JP4809727B2 - 単純マトリクスカラー液晶表示装置の駆動方法 - Google Patents
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Description
前記AF−F駆動において、電界はセル内の偶数層内および奇数層内の2種類の自発分極のいずれか一方に作用し、残りの逆向きの自発分極は電界と作用しないモデルで記述されたが、このモードとは別に、AF相を経由せず、偶数層に属する自発分極と奇数層に属する自発分極が協調的に連携して運動するモード(F−Fモード)も知られている。(AF−F)もしくは(F−F)いずれのモードが支配的かは、材料、駆動条件、駆動温度その他の複数要因で決定されると言われているが、その状態は駆動周波数と三角波での透過光特性を観察することにより判定可能となる。
第27図はMxNの画素数からなるパネルのリセット区間のないフィールド毎反転(フレーム反転と呼ばれることもある)による線順次駆動の行電極駆動電圧波形例である。 時刻t0においてまず第1選択行、I=1が選択されΔt秒間だけ選択電圧Vs541が印加される。これに同期して列電極にデータ電圧として白表示の場合は−Vd 黒の場合は+Vdが印加される。第1行の電極は以後バイアス電圧542がVbの電圧で新たに印加され、この状態は次の第2フレームの選択時間まで継続する。
次に第2選択行、I=2、は時刻(t0+Δt)からΔtの時間だけ選択電圧VSが印加される。言い換えると第1行目の選択波形に関し、1ライン目の1フレームの間に印加される波形を、時間に対してΔtだけ右側にシフトさせて第2選択行の駆動信号とするものである。これに同期して第2行目に表示させるデータに対応させ、白の場合はデータ電圧として、−Vdの電圧を、黒の場合は+Vdの電圧が重畳印加される。この後はやはりバイアス電圧Vbが印加され、次のフレームの選択電圧が印加されるまで第2選択行のデータを保持する。以下同様に時間幅Δtで順次時間に対してシフトされ、I=M行目まで選択行とそれに対するデータの書き込みが終了した時点で、再び第1行の選択へと移行する。
第2の手段は、光源として白色光ではなくそれぞれR,G,Bの単色光を用いこれらの光を時分割にて発光させる方法で、この発光タイミングに同期させて、R,G,Bに対応する情報を表示させる方法が提案されている(例えば非特許文献9参照)。
安価なFSCパネルを供給する前提として、レベル数のなるべく少ない単純な駆動法の開発が必要とされる。
本発明の第5の目的は、電圧レベル数の少ない単純な駆動法を提案することである。
また、同時リセット駆動を行っても均一な表示の可能な駆動方法が実現できた。
さらにクロストーク現象の少ない駆動法が実現できた。
さらにまた、電圧レベル数の少ない単純な駆動が実現でき、安価なドライバーICでの駆動が可能となった。
図1は本実施例に用いた反強誘電性液晶パネルの断面図である。この反強誘電性液晶パネルは、反強誘電性液晶として三菱瓦斯化学社製のGH029を用い、その総厚hが約1.5μmになるように一対の基板431,432にて挟持させた。基板431、432の対向面には電極44が形成されその上に配向膜(日産化学工業製 RN1199)45が厚さ約200オングストロームで形成されている。さらに一方の基板431の外側に偏光板の偏光軸と配向膜45の配向処理方向とが略平行になるように第1の偏光板411が配置されており、他方の基板432の外側には、第1の偏光板411の偏光軸と略90度異なるようにして第2の偏光板412が設置されている。
まず第1に本願での前提すなわち、180Hz以上の駆動周波数において、黒の状態が通常のAF-Fモードか否かの確認を行った。図21にその結果を示す。この図から明らかなこととして 三角波の振幅0Vの近傍で、透過光は0ではなく透過光強度として約110程度の明るさを示している。このことから0V近傍に置ける自発分極の配列は図24で示した3時−9時で表されるAF相には対応したものではないことがまず確認された。
