JP4810231B2 - 防災システム - Google Patents

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Description

本発明は、水幕による防火区画形成設備とヘッドからの放水で消火する消火設備を備えた防災システムに関する。
従来、建物や空間内の防災システムとして、火災時に、複数のヘッドを備えたヘッド列から消火用水を散水して水幕を形成し、この水幕により天井、床及び壁に囲まれる建築空間を防火区画に仕切る防火区画形成設備が知られている(特許文献1)。
また、防火区画形成設備を設置した建物や空間に、火災時に天井等に設けた消火ヘッドから火源を含む散水区画に消火用水を散水し消火を行う消火設備(スプリンクラー消火設備)を設ける場合がある。
このように同じ建物や空間の防災システムとして消火設備と防護区画形成設備を設置した場合、それぞれの設備が同時に起動しても良いように水源としての貯水槽を別々に設置する必要がある。
特開2002−248179号公報
しかしながら、このような従来の消火設備と防護区画形成設備の両方を設置した防災システムにあっては、貯水槽を別々に設置する必要があったため、建物の地下階における貯水槽の設置スペースの確保が大変で設備コストが高騰し、維持管理にも手間と時間がかかる。
そこで、貯水槽を各設備に共通のものとすることが考えられるが、貯水槽を共通化した場合には、2つの設備の起動するタイミングによっては、先に起動した設備が後から起動した設備の散水に悪影響を与える恐れがある。
また防護区画形成設備と消火設備については、放水を開始してから所定時間散水を継続しなければならない散水保証時間(動作保証時間)が要求されており、この散水保証時間は防護区画形成設備と消火設備では異なっている。
この問題を解消するためには、先に起動した設備の散水が後から起動した設備の散水に悪影響を及ぼさないように貯水量を十分に増やす必要があり、共通化したことで貯水槽が大型化し、共通化によるメリットが失われるという問題がある。
本発明は、防護区画形成設備と消火設備の貯水槽を共通化した場合に、両者の起動タイミングの如何に関わらず、必要最小限の貯水量で先に起動した設備の放水による後から起動した設備への悪影響を回避し、各設備に必要な放水保証時間を確保できる防災システムを提供することを目的とする。
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。本発明は、防災システムを提供するものであり、
水幕用ポンプにより加圧供給された消火用水を複数のヘッドを備えたヘッド列から散水して水幕による防火区画を形成する防火区画形成設備と、
消火用ポンプにより加圧供給された消火用水を火災により作動したヘッドから散水して消火する消火設備と、
水幕用ポンプと消火用ポンプで供給する消火用水を貯留した貯水槽と、
防火区画形成設備を作動する防火区画制御部と、
消火設備を作動する消火制御部と、
を設けたことを特徴とする。

また本発明の防災システムは、貯水槽内における水幕用ポンプの吸込最低レベルを消火用ポンプの吸込最低レベルよりも下方に設定し、
消火用ポンプの吸込最低レベルから規定貯水レベルまでの容積で決まる貯水槽の第1貯水量を、
消火保証時間T2を満たす水量Q2、
水幕保証時間T1(T1>T2とする)を満たす水量Q1の内の消火保証時間T2分の水量{Q1・(T2/T1)}、及び
所定の補償水量Qd
の合計水量以上とし、
水幕用ポンプの吸込最低レベルから消火用ポンプの吸込最低レベルまでの容積で決まる貯水槽の第2貯水量を、水幕保証時間T1を満たす水量Q1から消火保証時間T2分の水量{Q1・(T2/T1)}を差し引いた残り水量以上とする。

この場合の補償水量Qdは、防火区画形成設備が作動した後に消火設備が作動するまでの所定の遅れ時間Tdの間に、防火区画形成設備が放水する放水量(Q1・Td)に設定する。

