JP4811794B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
図7および図8は、自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機が組み込まれたギヤード・ニュートラル型の無段変速装置を示している。この無段変速装置は、トロイダル型無段変速機47と、第1〜第3遊星歯車式変速ユニット48,49,50とを組み合わせて構成され、円管状の入力軸18と、出力軸51とを有する。これらの入力軸18と出力軸51との間には、伝達軸52を、これらの両軸18,51と同心にかつこれら両軸18,51に対する相対回転を自在に設けている。そして、第1および第2遊星歯車式変速ユニット48,49は入力軸18と伝達軸52との間に掛け渡された状態で、第3遊星歯車式変速ユニット50は出力軸51と伝達軸52との間に掛け渡された状態で、それぞれ設けられている。
このうちのトロイダル型無段変速機47は、入力軸18の周囲に、回転自在および軸方向に変位自在に支持された入力側ディスク2A,2Bおよび一体型の出力側ディスク53とを備えている。出力側ディスク53の軸方向両端部は、一対のスラストアンギュラ玉軸受57,57等の転がり軸受により、回転自在に支持されている。
図8に示すように、トロイダル型無段変速機47を納めたケーシング59の内側には、入力軸18に対し捻れの位置にある枢軸(傾転軸)5,5を中心として揺動する一対のトラニオン6,6が設けられている。各トラニオン6,6は、支持板部7の長手方向(図8において上下方向)の両端部に、この支持板部7の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部8,8を有しており、これらの折れ曲がり壁部8,8の先端部同士は、連結部材54,54により連結されている。そして、この折れ曲がり壁部8,8によって、トラニオン6には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部8,8の外側面(支持板部7と反対側の面)には、各枢軸5,5が互いに同心的に設けられている。
支持板部7の中央部には円孔10が形成され、この円孔10には変位軸9の基端部9aが支持されている。そして、各枢軸5,5を中心として各トラニオン6,6を揺動させることにより、これら各トラニオン6,6の中央部に支持された変位軸9の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン6,6の内側面から突出する変位軸9の先端部9bの周囲には、パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、入力側ディスク2A,2Bと出力側の両ディスク4との間に挟持されている。なお、各変位軸9,9の基端部9aと先端部9bは、互いに偏心している。
一対のトラニオン6,6の両端部はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図8において上下方向)に変位自在に支持されている。これらのヨーク23A,23Bは、一対の支柱61,61により支持されている。すなわち、上側のヨーク23Aは、支柱61の球面ポスト64およびこれを支持する連結板65によって変位自在に支持されている。また、下側のヨーク23Bは、支柱61の球面ポスト68およびこれを支持する上側シリンダボディ60によって変位自在に支持されている。この支柱61の中央部に形成された挿通孔63には、入力軸18が挿通されている。また、前述したように、各トラニオン6,6を構成する支持板部7の中央部に形成された円孔10には、基端部9aと先端部9bとが互いに平行で且つ偏心した変位軸9の基端部9aが、回転自在に支持されている。また、各支持板部7の内側面から突出する各変位軸9の先端部9bの周囲には、パワーローラ11が回転自在に支持されている。
なお、一対のトラニオン6,6毎に設けられた一対の変位軸9,9は、入力軸18に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸9,9の先端部9bが基端部9aに対して偏心している方向は、入力側ディスク2A,2Bおよび出力側ディスク53の回転方向に対して同方向(図8において上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸18の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸18の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、後述する押圧装置23aが発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸18の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、各パワーローラ11,11の外側面と各トラニオン6,6を構成する支持板部7の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。外輪28は変位軸9と一体に形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、各トラニオン6,6を構成する支持板部7の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、各パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11および外輪28が各変位軸9の基端部9aを中心として揺動変位することを許容する。
