JP4810165B2 - 貫通孔形成粘着シートおよびその製造方法 - Google Patents

貫通孔形成粘着シートおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、空気溜まりやブリスターを防止または除去することのできる貫通孔を有する粘着シートおよびその製造方法に関するものである。
粘着シートを手作業で被着体に貼付する際に、被着体と粘着面との間に空気溜まりができ、粘着シートの外観を損ねてしまうことがある。このような空気溜まりは、特に粘着シートの面積が大きい場合に発生し易い。
また、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂材料は、加熱により、または加熱によらなくても、ガスを発生することがあるが、このような樹脂材料からなる被着体に粘着シートを貼付した場合には、被着体から発生するガスによって粘着シートにブリスター(ふくれ)が生じることとなる。
上記のような問題を解決するために、特許文献1には、孔径が0.1〜300μmの貫通孔を30〜50,000個/100cmの孔密度で形成した粘着シートが提案されている。かかる貫通孔形成粘着シートによれば、粘着面側の空気やガスを貫通孔から粘着シート表面側に抜くことにより、粘着シートの空気溜まりまたはブリスターを防止することが可能である。
上記貫通孔形成粘着シートにおける貫通孔の形成には、レーザ穴開け加工が利用される場合がある。レーザ穴開け加工装置としては、例えば、図1および図2に示されるようなものが使用されることがある。
このレーザ穴開け加工装置には、走査装置としてのガルバノミラー33およびfθレンズ34をそれぞれ4つ備えたレーザ光照射装置3が設けられている。図2に示すように、各ガルバノミラー33は、それぞれ粘着シートの幅方向の1/4づつを当該幅方向に所定の間隔で走査するように設置され、4つのガルバノミラー33は、粘着シートの幅方向に直列的に並べられている。
レーザ光照射装置3における4つのガルバノミラー33は、それぞれ粘着シートの幅方向の1/4づつを当該幅方向に所定の間隔で走査し、移動している粘着シートに対してfθレンズ34を介してレーザ光を照射する。
上記のようなレーザ光照射によって得られる貫通孔形成粘着シートの貫通孔2は、図6(a),(b)に示すように、4つのガルバノミラー33に対応してシート幅方向4つの貫通孔群からなる。ここで、各貫通孔群に属する貫通孔2をそれぞれ貫通孔2a、貫通孔2b、貫通孔2c、貫通孔2dと表す。
理想的には、図6(a)に示す貫通孔形成粘着シート1Aのように、隣接する貫通孔群の貫通孔2、すなわち、貫通孔2aと貫通孔2b、貫通孔2bと貫通孔2c、貫通孔2cと貫通孔2dは、互いに重ならないように一定の間隔をもって配列されていることが望ましい。
国際公開第2004/061031号パンフレット
しかしながら、実際にレーザ穴開け加工装置を稼動させると、ガルバノミラー33の走査範囲がシート幅方向に位置ずれを起こし、隣接する2つのガルバノミラー33からのレーザ光照射位置が重なることがある。そうすると、図6(b)に示す貫通孔形成粘着シート1Bのように、隣接する貫通孔群の貫通孔2(貫通孔2cと貫通孔2d)が一体化し、例えば瓢箪状や長円状になってしまうことがある。
2つの貫通孔2の一体化により、貫通孔2が大きくなって、貫通孔形成粘着シート1Bの外観が悪化したり、貫通孔形成粘着シート1Bの強度が低下したりするという問題が発生する。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、複数の走査装置を使用した場合であっても、隣接する貫通孔群の貫通孔の一体化を防止することのできる貫通孔形成粘着シートの製造方法、および隣接する貫通孔群の貫通孔の一体化が防止された貫通孔形成粘着シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、レーザ光を所定の範囲にて所定の間隔で走査する走査装置を複数直列的に並べたレーザ加工装置を使用し、少なくとも基材と粘着剤層とを備えた粘着シートに対しレーザ光を照射して、前記粘着シートに貫通孔を形成する貫通孔形成粘着シートの製造方法であって、前記複数の走査装置によるレーザ光の複数の走査列を、当該複数の走査列が互いに重ならないように隣接する走査列間でずらすことを特徴とする貫通孔形成粘着シートの製造方法を提供する(請求項1)。
