JP4812115B2 - 現像ロール - Google Patents

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Description

本発明は、複写機,プリンター等の電子写真機器類に用いられる現像ロールに関するものである。
複写機,プリンター等の電子写真機器では、高画質の画像を得るようにする観点から、その電子写真機器に用いられる現像ロールには、トナー搬送性および耐トナーフィルミング性等の性能が要求されている。これら性能のうちトナー搬送性は、現像ロールの外周面を凹凸粗面に形成することにより発現され(例えば、特許文献1参照)、耐トナーフィルミング性は、現像ロールの最外層の樹脂形成材料(ポリマー種,配合組成)を適宜選択することにより、発現されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−304053号公報 特開2004−285114号公報
ところで、現像ロールが層形成ブレードと圧接した状態で回転するタイプの電子写真機器では、長時間の使用により、現像ロールの外周面(凹凸粗面の凸部)が摩耗し、その外周面の粗面が平坦化される。このような状態になると、トナー搬送性および耐トナーフィルミング性が充分に発現されなくなり、現像ロールを新品に交換する必要がある。そして、最近、その現像ロールの交換サイクルを長くすること(現像ロールのロングライフ化)が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、トナー搬送性および耐トナーフィルミング性の発現期間を長くすることができる現像ロールの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の現像ロールは、軸体と、この軸体の外周面に形成されたベースゴム層と、このベースゴム層の外周に直接もしくは他の層を介して形成されその外周面が凹凸粗面に形成された高分子材料製の中間層と、この中間層の外周面に形成され上記中間層の凹凸粗面に起因してその外周面に凹凸粗面が形成された高分子材料製の最外層とを有する現像ロールであって、上記最外層の形成材料がシリコーングラフト変性ウレタンを主材料とする材料であり、その上記最外層が下記(A)および(B)の条件を満たしているという構成をとる。
(A)日本工業規格(JIS)K6251(2004年)で規定されている弾性率(Ts)が下記の式(1)を満たしている。
(B)日本工業規格(JIS)K6251(2004年)で規定されている破断時引張応力(TSb)と切断時延び(Eb)との積が下記の式(2)を満たしている。
Figure 0004812115
Figure 0004812115
本発明者らは、現像ロールのトナー搬送性および耐トナーフィルミング性の発現期間を長くすべく、トナーに接する最外層の耐摩耗性を向上させることに着目し、研究を重ねた。その結果、最外層の凹凸粗面を、最外層に粗面形成用粒子を加えて形成するのではなく、その内側の中間層の表面を凹凸粗面とし、その凹凸粗面に起因して形成し、かつ、その最外層を上記(A)および(B)の条件を満たすようにすると、最外層の耐摩耗性が向上し、その効果が長く持続することを突き止めた。すなわち、上記条件を満たす最外層を形成する場合、トナー搬送性を得るための凹凸粗面の形成は、最外層の内側の中間層の外周面を凹凸粗面に形成し、その中間層の凹凸粗面に起因して最外層の外周面を凹凸粗面に形成するようにすると、最外層の凹凸粗面がなだらかとなり、その凹凸粗面の凹部へのトナーの堆積が低減され、これにより、耐トナーフィルミング性が向上し、その効果が長く持続することを見出し、本発明に到達した。なお、上記式(1)における弾性率(Ts)の単位はMPaであり、上記式(2)における破断時引張応力(TSb)の単位はMPaであり、切断時延び(Eb)の単位は%である。
本発明の現像ロールは、トナーに接する最外層の内側の中間層の外周面を凹凸粗面に形成し、その中間層の凹凸粗面に起因して最外層の外周面を凹凸粗面に形成しており、さらに、その最外層が上記(A)および(B)の条件を満たしているため、最外層の耐摩耗性が向上し、トナー搬送性および耐トナーフィルミング性の発現期間を長くすることができる。
