JP2006348994A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バリエータ部およびオイルポンプの組立性を向上させることができるトロイダル型無段変速機を提供する。
【解決手段】 本発明のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面
同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスク2A,2Bおよび出力側ディスク53と、入力側ディスク2A,2Bと出力側ディスク53との間に挟持されたパワーローラ11とから成るバリエータ部をケーシング59に組み込んで成る。前記バリエータ部は、このバリエータ部に対して潤滑油を供給するためのオイルポンプ190と一体のモジュール構造を成してケーシング59に組み込まれている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
図4および図5は、自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機が組み込まれたギヤード・ニュートラル型の無段変速装置を示している(例えば、特許文献1ないし特許文献6参照)。この無段変速装置は、トロイダル型無段変速機47と、第1〜第3遊星歯車式変速ユニット48,49,50とを組み合わせて構成され、円管状の入力軸18と、出力軸51とを有する。これらの入力軸18と出力軸51との間には、伝達軸52を、これらの両軸18,51と同心にかつこれら両軸18,51に対する相対回転を自在に設けている。そして、第1および第2遊星歯車式変速ユニット48,49は入力軸18と伝達軸52との間に掛け渡された状態で、第3遊星歯車式変速ユニット50は出力軸51と伝達軸52との間に掛け渡された状態で、それぞれ設けられている。
このうちのトロイダル型無段変速機47は、入力軸18の周囲に、回転自在および軸方向に変位自在に支持された入力側ディスク2A,2Bおよび一体型の出力側ディスク53とを備えている。出力側ディスク53の軸方向両端部は、一対のスラストアンギュラ玉軸受57,57等の転がり軸受により、回転自在に支持されている。
図5に示すように、トロイダル型無段変速機47を納めたケーシング59の内側には、入力軸18に対し捻れの位置にある枢軸(傾転軸)5,5を中心として揺動する一対のトラニオン6,6が設けられている。各トラニオン6,6は、支持板部7の長手方向(図5において上下方向)の両端部に、この支持板部7の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部8,8を有しており、これらの折れ曲がり壁部8,8の先端部同士は、連結部材54,54により連結されている。そして、この折れ曲がり壁部8,8によって、トラニオン6には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部8,8の外側面(支持板部7と反対側の面)には、各枢軸5,5が互いに同心的に設けられている。
支持板部7の中央部には円孔10が形成され、この円孔10には変位軸9の基端部9aが支持されている。そして、各枢軸5,5を中心として各トラニオン6,6を揺動させることにより、これら各トラニオン6,6の中央部に支持された変位軸9の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン6,6の内側面から突出する変位軸9の先端部9bの周囲には、パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、入力側ディスク2A,2Bと出力側の両ディスク4との間に挟持されている。なお、各変位軸9,9の基端部9aと先端部9bは、互いに偏心している。
一対のトラニオン6,6の両端部はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図5において上下方向)に変位自在に支持されている。これらのヨーク23A,23Bは、一対の支柱61,61により支持されている。すなわち、上側のヨーク23Aは、支柱61の球面ポスト64およびこれを支持する連結板65によって変位自在に支持されている。また、下側のヨーク23Bは、支柱61の球面ポスト68およびこれを支持する上側シリンダボディ60によって変位自在に支持されている。この支柱61の中央部に形成された挿通孔63には、入力軸18が挿通されている。また、前述したように、各トラニオン6,6を構成する支持板部7の中央部に形成された円孔10には、基端部9aと先端部9bとが互いに平行で且つ偏心した変位軸9の基端部9aが、回転自在に支持されている。また、各支持板部7の内側面から突出する各変位軸9の先端部9bの周囲には、パワーローラ11が回転自在に支持されている。
