JP4811155B2 - 半導体スイッチ回路並びに通信機器 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波信号の切替を行う半導体スイッチ回路に係り、特に、高周波信号の遮断特性を維持しつつ、高周波信号の歪みの発生を抑制する半導体スイッチ回路に関する。
一部の携帯電話等の通信機器には、複数の異なるキャリアに対応するために、高周波信号の導通及び遮断の制御を行う半導体スイッチ回路が用いられている。
この半導体スイッチ回路として、信号経路に対して直列に挿入して信号の導通及び遮断を制御するスルー電界効果型トランジスタ(以降スルーFETと記載する。)と、信号経路に対して並列に挿入して、信号経路の短絡及び開放を制御することにより信号の導通及び遮断を制御するシャント電界効果型トランジスタ(以降シャントFETと記載する。)とを組み合わせて使用しているものが存在する。
この信号の導通及び遮断の制御を行う半導体スイッチ回路には、弱い信号を効率よく受信するために低いオン抵抗が要求されるとともに、受信した信号を効率よくデータ化するために低歪の特性が要求されている。
従来、半導体スイッチ回路の挿入損失及び歪を小さくするために、信号通路に直列に接続される第1の電界効果トランジスタ段のピンチオフ電圧を、信号通路及び接地電位間に接続される第2の電界効果トランジスタ段のピンチオフ電圧に対して低い電位に設定する発明が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の半導体スイッチ回路では、第1及び第2の電界効果トランジスタが同一動作特性で動作しないようにすることによって、信号通路と接地電位間に接続された第2の電界効果トランジスタのドレイン−ソース間に漏れ電力を発生させることなく、信号通路に直列に接続された第1の電界効果トランジスタのみをオン動作させることを可能としている。
また、多段に構成した電界効果型トランジスタ(以降FETと記載する。)の動作を均等にするために、直列接続した複数のFETのドレイン・ソース間に抵抗器を接続して、全てのFETのドレイン、ソースのバイアス点を外部から任意に決定できるように構成したスイッチ半導体集積回路が知られている(例えば特許文献2参照。)。
特許文献2に記載のスイッチ半導体集積回路によれば、各々のFETの動作を均等にすることにより歪みの改善がなされるので、中電力から大電力の高周波信号における歪みを少なくすることが可能とされている。
特開平7−106937号公報 特開2005−323030号公報
特許文献1に記載の半導体スイッチ回路は、シャントFETがハイインピーダンス状態のときに、ドレイン−ソース間に印加されている高周波信号がシャントFETのピンチオフ電圧を超過することにより発生する歪みを改善する発明である。
一方の特許文献2に記載のスイッチ半導体集積回路は、多段に構成したシャントFETの中間点の電圧の変動により生ずるFETの動作不均衡を防止して、歪みの減少を図る発明である。
ところが、ハイインピーダンス状態に設定したシャントFETに起因して発生する高周波信号の歪みには、上記以外にも、シャントFETのゲート−ドレイン及びゲート−ソース間に存在する寄生容量に起因して発生する歪みが存在する。このFETの寄生容量に起因する高周波信号の歪みについて、図9を用いて説明する。
図9は、一般的なFETの回路図と、そのFETの動作状態における等価回路を示す図である。
図9に示すように、FETのゲートGに閾値以上の電圧を印加して、ドレインD−ソースS間をローインピーダンス状態にした場合には、ドレインD−ソースS間の等価回路は、数Ωのオン抵抗Ronで表現することができる。
一方、FETのゲートGに閾値よりも十分に低い電圧を印加した場合には、ドレインD−ソースS間はハイインピーダンス状態に設定され、数百fFの遮断容量の等価回路で表現することができる。
このように、ゲートに高抵抗素子Rgを接続したFETは、ローインピーダンス状態で抵抗性を示し、ハイインピーダンス状態で容量性を示すことから、準マイクロ波帯用スイッチ回路の基本単位として優れた特性を備えている。