特に、上記最外層の形成材料が、シリコーングラフト変性ウレタンを主材料とする材料である場合には、耐トナーフィルミング性がより優れたものにすることができる。
また、上記最外層の外周面の算術平均粗さ(Ra)が、0.3〜4.0μmの範囲内である場合には、トナー搬送性がより優れたものにすることができる。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
図1は、本発明の現像ロールの一実施の形態を模式的に示している。この実施の形態の現像ロールは、軸体1と、この軸体1の外周面に形成されたベースゴム層2と、このベースゴム層2の外周面に形成された中間層3と、この中間層3の外周面に形成されトナーに接する最外層4とから構成されている。上記中間層3は、外周面が凹凸粗面に形成されており、それに起因して、最外層4の外周面も凹凸粗面に形成されている。そして、その最外層4は、日本工業規格(JIS)K6251(2004年)で規定されている弾性率(Ts)が下記の式(1)を満たし、かつ、破断時引張応力(TSb)と切断時延び(Eb)との積が下記の式(2)を満たしている。
Figure 0004812115
Figure 0004812115
このように上記式(1)および式(2)を満たすようにすることにより、最外層4の耐摩耗性が向上し、トナー搬送性および耐トナーフィルミング性の発現期間を長くすることができる。このため、従来の現像ロールの交換サイクルが画出し1万枚程度毎であったのに対し、本発明の現像ロールでは、その交換サイクルが画出し10万枚程度まで長くなる。すなわち、上記式(1)において、弾性率(Ts)が500MPa(下限値)を下回ると、最外層4のタック性(粘着性)が増して耐トナーフィルミング性に劣るようになり、3000MPa(上限値)を上回ると、最外層4が硬くなって割れ易くなる。また、上記式(2)において、破断時引張応力(TSb)と切断時延び(Eb)との積が上記式(2)の範囲を外れると、最外層4の破断エネルギが小さくなり、耐摩耗性に劣るようになる。ここで、上記弾性率(Ts),破断時引張応力(TSb)および切断時延び(Eb)は、上記最外層4と同様の材料および製法で作製したシート材について測定したものであり、その測定には、日本工業規格(JIS)K6251(2004年)に準ずる引張試験機(例えば、AE−Fストログラフ、東洋精機製作所社製)が用いられる。
上記最外層4が上記式(1)および式(2)を満たすようにするには、最外層4の形成材料を適正に調製することが行われる。その最外層4の形成材料としては、シリコーングラフト変性ウレタンを主材料とし、これにカーボンブラック等の導電剤が含有されているものが用いられる。上記シリコーングラフト変性ウレタンとしては、グラフト変性率が2〜10重量%の範囲内のものが好ましい。また、必要に応じて、添加剤等を適宜に添加してもよい。そして、上記形成材料は、例えばメチルエチルケトン(MEK)等の有機溶剤に溶解等され、コーティング液として使用に供される。
そして、上記式(1)における弾性率(Ts)の調節は、上記最外層4の形成材料に配合する導電剤の種類や量、または架橋剤の種類や量を変えることにより行われ、上記式(1)を満たすようにするには、例えば、導電剤の配合割合を1〜50重量%の範囲内に設定することが行われる〔導電剤の配合割合が増加するにつれて弾性率(Ts)が増加する〕。また、上記式(2)における破断時引張応力(TSb)は、上記式(2)を満たすようにする観点から、20MPa以上に設定することが好ましく、同様に、切断時延び(Eb)は、25%以上に設定することが好ましい。これらのためには、上記形成材料のガラス転移点(Tg)を40℃以下に設定することが行われる。このガラス転移点(Tg)が40℃以下のものは、シリコーングラフト変性ウレタンを構成するウレタン主鎖のポリオール成分として、ガラス転移点(Tg)が40℃以下のものを選択して合成することで得られ易い。
