JP2007282815A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】回胴式遊技機において、遊技者の遊技意欲を維持させやすくする技術を提供する。
【解決手段】回胴式遊技機は、前面扉の奥に3つの図柄表示用リール111を備え、これらリール111を回転させて図柄の表示を変動させ、またリール111を停止させて図柄を停止表示する。あらかじめ決められた図柄の組み合わせで停止すると入賞、あるいは特典が付与される。入賞役(当選役)のなかには専有当選役(あるいは単独当選役)と共有当選役を設ける。共有当選役では少なくとも特賞役を含めた2つの当選役に対応する遊技特典を含有させる。さらに共有特賞役も複数の種類設けて当選役の種類を多数にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、パチンコ遊技機、スロットマシン等で代表される遊技機に関する。
従来から、メダルやコインを用いる回胴式遊技機が広く知られている。最近では、パチンコ遊技機の島設備を利用して設置できる回胴式遊技機も知られるようになっている。
これらの回胴式遊技機では、遊技者が遊技に面白みを持てるよう入賞役、いわゆるビッグボーナス(BB)やアシストタイム(AT)、小役、リプレイなど多数の入賞役を設けたり、遊技機のモチーフまたはコンセプト(あるいはイメージ)などに遊技者に親しみの持てる絵やキャラクターなどを用いたりしている(特許文献1参照)。
特開2004−33521号公報(第8頁、図5)
近年の回胴式遊技機では、上記のように多数設けた入賞役に遊技機のモチーフやコンセプトに合わせた絵あるいはキャラクターなどを図柄としてそれぞれ対応付けて遊技に視覚的な面白みを加えている。
しかしながら、BBやAT、その他入賞役を多数設けて、いくら遊技者に親しみやすい絵やキャラクターを用いていても、回胴式遊技機では入賞役に対応する図柄を揃えることが出来なければ上記のBBやATあるいは小役、リプレイといった特典を得ることは出来ない。従って、遊技者は入賞役に対応する図柄がある程度の長い時間揃わない状況が続くと遊技意欲を維持することができなくなり、興趣を低下させてしまうことが問題となっている。
そこで本発明は、上記の問題に鑑み、遊技者の遊技意欲を維持させやすくし、興趣の低下をできる限り抑えることのできる技術を提供するものである。
(解決手段1)
解決手段1は、表示状態を変化させることが可能な複数の可変表示体からなる可変表示装置と、1回のゲームごとに遊技価値の掛け数を決定する掛け数決定手段と、前記掛け数決定手段により掛け数が決定された状態で前記可変表示体による表示状態の変化を開始させる始動操作を受け付ける始動操作受付手段と、前記掛け数決定手段により掛け数が決定された状態で前記可変表示体による表示状態の変化を開始させる始動操作を受け付ける始動操作受付手段と、1回のゲームごとに予め決められた複数の当選役及びハズレ役の中からいずれかを選び出す抽選を行う内部抽選手段と、前記始動操作受付手段によりゲームの始動操作が受け付けられると、前記内部抽選手段による抽選を実行させて、その抽選の結果を決定する抽選結果決定手段と、前記始動操作受付手段によりゲームの始動操作が受け付けられると、前記可変表示装置の作動を開始させる可変表示開始手段と、前記複数の可変表示体の作動を個々に停止させるための停止操作を受け付ける停止操作受付手段と、前記停止操作受付手段により停止操作が受け付けられると、前記可変表示装置の作動を停止させて前記可変表示装置の表示結果を導出する表示結果導出手段と、前記表示結果導出手段により導出される表示結果と前記抽選結果決定手段により決定された内部抽選の抽選結果とを照合する判定を行うゲーム結果判定手段と、前記複数の当選役として当該ゲームにて規定数の遊技価値が付与される遊技特典に対応する小役、改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームの掛け数が次回のゲームに持ち越される遊技特典に対応する再遊技役、複数のゲーム期間にわたり遊技価値の付与機会を増加させる遊技特典に対応する特賞役、次回のゲームのみ遊技価値の付与機会を増加させる遊技特典に対応する特定役の少なくとも4種類の当選役を予め定める当選役規定手段と、前記当選役規定手段により定められる複数の当選役のうち、少なくとも前記特賞役を除く当選役に対応する表示結果を類似した態様とする表示結果対応手段と、前記ゲーム結果判定手段による当該ゲームの判定結果に応じて、前記複数の当選役及びハズレ役のいずれかの遊技特典を付与する遊技特典付与手段と、前記当選役規定手段により予め定められる前記特賞役として、前記特賞役の遊技特典のみを包含する専有特賞役と、前記特賞役の遊技特典に加えてその他の当選役の遊技特典をも包含する共有特賞役とをそれぞれ別に定める特賞役規定手段と、前記抽選結果決定手段により前記内部抽選の抽選結果として前記共有特賞役を除くその他の当選役のいずれかが決定された場合、その決定された当選役に対応する表示結果を前記可変表示装置に導出させることを許容する表示結果許容手段と、前記抽選結果決定手段により前記内部抽選の抽選結果として前記共有特賞役が決定された場合、前記共有特賞役の遊技特典に包含される前記特賞役に対応する表示結果及び前記共有特賞役の遊技特典に包含される前記その他の当選役に対応する表示結果のいずれをも前記可変表示装置に導出させることを許容する双方表示結果許容手段と、前記双方表示結果許容手段により前記可変表示装置に前記特賞役及び前記その他の当選役に対応する表示結果のいずれをも導出させることが許容された場合、前記特賞役及び前記その他の当選役に対応する表示結果の双方とも前記可変表示装置に表示させることの可能な前記可変表示体の制御を行う双方表示制御手段と、前記双方表示結果許容手段により前記可変表示装置に前記特賞役及び前記その他の当選役に対応する表示結果のいずれをも導出させることが許容された場合、前記特賞役及び前記その他の当選役のいずれか一方に対応する表示結果を前記可変表示装置に表示させることの可能な前記可変表示体の制御を行う単方表示制御手段と、前記双方表示制御手段から前記単方表示制御手段に前記可変表示体の制御を切り替える表示制御切替手段とを具備したことを特徴とする遊技機である。
解決手段1によれば、本発明の遊技機は、遊技者が1回のゲームを行うのに必要な遊技価値(メダル、コイン、遊技球など)の掛け数を決めた状態で始動操作を行った後に、複数の可変表示体からなる可変表示装置の始動操作が受け付けられる。また、1回のゲームに対する最大掛け数を決めることもできる。そして最小掛け数から最大掛け数の範囲内で遊技者が自由に掛け数を決めることもできるし、掛け数を固定的なもの(特別な場合を除き常に同じ掛け数で1回のゲームを実行させる態様)とすることもできる。
可変表示装置は複数の可変表示体の表示状態を変化させることが可能となっている。これは複数の可変表示体をそれぞれ独立して作動させることを可能とすると、より表示状態の変化を多様なものとすることができる。
複数の可変表示体をそれぞれ独立させて作動させることは、可変表示装置の停止操作が受け付けられる場合にも効果を奏する。これは、可変表示体ごとに停止操作受付手段を設けることにより実行できる。この停止操作受付手段には、一例として停止ボタンや、停止スイッチなどを挙げることができる。即ち、全ての可変表示体の作動を停止させようとする場合、全ての停止ボタン(または停止スイッチ)を操作する必要が生じることになる。
従って、始動操作が受け付けられてから可変表示装置が作動を開始した後、全ての可変表示体の停止操作が受け付けられるまでは、少なくとも作動中の可変表示体が存在することになり、全ての可変表示体が停止するまでは表示状態は変化を続けることになる。つまり、遊技者は最終的に全ての可変表示体の作動が停止となるまでは、どのような表示結果(停止状態となった際に可変表示装置に表示される表示態様)となるのか期待をしながら待つことになる。
1回のゲームごとに行われる内部抽選は、遊技者の始動操作を契機として行われる。ここでいう「内部」とは、抽選の中味が遊技者に知らされておらず、遊技者の知覚できないところで抽選が行われることを表したものであり、実際に内部抽選は遊技機の動作を制御する遊技制御装置(遊技制御基板)にて行われる。遊技機の動作には、遊技の進行の制御や遊技の進行状況に応じた制御情報の送信などが含まれる。即ち、本発明の遊技機は、遊技の進行を制御するとともに遊技の進行状況に応じた制御情報を送信する遊技制御手段を備えているということができる。
内部抽選手段の行う内部抽選の方法としては、所定の数値範囲内(最小乱数値から最大乱数値までの範囲内)で乱数を発生させておき、その中から1回のゲームごとに乱数値を1つ取得すると、この取得した1つの乱数値を予め決められた複数の当選役及びハズレ役として決められた乱数値と比較して抽選結果を判断するものが挙げられる。
所定の数値範囲内では、複数の当選役及びハズレ役に対応する乱数値(当たり値)が予め割り当てられており、所定の数値範囲内の乱数値は全てこれらのいずれかの当たり値に属することになる。従って、取得された1つの乱数値は必ずいずれかの当たり値の乱数値と一致(合致)することになる。そこで一致した当たり値に対応する当選役が当該ゲームの抽選結果(内部抽選の抽選結果)として決定される。
また、ハズレ役とはいずれの当選役の当たり値にも該当しない乱数値が対応している。つまり、ハズレ役とは当選役とは異なり、いずれの当選役に対応することの無い「ハズレ(抽選結果がハズレ)」ともいえる。
可変表示装置としては、複数の図柄等の付された可動表示体を作動(例えば回転動作や移動動作)させて停止操作等の可動表示体の作動を停止させる操作により停止状態となったときの図柄の組み合わせ態様を表示結果とするものを挙げることができる。このような可動表示体を用いると、可動表示体が作動中の表示状態(変動中の表示状態)は、作動中の可動表示体に付された図柄を視認しづらくなる。従って、遊技者が目的の図柄を可変表示装置に表示させようとする場合には、その目的の図柄を正確に狙うことが必要となり、そのための技量を遊技者に十分に発揮させることができる。
可変表示装置の作動が開始されると、停止操作が受け付けられるまで可変表示装置は変動(作動)を続ける。そして、全ての可変表示体の停止操作が受け付けられると可変表示装置の作動が停止状態となるとともに、いずれかの表示結果が表示(導出された結果として表示)される。
ここで導出された表示結果は、抽選結果決定手段によって決定された内部抽選の抽選結果と照合され、双方(表示結果と抽選結果)が合致するか否かがゲーム結果判定手段により判定される。ここで、内部抽選の抽選結果(つまり、当選役またはハズレ)には、それぞれ対応する表示結果が予め決められており、当該ゲームで導出された表示結果が予め決められた当選役に対応する表示結果となっている場合、上記でいう「合致」していると判定される。
ゲーム結果判定手段による判定される結果(判定結果)は、いずれかの当選役またはハズレに該当することになり、いずれかの当選役に該当する場合には該当する当選役に対応する遊技特典が付与される。また、ハズレに該当する場合にはいずれの当選役に対応する遊技特典も付与されることは無い。即ち、ハズレ役は、いずれの当選役に対応する遊技特典も付与しないという遊技特典に対応する当選役ともいえる。
当選役には複数の種類の当選役が用意されており、それぞれの当選役には対応する遊技特典が設けられている。これらの当選役には、小役、再遊技役、特賞役、特定役が含まれる。規定数の遊技価値が付与される遊技特典に対応する当選役が小役である。そして、この遊技価値の付与は当該ゲームにて行われる。つまり、当該ゲームの判定結果が小役に該当すると判断されると、小役に対応する遊技特典として規定数の遊技価値が付与されることになる。
本発明の遊技機では、小役等に対応する遊技特典により遊技価値の付与が行われる場合、そのとき付与されるべき規定数の遊技価値が付与され終わるまでのあいだはゲームの進行が中断されることになる。即ち、本発明の遊技機は、所定数の遊技価値の付与が行われる場合、その所定数の遊技価値の付与が終了するまでゲームの進行を中断させるゲーム中断手段をさらに備える。
従って、付与される遊技価値の所定数が少なければ、それだけゲームの進行が中断される期間(時間)が短くなり、遊技者にゲームの進行が中断されていることをほとんど認識させずにゲームを進行させることが可能となる。
当該ゲームの掛け数を改めて遊技価値を掛けることなしに次回のゲームに持ち越す遊技特典に対応する当選役が再遊技役である。このとき、当該ゲームでは遊技価値の付与は行われない。つまり、当該ゲームの判定結果が再遊技役に該当すると判断されると、遊技価値の付与は行われずに次回のゲームに改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームと同じ掛け数にてゲームを行うことができることになる。
当該ゲームから複数のゲーム期間にわたり遊技価値の付与機会を増加させる遊技特典に対応する当選役が特賞役である。このとき、当該ゲームでは遊技価値の付与は行われない。つまり、当該ゲームの判定結果が特賞役に該当すると判断されることは、特賞役の遊技特典を開始させるための契機ということになる。特賞役の遊技特典における複数のゲーム期間では、特定の小役に対応する当たり値が増加される。
この複数のゲーム期間のことを「遊技価値付与機会増加期間(あるいは特別ゲーム期間)」と呼ぶ。即ち、「特別ゲーム期間」では特定の小役が内部抽選の抽選結果となる割合(頻度)が「遊技価値付与機会増加期間」以外のゲーム期間(これを「一般ゲーム期間」という)に比べて増えることになる。この「特別ゲーム期間」は所定数の遊技価値の付与が行われると終了となる。
「特別ゲーム期間」が終了すると、「一般ゲーム期間」に戻り、いわゆる通常ゲームが開始されることとなる。なお、「特別ゲーム期間」に行われるゲームのことを通常ゲームに対して特別ゲームと呼ぶ。
さらに、特別ゲームとは別に、「当該ゲームの次回のゲームのみ遊技価値の付与機会を増加させる遊技特典」に対応する当選役として特定役を設けている。この特定役では、当該ゲームの判定結果が特定役に該当すると判断された当該ゲームでは遊技価値の付与は行われない。つまり、当該ゲームの判定結果が特定役に該当すると判断されることは、特定役の遊技特典を開始させるための契機ということになる。特定役の遊技特典における1回のゲーム期間(当該ゲームの次回に行われるゲーム)のみ、特定の小役に対応する当たり値が増加される。
この1回のゲーム期間のことを「特定ゲーム期間」と呼ぶ。即ち、「特定ゲーム期間」では、特定の小役が内部抽選の抽選結果となる割合(当選する割合)が「一般ゲーム期間」に比べて増えることになる。そして「特定ゲーム期間」は1回のゲームをもって終了する。
また、特定の小役は「特別ゲーム期間」と「特定ゲーム期間」で同じ種類の小役としてもよいが、それぞれ異なる種類の小役とすることもできる。これにより「特別ゲーム期間」と「特定ゲーム期間」の違いを明確に区別し易くなる。このように、「特別ゲーム期間」と「特定ゲーム期間」とで特定の小役を異なる種類の小役とすることは、小役の種類に多数のバリエーション(複数の小役を設けることができる)を持たせることになる。これは遊技者が常に同じ小役ばかり目にする(当選する小役の種類が少ない)というゲームの単調さを回避することにもなる。
また、「特別ゲーム期間」における特定の小役は、付与される遊技価値の所定数(付与数)の多い小役としてもよいし、付与される遊技価値の付与数の少ない小役としてもよい。付与数の多い小役を特定の小役とすれば、「特別ゲーム期間」の毎ゲームに付与される遊技価値の数が多くなり、「特別ゲーム期間」が終了となる所定数の遊技価値を獲得するまでに要するゲーム数(ゲーム期間、あるいはゲームに要する時間)を短縮することができる。
反対に、付与数の少ない小役を特定の小役とすれば、「特別ゲーム期間」の毎ゲームに付与される遊技価値の数が少なくなり、「特別ゲーム期間」が終了となる所定数の遊技価値を獲得するまでに要するゲーム数(ゲーム期間、あるいはゲームに要する時間)を引き延ばすことができる。
また、本発明の遊技機では、少なくとも特賞役を除く当選役に対応する表示結果については類似する態様となっている。これは特賞役に対応する表示結果をその他複数の当選役から際立たせる(あるいは目立たせる)ことになる。例えば、周方向に複数の図柄を配置した図柄帯の付された可変表示体(可動表示体)を複数備えて、可変表示体の停止時に表示される図柄の組み合わせを表示結果とする可変表示装置を本発明に用いる場合、特賞役に対応する表示結果、つまり図柄の組み合わせ(及び組み合わせを構成する各図柄)はその他の当選役に対応する図柄の組み合わせ(及び組み合わせを構成する各図柄)に比べて目立ちやすいため、遊技者が特賞役に対応する図柄を目的の図柄として狙いやすいものとすることができる。なお、ぞれぞれの当選役には対応する図柄、あるいは図柄の組み合わせが予め決められている。
このように特賞役に対応する図柄を目立たせることにより、遊技者は特賞役に対応する図柄の組み合わせを停止させようと目的意識を持つことができる。反対に、特賞役を除く当選役については類似した態様、つまり似たような図柄の組み合わせとする(あるいは組み合わせを構成する各図柄を似たような図柄とする)ことにより、小役、再遊技役、特定役等を似たような図柄の組み合わせとすることができる。つまり、特賞役を除く当選役については図柄の組み合わせを分かりづらくすることになる。従って、遊技者は当該ゲームの結果がどの当選役に対応したものであるのか注意深く集中して遊技を行うことになる。これにより、遊技者が遊技の途中で注意力散漫となってしまうような事態(即ち、興趣の低下が起こり始めるといった事態)を極力抑えることができる。
さらに、特賞役以外にもその図柄の組み合わせ(及び組み合わせを構成する各図柄)を際立たせる(他の当選役に対応する図柄の組み合わせとは類似しない)当選役を設けることもできる。ただし、特賞役以外にも図柄の組み合わせ(及び組み合わせを構成する各図柄)を際立たせる当選役を多数設けると、特賞役に対応する図柄の組み合わせを突出して目立たせることができなくなる場合があるため、このような当選役は多くとも数種類程度に留めることが望ましい。
内部抽選の抽選結果のうち、特賞役には、特賞役のみを内部抽選の抽選結果として包含するもの(専有特賞役)と、特賞役及びその他の当選役(小役、再遊技役等)ともに内部抽選の抽選結果として包含するもの(共有特賞役)がある。
本発明の遊技機では、共有特賞役に包含されるその他の当選役は小役、再遊技役等(特賞役は既に包含されているので除く)のうちいずれかを選ぶことができる。このようにすると、例えば、同じ小役(同じ遊技特典を付与するもの)であっても、共有特賞役に包含されている場合の小役と、包含されていない場合の小役が存在することになる。つまり、前者は小役の遊技特典に加えて特賞役の遊技特典も付いてくる当選役(小役)であるのに対し、後者は単に小役の遊技特典を付与するだけの当選役(小役)であるということになる。
従って、これらを区別するために、以下では、共有特賞役に含まれている場合のその他の当選役のことを共有当選役と呼び、共有特賞役に含まれていない場合のその他の当選役のことを単独当選役と呼ぶ。
また、共有特賞役の当たり値の範囲内では、「特賞役+その他の当選役」に対応する当たり値がそれぞれ割り振られている。つまり、
「特賞役+小役」
「特賞役+再遊技役」
といった当たり値がそれぞれ分けられることになるが、このそれぞれの当たり値の割合に格差(当たり値の数の差)を設けることができる。なお、小役を複数種類設ける場合には、上記の「特賞役+小役」をさらに「特賞役+小役(1)」、「特賞役+小役(2)」と細分化することができる。
これにより、上記の「特賞役+小役」の当たり値の数と、「特賞役+再遊技役」の当たり値の数に大小の差をつける(例えば、一方の当たり値を多く、他方の当たり値を少なくするなど)ことができることになる。さらに、小役等に複数の種類を設ける場合などでは、小役ごとにこのような格差(当たり値の数の差)を設けることも可能となる。例えば、通常遊技時に当選しやすい小役(単独当選役)は、共有当選役となる当たり値の数を少なくし、通常遊技時に当選しづらい小役(単独当選役)は、共有特賞役となる当たり値の数を多くすると、通常遊技時に当選しづらい小役に当選した場合、共有特賞役である可能性が高いこととなり、通常遊技時に当選しづらい小役に当選しただけで、遊技者に特賞役に当選したことに対する大きな期待を持たせることができる。
抽選結果決定手段により決定された内部抽選の抽選結果が共有特賞役を除く全ての当選役となった場合、そのとき決定された当選役に対応する表示結果を可変表示装置に導出させることが許容される。このとき、内部抽選の抽選結果として決定された当選役に対応する表示結果を可変表示装置に導出させることを許容する可変表示体の制御(停止制御等)が行われることになる。
但し、可変表示装置としては複数の可変表示体の停止操作を適切に行う必要があり、特定の表示結果を導出させることが許容された状態となっていても特定の表示結果とならない場合もある。よって、適切な停止操作を行うことができなければ、導出させることが許容されている表示結果とならず、内部抽選の抽選結果として決定された当選役に対応する遊技特典が得られないことになる。
また、上記でいう「適切な停止操作」とは、可変表示装置の作動が停止状態となるときに導出させることが可能となっている表示結果を可変表示装置に表示させることの可能な時機(タイミング)での停止操作のことをいう。
このように、本発明の遊技機では、共有特賞役を除く全ての当選役は、1つの内部抽選の抽選結果に対応して許容される表示結果が1つ該当することになる(なお、ここではハズレは当選役として考えないものとする)。
抽選結果決定手段により決定された内部抽選の抽選結果が共有特賞役となった場合、そのとき決定された当選役(即ち、特賞役とその他の当選役)に対応するそれぞれの表示結果を可変表示装置に導出させることが許容される。つまり、1つの内部抽選の抽選結果に対応して許容される表示結果が2つ存在することになる。これらのうちの一つは特賞役に対応する表示結果であり、もう一つはその他の当選役(小役、再遊技役等)に対応する表示結果である。
但し、表示結果としては特賞役に対応する表示結果及びその他の当選役に対応する表示結果のいずれか一つが許容表示結果選択手段により選択されることになる。これは共有特賞役の遊技特典としては2つの遊技特典を包含しているが、共有特賞役が内部抽選の抽選結果となった場合、当該ゲームでは遊技者に付与される遊技特典は多くとも一つであるということを意味する。即ち、本発明の遊技機では1回のゲームに対しては多くとも1つの遊技特典が与えられるだけであり、1回のゲームに対して複数の遊技特典が重複して、あるいは同時に与えられるものではないということになる。
また、本発明の遊技機では、内部抽選の抽選結果が共有特賞役となった当該ゲームにおいて、特賞役に対応する表示結果及びその他の当選役に対応する表示結果のいずれにもならなかった場合、共有特賞役に対応する遊技特典に包含される遊技特典のうち、特賞役に対応する遊技特典のみ次回のゲーム以降に引き継ぐ特賞役引継ぎ手段をさらに備える。
この特賞役引継ぎ手段により、内部抽選の抽選結果が共有特賞役となった場合には、その他の当選役に対応する遊技特典と、特賞役に対応する遊技特典の双方を得ることが可能となる。つまり、当該ゲームでその他の当選役に対応する表示結果となり、次回のゲームで特賞役に対応する表示結果となれば、共有特賞役に包含される2つの当選役の遊技特典をもれなく獲得することができることになる。
さらに特賞役引継ぎ手段は、内部抽選の抽選結果が専有特賞役となった当該ゲームで特賞役に対応する表示結果とならなかった場合、専有特賞役に対応する遊技特典に包含される遊技特典である特賞役の遊技特典を次回のゲーム以降に引き継ぐことができる。
これにより、共有特賞役であっても、専有特賞役であっても、特賞役に対応する遊技特典は必ず得ることができるので、遊技者が大きな不利益を被るということが回避される。
また、内部抽選の抽選結果が共有当選役となった場合、特賞役及びその他の当選役のいずれの表示結果ともなることが可能となるよう可変表示体が制御される(双方表示制御手段)。
さらに、内部抽選の抽選結果が共有当選役となった場合には、特賞役及びその他の当選役のいずれか一方の表示結果となるよう可能表示体が制御されることもある(単方表示制御手段)。
これらは、双方表示制御手段から単方表示制御手段へと一方通行的に切り替えられることが望ましい(つまり、単方表示制御手段から双方表示制御手段への切り替えは行わない)。これは共有特賞役が少なくとも2つの当選役に対応する遊技特典を包含していることから、内部抽選の抽選結果が共有特賞役となった場合、常に共有特賞役に包含される2つの当選役のいずれに対応する遊技特典も得られる可能性に期待を持たせることにより、遊技者の興趣を惹きつけておくことができるからである。
(解決手段2)
解決手段2は、解決手段1に記載の遊技機において、前記表示結果対応手段が、前記ハズレ役を、少なくとも前記特賞役を除く当選役に対応する表示結果と類似した態様とすることを特徴とする遊技機である。
解決手段2によれば、ハズレ役についても特賞役以外の当選役と類似した態様(あるいは類似した図柄、または類似した図柄の組み合わせ)とすることができる。これにより、ますます特賞役以外の当選役(加えてハズレ役)の識別が容易なものではなくなり、遊技者は当該ゲームの結果がどの当選役に対応したものであるのか注意深く集中して遊技を行うことになる。これにより、遊技者が遊技意欲を維持しやすいものとなり、興趣を低下させづらくすることができる。
(解決手段3)
解決手段3は、解決手段1または2に記載の遊技機において、前記可変表示装置が、周方向に図柄帯の付された可変表示体を複数備え、前記可変表示体を回転または停止させて表示状態を変化させることが可能であることを特徴とする遊技機である。
解決手段3によれば、本発明の遊技機では、図柄帯が周方向に付された可変表示体を複数備えた可変表示装置を用いることができる。それぞれの可変表示体は回転、停止を行うことが可能となっており、遊技者による始動操作が受け付けられると、それぞれの可変表示体が回転を開始する。そして、遊技者による停止操作が受け付けられるまで、それぞれの可変表示体は回転を続ける。遊技者による停止操作が受け付けられると、それぞれの可変表示体は停止操作の受け付けられた順番にその回転を停止する。全ての可変表示体の回転が停止したときの可変表示装置の表示状態が静止時の表示結果となる。
また、それぞれの可変表示体の周囲(可変表示体の回転方向)には図柄帯が付されている。図柄帯には文字や形、キャラクター等の図柄(あるいは絵柄)が配置されており、可変表示体の停止時には図柄帯上の図柄を視認することができる。また、可変表示体が回転を開始しても可変表示体の回転方向でみて図柄帯上の図柄の配置関係は常に保持される。そして、可変表示体の回転中は図柄も変動することとなり、静止状態に比べて1つ1つの図柄を視認することは難しくなる。
(解決手段4)
解決手段4は、解決手段3に記載の遊技機において、前記複数の可変表示体に付される図柄帯には類似する図柄が複数配置され、前記表示結果対応手段が、前記類似する図柄からなる組み合わせを前記当選役及び前記ハズレ役に対応する表示結果とすることを特徴とする遊技機である。
解決手段4によれば、各々の可変表示体に付される図柄帯には類似する図柄が配置されている。類似する図柄とは、形状が似ていたり、色合いが似ていたりするものを挙げることができる。ここでいう「類似する(似ている)」ということは、可変表示体の静止時に個々の図柄を見たときに、一見では同じ図柄として認識されてしまう程度(注意深く観察しないと異なる図柄であることが識別できない)のものとすることが望ましい。このようにすると静止時であっても個々の図柄の識別が難しいため、可変表示体の回転中に個々の図柄を識別することはほぼ不可能となる。
また、類似する図柄以外の図柄には、全く類似しない図柄(形状または色彩の異なる図柄)を用いることもできる。つまり、少なくとも可変表示体の静止時においては一見して異なることが識別でき、さらに可変表示体の回転中であっても識別することが可能な程に異なるもの(類似しないもの)であってもよい。従って、特賞役に対応する表示結果(図柄の組み合わせ)は、可変表示体の静止時に加えて、回転中であっても際立って目立つものとなり、遊技者が特賞役に対応する図柄を識別することが容易になる。
このように類似する図柄を設けることで特定の図柄を目立たせて遊技者が可変表示体の停止操作を行う際の目標とさせることができる。特にこの特定の図柄を特賞役に対応する図柄とすれば、特賞役に対応する図柄を遊技者が狙いやすいものとすることができる。
(解決手段5)
解決手段5は、解決手段4に記載の遊技機において、前記類似する図柄が、個々の形状が類似していることを特徴とする遊技機である。
解決手段5によれば、類似する個々の図柄は、その形状が類似している。これにより可変表示体の静止時に一見しただけではこれらの図柄の違いを見極めることが困難なものとなる。従って、可変表示体の回転中ではそれぞれの図柄の違いを識別することがほぼ不可能であるといえる。
このように類似する形状の図柄を設けることによって、特定の図柄を目立たせることができる。従って、遊技者が特定の図柄(特に特賞役に対応する図柄)を視認しやすくなり、遊技に不慣れな初心者等でも特定の図柄を目標として意識させることができ、遊技に対する集中力の低下を起こりにくくすることができる。
(解決手段6)
解決手段6は、解決手段4または5に記載の遊技機において、前記類似する図柄が、個々の色彩が類似していることを特徴とする遊技機である。
解決手段6によれば、類似する個々の図柄は、その色彩が類似している。さらに、解決手段5より図柄の形状が似ているうえに色彩(色合い)までも似ているということになる。これにより可変表示体の静止時にもこれらの図柄の違いを見極めることが困難なものとなり、さらに可変表示体の回転中ではほとんど個々の図柄の識別をすることが不可能なものとなる。
このように形状に加えて色彩も類似する図柄を設けることによって、特定の図柄(特賞役に対応する図柄)をより一層目立たせることができる。従って、遊技者が特に特賞役に対応する図柄を容易に識別して特賞役に対応する図柄の組み合わせを表示させようという意欲を喚起することができる。
(解決手段7)
解決手段7は、解決手段1から6のいずれかに記載の遊技機において、前記表示制御切替手段が、遊技者による前記個々の可変表示体の停止操作が受け付けられるごとにその切り替えを行うか否かを決定することを特徴とする遊技機である。
解決手段7によれば、遊技者による個々の可変表示体の停止操作が受け付けられるごとに、共有特賞役のいずれか(特賞役あるいはその他の当選役)を表示結果として可変表示装置に表示させることを可能とするかが決まることになる。
従って、遊技者が自分の行う個々の可変表示体の停止操作によって表示結果が変わるということに遊技に自分の意思(あるいは意志)が積極的に反映されるという期待を持たせることができる。例えば、遊技者が自分でどちらの当選役を表示させようかという選択をする楽しみを味わうことも可能である。
(解決手段8)
解決手段8は、解決手段1から7のいずれかに記載の遊技機において、前記表示制御切替手段が、前記双方表示制御手段から前記単方表示制御手段へ常に一方向のみで前記可変表示体の制御の切り替えを行うことを特徴とする遊技機である。