なお、本明細書において、「シート」にはフィルムおよびテープの概念、「フィルム」にはシートおよびテープの概念が含まれるものとする。また、本発明における「走査装置」としては、例えば、ガルバノミラー、ポリゴンミラー等が挙げられる。また、本発明において走査装置が直列的とは、走査装置が必ずしも一直線上になくてもよく、走査方向が並行になっている場合も含むものとする。
上記発明(請求項1)によれば、仮にある走査装置の走査範囲が、隣接する走査装置側に位置ずれを起こしたとしても、隣接する2つの走査装置からのレーザ光照射位置が重なることがない。したがって、各貫通孔(特に貫通孔群の端に位置する貫通孔)は、隣接する貫通孔群の貫通孔(特に貫通孔群の端に位置する貫通孔)と一体化することなく、それぞれ独立して形成される。
上記発明(請求項1)においては、前記複数の走査装置によるレーザ光の複数の走査列を、前記走査装置の走査方向と略直交する方向に隣接する走査列間でずらすことが好ましい(請求項2)。
上記発明(請求項1,2)においては、前記複数の走査装置の設置位置を、隣接する走査装置間でずらすことにより、前記複数の走査列を隣接する走査列間でずらしてもよいし(請求項3)、前記複数の走査装置からのレーザ光の照射角度を、隣接する走査装置間で変えることにより、前記複数の走査列を隣接する走査列間でずらしてもよいし(請求項4)、前記複数の走査装置によるレーザ光の照射タイミングを、隣接する走査装置間で変えることにより、前記複数の走査列を隣接する走査列間でずらしてもよい(請求項5)。
上記発明(請求項1〜5)においては、長尺の粘着シートをその長手方向に搬送しながらレーザ光を照射することが好ましい(請求項6)。このようにしてレーザ光を照射することにより、効率良く貫通孔形成粘着シートを製造することができる。
上記発明(請求項6)においては、前記隣接する走査列を、粘着シートの搬送方向に対して前後交互になるように配列することが好ましい(請求項7)。
上記発明(請求項1〜7)においては、基材と粘着剤層と剥離材とからなる粘着シートから前記剥離材を一旦剥離し、基材と粘着剤層との積層体に対してレーザ光を照射して貫通孔を形成した後、剥離材(前記剥離材であってもよいし、別の剥離材であってもよい。)を再度前記粘着剤層に積層することが好ましい(請求項8)。
上記発明(請求項8)によれば、粘着剤層の貫通孔開口部が拡がることがなく、孔径や孔密度の精度が高く、内部空間の小さい貫通孔を形成することができる。また、レーザ光の照射時間を短縮すること、またはレーザの出力エネルギーを小さくすることができることにより、粘着剤層および基材に対する熱影響が小さくなり、熱変形等の少ない、形の整った貫通孔を形成することが可能となる。
第2に本発明は、基材と粘着剤層とを備え、一方の面から他方の面に貫通する貫通孔が複数形成されている貫通孔形成粘着シートであって、前記複数の貫通孔は、当該貫通孔が複数の列をなして並んでいる複数の貫通孔群からなり、隣接する前記貫通孔群の貫通孔の列は、互いに重ならないようにずれていることを特徴とする貫通孔形成粘着シートを提供する(請求項9)。
上記発明(請求項9)に係る貫通孔形成粘着シートにおいて、各貫通孔は、隣接する貫通孔群の貫通孔と一体化することなく、それぞれ独立して形成されている。したがって、複数の貫通孔の一体化による貫通孔形成粘着シートの外観の悪化および強度の低下は防止されている。
