JP2005075966A - 粘着シートの製造方法および粘着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 粘着シートの外観を損なうことなく、かつ十分な接着力を確保しつつ、空気溜まりやブリスターを防止または除去することのできる粘着シート、およびそのような粘着シートの製造方法を提供する。
【解決手段】 基材11と粘着剤層12と剥離材13とを積層してなる積層シートを製造し、その積層シートの所定のエリア(ラベル部4)のみに、基材11および粘着剤層12における孔径が0.1〜300μmである貫通孔を、所定のエリア(ラベル部4)の孔密度が30〜50,000個/100cm2となるように形成する。貫通孔は、レーザ加工により形成するのが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 基材11と粘着剤層12と剥離材13とを積層してなる積層シートを製造し、その積層シートの所定のエリア(ラベル部4)のみに、基材11および粘着剤層12における孔径が0.1〜300μmである貫通孔を、所定のエリア(ラベル部4)の孔密度が30〜50,000個/100cm2となるように形成する。貫通孔は、レーザ加工により形成するのが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、空気溜まりやブリスターを防止または除去することのできる粘着シート、およびそのような粘着シートを製造する方法に関するものである。
粘着シートを手作業で被着体に貼付する際に、被着体と粘着面との間に空気溜まりができ、粘着シートの外観を損ねてしまうことがある。このような空気溜まりは、特に粘着シートの面積が大きい場合に発生し易い。
空気溜まりによる粘着シート外観の不具合を解消するために、粘着シートを別の粘着シートに貼り替えることや、粘着シートを一度剥がして貼り直すこと、あるいは粘着シートの膨れた部分に針で穴を開けて空気を抜いたりすることが行われている。しかしながら、粘着シートを貼り替える場合には、手間を要するだけでなく、コストアップを招いてしまい、また、粘着シートを貼り直す場合には、粘着シートが破れたり、表面に皺ができたり、粘着性が低下する等の問題が生じることが多い。一方、針で穴を開ける方法は粘着シートの外観を損ねるものである。
空気溜まりの発生を防止するために、あらかじめ被着体または粘着面に水をつけてから貼付する方法があるが、窓に貼るガラス飛散防止フィルム、装飾フィルム、マーキングフィルム等の寸法の大きい粘着シートを貼付する場合には、多くの時間と手間を要している。また。手作業ではなく機械を使用して貼付することにより、空気溜まりの発生を防止する方法があるが、粘着シートの用途または被着体の部位・形状によっては、機械貼りが適用できないことがある。
一方、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂材料は、加熱により、または加熱によらなくても、ガスを発生することがあるが、このような樹脂材料からなる被着体に粘着シートを貼付した場合には、被着体から発生するガスによって粘着シートにブリスター(ふくれ)が生じることとなる。
上記のような問題を解決するために、特許文献1および特許文献2には、粘着層の粘着面に、独立した多数の小凸部を散点状に配置した粘着シートが提案されている。この粘着シートにおいては、粘着層の小凸部の先端部が被着体に密着し、粘着層の基本平坦面が被着体から離間した状態に保持されることにより、粘着層の基本平坦面と被着体との間に外部に連通する隙間が生じるため、その隙間から空気やガスを外部に抜くことにより、粘着シートの空気溜まりまたはブリスターを防止する。
実登2503717号公報
実登2587198号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示されている粘着シートにおいては、粘着層の小凸部の先端部のみが被着体に接着するため接着力が弱く、また、粘着層と被着体との間には水、薬品等が浸入し易く、それによってさらに接着力が低下するという問題があった。このような粘着シートを被着体に強く押圧した場合であっても、粘着層の小凸部の影響により接着力は十分でない。またその場合には、外部に連通する隙間が埋まるため、被着体からガスが発生したときに生じるブリスターを防止することはできない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、粘着シートの外観を損なうことなく、かつ十分な接着力を確保しつつ、空気溜まりやブリスターを防止または除去することのできる粘着シート、およびそのような粘着シートの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、基材と、粘着剤層と、所望により剥離材とを積層してなる積層シートを製造し、前記積層シートの所定のエリアのみに、前記基材および粘着剤層における孔径が0.1〜300μmである貫通孔を、前記所定のエリアにおける孔密度が30〜50,000個/100cm2となるように形成することを特徴とする粘着シートの製造方法を提供する(請求項1)。
なお、本明細書において、「シート」にはフィルムの概念、「フィルム」にはシートの概念が含まれるものとする。