また、上記最外層4の外周面は、凹凸粗面に形成されており、トナー搬送性がより優れたものになる観点から、その算術平均粗さ(Ra)は、0.3〜4.0μmの範囲内に設定されていることが好ましく、より好ましくは、0.8〜3.0μmの範囲内である。ここで、上記算術平均粗さ(Ra)は、日本工業規格(JIS)B0601(1994年)に記載の規定によるものであり、その測定には、表面粗さ計(例えば、サーフコム480A、東京精密社製)が用いられる。
上記最外層4の外周面の凹凸粗面の形成は、その最外層4の内側の中間層3の外周面を凹凸粗面に形成し、その中間層3の凹凸粗面に最外層4を形成することにより行われている。すなわち、上記中間層3の外周面の凹凸粗面に起因して、最外層4の外周面が凹凸粗面に形成されている。このようにして最外層4の外周面を凹凸粗面に形成することにより、最外層4の凹凸粗面がなだらかとなり、最外層4の凹凸粗面の凹部へのトナーの堆積が低減され、耐トナーフィルミング性が向上する。そして、最外層4の外周面の算術平均粗さ(Ra)を上記0.3〜4.0μmの範囲内(好ましい範囲内)に設定する観点から、中間層3の外周面の算術平均粗さ(Ra)は、最外層4の厚み(通常、2〜15μmの範囲内)にもよるが、2〜5μmの範囲内に設定することが好ましい。なかでも、最外層4の外周面の算術平均粗さ(Ra)を上記0.8〜3.0μmの範囲内(より好ましい範囲内)に設定する場合は、中間層3の外周面の算術平均粗さ(Ra)を1.5〜3.8μmの範囲内に設定することが好ましい。また、中間層3の凹凸粗面の凸部の傾斜面の傾斜角は、20〜60°の範囲内に設定することが好ましい。
上記中間層3の外周面を凹凸粗面に形成する方法としては、特に限定されないが、中間層3の形成材料として粒子3aを含有させた材料を用いることにより形成された中間層3内に上記粒子3aを分散させその粒子3a部分を凸部に形成する方法(図1ではこの方法による凹凸粗面を図示している),中間層3を形成した後にレーザエッチングすることにより中間層3の外周面に凹部を分布形成する方法等があげられる。また、中間層3の厚み(凹凸粗面の形成に粒子3aを用いる場合は、その粒子3aの存在しない凹部の厚み)は、特に限定されないが、通常、3〜30μmの範囲内に設定される。
上記中間層3の形成材料としては、下記の主材料にカーボンブラック等の導電剤が含有されているものが用いられる。その主材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリウレタン系エラストマー,エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM),スチレン−ブタジエンゴム(SBR),アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム:NBR),水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(水素化ニトリルゴム:H−NBR),クロロプレンゴム(CR),天然ゴム,ブタジエンゴム(BR),アクリルゴム(ACM),イソプレンゴム(IR),ヒドリンゴム(ECO,CO),ウレタンゴム,フッ素ゴム,ポリエステル、N−メトキシメチル化ナイロン等があげられる。また、必要に応じて、添加剤等を適宜に添加してもよい。そして、上記形成材料は、例えばメチルエチルケトン(MEK)等の有機溶剤に溶解等され、コーティング液として使用に供される。さらに、上記凹凸粗面の形成が粒子3aによる場合は、この形成材料に粗面形成用の粒子3aを含有させる。
