JP4811006B2 - 高周波熱処理方法および高周波熱処理装置 - Google Patents

高周波熱処理方法および高周波熱処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、高周波熱処理方法および高周波熱処理装置に関する。
焼入れを必要とする第1部位および焼入れが不要である第2部位を有する加工物を、焼入れ温度まで高周波加熱する際、第2部位に、逆位相の磁束を生じる導電体を配置したり、銅や真鍮あるいは絶縁部を密着させたりすることで、磁束を遮断し、第2部位の温度上昇を抑制することで、第2部位を非焼入れ状態に維持し、焼入れ範囲を限定している(例えば、特許文献1参照。)。
一方、焼入れ温度に到達した加工物を、冷却液によって急冷する際、第2部位に向かって圧縮エアを噴射することで、冷却液と第2部位との接触による伝熱を妨げ、第2部位の冷却速度を低下させることで、第2部位を非焼入れ状態に維持しているものもある(例えば、特許文献2参照。)
特開平8−176651号公報 特開平5−132712号公報
しかし、焼入れが不要である第2部位が、焼入れを必要とする第1部位に隣接している場合、第1部位の境界近傍領域が、非焼入れ状態となり、焼入れ範囲が安定しない問題を有する。
例えば、加工物を焼入れ温度まで高周波加熱する際、第1部位の境界近傍領域の温度は、相対的に低温である第2部位の影響を受けて、焼入れ温度に到達しない虞がある。また、焼入れ温度に到達した加工物を急冷する際、相対的に高温である第2部位の影響を受けて、第1部位の境界近傍領域が急冷されず、十分な冷却速度が確保されない虞がある。
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、焼入れを必要とする第1部位に隣接しかつ焼入れが不要である第2部位を有する加工物において、焼入れ範囲を安定化させることが可能である高周波熱処理方法および高周波熱処理装置を、提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、
焼入れを必要とする第1部位および前記第1部位に隣接しかつ焼入れが不要である第2部位を有する加工物の高周波熱処理方法であって、
前記第1部位を焼入れする際、前記第1部位と前記第2部位との境界の温度である代表温度の検出温度に基づいて、前記第2部位の温度を調整することによって、前記第2部位を非焼入れ状態に維持し、
前記焼入れは、前記第1部位を焼入れ温度まで高周波加熱するための加熱工程と、高周波加熱によって焼入れ温度に到達した前記第1部位を急冷するための急冷工程とを有し、
前記加熱工程あるいは前記急冷工程において、前記代表温度の検出温度がデータベースに含まれる基準温度と一致するように、前記第2部位の温度が調整され、
前記加熱工程に係る前記基準温度は、前記第1部位を焼入れ温度まで高周波加熱する際における前記代表温度の経時変化のデータからなり、
前記急冷工程に係る前記基準温度は、焼入れ温度に到達した前記第1部位を急冷する際における前記代表温度の経時変化のデータからなる
ことを特徴とする高周波熱処理方法である。
上記目的を達成するための請求項14に記載の発明は、
焼入れを必要とする第1部位および前記第1部位に隣接しかつ焼入れが不要である第2部位を有する加工物の高周波熱処理装置であって、
前記第1部位を、焼入れするための焼入れ手段、
前記第1部位と前記第2部位との境界の温度である代表温度を、検出するための温度検出手段、および、
前記第1部位を前記焼入れ手段によって焼入れする際、前記代表温度の検出温度に基づいて、前記第2部位の温度を調整することによって、前記第2部位を非焼入れ状態に維持するための焼入れ防止手段を有し、
前記焼入れ手段は、前記第1部位を焼入れ温度まで高周波加熱するための加熱手段と、前記加熱手段によって焼入れ温度に到達した前記第1部位を急冷するための急冷手段とを有し、
前記焼入れ防止手段は、前記第1部位を前記加熱手段によって焼入れ温度まで加熱する際、あるいは、焼入れ温度に到達した前記第1部位を前記急冷手段によって急冷する際、前記代表温度の検出温度がデータベースに含まれる基準温度と一致するように、前記第2部位の温度を調整し、
前記第1部位を前記加熱手段によって焼入れ温度まで加熱する際における前記基準温度は、前記第1部位を焼入れ温度まで高周波加熱する際における前記代表温度の経時変化のデータからなり、
焼入れ温度に到達した前記第1部位を前記急冷手段によって急冷する際における前記基準温度は、焼入れ温度に到達した前記第1部位を急冷する際における前記代表温度の経時変化のデータからなる
ことを特徴とする高周波熱処理装置である。
請求項1に記載の発明によれば、第1部位を焼入れする際、加熱工程あるいは急冷工程において、第1部位と第2部位との境界の温度である代表温度の検出温度がデータベースに含まれる基準温度と一致するように、第2部位の温度が調整される。例えば、加工物を焼入れ温度まで高周波加熱する際、加熱工程に係る基準温度は、第1部位を焼入れ温度まで高周波加熱する際における代表温度の経時変化のデータからなり、第2部位の温度が変態点に到達しないように、第2部位の温度が調整され、あるいは、焼入れ温度に到達した加工物を急冷する際、急冷工程に係る基準温度は、焼入れ温度に到達した第1部位を急冷する際における代表温度の経時変化のデータからなり、第2部位の結晶構造が変化しないように、第2部位の温度が調整される。したがって、第1部位の境界近傍領域の温度を、焼入れ温度に確実に到達させ、あるいは、第1部位の境界近傍領域を確実に急冷し、十分な冷却速度を達成することで、第1部位の境界近傍領域が、非焼入れ状態となることを避け、所定の焼入れ範囲を確実に得ることが可能である。つまり、焼入れを必要とする第1部位に隣接しかつ焼入れが不要である第2部位を有する加工物において、焼入れ範囲を安定化させることが可能である高周波熱処理方法を、提供することができる。
