング率(相対値)が130〜160、好ましくは132〜160、塗膜の光透過率は1.20〜5.00μm−1が好ましく、より好ましくは1.25〜5.00μm−1、表面電気抵抗値が1.0×10〜5.0×1012Ω/cm、好ましくは1.0×10〜2.5×1012Ω/cm、より好ましくは1.0×10〜1.0×1012Ω/cmである。
【0084】
本発明における磁気記録層は、磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含んでいる。
【0085】
磁性粒子粉末としては、マグヘマイト粒子粉末(γ−Fe)やマグネタイト粒子粉末(FeO ・Fe、0<x≦1)等の磁性酸化鉄粒子粉末にCo又はCo及びFeを被着させたCo被着型磁性酸化鉄粒子粉末、前記Co被着型磁性酸化鉄粒子粉末にFe以外のCo、Al、Ni、P、Zn、Si、B、希土類金属等の異種元素を含有させたCo被着型磁性酸化鉄粒子粉末、鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末、鉄以外のCo、Al、Ni、P、Zn、Si、B、希土類金属等を含有する鉄合金磁性粒子粉末、Ba、Sr、又はBa−Srを含有する板状マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末並びにこれらにCo、Ni、Zn、Mn、Mg、Ti、Sn、Zr、Nb、Cu、Mo等の2価及び4価の金属から選ばれた保磁力低減剤の一種又は二種以上を含有させた板状マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末等のいずれをも用いることができる。
【0086】
尚、近年の短波長記録、高密度記録を考慮すれば、鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末、鉄以外のCo、Al、Ni、P、Zn、Si、B、希土類金属等を含有する針状鉄合金磁性粒子粉末、板状マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末等が好ましい。
【0087】
磁性粒子粉末は、平均一次長軸径(板状粒子の場合は平均一次粒子径)が0.01〜0.50μmであることが好ましく、より好ましくは0.03〜0.30μmである。該磁性粒子粉末の粒子の形状は針状もしくは板状が好ましい。ここで「針状」とは、文字通りの針状はもちろん、紡錘状や米粒状等を含む意味である。
【0088】
また、磁性粒子粉末の粒子形状が針状の場合、軸比は3.0以上が好ましく、より好ましくは5.0以上であり、ビヒクル中における分散性を考慮すれば、その上限値は15.0が好ましく、より好ましくは10.0である。
【0089】
磁性粒子粉末の粒子形状が板状の場合、板状比(粒子の平均一次粒子径と粒子の平均一次厚みの比)(以下、「板状比」という。)は2.0以上であることが好ましく、より好ましくは3.0以上であり、ビヒクル中における分散性を考慮すれば、その上限値は20.0が好ましく、より好ましくは15.0である。
【0090】
磁性粒子粉末の磁気特性は、保磁力値が39.8〜318.3kA/m(500〜4000Oe)、好ましくは43.8〜318.3kA/m(550〜4000Oe)であって、飽和磁化値が40〜200Am/kg(40〜200emu/g)、好ましくは50〜180Am/kg(50〜180emu/g)である。
【0091】
高密度記録化等を考慮して、磁性粒子粉末として鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末又は針状鉄合金磁性粒子粉末を用いた場合の磁気特性は、保磁力値が63.7〜278.5kA/m(800〜3500Oe)、好ましくは71.6〜278.5kA/m(900〜3500Oe)、飽和磁化値が90〜200Am/kg(90〜200emu/g)、好ましくは90〜180Am/kg(100〜180emu/g)である。
【0092】
結合剤樹脂としては、前記非磁性下地層を形成するために用いた結合剤樹脂を使用することができる。
【0093】
非磁性下地層上に設けられた磁気記録層のカレンダー処理後の塗膜厚さは、0.01〜2.0μmが好ましく、より好ましくは0.02〜1.5μmであり、更により好ましくは0.02〜1.0μmである。殊に、記録容量を上げるために薄層化する傾向にあるコンピュータデータ記録用のバックアップテープの場合、その厚みは、通常0.01〜0.30μmが好ましく、より好ましくは0.02〜0.20μmである。0.01μm未満の場合には、均一な塗布が困難であり、塗りむら等の現象が出やすくなるため好ましくない。2.0μmを超える場合には、反磁界の影響により再生出力が小さくなるため好ましくない。
【0094】
磁性粒子粉末と結合剤樹脂との配合割合は、結合剤樹脂100重量部に対して磁性粒子粉末が100〜2000重量部、好ましくは200〜1500重量部である。
【0095】
磁気記録層中には、通常用いられている潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
【0096】
帯電防止剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化チタン−酸化スズ−酸化アンチモン等の導電性粉末及び界面活性剤等を用いることができるが、前記非磁性下地層を形成する場合と同様の理由から、カーボンブラックを用いることが好ましく、ビヒクル中での分散性を考慮すれば、本発明の芯粒子への付着処理に用いている顔料誘導体処理されたカーボンブラックを用いることがより好ましい。
【0097】
本発明におけるバックコート層中には、結合剤樹脂と共に、バックコート層の表面電気抵抗値及び光透過率低減、並びに強度向上を目的として、帯電防止剤及び無機粒子粉末を含有させることが好ましい。また、必要に応じて、通常の磁気記録媒体の製造に用いられる潤滑剤、研磨剤等が含まれていてもよい。
【0098】
結合剤樹脂としては、前記非磁性下地層を形成するために用いた結合剤樹脂を使用することができる。
【0099】
帯電防止剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化チタン−酸化スズ−酸化アンチモン等の導電性粉末及び界面活性剤等を用いることができるが、前記非磁性下地層及び磁気記録層を形成する場合と同様の理由から、カーボンブラックを用いることが好ましく、ビヒクル中での分散性を考慮すれば、本発明の芯粒子への付着処理に用いている顔料誘導体処理されたカーボンブラックを用いることがより好ましい。
【0100】
無機粉末としては、ヘマタイト、アルミナ、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、酸化セリウム、二酸化チタン、シリカ、酸化亜鉛、窒化ホウ素及び硫酸バリウム等から選ばれる一種又は二種以上を用いることができる。
【0101】
コンピュータデータ記録用のバックアップテープの中でも、高記録容量化のために記録トラック幅を狭くした場合には、オフトラックによる再生出力の低下が問題となるため、トラックサーボが必要となる。トラックサーボ方式には磁気記録層又はバックコート層にサーボトラックバンドを形成し、それを磁気的に読み取ってサーボトラッキングする磁気サーボ方式とバックコート層に凹部アレイからなるサーボトラックバンドをレーザー照射等で形成し、それを光学的に読み取ってサーボトラッキングする光学サーボ方式がある。