上記粗面形成用の粒子3aとしては、中間層3の外周面の算術平均粗さ(Ra)を上記2〜5μmの範囲内(好ましい範囲内)にする観点から、平均粒径を3〜30μmの範囲内に設定することが好ましく、なかでも、中間層3の外周面の算術平均粗さ(Ra)を上記1.5〜3.8μmの範囲内(より好ましい範囲内)にする場合は、平均粒径を12〜18μmの範囲内に設定することが好ましい。なお、上記粒子3aの平均粒径は、母集団から任意に抽出される試料10個を用いて導出される平均値であり、粒子3aの形状が真球状ではなく楕円球状(断面が楕円状の球)等のように一律に粒径が定まらない場合には、最長径と最短径との単純平均値をその粒子3aの粒径とする。また、上記粒子3aの形成材料は、特に限定されるものではないが、例えば、シリカ,ウレタン樹脂,ポリアミド樹脂,フッ素樹脂,アクリル樹脂,尿素樹脂,シリコーン樹脂等があげられる。そして、上記粒子3aの含有割合は、粒子3aの粒径等にもよるが、上記中間層3の形成材料の主材料100重量部に対して、3〜80重量部の範囲内に設定することが好ましい。
上記中間層3の凹凸粗面の形成がレーザエッチングによる場合は、レーザ光として、通常、Nd−YAGレーザ,エキシマレーザ等が用いられる。そして、そのレーザ光をレンズ系により微小な点状に収束させ、中間層3の外周面にレーザ光密度の高い点状部分を形成することにより、その点状部分で中間層3がレーザ光を吸収してアブレーション(溶発)を起こし、その点状部分に微小な凹部が形成される。例えば、上記レンズ系を上記ロール体の軸方向に沿って直線状に複数個配置することにより、上記レーザ光が点状に収束した点状部分を、中間層3の外周面に、軸方向に沿って一端縁から他端縁まで直線状に多数点在させるようにすると、それら点在部分を一度に凹部に形成することができる。さらに、上記ロール体を断続的に軸周りに回転させ、その回転に同調させて断続的にレーザ光を照射すると、上記最外層3の外周面に多数の凹部を分布形成することができる。
上記中間層3の内側のベースゴム層2の形成材料としては、通常、下記の主材料にカーボンブラック等の導電剤が含有されているものが用いられる。その主材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、シリコーンゴム,エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM),スチレン−ブタジエンゴム(SBR),アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR),水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR),クロロプレンゴム(CR),ポリウレタン系エラストマー等があげられる。なかでも、低硬度でへたりが少ない観点から、シリコーンゴムを用いることが好ましい。また、必要に応じて、シリコーンオイル,加硫剤,加硫促進剤,滑剤,助剤等を適宜に添加してもよい。
上記ベースゴム層2の内側の軸体1は、特に限定されるものではなく、中実でも中空でもよい。また、上記軸体1の材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、鉄,鉄にめっきを施したもの,ステンレス,アルミニウム等があげられる。そして、上記軸体1の表面には、通常、接着剤やプライマー等が塗布される。さらに、上記接着剤やプライマー等は、必要に応じて、導電化してもよい。
上記現像ロールは、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、軸体1を成形用金型の中空部に同軸的にセットし、密封した後、ベースゴム層2の形成材料を注入する。ついで、それをオーブン等により加熱(通常、150〜200℃の範囲内)し、上記ベースゴム層2を形成する。脱型後、そのベースゴム層2の外周面に、中間層3の形成材料(コーティング液)を、ロールコート法,スプレーコート法,ディッピング法等により塗布した後、乾燥および加熱処理(120〜200℃×20〜90分間)を行うことにより、上記中間層3の形成材料(コーティング液)中の溶剤を除去し、硬化させる。そして、必要に応じてレーザエッチングを行う。これにより、外周面が凹凸粗面に形成された中間層3を形成する。さらに、その中間層3の外周面に、最外層4の形成材料(コーティング液)を、ロールコート法,スプレーコート法,ディッピング法等により塗布した後、乾燥および加熱処理(120〜200℃×20〜90分間)を行うことにより、上記最外層4の形成材料(コーティング液)中の溶剤を除去し、硬化させ、外周面が凹凸粗面に形成された最外層4を形成する。このようにして、上記現像ロールを作製することができる。