請求項14に記載の発明によれば、第1部位を焼入れする際、加熱工程あるいは急冷工程において、第1部位と第2部位との境界の温度である代表温度の検出温度がデータベースに含まれる基準温度と一致するように、第2部位の温度を調整することによって、第2部位を非焼入れ状態に維持することが可能である。例えば、加工物を焼入れ温度まで高周波加熱する際、加熱工程に係る基準温度は、第1部位を焼入れ温度まで高周波加熱する際における代表温度の経時変化のデータからなり、第2部位の温度が変態点に到達しないように、第2部位の温度が調整され、あるいは、焼入れ温度に到達した加工物を急冷する際、急冷工程に係る基準温度は、焼入れ温度に到達した第1部位を急冷する際における代表温度の経時変化のデータからなり、第2部位の結晶構造が変化しないように、第2部位の温度を調整することができる。したがって、第1部位の境界近傍領域の温度を、焼入れ温度に確実に到達させ、あるいは、第1部位の境界近傍領域を確実に急冷し、十分な冷却速度を達成することで、第1部位の境界近傍領域が、非焼入れ状態となることを避け、所定の焼入れ範囲を確実に得ることが可能である。つまり、焼入れを必要とする第1部位に隣接しかつ焼入れが不要である第2部位を有する加工物において、焼入れ範囲を安定化させることが可能である高周波熱処理装置を、提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、実施の形態1に係るワークを説明するための平面図、図2は、図1に示されるワークの側面図である。
ワーク(加工物)10は、周方向に凹凸状部を有するコンロッド(連接棒)であり、内燃機関におけるピストンとクランクシャフトとを連結し、ピストンの往復運動をクランクシャフトに伝達するために使用される。
ワーク10は、焼入れを必要とする第1部位および焼入れが不要である第2部位を有する。第1部位は、連接部15であり、第2部位は、連接部15の一端側に位置する大端部11と、連接部15の他端側に位置する小端部18である。
連接部15は、断面形状が略同一かつI型断面を有する本体、および、本体に向かって断面積が連続的に減少するつなぎ部14,16を有する。つなぎ部14は、大端部11と連接部15の本体との間に位置する。つなぎ部16は、小端部18と連接部15の本体との間に位置する。
大端部11は、分割式であり、半円状部12を有し、ボルトを使用してコンロッドキャップが組み合わされ、クランクシャフトのピンに連結される。小端部18は、ピストンピンを連結するための開口部19を有する。
ワーク10の製造方法は、鍛造工程、ショットブラスト工程、コイニング工程、焼入れ工程、および機械加工工程を有する。
鍛造工程においては、素材鋼が熱間鍛造によって成形される。素材鋼は、例えば、炭素鋼(S40C〜S50C)である。
ショットブラスト工程においては、ワーク10の表面の酸化スケールが除去される。コイニング工程においては、軽度の冷間鍛造によって、ワーク10の厚さが修正される。
焼入れ工程は、焼入れを必要とする連接部15(第1部位)を、焼入れ温度まで高周波加熱するための加熱工程、および、高周波加熱によって焼入れ温度に到達した連接部15を、急冷するための急冷工程を有する。
この際、連接部15と小端部18との境界の温度(代表温度)の検出に基づいて、小端部18(第2部位)の温度を調整することによって、小端部18を非焼入れ状態に維持される。実施の形態1においては、ワーク10を焼入れ温度まで高周波加熱する際、小端部18の温度がA変態点に到達しないように、小端部18の温度が調整される。
したがって、連接部15の境界近傍領域の温度を、焼入れ温度に確実に到達させることで、連接部15の境界近傍領域が、非焼入れ状態となることを避け、所定の焼入れ範囲を確実に得ることが可能である。そのため、焼入れ範囲のバラツキを考慮し、ワーク10の肉厚を増やして、ワーク10の強度を確保することが不要であり、ワーク10の軽量化あるいはワーク10の強度向上を図ることが可能である。
なお、大端部11は、小端部18と同様に第2部位であるが、小端部18に比べて温度管理条件が緩やかであるため、実施の形態1においては、小端部18の温度のみを調整としている。また、焼入れ温度は、A変態点の温度を越えた所定の温度、例えば、A変態点の温度より50度程度高い温度である。
機械加工工程においては、大端部および小端部の摺動部の仕上げや、大端部11および小端部18に油穴を形成するために、機械加工が施され、製品としてのコンロッドが得られる。焼入れ工程と機械加工工程の間に、ショットピーニングを施すことによって、疲労強度を向上させることも可能である。
次に、焼入れ工程に適用される、実施の形態1に係る高周波熱処理装置および高周波熱処理方法を、順次詳述する。
図3は、実施の形態1に係る高周波熱処理装置を説明するための概略図である。
高周波熱処理装置100は、把持手段、焼入れ手段、温度検出手段140、および、小端部18を非焼入れ状態に維持するための焼入れ防止手段を有する。
把持手段は、ワーク10を固定するために使用され、ワーク10の大端部11を把持するチャック部112と、チャック部112を駆動するためのアクチュエータ114とを有する。
