JP4810354B2 - 光走査装置及び走査型画像表示装置 - Google Patents

光走査装置及び走査型画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、光源からの光束を走査して画像を形成する光走査装置及びこれを用いた走査型画像表示装置に関する。
光走査装置は、光源からの光束を走査デバイス(偏向器)により反射偏向することで走査し、被走査面に画像を描画する。このような光走査装置は、走査されている光束を受光素子で受けて検知する光検知器を有することが多い。光検知器としては、代表的なものとして同期検知器がある。その他にも、照射位置検知器や振幅センサ等がある。
同期検知器には、走査デバイスで偏向(走査)されている光束が同期検知用ミラーで反射されて導かれる。同期検知器は、スリットと受光素子とで構成され、ミラーで反射された光束(検知光)のスポットがスリットを横切る際に該スリットを通過した検知光を受光素子で受けて走査タイミングを検知する。走査タイミングに対して光源の発光タイミングを調整することで、画像の描き出し位置を揃えることができる。
検知光としては、走査されている光束のうち、被走査面上における描画すべき画像が形成される有効走査領域(像形成領域)の外側に存在する非有効走査領域へ向かう光束が用いられる。この光束は、光束の走査範囲の中で最も外側に偏向される光束である。このため、検知光の偏向角は、走査デバイスの最大偏向角(振幅)や光走査装置の大きさを決定する大きな要因となっている。
同期検知用光学系の構成に特徴を持たせて小型化した光走査装置としては、特許文献1〜3にて開示されたものがある。
特許文献1では、同期検知器の配置を工夫することで小型化した光走査装置が開示されている。具体的には、走査デバイスとして1つのミラー面を有する軸状偏向器を用い、同期検知器を該偏向器で偏向された光束を直接受光する位置に配置して、fθレンズと偏向器とを一体化している。
また、特許文献2では、走査用レンズを工夫することで小型化した光走査装置が開示されている。具体的には、走査用レンズのうち有効走査領域外に向かう光束が通過する周縁部に、有効走査領域に向かう光束が通過する部分とは不連続な屈折率を有する検知光偏向部を設けている。検知光偏向部で走査用レンズよりも外側に偏向された検知光は、その先方に配置された同期検知用の受光センサで受光される。これにより、主走査方向の走査位置が検知される。
さらに、特許文献3では、走査デバイスの近傍に同期検知用ミラーを配置した光走査装置が開示されている。走査デバイスと光分離手段との間には、この間の光路の一部を折り曲げる同期検知用ミラーが配置され、該折り曲げられた光路に沿った複数の光ビームを同期センサで受光して同期検知を行う。
特開平4−184411号公報(2頁右上欄18行〜同頁右下欄9行) 特開平9−101472号公報(段落0022、図1等) 特開2005−164997号公報(段落0025、図1等)
しかしながら、特許文献1にて開示された光走査装置では、偏向器の最大偏向角を通常よりも大きく設定する必要があり、走査効率が低下する。これは、同期検知器を偏向器の近傍に配置するために、同期検知に用いられる光束を被走査面上の有効走査領域へ向かう光束から同期検知器のサイズ以上離す必要があるからである。これにより、非有効走査領域が広がって有効走査領域の比率が低下する。すなわち、走査効率が低下し、さらに像面照度も低下する。
また、特許文献2にて開示された光走査装置では、走査用レンズの周縁部によって検知光をさらに外側に偏向させている。このため、同期検知用センサは走査用レンズから外側に離れた位置に配置される。したがって、光走査装置を十分に小型化することが難しい。
さらに、特許文献3にて開示された光走査装置では、走査デバイスからの検知光の光路を折り曲げる同期検知用ミラーが用いられているが、該折り返しミラーは、検知光としての光束の光束幅全体が、有効走査領域へ向かう光束の光路と重ならない光進行方向位置に設けられている。このため、走査デバイスの最大偏向角を大きくする必要があり、この結果、特許文献1の装置と同様に、走査効率の低下等の問題が生じる。
本発明では、光の走査効率が高く、かつコンパクトな光走査装置及びこれを備えた走査型画像表示装置を提供することを目的の1つとする。