本発明によれば、防火区画形成設備の水幕保証時間T1例えばT1=1時間と消火設備の消火保証時間T2例えばT2=20分を設備毎に設定し、設備が起動した際に作動時間を計測し、設定した保証時間に達したら放水を停止することで、先に起動した設備の放水による後から起動した設備への影響を防止し、両方の設備が同時に又は異なるタイミングで動作したとしても、各設備に設定された放水保証時間に亘る散水を確実に確保することができる。
また防火区画形成設備と消火設備の放水量と消火保証時間から貯水槽の貯水量を決めることで、必要な貯水量を最小限に抑え、共通化した貯水槽を小型化し、設置スペースと設備コストを低減するることができる。
図1は本発明による防災システムの一実施形態を示した説明図である。図1において、本発明の防災システムは、同じ建物内に防火区画形成設備10と消火設備11を設置している。防火区画形成設備10は水幕用ヘッド14を複数配列したヘッド列12を備え、ヘッド列12に対してはモータ18により駆動される水幕用ポンプ16から加圧消火用水が、給水本管22及び分岐管24、更に電動弁26を介して供給され、水幕用ヘッド14からの散水で水幕を形成し、天井、床及び壁に囲まれる建築空間を防火区画に仕切る。
ヘッド列12の設置区画には、別々の感知器回線52,54に接続された複数の火災感知器56,58が設置されている。感知器回線52,54は火災受信盤48に接続される。火災受信盤48は感知器回線52,54の両方の火災発報(アンド回線発報)を受信した際に、火災信号を防火区画制御盤50に出力する。
防火区画制御盤50は、火災受信盤48による2回線発報受信に基づく火災信号を受けて、モータ18により水幕用ポンプ16を起動し、また分岐管24に設けている電動弁26を開状態に制御し、これによってヘッド列12の水幕用ヘッド14に消火用水を加圧供給して水幕を形成し、水幕により防火区画を仕切り形成する。
消火用ポンプ16から加圧供給する消火用水は水源用の貯水槽35に貯水されており、水幕用ポンプ16の吸込管が貯水槽35に引き下ろされ、吸込管の先端にフート弁20を設けている。このフート弁20の設置レベルが貯水槽35における水幕用ポンプ16の吸込最低レベルとなる。
図1の防火区画形成設備10におけるヘッド列12の設置部分による防火区画の形成は、図2に示すようになる。図2は建物の1つのフロア62を示しており、フロア62の天井側に複数の水幕用ヘッド14を配列したヘッド列12が設置されており、分岐管24の接続により消火用水の加圧供給が受けられるようにしている。
水幕用ポンプ16の運転により水幕用ヘッド14から消火用水を散水すると、フロア62内に散水パターン15aが繋がった水幕15が形成され、この水幕15の形成で、フロア62を防火区画64−1と防火区画64−2に仕切るようになる。
ヘッド列12に対しては、その両側の天井面に火災感知器56,58が設置される。感知器回線52は、防火区画64−1に設置している3つの火災感知器56,58のうちの両側の2つの火災感知器58,58に接続した後、ヘッド列12の部分を横切って、防火区画64−2側に設置された火災感知器56に終端接続している。
また感知器回線54は、防火区画64−2側に設置した2つの火災感知器58に接続した後、ヘッド列12の部分を横切って、防火区画64−1側に配線され、防火区画64−1側に設置した火災感知器58を終端接続している。
このような感知器回線52,54と、これに対応した火災感知器56,58の接続により、ヘッド列12の両側に異なる感知器回線52,54の火災感知器56,58が交互に配置される。その結果、ヘッド列12の片側例えば防火区画64−1側で火災が発生した場合、感知器回線52の火災感知器56のいずれかと感知器回線54の火災感知器58のいずれかが同時もしくはある程度のタイミングずれを持って火災を検出して発報し、図1の火災受信盤48で2回線発報を受信して火災信号を防火区画制御盤50に出力し、水幕の散水により防火区画を形成する。
再び図1を参照するに、消火設備11は、消火用ポンプ32からの給水本管38に接続した分岐管40に流水検知装置42を介して閉鎖型ヘッド28を接続しており、分岐管40の末端には手動開閉弁を用いた末端試験弁30が設けられている。閉鎖型ヘッド28は火災による熱気流を受けると開放作動し、分岐管40に加圧充填している消火用水を散水する。
消火用ポンプ32の吸込管は、防火区画形成設備10の水幕用ポンプ16と共通化された貯水槽35に対し吸込管を立ち下げており、吸込管の先端にはフート弁36が設置され、フート弁36の位置が貯水槽35における消火用ポンプ32の吸込最低レベルを設定している。なお、この実施形態における貯水槽35におけるフート弁20,36の設置レベルは、同一レベルとなっている。
給水本管38に対しては圧力タンク44が設けられ、給水本管38の管内圧力を導入して内部空気を圧縮しており、圧縮空気の圧力低下を検出する圧力スイッチ46を設けている。圧力スイッチ46は閉鎖型ヘッド28のいずれかが火災により作動して消火用水を放水すると、分岐管40及び給水本管38の管内圧力が低下し、この圧力低下を検出して圧力スイッチ46が圧力検出信号を消火制御盤60に出力し、これによりモータ34を駆動して消火用ポンプ32を起動することになる。
図3は図1の防災システムに設けた防火区画形成設備10と消火設備11で共用される貯水槽35の説明図である。図3において、貯水槽35は、水幕用ポンプ16及び消火用ポンプ32の吸込管の先端に設けたフート弁20,36を、貯水槽35内の底に近い吸込最低レベルL2の位置に設置しており、この吸込最低レベルL2から規定のレベルとなる水面レベルL1までの容積に対応した水量が有効貯水量68となる。
