以下、遊技媒体に遊技球を用いてスロットマシン遊技を行う遊技機の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では当該遊技機のことを「スロットマシン」として呼称する。
(スロットマシンの構成) 図1および図2は、一実施形態のスロットマシンの外観を示している。本実施形態のスロットマシンは、一般的なパチンコ機(遊技領域に向け遊技球を発射して遊技を行う弾球式遊技機)が有する外枠と同じ幅寸法および高さ寸法の外枠10を有するほか、この外枠10に取り付けられる前面扉21や本体枠70を備えている。スロットマシンの構成部材は前面側からみて全て外枠10の内側に収まり、それゆえスロットマシンはパチンコ機用の島設備に設置することが可能となっている。
スロットマシン兼用のパチンコ機用島設備には、スロットマシンに隣接して球貸し機(サンド)200が設置されている。なお、図示の例では、遊技者が球貸し機200に現金を投入して遊技球を借り受けるタイプを前提としているが、本実施形態のスロットマシンにはプリペイドカードを投入するタイプの球貸し機(CRユニット)を接続することもできる。なお、CRユニットを接続する構成例については、スロットマシンの制御構成とあわせて後述する。
(図柄表示部) パチンコ機の前面扉は通常、ガラス板を有した円形状の開口窓を有しているが、スロットマシンにおける前面扉21の外観は大きく異なっている。すなわち、前面扉21のほぼ中央には矩形の図柄表示窓23が開口して形成されており、この図柄表示窓23にはガラス板または透明樹脂板等の透明板が取り付けられている。前面扉21の奥には可動表示体として3つのリール111が設置されており、リール111の表面に形成された図柄列は図柄表示窓23を透かして前面側から視認可能となっている。また図柄表示窓23内では、リール111の停止時に各リール111について縦方向に3つの図柄が所定位置(有効ライン上の位置)に停止した状態で表示される。
また前面扉21の上部には矩形の液晶表示窓24が形成されており、この液晶表示窓24にもまたガラス板または透明樹脂板等の透明板が取り付けられている。前面扉21の奥には液晶表示器131が設置されており、液晶表示窓24は、スロットマシンの前面側から液晶表示器131の表示面を視認可能としている。
前面扉21の下部分には、図柄表示窓23の下方の位置に操作部設置台22が形成されている。前面扉21において、操作部設置台22は図柄表示窓23からさらに前面側に突出するようにして形成されており、操作部設置台22の上面にはMAXベットボタン40が設置されている。また操作部設置台22の前面には、始動レバー41およびストップボタン42,43,44が横方向に並ぶようにして設置されている。
操作部設置台22の左側部には球受入口25が形成されており、この球受入口25は上方に開口し、この開口から遊技球を受入れ可能となっている。また前面扉21の前側には、操作部設置台22の下方に位置して球受け皿26が形成されている。ホールの島設備には、スロットマシンに隣接して球貸し機(サンド)200が設置されており、球貸し機200の球放出樋201から放出された遊技球は球受入口25から受入れ可能である。なお、図示の例では、遊技者が球貸し機200に現金を投入して遊技球を借り受けるタイプを前提としているが、本実施形態のスロットマシンにはプリペイドカードを投入するタイプの球貸し機(CRユニット)を接続することもできる。なお、CRユニットを接続する構成例については、スロットマシンの制御構成とあわせて後述する。
前面扉21の下部領域の内部には、球受け皿26を通じて供給される遊技球を取り込み、ゲームごとの掛け数を設定するための球取込装置30が設置されている。また球受け皿26には、遊技球を前後2列に整列させて球取込装置30に供給するための前後2条の球整列路28が仕切り壁28aによって区画形成されている。なお、球取込装置30や遊技球を取り込む経路の詳細については後述する。
前面扉21の前側には、その図柄表示窓23および液晶表示窓24の周囲を取り囲むようにして、装飾ランプを有するランプ基板や各種の表示ランプを有する表示基板、左右のスピーカ27(例えば、高中音用スピーカ)等が配置されている。さらに、前面扉21の前側には、スロットマシンがCRユニット対応(CR機)である場合の貸球ボタンやカードの返却ボタン等を設置可能となっている。
(球受け皿の球抜き) 前面扉21の左側部分には、球受け皿26の下方の位置に球抜きボタン26bが設置されている。また球受け皿26の底板には、前面側からみて左端近傍の位置に球抜き穴26cが形成されている。球抜き穴26cは球受け皿26の底板をある程度大きい範囲(遊技球の直径の5倍程度)に開口して形成されており、球抜き穴26cは前面扉21の奥で球抜き通路(図では視認されない)に通じている。
また、球抜き穴26cには開閉式のシャッタが設置されており、このシャッタは通常、ばね等の反発力で球抜き穴26cを閉じる位置に保持されているが、遊技者が球抜きボタン26bを押し込む操作をすると、この操作に連動してシャッタが開かれ、球抜き穴26cが大きく口を開けた状態となる。これにより、球受け皿26に貯留された遊技球の大部分は、球抜き穴26cから落下し、球受け皿26の下方に排出される。遊技者は、排出された遊技球を例えば受け箱にて受け取り、自己の保有するものとして返却を受けることができる。なお、球抜きボタン26bとシャッタとはリンク機構を介して連動しており、遊技者が球抜きボタン26bから手を離すと、ばね等の反発力で球抜きボタン26bが元の位置に復帰し、あわせてシャッタが球抜き穴26cを閉じる位置に戻る。
図3は、外枠10から本体枠70を前面側へ開放した状態を示している。本体枠70は外枠10の前面側に設置され、外枠10に対して本体ヒンジ機構60を介して連結されている。本体ヒンジ機構60は、前面側からみて外枠10の左側部分に上下で対をなして設置されている。外枠10と本体枠70とは、本体ヒンジ機構60を介して互いにピン接合されているが、これらの接合ピンは、外枠10の幅方向(左右方向)に形成されたスライド溝に沿ってスライド自在に支持されている。また本体ヒンジ機構60は、基端部が外枠10にピン接合された支持アーム61を有し、この支持アーム61の先端部は本体枠70にピン接合されている。それゆえ図3に示されているように、本体枠70を外枠10から前面側へ片開き式に開くと、本体枠70の開閉支点となる連結ピンがスライド溝に沿って右方向にスライドし、本体枠70はその左側端を外枠10の内側に引き込ませた状態で前面側へ開放した状態となる。
本体枠70の背面側には、正面からみて本体ヒンジ機構60と反対側の右側端部に取付基板50aを介して施錠装置50が設置されている。施錠装置50は外枠10に対する本体枠70の施錠と、本体枠70に対する前面扉21の施錠を行う機能を有している。また施錠装置50はシリンダ錠51をはじめ、本体枠施錠部材54や扉施錠部材(図示されていない)、解錠部材53等を備える。シリンダ錠51は取付基板50aに組み付けられており、また本体枠施錠部材54および扉施錠部材は、いずれも取付基板50aに対して上下動可能に組み付けられている。そして解錠部材53は、シリンダ錠51の鍵孔に鍵が挿入された状態で時計回り方向および反時計回り方向(左右方向)に回動可能に組み付けられている。
外枠10の右側部には、その内側に上下で2つのストライカ56が取り付けられている。一方、本体枠施錠部材54には2つのストライカ56に対応して2つの本体枠施錠ラッチ55が形成されており、これら本体枠施錠ラッチ55は、外枠10の前側に本体枠70が閉じられると、それぞれ対応するストライカ56に噛み合って本体枠70を施錠する。なお、ホールにて管理されている専用鍵をシリンダ錠51の鍵穴に挿入して時計回り方向にひねれば、本体枠施錠ラッチ55と外枠10のストライカ56との噛み合いが外れ、本体枠70の施錠が解除された状態となる。この状態でホールの管理者が本体枠70を手間側へ引くと、そのまま本体枠70を片開き式に開くことができる。
次に図4は、本体枠70から前面扉21を開放した状態を示している。本体枠70には、外枠10の本体ヒンジ機構60とは別に扉ヒンジ機構20が装備されており、前面扉21は扉ヒンジ機構20を介して本体枠70に開閉可能に支持されている。
上記の扉施錠部材(図示しない)は本体枠70の右側縁部に内蔵されており、この扉施錠部材もまた上下で2つの扉施錠ラッチ58を有する。図4に示されているように、本体枠70から前面扉21を開放した状態で、扉施錠ラッチ58は本体枠70から前面側に突出する。一方、前面扉21の背面側には、各扉施錠ラッチ58に対応して上下2つのストライカ59が設置されており、本体枠70に対して前面扉21が閉じられると、2つの扉施錠ラッチ58がそれぞれ対応するストライカ59と噛み合って前面扉21を施錠する。
シリンダ錠51は、本体枠70から前面側に突出するようにして設置されており、前面扉21が閉じられた状態では、前面扉21の右側端部に設けられた筒部29を貫通してその筒部29の前側開口部から前面側に露出する。専用鍵をシリンダ錠51の鍵穴に挿入して反時計回り方向にひねれば、今度は扉施錠ラッチ58と前面扉21のストライカ59との噛み合いが外れ、前面扉21の施錠が解除された状態となる。この状態でホールの管理者が前面扉21を手間側へ引くと、図4に示されているように前面扉21を片開き式に開くことができる。
なお、本体枠70には遊技ユニット100が装着されており、遊技ユニット100には上記のリール111とともに液晶表示器131が装備されている。また本体枠70には、遊技ユニット100の下方に低音用のスピーカ195が設置されている。一方、上記の球取込装置30は前面扉21に内蔵されており、図示のように前面扉21が開放された状態では、球取込装置30の球取込用モータ35が前面扉21の背面側に突出した状態となる。
また図4中に2点鎖線で示されているように、前面扉21の背面側には連絡通路部材290が設置されており、この連絡通路部材290には、賞球装置166の払出口と球受け皿26の後側開口部26aと連通し、その内部に比較的多数の遊技球を貯留可能な球貯留部兼用の連絡通路が形成されるものとなっている。また連絡通路部材290は、前面側で球受入口25の後側開口部25aと連通しており、球受入口25から投入された遊技球は、その後側開口部25aを通って連絡通路部材290内に流れ込む。これにより、球受け皿26と連絡通路部材290には、球貸し機200の球放出樋201(CR機の場合は払出装置166装置)から放出された貸し球としての遊技球と、賞球装置166から払い出された賞球としての遊技球とが貯留されるものとなっている。