【0102】
殊に、バックコート層にサーボトラックバンドを形成する磁気サーボ方式の場合には、帯電防止剤及び無機粒子粉末に加えて、磁性粒子粉末を含有させることが必須となる。磁性粒子粉末としては、前記磁性層に用いた磁性粒子粉末を使用することができる。
【0103】
非磁性支持体の一方の面に形成される磁気記録層に対し、非磁性支持体の他方の面に設けられたバックコート層のカレンダー処理後の塗膜厚さは、0.1〜4.0μmが好ましく、より好ましくは0.2〜2.0μmであり、更により好ましくは0.2〜1.5μmである。0.1μm未満の場合には、バックコート層の強度が不十分となり、また、塗りむら等の現象が出やすくなるため好ましくない。4.0μmを超える場合には、バックコート層の膜厚が厚すぎるため、テープ全厚が厚くなり、高記録容量化が困難となる。
【0104】
カーボンブラックと前記無機粉末の合計量と結合剤樹脂との配合割合は、結合剤樹脂100重量部に対してカーボンブラックと前記無機粉末の合計量として40〜250重量部、好ましくは50〜200重量部である。
【0105】
本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性下地層用非磁性粒子粉末として本発明1に係る複合非磁性粒子粉末を用いた場合には、保磁力値は39.8〜318.3kA/m(500〜4000Oe)が好ましく、より好ましくは43.8〜318.3kA/m(550〜4000Oe)、角型比(残留磁束密度Br/飽和磁束密度Bm)(以下、「角型比」という。)は、0.70〜0.95が好ましく、より好ましくは0.74〜0.95、塗膜の光沢度は165〜300%が好ましく、より好ましくは170〜300%、塗膜の表面粗度Raは11.5nm以下が好ましく、より好ましくは2.0〜11.0nm、更に好ましくは2.0〜10.5nm、ヤング率は126〜160が好ましく、より好ましくは128〜160、表面電気抵抗値は5.0×1010Ω/cm以下が好ましく、より好ましくは2.5×1010Ω/cm以下、更に好ましくは1.0×1010Ω/cm以下、ドロップアウト(D/O)は18個/msec以下が好ましく、より好ましくは16個/msec以下である。
【0106】
本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性下地層用非磁性粒子粉末として本発明2に係る複合非磁性粒子粉末を用いた場合には、保磁力値は39.8〜318.3kA/m(500〜4000Oe)が好ましく、より好ましくは43.8〜318.3kA/m(550〜4000Oe)、角型比Br/Bmは0.70〜0.95が好ましく、より好ましくは0.74〜0.95、塗膜の光沢度は170〜300%が好ましく、より好ましくは175〜300%、塗膜の表面粗度Raは11.0nm以下が好ましく、より好ましくは2.0〜10.5nm、更に好ましくは2.0〜10.0nm、ヤング率は128〜160が好ましく、より好ましくは130〜160、表面電気抵抗値は5.0×1010Ω/cm以下が好ましく、より好ましくは2.5×1010Ω/cm以下、更に好ましくは1.0×1010Ω/cm以下、ドロップアウト(D/O)は16個/msec以下が好ましく、より好ましくは14個/msec以下である。
【0107】
本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性下地層用非磁性粒子粉末として本発明3に係る複合非磁性粒子粉末を用いた場合には、保磁力値は39.8〜318.3kA/m(500〜4000Oe)が好ましく、より好ましくは43.8〜318.3kA/m(550〜4000Oe)、角型比Br/Bmは0.70〜0.95が好ましく、より好ましくは0.74〜0.95、塗膜の光沢度は175〜300%が好ましく、より好ましくは180〜300%、塗膜の表面粗度Raは10.5nm以下が好ましく、より好ましくは2.0〜10.0nm、更に好ましくは2.0〜9.5nm、ヤング率は130〜160が好ましく、より好ましくは132〜160、表面電気抵抗値は5.0×1010Ω/cm以下が好ましく、より好ましくは2.5×1010Ω/cm以下、更に好ましくは1.0×1010Ω/cm以下、ドロップアウト(D/O)は14個/msec以下が好ましく、より好ましくは12個/msec以下である。
【0108】
高記録容量化を考慮して、磁性粒子粉末として鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末、針状鉄合金磁性粒子粉末又は板状マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末を用い、非磁性下地層用非磁性粒子粉末として本発明1に係る複合非磁性粒子粉末を用いた本発明5に係る磁気記録媒体の場合には、保磁力値は63.7〜318.3kA/m(800〜4000Oe)が好ましく、より好ましくは71.6〜318.3kA/m(900〜4000Oe)、角型比Br/Bmは0.72〜0.95が好ましく、より好ましくは0.76〜0.95、塗膜の光沢度は190〜300%が好ましく、より好ましくは195〜300%、塗膜の表面粗度Raは9.0nm以下が好ましく、より好ましくは2.0〜8.5nm、更に好ましくは2.0〜8.0nm、ヤング率は128〜160が好ましく、より好ましくは130〜160、表面電気抵抗値は5.0×1010Ω/cm以下が好ましく、より好ましくは2.5×1010Ω/cm以下、更に好ましくは1.0×1010Ω/cm以下、ドロップアウト(D/O)は16個/msec以下が好ましく、より好ましくは14個/msec以下である。
【0109】
高記録容量化を考慮して、磁性粒子粉末として鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末、針状鉄合金磁性粒子粉末又は板状マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末を用い、非磁性下地層用非磁性粒子粉末として本発明2に係る複合非磁性粒子粉末を用いた本発明5に係る磁気記録媒体の場合には、保磁力値は63.7〜〜318.3kA/m(800〜4000Oe)が好ましく、より好ましくは71.6〜318.3kA/m(900〜4000Oe)、角型比は0.72〜0.95が好ましく、より好ましくは0.76〜0.95、塗膜の光沢度は195〜300%が好ましく、より好ましくは200〜300%、塗膜の表面粗度Raは8.0nm以下が好ましく、より好ましくは2.0〜7.5nm、更に好ましくは2.0〜7.0nm、ヤング率は132〜160が好ましく、より好ましくは134〜160、表面電気抵抗値は5.0×1010Ω/cm以下が好ましく、より好ましくは2.5×1010Ω/cm以下、更に好ましくは1.0×1010Ω/cm以下、ドロップアウト(D/O)は14個/msec以下が好ましく、より好ましくは12個/msec以下である。
【0110】