更に、各トラニオン6,6の一端部(図8において下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29が設けられており、各駆動ロッド29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)30が固設されている。そして、これら各駆動ピストン30はそれぞれ、駆動シリンダ31内に油密に嵌装されることにより油圧駆動装置を構成している。この場合、駆動シリンダ(シリンダボディ)31は、上側シリンダボディ60と下側シリンダボディ62とによって形成されている。
また、トラニオン6,6の下部の駆動ロッド29の外周には、ヨーク23Bの近傍に、ケーブルサポート100が一体に取り付けられている。また、このケーブルサポート100の外周には、一方のトラニオン6の動作を他方のトラニオン6に伝達するための同期ケーブル102が襷掛け状に掛け渡されている。
また、入力軸18の基端部(図7において左端部)には、図示しない駆動源であるエンジンのクランクシャフトが、駆動軸72を介して結合され、このクランクシャフトにより入力軸18が回転駆動するようになっている。また、両入力側ディスク2A,2Bの内側面2a,2bおよび出力側ディスク53の軸方向両側面(内側面)53a,53aと各パワーローラ11,11の周面11aとの転がり接触部(トラクション部)に、適正な面圧を付与するための押圧装置23aとして、油圧式のものを使用している。また、ケーシング59の前端壁73に内蔵した油圧源である図示しないオイルポンプにより、押圧装置23aおよび変速のためにトラニオン6,6を変位させるための駆動シリンダ31、低速用クラッチ44aおよび高速用クラッチ45aを断接させるための油圧シリンダに、圧油を供給自在としている。
また、出力側ディスク53に、中空回転軸75の基端部(図7において左側)をスプライン結合させている。そして、この中空回転軸75を、エンジンから遠い側(図7において右側)の入力側ディスク2Bの内側に挿通して、出力側ディスク53の回転力を取り出し自在としている。中空回転軸75の先端部(図7において右端部)で上記入力ディスク2Bの外側面から突出した部分に、第1遊星歯車式変速ユニット48を構成するための第1太陽歯車76を固設している。
また、入力軸18の先端部(図7において右端部)で中空回転軸75から突出した部分と入力ディスク2Bとの間に、第1キャリア77を掛けて渡すように設けて、この入力側ディスク2Bと入力軸18とが、互いに同期して回転するようにしている。そして、第1キャリア77の軸方向両側面の円周方向等間隔位置(一般的には3〜4箇所位置)に、それぞれがダブルピニオン型である第1および第2遊星歯車式変速ユニット48,49を構成するための遊星歯車78,79,80を回転自在に支持している。さらに、第1キャリア77の片半分(図7において右半分)周囲に、第1リング歯車81を回転自在に支持している。
上記各遊星歯車78,79,80のうち、トロイダル型無段変速機47寄り(図7において左寄り)で第1キャリア77の径方向の内側に設けた遊星歯車78は、第1太陽歯車76に噛合している。また、トロイダル型無段変速機47から遠い側(図7において右側)で第1キャリア77の径方向の内側に設けた遊星歯車79は、伝達軸52の基端部(図7において左端部)に固設した、第2太陽歯車82に噛合している。また、第1キャリア77の径方向の外側に設けた、残りの遊星歯車80は、内側に設けた遊星歯車78,79よりも軸方向寸法を大きくして、これら両遊星歯車78,79に噛合させている。さらには、残りの遊星歯車80と第1リング歯車81とを噛合させている。なお、径方向外寄りの遊星歯車を、第1、第2の遊星歯車式変速ユニット48,49同士の間で互いに独立させる代わりに、幅広のリング歯車をこれら両遊星歯車に噛合させる構造も採用可能である。
一方、第3遊星歯車式変速ユニット50を構成するための第2キャリア83を、出力軸51の基端部(図7において左端部)に結合固定している。そして、この第2キャリア83と第1リング歯車81とを、低速用クラッチ44aを介して結合している。また、伝達軸52の先端寄り(図7において右端寄り)部分に第3太陽歯車84を固設している。この第3太陽歯車84の周囲に、第2リング歯車85を配置し、この第2リング歯車85とケーシング59等の固定の部分との間に、高速用クラッチ45aを設けている。さらには、第2リング歯車85と第3太陽歯車84との問に配置した復数組の遊星歯車86,87を、第2キャリア83に回転自在に支持している。これら各遊星歯車86,87は、互いに噛合するとともに、第2キャリア83の径方向の内側に設けた遊星歯車86を第3太陽歯車84に、同じく外側に設けた遊星歯車87を第2リング歯車85に、それぞれ噛合している。