上記発明(請求項1)によって得られる粘着シートにおいては、貫通孔が形成された所定のエリアの部分をステッカー、シール、ラベル、テープ、マーキングフィルム等として使用することができる。この所定のエリアに係る粘着シートにおいて、被着体と粘着面との間の空気は貫通孔から粘着シート表面の外側に抜けるため、被着体に貼付する際に空気を巻き込み難く、空気溜まりができることを防止することができる。仮に空気を巻き込んで空気溜まりができたとしても、その空気溜まり部または空気溜まり部を含んだ空気溜まり部周辺部を再圧着することにより、空気が貫通孔から粘着シート表面の外側に抜けて、空気溜まりが消失する。また、被着体に貼付した後に被着体からガスが発生したとしても、ガスは貫通孔から粘着シート表面の外側に抜けるため、ブリスターが生じることを防止することができる。
なお、貫通孔の孔径は300μm以下であるため、粘着シート表面で目立たず、粘着シートの外観を損なわない。また、貫通孔の孔密度は、50,000個/100cm2以下であるため、粘着シートの機械的強度は維持される。
ここで、上記発明(請求項1)においては、積層シートにおける所定のエリアのみに貫通孔を形成するため、貫通孔を積層シートの全面に形成する場合と比較して、無駄がなく、効率的に粘着シートを製造することができる。
上記発明(請求項1)においては、前記所定のエリア中、空気溜まりまたはブリスターが発生し易いエリアは孔密度が大きく、空気溜まりまたはブリスターが発生し難いエリアは孔密度が小さくなるように、前記貫通孔を形成してもよい(請求項2)。このように貫通孔の孔密度を部分的に変化させることにより、貫通孔を必要な分だけ効率良く形成することができる。
上記発明(請求項1,2)においては、前記貫通孔を形成した後、前記所定のエリアの外周をカットしてもよいし(請求項3)、前記積層シートを製造した後、前記所定のエリアの外周をカットし、そして前記所定のエリアのみに前記貫通孔を形成してもよい(請求項4)。これらのカットは、粘着シートを完全に切断する、または打ち抜くものであってもよいし、基材側から刃を入れて、剥離材までは達しない、または剥離材を完全には切断しないハーフカットであってもよい。
上記発明(請求項1〜4)においては、前記貫通孔を、レーザ加工により形成するのが好ましい(請求項5)。レーザ加工によれば、エア抜け性の良い微細な貫通孔を、所望のエリアに、所望の孔密度で容易に形成することができる。また、レーザ加工によれば、レーザ加工装置のヘッド部またはワーク保持部等を適宜移動させることにより、容易に粘着シートの所定のエリアのみに貫通孔を形成することができる。なお、ウォータージェット加工によってもレーザ加工と略同様の効果が得られるため、上記貫通孔は、ウォータージェット加工によって形成してもよい。
第2に本発明は、基材と粘着剤層とを備え、一方の面から他方の面に貫通する貫通孔が所定のエリアのみに複数形成されている粘着シートであって、前記貫通孔の前記基材および粘着剤層における孔径は0.1〜300μmであり、前記貫通孔の前記所定のエリアにおける孔密度は30〜50,000個/100cm2であることを特徴とする粘着シートを提供する(請求項6)。
上記発明(請求項6)においては、前記所定のエリア中、空気溜まりまたはブリスターが発生し易いエリアにおける貫通孔の孔密度は大きく、空気溜まりまたはブリスターが発生し難いエリアにおける貫通孔の孔密度は小さくなっていてもよい(請求項7)。
上記発明(請求項6,7)において、前記粘着剤層の粘着面には剥離材が積層されており、前記所定のエリアの外周は、前記剥離材の粘着剤層と接しない側の面までは達しないように、ハーフカットされていてもよい(請求項8)。かかるハーフカットは、剥離材までは達しないように施されていてもよいし、剥離材の厚さ方向途中まで、すなわち剥離材が完全には切断されないように施されていてもよい。
本発明によれば、粘着シートの外観を損なうことなく、かつ十分な接着力を確保しつつ、空気溜まりやブリスターを防止または除去することのできる粘着シートが効率的に得られる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔粘着シート〕
図1は、本発明の一実施形態に係る粘着シートの断面図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る粘着シートの平面図である。
〔粘着シート〕
図1は、本発明の一実施形態に係る粘着シートの断面図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る粘着シートの平面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る粘着シート1は、基材11と、粘着剤層12と、剥離材13とを積層してなるものである。ただし、剥離材13は、粘着シート1の使用時に剥離されるものである。
この粘着シート1は、図2に示すように、複数(本実施形態では一例として9個)のラベル部4を有しており、ラベル部4の外周は、剥離材13の厚さ方向途中まで、剥離材13が完全には切断されないようにハーフカットされている。すなわち、ラベル部4の外周においては、図1に示すように、基材11、粘着剤層12、および剥離材13の厚さ方向の一部がカットされている。なお、図中符号5は、切断線または切断面を示す。本実施形態におけるラベル部4は円形状となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、いかなる形状であってもよい。