なお、上記実施の形態では、現像ロールを、ベースゴム層2,中間層3および最外層4の3層構造としたが、ベースゴム層2と中間層3との間に、他の層を1層以上形成してもよい。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。但し、本発明は、実施例に限定されるわけではない。
〔ベースロールの作製〕
まず、軸体としてアルミニウム製軸体を準備し、上記軸体の外周面に接着剤を塗布した。ついで、円筒状金型の中空部に、上記軸体をセットし、円筒状金型と軸体との空隙部に、シリコーンゴムコンパウンドを注型した後、金型に蓋をし、これを加熱(180℃×5分)して、シリコーンゴムコンパウンドを加硫し、その後脱型して、ベースゴム層(厚み5mm)付き軸体(ベースロール)を作製した。
〔中間層形成用溶液の調製〕
ポリウレタン系エラストマー(UN278、坂井化学工業社製)100重量部と、カーボンブラック20重量部と、架橋剤10重量部と、MEK400重量部とを混合して得られるポリマーの溶液に、平均粒径20μmのウレタン樹脂からなる粒子(バーノックCFB100、大日本インキ化学工業社製)20重量部を分散して混合、攪拌することにより、中間層形成用溶液を調製した。
〔最外層形成用溶液の調製〕
シリコーングラフト変性ウレタン(グラフト変性率5重量%)100重量部と、カーボンブラック50重量部と、架橋剤5重量部と、MEK400重量部とを混合、攪拌することにより、最外層形成用溶液を調製した。
〔現像ロールの作製〕
上記ベースロールの外周面に、上記中間層形成用溶液をロールコート法により塗工した後、乾燥および加熱処理を行い、ベースゴム層(厚み5mm)の外周面に中間層(厚み10μm)を形成した。さらに、上記中間層の外周面に、上記表層形成用溶液をロールコート法により塗工した後、乾燥および加熱処理を行い、中間層の外周面に表層(厚み1μm)を形成した。このようにして、3層構造の現像ロールを作製した(図1参照)。
また、最外層の弾性率(Ts),破断時引張応力(TSb),切断時延び(Eb)およびガラス転移温度(Tg)を、下記のようにして測定した。
〔最外層の弾性率(Ts),破断時引張応力(TSb),切断時延び(Eb)の測定〕
上記最外層形成用溶液をロールコート法により板材の表面に塗工した後、乾燥および加熱処理を行い、最外層と同様の材料からなるシート(厚み30μm)を作製した。そして、引張試験機(AE−Fストログラフ、東洋精機製作所社製)を用い、上記シートについて、弾性率(Ts),破断時引張応力(TSb)および切断時延び(Eb)を測定した。その結果、弾性率(Ts)は500MPa、破断時引張応力(TSb)は20MPa、切断時延び(Eb)は50%であり、上記破断時引張応力(TSb)と切断時延び(Eb)との積は1000となった。なお、この測定は、以降の実施例および比較例についても同様にして行った。
〔最外層のガラス転移温度(Tg)の測定〕
上記最外層形成用溶液10mgを採取し、風乾にて溶剤を揮発させた残りの固形分をアルミニウム製容器に入れ、それをホルダユニットに載せ、電気炉内にセットした。そして、室温(20℃)から昇温速度10℃/分で150℃まで加熱した後、150℃のまま10分間維持した。ついで、室温(20℃)まで冷却し、その室温状態で10分間維持した。つぎに、窒素雰囲気下で昇温速度10℃/分で150℃まで再度加熱してDSC測定を行った。ガラス転移温度(Tg)は、TG−DSCシステムTAS−100(リガク社製)の解析システムを用いて、ガラス転移温度(Tg)近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。その結果、ガラス転移温度(Tg)は15℃であった。なお、この測定は、以降の実施例および比較例についても同様にして行った。
上記実施例1において、最外層形成用溶液を下記のものに代えた。それ以外は、上記実施例1と同様にして現像ロールを作製した。