しかし、図9に示すように、FETのゲートG−ドレインD間及びゲートG−ソースS間には、電圧依存性を有する寄生容量Cgが存在する。また、ドレインD−ソースS間には、一定の静電容量Cdsが存在する。
寄生容量Cgは、FETのゲート電極近傍に存在する空乏層の厚さに応じて変化するために、電圧が上昇すると寄生容量も上昇するという電圧依存性を有する。したがって、ドレインD−ソースS間に交流の高周波信号を印加した場合には、その交流の電圧に応じて寄生容量Cgが変化して、信号波形に歪みが生じ、高調波が発生する。更に、複数の周波数の高周波信号が半導体スイッチ回路の両端に印加された場合には、IMD(Inter Modulation Distortion)が発生して、受信回路における誤動作の要因となる。
そこで本発明は、受信回路における誤動作を減少させるために、高周波信号の歪みの発生が少ない半導体スイッチ回路並びに誤動作が少ない通信機器を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために本発明の半導体スイッチ回路は、直列に接続された複数段のFETから構成され、複数段のFETのうち一部のFETのゲート幅を他のFETのゲート幅よりも狭く設定するとともに、ゲート幅を狭く設定したFETのゲート−ドレイン間及びゲート−ソース間に、固定容量のコンデンサを接続した。
また、本発明の半導体スイッチ回路は、前記コンデンサの容量を、前記ゲート幅を狭く設定したFETのゲート−ソース間又はゲート−ドレイン間の容量と、前記他のFETのゲート−ソース間又はゲート−ドレイン間の容量との差の容量とした。
また、上記課題を解決するために本発明の通信機器は、信号の送信又は受信を行う通信手段と、他の通信機器に対して信号の送信又は受信を行う通信ポートと、通信手段と前記通信ポートとの間に半導体スイッチ回路とを備え、前記半導体スイッチ回路は、直列に接続された複数段のFETから構成され、複数段のFETのうち一部のFETのゲート幅を他のFETのゲート幅よりも狭く設定するとともに、ゲート幅を狭く設定したFETのゲート−ドレイン間及びゲート−ソース間に、固定容量のコンデンサを接続する構成とした。
本発明によれば、FETが数個直列接続されている半導体スイッチ回路において、一部のFETのサイズを他のFETよりも小さく設定し、且つ、サイズの小さいFETのゲート−ドレイン間、及び、ゲート−ソース間に、固定容量のコンデンサを接続したので、ハイインピーダンス状態に設定したときに、FETの電圧依存性のある寄生容量に起因して発生する高調波歪みやIMDを低減することができる。
また、上記の半導体スイッチ回路を通信機器に用いることによって、歪みの少ない高周波の信号を送信することが可能となる。また、半導体スイッチ回路に起因する信号の歪みの発生を減少させることにより、受信回路における誤動作を減少させることができる。
本発明の実施形態に係る半導体スイッチ回路は、直列に接続された複数段のFETから構成され、複数段のFETのうち一部のFETのゲート幅を他のFETのゲート幅よりも狭く設定するとともに、ゲート幅を狭く設定したFETのゲート−ドレイン間及びゲート−ソース間に、固定容量のコンデンサを接続している。このように構成した半導体スイッチ回路を、携帯電話等の通信機器の信号経路に用いて高周波信号の導通及び遮断の制御を行うことによって、信号伝達のロスを抑えつつ、電圧依存性のあるFETの寄生容量に起因して発生する高調波歪みやIMDを低減することができる。したがって、複数の異なるキャリアに対応した通信機器の受信感度を向上させることができる。
また、本発明の実施形態に係る半導体スイッチ回路は、前記コンデンサの容量を、前記ゲート幅を狭く設定したFETのゲート−ソース間又はゲート−ドレイン間の容量と、前記他のFETのゲート−ソース間又はゲート−ドレイン間の容量との差の容量とした。このように構成することによって、ゲート幅を狭く設定したことにより生ずるFETのインピーダンスの増加を相殺して、各FET間に分圧される電圧振幅を均一にすることが可能となり、電圧依存性のある寄生容量に起因して発生する高調波歪みや、IMDを低減することができる。