粘着シート1のラベル部4においては、基材11、粘着剤層12および剥離材13を貫通し、粘着シート表面1Aから粘着シート裏面1Bに至る貫通孔2が複数形成されている。粘着シート1のラベル部4をラベルとして使用するとき、被着体と粘着剤層12の粘着面との間の空気や被着体から発生するガスは、この貫通孔2から粘着シート表面1Aの外側に抜けるため、後述するように、空気溜まりやブリスターを防止または除去することができる。
貫通孔2の横断面形状は特に限定されるものではないが、貫通孔2の基材11および粘着剤層12における孔径は0.1〜300μmであり、好ましくは0.5〜150μmである。貫通孔2の孔径が0.1μm未満であると、空気またはガスが抜け難く、貫通孔2の孔径が300μmを超えると、貫通孔2が目立つようになり、粘着シート1の外観を損なう。
貫通孔2の孔径は、粘着シート1の厚さ方向に一定であってもよいし、粘着シート1の厚さ方向に変化していてもよいが、貫通孔2の孔径が粘着シート1の厚さ方向に変化する場合は、図3に示すように、貫通孔2の孔径は粘着シート裏面1Bから粘着シート表面1Aにかけて漸次小さくなるのが好ましい。このように貫通孔2の孔径が変化することにより、粘着シート表面1Aにて貫通孔2がより目立ち難くなり、粘着シート1の外観を良好に保つことができる。ただし、この場合であっても、貫通孔2の基材11および粘着剤層12における孔径は上記範囲内(0.1〜300μm)にあることが必要である。
貫通孔2の孔密度は、30〜50,000個/100cm2であり、好ましくは100〜10,000個/100cm2である。貫通孔2の孔密度が30個/100cm2未満であると、空気またはガスが抜け難く、貫通孔2の孔密度が50,000個/100cm2を超えると、粘着シート1の機械的強度が低下する。
貫通孔2の孔密度は、空気溜まりやブリスターの生じ易さ等に応じて、部分的に変化していてもよい。例えば、ラベル部4中、空気溜まりまたはブリスターが発生し易いエリアにおける貫通孔2の孔密度は大きく、空気溜まりまたはブリスターが発生し難いエリアにおける貫通孔2の孔密度は小さくなっていてもよい。このように貫通孔2の孔密度が部分的に変化している粘着シート1の製造においては、貫通孔2を必要な分だけ効率良く形成することができる。
貫通孔2は、後述するレーザ加工またはウォータージェット加工により形成するのが好ましく、特にレーザ加工により形成するのが好ましい。レーザ加工またはウォータージェット加工、特にレーザ加工によれば、エア抜け性の良い微細な貫通孔を所望の孔密度で容易に形成することができる。
基材11の材料としては、上記のような貫通孔2が形成され得る材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、樹脂フィルム、金属フィルム、金属を蒸着させた樹脂フィルム、紙、それらの積層体等が挙げられる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ABS樹脂、アイオノマー樹脂などの樹脂からなるフィルム、発泡フィルム、またはそれらの積層フィルム等を使用することができる。樹脂フィルムとしては、市販のものを使用してもよいし、樹脂塗布剤を用いて工程材料上にキャスティング法等で形成した樹脂フィルムを使用してもよい。また、紙としては、例えば、上質紙、グラシン紙、コート紙、ラミネート紙等を使用することができる。
基材11の厚さは、通常は1〜500μm、好ましくは3〜300μm程度であるが、粘着シート1の用途に応じて適宜変更することができる。
粘着剤層12を構成する粘着剤の種類としては、上記のような貫通孔2が形成され得る材料であれば特に限定されるものではなく、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ゴム系、シリコーン系等のいずれであってもよい。また、粘着剤はエマルジョン型、溶剤型または無溶剤型のいずれでもよく、架橋タイプまたは非架橋タイプのいずれであってもよい。
粘着剤層12の厚さは、通常は1〜300μm、好ましくは5〜100μm程度であるが、粘着シート1の用途に応じて適宜変更することができる。
剥離材13の材料としては、上記のような貫通孔2が形成され得る材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂からなるフィルムまたはそれらの発泡フィルムや、グラシン紙、コート紙、ラミネート紙等の紙に、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル基含有カルバメート等の剥離剤で剥離処理したものを使用することができる。
剥離材13の厚さは、通常10〜250μm程度であり、好ましくは20〜200μm程度である。また、剥離材13における剥離剤の厚さは、通常0.05〜5μmであり、好ましくは0.1〜3μmである。
本実施形態に係る粘着シート1において、貫通孔2は剥離材13を貫通しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、貫通孔2は基材11および粘着剤層12のみを貫通していてもよい。また、本実施形態に係る粘着シート1は剥離材13を備えたものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、剥離材13はなくてもよい。これらの場合、剥離材13の材料は、貫通孔2が形成され得る材料である必要はない。
なお、本実施形態に係る粘着シート1の大きさ、形状等は特に限定されるものではない。
〔粘着シートの製造(1)〕
