図1はこの発明の一実施形態を適用した反射兼透過型の液晶表示装置の要部を示したものである。この液晶表示装置は、データラインと各画素電極との間に薄膜トランジスタ等のスイッチング素子を有するアクティブマトリクス型の液晶表示パネル1を備えている。液晶表示パネル1は、詳細には図示していないが、一対のガラス基板2、3がほぼ枠状のシール材4を介して貼り合わされ、シール材4の内側における両ガラス基板2、3間に液晶が封入され、各ガラス基板2、3の表面に偏光板5、6が貼り付けられたものからなっている。
液晶表示パネル1の裏面側には反射機能を備えたバックライト(反射兼光出射手段)11が配置されている。バックライト11は、液晶表示パネル1の裏面に設けられた光学シート12と、この光学シート12の裏面に設けられた光拡散層13と、この光拡散層13の裏面に設けられた光学部材14と、この光学部材14の裏面側に設けられた導光体15と、この導光体15の所定の一端面側に設けられた光源16とを備えている。光源16は、直線状の蛍光管17と、この蛍光管17からの光を導光体15の一端面に向けて反射させるためのリフレクタ18とからなっている。
導光体15は、図2にも示すように、アクリル樹脂等によって形成されたものであって、裏面を平坦面とされ、裏面に垂直な所定の一端面を光入射面21とされ、表面を光入射面21側から他端面側に向かうに従って漸次薄肉となる階段状とされた構造となっている。この場合、階段状の表面は、裏面に平行な複数の段面22と、これらの段面22に垂直な段差面(光出射面)23とからなっている。各段面22上には、酸化シリコンからなる下地膜(図示せず)を介してアルミニウムの蒸着膜等からなる反射膜24が設けられている。導光体15の裏面には反射板25が設けられている。そして、導光体15は、その裏面を液晶表示パネル1に対して適宜に傾斜された状態で、液晶表示パネル1の裏面側に配置されている。
光学部材14は、図2にも示すように、アクリル樹脂等によって形成されたものであって、表面を平坦面とされ、裏面に複数の断面三角形状の突状部31が一定のピッチで形成された構造となっている。この場合、突状部31の一方の側面と空気との界面は第1の光学界面32となっており、突状部31の他方の側面と空気との界面は第2の光学界面33となっており、各突状部31間における光学部材14の裏面と空気との界面は第3の光学界面34となっている。そして、光学部材14は、その突状部31の頂点を反射膜24に近接または当接された状態で、導光体15上に配置されている。この状態では、第1の光学界面32は、導光体15の段面22に対する角度(第1の光学界面32の段差面23と対向する側の角度)が90°以下であって、段差面23とほぼ平行する面またはそれに近い傾斜面となっている。第2の光学界面33は、光学部材14の表面の垂線に対する角度が当該垂線と第1の光学界面32とのなす角度よりも大きい傾斜面となっている。第3の光学界面34は、導光体15の段面22とほぼ平行する面またはそれに近い傾斜面となっている。なお、光学部材14の突状部31のピッチは、液晶表示パネル1の画素ピッチとほぼ同じか、あるいは同画素ピッチの整数分の1となっている。また、導光体15の段面22のピッチは、光学部材14の突状部31のピッチよりもやや大きくなっている。
光拡散層13は、例えば、光散乱用微粒子が分散された透明な粘着剤を光学部材14の表面に塗布したものからなっている。そして、光学シート12は、この光拡散層13を介して光学部材14の表面に貼り付けられている。また、液晶表示パネル1は、光学シート12の表面に透明な粘着剤または両面粘着シート35を介して貼り付けられている。光学シート12は、図3に示すように、互いにほぼ直交する透過軸P及び反射軸Sを有し、透過軸Pに沿った偏光成分(P偏光成分)の光を透過させ、反射軸Sに沿った偏光成分(S偏光成分)の光を反射するようになっている。すなわち、この光学シート12の裏面側から、透過軸Pに沿ったP偏光成分の光と反射軸Sに沿ったS偏光成分の光との双方を含む光が入射されると、この入射光のうち透過軸Pに沿ったP偏光成分の光は光学シート12を透過し、反射軸Sに沿ったS偏光成分の光は光学シート12で反射される。このような半透過半反射特性は、光学シート12の表面側からの入射光に対しても同様である。