高記録容量化を考慮して、磁性粒子粉末として鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末、針状鉄合金磁性粒子粉末又は板状マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末を用い、非磁性下地層用非磁性粒子粉末として本発明3に係る複合非磁性粒子粉末を用いた本発明5に係る磁気記録媒体の場合には、保磁力値は63.7〜〜318.3kA/m(800〜4000Oe)が好ましく、より好ましくは71.6〜318.3kA/m(900〜4000Oe)、角型比Br/Bmは0.72〜0.95が好ましく、より好ましくは0.76〜0.95、塗膜の光沢度は200〜300%が好ましく、より好ましくは205〜300%、塗膜の表面粗度Raは7.5nm以下が好ましく、より好ましくは2.0〜7.0nm、更に好ましくは2.0〜6.5nm、ヤング率は132〜160が好ましく、より好ましくは134〜160、表面電気抵抗値は5.0×1010Ω/cm以下が好ましく、より好ましくは2.5×1010Ω/cm以下、更に好ましくは1.0×1010Ω/cm以下、ドロップアウト(D/O)は12個/msec以下が好ましく、より好ましくは10個/msec以下である。
【0111】
次に、本発明に係る複合非磁性粒子粉末の製造法について述べる。
【0112】
本発明1に係る磁気記録媒体用の非磁性下地層用複合非磁性粒子粉末は、芯粒子の粒子表面に顔料誘導体処理カーボンブラックを付着させることによって得ることができる。
【0113】
カーボンブラック表面への顔料誘導体処理の方法としては、通常顔料分散に用いる分散機を使用し、溶媒中でカーボンブラックを分散させ、その混合液中に顔料誘導体もしくはその溶液を添加して分散させることで、カーボンブラック表面に顔料誘導体を吸着させる。その際、未吸着の顔料誘導体を、水洗・ろ過し、除去しておくことが好ましい。
【0114】
芯粒子に顔料誘導体処理カーボンブラックを付着させる方法としては、本発明の目的とする特性を満たすものであれば特に限定するものではなく、例えば、湿式処理、メカノケミカル処理等によって得ることができる。
【0115】
本発明2に係る複合非磁性粒子粉末は、芯粒子粉末と糊剤とを混合し、芯粒子粉末の粒子表面を糊剤によって被覆し、次いで糊剤によって被覆された芯粒子粉末と顔料誘導体処理カーボンブラックとを混合することによって得ることができる。
【0116】
芯粒子の粒子表面への糊剤による被覆は、芯粒子粉末と糊剤とを機械的に混合攪拌したり、芯粒子粉末に糊剤を噴霧しながら機械的に混合攪拌すればよい。添加した糊剤は、ほぼ全量が芯粒子の粒子表面に被覆される。
【0117】
尚、糊剤としてアルコキシシラン又はフルオロアルキルシランを用いた場合、被覆されたアルコキシシラン又はフルオロアルキルシランは、その一部が被覆工程を経ることによって生成する、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はフルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物として被覆されていてもよい。この場合においてもその後の顔料誘導体処理カーボンブラックの付着に影響することはない。
【0118】
尚、糊剤を均一に芯粒子の粒子表面に被覆するためには、芯粒子粉末の凝集をあらかじめ粉砕機を用いて解きほぐしておくことが好ましい。
【0119】
芯粒子粉末と糊剤との混合攪拌、顔料誘導体処理カーボンブラックと粒子表面に糊剤が被覆されている芯粒子粉末との混合攪拌をするための機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール形混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることができる。本発明の実施にあたっては、ホイール型混練機がより効果的に使用できる。
【0120】
上記ホイール型混練機としては、具体的に、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラーであり、より好ましくはエッジランナーである。上記ボール型混練機としては、具体的に、振動ミル等がある。前記ブレード型混練機としては、具体的に、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウタミキサー等がある。前記ロール型混練機としては、具体的に、エクストルーダー等がある。
【0121】
芯粒子粉末と糊剤との混合攪拌時における条件は、芯粒子の粒子表面に糊剤ができるだけ均一に被覆されるように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5分〜24時間が好ましく、より好ましくは10分〜20時間の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。尚、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0122】
糊剤の添加量は、芯粒子粉末100重量部に対して0.15〜45重量部が好ましい。0.15〜45重量部の添加量により、芯粒子粉末100重量部に対して顔料誘導体処理カーボンを1〜50重量部付着させることができる。
【0123】
芯粒子粉末の粒子表面に糊剤を被覆した後、顔料誘導体処理カーボンブラックを添加し、混合攪拌して該糊剤被覆に顔料誘導体処理カーボンブラックを付着させる。必要により更に、乾燥乃至加熱処理を行ってもよい。
【0124】
顔料誘導体処理カーボンブラックは、少量ずつを時間をかけながら、殊に5〜24時間程度をかけて添加するか、若しくは芯粒子粉末100重量部に対して5〜25重量部の顔料誘導体処理カーボンラックを所望の量となるまで分割して添加することが好ましい。
【0125】
混合攪拌時における条件は、顔料誘導体処理カーボンブラックが均一に付着するように処理条件を適宣選択すればよく、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)が好ましく、より好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、最も好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)であり、処理時間は5〜24時間が好ましく、より好ましくは10〜20時間の範囲であり、撹拌速度は2〜2000rpmが好ましく、より好ましくは5〜1000rpm、最も好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0126】
顔料誘導体処理カーボンブラックの添加量は、芯粒子粉末100重量部に対して1〜50重量部である。顔料誘導体処理カーボンブラックの添加量が上記範囲外の場合には、本発明の目的とする複合非磁性粒子粉末が得られない。
【0127】
乾燥乃至加熱処理を行う場合の加熱温度は、通常40〜150℃が好ましく、より好ましくは60〜120℃であり、加熱時間は、10分〜12時間が好ましく、30分〜3時間がより好ましい。
【0128】
尚、糊剤としてアルコキシシラン又はフルオロアルキルシランを用いた場合には、これらの工程を経ることにより、最終的にはアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はフルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物となって被覆されている。
【0129】
芯粒子粉末は、必要により、顔料誘導体処理カーボンブラックの付着処理又は糊剤との混合攪拌に先立って、あらかじめ、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる一種又は二種以上の中間被覆物で被覆しておいてもよい。