上記実施形態に係る粘着シート1の製造方法の一例を図4(a)〜(e)を参照して説明する。
上記実施形態に係る粘着シート1の製造方法の一例を図4(a)〜(e)を参照して説明する。
本製造方法においては、最初に図4(a)〜(b)に示すように、剥離材13の剥離処理面に、粘着剤層12を形成する。粘着剤層12を形成するには、粘着剤層12を構成する粘着剤と、所望によりさらに溶媒とを含有する塗布剤を調製し、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、エアナイフコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等の塗工機によって剥離材13の剥離処理面に塗布して乾燥させればよい。
次に、図4(c)に示すように、粘着剤層12の表面に基材11を圧着し、基材11と粘着剤層12と剥離材13とからなる積層体とする。そして、図4(d)に示すように、得られた積層体における所定のエリア(ラベル部4)に貫通孔2を形成する。貫通孔2の孔密度は、空気溜まりやブリスターの生じ易さ等に応じて、部分的に変化させてもよい。
貫通孔2の形成は、レーザ加工またはウォータージェット加工によって行うのが好ましい。レーザ加工またはウォータージェット加工、特にレーザ加工によれば、エア抜け性の良い微細な貫通孔を所望の孔密度で容易に形成することができる。また、レーザ加工またはウォータージェット加工によれば、レーザ加工装置またはウォータージェット加工装置のヘッド部またはワーク保持部を適宜移動させることにより、粘着シート1のラベル部4以外のエリアに貫通孔2を形成することなく、粘着シート1のラベル部4のみに効率的に貫通孔2を形成することができる。
レーザ加工装置またはウォータージェット加工装置のヘッド部またはワーク保持部の移動は、ヘッド部を動かすアクチュエータやワーク保持部を動かすX−Yステージ等の動作を自動制御することのできる自動制御装置を使用して行うのが好ましい。かかる自動制御装置は、ラベル部4の形状を記憶することにより、当該形状に従ってヘッド部またはワーク保持部を自動的に移動させることができるが、必要に応じて画像処理装置を利用することもできる。
レーザ加工は、基材11側の面(粘着シート表面1Aとなる面)の反対側の面から施すのが好ましい。レーザ加工によって貫通孔2を形成する場合、図3に示すように、貫通孔2にはテーパがつくことが多いため、レーザ加工を基材11側の面の反対側の面から施すことにより、貫通孔2の孔径は剥離材13・粘着剤層12側よりも基材11側の方が小さくなり、したがって、粘着シート表面1Aにて貫通孔2が目立ち難くなり、粘着シート1の外観を良好に保つことができる。
上記のようにレーザ加工を基材11側の面の反対側の面から施す場合、図4(d)に示すように剥離材13側の面からレーザ加工を施してもよいし、粘着剤層12から剥離材13を剥がして露出した粘着剤層12の粘着面からレーザ加工を施し、貫通孔2を形成した粘着剤層12に剥離材13を再圧着してもよい。
また、上記のようにレーザ加工を基材11側の面の反対側の面から施す場合、基材11の表面に剥離可能な保護シートを貼着した後に、レーザ加工を行ってもよい。このような保護シートとしては、例えば、基材と再剥離性粘着剤層とからなる公知の粘着保護シート等を使用することができる。
レーザ加工によって貫通孔2を形成する場合、貫通孔2の開口部周縁には、熱による溶融物、いわゆるドロスが付着することがあるが、基材11の表面に保護シートが積層されていると、ドロスが付着するのは基材11ではなく保護シートとなり、したがって、粘着シート1の外観をより良好に保つことができる。このような保護シートは、貫通孔形成時に使用されれば足り、貫通孔形成後に剥がせばよい。
レーザ加工に利用するレーザの種類は特に限定されるものではなく、例えば、炭酸ガス(CO2)レーザ、TEA−CO2レーザ、YAGレーザ、UV−YAGレーザ、エキシマレーザ、半導体レーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ等を利用することができる。
一方、ウォータージェット加工は、一般的なウォータージェット加工機を使用して行えばよく、特に限定されるものではない。
最後に、図4(e)に示すように、積層体におけるラベル部4の外周を、剥離材13の厚さ方向途中まで、剥離材13が完全には切断されないようにハーフカットする。すなわち、ラベル部4の外周において基材11、粘着剤層12、および剥離材13の厚さ方向の一部をカットする。ラベル部4外周のハーフカットは、常法によって行えばよく、例えば、打ち抜き装置等を使用して行うことができる。ただし、かかるハーフカットではなく、基材11および粘着剤層12とともに剥離材13も一緒に打ち抜いてもよいし、カッター等によってラベル部4を完全に切断してもよい。
以上のようにして、図1および図2に示すような粘着シート1が得られる。なお、上記ハーフカットを行った後、基材11および粘着剤層12におけるラベル部4以外の部分は、そのまま残してもよいし、剥離材13から剥がして廃棄してもよい。
〔粘着シートの製造(2)〕
上記実施形態に係る粘着シート1の製造方法の他の例を図5(a)〜(e)を参照して説明する。
上記実施形態に係る粘着シート1の製造方法の他の例を図5(a)〜(e)を参照して説明する。
基材11と粘着剤層12と剥離材13とからなる積層体を製造するまで(図5(a)〜(c))は、前述した粘着シート製造方法(1)(図4(a)〜(c))と同様である。