焼入れ手段は、連接部15を、所定の焼入れ温度まで高周波加熱するための加熱手段、および、加熱手段によって焼入れ温度に到達した連接部15を、急冷するための急冷手段を有する。
加熱手段は、誘導加熱コイル124および高周波発生装置126を有する。誘導加熱コイル124は、例えば、電線を螺旋状に巻いて構成した後で機械加工することによって形成されており、把持手段によって固定されたワーク10の連接部15が挿入される。高周波発生装置126は、誘導加熱コイル124に接続されており、誘導加熱コイル124に電流を流すことによって、連接部15を加熱し、焼入れ温度に到達させることが可能である。
急冷手段は、対向して配置される一対のジャケット133と、ジャケット133に冷却媒体Cを供給するための配管系135とを有する。冷却媒体Cは、例えば、40度以下(常温)の水、食塩水、あるいは油である。ジャケット133は、把持手段によって固定されたワーク10の連接部15に向かって、冷却媒体Cを噴射するためのノズル(噴射手段)134を有する。
配管系135は、冷却媒体Cを保持するタンク139に連結されており、タンク139からの冷却媒体Cを圧送するためのポンプ137、冷却媒体Cの圧力を調整するためのレギュレータ(圧力調整手段)138、および、冷却媒体Cの供給を適宜停止のための電磁弁136が配置されている。配管系135は、冷却媒体Cをジャケット133に供給することで、加熱手段によって焼入れ温度に到達した連接部15を、適当な冷却速度で急冷し、結晶構造を変えて硬化させる(焼入れする)ために、使用される。
温度検出手段140は、放射温度計からなり、連接部15と小端部18との境界に位置するつなぎ部16の温度を、非接触式に検出するために使用される。
焼入れ防止手段は、小端部18の温度を、A変態点以下に維持するための冷却手段を有し、連接部15を焼入れ手段によって焼入れする際、温度検出手段140によって検出されるつなぎ部16の温度に基づいて、小端部18の温度を調整するために使用される。
つまり、冷却手段は、加熱手段によって連接部15を焼入れ温度まで高周波加熱する際、小端部18の温度上昇を抑制し、小端部18の温度がA変態点以下に維持されるように、小端部18の温度を調整することができる。したがって、連接部15の境界近傍領域の温度を、焼入れ温度に確実に到達させることで、連接部15の境界近傍領域が、非焼入れ状態となることを避け、所定の焼入れ範囲を確実に得ることが可能である。
冷却手段は、冷却媒体Cが流れる通路を有する冷却ブロック152、冷却ブロック152を駆動するためのアクチュエータ163、冷却ブロック152に冷却媒体Cを供給するための配管系165、および冷却媒体Cの温度を制御するための制御装置180を有する。冷却媒体Cは、例えば、40度以下(常温)の水である。
冷却ブロック152は、誘導加熱を避けるため非導電性材料から形成され、小端部18の側面形状に対応する平坦な伝熱面を有する。非導電性材料は、セラミックや、適当な耐熱性を有するエンジニアリングプラスチックである。冷却ブロック152は、必要に応じ、小端部18の外周形状に一致する伝熱面を有することも可能である。
冷却ブロック152は、アクチュエータ163によって小端部18の側面に当接させられ、伝熱により冷却(除熱)することで、小端部18の温度上昇を抑制するために使用される。冷却ブロック152による冷却は、圧縮空気や水などの媒体に比べ、冷却範囲のバラツキが少ないため、好ましい。
配管系165は、冷却媒体Cを保持するタンク169に連結されており、タンク169からの冷却媒体Cを圧送するためのポンプ167、冷却媒体Cの供給を適宜停止のための電磁弁166、および、冷却媒体Cの温度を調整するための温度調整手段170が配置されている。配管系165は、冷却媒体Cを冷却ブロック152に適宜供給することで、小端部18の温度をA変態点以下に維持する一方、小端部18が過度に低温となることを防ぐために、使用される。
制御装置180は、温度検出手段140によって検出されるつなぎ部16の温度に基づいて、冷却媒体Cの温度を調整するための制御手段であり、マイクロプロセッサ等から構成される制御回路、およびROMなどの読取り専用メモリやRAMなどの高速のランダムアクセスメモリが配置される記憶部182を有し、温度調整手段170および温度検出手段140に接続されている。
記憶部182は、温度調整手段170の制御プログラム、データベースが格納される記憶領域と、制御プログラムを実行するための作業領域とを有する。データベースは、連接部15を焼入れ温度まで高周波加熱する際における、つなぎ部16の温度、小端部18の温度、冷却ブロック152の温度、および冷却媒体Cの温度の相互関係を示している温度データを含んでいる。
温度データは、例えば、ワーク10を実際に使用し、高周波発生装置126の作動条件や、冷却媒体Cの温度を変更したテストによって、つなぎ部16の温度、小端部18の温度、冷却ブロック152の温度の経時変化を実測することで、取得される。
制御装置180は、温度検出手段140によって検出されるつなぎ部16の温度に基づき、データベースを利用し、小端部18の温度を適正に維持するための冷却媒体Cの温度を取得し、温度調整手段170を制御する。温度調整手段170は、制御装置180の指示にしたがい、冷却媒体Cの温度を適正な値に維持する。
したがって、連接部15の境界近傍領域が、非焼入れ状態となることを避け、所定の焼入れ範囲を確実に得ることが可能である。特に、つなぎ部16の検出温度に基づいて、冷却媒体Cの温度を自動的に微調整する場合、寸法バラツキが大きい鍛造素材がワーク10として適用される場合であっても、良好な精度かつ安定した焼入れ範囲を確保でき、また、多品種少量生産に容易に対応することが可能である。