図5は、スロットマシンを背面側から示している。本体枠70の背面側には遊技ユニット装着部80が形成されており、上記の遊技ユニット100は遊技ユニット装着部80の前面側から装着されている。一方、遊技ユニット装着部80の背面側の上部には、ストッパ部としても機能する上部後壁87が一体成形され、その上部後壁87には、その後面から前方に向けて窪んだ凹部88が左右に対をなして形成されている。これら凹部88の底壁には掛止穴が開口して形成されており、この掛止穴には前面側から留め具142が挿通可能となっている。留め具142は遊技ユニット100の背面側に(正確には基板ボックス)取り付けられており、遊技ユニット装着部80の前面側から遊技ユニット100が装着された状態で、2つの留め具142が掛止穴に挿通される。この状態で留め具142を左右どちらかへひねると、留め具142が凹部88の底壁に掛止されて遊技ユニット100が本体枠70に対して固定される。
また本体枠70の背面側には、遊技ユニット装着部80の上(上方)に球タンク161が設置されている。球タンク161はパチンコ機用(スロットマシン兼用)の島設備から供給される遊技球を受け取り、そこにある程度の量を蓄えておくことができる。球タンク161の下方にタンクレール163が接続されており、このタンクレール163は背面側からみて球タンク161の下方から右方向へ下り傾斜する球供給路を形成している。なおタンクレール163の内側には、前後方向に2条のレール通路が区画して形成されている。球タンク161やタンクレール163には、一般的なパチンコ機で使われるものをそのまま(または加工して)流用することができる。
(賞球装置) 本体枠70の背面側には、遊技ユニット装着部80の片側(背面側からみて右側端)に賞球装置166が設置されている。賞球装置166は内部に2条の球通路166aを有し、これら球通路166aはタンクレール163に形成された2条のレール通路の下流端にそれぞれ連なる。また賞球装置166は払出モータ166bを内蔵しており、この払出モータ166bを駆動源として球通路166a内の遊技球を払い出すことができる。払い出しは球切り部材166cを回転させることで行われ、払い出された遊技球は連絡通路部材290の連絡通路を経て球受け皿26に送出されるものとなっている。
(本体枠の構造) 図6は、本体枠70を単独で示している。本体枠70は、前枠部71および遊技ユニット装着部80を有しており、本体枠70において前枠部71と遊技ユニット装着部80とは合成樹脂材によって一体的に形成(一体成型)されている。このうち前枠部71は、外枠10の外郭形状(受け板15を除く外郭形状)とほぼ同じ大きさの枠形状に形成されており、前枠部71のほぼ中央部には、遊技ユニット100を装着するための遊技ユニット装着部80が一体的に形成されている。
遊技ユニット100はその後部が箱形状の外形を有し、このような後部の外形に合わせるようにして遊技ユニット装着部80は本体枠70の前面側に大きく開口し、この開口から背面側に向けて大きく窪んだ四角の枠形状または箱形状をなしている。それゆえ遊技ユニット100が本体枠70に対して前方から装着されると、遊技ユニット装着部80の四角枠内にすっぽり嵌り込むようにして固定される。
遊技ユニット装着部80の奥行き寸法は、本実施形態では概ねリール111の直径寸法の4分の3程度であるが、遊技ユニット装着部80に少なくともリール111の直径寸法の半分を越える奥行きを持たせていれば、遊技ユニット100の重心を遊技ユニット装着部80で受けることで遊技ユニット100を安定よく保持することができる。なお、一般的なパチンコ機用の島設備に設置可能な奥行き寸法は、外枠10の前端から後方に約170mm程度隔てた寸法であることから、本実施形態においてもこの寸法内に収まるように遊技ユニット100や本体枠70が設計されている。
遊技ユニット装着部80の前側の開口縁部には、上下にそれぞれ留め具95が設けられている。留め具95は取付ねじを中心として回動可能となっており、遊技ユニット装着部80の内側に遊技ユニット100が嵌め込まれた状態で留め具95を図6に示される位置から約90°ほどだけ回動させると、留め具95が遊技ユニット100を掛止する。この状態で、遊技ユニット装着部80内に遊技ユニット100が保持されるものとなっている。
図7は、本体枠70から遊技ユニット100を取り外した状態を示している。上記の留め具95を図示の位置に回動させると、その掛止がはずれて遊技ユニット100が遊技ユニット装着部80から前面側へ取り外し可能となる。
また、遊技ユニット装着部80の下部は、遊技ユニット100の下部の段差形状に対応して段差形状を有している。つまり、遊技ユニット装着部80の下部は、前面側からみて左側が高く、右側が低い段差状に形成されている。このような左右の段差を構成するべく遊技ユニット装着部80の下部は、その左側が上段底部83として形成されており、また右側が下段底部85として形成されている。そして、これら上段底部83と下段底部85の上面には、遊技ユニット100の下面を受ける受面84,86が形成されている。このうち受面86の後端部(奥側端部)には、遊技ユニット100の後端部を位置決めするストッパ部90が形成されている。
本実施形態では、遊技ユニット装着部80の左右の内壁面にそれぞれ2条の案内リブ80a,80bが上下に間隔をおいて形成されている。これら案内リブ80a,80bは、遊技ユニット装着部80の左右の内壁面に沿って前後方向に延びている。また遊技ユニット装着部80の上段底部83と下段底部85との間にある段差部分にも前後方向に延びる2条の案内リブ80cが上下に間隔をおいて形成されている。これら案内リブ80a,80b,80cは、遊技ユニット100を遊技ユニット装着部80に装着したり、取り外したりする際に遊技ユニット100を案内する役割を果たす。
図8は、本体枠70の背面側の構成を示している。本体枠70の背面側には、上記の球タンク161やタンクレール163、賞球装置166等を取り付けるためのタンク装着部160、タンクレール装着部162および賞球装置装着部165が形成されている。これら装着部160,162,165はそれぞれ対応する球タンク161、タンクレール163、賞球装置166の外形に合わせた形状(凹凸形状)に成形されている。
(遊技ユニット) 図9は、遊技ユニット100を分解した状態で示している。遊技ユニット100は、遊技動作や演出的な動作を行うための要素としてリール装置110および液晶モジュール130を有するほか、制御や通信を行うための要素として主制御基板121、周辺制御基板126およびメイン中継端子板140等を有する。主制御基板121および周辺制御基板126は、それぞれ主制御基板ボックス120、周辺制御基板ボックス125に収容され、またメイン中継端子板140は中継端子板ケース141に収容されている。そして、これら要素が収納ボックス150に収容された状態で遊技ユニット100は1つにユニット化されている。
また図10は、遊技ユニット100の背面側の構成を示している。上記のように、本体枠70の背面側にて遊技ユニット100を掛止させる留め具142は、中継端子板ケース141に取り付けられている。中継端子板ケース141は、その取付状態で遊技ユニット100の背面側に各種のコネクタを露出させるとともに、左右の両端部から一対の留め具142を背面側に突出させている。この状態で遊技ユニット100が本体枠70の遊技ユニット装着部80に装着されると、左右の留め具142が凹部88の掛止穴に挿通されるものとなっている。
図11は、本体枠70に遊技ユニット100が装着された状態を示している。上記のように、遊技ユニット100が本体枠70の遊技ユニット装着部80に装着されると、左右一対の留め具142は凹部88の掛止穴に挿通され、凹部88内に位置した状態にある。この状態で留め具142を約90°ひねることで、遊技ユニット100を本体枠70に掛止させることができる。なお、遊技ユニット100が遊技ユニット装着部80に装着された状態では、収納ボックス150の後壁151は遊技ユニット装着部80の後端とほぼ同一面となる位置で後側開口部に露出する。そして、この状態で収納ボックス150の後壁151の後側に後カバー155が装着される。後カバー155には、多数のスリット状の放熱孔が形成されており、後カバー155は遊技ユニット装着部80の上部後壁87とほぼ同一面をなして取り外し可能に装着されるものとなっている。
収納ボックス150は全体的に角張った外形を有しており、その上部の左右両側部の前側には、それぞれ側方に向けて張り出す張出部150a,150bが形成されている。また、収納ボックス150は、本体枠70の遊技ユニット装着部80に対して前面側から嵌め込まれる際、上記の案内リブ80a,80b,80cに案内されてスライドする。
そして、本体枠70の遊技ユニット装着部80に収納ボックス150が嵌込まれたときには、その張出部150a,150bの外側面が案内リブ80a,80cの突出端に接して左右の位置決めがなされる。また、合わせて下部の段差部の両外側面が案内リブ80bに接し、このとき収納ボックス150の下部の上段底部153と下段底部156の下面がそれぞれ受面84,86にて支持される。これにより、遊技ユニット装着部80に収納ボックス150が位置決めされた状態で安定よく装着されるようになっている。なお、収納ボックス150の後壁151には後開口窓152が形成されている。
(リール装置の構成) 図12から図14は、リール装置110の構成を示している。リール装置110は3つのリール111を備え、これら3つのリールがフレーム体102の内側に収容されている。フレーム体102は、リール111を収容する部分が箱形状に形成され、その前面側は開口している。3つのリール111は、フレーム体102の内部に横方向に配列され、それぞれの回転中心軸が同一線上に位置付けられている。