なお、一対のトラニオン6,6毎に設けられた一対の変位軸9,9は、入力軸18に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸9,9の先端部9bが基端部9aに対して偏心している方向は、入力側ディスク2A,2Bおよび出力側ディスク53の回転方向に対して同方向(図5において上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸18の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸18の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、後述する押圧装置23aが発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸18の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、各パワーローラ11,11の外側面と各トラニオン6,6を構成する支持板部7の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、各トラニオン6,6を構成する支持板部7の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、各パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11および外輪28が各変位軸9の基端部9aを中心として揺動変位することを許容する。
更に、各トラニオン6,6の一端部(図5において下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29が設けられており、各駆動ロッド29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)30が固設されている。そして、これら各駆動ピストン30はそれぞれ、駆動シリンダ31内に油密に嵌装されることにより油圧駆動装置を構成している。この場合、駆動シリンダ(シリンダボディ)31は、上側シリンダボディ60と下側シリンダボディ62とによって形成されている。なお、このシリンダボディ60,62に固定された上下一体ポストによってパワーローラ11とディスク2A,2B,53とから構成されるバリエータ部を支持して成るモジュール構造が例えば特許文献7に開示されている。
また、トラニオン6,6の下部の駆動ロッド29の外周には、ヨーク23Bの近傍に、ケーブルサポート100が一体に取り付けられている。また、このケーブルサポート100の外周には、一方のトラニオン6の動作を他方のトラニオン6に伝達するための同期ケーブル102が襷掛け状に掛け渡されている。
また、入力軸18の基端部(図4において左端部)には、図示しない駆動源であるエンジンのクランクシャフトが、駆動軸72を介して結合され、このクランクシャフトにより入力軸18が回転駆動するようになっている。また、両入力側ディスク2A,2Bの内側面2a,2bおよび出力側ディスク53の軸方向両側面(内側面)53a,53aと各パワーローラ11,11の周面11aとの転がり接触部(トラクション部)に、適正な面圧を付与するための押圧装置23aとして、油圧式のものを使用している。また、ケーシング59の前端壁73に内蔵した油圧源である図示しないオイルポンプにより、押圧装置23aおよび変速のためにトラニオン6,6を変位させるための駆動シリンダ31、低速用クラッチ44aおよび高速用クラッチ45aを断接させるための油圧シリンダに、圧油を供給自在としている。
また、出力側ディスク53に、中空回転軸75の基端部(図4において左側)をスプライン結合させている。そして、この中空回転軸75を、エンジンから遠い側(図4において右側)の入力側ディスク2Bの内側に挿通して、出力側ディスク53の回転力を取り出し自在としている。中空回転軸75の先端部(図4において右端部)で上記入力ディスク2Bの外側面から突出した部分に、第1遊星歯車式変速ユニット48を構成するための第1太陽歯車76を固設している。
また、入力軸18の先端部(図4において右端部)で中空回転軸75から突出した部分と入力ディスク2Bとの間に、第1キャリア77を掛けて渡すように設けて、この入力側ディスク2Bと入力軸18とが、互いに同期して回転するようにしている。そして、第1キャリア77の軸方向両側面の円周方向等間隔位置(一般的には3〜4箇所位置)に、それぞれがダブルピニオン型である第1および第2遊星歯車式変速ユニット48,49を構成するための遊星歯車78,79,80を回転自在に支持している。さらに、第1キャリア77の片半分(図4において右半分)周囲に、第1リング歯車81を回転自在に支持している。
上記各遊星歯車78,79,80のうち、トロイダル型無段変速機47寄り(図4において左寄り)で第1キャリア77の径方向の内側に設けた遊星歯車78は、第1太陽歯車76に噛合している。また、トロイダル型無段変速機47から遠い側(図4において右側)で第1キャリア77の径方向の内側に設けた遊星歯車79は、伝達軸52の基端部(図4において左端部)に固設した、第2太陽歯車82に噛合している。また、第1キャリア77の径方向の外側に設けた、残りの遊星歯車80は、内側に設けた遊星歯車78,79よりも軸方向寸法を大きくして、これら両遊星歯車78,79に噛合させている。さらには、残りの遊星歯車80と第1リング歯車81とを噛合させている。なお、径方向外寄りの遊星歯車を、第1、第2の遊星歯車式変速ユニット48,49同士の間で互いに独立させる代わりに、幅広のリング歯車をこれら両遊星歯車に噛合させる構造も採用可能である。