また、本発明は、組み立て誤差があっても安定して光検知を行うことができる光走査装置及び走査型画像表示装置を提供することを目的の1つとする。
本発明の一側面としての光走査装置は、光源からの光束を走査して有効走査領域に画像を形成する走査手段と、光を検知する光検知手段と、前記走査手段によって走査されている光束が前記有効走査領域の外側に向かう状態において、該光束のうち光束幅内での一部の光束成分を前記光検知手段に導く導光手段とを有し、前記導光手段は、前記有効走査領域の外側に向かう光束の進行方向の位置のうち、光束幅内に前記有効走査領域に向かうときの該光束の光路に重なる部分と重ならない部分とを含む位置に設けられ、該重ならない部分から前記光束成分を前記光検知手段に導くことを特徴とする。
なお、上記光走査装置を用いた走査型画像表示装置及、さらにこれを含む画像表示システムも、本発明の他の側面を構成する。
本発明によれば、有効走査領域の外側に向かう光束のうち光束幅内での一部の光束成分を検知光として導光手段により取り出す。このため、光束幅の全体を検知光とする場合に比べて、導光手段を走査手段に近づけることができるとともに、小型化することができる。この結果、光走査装置及びこれを備えた走査型画像表示装置を小型化することができる。
また、導光手段を走査手段に近づけることにより、有効走査領域の外側の領域(非有効走査領域)を狭くすることができる。このため、走査効率を高め、像面照度も明るくすることができる。さらに、走査手段による光束の最大偏向角を小さくすることができるので、走査手段を安定して駆動することができる。
そして、この光走査装置を用いることで、小型でありながらも明るい画像を表示できる走査型画像表示装置を実現することができる。
また、本発明によれば、導光手段と光検知手段とが光学的に共役な関係とされるので、導光手段の位置や姿勢等に取り付け誤差があっても、安定した光検知を行うことができる。そして、この光走査装置を用いることで、良質な画像を表示できる走査型画像表示装置を実現することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である2次元走査型画像表示装置の概要を示す。この2次元走査型画像表示装置は、以下に説明する2次元光走査装置12を主たる構成要素として含む。
光源である半導体レーザ1から出射した光束は、集光レンズ2を介して開口絞り3で光束幅を制限されて走査ユニット4に入射する。走査ユニット4は、入射した光束を水平方向(方向)に偏向する水平走査デバイス4aと、垂直方向(方向)に偏向する垂直走査デバイス4bにより構成されている。走査ユニット4により、半導体レーザ1からの光束を2次元方向に偏向(走査)する。走査ユニット4からの光束Laは、被走査面としてのスクリーン5上にスポット像を形成する。光束Laが走査されることで、スポット像が2次元方向に移動する。
本実施例では、水平走査デバイス4aとして、20kHzの周波数で矢印Aの方向に共振駆動されるMEMSミラーを用いており、光束Laを水平方向に往復走査する。また、垂直走査デバイス4bとしては、60Hzの周波数で間欠的に矢印Bの方向に回転駆動されるガルバノミラーを用いており、光束Laを上から下へと走査する。本実施例では、水平方向にファーストスキャンを行い、垂直方向にはスロースキャンを行う。これにより、図中に点線矢印で示したように、水平方向に往復する走査線が形成されるラスタ走査を行っている。
また、スクリーン5上における一点鎖線で示す走査領域6内には、実線で示す有効走査領域7とその外側の非有効走査領域8とがある。有効走査領域7は、例えば600本の走査線を描くことで画像が形成される画像形成領域である。一方、非有効走査領域8は、光束Laは走査されるが、画像は形成されない非画像形成領域である。
光束Laが非有効走査領域8で走査されている状態で、同期検知を行う。ここにいう同期検知は、光束Laの水平方向(第2の方向)での走査位置を検出することで、往復走査における画像描画位置を精度良く合わせるために行われる。また、往復走査での画像描画位置を合わせることで、画像の描き出し位置も揃う。