個々のリール111は、耐久性に優れる合成樹脂製あるいは軽金属製のスポークおよびリム体(例えば、直径215mm)を有し、その周囲には図柄列が付されたリール帯が巻かれた状態で横型円筒形状をなしている。リール帯は光透過性の帯状材であり、リール帯には複数(本実施形態では21個)の図柄が1列をなして付されている。このようなリール帯が1周するように巻かれることで、各リール111の表面に図柄列が形成されている。図柄にはいくつか種類があり、例えば数字の「7」や「BAR」、「JAC」、「REPLAY」等の文字、ベル、スイカ、チェリー等を図案化したもの、あるいは、スロットマシンの機種を特徴付けるキャラクタや図形、記号等を図案化した
もの等が含まれている。
3つのリール111は、その前側の外周部分がフレーム体102の前面側に突き出るようにして露出する。このため、遊技ユニット100が本体枠70に取り付けられ、さらに前面扉21が閉じられた状態では、リール111の前側の外周部分が図柄表示窓23に望む位置関係にある。また、各リール111の内周側にはリールバックライト(図示されていない)が配置されており、このリールバックライトは対応する各リール111につき、図柄表示窓23内で上段、中段、下段に位置する図柄に背後からバックライト(透過光)をあてることで、図柄を視認しやすくしたり、目立たせたりすることができる。
また、リール装置110は、3つのリール111にそれぞれ対応したリールモータ(ここでは図示されていない)を有しており、個々のリール111は対応するリールモータによって回転したり、その回転を停止したりする。リールモータは、対応するリール111の内周に配置されており、この状態でフレーム体102により支持されている。なお、フレーム体102の後壁板103には、スリット状をなす多数の放熱孔104が形成されている。
図13に示されているように、フレーム体102の上面には液晶モジュール130のための支持フレーム105が形成されている。支持フレーム105は幅方向の断面が不等辺山形状をなし、幅方向にはフレーム体102とほぼ同じ寸法(左右方向の幅寸法)を有している。支持フレーム105は、その下部の取付基板105aにおいてフレーム体102の上面に固定されている。この状態で、もう一方の垂直板105bがフレーム体102の上面からほぼ垂直に立ち上がり、その前面にて主制御基板ボックス120を支持している。
また、垂直板105bの一側部(前面側からみて左側部)には上下一対のブラケット106が形成されており、これらブラケット106は垂直板105bから前方に向けて張り出すようにして水平に延びている。そして、支持フレーム105には、上下のブラケット106を介して液晶モジュール130が支持されている。液晶モジュール130は比較的大型(12インチ程度)の画面サイズを有した液晶表示器131と、液晶制御基板133が収納された液晶制御基板ボックス132とを備えてユニット化されている。
上下のブラケット106の先端部には、それぞれ垂直方向に延びるヒンジピン107が設けられており、液晶モジュール130は、これらヒンジピン107を支点として水平方向に回動可能に支持されている。さらに液晶モジュール130は、ねじりコイルばね等の反発力によって常に支持フレーム105から前方に飛び出そうとする力(いわゆる付勢力)を与えられている。このような力は、液晶モジュール130全体を常に前面扉21の背面に対して押しつけようとする力として作用する。このため、スロットマシンの完成状態で前面扉21が閉じられると、液晶モジュール130が前面扉21の背面に押しつけられることで所定の表示姿勢に保持される。この状態から前面扉21が開かれると、液晶モジュール130がねじりコイルばねの反発力によって前面側に押し出され、このときヒンジピン107を中心として液晶モジュール130が回動し、その全体が前面扉21の開放動作に追従して移動する。したがって、前面扉21が開かれると、それに伴って液晶モジュール130もまた前方へ移動するので、スロットマシンの前方から主制御基板ボックス120の前側全体が視認可能となる。
収納ボックス150の上段底部153上には、フレーム体102の下面に取り付けられた下ベース板101aがほぼ水平な姿勢で設置される。この状態で、下ベース板101aの前端の取付片101bがねじによって締め付けられることで、収納ボックス150にフレーム体102が固定され、その後壁板103が収納ボックス150の後開口窓152から僅かに突出された状態で露出する。
さらに、収納ボックス150にリール装置110がそのフレーム体102の下ベース板101aにおいて固定された状態では、液晶モジュール130が収納ボックス150の前側上部に露出するものとなっている。また収納ボックス150内にて、フレーム体102の下ベース板101aと下段底部156との間の空間を利用して周辺制御基板ボックス125が収納されている。
収納ボックス150の後側、つまり支持フレーム105の背面側には、中継端子板ケース141に対応する格納部が形成されており、この格納部の後方から中継端子板ケース141が嵌め込むようにして装着されるものとなっている。また収納ボックス150は、その下部の段差部を含む外周壁面が前後方向に僅かな段差をもって複数の段差状に形成されており、これら段差は、奥側よりも手前側の方が大きい。これにより、収納ボックス150の強度が高められる(断面性能の向上)とともに、成型時には金型からの離脱が容易となる。
また収納ボックス150の外周壁面には、複数の段差部にわたって前後方向に延びるリブ154が周方向に所定間隔を隔てて一体成形されており、これら複数のリブ154によって収納ボックス150の強度がより一層高められている。またリブ154は、遊技ユニット装着部80の前側から収納ボックス150が嵌め込まれる際の案内片として機能し、収納ボックス150のはめ込み作業を容易化している。
図15および図16は、本体枠70の下部分の構成を示している。本体枠70の下部分の背面側には、平坦な縦壁面をなす第1基板ボックス装着部171と第2ボックス装着部172とが左右に所定間隔をおいて形成されている。このうち、背面側からみて右側の第1ボックス装着部171には電源基板182を収納した電源基板ボックス181が装着されている。一方、左側の第2ボックス装着部172には、払出制御基板187を収納した払出制御基板ボックス186が装着されている。
そして、これら第1,第2ボックス装着部171,172に、それぞれ電源基板ボックス181、払出制御基板ボックス186が装着された状態で、電源基板ボックス181および払出制御基板ボックス186の後端面が遊技ユニット装着部80の後端(上部後壁87)から後方に突出されることなく装着されるものとなっている。
次に図17は、本体枠70の下部分を前面側から示している。遊技ユニット装着部80の下部分には、幅方向でみてほぼ中央の位置に箱形状のスピーカボックス175が形成されている。スピーカボックス175は本体枠70の前面にて開口し、かつ、この開口から後方に向かって延びる箱形空間を形成している。また、スピーカボックス175は全面開口から後方に延びる周壁176と、その後端を区画する後壁177とを有している。スピーカボックス175の内側には低音スピーカ195が収容されており、この低音スピーカ195はスピーカ取付板190を介してスピーカボックス175に取り付けられている。スピーカ取付板190はスピーカボックス175の前面開口をふさぐようにして位置しているが、そこには多数のスリット状の貫通孔が形成されている。
またスピーカボックス175は、低音スピーカ195が装着された状態で、その振動板198の後側とスピーカボックス175の後壁部177との間の空間部を密閉し、この空間に音響室199を形成している。さらに、スピーカボックス175の後壁部177は、左右の第1,第2基板ボックス装着部171,172の間から後方へ一段大きく突出している。これにより、音響質199内には、スピーカ195の作動時に発生する音波によって振動板198の動きが阻害されるのを抑制するだけの充分な容積が確保されている。
(球取込装置の構成) 図18は、球取込装置30の外観を示している。上記のように、球受け皿26には前後に2条の球整列路28が形成されており、これら球整列路28に整列された遊技球(図中、参照符号B)は2列をなして球取込装置30に流れ込む。球整列路28に合わせて球取込装置30の内部には2条の取込通路32が形成されており、球取込装置30に流れ込んだ遊技球は、2条の取込通路32を通じてスロットマシンに取り込まれるものとなっている。
(球案内路,球案内路区画部材) 球取込装置30は2つのケース体31を有し、これらケース体31はいずれも薄肉のシェル構造をなしている。2つのケース体31は、互いに前後方向に重ね合わせられるようにして配置され、この状態で、ケース体31の内側の空間に上記の取込通路32が形成されている。さらに2つのケース体31はいずれも透明度の高い合成樹脂材料から成形されており、それゆえ球取込装置30の外側から取込通路32内にある遊技球や球取込装置30の機構部品類を視認することが可能となっている。
球取込装置30は、2つのケース体31のほかにスプロケット状の取込動作体(球搬送体)33を有する。取込動作体33は、2条の取込通路32に合わせてケース体31ごとに設置されており、各取込通路32内に整列した遊技球は、対応する取込動作体33の回転に伴ってスロットマシンに取り込まれる。2つの取込動作体33は各ケース体31の内側に収容され、この状態で回転自在に支持されている。また、球取込装置30は球取込用モータ35を有しており、2つの取込動作体33は球取込用モータ35によって同時に回転または停止する。
また、球取込装置30は2つの投入計数スイッチ36を有しており、これら投入計数スイッチ36は各取込通路32の終端位置に配置されている。取込動作体33の回転に伴って取り込まれた遊技球は、ケース体31から排出される際に投入計数スイッチ36によってその通過を検出される。
さらに、球取込装置30には通路開閉部材39が内蔵されており、この通路開閉部材39はケース体31の内側にて左右方向にスライド自在に支持されている。なお、通路開閉部材39には連動部39aが一体的に形成されており、この連動部39aは手前側のケース体31から突出している。連動部39aには、左右方向へスライド可能な精算レバー30c(図1,図2参照)が接続されるものとなっており、遊技者が精算レバー30cを左方向へスライド操作すると、これに連動して通路開閉部材39が左方向スライドするものとなっている。