一方、第3遊星歯車式変速ユニット50を構成するための第2キャリア83を、出力軸51の基端部(図4において左端部)に結合固定している。そして、この第2キャリア83と第1リング歯車81とを、低速用クラッチ44aを介して結合している。また、伝達軸52の先端寄り(図4において右端寄り)部分に第3太陽歯車84を固設している。この第3太陽歯車84の周囲に、第2リング歯車85を配置し、この第2リング歯車85とケーシング59等の固定の部分との間に、高速用クラッチ45aを設けている。さらには、第2リング歯車85と第3太陽歯車84との問に配置した復数組の遊星歯車86,87を、第2キャリア83に回転自在に支持している。これら各遊星歯車86,87は、互いに噛合するとともに、第2キャリア83の径方向の内側に設けた遊星歯車86を第3太陽歯車84に、同じく外側に設けた遊星歯車87を第2リング歯車85に、それぞれ噛合している。
このように構成された無段変速装置の場合、入力軸18から一対の入力側ディスク2A,2B、各パワーローラ11,11を介して一体型の出力側ディスク53に伝わった動力は、中空回転軸75を通じて取り出される。そして、低速用クラッチ44aを接続し、高速用クラッチ45aの接続を断った状態では、トロイダル型無段変速ユニット47の変速比を変えることにより、入力軸18の回転速度を一定にしたまま、出力軸51の回転速度を、停止状態を挟んで正転、逆転に変換自在となる。すなわち、この状態では、入力軸18とともに正方向に回転する第1キャリア77と、中空回転軸75とともに逆方向に回転する第1太陽歯車76との差動成分が、第1リング歯車81から、低速用クラッチ44a、第2キャリア83を介して、出力軸51に伝達される。この状態では、トロイダル型無段変速機47の変速比を所定値にすることで出力軸51が停止させられる他、このトロイダル型無段変速機47の変速比を上記所定値から増速側に変化させることにより、出力軸51が車両を後退させる方向に回転させられる。これに対して、トロイダル型無段変速機47の変速比を上記所定値から減速側に変化させることにより、出力紬51が車両を前進させる方向に回転させられる。
さらに、低速用クラッチ44aの接続を断ち、高速用クラッチ45aを接続した状態では、出力軸51を、車両を前進させる方向に回転させる。すなわち、この状態では、入力軸18と共に正方向に回転する第1キャリア77と、中空回転軸75とともにこの第1キャリア77と逆方向に回転する第1太陽歯車76との差動成分に応じて回転する、第1遊星歯車式変速ユニット48の遊星歯車78の回転が、別の遊星歯車80を介して、第2遊星歯車式変速ユニット49の遊星歯車79に伝わり、第2太陽歯車82を介して、伝達軸52を回転させる。そして、この伝達軸52の先端部に設けた第3太陽歯車84と、この第3太陽歯車84とともに第3遊星歯車式変速ユニット50を構成する第2リング歯車85および遊星歯車86,87との噛合に基づき、第2キャリア83およびこの第2キャリア83に結合した出力軸51を、前進方向に回転させる。この状態では、トロイダル型無段変速機47の変速比を増速側に変化させるほど、出力軸51の回転速度を速くすることができる。
このような無段変速装置に組み込まれたトロイダル型無段変速機47において、入力軸18と出力歯車との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン30,30を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン30,30の変位に伴って、一対のトラニオン6,6が互いに逆方向に変位する。例えば、図5の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと入力側ディスク2A,2Bの内側面2a,2bおよび出力側ディスク53の軸方向両側面53a,53aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン6,6が、支持板23,23に枢支された枢軸5,5を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,2b,53aとの当接位置が変化し、入力軸18と出力歯車との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸18と出力歯車との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11に付属の外輪28が、各変位軸9の基端部9aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28の外側面と各トラニオン6を構成する支持板部7の内側面との間には、各スラストニードル軸受25が存在するため、前記回動は円滑に行なれる。したがって、前述のように各変位軸9,9の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
特開平6−174033号公報 特開2000−220719号公報 特開2002−139124号公報 米国特許第6358178号明細書 米国特許第5607372号明細書 米国特許第6059685号明細書 特開2004−84712号公報