ここで、図1の防火区画形成設備10のヘッド列12から水幕形成のために散水した際の単位時間当たりの散水量をq1とすると、例えばq1=2000リットル/分=2t/分の放水量となる。また防火区画形成設備10に要求される水幕保証時間T1はT1=1時間=60分となる。このため、防火区画形成設備10に要求される水幕保証時間T1に必要な放水量Q1は
Q1=q1×T1=2t/分×60分=120t
となる。
一方、消火設備11にあっては、例えば閉鎖型ヘッド28が1台作動した際の放水量Q2は例えばq2=500リットル/分=0.5t/分であり、また消火保証時間T2はT2=20分である。このため、消火設備11で消火保証時間T2に必要な放水量Q2は
Q2=q2×T2=0.5t/分×20分=10t
となる。
このような防火区画形成設備10及び消火設備11のそれぞれに要求される散水保証時間と単位時間当たりの放水量の関係から求めたそれぞれの必要放水量Q1,Q2が得られると、図3の貯水槽35におけるレベルL2からレベルL1までの容積で決まる有効貯水量68としては
有効貯水量=Q1+Q2
以上の貯水量とすればよいことが分かる。
図4は図1の防災システムにおける放水処理のフローチャートであり、防火区画制御盤50と消火制御盤60の連係動作により制御処理を実行する。
図4において、まずステップS1で防火区画制御盤50に設定している水幕保証時間T1を計測する第1タイマが動作中か否かチェックし、動作中でなければ、ステップS2で防火区画形成設備10が起動したか否かチェックする。
最初に防火区画形成設備10が起動したとすると、ステップS3で水幕保証時間T1を設定した第1タイマを起動し、ステップS4で第1タイマのタイムアップを監視する。なお、防火区画形成設備10の起動は、水幕用ポンプ16をモータ18により運転すると同時に電動弁26を開状態に制御している。
第1タイマの動作中はステップS1からステップS4にスキップし、第1タイマのタイムアップを監視する。ステップS4で第1タイマがタイムアップすると、ステップS5で防火区画形成設備10からの放水を停止する。防火区画形成設備10の停止は、水幕用ポンプ16を停止して電動弁26を閉鎖状態に制御する。
したがって、一度動作した防火区画形成設備10は、第1タイマにより設定された水幕保証時間T1例えばT1=60分の間、ヘッド列12からの散水により水幕を形成し、これにより防火区画を形成することになる。
続いてステップS6で消火設備11の消火制御盤60において、消火保証時間T2を設定した第2タイマが動作中か否かチェックする。第2タイマが動作中でなければ、ステップS7で消火設備11が起動したか否かチェックする。消火設備11の起動が判別されると、ステップS8で消火保証時間T2を設定した第2タイマを起動した後、ステップS9で第2タイマのタイムアップを監視する。
ここで消火設備11の起動は、火災による熱気流を受けた閉鎖型ヘッド28の作動による管内圧力の低下を圧力タンク44に設けた圧力スイッチ46で検出し、消火制御盤60によりモータ34を駆動して消火用ポンプ32を運転することである。
第2タイマによる計測時間が消火保証時間T1=20分に達すると、ステップS9で第2タイマのタイムアップが判別され、ステップS10で消火設備11を停止する。即ち消火用ポンプ32の運転を停止する。
図4のフローチャートにあっては、防火区画形成設備10及び消火設備11が同時に作動した場合には第1タイマ及び第2タイマがほぼ同時に起動され、この場合には水幕用ポンプ16と消火用ポンプ32が同時に運転され、毎分(q1+q2)の消火用水が水幕用ポンプ16及び消火用ポンプ32から、それぞれの設備に供給されて散水されることになる。
この同時起動の場合には、起動から第2タイマの設定時間T2、即ち消火保証時間T2=20分に達すると消火用ポンプ32が停止し、それ以降は水幕用ポンプ16のみによる消火用水の供給となる。そして第1タイマによる水幕保証時間T1=40分に達すると水幕用ポンプ16も停止することになる。
図5は図1の防災システムで使用する貯水槽35の他の実施形態の説明図である。この実施形態は、貯水槽35に対し必要放水量が多い防火区画形成設備10の水幕用ポンプ16について、その吸込管の先端に設けたフート弁20で決まる吸込最低レベルL3を、必要放水量が少ない消火設備11の消火用ポンプ32の吸込管の先端に設けたフート弁36で決まる吸込最低レベルL2より低いレベルに設置している。
このように水幕用ポンプ16と消火用ポンプ32の吸込最低レベルをL2,L3と異ならせた場合、貯水槽35における有効貯水量は次のようにして定める。
まず、消火用ポンプ32のフート弁36で決まる吸込最低レベルL2から貯水面となる規定レベルL0までの容積で決まる第1貯水量70を、
(1)消火保証時間T2を満たす水量Q2と、水幕保証時間T1を満たす水量Q1の内の消火保証時間T2分の水量{Q1・(T2/T1)}を併せた併用水量74
(2)補償水量76
の合計水量とする。
ここで併用水量74は、水幕用ポンプ16と消火用ポンプ32を消火保証時間T2の間、同時に運転した場合の必要水量であり、水幕保証時間T1=60分に対し消火保証時間T2=20分と、時間的には3分の1の時間であることから、この間の水幕用ポンプ16による必要放水量はQ1/3であり、これに消火保証時間T2に必要な消火用ポンプ32の給水による放水量Q2を加えた水量(Q1/3+Q2)が併用水量74となる。具体的には、
(Q1/3+Q2)=(120t/3+10t)=50t
となる。
償水量76は、水幕用ポンプ16に対し消火用ポンプ32の起動タイミングが遅れた場合の水量を保証する。即ち、水幕用ポンプ16と消火用ポンプ32が同時に起動すれば併用水量74分の水量で足りる筈であるが、水幕用ポンプ16が先に起動した場合、消火用ポンプ32が起動するまでの遅れ時間の間に併用水量74が減少し、消火用ポンプ32が起動してからフート弁36で決まる吸込レベルL3までの水量が消火保証時間T2=20分に必要な水量Q2を下回る可能性がある。