図5(c)に示す積層体が得られたら、図5(d)に示すように、積層体における所定のエリア(ラベル部4)の外周を、剥離材13の厚さ方向途中まで、剥離材13が完全には切断されないようにハーフカットする。
ただし、本製造方法においても、ハーフカットではなく、基材11および粘着剤層12とともに剥離材13も一緒に打ち抜いてもよいし、カッター等によってラベル部4を完全に切断してもよい。また、上記ハーフカットを行った後、基材11および粘着剤層12における所定のエリア(ラベル部4)以外の部分は、そのまま残してもよいし、剥離材13から剥がして廃棄してもよい。
最後に、図5(e)に示すように、積層体におけるラベル部4に貫通孔2を形成し、図1および図2に示すような粘着シート1を得る。本製造方法でも、貫通孔2の形成はレーザ加工またはウォータージェット加工、特にレーザ加工によって行うのが好ましい。レーザ加工は、前述した粘着シート製造方法(1)と同様の理由により、基材11側の面の反対側の面(剥離材13側の面または剥離材13を剥がして露出した粘着剤層12の粘着面)から施すのが好ましい。
〔粘着シートの製造(3)〕
上記実施形態に係る粘着シート1の製造方法の別の例を図6(a)〜(e)を参照して説明する。
上記実施形態に係る粘着シート1の製造方法の別の例を図6(a)〜(e)を参照して説明する。
本製造方法においては、最初に図6(a)〜(b)に示すように、工程材料3の剥離処理面に、基材11を形成する。基材11を形成するには、基材11を構成する樹脂と、所望によりさらに溶媒とを含有する塗布剤を調製し、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、エアナイフコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等の塗工機によって工程材料3上に塗布して乾燥させればよい。
上記工程材料3としては、レーザ加工、ウォータージェット加工等により貫通孔2が形成され得る材料からなるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、各種紙、またはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂フィルムを、シリコーン系、ポリエステル系、アクリル系、アルキド系、ウレタン系等の剥離剤または合成樹脂で剥離処理したものを使用することができる。工程材料3の厚さは、通常10〜200μm程度であり、好ましくは25〜150μm程度である。
一方、図6(c)に示すように、前述した粘着シート製造方法(1)における粘着剤層形成方法と同様にして、剥離材13の剥離処理面に、粘着剤層12を形成する。
次に、図6(d)に示すように、工程材料3に形成した基材11と、剥離材13に形成した粘着剤層12とが密着するように、工程材料3および基材11の積層体と、粘着剤層12および剥離材13の積層体とを圧着し、工程材料3と基材11と粘着剤層12と剥離材13とからなる積層体とする。
そして、図6(e)に示すように、得られた積層体における所定のエリア(ラベル部4)に貫通孔2を形成する。本製造方法でも、貫通孔2の形成はレーザ加工またはウォータージェット加工、特にレーザ加工によって行うのが好ましい。レーザ加工は、前述した粘着シート製造方法(1)と同様の理由により、工程材料3側の面と反対側の面(剥離材13側の面または剥離材13を剥がして露出した粘着剤層12の粘着面)から施すのが好ましいが、工程材料3側の面から施したとしても、貫通孔2にテーパがつくことにより、基材11の表面における貫通孔2の孔径は工程材料3を使用しない場合よりも小さくなる。
ここで、レーザ加工によって貫通孔2を形成する場合、貫通孔2の開口部周縁にはドロスが付着することがあるが、本製造方法では基材11の表面に工程材料3が積層されているため、ドロスが付着するのは基材11ではなく工程材料3となり、したがって、粘着シート1の外観をより良好に保つことができる。
最後に、図6(f)に示すように、積層体におけるラベル部4の外周を、剥離材13の厚さ方向途中まで、剥離材13が完全には切断されないようにハーフカットする。
ただし、本製造方法においても、ハーフカットではなく、基材11および粘着剤層12とともに剥離材13も一緒に打ち抜いてもよいし、カッター等によってラベル部4を完全に切断してもよい。また、上記ハーフカットを行った後、工程材料3、基材11および粘着剤層12におけるラベル部4以外の部分は、そのまま残してもよいし、剥離材13から剥がして廃棄してもよい。
以上のようにして得られる粘着シートにおいて、工程材料3は、粘着シート1の製造終了後または粘着シート1の使用時に基材11から剥離される。この工程材料3が剥離された状態の粘着シート1は、図1(および図2)に示される通りである。
なお、本製造方法においても、前述した粘着シート製造方法(2)と同様に、積層体における所定のエリア(ラベル部4)の外周を剥離材13の厚さ方向途中まで、剥離材13が完全には切断されないようにハーフカットした後、ラベル部4に貫通孔2を形成してもよい。
以上の製造方法(1)〜(3)では、粘着剤層12を剥離材13上に形成し、形成された粘着剤層12と基材11とを貼り合わせたが、本発明はこれに限定されるものではなく、粘着剤層12を基材11上に直接形成し、形成された粘着剤層12と剥離材13とを貼り合わせてもよい。
〔粘着シートの使用〕