また、本発明の実施形態に係る通信機器は、信号の送信又は受信を行う通信手段と、他の通信機器に対して信号の送信又は受信を行う通信ポートと、通信手段と前記通信ポートとの間に半導体スイッチ回路とを備え、前記半導体スイッチ回路は、直列に接続された複数段のFETから構成され、複数段のFETのうち一部のFETのゲート幅を他のFETのゲート幅よりも狭く設定するとともに、ゲート幅を狭く設定したFETのゲート−ドレイン間及びゲート−ソース間に、固定容量のコンデンサを接続した構成とした。更に、前記コンデンサの容量を、前記ゲート幅を狭く設定したFETのゲート−ソース間又はゲート−ドレイン間の容量と、前記他のFETのゲート−ソース間又はゲート−ドレイン間の容量との差の容量としてもよい。
このように通信機器を構成して高周波信号の導通及び遮断の制御を行うことによって、信号伝達のロスを抑えつつ、電圧依存性のある寄生容量に起因して発生する高調波歪みや、IMDを低減することができる。したがって、送信する信号の歪みの発生を低減し、信号の受信感度を向上させることができる。
高周波信号の導通及び遮断を行うための半導体スイッチ回路の使用例について、図1を用いて説明する。
図1は、通信に使用する複数の電波のバンドを切り換えることが可能な携帯電話機(通信機器の一形態)の送受信部分のブロック図である。
図1に示す携帯電話機には、GSM(Global System for Mobile Communications)で使用する電波のバンドと、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)の電波のバンドとを切り換える部分に、半導体スイッチ回路SW1〜3を備えている。半導体スイッチ回路SW1〜3は、電波の送受信を行うアンテナ20(通信ポートの一形態)と、デュプレクサ22との間に設けてある。
図1に示す携帯電話機において、WCDMAの周波数バンドを利用して情報の送受信を行う場合には、半導体スイッチ回路SW1を導通状態に設定し、アンテナ20とデュプレクサ22とを導通させる。
半導体スイッチ回路SW1を導通状態に設定する場合には、例えば半導体スイッチ回路101のゲート電圧(Vg10)をLoに設定して、半導体スイッチ回路101のFET1のドレインDとFET4のソースS間をハイインピーダンス状態にするとともに、半導体スイッチ回路111のゲート電圧(Vg11)をHiに設定して半導体スイッチ回路111のドレインD−ソースS間をローインピーダンス状態にして、アンテナ20とデュプレクサ22との間を導通させる。
一方、使用しないGSMの周波数バンドの半導体スイッチ回路SW2及びSW3は、遮断状態に設定する。例えば半導体スイッチ回路SW2を遮断状態に設定する場合には、半導体スイッチ回路102のゲート電圧(Vg20)をHiに設定して、半導体スイッチ回路102のドレインD−ソースS間をローインピーダンス状態にするとともに、半導体スイッチ回路112のゲート電圧(Vg21)をLoに設定して半導体スイッチ回路112のドレインD−ソースS間をハイインピーダンス状態にし、GSM用の回路をアンテナ20から遮断するとともに、GSM用のデュプレクサ(図示せず)の入力端子をアースに短絡させることによって入力信号を遮断する。また、半導体スイッチ回路SW3も同様に遮断状態に設定しておく。
デュプレクサ22は、パワーアンプ26(送信用の通信手段の一形態)が出力する周波数1.95GHzのWCDMAの送信信号Txをアンテナ20に伝達し、アンテナ20から受信した2.14GHzのWCDMAの受信信号Rxをローノイズアンプ24(受信用の通信手段の一形態)に伝達する機能を有するものであり、例えばトラップフィルタを用いて周波数毎に信号を分岐させる。なお、図1に示した実施形態では、信号の送受信を行う通信ポートとしてアンテナ20を用いているが、通信ポートはアンテナ20に限定するものではなく、有線の通信を行う場合には、有線の通信ポートを用いることができる。
図2に、本発明の実施の形態に係る半導体スイッチ回路SW1の構成例を示す。