なお以下の図において、同様の部材には同様の番号を付している。
図2(a)に示した下側の基板432には透明な行電極R1,R2,R3,・・・,R32が設けられ、図2(b)に示した上側の基板431には透明な列電極C1,C2,C3,・・・、C64が設けられ、該上下の基板431,432間に反強誘電性液晶物質が狭持されている。図2(c)はこのように液晶物質が狭持されている液晶パネルの簡略化した断面図で、上下の基板431,432とシール部14とで囲まれた空間に反強誘電性液晶物質12が注入されている。このようなパネルにおいては、行電極を行選択信号によって順次選択し、1つの行電極が選択されているときに当該行の表示データを全列電極に与える、いわゆる線順次駆動が行われる。
液晶パネルの下部にはLED光源16と導光板18とを有するバックライトが設けられ、該LED光源16には3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)光源が設けられ、これらの3原色光源が順次交互に点灯し、該点灯タイミングに合わせて液晶表示パネルには当該光源色の表示上方が表示されてカラー表示がなされる。この液晶表示装置はいわゆるフィールド・シーケンシャル・カラー(以下FSCと略記する)方式の表示器となっている。
なお図2で示したように本発明を32行、64列の単純マトリクスカラー液晶表示装置を例にとって説明する。
図3において、1フレームは1枚の完結した画面を送る時間で、ちらつきを防ぐため1秒間のフレーム数は30以上とされている。従って1フレームの時間tFは約33msec.以下に設定する。
1フレームは2つのフィールドより成り、1つのフィールドは3原色である赤(R)、緑(G)、青(B)の3つのサブフィールドから成っている。
AL1,AL2は異なったタイプの交流化信号で、該交流化信号によって行電極に与えられる選択パルスの極性が決定される。
図2に示したように、第1の交流化信号AL1,第2の交流化信号AL2共に、サブフィールド内で頻繁に極性を変えている。この極性を変える周期が、図2に示した複数の行電極のうちの1本を選択している時間である。すなわち本発明においては行電極を1行選択する毎に印加電圧の極性を反転させている。
交流化信号AL1,AL2は共にフィールド毎にも極性を変えている。交流化信号AL1,AL2の波形は、図7に示すように、前半のフィールドと後半のフィールドとで極性を反転されている。このように構成したことにより1フレームの中で印加電圧の極性が反転して電荷がキャンセルされ、直流分を無くしている。
図4において、FRは1周期を1フレームとする信号、SUBは半周期を1サブフレームとする信号、AL1は第1のタイプの交流化信号、VR1,VR2,VR3はそれぞれ第1、2,3行目の行電極に与えられる駆動信号である。
図4に示したように、1つのサブフィールド毎に1回行電極に与えられる選択信号20は交流化信号によって極性が制御され、図4においては交流化信号と同じ方向の極性とされている。
また本発明においては行電極を1行選択する毎に印加電圧の極性を反転させる1行毎反転方式をとっているため、VR2の選択信号はVR1と逆極性、VR3の選択信号はVR1と同極性となっている。
従って選択信号は(サブフィールドを無視して)フィールド毎に極性を変えて選択電圧値+Sもしくは−Sをとる信号となっている。
図5において、FRは1周期を1フレームとする信号、SUBは半周期を1サブフレームとする信号、AL2は第2のタイプの交流化信号、VR1,VR2,VR3はそれぞれ第1、2,3行目の行電極に与えられる駆動信号である。
図5に示したように、1つのサブフィールド毎に1回行電極に与えられる選択信号22は交流化信号によって極性が制御され、図4においては交流化信号と同じ方向の極性とされている。
また本発明においては行電極を1行選択する毎に印加電圧の極性を反転させる1行毎反転方式をとっているため、VR2の選択信号はVR1と逆極性、VR3の選択信号はVR1と同極性となっている。