粘着シート1のラベル部4をラベルとして被着体に貼付する際には、粘着シート1の剥離材13から、基材11および粘着剤層12からなるラベル部4に係る粘着シート1を剥離し、粘着シート1における粘着剤層12の粘着面を被着体に密着させるようにして、粘着シート1を被着体に押圧する。このとき、被着体と粘着剤層12の粘着面との間の空気は、粘着シート1に形成された貫通孔2から粘着シート表面1Aの外側に抜けるため、被着体と粘着面との間に空気が巻き込まれ難く、空気溜まりができることが防止される。仮に空気が巻き込まれて空気溜まりができたとしても、その空気溜まり部または空気溜まり部を含んだ空気溜まり部周辺部を再圧着することにより、空気が貫通孔2から粘着シート表面1Aの外側に抜けて、空気溜まりが消失する。このような空気溜まりの除去は、粘着シート1の貼付から長時間経過した後でも可能である。
粘着シート1のラベル部4をラベルとして被着体に貼付する際には、粘着シート1の剥離材13から、基材11および粘着剤層12からなるラベル部4に係る粘着シート1を剥離し、粘着シート1における粘着剤層12の粘着面を被着体に密着させるようにして、粘着シート1を被着体に押圧する。このとき、被着体と粘着剤層12の粘着面との間の空気は、粘着シート1に形成された貫通孔2から粘着シート表面1Aの外側に抜けるため、被着体と粘着面との間に空気が巻き込まれ難く、空気溜まりができることが防止される。仮に空気が巻き込まれて空気溜まりができたとしても、その空気溜まり部または空気溜まり部を含んだ空気溜まり部周辺部を再圧着することにより、空気が貫通孔2から粘着シート表面1Aの外側に抜けて、空気溜まりが消失する。このような空気溜まりの除去は、粘着シート1の貼付から長時間経過した後でも可能である。
また、粘着シート1を被着体に貼付した後に、被着体からガスが発生したとしても、そのガスは粘着シート1に形成された貫通孔2から粘着シート表面1Aの外側に抜けるため、粘着シート1にブリスターが生じることが防止される。
粘着シート1においては、以上のようにして空気溜まりやブリスターを防止または除去することができるが、粘着シート1に形成されている貫通孔2は非常に微細であるため、粘着シート1の外観が損なわれることはなく、また、貫通孔2が存在しても接着力が低下するおそれがない。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
アクリル系粘着剤(日本合成化学工業社製,コーポニールN−2147,固形分:35重量%)100重量部に酢酸エチル25重量部を配合し、次いでイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製,コロネートL)を1重量部配合し、十分に攪拌して粘着剤の塗布剤とした。
アクリル系粘着剤(日本合成化学工業社製,コーポニールN−2147,固形分:35重量%)100重量部に酢酸エチル25重量部を配合し、次いでイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製,コロネートL)を1重量部配合し、十分に攪拌して粘着剤の塗布剤とした。
ポリプロピレンフィルムの片面にシリコーン系剥離剤を塗布した剥離材(王子製紙社製,40RL−01Z,厚さ40μm)の剥離処理面に、上記粘着剤の塗布剤を乾燥後の厚さが30μmになるようにナイフコーターによって塗布し、90℃で1分間乾燥させた。このようにして形成した粘着剤層に、ポリ塩化ビニルからなる基材(厚さ:100μm)を圧着し、3層構造の積層体を得た。
得られた積層体(620mm×620mm)から剥離材を剥がし、積層体における9個の円形状のエリア(直径:180mm,3個×3個,20mm間隔,図2参照)に対して、その形状に従ってヘッド部を動かすことのできるCO2レーザ加工装置を使用し、粘着剤層側からCO2レーザを照射した後、剥離材を粘着剤層に再圧着した。このようにして、基材表面における孔径が20〜40μmの貫通孔を2,500個/100cm2の孔密度(上記エリアにおける孔密度をいう。以下同じ。)で形成した。この穴開け加工に要した時間を表1に示す。
次いで、打ち抜き装置を使用して、積層体における上記エリアの外周を、剥離材の厚さ方向途中まで、剥離材が完全には切断されないようにハーフカットした。このようにして、上記エリアをラベル部とした粘着シートを得た。
〔実施例2〕
実施例1と同様にして得た3層構造の積層体において、実施例1と同様の形状のエリアの外周を、剥離材の厚さ方向途中まで、剥離材が完全には切断されないようにハーフカットした。
実施例1と同様にして得た3層構造の積層体において、実施例1と同様の形状のエリアの外周を、剥離材の厚さ方向途中まで、剥離材が完全には切断されないようにハーフカットした。
次いで、積層体の上記エリアに対し、実施例1で用いたCO2レーザ加工装置を使用して剥離材側からCO2レーザを照射することにより、基材表面における孔径が20〜40μmの貫通孔を2,500個/100cm2の孔密度で形成し、上記エリアをラベル部とした粘着シートを得た。穴開け加工に要した時間を表1に示す。
〔実施例3〕
塩化ビニル樹脂100重量部と、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系)2.5重量部と、ポリエステル系可塑剤(旭電化工業社製,アデカサイザーPN260)25重量部と、フタル酸エステル系可塑剤(チッソ社製,DOP)10重量部と、着色剤(大日精化工業社製,VTSK9311ブラック)20重量部と、熱安定剤(Ba/Zn系)3重量部と、溶剤(ブチルセロソルブ)25重量部と、溶剤(ゴードー溶剤社製,スーパーゾール#1500)25重量部とを混合し、基材の塗布剤とした。