【0130】
中間被覆物による被覆は、芯粒子粉末を分散して得られる水懸濁液に、アルミニウム化合物、ケイ素化合物又は当該両化合物を添加して混合攪拌することにより、又は、必要により、混合攪拌後にpH値を調整することにより、前記芯粒子粉末の粒子表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる一種又は二種以上の化合物で被覆し、次いで、濾別、水洗、乾燥、粉砕する。必要により、更に、脱気・圧密処理等を施してもよい。
【0131】
アルミニウム化合物としては、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩や、アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸アルカリ塩等が使用できる。
【0132】
ケイ素化合物としては、3号水ガラス、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等が使用できる。
【0133】
次に、本発明における磁気記録媒体の製造法について述べる。
【0134】
前記非磁性下地層、前記磁気記録層及び前記バックコート層の形成にあたって用いる溶剤としては、磁気記録媒体に汎用されているアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びテトラヒドロフラン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール及びイソプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル及び酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル及びジオキサン等のグリコールエーテル類及びその混合物等を使用することができる。
【0135】
溶剤の使用量は、粒子粉末100重量部に対してその総量で65〜1000重量部である。65重量部未満では塗料とした場合に粘度が高くなりすぎ塗布が困難となる。1000重量部を超える場合には、塗膜を形成する際の溶剤の揮発量が多くなりすぎ工業的に不利となる。
【0136】
非磁性下地層、磁気記録層、バックコート層は、各層を構成する成分及び溶剤を一般に使用される混練機及び分散機により混練・分散処理を行い、各塗料を作製する。該各塗料を用いて、非磁性支持体上の一面に非磁性下地層、磁気記録層の順に塗布、乾燥後、カレンダー処理を行う。その際の塗布方法としては、磁性層と非磁性層をほぼ同時に塗布するWet on Wet法でも、非磁性下地層を塗布・乾燥後、その上に磁気記録層を塗布するWet on Dry法のどちらでもよい。また、必要により、バックコート層を設ける場合には、非磁性下地層及び磁気記録層とは反対面の非磁性支持体上にバックコート層用塗料を塗布、乾燥後、カレンダー処理を行い、磁気記録媒体を得る。
【0137】
【発明の実施の形態】
粒子の平均一次長軸径、平均一次短軸径及び平均一次粒子径は、粒子のサイズにより電子顕微鏡写真(×30,000)又は(×50,000)を選択し、該写真を縦方向及び横方向にそれぞれ4倍に拡大した写真に示される粒子約350個について一次長軸径、一次短軸径又は一次粒子径をそれぞれ測定し、その平均値で示した。
【0138】
軸比は平均一次長軸径と平均一次短軸径との比で示し、板状比は平均一次粒子径と平均一次厚みの比で示した。
【0139】
比表面積値はBET法により測定した値で示した。
【0140】
ヘマタイト粒子粉末及び含水酸化鉄粒子粉末の粒子内部や粒子表面に存在するMn量、Al量及びSi量のそれぞれは、「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業株式会社製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定した。また、Co被着マグネタイト粒子粉末及びCo被着マグヘマイト粒子粉末のCo量及び板状マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末のTi量、Ni量及びFe量は、上記と同様にして測定した。
【0141】
芯粒子粉末の粒子表面に被覆されている糊剤の被覆量及び芯粒子粉末に付着している顔料誘導体処理カーボンブラックの付着量は、「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用いて炭素量を測定することにより求めた。
【0142】
カーボンブラック粒子表面への顔料誘導体処理の確認は、「フーリエ変換赤外分光光度計 FTIR−8700」(株式会社島津製作所)を用い拡散反射法によって行った。通常、未処理のカーボンブラックは赤外光を吸収してしまうために赤外領域では吸収スペクトルをもたないが、粒子表面に有機物を処理することにより、該有機物の骨格及び官能基由来の吸収スペクトルを示すことから、顔料誘導体処理を行うことにより、顔料誘導体とほぼ同じ吸収スペクトルを観察できるかどうかによって判定を行った。
【0143】
ヘマタイト粒子粉末、含水酸化鉄粒子粉末及び複合非磁性粒子粉末の体積基準平均粒子径(D50)は、あらかじめ試料を60mesh(目開き 250μm)の篩に通し、篩を通過した該試料を乾燥機にて80℃で3hrs乾燥した後、「レーザー回折式粒度分布測定装置 model HELOS LA/KA」(SYMPATEC社製)の乾式分散ユニットを用いて、分散圧0.5MPa(5bar)にて測定した。
【0144】
ヘマタイト粒子粉末、含水酸化鉄粒子粉末、カーボンブラック、顔料誘導体処理カーボンブラック及び複合非磁性粒子粉末の黒色度は、試料0.5gとヒマシ油1.5mlとをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリアラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布した塗布片(塗膜厚み:約30μm)を作製し、該塗料片について、「分光測色計CM−3610d」(ミノルタ株式会社製)を用いて、JIS Z 8722に定めるところに従って測定を行い、表色指数Lで示した。ここでL値は、明度を表わし、L値が小さいほど黒色度が高いことを示す。
【0145】
ヘマタイト粒子粉末、含水酸化鉄粒子粉末及び複合非磁性粒子粉末の各粒子の体積固有抵抗値は、まず、被測定粒子粉末0.5gを測り取り、KBr錠剤成形器(株式会社島津製作所)を用いて、13.72MPa(140Kg/cm)の圧力で加圧成形を行い、円柱状の被測定試料を作製した。
【0146】
次いで、被測定試料を温度25℃、相対湿度60%環境下に12時間以上暴露した後、この被測定試料をステンレス電極の間にセットし、ホイートストンブリッジ(TYPE2768 横河北辰電気株式会社製)で15Vの電圧を印加して抵抗値R(Ω)を測定した。
【0147】
次いで、被測定(円柱状)試料の上面の面積A(cm)と厚みt(cm)を測定し、下記数1にそれぞれの測定値を挿入して、体積固有抵抗値(Ω・cm)を求めた。
【0148】
【数1】
体積固有抵抗値(Ω・cm)=R×(A/t)
【0149】