解決手段8によれば、双方表示制御手段から単方表示制御手段へと一方通行的な制御の切り替えのみ行われる(許容されて実行される)ことになる。言い換えれば、単方表示制御手段から双方表示制御手段へと制御が切り替えられることはない。従って、共有特賞役に包含される特賞役及びその他の当選役は、遊技者により停止操作が行われるまでは常に双方の当選役に対応する表示結果を表示させることができることとなる。これにより、遊技者が遊技に積極的に参加している(自分の意思によって当選役を選択できる)という印象を与えることができる。
(解決手段9)
解決手段9は、解決手段1から8のいずれかに記載の遊技機において、前記双方表示制御手段により前記可変表示装置に前記特賞役及び前記その他の当選役に対応する表示結果の双方とも表示させることが可能な前記可変表示体の制御が行われている状態で、遊技者による前記個々の可変表示体の停止操作が受け付けられる場合、第1番目に受け付けられた停止操作では、前記特賞役及び前記その他の当選役に対応する表示結果の双方とも前記可変表示装置に表示させることが可能な前記双方表示制御手段による前記可変表示体の制御を維持する双方表示制御維持手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機では、複数の可変表示体の停止操作を受け付ける停止操作手段を複数有している。これは個々の可変表示体ごとに対応した停止操作受付手段を設けることで、遊技者が随意(あるいは、自分の自由なタイミングで)に停止操作を行うことを可能とするものである。これにより、遊技者に自ら望む当選役に対応する表示結果を表示させよう(あるいは、目的の図柄を表示させよう)という意志を持たせることができる。
解決手段9によれば、複数ある停止操作受付手段のうち、第1番目(最初)に受け付けられた停止操作では、共有特賞役に包含されるいずれの当選役も表示結果として表示させることのできる可能性を持たせた状態を維持することができる。これにより、複数ある可変表示体の1つが停止状態となり、そのときの可変表示装置に表示された表示結果から1つの当選役が確定(あるいはほぼ決定付けられる)してしまうことを回避させることができ、遊技者に次の停止操作にも期待を引き続き持たせた状態で望ませることができる。
さらに解決手段1により、共有特賞役に包含されるその他の当選役については、対応する表示結果がその他の当選役以外の当選役と類似した態様であるため複数ある可変表示体の1つが停止状態となっても、その際に可変表示装置に表示された表示結果から1つの当選役を確定(あるいはほぼ決定付けられる)することを困難なものとすることができる。従って、遊技者が次の停止操作にも期待を維持することが可能となり、興趣を低下させにくくすることができる。
(解決手段10)
解決手段10は、解決手段9に記載の遊技機において、前記双方表示制御維持手段により前記可変表示装置に前記特賞役及び前記その他の当選役に対応する表示結果の双方とも表示させることが可能な前記可変表示体の制御が維持されている状態で、遊技者による前記個々の可変表示体の停止操作が受け付けられる場合、少なくとも最後に受け付けられる停止操作までに前記表示制御切替手段による前記可変表示体の制御の切り替えを実行させる表示制御切替実行手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段10によれば、表示制御切替手段による可変表示体の制御の切り替えは、遊技者により第1番目の停止操作が受け付けられた後から、最後の停止操作が受け付けられる前(複数ある停止操作受付手段のうち、最後の停止操作受付手段により停止操作が受け付けられる前)までに実行される。
ここで、上記の切り替えが実行される時機(タイミング)は、最後の停止操作が受け付けられる直前、即ち、最後の停止操作が受け付けられる直前(あるいは直近)の停止操作が受け付けられた時点(例えば、停止操作をボタンなどの押下により受け付ける場合、複数あるボタンのうち「最後−1」番目のボタンが押下されたとき)に実行することが望ましい。このようにすれば、遊技者が最後の停止操作を行うひとつ前(直近)の停止操作が受け付けられるまでは、共有特賞役に包含される当選役の双方ともに表示結果として表示させることが可能性として期待できることになる。つまり、できるだけ最後の停止操作に近い時点まで2つの当選役のいずれになるかは遊技者の技量によって変えることができたり、あるいは遊技者がいずれかに選択することを可能とさせたりすることができる。
なお、本発明では上記の切り替えが実行される時機については停止操作を契機として行わせることが望ましい。これは、遊技者が自らの技量で共有特賞役のうちのいずれかを選択できるということで遊技に面白みを付与するためである。
(解決手段11)
解決手段11は、解決手段1から8のいずれかに記載の遊技機において、前記表示制御切替実行手段が、前記双方表示制御手段により前記可変表示装置に前記特賞役及び前記その他の当選役に対応する表示結果の双方とも表示させることが可能な前記可変表示体の制御が行われている状態で、遊技者による前記個々の可変表示体の停止操作が受け付けられる場合、第1番目に受け付けられた停止操作の時点で、前記特賞役に対応する表示結果を前記可変表示装置に表示させることが不可能となると、前記単方表示制御手段により前記その他の当選役に対応する表示結果を表示させるよう前記可変表示体の制御を切り替えることを特徴とする遊技機である。
解決手段11によれば、解決手段9の場合と異なり、複数ある停止操作受付手段のうち、第1番目(最初)に受け付けられた停止操作の時点で、特賞役に対応する表示結果を可変表示装置に表示させることが不可能となった場合、その他の当選役に対応する表示結果を表示させようとする制御に可変表示体の制御を切り替える(単方表示制御手段への切り替え)。
ここでいう「特賞役に対応する表示結果を可変表示装置に表示させることが不可能」とは、第1番目の可変表示体が停止状態となった際に特賞役に対応する図柄を可変表示装置に表示させることができなかった場合のことをいう。つまり、この時点ですでに特賞役に対応する表示結果を可変表示装置に表示させることは不可能となってしまう。そして、このような場合には、速やかに共有特賞役のもう一方の当選役であるその他の当選役に対応する表示結果を可変表示装置に表示させることの可能な可変表示体の制御に切り替え(単方表示制御手段への切り替え)を実行させることができる。
さらに、上記の場合に単独当選役としてのその他の当選役を同様な可変表示体の制御を実行させると、遊技者には共有特賞役に当選していたことを気付かせることがなく、共有特賞役に当選していたことに気付かなかったというような興趣を損ねることを回避できる。
(解決手段12)
解決手段12は、解決手段1に記載の遊技機において、前記特賞役規定手段により定められる前記共有特賞役に包含されるその他の当選役の遊技特典が、前記小役及び前記再遊技役の遊技特典であることを特徴とする遊技機である。
解決手段12によれば、共有特賞役に包含されるその他の当選役には小役及び再遊技役が含まれる。つまり、小役や再遊技役に対応する表示結果が得られたときであっても、特賞役に当選している場合があることになる。従って、遊技者は小役や再遊技役に当選する度に特賞役に当選したかもしれないという期待を持つこととなり、単調なゲームになりがちな「一般ゲーム期間」にも興趣を極低下させずにゲームを進行することができる。
さらに、「小役を複数の種類設ける場合、単独当選役でのそれぞれの小役の当選確率に応じて、共有特賞役となる割合(当たり値の割り振り)に格差を設ける」構成を別に加えることもできる。この構成により、例えば、「一般ゲーム期間」で当選確率の高い小役は、共有特賞役となる割合を低くし、「一般ゲーム期間」で当選確率の低い小役は、共有特賞役となる割合を高くすると、「一般ゲーム期間」で当選しにくい小役に当選した場合、共有特賞役に当選したのではないかという遊技者の期待感を大いに高めることができる。
一方、特定役は共有特賞役には含まない。これは「特定ゲーム期間」では、特定の小役が内部抽選の抽選結果となる割合が「一般ゲーム期間」に比べて増えることが、「特別ゲーム期間」に準じるゲーム期間としてみることができるためである。つまり、遊技者に有利な状態(ゲーム期間)に移行する契機となる当選役は共有特賞役に包含されるその他の当選役とはしないということになる。このようにすると、特定役とその他の当選役(小役、再遊技役等)の遊技特典をともに包含する当選役を共有当選役に準じる当選役として設けることもできることになる。従って、共有特賞役のバリエーションが増加することになり遊技の面白みを増すことができる。
(解決手段13)
解決手段13は、解決手段1に記載の遊技機において、遊技者に相対する前面側からみてパチンコ機用の島設備に設置するのに必要な幅と高さを有した枠体と、前記島設備に前記枠体が縦型に設置された状態で前記枠体の前面側に開閉可能に設けられ、閉状態で前記枠体の前面を覆う幅と高さを有した前面扉と、前記前面扉の奥に配置され、前面側からみて前記枠体の内側の位置で前記複数の可変表示体として周方向に図柄帯の付された可動表示体を作動させる前記可変表示装置と、遊技者の視線に正面から向き合う位置で前記前面扉を横長の矩形状に開口して形成され、前記可動表示体の停止時に図柄が所定位置に表示される図柄表示窓と、前記前面扉の奥に配置され、前記可変表示装置の上方の位置でゲームの進行に基づいて演出表示を実行させる演出表示ユニットと、前記図柄表示窓の上方の位置で前記前面扉を矩形状に開口して形成され、前記演出表示ユニットの表示内容を前面側から視認可能とする演出表示窓と、前記前面扉の前面から突出して形成され、前記図柄表示窓の下方の位置で遊技者による操作を受け付ける操作部材が配置された操作部設置台と、前記前面扉の左側部分に形成された遊技球を貯留する球受け皿と、前記前面扉の内側にて前記球受け皿に隣接して設置され、前記球受け皿に貯留された遊技球を遊技機本体の内部に取り込むことで、遊技者が保有していた遊技球を前記所定数の遊技価値として掛けるための取込動作を行う球取込機構と、遊技媒体としての遊技球を所定個数分だけまとめて遊技価値の1単位とする遊技価値計数手段と、前記遊技価値計数手段により所定個数分だけまとめられた遊技価値の1単位を1回のゲームに必要な最小掛け数として、1回のゲームに対して掛け数を決定する掛け数決定手段と、前記球受け皿から遊技球を右方向へ転動させて前記球取込機構に導く球案内路とをさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段13によれば、本発明の遊技機では、遊技者が保有する遊技球を球受け皿に貯留しておき、ここに滞留した遊技球を用いてゲームごとに使用する遊技価値を掛けることができる。前面扉の左側部分に形成された球受け皿には遊技者が保有する遊技球を貯留しておくことができるほか、必要に応じて遊技者が上方から遊技球を足し込んだり、あるいは取り除いたりすることができる。
また、本発明の遊技機では、1回のゲームの結果に応じて、遊技球が付与される場合には、球受け皿に払い出すことが可能であり、その際に払い出された遊技球は球受け皿に貯留される。
また本発明の遊技機では、所定数の遊技価値を掛けるために球取込機構を用いて遊技球を取り込む動作(取込動作)が行われる。球取込機構によって取り込まれた遊技球は、遊技者がゲームをするにあたって遊技価値として掛けたものとなる。このようにして遊技価値を掛けることで1回のゲームが行われることから、遊技者が繰り返しゲームを実行するためには、球受け皿に相当な数の遊技球を貯留しておくことが好ましい。ここで、遊技価値の1単位には、少なくとも複数の遊技球が含まれる。そしてこの遊技価値の1単位が最小掛け数となる。
また本発明の遊技機は、遊技球を用いてスロットマシン遊技を行う遊技機としての明確な構成を有する。すなわち、枠体はパチンコ機用の島設備に設置可能な幅と高さを有していることから、パチンコ機用の島設備から遊技球の補給を受けたり、ゲームに使用した遊技球をパチンコ機用の島設備にて回収したりすることが可能となる。また、枠体には周方向に図柄帯の付された可動表示体を複数有した可変表示装置が配置され、この可動表示体の回転および停止が行われることでゲームが進行する。可動表示体の停止時には図柄表示窓に図柄が所定位置に停止表示され、このときの図柄の組み合わせからゲームの結果が判断される。このようなゲームの進行を円滑に行うため、前面扉には操作部材が配置された操作部設置台が形成されており、遊技者は操作部材を操作することでゲームを進行させることができる。
さらに、枠体にはゲームの進行に基づいた演出表示を実行させることが可能な演出表示ユニットが配置され可動表示体の回転および停止等のゲームの進行に合わせた演出内容を表示させることができる。この演出内容は演出表示窓を通して視認することができる。つまり、演出表示ユニットは前面扉が閉じた状態となると外部から触れることはできなくなる。これにより演出表示ユニットが直接的に破損する可能性(前面扉の開閉時の振動や、前面扉を叩く等の乱暴な行為)を回避しやすくなる。
また、本発明の遊技機では円滑にゲームを進行していくために、球受け皿に貯留された遊技球を右方向に転動させて球取込機構に導く球案内路を設ける。これは遊技球を整然と球取込機構に案内させるものである。
さらに、前面扉の内側には球受け皿から取込動作体に向けて比較的緩やかな下り傾斜を有した球案内路が形成することもできる。球受け皿は前面扉の左側部分に位置するから、球案内路は遊技球を右方向へ転動させながら球搬送体に向けて案内する。そして球案内路は、球受け皿に貯留された遊技球を転動させながら球搬送体まで案内する役割を果たしている。また、本発明の遊技機では1回のゲームに比較的多数(5個〜15個)の遊技球を使用する必要があるため、整然と遊技球が球取込機構に案内されることにより、遊技と遊技の間の時間を短縮することもできる。
(解決手段14)
解決手段14は、解決手段1に記載の遊技機において、一般的な通常遊技時に比べて前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させる第1再遊技役当選確率向上手段と、特定の条件が成立すると前記第1再遊技当選役確率向上手段により前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームを開始させる第1ゲーム開始手段と、前記第1ゲーム開始手段により開始された前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームを複数のゲーム期間にわたり継続させる第1ゲーム継続手段と、所定の条件が成立すると前記第1ゲーム継続手段により継続されている前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームを終了させる第1ゲーム終了手段と、前記再遊技役のうち改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームの掛け数が次回のゲームに持ち越される遊技特典に加えて前記第1ゲーム開始手段により前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームを開始させるための前記特定の条件を満たす特定条件再遊技役を定める特定条件再遊技役規定手段と、一般的な通常遊技時に比べて前記再遊技役の当選確率を前記高水準より高くない中水準まで向上させる再遊技役当選確率中水準向上手段と、前記特賞役に対応する遊技特典として遊技価値の付与機会の増加された複数のゲーム期間が終了すると、前記再遊技役当選確率中水準向上手段により前記再遊技役の当選確率を前記高水準より高くない中水準まで向上させたゲームを開始させる中水準向上ゲーム開始手段と、前記中水準向上ゲーム開始手段により開始された前記再遊技役の当選確率を前記高水準より高くない中水準まで向上させたゲームを複数のゲーム期間にわたり継続させる中水準向上ゲーム継続手段と、所定の条件が成立すると前記中水準向上ゲーム継続手段により継続されている前記再遊技役の当選確率を前記高水準より高くない中水準まで向上させたゲームを終了させる中水準向上ゲーム終了手段と、前記中水準向上ゲーム継続手段により前記再遊技役の当選確率を前記高水準より高くない中水準まで向上させたゲーム期間で前記特定条件再遊技役の当選確率を向上させる特定条件再遊技役確率向上手段と、一般的な通常遊技時に比べて前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させる第2再遊技役当選確率向上手段と、特定の条件が成立すると前記第2再遊技当選役確率向上手段により前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームを開始させる第2ゲーム開始手段と、前記第2ゲーム開始手段により開始された前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームを複数のゲーム期間にわたり継続させる第2ゲーム継続手段と、所定の条件が成立すると前記第2ゲーム継続手段により継続されている前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームを終了させる第2ゲーム終了手段と、前記小役のうち規定数の遊技価値を付与される遊技特典に加えて前記第2ゲーム開始手段により前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームを開始させるための前記特定の条件を満たす特定条件小役と、前記特定役に対応する遊技特典として次回のゲームで前記特定条件小役の当選確率を所定の高水準まで向上させる特定条件小役確率向上手段とをさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段14によれば、再遊技役の当選確率を通常ゲーム(「一般ゲーム期間」でのゲーム)時に比べて所定の高水準まで向上させることができる。この再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームのことを有利ゲームと呼び、有利ゲームの行われているゲーム期間を「有利ゲーム期間」と呼ぶ。
再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させるということは、再遊技役の当たり値を増加させることを意味する。ここで、所定の高水準としては、通常ゲーム時の2倍、3倍あるいはそれ以上を含めた程度まで当たり値を増加させることが望ましい。つまり、「有利ゲーム期間」では「一般ゲーム期間」とは明らかに異なる程、再遊技役に当選し易くなる状態を作り出すことができる。
また、「有利ゲーム期間」は「一般ゲーム期間」に比べて、2倍、3倍あるいはそれ以上と再遊技役に当選する可能性が高くなるので、再遊技(再遊技役の遊技特典のこと)を行う機会が増えることになる。このように再遊技の機会が増えると、その分だけ遊技価値を新たに掛ける機会が減少する。つまり、遊技者が遊技価値を1回のゲームごとに新たに用意して掛けていくと、段々と遊技価値の消費量が増加していくことになるが、そのときの消費量を緩やかに、あるいは消費量の増加を抑えることが可能となる。
ここでいう「遊技価値の消費量」とは、単位時間当たりに消費(遊技者が掛け数として使用する)することとなる遊技価値の数のことをいう。この消費量の度合いによって、いわゆる、「コイン持ちが良い」、「球持ちが良い」あるいは「コイン持ちが悪い」、「球持ちが悪い」などといわれることもある。
「有利ゲーム期間」は特定の条件が満たされることにより開始される。そして、所定の条件が満たされるまで「有利ゲーム期間」は継続されることになる。つまり、所定の条件が「有利ゲーム期間」の終了条件ということである。
本発明の遊技機では、特定の条件を満たすために特定条件再遊技役を設ける。この特定条件再遊技役は、「一般ゲーム期間」、「特別ゲーム期間」、「特定ゲーム期間」、「有利ゲーム期間」全てにおいて当選する可能性のある当選役となっている。この特定条件再遊技役は、再遊技役としての遊技特典(つまり、改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームの掛け数が次回のゲームに持ち越されること)に加えて、「有利ゲーム期間」を開始させるための契機としての遊技特典にも対応しているものである。
また、「有利ゲーム期間」を終了させるための所定の条件としては、所定回数のゲーム数に到達するまでとする。この所定回数は、遊技者が終日ゲームを行った場合に最大限行うことの可能なゲーム回数程度とすることができる。つまり、「有利ゲーム期間」が開始されると、それ以後はほぼ終日「有利ゲーム期間」が継続することとなり、遊技者にとって貴重な(あまり経験することのできない)「ゲーム期間」としての価値を持たせることができる。
また、「有利ゲーム期間」は、特賞役に当選する(特賞役が内部抽選の抽選結果となること)まで継続させるものとすることもできる。このような条件とすれば、遊技者は「有利ゲーム期間」では特賞役になるべく当選したくないという傾向を強めることになる。これは「一般ゲーム期間」で、遊技者ができるだけ多く(または何回も)特賞役に当選したいと願う傾向が強いことと全く反対の傾向である。
また、特定条件再遊技役は、通常再遊技役(特定条件再遊技役ではない再遊技役のことを指す)に比べて当たり値を少なくすることが望ましい。つまり、特定条件再遊技役を通常再遊技役に比べて当選しづらい当選役とすることである。
但し、特定条件再遊技役を極端に当たりづらい当選役とすると、「有利ゲーム期間」が移行しづらいものとなってしまい、遊技者が「有利ゲーム期間」でのゲームを全く経験できなくなり、かえって遊技者の遊技意欲を低下させてしまうこともある。このような事態を回避するために本発明の遊技機では、「一般ゲーム期間」及び「特別ゲーム期間」、「有利ゲーム期間」、「特定ゲーム期間」では特定条件再遊技役を当たりづらい当選役とするものの、特定条件再遊技役に当たり易い期間として新たに「中水準有利ゲーム期間」を設けることができる。
この「中水準有利ゲーム期間」は、前述の「有利ゲーム期間」に比べると、再遊技役に当選しづらいものとすることができる。つまり、「有利ゲーム期間」のように再遊技役の当たり値を「一般ゲーム期間」の2倍、3倍あるいはそれ以上にと増加させるのではなく、「一般ゲーム期間」と大差ない程度に再遊技役の当たり値を増加させることが望ましい。つまり、「一般ゲーム期間」での再遊技役の当たり値の数に比べて少なくとも1つの当たり値を増やすだけでもよいことになる。このようにすると「一般ゲーム期間」と「中水準有利ゲーム期間」とを全く区別できないものとすることができる。
ここで、「全く区別できないもの」とは、再遊技役の当選状況からはいずれの「ゲーム期間」であるのか判断ができないことをいう。当選状況とは、ある一定期間内で目的の当選役に当選する回数あるいは頻度のことを指す。
「中水準有利ゲーム期間」は、「特別ゲーム期間」が終了後から開始される。つまり、特賞役に対応する遊技特典が得られると、その終了後からは必ず「中水準ゲーム期間」が開始されることになる。そして、「中水準有利ゲーム期間」は所定の条件が満たされるまで継続される。
ここで、「中水準有利ゲーム期間」を終了させる所定の条件としては、所定回数のゲーム数に到達するまでとする。この所定回数は、「特定ゲーム期間」比べて長いゲーム期間とすることが望ましい。即ち、少なくとも1回のゲームより多い所定回数のゲーム数とすることである。これは、第1に「中水準有利ゲーム期間」では「一般ゲーム期間」と比べてほとんど再遊技役の当たりやすさが変わらないものであるから、ある程度の期間継続させることとしてもホール等に不利益を与えることがないからである。
第2に、「中水準有利ゲーム期間」では、特定条件再遊技役の当たり値を増加させることができる「ゲーム期間」としているため、「有利ゲーム期間」を開始させるための条件(つまり、特定条件再遊技役に当選すること)が満たされ易い最適な期間(「チャンス期間」と呼ぶ)という役割を持たせることができるからである。
以上の内容から、「特別ゲーム期間」の終了後から開始される「ゲーム期間」が遊技者にとって大いに興味を惹きつけられる「ゲーム期間」となる。また、「中水準有利ゲーム期間」がいつまで続くか分からないものとすることや、あるいは複数の終了条件を設けること等により、遊技者が「中水準有利ゲーム期間」の終了とともに興趣を減退させてしまうといった事態も回避することが可能となる。
(解決手段15)
解決手段15は、解決手段14に記載の遊技機において、前記第1再遊技役当選確率向上手段により前記再遊技役の当選確率を向上させる場合の所定の高水準が、前記第2再遊技役当選確率向上手段により前記再遊技役の当選確率を向上させる場合の所定の高水準と類似もしくは同等であることを特徴とする遊技機である。
解決手段15によれば、「有利ゲーム期間」としての有利さの度合いに差をつけることなく、ほぼ同程度、あるいは類似する程度のものとすることができる。つまり、「第1有利ゲーム期間」及び「第2有利ゲーム期間」で有利さの度合いに差がほとんどみられないものとなる。
また、同程度の有利なゲーム期間が複数あることで、遊技者はどのような場合から、あるいはどういった契機から有利なゲーム期間が開始されるのかといったことに関心を持つようになる。これは遊技者が遊技機のゲーム性を解明したいという意識(あるいは意欲)を高揚させることにつながる。このような意欲を持たせることは遊技者の遊技意欲を減退させにくくすることとなる。
(解決手段16)
解決手段16は、解決手段14または15に記載の遊技機において、前記特定条件小役規定手段により定められる前記特定条件小役に含まれる遊技特典として、前記当選役規定手段により定められる前記小役と同じ規定数の遊技価値を遊技者に付与させる小役規定数付与手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段16によれば、特定条件小役と通常小役の遊技特典として遊技者に付与される遊技価値の数が同じとなる。ここで、「通常小役」とは、特定条件小役以外の小役のことをいう。即ち、遊技者は特定条件小役と通常小役では同じ規定数分の遊技価値を獲得することができることになる。
さらに、特定条件小役と通常小役に対応するそれぞれの図柄の組み合わせ態様を類似した組み合わせ態様とすることが望ましい。これにより、「一般ゲーム期間」で通常小役(あるいは特定条件小役)に対応する図柄の組み合わせ態様となり、遊技価値が付与されても、その時点(当該ゲーム)では、通常小役か特定条件小役か分からないものとなる。従って、遊技者は、次回のゲーム(当該ゲームの次のゲーム)で「有利ゲーム期間」が開始されるのではないかという期待を持ってゲームを行うことになる。
(解決手段17)
解決手段17は、解決手段14から16のいずれかに記載の遊技機において、前記特定条件再遊技役規定手段により定められる前記特定条件再遊技役に含まれる遊技特典として、前記当選役規定手段により定められる前記再遊技役と同じく改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームの掛け数が次回のゲームに持ち越される再遊技役遊技特典付与手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段17によれば、特定条件再遊技役と通常再遊技役の遊技特典が同様の内容を含むことになる。ここで「通常再遊技役」とは、特定条件再遊技役以外の再遊技役のことをいう。即ち、特定条件再遊技役及び通常再遊技役のどちらであっても改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームの掛け数が次回のゲームに持ち越されることになる。遊技者から見れば、いずれの再遊技役であっても当該ゲームの次回のゲームでは再遊技が行えることになる。
さらに、特定条件再遊技役と通常再遊技役に対応するそれぞれの図柄の組み合わせ態様を類似した組み合わせ態様とすることが望ましい。これにより、「一般ゲーム期間」で通常再遊技役(あるいは特定条件再遊技役)に対応する図柄の組み合わせ態様となり、再遊技の特典が付与されても、その時点(当該ゲーム)では、通常再遊技役か特定条件再遊技役か分からないものとなる。従って、遊技者は、次回のゲーム(当該ゲームの次のゲーム)で「有利ゲーム期間」が開始されるのではないかという期待を持ってゲームを行うことになる。
(解決手段18)
解決手段18は、遊技者に相対する前面側からみてパチンコ機用の島設備に設置するのに必要な幅と高さを有した枠体と、前記島設備に前記枠体が縦型に設置された状態で前記枠体の前面側に開閉可能に設けられ、閉状態で前記枠体の前面を覆う幅と高さを有した前面扉と、前記前面扉の奥に配置され、前面側からみて前記枠体の内側の位置で前記複数の可変表示体として周方向に図柄帯の付された可動表示体を作動させる前記可変表示装置と、遊技者の視線に正面から向き合う位置で前記前面扉を横長の矩形状に開口して形成され、前記可動表示体の停止時に図柄が所定位置に表示される図柄表示窓と、前記前面扉の奥に配置され、前記可変表示装置の上方の位置でゲームの進行に基づいて演出表示を実行させる演出表示ユニットと、前記図柄表示窓の上方の位置で前記前面扉を矩形状に開口して形成され、前記演出表示ユニットの表示内容を前面側から視認可能とする演出表示窓と、前記前面扉の前面から突出して形成され、前記図柄表示窓の下方の位置で遊技者による操作を受け付ける操作部材が配置された操作部設置台と、前記前面扉の左側部分に形成された遊技球を貯留する球受け皿と、前記前面扉の内側にて前記球受け皿に隣接して設置され、前記球受け皿に貯留された遊技球を遊技機本体の内部に取り込むことで、遊技者が保有していた遊技球を前記所定数の遊技価値として掛けるための取込動作を行う球取込機構と、前記球受け皿から遊技球を右方向へ転動させて前記球取込機構に導く球案内路と、遊技媒体としての遊技球を所定個数分だけまとめて遊技価値の1単位とする遊技価値計数手段と、1回のゲームの掛け数として前記遊技価値計数手段により前記遊技価値の1単位とされた前記所定数の遊技価値を掛けた状態でゲームを開始させるための始動操作を受け付ける始動操作受付手段と、1回のゲームごとに予め決められた複数の当選役及びハズレ役の中からいずれかを選び出す抽選を行う内部抽選手段と、前記始動操作受付手段によりゲームの始動操作が受け付けられると、前記内部抽選手段による抽選を実行させて、その抽選の結果を決定する抽選結果決定手段と、前記始動操作受付手段によりゲームの始動操作が受け付けられると、前記可変表示装置の作動を開始させる可変表示開始手段と、前記可変表示装置の作動を停止させるための停止操作を受け付ける停止操作受付手段と、前記停止操作受付手段により停止操作が受け付けられると、前記可変表示装置の作動を停止させて前記可変表示装置の表示結果を導出する表示結果導出手段と、前記表示結果導出手段により導出される表示結果と前記抽選結果決定手段により決定された内部抽選の抽選結果とを照合する判定を行うゲーム結果判定手段と、前記複数の当選役として当該ゲームにて規定数の遊技価値が遊技者に付与される遊技特典に対応する小役、改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームの掛け数が次回のゲームに持ち越される遊技特典に対応する再遊技役、複数のゲーム期間にわたり遊技価値の付与機会を増加させる遊技特典に対応する特賞役、次回のゲームのみ遊技価値の付与機会を増加させる遊技特典に対応する特定役の少なくとも4種類の当選役を予め定める当選役規定手段と、前記当選役規定手段により定められる複数の当選役のうち、少なくとも前記特賞役を除く複数の当選役に対応する表示結果及びハズレ役に対応する表示結果を類似した態様とする表示結果対応手段と、前記ゲーム結果判定手段による当該ゲームの判定結果に応じて、前記複数の当選役及びハズレ役のいずれかの遊技特典を付与する遊技特典付与手段と、前記当選役規定手段により予め定められる前記特賞役として、前記特賞役の遊技特典のみを包含する専有特賞役と、前記特賞役の遊技特典に加えてその他の当選役の遊技特典をも包含する共有特賞役とをそれぞれ別に定める特賞役規定手段と、前記抽選結果決定手段により前記内部抽選の抽選結果として前記共有特賞役を除くその他の当選役のいずれかが決定された場合、その決定された当選役に対応する表示結果を前記可変表示装置に導出させることを許容する表示結果許容手段と、前記抽選結果決定手段により前記内部抽選の抽選結果として前記共有特賞役が決定された場合、前記共有特賞役の遊技特典に包含される前記特賞役に対応する表示結果及び前記共有特賞役の遊技特典に包含される前記その他の当選役に対応する表示結果のいずれをも前記可変表示装置に導出させることを許容する双方表示結果許容手段と、前記双方表示結果許容手段により前記可変表示装置に前記特賞役及び前記その他の当選役に対応する表示結果のいずれをも導出させることが許容された場合、前記特賞役及び前記その他の当選役に対応する表示結果の双方とも前記可変表示装置に表示させることの可能な前記可変表示体の制御を行う双方表示制御手段と、前記双方表示結果許容手段により前記可変表示装置に前記特賞役及び前記その他の当選役に対応する表示結果のいずれをも導出させることが許容された場合、前記特賞役及び前記その他の当選役のいずれか一方に対応する表示結果を前記可変表示装置に表示させることの可能な前記可変表示体の制御を行う単方表示制御手段と、前記双方表示制御手段から前記単方表示制御手段に前記可変表示体の制御を遊技者による前記個々の可変表示体の停止操作が受け付けられるごとに切り替えを行うか否かを決定する表示制御切替手段とを具備したことを特徴とする遊技機である。