上記発明(請求項9)において、隣接する前記貫通孔群の貫通孔の列は、当該貫通孔の列方向と略直交する方向にずれていることが好ましく(請求項10)、また、粘着シートの所定方向に対して前後交互になるように配列されていることが好ましい(請求項11)。
本発明によれば、隣接する貫通孔群の貫通孔の一体化を防止することができ、したがって複数の貫通孔の一体化による貫通孔形成粘着シートの外観の悪化および強度の低下を防止することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態で使用するレーザ穴開け加工装置の概略側面図であり、図2は、同レーザ穴開け加工装置の概略正面図であり、図3は、本発明の一実施形態に係る貫通孔形成粘着シート(貫通孔形成二層シート)の平面図であり、図4は、同貫通孔形成粘着シートの断面図(図3における貫通孔形成粘着シートのA−A断面図)であり、図5は、同レーザ穴開け加工装置におけるガルバノミラーの設置例を示す平面図である。
ここで、図1および図2中、符号1Pは、基材11、粘着剤層12および剥離材13を積層してなる粘着シート(貫通孔形成前の粘着シート)を示し、符号1P’は、粘着シート1Pから剥離材13を剥離した、基材11および粘着剤層12からなる二層シートを示し、符号1’は、貫通孔2が形成された基材11および粘着剤層12からなる貫通孔形成二層シートを示し、符号1は、貫通孔形成二層シート1’に剥離材13を積層した、貫通孔2が形成された基材11および粘着剤層12と剥離材13とからなる貫通孔形成粘着シート(図4参照)を示す。
なお、基材11および粘着剤層12の材料は、レーザ加工によって貫通孔2が形成され得る材料であれば特に限定されるものではない。
図1および図2に示すように、本実施形態で使用するレーザ穴開け加工装置は、長尺の粘着シート1Pが巻かれているロールR1と、貫通孔形成粘着シート1を巻き取るロールR2と、粘着シート1Pから剥離材13を剥離する分離ロールR3と、貫通孔形成二層シート1’に剥離材13を貼り付ける貼付ロールR4と、分離ロールR3にて剥離した剥離材13を巻き取るロールR5と、貫通孔形成二層シート1’に積層するための剥離材13が巻かれているロールR6と、ロールR1およびロールR2との間に設置されたレーザ光照射装置3とを備えている。
レーザ光照射装置3は、レーザ光を発振するレーザ発振器31と、レーザ発振器31からのレーザ光を2つに分岐する第1ハーフミラー32aと、第1ハーフミラー32aからのレーザ光をさらに2つに分岐する2つの第2ハーフミラー32bと、各第2ハーフミラー32bからのレーザ光を走査する4つのガルバノミラー33と、各ガルバノミラー33からのレーザ光を二層シート1P’に対して照射する4つのfθレンズ34と、レーザ光が照射される二層シート1P’の下側にて二層シート1P’を吸引支持するステージ35とを備えて構成されている。
図2に示すように、各ガルバノミラー33は、それぞれ二層シート1P’の幅方向の1/4づつを当該幅方向に所定の間隔で走査するように設置され、4つのガルバノミラー33は、二層シート1P’の幅方向に直列的に並べられている。
レーザ発振器31の種類は特に限定されるものではなく、例えば、炭酸ガス(CO)レーザ、TEA−COレーザ、YAGレーザ、UV−YAGレーザ、エキシマレーザ、半導体レーザ、YVOレーザ、YLFレーザ、フェムト秒レーザ等のいずれであってもよい。
上記レーザ穴開け加工装置によるレーザ穴開け加工は、次のようにして行われる。
ロールR1から繰り出された粘着シート1Pは、分離ロールR3にて剥離材13が剥離され、二層シート1P’となる。二層シート1P’は、粘着剤層12を上側、基材11を下側にして、レーザ光照射装置3の設置位置に向かって所定の速度で搬送される。