従って選択信号は必ずサブフィールド毎及びフィールド毎に極性を変えて選択電圧値+Sもしくは−Sをとる信号となっている。
また、第2の交流化信号AL2は図3及び図5に示すように、行電極を1行選択する毎に極性を反転され、かつサブフィールド毎に波形の極性を反転させている。なお後述する井戸信号26はサブフィールド毎に設けられ、前記行選択信号とは逆極性とされて前記行選択信号とバイアス電圧+−Bによって液晶に印加された電荷を緩和する働きをしている。
すなわち本発明の駆動法においては、行選択信号及び井戸信号の極性は交流化信号によって決定されるが、バイアス電圧の極性は、交流化信号の極性ではなく、同一サブフレーム内の行選択信号の極性によって決定されている。
図6において、FRは1周期を1フレームとする信号、SUBは半周期を1サブフレームとする信号、AL2は第2のタイプの交流化信号、VR1は第1行目の行電極に与えられる駆動信号、VC1白、VC1黒、VC1赤はそれぞれ第1列目の列電極に与えられる駆動信号で、VC1白は第1列目の表示を白にする、すなわちサブフレームのR、G、B、すべてで液晶をONにして表示を白色にするための信号、VC1黒は第1列目の表示を黒にする、すなわちサブフレームのR、G、B、すべてで液晶をOFFにして表示を黒色にするための信号、VC1赤はサブフレームのRで液晶をON、サブフレームのG、Bで液晶をOFFにして赤色光のみ透過させて表示を赤色にするための信号である。
液晶に実際に印加される電圧は行電極に与えられる駆動信号電圧と列電極に与えられる駆動信号電圧との差であり、行電極に与えられる駆動信号に列電極に与えられる駆動信号が重畳されることになるから、図6に示したVR1−VC1赤が列電極にVC1赤を印加したときの第1行第1列目の液晶ドットに印加される実際の電圧となる。
図7は従来の駆動法を説明した図26に対応した図で、本発明においては、R,G,Bの各サブフィールドを各行一律に、書込期間、照明期間、リセット期間の3つの期間に分け、書込期間では各行の選択、表示データの書き込み、照明期間では各行へのデータ書き込みを停止して画面全体を一律に照明し、リセット期間では画面全体の液晶ドットをリセットして印加した電荷を緩和している。このタイミングは図26に示した、各行毎にリセットのタイミングが異なる従来のタイミングと大きく異なっている。
照明期間について詳述すると、図7の「照明」で示したように、Rサブフィールドの照明期間に赤色光源をONにして赤色光で照明し、Gサブフィールドの照明期間に緑色光源をONにして緑色光で照明し、Bサブフィールドの照明期間に青色光源をONにして青色光で照明している。
図8は拡大するためRとGのサブフィールドのみを示している。
各サブフィールドは書込期間、照明期間、リセット期間に分けられ、照明は照明期間にのみONとされる。すなわち、選択行1からM行までの書込期間中、R,G,B各光源は発光しない。
このM行までの書き込み期間が終わった時点で、情報の保持期間である照明期間の開始とともに各色(R,G,B)の発光が同期して行われる。この期間に後述するVLCDに列電極に印加するデータ電圧相当の電圧を重畳しても重畳しなくても効果は変わらないことは確認している。
VLCDは液晶に実際に印加される電圧を示しており、図6においては「VR1−VC1赤」に相当する。
VLCDは0Vを中心とする電圧であり、選択信号としては+−Sの電圧を中心とする選択電圧、書込期間及び照明期間の選択信号が印加される以外の期間は+−Bの電圧を中心とするバイアス電圧、リセット期間にはSとBの間の電圧値を中心とした電圧を持つ井戸信号、リセット期間の残りの期間は0Vを中心とする電圧を印加している。ここで図8の斜線部は列電極に印加される信号によって変動する部分で、列電極には書込期間には表示データが、それ以外の照明期間、リセット期間には駆動上の必要に応じて電圧が印加される。