水平走査デバイス4aとして用いているMEMSミラーは共振駆動されるため、その角速度はミラーの振幅中心付近で最も速く、最大振幅(最大偏向角)付近で最も遅くなる。水平方向の走査位置を精度良く検知するためには、水平走査デバイス4aで走査されている光束Laの角速度が速い画像の水平方向中心付近で検知を行うことが望ましい。そこで、本実施例では、光束Laが有効走査領域7の上方に存在する非有効走査領域8にて走査されている(該非有効走査領域8に向かっている)状態で、水平方向の中心点Dで同期検知を行う。
非有効走査領域8の水平方向中心点Dに光束Laが向かっている状態において、光束Laの一部が、反射面を有する導光手段としての光検知用ミラー9で下方(垂直方向:第1の方向)に反射されて検知光Lbとなる。検知光Lbは、光検知用レンズ10を通過することによって、光検知手段としての同期検知器20を構成するエリアセンサ11上にスポット像を形成する。光検知用レンズ10は、光源(半導体レーザ1)とエリアセンサ11の受光面とを光学的に共役な関係としている。
エリアセンサ11では、スポット像を撮像し、その撮像データを出力する。検知回路21は、エリアセンサ11からの撮像データ(出力信号)での輝度分布から輝度重心位置を算出し、光束Laの水平方向での走査位置を検知する。より具体的には、水平往復走査の往路と復路での特定のタイミングで半導体レーザ1を発光させてスポット像を作ることで、それぞれでの走査位置を検知する。
そして、駆動回路25は、往路と復路での走査位置のずれ量に応じて半導体レーザ1の発光タイミングを調整し、往復走査での画像描画位置を精度良く合わせる。つまり、水平方向の走査中心位置において、水平走査デバイス4aの共振駆動と半導体レーザ1の発光タイミングとを同期させ、往復走査による画像の描き出し位置を揃えている。
なお、駆動回路25には、パーソナルコンピュータ、DVDプレーヤ、テレビチューナ等の画像供給装置30が接続されている。駆動回路25は、画像供給装置30から入力された画像情報に応じて半導体レーザ1を変調する。これにより、入力された画像情報に対応した画像が有効走査領域7に表示される。本実施例の走査型画像表示装置と画像供給装置30とにより画像表示システムが構成される。
図2には、本実施例に対する比較例1としての光走査装置12′の垂直断面を示す。なお、図2において、図1に示した構成要素と共通する構成要素には、図1と同符号を付している。
図2には、走査ユニット4で反射偏向された光束Laが、スクリーン(被走査面)5上で走査される様子と同期検知器11′に導かれる様子を模式的に示している。
La1は、光束Laが被走査面5上の有効走査領域7の下端に到達しているときの状態を示す。La2は、光束Laが有効走査領域7の上端に到達しているときの状態を示す。また、La3は光束Laが有効走査領域7の上側にある非有効走査領域8に向かっている状態を示す。このように、La1,La2,La3は光束Laの異なるタイミングでの状態を示すが、以下の説明では、それぞれの状態を光束La1,光束La2及び光束La3と称する。
光束La3は、同期検知器11′へと導かれるため、実際には非有効走査領域8には到達しないが、図2には、光検知用ミラー9がない場合の光路を点線で示している。
比較例1の光走査装置では、光束La3が非有効走査領域8の水平方向中心点Dに向かっている状態で同期検知を行う。このため、光束La3の光路上に光検知用ミラー9を配置して該光束La3を下方に反射し、検知光Lbとして同期検知器11′へと導く。同期検知器11′は、図1に示したエリアセンサ11とは異なり、スリット11aと受光素子11bとにより構成されている。スリット11aは、水平方向中心点Dと等価な位置に配置されている。スリット11a上を検知光Lbのスポットが横切る際にスリット11aを通過した光束が受光素子11bで受光される。そして、受光素子1bで受光した光束の光量が閾値を超えたタイミングが検知される。
このとき、有効走査領域7に到達する光束La2を遮光してはならない。このため、光束La3の進行方向において、該光束La3が有効走査領域7に向かう光束La2の光路に対して重ならない位置に光検知用ミラー9を配置する必要がある。しかし、走査ユニット4から射出した光束La3が光束La2の光路に対して完全に重ならなくなるのは、走査ユニット4に対してよりも走査領域6(スクリーン5)に近い位置である。したがって、光走査装置12′が大型化する。