そこで、消火用ポンプ32の起動がタイミング遅れを生じた場合の消火保証時間T2に必要な水量Q2を確保するため、併用水量74に対し補償水量76を上乗せしている。この補償水量76は、消火用ポンプ32のタイミング遅れ時間にもよるが、同じ火災による起動タイミングの遅れであることから、経験的には10分程度の最大遅れ時間に基づいて補償水量76を定めればよい。例えば補償水量76をQdとすると、
Qd=q1×T2=2t/分×10分=20t
とすれば良い。
一方、第2貯水量72は、水幕用ポンプ16のフート弁20で決まる吸込最低レベルL3から消火用ポンプ32のフート弁36で決まる吸込レベルL2までの容積で決まる貯水量であり、第1貯水量70に割り当てられている水幕用ポンプ16の水量Q1/3を差し引いた残り水量である(2/3)・Q1とすればよい。具体的には、
(2/3)Q1=(2/3)×120t=80t
となる。
もちろん、図5に示した併用水量74、補償水量76及び第2貯水量72のそれぞれは最低値であり、実際には、これらの水量に1以上の安全係数を掛けた水量を設定することになる。

次に図5における水量の決め方を詳細に説明する。図6は図5の実施形態で水幕用ポンプ16と消火用ポンプ32を同時に起動した場合の貯水槽35の水位変化の説明図であり、定常時の水面レベルL0は図5の補償水量76を除いたレベルとしている。
この水幕用ポンプ16と消火用ポンプ32を同時に起動の場合には、毎分(q1+q2)が消費され、消火保証時間T2を経過した時点での消費水量は、
(q1+q2)×T2=(2t/分+0.5t/分)×20分=50t
となり、この時点で水面は消火用ポンプ32のフート弁36で決まる吸込最低レベルL1まで下がり、吸込最低レベルL1の設定で消火保証時間T2に亘る消火用ヘッドからの散水を保証する。
続いて以後40分は水幕用ポンプ16のみによる消費となり、
(q1)×(T1−T2)=(2t/分)×(60分−20分)=80t
を消費すると、水幕用ポンプ16のフート弁20で決まる吸込最低レベルL2に水面が下がり、吸込最低レベルL2の設定で水幕保証時間T1に亘る水幕用ヘッドからの散水を保証する。
図7は図6における水位レベルの時間変化のグラフ図である。q1=2t/分の水幕用ポンプ16のみを起動した場合には特性0となり、水幕保証時間T1=60分経過時点で水位は吸込最低レベルL2より上のA点にあり、水幕散水を保証できる。

