次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る部品実装装置11を示す。この部品実装装置11は、図3に示す基板12に部品13を実装する装置である。
図3を参照して基板12について説明する。本実施形態では基板12は液晶ディスプレイ基板(LCD基板)である。ただし、基板12はプラズマディスプレイ基板(PDP基板)等のガラス基板や、ガラス基板以外の基板であってもよい。基板12は平面視で長方形状である。基板12の対向する一対の長辺のうちの一方に沿って延びる細長い領域は、部品13が実装される第1実装領域12aである。また、対向する一対の短辺のうちの一方に沿って延びる細長い領域も、部品13が実装される第2実装領域12bである。以下、基板12の第1実装領域12aの近傍の部位を第1被支持部位12cと称する。また、基板12の第2実装領域12bの近傍の部位を第2被支持部位12dと称する。さらに、基板12の第1及び第2被支持部位12c,12d以外の部位、換言すれば基板12の第1及び第2実装領域12a,12bから離れた中央付近を含む部位を第3被支持部位12eと呼ぶ。
図1及び図2を参照して、部品実装装置11の基本的な機能及び構成を概説する。部品実装装置11は、ACF貼付装置15、仮圧着装置16、第1本圧着装置17、及び第2本圧着装置18(実装作業装置)を備える。ACF貼付装置15は、基板12の第1及び第2実装領域12a,12bに異方性導電性テープ(ACFテープ)を貼り付ける。仮圧着装置16は、第1及び第2実装領域12a,12bに部品13を予め定められた圧着力で装着ないしは仮圧着する。第1本圧着装置17は、第1実装領域12aに仮圧着された部品13を仮圧着装置16よりも大きい圧着力で固定ないしは本圧着する。第2本圧着装置18は第2実装領域12bに仮圧着された部品13を仮圧着装置16よりも大きい圧着力で固定ないしは本圧着する。
ACF貼付装置15、仮圧着装置16、第1本圧着装置17、及び第2本圧着装置18は、基板12を保持する基板ステージ21A,21B,21C,21D、基板ステージ21A〜21Dを移動させるXYZθテーブル22A,22B,22C,22D、及び個々の装置の工程を実行する作業部23A,23B,23C,23Dを備える。また、仮圧着装置16、第1本圧着装置17、及び第2本圧着装置18は、基板搬送装置24A,24B,24Cを備える。さらに、仮圧着装置16、第1本圧着装置17、及び第2本圧着装置18は、反り矯正装置25A,25B,25Cを備える。XYZθテーブル22A〜22Dの構造は同一である。また、基板搬送措置24A〜24Cの構造も同一である。さらに、反り矯正装置25A〜25Cの構造も同一である。
ACF貼付装置15、仮圧着装置16、第1本圧着装置17、及び第2本圧着装置18は、1つの仮想の直線上(図においてX軸方向に延びる仮想の直線上)に配置されている。図2に示すローダ26によって部品実装装置11内に搬入された基板12は、この仮想の直線に沿った矢印Cで示す搬送方向(図において+X方向)に、ACF貼付装置15から仮圧着装置16、第1本圧着装置17、及び第2本圧着装置18へ順に搬送され、図2に示すアンローダ27によって部品実装装置11の外部に搬出される。
まず、ローダ26からACF貼付装置15の基板ステージ21Aに基板12が移載される。続いて、基板ステージ21Aは作業部23Aに移動する。基板12に対するACF貼付工程の完了後、基板ステージ21AはACF貼付装置15内の第1基板受渡位置P1に移動する。この第1基板受渡位置P1において、基板ステージAから基板搬送装置24Aに基板12が移載される。基板12は基板搬送装置24Aにより第1基板受渡位置P1から仮圧着装置16内の第2基板受渡位置P2に搬送される。