さて、この液晶表示装置を透過型として使用する場合には、蛍光管17を点灯させる。すると、蛍光管17からの光及びリフレクタ18によって反射された反射光は導光体15の光入射面21に入射される。この入射光は、例えば図2において実線の矢印で示すように、反射膜24や反射板25で反射されながら導光体15内を横方向に進行し、各段差面(光出射面)23から出射される。この出射光は、同じく図2において実線の矢印で示すように、光学部材14の第1の光学界面32に入射され、第2の光学界面33で全反射され、光学部材14の表面から出射され、光散乱層13に入射されて散乱される。この散乱光のうちP偏光成分の光は光学シート12を透過して液晶表示パネル1の裏面に入射され、S偏光成分の光は光学シート12で反射される。しかし、光学シート12で反射された光は、反射膜24で反射され、光散乱層13で再度散乱される。この散乱光のうちP偏光成分の光は光学シート12を透過して液晶表示パネル1の裏面に入射され、S偏光成分の光は光学シート12で反射される。そして、このようなことが繰り返されることにより、各段差面23から出射された光のほとんどが液晶表示パネル1の裏面に入射される。なお、光学シート12の透過軸と液晶表示パネル1の裏面側の偏光板6の透過軸とは互いにほぼ平行となっている。そして、液晶表示パネル1の裏面に入射された光は、液晶表示パネル1を透過して液晶表示パネル1の表面側に出射され、これにより表示が行われることになる。
一方、この液晶表示装置を反射型として使用する場合には、蛍光管17を点灯させず、外光を利用することになる。すなわち、液晶表示パネル1の表面側から入射された外光(直線偏光光)は液晶表示パネル1を透過する。この透過光は、例えば図2において点線の矢印で示すように、光学シート12、光拡散層13及び光学部材14を順に透過し、反射膜24で反射される。この反射光は、光学部材14を透過し、光拡散層13で拡散される。この拡散光のほとんどは、上記の場合と同様にして、光学シート12を透過して液晶表示パネル1の裏面に入射される。この入射光は、液晶表示パネル1を透過して液晶表示パネル1の表面側に出射され、これにより表示が行われることになる。
次に、この液晶表示装置において、光源16からの光と外光との双方を同時に利用して表示を行う場合について説明する。ところで、液晶表示パネル1の好適な画面輝度(使用環境下で表示を充分な明るさで観察することができる輝度)は使用環境の照度(以下、環境照度という。)によって異なり、同じ画面輝度でも、環境照度によっては画面が眩しすぎたり暗すぎたりする。例えば、夏期の直射日光下のような10万ルクスを越える高照度の使用環境下では、眩しすぎることになる。
そこで、この液晶表示装置では、夏期の直射日光下のような10万ルクスを越える高照度の使用環境下でも、眩しすぎない好適な画面輝度が得られるようにするために、主として反射膜24による外光の反射率と液晶表示パネル1の光の透過率とによって決まる装置全体としての反射率(液晶表示パネル1の表面側から入射する外光の強度と反射膜24によって反射されて液晶表示パネル1の表面側に出射される外光の強度との比)を、外光のみを利用する通常の反射型液晶表示装置に比べて低く設定している。
また、光源16からの光の輝度を環境照度に応じて制御することにより、光源16からの光と外光との双方による液晶表示パネル1の画面輝度が環境照度に応じた好適な画面輝度となるようにしている。すなわち、この液晶表示装置では、環境照度に応じて光源16からの光の輝度を制御するために、光源輝度制御手段が備えられている。次に、この光源輝度制御手段について説明する。
まず、図4はこの液晶表示装置の一部の概略構成を示したものである。この液晶表示装置では、図1に示すシール材4の外側における裏面側のガラス基板3の上面において表面側のガラス基板2と対向する部分の所定の箇所に外光照度検出センサ41が設けられている。一方、表面側のガラス基板2の下面において外光照度検出センサ41と対向する部分の所定の箇所にはクロム等の金属薄膜からなる透過率低下用膜42が設けられ、この透過率低下用膜42を透過した外光が外光照度検出センサ41に入射されるようになっている。なお、透過率低下用膜42の具体的な役目等については、後で説明する。
次に、図5はこの液晶表示装置の回路の要部を示したものである。液晶表示パネル1の裏面側のガラス基板3の上面の所定の箇所には外光照度検出部51が一体的に形成されている。外光照度検出部51は、後述するダブルゲート型光電変換薄膜トランジスタからなる外光照度検出センサ41と、薄膜トランジスタからなる第1のスイッチング素子52と、外光照度検出センサ41と第1のスイッチング素子52との間に設けられた抵抗53及びキャパシタ54と、外光照度検出センサ41と抵抗53との間に接続された薄膜トランジスタからなる第2のスイッチング素子55とを備えている。