〔最外層形成用溶液の調製〕
シリコーングラフト変性ウレタン(グラフト変性率4重量%)100重量部と、カーボンブラック25重量部と、架橋剤3重量部と、MEK400重量部とを混合、攪拌することにより、最外層形成用溶液を調製した。
そして、この最外層の弾性率(Ts)は700MPa、破断時引張応力(TSb)は35MPa、切断時延び(Eb)は200%であり、上記破断時引張応力(TSb)と切断時延び(Eb)との積は7000となった。また、この最外層のガラス転移温度(Tg)は25℃であった。
上記実施例1において、最外層形成用溶液を下記のものに代えた。それ以外は、上記実施例1と同様にして現像ロールを作製した。
〔最外層形成用溶液の調製〕
シリコーングラフト変性ウレタン(グラフト変性率6重量%)100重量部と、カーボンブラック55重量部と、架橋剤5重量部と、MEK400重量部とを混合、攪拌することにより、最外層形成用溶液を調製した。
そして、この最外層の弾性率(Ts)は3000MPa、破断時引張応力(TSb)は25MPa、切断時延び(Eb)は30%であり、上記破断時引張応力(TSb)と切断時延び(Eb)との積は750となった。また、この最外層のガラス転移温度(Tg)は40℃であった。
上記実施例1において、最外層形成用溶液を下記のものに代えた。それ以外は、上記実施例1と同様にして現像ロールを作製した。
〔最外層形成用溶液の調製〕
シリコーングラフト変性ウレタン(グラフト変性率5重量%)100重量部と、カーボンブラック20重量部と、架橋剤2重量部と、MEK400重量部とを混合、攪拌することにより、最外層形成用溶液を調製した。
そして、この最外層の弾性率(Ts)は2000MPa、破断時引張応力(TSb)は10MPa、切断時延び(Eb)は50%であり、上記破断時引張応力(TSb)と切断時延び(Eb)との積は500となった。また、この最外層のガラス転移温度(Tg)は5℃であった。
上記実施例1において、最外層形成用溶液を下記のものに代えた。さらに、中間層形成用溶液に分散させる粒子を、平均粒径15μmのウレタン樹脂からなる粒子(アートパールC−400、根上工業社製)40重量部とした。それ以外は、上記実施例1と同様にして現像ロールを作製した。
〔最外層形成用溶液の調製〕
シリコーングラフト変性ウレタン(グラフト変性率5重量%)100重量部と、カーボンブラック20重量部と、架橋剤5重量部と、MEK400重量部とを混合、攪拌することにより、最外層形成用溶液を調製した。
そして、この最外層の弾性率(Ts)は1450MPa、破断時引張応力(TSb)は30MPa、切断時延び(Eb)は120%であり、上記破断時引張応力(TSb)と切断時延び(Eb)との積は3600となった。また、この最外層のガラス転移温度(Tg)は25℃であった。
上記実施例5において、中間層形成用溶液に分散させる粒子を、平均粒径15μmのウレタン樹脂からなる粒子(ダイミックビーズUCN5150D、大日精化社製)40重量部とした。それ以外は、上記実施例5と同様にして現像ロールを作製した。
〔比較例1〕
上記実施例1において、最外層形成用溶液を下記のものに代えた。それ以外は、上記実施例1と同様にして現像ロールを作製した。
〔最外層形成用溶液の調製〕
シリコーングラフト変性ウレタン(グラフト変性率5重量%)100重量部と、カーボンブラック25重量部と、架橋剤5重量部と、MEK400重量部とを混合、攪拌することにより、最外層形成用溶液を調製した。
そして、この最外層の弾性率(Ts)は80MPa、破断時引張応力(TSb)は30MPa、切断時延び(Eb)は200%であり、上記破断時引張応力(TSb)と切断時延び(Eb)との積は6000となった。また、この最外層のガラス転移温度(Tg)は14℃であった。
〔比較例2〕
上記実施例1において、最外層形成用溶液を下記のものに代えた。それ以外は、上記実施例1と同様にして現像ロールを作製した。
〔最外層形成用溶液の調製〕
シリコーングラフト変性ウレタン(グラフト変性率10重量%)100重量部と、カーボンブラック75重量部と、架橋剤5重量部と、MEK400重量部とを混合、攪拌することにより、最外層形成用溶液を調製した。