図3には、本実施例に対する比較例2としての光走査装置12″の垂直断面を示す。なお、図3において、図2に示した構成要素と共通する構成要素には、図2と同符号を付している。
図3でも、走査ユニット4で反射偏向された光束Laが、スクリーン(被走査面)5上で走査される様子と同期検知器11′に導かれる様子を模式的に示している。
比較例2では、比較例1に比べて、光検知用ミラー9を走査ユニット4に近づけている。これにより、光走査装置12″は小型化する。
但し、比較例2においても、光束La3の進行方向において、該光束La3が有効走査領域7に向かう光束La2の光路に対して重ならない位置に光検知用ミラー9を配置することに変わりはない。このため、比較例2では、比較例1に比べて走査ユニット(垂直走査デバイス)4の最大偏向角を大きくして、光束La3の光束La2の光路に対してなす偏向角度を増加させている。
この場合、上述したように光検知用ミラー9を走査ユニット4に近づけることができる。しかし、有効走査領域7の大きさは変わらないので、非有効走査領域8だけが広くなり、走査効率が著しく低下する。例えば、比較例1では走査効率が71%であるのに対し、比較例2では58%まで低下する。
ここでいう走査効率とは、1周期の走査に対する有効走査領域7が占める時間の割合である。1周期の中で走査領域が80%、帰線が20%を占める。さらに、走査領域6の中を有効走査領域7と非有効走査領域8が占めている。つまり、
走査効率=(有効走査領域)/(非有効走査領域+帰線)
である。
このように走査効率が低下すると、単位時間当たりの光源のパワーを十分に活かすことができず、表示される画像が暗くなる。また、走査ユニット4でも最大偏向角を増大させる必要があるため、駆動が不安定になるおそれがある。
そこで、本実施例では、これら比較例1,2が有する問題を解決しつつ、光走査装置12の小型化を図っている。
図4Aには、本実施例における光走査装置12の垂直断面を示している。光束La1は走査ユニット4(垂直走査デバイス4b)で走査されている光束Laがスクリーン5上の有効走査領域7の下端に到達する状態を示す。光束La2は該光束Laが有効走査領域7の上端に到達している状態を示す。光束La3は該光束Laが走査領域6の上側にある非有効走査領域8に向かっている(到達している)状態を示す。
光束La3の光路中には光検知用ミラー9が配置され、その反射面9aにより光束La3をエリアセンサ11に向けて反射する。
光検知用ミラー9は、光束La3の進行方向において、該光束La3の光束幅(光束断面)内に光束La2の光路と重なる部分と重ならない部分とを有する位置に配置されている。図4Bは、図4AのE−E線で切断した光束断面を示しており、この図において、La3aが光束La2の光路と重なる部分であり、La3bが重ならない部分である。そして、光検知用ミラー9は、光束La3のうち該重ならない部分La3bの光束成分(すなわち、光束幅内の一部の光束成分)のみを反射面9aにより反射するように配置されている。
なお、光検知用ミラー9(反射面9a)は、垂直断面において、上記重ならない部分La3bよりも若干大きな幅(高さ)を有する。これは、光束La3のうちできるだけ多くの光束成分を検知光Lbとして利用するためである。
光束La3のうち光検知用ミラー9で反射した光束成分である検知光Lbは、光検知用レンズ10を通過してエリアセンサ11上にスポット像を形成する。前述したように、エリアセンサ11からのスポット像の撮像データに基づいて、光束Laの水平方向での走査位置が検知される。
本実施例では、エリアセンサ11を用いて光束Laの水平方向での走査位置を検知するために、検知光Lbを光検知用ミラー9によって垂直方向に反射されてエリアセンサ11に導いている。これにより、検知光Lbは、光束La2の光路と交差してエリアセンサ11に導かれる。
ここで、上述したように、光束La3のうち光束La2の光路と重ならない部分La3bの光束成分(検知光Lb)を光検知用ミラー9で取り出した場合、検知光Lbの光束幅が狭くなるのは垂直方向のみであり、エリアセンサ11上に形成されるスポットの水平方向での径(スポット径)は変わらない。このため、スポットの水平方向での重心位置を求めるにあたって問題はなく、十分に精度良く走査位置を検知することができる。