図2に示す半導体スイッチ回路SW1のRF0端子は、図1に示したようにアンテナ20に接続する。また、RF1端子は、デュプレクサ22に接続する。
図2に示す例では、振幅の大きな信号を遮断し、ドレインD−ソースS間に存在する静電容量を少なくするために、スルーFETとして機能する半導体スイッチ回路111、及びシャントFETとして機能する半導体スイッチ回路101を複数段(4段)直列に接続したFETで構成している。また、半導体スイッチ回路111を構成するFET5〜FET8のゲートGは、抵抗Rgを介して共通に接続され、半導体スイッチ回路111のゲートを構成している。また、半導体スイッチ回路101を構成するFET1〜FET4のゲートGは、抵抗Rgを介して共通に接続され、半導体スイッチ回路101のゲートを構成している。
図2に示す実施形態では、RF(Radio Frequency)の信号経路に並列に挿入している複数段のFETのうち、1つのFET1のゲート幅Wgを2mmとし、他のFET2〜3のゲート幅Wg(4mm)よりも狭く構成している。また、ゲート幅Wgの狭いFET1のゲートG−ドレインD間、及びゲートG−ソースS間に、固定容量のコンデンサCpを接続している。
このようにFET1を構成する理由について、図3〜図5を用いて説明する。なお、この固定容量のコンデンサCpは、MIMキャパシタ(Metal−Insulator−Metal Capacitor)等で構成するとよい。
図3は、半導体スイッチ回路101をハイインピーダンス状態にしたときに発生するIMDのパワーを表す図である。図3は、半導体スイッチ回路を構成する全FET1〜4のゲート幅Wg(mm)と、半導体スイッチ回路101の存在により発生するIMDのパワーとの関係を示している。
図3に示すように、全てのFET1〜4のゲート幅Wgを狭くすると、高調波歪みやIMDの発生量は減少する傾向があるので、RF信号を受信した受信回路における誤動作は減少傾向となる。しかし、FET1〜4の全てについてゲート幅Wgを狭くすると、半導体スイッチ回路101のオン抵抗が増加してしまうために、RF信号の遮断が甘くなり、他の受信回路との間におけるアイソレーションが悪化するという不具合を生ずる。次に、半導体スイッチ回路101を構成する全FET1〜4のゲート幅Wg(mm)と、半導体スイッチ回路101のオン抵抗Ron(Ω)との関係を、図4を用いて説明する。
図4は、横軸に半導体スイッチ回路101を構成する全FET1〜4のゲート幅Wg(mm)を表し、縦軸に半導体スイッチ回路101のオン抵抗Ronを表して、ゲート幅Wg(mm)と半導体スイッチ回路101のオン抵抗Ron(Ω)との関係を示す図である。
図4に示すように、半導体スイッチ回路101のオン抵抗Ronは、全FET1〜4のゲート幅Wg(mm)に略反比例して増大する。したがって、半導体スイッチ回路101をハイインピーダンス状態にした際に発生する高調波歪みやIMDを減少させる目的でゲート幅を狭く設定すると、オン抵抗が増大し、半導体スイッチ回路101をローインピーダンス状態にしたときのアイソレーションが悪化するなどの不具合を生ずる。
そこで本発明の実施形態に係る半導体スイッチ回路では、直列に接続した複数段のFET1〜4のうちの一部のFETのゲート幅Wgを、他のFETのゲート幅Wgよりも狭く設定することによって、オン抵抗Ronの増大を低く抑えている。また、ゲート幅Wgを狭く設定したFETのゲートG−ドレインD間及びゲートG−ソースS間に、固定容量のコンデンサCpを接続することによって、高調波歪み又はIMDの発生を低減させるようにしている。
ここで、直列に接続した複数段のFET1〜4の一部のFETのゲート幅Wgを、他のFETのゲート幅Wgよりも狭く設定した半導体スイッチ回路の等価回路について、図5を用いて説明する。
図5は、図2に示した半導体スイッチ回路101において、FET1のゲート幅Wgを2mmとし、他のFET2〜4のゲート幅を4mmに設定した場合の、ハイインピーダンス状態における等価回路を示す図である。