本発明の特徴とするのは井戸信号26のパルス幅tWELLで、従来と異なり、この幅tWELLを選択信号22のパルス幅tSEの略2倍に設定している。このように設定したことにより書込期間、照明期間を通じて印加された電荷の緩和を行うことが出来、良好な液晶の応答が得られた。
なおこのように井戸信号のパルス幅を選択信号のパルス幅の略2倍に設定すると略16分割から略64分割までで良好な結果が得られた。また最も良い結果が得られたのは略32分割反強誘電性液晶パネルに対してであった。
また本発明の単純マトリクスカラー液晶表示装置の駆動方法は、前記反強誘電性液晶の駆動モードが強誘電−強誘電モードである時に特に効果を発揮する。
図9は、複数のM行電極と、複数のN列電極が形成された基板間に狭持された液晶物質と、独立した3原色光が順次発光する照明装置とを有する液晶表示装置の駆動法を示した図で、1フレーム期間は2フィールド期間より成り、1フィールド期間は少なくとも前記3原色の発光期間である3つのサブフィールド期間より成り、該各1つのサブフィールドは前記行電極を行電極選択信号により順次選択する書込期間と、前記照明装置が発光する発光期間と、リセット期間とからなっている。
ここでサブフィールドのサブフィールド周波数は150ヘルツから600ヘルツの間としている。画面のちらつきを避けるためには150ヘルツ以上が必要であり、反強誘電液晶としての特性を満足させるためには600ヘルツ以下とすることが必要であった。また最も良好な表示特性が得られたのは170ヘルツから200ヘルツの間であった。
一方R=2の場合のごとく第1フレームの選択パルスがマイナス極性の場合は、点灯、および非点灯の場合のデータ電圧の取り方は、I=1の場合と極性を逆に取る。
本願の特徴の一つであるバイアス電圧28印加開始はほぼ全行一律に、上述したごとくI=1の選択が開始されたときに同期してM行まで同時に印加される。このバイアス印加により、後続する発光時のパネルの位置による輝度むらが除去される。
なお、このバイアス電圧印加期間に列電極にデータ電圧と同様な電圧を印加して、該電圧をバイアス電圧に重畳しても重畳しなくても光学特性に影響を与えないことは確認された。
なお上記液晶物質は反強誘電性液晶であり、本実施例による駆動モードは図21で説明したように、強誘電−強誘電モードである。
本図の説明として第1選択行の第1フィールドのみ示してしているが、これは図の煩雑さを防ぐためで、図示したごとく、各選択行の各フレームについてことごとく前記工夫を施していることはいうまでもない。またこのことは以後の各図の説明についても同様である。
本願における第1実施例のリセット方法は2つのリセット区間から構成され、そのうちの前半は、DABROWSKIらが非特許文献7,8で述べた井戸信号(well pulse)に相当する波形のみをリセットの最初の区間に配設する場合で残りのリセット区間は0V印加としている。すなわちリセット期間には列電極に0Vを印加し、行電極に印加した電圧に列電極に印加した0Vが重畳される方式をとっている。
井戸信号26の幅は選択信号の幅の略2倍としている。
また井戸信号26の電圧は0ボルトから前記バイアス電圧Bの2倍の範囲としている。
さらに井戸信号26の電圧極性を前記行電極選択信号22と逆極性とした。
このように井戸信号設定したことにより書込期間、照明期間を通じて印加された電荷の緩和を行うことが出来、良好な液晶の応答が得られた。
従来のTN型単純マトリクス液晶の駆動法では、行電極選択信号及び本発明の駆動法におけるバイアス電圧に相当する部分が共に交流化信号によって極性が決定されていたのに対し、本発明においては行電極選択信号及び井戸信号の極性がが交流化信号によって決定され、バイアス電圧の極性は行電極選択信号の極性によって決定されている。
このようにバイアス信号の開始タイミングを定めたことにより全行を同時にリセットすることが可能となり、駆動回路の簡素化、すなわち安価化に顕著な効果を生じた。