また球取込装置30内には、2条の取込通路32のそれぞれに対応して球抜き通路37が形成されている。精算レバー30cの操作に連動して上記の通路開閉部材39が左方向へスライドすると、取込動作体33に至る手前で取込通路32の一部が底抜けに開放され、そこから遊技球が自重により流下する。流下した遊技球は球抜き通路37を通り、さらに球受け皿26の下方から排出される。
図19は、手前側のケース体31の内部構造を示している。上記のようにケース体31はそのシェル構造により、内部に取込通路32および球抜き通路37を形成して遊技球の転動を案内するほか、取込動作体33の外周に沿って案内壁34を形成することで遊技球の移送を案内し、取込動作を円滑にする役割を果たす。
また、ケース体31の内部には、通路開閉部材39に隣接してコイルばね38が収容されており、このコイルばね38は、その反発力によって通路開閉部材39を通常位置に保持している。通路開閉部材39はその通常位置にある状態で取込通路32を形成し、取込通路32から球抜き通路37への遊技球の落下を規制している。
さらにケース体31の内部には、各取込通路32の入り口付近に投入球有無検出スイッチ300が設置されている。投入球有無検出スイッチ300は各取込通路32の底板の直下に配置されており、その上方の取込通路32内における遊技球の有無を検出する。
次に図20,図21は、球取込装置30を分解した状態で示している。球取込装置30は、2つのケース体31のほかに取付ベース301を有しており、正面からみて奥側のケース体31は取付ベース301に取り付けられる。取付ベース301もまたシェル構造体であるが、その大部分は平板状に成形されている。
取付ベース301の背面側には上記の球取込用モータ35が取り付けられており、この取付状態で、取付ベース301の背面側から前面側へ向けて球取込用モータ35の出力軸35aが突き出ている。球取込装置30の完成状態で、この出力軸35aは取込動作体33とともにケース体31を串刺し式に貫通し、ケース体31の内側で取込動作体33を回転可能に支持する。
またケース体31の内
側には、2条の取込通路32に対応して2つの球詰まり防止部材302が設けられている。球詰まり防止部材302は、ケース体31内でちょうど取込通路32から取込動作体33へ遊技球が乗り移るあたりの位置で、かつケース体31内で取込動作体33の上方に位置する。そして球詰まり防止部材302は、この位置で取込動作体33の外周に沿って一定長さだけ延びている。球詰まり防止部材302は、いずれも水平ピン301aを介して回動(または上下に揺動)自在に支持されており、また、水平ピン301aから遊技球の移送方向とは逆方向に延びるアーム状の部分が円弧を描くようにして湾曲している。そして、各球詰まり防止部材302は、自重で下がろうとするアーム状部分の先端部を取込通路32の天井板に引っかけるようにして姿勢を保持している(適宜、図19を参照)。
また、各球詰まり防止部材302は、アーム状部分と反対に水平ピン301aから上方に延びる平板状の部分が弾性ストッパの働きをなす。つまり、この平板状部分は、その先端がケース体31の内壁面に接することで、反対側のアーム状部分が無理に起き上がろうとするのを適度な弾性力で規制している。
(取込動作体) 取込動作体33は、球取込用モータ35の出力軸35aの周囲に拡がる円盤状の本体部分を有し、この本体部分には周方向に等間隔で6つのポケット部(凹部)が形成されている。これらポケット部は出力軸35aの軸線方向でみて断面U字形状(または半円形状)をなし、かつ取込動作体33の回転中心から放射状(60°ごと)に配置されている。さらに、これら6つのポケット部の配列は出力軸35aの軸線方向に重なり合って2列に形成されている。つまり、取込動作体33には円盤状の本体部分を中心として、その両側(正面から見て前側と後側)にそれぞれ6つ、合計で12個のポケット部が対称となる位置に形成されている。このため、軸線後方に重なり合うポケット部同士は互いに周方向でみた位置が合致している(中心線の角度が互いにずれていない)。
球取込装置30内にて、2条の取込通路32を通じて転動してきた遊技球は取込動作体33の回転に伴い、そのポケット部に1つずつ受け入れられる。このとき、正面からみて手前側の取込通路32を転動してきた遊技球は、手前側の列のポケット部に受け入れられ、逆に奥側の取込通路32を転動してきた遊技球は、奥側の列のポケット部に受け入れられる。この結果、遊技球は取込動作体33に受け入れられた後も、その回転に伴い2列のまま移送されていくことになる。
このようにしてポケット部に受け入れられた遊技球は、取込動作体33の回転に伴って移送されるが、このとき上記の球詰まり防止部材302がポケット部内の遊技球を上方から押さえつけるようにして案内する。これにより、一旦ポケット部内に受け入れられた遊技球が上方に跳ね上がったり、ばたついたりするのを抑えることができる。さらには、球詰まり防止部材302はその平板状部分の弾性力によって下方への適度な反発力を有することから、ポケット部からはみ出そうとする遊技球をその反発力によってポケット部内に押し返すことができる。
また上記のように、球詰まり防止部材302は水平ピン301aを中心に上下方向へ揺動できることから、取込動作体33の回転に伴って遊技球が移送されるとき、ポケット部と取込通路32の天井板との間に遊技球が挟み込まれるのを防止することができる。これにより、遊技球の詰まりによって球取込装置30の動作が停止してしまう事態が有効に回避される。
奥側のケース体31と取付ベース301には、フォトセンサからなる精算レバースイッチ30bが設置されている。精算レバースイッチ30bは、通路開閉部材39の位置に基づいて遊技者が精算レバー30cを操作しているか否かを検出し、その検出信号を出力することができる。
(取込通路の視認性) 図22は、ケース体31の内部構成を正面から示している。ケース体31は透明度の高い合成樹脂材料から成形されていることから、図中に破線で示されている構成要素が正面から透けて見えるものとなっている。
図中に破線で示されているように、球取込装置30内には2条の取込通路32が形成されているが、これらはケース体31の内側で互いに上下方向への段差を生じる位置関係にある。すなわち、正面からみて奥側の取込通路32は、ケース体31の入り口から球整列路28とほぼ同じ下り傾斜をもってケース体31の内側へ延びている。これに対して手前側の取込通路32は、ケース体への入り口近傍の部分に球整列路28の傾斜よりも大きい下り傾斜を与えられており、この下り傾斜によって一段下がった位置から傾斜角度を緩やかに戻してケース体31の内側へ延びている。ただし、本実施形態において2条の取込通路32は、いずれも鉛直下方よりも水平方向に近い緩やかな下り傾斜を有するものである。
その先では奥側の取込通路32、手前側の取込通路32のいずれもほぼ同程度の傾斜をもって延びているが、左右方向でみてケース体31の中間位置あたりから両者は大きく下り傾斜し、そのまま取込動作体33につながっている。このとき、奥側の取込通路32と手前側の取込通路32との間には上下方向への段差が生じていることから、正面または斜め上方の角度から球取込装置30をみたとき、奥側の取込通路32内にある遊技球は手前側の取込通路32内にある遊技球に隠れることなく良好に視認される。
なお、2条の取込通路32が手前側と奥側とで上下の段差を有する関係上、取込動作体33のポケット部に遊技球が乗り移る位置が両者で違っている。すなわち、手前側の取込通路32については、取込動作体33の回転中心(出力軸35a)よりもわずかに左寄りの位置で遊技球がポケット部内に受け入れられるが、奥側の取込通路32については、回転中心のほぼ真上(鉛直上方)の位置で遊技球がポケット部内に受け入れられるものとなっている。
また手前側の取込通路32と奥側の取込通路32とでは、取込動作体33のポケット部から遊技球が下方に放出される位置(周方向でみた角度)も異なっている。すなわち、手前側の取込通路32については、取込動作体33の回転中心のほぼ真下の位置で遊技球がポケット部から落下するが、奥側の取込通路32については、回転中心のやや右下の位置で遊技球がポケット部から落下するものとなっている。
図23は、取込動作体33による遊技球の取込動作を連続的に示している。先ず図23中(a)に示されているように、手前側の取込通路32については、案内壁34が取込動作体33の右側方を通過し、斜め右下方まで回り込むようにして形成されている。このため、ポケット部内に受け入れられた遊技球が取込動作体33の回転に伴い移送される際、ポケット部が取込動作体33の右側方の位置(鉛直上方から時計回りに90°の位置)を通過してもなお、遊技球は案内壁34に支えられているため落下しない。この後、ポケット部が取込動作体33の斜め右下方の位置R1(鉛直上方から時計回りに約150°の位置)に到達すると、この位置R1の近傍では案内壁34が取込動作体33の外周から離れているため、図中に矢印で示されるように遊技球は支えを失ってポケット部から落下する。
一方、奥側の取込通路32については、図中に破線で示されているように案内壁34が取込動作体33の右側方の位置から鉛直下方に延びるようにして形成されている。このため、上記の位置R1よりも右上方の位置R2(鉛直上方から時計回りに約120°の位置)にポケット部が到達すると、この位置R2で遊技球は案内壁34の支えを失い、図中に破線の矢印で示されるようにポケット部から落下する。
このように、本実施形態では手前側と奥側とでポケット部の位置(周方向でみた角度)が相互に合致しているが、ポケット部から遊技球を放出する位置が周方向にずれているため、手間側と奥側とで交互に1個ずつ遊技球を取り込むことができる。また本実施形態では、取込動作体33がポケット部から遊技球を放出する2つの位置R1,R2の間の角度がちょうど30°に設定されている。このため取込動作体33は、30°回転するごとに1個ずつ遊技球を取り込み、1回転(=360°)で合計12個の遊技球を取り込むことができる構造となっている。
