JP4804876B2 - 貫通孔形成粘着シートおよびその製造方法 - Google Patents

貫通孔形成粘着シートおよびその製造方法 Download PDF

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本発明は、空気溜まりやブリスターを防止または除去することのできる貫通孔を有する粘着シートおよびその製造方法に関するものである。
粘着シートを手作業で被着体に貼付する際に、被着体と粘着面との間に空気溜まりができ、粘着シートの外観を損ねてしまうことがある。このような空気溜まりは、特に粘着シートの面積が大きい場合に発生し易い。
また、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂材料は、加熱により、または加熱によらなくても、ガスを発生することがあるが、このような樹脂材料からなる被着体に粘着シートを貼付した場合には、被着体から発生するガスによって粘着シートにブリスター(ふくれ)が生じることとなる。
上記のような問題を解決するために、特許文献1には、孔径が0.1〜300μmの貫通孔を30〜50,000個/100cmの孔密度で形成した粘着シートが提案されている。かかる貫通孔形成粘着シートによれば、粘着面側の空気やガスを貫通孔から粘着シート表面側に抜くことにより、粘着シートの空気溜まりまたはブリスターを防止することが可能である。
上記貫通孔形成粘着シートにおける貫通孔の形成には、レーザ穴開け加工が利用される場合がある。レーザ穴開け加工装置としては、例えば、走査装置としてのガルバノユニットおよびfθレンズを有するレーザ光照射装置を備えたものが用いられる。
上記レーザ穴開け加工装置を使用して穴開け加工を行うには、粘着シートを搬送しながら、ガルバノユニットによりレーザ光を粘着シートの幅方向(搬送方向と直交する方向)に走査し、fθレンズを介してレーザ光を粘着シートに照射する。
国際公開第2004/061031号パンフレット
従来は、上記レーザ穴開け加工によって貫通孔を格子状に配列させていたが、ガルバノユニットの走査速度に限界があることから、粘着シートの搬送速度を速くすることができなかった。したがって、貫通孔形成粘着シートの生産性は必ずしも高くはなかった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、生産性を向上させることのできる貫通孔形成粘着シートの製造方法および生産性の高い貫通孔形成粘着シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、レーザ光を所定の範囲にて所定の間隔で走査する走査装置を備えたレーザ加工装置を使用し、少なくとも基材と粘着剤層とを備えた粘着シートに対しレーザ光を照射して、前記粘着シートに貫通孔を形成する貫通孔形成粘着シートの製造方法であって、前記粘着シートと前記走査装置とを相対的に移動させながら、前記移動方向と直交する方向に前記走査装置によってレーザ光を往復走査し、前記貫通孔の配列を連続的なくさび状にすることを特徴とする貫通孔形成粘着シートの製造方法を提供する(請求項1)。
なお、本明細書において、「シート」にはフィルムおよびテープの概念、「フィルム」にはシートおよびテープの概念が含まれるものとする。また、本発明における「走査装置」としては、例えば、ガルバノミラー、ポリゴンミラー等を備えたユニット(スキャナ)などが挙げられる。また、「前記粘着シートと前記走査装置とを相対的に移動」には、走査装置を固定して粘着シートを移動させる場合と、粘着シートを固定して走査装置を移動させる場合と、粘着シートおよび走査装置を互いに反対方向に移動させる場合とが含まれる。
上記発明(請求項1)によれば、貫通孔を格子状に配列する場合と比較して、粘着シートと走査装置との相対移動速度を高く設定することができるため、レーザ穴開け加工の加工速度を向上させ、貫通孔形成粘着シートの生産性を高めることができる。
上記発明(請求項1)においては、前記貫通孔のくさび状の配列におけるくさびの対称線に対する、前記貫通孔の配列の角度をθとしたときに、0<tanθ≦1となるようにレーザ加工を行うことが好ましい(請求項2)。
上記発明(請求項1,2)において、前記走査装置は複数設けられており、前記複数の走査装置によって並列する複数の貫通孔群を形成するとともに、隣接する貫通孔群における一方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の狭間隔側が、他方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の広間隔側に、貫通孔同士が重ならずに入り込むようにレーザ加工を行うことが好ましい(請求項3)。
上記発明(請求項3)によれば、くさび状の貫通孔の配列の広間隔部分における貫通孔の孔密度を向上させ、得られる貫通孔形成粘着シートにおける貫通孔の孔密度をエア抜け性に優れた範囲内に制御し易くすることができる。