解決手段18によれば、本発明の遊技機は、遊技者が保有する遊技球を球受け皿に貯留しておき、ここに滞留した遊技球を用いてゲームごとに使用する遊技価値を掛けることができる。前面扉の左側部分に形成された球受け皿には遊技者が保有する遊技球を貯留しておくことができるほか、必要に応じて遊技者が上方から遊技球を足し込んだり、あるいは取り除いたりすることができる。
また、本発明の遊技機では、1回のゲームの結果に応じて、遊技球が付与される場合には、球受け皿に払い出すことが可能であり、その際に払い出された遊技球は球受け皿に貯留される。
また本発明の遊技機では、所定数の遊技価値を掛けるために球取込機構を用いて遊技球を取り込む動作(取込動作)が行われる。球取込機構によって取り込まれた遊技球は、遊技者がゲームをするにあたって遊技価値として掛けたものとなる。このようにして遊技価値を掛けることで1回のゲームが行われることから、遊技者が繰り返しゲームを実行するためには、球受け皿に相当な数の遊技球を貯留しておくことが好ましい。
また本発明の遊技機は、遊技球を用いてスロットマシン遊技を行う遊技機としての明確な構成を有する。すなわち、枠体はパチンコ機用の島設備に設置可能な幅と高さを有していることから、パチンコ機用の島設備から遊技球の補給を受けたり、ゲームに使用した遊技球をパチンコ機用の島設備にて回収したりすることが可能となる。また、枠体には周方向に図柄帯の付された可動表示体を複数有した可変表示装置が配置され、この可動表示体の回転および停止が行われることでゲームが進行する。可動表示体の停止時には図柄表示窓に図柄が所定位置に停止表示され、このときの図柄の組み合わせからゲームの結果が判断される。このようなゲームの進行を円滑に行うため、前面扉には操作部材が配置された操作部設置台が形成されており、遊技者は操作部材を操作することでゲームを進行させることができる。
さらに、枠体にはゲームの進行に基づいた演出表示を実行させることが可能な演出表示ユニットが配置され可動表示体の回転および停止等のゲームの進行に合わせた演出内容を表示させることができる。この演出内容は演出表示窓を通して視認することができる。つまり、演出表示ユニットは前面扉が閉じた状態となると外部から触れることはできなくなる。これにより演出表示ユニットが直接的に破損する可能性(前面扉の開閉時の振動や、前面扉を叩く等の乱暴な行為)を回避しやすくなる。
また、本発明の遊技機では円滑にゲームを進行していくために、球受け皿に貯留された遊技球を右方向に転動させて球取込機構に導く球案内路を設ける。これは遊技球を整然と球取込機構に案内させるものである。
さらに、前面扉の内側には球受け皿から取込動作体に向けて比較的緩やかな下り傾斜を有した球案内路が形成することもできる。球受け皿は前面扉の左側部分に位置するから、球案内路は遊技球を右方向へ転動させながら球搬送体に向けて案内する。そして球案内路は、球受け皿に貯留された遊技球を転動させながら球搬送体まで案内する役割を果たしている。また、本発明の遊技機では1回のゲームに比較的多数(5個〜15個)の遊技球を使用する必要があるため、整然と遊技球が球取込機構に案内されることにより、遊技と遊技の間の時間を短縮することもできる。
また、本発明の遊技機は、遊技媒体としての遊技球を所定個数分だけまとめて遊技価値の1単位とし、1回のゲームに対する最小掛け数としてゲームを行うものである。1回のゲームでは最小掛け数以上の掛け数を決定してから複数の可動表示体からなる可変表示装置の始動操作が受け付けられる。また、1回のゲームに対する最大掛け数を決めることもできる。そして最小掛け数から最大掛け数の範囲内で遊技者が自由に掛け数を決めることもできるし、掛け数を固定的なもの(特別な場合を除き常に同じ掛け数で1回のゲームを実行させる態様)とすることもできる。
複数の可動表示体はそれぞれ独立して作動することが可能となっており、可動表示体ごとに停止操作受付手段を設けることができる。この停止操作受付手段には、一例として停止ボタンや、停止スイッチなどを挙げることができる。即ち、全ての可動表示体の作動を停止させようとする場合、全ての停止ボタン(または停止スイッチ)を操作する必要が生じることになる。
従って、始動操作が受け付けられてから可変表示装置が作動を開始した後、全ての可動表示体の停止操作が受け付けられるまでは、少なくとも作動中の可動表示体が存在することになり、全ての可動表示体が停止するまでは表示状態は変化を続けることになる。このときの表示状態は各可動表示体に付された図柄帯が変動(可動表示体の作動に伴い図柄も作動しているように見える)している状態となり、図柄を視認することが停止時の表示状態と比べて困難である。つまり、遊技者は最終的に全ての可動表示体の作動が停止となるまでは、どのような表示結果(停止状態となった際に可変表示装置に表示される表示態様)となるのかを期待しながら待つこととなる。
1回のゲームごとに行われる内部抽選は、遊技者の始動操作を契機として行われる。ここでいう「内部」とは、抽選の中味が遊技者に知らされておらず、遊技者の知覚できないところで抽選が行われることを表したものであり、実際に内部抽選は遊技機の動作を制御する遊技制御装置(遊技制御基板)にて行われる。遊技機の動作には、遊技の進行の制御や遊技の進行状況に応じた制御情報の送信などが含まれる。即ち、本発明の遊技機は、遊技の進行を制御するとともに遊技の進行状況に応じた制御情報を送信する遊技制御手段を備えているということができる。
内部抽選手段の行う内部抽選の方法としては、所定の数値範囲内(最小乱数値から最大乱数値までの範囲内)で乱数を発生させておき、その中から1回のゲームごとに乱数値を1つ取得すると、この取得した1つの乱数値を予め決められた複数の当選役及びハズレ役として決められた乱数値と比較して抽選結果を判断するものが挙げられる。
所定の数値範囲内では、複数の当選役及びハズレ役に対応する乱数値(当たり値)が予め割り当てられており、所定の数値範囲内の乱数値は全てこれらのいずれかの当たり値に属することになる。従って、取得された1つの乱数値は必ずいずれかの当たり値の乱数値と一致(合致)することになる。そこで一致した当たり値に対応する当選役が当該ゲームの抽選結果(内部抽選の抽選結果)として決定される。
また、ハズレ役とはいずれの当選役の当たり値にも該当しない乱数値が対応している。つまり、ハズレ役とは当選役とは異なり、いずれの当選役に対応することの無い「ハズレ(抽選結果がハズレ)」ともいえる。
可変表示装置の作動が開始されると、停止操作が受け付けられるまで可変表示装置は変動(作動)を続ける。そして、全ての可動表示体の停止操作が受け付けられると可変表示装置の作動が停止状態となるとともに、いずれかの表示結果が表示(導出された結果として表示)される。
ここで導出された表示結果は、抽選結果決定手段によって決定された内部抽選の抽選結果と照合され、双方(表示結果と抽選結果)が合致するか否かがゲーム結果判定手段により判定される。ここで、内部抽選の抽選結果(つまり、当選役またはハズレ)には、それぞれ対応する表示結果が予め決められており、当該ゲームで導出された表示結果が予め決められた当選役に対応する表示結果となっている場合、上記でいう「合致」していると判定される。
ゲーム結果判定手段による判定される結果(判定結果)は、いずれかの当選役またはハズレに該当することになり、いずれかの当選役に該当する場合には該当する当選役に対応する遊技特典が付与される。また、ハズレに該当する場合にはいずれの当選役に対応する遊技特典も付与されることは無い。即ち、ハズレ役は、いずれの当選役に対応する遊技特典も付与しないという遊技特典に対応する当選役ともいえる。
当選役には複数の種類の当選役が用意されており、それぞれの当選役には対応する遊技特典が設けられている。これらの当選役には、小役、再遊技役、特賞役、特定役が含まれる。規定数の遊技価値が付与される遊技特典に対応する当選役が小役である。そして、この遊技価値の付与は当該ゲームにて行われる。つまり、当該ゲームの判定結果が小役に該当すると判断されると、小役に対応する遊技特典として規定数の遊技価値が付与されることになる。
ここで、遊技価値の1単位には、少なくとも複数の遊技球が含まれる。そしてこの複数の遊技球を遊技価値の1単位、すなわち、最小掛け数となる。従って、前述の小役に対応する遊技特典として付与される遊技価値の数は、
〔 最小掛け数の倍数 〕
の遊技球として付与される。従って、最小掛け数は最小付与数ということもできる。
また、本発明の遊技機では、小役等に対応する遊技特典により遊技球の付与が行われる場合、そのとき付与されるべき規定数の遊技球が付与され終わるまでのあいだはゲームの進行が中断されることになる。即ち、本発明の遊技機は、所定数の遊技価値の付与が行われる場合、その所定数の遊技価値の付与が終了するまでゲームの進行を中断させるゲーム中断手段をさらに備える。
従って、付与される遊技価値の所定数(つまり、付与される遊技球の総数)が少なければ、それだけゲームの進行が中断される期間(時間)が短くなり、遊技者にゲームの進行が中断されていることをほとんど認識させずにゲームを進行させることが可能となる。
さらに本発明では小役として、遊技価値の1単位に満たない特定個数の遊技球を付与させる遊技特典に対応する当選役を設けることができる(これを、稀有小役という)。言い換えれば、本発明の遊技機は「最小掛け数(または最小付与数)に満たない遊技価値を付与する当選役」をさらに構成として加えることができる。そして、当該ゲームの判定結果が稀有小役に該当すると判断されると、稀有小役に対応する遊技特典として遊技価値の1単位(最小掛け数)に満たない特定個数の遊技球が付与されることになる。
従って、稀有小役に対応する遊技特典として付与される遊技球の数は、
〔 1個以上最小掛け数未満の遊技球 〕
となる。ここで、できる限り稀有小役に対応する遊技特典として付与される遊技球の数を1個に近くして、最小掛け数に必要な遊技球の数を増やせば、それだけ稀有小役を遊技球の獲得という点からは価値の少ない当選役となり、遊技者にとっては、さほど重要ではない当選役(あるいはほとんど無視できるほどの当選役)となる。また、付与される遊技球の数を1個に近くすることにより、遊技球の付与に掛かる時間が大幅に短縮されることになる。
当該ゲームの掛け数を改めて遊技価値を掛けることなしに次回のゲームに持ち越す遊技特典に対応する当選役が再遊技役である。このとき、当該ゲームでは遊技価値の付与は行われない。つまり、当該ゲームの判定結果が再遊技役に該当すると判断されると、遊技価値の付与は行われずに次回のゲームに改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームと同じ掛け数にてゲームを行うことができることになる。
当該ゲームから複数のゲーム期間にわたり遊技価値の付与機会を増加させる遊技特典に対応する当選役が特賞役である。このとき、当該ゲームでは遊技価値の付与は行われない。つまり、当該ゲームの判定結果が特賞役に該当すると判断されることは、特賞役の遊技特典が開始させるための契機ということになる。特賞役の遊技特典における複数のゲーム期間では、特定の小役に対応する当たり値が増加される。
この複数のゲーム期間のことを「遊技価値付与機会増加期間(あるいは特別ゲーム期間)」と呼ぶ。即ち、「特別ゲーム期間」では特定の小役が内部抽選の抽選結果となる割合(頻度)が「遊技価値付与機会増加期間」以外のゲーム期間(これを「一般ゲーム期間」という)に比べて増えることになる。この「特別ゲーム期間」は所定数の遊技価値の付与が行われると終了となる。
「特別ゲーム期間」が終了すると、「一般ゲーム期間」に戻り、いわゆる通常ゲームが開始されることとなる。なお、「特別ゲーム期間」に行われるゲームのことを通常ゲームに対して特別ゲームと呼ぶ。
さらに、特別ゲームとは別に、「当該ゲームの次回のゲームのみ遊技価値の付与機会を増加させる遊技特典」に対応する当選役として特定役を設けている。この特定役では、当該ゲームの判定結果が特定役に該当すると判断された当該ゲームでは遊技価値の付与は行われない。つまり、当該ゲームの判定結果が特定役に該当すると判断されることは、特定役の遊技特典が開始させるための契機ということになる。特定役の遊技特典における1回のゲーム期間(当該ゲームの次回に行われるゲーム)のみ、特定の小役に対応する当たり値が増加される。
この1回のゲーム期間のことを「特定ゲーム期間」と呼ぶ。即ち、「特定ゲーム期間」では、特定の小役が内部抽選の抽選結果となる割合(当選する割合)が「一般ゲーム期間」に比べて増えることになる。そして「特定ゲーム期間」は1回のゲームをもって終了する。
また、特定の小役は「特別ゲーム期間」と「特定ゲーム期間」で同じ種類の小役としてもよいが、それぞれ異なる種類の小役とすることもできる。これにより「特別ゲーム期間」と「特定ゲーム期間」の違いを明確に区別し易くなる。このように、「特別ゲーム期間」と「特定ゲーム期間」とで特定の小役を異なる種類の小役とすることは、小役の種類に多数のバリエーション(複数の小役を設けることができる)を持たせることになる。これは遊技者が常に同じ小役ばかり目にする(当選する小役の種類が少ない)というゲームの単調さを回避することにもなる。
また、「特別ゲーム期間」における特定の小役は、付与される遊技価値の所定数(付与数)の多い小役としてもよいし、付与される遊技価値の付与数の少ない小役としてもよい。付与数の多い小役を特定の小役とすれば、「特別ゲーム期間」の毎ゲームに付与される遊技価値の数が多くなり、「特別ゲーム期間」が終了となる所定数の遊技価値を獲得するまでに要するゲーム数(ゲーム期間、あるいはゲームに要する時間)を短縮することができる。
反対に、付与数の少ない小役を特定の小役とすれば、「特別ゲーム期間」の毎ゲームに付与される遊技価値の数が少なくなり、「特別ゲーム期間」が終了となる所定数の遊技価値を獲得するまでに要するゲーム数(ゲーム期間、あるいはゲームに要する時間)を引き延ばすことができる。
また、本発明の遊技機では、少なくとも特賞役を除く当選役に対応する表示結果については類似する態様となっている。これは特賞役に対応する表示結果をその他複数の当選役から際立たせる(あるいは目立たせる)ことになる。例えば、周方向に複数の図柄を配置した図柄帯の付された可変表示体(可動表示体)を複数備えて、可変表示体の停止時に表示される図柄の組み合わせを表示結果とする可変表示装置を本発明に用いる場合、特賞役に対応する表示結果、つまり図柄の組み合わせ(及び組み合わせを構成する各図柄)はその他の当選役に対応する図柄の組み合わせ(及び組み合わせを構成する各図柄)に比べて目立ちやすいため、遊技者が特賞役に対応する図柄を目的の図柄として狙いやすいものとすることができる。なお、ぞれぞれの当選役には対応する図柄、あるいは図柄の組み合わせが予め決められている。
このように特賞役に対応する図柄を目立たせることにより、遊技者は特賞役に対応する図柄の組み合わせを停止させようと目的意識を持つことができる。反対に、特賞役を除く当選役については類似した態様、つまり似たような図柄の組み合わせとする(あるいは組み合わせを構成する各図柄を似たような図柄とする)ことにより、小役、稀有小役、再遊技役、特定役等を似たような図柄の組み合わせとすることができる。つまり、特賞役を除く当選役については図柄の組み合わせを分かりづらくすることになる。
またハズレ役についても小役、稀有小役、再遊技役、特定役等と似たような図柄の組み合わせとする。このようにすると、ますます特賞役以外の当選役(加えてハズレ役)の識別が容易なものではなくなり、遊技者は当該ゲームの結果がどの当選役に対応したものであるのか注意深く集中して遊技を行うことになる。従って、遊技者に遊技意欲を維持させやすい状態で遊技を続けさせることができ、興趣の低下を極力抑えることができる。
さらに、特賞役以外にもその図柄の組み合わせ(及び組み合わせを構成する各図柄)を際立たせる(他の当選役に対応する図柄の組み合わせとは類似しない)当選役を設けることもできる。ただし、特賞役以外にも図柄の組み合わせ(及び組み合わせを構成する各図柄)を際立たせる当選役を多数設けると、特賞役に対応する図柄の組み合わせを突出して目立たせることができなくなる場合があるため、このような当選役は多くとも数種類程度に留めることが望ましい。
内部抽選の抽選結果のうち、特賞役には、特賞役のみを内部抽選の抽選結果として包含するもの(専有特賞役)と、特賞役及びその他の当選役(小役、再遊技役等)ともに内部抽選の抽選結果として包含するもの(共有特賞役)がある。
本発明の遊技機では、共有特賞役に包含されるその他の当選役は小役、再遊技役等(特賞役は既に包含されているので除く)のうちいずれかを選ぶことができる。このようにすると、例えば、同じ小役(同じ遊技特典を付与するもの)であっても、共有特賞役に包含されている場合の小役と、包含されていない場合の小役が存在することになる。つまり、前者は小役の遊技特典に加えて特賞役の遊技特典も付いてくる当選役(小役)であるのに対し、後者は単に小役の遊技特典を付与するだけの当選役(小役)であるということになる。
従って、これらを区別するために、以下では、共有特賞役に含まれている場合のその他の当選役のことを共有当選役と呼び、共有特賞役に含まれていない場合のその他の当選役のことを単独当選役と呼ぶ。
また、共有特賞役の当たり値の範囲内では、「特賞役+その他の当選役」に対応する当たり値がそれぞれ割り振られている。つまり、
「特賞役+小役」
「特賞役+再遊技役」
といった当たり値がそれぞれ分けられることになるが、このそれぞれの当たり値の割合に格差(当たり値の数の差)を設けることができる。なお、小役を複数種類設ける場合には、上記の「特賞役+小役」を「特賞役+小役(1)」、「特賞役+小役(2)」とさらに細分化することができる。
これにより、上記の「特賞役+小役」の当たり値の数と、「特賞役+再遊技役」の当たり値の数に大小の差をつける(例えば、一方の当たり値を多く、他方の当たり値を少なくするなど)ことができることになる。さらに、小役等に複数の種類を設ける場合などでは、小役ごとにこのような格差(当たり値の数の差)を設けることも可能となる。例えば、通常遊技時に当選しやすい小役(単独当選役)は、共有当選役となる当たり値の数を少なくし、通常遊技時に当選しづらい小役(単独当選役)は、共有特賞役となる当たり値の数を多くすると、通常遊技時に当選しづらい小役に当選した場合、共有特賞役である可能性が高いこととなり、通常遊技時に当選しづらい小役に当選しただけで、遊技者に特賞役に当選したことに対する大きな期待を持たせることができる。
抽選結果決定手段により決定された内部抽選の抽選結果が共有特賞役を除く全ての当選役となった場合、そのとき決定された当選役に対応する表示結果を可変表示装置に導出させることが許容される。このとき、内部抽選の抽選結果として決定された当選役に対応する表示結果を可変表示装置に導出させることを許容する可動表示体の制御(停止制御等)が行われることになる。
但し、可変表示装置としては複数の可動表示体の停止操作を適切に行う必要があり、特定の表示結果を導出させることが許容された状態となっていても特定の表示結果とならない場合もある。よって、適切な停止操作を行うことができなければ、導出させることが許容されている表示結果とならず、内部抽選の抽選結果として決定された当選役に対応する遊技特典が得られないことになる。
また、上記でいう「適切な停止操作」とは、可変表示装置の作動が停止状態となるときに導出させることが可能となっている表示結果を可変表示装置に表示させることの可能な時機(タイミング)での停止操作のことをいう。
このように、本発明の遊技機では、共有特賞役を除く全ての当選役は、1つの内部抽選の抽選結果に対応して許容される表示結果が1つ該当することになる(なお、ここではハズレは当選役として考えないものとする)。
抽選結果決定手段により決定された内部抽選の抽選結果が共有特賞役となった場合、そのとき決定された当選役(即ち、特賞役とその他の当選役)に対応するそれぞれの表示結果を可変表示装置に導出させることが許容される。つまり、1つの内部抽選の抽選結果に対応して許容される表示結果が2つ存在することになる。これらのうちの一つは特賞役に対応する表示結果であり、もう一つはその他の当選役(小役、再遊技役等)に対応する表示結果である。
但し、表示結果としては特賞役に対応する表示結果及びその他の当選役に対応する表示結果のいずれか一つが許容表示結果選択手段により選択されることになる。これは共有特賞役の遊技特典としては2つの遊技特典を包含しているが、共有特賞役が内部抽選の抽選結果となった場合、当該ゲームでは遊技者に付与される遊技特典は多くとも一つであるということを意味する。即ち、本発明の遊技機では1回のゲームに対しては多くとも1つの遊技特典が与えられるだけであり、1回のゲームに対して複数の遊技特典が重複して、あるいは同時に与えられるものではないということになる。
また、本発明の遊技機では、内部抽選の抽選結果が共有特賞役となった当該ゲームにおいて、特賞役に対応する表示結果及びその他の当選役に対応する表示結果のいずれにもならなかった場合、共有特賞役に対応する遊技特典に包含される遊技特典のうち、特賞役に対応する遊技特典のみ次回のゲーム以降に引き継ぐ特賞役引継ぎ手段をさらに備える。
この特賞役引継ぎ手段により、内部抽選の抽選結果が共有特賞役となった場合には、その他の当選役に対応する遊技特典と、特賞役に対応する遊技特典の双方を得ることが可能となる。つまり、当該ゲームでその他の当選役に対応する表示結果となり、次回のゲームで特賞役に対応する表示結果となれば、共有特賞役に包含される2つの当選役の遊技特典をもれなく獲得することができることになる。
さらに特賞役引継ぎ手段は、内部抽選の抽選結果が専有特賞役となった当該ゲームで特賞役に対応する表示結果とならなかった場合、専有特賞役に対応する遊技特典に包含される遊技特典である特賞役の遊技特典を次回のゲーム以降に引き継ぐことができる。
これにより、共有特賞役であっても、専有特賞役であっても、特賞役に対応する遊技特典は必ず得ることができるので、遊技者が大きな不利益を被るということが回避される。
また、内部抽選の抽選結果が共有当選役となった場合、特賞役及びその他の当選役のいずれの表示結果ともなることが可能となるよう可変表示体が制御される(双方表示制御手段)。
さらに、内部抽選の抽選結果が共有当選役となった場合には、特賞役及びその他の当選役のいずれか一方の表示結果となるよう可能表示体が制御されることもある(単方表示制御手段)。
双方表示制御手段から単方表示制御手段への切り替えは遊技者による個々の可変表示体の停止操作が受け付けられることにより実行される。従って、遊技者が自分の行う個々の可変表示体の停止操作によって表示結果が変わるということに遊技に自分の意思(あるいは意志)が積極的に反映されるという期待を持たせることができる。例えば、遊技者が自分でどちらの当選役を表示させようかという選択をする楽しみを味わうことも可能である。
また、双方表示制御手段から単方表示制御手段へと一方通行的に切り替えられることが望ましい(つまり、単方表示制御手段から双方表示制御手段への切り替えは行わない)。これは共有特賞役が少なくとも2つの当選役に対応する遊技特典を包含していることから、内部抽選の抽選結果が共有特賞役となった場合、常に共有特賞役に包含される2つの当選役のいずれに対応する遊技特典も得られる可能性に期待を持たせることにより、遊技者の興趣の著しい低下を極力抑制することができる。
(解決手段19)
解決手段19は、解決手段18に記載の遊技機において、前記複数の可変表示体に付される図柄帯には類似する図柄が複数配置され、前記表示結果対応手段が、前記類似する図柄からなる組み合わせを前記当選役及び前記ハズレ役に対応する表示結果とすることを特徴とする遊技機である。
解決手段19によれば、各々の可変表示体に付される図柄帯には類似する図柄が配置されている。ここで類似する図柄とは形状が似ていたり、色合いが似ていたりするものを挙げることができる。ここでいう類似する(似ている)ということは、可変表示体の静止時に個々の図柄を見たときに、一見では同じ図柄として認識されてしまう程度(注意深く観察しないと異なる図柄であることが識別できない)のものとすることが望ましい。このようにすると静止時であっても個々の図柄の識別が難しいため、可変表示体の回転中に個々の図柄を識別することはほぼ不可能となる。
また、類似する図柄以外の図柄には、全く類似しない図柄(形状または色彩の異なる図柄)を用いることもできる。つまり、少なくとも可変表示体の静止時においては一見して異なることが識別でき、さらに可変表示体の回転中であっても識別することが可能な程に異なるもの(類似しないもの)であってもよい。従って、特賞役に対応する表示結果(図柄の組み合わせ)は、可変表示体の静止時に加えて、回転中であっても際立って目立つものとなり、遊技者が特賞役に対応する図柄を識別することが容易になる。
このように類似する図柄を設けることで特定の図柄を目立たせて遊技者が可変表示体の停止操作を行う際の目標とさせることができる。特にこの特定の図柄を特賞役に対応する図柄とすれば、特賞役に対応する図柄を遊技者が狙いやすいものとすることができる。
(解決手段20)
解決手段20は、解決手段19に記載の遊技機において、前記類似する図柄は、個々の形状が類似していることを特徴とする遊技機である。
解決手段20によれば、類似する個々の図柄は、その形状が類似している。これにより可変表示体の静止時に一見しただけではこれらの図柄の違いを見極めることが困難なものとなる。従って、可変表示体の回転中ではそれぞれの図柄の違いを識別することがほぼ不可能であるといえる。
このように類似する形状の図柄を設けることによって、特定の図柄を目立たせることができる。従って、遊技者が特定の図柄(特に特賞役に対応する図柄)を視認しやすくなり、遊技に不慣れな初心者等でも特定の図柄を目標として意識させることができ、遊技に対する集中力の低下を起こりにくくすることができる。
(解決手段21)
解決手段21は、解決手段19または20に記載の遊技機において、前記類似する図柄は、個々の色彩が類似していることを特徴とする遊技機である。
解決手段21によれば、類似する個々の図柄は、その色彩が類似している。さらに、解決手段20より図柄の形状が似ているうえに色彩(色合い)までも似ているということになる。これにより可変表示体の静止時にもこれらの図柄の違いを見極めることが困難なものとなり、さらに可変表示体の回転中ではほとんど個々の図柄の識別をすることが不可能なものとなる。
このように形状に加えて色彩も類似する図柄を設けることによって、特定の図柄(特賞役に対応する図柄)をより一層目立たせることができる。従って、遊技者が特に特賞役に対応する図柄を容易に識別して特賞役に対応する図柄の組み合わせを表示させようという意欲を喚起することができる。
(解決手段22)
解決手段22は、解決手段18から21のいずれかに記載の遊技機において、前記表示制御切替手段が、前記双方表示制御手段から前記単方表示制御手段へ常に一方向の前記可変表示体の制御の切り替えを行うことを特徴とする遊技機である。
解決手段22によれば、双方表示制御手段から単方表示制御手段へと一方通行的な制御の切り替えのみ行われる(許容されて実行される)ことになる。言い換えれば、単方表示制御手段から双方表示制御手段へと制御が切り替えられることはない。従って、共有特賞役に包含される特賞役及びその他の当選役は、遊技者により停止操作が行われるまでは常に双方の当選役に対応する表示結果を表示させることができることとなる。これにより、遊技者が遊技に積極的に参加している(自分の意思によって当選役を選択できる)という印象を与えることができる。
(解決手段23)
解決手段23は、解決手段18から22のいずれかに記載の遊技機において、前記双方表示制御手段により前記可変表示装置に前記特賞役及び前記その他の当選役に対応する表示結果の双方とも表示させることが可能な前記可変表示体の制御が行われている状態で、遊技者による前記個々の可変表示体の停止操作が受け付けられる場合、第1番目に受け付けられた停止操作では、前記特賞役及び前記その他の当選役に対応する表示結果の双方とも前記可変表示装置に表示させることが可能な前記双方表示制御手段による前記可変表示体の制御を維持する双方表示制御維持手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機では、複数の可変表示体の停止操作を受け付ける停止操作手段を複数有している。これは個々の可変表示体ごとに対応した停止操作受付手段を設けることで、遊技者が随意(あるいは、自分の自由なタイミングで)に停止操作を行うことを可能とするものである。これにより、遊技者に自ら望む当選役に対応する表示結果を表示させよう(あるいは、目的の図柄を表示させよう)という意志を持たせることができる。
解決手段23によれば、複数ある停止操作受付手段のうち、第1番目(最初)に受け付けられた停止操作では、共有特賞役に包含されるいずれの当選役も表示結果として表示させることのできる可能性を持たせた状態を維持することができる。これにより、複数ある可変表示体の1つが停止状態をなり、そのときの可変表示装置に表示された表示結果から1つの当選役が確定(あるいはほぼ決定付けられる)してしまうことを回避させることができ、遊技者に次の停止操作にも期待を引き続き持たせた状態で望ませることができる。
さらに解決手段18により、共有特賞役に包含されるその他の当選役については、対応する表示結果がその他の当選役以外の当選役と類似した態様であるため、複数ある可変表示体の1つが停止状態となっても、その際に可変表示装置に表示された表示結果から1つの当選役を確定(あるいはほぼ決定付けられる)することを困難なものとすることができる。従って、遊技者が次の停止操作にも期待を維持することが可能となり、興趣を低下させにくくすることができる。
(解決手段24)