また、取込用モータ35にはインデックスセンサとモータインデックスが取り付けられている(図示されていない)。モータインデックスは例えば環状の部材からなり、その周方向に等間隔(30°ピッチ)で12カ所のスリットが形成されている。モータインデックスにおいて12個のスリットの位置(周方向でみた角度)は、取込動作体33のポケット部から遊技球が放出される位置R1,R2に対応している。したがって、本実施形態では取込用モータ35が1回転すると12個の遊技球が取り込まれ、これに合わせてインデックス信号が12回検出されることになる。なお、取込用モータ35は1回転あたり96ステップのステッピングモータからなり、常時2相励磁方式により駆動されるため、単相励磁や1−2相励磁に比較して大トルクを発揮することができる。
(取込通路のマーキング) 図24は、球取込装置30の停止状態を示している。例えば、前回のゲームで遊技球の取込動作(最大で15個分の取込動作)が完了し、図示の状態で取込用モータ35が停止していたとする。この状態で、既に手前側の取込通路32からは3個の遊技球が取込動作体33に乗り移っており、また、奥側の取込通路32からは2個の遊技球が乗り移り済みである。そして、2条の取込通路32内にはそれぞれ取込動作体33に連なる遊技球の列が形成されている。このとき、通常のゲーム(最大掛け数となるゲームを想定)で15個の遊技球を使用する場合を想定すると、取込通路32内に少なくとも10個の遊技球が存在していれば、取込動作体33に乗り移り済みの個数と合わせて15個の遊技球が待機状態であることがわかるから、特に遊技球を補充することなく、そのまま次回のゲームを実行可能である(15個の遊技球を掛け数として使用可能である)ことがわかる。
本実施形態では、ケース体31が透明な合成樹脂材料から成形されているため、遊技者が目視により遊技球の待機個数を容易に数えることが可能である。加えて本実施形態では、取込動作体33に乗り移り済みの遊技球と、2条の取込通路32内に整列している遊技球とを合計して15個となる目安の位置を表すため、ケース体31の表面(前面および上面)に待機球確認マーカMが付されている。待機球確認マーカMは、例えば赤色等の着色を施された太線のマーキングからなり、このようなマーキングは印刷、貼着、刻印、一体成型等の手法によって付されている。なお、待機球確認マーカMの大きさや形状、色彩等は視覚的に認識し易いものであればその他の形態でもよい。
図示の例では、取込動作体33に乗り移り済みのものと合わせて手前側の取込通路32内に待機している遊技球の8〜9個の列と、奥側の取込通路32内に待機している遊技球の7〜8個の列の後尾をそれぞれ表す目安の位置に待機球確認マーカMが付されている。このため、ケース体31の待機球確認マーカMが付されている位置まで遊技球が待機していれば、通常のゲーム(最大掛け数となるゲームを想定)で15個の遊技球を使用する場合に、そのまま次回のゲームを実行可能であることを遊技者が視覚的に容易に確認することができる。
図25は、前面扉21の下部分(操作部設置台22よりも下方の部分)を示している。球取込装置30は球受け皿26の奥に内蔵されているが、本実施形態では前面扉21に視認窓303が形成されており、この視認窓303を通じて前面側から球取込装置30が視認可能となっている。視認窓303は前面扉21の下部分にて、球取込装置30の前面側を開口して形成されている。視
認窓303は幅方向に長細く、その左側の約5分の2が上下方向に小さく、その右側の残り約5分の3が上下方向にある程度の高さを持って開口されている。なお視認窓303の奥には、球取込装置30の前面側に透明板303aが設置されている。
次に図26は、前面扉21の外板を形成する部材を部分的に省略して示している。球取込装置30は球受け皿26上の球整列路28に続いてその右側に位置しているため、前後方向でみてもそれほど奥まった位置ではなく、比較的手前側の位置に設けられていることが理解される。それゆえ本実施形態では、遊技者がスロットマシンに相対した姿勢で視認窓303の内部に目をやると、そのすぐ奥に球取込装置30の一部を容易に視認することができる。このとき視認窓303の奥には、2条の取込通路32のほかに取込動作体33の一部(上半分程度)までが視認範囲内に位置付けられている。したがって、遊技者は自己が保有する遊技球が球受け皿26から奥に転動していく様子に加えて、球取込装置30によって遊技球が取り込まれていく様子をもはっきりとスロットマシンの外部から視認することができるものとなっている。
(視認性の向上・存在の強調) さらに本実施形態では、視認窓303の上方位置にLED基板304が設置されている。このLED基板304は、前面扉21の外板を形成する部材の内面に取り付けられ、この位置で球取込装置30に向けて多数のLED(発光ダイオード)を配列させている。これらLEDの発光により、視認窓303の奥に位置する球取込装置30が照らし出され、それによって球取込装置30や取り込み前または取り込み動作中の遊技球の視認性が高まるとともに、球取込装置30や取込通路32、取込動作体33等の存在が強調される。
(制御系統の構成)
図27は、スロットマシンに装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。
本実施形態のように遊技球を用いるスロットマシンでは、各構成要素については本体枠70または前面扉21(総称して「枠側」)に付属する構成要素と、遊技ユニット100に付属する構成要素とに大きく分かれる。すなわち、遊技ユニット100には主制御基板121や周辺制御基板126、リール装置110が主に付属している。これら構成要素は、特にリール装置110の有する図柄配列や主制御基板121の制御プログラムに基づいてスロットマシンのゲーム性を決定づけるものであり、また周辺制御基板126は、その制御プログラムに基づいて演出動作の内容を決定づけている。
一方、本体枠70には、球取込装置30や賞球装置166等の動作機構が付属し、さらに賞球装置166の動作を制御する払出制御基板187や電源系統を構成する電源基板182、分電基板310等が付属している。また前面扉21には、上記のMAXベットボタン40や始動レバー41等の操作部材のほか、左右のスピーカ27や低音スピーカ195、LED装飾312等が付属している。以下、各構成要素について説明する。
(主制御基板)
主制御基板121は、スロットマシン1の遊技の進行を統括的に制御するためのものである。主制御基板121には、CPUやROM、RAM等(例えばROM・RAM内蔵型CPU)の電子部品が実装されている。主制御基板121は主に遊技者の利益に関わる内部抽選を行い、その抽選結果に基づいて各リール111の停止位置を制御する機能を有する。
リール装置110はリール分配基板110cを内蔵し、このリール分配基板110cを介して主制御基板121との通信を行う。上記のようにリール装置110は左・中・右の3つのリール111に対応して3つのリールモータ110aを備え、これら3つのリールモータ110aはそれぞれ対応するリール中継基板110bを介してリール分配基板110cに接続されている。リールモータ110aはステッピングモータからなり、それゆえ主制御基板121からは、各リールモータ110aの駆動(回転または停止)を制御するための駆動パルス信号が個別に出力される。駆動パルス信号はリール分配基板110cにて制御対象となる左・中・右のリール中継基板110bに分配されている。
またリール装置110は、各リール111の回転に関する基準位置を検出するため図示しないリール位置センサを有しており、これらリール位置センサからの検出信号(基準位置信号)がリール分配基板110cを通じて主制御基板121に入力されている。主制御基板121はこの検出信号に基づいて各リール111の回転に関する位置(いずれの図柄が図柄表示窓23内のどの位置に存在しているか)を割り出し、その停止時にいずれの図柄を有効ライン上に停止させるかの制御、つまりリール制御を実行することができる。
遊技ユニット100には設定基板314が装備されており、この設定基板314はスロットマシンにおける設定を変更する際に設定変更許可信号や設定変更信号等を主制御基板121に送信する。設定の変更は、スロットマシンの出玉率(投入数に対する払出数の割合)を段階的に変更するためのものであり、通常、設定1(設定値が1)で最も低い出玉率となり、設定6(設定値が6)で最も高い出玉率となる。なお、このような設定の変更は遊技場の責任者によって行われる。また、スロットマシンの設定そのものは、メダルを用いるスロットマシンと同じ性質のものである。
(周辺制御基板)
周辺制御基板126は、CPUやROM、RAM、オーディオアンプ、音源IC等を備えており、周辺制御基板126は、主制御基板121から送信される指令信号に基づいて、液晶モジュール130による画像の表示や、左右のスピーカ27および低音スピーカ195の作動を制御するほか、LED装飾312の点灯または点滅を制御している。さらに周辺制御基板126は、主制御基板121から送信される指令信号(例えば、遊技球の取り込みに伴うベット操作音コマンド、払出音コマンド等)を受け取って、液晶モジュール130やスピーカ27,195、LED装飾312の制御を実行することもできる。
なお、液晶モジュール130の具体的な表示動作は液晶制御基板133により制御されており、液晶制御基板133にはVDP(Video Display Processor)や各種の画像データを格納したROM等が装備されている。また液晶制御基板133にはインバータ基板133aが接続されており、インバータ基板133aは液晶モジュール130のバックライトを制御している。
また、各リール111の内周側にはLEDを有するバックライト基板111aが配置されており、このバックライト基板111aは対応する各リール111につき、図柄表示窓23内で上段、中段、下段に位置する図柄に背後からバックライト(透過光)をあてることで、図柄を点灯表示させることができる。3つのバックライト基板111aは、それぞれバックライト中継基板111bを介してバックライト分配基板111cに接続されており、バックライト分配基板111cには、周辺制御基板126から左・中・右の制御対象となるバックライト基板111aに対する点灯信号が送信される。バックライト分配基板111cは、受け取った点灯信号を対象のバックライト中継基板111bに分配している。