上記発明(請求項3)においては、隣接する貫通孔群における一方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の狭間隔側が他方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の広間隔側に入り込む幅の、前記他方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の幅に対する比をPとしたときに、0<P≦0.7となるようにレーザ加工を行うことが好ましい(請求項4)。
上記発明(請求項1〜4)においては、前記貫通孔の孔密度が30〜50,000個/100cmとなるようにレーザ加工を行うことが好ましい(請求項5)。
第2に本発明は、基材と粘着剤層とを備え、一方の面から他方の面に貫通する貫通孔が複数形成されている貫通孔形成粘着シートであって、前記複数の貫通孔は、平面視において連続的なくさび状に配列されていることを特徴とする貫通孔形成粘着シートを提供する(請求項6)。
上記発明(請求項6)に係る貫通孔形成粘着シートは、例えば、速い速度で粘着シートを搬送しながら、その搬送方向と直交する方向に走査装置によってレーザ光を往復走査することにより製造することができるため、貫通孔が格子状に配列された貫通孔形成粘着シートと比較して、生産性が高い。
上記発明(請求項6)において、前記貫通孔のくさび状の配列におけるくさびの対称線に対する、前記貫通孔の配列の角度をθとしたときに、0<tanθ≦1となっていることが好ましい(請求項7)。
上記発明(請求項6,7)において、前記連続的なくさび状に配列されている貫通孔群は、複数並列して粘着シートに形成されており、隣接する貫通孔群における一方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の狭間隔側は、他方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の広間隔側に、貫通孔同士が重ならずに入り込んでいることが好ましい(請求項8)。
上記発明(請求項8)に係る貫通孔形成粘着シートは、くさび状の貫通孔の配列の広間隔部分における貫通孔の孔密度が高くなっているため、エア抜け性に優れたものになり易い。
上記発明(請求項8)においては、隣接する貫通孔群における一方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の狭間隔側が他方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の広間隔側に入り込む幅の、前記他方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の幅に対する比をPとしたときに、0<P≦0.7となっていることが好ましい(請求項9)。
上記発明(請求項6〜9)においては、前記貫通孔の孔密度が30〜50,000個/100cmであることが好ましい(請求項10)。
本発明によれば、貫通孔形成粘着シートの生産性を向上させることができる。また、本発明によれば、生産性の高い貫通孔形成粘着シートを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態で使用するレーザ穴開け加工装置の概略側面図であり、図2は、同レーザ穴開け加工装置におけるガルバノユニットの設置位置を示す平面図であり、図3は、同レーザ穴開け加工装置の概略正面図であり、図4は、本発明の一実施形態に係る貫通孔形成粘着シートにおける貫通孔の配列例であり、図5は、同貫通孔形成粘着シートの断面図である。
ここで、図1〜図5中、符号1Pは、基材11、粘着剤層12および剥離材13を積層してなる粘着シート(貫通孔形成前の粘着シート)を示し、符号1P’は、粘着シート1Pから剥離材13を剥離した、基材11および粘着剤層12からなる二層シートを示し、符号1’は、貫通孔2が形成された基材11および粘着剤層12からなる貫通孔形成二層シートを示し、符号1は、貫通孔形成二層シート1’に剥離材13を積層した、貫通孔2が形成された基材11および粘着剤層12と剥離材13とからなる貫通孔形成粘着シートを示す。
なお、基材11および粘着剤層12の材料は、レーザ加工によって貫通孔2が形成され得る材料であれば特に限定されるものではない。
図1および図2に示すように、本実施形態で使用するレーザ穴開け加工装置は、長尺の粘着シート1Pが巻かれているロールR1と、貫通孔形成粘着シート1を巻き取るロールR2と、粘着シート1Pから剥離材13を剥離する分離ロールR3と、貫通孔形成二層シート1’に剥離材13を貼り付ける貼付ロールR4と、分離ロールR3にて剥離した剥離材13を巻き取るロールR5と、貫通孔形成二層シート1’に積層するための剥離材13が巻かれているロールR6と、ロールR1およびロールR2との間に設置されたレーザ光照射装置3とを備えている。