レーザ光照射装置3における4つのガルバノミラー33は、それぞれ二層シート1P’の幅方向の1/4づつを当該幅方向に所定の間隔で走査し(このとき当該幅方向に走査列SLができる)、移動している二層シート1P’に対してfθレンズ34を介してレーザ光を照射する。このレーザ光照射によって、二層シート1P’には、粘着剤層12および基材11を貫通する貫通孔2が複数形成され、貫通孔形成二層シート1’となる(図3,図4参照)。
上記のレーザ光照射にあたり、各ガルバノミラー33は、それぞれのガルバノミラー33による走査列SLが互いに重ならないように、各走査列SLを隣接する走査列SL間で走査方向と直交する方向(二層シート1P’の搬送方向)にずらしてレーザ光を走査する。本実施形態では、二層シート1P’の搬送方向に対して前後交互になるように、走査列SLを配列している。
上記のように、各走査列SLを隣接する走査列SL間でずらす方法としては、
(1)図5に示すように、各ガルバノミラー33の設置位置を、隣接するガルバノミラー33間でずらす方法、
(2)各ガルバノミラー33からのレーザ光の照射角度を、隣接するガルバノミラー33の間で変える方法、および
(3)各ガルバノミラー33によるレーザ光の照射タイミングを、隣接するガルバノミラー33間で変える方法
がある。
本実施形態では、(1)の方法に関しては、4つのガルバノミラー33を順に、二層シート1P’の搬送方向に対して前側・後側・前側・後側の位置になるように設置することができる(図5)。例えば、二層シート1P’の移送速度を0.5m/min、貫通孔2の孔密度を2,500個/100cmとする条件の下では、隣接するガルバノミラー33の前後方向の位置ずれ量は、0.1〜1.9mm程度であることが好ましい。
(2)の方法に関しては、4つのガルバノミラー33を順に、レーザ光の照射方向が二層シート1P’の搬送方向に対して前側・後側・前側・後側の方向になるように設定することができる。例えば、二層シート1P’の移送速度を0.5m/min、ガルバノミラー33とステージ35との距離を100mm、貫通孔2の孔密度を2,500個/100cmとする条件の下では、隣接するガルバノミラー33(4つのガルバノミラー33は、二層シート1P’の搬送方向に対して直交する直線上に一列に配置するものとする)のレーザ光の照射角度の差を0.1〜1°程度とすることが好ましい。
(3)の方法に関しては、4つのガルバノミラー33を順に、先・後・先・後の時間差の照射タイミングとなるように設定することができる。例えば、二層シート1P’の移送速度を0.5m/min、貫通孔2の孔密度を2,500個/100cmとする条件の下では、隣接するガルバノミラー33(4つのガルバノミラー33は、二層シート1P’の搬送方向に対して直交する直線上に一列に配置するものとする)のレーザ光の照射タイミングのずれは、0.01〜0.5sec程度であることが好ましい。
上記のようなレーザ光照射によって得られる貫通孔形成二層シート1’の貫通孔2は、図3に示すように、4つのガルバノミラー33に対応して、当該貫通孔2が複数の列Lをなして並んでいるシート幅方向4つの貫通孔群からなる。ここで、各貫通孔群に属する貫通孔2をそれぞれ貫通孔2a、貫通孔2b、貫通孔2c、貫通孔2dと表す。
貫通孔形成二層シート1’において、隣接する貫通孔群の貫通孔2の列、すなわち、貫通孔2aと貫通孔2b、貫通孔2bと貫通孔2c、貫通孔2cと貫通孔2dの列は、互いに重ならないように貫通孔2の列と略直交する方向(シート長手方向)にずれており、本実施形態では、二層シート1P’の搬送方向に対して前後交互になるように配列されている。
上記のようなレーザ光照射方法によれば、仮にあるガルバノミラー33の走査範囲が二層シート1P’の幅方向に位置ずれを起こしたとしても、隣接する2つのガルバノミラー33からのレーザ光照射位置が重なることがない。したがって、各貫通孔2(特に貫通孔群の端に位置する貫通孔2)は、隣接する貫通孔群の貫通孔2(特に貫通孔群の端に位置する貫通孔2)と一体化することなく、それぞれ独立して形成される。