塩化ビニル樹脂100重量部と、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系)2.5重量部と、ポリエステル系可塑剤(旭電化工業社製,アデカサイザーPN260)25重量部と、フタル酸エステル系可塑剤(チッソ社製,DOP)10重量部と、着色剤(大日精化工業社製,VTSK9311ブラック)20重量部と、熱安定剤(Ba/Zn系)3重量部と、溶剤(ブチルセロソルブ)25重量部と、溶剤(ゴードー溶剤社製,スーパーゾール#1500)25重量部とを混合し、基材の塗布剤とした。
工程材料として、片面を剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム社製,U4Z−50,厚さ:50μm)を用意した。その工程材料の剥離処理面に、上記基材の塗布剤を乾燥後の厚さが100μmになるようにナイフコーターによって塗布し、140℃で1分間、さらに190℃で2分間乾燥させて基材を形成した。
一方、実施例1と同様にして剥離材上に粘着剤層を形成し、その粘着剤層と上記工程材料に形成した基材とが密着するように、両者を圧着して4層構造の積層体を得た。
得られた4層構造の積層体から剥離材を剥がし、実施例1と同様の形状のエリアに対し、実施例1で用いたCO2レーザ加工装置を使用して粘着剤層側からCO2レーザを照射した後、剥離材を粘着剤層に再圧着した。このようにして、基材表面における孔径が20〜40μmの貫通孔を2,500個/100cm2の孔密度で形成した。この穴開け加工に要した時間を表1に示す。
次いで、実施例1と同様にして、上記エリアの外周を剥離材の厚さ方向途中まで、剥離材が完全には切断されないようにハーフカットした。このようにして、上記エリアをラベル部とした粘着シートを得た。
〔実施例4〕
実施例1と同様にして得た3層構造の積層体(ただし、大きさは540mm×540mm)から剥離材を剥がし、図7に示すような縦長の第1エリア41と横長の第2エリア42とからなるL字状のエリア4(第1エリア:400mm×100mm,第2エリア:100mm×500mm)に対して、実施例1で用いたCO2レーザ加工装置を使用して粘着剤層側からCO2レーザを照射した後、剥離材を粘着剤層に再圧着した。
実施例1と同様にして得た3層構造の積層体(ただし、大きさは540mm×540mm)から剥離材を剥がし、図7に示すような縦長の第1エリア41と横長の第2エリア42とからなるL字状のエリア4(第1エリア:400mm×100mm,第2エリア:100mm×500mm)に対して、実施例1で用いたCO2レーザ加工装置を使用して粘着剤層側からCO2レーザを照射した後、剥離材を粘着剤層に再圧着した。
このようにして、基材表面における孔径が20〜40μmの貫通孔を、第1エリア41においては400個/100cm2の孔密度、第2エリア42においては2,500個/100cm2の孔密度で形成した。この穴開け加工に要した時間を表1に示す。
次いで、打ち抜き装置を使用して、積層体における上記エリア4の外周を打ち抜き、これを粘着シート(ラベル)とした。
なお、粘着シート(ラベル)が貼付される被着体の形状や被着部位の位置等によっては、貼付用の治具を使用して貼付を行う治具貼りと、手作業によって貼付を行う手貼りとを使い分けなくてはならない場合があり、治具貼りによれば一般的に空気溜まりが発生し難く、手貼りによれば一般的に空気溜まりが発生し易い。本実施例では、粘着シート(ラベル)の第1エリア41が治具貼り用のエリアとなり、第2エリア42が手貼り用のエリアとなる。
〔実施例5〕
実施例1と同様にして得た3層構造の積層体(ただし、大きさは540mm×540mm)から剥離材を剥がし、図7に示す第1エリア41および第2エリア42のいずれにおいても、貫通孔の孔密度を2,500個/100cm2とする以外、実施例4と同様にして貫通孔を形成した。この穴開け加工に要した時間を表1に示す。剥離材を粘着剤層に再圧着した後、実施例4と同様にして打ち抜き、粘着シート(ラベル)を得た。なお、本実施例では、粘着シート(ラベル)の第1エリア41および第2エリア42のいずれも手貼り用のエリアとなる。
実施例1と同様にして得た3層構造の積層体(ただし、大きさは540mm×540mm)から剥離材を剥がし、図7に示す第1エリア41および第2エリア42のいずれにおいても、貫通孔の孔密度を2,500個/100cm2とする以外、実施例4と同様にして貫通孔を形成した。この穴開け加工に要した時間を表1に示す。剥離材を粘着剤層に再圧着した後、実施例4と同様にして打ち抜き、粘着シート(ラベル)を得た。なお、本実施例では、粘着シート(ラベル)の第1エリア41および第2エリア42のいずれも手貼り用のエリアとなる。
〔比較例1〕
穴開け加工を行わない以外、実施例1と同様にして粘着シートを製造した。
穴開け加工を行わない以外、実施例1と同様にして粘着シートを製造した。
〔比較例2〕
積層体(620mm×620mm)の全面に穴開け加工を施す以外、実施例1と同様にして粘着シートを製造した。この場合において、穴開け加工に要した時間を表1に示す。
積層体(620mm×620mm)の全面に穴開け加工を施す以外、実施例1と同様にして粘着シートを製造した。この場合において、穴開け加工に要した時間を表1に示す。
〔比較例3〕
積層体(540mm×540mm)の全面に穴開け加工を施す以外、実施例5と同様にして粘着シートを製造した。この場合において、穴開け加工に要した時間を表1に示す。