レーザ光照射装置3は、レーザ光を発振するレーザ発振器31と、レーザ発振器31からのレーザ光を2つに分岐する第1ハーフミラー32aと、第1ハーフミラー32aからのレーザ光をさらに2つに分岐する2つの第2ハーフミラー32bと、第2ハーフミラー32bからのレーザ光をさらに2つに分岐する4つの第3ハーフミラー32cと、各第3ハーフミラー32cからのレーザ光を走査する8つのガルバノユニット33(X方向に走査するガルバノミラーおよびY方向に走査するガルバノミラーを備えている)と、各ガルバノユニット33からのレーザ光を二層シート1P’に対して照射する8つのfθレンズ34と、レーザ光が照射される二層シート1P’の下側にて二層シート1P’を支持する2本のロール状の支持体35と、2本のロール状の支持体35の前後および間に設けられた吸引搬送装置(サクションベルト)36とを備えている。
図2に示すように、8つのガルバノユニット33(33a〜33h)は、4つずつ2列に並んでおり、各列の4つのガルバノユニット33(33a,33c,33e,33g/33b,33d,33f,33h)は、二層シート1P’の幅方向に直列的に並んでいる。これら8つのガルバノユニット33が、33a〜33hの順で、二層シート1P’の幅方向所定の間隔で走査し得るように(図3参照)、一方の列のガルバノユニット33a,33c,33e,33gと、他方の列のガルバノユニット33b,33d,33f,33hとは、互いに二層シート1P’の幅方向にずれるようにして並んでいる。
レーザ発振器31の種類は特に限定されるものではなく、例えば、炭酸ガス(CO)レーザ、TEA−COレーザ、YAGレーザ、UV−YAGレーザ、エキシマレーザ、半導体レーザ、YVOレーザ、YLFレーザ、フェムト秒レーザ等のいずれであってもよい。
上記レーザ穴開け加工装置によるレーザ穴開け加工は、次のようにして行われる。
ロールR1から繰り出された粘着シート1Pは、分離ロールR3にて剥離材13が剥離され、二層シート1P’となる。二層シート1P’は、粘着剤層12を上側、基材11を下側にして、レーザ光照射装置3の設置位置に向かって所定の速度で搬送される。
二層シート1P’は、レーザ光照射装置3において、吸引搬送装置36により下方に吸引されて、ロール状の支持体35の上部外周面に密着しながら搬送される。
レーザ光照射装置3における8つのガルバノユニット33は、それぞれ二層シート1P’の幅方向に所定の間隔でレーザ光を往復走査し、移動している二層シート1P’のロール状の支持体35への密着部分に対してfθレンズ34を介してレーザ光を照射する。このレーザ光照射によって、二層シート1P’には、粘着剤層12および基材11を貫通する貫通孔2が複数形成され、貫通孔形成二層シート1’となる(図5参照)。
本実施形態において、上記レーザ光照射によって得られる貫通孔形成二層シート1’の貫通孔2は、8つのガルバノユニット33に対応して、シート幅方向に並列した8つの貫通孔群20を構成し、各貫通孔群20にて連続的なくさび状に配列されている。図4に、貫通孔形成二層シート1’の一部として、ガルバノユニット33aによって形成される貫通孔群20a、ガルバノユニット33bによって形成される貫通孔群20b、ガルバノユニット33cによって形成される貫通孔群20cを示す。
上記のように貫通孔2を連続的なくさび状に配列するには、二層シート1P’を搬送しながら、ガルバノユニット33によってレーザ光を二層シート1P’の幅方向に往復走査すればよいが、貫通孔2を格子状に配列する場合と比較して、二層シート1P’の搬送速度を高く設定することができる。そのため、レーザ穴開け加工の加工速度を向上させ、貫通孔形成粘着シート1の生産性を高めることができる。なお、ガルバノユニット33は、二層シート1P’の幅方向だけでなく、二層シート1P’の長さ方向(搬送方向)にレーザ光が傾くように走査してもよい。
ここで、貫通孔2のくさび状の配列(くさび21)を構成する貫通孔2の配列22(直線状)の傾斜の程度であるが、くさび21の対称線S(本実施形態では二層シート1P’の搬送方向に直交する線)に対する、貫通孔2の配列22の角度をθとしたときに、0<tanθ≦1とすることが好ましく、特に0<tanθ≦0.5とすることが好ましい。tanθが0よりも大きいことにより、二層シート1P’の搬送速度を速くして、貫通孔形成粘着シート1の生産性を高めることができる。一方、tanθが1を超えると、くさび21を構成する貫通孔2の配列22の傾斜の程度が大きくなり過ぎ、貫通孔2の孔密度をエア抜け性に優れた範囲内に制御し難くなるおそれがある。
なお、本実施形態では、くさび21の狭間隔側の先端部は所定の間隙を有するが、この間隙はなくてもよい。すなわち、くさび21の先端部は尖っていてもよい。
図4に示すように、隣接する貫通孔群20(図4では、貫通孔群20aと貫通孔群20b、貫通孔群20bと貫通孔群20c)における一方の貫通孔群20のくさび状の貫通孔2の配列(くさび21)の狭間隔側は、他方の貫通孔群20のくさび状の貫通孔2の配列(くさび21)の広間隔側に、貫通孔2同士が重ならずに入り込んでいる。このように隣接する一方のくさび21を他方のくさび21に入り込ませることにより、くさび21の広間隔部分における貫通孔2の孔密度を向上させ、貫通孔2の孔密度をエア抜け性に優れた範囲内に制御し易くすることができる。