解決手段24は、解決手段23に記載の遊技機において、前記双方表示制御維持手段により前記可変表示装置に前記特賞役及び前記その他の当選役に対応する表示結果の双方とも表示させることが可能な前記可変表示体の制御が維持されている状態で、遊技者による前記個々の可変表示体の停止操作が受け付けられる場合、少なくとも最後に受け付けられる停止操作までに前記表示制御切替手段による前記可変表示体の制御の切り替えを実行させる表示制御切替実行手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段24によれば、表示制御切替手段による可変表示体の制御の切り替えは、遊技者により第1番目の停止操作が受け付けられた後から、最後の停止操作が受け付けられる前(複数ある停止操作受付手段のうち、最後の停止操作受付手段の操作が行われる前)までに実行される。
ここで、上記の切り替えが実行される時機(タイミング)は、最後の停止操作が受け付けられる直前、即ち、最後の停止操作が受け付けられる直前(あるいは直近)の停止操作が受け付けられた時点(例えば、停止操作をボタンなどの押下により受け付ける場合、複数あるボタンのうち「最後−1」番目のボタンが押下されたとき)に実行することが望ましい。このようにすれば、遊技者が最後の停止操作を行うひとつ前(直近)の停止操作が受け付けられるまでは、共有特賞役に包含される当選役の双方ともに表示結果として表示させることが可能性として期待できることになる。従って、最後の停止操作を行う直前まで2つの当選役のいずれになるかを遊技者の技量により変えることができたり、あるいは遊技者にいずれかを選択させる可能性を付与させたりすることができる。
なお、本発明では上記の切り替えが実行される時機については停止操作を契機として行わせることが望ましい。これは、遊技者が自らの技量で共有特賞役のうちのいずれかを選択できるということで遊技に面白みを付与するためである。
(解決手段25)
解決手段25は、解決手段18から22のいずれかに記載の遊技機において、前記表示制御切替実行手段が、前記双方表示制御手段により前記可変表示装置に前記特賞役及び前記その他の当選役に対応する表示結果の双方とも表示させることが可能な前記可変表示体の制御が行われている状態で、遊技者による前記個々の可変表示体の停止操作が受け付けられる場合、第1番目に受け付けられた停止操作の時点で、前記特賞役に対応する表示結果を前記可変表示装置に表示させることが不可能となると、前記単方表示制御手段により前記その他の当選役に対応する表示結果を表示させるよう前記可変表示体の制御を切り替えることを特徴とする遊技機である。
解決手段25によれば、解決手段23の場合と異なり、複数ある停止操作受付手段のうち、第1番目(最初)に受け付けられた停止操作の時点で、特賞役に対応する表示結果を可変表示装置に表示させることが不可能となった場合、その他の当選役に対応する表示結果を表示させようとする制御に可変表示体の制御を切り替える(単方表示制御手段への切り替え)。
ここでいう「特賞役に対応する表示結果を可変表示装置に表示させることが不可能」とは、第1番目の可変表示体が停止状態となった際に特賞役に対応する図柄を可変表示装置に表示させることができなかった場合のことをいう。つまり、この時点ですでに特賞役に対応する表示結果を可変表示装置に表示させることは不可能となってしまう。そして、このような場合には、速やかに共有特賞役のもう一方の当選役であるその他の当選役に対応する表示結果を可変表示装置に表示させることの可能な可変表示体の制御に切り替え(単方表示制御手段への切り替え)を実行させることができる。
さらに、上記の場合に単独当選役としてのその他の当選役を同様な可変表示体の制御を実行させると、遊技者には共有特賞役に当選していたことを気付かせることがなく、共有特賞役に当選していたことに気付かなかったというような興趣を損ねることを回避できる。
(解決手段26)
解決手段26は、解決手段18に記載の遊技機において、前記特賞役規定手段により定められる前記共有特賞役に包含されるその他の当選役の遊技特典が、前記小役及び前記再遊技役の遊技特典であることを特徴とする遊技機である。
解決手段26によれば、共有特賞役に包含されるその他の当選役には小役及び再遊技役が含まれる。つまり、小役や再遊技役に対応する表示結果が得られたときであっても、特賞役に当選している場合があることになる。従って、遊技者は小役や再遊技役に当選する度に特賞役に当選したかもしれないという期待を持つこととなり、単調なゲームになりがちな「一般ゲーム期間」にも興趣を極低下させずにゲームを進行することができる。
さらに、「小役を複数の種類設ける場合、単独当選役でのそれぞれの小役の当選確率に応じて、共有特賞役となる割合(当たり値の割り振り)に格差を設ける」構成を別に加えることもできる。この構成により、例えば、「一般ゲーム期間」で当選確率の高い小役は、共有特賞役となる割合を低くし、「一般ゲーム期間」で当選確率の低い小役は、共有特賞役となる割合を高くすると、「一般ゲーム期間」で当選しにくい小役に当選した場合、共有特賞役に当選したのではないかという遊技者の期待感を大いに高めることができる。
一方、特定役は共有特賞役には含まない。これは「特定ゲーム期間」では、特定の小役が内部抽選の抽選結果となる割合が「一般ゲーム期間」に比べて増えることが、「特別ゲーム期間」に準じるゲーム期間としてみることができるためである。つまり、遊技者に有利な状態(ゲーム期間)に移行する契機となる当選役は共有特賞役に包含されるその他の当選役とはしないということになる。このようにすると、特定役とその他の当選役(小役、再遊技役等)の遊技特典をともに包含する当選役を共有当選役に準じる当選役として設けることもできることになる。従って、共有特賞役のバリエーションが増加することになり遊技の面白みを増すことができる。
(解決手段27)
解決手段27は、解決手段18に記載の遊技機において、一般的な通常遊技時に比べて前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させる第1再遊技役当選確率向上手段と、特定の条件が成立すると前記第1再遊技当選役確率向上手段により前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームを開始させる第1ゲーム開始手段と、前記第1ゲーム開始手段により開始された前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームを複数のゲーム期間にわたり継続させる第1ゲーム継続手段と、所定の条件が成立すると前記第1ゲーム継続手段により継続されている前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームを終了させる第1ゲーム終了手段と、前記再遊技役のうち改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームの掛け数が次回のゲームに持ち越される遊技特典に加えて前記第1ゲーム開始手段により前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームを開始させるための前記特定の条件を満たす特定条件再遊技役を定める特定条件再遊技役規定手段と、一般的な通常遊技時に比べて前記再遊技役の当選確率を前記高水準より高くない中水準まで向上させる再遊技役当選確率中水準向上手段と、前記特賞役に対応する遊技特典として遊技価値の付与機会の増加された複数のゲーム期間が終了すると、前記再遊技役当選確率中水準向上手段により前記再遊技役の当選確率を前記高水準より高くない中水準まで向上させたゲームを開始させる中水準向上ゲーム開始手段と、前記中水準向上ゲーム開始手段により開始された前記再遊技役の当選確率を前記高水準より高くない中水準まで向上させたゲームを複数のゲーム期間にわたり継続させる中水準向上ゲーム継続手段と、所定の条件が成立すると前記中水準向上ゲーム継続手段により継続されている前記再遊技役の当選確率を前記高水準より高くない中水準まで向上させたゲームを終了させる中水準向上ゲーム終了手段と、前記中水準向上ゲーム継続手段により前記再遊技役の当選確率を前記高水準より高くない中水準まで向上させたゲーム期間で前記特定条件再遊技役の当選確率を向上させる特定条件再遊技役確率向上手段と、一般的な通常遊技時に比べて前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させる第2再遊技役当選確率向上手段と、特定の条件が成立すると前記第2再遊技当選役確率向上手段により前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームを開始させる第2ゲーム開始手段と、前記第2ゲーム開始手段により開始された前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームを複数のゲーム期間にわたり継続させる第2ゲーム継続手段と、所定の条件が成立すると前記第2ゲーム継続手段により継続されている前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームを終了させる第2ゲーム終了手段と、前記小役のうち規定数の遊技価値を付与される遊技特典に加えて前記第2ゲーム開始手段により前記再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームを開始させるための前記特定の条件を満たす特定条件小役と、前記特定役に対応する遊技特典として次回のゲームで前記特定条件小役の当選確率を所定の高水準まで向上させる特定条件小役確率向上手段とをさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段27によれば、再遊技役の当選確率を通常ゲーム(「一般ゲーム期間」でのゲーム)時に比べて所定の高水準まで向上させることができる。この再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させたゲームのことを有利ゲームと呼び、有利ゲームの行われているゲーム期間を「有利ゲーム期間」と呼ぶ。
再遊技役の当選確率を所定の高水準まで向上させるということは、再遊技役の当たり値を増加させることを意味する。ここで、所定の高水準としては、通常ゲーム時の2倍、3倍あるいはそれ以上を含めた程度まで当たり値を増加させることが望ましい。つまり、「有利ゲーム期間」では「一般ゲーム期間」とは明らかに異なる程、再遊技役に当選し易くなる状態を作り出すことができる。
また、「有利ゲーム期間」は「一般ゲーム期間」に比べて、2倍、3倍あるいはそれ以上と再遊技役に当選する可能性が高くなるので、再遊技(再遊技役の遊技特典のこと)を行う機会が増えることになる。このように再遊技の機会が増えると、その分だけ遊技価値を新たに掛ける機会が減少する。つまり、遊技者が遊技価値を1回のゲームごとに新たに用意して掛けていくと、段々と遊技価値の消費量が増加していくことになるが、そのときの消費量を緩やかに、あるいは消費量の増加を抑えることが可能となる。
ここでいう「遊技価値の消費量」とは、単位時間当たりに消費(遊技者が掛け数として使用する)することとなる遊技価値の数のことをいう。この消費量の度合いによって、いわゆる、「コイン持ちが良い」、「球持ちが良い」あるいは「コイン持ちが悪い」、「球持ちが悪い」などといわれることもある。
「有利ゲーム期間」は特定の条件が満たされることにより開始される。そして、所定の条件が満たされるまで「有利ゲーム期間」は継続されることになる。つまり、所定の条件が「有利ゲーム期間」の終了条件ということである。
本発明の遊技機では、特定の条件を満たすために特定条件再遊技役を設ける。この特定条件再遊技役は、「一般ゲーム期間」、「特別ゲーム期間」、「特定ゲーム期間」、「有利ゲーム期間」全てにおいて当選する可能性のある当選役となっている。この特定条件再遊技役は、再遊技役としての遊技特典(つまり、改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームの掛け数が次回のゲームに持ち越されること)に加えて、「有利ゲーム期間」を開始させるための契機としての遊技特典にも対応しているものである。
また、「有利ゲーム期間」を終了させるための所定の条件としては、所定回数のゲーム数に到達するまでとする。この所定回数は、遊技者が終日ゲームを行った場合に最大限行うことの可能なゲーム回数程度とすることができる。つまり、「有利ゲーム期間」が開始されると、それ以後はほぼ終日「有利ゲーム期間」が継続することとなり、遊技者にとって貴重な(あまり経験することのできない)「ゲーム期間」としての価値を持たせることができる。
また、「有利ゲーム期間」は、特賞役に当選する(特賞役が内部抽選の抽選結果となること)まで継続させるものとすることもできる。このような条件とすれば、遊技者は「有利ゲーム期間」では特賞役になるべく当選したくないという傾向を強めることになる。これは「一般ゲーム期間」で、遊技者ができるだけ多く(または何回も)特賞役に当選したいと願う傾向が強いことと全く反対の傾向である。
また、特定条件再遊技役は、通常再遊技役(特定条件再遊技役ではない再遊技役のことを指す)に比べて当たり値を少なくすることが望ましい。つまり、特定条件再遊技役を通常再遊技役に比べて当選しづらい当選役とすることである。
但し、特定条件再遊技役を極端に当たりづらい当選役とすると、「有利ゲーム期間」が移行しづらいものとなってしまい、遊技者が「有利ゲーム期間」でのゲームを全く経験できなくなり、かえって遊技者の遊技意欲を低下させてしまうこともある。このような事態を回避するために本発明の遊技機では、「一般ゲーム期間」及び「特別ゲーム期間」、「有利ゲーム期間」、「特定ゲーム期間」では特定条件再遊技役を当たりづらい当選役とするものの、特定条件再遊技役に当たり易い期間として新たに「中水準有利ゲーム期間」を設けることができる。
この「中水準有利ゲーム期間」は、前述の「有利ゲーム期間」に比べると、再遊技役に当選しづらいものとすることができる。つまり、「有利ゲーム期間」のように再遊技役の当たり値を「一般ゲーム期間」の2倍、3倍あるいはそれ以上にと増加させるのではなく、「一般ゲーム期間」と大差ない程度に再遊技役の当たり値を増加させることが望ましい。つまり、「一般ゲーム期間」での再遊技役の当たり値の数に比べて少なくとも1つの当たり値を増やすだけでもよいことになる。このようにすると「一般ゲーム期間」と「中水準有利ゲーム期間」とを全く区別できないものとすることができる。
ここで、「全く区別できないもの」とは、再遊技役の当選状況からはいずれの「ゲーム期間」であるのか判断ができないことをいう。当選状況とは、ある一定期間内で目的の当選役に当選する回数あるいは頻度のことを指す。
「中水準有利ゲーム期間」は、「特別ゲーム期間」が終了後から開始される。つまり、特賞役に対応する遊技特典が得られると、その終了後からは必ず「中水準ゲーム期間」が開始されることになる。そして、「中水準有利ゲーム期間」は所定の条件が満たされるまで継続される。
ここで、「中水準有利ゲーム期間」を終了させる所定の条件としては、所定回数のゲーム数に到達するまでとする。この所定回数は、「特定ゲーム期間」比べて長いゲーム期間とすることが望ましい。即ち、少なくとも1回のゲームより多い所定回数のゲーム数とすることである。これは、第1に「中水準有利ゲーム期間」では「一般ゲーム期間」と比べてほとんど再遊技役の当たりやすさが変わらないものであるから、ある程度の期間継続させることとしてもホール等に不利益を与えることがないからである。
第2に、「中水準有利ゲーム期間」では、特定条件再遊技役の当たり値を増加させることができる「ゲーム期間」としているため、「有利ゲーム期間」を開始させるための条件(つまり、特定条件再遊技役に当選すること)が満たされ易い最適な期間(「チャンス期間」と呼ぶ)という役割を持たせることができるからである。
以上の内容から、「特別ゲーム期間」の終了後から開始される「ゲーム期間」が遊技者にとって大いに興味を惹きつけられる「ゲーム期間」となる。また、「中水準有利ゲーム期間」がいつまで続くか分からないものとすることや、あるいは複数の終了条件を設けること等により、遊技者が「中水準有利ゲーム期間」の終了とともに興趣を減退させてしまうといった事態も回避することが可能となる。
(解決手段28)
解決手段28は、解決手段27に記載の遊技機において、前記第1再遊技役当選確率向上手段により前記再遊技役の当選確率を向上させる場合の所定の高水準が、前記第2再遊技役当選確率向上手段により前記再遊技役の当選確率を向上させる場合の所定の高水準と類似もしくは同等であることを特徴とする遊技機である。
解決手段28によれば、「有利ゲーム期間」としての有利さの度合いに差をつけることなく、ほぼ同程度、あるいは類似する程度のものとすることができる。つまり、「第1有利ゲーム期間」及び「第2有利ゲーム期間」で有利さの度合いに差がほとんどみられないものとなる。
また、同程度の有利なゲーム期間が複数あることで、遊技者はどのような場合から、あるいはどういった契機から有利なゲーム期間が開始されるのかといったことに関心を持つようになる。これは遊技者が遊技機のゲーム性を解明したいという意識(あるいは意欲)を高揚させることにつながる。このような意欲を持たせることは遊技者の遊技意欲を減退させにくくすることとなる。
(解決手段29)
解決手段29は、解決手段27または28に記載の遊技機において、前記特定条件小役規定手段により定められる前記特定条件小役に含まれる遊技特典として、前記当選役規定手段により定められる前記小役と同じ規定数の遊技価値を遊技者に付与させる小役規定数付与手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段29によれば、特定条件小役と通常小役の遊技特典として遊技者に付与される遊技価値の数が同じとなる。ここで、「通常小役」とは、特定条件小役以外の小役のことをいう。即ち、遊技者は特定条件小役と通常小役では同じ規定数分の遊技価値を獲得することができることになる。
さらに、特定条件小役と通常小役に対応するそれぞれの図柄の組み合わせ態様を類似した組み合わせ態様とすることが望ましい。これにより、「一般ゲーム期間」で通常小役(あるいは特定条件小役)に対応する図柄の組み合わせ態様となり、遊技価値が付与されても、その時点(当該ゲーム)では、通常小役か特定条件小役か分からないものとなる。従って、遊技者は、次回のゲーム(当該ゲームの次のゲーム)で「有利ゲーム期間」が開始されるのではないかという期待を持ってゲームを行うことになる。
(解決手段30)
解決手段30は、解決手段27から29のいずれかに記載の遊技機において、前記特定条件再遊技役規定手段により定められる前記特定条件再遊技役に含まれる遊技特典として、前記当選役規定手段により定められる前記再遊技役と同じく改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームの掛け数が次回のゲームに持ち越される再遊技役遊技特典付与手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段30によれば、特定条件再遊技役と通常再遊技役の遊技特典が同様の内容を含むことになる。ここで「通常再遊技役」とは、特定条件再遊技役以外の再遊技役のことをいう。即ち、特定条件再遊技役及び通常再遊技役のどちらであっても改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームの掛け数が次回のゲームに持ち越されることになる。遊技者から見れば、いずれの再遊技役であっても当該ゲームの次回のゲームでは再遊技が行えることになる。
さらに、特定条件再遊技役と通常再遊技役に対応するそれぞれの図柄の組み合わせ態様を類似した組み合わせ態様とすることが望ましい。これにより、「一般ゲーム期間」で通常再遊技役(あるいは特定条件再遊技役)に対応する図柄の組み合わせ態様となり、再遊技の特典が付与されても、その時点(当該ゲーム)では、通常再遊技役か特定条件再遊技役か分からないものとなる。従って、遊技者は、次回のゲーム(当該ゲームの次のゲーム)で「有利ゲーム期間」が開始されるのではないかという期待を持ってゲームを行うことになる。
本発明により、遊技者の遊技意欲を維持させやすくし、興趣の低下をできる限り抑えることができる。
以下、遊技媒体に遊技球を用いてスロットマシン遊技を行う遊技機の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では当該遊技機のことを「スロットマシン1」として呼称する。
(スロットマシンの構成)
図1は、一実施形態のスロットマシン1の外観を示している。本実施形態のスロットマシン1は、一般的なパチンコ機(遊技領域に向け遊技球を発射して
結果に応じて遊技球の払い出しを受けることの可能な弾球式遊技機)が有する外枠と同じ幅寸法及び高さ寸法の外枠10を有する他、この外枠10に取り付けられる前面扉21や本体枠70を備えている。スロットマシン1の構成部材は前面側からみて全て外枠10の形状に合わせ収まり、それゆえスロットマシン1はパチンコ機用の島設備に設置することが可能となっている。
パチンコ機用島設備には、スロットマシン1に近接して球貸し機(サンド、台間サンドともいう)200の設置が可能となっている。なお、図示の例では、遊技者が球貸し機200に現金を投入して遊技球を借り受けるタイプとしているが、その他に、プリペイドカードを投入するタイプの球貸し機(CRユニット)を接続することもできる。
スロットマシン1の前面扉21のほぼ中央には、矩形の図柄表示窓23が開口して形成されており、この図柄表示窓23にはガラス板または透明樹脂板等の透明板が取り付けられている。前面扉21の奥には可動表示体として3つの可変回転体111が設置されている。これら3つの可変回転体は同形状であり、いずれも筒型の骨組に複数種類の図柄が印刷された透光性を有する図柄帯が張られて筒状の形態を成している。この筒状の形態を成した可変回転体はスロットマシン等の回胴式遊技機では一般的にリール、またはドラムと呼ばれているものである。なお、以下では、この可変回転体のことをリールと呼称する。このリールは、回転させたり停止させたりしても、周方向でみてリールに付された帯状の図柄列の配置関係を常に保持している。
また、前面扉21の上部には矩形の液晶表示窓24が形成されており、この液晶表示窓24にも、ガラス板または透明樹脂板等の透明板が取り付けられている。前面扉21の奥には液晶モジュール130が設置されている。この液晶モジュール130は、比較的大型(12インチ程度)の画面サイズを有した液晶表示器131と、液晶制御基板133が収納された液晶制御基板ボックス132とを備えてユニット化されている。そして、液晶表示窓24を通して、スロットマシン1の前面側から液晶表示器131の表示面を視認することが可能となっている。
前面扉21の下部分には、図柄表示窓23の下方の位置に操作部設置台が形成されている。前面扉21において、操作部設置台22は図柄表示窓23からさらに前面側に突出するように形成されており、操作部設置台22の上面にはMAXベットボタン40が設置されている。また、操作部設置台22の前面には、始動レバー41及びストップボタン42,43,44が横並びに設置されている。なお、始動レバーに代えて始動ボタンを備えた態様であってもよい。
操作部設置台22の左側部には球受入口25が形成されており、この球受入口25は上方に開口し、この開口から遊技球を受け入れ可能となっている。また、操作部設置台22の下方に位置して球受け皿26が形成されている。ホールの島設備には、スロットマシン1に隣接して球貸し機200が設置されており、球貸し機200の球放出桶201から放出された遊技球は球受入口25から受け入れ可能である。なお、球貸し機200に代えてプリペイドカードと投入するタイプの球貸し機(CRユニット)を接続することもできる。このCRユニットを接続する構成例については、スロットマシンの制御構成と合わせて後述する。
前面扉21の下部領域の内部には、球受け皿26を通じて供給される遊技球を取り込み、ゲームごとの掛け数を設定するための球取込装置30が設置されている(図1では図示しない)。また、球受け皿26には、遊技球を前後2列に整列させて球取込装置30に供給するための前後2条の球整列路28が仕切り壁28aによって区画形成されている。なお、球取込装置30や遊技球を取り込む経路の詳細については後述する。
前面扉21の前側には、図柄表示窓23及び液晶表示窓24の周囲を取り囲むようにして、装飾ランプを有するランプ基板や各種の表示ランプを有する表示基板、左右のスピーカ等が設置されている。
前面扉21の左側部分には、球受け皿26の下方の位置に球抜きボタン26bが設置されている。また、球受け皿26の底板には、前面側からみて左端近傍の位置に球抜き穴26cが形成されている。球抜き穴26cは球受け皿26の底板をある程度大きい範囲(遊技球の直径の5倍程度)に開口して形成されており、球抜き穴26cは前面扉21の奥で球抜き通路(図では視認されない)に通じている。この球抜きボタン26cを押すと球抜き穴26cが開き、遊技球を球抜き通路から排出させることができる。このとき遊技者は排出される遊技球を受け箱等で受け取ることができる。
図2は、外枠10から本体枠70を前面側へ開放した状態を示している。本体枠70は外枠10の前面側に設置され、外枠10に対して本体ヒンジ機構60を介して連結されている。そして、図2に示すように本体枠70を外枠10から前面側に片開き式に開くことができる。
本体枠70の背面側には、正面からみて本体ヒンジ機構60と反対側の右側端部に取付基板50aを介して施錠装置50が設置されている。施錠装置50は外枠10に対する本体枠70の施錠と、本体枠70に対する前面扉21の施錠を行う機能を有している。また施錠装置50はシリンダ錠51をはじめ、本体枠施錠部材54や扉施錠部材(図示されていない)、解錠部材53等を備える。シリンダ錠51は取付基板50aに組み付けられており、また本体枠施錠部材54および扉施錠部材は、いずれも取付基板50aに対して上下動可能に組み付けられている。そして解錠部材53は、シリンダ錠51の鍵孔に鍵が挿入された状態で時計回り方向および反時計回り方向(左右方向)に回動可能に組み付けられている。
外枠10の右側部には、その内側に上下で2つのストライカ56が取り付けられている。一方、本体枠施錠部材54には2つのストライカ56に対応して2つの本体枠施錠ラッチ55が形成されており、これら本体枠施錠ラッチ55は、外枠10の前側に本体枠70が閉じられると、それぞれ対応するストライカ56に噛み合って本体枠70を施錠する。なお、ホールにて管理されている専用鍵をシリンダ錠51の鍵穴に挿入して時計回り方向にひねれば、本体枠施錠ラッチ55と外枠10のストライカ56との噛み合いが外れ、本体枠70の施錠が解除された状態となる。この状態でホールの管理者が本体枠70を手前側へ引くと、そのまま本体枠70を片開き式に開くことができる。
次に図3は、本体枠70から前面扉21を開放した状態を示している。本体枠70には、外枠10の本体ヒンジ機構60とは別に扉ヒンジ機構20が装備されており、前面扉21は扉ヒンジ機構20を介して本体枠70に開閉可能に支持されている。
上記の扉施錠部材(図示しない)は本体枠70の右側縁部に内蔵されており、この扉施錠部材もまた上下で2つの扉施錠ラッチ58を有する。図3に示されているように、本体枠70から前面扉21を開放した状態で、扉施錠ラッチ58は本体枠70から前面側に突出する。一方、前面扉21の背面側には、各扉施錠ラッチ58に対応して上下2つのストライカ59が設置されており、本体枠70に対して前面扉21が閉じられると、2つの扉施錠ラッチ58がそれぞれ対応するストライカ59と噛み合って前面扉21を施錠する。
なお、本体枠70には遊技ユニット100が装着されており、遊技ユニット100には上記のリール111とともに液晶表示器131が装備されている。また本体枠70には、遊技ユニット100の下方に低音用のスピーカ195が設置されている。一方、上記の球取込装置30は前面扉21に内蔵されており、図示のように前面扉21が開放された状態では、球取込装置30の球取込用モータ35が前面扉21の背面側に突出した状態となる。
また図3中に2点鎖線で示されているように、前面扉21の背面側には連絡通路部材290が設置されており、この連絡通路部材290には、後述する賞球装置166の払出口と球受け皿26の後側開口部26aと連通し、その内部に比較的多数の遊技球を貯留可能な球貯留部兼用の連絡通路が形成されるものとなっている。また連絡通路部材290は、前面側で球受入口25の後側開口部25aと連通しており、球受入口25から投入された遊技球は、その後側開口部25aを通って連絡通路部材290内に流れ込む。これにより、球受け皿26と連絡通路部材290には、球貸し機200の球放出樋201(CR機の場合は払出装置166装置)から放出された貸し球としての遊技球と、賞球装置166から払い出された賞球としての遊技球とが貯留されるものとなっている。
図4は、スロットマシン1を背面側から示している。本体枠70の背面側には遊技ユニット装着部80が形成されており、上記の遊技ユニット100は遊技ユニット装着部80の前面側から装着されている。また、遊技ユニット装着部80の上(上方)には、球タンク161が設置されている。球タンク161はパチンコ機用(スロットマシン兼用)の島設備から供給される遊技球を受け取り、そこにある程度の量を蓄えておくことができる。球タンク161の下方にタンクレール163が接続されており、このタンクレール163は背面側からみて球タンク161の下方から右方向へ下り傾斜する球供給路を形成している。なおタンクレール163の内側には、前後方向に2条のレール通路が区画して形成されている。球タンク161やタンクレール163には、一般的なパチンコ機で使われるものをそのまま(または加工して)流用することができる。
本体枠70の背面側には、遊技ユニット装着部80の片側(背面側からみて右側端)に賞球装置166が設置されている。賞球装置166は内部に2条の球通路166aを有し、これら球通路166aはタンクレール163に形成された2条のレール通路の下流端にそれぞれ連なる。また賞球装置166は賞球用モータ167を内蔵しており、この賞球用モータ167を駆動源として球通路166a内の遊技球を払い出すことができる。払い出しは球切り部材166cを回転させることで行われ、払い出された遊技球は連絡通路部材290の連絡通路を経て球受け皿26に送出されるものとなっている。
なお、遊技ユニット100が遊技ユニット装着部80に装着された状態では、収納ボックス150の後壁151は遊技ユニット装着部80の後端とほぼ同一面となる位置で後側開口部に露出する。そして、この状態で収納ボックス150の後壁151の後側に後カバー155が装着される。後カバー155には、多数のスリット状の放熱孔が形成されており、後カバー155は遊技ユニット装着部80の上部後壁87とほぼ同一面をなして取り外し可能に装着されるものとなっている。また、収納ボックス150の下部には、払出し制御基板ボックス186及び低音用スピーカボックス175が設けられている。
(リール装置の構成)
図5は、リール装置110の構成を示している。リール装置110は3つのリール111を備え、これら3つのリールがフレーム体102の内側に収容されている。フレーム体102は、リール111を収容する部分が箱形状に形成され、その前面側は開口している。3つのリール111は、フレーム体102の内部に横方向に配列され、それぞれの回転中心軸が同一線上に位置付けられている。なお、以下では、個々のリールを取り上げていう場合には、それぞれ111a(図中で最左端のリール),111b(図中で中央のリール),111c(図中で最右端のリール)と呼び、全てのリールを含む場合にはリール111と呼称する。また、必要に応じてリール111aのことを左リール、リール111bのことを中リール、リール111cのことを右リールと呼ぶ。