次に、実施の形態1に係る高周波熱処理方法を説明する。図4は、実施の形態1に係る高周波熱処理方法の加熱工程における温度制御を説明するためのフローチャートである。
まず、ワーク10が、コイニング工程から焼入れ工程に投入される。アクチュエータ114は、チャック部112を駆動し、大端部11を把持および固定する。連接部15は、誘導加熱コイル124の内側に位置決めされる。
アクチュエータ163は、冷却ブロック152を駆動し、小端部18の側面に当接させる。電磁弁166が開に設定され、ポンプ167は、冷却ブロック152に向かって冷却媒体Cの圧送を開始する。冷却ブロック152は、小端部18と当接するように配置されているため、伝熱によって、小端部18を冷却し、温度上昇を抑制する。
制御装置180は、記憶部182に格納されているデータベースを利用し、つなぎ部16および冷却媒体Cの基準温度を取得する。
つなぎ部16および冷却媒体Cの基準温度は、小端部18の温度が、A変態点以下に維持され、かつ、連接部15の境界近傍領域が、非焼入れ状態となることを避け、所定の焼入れ範囲を確実に得ることを可能とする、つなぎ部16および冷却媒体Cの温度の計算値である。
温度調整手段170は、制御装置180によって制御され、冷却媒体Cの温度を、基準温度に一致させる。
温度検出手段140は、制御装置180に対し、つなぎ部16の検出温度の送信を、開始する。一方、高周波発生装置126は、誘導加熱コイル124に電流を流し、連接部15の加熱を開始する。
制御装置180は、つなぎ部16の検出温度を受信すると(S101)、つなぎ部16の基準温度と比較する(S102)。
つなぎ部16の検出温度と基準温度とが一致する場合、プロセスは、急冷工程に移行する。
一方、例えば、ワーク10の寸法バラツキに基づき、つなぎ部16の検出温度と基準温度とが異なる場合、制御装置180は、記憶部182に格納されているデータベースを利用し、つなぎ部16の検出温度に対応する小端部18の修正温度、小端部18の修正温度を得るために必要とされる冷却ブロック152の修正温度、冷却ブロック152の修正温度を得るために必要とされる冷却媒体Cの修正温度を、順次算出する(S103,S104,S105)。
温度調整手段170は、制御装置180によって制御され、冷却媒体Cの温度を、修正温度に一致させることで、小端部18の温度を適正に維持し(S106)、その後、プロセスは、急冷工程に移行する。
急冷工程においては、電磁弁136が開に設定され、ポンプ137は、ジャケット133に対する冷却媒体Cの供給を開始する。ジャケット133のノズル134は、把持手段によって固定されたワーク10の連接部15に向かって、冷却媒体Cを噴射する。
冷却媒体Cは、加熱手段によって焼入れ温度に到達した連接部15を、適当な冷却速度で急冷し、結晶構造を変えて、硬化させる。この際、小端部18の温度は、A変態点以下に維持されており、かつ、連接部15の境界近傍領域の温度は、焼入れ温度に確実に到達している。
したがって、連接部15の境界近傍領域が、非焼入れ状態となることを避け、所定の焼入れ範囲が確実に得される。特に、つなぎ部16の検出温度に基づいて、冷却媒体Cの温度を自動的に微調整しているため、量産ラインにおいて、寸法バラツキが大きい鍛造素材からなるワーク10が適用される場合であっても、良好な精度かつ安定した焼入れ範囲が確保され、また、多品種少量生産に容易に対応することが可能である。
以上のように、実施の形態1は、焼入れを必要とする連接部(第1部位)15に隣接しかつ焼入れが不要である小端部(第2部位)18を有するワーク(加工物)10において、焼入れ範囲を安定化させることが可能である高周波熱処理方法および高周波熱処理装置を、提供することができる。
なお、寸法バラツキに基づく小端部18の温度の微調整は、冷却媒体Cの温度の変更に基づくことに限定されず、冷却媒体Cの供給量の変更や、冷却媒体Cの温度および供給量の両者の変更に基づくことも可能である。
次に、実施の形態2を説明する。図5は、実施の形態2に係る高周波熱処理装置を説明するための概略図、図6は、図5に示されるカバー部を説明するための側面図、図7は、図5に示されるカバー部を説明するための平面図である。
実施の形態2は、急冷工程において小端部18の温度を調整する点で、加熱工程において小端部18の温度を調整する実施の形態1と概して異なる。詳述すると、高周波熱処理装置200は、把持手段、焼入れ手段、温度検出手段240、および焼入れ防止手段を有する。
把持手段は、ワーク10を固定するために使用され、チャック部212,217と、チャック部212,217を駆動するためのアクチュエータ214,219とを有する。チャック部212は、アクチュエータ214によって駆動され、大端部11を把持するために使用される。チャック部217は、アクチュエータ219によって駆動され、小端部18を把持するために使用される。
焼入れ手段は、連接部15を、所定の焼入れ温度まで高周波加熱するための加熱手段、および、加熱手段によって焼入れ温度に到達した連接部15を、急冷するための急冷手段を有する。
加熱手段は、誘導加熱コイル224および高周波発生装置226を有する。誘導加熱コイル224は、把持手段によって固定されたワーク10の連接部15が挿入される。高周波発生装置226は、誘導加熱コイル224に接続されており、誘導加熱コイル224に電流を流すことによって、連接部15を加熱し、A変態点以上の焼入れ温度に到達させることが可能である。