またこのようにバイアス電圧の極性を定めたことにより、交流化信号の周波数を高くしてもバイアス電圧部の極性を変化させずに済み、液晶セルギャップが狭くかつ誘電率の高い反強誘電性液晶においても1行毎に行電極選択信号の極性を変えるような交流化信号を使うことが可能になり、いわゆるクロストークの減少に顕著な効果を生じさせることが出来た。
図10の左側に従来の駆動法による透過光強度の応答波形を、右側に本発明の駆動法による透過光強度の応答波形を示している。また従来の駆動法、本発明の駆動法共にRサブフィールドで液晶がONとなる信号を、G,Bフィールドで液晶がOFFとなる信号を印加している。
また、従来の駆動波形はF状態からAF状態への相転移を加速するためのリセット区間のみを配設したもので、井戸信号を有していない。
図10の「透過光強度」波形から明らかなように、従来の駆動法においては、各光のサブフィールド5.6mSに対して、リセット時間を1mSと約20%近く取っているにもかかわらずRの書き込みに対して液晶が立ち上がらない。これは「従来の駆動法」のRサブフィールドにおける「透過光強度」波形が示している。これを解釈すると、この期間にF(−F)状態を取っていないことを前提とすれば、リセットの効果の全くないことはうなずけるところである。
この現象は黒の状態として図24に示したAF状態を仮定すると説明がつかないもので、逆に本願の対象とする駆動法は、駆動周波数領域での新しい液晶状態に対する新しい駆動方法と呼称するに足るものと言える。
この場合、やはり印加された電荷を緩和するリセット時間を各サブフレームの20%近くとっても、従来の駆動法の場合、R書き込みのみの信号に対して十分緩和せずG,Bのフレームまでその影響を与えている。しかし本願の駆動波形を用いるとRサブフィールドのみに反応しG,Bの各サブフィールドに対しては黒レベルを保っており、高速フレーム周波数に対して、良好なシャッター性能を示すことがわかる。
本願の井戸パルスの振幅範囲としてはバイアス値の絶対値からその2倍までが同様の効果を維持し続けることからこの範囲が相当と判断される。
なお本実施例にて設定した各種数値は用いる液晶により異なることは自明であり、実施例の数値のみに縛られないことは明らかである。
第2の実施例が第1の実施例と異なるのはリセット期間での印加電圧で、リセット期間は前記井戸信号26が印加されている時間よりも長い時間を有し、該リセット期間に前記液晶物質に井戸信号26の印加に引き続き、0ボルトから前記バイアス電圧範囲内の、絶対値が同じで極性が異なる2値をとる矩形波60を印加している。
井戸信号に後続し、次のフィールドの選択信号が書き込まれる直前まで期間に、振幅の絶対値が4Vで半周期の時間幅が選択パルスの時間幅のそれと一致させてある矩形波を印加している。
また赤色の点灯書き込みの場合は、1行目のRサブフィールドを例にとると、列電極に印加するデータ電圧(VD=+−4V)、行電極に印加する選択電圧VS=15Vとし、画素には15−(−4)=19Vがかかるように、また非点灯書き込みの場合にはデータ電圧VD=+4V、選択電圧VS=15Vとし、画素には15−(4)=11Vが印加されるように設定したのは実施例1と同様である。
本願の特徴の一つであるバイアス電圧28印加開始はほぼ全行一律に、上述したごとくI=1の選択が開始されたときに同期してM行まで同時に印加される。このバイアス電圧印加により、後続する発光時のパネルの位置による輝度むらが除去される。
なお、このバイアス電圧印加期間に列電極にデータ電圧と同様な電圧を印加して、該電圧をバイアス電圧に重畳しても重畳しなくても光学特性に影響を与えないことも第1実施例と変わらない。
なお矩形波60の極性を単位サブフレーム内の前記行電極選択信号と同極性から開始させる方法もあり得るし、逆極性から開始させる方法もあり得る。
図13の左側に従来の駆動法による透過光強度の応答波形を、右側に本発明の駆動法による透過光強度の応答波形を示している。また従来の駆動法、本発明の駆動法共にRサブフィールドで液晶がONとなる信号を、G,Bフィールドで液晶がOFFとなる信号を印加している。