そして、分周器56から予め設定された時間だけ出力されるセンサ駆動信号が第2のスイッチング素子55に入力されている間に、外光照度検出センサ41から検出照度に応じた電流がキャパシタ54に流れ、キャパシタ54に電荷が蓄積される。そして、所定のタイミングで第1のスイッチング素子52がオンすると、キャパシタ54に蓄積された電荷に応じた光検出信号がレベルシフト調整器57に入力される。レベルシフト調整器57は、例えばA/D変換器からなり、入力された光検出信号をパラレル信号に変換し、このパラレル信号をパラレルシリアル変換器58に出力する。パラレルシリアル変換器58は入力されたパラレル信号をシリアル信号に変換し、このシリアル信号をを調光用制御信号発生器59に出力する。調光用制御信号発生器59は入力されたシリアル信号に応じた調光用制御信号を調光機能付きインバータ60に出力する。調光機能付きインバータ60は、光源16(図1参照)が調光用制御信号発生器59からの調光用制御信号に応じた輝度の光を発光するように、光源16(蛍光管17)を駆動する。
次に、光源輝度制御手段により光源16からの光の輝度を環境照度に応じて制御することについて、具体的な数値を挙げて説明する。まず、図6はこの場合の液晶表示パネル1の画面輝度と環境照度との関係を示したものである。前提条件として、環境照度に応じた液晶表示パネル1の好適な画面輝度は、夜間の街灯下のような50ルクスの環境照度では20〜200ニット、室内照明を点灯させたときの室内のような1000ルクスの環境照度では30〜300ニット、晴天時の木陰のような30000ルクスの環境照度では400〜4000ニットであるとし、より好ましくは、50ルクスの環境照度では20〜60ニット、1000ルクスの環境照度では60〜200ニット、30000ルクスの環境照度では1000〜3000ニットであるとする。
さて、液晶表示パネル1の画面輝度L(ニット)は、環境照度をI(ルクス)、光源16からの光の輝度をB(ニット)、液晶表示パネル1の光の透過率をT(%)、上述の装置全体としての反射率をR(%)としたとき、次の式(1)から求められる。
L=I×R/400+B×T/100……(1)
そこで、第1に、液晶表示パネル1の画面輝度Lが、50ルクスの環境照度で20〜200ニット、1000ルクスの環境照度で30〜300ニット、30000ルクスの環境照度で400〜4000ニットの範囲をそれぞれ満足する二次関数で表わされる輝度となるように、光源輝度制御手段により光源16からの光の輝度を環境照度に応じて制御する。すなわち、この場合の光源16からの光の輝度の制御条件は、上記式(1)から求められ、次の式(2)のようになる。
−2×10-8×I2+0.015×I+20≦L≦−3×10-7×I2+0.113×I+150…(2)
そして、図6において、曲線M1、M2は上記式(2)から求められる画面輝度Lの最大値と最小値を示す。すなわち、曲線M1、M2は次の式(3)、(4)によってそれぞれ表わされる曲線である。
L(M1)=−3×10-7×I2+0.113×I+150…(3)
L(M2)=−2×10-8×I2+0.015×I+20……(4)
したがって、この両曲線M1、M2間の範囲Mは、環境照度に応じた液晶表示パネル1の好適な画面輝度の範囲である。
次に、第2に、液晶表示パネル1の画面輝度Lが、50ルクスの環境照度で20〜60ニット、1000ルクスの環境照度で60〜200ニット、30000ルクスの環境照度で1000〜3000ニットの範囲をそれぞれ満足する二次関数で表わされる輝度となるように、光源輝度制御手段により光源16からの光の輝度を環境照度に応じて制御する。すなわち、この場合の光源16からの光の輝度の制御条件は、上記式(1)から求められ、次の式(5)のようになる。
−9×10-8×I2+0.0453×I+20≦L≦−2×10-7×I2+0.0871×I+50…(5)
そして、図6において、曲線N1、N2は上記式(5)から求められる画面輝度Lの最大値と最小値を示す。すなわち、曲線N1、N2は次の式(6)、(7)によってそれぞれ表わされる曲線である。
L(N1)=−2×10-7×I2+0.0871×I+50 …(6)