貫通孔2の基材11および粘着剤層12における孔径は0.1〜300μmであることが好ましく、特に0.1〜150μmであることが好ましい。貫通孔2の孔径が0.1μm未満であると、貫通孔2から空気またはガスが抜け難く、貫通孔2の孔径が300μmを超えると、貫通孔2が目立つようになる。
貫通孔2の孔径は、粘着シート1の厚さ方向に一定であってもよいし、粘着シート1の厚さ方向に変化していてもよいが、貫通孔2の孔径が粘着シート1の厚さ方向に変化する場合は、粘着剤層12の粘着面から基材11表面にかけて漸次小さくなるのが好ましい。このように貫通孔2の孔径が変化することにより、基材11表面にて貫通孔2がより目立ち難くなり、粘着シート1の外観を良好に保つことができる。
レーザ加工によって貫通孔2を形成する場合、貫通孔2には先細りのテーパがつくことが多いため、上記形状の貫通孔2は、本実施形態のように、粘着剤層12の粘着面側からレーザ光を照射することにより形成することができる。
貫通孔2の孔密度は、30〜50,000個/100cmであることが好ましく、特に100〜10,000個/100cmであることが好ましい。貫通孔2の孔密度が30個/100cm未満であると、空気またはガスが抜け難く、貫通孔2の孔密度が50,000個/100cmを超えると、粘着シート1の機械的強度が低下するおそれがある。
上記のようにして貫通孔2が形成された貫通孔形成二層シート1’には、ロールR6から繰り出された剥離材13が貼付ロールR4にて貼り付けられ、図4に示すように基材11、粘着剤層12および剥離材13の積層体となった貫通孔形成粘着シート1は、ロールR2に巻き取られる。
以上のようにして得られる貫通孔形成粘着シート1において、各貫通孔2は、他の貫通孔2と一体化することなく、それぞれ独立して形成されているため、貫通孔2が大きくなることにより貫通孔形成粘着シート1の外観が悪化したり、貫通孔形成粘着シート1の強度が低下したりすることが防止される。
なお、本実施形態では、剥離材13を粘着剤層12から剥離してレーザ光照射をしているが、その理由は次の通りである。
剥離材13を粘着剤層12に積層した状態で剥離材側からレーザ光を照射した場合、剥離材13の材質によっては、剥離材13の貫通孔2開口部周縁に形成されるドロスが、粘着剤層12の貫通孔2開口部を拡げてしまうことがあり、この場合、粘着シート1に形成される貫通孔2の孔径や孔密度の精度が低くなってしまう。また、粘着剤層12の貫通孔2開口部が拡がると、貫通孔2の内部空間が大きくなり、粘着シート1を被着体に貼付した後に、貫通孔2中の空気や貫通孔2中に入った水等が粘着シート1の表面に何らかの影響を与えるおそれがある。
これに対し、本実施形態のように、粘着剤層12に対して直接レーザ光を照射すれば、粘着剤層12の貫通孔2開口部が拡がることがなく、孔径や孔密度の精度が高く、内部空間の小さい貫通孔2を形成することができる。また、粘着剤層12に対するレーザ光照射において、剥離材13を介在させないことにより、レーザ光の照射時間を短縮すること、またはレーザの出力エネルギーを小さくすることができる。レーザの出力エネルギーが小さければ、粘着剤層12および基材11に対する熱影響が小さくなり、熱変形等の少ない、形の整った貫通孔2を形成することが可能となる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、レーザ光照射装置3におけるガルバノミラー33の数は4つでなくてもよいし、また、剥離材13を粘着剤層12に積層した状態でレーザ光を照射してもよいし、レーザ光の照射は基材11側から行ってもよい。また、貼付ロールR4で貼り付ける剥離材13は、分離ロールR3で剥離した剥離材13であってもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