上記のような貫通孔2の配列は、二層シート1P’の搬送速度、ガルバノユニット33の走査タイミング、および2本のロール状の支持体35の間隔の調整によって形成することができる。
ここで、隣接する一方のくさび21が他方のくさび21に入り込む量であるが、隣接する一方のくさび21の狭間隔側が他方のくさび21の広間隔側に入り込む幅Wの、他方のくさび21の幅Wに対する比をPとしたときに、0<P≦0.7であることが好ましく、特に0<P≦0.4であることが好ましい。Pが0よりも大きいことにより、貫通孔2の孔密度を向上させることができる。一方、Pが0.7を超えると、ガルバノユニット33による走査幅が大きくなり過ぎて、レーザ穴開け加工の加工効率が低下したり、貫通孔2の形状が崩れたりするおそれがある。
貫通孔形成粘着シート1における貫通孔2の孔密度は、30〜50,000個/100cmであることが好ましく、特に100〜10,000個/100cmであることが好ましい。貫通孔2の孔密度が30個/100cm未満であると、空気またはガスが抜け難く、貫通孔2の孔密度が50,000個/100cmを超えると、粘着シート1の機械的強度が低下するおそれがある。
貫通孔2の基材11および粘着剤層12における孔径は0.1〜300μmであることが好ましく、特に0.1〜150μmであることが好ましい。貫通孔2の孔径が0.1μm未満であると、貫通孔2から空気またはガスが抜け難く、貫通孔2の孔径が300μmを超えると、貫通孔2が目立つようになる。
貫通孔2の孔径は、粘着シート1の厚さ方向に一定であってもよいし、粘着シート1の厚さ方向に変化していてもよいが、貫通孔2の孔径が粘着シート1の厚さ方向に変化する場合は、粘着剤層12の粘着面から基材11表面にかけて漸次小さくなるのが好ましい。このように貫通孔2の孔径が変化することにより、基材11表面にて貫通孔2がより目立ち難くなり、粘着シート1の外観を良好に保つことができる。
レーザ加工によって貫通孔2を形成する場合、貫通孔2には先細りのテーパがつくことが多いため、上記形状の貫通孔2は、本実施形態のように、粘着剤層12の粘着面側からレーザ光を照射することにより形成することができる。
上記のようにして貫通孔2が形成された貫通孔形成二層シート1’には、ロールR6から繰り出された剥離材13が貼付ロールR4にて貼り付けられ、図5に示すように基材11、粘着剤層12および剥離材13の積層体となった貫通孔形成粘着シート1は、ロールR2に巻き取られる。
なお、本実施形態では、剥離材13を粘着剤層12から剥離してレーザ光照射をしているが、その理由は次の通りである。
剥離材13を粘着剤層12に積層した状態で剥離材側からレーザ光を照射した場合、剥離材13の材質によっては、剥離材13の貫通孔2開口部周縁に形成されるドロスが、粘着剤層12の貫通孔2開口部を拡げてしまうことがあり、この場合、粘着シート1に形成される貫通孔2の孔径や孔密度の精度が低くなってしまう。また、粘着剤層12の貫通孔2開口部が拡がると、貫通孔2の内部空間が大きくなり、粘着シート1を被着体に貼付した後に、貫通孔2中の空気や貫通孔2中に入った水等が粘着シート1の表面に何らかの影響を与えるおそれがある。
これに対し、本実施形態のように、粘着剤層12に対して直接レーザ光を照射すれば、粘着剤層12の貫通孔2開口部が拡がることがなく、孔径や孔密度の精度が高く、内部空間の小さい貫通孔2を形成することができる。また、粘着剤層12に対するレーザ光照射において、剥離材13を介在させないことにより、レーザ光の照射時間を短縮すること、またはレーザの出力エネルギーを小さくすることができる。レーザの出力エネルギーが小さければ、粘着剤層12および基材11に対する熱影響が小さくなり、熱変形等の少ない、形の整った貫通孔2を形成することが可能となる。
以上のようにしてレーザ穴開け加工を行うことにより、二層シート1P’の搬送速度を速くして貫通孔形成粘着シート1の生産性を向上させることができるとともに、貫通孔2の孔密度を高めてエア抜け性に優れた貫通孔形成粘着シート1を製造することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、レーザ光照射装置3におけるガルバノユニット33の数は8つでなくてもよいし、ガルバノユニット33は2列になっていなくてもよい。また、剥離材13を粘着剤層12に積層した状態でレーザ光を照射してもよいし、レーザ光の照射は基材11側から行ってもよい。さらに、貼付ロールR4で貼り付ける剥離材13は、分離ロールR3で剥離した剥離材13であってもよい。さらにまた、吸引搬送装置36は搬送用ロールであってもよい。
本発明の貫通孔形成粘着シートは、空気溜まりやブリスターが生じやすい場合に使用する粘着シートとして有用であり、本発明の製造方法は、かかる貫通孔形成粘着シートを高い生産性で製造するのに有用である。