またq2=0.5t/分の消火用ポンプ32のみを起動した場合には特性2となり、消火幕保証時間T2=20分経過時点で水位は吸込最低レベルL1より上のB点にあり、消火保証時間T2=20分を確保できる。

また図6のように、水幕用ポンプ16と火災用ポンプ32を同時に起動した場合には、q1+q2=2.5t/分となって特性4となり、消火保証時間T2=20分を経過した時点で水面レベルはC点にあり、消火散水を保証でき、この時点で消火用ポンプ32は停止する。その後、水幕用ポンプ16のみの運転となり、q1=2t/分となってCから特性75となり、残り時間50分を経過した時点で水面レベルは吸込最低レベルL2に下がってD点となり、水幕保証時間T1=60分を確保できる。

更に、消火用ポンプ32が先に起動し、例えば20分後に水幕用ポンプ16が起動するというタイミング遅れを生じた場合は、最初に起動した消火用ポンプ32による消費で特性2となり、20分経過時点で水面レベルはB点にあり、この時、水幕用ポンプ16を起動することになる。このため、水幕用ポンプ16の20分遅れの起動による水面レベルはB点からの特性6となり、60分後に吸込最低レベルL2に下がり、水幕保証時間T1=60を確保できる

図8は、先に消火用ポンプ32が起動し、20分遅れで水幕用ポンプ16が起動した場合の水面レベルの変化であり、この場合には消火保証時間T2=20分を確保することができる。
図9は、先に水幕用ポンプ16が起動し、20分遅れで消火用ポンプ32が起動した場合の水面レベルの変化であり、この場合には消火保証時間T2=20分を確保することができない。
図10は図9における時間に対する水面レベルの変化を示したグラフ図であり、先に水幕用ポンプ16を起動しており、このため特性7の水面レベルの変化となる。この状態で消火ポンプ32が20分後に起動したとすると、E点から特性7に従って水面が低下する。