リール111は、耐久性に優れる合成樹脂製あるいは軽金属製のスポークおよびリム体を有し、その周囲には図柄列が付されたリール帯が巻かれた状態で横型円筒形状をなしている。リール帯は光透過性の帯状材であり、リール帯には複数(本実施形態では14個)の図柄が1列をなして付されている。このようなリール帯が1周するように巻かれることで、各リール111の表面に図柄列が形成されている。図柄にはいくつか種類があり、例えば数字の「7」や「REPLAY」等の文字、ベル、スイカ、チェリー等を図案化したもの、あるいは、スロットマシンの機種を特徴付けるキャラクターや図形、記号等を図案化したもの等が含まれている。
リール111は、その前側の外周部分がフレーム体102の前面側に突き出るようにして露出する。このため、遊技ユニット100が本体枠70に取り付けられ、さらに前面扉21が閉じられた状態では、リール111の前側の外周部分が図柄表示窓23に望む位置関係にある。また、各リール111の内周側にはリールバックライト(図示されていない)が配置されており、このリールバックライトは対応する各リール111につき、図柄表示窓23内で上段、中段、下段に位置する図柄に背後からバックライト(透過光)をあてることで、図柄を視認しやすくしたり、目立たせたりすることができる。
また、リール装置110は、個々のリール111a,111b,111cにそれぞれ対応したリールモータ(ここでは図示されていない)を有しており、個々のリール111a,111b,111cは対応するリールモータによって回転したり、その回転を停止したりする。リールモータは、対応するリール111の内周に配置されており、この状態でフレーム体102により支持されている。
(図柄と図柄列)
各リール111a,111b,111cには、図6に示すように、複数種類(例えば、7種類)の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(例えば、配列番号1番から14番までの合計14コマの図柄の配列)が表記されたリール帯(図柄帯)が付されている。図6では、各リール111a,111b,111cに付されたそれぞれのリール帯112a,112b,112cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。
そして、各リール111a,111b,111cは、各々の図柄列中に配置された図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が図柄表示窓23を介して視認可能となるように配置されている(次に説明する図7参照)。なお、図柄列中に配置された図柄を識別するために配列番号を便宜的に記している。
また、図柄の種類は、図6に示すように、「7(赤で塗りつぶされているので、以下では赤7という)」(例えば、リール帯112aの配列番号1番等)、「菱形」(例えば、リール帯112aの配列番号2番等)、「月形」(例えば、リール帯112aの配列番号3番等)、「六角形」(例えば、リール帯112aの配列番号4番等)、「四角形」(例えば、リール帯112aの配列番号5番等)、「丸形」(例えば、リール帯112bの配列番号2番等)、「星形」(例えば、リール帯112bの配列番号3番等)の合計7種類となっている。「赤7」についてはボーナス図柄ともいう(詳しくは後述する)。以下では、「赤7」を含めてその他の図柄についても上記で説明した名称(「菱形」、「月形」、「六角形」、「四角形」、「丸形」、「星形」)で統一して呼称する。
ここで、図6のリール帯の図柄列を見ると、「赤7」を除いた図柄は、ほとんど同様な模様に見える。これは、同じ楕円の中にそれぞれ異なる形(菱形、月形、六角形、四角形、丸形、星形)が描かれているが、楕円の中にはさらに全てに同じ文字「AN」が表記されているので、それぞれが異なる図柄であるということが認識しにくいものとなっている。
(図柄表示窓)
図7は、図柄表示窓23部分を拡大したところを示している。図柄表示窓23からは、各リール111a,111b,111cの図柄列中の図柄のうち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。この図柄が表示されている3つの位置を図7の上から「上段(または上段位置)」(例えば、リール111aの「赤7」の表示されている位置)、「中段(または中段位置)」(例えば、リール111bの「赤7」の表示されている位置)、「下段(または下段位置)」(例えば、リール111cの「菱形」の表示されている位置)という。
上記のことから、図柄表示窓23内では、「段数×リールの数」個の図柄を表示させることが可能である。従って、スロットマシン1では「段数(3)×リールの数(3)」より図柄表示窓23内には最大で9個の図柄を表示させることになる。
図柄表示窓23の左側端で「1」,「2」,「3」と記されているのがベットランプ201である。ベットランプの数字(上記の「1」,「2」,「3」)はそれぞれベット数(掛け数)に対応している。即ち、「1」は1ベット、「2」は2ベット、「3」は3ベット(MAXベット)に対応しているということである。
本実施形態のスロットマシン1は、ベット数の最小単位として5個の遊技球を必要とする。即ち、1ベットでは5個、2ベットでは10個、MAXベットでは15個の遊技球がそれぞれ必要となる。なお、ベット数の最小単位(つまり、遊技球5個)はメダル、コイン等を用いる回胴式遊技機ではメダル(あるいはコイン)1枚に相当するものである。
ベット数に応じて有効となる並び(直線型)が決められている。この「有効となる並び」は、有効ラインとも呼ばれる。なお、以下では有効ラインと統一して呼称する。所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様は、一つの有効ライン上に並んで表示されてはじめて所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたと判断されるものである。即ち、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせとしては図柄表示窓23内に表示されたとしても、その図柄の組み合わせが一つの有効ライン上に並んでいなければ、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたとは判断されないことになる。
次に、ベット数に対応する有効ラインと有効ラインの数について具体的に説明する。1ベットに対応する有効ラインは、図7の「1」ベットランプから延びている点線上の1本の直線ライン、即ち、各リールの中段位置を繋いだ「中段−中段−中段」となる並びのみである。この有効ラインのことを「1ライン」という。
2ベットに対応する有効ラインは、図7の「2」ベットランプから延びている点線上の2本の並行な直線ライン、即ち、各リールの上段位置を繋いだ「上段−上段−上段」となる並び(上段ライン)と、各リールの下段位置を繋いだ「下段−下段−下段」となる並び(下段ライン)である。この上段ラインと下段ラインの2つの有効ラインのことをまとめて「2ライン」という。さらに、2ベットの場合は前述の「1ライン」も有効ラインに加えられるので、合計で3つ有効ラインがあることになる。
3ベットに対応する有効ラインは、図7の「3」ベットランプから延びている点線上の右上がり及び右下がりの2本の斜めライン、即ち、左リールの下段位置及び中リールの中段位置及び右リールの上段位置を繋いだ「下段−中段−上段」となる右上がりの並び(右上がりライン)と、左リールの上段位置及び中リールの中段位置及び右リールの下段位置を繋いだ「上段−中段−下段」となる右下がりの並び(右下がりライン)である。この右上がりラインと右下がりラインの2つの有効ラインのことをまとめて「3ライン」という。さらに、3ベットの場合は前述の「1ライン」及び「2ライン」も有効ラインに加えられるので、合計で5つ有効ラインがあることになる。
上記は一般的なスロットマシンに代表される回胴式遊技機の有効ラインについての説明であるが、有効ラインは上記のような直線型の並びに限られることはない。以下では、本実施形態のスロットマシン1の有効ラインについて引き続き図7を用いて具体的に説明する。
本実施形態のスロットマシン1では、掛け数は3ベット(MAXベット)のみとし、有効ラインを図7の図柄表示窓23内で「赤7−赤7−赤7」が表示されているライン、即ち、左リールの上段位置及び中リールの中段位置及び右リールの上段位置を繋いだ「上段−中段−上段」となる「Vの字」型と、右リールに「月形」、中リールに「赤7」、左リールに「菱形」の表示されているライン、即ち、左リールの下段位置及び中リールの中段位置及び右リールの下段位置を繋いだ「下段−中段−下段」となる「への字」型の2つを新たに有効ラインとしている。なお、「Vの字」型のラインのことを「Vの字ライン」、「への字」型のラインのことを「への字ライン」と呼ぶ。
スロットマシン1では、上記の「Vの字ライン」及び「への字ライン」に加えて、前述の「3ライン(右上がりライン、右下がりライン)」の合計4つのラインを有効ラインとしている。従って、一般的なスロットマシンで有効ラインとして用いられている前述の「1ライン」及び「2ライン」は、本実施形態のスロットマシン1では有効ラインに含まれないことになる。
図7で、図柄表示窓23の右側端には、スロットマシン1の遊技状態に合わせて点灯(あるいは点滅)可能なランプ及びLED(Light Emitting Diode)類が設けられている。これらのランプ類は上から、「WIN」という文字の描かれた告知ランプ211、「REPLAY」という文字の描かれたリプレイランプ212、「BET」という文字の描かれたベット指示ランプ213、「START」という文字の描かれたスタートランプ214、2つの横並びの7セグメントLEDを備えた賞球表示LED215、3つの横並びの7セグメントLEDを備えたゲーム数表示LED216と呼ばれるものである。
また、図柄表示窓23の下には4つの横並びの7セグメントLEDを備えた賞球数カウント表示LED217がある。この賞球数カウント表示LED217は、ボーナスゲーム中の賞球数の累計を表示することが可能となっており、ボーナスゲーム中が終了するまで賞球数を累計して計数表示する役割を持っている。
ベット指示ランプ213は、ベット数が最大(MAXベット)になるまで点灯(あるいは点滅)を続けることにより、遊技者にベットを促す役割を持っている。
スタートランプ214は、ベット数がMAXベットに達すると点灯(あるいは点滅)を開始し、遊技者に始動レバー41の操作(始動操作)を促す役割を持っている。
賞球表示LED215は、ゲーム結果に伴う遊技球の払い出しがある場合に、その払い出し数(賞球数)を表示させることにより、遊技者に賞球数を知らせる役割を持っている。
ゲーム数表示LED216は、ボーナスゲーム等の特別な遊技状態に移行した場合に、ボーナス中のゲーム数を表示させることにより、遊技者がボーナスゲームの残りゲーム数等を把握し易くする役割を持っている。
リプレイランプ212は、ゲーム結果がリプレイ(後述する)となった場合に、再遊技(もう一度遊技ができること)ができることを遊技者に知らせる役割を持っている。
告知ランプ211は、ビッグボーナス等に当選していることを遊技者に知らせる役割を持っている。
(球取込装置の構成)
図8は、球取込装置30の外観を示している。上記のように、球受け皿26には前後に2条の球整列路28が形成されており、これら球整列路28に整列された遊技球(図中、参照符号B)は2列をなして球取込装置30に流れ込む。球整列路28に合わせて球取込装置30の内部には2条の取込通路32が形成されており、球取込装置30に流れ込んだ遊技球は、2条の取込通路32を通じてスロットマシン1に取り込まれるものとなっている。
(球案内路,球案内路区画部材)
球取込装置30は2つのケース体31を有し、これらケース体31はいずれも薄肉のシェル構造をなしている。2つのケース体31は、互いに前後方向に重ね合わせられるようにして配置され、この状態で、ケース体31の内側の空間に上記の取込通路32が形成されている。さらに2つのケース体31はいずれも透明度の高い合成樹脂材料から成形されており、それゆえ球取込装置30の外側から取込通路32内にある遊技球や球取込装置30の機構部品類を視認することが可能となっている。
球取込装置30は、2つのケース体31のほかにスプロケット状の取込動作体(球搬送体)33を有する。取込動作体33は、2条の取込通路32に合わせてケース体31ごとに設置されており、各取込通路32内に整列した遊技球は、対応する取込動作体33の回転に伴ってスロットマシン1に取り込まれる。2つの取込動作体33は各ケース体31の内側に収容され、この状態で回転自在に支持されている。また、球取込装置30は球取込用モータ35を有しており、2つの取込動作体33は球取込用モータ35によって同時に回転または停止する。
また、球取込装置30は2つの投入計数スイッチ36を有しており、これら投入計数スイッチ36は各取込通路32の終端位置に配置されている。取込動作体33の回転に伴って取り込まれた遊技球は、ケース体31から排出される際に投入計数スイッチ36によってその通過を検出される。
さらに、球取込装置30には通路開閉部材39が内蔵されており、この通路開閉部材39はケース体31の内側にて左右方向にスライド自在に支持されている。なお、通路開閉部材39には連動部39aが一体的に形成されており、この連動部39aは手前側のケース体31から突出している。連動部39aには、左右方向へスライド可能な精算レバー30c(図1,図2参照)が接続されるものとなっており、遊技者が精算レバー30cを左方向へスライド操作すると、これに連動して通路開閉部材39が左方向スライドするものとなっている。
また球取込装置30内には、2条の取込通路32のそれぞれに対応して球抜き通路37が形成されている。精算レバー30cの操作に連動して上記の通路開閉部材39が左方向へスライドすると、取込動作体33に至る手前で取込通路32の一部が底抜けに開放され、そこから遊技球が自重により流下する。流下した遊技球は球抜き通路37を通り、さらに球受け皿26の下方から排出される。
図9(a)は、取込動作体33による遊技球の取込動作を具体的に示している。先ず、手前側の取込通路32については、案内壁34が取込動作体33の右側方を通過し、斜め右下方まで回り込むようにして形成されている。このため、ポケット部内に受け入れられた遊技球が取込動作体33の回転に伴い移送される際、ポケット部が取込動作体33の右側方の位置(鉛直上方から時計回りに90°の位置)を通過してもなお、遊技球は案内壁34に支えられているため落下しない。この後、ポケット部が取込動作体33の斜め右下方の位置R1(鉛直上方から時計回りに約150°の位置)に到達すると、この位置R1の近傍では案内壁34が取込動作体33の外周から離れているため、図中に矢印で示されるように遊技球は支えを失ってポケット部から落下する。
ここでいう「ポケット部」とは、取込動作体33の周方向に等間隔に形成されている6つの凹部のことである。これらポケット部は出力軸35aの軸線方向でみて断面U字形状(または半円形状)をなし、かつ取込動作体33の回転中心から放射状(60°ごと)に配置されている。さらに、これら6つのポケット部の配列は出力軸35aの軸線方向に重なり合って2列に形成されている。
一方、奥側の取込通路32については、図9(a)中に破線で示されているように案内壁34が取込動作体33の右側方の位置から鉛直下方に延びるようにして形成されている。このため、上記の位置R1よりも右上方の位置R2(鉛直上方から時計回りに約120°の位置)にポケット部が到達すると、この位置R2で遊技球は案内壁34の支えを失い、図中に破線の矢印で示されるようにポケット部から落下する。
このように、本実施形態では手前側と奥側とでポケット部の位置(周方向でみた角度)が相互に合致しているが、ポケット部から遊技球を放出する位置が周方向にずれているため、手前側と奥側とで交互に1個ずつ遊技球を取り込むことができる。また本実施形態では、取込動作体33がポケット部から遊技球を放出する2つの位置R1,R2の間の角度がちょうど30°に設定されている。このため取込動作体33は、30°回転するごとに1個ずつ遊技球を取り込み、1回転(=360°)で合計12個の遊技球を取り込むことができる構造となっている。
遊技球を取り込む際の取込動作体33の動作を含めた取込装置30についての説明については、図9(a)で説明したとおりである。一方、図9(b)では、遊技球を精算する際の取込動作体33の動作について具体的に示している。スロットマシン1では、遊技者がゲームを終了しようとする場合、精算レバー30cをスライドさせることで球受け皿26に残った遊技球を排出するとともに、合わせて球取込装置30内に残存する遊技球を球抜き通路37から排出することができる。
上記のように遊技者が精算レバー30cをスライドさせると、通路開閉部材39が初期位置から移動して取込通路32が底抜けに開放した状態となる。これにより、球受け皿26に残存する遊技球が取込通路32を通り、そして球抜き通路37から排出される。このとき、取込動作体33は取り込みの際とは反対の方向(反時計周り方向)に回転する(つまり、逆回転する)。そして、取込動作体33のポケット部に受け入れられた遊技球が球抜き通路37から排出されることになる。なお、このとき、取込動作体33の逆回転によりポケット部に受け入れられた遊技球は投入計数スイッチ36を通過することとなる位置(正回転する際に遊技球がポケット部から落下する位置)に到達する前に必ず球抜き通路37に排出される。従って、遊技者が精算をする際に遊技球がポケット部に残留したままということが回避される。
(制御系統の構成)
図10は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。
本実施形態のように遊技球を用いるスロットマシン1では、各構成要素については本体枠70または前面扉21(総称して「枠側」)に付属する構成要素と、遊技ユニット100に付属する構成要素とに大きく分かれる。すなわち、遊技ユニット100には主制御基板121や周辺制御基板126、リール装置110が主に付属している。これら構成要素は、特にリール装置110の有する図柄配列や主制御基板121の制御プログラムに基づいてスロットマシン1のゲーム性を決定づけるものであり、また周辺制御基板126は、その制御プログラムに基づいて演出動作の内容を決定づけている。
一方、本体枠70には、球取込装置30や賞球装置166等の動作機構が付属し、さらに賞球装置166の動作を制御する払出制御基板187や電源系統を構成する電源基板182、分電基板310等が付属している。また前面扉21には、上記のMAXベットボタン40や始動レバー41等の操作部材のほか、左右のスピーカ27や低音スピーカ195、LED装飾312等が付属している。以下、各構成要素について説明する。
(主制御基板)
主制御基板121は、スロットマシン1の遊技の進行を統括的に制御するためのものである。主制御基板121には、CPUやROM、RAM等(例えばROM・RAM内蔵型CPU)の電子部品が実装されている。主制御基板121は主に遊技者の利益に関わる内部抽選を行い、その抽選結果に基づいて各リール111の停止位置を制御する機能を有する。
リール装置110はリール分配基板110cを内蔵し、このリール分配基板110cを介して主制御基板121との通信を行う。上記のようにリール装置110は左、中、右の3つのリール111に対応して3つのリールモータ110aを備え、これら3つのリールモータ110aはそれぞれ対応するリール中継基板110bを介してリール分配基板110cに接続されている。リールモータ110aはステッピングモータからなり、それゆえ主制御基板121からは、各リールモータ110aの駆動(回転または停止)を制御するための駆動パルス信号が個別に出力される。駆動パルス信号はリール分配基板110cにて制御対象となる左、中、右のリール中継基板110bに分配されている。
またリール装置110は、各リール111の回転に関する基準位置を検出するため図示しないリール位置センサを有しており、これらリール位置センサからの検出信号(基準位置信号)がリール分配基板110cを通じて主制御基板121に入力されている。主制御基板121はこの検出信号に基づいて各リール111の回転に関する位置(いずれの図柄が図柄表示窓23内のどの位置に存在しているか)を割り出し、その停止時にいずれの図柄を有効ライン上に停止させるかの制御、つまりリール制御を実行することができる。
遊技ユニット100には設定基板314が装備されており、この設定基板314はスロットマシン1における設定を変更する際に設定変更許可信号や設定変更信号等を主制御基板121に送信する。設定の変更は、スロットマシン1の出玉率(投入数に対する払出数の割合)を段階的に変更するためのものであり、通常、設定1(設定値が1)で最も低い出玉率となり、設定6(設定値が6)で最も高い出玉率となる。なお、このような設定の変更は遊技場の責任者によって行われる。また、スロットマシン1の設定そのものは、メダルを用いるスロットマシンと同じ性質のものである。
(周辺制御基板)
周辺制御基板126は、CPUやROM、RAM、オーディオアンプ、音源IC等を備えており、周辺制御基板126は、主制御基板121から送信される指令信号に基づいて、液晶モジュール130による画像の表示や、左右のスピーカ27および低音スピーカ195の作動を制御するほか、LED装飾312の点灯または点滅を制御している。さらに周辺制御基板126は、主制御基板121から送信される指令信号(例えば、遊技球の取り込みに伴うベット操作音コマンド、払出音コマンド等)を受け取って、液晶モジュール130やスピーカ27,195、LED装飾312の制御を実行することもできる。
なお、液晶モジュール130の具体的な表示動作は液晶制御基板133により制御されており、液晶制御基板133にはVDP(Video Display Processor)や各種の画像データを格納したROM等が装備されている。また液晶制御基板133にはインバータ基板133aが接続されており、インバータ基板133aは液晶モジュール130のバックライトを制御している。
また、各リール111の内周側にはLEDを有するバックライト基板111aが配置されており、このバックライト基板111aは対応する各リール111につき、図柄表示窓23内で上段、中段、下段に位置する図柄に背後からバックライト(透過光)をあてることで、図柄を点灯表示させることができる。3つのバックライト基板111aは、それぞれバックライト中継基板111bを介してバックライト分配基板111cに接続されており、バックライト分配基板111cには、周辺制御基板126から左、中、右の制御対象となるバックライト基板111aに対する点灯信号が送信される。バックライト分配基板111cは、受け取った点灯信号を対象のバックライト中継基板111bに分配している。
(遊技ユニットと本体枠との接続)
遊技ユニット100と本体枠70との接続は、遊技ユニット100に装備されているメイン中継端子板140の他に周辺中継端子板316によっても行われる。このメイン中継端子板140は主制御基板121に接続されており、また周辺中継端子板316は周辺制御基板126に接続されている。
一方、本体枠70(または前面扉21)には操作中継基板318や扉装飾駆動基板320、外部情報払出中継基板322が設けられている。上記のMAXベットボタン40や始動レバー41、3つのストップボタン42,43,44等の操作部材は操作中継基板318を介してメイン中継端子板140に接続されている。これら操作部材は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、その操作信号を主制御基板121に出力する。また、左右のスピーカ27や低音スピーカ195、LED装飾312等は扉装飾駆動基板320を介して周辺中継端子板316に接続されている。
本実施形態では、球取込装置30に駆動基板30aが内蔵されており、この駆動基板30aが操作中継基板318を介してメイン中継端子板140に接続されている。また、上記の投入計数スイッチ36や投入球有無検出スイッチ300、精算レバースイッチ30bそして球取込用モータ35はいずれも駆動基板30aを介して操作中継基板318に接続されている。
その他に操作中継基板318に接続される構成要素として、本体ドアスイッチ324およびパネルドアスイッチ326がある。本体ドアスイッチ324は、本体枠70の開閉状態を検出し、その検出信号を出力する。またパネルドアスイッチ326は前面扉21の開閉状態を検出し、その検出信号を出力する。これら検出信号は、操作中継基板318からメイン中継端子板140を通じて主制御基板121に入力される。
また、操作中継基板318に接続される構成要素として機能表示基板328がある。機能表示基板328は前面扉21に設置されており、図柄表示窓23の周囲にてゲームの進行に伴う各種の情報を表示する機能を有する。機能表示基板328は、毎回のゲームで遊技球の掛け数(ベット数)を表示したり(ベットランプ201)、始動レバー41の操作やベット操作の可否を表示したり(ベット指示ランプ213、スタートランプ214)、ゲーム結果に伴う払い出しがある場合はその払い出し数を表示したり(賞球表示LED215、賞球数カウント表示LED217)、ボーナスゲーム等の特別な遊技状態に移行した場合はボーナス中を表示したりする(告知ランプ211、ゲーム数表示LED216)。
あるいは、スロットマシン1にエラー状態が発生すると、機能表示基板328は所定の表示部にてエラー表示を行うことができる(ゲーム数表示LED216または賞球表示LED215)。主制御基板121は遊技の進行を制御する過程で、機能表示基板328を通じてLEDの点灯表示や7セグメントLEDによる数値表示を制御し、各種情報を表示させることができる。
(払出制御基板)
払出制御基板187は、外部情報払出中継基板322を介して遊技ユニット100に接続されている。上記の賞球装置166は賞球ケース内基板166aを内蔵し、この賞球ケース内基板166aが払出制御基板187に接続されている。また賞球装置166は、賞球用モータ167をはじめ、払出計数スイッチ166bおよび球切れスイッチ166cを内蔵し、これらは賞球ケース内基板166aを介して払出制御基板187に接続されている。なお賞球装置166内には2条の賞球通路が形成されていることから、払出計数スイッチ166bおよび球切れスイッチ166cは賞球通路に対応して2つずつ装備されている。
払出制御基板187と主制御基板121との間では、メイン中継端子板140および外部情報払出中継基板322を介して双方向に通信が行われる。例えば、ゲームの結果に基づき遊技球の払い出しが必要であれば、主制御基板121から規定数分の賞球コマンドが払出制御基板187に送信され、そして払出制御基板187は、受け取った賞球コマンドに対してACK信号を主制御基板121に返信する。なお、このような通信は一般的なパチンコ機の主基板と払出制御基板との間で行われているものと同じである。
前面扉21の奥に位置する連結通路部材290には満タンスイッチ340が設けられている。連結通路部材290内にて遊技球が満杯になると、満タンスイッチ340から満タンスイッチ信号が出力される。払出制御基板187は満タンスイッチ信号を受け取ると、賞球残数があっても払出動作を停止させる制御を行うことができる。
さらに払出制御基板187には、遊技球等貸出装置接続端子板342を介してCRユニット344が接続可能となっている。なお、先の例では現金による球貸し機200を例示していたが、図8の構成においては、プリペイドカード方式によるCRユニット344を例に挙げている。CRユニット344に対応するスロットマシンにおいては、遊技者がCRユニット344にプリペイドカードを挿入し、そこに記録された貸し出し可能度数の範囲内で球貸し操作を行うと、規定個数の遊技球が貸し球として賞球装置166から払い出されるものとなっている。この場合、スロットマシン1の前面扉21には度数表示基板346が設置されており、度数表示基板346は遊技球等貸出装置接続端子板342を介してCRユニット344との間で通信可能となっている。度数表示基板346には、CRユニット344にて読みとられたプリペイドカードの残り度数等の情報が数値表示される。なお、CRユニット344については一般的なパチンコ機で用いられているものをそのまま適用可能である。
(共通外部端子板)
その他、主制御基板121にはメイン中継端子板140および外部情報払出中継基板322を介して共通外部端子板348が接続されており、スロットマシンはこの共通外部端子板348を通じてホールコンピュータ(遊技場にて管理されるコンピュータ)に接続される。共通外部端子板348は、遊技球の出入信号(球取込信号や賞球払出信号)のほか、主制御基板121から送信される各種信号(BBゲーム中等を表す遊技ステータス)をホールコンピュータに中継している。なお、「BB」はビッグボーナスの略号のことをいう。
(電源基板)
上記の電源基板182は分電基板310を通じて外部電源(例えばAC24V)から電力を取り込み、スロットマシン1の作動に必要な電力(例えばDC24V,12V)を生成する。本実施形態では、電源基板182から払出制御基板187に電力が供給され、そこからさらに遊技ユニット100やその他の機構要素への電力が順次橋渡しされるようにして供給されている。
以上がスロットマシン1の構成例である。スロットマシン1によるゲームは、遊技者が遊技球の掛け数を決定した状態で始動レバー41を操作するとリール111が回転し、この後、遊技者がストップボタン42,43,44を操作すると、左、中、右の対応するリール111が停止制御され、そして、全てのリール111が停止すると、有効ライン上での図柄の組み合わせ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて該当する当選役に対応する規定数の遊技球が付与される。
(当選役と図柄の組み合わせ態様)
ここで、スロットマシン1の当選役と、それに対応する図柄の組み合わせ態様について具体的に説明をする。図11は、スロットマシン1の各当選役と対応する図柄の組み合わせ態様及びその遊技特典を示したものである。
リール帯の図柄列については既に説明したとおりであるが、個々のリール111a,111b,111cにはそれぞれリール帯112a,112b,112cが付されている。リール帯ごとに図柄の順番(列の順序)はそれぞれ異なった順番になっており、例えば、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓23内に表示されることの無いものとなっている。
そして、全てのリール111を停止させた際に図柄表示窓23内に表示される表示内容から所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示窓23内で前述の有効ライン(3ライン〔右上がり及び右下がり〕、Vの字ライン、への字ライン)のうちのいずれか1つに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。
以下では、当選役に対応する図柄の組み合わせ態様がいずれか一つの有効ライン上に表示された場合のことを、当選役図柄(当選役に対応する図柄の組み合わせ)が揃う、あるいは当選役図柄が揃った、という。