複合非磁性粒子粉末に付着している顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率(%)は、下記の方法により求めた値で示した。顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率が0%に近いほど、複合非磁性粒子粉末の粒子表面からの顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離量が少ないことを示す。
【0150】
複合非磁性粒子粉末3gとエタノール40mlを50mlの沈降管に入れ、20分間超音波分散を行った後、120分静置し、比重差によって複合非磁性粒子粉末と脱離した顔料誘導体処理カーボンブラックとを分離した。次いで、この複合非磁性粒子粉末に再度エタノール40mlを加え、更に20分間超音波分散を行った後120分静置し、複合非磁性粒子粉末と脱離した顔料誘導体処理カーボンブラックを分離した。この複合非磁性粒子粉末を80℃で1時間乾燥させ、顔料誘導体処理カーボンブラックの量を測定し、下記数2に従って求めた値を顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率(%)とした。
【0151】
【数2】
顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率(%)={(Wa−We)/Wa}×100
Wa:複合非磁性粒子粉末の顔料誘導体処理カーボンブラック付着量
We:脱離テスト後の複合非磁性粒子粉末の顔料誘導体処理カーボンブラック付着量
【0152】
樹脂吸着強度は、樹脂が複合非磁性粒子粉末に吸着される程度を示すものであり、下記の方法により求めた樹脂吸着強度が100%に近いほど、樹脂が粒子表面に強く吸着されていることを示す。
【0153】
先ず、樹脂吸着量Yaを求める。
【0154】
被測定粒子粉末20gとスルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂2gを溶解させた混合溶剤(メチルエチルケトン27.0g、トルエン16.2g、シクロヘキサノン10.8g)56gとを3mmφスチールビーズ120gと共に100mlポリビンに入れ、60分間ペイントシェーカーで混合分散する。
【0155】
次に、この塗料組成物50gを取り出し、50mlの沈降管に入れ、回転数10,000rpmで15分間遠心分離を行い、固形部分と溶剤部分とを分離する。そして、溶剤部分に含まれる樹脂固形分濃度を重量法によって定量し、仕込みの樹脂量との差し引きにより、固形部分に存在する樹脂量を求め、これを粒子粉末に対する樹脂吸着量Ya(mg/g)とする。
【0156】
次に、先に分離した固形部分のみを100mlトールビーカーに全量取り出し、これに混合溶剤(メチルエチルケトン25.0g、トルエン15.0g、シクロヘキサノン10.0g)50gを加え、15分間超音波分散を行って懸濁状態とした後、50ml沈降管に入れ回転数10,000rpmで15分間遠心分離を行い、固形部分と溶剤部分とを分離する。そして、溶剤部分の樹脂固形分濃度を測定することによって、粒子表面に吸着していた樹脂のうち溶剤相に抽出された樹脂量を定量する。
【0157】
更に、上記固形部分のみの100mlトールビーカーへの全量取り出しから溶剤相に溶け出した樹脂量の定量までの操作を2回繰り返し、合計3回の溶剤相中における樹脂の抽出量の総和Ye(mg/g)を求め、下記数3に従って求めた値を樹脂吸着強度(%)とした。
【0158】
【数3】
樹脂吸着強度(%)=〔(Ya−Ye)/Ya〕×100
【0159】
磁性粒子粉末の磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−3S−15」(東英工業株式会社製)を用いて外部磁場795.8kA/m(10kOe)(但し、Co被着型磁性酸化鉄粒子粉末を用いた場合には39.79kA/m(5kOe))の下で測定した値であり、磁気テープの諸特性は外部磁場795.8kA/m(10kOe)(但し、Co被着型磁性酸化鉄粒子粉末を磁性粒子粉末として用いた場合には39.79kA/m(5kOe))の下で測定した結果である。
【0160】
塗料粘度は、得られた塗料の25℃における塗料粘度を、「E型粘度計EMD−R」(株式会社東京計器製)を用いて測定し、ずり速度D=1.92sec−1における値で示した。
【0161】
塗膜の表面光沢は、「グロスメーター UGV−5D」(スガ試験機株式会社製)を用いて入射角45°で測定した値であり、標準板光沢を86.3%とした時の値を%で示したものである。
【0162】
表面粗度Raは、「Surfcom−575A」(東京精密株式会社製)を用いて塗膜の中心線平均粗さを測定した。
【0163】
光透過の程度は、「自記光電分光光度計UV−2100」(株式会社島津製作所製)を用いて、非磁性支持体と非磁性下地層からなる磁気記録媒体用基体(以下、「磁気記録媒体用基体」という。)について測定した光透過率の値を下記数4に挿入して算出した線吸収係数で示した。線吸収係数は、その値が大きいほど光を透しにくいことを示す。
【0164】
尚、光透過率の値を測定するにあたっては、上記磁気記録媒体用基体に用いた非磁性支持体と同一の非磁性支持体をブランクとして用いた。
【0165】
【数4】
線吸収係数(μm−1)=〔ln(1/T)〕/F
T:λ=900nmにおける光透過率(−)
F:測定に用いた非磁性下地層の厚み(μm)
【0166】
塗膜の表面電気抵抗値は、被測定塗膜を温度25℃、相対湿度60%環境下に12時間以上暴露した後、幅6.5mmの金属製の電極に、幅6mmにスリットした塗膜を塗布面が金属製電極に接触するように置き、その両端に各170gのおもりを付け、電極に塗膜を密着させた後、電極間に500Vの直流電圧をかけて表面電気抵抗値を測定した。
【0167】
塗膜の強度は、「オートグラフ」(株式会社島津製作所製)を用いて塗膜のヤング率を測定して求めた。ヤング率は市販ビデオテープ「AV T−120」(日本ビクター株式会社製)との相対値で表した。相対値が高いほど塗膜の強度が良好であることを示す。
【0168】
磁気記録媒体のドロップアウトは、磁気テープを「ドラムテスターBX−3168」(ベルデックス社製)にかけ、相対速度2.5m/secにおいて得られるエンベロープより、単位時間当たりのドロップアウトの個数をカウントすることにより求めた。
【0169】
磁気記録媒体を構成する非磁性支持体、非磁性下地層及び磁気記録層の各層の厚みは、下記のようにして測定した。
【0170】
「デジタル電子マイクロメーター K351C」(安立電気株式会社製)を用いて、先ず、非磁性支持体の膜厚(A)を測定する。次に、非磁性支持体と該非磁性支持体上に形成された非磁性下地層との厚み(B)(非磁性支持体の厚みと非磁性下地層の厚みとの総和)を同様にして測定する。更に、非磁性下地層上に磁気記録層を形成することにより得られた磁気記録媒体の厚み(C)(非磁性支持体の厚みと非磁性下地層の厚みと磁気記録層の厚みとの総和)を同様にして測定する。そして、非磁性下地層の厚みは(B)−(A)で示し、磁気記録層の厚みは(C)−(B)で示した。
【0171】