特に、本実施例では、同期検知器20にエリアセンサ11を用いて、撮像されたスポットの輝度分布からスポットの重心位置を求めているため、スポット径が大きくなったり光束幅が狭くなったりすることによるピーク光量低下の影響を受けにくい。
つまり、検知光Lbが光束La3の光束幅内での一部の光束成分であっても、光束Laの走査位置を正確に検知できる。そして、光検知にエリアセンサ11を用いると、光量低下の影響を少なくすることができ、常に安定した光検知を行うことができる。
なお、光束La3のうち光検知用ミラー9で取り出されない光束成分は非有効走査領域8に到達するが、ここには画像が形成されないので、表示画像の品位に影響を与えない。
以上説明したように、本実施例では、非有効走査領域8に向かう光束La3の光束幅内の一部が有効走査領域7に向かう光束La2の光路に対して重なる位置において、該光路とは重ならない部分の光束成分を検知光Lbとして光検知用ミラー9により取り出す。これにより、比較例1に比べて、光検知用ミラー9を走査ユニット4に近づけて配置することができ、光走査装置12のより小型化を図ることができる。しかも、本実施例では、比較例2のように、走査ユニット4による光束La3の偏向角度を大きくする必要がない。このため、走査効率を高めることができる。本実施例の走査効率は、比較例1と同じ71%と高い。
さらに、本実施例では、光検知(同期検知)のためにエリアセンサ11を用いることで、光束La3に対して光束幅が狭い検知光Lbによっても高精度に光束Laの走査位置検知を行うことができる。
したがって、小型化でありながらも高い走査効率と高い走査位置検知精度を有する光走査装置及び走査型画像表示装置を実現することができる。
特に、半導体レーザを光源として用いる場合、その出力をあまり高くすることができないので、走査効率を高めることにより、1フレーム画像中での半導体レーザの発光時間の比率が大きくなり、明るい画像を表示できる。
図5Aには、本発明の実施例2である2次元光走査装置の垂直断面を示す。この光走査装置52も、実施例1と同様に、走査型画像表示装置の主たる構成要素として用いられる。また、走査ユニット4(図には垂直走査デバイス4bのみ示す)により光束Laを走査して有効走査領域7に画像を形成する点及び非有効走査領域8に向かう光束La3における光束幅内の一部の光束成分(検知光Lb)を光検知用ミラー9で取り出して同期検知に用いる点も、実施例1と同じである。本実施例において、実施例1と同じ又は同じ機能を有する構成要素には、実施例1と同符号を付す。また、図5Bには、図5AのF−F線での断面を示す。
本実施例は、図5Bに詳しく示すように、垂直断面において、光検知用ミラー9の反射面9a(光束Laが入射する面)の幅(高さ)を、光束La3の光束幅内において光束La2の光路と重ならない部分La3bの幅よりも小さくした点で実施例1と異なる。また、同期検知器11′を、前述した比較例と同様に、スリット11aと受光素子11bとで構成した点で、実施例1と異なる。
図6には、本実施例の光走査装置52の垂直断面を拡大して示している。ここで、光束La3のうち光束幅内の一部の光束成分のみを光検知用ミラー9で反射させて同期検知器11′に導く場合、光検知用ミラー9(反射面9a)と光束La3との位置関係が重要となる。
本実施例において、実施例1のように比較的大きな反射面9aを有する光検知用ミラー9を用いた場合、光検知用ミラー9の装置内での取り付け位置がずれた場合に、光束La3から取り出される検知光Lbの光束幅が変化する。つまり、同期検知器11′上に到達する光量が変わる。これにより、受光素子11bで受光される光量が変化するので、スポットがスリット11aを通過し始めてから受光量が閾値に達するまでの時間が変化し、走査タイミングの検知に誤差が生じる。また、これを回避するために、閾値を再設定する必要がある。
そこで、本実施例では、垂直断面内において、光束La3の光束幅内における光束La2の光路と重ならない部分La3bの幅よりも小さい幅の反射面9aを有する光検知用ミラー9を用いている。
これにより、検知光Lbの光束幅は、光検知用ミラー9の反射面9aの幅で決められる。このため、光検知用ミラー9の取り付け位置にある程度のずれ(誤差)が生じても、一定光量の検知光Lbを同期検知器11′に導くことができる。したがって、受光素子11bでの受光量の閾値を固定したまま、安定して走査タイミングを検知することができる。すなわち、高精度な同期検知を行うことができる。