また、従来の駆動波形はF状態からAF状態への相転移を加速するためのリセット区間のみを配設したもので、井戸信号を有していない。
図13の「透過光強度」波形から明らかなように、従来の駆動法においては、Rの書き込みに対して立ち上がらないこと、各光のサブフィールド5.6mSに対して、リセット時間を1mSと約20%近く取っているにもかかわらずF(−F)状態を取っていないことを考慮すると、第1実施例同様、リセットの効果の全くないことはうなずけるところである。
この現象は黒の状態として図24に示したAF状態を仮定すると説明がつかないもので、逆に本願の対象とする駆動周波数領域での新しい液晶状態に対する新しい駆動方法と呼称するに足るものと言える。
この場合、やはり印加された電荷を緩和するリセット時間を各サブフレームの20%近くとっても、従来の駆動法の場合、R書き込みのみの信号に対して十分緩和せずG,Bのフレームまでその影響を与えている。しかし本願の駆動波形を用いるとRサブフィールドのみに反応しG,Bの各サブフィールドに対しては黒レベルを保っており、高速フレーム周波数に対して、良好なシャッター性能を示すことがわかる。
本願の井戸パルスの振幅範囲としてはバイアス値の絶対値からその2倍までが同様の効果を維持し続けることからこの範囲が相当と判断される。
なお本実施例にて設定した各種数値は用いる液晶により異なることは自明であり、実施例の数値のみに縛られないことは明らかである。
第3の実施例が第1の実施例と異なるのはリセット期間中の井戸信号で、該井戸信号に
列電極に印加された0ボルトから前記バイアス電圧範囲内の、絶対値が同じで極性が異なる2値をとる信号62を重畳している。
井戸信号に重畳される信号62の振幅の絶対値としては4V、時間幅は選択パルスの時間幅のそれと一致させた。
また赤色の点灯書き込みの場合は、1行目のRサブフィールドを例にとると、列電極に印加するデータ電圧(VD=+−4V)、行電極に印加する選択電圧VS=15Vとし、画素には15−(−4)=19Vがかかるように、また非点灯書き込みの場合にはデータ電圧VD=+4V、選択電圧VS=15Vとし、画素には15−(4)=11Vが印加されるように設定したのは実施例1と同様である。
本願の特徴の一つであるバイアス電圧28印加開始はほぼ全行一律に、上述したごとくI=1の選択が開始されたときに同期してM行まで同時に印加される。このバイアス電圧印加により、後続する発光時のパネルの位置による輝度むらが除去される。
なお、このバイアス電圧印加期間に列電極にデータ電圧と同様な電圧を印加して、該電圧をバイアス電圧に重畳しても重畳しなくても光学特性に影響を与えないことも第1実施例と変わらない。
図16の左側に従来の駆動法による透過光強度の応答波形を、右側に本発明の駆動法による透過光強度の応答波形を示している。また従来の駆動法、本発明の駆動法共にRサブフィールドで液晶がONとなる信号を、G,Bフィールドで液晶がOFFとなる信号を印加している。
また、従来の駆動波形はF状態からAF状態への相転移を加速するためのリセット区間のみを配設したもので、井戸信号を有していない。
図中、井戸信号に重畳する信号62の振幅は、Rの書込期間に同期して奇数選択桁に対しては−4Vを、一方G,Bの書込期間については奇数選択桁についてはV=4Vを印加している。
ところが本願において井戸パルスを配設した上、井戸信号を印加した残りのリセット区間に前記矩形波60を重畳した上で、R書き込みの信号を与えると、この信号に正しく反応することが図中から明らかになった。この現象は強誘電状態から反強誘電状態へ緩和させる効果ではなく、逆に反強誘電状態から強誘電状態への転移を補助する効果を第1実施例同様示している。
この現象は黒の状態として図24に示したAF状態を仮定すると説明がつかないもので、逆に本願の対象とする駆動周波数領域での新しい液晶状態に対する新しい駆動方法と呼称するに足るものと言える。