ところで、図4に示すような同軸レイアウト構造においては、モジュール化されたバリエータ部(パワーローラ11とディスク2A,2B,53とから構成されるバリエータモジュール)をケーシング59に対して組み付けた後、制御バルブを組み付け、次に前述したオイルポンプをケーシング59に対して組み込むといった手順で組み立てが行なわれる。ところが、このような手順でオイルポンプをケーシング59に対して組み込む場合には、以下の3つの問題が生じる。
(1)前記オイルポンプは、ケーシング59に対して精度良くその軸心を合わせる必要があるため、ケーシング59に対する嵌め合い部分が精密に加工される。そのため、前記オイルポンプをケーシング59に対して真直ぐに挿入する必要があり、組み立てにかなりの時間を要する。オイルポンプを真直ぐに挿入できなかった場合には、高圧の圧油が作用する油圧ローディング部である押圧装置23aのシールがこじり、それにより圧油が漏れて、正常な油圧を確保することができなくなる。したがって、トルク負荷時にグロススリップが生じる可能性がある。
(2)シールの破損や組み付け忘れ等に起因して油圧ローディング部である押圧装置23aで正規の圧力が確保できない場合には、オイルポンプをケーシング59から取り外さなければシールを交換することができない。そのため、交換作業に多くの時間およびコストを要する。
(3)駆動力を入力するための駆動軸72は、バリエータ部のメインシャフトである入力軸18と爪構造により嵌合されている(駆動軸72の爪部72aと入力軸18の爪部18aとが係合している)が、オイルポンプをケーシング59内に組み込む際に、目視によって前記爪部の位相(爪部同士の嵌め合い)を確認できないため、組み立てにかなりの時間を要する。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、バリエータ部およびオイルポンプの組立性を向上させることができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面
同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラとから成るバリエータ部をケーシングに組み込んで成るトロイダル型無段変速機であって、前記バリエータ部は、このバリエータ部に対して潤滑油を供給するためのオイルポンプと一体のモジュール構造を成して前記ケーシングに組み込まれていることを特徴とする。
この請求項1に記載された発明においては、バリエータ部は、このバリエータ部に対して潤滑油を供給するためのオイルポンプと一体のモジュール構造を成してケーシングに組み込まれるようになっているため、ケーシングの外側でオイルポンプの組立ができ、バリエータ部に対するオイルポンプの正確な位置きめをケーシングとの位置関係を問題にすることなく容易に行なうことできるとともに、その正確な位置決め状態を保持した状態でオイルポンプをバリエータ部と一体のモジュールとしてケーシングに対して組み付けるため、組立が容易であり(組立性が向上し)、組立に要する作業時間を短縮できる。
また、請求項2に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1に記載の発明において、前記バリエータ部は、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる油圧駆動装置と、前記トラニオンの前記枢軸をそれぞれ揺動自在且つ軸方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により揺動する一対のヨークとを更に備え、前記オイルポンプは、前記ヨークを支持するための連結板と前記油圧駆動装置の油圧室を形成するシリンダボディとに対して固定されていることを特徴とする。
この請求項2に記載された発明においては、オイルポンプの位置決めをシリンダボディと連結板(ポスト固定用部材)により行なうことができるため、バリエータ部の軸心とオイルポンプの軸心とを正確に位置決めすることができるようになる。また、これにより、駆動力を入力するための駆動軸とバリエータ部のメインシャフトである入力軸とが爪構造により嵌合されているような構造においては、駆動軸と入力軸との嵌合部(噛み合い部)の騒音や振動を減少させることができる。
また、請求項3に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項2に記載の発明において、前記オイルポンプは、その軸心が前記バリエータ部の軸心と位置合わせされた状態で、前記連結板と前記シリンダボディとに対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
この請求項3に記載された発明においては、オイルポンプは、その軸心がバリエータ部の軸心と位置合わせされた状態で、連結板およびシリンダボディとに対して着脱可能に取り付けられているため、分解および組立を精度良く簡単に行なうことができる。これにより、例えばシールの破損や組み付け忘れ等に起因して油圧ローディング部である押圧装置で正規の圧力が確保できないような場合、シールの交換が容易になる。そのため、交換作業に多くの時間およびコストを要さないで済む。また、駆動力を入力するための駆動軸とバリエータ部のメインシャフトである入力軸とが爪構造により嵌合されているような構造においては、駆動軸と入力軸との爪の位相を簡単に合わせることができるため、組立時間を短縮できる。