(遊技ユニットと本体枠との接続)
遊技ユニット100と本体枠70との接続は、上記のメイン中継端子板140の他に周辺中継端子板316により行われる。このため遊技ユニット100にはメイン中継端子板140の他に、周辺中継端子板316が装備されている。メイン中継端子板140は主制御基板121に接続されており、また周辺中継端子板316は周辺制御基板126に接続されている。
一方、本体枠70(または前面扉21)には操作中継基板318や扉装飾駆動基板320、外部情報払出中継基板322が設けられている。上記のMAXベットボタン40や始動レバー41、3つのストップボタン42,43,44等の操作部材は操作中継基板318を介してメイン中継端子板140に接続されている。これら操作部材は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、その操作信号を主制御基板121に出力する。また、左右のスピーカ27や低音スピーカ195、LED装飾312等は扉装飾駆動基板320を介して周辺中継端子板316に接続されている。
本実施形態では、球取込装置30に駆動基板30aが内蔵されており、この駆動基板30aが操作中継基板318を介してメイン中継端子板140に接続されている。また、上記の投入計数スイッチ36や投入球有無検出スイッチ300、精算レバースイッチ30bそして球取込用モータ35はいずれも駆動基板30aを介して操作中継基板318に接続されている。なお駆動基板30aは、球取込装置30の取付ベース301に取り付けられている。
その他に操作中継基板318に接続される構成要素として、本体ドアスイッチ324およびパネルドアスイッチ326がある。本体ドアスイッチ324は、本体枠70の開閉状態を検出し、その検出信号を出力する。またパネルドアスイッチ326は前面扉21の開閉状態を検出し、その検出信号を出力する。これら検出信号は、操作中継基板318からメイン中継端子板140を通じて主制御基板121に入力される。
また、操作中継基板318に接続される構成要素として機能表示基板328がある。機能表示基板328は前面扉21に設置されており、図柄表示窓23の周囲にてゲームの進行に伴う各種の情報を表示する機能を有する。機能表示基板328は、毎回のゲームで遊技価値としての遊技球の掛け数(ベット数)を表示したり、始動レバー41の操作やベット操作の可否を表示したり、ゲーム結果に伴う払い出しがある場合はその払い出し数を表示したり、ボーナスゲーム等の特別な遊技状態に移行した場合はボーナス中を表示したりする。あるいは、スロットマシンにエラー状態が発生すると、機能表示基板328は所定の表示部にてエラー表示を行うことができる。主制御基板121は遊技の進行を制御する過程で、機能表示基板328を通じてLEDの点灯表示や7セグメントLEDによる数値表示を制御し、各種情報を表示させることができる。
(払出制御基板)
払出制御基板187は、外部情報払出中継基板322を介して遊技ユニット100に接続されている。上記の賞球装置166は賞球ケース内基板166aを内蔵し、この賞球ケース内基板166aが払出制御基板187に接続されている。また賞球装置166は、賞球用モータ167をはじめ、払出計数スイッチ166bおよび球切れスイッチ166cを内蔵し、これらは賞球ケース内基板166aを介して払出制御基板187に接続されている。なお賞球装置166内には2条の賞球通路が形成されていることから、払出計数スイッチ166bおよび球切れスイッチ166cは賞球通路に対応して2つずつ装備されている。
払出制御基板187と主制御基板121との間では、メイン中継端子板140および外部情報払出中継基板322を介して双方向に通信が行われる。例えば、スロットマシンゲームの結果に基づき遊技球の払い出しが必要であれば、主制御基板121から規定数分の賞球コマンドが払出制御基板187に送信され、そして払出制御基板187は、受け取った賞球コマンドに対してACK信号を主制御基板121に返信する。なお、このような通信は一般的なパチンコ機の主基板と払出制御基板との間で行われているものと同じである。
前面扉21の奥に位置する連結通路部材290には満タンスイッチ340が設けられている。連結通路部材290内にて遊技球が満杯になると、満タンスイッチ340から満タンスイッチ信号が出力される。払出制御基板187は満タンスイッチ信号を受け取ると、賞球残数があっても払出動作を停止させる制御を行うことができる。
さらに払出制御基板187には、遊技球等貸出装置接続端子板342を介してCRユニット344が接続可能となっている。なお、先の例では現金による球貸し機200を例示していたが、図27の構成においては、プリペイドカード方式によるCRユニット344を例に挙げている。CRユニット344に対応するスロットマシンにおいては、遊技者がCRユニット344にプリペイドカードを挿入し、そこに記録された貸し出し可能度数の範囲内で球貸し操作を行うと、規定個数の遊技球が貸し球として賞球装置166から払い出されるものとなっている。この場合、スロットマシンの前面扉21には度数表示基板346が設置されており、度数表示基板346は遊技球等貸出装置接続端子板342を介してCRユニット344との間で通信可能となっている。度数表示基板346には、CRユニット344にて読みとられたプリペイドカードの残り度数等の情報が数値表示される。なお、CRユニット344については一般的なパチンコ機で用いられているものをそのまま適用可能である。
(共通外部端子板)
その他、主制御基板121にはメイン中継端子板140および外部情報払出中継基板322を介して共通外部端子板348が接続されており、スロットマシンはこの共通外部端子板348を通じてホールコンピュータ(遊技場にて管理されるコンピュータ)に接続される。共通外部端子板348は、遊技球の出入信号(球取込信号や賞球払出信号)のほか、主制御基板121から送信される各種信号(BB中、RB中等を表す遊技ステータス)をホールコンピュータに中継している。なお、「BB」はビッグボーナス、「RB」はレギュラーボーナスの略号であり、本実施形態では、いずれも公知の内容と同じである。
(電源基板)
上記の電源基板182は分電基板310を通じて外部電源(例えばAC24V)から電力を取り込み、スロットマシンの作動に必要な電力(例えばDC24V,12V)を生成する。本実施形態では、電源基板182から払出制御基板187に電力が供給され、そこからさらに遊技ユニット100やその他の構成要素への電力が順次橋渡しされるようにして供給されている。
以上がスロットマシンの構成例である。スロットマシンによるゲームは、一般的なメダルを用いるスロットマシンとほとんど同じ内容であり、基本的なゲームの制御であるリール111の始動処理、リール停止処理、図柄判別処理等の内容は公知のものを適用可能である。すなわち、本実施形態のスロットマシンにおいても、遊技者が遊技価値の掛け数を決定した状態で始動レバー41を操作するとリール111が回転し、この後、遊技者がストップボタン42,43,44を操作すると、左・中・右の対応するリール111が停止制御され、そして、全てのリール111が停止すると、有効ライン上での図柄の組み合わせ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて遊技価値が付与される。ただし、遊技媒体として遊技球を用いている関係上、メダルの場合とは違って球取込装置30による遊技球の取込動作が必要となる。以下、球取込装置30の基本制御について説明する。
(球取込処理) 図28,図29は、球取込装置30の基本的な制御処理(球取込処理)の内容を示している。この球取込処理は主制御基板121のCPUにより実行される。
スロットマシンにおいて、1回ごとのゲームを行うために遊技者がMAXベットボタン40を操作すると、これを契機に球取込処理が開始される。ここでは先ず、CPUは遊技球の投入予定個数を設定するとともに、投入予定個数に合わせてインデックスカウント数を設定する(ステップS1000)。投入予定個数は、レギュラーボーナスゲームまたはJACゲーム以外の通常ゲームでは15個(メダルにして3枚分相当)に設定され、レギュラーボーナスゲームまたはJACゲーム中は5個(メダルにして1枚分相当)に設定される。上記のように、本実施形態では取込動作体33が1回転すると12個の遊技球が取り込まれ、これに合わせてインデックス信号が12回出力される構成であり、インデックス信号の出力1回につき、1個の遊技球が取り込まれることになっている。このように、本実施形態ではインデックス信号の出力回数と遊技球の取込個数とが対応しているので、投入予定個数が15個なら、ステップS1000でインデックスカウント数は15カウントに設定される。
次にCPUは、球取込装置30に内蔵された投入球有無検出スイッチ300からの検出信号に基づき、球取込装置30内が球切れ状態(取込通路32に充分な数の遊技球が存在しない状態)であるか否かを判断する(ステップS1002)。具体的には、取込通路32内で投入球有無検出スイッチ300の上方位置まで遊技球が充填されていれば、CPUは球切れ状態ではないと判断し(NO)、逆に投入球有無検出スイッチ300の上方位置に遊技球が存在していなければ、CPUは球切れ状態であると判断する(YES)。なお本実施形態では、投入球有無検出スイッチ300の上方位置まで遊技球が充填されていれば、最大の投入予定個数である15個以上の遊技球の投入が可能であることを想定して球取込装置30が設計されている。
このようにしてCPUが球切れ状態でないと判断した場合(ステップS1002=NO)、次にCPUは球取込用モータ35の回転速度を高速に設定する(ステップS1004)。ここでは具体的に、球取込用モータ35の1ステップ時間が投入動作A時間として設定される。逆にCPUが球切れ状態であると判断した場合(ステップS1002=YES)、CPUは球取込用モータ35の回転速度を中速に設定する(ステップS1006)。この場合、球取込用モータ35の1ステップ時間が投入動作B時間として設定される。つまり、「投入動作A時間」と「投入動作B時間」とでは、前者の方が比較的短時間である。