この場合、やはり印加された電荷を緩和するリセット時間を各サブフレームの20%近くとっても、従来の駆動法の場合、R書き込みのみの信号に対して十分緩和せずG,Bのフレームまでその影響を与えている。しかし本願の駆動波形を用いるとRサブフィールドのみに反応しG,Bの各サブフィールドに対しては黒レベルを保っており、高速フレーム周波数に対して、良好なシャッター性能を示すことがわかる。
本願の井戸パルスの振幅範囲としてはバイアス値の絶対値からその2倍までが同様の効果を維持し続けることからこの範囲が相当と判断される。
なお本実施例にて設定した各種数値は用いる液晶により異なることは自明であり、実施例の数値のみに縛られないことは明らかである。
第4の実施例が第1の実施例と異なるのはリセット期間での印加電圧で、リセット期間は前記井戸信号26が印加されている時間よりも長い時間を有し、該リセット期間に、井戸信号及び該井戸信号に引き続く時間の双方に、前記液晶物質に0ボルトから前記バイアス電圧範囲内の、絶対値が同じで極性が異なる2値をとり、かつ時間幅としては選択パルスのそれと同じように設定した矩形波64を印加している点である。
井戸信号に重畳される信号64の振幅の絶対値としては4V、時間幅は選択パルスの時間幅のそれと一致させた。
また赤色の点灯書き込みの場合は、1行目のRサブフィールドを例にとると、列電極に印加するデータ電圧(VD=+−4V)、行電極に印加する選択電圧VS=15Vとし、画素には15−(−4)=19Vがかかるように、また非点灯書き込みの場合にはデータ電圧VD=+4V、選択電圧VS=15Vとし、画素には15−(4)=11Vが印加されるように設定したのは実施例1と同様である。
同図中、2から32行目までのバイアス電圧28印加開始時点は1行目の選択開始時点、選択波形の印加は従来の線順次駆動と同様、発光(照明)期間開始は32行目の情報が書き終わった直後からリセット区間直前まで、リセット区間は、1行目から32行目まで同期させながら、同一時間(1mS)を設定することを示している。
なお、このバイアス電圧印加期間に列電極にデータ電圧と同様な電圧を印加して、該電圧をバイアス電圧に重畳しても重畳しなくても光学特性に影響を与えないことも第1実施例と変わらない。
なお矩形波64の極性を単位サブフレーム内の前記行電極選択信号と同極性から開始させる方法もあり得るし、逆極性から開始させる方法もあり得る。
図19の左側に従来の駆動法による透過光強度の応答波形を、右側に本発明の駆動法による透過光強度の応答波形を示している。また従来の駆動法、本発明の駆動法共にRサブフィールドで液晶がONとなる信号を、G,Bフィールドで液晶がOFFとなる信号を印加している。
また、従来の駆動波形はF状態からAF状態への相転移を加速するためのリセット区間のみを配設したもので、井戸信号を有していない。
図中、井戸信号に重畳する信号64の振幅は、Rの書込期間に同期して奇数選択桁に対しては−4Vを、一方G,Bの書込期間については奇数選択桁についてはV=4Vを印加している。
図16の「透過光強度」波形から明らかなように、従来の駆動法においてはRの書き込みに対して立ち上がらないこと、各光のサブフィールド5.6mSに対して、リセット時間を1mSと約20%近く取っているにもかかわらずF(−F)状態を取っていないことを考慮すると、第1実施例同様、リセットの効果の全くないことはうなずけるところである。
この現象は黒の状態として図24に示したAF状態を仮定すると説明がつかないもので、逆に本願の対象とする駆動周波数領域での新しい液晶状態に対する新しい駆動方法と呼称するに足るものと言える。
この場合、やはり印加された電荷を緩和するリセット時間を各サブフレームの20%近くとっても、従来の駆動法の場合、R書き込みのみの信号に対して十分緩和せずG,Bのフレームまでその影響を与えている。しかし本願の駆動波形を用いるとRサブフィールドのみに反応しG,Bの各サブフィールドに対しては黒レベルを保っており、高速フレーム周波数に対して、良好なシャッター性能を示すことがわかる。