図5に示すように、ハイインピーダンス状態に設定したFET1のドレインD−ソースS間には、電圧依存性の無い容量t×Cdsが存在し、FET2〜4のドレインD−ソースS間には電圧依存性の無い容量Cdsが存在する。なお、tは、FET1のゲート幅Wgを、FET2〜3のゲート幅Wgで除算した定数である。例えば、FET1のゲート幅Wgを2mmとし、FET2〜3のゲート幅Wgを4mmとすると、tの値は、t=0.5となる。
また、FET1のゲートG−ドレインD間及びゲートG−ソースS間には、電圧依存性のある寄生容量t×Cgが存在している。同様に、FET2〜4のゲートG−ドレインD間及びゲートG−ソースS間にも、電圧依存性のある寄生容量Cgが存在している。
図5に示すように、各FETをハイインピーダンス状態に設定した際の遮断容量は、ゲートG−ソースS間、又はゲートG−ドレインD間の電圧依存性を有する寄生容量Cgと、ドレインD−ソースS間の電圧依存性の無い容量Cdsとを並列に接続した合成容量となる。
図5に示すように、FET1とFET2〜4との間で合成容量が異なる場合には、半導体スイッチ回路101の両端に高周波のRF信号が印加されると寄生容量t×Cgの両端にはvcg1の電圧が発生し、寄生容量Cgの両端にはvcg2の電圧が発生する。ここで、t<1の関係から、vcg1及びvcg2は、vcg1>vcg2の関係となる。
ここで、半導体スイッチ回路101のFET1のドレインD−とFET4のソースS間に印加される電圧振幅をVrf(V)とし、FET1の寄生容量t×Cgに分圧される電圧振幅をvcg1(V)、FET2〜4の寄生容量Cgに分圧される電圧振幅をvcg2(V)とすると、vcg1及びvcg2は以下の式で表すことができる。
Figure 0004811155
Figure 0004811155

但し、t=(FET1のゲート幅Wg)/(FET2〜4のゲート幅Wg)
なお、上記の各式におけるCg(V)は、寄生容量Cgの両端に印加される電圧によって静電容量が変化すること(電圧依存性)を表している。
高調波歪みやIMDを低減させる目的で、半導体スイッチ回路101のゲート幅を狭くすれば(すなわちtを1より小さくすれば)、電圧振幅に対するFET1の寄生容量Cgの容量変化量ΔCgを少なくすることができ、高調波歪やIMDを低減させることが期待できる。しかし、FET1の寄生容量t×Cgの容量が減少することによって寄生容量t×Cgのインピーダンスが増加し、寄生容量t×Cgの両端に分圧される電圧振幅vcg1も増加してしまう。
FETのゲート幅Wgと、寄生容量Cgの容量変化量ΔCgとの関係について、図6を用いて説明する。
図6は、寄生容量Cg(縦軸)の両端に分圧される電圧振幅vcg(横軸)と、容量変化量ΔCgとの関係を示す図である。
図6に示す例では、ゲート幅Wg=4mmの場合の寄生容量Cgと、ゲート幅Wg=2mmの場合の寄生容量t×Cgの変化の様子を表している。
図6に示すように、ゲート幅Wg=2mmの場合の寄生容量t×Cgは、ゲート幅Wgのスケーリング則に従って、ゲート幅Wg=4mmの場合の寄生容量Cgの半分の値となる。したがって、もし寄生容量の両端に分圧される電圧振幅が同一であるならば、ゲート幅Wg=2mmの場合の容量変化量ΔCgは、ゲート幅Wg=4mmの場合の容量変化量ΔCgの約半分となる。
ところが、寄生容量Cgの両端に分圧される電圧振幅は、前述のとおりvcg1>vcg2の関係があるので、ゲート幅Wg=2mmの場合の容量変化量ΔCgはさほど減少せず、高調波歪みやIMDの低減が見込めないことになってしまう。
そこで本発明の実施の形態では、図5に示したように、半導体スイッチ回路101を構成する複数段のFETのうち一部のFET1のゲート幅Wgを、他のFET2〜4のゲート幅Wgよりも狭く設定して寄生容量Cgを減少させるとともに、ゲート幅Wgを狭く設定したFET1のゲートG−ドレインD間、及びゲートG−ソースS間に、固定容量のコンデンサCpを接続することにした。このコンデンサCpを接続することによってインピーダンスが低下するので、寄生容量Cgの両端に分圧される電圧振幅vcg1は減少する。
ゲート幅を狭く設定したFET1のゲートG−ドレインD間、及びゲートG−ソースS間に、固定容量のコンデンサCpを接続した際の容量変化量ΔCgについて、図7を用いて説明する。