急冷手段は、把持手段によって固定されたワーク10の連接部15に向かって、冷却媒体Cを噴射するためのノズル234が配置されるジャケット233と、ジャケット233に冷却媒体Cを供給するための配管系235とを有する。
配管系235は、冷却媒体Cを保持するタンク239に連結されており、タンク239からの冷却媒体Cを圧送するためのポンプ237、冷却媒体Cの圧力を調整するためのレギュレータ238、および、冷却媒体Cの供給を適宜停止のための電磁弁236が配置されている。
配管系235は、冷却媒体Cをジャケット233に供給することで、加熱手段によって焼入れ温度に到達した連接部15を、適当な冷却速度で急冷し、結晶構造を変えて、硬化させるために、使用される。
温度検出手段240は、放射温度計からなり、連接部15と小端部18との境界に位置するつなぎ部16の温度を、非接触式に検出するために使用される。
焼入れ防止手段は、小端部18の結晶構造を維持するための冷却速度調整手段を有し、焼入れ温度に到達した連接部15を急冷手段によって急冷する際、温度検出手段240によって検出されるつなぎ部16の温度に基づいて、小端部18の温度を調整し、小端部18の冷却速度を低下させるために使用される。
つまり、冷却速度調整手段は、焼入れ温度に到達した連接部15を、急冷手段によって急冷する際、小端部18の冷却速度が、焼入れに必要とされる冷却速度に到達しないように、小端部18の温度を調整することができる。したがって、連接部15の境界近傍領域を確実に急冷し、十分な冷却速度を達成することで、連接部15の境界近傍領域が、非焼入れ状態となることを避け、所定の焼入れ範囲を確実に得ることが可能である。
冷却速度調整手段は、チャック部217に取付けられるカバー部252、カバー部252の周囲に配置されるノズル263、ノズル263に圧縮気体Gを供給するための配管系265、圧縮気体Gの圧力を制御するための制御装置280を有する。圧縮気体Gは、例えば、空気である。
カバー部252は、小端部18の周囲を覆うように配置される1対の半割りパーツ253,256からなる。半割りパーツ253,256は、誘導加熱を避けるため非導電性材料から形成され、平滑な端面254,257および端面254,257に配置される凹部255,258を有する。非導電性材料は、セラミックや、適当な耐熱性を有するエンジニアリングプラスチックである。端面254,257は、互いに当接させることで、密着し、凹部255,258の内面形状は、一体として、小端部18の外周形状に一致する。
小端部18を、凹部255,258に配置し、端面254,257を、互いに当接させる場合、カバー部252は、小端部18を密着して覆うため、焼入れ温度に到達した連接部15を急冷するために噴射される冷却媒体Cは、小端部18と接触することが妨げられる。つまり、小端部18に向かって飛散あるいは流れ落ちる冷却媒体Cと、小端部18との間の伝熱が妨げられ、小端部18の温度低下が抑制されることで、小端部18の冷却速度を緩やかとすることが可能である。
したがって、急冷工程において、連接部15の結晶構造を変化させ、硬化させる際に、小端部18の冷却速度を適宜調整することで、小端部18の結晶構造を維持し、硬化を引き起こさないように、制御することが可能である。
ノズル263は、カバー部252の周囲に圧縮気体Gを噴射するための噴射手段である。圧縮気体Gは、焼入れ温度に到達した連接部15を急冷するために噴射される冷却媒体Cと、カバー部252との接触を抑制し、伝熱を妨げる。したがって、カバー部252の温度を制御することが可能である。一方、カバー部252は、小端部18と密着しているため、カバー部252の温度は、小端部18の温度に影響を与える。つまり、ノズル263から噴射される圧縮気体Gを利用し、小端部18の冷却速度を調整することが可能である。
なお、圧縮気体Gは、カバー部252の温度を低下させるため、小端部18を経由する連接部15からの伝熱に基づくカバー部252の熱劣化を、抑制する機能も有する。
配管系265は、圧縮気体Gを生成するためのコンプレッサ267に連結されており、圧縮気体Gの圧力を調整するためのレギュレータ(圧力調整手段)270、圧縮気体Gの供給を適宜停止のための電磁弁266が配置されている。
制御装置280は、温度検出手段240によって検出されるつなぎ部16の温度に基づいて、圧縮気体Gの圧力を調整するための制御手段であり、マイクロプロセッサ等から構成される制御回路、およびROMなどの読取り専用メモリやRAMなどの高速のランダムアクセスメモリが配置される記憶部282を有し、レギュレータ270および温度検出手段240に接続されている。
記憶部282は、レギュレータ270の制御プログラム、データベースが格納される記憶領域と、制御プログラムを実行するための作業領域とを有する。データベースは、焼入れ温度に到達したワーク10の連接部15を急冷する際における、温度−圧力データおよび冷却速度データを含んでいる。
温度−圧力データは、つなぎ部16の温度、小端部18の温度およびカバー部252の温度と、圧縮気体Gの圧力との相互関係を示しているデータである。冷却速度データは、温度−圧力データの計時変化に基づいて算出される、つなぎ部16、小端部18およびカバー部252における冷却速度のデータである。
温度−圧力データおよび冷却速度データは、例えば、ワーク10を実際に使用し、高周波発生装置226の作動条件や、圧縮気体Gの圧力を変更したテストによって、つなぎ部16の温度、小端部18の温度、カバー部252の温度の経時変化を実測することで、取得される。