また、非磁性支持体の一方の面に形成される磁気記録層に対し、非磁性支持体の他方の面にバックコート層を設けた場合には、上記と同様に、「デジタル電子マイクロメーター K351C」(安立電気株式会社製)を用いて、先ず、非磁性支持体の膜厚(A)を測定する。次に、非磁性支持体と該非磁性支持体上に形成された非磁性下地層との厚み(B)(非磁性支持体の厚みと非磁性下地層の厚みとの総和)を同様にして測定する。更に、非磁性下地層上に磁気記録層を形成することにより得られた磁気記録媒体の厚み(C)(非磁性支持体の厚みと非磁性下地層の厚みと磁気記録層の厚みとの総和)を同様にして測定する。更に、磁気記録層とは反対の非磁性支持体面に設けたバックコート層との厚み(D)(非磁性支持体の厚みと非磁性下地層の厚みと磁気記録層の厚みとバックコート層の厚みとの総和)を同様にして測定する。そして、非磁性下地層の厚みは(B)−(A)で示し、磁気記録層の厚みは(C)−(B)で示し、バックコート層の厚みは(D)−(C)で示した。
【0172】
<複合非磁性粒子粉末の製造>
ヘマタイト粒子粉末(粒子形状:紡錘状、平均一次長軸径0.105μm、平均一次短軸径0.0172μm、軸比6.1、BET比表面積値52.3m/g、体積基準平均粒子径(D50)3.88、黒色度L値36.4、体積固有抵抗値1.7×10Ω・cm、樹脂吸着強度51.8%)12kgを、凝集を解きほぐすために、純水120lに攪拌機を用いて邂逅し、更に、「TKパイプラインホモミクサー」(製品名、特殊機化工業株式会社製)を3回通してヘマタイト粒子粉末を含むスラリーを得た。
【0173】
続いて、このヘマタイト粒子粉末を含むスラリーを横型サンドグラインダー「マイティーミルMHG−1.5L」(製品名、井上製作所株式会社製)を用いて、軸回転数2000rpmにおいて5回パスさせて、ヘマタイト粒子粉末を含む分散スラリーを得た。
【0174】
得られた分散スラリーは、325mesh(目開き44μm)における篩残分は0%であった。この分散スラリーを濾別、水洗して、ヘマタイト粒子粉末のケーキを得た。このヘマタイト粒子粉末のケーキを120℃で乾燥した後、乾燥粉末11.0kgをエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入して、392N/cm(40Kg/cm)で20分間混合攪拌を行い、粒子の凝集を軽く解きほぐした。
【0175】
次に、メチルトリエトキシシラン(商品名:TSL8123:GE東芝シリコーン株式会社製)220gを、エッジランナーを稼動させながら粒子の凝集を解きほぐした上記ヘマタイト粒子粉末に添加し、392N/cm(40Kg/cm)の線荷重で30分間混合攪拌を行った。尚、このときの撹拌速度は22rpmであった。
【0176】
次に、あらかじめ顔料誘導体(商品名:Solsperse 5000:アビシア株式会社製)を処理したカーボンブラック(粒子形状:粒状、平均一次粒子径0.026μm、BET比表面積値88.9m/g、黒色度L値27.8、顔料誘導体が処理されていることは、前述のフーリエ変換赤外分光光度計を用いて確認した)1100gを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に392N/cm(40Kg/cm)の線荷重で30分間、混合攪拌を行い、メチルトリエトキシシラン被覆に顔料誘導体処理カーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて105℃で60分間加熱処理を行い、複合非磁性粒子粉末を得た。尚、このときの撹拌速度は22rpmであった。
【0177】
得られた複合非磁性粒子粉末の粒子形状は紡錘状であり、平均一次長軸径は0.106μm、平均一次短軸径が0.0175μm、軸比が6.1であった。BET比表面積値は51.8m/g、体積基準平均粒子径(D50)は2.00μm、黒色度L値は29.1、体積固有抵抗値は5.3×10Ω・cm、樹脂吸着強度は80.2%、顔料誘導体処理カーボンブラックの脱離率は6.1%であり、メチルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物の被覆量はC換算で0.13重量%、付着している顔料誘導体処理カーボンブラックの量はC換算で9.12重量%(ヘマタイト粒子粉末100重量部に対して約10重量部に相当する)であった。電子顕微鏡観察の結果、顔料誘導体処理カーボンブラックがほとんど認められないことから、顔料誘導体処理カーボンブラックのほぼ全量がメチルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物被覆層に付着していることが認められた。
【0178】
<非磁性下地層1の製造>
前記複合非磁性粒子粉末12gと結合剤樹脂溶液(スルホン酸ナトリウム基を有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂30重量%とシクロヘキサノン70重量%)及びシクロヘキサノンとを混合して混合物(固形分率72%)を得、この混合物を更にプラストミルで30分間混練して混練物を得た。
【0179】
この混練物を1.5mmφガラスビーズ95g、追加の結合剤樹脂溶液(スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂30重量%、溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1)70重量%)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びトルエンと共に140mlガラス瓶に添加し、ペイントシェーカーで6時間混合・分散を行って塗料組成物を得た。その後、潤滑剤及び硬化剤を加え、更に、ペイントシェーカーで15分間混合・分散した後、3μmの平均孔径を有するフィルターを用いてろ過し、非磁性下地層用塗料を調整した。
【0180】
得られた非磁性下地層用塗料の組成は、下記の通りであった。
【0181】
Figure 0004812235
【0182】
得られた非磁性塗料の塗料粘度は612mPa・sであった。
【0183】
次いで、上記非磁性下地層用塗料を厚さ6.3μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、次いで、乾燥させることにより非磁性下地層1を形成した。非磁性下地層の特性を評価するために、得られた塗布片の半分に対してカレンダー処理を行った後、60℃で24時間硬化反応を行った。
【0184】
得られた非磁性下地層1は、膜厚が2.4μm、光沢度が199%、表面粗度Raが5.8nm、ヤング率(相対値)が133、塗膜の線吸収係数が1.61μm−1、表面電気抵抗値が5.7×10Ω/cmであった。
【0185】
<非磁性下地層2の製造>
前記非磁性下地層1の製造で得られた非磁性下地層用塗料を厚さ4.5μmの芳香族ポリアミドフィルム上に塗布し、次いで、乾燥させることにより非磁性下地層2を形成した。非磁性下地層の特性を評価するために、得られた塗布片の半分に対してカレンダー処理を行った後、60℃で24時間硬化反応を行った。
【0186】
得られた非磁性下地層2は、膜厚が1.8μm、光沢度が198%、表面粗度Raが5.9nm、ヤング率(相対値)が132、表面電気抵抗値が6.3×10Ω/cmであった。
【0187】
<磁気記録層1の製造>
鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末(平均長軸径0.073μm、平均短軸径0.0118μm、軸比6.2、保磁力値190.2kA/m(2,390Oe)、飽和磁化値131.2Am/kg(131.2emu/g))12g、研磨剤(商品名:AKP−30、住友化学株式会社製)1.2g、カーボンブラック(商品名:#3250B、三菱化成株式会社製)0.12g、結合剤樹脂溶液(スルホン酸ナトリウム基を有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂30重量%とシクロヘキサノン70重量%)及びシクロヘキサノンとを混合して混合物(固形分率78%)を得、この混合物を更にプラストミルで30分間混練して混練物を得た。
【0188】
この混練物を1.5mmφガラスビーズ95g、追加結合剤樹脂溶液(スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂30重量%、溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1)70重量%)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びトルエンと共に140mlガラス瓶に添加し、ペイントシェーカーで6時間混合・分散を行って磁性塗料を得た。その後、潤滑剤及び硬化剤を加え、更に、ペイントシェーカーで15分間混合・分散した後、3μmの平均孔径を有するフィルターを用いてろ過し、磁気記録層用塗料を調整した。
【0189】
得られた磁気記録層用塗料の組成は下記の通りであった。
Figure 0004812235
【0190】
磁気記録層用塗料を前記非磁性下地層1の上に塗布した後、磁場中において配向・乾燥し、次いで、カレンダー処理を行った後、60℃で24時間硬化反応を行い0.5インチ幅にスリットして磁気テープを得た。
【0191】
得られた磁気テープは、磁気記録層の膜厚が0.5μm、保磁力値が190.2kA/m(2,390Oe)、角型比(Br/Bm)が0.88、光沢度が217%、表面粗度Raが5.9nm、ヤング率(相対値)が134、表面電気抵抗値3.5×10Ω/cm、D/Oが8個/msecであった。
【0192】
<磁気記録層2の製造>
前記磁気記録層1の製造で得られた磁気記録層用塗料を前記非磁性下地層2の上に塗布した後、磁場中において配向・乾燥した。
【0193】
カーボンブラック(平均一次粒子径 25nm)12.0g、カーボンブラック(平均一次粒子径 370nm)1.8g、酸化鉄1.8g、結合剤樹脂溶液(ニトロセルロース30重量%とシクロヘキサノン70重量%)及びシクロヘキサノンとを混合して混合物(固形分率78%)を得、この混合物を更にプラストミルで30分間混練して混練物を得た。
【0194】
この混練物を1.5mmφガラスビーズ95g、追加結合剤樹脂溶液(スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂30重量%、溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1)70重量%)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びトルエンと共に140mlガラス瓶に添加し、ペイントシェーカーで6時間混合・分散を行ってバックコート塗料を得た。その後、潤滑剤及び硬化剤を加え、更に、ペイントシェーカーで15分間混合・分散した後、3μmの平均孔径を有するフィルターを用いてろ過し、バックコート層用塗料を調整した。
【0195】
得られたバックコート層用塗料の組成は下記の通りであった。
カーボンブラック(一次粒子径 25nm) 100.0重量部、
カーボンブラック(一次粒子径 370nm) 15.0重量部、
酸化鉄 15.0重量部、
ニトロセルロース樹脂 55.0重量部、
スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 35.0重量部、
硬化剤(ポリイソシアネート) 18.0重量部、
シクロヘキサノン 325.0重量部、
メチルエチルケトン 655.0重量部、
トルエン 325.0重量部。
【0196】
上記で得られたバックコート層用塗料を磁気記録層とは反対面の非磁性支持体上に塗布した後、乾燥し、次いで、カレンダー処理を行った。バックコート層の厚みは0.5μmであった。その後、60℃で24時間硬化反応を行い、0.5インチ幅にスリットして磁気テープを得た。
【0197】
得られた磁気テープは、磁気記録層の膜厚が0.2μm、保磁力値が181.3kA/m(2,150Oe)、角型比(Br/Bm)が0.83、光沢度が215%、表面粗度Raが6.0nm、ヤング率(相対値)が133、表面電気抵抗値7.4×10Ω/cm、D/Oが9個/msecであった。
【0198】
【作用】
本発明においては最も重要な点は、ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面に顔料誘導体処理カーボンブラックが付着している複合非磁性粒子粉末は、体積基準平均粒子径(D50)が小さく、該複合非磁性粒子粉末を用いることにより、非磁性下地層を薄層化しても、強度及び表面平滑性が優れると共に、ドロップアウトが少ない磁気記録媒体が得られるという事実である。
【0199】
本発明に係る複合非磁性粒子粉末の体積基準平均粒子径(D50)が小さくなる理由について、本発明者は、次のように考えている。微粒子であることに起因して凝集塊を形成しやすいカーボンブラックを、本発明においては、顔料誘導体によって処理することによって未処理のカーボンブラックと比べてヘマタイト粒子又は含水酸化鉄粒子の粒子表面へより強固に付着させることができるため、脱離するカーボンブラックをより低減することができたこと、及び、芯粒子表面に顔料誘導体処理カーボンブラックが存在するため、粒子間の自己凝集力が低下したためと考えている。
【0200】
本発明に係る複合非磁性粒子粉末を用いた非磁性下地層を有する磁気記録媒体は、非磁性下地層を薄層化しても表面平滑性が優れると共に、ドロップアウトが少なくなる理由として、本発明者は、本発明に係る複合非磁性粒子粉末は、挙動粒子径である体積基準平均粒子径(D50)を小さくすることができたので、非磁性下地層が薄層化しても表面上に突出する二次凝集粒子塊を低減することができたことによるものと考えている。
【0201】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を示す。
【0202】
芯粒子1〜5:
各種のヘマタイト粒子粉末及びゲータイト粒子粉末を準備し、上記発明の実施の形態と同様にして凝集が解きほぐされたヘマタイト粒子粉末及びゲータイト粒子粉末を得た。
【0203】
得られたヘマタイト粒子粉末及びゲータイト粒子粉末の諸特性を表1に示す。
【0204】
【表1】
Figure 0004812235
【0205】
芯粒子6:
芯粒子1の凝集が解きほぐされた針状ヘマタイト粒子粉末12kgと水120lとを用いて、前記発明の実施の形態と同様にして針状ヘマタイト粒子粉末を含むスラリーを得た。得られた針状ヘマタイト粒子粉末を含む再分散スラリーのpH値を10.5とした。次に、該スラリーに水を加えスラリー濃度を98g/lに調整した。このスラリー120lを加熱して60℃とし、このスラリー中に1.0mol/lのNaAlO溶液7077ml(針状ヘマタイト粒子粉末に対してAl換算で1.3重量%に相当する)を加え、30分間保持した後、酢酸を用いてpH値を7.5に調整した。この状態で30分間保持した後、濾過、水洗、乾燥、粉砕して粒子表面がアルミニウムの水酸化物により被覆されている針状ヘマタイト粒子粉末を得た。