ステップS1004またはステップS1006で回転速度を高速または中速に設定すると、CPUは設定した回転速度にて球取込用モータ35を駆動する。これにより、取込動作体33が設定された速度(高速または中速)で回転し、上記のように球取込動作が行われる。なお、球取込装置30により取り込まれた遊技球は、スロットマシンの背面側に誘導され、島設備の回収装置に回収される。
また球取込用モータ35を駆動すると、CPUは手前側と奥側の投入計数スイッチ36による投入個数のカウントを行う(ステップS1008)。そしてCPUは、カウントした個数が投入予定個数(ここでは15個)に達したか否かを判断し(ステップS1010)、まだ投入予定個数分の取込動作が完了していなければ(NO)、1ステップ時間が経過したか否かを判断する(ステップS1012)。
またCPUは、1ステップ時間が経過するごとにインデックス信号を確認し(ステップS1014)、インデックス信号が確認されなければ(NO)、RAM上でインデックス未検出カウンタを更新する(ステップS1042)。そして、CPUはインデックス未検出カウンタの値が規定値に達したか否かを判断し(ステップS1044)、このとき規定値に達していないと判断すると(NO)、CPUは球取込用モータ35の励磁パターンを更新して次の駆動パルスを出力する(ステップS1046)。これにより、球取込用モータ35が次の1ステップ分だけ正転方向に回転する。
投入計数スイッチ36による累計カウント数が投入予定個数に達する前にインデックス信号を確認すると(ステップS1014=YES)、CPUはインデックス未検出カウンタをクリアし(ステップS1016)、次にインデックスカウント数を更新(1を減算)する(ステップS1018)。これにより、ステップS1000で設定されたインデックスカウント数(=15カウント)が1ずつ減算されることになる。
またCPUは、ステップS1018の次に精算レバースイッチ30bがONになったか否かを確認する(ステップS1020)。ここでもし、遊技者が精算レバー30cを操作していれば、精算レバースイッチ30bがONになるので(ステップS1020=YES)、CPUは投入動作をキャンセルして別の精算処理に移行する。なお、精算処理については後述する。
特に精算レバー30cが操作されていなければ(ステップS1020=NO)、CPUはインデックスカウント数が0であるか否かを判断し(ステップS1022)、ここでインデックスカウント数が0でなければ(NO)、CPUはステップS1046に進んで球取込用モータ35の励磁パターンを更新する(ステップS1046)。これにより、球取込用モータ35が次の1ステップ分だけ正転方向に回転する。
この後、取込動作体33の回転に伴い、投入計数スイッチ36による累計カウント数が投入予定個数に達すると(ステップS1010=YES)、CPUはそこで球取込用モータ35を停止し、投入動作を終了する。
なお、投入計数スイッチ36による累計カウント数が投入予定個数に達する前にインデックス未検出カウンタの値が規定値に達すると(ステップS1044=YES)、CPUは球詰まりが生じたと判断して球噛み処理へ移行する。この球噛み処理では、例えばCPUは球取込用モータ35を所定ステップ数だけ逆転させて球詰まりの解除を試みた後、正転方向への駆動を再開する。
(リトライ動作) ステップS1018で行われるインデックスカウント数の更新は、取込動作体33の空回りを防止するためのものである。すなわち、取込動作体33が回転し続けていても、そのポケット部内に遊技球が正しく受け入れられていなければ、投入計数スイッチ36による累計カウント数は順当に増加していかない。これはつまり、取込動作体33の手前で遊技球が滞留しているか、もしくは遊技球の残りが少数(球圧不足)になっているために取込動作体33が遊技球を順当に移送することなく回転していることを意味する。この場合、投入計数スイッチ36による累計カウント数が増加しないにもかかわらずインデックス信号だけが続けて検出されることになるため、インデックスカウント数が更新(減算)されていくうちに0になる。
そこで、ステップS1022でインデックスカウント数が0であると判断すると(YES)、CPUは投入計数スイッチ36による検出時間(取込動作体33から落下した遊技球が検出されるまでに要する時間)の経過を待って投入計数スイッチ36による累計カウント数をカウントする(ステップS1024)。そしてCPUは、投入計数スイッチ36による累計カウント数が投入予定個数未満であるか否かを判断し(ステップS1026)、このとき投入予定個数に達していれば(NO)、そこでCPUは球取込用モータ35を停止し、投入動作を終了する。
一方、累計カウント数が未だ投入予定個数未満であれば(ステップS1026=YES)、CPUは次にステップS1028(図29)に進んでリトライ回数を更新する。そして、CPUは投入予定個数と累計カウント数との差から不足分を算出し、この値を投入予定個数とする。またCPUは、インデックスカウント数を不足分相当数に設定する(ステップS1030)、球取込用モータ35の回転速度を低速に設定する(ステップS1032)。この場合、球取込用モータ35の1ステップ時間は、投入動作C時間に設定される。なお「投入動作C時間」は、上記の「投入動作B時間(中速)」、「投入動作A時間(高速)」と比較すると最も長い。
このようにしてCPUが投入動作C時間を設定すると、球取込用モータ35が低速の回転速度で駆動されることでリトライ動作が行われる。この場合、高速または低速の場合と比較して取込動作体33の回転が緩やかになるので、取込通路32内にあまり大きな球圧(後に続く遊技球の重みによる力)が働いていなくても、取込動作体33への遊技球の受け入れがスムーズに行われることになる。
このときリトライ回数が規定値(2回〜3回程度)に達していなければ(ステップS1034=NO)、CPUはステップS1008(図28)に戻って投入計数スイッチ36によるカウントを続行する。その結果、投入予定個数の取り込みが完了したと判断すると(ステップS1010=YES)、CPUはそこで球取込用モータ35を停止し、投入動作を終了する。
これに対し、リトライ動作を行っても投入予定個数の取り込みが完了せず、CPUがリトライ回数を更新(ステップS1028)するうちにリトライ回数が規定値(例えば3回)に達してしまうと(ステップS1034=YES)、CPUは「リトライ待機中」を外部に向けて報知する(ステップS1036)。この場合、CPUは例えば周辺制御基板126に報知コマンドを送信し、液晶モジュール130にて「遊技球投入待機中です。遊技球が不足または詰まっていないか確認してください」等のメッセージを表示させる処理を行う。あるいは、CPUは「リトライ待機中」を表すステータスをホールコンピュータに向けて出力してもよい。
リトライ待機中を報知すると、CPUはここでも精算レバースイッチ30bがONになったか否かを確認する(ステップS1038)。ここでもし、遊技者が精算レバー30cを操作すれば(ステップS1038=YES)、CPUはリトライ待機中の報知(投入動作の処理そのもの)をキャンセルして別の精算処理に移行する。一方、精算レバー30cが操作されなければ(NO)、CPUは球切れ状態が解除されたか否かを確認し(ステップS1040)、依然として球切れ状態が続いていれば(ステップS1040=NO)、CPUはステップS1038をループし続ける。
この後、例えば遊技者が不足分の遊技球を補充して球切れ状態が解除されれば(ステップS1040=YES)、CPUはステップS1008(図28)に戻ってリトライ動作を続ける。
以上が球取込装置30の基本的な動作制御の内容である。このようにして、MAXベットボタン40の操作時に投入予定個数分の遊技球の取り込みが完了すると、CPUは始動レバー41を有効化させて遊技者による始動操作を受け付け可能とする。なお、始動操作を受け付けると、CPUはリールモータ110aを駆動してリール111を回転させるとともに、始動操作を契機に内部的な乱数抽選を行う。このような処理については、メダルを用いたスロットマシンで行われるものを適用することができる。
(精算処理) 次に精算処理について、3パターンのフローチャートを例に挙げて説明する。本実施形態では、遊技者がスロットマシンでのゲームを終了しようとする場合、精算レバー30cをスライドさせることで球受け皿26に残った遊技球を排出するとともに、合わせて球取込装置30内に残存する遊技球を球抜き通路37から排出することができる。なお、排出された遊技球は、球受け皿26の下方にある排出口から落下する。
(第1例) 図30は、第1例の精算処理の内容を具体的
に示している。この第1例では、遊技者が精算レバー30cをスライド操作した場合、これを原則として遊技終了の意思表示として扱うものとしている。なお、第1例の精算処理は、1回のゲームが終了し、次のゲームに向けて遊技者がMAXベットボタン40を操作する前に精算レバー30cを操作した場合に実行される。
上記のように遊技者が精算レバー30cをスライドさせると、上記の通路開閉部材39が初期位置から移動して取込通路32が底抜けに開放した状態となる。これにより、球受け皿26に残存する遊技球が取込通路32を通り、そして球抜き通路37から排出されることになる。そしてこの後、球受け皿26から遊技球がなくなったことを確認して遊技者が精算レバー30cから手を離すと、通路開閉部材39がコイルばね38の反発力で初期位置に復帰する。
通路開閉部材39が初期位置に戻されると、それによって精算レバースイッチ30bがOFFになったことが確認される(ステップS2000=YES)。この場合、CPUは規定時間待機(ステップS2002)した後、球取込用モータ35の励磁パターンを変更して駆動パルスを出力する(ステップS2004)。なお、この場合の励磁パターンは取込動作を行う場合の回転方向を正転とすると逆転方向(球取込用モータ35の組付位置である背面を基準にみると時計回り方向、正面からみると反時計回り方向)である。また、ステップS2002で待機する規定時間は、例えば精算レバースイッチ30bがOFFになってから通路開閉部材39が正しく初期位置に復帰するまでの所要時間(数百ms程度、0.5秒程度)であればよい。