積層体(540mm×540mm)の全面に穴開け加工を施す以外、実施例5と同様にして粘着シートを製造した。この場合において、穴開け加工に要した時間を表1に示す。
〔試験例〕
実施例1〜5および比較例1〜3で得られた粘着シート(ラベル部を有するものは粘着シートのラベル部)について、以下のようにして空気溜まり消失性試験および強度試験を行うとともに、粘着シート表面の外観を目視により判断した。なお、実施例4で得られた粘着シートに関しては、第1エリア41および第2エリア42のそれぞれについて試験を行った。
実施例1〜5および比較例1〜3で得られた粘着シート(ラベル部を有するものは粘着シートのラベル部)について、以下のようにして空気溜まり消失性試験および強度試験を行うとともに、粘着シート表面の外観を目視により判断した。なお、実施例4で得られた粘着シートに関しては、第1エリア41および第2エリア42のそれぞれについて試験を行った。
空気溜まり消失性試験:50mm×50mmに裁断した粘着シートを、直径約15mmの円形の空気溜まりができるように手作業によってメラミン塗装板に貼り、その粘着シートをスキージにより圧着した。その結果、空気溜まりが消失したものを○、空気溜まりがそのまま残存したものを×で表す。
強度試験:幅10mm、長さ150mmに裁断し、剥離材を剥がした粘着シートを、つかみ間隔100mmで引張強度試験機(オリエンテック社製,テンシロン)に取り付けて200mm/minで引張り、10秒以内に破断しなかったものを○、破断したものを×で表す。
表1から明らかなように、実施例1〜4および比較例2〜3で得られた粘着シートは、空気溜まりが容易に除去され得るとともに、十分な強度を有し、かつ外観も良好である。ただし、比較例2の場合には、実施例1〜3の場合と比較して、穴開け加工に1.5倍以上の時間を要し、比較例3の場合には、実施例4,5の場合と比較して、穴開け加工に3.2倍以上の時間を要した。
また、実施例4で得られた粘着シートを、第1エリア41は、被着体の形状に合わせて作製した専用の治具を使用して、第2エリア42は手作業により、メラミン塗装されたL字型の被着体に貼付した。その結果、粘着シートには空気溜まりは生じなかった。
さらに、実施例5で得られた粘着シートを、第1エリア41および第2エリア42ともに手作業により、メラミン塗装されたL字型の被着体に貼付した。その結果、粘着シートには空気溜まりは生じなかった。
本発明は、空気溜まりやブリスターが発生し易い粘着シートであって、良好な外観および十分な接着力を必要とする粘着シートに好ましく適用することができる。
1…粘着シート
11…基材
12…粘着剤層
13…剥離材
1A…粘着シート表面
1B…粘着シート裏面
2…貫通孔
3…工程材料
4…ラベル部(所定のエリア)
41…第1エリア
42…第2エリア
5…切断線または切断面
11…基材
12…粘着剤層
13…剥離材
1A…粘着シート表面
1B…粘着シート裏面
2…貫通孔
3…工程材料
4…ラベル部(所定のエリア)
41…第1エリア
42…第2エリア
5…切断線または切断面
Claims (8)
- 基材と、粘着剤層と、所望により剥離材とを積層してなる積層シートを製造し、
前記積層シートの所定のエリアのみに、前記基材および粘着剤層における孔径が0.1〜300μmである貫通孔を、前記所定のエリアにおける孔密度が30〜50,000個/100cm2となるように形成することを特徴とする粘着シートの製造方法。 - 前記所定のエリア中、空気溜まりまたはブリスターが発生し易いエリアは孔密度が大きく、空気溜まりまたはブリスターが発生し難いエリアは孔密度が小さくなるように、前記貫通孔を形成することを特徴とする請求項1に記載の粘着シートの製造方法。
- 前記貫通孔を形成した後、前記所定のエリアの外周をカットすることを特徴とする請求項1または2に記載の粘着シートの製造方法。
- 前記積層シートを製造した後、前記所定のエリアの外周をカットし、そして前記所定のエリアのみに前記貫通孔を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の粘着シートの製造方法。
- 前記貫通孔を、レーザ加工により形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粘着シートの製造方法。
- 基材と粘着剤層とを備え、一方の面から他方の面に貫通する貫通孔が所定のエリアのみに複数形成されている粘着シートであって、
前記貫通孔の前記基材および粘着剤層における孔径は0.1〜300μmであり、前記貫通孔の前記所定のエリアにおける孔密度は30〜50,000個/100cm2であることを特徴とする粘着シート。 - 前記所定のエリア中、空気溜まりまたはブリスターが発生し易いエリアにおける貫通孔の孔密度は大きく、空気溜まりまたはブリスターが発生し難いエリアにおける貫通孔の孔密度は小さくなっていることを特徴とする請求項6に記載の粘着シート。
- 前記粘着剤層の粘着面には剥離材が積層されており、前記所定のエリアの外周は、前記剥離材の粘着剤層と接しない側の面までは達しないように、ハーフカットされていることを特徴とする請求項6または7に記載の粘着シート。
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-
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