スロットマシン1の図柄には、「赤7」、「菱形」、「月形」、「六角形」、「四角形」、「丸形」、「星型」があることは既に述べたとおりであるが、このうち、「赤7」は他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールが停止した状態を含めた状態で遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。即ち、「赤7」は、リールの停止に加えて、リールの回転中もその色が赤であり、他の図柄(他の図柄は水色)に比べて視認し易いため(リール回転中でも、水色のなかに赤い色を見つけることは容易である)、遊技者が目標の図柄にすることが容易である。また、それぞれのリール帯の図柄列で「赤7」が一つずつしかないことからも、赤い色をリールの回転中に目立たせることが可能である。
これらの図柄はそれだけでは象徴的な図柄(図柄1つだけでは当選役に対応しない)に過ぎないものであるが、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。具体的に図11に示された各当選役に対応する所定の図柄の組み合わせ態様について説明する。
(ビッグボーナス)
ビッグボーナス(省略してBB、以下ではBBと呼称する)は、図11で、BBと示されているものが該当する。BBには対応する図柄の組み合わせ態様として「赤7−赤7−赤7」が予め決められている。
BB図柄が揃うと、ビッグボーナスゲーム(省略してBBゲーム)という遊技特典が付与される。このBBゲームでは、遊技球の獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われることになる。これは、規定個数の賞球(例えば、1650個)を遊技者に払い出すまで継続して実行される。規定個数分の賞球の払い出しが終了すると(規定個数を超えた場合も含む)、BBゲームは終了となる。この規定個数(賞球数)は最終的に遊技者が獲得することのできる遊技球の数である。つまり、BBゲームの終了した時点で遊技者の手元に残る遊技球の総数のことである。
また、スロットマシン1では、BB図柄が揃った際に、賞球は付与されない。従って、BB図柄が揃うことはBBゲームへ移行させるための契機としての役割を持っていることになる。そして、BB図柄はそれぞれのリールの図柄列上で配置される数が他の図柄に比べて相対的に少ない(各リールごとに1つ)となっており(図6参照)、BB図柄を揃えるためにはBB図柄を図柄表示窓23内に正確に狙って停止操作(ストップボタンを押す操作)をする必要がある。このように目的の図柄を狙って停止操作を行うこと、即ち「目押し」は、スロットマシン1に代表される回胴式遊技機における技量の一つである。
よって、「目押し」の技量が高ければ(主に遊技に熟練した遊技者等)、目的の図柄を狙った位置(例えば、図柄表示窓23内)に表示させる(あるいは停止させる)停止操作が可能となり、「目押し」の技量が低ければ(熟練度が低い遊技者、主に遊技に未熟な遊技者等)、目的の図柄を狙った位置に表示(停止)させることが難しいこととなる。
(シングルボーナス)
シングルボーナス(省略してSB、以下ではSBと呼称する)は、図11で、SBと示されているものが該当する。SBには対応する図柄の組み合わせ態様として「六角形−星形−六角形」が予め決められている。
SB図柄が揃うと、シングルボーナスゲーム(省略してSBゲーム)という遊技特典が付与される。このSBゲームでは、次回の遊技のみ特定の当選役について高確率で当選することのできる特典が与えられる。そして次回の遊技が終了するとSBゲームは終了する。つまり、SBゲームは、SB図柄が揃ったゲームを契機として、その次回のゲーム1回のみ行われるゲームということになる。
また、SB図柄が揃った際にもBB図柄が揃ったときと同様に賞球は付与されない。つまり、SB図柄が揃うことはSBゲームへ移行するための契機ということになる。なお、SB図柄を成すそれぞれの図柄(「六角形」、「星形」)はそれぞれのリール配列上でそれぞれ満遍なく付されているため、BB図柄と異なり、「目押し」が不要となっている。この「目押し」が不要なことと、図柄が満遍なく付されていることとの関係については後述するリール停止処理において詳細に説明をする。また、図柄が付されているとは、図柄帯上に図柄が配置されていると言い換えることもできる。
(リプレイ)
リプレイは、図11で、リプレイ1及びリプレイ2と示されているのもが該当する。リプレイには対応する図柄の組み合わせ態様として「月形−丸形−月形」がリプレイ1に対応し、「六角形−丸形−六角形」がリプレイ2に対応するものとしてそれぞれ予め決められている。なお、以下ではリプレイという場合には、リプレイ1及びリプレイ2を含むものとする。
リプレイ図柄が揃うと、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームでは、改めて遊技球を掛けることなく(ベットすることなく)次回のゲームを実行できる特典が与えられる。これは、再遊技とも呼ばれるものである。また、再遊技の際には、リプレイ図柄が揃ったときと同じ条件(ベット数及び有効ライン)のもとで次回のゲームが実行されることになる。つまり、ベット数も有効ラインの数もリプレイ図柄が揃った際のゲームと同じということである。
そして、リプレイ図柄が揃った際には賞球は付与されない。その代わりに次回のゲームに改めて遊技球をベットする必要のない遊技特典が付与される。このようにリプレイ図柄が揃うと、次回の遊技に新たに遊技球をベットする必要が無いことより、リプレイは1回分のベット数(15個)で2回の遊技ができる当選役であるともいえる。
従って、リプレイ図柄が揃うことが多くなれば、その分だけ遊技者が改めて遊技球をベットする頻度が減少することになる。またリプレイ図柄を成すそれぞれの図柄(「月形」、「丸形」、「六角形」)についてもそれぞれのリール配列上でそれぞれ満遍なく付されているので「目押し」が不要となっている。この「目押し」が不要なことと図柄が満遍なく付されていることとの関係等については後述するリール停止処理において詳細に説明をする。
(小役)
小役は、図11で、小役1及び小役2と示されているものが該当する。小役には対応する図柄の組み合わせ態様として「月形−星形−月形」が小役1に対応し、「菱形−星形−菱形」が小役2に対応するものとしてそれぞれ予め決められている。なお、以下では小役という場合には、小役1及び小役2を含むものとする。
小役図柄が揃うと、小役に対応する規定数の遊技球が賞球として付与される。この規定数は、例えば、小役1では30個、小役2では30個と予め決められているものである。つまり、小役では30個の遊技球が賞球として付与されるという遊技特典が与えられることになる。そして、小役図柄が揃った当該ゲームで規定数の遊技球が払い出されると小役の遊技特典は終了することになる。つまり、小役の遊技特典は1回のゲーム(当該ゲーム)で終了するものである。また、小役図柄を成すそれぞれの図柄(「月形」、「星形」、「菱形」)についてもそれぞれのリール配列上でそれぞれ満遍なく付されているため「目押し」が不要となっている。この「目押し」が不要なことと図柄が満遍なく付されていることとの関係等については後述するリール停止処理において詳細に説明をする。
(稀有小役)
稀有小役は、図11で、稀有小役と示されているものが該当する。稀有小役には対応する図柄の組み合わせ態様として「菱形−赤7−菱形」が予め決められている。
稀有小役図柄が揃うと、稀有小役に対応する規定数の遊技球が賞球として付与される。この規定数は、例えば、1個と予め決められているものである。つまり、稀有小役では小役の遊技特典と同様に規定数(1個)の遊技球が賞球として付与されるという遊技特典が与えられることになる。そして、稀有小役図柄が揃った当該ゲームで規定数の遊技球が払い出されると稀有小役の遊技特典は終了することになる。つまり、稀有小役の遊技特典も小役と同様に、1回のゲーム(当該ゲーム)で終了するものである。但し、稀有小役図柄を成すそれぞれの図柄(「菱形」、「赤7」)のうち、「赤7」についてはリール配列上1個のみの配置となっており、稀有小役図柄を揃えるためには「目押し」が必要となる。
また、稀有小役の賞球としては、1個の賞球しか払い出されない。この1個とは、前述したメダル1枚に相当する個数(5個)に満たない個数である。この5個をベット数(掛け数)の最小単位とすれば、稀有小役は、最小単位に満たない個数の賞球が付与される当選役であるということもできる。
(ハズレ)
ハズレは、図11で、いずれの当選役にも該当しないもののことをいう。そして、ハズレとなった当該ゲームでは、遊技者に賞球等は何も付与されずに当該ゲーム1回で終了となる。つまり、ハズレは遊技者に当該ゲームにおいては何の遊技特典も付与しない当選役ということもできる。
スロットマシン1のリール帯上に配置される図柄のうち、「四角形」は、上記のいずれかの当選役に対応する図柄の組み合わせ態様には含まれない図柄である。つまり、「四角形」を含む図柄の組み合わせ態様となった際には、ハズレに該当することになる。このような図柄(「四角形」)は、いわゆる「ハズレ図柄」と呼ばれる図柄であり、「四角形」が含まれた図柄の組み合わせ態様「四角形−ANY−ANY」、「ANY−ANY−四角形」、「四角形−ANY−四角形」はハズレに対応する図柄の組み合わせ態様ということになる。なお、これらの組み合わせの中で「ANY」とはどの図柄でもよいということを指す。
また、ハズレに対応する図柄の組み合わせ態様には、「四角形」を含む組み合わせ以外に、上記の当選役(BB、SB、リプレイ、小役、稀有小役)図柄が揃わなかった場合の図柄の組み合わせ態様も含まれる。なお、以下では、ハズレに対応する図柄の組み合わせ態様が表示された場合のことを、ハズレ図柄が揃う、あるいはハズレ図柄が揃った、という。
また、スロットマシン1では複数の有効ラインを設けているため、ある一つの有効ライン上でハズレ図柄が揃っていても、他の有効ライン上では当選役図柄が揃うことがある。このような場合には、ハズレとはならず、揃っている当選役図柄に対応する当選役の遊技特典が付与されることになる。つまり、ハズレとなるのは、いずれの有効ライン上にも当選役図柄が揃わなかった場合のことをいう。
以上がスロットマシン1におけるそれぞれの当選役と、それぞれの当選役に対応する図柄の組み合わせ態様である。なお、これらの図柄は上記で説明した図柄や図柄の組み合わせ態様に限定されるものではない。また、上記の図柄に加えて複数種類の図柄を新たに設けることもできる。そして、当選役の種類をさらに増やすことや、あるいは減らすこともできる。なお、上記で述べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役を選ぶこととしてもよい。
(ゲーム処理)
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、主制御基板121のCPUにて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。なお、図中のSは制御のステップを示す。
図12は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。先ずS1においては、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
S2では、球受け皿26に載置された遊技球を用いた掛け数の決定待ちの状態であり、掛け数が決定され、始動レバー41の操作が受け付けられた時点で掛け数を確定するBET処理を実行する。具体的には、MAXベットボタン40の押下操作により球取込装置30に対して取込制御コマンドを送信し、取込完了コマンドを受け取ることで掛け数が決定される。ここで掛け数が決定された時点で始動レバー41の操作を受け付けることが可能な状態となる。なお、本実施形態のスロットマシン1では掛け数を決定するためのボタンをMAXベットボタンのみとしているが、別に1BETボタン、2BETボタンを設けることとしてもよい。
S3では、S2における始動レバー41の操作によるゲームスタートに伴い、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、全てのリール111が停止される前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするか否かを決定するために実行されるものである。即ち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、その当選役が許容されるのである。
S4では、S3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール111を回転させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール111が回転をした時点でストップボタン42,43,44の押下操作を有効とし、ストップボタンが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリールの回転が開始されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプはストップボタン42,43,44にそれぞれ内蔵されるランプである。つまり、ストップボタンの操作が有効となると、ストップボタンがそれぞれ点灯することとなる。
S5では、遊技者によるストップボタン42,43,44の押下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール111a,111b,111cの回転を停止させるリール停止処理を実行する。
S6では、S5において全てのリール111の回転が停止されたと判定した時点で、図柄表示窓23内に表示された表示内容と、S3において決定された内部抽選の結果として許容されているものを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行するとともに、当選役に対応する各種遊技特典の付与を実行する。この各種遊技特典の内容としては、例えば、賞球の付与、遊技状態の変更、再遊技等がある。
S7では、S6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づく払出処理を実行する。具体的には、当選役に対応する賞球数の払出しを指示する払出制御コマンドの払出制御基板187への送信や、遊技状態の変更(BBゲームから通常ゲームへ、または通常ゲームからBBゲームへの変更等)を行う処理等を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、S2(BET処理)及びS3(内部抽選処理)及びS4(リール回転処理)は、一連の操作として遊技者により行われるものである。従って、これらの処理(S2、S3、S4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
(始動処理)
図13は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。なお、図中の点線で囲まれた部分は、それぞれの処理(前述のS2、S3、S4)の該当する部分を示している。
始動処理で始めに実行されるBET処理を示しているのが破線で囲まれた部分S2である。BET処理では、先ずMAXベットボタン40の押下操作の検出の有無が確認される(S101)。ここで、遊技者によるMAXベットボタン40の押下操作が検出されると、主制御基板121と球取込装置30とでデータの送受信が行われ、それに伴って遊技球の取込みが実行される(取込処理、S102)。
S102の取込処理では、MAXベットボタンの押下操作が検出された場合に、主制御基板121から該当する掛け数を決定するのに必要な球数の取込を指示する旨の取込制御コマンドを球取込装置30内の駆動基板30aに対して送信する。これに基づき球取込装置30内の駆動基板30aでは、指示された取込球数分の取込処理を実行する。具体的には、球取込装置30に対して取込指示信号を出力し、指示された取込球数分の遊技球の取り込みを実行させるとともに、球取込装置30から出力される取込球検出信号により、指示した球数分の遊技球の取り込みが確認された時点で、取込完了コマンドを主制御基板121に対して返信する。また、これに伴い、取込球数を示す球IN信号の外部出力制御を行う(これにより、ベット指示ランプ213が消灯し、ベットランプ201が全て点灯することになる)。一方、取込完了コマンドの返信を受けた主制御基板121では、取り込みが正常に行なわれたことを確認し、該当する掛け数を決定する。
取込処理が終了すると、始動レバー41の操作が有効化される(S103)。始動レバー41の操作が有効化されると、始動レバー41の操作が受け付けられるまで操作待ちの状態となる。即ち、遊技者の始動操作待ちの状態となる。ここまでが、BET処理(前述のS2)に該当する処理の内容である。
また、リプレイゲームでは、新たにベットを必要としないのでS101及びS102は実行されずに始動レバーが有効化された状態で以降の処理へと進むことになる(S101=No)。つまり、リプレイゲームではMAXベット及び始動レバー操作の有効化(再遊技では新たな遊技球の取込は不要なため、取込処理は実行されない)が、遊技者の操作を受け付けることなく行われることになる。なお、このことは言い換えれば、リプレイゲームでは取込処理を経ずにMAXベットとなった状態で始動レバーが有効化されるということである。
BET処理に次いで実行される内部抽選処理(前述のS3)を示しているのが一点鎖線で囲まれた部分S3である。始動レバーの操作が有効化された後、始動レバー41の操作が受け付けられると、S104の判断が肯定(Yes)されて、次に始動レバーの操作が無効化される(S105)。始動レバーの操作が無効化されると、その後に始動レバーが操作されてもその操作は受け付けられない状態となる。
始動レバー41の操作が受け付けられると、これを契機として乱数の抽出が行われる(S106)。このとき抽出された乱数値のことを抽出乱数値という。なお、始動レバー41の操作を受け付けてから乱数を抽出するタイミングは、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設けることができる。
S107のフラグ処理では、S106で抽出された乱数値の照合が行われる。ここで行われる照合とは、抽出乱数値がいずれかの当選役に対応する乱数値と一致するか否かを判断することである。つまり、S104の始動操作を契機としてS106で乱数値が抽出され、その抽出された乱数値がいずれかの当選役に該当する乱数値であるか否かが照合される(S107)までの一連の処理が内部抽選処理(前述のS3)に該当することになる。そして、この内部抽選処理で行われる乱数の抽出から照合までが内部抽選と呼ばれる。
この内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が当該ゲームで当選した当選役として許容される。ここで許容された当該ゲームでの抽選結果は、「内部抽選フラグ」という内部抽選の結果を示す情報コマンドとして以降の処理(リール停止処理、判定処理、払出処理等)に反映されることになる。
本実施形態のスロットマシン1では、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(これを抽出範囲という)が予め決められている。この抽出範囲は、例えば、0から16383までの整数値(つまり、214=16384個の乱数)と決めることができる。
この抽出範囲内では、それぞれの当選役に対応する乱数値が予め割り当てられている。例えば、抽出範囲(0から16383)内の乱数値のうち、BBに対応する乱数値を「1」とすれば、抽出乱数値が「1」となった場合に、内部抽選の結果はBBに当選ということになり、BBの内部抽選フラグが当該ゲームでの情報コマンドとして処理されることになる。また、抽出範囲及びBBに対応する乱数値から、BBの当選確率を算出することができる。この場合には、
〔 BBに対応する乱数値の総個数/抽出範囲の乱数値の総個数 〕
が、1/16384となり、BBの当選確率は1/16384であるということになる。
また、全ての当選役にはそれぞれ対応する乱数値が決められており、これらの乱数値は、それぞれの当選役に対応する当たり値と呼ばれる。上記のBBの場合は、「1」がBBに対応する当たり値ということである。また、当たり値が複数存在する場合、例えば、BBの当たり値を連続する乱数値「1」、「2」、「3」、「4」とする場合、BBの当たり値の範囲は乱数値「1」から「4」までとなる。そして、抽出乱数値が乱数値「1」から「4」までのいずれかに該当すると判断される(照合される)と、内部抽選の結果としてBBに当選したことになる。
このように全ての当選役はその当たり値の範囲が決められており、内部抽選では抽出乱数値がいずれかの当選役の当たり値に該当するか否かが判断されることになる。このとき、いずれの当選役の当たり値にも該当しない場合は、ハズレに該当することとなる。言い換えれば、ハズレの当たり値の範囲は、当選役の当たり値の範囲以外ということになる。なお、当たり値は当選許容値とも呼ばれることもある。
以上のことから、S107のフラグ処理では、抽出乱数値がいずれかの当選役の当たり値に該当するか否かが判断(照合)されることになる。このとき、いずれかの当選役の当たり値に該当すると判断された場合、その該当する当選役に対応する内部抽選フラグがONにされるとともに、主制御基板121から情報コマンド(該当する当選役の内部抽選フラグ)が周辺制御基板126に送信される。ここで、該当する当選役の内部抽選フラグがONにされることとは、その該当する当選役が当該ゲームの結果として許容されたことをいう。
また、いずれの当選役にも当選しなかったと判断された場合、抽出乱数値はハズレの当たり値に該当することになり、ハズレの内部抽選フラグがONにされるとともに、主制御基板121からハズレの情報コマンドが周辺制御基板126に送信される。
内部抽選処理に次いで実行されるリール回転処理(前述のS4)を示しているのが二点鎖線で囲まれた部分S4である。内部抽選処理が行われると、リールを回転させるための処理が実行される。ここでは先ず、リールの回転を開始させる前にタイマカウントが終了しているかが判断される(S108)。このタイマカウントは、ウェイトタイマと呼ばれるタイマによって計測される。ウェイトタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。つまり、前回のリールの回転が開始されたときから所定時間が経過している場合は、S108の判断が肯定(Yes)され、所定時間が経過するまではS108の処理をループすることになる。
タイマカウントが終了していると判断されると(S108=Yes)、全てのリールの回転が開始される。このとき同時に新たにタイマカウントも開始される。全てのリールの回転の速さが一定となると、それぞれのストップボタン42,43,44の操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者はストップボタンの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
また、スロットマシン1では、リール回転処理で回転を開始したリールは遊技者による停止操作(ストップボタンの押下操作)が受け付けられるまで回転を維持し続けることになる。
(内部抽選確率)
スロットマシン1の内部抽選処理において行われる内部抽選の確率(内部抽選確率)について、図14を参照しながら説明をする。図14(a)では、各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)が具体的に示されている。抽出範囲(0から16383までの乱数値)において、0から49まで(乱数値の総数は50個)はBB、50から2749まで(乱数値の総数は2700個)は小役1、2750(乱数値の総数は1個)は稀有小役、2751から4994まで(乱数値の総数は2244個)はリプレイ1、4995(乱数値の総数は1個)は小役2、4996(乱数値の総数は1個)はリプレイ2、4997から5096まで(乱数値の総数は100個)はSB、5097から16383(乱数値の総数は11287個)はハズレと、それぞれに対応する当たり値が振り分けられている。
なおスロットマシン1では、抽出範囲の乱数値を0から16383まで(214=16384個の乱数値)としているが、0から32767まで(215=32768個の乱数値)や、0から65535まで(216=65536個の乱数値)をとるものとしてもよい。乱数の抽出範囲を拡大すると、その分だけ抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こりにくくなる。
内部抽選処理では、抽出乱数値がこれらの当たり値の範囲〔図14(a)〕のうち、いずれに該当するかが判断(照合)されることになる。また、図14からは各当選役の内部抽選確率(あるいは当選確率ともいう)を算出することができる。各当選役の内部抽選確率は、
BB 50/16384(1/327.680)
SB 100/16384(1/163.840)
小役1 2700/16384( 1/6.068)
小役2 1/16384
稀有小役 1/16384
リプレイ1 2244/16384( 1/7.301)
リプレイ2 1/16384
ハズレ 11287/16384( 1/1.452)
ということになる。
(共有当たり値)
BBの当たり値(0から49までの乱数値)はさらに複数の区分に分けられている。BBの当たり値の区分は、
BB+リプレイ1 0から1まで(乱数値の数は2個)
BB+小役1 2から9まで(乱数値の数は8個)
BB+リプレイ2 10から11まで(乱数値の数は2個)
BB+小役2 12から30まで(乱数値の数は19個)
BB 31から49まで(乱数値の数は19個)
にそれぞれ分けられる。
このうち、抽出乱数値が「BB+BB以外の当選役」となっている区分の当たり値に該当する場合、BB及びBB以外の当選役(その他の当選役)との2つの内部抽選フラグがONにされる。例えば、「BB+リプレイ1」の当たり値に抽出乱数値が該当すると、BB及びリプレイ1の内部抽選フラグがONにされることになる。また、「BB+小役2」の当たり値に抽出乱数値が該当すると、BB及び小役2の内部抽選フラグがONにされることになる。
従って、「BB+BB以外の当選役」の当たり値に抽出乱数値が該当すると、BB及びBB以外の当選役の双方に当選したと判断されることとなる。これは言い換えれば、BBの当たり値とBB以外の当選役の当たり値が同じ(同一)ということである。つまり、一つの当たり値に対応する当選役が複数存在するということである。このように、複数の当選役に対応する当たり値を同一の当たり値として共有させる当たり値のことを「共有当たり値」と呼ぶ。
一方、「BB(BB以外の当選役がない)」となっている区分の当たり値に抽出乱数値が該当すると、BBのみの内部抽選フラグがONにされる。この場合は、一つの当たり値に対応する当選役が一つということになる。このように、一つの当たり値に一つの当選役を対応させた当たり値のことを「専有当たり値」と呼ぶ。
「共有当たり値」に含まれるBB以外の当選役、即ち、小役1、小役2、リプレイ1、リプレイ2は、「専有当たり値」の小役1、小役2、リプレイ1、リプレイ2と全く同じ遊技特典に対応するものである。従って、抽出乱数値が「共有当たり値」の小役1(あるいは小役2)に該当する場合の賞球数については「専有当たり値」の小役1(あるいは小役2)と同じく30個となる。また「共有当たり値」のリプレイ1(あるいはリプレイ2)に該当する場合の遊技特典としても「専有当たり値」のリプレイ1(あるいはリプレイ2)と同様にリプレイゲームが付与されることになる。
また、以下では、特に断わりの無い限り、小役1(小役2)と呼ぶ場合には、「専有当たり値」の小役1(小役2)と「共有当たり値」の小役1(小役2)をともに含むものとする。同様に、リプレイ1(リプレイ2)と呼ぶ場合には、「専有当たり値」のリプレイ1(リプレイ2)と「共有当たり値」のリプレイ1(リプレイ2)をともに含むものとする。
なお、図14(b)は後述するBBゲームにおける各当選役の当たり値を具体的に示している。ここでの当たり値の特徴としては、ハズレの当たり値が無く、小役1の当たり値の範囲が抽出範囲のほとんどを占めている(16355/16384)ことが挙げられる。従って、BBゲームでは小役1が内部抽選の結果となる可能性が増加することになる。なお、ここでいう小役1は「専有当たり値」の小役1のことを指す。また、BBゲームでの当たり値(BBゲーム用の当たり値)についてはBBゲーム遊技処理にてさらに詳細に説明をする。
また、図14(c)は後述するSBゲームにおける各当選役の当たり値を具体的に示している。ここでの当たり値の特徴としては、SBの当たり値が無く、小役2の当たり値が増加(当たり値の数が1個から1024個に増加)していることが挙げられる。従って、SBゲームでは小役2が内部抽選の結果となる可能性が増加することになる。なお、ここでいう小役2は「専有当たり値」の小役2のことを指す。また、SBゲームでの当たり値(SBゲーム用の当たり値)についてはSBゲーム遊技処理にて詳細に説明する。
(リール停止処理)
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまりストップボタンの押下操作)待ちの状態となる。図15では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、当該ゲームでの内部抽選の結果を示す内部抽選フラグにしたがってリール制御テーブルが選択される(S201)。このリール制御テーブルは予め全ての内部抽選フラグについてパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとして主制御基板121のROMに格納されている。
当該ゲームでの内部抽選フラグに基づいてリール制御テーブルが選択された状態で、ストップボタン42,43,44が押下されるまで待ち受け状態となる(S202、S210、S217)。これらの待ち受け状態で、左リール(リール111a)、中リール(リール111b)、右リール(リール111c)の各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(=0、つまりOFFの状態)であるか否かが判断されるとともに、合わせてストップボタン42,43,44のいずれかが押下されたかが判断される。全てのストップボタン(ストップボタン42,43,44)が押下されるまでは、S209の判断が否定(No)されてS202以降の処理が繰り返される。
また、ストップボタンについてそれぞれストップボタン42を左ストップボタン、ストップボタン43を中ストップボタン、ストップボタン44を右ストップボタンと呼ぶ。ストップボタンの押下された順番(停止操作手順)により、それぞれ「順押し」、「逆押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順とも呼ばれる)に分けられる。
上記でいう「順押し」の停止操作手順とは、左リールを第1番目に停止させる操作手順(つまり、左ストップボタンを第1番目に押下させる操作手順)のことをいい、
〔 左リール→中リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 左リール→右リール→中リール 〕の順番で停止操作が受け付けられる操作手順である。なお、後者の操作手順は特に「順はさみ押し」とも呼ばれる。