L(N2)=−9×10-8×I2+0.0453×I+20……(7)
したがって、この両曲線N1、N2間の範囲Nは、環境照度に応じた液晶表示パネル1のより好適な画面輝度の範囲である。
以上のように、この液晶表示装置では、光源輝度制御手段により光源16からの光の輝度を環境照度に応じて制御することにより、液晶表示パネル1の画面輝度を曲線M1、M2間の範囲M、より好ましくは曲線N1、N2間の範囲Nとすることができる。これにより、低照度から高照度の広い環境照度において、液晶表示パネル1の画面輝度を好適もしくはより好適とすることができる。
なお、図6における二点鎖線は、比較のために、外光のみを利用する通常の反射型液晶表示装置の画面輝度を表わしたものである。この二点鎖線で示す画面輝度は、環境照度の変化に対して直線的に変化している。そして、この通常の反射型液晶表示装置では、曲線M1、M2間の範囲Mに対応する環境照度が約300〜約5000ルクスの範囲であり、曲線N1、N2間の範囲Nに対応する環境照度が約500〜約2000ルクスの範囲である。したがって、それ以上の環境照度では、液晶表示パネルの画面が明るくなりすぎ、例えば夏期の直射日光下のような10万ルクスを越える高照度の使用環境下では、液晶表示パネルの画面が眩しすぎて表示が見えにくくなってしまう。一方、それ以下の環境照度では、液晶表示パネルの画面が暗くなりすぎ、例えば夜間の屋外のような暗い使用環境下では、表示を視認できる程度の画面輝度が得られなくなってしまう。
次に、外光照度検出センサ41の具体的な構造について、図7を参照して説明する。裏面側のガラス基板3の上面にはアルミニウム等の遮光性電極からなるボトムゲート電極71が設けられ、その上面全体には窒化シリコンからなるボトムゲート絶縁膜72が設けられている。ボトムゲート絶縁膜72の上面においてボトムゲート電極71に対応する部分にはアモルファスシリコンやポリシリコンからなる半導体層73が設けられている。半導体層73の上面中央部には窒化シリコンからなるブロッキング層74が設けられている。ブロッキング層74の上面両側及びその両側における半導体層73の上面にはn+シリコン層75、76が設けられている。n+シリコン層75、76の上面にはアルミニウム等の遮光性電極からなるソース電極77及びドレイン電極78が設けられ、その上面全体には窒化シリコンからなるトップゲート絶縁膜79が設けられている。トップゲート絶縁膜79の上面において半導体層73に対応する部分にはITO等の透明電極からなるトップゲート電極80が設けられ、その上面全体には窒化シリコンからなるオーバーコート膜81が設けられている。そして、この外光照度検出センサ41では、その下面側から入射された光がボトムゲート電極71によって遮光されて半導体層73に直接入射しないようになっている。
この外光照度検出センサ41では、ボトムゲート電極(BG)71、半導体層73、ソース電極(S)77及びドレイン電極(D)78等によってボトムゲート型トランジスタが構成され、トップゲート電極(TG)80、半導体層73、ソース電極(S)77及びドレイン電極(D)78等によってトップゲート型トランジスタが構成されている。すなわち、この外光照度検出センサ41は、半導体層73の下側及び上側にそれぞれボトムゲート電極(BG)71及びトップゲート電極(TG)80が配置されたダブルゲート型光電変換薄膜トランジスタによって構成され、その等価回路は図8のように示すことができる。
次に、この外光照度検出センサ41の動作について説明する。まず、図9(A)に示すように、ソース電極(S)−ドレイン電極(D)間に正電圧(例えば+5V)が印加された状態において、ボトムゲート電極(BG)に正電圧(例えば+10V)が印加されると、半導体層73にチャネルが形成され、ドレイン電流が流れる。この状態で、トップゲート電極(TG)にボトムゲート電極(BG)の電界によるチャネルを消滅させるレベルの負電圧(例えば−20V)が印加されると、トップゲート電極(TG)からの電界がボトムゲート電極(BG)の電界によるチャネル形成に対してそれを妨げる方向に働き、チャネルがピンチオフされる。このとき、トップゲート電極(TG)側から半導体層73に光が照射されると、半導体層73のトップゲート電極(TG)側に電子−正孔対が誘起される。この電子−正孔対は半導体層73のチャネル領域に蓄積され、トップゲート電極(TG)の電界を打ち消す。このため、半導体層73にチャネルが形成され、ドレイン電流が流れる。このドレイン電流は半導体層73への入射光量に応じて変化する。そして、このドレイン電流により、図5に示すキャパシタ54に電荷が蓄積されることになる。