図7は、寄生容量Cg(縦軸)の両端に分圧される電圧振幅vcg(横軸)と、容量変化量ΔCgとの関係を示す図である。
図7に示すように、ゲート幅Wg=2mmのFET1の寄生容量t×Cgに対して固定容量のコンデンサCpを接続すると、合成容量t×Cg+Cpのインピーダンスが減少し、合成容量t×Cg+Cpの両端に分圧される電圧振幅vcg1も減少する。ここで、vcg1とvcg2とが略等しくなるようにコンデンサCpの容量を調節すると、FET1における合成容量t×Cg+Cpの容量変化量ΔCgは減少する。したがって、半導体スイッチ回路101をローインピーダンス状態に設定した際のオン抵抗Ronの増大を抑えつつ、ハイインピーダンス状態に設定した際に発生する高調波歪みやIMDを減少させることが可能となる。
ここでコンデンサCpの容量を、ゲート幅を狭く設定したFETのゲート−ソース間又はゲート−ドレイン間の容量t×Cgと、前記他のFETのゲート−ソース間又はゲート−ドレイン間の容量との差の容量とするとよい。また、コンデンサCpの容量として、Cg×(1−t)に比例する値を用いることもできる。前述の(式1)及び(式2)に示したように、t=(狭いゲート幅Wg)/(広いゲート幅Wg)であるので、ゲート幅の差を用いて表すとコンデンサCpの容量として、Cg×((広いゲート幅Wg)−(狭いゲート幅Wg))に比例する値を用いることができる。
上記の説明では、複数段のFETのうち一部のFETのゲート幅Wgを他のFETのゲート幅Wgよりも狭く設定するとともに、ゲート幅Wgを狭く設定したFETのゲートG−ドレインD間、及びゲートG−ソースS間に、固定容量のコンデンサCpを接続した半導体スイッチ回路を、信号経路に並列に挿入して信号経路の短絡及び開放の制御を行うシャントFETに適用した実施形態で説明したが、本発明に係る半導体スイッチ回路を、スルーFET(例えば図2に示す半導体スイッチ回路111)に適用することも可能である。本発明に係る半導体スイッチ回路をスルーFETに用いることによって、ローインピーダンス状態におけるオン抵抗Ronの増大を抑えつつ、ハイインピーダンス状態において発生する高調波歪みやIMDを減少させることが可能となる。
また、半導体スイッチ回路に用いるFETのうち、ゲート幅Wgを狭くするFETの数量は、一つに限定するものではない。また、FETとして、接合型のJFET(Junction Field Effect Transistor)や、高電子移動度トランジスタのHEMT(Hi Electron Mobility Transistor)等を用いることができる。
次に、本発明に係る半導体スイッチ回路の他の実施形態を図8に示す。
図8は、直列に接続した複数段のFETのうち一部のFETのゲート幅Wgを他のFETのゲート幅Wgよりも狭く設定するとともに、ゲート幅Wgを狭く設定したFETのゲートG−ドレインD間及びゲートG−ソースS間に、固定容量のコンデンサCpを接続し、各FETのドレインD−ソースS間に抵抗Raを並列に接続した実施形態を示す図である。
FETを複数段直列に接続した半導体スイッチ回路において、各FETのドレインD−ソースS間に抵抗Raを並列に接続すると、半導体スイッチ回路をハイインピーダンス状態に設定した際に、半導体スイッチ回路のドレインD−ソースS間に発生する歪が減少することが知られている。
図8に示すように、各FETのドレインD−ソースS間に、抵抗Raを並列に接続した半導体スイッチ回路201についても、半導体スイッチ回路201を構成する一部のFET1のゲート幅Wgを他のFET2〜4のゲート幅Wgよりも狭く設定するとともに、ゲート幅Wgを狭く設定したFET1のゲートG−ドレインD間、及びゲートG−ソースS間に、固定容量のコンデンサCpを接続することによって、半導体スイッチ回路201のドレインD−ソースS間に発生する歪を、減少させることができる。