「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リールを第1番目に停止させる操作手順(つまり、右ストップボタンを第1番目に押下させる操作手順)で停止操作を行うことをいい、
〔 右リール→中リール→左リール 〕、
あるいは、
〔 右リール→左リール→中リール 〕の順番で停止操作が受け付けられる操作手順である。なお、後者の操作手順は特に「逆はさみ押し」とも呼ばれる。
「中押し」の停止操作手順とは、中リールを第1番目に停止させる操作手順(つまり、中ストップボタンを第1番目に押下させる操作手順)のことをいい、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕の順番で停止操作が受け付けられる操作手順である。
S201でストップボタンの押下操作の待ち受け状態からいずれかのストップボタンが押下される場合、例えば、「順押し」の操作手順に沿って最初(第1番目)に左ストップボタンが押下されたとすると(S202=Yes)、この時点では第1リール停止フラグがOFFの状態となっており(S203=Yes)、左リールについて第1リール停止処理(S204)が実行される。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。
また、「中押し」の操作手順に沿って最初に中ストップボタンが押下されると(S211=Yes、S212=Yes)、中リールについて第1リール停止処理(S213)が実行される。あるいは、「逆押し」の操作手順に沿って最初に右ストップボタンが押下されると(S219=Yes、S220=Yes)、右リールについて第1リール停止処理(S221)が実行される。
ここで、上記の「順押し」の操作手順に沿って左リールが第1番目に停止するリールとなる場合を例にとると、S204で左リールについて第1リール停止処理が行われる。第1リール停止処理では、内部抽選フラグに対応するリール制御テーブルに基づいて停止位置が制御される。また、このとき主制御基板121は左リールに表示された停止目を表す停止情報コマンド(第1停止情報コマンド)を周辺制御基板126に送信する(S206)。
S206に次いでS208では第1リール停止フラグがON(=1)にされるとともに、左リール停止フラグがONにされる(S209)。左リール停止フラグがONになった段階では中リール、右リールはまだ回転中で停止していないのでS210の判断が否定(No)されて、S202以降が繰り返される。
再びS202以降の処理が行われるとき、すでに左リールが停止しているのでS202の判断が否定(No)される。「順押し」の操作手順に沿うと次に中ストップボタンが押下されることになり、S211の判断が肯定(Yes)される。このとき、すでに第1リール停止フラグがONとなった状態であるので中リールは第1リールではないと判断されて(S212=No)、中リール停止処理が実行される(S214)。
中リール停止処理では、内部抽選フラグに対応するリール制御テーブル(「順押し」用)に基づいて停止位置が制御される。また、このとき主制御基板121は、中リールの停止目を表す停止情報コマンド(第2停止情報コマンド)を周辺制御基板126に送信する(S216)。そして、この場合、中リールは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、S213、S215、S217は全て迂回され、S218で中リール停止フラグがONにされるだけとなる。
左リールフラグ及び中リールフラグがONになった段階では、まだ右リールが回転中で停止していないのでS209の判断が再び否定(No)されて、S202以降が繰り返される。S202では、すでに左リール及び右リールが停止しているのでS202及びS211の判断が否定(No)される。
そして、最後に右ストップボタンが押下されるとS219の判断が肯定(Yes)される。このとき、すでに第1リール停止フラグがONとなった状態であるので右リールは第1リールではないと判断されて(S220=No)、右リール停止処理が実行される(S222)。
右リール停止処理でも、内部抽選フラグに対応するリール制御テーブルに基づいて停止位置が制御される。また、このとき主制御基板121は、右リールの停止目を表す停止情報コマンド(第3停止情報コマンド)を周辺制御基板126に送信する(S224)。そして、この場合、右リールは第3番目に停止するリール(第3リール)となり、S221、S223、S225は全て迂回され、S226で右リール停止フラグがONにされるだけとなる。
ここまでの処理を経て全てのリール停止フラグがONとなると、S210の判断が肯定(Yes)されてリール停止処理は終了する。
(リール制御テーブル)
図16及び図17は、スロットマシン1のリール制御の内容を具体的に示したリール制御テーブルである。前述した通り、リール制御テーブルは内部抽選フラグに対応して予め決められており、各リールの停止制御はこのリール制御テーブルにしたがった停止制御が行われる。例えば、内部抽選フラグが小役1に該当する場合には小役1に対応するリール制御テーブルにしたがったリールの停止制御が行われ、その他の当選役に対応するリール制御テーブルにしたがったリールの停止制御は行われない。なお、図16及び図17で示すリール制御テーブルはリールの停止操作手順を問わず共通のものである(「順押し」、「逆押し」、「中押し」であっても同じリール制御テーブルである)。説明に際しては、「順押し」のリール停止操作手順にしたがって説明する。
図16では例として内部抽選フラグが小役1に該当する(つまり、抽出乱数値が小役1の当たり値の範囲に該当する)場合のリール制御テーブルを示している。また、この例の小役1は「専有当たり値」の小役1とする。
図16には、それぞれ左リール、中リール、右リールの図柄帯の図柄列が記されている。リールの回転方向は配列番号の降順となる。即ち、「1→14→13→中略→3→2→1」という順がリールの回転方向となる。
また、それぞれの図柄列には「スベリ数」がつけられており、0、1、2のいずれかの数値を対応させている。ここで「スベリ数」とは、図柄表示窓23内の下段位置に目的の図柄を停止させる場合、その目的の図柄がそのまま(下段位置で)停止するか(スベリ数0の場合)、それとも下段位置から1個の図柄分だけリールの回転方向に移動するか(スベリ数1の場合)、あるいは下段位置から2個の図柄分だけリールの回転方向に移動するか(スベリ数2の場合)を表した数のことである。
言い換えれば、図柄表示窓23内の下段位置に目的の図柄を停止させて、その目的の図柄がそのまま停止すればスベリ数は0ということになる。例えば、左リールの「赤7」(配列番号1番)はスベリ数が0なので、この「赤7」を図柄表示窓23内の下段位置に停止させると、そのまま「赤7」が下段位置に停止することになる。なお、これは、いわゆる「ビタ止まり(停止操作後すぐに止まる、そのときビタッとリールが止まるように見えることから)」とも呼ばれる。
一方、1個の図柄分だけリールの回転方向に図柄が移動して停止したとすれば、このときのスベリ数は1ということになる。例えば、中リールの「丸形」(配列番号2番)はスベリ数が1なので、この「丸形」を図柄表示窓23内の下段位置に停止させると、下段位置から1個の図柄分だけリールの回転方向に移動して「丸形」が停止することになる。
同様に2個の図柄分だけリールの回転方向に図柄が移動して停止したとすれば、このときのスベリ数は2ということになる。例えば、右リールの「四角形」(配列番号6番)はスベリ数が2なので、この「四角形」を図柄表示窓23内の下段位置に停止させると、下段位置から2個の図柄分だけリールの回転方向に移動して「四角形」が停止することになる。
このように、目的の図柄が1個あるいは2個の図柄分だけリールの回転方向から移動したうえで停止することは「スベリ」あるいは「スベリ停止」と呼ばれ、このようなリール制御のことをスベリ制御と呼ぶ。そのためリール制御テーブルは「スベリ制御テーブル」と呼ばれることもある。前述の「ビタ止まり」も0個の図柄分だけ滑るともいえるので「スベリ制御」に含めることができる。なお、「スベリ制御」により図柄がリールの回転方向に移動して停止することを「図柄が滑る」、あるいは「図柄が滑った」ともいう。
この例では、抽出乱数値が小役1の当たり値に該当していることから、図柄の組み合わせ態様「月形−星形−月形」がいずれか一つの有効ライン上に表示される結果となれば小役1図柄が揃ったことになる。なお、以下ではリールを停止させる際に目的の図柄を図柄表示窓23内の上段(あるいは中段あるいは下段)位置に停止させることをリールの上段(あるいは中段あるいは下段)位置に目的の図柄を停止させるという。
左リールについて見ると、例えば、配列番号4番から7番までには「月形」が配置されていない。このとき、左リールの下段位置に配列番号6番の「四角形」を停止させると「スベリ制御」によりこの「四角形」が下段位置から1個の図柄分だけ滑って停止する。また、配列番号7番の「菱形」を下段位置に停止させると「スベリ制御」によってこの「菱形」が下段位置から2個の図柄分だけ滑って停止する。そして、これらの場合、最終的に左リールの下段位置には配列番号5番の「四角形」が停止することになる。
配列番号4番から7番の「スベリ制御」と同様のことが、配列番号9番から12番についてもいえる。これらの「スベリ制御」により、左リールの上段位置に「月形」が停止する。また、上記以外の配列番号の箇所についても「スベリ制御」により、左リールの上段位置あるいは下段位置のいずれかに「月形」が必ず停止する。
上記のことから、左リールについては小役1図柄が揃うために必要な図柄(「月形」)がリールの上段位置または下段位置に必ず停止することとなる。これにより、有効ラインを形成するために必要な左リール上の位置(上段位置あるいは下段位置)に少なくとも左リールの小役1図柄は表示されることになる。
右リールについても同様のことがいえる。例えば、右リールの配列番号3番から6番までには「月形」が配置されていないが、右リールの下段位置に配列番号5番の「四角形」を停止させると「スベリ制御」によりこの「四角形」が下段位置から1個の図柄分だけ滑って停止する。また、配列番号6番の「四角形」を下段位置に停止させると「スベリ制御」によってこの「四角形」が下段位置から2個の図柄分だけ滑って停止する。そして、これらの場合、最終的に右リールの下段位置には配列番号4番の「六角形」が停止することになる。
配列番号3番から6番の「スベリ制御」と同様のことが、配列番号8番から11番についてもいえる。これらの「スベリ制御」により、右リールの上段位置に「月形」が停止する。また、上記以外の配列番号の箇所についても「スベリ制御」により、右リールの上段位置あるいは下段位置のいずれかに「月形」が必ず停止する。
上記のことから、右リールについても左リールと同様に小役1図柄が揃うために必要な図柄(「月形」)がリールの上段位置または下段位置に必ず停止することとなる。これによって有効ラインを形成するために必要な右リール上の位置(上段位置あるいは下段位置)に右リールの小役1図柄も表示されることになる。
最後に、中リールでは、「星形」が多くとも2個分の他の図柄を挟んで配置されており、配列上の連続した3つの図柄を選び出すとその図柄群のなかには必ず「星形」が含まれている。即ち、図柄表示窓23内に停止可能な図柄群の全てのパターンに「星形」が含まれることになる。従って、中リールについて有効ラインを形成するために必要な位置(中段位置)に「星形」が停止することになれば小役1図柄が揃うことになる。
中リールについても「スベリ制御」によるリール制御が行われ、このとき中リールでは必ず中段位置に「星形」が停止する。このことにより、有効ラインを形成するために必要な中リール上の位置(中段位置)に中リールの小役1図柄も表示されることになる。
以上の内容から、抽出乱数値が小役1の当たり値に該当する場合、小役1用のリール制御テーブル(スベリ制御テーブル)では、遊技者の停止操作のタイミング(例えば、目押しを行うために時間をかけて図柄を狙う等)や目押しの有無差等に関係なく必ず小役1図柄を揃えることができるのである。
本実施形態のスロットマシン1では、小役1図柄と同様に小役2、リプレイ1、リプレイ2、SBの各図柄も遊技者の停止操作のタイミングや目押しの有無等に関わらず必ず揃えることのできるものとしている(個々のリール制御テーブルは図示しない)。これは、前述のとおり「赤7」以外の図柄は一瞥しただけでは識別が困難なものである。よってリールの回転中にこれらの個々の図柄を識別することはほとんど不可能であるといえる。従って、遊技者の目押しの技量によって獲得した賞球に大幅な差(小役等の取りこぼしの多寡により)が生じることを抑えたり、目押しの労力を軽減したりするために目押し不要としているのである。ただし、稀有小役については一部目押しを必要としている(中リールの「赤7」のみ)。これは、BB図柄以外に目押しを全く不要としてしまうと、何も考えずにストップボタンを押すだけという事態を招いてしまい、かえって遊技者の遊技意欲を維持させることが難しくなってしまうからである。
図17では、例として抽出乱数値がBBの当たり値に該当する場合のリール制御テーブルを示したものである。この例では、抽出乱数値がBBの当たり値に該当していることから、図柄の組み合わせ態様「赤7−赤7−赤7」が一つの有効ライン上に表示される結果となればBB図柄が揃ったことになる。なお、この例のBBは「専有当たり値」のBBである。
先ず左リールについて見ると、「赤7」は配列番号1番の「赤7」1つしか配置されていない。そして、配列番号1番から5番までの図柄を左リールの下段位置に停止させると、「スベリ制御」により「赤7」が上段位置あるいは下段位置に停止する。これ以外の配列番号の図柄を下段位置に停止させると、いずれの場合も「赤7」が上段位置にも下段位置にも停止しない(または、停止させることが不可能である)。
ここで、左リールにおいてBB図柄を揃えるためには、「赤7」を上段位置あるいは下段位置に停止させる必要がある。従って、配列番号1番から5番までのいずれかの図柄を目押しする必要が生じることになる。
左リールと同様のことが右リールについてもいえる。右リールも「赤7」は配列番号1番の「赤7」1つしか配置されていない。そして、配列番号1番から5番までの図柄を右リールの下段位置に停止させると、「スベリ制御」により「赤7」が上段位置あるいは下段位置に停止する。これ以外の配列番号の図柄を下段位置に停止させると、いずれの場合も「赤7」が上段位置にも下段位置にも停止しない(または、停止させることが不可能である)。
右リールも左リールと同様に、BB図柄を揃えるためには「赤7」を上段位置あるいは下段位置に停止させる必要がある。従って、左リールと同様に配列番号1番から5番までのいずれかの図柄を目押しする必要が生じる。
最後に中リールについても、「赤7」は配列番号1番の「赤7」一つしか配置されていない。さらに、中リールでは「赤7」を中段位置に停止させないと有効ラインを形成することができないため、配列番号2番から4番までの図柄を中リールの下段位置に停止させる必要がある。これ以外の配列番号の図柄を下段位置に停止させると「赤7」が中段位置に停止しない(または、停止させることが不可能である)。
以上の内容から、抽出乱数値がBBの当たり値に該当する場合、BB用のリール制御テーブル(スベリ制御テーブル)では、遊技者が各リールともに「赤7」を目押しする必要が生じる。このとき、有効ライン上に停止させることの可能な位置(前述の「赤7」を図柄表示窓23内に停止させることの可能な位置)で目押しができれば、BB図柄を揃えることができる。但し、これ以外の位置で目押しを行った場合(目押しを正確に行うことができなかった(失敗した)場合も含む)、BB図柄を揃えることはできない。
スロットマシン1では、図17で例に挙げたBB図柄にみられるように、目押しを正確に行わないと、その該当図柄(図17の例ではBB図柄)を揃えることのできない当選役図柄がある。これを「要目押し図柄」と呼称する。この「要目押し図柄」には、BB図柄の他に稀有小役図柄も含まれる(稀有小役のリール制御テーブルは図示しない)
そして、「要目押し図柄」を揃えることが許容されていても(つまり、「要目押し図柄」に対応する当選役の内部抽選フラグがONになっている)、その「要目押し図柄」を揃えることができなければ対応する当選役の遊技特典を得ることはできない。特に稀有小役図柄を揃えることができなかった場合には、稀有小役の遊技特典を得る権利は消滅してしまう。このように、本来得られるべき遊技特典を目押しの不正確さ(または失敗)等により失ってしまうことを「取りこぼし」あるいは「取りこぼした」という(この場合は、稀有小役を取りこぼしたということになる)。この「取りこぼし」については、後述する判定処理で具体的に説明する。
次に図18では、BB+小役1用のリール制御テーブルを示している。この例では、抽出乱数値が「共有当たり値」の小役1(及びBB)の当たり値に該当していることから、図柄の組み合わせ態様「月形−星形−月形」または「赤7−赤7−赤7」のどちらかが、一つの有効ライン上に表示される可能性がある。つまり、1つの当たり値に対して2つの内部抽選フラグが存在することになるともいえる。このときのリール制御については、第1リールの停止目により第2、第3リールのリール制御が変わることとなる。
図18では、左リールが第1リールとなる場合のスベリ数を示している。中リール、右リールのスベリ数は、それぞれ中リールまたは右リールが第2リールとなる場合のスベリ数である(つまり、「順押し」となる場合、または「順はさみ押し」となる場合)。第1リールとなる左リールでは、図18の左リールのスベリ数にしたがってリール制御が行われる。左リールの配列番号1番から5番までの図柄を図柄表示窓23内の下段位置に停止させると、スベリ制御により配列番号1番の「赤7」を上段位置あるいは下段位置のいずれかに停止させることができる。
次に第2リール(中リールまたは右リール)のリール制御については、第1リールの停止目によりそのスベリ制御が変わる。具体的には、左リールの停止目に「赤7」が含まれているか否かにより2つのスベリ制御に分けている。
(1)左リールの停止目に「赤7」が含まれる場合
これは、左リールの配列番号1番から5番までの図柄を図柄表示窓23内の下段位置に停止させた場合である。このときの停止目を「上段図柄→中段図柄→下段図柄」で表すと、「赤7→菱形→月形」または「月形→六角形→赤7」となり、第1リールのみが停止した状態では、「共有当たり値」のBB及び小役1のどちらを揃えることも可能である。つまり、遊技者はこの時点では、BB、または小役1、またはハズレの3択のうち、いずれかの可能性があることで特にBBの当選に大いに期待を持つこととなる。
中リールが第2リールとなる場合は、図18の中リールのスベリ数にしたがってリール停止制御が行われる。このとき、中リールの配列番号2番から4番までの図柄を中リールの下段位置に停止させることができた場合、「赤7」が中段位置に停止することになる(これを「1−1」とする)。一方、中リールの配列番号2番から4番までの図柄を中リールの下段位置に停止させることができなかった場合、スベリ数より必ず「星形」が中段位置に停止することになる(これを「1−2」とする)。
そして、第3リール(右リール)のリール制御は、第2リールの停止目によりさらに2つに分けられる。これは、第2リールの停止目が上記の「1−1」の場合は図17で示した右リールのスベリ数にしたがったリール制御を行い(図17参照)、上記の「1−2」の場合は図16で示した右リールのスベリ数にしたがったリール制御を行う(図16参照)。つまり、第2リールまで停止状態となってはじめて、BB図柄及び小役1図柄のいずれが揃う(BB図柄については目押しが必要)ことになるのか決定することになる。
右リールが第2リールとなる場合も、図18の右リールのスベリ数にしたがってリール停止制御が行われる。このとき、右リールの配列番号1番から4番までの図柄を右リールの下段位置に停止させることができた場合、「赤7」が上段位置あるいは下段位置に停止することになる(これを「1−1´」とする)。一方、右リールの配列番号1番から4番までを右リールの下段位置に停止させることができなかった場合、スベリ数より必ず「月形」が上段位置あるいは下段位置に停止することになる(これを「1−2´」とする)。
そして、第3リール(中リール)のリール制御も、第2リール(右リール)の停止目によりさらに2つに分けられる。即ち、上記の「1−1´」の場合は図17で示した中リールのスベリ数にしたがったリール制御を行い(図17参照)、上記の「1−2´」の場合は図16で示した中リールのスベリ数にしたがったリール制御を行う(図16参照)。従って、この場合も第2リールまで、停止状態となってはじめて、BB図柄及び小役1図柄のいずれが揃う(BB図柄については目押しが必要)ことになるのか決定することになる。
(2)左リールに「赤7」が含まれない場合
これは、左リールの配列番号1番から5番までの図柄を図柄表示窓23内の下段位置に停止させなかった(停止させることができなかった)場合である。このときの停止目は、「月形」が上段位置あるいは下段位置に停止したものとなる。「赤7」は上段、中段、下段位置のいずれにも含まれない。この場合は、第2リール、第3リールでは図16に示したスベリ数にしたがったリール制御が行われる。つまり、小役1図柄が揃うリール制御テーブルが選択されることになる。
図18では、「順押し」の停止操作手順にしたがった説明をしたが、「逆押し」あるいは「中押し」の停止操作手順にしたがった場合も同様のことがいえる。即ち、「逆押し」では抽出乱数値が「BB+小役2」の場合、「中押し」ではBBの内部抽選フラグが持ち越されている状態で抽出乱数値が稀有小役の場合、上記と同様に第1リールの停止目では2つの当選役図柄のいずれも揃えることの可能なリール制御テーブルを適用することができる(図示しない)。
このように、抽出乱数値が「共有当たり値」の場合、第1リールが停止状態となった時点では該当する当選役図柄のいずれも揃えることが可能な状態を作り出すことができる。そして第2リールの停止操作のタイミングにより第3リールのリール制御テーブルが決定される。これは、言い換えれば、第2リールの停止操作を行うまでは複数のリール制御テーブルが存在し、第2リールの停止操作により最終的に(第3リールの停止操作が受け付けられる時点までに)一つのリール制御テーブルが選択されるということである。
また、スロットマシン1では、抽出乱数値が「共有当たり値」の当選役の当たり値に該当する場合、「専有当たり値」のリール制御テーブルとは異なるスベリ制御が行われる(その他の「共有当たり値」のリール制御テーブルは図示しない)。そして、抽出乱数値が「共有当たり値」の当選役(BB+小役1、BB+小役2、BB+リプレイ1、BB+リプレイ2)に該当するときは、当該ゲームでBB図柄を揃えることができなかった場合、「共有当たり値」のBB以外の当選役図柄は必ず揃えることができることになり、第1リールの有効ライン上に「赤7」を停止させることができた場合には、BB図柄を揃えることが可能となる。このとき、BB以外の当選役図柄は揃えることができない。
以上がテーブル方式によるリール停止処理及びリール制御の一例である。リール制御にはこれとは別にコントロール方式によるリール停止処理及びリール制御もある。なお、本実施形態のスロットマシン1においては、テーブル方式あるいはコントロール方式のどちらのリール制御を用いてもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
(判定処理)
リール停止処理が終了すると、図柄表示窓23内にていずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(つまり、当選役のいずれかに該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについての判定が行われる。図19では、この判定処理の内容を具体的に示している。
リール停止処理により全てのリールが停止した状態になると、図柄表示窓23内に停止した図柄の表示内容から先ずいずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かが判断される(S301)。なお、リールが停止した状態となり、図柄表示窓23内に表示される図柄群(本実施形態のスロットマシン1では最大3個の図柄)のことは出目とも呼ばれる。
全てのリールが停止した状態となった際の出目から、いずれかの有効ライン上にBB図柄が揃っているか(S302)、SB図柄が揃っているか(S305)、リプレイ1またはリプレイ2図柄が揃っているか(S308)、小役1または小役2図柄が揃っているか(S311)、稀有小役図柄が揃っているか(S314)が判断される。
図柄表示窓23内でBB図柄が揃っている(いずれかの有効ライン上に「赤7−赤7−赤7」が表示されている)と判断されると(S302=Yes)、BB図柄が揃ったことを知らせる祝福効果音コマンドが周辺制御基板126に送信される(S303)。この祝福効果音コマンドはスピーカ27や低音スピーカ195から祝福効果音を出力する(効果音を発生させる)ためのコマンドである。なお、祝福効果音には、ファンファーレやBBを知らせるメッセージ等も含まれる。次いでBBゲーム遊技処理に進み、BBゲームが開始される(S304)。
図柄表示窓23内でSB図柄が揃っている(いずれかの有効ライン上に「六角形−星形−六角形」が表示されている)と判断されると(S305=Yes)、SB図柄が揃ったことを知らせる祝福効果音コマンドが周辺制御基板126に送信される(S306)。この祝福効果音コマンドはスピーカ27や低音スピーカ195から祝福効果音を出力する(効果音を発生させる)ためのコマンドである。なお、このときの祝福効果音はBB図柄が揃った際の祝福効果音とは異なる効果音としている。次いでSBゲーム遊技処理に進み、SBゲームが開始される(S307)。
また、BBゲーム遊技処理では、その遊技処理内において賞球の払い出し(払出処理)が行われる。一方、SBゲーム遊技処理では、その遊技処理内において賞球の払い出し(払出処理)が行われる場合がある。なお、BBゲーム遊技処理及びSBゲーム遊技処理の詳細については後述する。
図柄表示窓23内でリプレイ図柄が揃っている(いずれかの有効ライン上に「月形−丸形−月形」が表示されている)と判断されると(S308=Yes)、リプレイ図柄が揃ったことを知らせる効果音コマンドが周辺制御基板126に送信される(S309)。
次いでS310では、リプレイゲーム処理が行われる。このリプレイゲーム処理では、先ずリプレイの内部抽選フラグがOFFにされる。そして、既に説明した通りリプレイ図柄が揃ったことによる賞球の付与は行われないが、当該ゲームでの掛け数(ベット数)と同じ掛け数にて次回のゲームを行うことができる遊技特典(リプレイゲーム)が付与される。
特にスロットマシン1では、常に掛け数はMAXベット(常に15個の遊技球を掛け数として必要とする)でゲームを行うものとなっている。よって、言い換えれば、リプレイゲームでは15個の賞球が付与されて、それを新たにベットする処理が自動的に(賞球の付与と新たなベットという動作を遊技者が行う必要を省いて)行われているということになる。
図柄表示窓23内で小役1図柄が揃っている(いずれかの有効ライン上に「月形−星形−月形」が表示されている)、または小役2図柄が揃っている(いずれかの有効ライン上に「菱形−星形−菱形」が表示されている)と判断されると(S311=Yes)、規定個数(30個)の払出コマンドが払出制御基板187に送信されるとともに、払出音コマンドが周辺制御基板126に送信される(S312)。なお、小役1及び小役2ともに払出音は共通のものとしている。また、小役1、小役2をそれぞれ区別し易くするために払出音を別のものとすることもできる。
図柄表示窓23内で稀有小役図柄が揃っている(いずれかの有効ライン上に「菱形−赤7−菱形」が表示されている)と判断されると(S314=Yes)、規定個数(1個)の払出コマンドが払出制御基板187に送信されるとともに、払出音コマンドが周辺制御基板126に送信される(S315)。なお、このときの払出音は小役1及び小役2の効果音とは異なるものとしている。さらに、稀有小役では払出賞球数が1個となっており、払出音も賞球の払い出しに要する時間に対応する短いものとなっている。このときの払出音を特に設けなくともよい。これにより遊技者に稀有小役に対応する賞球の払い出しが行われていることを気付かせないこともできる。
小役図柄が揃った場合及び稀有小役図柄が揃った場合は、それぞれ規定個数の賞球(小役図柄揃いでは30個、稀有小役図柄揃いでは1個)が払い出される(払出処理、S313及びS316)。この払出処理では、先ずそれぞれON状態となっている内部抽選フラグ(小役及び稀有小役の内部抽選フラグ)がOFFにされる。このとき小役図柄が揃ったと判定された場合は、30個の賞球が払い出される。そして、稀有小役図柄が揃ったと判定された場合には、1個の賞球が払い出される。払出処理は規定個数の賞球が払い出されると終了し、判定処理も終了となる。
図柄表示窓23内でいずれの当選役に対応する図柄の組み合わせ態様も表示されないと判断されると(つまり、S302、S305、S308、S311、S314のいずれの判定結果も否定(No)された場合)、ハズレ処理が行われる(S317)。このときの図柄表示窓23内に表示される図柄の表示内容がハズレの出目となる。つまり、ハズレの出目では、いずれの有効ライン上にも当選役図柄が揃っていないということになる。
S317のハズレ処理では、ON状態となっている内部抽選フラグの確認が行われる。ここで確認されるON状態となっている内部抽選フラグには、BB及び稀有小役、そしてハズレの内部抽選フラグが該当する。これらのうち、BB及び稀有小役については前述の「要目押し図柄」に対応する当選役であることから、目押しの失敗等で「取りこぼし」を生じる可能性がある。
また、ON状態となっている内部抽選フラグがハズレに該当する場合には、ハズレの内部抽選フラグがOFFにされる。これにより、内部抽選でハズレ(内部抽選フラグがハズレに該当)となった当該ゲームが終了すると、ハズレの内部抽選フラグは消滅(OFF状態になる)することになる。
そして、内部抽選フラグが稀有小役に該当し、「取りこぼし」により稀有小役図柄を揃えられなかった場合にも稀有小役の内部抽選フラグは消滅(OFF状態になる)する。従って、本来当該ゲームで得られるべきであった稀有小役の遊技特典(払い出される賞球が1個)は得られずに消滅することになる。つまり、このときに稀有小役の「取りこぼし」(あるいは、稀有小役を「取りこぼし」たこと)が確定する。
このように、ハズレ及び稀有小役の内部抽選フラグは当該ゲームの終了により、その内部抽選フラグが消滅するので、次回のゲーム(もしくは次回以降のゲーム)にこれらの内部抽選フラグが影響を与えることがない。
一方、内部抽選フラグがBBに該当する場合には、当該ゲームの終了によりBBの内部抽選フラグは消滅しない。つまり、BBの内部抽選フラグは次回のゲーム(もしくは次回以降のゲーム)に影響を与えることになる。この影響とは、具体的に内部抽選フラグが次回以降のゲームに引き継がれる(または持ち越される)ことをいう。このとき持ち越されたBBの内部抽選フラグは、BB図柄を揃えるまで消滅しない。つまり、内部抽選フラグがBBに該当する場合には、BB図柄を揃えるまでにどれだけのゲーム数を要してもBBの遊技特典を必ず得ることができることになる。
従って、BBの内部抽選フラグがONとなった当該ゲームでBB図柄を揃えることができなかったとしても「取りこぼし」とはならない。これによって、目押しの技量の低い遊技者であっても、BBの「取りこぼし」を心配せずにBB図柄を揃えることができるまで何度でもBB図柄(「赤7」)の目押しに挑戦することができる。