また、光検知用ミラー9を小さくした分、実施例1よりもさらに光走査装置52を小型化することができる。
なお、従来は、光量減衰手段としてNDフィルタを光検知用レンズ10の前に配置して受光素子11bの感度に合うように入射光量を調整していた。しかし、本実施例の光検知用ミラー9を用いれば、受光素子11bに到達する光量が所望の値となるように光検知用ミラー9の反射面9aの幅を設定することができる。これらより、NDフィルタが不要になる。つまり、本実施例の光検知用ミラーは、NDフィルタなどの光量減衰手段としての役割を果たすこともできる。このため、光走査装置の構成部品点数を削減することができる。
図7には、本発明の実施例3である2次元光走査装置の垂直断面を示す。この光走査装置72も、実施例1と同様に、走査型画像表示装置の主たる構成要素として用いられる。また、走査ユニット4(図には垂直走査デバイス4bのみ示す)により光束Laを走査して有効走査領域7に画像を形成する点も実施例1と同じである。さらに、非有効走査領域8に向かう光束La3における光束幅内の一部の光束成分(検知光Lb)を光検知用ミラー9で取り出し、エリアセンサ11を用いて同期検知を行う点も、実施例1と同じである。本実施例において、実施例1と同じ又は同じ機能を有する構成要素には、実施例1と同符号を付す。
本実施例では、垂直断面において、光検知用ミラー9とエリアセンサ11とに光学的に共役な関係を持たせている点で実施例1と異なる。
図8には、本実施例の光走査装置の垂直断面を拡大して示している。図8中に矢印Gで示すように、光検知用ミラー9の取り付け角度(傾き)に誤差があった場合、実施例1では、検知光Lbのスポットがエリアセンサ11から外れてしまい、同期検知ができないおそれがある。特に、光検知用ミラー9が垂直断面内で傾いた場合は、半導体レーザ1の発光タイミングを変化させても、検知光Lbをエリアセンサ11に導けないおそれがある。
そこで、本実施例では、光検知用レンズ(光検知光学系)10′に、垂直断面において光検知用ミラー9の反射面9aとエリアセンサ11の受光面とを光学的に共役な関係とする機能を持たせている。これにより、取り付け誤差によって光検知用ミラー9が傾いても、常にエリアセンサ11上に検知光Lbを導くことができる。
本実施例では、光検知用レンズ10′を、水平方向の焦点距離よりも垂直方向の焦点距離が短い1枚のアナモルフィックレンズで構成している。
ここで、光検知用レンズ10′の水平方向の焦点距離fxとし、垂直方向の焦点距離fyとする。また、光検知用ミラー9の反射面9aから光検知用レンズ10′までの距離をd1とし、光検知用レンズ10′からエリアセンサ11の受光面までの距離をd2とする。このとき、次式を満足する関係が成立する。
また、走査ユニット4からスクリーン(被走査面)5までの距離が遠い場合は、次式の関係を満足するように設定するとよい。
このように、本実施例の光検知用レンズ10′は、垂直断面内においてのみ光検知用ミラー9の反射面9aとエリアセンサ11の受光面とを光学的に共役な関係とし、水平方向においては検知光Lbをエリアセンサ11上にスポットとして結像させている。これにより、水平方向においては光束Laの走査位置を検知でき、垂直方向においては取り付け誤差によって光検知用ミラー9が傾いても常にエリアセンサ11の受光面における同じ位置に検知光Lbを導くことができる。すなわち、光検知用ミラー9の傾き誤差の影響を排除して、安定した光検知を行うことができる。
なお、本実施例では、実施例1と比べて、エリアセンサ11上のスポットは垂直方向において幅が大きくなるが、水平方向においては変化がなく、小さいスポット径のままである。このため、水平方向の走査位置を精度良く検知することができる。
また、本実施例において、実施例2のように、垂直方向の反射面の幅が小さい光検知用ミラー9を用いることで、垂直方向の光束幅をある程度狭くすることができる。
なお、上記各実施例では、光束を2次元方向に走査して2次元画像を形成する場合について説明したが、本発明は、光束を1次元方向に走査する装置にも適用することができる。
また、上記各実施例では、1つの半導体レーザ光源を用いた場合について説明したが、光源の数を複数としてもよい。例えば、赤色光、緑色光及び青色光をそれぞれ射出する3つの光源を用いて、フルカラー画像を表示する走査型画像表示装置を構成してもよい。