そして、この最外層の弾性率(Ts)は3200MPa、破断時引張応力(TSb)は38MPa、切断時延び(Eb)は10%であり、上記破断時引張応力(TSb)と切断時延び(Eb)との積は380となった。また、この最外層のガラス転移温度(Tg)は60℃であった。
このようにして得られた実施例1〜6および比較例1,2の各現像ロールについて、下記のようにして、摩耗量の測定および耐フィルミング性の評価を行い、その結果を下記の表1に併せて表記した。
〔現像ロールの摩耗量〕
このようにして得られた実施例1〜6および比較例1,2の各現像ロールを、図2に示す空回転治具にセットした。この空回転治具には、上記各現像ロール11がセットされるカートリッジ10と、セットされた現像ロール11と平行かつ接触した状態で設置された回転自在の円柱体(鉄製の円柱状体の表面にニッケルめっきを被覆したもの)20とが設けられており、上記カートリッジ10には、上記現像ロール11に平行かつ接触した状態で、トナー供給ロール12および2本の層形成ブレード13が設けられている。このような空回転治具において、現像ロール11の回転速度を400rpmに設定し、90分間回転させた。そして、その回転の前後で現像ロール11の外径を測定することにより、最外層の摩耗量(外径の減少量の半分)を算出した。この摩耗量が1μm未満のものが良品と評価できるものである。
〔耐フィルミング性〕
上記各現像ロールを市販の実機(プリンタ)に組み込み、20000枚(モノクロ20枚/分,カラー5枚/分)印刷した。その後、現像ロールを実機から取り出し、その現像ロールの表面に固着することなく付着しているトナーを取り除いた後、現像ロールの表面に固着しているトナー層の厚みを測定した。この測定は、現像ロールを厚み方向に切断し、その切断面を電子顕微鏡で見て行った。その結果、固着したトナーの厚みが0.4μm以下のものを◎、0.4μmを超え1μm未満のものを○、1μm以上のものを×と評価した。
Figure 0004812115
上記表1の結果から、実施例1〜6の現像ロールは、最外層の摩耗量が少なく、比較例1,2の現像ロールと比較して、耐フィルミング性にも優れていることがわかる。なかでも、実施例5,6の現像ロールは、最外層の摩耗量がより少なく、耐フィルミング性もより優れていることがわかる。これは、中間層内に分散している粒子の平均粒径,硬度(実施例5,6の粒子は他の実施例の粒子よりも柔らかい)等の違いによるものと推測される。
本発明の現像ロールの一実施の形態を模式的に示す、一部が破断した正面図である。 現像ロールを摩耗させる際に用いる空回転治具を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1 軸体
2 ベースゴム層
3 中間層
4 最外層

Claims (2)

  1. 軸体と、この軸体の外周面に形成されたベースゴム層と、このベースゴム層の外周に直接もしくは他の層を介して形成されその外周面が凹凸粗面に形成された高分子材料製の中間層と、この中間層の外周面に形成され上記中間層の凹凸粗面に起因してその外周面に凹凸粗面が形成された高分子材料製の最外層とを有する現像ロールであって、上記最外層の形成材料がシリコーングラフト変性ウレタンを主材料とする材料であり、その最外層が下記(A)および(B)の条件を満たしていることを特徴とする現像ロール。
    (A)日本工業規格(JIS)K6251(2004年)で規定されている弾性率(Ts)が下記の式(1)を満たしている。
    Figure 0004812115
    (B)日本工業規格(JIS)K6251(2004年)で規定されている破断時引張応力(TSb)と切断時延び(Eb)との積が下記の式(2)を満たしている。
    Figure 0004812115
  2. 上記最外層の外周面の算術平均粗さ(Ra)が、0.3〜4.0μmの範囲内である請求項1記載の現像ロール。
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