【0206】
得られた粒子表面がアルミニウムの水酸化物により被覆されている針状ヘマタイト粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0207】
芯粒子7〜10:
芯粒子の種類、表面処理工程における添加物の種類及び量を種々変えた以外は芯粒子6と同様にして表面処理をした芯粒子粉末を得た。
【0208】
このときの製造条件を表2に、得られた表面処理済芯粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0209】
【表2】
Figure 0004812235
【0210】
【表3】
Figure 0004812235
【0211】
カーボンブラック1〜5:
各種顔料誘導体によって処理されたカーボンブラックを用意した。尚、カーボンブラック5は、カーボンブラック1の顔料誘導体処理前の未処理カーボンブラックである。
【0212】
尚、カーボンブラック1〜4は、いずれもフーリエ変換赤外分光光度計を用いて、各顔料誘導体によって処理されていることを確認した。
【0213】
得られた顔料誘導体処理カーボンブラック及び未処理カーボンブラックの諸特性を表4に示す。
【0214】
【表4】
Figure 0004812235
【0215】
実施例1〜10、比較例1及び2:
芯粒子の種類、糊剤による被覆工程における添加物の種類及び添加量、エッジランナー処理の荷重及び時間、顔料誘導体処理カーボンブラックの種類及び添加量、顔料誘導体処理カーボンブラックの付着工程におけるエッジランナーによる処理の荷重及び時間を種々変えた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして複合非磁性粒子粉末を得た。
【0216】
このときの製造条件を表5に、得られた複合非磁性粒子粉末の諸特性を表6に示す。
【0217】
実施例11:
芯粒子1のヘマタイト粒子粉末とカーボンブラック1とを、ヘマタイト粒子粉末100重量部に対してカーボンブラック1がC換算で10.0重量部になるように予備混合し、「メカノフュージョン AMS−Lab」(ホソカワミクロン株式会社製)に投入し、メカノケミカル反応により、芯粒子1の粒子表面にカーボンブラック1が付着している複合非磁性粒子粉末を得た。得られた複合非磁性粒子粉末の諸特性を表6に示す。
【0218】
【表5】
Figure 0004812235
【0219】
【表6】
Figure 0004812235
【0220】
実施例1〜11の各実施例で得られた複合非磁性粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、顔料誘導体処理カーボンブラックがほとんど認められないことから、顔料誘導体処理カーボンブラックのほぼ全量が芯粒子表面又は糊剤被覆に付着していることが確認された。
【0221】
<非磁性下地層の製造>
実施例12〜17、比較例3及び4:
実施例1、4、7、8、10、11、比較例1及び3の各非磁性粒子粉末を用いて前記発明の実施の形態の非磁性下地層1と同様にして非磁性下地層を得た。
【0222】
実施例18〜23、比較例5及び6:
実施例2、3、5、6、7、8、比較例1及び3の各非磁性粒子粉末を用いて、前記発明の実施の形態の非磁性下地層2と同様にして非磁性下地層を得た。
【0223】
このときの製造条件及び得られた非磁性下地層の諸特性を表7に示す。
【0224】
【表7】
Figure 0004812235
【0225】
<磁気記録媒体の製造>
実施例24〜35及び比較例7〜10:
非磁性下地層の種類及び磁性粒子粉末の種類を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして磁気記録媒体を製造した。
【0226】
尚、使用した磁性粒子(1)乃至(5)の諸特性を表8に示す。
【0227】
【表8】
Figure 0004812235
【0228】
このときの製造条件及び得られた磁気記録媒体の諸特性を表9に示す。
【0229】
【表9】
Figure 0004812235
【0230】
【発明の効果】
本発明に係る複合非磁性粒子粉末は、磁気記録媒体の非磁性下地層用非磁性粒子粉末として用いた場合、非磁性下地層を薄層化しても表面平滑性及び強度に優れると共に、ドロップアウトが少ない磁気記録媒体を得ることができることから、高密度磁気記録媒体用材料として好適である。
【0231】
本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性下地層用非磁性粒子粉末として上記複合非磁性粒子粉末を用いることにより、表面平滑性及び耐久性に優れると共に、ドロップアウトが少ない磁気記録媒体が得られるので、高密度磁気記録媒体として好適である。

Claims (5)

  1. ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にカーボンブラックが付着している複合非磁性粒子粉末からなり、前記カーボンブラックが顔料誘導体によってあらかじめ処理されたものであることを特徴とする磁気記録媒体の非磁性下地層用複合非磁性粒子粉末。
  2. ヘマタイト粒子粉末又は含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に該糊剤被覆粒子表面にカーボンブラックが付着している複合非磁性粒子粉末からなり、前記カーボンブラックが顔料誘導体によってあらかじめ処理されたものであることを特徴とする磁気記録媒体の非磁性下地層用複合非磁性粒子粉末。
  3. 請求項2記載のヘマタイト粒子粉末又は含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面が、あらかじめアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物によって被覆されていることを特徴とする磁気記録媒体の非磁性下地層用複合非磁性粒子粉末。
  4. 非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む非磁性下地層及び該非磁性下地層の上に形成される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層からなる磁気記録媒体において、前記非磁性粒子粉末が請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の非磁性下地層用複合非磁性粒子粉末であることを特徴とする磁気記録媒体。
  5. 非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む非磁性下地層、該非磁性下地層の上に形成される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層及び、前記非磁性支持体の他方の面に形成されるバックコート層からなる磁気記録媒体において、前記非磁性粒子粉末が請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の非磁性下地層用複合非磁性粒子粉末であることを特徴とする磁気記録媒体。
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