また、請求項4に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明において、前記オイルポンプからの潤滑油は、前記オイルポンプと前記連結板との間の取付部および前記オイルポンプと前記シリンダボディとの間の取付部にそれぞれ設けられた油路を介して前記バリエータ部に供給されることを特徴とする。
この請求項4に記載された発明においては、オイルポンプと連結板との間の取付部およびオイルポンプとシリンダボディとの間の取付部にそれぞれ油路が設けられているため、潤滑油の供給を損失なく効率的に行なうことができる。
また、請求項5に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項4に記載の発明において、前記油路に接続され且つ前記バリエータ部の作動をチェックするためのバリエータ性能確認用制御バルブを更に備えていることを特徴とする。
この請求項5に記載された発明においては、バリエータ部の作動をチェックするためのバリエータ性能確認用制御バルブが設けられているため、簡単な性能確認試験を行なうことができる。すなわち、従来においては、バリエータ部、オイルポンプ、制御バルブの全てをケーシングに組み立てた後でしかバリエータ部が正常に作動するか否かを確認できなかったが、本請求項の構成では、オイルポンプとバリエータ部とのモジュール構造にバリエータ性能確認用制御バルブが設けられているため、ケーシングの組立前にバリエータ部が正常に作動するか否かを確認できる。また、この時、油圧ローディングのシール部、駆動軸のシール、シリンダボディのシールに欠陥がないかも確認できる。
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、バリエータ部が、このバリエータ部に対して潤滑油を供給するためのオイルポンプと一体のモジュール構造を成してケーシングに組み込まれるようになっているため、組立性が向上し、組立に要する作業時間を短縮できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、オイルポンプおよびバリエータ部のケーシングに対する取り付け構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図4および図5と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1および図2は本発明の実施形態を示している。前述したように、ケーシング59の前端壁73には油圧源であるオイルポンプ190が内蔵されており、このオイルポンプ190により、押圧装置23aおよび変速のためにトラニオン6,6を変位させるための駆動シリンダ31、低速用クラッチ44aおよび高速用クラッチ45aを断接させるための油圧シリンダに対して圧油を供給できるようになっている。また、駆動力を入力するための駆動軸72は、バリエータ部のメインシャフトである入力軸18と爪構造により嵌合されている。具体的には、駆動軸72の爪部72aと入力軸18の爪部18aとが係合している。
図示のように、入力側ディスク2A,2Bおよび出力側ディスク53とパワーローラ11とから成るバリエータ部はケーシング59に組み込まれているが、この場合、前記バリエータ部は、オイルポンプ190と一体のモジュール構造を成してケーシング59に組み込まれている。具体的には、オイルポンプ190(ケーシング59の前端壁73)は、ヨーク23A(ポスト64)を支持する連結板65と前述した油圧駆動装置の油圧室を形成する駆動シリンダ(シリンダボディ)31とに対して固定されている。また、このような固定形態において、オイルポンプ190は、その軸心が前記バリエータ部の軸心と位置合わせされた状態で、連結板65および駆動シリンダ31とに対してボルト等の結合部材250,252を介して着脱可能に取り付けられている。
また、本実施形態において、オイルポンプ190からの潤滑油は、オイルポンプ190と連結板65との間の取付部およびオイルポンプ190と駆動シリンダ31との間の取付部にそれぞれ設けられた油路320,340および制御バルブ200を介して前記バリエータ部に供給されるようになっている。
以上説明したように、本実施形態において、前記バリエータ部は、このバリエータ部に対して潤滑油を供給するためのオイルポンプ190と一体のモジュール構造を成してケーシング59に組み込まれるようになっているため、ケーシング59の外側でオイルポンプ190の組立ができ、バリエータ部に対するオイルポンプ190の正確な位置きめをケーシング59との位置関係を問題にすることなく容易に行なうことできるとともに、その正確な位置決め状態を保持した状態でオイルポンプ190をバリエータ部と一体のモジュールとしてケーシング59に対して組み付けるため、組立が容易であり(組立性が向上し)、組立に要する作業時間を短縮できる。
また、本実施形態においては、オイルポンプ190の位置決めを駆動シリンダ31と連結板65により行なうことができるため、バリエータ部の軸心とオイルポンプ190の軸心とを正確に位置決めすることができるようになる。また、これにより、駆動軸72と入力軸18との嵌合部(駆動軸72の爪部72aと入力軸18の爪部18aとの係合部)の騒音や振動を減少させることができる。