第2基板受渡位置P2において、基板搬送装置24Aから仮圧着装置16の基板ステージ21Bに基板12が移載される。続いて、基板ステージ21Bは作業部23Bに移動する。基板12に対する仮圧着工程の完了後、基板ステージ21Bは仮圧着装置16内の第3基板受渡位置P3に移動する。この第3基板受渡位置P3において、基板ステージ21Bから基板搬送装置24Bに基板12が移載される。基板12は基板搬送装置24Bにより第3基板受渡位置P3から第1本圧着装置17内の第4基板受渡位置P4に搬送される。
第4基板受渡位置P4において、基板搬送装置24Bから第1本圧着装置17の基板ステージ21Cに基板12が移載される。続いて、基板ステージ21Cは作業部23Cに移動する。基板12の第1実装領域12aに対する本圧着工程の完了後、基板ステージ21Cは第1本圧着装置17内の第5基板受渡位置P5に移動する。この第5基板受渡位置P5において、基板ステージ21Cから基板搬送装置24Cに基板12が移載される。基板12は基板搬送装置24Cにより第5基板受渡位置P5から第2本圧着装置18内の第6基板受渡位置P6に搬送される。
第6基板受渡位置P6において、基板搬送装置24Cから第2本圧着装置18の基板ステージ21Dに基板12が移載される。続いて、基板ステージ21Dは作業部23Dに移動する。基板12の第2実装領域12bに対する本圧着工程の完了後、基板ステージ21Dからアンローダ27に基板が移載される。
第2、第4、及び第6基板受渡位置P2,P4,P6における基板搬送装置24A〜24Cから基板ステージ21B〜21Dへの基板12の移載の際には、必要に応じて反り矯正装置25A〜25Cにより基板12の反りを矯正する工程が実行される。
図2に模式的に示すように、ACF貼付装置15と仮圧着装置16を制御するコントローラ28Aが設けられ、このコントローラ28Aにオペレータが指令の入力等を行うための操作盤29Aが接続されている。同様に、第1及び第2本圧着装置17,18は、共通のコントローラ28Bにより制御され、このコントローラ28Bに操作盤29Bが接続されている。ただし、ACF貼付装置15、仮圧着装置16、第1本圧着装置17、及び第2本圧着装置18にそれぞれコントローラと操作盤を設けてもよく。逆にこれらのすべてに単独のコントローラ及び操作盤を設けてもよい。
次に、ACF貼付装置15、仮圧着装置16、第1本圧着装置17、及び第2本圧着装置18を順に説明する。
図1、図2、及び図4から図7を参照して、ACF貼付装置15を説明する。図1、図2、及び図4に示すように、ACF貼付装置15は、基板ステージ21A、XYZθテーブル22A、及び作業部23Aを備える。
基板ステージ21Aには、ローダ26から供給された基板12が載置される。また、基板ステージ21Aは、載置された基板12Aの下面側を吸着保持する。図6A及び図6Bを参照すると、基板ステージ21Aは、平面視で長辺と短辺の長さの比が基板12と近似した長方形状であり、かつ長辺及び短辺の寸法がいずれも基板12よりも短い。基板ステージ21Aに載置された基板12の第1及び第2実装領域12a,12b(図3参照)は、平面視で基板ステージ21Aよりも外側に位置している。
基板ステージ21Aの上面全体に、複数の可撓性を有する吸着パッド31Aが配置されている。個々の吸着パッド31Aには高さ方向に貫通する貫通孔32が形成されている。貫通孔32の下端側は基板ステージ21Aの内部に形成された内部流路33Aを含む吸引流路34Aを介して真空源35Aに接続されている。また、吸引流路34Aには、バルブ36Aと真空圧センサ37Aが介設されている。バルブ36Aの開弁時には真空源35Aから吸引流路34Aを介して吸着パッド31Aに吸引力が作用し、この吸引力により基板12の下面側が基板ステージ21に吸着保持される。一方、バルブ36Aの閉弁時には吸引流路34Aは遮断され、吸着パッド31Aに真空源35Aの吸引力は作用しない。
基板ステージ21Aには、強度を低下させることなく軽量化を図るために、厚み方向に貫通する4個の円形孔38Aが設けられている。