アクリル系粘着剤(日本合成化学工業社製,コーポニールN−2147,固形分:35質量%)100質量部に酢酸エチル25質量部を配合し、次いでイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製,コロネートL)を1質量部配合し、十分に攪拌して粘着剤の塗布剤とした。
上質紙の両面をポリエチレンでラミネートし、片面にシリコーン系剥離剤を塗布した剥離材(リンテック社製,FPM−11,厚さ:175μm)の剥離処理面に、上記粘着剤の塗布剤を乾燥後の厚さが30μmになるようにナイフコーターによって塗布し、90℃で1分間乾燥させた。このようにして形成した粘着剤層に、表面が黒色インク(セイコーアドバンス社製,SG700黒)で着色されたポリ塩化ビニルからなる基材(厚さ:100μm)を圧着し、これを粘着シートとした。
図1、図2および図5に示すレーザ穴開け加工装置(ガルバノミラーとステージとの距離:100mm)を作製して、上記粘着シート(幅:50cm,長さ100m)に対してレーザ穴開け加工を施し、貫通孔形成粘着シートを得た。
粘着シートは移送速度0.5m/minにて搬送し、剥離材を剥離した後、粘着剤層側からCOレーザ光(パルス幅37μsec,パルス周波数20KHz,加工点の出力2.8W)を照射した。4つのガルバノミラーは、図5に示すように、二層シートの搬送方向に対して順に前側・後側・前側・後側の位置になるように設置し、各ガルバノミラーの前後方向の位置ずれ量は1mmとした。なお、1つのガルバノミラーによる一走査列中のレーザ光照射数は32とした。
上記のようにしてレーザ光を照射した後、粘着剤層に再度剥離材(リンテック社製,FPM−11,厚さ:175μm)の剥離処理面を貼り合わせて貫通孔形成粘着シートとした。
得られた貫通孔形成粘着シートにおける貫通孔の孔径は10〜40μm、孔密度は2,500個/100cmであった。また、隣接する貫通孔群の貫通孔の列は、互いに重ならないようにシート長手方向交互に配列されており、したがって、各貫通孔は、他の貫通孔と一体化することなく、それぞれ独立して形成されていた。
〔実施例2〕
4つのガルバノミラーを、二層シートの搬送方向に対して直交する直線上に一列に配置し、各ガルバノミラーからのレーザ光の照射角度が順に直下(0°)/後方へ0.57°/直下(0°)/後方へ0.57°になるようにレーザ光を照射した以外は、実施例1と同様にして貫通孔形成粘着シートを作製した。
得られた貫通孔形成粘着シートにおいて、隣接する貫通孔群の貫通孔の列は、互いに重ならないようにシート長手方向交互に配列されており、したがって、各貫通孔は、他の貫通孔と一体化することなく、それぞれ独立して形成されていた。
〔実施例3〕
4つのガルバノミラーを、二層シートの搬送方向に対して直交する直線上に一列に配置し、ガルバノミラーからのレーザ光の照射タイミングが隣接するガルバノミラー間において0.12secずれるようにレーザ光を照射した以外は、実施例1と同様にして貫通孔形成粘着シートを作製した。
得られた貫通孔形成粘着シートにおいて、隣接する貫通孔群の貫通孔の列は、互いに重ならないようにシート長手方向交互に配列されており、したがって、各貫通孔は、他の貫通孔と一体化することなく、それぞれ独立して形成されていた。
本発明は、一般的に粘着シートに空気溜まりやブリスターが生じやすい場合、例えば粘着シートの面積が大きい場合や、被着体からガスが発生する場合等であって、外観が良好であることが要求される粘着シートの製造に有用である。