以上のように図柄表示窓23内の出目から当選役図柄の判定結果に対応するいずれかの処理(BBゲーム遊技処理、SBゲーム遊技処理、リプレイゲーム処理、払出処理、ハズレ処理)が行われて判定処理は終了する。次に、判定処理内でBBゲーム遊技処理、SBゲーム遊技処理が実行される場合のそれぞれの遊技処理について説明する。
(BBゲーム遊技処理)
先の判定処理においてBB図柄が揃ったと判定された場合、BBゲームが開始される。図20はBBゲーム遊技処理の内容を具体的に示している。以下では、図20を用いてBBゲーム遊技処理の詳細について説明する。
BBゲーム遊技処理では、先ずS401で初期化処理として、ON状態となっているBBの内部抽選フラグがOFFにされる。次いで、内部抽選での各当選役の当たり値がBBゲーム用の当たり値に変更される。このBBゲーム用の当たり値は前述の図14(b)のことを指す。
ここで、図14(b)を参照すると、BBゲーム用の当たり値ではハズレを含めた複数の当選役について、その当たり値が0(ゼロ、つまり当たり値が存在しない)となっている。即ち、ハズレを含めた複数の当選役については当たり値が無いということである。従って、抽出乱数値がこれらの当たり値の無い当選役の当たり値に該当することは無いため、内部抽選の結果となることも無い。本実施形態のスロットマシン1では、内部抽選での抽出範囲(0から16383まで)は不変としているので、当たり値が無くなったハズレを含む複数の当選役に該当する乱数値を他の当選役の当たり値とする(または、他の当選役の当たり値に割り振る)ことができる。
上記のことは、ある当選役の当たり値を無くして、その無くなった分だけ他の当選役の当たり値を増やす(または幅を広げる、範囲を拡げる)ことであると言い換えることもできる。
BBゲーム用の当たり値では、当たり値を無くしたハズレ等の当選役の当たり値を「専有当たり値」の小役1の当たり値に割り振ることにより、「専有当たり値」の小役1の当たり値について、その当たり値の数(または幅)を増加させている。つまり、「専有当たり値」の小役1は当たり値の範囲が拡大されて当選確率が高く変更される(1/6.068から1/1.001へ変更される)ことになる。従って、BBゲームでは、毎ゲーム小役1の内部抽選フラグがONとなる可能性が高く、なおかつ、小役1は「取りこぼし」を生じることがない当選役であるため、BBゲームでは効率よく遊技球を獲得することができる。
なお、図14(b)で「共有当たり値」にも当たり値が割り振られているが、BBゲーム中では、新たにBBに当選とはならずに、もう一方の当選役のみに当選となる(つまり、BB以外の当選役のみの当選を有効とする)ものとしている。
S401で初期化処理が終わると、S402でBBゲーム数カウンタのカウントが開始される。このときゲーム数表示LED216でもBBゲームのゲーム数を表示させる。この表示は、例えば、「1−01」と始めに表示させてBBゲーム中の1回のゲームごとに表示をインクリメントさせていく表示内容とすることができる。
S402で「1−01」と表示されたゲームはBBゲームのうちの1回目のゲームであることを示し、BBゲームのゲーム数がカウントアップされるごとに(S403)、ゲーム数が加算された表示に更新される(例えば、「1−01」から順番に「1−02」、「1−03」と1ゲームごとにゲーム数のカウントがインクリメントされていく等)。
次いで始動処理(S404)及びリール停止処理(S405)が行われることになるが、これらの処理は既に説明したものと同じ内容であるので具体的な説明については省略する。
S405のリール停止処理を経て、全てのリールが停止した状態になると、そのとき図柄表示窓23内に表示されている出目の確認が行われる(S406)。このときの出目で、いずれの当選役図柄も揃っていない(つまり、ハズレの出目となった)と判断されると(S407=No)、S410のハズレ処理が行われる。このハズレ処理についても先に説明したものと内容は同じである。但し、BBゲーム用の当たり値では、ハズレの当たり値はなく、稀有小役を「取りこぼし」た場合のみハズレ処理が行われることになる。
S407で、いずれかの当選役図柄が揃っていると判断されると(S407=Yes)、規定個数の払出コマンドが払出制御基板187に送信されて、払出音コマンドが周辺制御基板126に送信される(S408)。このとき当選役図柄として揃う可能性があるのは、小役1図柄、小役2図柄、稀有小役図柄の3種類となる。
S409では払出処理として、先ずON状態となっている内部抽選フラグ(小役1または小役2または稀有小役の内部抽選フラグ)がOFFにされ、規定個数の賞球が払い出される。
BBゲーム遊技処理では、当選役に対応する賞球数を変更することができる。即ち、BBゲーム以外のゲーム(BBゲームに対して通常ゲームという)と賞球数を異ならせることができる。スロットマシン1では、小役1の賞球数を通常ゲームでは30個としているが、BBゲーム遊技処理内では小役1の賞球数を75個に変更させる。その他の当選役(小役2、稀有小役)については、通常ゲームと同じ賞球数としている。
S409で賞球の払い出しが終了すると賞球数累計カウンタがカウントアップされる(S411)。これにより、BBゲームの1回目のゲームからの賞球数が累計される。つまり、BBゲーム中(BBゲーム遊技処理内)に遊技者等に払い出された賞球数が計数されていくことになる。そして、払い出された賞球の累計数が所定個数(例えば、1650個)に到達するか、あるいは所定個数を超えるとBBゲームを終了させるための判定(BBゲーム終了判定)が肯定(S412=Yes)される。
反対に、払い出された賞球の累計数が所定個数に到達するまではS412のBBゲーム終了判定が否定(No)されて、S403からの処理が繰り返される。S403以降の処理が繰り返されるたびにBBゲーム数がその都度カウントアップされる。
BBゲーム中に払い出された賞球の累計数が所定個数に到達あるいは超えるとBBゲーム終了判定が肯定されて終了処理が行われる(S413)。この終了処理では、最終的に払い出された賞球数が賞球数カウントLED217に表示される。そして、各当選役の当たり値がBBゲーム用の当たり値から通常ゲーム用の当たり値に変更されて終了処理が終わるとBBゲーム遊技処理も終了となる。
(SBゲーム遊技処理)
先の判定処理においてSB図柄が揃ったと判定された場合、SBゲームが開始される。図21はSBゲーム遊技処理の具体的な内容を示している。また、前述の図14(c)はSBゲーム用の各当選役の当たり値を示したものである。以下では、図21及び図14(c)を用いてSBゲーム遊技処理の詳細な説明をする。
SBゲーム遊技処理では、先ずS501で初期化処理として、ON状態となっているSBの内部抽選フラグがOFFにされる。そして、内部抽選での各当選役の当たり値がSBゲーム用の当たり値に変更される。このSBゲーム用の当たり値は図14(c)に示されている通りである。
SBゲーム用の当たり値は、SBの当たり値を無くし、さらにハズレの当たり値の数を減らしてその代わりに「専有当たり値」の小役2の当たり値を増加させている。このとき「専有当たり値」の小役2の当たり値の数は約1024倍に増えている。小役2以外の当選役については、当たり値の数は変更されておらず、「専有当たり値」の小役2のみ当選確率が約1024倍に変更されることとなる(1/16384から1/16へ変更される)。
また、SBゲーム用の当たり値にはBBの当たり値も含まれており、通常ゲームと同じく内部抽選の抽選対象としてBBも含まれることになり、SBゲームでBBが内部抽選の結果となることもある。
そして、SBゲームは前述の通り1回のゲームで終了することとなっている。即ち、SB図柄が揃った当該ゲームの次のゲーム(次回のゲーム)がSBゲームということである。なお、SBゲームにおいても、BBゲームと同様にゲーム数表示LED216にゲーム数を表示させる態様とする(図21では図示していないがS501の初期化処理内で実行させる)。この表示は、例えば、「S−01」と始めに表示させてSBゲームの1回目のゲームが開始されることを遊技者に報知する態様のものである。
S501で初期化処理が終わると、次いで始動処理(S502)及びリール停止処理(S503)が行われることになるが、これらの処理は既に説明したものと同じ内容であり具体的な説明については省略する。
S503のリール停止処理を経て、全てのリールが停止状態となると、そのとき図柄表示窓23内に表示されている出目の確認が行われる(S504)。このときの出目としていずれかの有効ライン上に所定の当選役図柄が揃っているかが判定される。ここでいう所定の当選役図柄には、BB図柄、リプレイ図柄、小役図柄、稀有小役図柄が含まれる。
そして、BB図柄が揃っていると判断された場合(S505=Yes)は、S506(効果音コマンドの送信等)を経てBBゲーム遊技処理(S507)へ処理が進む。リプレイ図柄が揃っていると判断された場合(S508=Yes)は、S509(効果音コマンドの送信等)を経てリプレイゲーム処理(S510)へ進む。また、小役図柄が揃っていると判断された場合(S511=Yes)は、S512(払出コマンドの送信等)を経て払出処理(S513)が行われる。さらに、稀有小役図柄が揃っていると判断された場合(S514=Yes)は、S515(払出コマンドの送信等)を経て払出処理(S516)が行われる。そして、いずれの当選役図柄も揃っていないと判断された場合は、ハズレ処理(S517)が行われる。なお、これら(S505からS517までの処理内容)は既に説明した判定処理内で行われる内容と同じであるので詳細な説明は省略する。
また、SBゲームでは小役1、小役2、稀有小役のそれぞれの賞球数は通常ゲームと同じである。リプレイについても通常ゲームと同様の遊技特典(リプレイゲーム)を与えるものである。そして、SBゲーム遊技処理では、SBゲームにてBB図柄が揃った場合(以降はBBゲーム遊技処理に移行する)を除き、終了処理が行われる(S518)。この終了処理では、各当選役の当たり値がSBゲーム用の当たり値から元に戻される。S518の終了処理が終わるとSBゲーム遊技処理が終了する。
SBゲームでBB図柄の揃いとなりBBゲーム遊技処理に移行する場合は、BBゲーム遊技処理内の初期化処理においてSBゲーム用の当たり値がBBゲーム用の当たり値に変更されることになる。即ち、この時点でSBゲームが終了し続いてBBゲームが開始されることになる。
(リプレイタイム)
本実施形態のスロットマシン1では、BBゲームやSBゲーム、通常のゲーム(通常ゲームという)の他にリプレイ高確率ゲームと呼ばれるゲームを行うことができる。なお、通常ゲームとはいわゆるBBゲーム及びSBゲームに該当しない一般的な通常遊技時でのゲームのことをいう。即ち、この通常遊技時とは別にリプレイ高確率時という通常遊技時に比べてリプレイの当選確率が高くする遊技時(あるいは遊技状態)が新たに設けられることになる。
リプレイ高確率時は、リプレイタイム(省略してRT、以下ではRTという)とも呼ばれ、リプレイの内部抽選確率が通常遊技時に比べて当選し易い状態となっている。ここでいう「当選し易い」とは内部抽選確率が高くなる(つまり、当たり値が増加する、または当たり値の範囲が拡大される)ことを指す。従って、RTゲーム(リプレイ高確率時でのゲームのこと、以下ではRTゲームという)ではリプレイの内部抽選確率が通常ゲームでの内部抽選確率に比べて高くなった状態でゲームが行われることとなり、リプレイが内部抽選の抽選結果となる可能性が高くなる。つまり、通常ゲームに比べてリプレイに頻繁に当選することになる。
スロットマシン1では、RTを複数(例えば3つ)設けることができる。即ち、通常時に比べてリプレイの内部抽選確率が高くなる状態が複数(3つ)存在することになる。これらのRTをそれぞれRT1、RT2、RT3と呼び、以下ではそれぞれのRTの内容について説明する。
図22は、RT1、RT2、RT3でのリプレイを含めた全ての当選役の当たり値を具体的に示したものである。図22(a)ではRT1、図22(b)ではRT2、図22(c)ではRT3について、それぞれ各当選役の当たり値について示したものである。
RT1とRT2では、リプレイ1の当たり値に含まれる乱数値の数が1つ(1個)異なっているものの、リプレイ1の当選確率はRT1が1/1.3107、RT2が1/1.3106と僅差しかなく、通常時の1/7.301(約7回に1回はリプレイに当選する)に比べてほぼ同じ程度リプレイ1に当選しやすい(約1.3回に1回はリプレイに当選する)といえる。また、リプレイ2については通常時と内部抽選確率は変わらない。
これに対して、RT3ではリプレイ1の内部抽選確率は通常時と変わらないものの(1/7.301)、リプレイ2の内部抽選確率が通常時の内部抽選確率1/16384(16384回に1回はリプレイに当選する可能性がある)に比べて約50倍の1/327.680(約328回に1回はリプレイに当選する可能性がある)になっている。
以上のことより、スロットマシン1のRTのうち、RT1及びRT2ではリプレイ1に当選し易く、RT3ではリプレイ2の当選し易くなることが特徴としていえる。
ここで通常ゲームでは、主にハズレとなる割合が高く(1/1.452、約1.4回に1回はハズレとなる可能性がある)、リプレイの当選頻度も約7回に1回当選する程度であることから、新たなベットに要する遊技球を絶えず必要とする状態が続くことになる。従って、通常ゲームでは遊技球の消費量が増大していく傾向が強いといえる。
一方、RT1ゲーム及びRT2ゲームでは、リプレイ(ここでは、主にリプレイ1)に当選する可能性が高くなり、リプレイゲームの頻度が増加することになる。このとき、ハズレとなる割合は通常ゲームに比べて低く(1/16、約16回に1回は当選する可能性がある)なる。これにより、新たなベットに要する遊技球をリプレイゲームにより必要としない状態が増える。つまり、ハズレとなるよりもリプレイ(主にリプレイ1)となることが増える。従って、RT1ゲーム及びRT2ゲームでは通常ゲームに比べて遊技球の消費量が増大していく傾向を抑えることが可能となる。
RT3ゲームでは、通常ゲームに比べてリプレイ2に当選し易くなるので、リプレイの当選し易さの度合いは高いといえる。しかし、リプレイ2の当選頻度(約328回に1回は当選する可能性がある)に比べて、リプレイ1の当選頻度(約7回に1回は当選する可能性がある)が相当(約47倍)高くなることから、リプレイに当選となる場合は主にリプレイ1に当選している可能性が高いこととなる。従って、RT3ゲームでは通常ゲームとほとんど変わらず遊技球の消費量が増大していく傾向が強いといえる。
なお、遊技球の消費量については、「球持ち」と呼ばれることもある。例えば、「球持ちが良い」ということは遊技球の消費量が少ないということであり、「球持ちが悪い」ということは遊技球の消費量が多いということである。
(RTゲームに移行するための条件)
本実施形態のスロットマシン1では、複数のRTが存在することについて述べたが、遊技状態をRTゲームに移行させるためには所定の条件(RTゲーム移行条件)を満たす必要がある。ここでは、RTゲーム移行条件について具体的に説明する。
RT3ゲームに移行させるために満たさなければならない条件は、BBゲームが終了となることである。即ち、BBゲームの終了後からは必ずRT3ゲームが開始されることになる。そして、RT3ゲームは所定回数(70回)のゲームで終了となる。
RT1ゲームに移行させるために満たさなければならない条件は、通常ゲーム及びRT3ゲームにおいて「専有当たり値」のリプレイ2に当選となることである。即ち、通常ゲーム及びRT3ゲームで「専有当たり値」のリプレイ2に当選となると必ずRT1ゲームが開始されることになる。そして、RT1ゲームは所定回数(10000回)のゲームで終了となる。また、「共有当たり値」のリプレイ2に当選となってもRT1ゲームには移行しない。
RT2ゲームに移行させるために満たさなければならない条件は、通常ゲーム及びRT3ゲームにおいて「専有当たり値」の小役2に当選となることである。即ち、通常ゲーム及びRT3ゲームで「専有当たり値」の小役2に当選となると必ずRT2ゲームが開始されることになる。そして、RT2ゲームは所定回数(10000回)のゲームで終了となる。また、「共有当たり値」の小役2に当選となってもRT2ゲームには移行しない。
RTゲーム移行条件のうち(RT1、RT2、RT3それぞれの移行条件)、BBゲームの終了後から必ず開始されるRT3ゲームの移行条件が最も容易であるといえる。これは、BBに当選となれば必ずそのBBゲームの終了後からRT3ゲームに移行することとなるからである。即ち、RT3ゲームに移行する割合はBBに当選する割合(1/327.680)と同じということである。
RTゲーム移行条件のうち、RT1ゲーム移行条件及びRT2ゲーム移行条件は共に容易な移行条件であるとはいえない。これは、通常ゲーム及びRT3ゲームでの「専有当たり値」のリプレイ2及び「専有当たり値」の小役2の内部抽選確率(当選確率)が1/16384と、全ての当選役のうち最も低い当選確率となっているからである。つまり、RT3ゲーム移行条件のBBに当選する割合(1/327.680)に比べて、RT1ゲーム及びRT2ゲームの移行条件は相当に低い(1/327.680のさらに50分の1でしかない)ものであるから、遊技者にその移行条件が満たされにくい(あるいは全く期待の持てない)印象を持たせることになる。
なお、スロットマシン1では、上記のRTゲーム移行条件が当該ゲームで満たされた場合、次回のゲーム(当該ゲームの次のゲーム)からRTゲームへ遊技状態を移行させるものとしているが、これに限定されることはない。例えば、RTゲーム移行条件が満たされた当該ゲームから所定回数のゲーム数を経てRTゲームに移行させるものとしてもよい。このようにすると、通常ゲームから突然RTゲームが開始されたかのような驚きを遊技者に与えることができる。
(RTゲームにおけるSB当選)
前述の通り、RT1ゲーム移行条件及びRT2ゲーム移行条件は共に、RT3ゲーム移行条件に比べて相当に低い程度であり、RT1ゲーム及びRT2ゲームには移行し辛いものであるが、SBゲーム中に限りRT1ゲーム移行条件及びRT2ゲーム移行条件が緩和される(移行しやすい状態になる)。なお、RT1ゲーム移行条件はRT3ゲーム中も緩和される(移行しやすい状態となる)。
前述の図14(c)及び図21では、SBゲーム用の当たり値とSBゲーム遊技処理について説明したが、そこで説明した内容は通常ゲームにおいてSBに当選した場合についてである。ここでは、RTゲームにおいてSBに当選した場合について具体的な説明をする。
図23では、RTゲームにおいてSBに当選した場合のSBゲーム用の当たり値を示したものである。それぞれ、図23(a)はRT1でのSBゲーム用の当たり値、図23(b)はRT2でのSBゲーム用の当たり値、図23(c)はRT3でのSBゲーム用の当たり値である。
RT1及びRT2におけるSBゲームでは、「専有当たり値」の小役2の当たり値の数が通常時でのSBゲームと同様に1024倍に増えている(このときSBの当たり値は無しとなっている)。また、RT1及びRT2のSBゲーム用の当たり値では、その他の当選役の当たり値の数はRT1及びRT2のSBゲーム以外の当たり値と比べても変更されておらず、「専用当たり値」の小役2のみ当選確率が1024倍に高く変更されることとなる(1/16384から1/16へ変更される)。
また、RT3でのSBゲームでも、「専用当たり値」の小役2の当たり値の数がRT1及びRT2でのSBゲームと同様に1024倍に増えている(このときSBの当たり値が無しとなっている)。さらに、RT3でのSBゲームでは、「専有当たり値」のリプレイ2の当たり値の数がRT3のSBゲーム以外の当たり値〔前述の図22(c)〕と同様に、50倍に高く変更されている(1/16384から1/327.680へ変更される)。
以上のことから、RT3及び通常時ともにSBゲーム中(1回のゲーム)ではRT2ゲーム移行条件を満たす可能性が、RT3及び通常時におけるSBゲーム以外のゲームに比べて大幅に大きくなることがいえる。また、RT1及びRT2におけるSBゲーム中には、RTゲーム移行条件は設けない。つまり、「専有当たり値」の小役2の当選確率が高い(「専有当たり値」の小役2に当選しやすい)だけの状態となる。
そして、RT3におけるSBゲームでは、RT2ゲーム移行条件を満たす可能性がRT3におけるSBゲーム以外でのゲームに比べて大幅に高くなるといえる。また、RT3ゲーム(SBゲーム及びSBゲーム以外のゲームを含む)では、RT1ゲーム移行条件を満たす可能性が通常ゲーム及びRT1ゲーム及びRT2ゲームに比べて高くなるといえる。
従って、RT3及び通常時のSBゲームは、1回のゲームのみであるが遊技状態をRT2ゲームへ移行させるために有利なゲーム(「チャレンジゲーム」という)という役割を持つことになる。この「チャレンジゲーム」とは、通常ゲームまたは通常ゲームとほぼ変わらず遊技球の消費量の多いRT3ゲームから、または通常ゲームから、遊技球の消費量をできるだけ抑えてゲームのできるRT2ゲームに遊技状態を移行(良い条件に移るため、昇格ともいう)させる挑戦ができるゲームということを指す。
従って、遊技者は「チャレンジゲーム」の1回のゲームに、通常ゲームでは持てないほどの緊張感を持って始動レバーを叩く(始動操作を行う)ことになる。さらに、「チャレンジゲーム」は約163回に1回は行うことができる(つまり、SBに当選する可能性のことである)という可能性が高いため、長時間にわたり遊技者がゲームを続けていても「約160回に1回はチャンスが訪れる」という期待を持たせて遊技意欲を極力維持させることもできる。
また、RT3ゲーム中は、所定回数のゲーム数(ゲーム期間)がRT1ゲームに移行しやすい期間となるため、有利なゲーム期間(「チャンスゾーン」という)という役割を持つこととなる。この「チャンスゾーン」とは、通常ゲームとほぼ変わらず遊技球の消費量の多いRT3ゲームから、遊技球の消費量をできるだけ抑えてゲームのできるRT1ゲームに遊技状態を昇格させる挑戦ができるゲーム期間ということを指す。この「チャンスゾーン」は、BBゲーム終了後から70回のゲームを終えるまでということである。
また、「チャンスゾーン」にはBBゲームの終了後から必ず移行させることとなるので、BBゲームが終了した後も遊技者が遊技意欲を減退させづらいものとすることができる。
(各種演出等)
また、スロットマシン1では、通常ゲーム及びBBゲーム等の遊技状態に応じて、各種演出処理を行うことができる。この各種演出処理では、液晶表示器131で行う表示や、スピーカ27、低音スピーカ195による効果音の発生、LED装飾312等による発光や点灯を各種演出として実行させることができる。さらに、告知ランプ211、ゲーム数表示LED216、賞球表示LED215等でも各種演出を実行させることが可能である。これらの各種演出は遊技者を視覚的にあるいは聴覚的(あるいは触覚的)に楽しませることができ、ゲームの面白みをさらに高めるものである。
上記の各種演出処理は、周辺制御基板126により各種演出動作の制御が行われる。この各種演出動作は、ゲームの進行に基づいて行うことができる。この中には、ゲームの結果(内部抽選の抽選結果、判定処理の結果など)に対応する演出態様を実行させることや、ゲームの結果に対応しない演出態様を実行させることが含まれている。
具体的に、ゲームの結果に対応する演出態様とは、内部抽選の抽選結果がBBとなった場合などにそのことを告知する態様(例えば、「ボーナス確定」の表示等)を実行させることである。これは、遊技者が始動操作を開始したときや、停止処理を終えたときなどに実行させることにより、遊技者がBBなど大量に遊技球を獲得できる機会が得られたことを素早く知ることが可能となる。また、小役やリプレイなどの当選を知らせることもできる。
また、ゲームの結果に対応しない演出態様とは、内部抽選の抽選結果がハズレとなった場合などに、あたかも小役やリプレイ、BBなどに当選しているかに見せ掛ける態様を実行させることである。これも、遊技者が始動操作を開始したときや、停止処理を終えたときなどに実行させることにより、遊技者に期待感を抱かせることができる。
さらに、各種演出処理はゲームの進行に基づいて実行させることができるので、遊技者が行う一連の操作(ゲームを進行させる操作)に関連していつでも実行させることができる。例えば、始動操作が受け付けられてからしばらく時間をおいて突然演出を行わせたり、あるいは遊技者による停止操作により各リールが停止するたびに演出を行わせたり、といったことが挙げられる。
また、各種演出は、液晶表示器131、スピーカ27、低音スピーカ195、LED装飾312等で実行されることとなるが、液晶表示器131に代えて、ELディスプレイ(Electroluminescence Display)や、ドットLEDを用いてもよい。さらに、キャラクターを模した人形や、可動可能な模型等や、サイドリール(例えば、各リールとは別の位置に配され、演出の一環として遊技者の操作に因らずにその始動と停止を実行するもの)や、あるいは、ランプなどの照明(例えば、回転灯に代表される回転可能なライト等)を設けて各種演出を実行させるものとしてもよい。このような方法をとれば、液晶表示以外でも遊技者を十分に楽しませることが可能である。
(その他の実施形態についての言及)
以上は、本発明のスロットマシン1の一形態であるが、これに限定されることはない。その他にも、メダル、コイン等を用いるタイプの回胴式遊技機もあり、こちらも実施形態として好適である。メダル、コイン等を用いるタイプの回胴式遊技機では、遊技球を規定個数分まとめて遊技価値の1単位とするのではなく、例えば、1枚のメダルが1の遊技価値(即ち、遊技球5個が1枚のメダルに相当する)に対応するものとできるのでBET時などで取り込みに掛かる時間が短縮される。
スロットマシン1を前方から示した斜視図である。 外枠に対して本体枠が開放された状態を前方から示す斜視図である。 本体枠から前面扉が開放された状態を前方から示す斜視図である。 スロットマシン1の背面図である。 リール装置の縦断面図である。 各リールのリール帯に付された図柄列を平面的に展開した図である。 図柄表示窓部分及びその周辺の拡大図である。 球取込装置の斜視図である。 取込動作体による遊技球の取込動作を連続的に示した図である。 スロットマシン1の制御構成を概略的に示したブロック図である。 当選役の種類と図柄組み合わせ態様と特典内容との対応を示す図である。 スロットマシン1の主制御基板が実施するゲームの進行処理を示すフローチャートである。 始動処理のフローチャートである。 各当選役の当たり値と当たり値の範囲を示した図である。 リール停止処理のフローチャートである。 小役1用のリール制御テーブルを示した図である。 BB用のリール制御テーブルを示した図である。 BB+小役1用のリール制御テーブルを示した図である。 判定処理のフローチャートである。 BBゲーム遊技処理のフローチャートである。 SBゲーム遊技処理のフローチャートである。 RTゲームでの各当選役の当たり値と当たり値の範囲を示した図である。 RTゲームにおけるSBゲーム用の各当選役の当たり値と当たり値の範囲を示した図である。
符号の説明
10 外枠
21 前面扉
40 MAXベットボタン
41 始動レバー
70 本体枠
110 リール装置
111 リール
121 主制御基板
126 周辺制御基板
130 液晶モジュール
131 液晶表示器
161 球タンク
166 球払出装置
195 低音スピーカ

Claims (1)

  1. 表示状態を変化させることが可能な複数の可変表示体からなる可変表示装置と、
    1回のゲームごとに遊技価値の掛け数を決定する掛け数決定手段と、
    前記掛け数決定手段により掛け数が決定された状態で前記可変表示体による表示状態の変化を開始させる始動操作を受け付ける始動操作受付手段と、
    前記掛け数決定手段により掛け数が決定された状態で前記可変表示体による表示状態の変化を開始させる始動操作を受け付ける始動操作受付手段と、
    1回のゲームごとに予め決められた複数の当選役及びハズレ役の中からいずれかを選び出す抽選を行う内部抽選手段と、
    前記始動操作受付手段によりゲームの始動操作が受け付けられると、前記内部抽選手段による抽選を実行させて、その抽選の結果を決定する抽選結果決定手段と、
    前記始動操作受付手段によりゲームの始動操作が受け付けられると、前記可変表示装置の作動を開始させる可変表示開始手段と、
    前記複数の可変表示体の作動を個々に停止させるための停止操作を受け付ける停止操作受付手段と、
    前記停止操作受付手段により停止操作が受け付けられると、前記可変表示装置の作動を停止させて前記可変表示装置の表示結果を導出する表示結果導出手段と、
    前記表示結果導出手段により導出される表示結果と前記抽選結果決定手段により決定された内部抽選の抽選結果とを照合する判定を行うゲーム結果判定手段と、
    前記複数の当選役として当該ゲームにて規定数の遊技価値が付与される遊技特典に対応する小役、改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームの掛け数が次回のゲームに持ち越される遊技特典に対応する再遊技役、複数のゲーム期間にわたり遊技価値の付与機会を増加させる遊技特典に対応する特賞役、次回のゲームのみ遊技価値の付与機会を増加させる遊技特典に対応する特定役の少なくとも4種類の当選役を予め定める当選役規定手段と、
    前記当選役規定手段により定められる複数の当選役のうち、少なくとも前記特賞役を除く当選役に対応する表示結果を類似した態様とする表示結果対応手段と、
    前記ゲーム結果判定手段による当該ゲームの判定結果に応じて、前記複数の当選役及びハズレ役のいずれかの遊技特典を付与する遊技特典付与手段と、
    前記当選役規定手段により予め定められる前記特賞役として、前記特賞役の遊技特典のみを包含する専有特賞役と、前記特賞役の遊技特典に加えてその他の当選役の遊技特典をも包含する共有特賞役とをそれぞれ別に定める特賞役規定手段と、
    前記抽選結果決定手段により前記内部抽選の抽選結果として前記共有特賞役を除くその他の当選役のいずれかが決定された場合、その決定された当選役に対応する表示結果を前記可変表示装置に導出させることを許容する表示結果許容手段と、
    前記抽選結果決定手段により前記内部抽選の抽選結果として前記共有特賞役が決定された場合、前記共有特賞役の遊技特典に包含される前記特賞役に対応する表示結果及び前記共有特賞役の遊技特典に包含される前記その他の当選役に対応する表示結果のいずれをも前記可変表示装置に導出させることを許容する双方表示結果許容手段と、
    前記双方表示結果許容手段により前記可変表示装置に前記特賞役及び前記その他の当選役に対応する表示結果のいずれをも導出させることが許容された場合、前記特賞役及び前記その他の当選役に対応する表示結果の双方とも前記可変表示装置に表示させることの可能な前記可変表示体の制御を行う双方表示制御手段と、
    前記双方表示結果許容手段により前記可変表示装置に前記特賞役及び前記その他の当選役に対応する表示結果のいずれをも導出させることが許容された場合、前記特賞役及び前記その他の当選役のいずれか一方に対応する表示結果を前記可変表示装置に表示させることの可能な前記可変表示体の制御を行う単方表示制御手段と、
    前記双方表示制御手段から前記単方表示制御手段に前記可変表示体の制御を切り替える表示制御切替手段とを具備したことを特徴とする遊技機。
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