XYZθテーブル22Aは、基板ステージ21Aの下面側と機械的に連結され、ACF貼付装置15内で基板ステージ21Aを直動及び回転させる。図7を参照すると、XYZθテーブル22Aは、基板ステージ21AをX軸方向(+X方向及び−X方向)に移動させるX軸駆動機構41、基板ステージ21AをY軸方向(+Y方向及び−Y方向)に移動させるY軸駆動機構42、基板ステージ21AをZ軸方向(+Z方向及び−Z方向)に移動させるZ軸駆動機構43、及び基板ステージ21AをY軸周りに回転させるθ軸駆動機構44を備える。
X軸駆動機構41は、X軸方向に延びる一対の直動レール45A,45Bと、これらの直動レール45A,45Bにより案内されてX軸方向に移動可能なスライダ46を備える。また、X軸駆動機構41は、スライダ46の図示しないナット部が螺合したX軸方向に延びるボールねじ47と、このボールねじ47を回転駆動するモータ48を備える。モータ48によりボールねじ47を移転させると、その回転方向に応じてスライダ46がX軸方向に移動する。X軸駆動機構41はY軸駆動機構42に搭載されている。
Y軸駆動機構42は、Y軸方向に延びる一対の直動レール51A,51Bと、これら直動レール51A,51Bにより案内されてY軸方向に移動可能なスライダ52を備える。また、Y軸駆動機構42は、スライダ52の図示しないナット部が螺合したY軸方向に延びるボールねじ53と、このボールねじ53を回転駆動するモータ54を備える。モータ54によりボールねじ53を移転させると、その回転方向に応じてスライダ52がY軸方向に移動する。スライダ52にX軸駆動機構41が搭載されている。
Z軸駆動機構43は、X軸駆動機構41のスライダ46に設けられたZ軸方向に延びる一対の直動レール55A,55Bと、これら直動レール55A,55Bにより案内されてZ軸方向に移動可能なスライダ56を備える。スライダ56にはθ軸駆動機構44を介して基板ステージ21Aが取り付けられている。モータ59の回転が、プーリ57A,57B、ベルト58、及び図示しない偏心カム機構を含む伝動機構を介して、直動運動としてスライダ56に伝達される。モータ59の回転方向に応じてスライダ56がZ軸方向に移動する。
θ軸駆動機構44は、Z軸駆動機構43のスライダ56に搭載されている。θ軸駆動機構44は、モータ61で回転駆動されるY軸方向に延びる回転軸62を備える。この回転軸61に基板ステージ21Aが固定されている。
作業部23Aは、基板12に対してACF貼付工程を実行するために必要な種々の機構を備える。図1を参照すると、作業部23Aは、基板12の第1及び第2実装領域12a,12bを下面側から支持するバックアップステージ63A、第1及び第2実装領域12a,12bの長さに応じた量のACFテープを送り出すACF供給部64、ACF供給部64から送り出されたACFテープを第1及び第2実装領域12a,12bに押圧して貼り付けるACF貼付ヘッド65、及び位置合わせのためのパネル規正装置66及びアンダーカメラ67Aを備える。
図5を参照すると、コントローラ28Aは、操作盤29Aから入力される指令と、真空圧センサ37A及び他のセンサ68(前述のアンダーカメラ67Aを含む)の検出値とに基づいて、ACF貼付装置15のXYZθテーブル22A、真空源35A、バルブ36A、及び作業部23Aの動作を制御する。
ACF貼付装置15の動作を説明する。ローダ26から基板ステージ21Aに基板12が載置されると、バルブ36Aが開弁し真空源35Aの吸引力が吸引流路34A及び吸着パッド31Aを介して基板12の下面側に作用する。この吸引力により基板12の下面側が基板ステージ21Aに保持される。基板12の下面に吸着パッド31Aが密着するのでエア漏れが生じず、基板12は基板ステージ21Aに対して確実に保持される。また、吸着パッド31Aから基板12の下面に強力な吸引力が作用することにより、基板12の反りが矯正される。真空圧センサ37の検出値により、十分な保持力で基板ステージ21Aに対して基板12が保持されているか検査される。