次に、この外光照度検出センサ41をリセットする場合について、図9(B)を参照して説明する。ボトムゲート電極(BG)に正電圧(+10V)が印加された状態において、トップゲート電極(TG)を例えば0Vにすると、半導体層73とトップゲート絶縁膜79との間のトラップ準位から正孔を吐き出させてリフレッシュ、つまりリセットすることができる。すなわち、連続して使用されると、半導体層73とトップゲート絶縁膜79との間のトラップ準位が光照射により発生する正孔とドレイン電極(D)から注入される正孔とによって埋められていき、光無入射状態でのチャネル抵抗が小さくなり、光無入射時にドレイン電流が増加する。そこで、トップゲート電極(TG)を0Vとし、この正孔を吐き出させてリセットする。
次に、この外光照度検出センサ41の形成方法の一例について、アクティブマトリクス型の液晶表示装置におけるスイッチング素子としてのMIS型薄膜トランジスタの形成方法と併せ、図10を参照して説明する。裏面側のガラス基板3の上面の薄膜トランジスタ等形成領域にアルミニウム等からなるゲート電極91を形成するとともに、同上面の外光照度検出センサ形成領域にアルミニウム等からなるボトムゲート電極71を形成する。次に、上面全体には窒化シリコンからなるボトムゲート絶縁膜72を形成する。次に、ボトムゲート絶縁膜72の上面の薄膜トランジスタ等形成領域にアモルファスシリコンやポリシリコンからなる半導体層92を形成するとともに、同上面の外光照度検出センサ形成領域にアモルファスシリコンやポリシリコンからなる半導体層73を形成する。次に、半導体層92、73の上面中央部に窒化シリコンからなるブロッキング層93、74を形成する。次に、ブロッキング層93、74の上面両側及びその両側における半導体層92、73の上面にn+シリコン層94、95、75、76を形成する。次に、n+シリコン層94、95、75、76の上面にアルミニウム等からなるソース電極96、ドレイン電極97、ソース電極77、ドレイン電極78を形成する。次に、上面全体には窒化シリコンからなるトップゲート絶縁膜79を形成する。次に、トップゲート絶縁膜79の上面の薄膜トランジスタ等形成領域にITO等の透明電極からなる画素電極98を形成するとともに、同上面の外光照度検出センサ形成領域にITO等の透明電極からなるトップゲート電極80を形成する。この場合、画素電極98は、トップゲート絶縁膜79に形成されたコンタクトホール99を介してソース電極96に接続される。次に、画素電極98の所定の部分を除く上面全体に窒化シリコンからなるオーバーコート膜81を形成する。
かくして、薄膜トランジスタ等形成領域にMIS型薄膜トランジスタ及び画素電極98が形成され、外光照度検出センサ形成領域にMIS型薄膜トランジスタからなる外光照度検出センサ41が形成される。このように、外光照度検出センサ41をスイッチング素子としてのMIS型薄膜トランジスタ及び画素電極98の形成と同時に形成することができるので、製造工程数が増加しないようにすることができる。しかも、外光照度検出センサ41を液晶表示パネル1の裏面側のガラス基板3上に一体的に形成しているので、外光照度検出センサ41を備えても、部品点数が増加しないようにすることができる。
次に、図4に示す透過率低下用膜42について説明する。一例として、10mmTorr以上例えば30mmTorrの圧力下においてアルゴンガスを用いたスパッタ法により、ガラス基板上にクロム薄膜を成膜し、このクロム薄膜の膜厚(nm)と透過率(%)との関係を調べたところ、図11に示す結果が得られた。この図から明らかなように、クロム薄膜の膜厚が200nm未満において薄くなるほど透過率(%)が高くなる。すなわち、クロム薄膜の膜厚が200nm未満においては、クロム薄膜の膜厚が厚くなるほど透過率(%)が低下する。そして、例えば、膜厚約25nmでは、透過率(%)が約10%であって約90%の可視光を遮光し、膜厚約150nmでは、透過率(%)が約1%であって約99%の可視光を遮光することになる。