このように構成された無段変速装置の場合、入力軸18から一対の入力側ディスク2A,2B、各パワーローラ11,11を介して一体型の出力側ディスク53に伝わった動力は、中空回転軸75を通じて取り出される。そして、低速用クラッチ44aを接続し、高速用クラッチ45aの接続を断った状態では、トロイダル型無段変速ユニット47の変速比を変えることにより、入力軸18の回転速度を一定にしたまま、出力軸51の回転速度を、停止状態を挟んで正転、逆転に変換自在となる。すなわち、この状態では、入力軸18とともに正方向に回転する第1キャリア77と、中空回転軸75とともに逆方向に回転する第1太陽歯車76との差動成分が、第1リング歯車81から、低速用クラッチ44a、第2キャリア83を介して、出力軸51に伝達される。この状態では、トロイダル型無段変速機47の変速比を所定値にすることで出力軸51が停止させられる他、このトロイダル型無段変速機47の変速比を上記所定値から増速側に変化させることにより、出力軸51が車両を後退させる方向に回転させられる。これに対して、トロイダル型無段変速機47の変速比を上記所定値から減速側に変化させることにより、出力紬51が車両を前進させる方向に回転させられる。
さらに、低速用クラッチ44aの接続を断ち、高速用クラッチ45aを接続した状態では、出力軸51を、車両を前進させる方向に回転させる。すなわち、この状態では、入力軸18と共に正方向に回転する第1キャリア77と、中空回転軸75とともにこの第1キャリア77と逆方向に回転する第1太陽歯車76との差動成分に応じて回転する、第1遊星歯車式変速ユニット48の遊星歯車78の回転が、別の遊星歯車80を介して、第2遊星歯車式変速ユニット49の遊星歯車79に伝わり、第2太陽歯車82を介して、伝達軸52を回転させる。そして、この伝達軸52の先端部に設けた第3太陽歯車84と、この第3太陽歯車84とともに第3遊星歯車式変速ユニット50を構成する第2リング歯車85および遊星歯車86,87との噛合に基づき、第2キャリア83およびこの第2キャリア83に結合した出力軸51を、前進方向に回転させる。この状態では、トロイダル型無段変速機47の変速比を増速側に変化させるほど、出力軸51の回転速度を速くすることができる。
このような無段変速装置に組み込まれたトロイダル型無段変速機47において、入力軸18と出力歯車との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン30,30を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン30,30の変位に伴って、一対のトラニオン6,6が互いに逆方向に変位する。例えば、図9の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと入力側ディスク2A,2Bの内側面2a,2bおよび出力側ディスク53の軸方向両側面53a,53aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン6,6が、支持板23,23に枢支された枢軸5,5を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,2b,53aとの当接位置が変化し、入力軸18と出力歯車との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸18と出力歯車との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11に付属の外輪28が、各変位軸9の基端部9aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28の外側面と各トラニオン6を構成する支持板部7の内側面との間には、各スラストニードル軸受25が存在するため、前記回動は円滑に行なれる。したがって、前述のように各変位軸9,9の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
実開昭62−191951号公報 特開2004−232677号公報 実公平6−11426号公報
ところで、このようなトロイダル型無段変速機47において、パワーローラ11と入出力側ディスク2A,2B,53との動力伝達は、これらの部材表面の損傷を防止するべく、油膜を介したトラクション力により非接触で行なわれる。そのため、パワーローラ11と入出力側ディスク2A,2B,53との間に形成されるトラクション面には、トルクを非接触で伝達するための油膜を形成できる十分な量の潤滑油(トラクション油)を供給する必要がある。
この従来のトロイダル型無段変速機47においては、図9に示すように、トラクション面(ディスクとパワーローラとの接触部)を形成するための油路89が、支柱61に形成されており、潤滑油は入出力側ディスク2A,2B,53の口元(小径側端部)に吹き付けられる。トロイダル型無段変速機47における発熱源は、動力を伝達するトラクション面であるが、前述のような潤滑構造では、図10に示すように、支柱61から潤滑油を吹き付ける位置が、入出力側ディスク2A,2B,53とパワーローラ11とのトラクション面Sとは90度位相がずれており、入出力側ディスク2A,2B,53の口元に吹き付けられるため、トラクション面の冷却が十分ではない。また、入出力側ディスク2A,2B,53の遠心力により、潤滑油の大半がトラクション面上を外周方向に跳ね飛ばされてしまうため、冷却が的確に行われない。