次に、XYZθテーブル22Aが基板12を保持した基板ステージ21Aを作業部23Aへ移動させる。作業部23Aは、基板12の第1及び第2実装領域12a,12bにそれぞれACFテープを貼り付ける。例えば、まず基板12の第1実装領域12aがバックアップステージ63Aに位置決めして載置され、ACF供給部64から送り出されたACFテープがACF貼付ヘッド65により第1実装領域12aに貼り付けられる。次に、XYZθテーブル22によって基板ステージ21が90度だけθ方向に回転され、第2実装領域12bがバックアップステージ63Aに位置決めして載置される。第2実装領域12bにも同様にしてACFテープが貼り付けられる。
第1及び第2実装領域12a,12bへのACFテープの貼付終了後、基板12を保持している基板ステージ21AをXYZθテーブル22Aが第1基板受渡位置P1に移動させる。この第1基板受渡位置P1において、基板ステージ21Aから基板搬送装置24Aに基板12が移載される。この基板12の移載については後に詳述する。基板12の移載後、XYZθテーブル22Aが基板ステージ21Aをローダ26との基板受渡位置に戻す。
次に、図1、図2、及び図8から図13を参照して、仮圧着装置16を説明する。図1、図2、及び図8に示すように、仮圧着装置16は、基板ステージ21B、XYZθテーブル22B、基板搬送装置24A、反り矯正装置25A(図1には図示しない)、及び作業部23Bを備える。
図10A及び図10Bを参照すると、基板ステージ21Bは基板ステージ21Aと同様に、平面視で基板12よりも小さい長方形状であり、基板ステージ21Bに載置された基板12の第1及び第2実装領域12a,12b(図3参照)は、平面視で基板ステージ21Bよりも外側に位置している。
図3を併せて参照すると、基板ステージ21Aは、基板12の第1及び第2被支持部位12c,12d、すなわち基板12の第1及び第2実装領域12a,12b近傍の部位の下面側が配置される剛体部71を備える。剛体部71は、平面視でL字状である。また、剛体部71は、基板12が載置された場合に実質的に変形しない程度の剛性を有する。基板ステージ21Aには、基板12の第3被支持部位12e、すなわち基板12の第1及び第2実装領域12a,12bから離れた中央側の部位と対向する凹部72が形成されている。
剛体部71に複数の吸着孔73Aが形成されている。一方、凹部72には可撓性を有し、かつ貫通孔が形成された複数の吸着パッド31Bが配置されている。また、凹部72の底部には、軽量化のために厚み方向に貫通する4個の円形孔38Bが設けられている。
吸着孔73Aは基板ステージ21Bの内部に形成された内部流路33Bを含む吸引流路34Bを介して真空源35Bに接続されている。この吸引流路34Bにはバルブ36Bと真空圧センサ37Bが介設されている。一方、吸着パッド31Bも基板ステージ21Bの内部に形成された内部流路33Cを含む別系統の吸引流路34Cを介して吸着孔73Aと共通の真空源35Bに接続されている。この吸引流路34Cにもバルブ36Cと真空圧センサ37Cが介設されている。
XYZθテーブル22Bの構造は、ACF貼付装置15のXYZθテーブル22Aと同一である(図7参照)。
次に、基板搬送装置24Aについて説明する。図11を参照すると、基板搬送装置24Aは台座75に下端側が固定された鉛直方向上向きに延びる一対の支持構造76A,76Bを備える。これらの支持構造76A,76BはY軸方向に対向している。各支持構造76A,76Bの上端側にはX軸方向に延びる梁構造77A,77BBが支持されている。梁構造77A,77Bには、それぞれ直動レール78A,78Bが固定されている。
直動レール78A,78Bは、第1基板受渡位置P1から第2基板受渡位置P2へ向かう方向、すなわち搬送方向Cに延びている。また、これら直動レール78A,78BはY軸方向、すなわち搬送方向Cと直交する方向に間隔G1をあけて互いに対向している。