このようにして球取込用モータ35が逆方向(正面からみて反時計回り方向)に回転されると、それまで取込動作体33のポケット部に受け入れられていた遊技球が逆方向に移送され、そして球抜き通路37内に放出されることになる。これにより、球取込装置30内に残存する遊技球のほぼ全てが排出され、遊技者に返却されることになる。
そしてCPUは、球取込用モータ35を逆方向に回転させながら規定回転数だけ回転したか否かを確認し(ステップS2006)、規定回転数に達したと判断すると(YES)、精算処理をリターンする。
(第2例) 次に図31は、第2例の精算処理の内容を示している。ここでは、既に第1例で説明済みのものと同じステップには同一の符号を付し、重複した説明を省略する。第2例の精算処理もまた、1回のゲームが終了し、次のゲームに向けて遊技者がMAXベットボタン40を操作する前に精算レバー30cを操作した場合に実行されることを想定している。
第2例の精算処理では、精算レバースイッチ30bがOFFになった段階(ステップS2000=YES)で、CPUは取込通路32内に相当数の遊技球が残存しているか否かを判断する(ステップS2001)。ここで、CPUが投入球有無検出スイッチ300からの検出信号に基づき、球取込装置30内に充分な数の遊技球が存在していると判断すると(NO)、CPUはステップS2002以降を回避して精算処理をリターンする。この場合、遊技者が単純に球受け皿26または球取込装置30にたまった遊技球の数を減らすことを目的として精算レバー30cを操作したものと解釈し、不必要な返却動作を抑制することができる。
一方、ステップS2000の次にCPUが投入球有無検出スイッチ300からの検出信号に基づき、球取込装置30内に充分な数の遊技球が存在していないと判断すると(YES)、CPUはステップS2002に進んで第1例と同じ処理を実行する。この場合、遊技者が遊技終了の意思表示として精算レバー30cを操作したことを確認した上で、適切に遊技球の返却動作を実行することができる。
(第3例) 図32は、第3例の精算処理の内容を示している。ここでも同様に、第1,第2例で説明済みのものと同じステップには同一の符号を付し、重複した説明を省略する。第3例の精算処理は、1回のゲームが終了し、次のゲームに向けて遊技者がMAXベットボタン40を操作した後であって、球取込装置30が動作中に遊技者が精算レバー30cを操作した場合に実行されることを想定している。
第3例の精算処理では、精算レバー30cスイッチ30bがOFFになった段階(ステップS2000=YES)で、CPUは取込通路32内に相当数の遊技球が残存しているか否かを判断する(ステップS2001)。ここで、CPUが投入球有無検出スイッチ300からの検出信号に基づき、球取込装置30内に充分な数の遊技球が存在していないと判断すると(YES)、次にCPUは、それまでに取り込み済みの遊技球があるか否かを判断する(ステップS3000)。すなわち、球取込装置30において遊技球の取込動作の途中(未だ規定個数分の遊技球の取り込みが完了していない状態)であっても、遊技者が精算レバー30cをスライド操作すると、それまでの投入動作(取込動作)をキャンセルして精算処理に移行するため(図28中のステップS1020、図29中のステップS1038等)、CPUが精算処理に移行した時点で、既にいくつかの遊技球が取り込み済みであることは充分に想定される。
そこで第3例の精算処理では、CPUが取り込み済みの遊技球があるとステップS3000で判断した場合(YES)、次にCPUは取り込み済み個数分の遊技球の返却を指示する(ステップS3001)。例えば、精算処理に移行する前に投入計数スイッチ36にて10個分の遊技球がカウントされていたとする(図28中のステップS1008)。この場合、CPUは払出制御基板187に10個分の遊技球の払出(返却)コマンドを送信するので、これを受けて払出制御基板187のCPUは賞球用モータ167を駆動し、指示された個数(この場合は10個)分の遊技球の払出動作を制御する。
賞球装置166によって返却された遊技球は、賞球装置166の払出口から連絡通路部材290を通り、さらに球受け皿26を経て取込通路32まで転動してくるが、この間にある程度の時間を要するため、次にCPUは、待機するべき規定時間を比較的長めの5秒に設定する(ステップS3002)。そして、CPUが次のステップS2002で5秒間待機している間に返却された遊技球が取込動作体33の手前の位置に到達すると、CPUはステップS2004に進んで第1,第2例と同じ処理を実行する。
これに対し、CPUが取り込み済みの遊技球がないとステップS3000で判断した場合(NO)、CPUは待機するべき規定時間を比較的短い0.5秒に設定する(ステップS3003)。そして、CPUはステップS2002に進んで第1,第2例と同じ処理を実行する。
以上のように第3例の精算処理では、遊技者がMAXベットボタン40を操作した後、球取込装置30が取込動作中に精算レバー30cを操作した場合であっても、それまでに取り込み済みの遊技球がある場合は、その個数分の遊技球を確実に遊技者に返却することができる。なお、第1,第2例の精算処理は、遊技者がMAXベットボタン40を操作する前に実行することを想定しているが、第3例の精算処理は遊技者がMAXベットボタン40を操作する前であっても実行できる点で優れる。すなわち、遊技者がMAXベットボタン40を操作する前であれば、ステップS3000で取り込み済みの遊技球がないと判断されるため(NO)、ステップS3003に続いてステップS2002以降を実行することで、第1,第2例と同様の返却動作を行うことができる。
なお、ここでは精算レバー30cを操作して遊技球の返却を受ける例について説明しているが、球受け皿26に相当数の遊技球が貯留されている場合、遊技者は最初に上記の球抜きボタン26bを操作して大部分の遊技球を先に排出した後、精算レバー30cを操作することで取込通路32内や取込動作体33に残った分の遊技球の返却を受けることができる。このように、球受け皿26に貯留された大部分の遊技球を先に球抜き穴26cから落下させた後、精算レバー30cを操作して残りを全て排出する構成であれば、遊技者が遊技球の返却を受ける際の利便性が向上する。
(LED点灯処理) 上記のように本実施形態では、LED基板304の発光動作により球取込装置30を照明してその視認性を高めるとともに、球取込装置30内での遊技球の有無を視認しやすくし、さらには遊技球が取り込まれたり、排出されたりする様子を外部から視認しやすくしている。以下、LED基板304の制御について説明する。
図33は、LED点灯処理の内容を示している。本実施形態実施形態においては、LED点灯処理を主制御基板121のCPUが実行するものとなっているが、周辺制御基板126のCPUが実行する態様であってもよい。
(球取込装置動作中) ここでは先ず、CPUは球取込装置30が動作中であるか否かを判断する(ステップS4000)。球取込装置30が動作中であれば(YES)、CPUは次に投入球有無検出スイッチ300からの検出信号に基づき、球取込装置30内が球切れ状態(取込通路32に充分な数の遊技球が存在しない状態)であるか否かを判断する(ステップS4002)。このとき球取込装置30内に充分な数の遊技球が存在していれば(NO)、CPUはLEDを比較的高輝度で発光させる階調制御を行う(ステップS4006)。この階調制御では、単位制御時間に占めるLEDの通電時間の割合、つまりデューティ比が0.9〜0.6程度に設定される。これにより、遊技者がMAXベットボタン40を操作したことを受けて球取込装置30が比較的明るく照らし出されるので、視覚的に遊技球の取り込みが行われていることが遊技者に認識されやすくなる。
(球切れ状態発生時) 一方、球取込装置30内が球切れ状態(または遊技球がまばらな状態)であるとCPUが判断すると(ステップS4002=YES)、CPUは比較的高輝度でLEDを点滅させる制御を行う。これにより、遊技者に対して遊技球が不足していることを視覚的にアピールし、遊技球の追加を促すことができる。
(球取込装置の停止中) ゲームごとの遊技球の取込前や取込完了後、もしくは今回のゲームがリプレイ(再遊技)であった場合、球取込装置30は動作中でない(ステップS4000=NO)と判断されるが、この場合も同様に、CPUは球取込装置30内が球切れ状態であるか否かを確認する(ステップS4008)。このとき球取込装置30内に充分な遊技球が残存していれば(NO)、CPUはLEDを比較的低輝度で発光させる階調制御を行う(ステップS4012)。この階調制御では、LEDの通電デューティ比が0.2〜0.4程度に設定される。これにより、球取込装置30が比較的落ち着いた明るさで照らされるので、現在のところ遊技球の取り込みが行われていないことが遊技者に認識されやすくなる。
(球切れ状態発生時) これに対し、球取込装置30の停止中に球取込装置30内が球切れ状態(または遊技球がまばらな状態)であるとCPUが判断すると(ステップS4010=YES)、CPUは比較的低輝度でLEDを点滅させる制御を行う。これにより、遊技者に対して遊技球が不足していることを視覚的にアピールするか、もしくは当該スロットマシンが空き台である(遊技者に占有されていない)ことを視覚的にアピールすることができる。
(その他の実施形態) 上記の実施形態では、球受け皿26の球整列路28と球取込装置30の取込通路32とが別々の部材で構成されているが、これらは一体的に形成されていてもよい。この場合、球受け皿26の一部の底板が透明材料で形成された形態となる。
一実施形態では、スプロケット形状の取込動作体33を用いて遊技球の搬送および取り込みを行う例を挙げているが、一実施
形態の取込動作体33に代えて送りねじ形状の球搬送体を用いてもよい。この場合、送りねじは遊技球を受け入れ可能な大きさの溝(スパイラル状の溝)を有し、溝内に遊技球を受け入れた状態で軸線周りに回転すると、この回転動作に伴い遊技球を軸線方向へ搬送することができる。
一実施形態では、図20のLED点滅処理においてLED基板304のLEDの発光輝度を制御する例を挙げているが、例えばステップS3004ではLEDの点滅時間やその間隔を比較的短時間に設定してもよい。この場合、視覚的に激しい点滅発光が行われることで、遊技者に対するアピール度が増す。あるいはステップS3010ではLEDの点滅時間やその間隔を比較的長時間に設定し、視覚的なアピール度合いを和らげるようにしてもよい。