制御装置280は、温度検出手段240によって検出されるつなぎ部16の温度に基づき、データベースを利用し、小端部18の冷却速度を適正に維持するための圧縮気体Gの圧力を取得し、レギュレータ270を制御する。レギュレータ270は、制御装置280の指示にしたがい、圧縮気体Gの圧力を適正な値に維持する。
したがって、連接部15の境界近傍領域が、非焼入れ状態となることを避け、所定の焼入れ範囲を確実に得ることが可能である。特に、つなぎ部16の検出温度に基づいて、圧縮気体Gの圧力を自動的に微調整可能で有るため、量産ラインにおいて、寸法バラツキが大きい鍛造素材からなるワーク10が適用される場合であっても、良好な精度かつ安定した焼入れ範囲を確保でき、また、多品種少量生産に容易に対応することが可能である。
次に、実施の形態2に係る高周波熱処理方法を説明する。図8は、実施の形態2に係る高周波熱処理方法の急冷工程における温度制御を説明するためのフローチャートである。
まず、ワーク10が、鍛造工程から焼入れ工程に投入される。アクチュエータ214,219は、チャック部212,217を駆動し、大端部11および小端部18を把持し、固定する。連接部15は、誘導加熱コイル224の内側に位置決めされる。この際、チャック部217に取付けられているカバー部252は、小端部18に密着しかつ覆うように配置される。
高周波発生装置226は、誘導加熱コイル224に電流を流し、連接部15の加熱を開始する。この際、実施の形態1の場合と異なり、小端部18の温度は、特に、調整されない。
その後、ワーク10の連接部15が焼入れ温度に到達すると、プロセスは、急冷工程に移行する。
急冷工程においては、電磁弁236が開に設定され、ポンプ237は、ジャケット233に対する冷却媒体Cの供給を開始する。ジャケット233のノズル234は、把持手段によって固定されたワーク10の連接部15に向かって、冷却媒体Cを噴射する。
冷却媒体Cは、ワーク10の連接部15を、適当な冷却速度で急冷し、結晶構造を変えて、硬化させる。この際、カバー部252は、小端部18を密着して覆っているため、飛散あるいは流れ落ちる冷却媒体Cは、小端部18と直接接触しないため、小端部18の冷却速度は、連接部15に比べ、穏やかとなる。
一方、制御装置180は、記憶部182に格納されているデータベースを利用し、つなぎ部16の基準温度および圧縮気体Gの基準圧力を取得する。
つなぎ部16の基準温度および圧縮気体Gの基準圧力は、小端部18が非焼入れ状態に維持され、かつ、連接部15の境界近傍領域が、非焼入れ状態となることを避けることを可能とする、つなぎ部16の温度および圧縮気体Gの圧力の計算値である。
レギュレータ270は、制御装置280によって制御され、カバー部252の周囲に配置されるノズル263に供給される圧縮気体Gの圧力を、基準圧力に一致させる。
温度検出手段240は、制御装置280に対し、つなぎ部16の検出温度の送信を、開始する。制御装置280は、つなぎ部16の検出温度を受信すると(S201)、基準温度と比較する(S202)。
つなぎ部16の検出温度と基準温度とが一致する場合、プロセスは、S208に移行する。
一方、例えば、ワーク10の寸法バラツキに基づき、つなぎ部16の検出温度と基準温度とが異なる場合、制御装置280は、記憶部282に格納されているデータベースを利用し、つなぎ部16の検出温度に対応するつなぎ部16の修正冷却速度、つなぎ部16の修正冷却速度を得るために必要とされる小端部18の修正冷却速度、小端部18の修正冷却速度を得るために必要とされるカバー部252の修正冷却速度、カバー部252の修正冷却速度を得るために必要とされる圧縮気体Gの修正圧力を、順次算出する(S203,S204,S205,S206)。
レギュレータ270は、制御装置280によって制御され、圧縮気体Gの圧力を、修正圧力に一致させると(S207)、プロセスは、S208に移行する。
S208においては、電磁弁266は開に設定され、カバー部252の周囲に配置されるノズル263から、圧縮気体Gの噴射が開始される。
圧縮気体Gの圧力は、以上のように設定されるため、小端部18を非焼入れ状態に維持し、かつ、連接部15の境界近傍領域は、焼入れに必要とされる適切な冷却速度が、得られる。つまり、連接部15の境界近傍領域が、非焼入れ状態となることを避け、所定の焼入れ範囲を確実に得ることが可能である。特に、つなぎ部16の検出温度に基づいて、圧縮気体Gの圧力を自動的に微調整しているため、量産ラインにおいて、寸法バラツキが大きい鍛造素材からなるワーク10が適用される場合であっても、良好な精度かつ安定した焼入れ範囲が確保され、また、多品種少量生産に容易に対応することが可能である。
以上のように、実施の形態2は、焼入れを必要とする連接部(第1部位)15に隣接しかつ焼入れが不要である小端部(第2部位)18を有するワーク(加工物)10において、焼入れ範囲を安定化させることが可能である高周波熱処理方法および高周波熱処理装置を、提供することができる。
なお、寸法バラツキに基づく小端部18の温度の微調整は、圧縮気体Gの圧力の変更に基づくことに限定されず、圧縮気体Gの供給量の変更や、圧縮気体Gの圧力および供給量の両者の変更に基づくことも可能である。
カバー部252(半割りパーツ253,256)は、誘導加熱を避けるため非導電性材料から形成されているが、加熱工程の完了後に、カバー部252を配置する場合は、非導電性材料から形成されることに限定されない。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。