本発明の一実施形態で使用するレーザ穴開け加工装置の概略側面図である。 同レーザ穴開け加工装置におけるガルバノユニットの設置位置を示す平面図である。 同レーザ穴開け加工装置の概略正面図である。 本発明の一実施形態に係る貫通孔形成粘着シートにおける貫通孔の配列例である。 同貫通孔形成粘着シートの断面図である。
符号の説明
1P…粘着シート(貫通孔形成前)
1P’…二層シート
1’…貫通孔形成二層シート
1…貫通孔形成粘着シート
11…基材
12…粘着剤層
13…剥離材
2…貫通孔
20…貫通孔群
21…貫通孔のくさび状の配列(くさび)
22…貫通孔の配列
3…レーザ光照射装置
31…レーザ発振器
32a,32b,32c…ハーフミラー
33…ガルバノユニット
34…fθレンズ
35…ロール状の支持体
36…吸引搬送装置(サクションベルト)

Claims (10)

  1. レーザ光を所定の範囲にて所定の間隔で走査する走査装置を備えたレーザ加工装置を使用し、少なくとも基材と粘着剤層とを備えた粘着シートに対しレーザ光を照射して、前記粘着シートに貫通孔を形成する貫通孔形成粘着シートの製造方法であって、
    前記粘着シートと前記走査装置とを相対的に移動させながら、前記移動方向と直交する方向に前記走査装置によってレーザ光を往復走査し、前記貫通孔の配列を連続的なくさび状にすることを特徴とする貫通孔形成粘着シートの製造方法。
  2. 前記貫通孔のくさび状の配列におけるくさびの対称線に対する、前記貫通孔の配列の角度をθとしたときに、0<tanθ≦1となるようにレーザ加工を行うことを特徴とする請求項1に記載の貫通孔形成粘着シートの製造方法。
  3. 前記走査装置は複数設けられており、前記複数の走査装置によって並列する複数の貫通孔群を形成するとともに、隣接する貫通孔群における一方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の狭間隔側が、他方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の広間隔側に、貫通孔同士が重ならずに入り込むようにレーザ加工を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の貫通孔形成粘着シートの製造方法。
  4. 隣接する貫通孔群における一方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の狭間隔側が他方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の広間隔側に入り込む幅の、前記他方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の幅に対する比をPとしたときに、0<P≦0.7となるようにレーザ加工を行うことを特徴とする請求項3に記載の貫通孔形成粘着シートの製造方法。
  5. 前記貫通孔の孔密度が30〜50,000個/100cmとなるようにレーザ加工を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の貫通孔形成粘着シートの製造方法。
  6. 基材と粘着剤層とを備え、一方の面から他方の面に貫通する貫通孔が複数形成されている貫通孔形成粘着シートであって、
    前記複数の貫通孔は、平面視において連続的なくさび状に配列されていることを特徴とする貫通孔形成粘着シート。
  7. 前記貫通孔のくさび状の配列におけるくさびの対称線に対する、前記貫通孔の配列の角度をθとしたときに、0<tanθ≦1となっていることを特徴とする請求項6に記載の貫通孔形成粘着シート。
  8. 前記連続的なくさび状に配列されている貫通孔群は、複数並列して粘着シートに形成されており、
    隣接する貫通孔群における一方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の狭間隔側は、他方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の広間隔側に、貫通孔同士が重ならずに入り込んでいることを特徴とする請求項6または7に記載の貫通孔形成粘着シート。
  9. 隣接する貫通孔群における一方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の狭間隔側が他方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の広間隔側に入り込む幅の、前記他方の貫通孔群のくさび状の貫通孔の配列の幅に対する比をPとしたときに、0<P≦0.7となっていることを特徴とする請求項8に記載の貫通孔形成粘着シート。
  10. 前記貫通孔の孔密度が30〜50,000個/100cmであることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の貫通孔形成粘着シート。
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