本発明の一実施形態で使用するレーザ穴開け加工装置の概略側面図である。 同レーザ穴開け加工装置の概略正面図である。 本発明の一実施形態に係る貫通孔形成粘着シート(貫通孔形成二層シート)の平面図である。 同貫通孔形成粘着シートの断面図(図3における貫通孔形成粘着シートのA−A断面図)である。 同レーザ穴開け加工装置におけるガルバノミラーの設置例を示す平面図である。 (a)は貫通孔が理想的に配列された従来の貫通孔形成粘着シートの平面図であり、(b)は隣接する貫通孔群の貫通孔が一体化した従来の貫通孔形成粘着シートの平面図である。
符号の説明
1P…粘着シート(貫通孔形成前)
1P’…二層シート
1’…貫通孔形成二層シート
1,1A,1B…貫通孔形成粘着シート
11…基材
12…粘着剤層
13…剥離材
2…貫通孔
3…レーザ光照射装置
31…レーザ発振器
32a…第1ハーフミラー
32b…第2ハーフミラー
33…ガルバノミラー
34…fθレンズ
35…ステージ
L…(貫通孔の)列
SL…走査列

Claims (11)

  1. レーザ光を所定の範囲にて所定の間隔で走査する走査装置を複数直列的に並べたレーザ加工装置を使用し、少なくとも基材と粘着剤層とを備えた粘着シートに対しレーザ光を照射して、前記粘着シートに貫通孔を形成する貫通孔形成粘着シートの製造方法であって、
    前記複数の走査装置によるレーザ光の複数の走査列を、当該複数の走査列が互いに重ならないように隣接する走査列間でずらすことを特徴とする貫通孔形成粘着シートの製造方法。
  2. 前記複数の走査装置によるレーザ光の複数の走査列を、前記走査装置の走査方向と略直交する方向に隣接する走査列間でずらすことを特徴とする請求項1に記載の貫通孔形成粘着シートの製造方法。
  3. 前記複数の走査装置の設置位置を、隣接する走査装置間でずらすことにより、前記複数の走査列を隣接する走査列間でずらすことを特徴とする請求項1または2に記載の貫通孔形成粘着シートの製造方法。
  4. 前記複数の走査装置からのレーザ光の照射角度を、隣接する走査装置間で変えることにより、前記複数の走査列を隣接する走査列間でずらすことを特徴とする請求項1または2に記載の貫通孔形成粘着シートの製造方法。
  5. 前記複数の走査装置によるレーザ光の照射タイミングを、隣接する走査装置間で変えることにより、前記複数の走査列を隣接する走査列間でずらすことを特徴とする請求項1または2に記載の貫通孔形成粘着シートの製造方法。
  6. 長尺の粘着シートをその長手方向に搬送しながらレーザ光を照射することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の貫通孔形成粘着シートの製造方法。
  7. 前記隣接する走査列を、粘着シートの搬送方向に対して前後交互になるように配列することを特徴とする請求項6に記載の貫通孔形成粘着シートの製造方法。
  8. 基材と粘着剤層と剥離材とからなる粘着シートから前記剥離材を一旦剥離し、基材と粘着剤層との積層体に対してレーザ光を照射して貫通孔を形成した後、剥離材を再度前記粘着剤層に積層することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の貫通孔形成粘着シートの製造方法。
  9. 基材と粘着剤層とを備え、一方の面から他方の面に貫通する貫通孔が複数形成されている貫通孔形成粘着シートであって、
    前記複数の貫通孔は、当該貫通孔が複数の列をなして並んでいる複数の貫通孔群からなり、隣接する前記貫通孔群の貫通孔の列は、互いに重ならないようにずれていることを特徴とする貫通孔形成粘着シート。
  10. 隣接する前記貫通孔群の貫通孔の列は、当該貫通孔の列方向と略直交する方向にずれていることを特徴とする請求項9に記載の貫通孔形成粘着シート。
  11. 隣接する前記貫通孔群の貫通孔の列は、貫通孔形成粘着シートの所定方向に対して前後交互になるように配列されていることを特徴とする請求項9に記載の貫通孔形成粘着シート。
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