本願の井戸パルスの振幅範囲としてはバイアス値の絶対値からその2倍までが同様の効果を維持し続けることからこの範囲が相当と判断される。
なお本実施例にて設定した各種数値は用いる液晶により異なることは自明であり、実施例の数値のみに縛られないことは明らかである。
C1,C2,C3,・・・,C64 複数のN列電極
431,432 基板
12 液晶物質
16,18 照明装置
24,26 井戸信号
+−B バイアス電圧
62,64 矩形波
AL1,AL2 交流化信号
Claims (13)
- 単純マトリクスカラー液晶表示装置の駆動方法において、該液晶表示装置は、複数のM行電極と、複数のN列電極が形成された基板間に狭持された反強誘電性液晶物質と、独立した3原色光が順次発光する照明装置とを有し、1フレーム期間は2フィールド期間より成り、1フィールド期間は少なくとも前記3原色の発光期間である3つのサブフィールド期間より成り、該各1つのサブフィールドは前記行電極を行電極選択信号により順次選択する書き込み期間と、前記照明装置が発光する発光期間と、リセット期間とからなり、該各サブフィールドはM=1行目の走査から開始され、前記反強誘電性液晶物質に、該リセット期間に前記行電極選択信号の時間幅の略2倍の時間幅を有する井戸信号を印加し、少なくとも前記発光期間には情報を保持するバイアス電圧を印加したことを特徴とする単純マトリクスカラー液晶表示装置の駆動方法。
- 前記リセット期間は、前記井戸信号が印加されている時間よりも長い時間を有し、該リセット期間に前記液晶物質に、前記井戸信号の印加に引き続き、0ボルトから前記バイアス電圧範囲内の、絶対値が同じで極性が異なる2値をとる矩形波を印加したことを特徴とする請求項1記載の単純マトリクスカラー液晶表示装置の駆動方法。
- 前記井戸信号の電圧は0ボルトから前記バイアス電圧の2倍の範囲であることを特徴とする請求項1記載の単純マトリクスカラー液晶表示装置の駆動方法。
- 前記井戸信号の極性は前記行電極選択信号と逆極性であることを特徴とする請求項1記載の単純マトリクスカラー液晶表示装置の駆動方法。
- 前記井戸信号には0ボルトから前記バイアス電圧範囲内の、絶対値が同じで極性が異なる2値をとる矩形波が重畳されていることを特徴とする請求項1もしくは2記載の単純マトリクスカラー液晶表示装置の駆動方法。
- 前記矩形波の極性は単位サブフレーム内の前記行電極選択信号と同極性から開始されることを特徴とする請求項5記載の単純マトリクスカラー液晶表示装置の駆動方法。
- 前記矩形波の極性は単位サブフレーム内の前記行電極選択信号と逆極性から開始されることを特徴とする請求項5記載の単純マトリクスカラー液晶表示装置の駆動方法。
- 2行目以降の前記バイアス信号の開始は、前記サブフィールドの開始に同期されていることを特徴とする請求項1記載の単純マトリクスカラー液晶表示装置の駆動方法。
- 2行目以降の前記行電極選択信号の前後で、前記バイアス信号が同極性であることを特徴とする請求項1記載の単純マトリクスカラー液晶表示装置の駆動方法。
- 前記行電極選択信号の極性は交流化信号の論理レベルによって決定され、該交流化信号の論理レベルは、前記行電極が選択されるタイミング毎に反転され、さらに前記フィールド毎に反転されていることを特徴とする請求項1記載の単純マトリクスカラー液晶表示装置の駆動方法。
- 前記サブフィールドのサブフィールド周波数は150ヘルツから600ヘルツの間であることを特徴とする請求項1記載の単純マトリクスカラー液晶表示装置の駆動方法。
- 前記反強誘電性液晶の駆動モードが強誘電−強誘電モードであることを特徴とする請求項1記載の単純マトリクスカラー液晶表示装置の駆動方法。
- 前記複数のM行電極の数は64以下であることを特徴とする請求項1記載の単純マトリクスカラー液晶表示装置の駆動方法。
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