例えば、ワーク10の代表温度は、連接部15と小端部18との境界(つなぎ部16)の温度を利用する形態に限定されず、小端部18の温度を利用することも可能である。温度検出手段140.240は、接触式を適用することも可能である。
大端部11は、小端部18と同様に第2部位であるが、小端部18に比べて温度管理条件が緩やかであるため、小端部18の温度のみを調整としているが、小端部18および大端部11の両方の温度を調整することも可能である。この場合、大端部11と連接部15との境界(つなぎ部14)の温度を検出するための温度検出手段と、大端部11用の焼入れ防止手段とを設けることが可能である。
実施の形態1に係るワークを説明するための平面図である。 図1に示されるワークの側面図である。 実施の形態1に係る高周波熱処理装置を説明するための概略図である。 実施の形態1に係る高周波熱処理方法の加熱工程における温度制御を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2に係る高周波熱処理装置を説明するための概略図である。 図5に示されるカバー部を説明するための側面図である。 図5に示されるカバー部を説明するための平面図である。 実施の形態2に係る高周波熱処理方法の急冷工程における温度制御を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10・・ワーク、
11・・大端部、
12・・半円状部、
14・・つなぎ部、
15・・連接部、
16・・つなぎ部、
18・・小端部、
19・・開口部、
100・・高周波熱処理装置、
112・・チャック部、
114・・アクチュエータ、
124・・誘導加熱コイル、
126・・高周波発生装置、
133・・ジャケット、
134・・ノズル、
135・・配管系、
136・・電磁弁、
137・・ポンプ、
138・・レギュレータ、
139・・タンク、
140・・温度検出手段、
152・・冷却ブロック、
163・・アクチュエータ、
165・・配管系、
166・・電磁弁、
167・・ポンプ、
169・・タンク、
180・・制御装置、
182・・記憶部、
200・・高周波熱処理装置、
212,217・・チャック部、
214,219・・アクチュエータ、
224・・誘導加熱コイル、
226・・高周波発生装置、
233・・ジャケット、
234・・ノズル、
235・・配管系、
236・・電磁弁、
237・・ポンプ、
238・・レギュレータ、
239・・タンク、
240・・温度検出手段、
252・・カバー部、
253,256・・半割りパーツ、
254,257・・端面、
255,258・・凹部、
263・・ノズル、
265・・配管系、
266・・電磁弁、
267・・コンプレッサ、
270・・レギュレータ、
280・・制御装置、
282・・記憶部
,C・・冷却媒体、
G・・圧縮気体。

Claims (26)

  1. 焼入れを必要とする第1部位および前記第1部位に隣接しかつ焼入れが不要である第2部位を有する加工物の高周波熱処理方法であって、
    前記第1部位を焼入れする際、前記第1部位と前記第2部位との境界の温度である代表温度の検出温度に基づいて、前記第2部位の温度を調整することによって、前記第2部位を非焼入れ状態に維持し、
    前記焼入れは、前記第1部位を焼入れ温度まで高周波加熱するための加熱工程と、高周波加熱によって焼入れ温度に到達した前記第1部位を急冷するための急冷工程とを有し、
    前記加熱工程あるいは前記急冷工程において、前記代表温度の検出温度がデータベースに含まれる基準温度と一致するように、前記第2部位の温度が調整され、
    前記加熱工程に係る前記基準温度は、前記第1部位を焼入れ温度まで高周波加熱する際における前記代表温度の経時変化のデータからなり、
    前記急冷工程に係る前記基準温度は、焼入れ温度に到達した前記第1部位を急冷する際における前記代表温度の経時変化のデータからなる
    ことを特徴とする高周波熱処理方法。
  2. 前記加熱工程において、前記代表温度の検出温度がデータベースに含まれる基準温度と一致するように、前記第2部位の温度が調整される場合、前記加熱工程において、前記第2部位の温度は、前記代表温度の検出温度に基づいて、変態点以下に維持されるように調整されることを特徴とする請求項に記載の高周波熱処理方法。
  3. 前記加熱工程において、前記第2部位と当接するように配置される非導電性の冷却ブロックに対する伝熱によって、前記第2部位の温度は、変態点以下に維持されることを特徴とする請求項に記載の高周波熱処理方法。
  4. 前記冷却ブロックは、冷却媒体が流れる通路を有することを特徴とする請求項に記載の高周波熱処理方法。
  5. 前記冷却媒体の温度は、前記代表温度の検出温度に基づいて、調整されることを特徴とする請求項に記載の高周波熱処理方法。
  6. 前記急冷工程において、前記代表温度の検出温度がデータベースに含まれる基準温度と一致するように、前記第2部位の温度が調整される場合、前記急冷工程において、前記代表温度の検出温度に基づいて、前記第2部位の冷却速度を低下させることで、前記第2部位の結晶構造が維持されるように調整されることを特徴とする請求項に記載の高周波熱処理方法。
  7. 前記急冷工程において、前記第1部位の周囲に、冷却媒体が噴射されることを特徴とする請求項に記載の高周波熱処理方法。
  8. 前記冷却媒体は、前記第2部位の周囲を覆うように配置されるカバー部によって、前記第2部位との接触が、妨げられることを特徴とする請求項に記載の高周波熱処理方法。
  9. 前記カバー部の周囲に、圧縮気体が噴射されることを特徴とする請求項に記載の高周波熱処理方法。