これに対して、特許文献1,2に記載のトロイダル型無段変速機では、トラニオンに設けられた吐出口からトラクション面近傍に潤滑油を供給することが提案されている。しかしながら、このトロイダル型無段変速機においては、トルク入力時、構成部材の形状誤差や変形により入出力側ディスクが軸方向に移動し、パワーローラが揺動できるような構成になっているので、トルク入力時、このパワーローラの揺動により、図11に示すように、トラクション面がS1からSに移動する(ずれる)ため、トラニオンに吐出口を設けると、潤滑油吐出の目標位置とトラクション面の位置とがずれて、トラクション接触面に潤滑油が的確に供給されない。
また、特許文献3に記載のトロイダル型無段変速機では、パワーローラの互いに対面する端面またはこれを支持する軸に、吐出口を設け、トラクション面の内周側へ潤滑油を供給することが提案されている。しかしながら、このトロイダル型無段変速機においては、潤滑油吐出の目標位置が口元付近もしくは接触部と離れたところであるので、冷却効果が十分でない。また、パワーローラが高速回転しているので、パワーローラから供給された潤滑油は飛散して、攪拌ロスが大きく、伝達効率に悪影響を与える。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたものであり、トルク入力時のディスクの移動によるパワーローラの揺動が生じても、入力側ディスクおよび出力側ディスクとパワーローラとの間に形成されるトラクション面に潤滑油を効率よく供給して、そのトラクション面を十分に冷却することができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内周面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、前記パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承する軸受とを備え、前記軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪および外輪との間で転動する複数の転動体とを有して成るトロイダル型無段変速機において、前記外輪に、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクと前記パワーローラとの間に形成されるトラクション面に対して潤滑油を吐出する吐出口が形成されていることを特徴とする。
さらに、前記吐出口には、潤滑油の吐出量を調整するための絞り部が設けられているのが好ましい。
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、入力側ディスクおよび出力側ディスクとパワーローラとの間に形成されるトラクション面に、外輪に形成された吐出口から潤滑油を吐出するので、トルク入力時のディスクの移動によるパワーローラの揺動が生じても、パワーローラの外輪も一緒に傾転、揺動するため、トラニオン面を確実に潤滑・冷却することができる。
さらに、前記吐出口に、潤滑油の吐出量を調整するための絞り部を設けることにより、絞り部によって、吐出口からの潤滑油の吐出量を最適に調整して、トラクション面を効率よく冷却することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、トラニオン面の潤滑油による潤滑・冷却構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図7ないし図11と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1〜図6は本発明の実施形態を示している。
本実施形態に係るトロイダル型無段変速機において、パワーローラ11と入出力側ディスク2A,2B,53とを有して構成されるバリエータには、パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつこのパワーローラ11の回転を許容するスラスト玉軸受(軸受、パワーローラ軸受)24と、このスラスト玉軸受24の外輪28に形成されて、トラクション面に対して潤滑油を吐出する吐出口とが設けられている。
具体的には、この外輪28は、変位軸9と一体に形成されており、外周部には略L字状に外側に突出した2つの突出部90が一体に設けられている。両突出部90,90は、外輪の中心軸を中心に点対称の位置に形成されている。各突出部90の先端部には、入力側ディスク2A(2B)および出力側ディスク53とパワーローラ11との間に形成されるトラクション面(パワーローラ11の周面11a)に面する傾斜面91が形成されている。
そして、外輪28には、この外輪28の外側面(トラニオン6側の面)の中心部近傍に開口する油路92が設けられている。この油路92は、変位軸9の先端部9bの先端面の中心部近傍に吐出口93を有する油路94と、各突出部90の各傾斜面91に吐出口95を有する油路96とに分岐している。吐出口93は、パワーローラ11の軸受部などに潤滑油を供給する。一方、各吐出口95は、入力側ディスク2A(2B)および出力側ディスク53とパワーローラ11との間に形成されるトラクション面(パワーローラ11の周面11a)に面し、そのトラクション面に向かって潤滑油を吐出する。各吐出口95は、パワーローラ11のトラクション面に対して確実に潤滑油を供給できる向きに形成されており、例えばパワーローラ11の周面11aにおけるディスク2A(2B)、53との接触点Tの周方向の延長線上に潤滑油を吹き付けるように形成されていることが好ましい。また、各吐出口95には絞り部97が形成されており、この絞り部97によって潤滑油の吐出量が最適に調整される。前記油路92には、トラニオン6の一方の枢軸に結合されている駆動ロッド29内に設けられた油路を介して、オイルポンプから潤滑油が供給される。なお、符号98は、油路96を塞ぐための埋め栓である。