そこで、図4に示す透過率低下用膜42を膜厚約25nmのクロム薄膜によって形成したものと、膜厚約150nmのクロム薄膜によって形成したものとを用意し、また比較のために、透過率低下用膜42を備えていないものを用意し、図7に示すダブルゲート型光電変換薄膜トランジスタからなる外光照度検出センサ41のドレイン電流が外光照度に対して1μAに達するまでの反応時間を調べたところ、図12に示す結果が得られた。この図において、黒丸印の曲線は透過率低下用膜42を膜厚約150nmのクロム薄膜によって形成した場合を示し、黒四角印の曲線は透過率低下用膜42を膜厚約25nmのクロム薄膜によって形成した場合を示し、黒三角印の曲線は透過率低下用膜42を備えていない場合を示す。
この図12から明らかなように、外光照度検出センサ41のドレイン電流が1μAに達するまでの反応時間は、いずれの場合も、外光照度が高くなるほど早くなる。そして、例えば、外光照度100ルクスにおける反応時間は、黒三角印の曲線で約0.006秒であり、黒四角印の曲線で約0.06秒であり、黒丸印の曲線で約0.6秒である。また、外光照度100000ルクスにおける反応時間は、黒三角印の曲線で約0.000008秒であり、黒四角印の曲線で約0.00008秒であり、黒丸印の曲線で約0.0008秒である。このように、反応時間は、透過率低下用膜42を備えていない場合と比較して、透過率低下用膜42の透過率が約10%の場合には約10倍となり、透過率低下用膜42の透過率が約1%の場合には約100倍となる。すなわち、透過率低下用膜42の膜厚に応じて外光照度検出センサ41のセンサ面に入射される光量が低下することとなり、外光照度検出センサ41の反応時間を簡単な方法で遅延させることができる。この結果、外光照度検出センサ41を駆動するための信号及び光検出信号を出力するための信号の周波数をある程度低くすることができる。
なお、上記実施形態では、液晶表示パネルに1個の外光照度検出センサを設けた場合について説明したが、これに限らず、複数個の外光照度検出センサを設けるようにしてもよい。一例として、外光照度検出センサを3個設け、第1の外光照度検出センサ用の透過率低下用膜の透過率を約1%とし、第2の外光照度検出センサ用の透過率低下用膜の透過率を約10%とし、第3の外光照度検出センサに対しては透過率低下用膜を設けない。そして、図12を参照して説明すると、3個の外光照度検出センサの各反応時間が約0.001秒〜約0.01秒の範囲内となるように、外光照度500ルクス以下では第3の外光照度検出センサを使用し、外光照度500〜5000ルクスでは第2の外光照度検出センサを使用し、外光照度5000ルクス以上では第1の外光照度検出センサを使用するようにしてもよい。このようにすると、幅広い外光照度をほぼ均一な感度で検出することができる。
また、上記実施形態では、図4に示すように、液晶表示パネル1の裏面側のガラス基板3の上面に外光照度検出センサ41を設け、表面側のガラス基板2の下面に透過率低下用膜42を設けた場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、透過率低下用膜42を表面側のガラス基板2の上面に設けるようにしてもよい。また、透過率低下用膜42を表面側のガラス基板2の上下面のいずれにも設けずに、図7に示すトップゲート電極80をクロム等の金属薄膜(透過率低下用膜)によって形成するようにしてもよい。このようにした場合には、トップゲート電極80が透過率低下用膜を兼ねることになるので、透過率低下用膜を形成するためのそれ専用の工程が不要となり、製造工程数が増加しないようにすることができる。
さらに、上記実施形態では、外光照度検出センサ41としてダブルゲート型光電変換薄膜トランジスタを用いた場合について説明したが、これに限らず、スイッチング素子としての薄膜トランジスタの形成と同時に形成することができるpn型光ダイオード等を用いてもよい。また、上記実施形態では、蛍光管17を用いた場合について説明したが、これに限らず、直線状の発光ダイオードアレイ等を用いてもよい。また、上記実施形態では、階段状の段面22上に反射膜24を有する導光体15等からなるバックライト11を用いた場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図示していないが、液晶表示パネルの裏面側に光学シートを配置し、その裏面側にEL等からなるバックライトを配置するようにしてもよい。さらに、上記実施形態では、この発明を反射及び透過型の液晶表示装置に適用した場合について説明したが、これに限らず、透過型の機能のみを有する液晶表示装置や他の非発光型の表示パネルを備えた表示装置にも適用することができる。