また、本実施形態において、オイルポンプ190は、その軸心がバリエータ部の軸心と位置合わせされた状態で、連結板65および駆動シリンダ31とに対して着脱可能に取り付けられているため、分解および組立を精度良く簡単に行なうことができる。これにより、例えばシール(油圧ローディングのシール222,224、駆動軸72のシール220、駆動シリンダ31内のシール等)の破損や組み付け忘れ等に起因して油圧ローディング部である押圧装置23aで正規の圧力が確保できないような場合、シールの交換が容易になる。そのため、交換作業に多くの時間およびコストを要さないで済む。また、駆動軸72と入力軸18との爪72a,18aの位相を簡単に合わせることができるため、組立時間を短縮できる。
また、本実施形態においては、オイルポンプ190と連結板65との間の取付部およびオイルポンプ190と駆動シリンダ31との間の取付部にそれぞれ油路320,340が設けられているため、潤滑油の供給を損失なく効率的に行なうことができる。
なお、上記構成においては、図3に示すように、油路320,340に接続され且つ前記バリエータ部の作動をチェックするためのバリエータ性能確認用制御バルブ300を更に設けることが望ましい。このようなバルブ300を設けると、簡単な性能確認試験を行なうことができる。すなわち、従来においては、バリエータ部、オイルポンプ190、制御バルブ200の全てをケーシング59に組み立てた後でしかバリエータ部が正常に作動するか否かを確認できなかったが、図3の構成では、オイルポンプ190とバリエータ部とのモジュール構造にバリエータ性能確認用制御バルブ300が設けられているため、ケーシング59の組立前にバリエータ部が正常に作動するか否かを確認できる。また、この時、油圧ローディングのシール部222,224、駆動軸72のシール、駆動シリンダ31内のシールに欠陥がないかも確認できる。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機に適用できる他、トラニオンを有さないフルトロイダル型無段変速機にも適用することができる。
本発明の実施形態の要部断面図である。 図1の要部拡大断面図である。 図2の変形例を示す断面図である。 従来のダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機が組み込まれたギヤード・ニュートラル型の無段変速装置の要部断面図である。 図4のA−A線に沿う断面図である。
符号の説明
6 トラニオン
18 入力軸
2A,2B 入力側ディスク
11 パワーローラ
23A,23B ヨーク
31 駆動シリンダ(シリンダボディ)
53 出力側ディスク
59 ケーシング
65 連結板
190 オイルポンプ
300 バリエータ性能確認用制御バルブ
320,340 油路

Claims (5)

  1. それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラとから成るバリエータ部をケーシングに組み込んで成るトロイダル型無段変速機において、
    前記バリエータ部は、このバリエータ部に対して潤滑油を供給するためのオイルポンプと一体のモジュール構造を成して前記ケーシングに組み込まれていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記バリエータ部は、
    前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、
    前記トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる油圧駆動装置と、前記トラニオンの前記枢軸をそれぞれ揺動自在且つ軸方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により揺動する一対のヨークと、
    を更に備え、
    前記オイルポンプは、前記ヨークを支持するための連結板と前記油圧駆動装置の油圧室を形成するシリンダボディとに対して固定されていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 前記オイルポンプは、その軸心が前記バリエータ部の軸心と位置合わせされた状態で、前記連結板と前記シリンダボディとに対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 前記オイルポンプからの潤滑油は、前記オイルポンプと前記連結板との間の取付部および前記オイルポンプと前記シリンダボディとの間の取付部にそれぞれ設けられた油路を介して前記バリエータ部に供給されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のトロイダル型無段変速機。
  5. 前記油路に接続され且つ前記バリエータ部の作動をチェックするためのバリエータ性能確認用制御バルブを更に備えていることを特徴とする請求項4に記載のトロイダル型無段変速機。
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