しかし、E点からの経過時間が消火保証時間T2=20分に達する前のF点で水面レベルは消火用ポンプ32の吸込最低レベルL1に達し、ここで消火用ポンプ32による散水が停止してしまう。この場合の不足水量は、E点から20分経過した後のG点までの容積の0tとなる。
この場合に消火保証時間T2=20分を確保するためには、貯水槽35の最初の水面レベルをレベルL0より不足水量40t分多くしておく必要がある。本発明にあっては、この不足水量を図5のように補償水量76として上乗せしてい吸込最低レベルL2,L3を決めている。
実際の設備にあっては、同じ建物の火災について水幕形成設備と消火設備が作動することとなり、両者のタイミング遅れは火災感知器の火災検出温度や閉鎖型ヘッドの火災作動温度の設置条件の相違を考慮しても10分を超えることはないため、本発明にあっては、遅れ時間Td=10分とし、したがって、この場合は図10の特性80によるH点、I点、J点の水面レベルの変化となり、この場合のJ点で与えられる不足水量は20tであり、これに基づき図5の補償水量76をQd=20tとしている。
このような図5の水幕用ポンプ16と消火用ポンプ32で貯水槽における吸込レベルを変えた場合についても、図4のフローチャートに示した第1タイマ及び第2タイマに従った設備の停止制御が行われることになるが、図5の実施形態にあっては、フート弁20,36により水幕用ポンプ16と消火用ポンプ32の吸込最低レベルを変えているため、タイマによる制御に依存することなく、貯水量が吸込レベルL2以下に下がると消火用ポンプ32からの消火用水の供給が停止し、更に貯水量がフート弁20で決まる吸込レベルL3以下に下がると水幕用ポンプ16からの消火用水の供給も停止することになる。
このため、図4のフローチャートに従った第1タイマ及び第2タイマによる制御に障害などが発生したとしても、図4の実施形態にあっては貯水槽35における吸込レベルの相違に対応して消火設備11と防火区画形成設備10に対する加圧消火用水の供給が停止して、順次散水が停止されることになる。
また図5の実施形態は、吸込最低レベルL1,L2を消火ポンプ32のフート弁36、水幕用ポンプ16のフート弁20の設置レベルで決め、タイマでポンプ停止を制御しているが、他の実施形態として、フート弁20,36を低い方の吸込最低レベルL2以下に設置し、吸込最低レベルL1,L2を計測するレベル計を設置し、吸込最低レベルL1への到達を検知して消火用ポンプ32を停止し、また吸込最低レベルL2への到達を検知して水幕用ポンプ16を停止する制御を行い、タイマを使用しない制御としても良い。
なお、上記の実施形態は防災システムとして作動保証時間として放水量の異なる防火区画形成設備10と消火設備11の2つを設置した場合を例に取るものであったが、本発明はこれに限定されず、作動保証時間と放水量の異なる任意の防災設備を複数設置して貯水槽を共通化した場合にそのまま適用することができる。
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含む。更に本発明は、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
本発明による防災システムの一実施形態を示した説明図 図1の防火区画形成設備における水幕形成の説明図 図1の貯水槽の一実施形態を示した説明図 本発明による防災システムの処理動作を示したフローチャート 図1の貯水槽の他の実施形態を示した説明図 図5において水幕用ポンプと消火用ポンプが同時に起動した場合の水位変化の説明図 図6における水位レベルの時間変化のグラブ図 図5において消火用ポンプが先に起動し、20分後に水幕用ポンプが起動した場合の水位変化の説明図 図5において水幕用ポンプが先に起動し、20分後に消火用ポンプが起動した場合の水位変化の説明図 図9における水位レベルの時間変化のグラブ図
符号の説明
10:防火区画形成設備
11:消火設備
12:ヘッド列
14:水幕用ヘッド
15:水幕
15a:散水パターン
16:水幕用ポンプ
18,34:モータ
20,36:フート弁
22,38:給水本管
24,40:分岐管
26:電動弁
28:閉鎖型ヘッド
30:末端試験弁
32:消火用ポンプ
35:貯水槽
42:流水検知装置
44:圧力タンク
46:圧力スイッチ
48:火災受信盤
50:防火区画制御盤
52,54:感知器回線
56,58:火災感知器
60:消火制御盤
62:フロア
64−1,64−2:防火区画
68:有効貯水量
70:第1貯水量
72:第2貯水量
74:併用水量
76:補償水量

Claims (2)

  1. 水幕用ポンプにより加圧供給された消火用水を複数のヘッドを備えたヘッド列から散水して水幕により防火区画を形成する防火区画形成設備と、
    消火用ポンプにより加圧供給された消火用水を火災により作動したヘッドから散水して消火する消火設備と、
    前記水幕用ポンプと消火用ポンプで供給する消火用水を貯水した貯水槽と、
    前記防火区画形成設備を作動する防火区画制御部と、
    前記消火設備を作動する消火制御部と、
    を設け、
    記貯水槽内における前記水幕用ポンプの吸込最低レベルを前記消火用ポンプの吸込最低レベルよりも下方に設定し、
    前記消火用ポンプの吸込最低レベルから規定貯水レベルまでの容積で決まる前記貯水槽の第1貯水量を、
    所定の消火保証時間を満たす水量、
    前記消火保証時間より長い所定の水幕保証時間を満たす水量の内の前記消火保証時間分の水量、及び
    所定の補償水量
    の合計水量以上とし、
    前記水幕用ポンプの吸込最低レベルから前記消火用ポンプの吸込最低レベルまでの容積で決まる前記貯水槽の第2貯水量を、前記水幕保証時間を満たす水量から前記消火保証時間分の水量を差し引いた残り水量以上としたことを特徴とする防災システム。
  2. 請求項記載の防災システムに於いて、前記補償水量を、前記防火区画形成設備が作動した後に前記消火設備が作動するまでの所定の遅れ時間の間に前記防火区画形成設備が放水する放水量に設定したことを特徴とする防災システム。
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