したがって、上記構成において、外輪28の油路92に供給された潤滑油は、油路92から分岐して油路94および油路96に流れる。油路94に流れた潤滑油は、吐出口93から吐出されて、パワーローラ11の軸受部などに潤滑油を供給する。一方、油路94に流れた潤滑油は、吐出口95からパワーローラ11の周面(トラクション面)11aに対して噴射される。
本実施の形態にあっては、入力側ディスク2A(2B)および出力側ディスク53とパワーローラ11との間に形成されるトラクション面に、外輪28に形成された吐出口95,95から潤滑油を吐出するので、トルク入力時の入出力ディスク2A(2B),53の移動によるパワーローラ11の揺動が生じても、パワーローラ1の外輪もともに傾転、揺動するため、トラニオン面を確実に潤滑・冷却することができる。
さらに、前記吐出口95,95には、潤滑油の吐出量を調整するための絞り部97が設けられているので、この絞り部97によって、吐出口95からの潤滑油の吐出量を最適に調整して、トラクション面を効率よく冷却することができる。
また、パワーローラ11は、熱源がスラスト玉軸受24とトラクション面であり、一方、入出力側ディスク2A(2B),53はトラクション面のみであり、また、体積も入出力側ディスク2A(2B),53の方が大きいため、パワーローラ11を積極的に潤滑する本実施形態の構成は冷却の観点から望ましいと言える。
また、各吐出口95は、パワーローラ11におけるディスク2A(2B),53との接触点T近傍に局所的に潤滑油を吹き付けるのではなく、例えば、パワーローラ11におけるディスク2A(2B),53との接触点Tの周方向の延長線上に潤滑油を吹き付けるなど、入出力側ディスク2A(2B),53とパワーローラ11との接触点を含む広い範囲のトラクション面11aに対して潤滑油を供給する。これにより、確実に潤滑および冷却をすることができる。
なお、前述の実施の形態では、一体型の出力側ディスク53を用いたが、これに代えて、2つの出力側ディスクが別個に形成されているものを用いてもよい。
また、前述の実施の形態では、パワーローラ11の周面(トラクション面)11aに潤滑油を供給する供給系と、パワーローラ11の軸受部などに潤滑油を供給する供給系とが一部共通に形成されている。しかし、これらの供給系は別々に形成してもよく、要は、前者の供給系が外輪28に形成されていればよい。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの種々のトロイダル型無段変速機に適用することができる。
本発明の実施形態に係るトロイダル型無段変速機を示す図であって、要部斜視図である。 同、パワーローラおよびトラニオン部の斜視図である。 同、外輪部の斜視図である。 同、外輪部の平面図である。 図4のA−A線に沿う断面図である。 図5のB部の拡大図である。 従来のダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機が組み込まれたギヤード・ニュートラル型の無段変速装置の要部断面図である。 図4のC−C線に沿う断面図である。 図4のトロイダル型無段変速機の要部の拡大断面図である。 支柱からトラクション面に潤滑油を供給する場合の問題点を説明するための斜視図である。 トラニオンからトラクション面に潤滑油を供給する場合の問題点を説明するための斜視図である。
符号の説明
2A,2B 入力側ディスク
11 パワーローラ(内輪)
24 スラスト玉軸受(軸受)
26 玉(転動体)
28 外輪
53 出力側ディスク
95 吐出口
97 絞り部

Claims (2)

  1. それぞれの内周面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、前記パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承する軸受とを備え、前記軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪および外輪との間で転動する複数の転動体とを有して成るトロイダル型無段変速機において、
    前記外輪に、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクと前記パワーローラとの間に形成されるトラクション面に対して潤滑油を吐出する吐出口が形成されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記吐出口に、潤滑油の吐出量を調整するための絞り部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
JP2007151974A 2007-06-07 2007-06-07 トロイダル型無段変速機 Active JP4811794B2 (ja)

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