複数の電波のバンドを切り換えることが可能な携帯電話機の送受信部分のブロック図である。 本発明の実施の形態に係る半導体スイッチ回路の構成例を示す図である。 半導体スイッチ回路をハイインピーダンス状態にしたときに発生するIMDのパワーを表す図である。 半導体スイッチ回路をローインピーダンス状態にしたときのオン抵抗Ronの値を表す図である。 FET1のゲート幅Wgを2mmとし、他のFET2〜4のゲート幅を4mmに設定した場合の、ハイインピーダンス状態における等価回路を示す図である。 寄生容量Cgの両端に分圧される電圧振幅vcgと、容量変化量ΔCgとの関係を示す図である。 寄生容量Cgの両端に分圧される電圧振幅vcgと、容量変化量ΔCgとの関係を示す図である。 半導体スイッチ回路を構成する各FETのドレインD−ソースS間に抵抗Raを並列に接続した実施形態を示す図である。 一般的なFETの回路図と、そのFETの動作状態における等価回路を示す図である。
符号の説明
20 アンテナ
22 デュプレクサ
24 ローノイズアンプ
26 パワーアンプ
101、102、103、104 半導体スイッチ回路
111、112、113、114 半導体スイッチ回路
201 半導体スイッチ回路
211 半導体スイッチ回路
Cp コンデンサ
Cds 容量
Cg 寄生容量
ΔCg 容量変化量
Tx 送信信号
Rx 受信信号
Ron オン抵抗
SW1、SW2、SW3 半導体スイッチ回路
Wg ゲート幅

Claims (5)

  1. 信号の導通及び遮断の制御を行う半導体スイッチ回路において、
    前記半導体スイッチ回路は、直列に接続された複数段の電界効果型トランジスタから構成され、
    前記複数段の電界効果型トランジスタのうち一部の電界効果型トランジスタのゲート幅を他の電界効果型トランジスタのゲート幅よりも狭く設定するとともに、ゲート幅を狭く設定した電界効果型トランジスタのゲート−ドレイン間及びゲート−ソース間に、固定容量のコンデンサを接続した半導体スイッチ回路。
  2. 前記コンデンサの容量は、前記ゲート幅を狭く設定した電界効果型トランジスタのゲート−ソース間又はゲート−ドレイン間の容量と、前記他の電界効果型トランジスタのゲート−ソース間又はゲート−ドレイン間の容量との差の容量とした請求項1に記載の半導体スイッチ回路。
  3. 他の通信機器と信号の送信又は受信を行う通信機器であって、
    前記信号の送信又は受信を行う通信手段と、
    前記他の通信機器に対して前記信号の送信又は受信を行う通信ポートと、
    前記通信手段と前記通信ポートとの間に配置され、前記信号の通過及び遮断を制御する半導体スイッチ回路とを備え、
    前記半導体スイッチ回路として、直列に接続された複数段の電界効果型トランジスタから構成され、前記複数段の電界効果型トランジスタのうち一部の電界効果型トランジスタのゲート幅を他の電界効果型トランジスタのゲート幅よりも狭く設定するとともに、ゲート幅を狭く設定した電界効果型トランジスタのゲート−ドレイン間及びゲート−ソース間に、固定容量のコンデンサを接続した半導体スイッチ回路を用いた通信機器。
  4. 信号経路に対して直列に挿入して信号の導通及び遮断を制御するスルー電界効果型トランジスタと、信号経路に対して並列に挿入して信号経路の短絡及び開放を制御することにより信号の導通及び遮断を制御するシャント電界効果型トランジスタを備えた半導体スイッチ回路において、
    前記半導体スイッチ回路は、直列に接続された複数段のシャント電界効果型トランジスタから構成され、
    前記複数段のシャント電界効果型トランジスタのうち
    一部のシャント電界効果型トランジスタのゲート幅を他のシャント電界効果型トランジスタのゲート幅よりも狭く設定するとともに、ゲート幅を狭く設定したシャント電界効果型トランジスタのゲート−ドレイン間及びゲート−ソース間に、固定容量のコンデンサを接続した半導体スイッチ回路。
  5. 前記コンデンサの容量は、前記ゲート幅を狭く設定したシャント電界効果型トランジスタのゲート−ソース間又はゲート−ドレイン間の容量と、前記他のシャント電界効果型トランジスタのゲート−ソース間又はゲート−ドレイン間の容量との差の容量とした請求項4に記載の半導体スイッチ回路。
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