  10. 前記圧縮気体の圧力は、前記代表温度の検出温度に基づいて、調整されることを特徴とする請求項に記載の高周波熱処理方法。
  11. 前記代表温度の検出は、非接触式であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の高周波熱処理方法。
  12. 前記加工物は、内燃機関におけるピストンとクランクシャフトとを連結し、ピストンの往復運動をクランクシャフトに伝達するために使用されるコンロッドであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の高周波熱処理方法。
  13. 前記コンロッドは、本体をなす連接部、前記連接部の一端側に位置する大端部、および、前記連接部の他端側に位置する小端部を有し、
    前記第1部位は、前記連接部であり、前記第2部位は、前記小端部であることを特徴とする請求項12に記載の高周波熱処理方法。
  14. 焼入れを必要とする第1部位および前記第1部位に隣接しかつ焼入れが不要である第2部位を有する加工物の高周波熱処理装置であって、
    前記第1部位を、焼入れするための焼入れ手段、
    前記第1部位と前記第2部位との境界の温度である代表温度を、検出するための温度検出手段、および、
    前記第1部位を前記焼入れ手段によって焼入れする際、前記代表温度の検出温度に基づいて、前記第2部位の温度を調整することによって、前記第2部位を非焼入れ状態に維持するための焼入れ防止手段を有し、
    前記焼入れ手段は、前記第1部位を焼入れ温度まで高周波加熱するための加熱手段と、前記加熱手段によって焼入れ温度に到達した前記第1部位を急冷するための急冷手段とを有し、
    前記焼入れ防止手段は、前記第1部位を前記加熱手段によって焼入れ温度まで加熱する際、あるいは、焼入れ温度に到達した前記第1部位を前記急冷手段によって急冷する際、前記代表温度の検出温度がデータベースに含まれる基準温度と一致するように、前記第2部位の温度を調整し、
    前記第1部位を前記加熱手段によって焼入れ温度まで加熱する際における前記基準温度は、前記第1部位を焼入れ温度まで高周波加熱する際における前記代表温度の経時変化のデータからなり、
    焼入れ温度に到達した前記第1部位を前記急冷手段によって急冷する際における前記基準温度は、焼入れ温度に到達した前記第1部位を急冷する際における前記代表温度の経時変化のデータからなる
    ことを特徴とする高周波熱処理装置。
  15. 前記第1部位を前記加熱手段によって焼入れ温度まで加熱する際、前記代表温度の検出温度がデータベースに含まれる基準温度と一致するように、前記第2部位の温度を調整する場合、前記焼入れ防止手段は前記代表温度の検出温度に基づいて、前記第2部位の温度を、変態点以下に維持するための冷却手段を有することを特徴とする請求項14に記載の高周波熱処理装置。
  16. 前記冷却手段は、前記第2部位と当接するように配置される非導電性の冷却ブロックを有し、
    前記第2部位の温度は、前記冷却ブロックに対する伝熱によって、変態点以下に維持されることを特徴とする請求項15に記載の高周波熱処理装置。
  17. 前記冷却ブロックは、冷却媒体が流れる通路を有することを特徴とする請求項16に記載の高周波熱処理装置。
  18. 前記冷却手段は、前記代表温度の検出温度に基づいて、前記冷却媒体の温度を調整するための温度調整手段を有することを特徴とする請求項17に記載の高周波熱処理装置。
  19. 焼入れ温度に到達した前記第1部位を前記急冷手段によって急冷する際、前記代表温度の検出温度がデータベースに含まれる基準温度と一致するように、前記第2部位の温度を調整する場合、前記焼入れ防止手段は前記代表温度の検出温度に基づいて、前記第2部位の冷却速度を低下させることで、前記第2部位の結晶構造を維持するための冷却速度調整手段を有することを特徴とする請求項18に記載の高周波熱処理装置。
  20. 前記急冷手段は、前記第1部位の周囲に、冷却媒体を噴射するための噴射手段を有することを特徴とする請求項19に記載の高周波熱処理装置。
  21. 前記冷却速度調整手段は、前記第2部位の周囲を覆うように配置されるカバー部を有することを特徴とする請求項20に記載の高周波熱処理装置。
  22. 前記冷却速度調整手段は、前記カバー部の周囲に、圧縮気体を噴射するための噴射手段を有することを特徴とする請求項21に記載の高周波熱処理装置。
  23. 前記冷却速度調整手段は、前記代表温度の検出温度に基づいて、前記圧縮気体の圧力を調整するための圧力調整手段を有することを特徴とする請求項22に記載の高周波熱処理装置。
  24. 前記温度検出手段は、前記代表温度を、非接触式に検出することを特徴とする請求項1423のいずれか1項に記載の高周波熱処理装置。
  25. 前記加工物は、内燃機関におけるピストンとクランクシャフトとを連結し、ピストンの往復運動をクランクシャフトに伝達するために使用されるコンロッドであることを特徴とする請求項1424のいずれか1項に記載の高周波熱処理装置。
  26. 前記コンロッドは、本体をなす連接部、前記連接部の一端側に位置する大端部、および、前記連接部の他端側に位置する小端部を有し、
    前記第1部位は、前記連接部であり、前記第2部位は、前記小端部であることを特徴とする請求項25に記載の高周波熱処理装置。
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