また、光源としては、半導体レーザに限らず、面発光レーザやLED、EELED(Edge Emitting Light Emitting Diode)等、他の光源を用いてもよい。
また、上記各実施例では、光束La3から検知光Lbを取り出す導光手段としてミラーを用いた場合について説明したが、本発明では、導光手段として反射面を有したプリズム等の光学素子を用いることもできる。
さらに、上記各実施例では、スクリーンや壁等に画像を表示する走査型画像表示装置に用いられる光走査装置について説明したが、本発明は、観察者の眼前又は網膜上に画像を形成する走査型画像表示装置にも適用することができる。さらに、本発明は、画像表示装置に限らず、光束の走査により被走査面に画像を形成する各種装置に適用することができる。
本発明の実施例1である2次元光走査装置を用いた走査型画像表示装置の概要を説明する斜視図。 比較例1としての光走査装置の垂直断面図。 比較例2としての光走査装置の垂直断面図。 実施例1の光走査装置の垂直断面図。 図4A中のE−E線断面図。 本発明の実施例2である2次元光走査装置の垂直断面図。 図5A中のF−F線断面図。 実施例2の光走査装置の垂直断面の拡大図。 本発明の実施例3である2次元光走査装置の垂直断面図。 実施例3の光走査装置の垂直断面の拡大図。
符号の説明
1 半導体レーザ
2 コリメータレンズ
4 走査ユニット
4a 水平走査デバイス
4b 垂直走査デバイス
5 スクリーン(被走査面)
6 走査領域
7 有効走査領域
8 非有効走査領域
9,9′ 光検知用ミラー
9a 反射面
10,10′ 光検知用レンズ
11 エリアセンサ
11a スリット
11b 受光素子
12,52,72 2次元光走査装置

Claims (8)

  1. 光源からの光束を走査して有効走査領域に画像を形成する走査手段と、
    光を検知する光検知手段と、
    前記走査手段によって走査されている光束が前記有効走査領域の外側に向かう状態において、該光束のうち前記光束の進行方向と垂直である光束幅内での一部の光束成分を前記光検知手段に導く導光手段とを有し、
    前記導光手段は、前記有効走査領域の外側に向かう光束の進行方向の位置のうち、前記光束幅内に前記有効走査領域に向かうときの該光束の光路に重なる部分と重ならない部分とを含む位置に設けられ、該重ならない部分から前記光束成分を前記光検知手段に導くことを特徴とする光走査装置。
  2. 前記導光手段は、反射面であることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記導光手段における前記光束の進行方向と垂直である前記光束成分が入射する面の幅が、前記重ならない部分の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  4. 前記導光手段は、前記光束成分を、前記有効走査領域に向かうときの該光束の光路に対して交差させて前記光検知手段に導くことを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の光走査装置。
  5. 前記光検知手段は、エリアセンサを有し、該エリアセンサの出力信号に基づいて、前記走査手段により走査されている光束の位置を検知することを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の光走査装置。
  6. 前記走査手段は、第1の方向及び該第1の方向に垂直な第2の方向に光束を走査し、
    前記導光手段は、前記光束成分を前記第1の方向において前記光検知手段に導き、
    前記光検知手段は、前記走査手段により走査されている光束の前記第2の方向での位置を検知することを特徴とする請求項に記載の光走査装置。
  7. 請求項1からのいずれか1つに記載の光走査装置を有することを特徴とする走査型画像表示装置。
  8. 請求項に記載の走査型画像表示装置と、
    該走査型画像表示装置に画像情報を供給する画像供給装置とを有することを特徴とする画像表示システム。
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