基板搬送装置24Aは、それぞれ直動レール78A,78Bに沿って搬送方向Cに移動可能な基板保持スライダ79A,79Bを備える。各基板保持スライダ79A,79Bは、直動レール78A,78Bに移動可能に支持されたスライダ本体81A,81Bを備える。また、各基板保持スライダ79A,79Bは、スライダ本体81A,81Bの先端に基板載置アーム82A,82Bを備える。各基板載置アーム82A,82Bは、X軸方向(搬送方向C)に延びている。また、基板載置アーム82A,82Bは、Y軸方向(搬送方向Cと直交する方向)に間隔G2をあけて互いに対向している。この間隔G2は、基板載置アーム82A,82Bの間には基板ステージ21A,21Bを配置できるように、少なくとも基板ステージ21Aの短辺の長さLS(図6A,図10A参照)よりも大きく設定されている。
基板搬送装置24Aの基板載置アーム82A,82B間が間隔G2をあけて対向することにより、第1及び第2基板受渡位置P1,P2において、基板ステージ21A,21Bとの間で効率的で速やかな基板12の移載が可能である。詳細には、基板ステージ21A(図6A,図6B参照)が第1基板受渡位置P1に接近する際及び第1基板受渡位置P1から離れる際に、基板ステージ21Aは単に搬送方向C(X軸方向)に移動すればよく、基板載置アーム82A,82Bとの干渉を避けるために搬送方向Cと直交する必要がない。同様に、基板ステージ21B(図10A,図10B参照)が第2基板受渡位置P2に接近する際及び第1基板受渡位置P1から離れる際に、基板ステージ21Bは単に搬送方向C(X軸方向)に移動すればよく、基板載置アーム82A,82Bとの干渉を避けるために搬送方向Cと直交する必要がない。このように搬送方向Cへの移動のみで、基板ステージ21A,21Bが基板受渡位置P1,P2から出入りできるので、基板搬送装置24Aと、基板ステージ21A,21Bとの間で基板12の移載を効率的な行うことができる。また、基板ステージ21A,21Bは基板受渡位置P1,P2で基板12の受け渡しのためには、搬送方向Cと直交する方向に移動する必要がないので、ACF貼付装置15及び仮圧着装置16の搬送方向と直交する奥行方向(Y軸方向)の寸法を縮小できる。これによって部品実装装置11の小型化を図ることができる。部品実装装置11の奥行方向の寸法を小型化することで、部品実装装置11内での基板12の搬送時間を短縮し、メンテナンス性も向上できる。特に、大型の基板12であっても、基板の受渡を効率的に実行でき、かつ部品実装装置11の奥行方向の寸法を小型化できる。なお、残りの基板搬送装置24B,24Cについても同様の効果がある。
基板載置アーム82A,82Bには、それぞれ可撓性を有する複数の吸着パッド83が取り付けられている。これらの吸着パッド83は、吸引流路84を介して真空源85に接続されている。また、吸引流路34Dにはバルブ86が介設されている。このバルブ86Dの開弁時には、真空源85からの吸引力が吸着パッド83に作用する。
基板12のX軸方向に互いに対向する2辺のうち一方が基板載置アーム82Aに配置され、他方が基板駆動アーム82Bに載置される。吸着パッド83を介して作用する基板12の下面に作用する真空源85の吸引力により、基板12が基板載置アーム82A,82Bに解除可能に保持される。
基板搬送装置24は、基板保持スライダ79A,79Bを、X軸方向(搬送方向C)の相対位置を維持した状態で、第1基板受渡位置P1と第2基板受渡位置P2との間で往復移動させるX軸駆動機構87を備える。X軸駆動機構87は、支持構造76Aの下端側に取り付けられたモータ88を備える。また、駆動シャフト89の両端が支持構造76A,76Bにより回転自在に支持されている。モータ88と駆動シャフト89は、ベルト91及びプーリ92A,92Bにより連結されている。また、駆動シャフト89の支持構造76A,76Bの内側の部分にはそれぞれ駆動プーリ93が固定されている(図11では一方の支持構造76B側の駆動プーリ93のみが表れている)。さらに、各梁構造77A,77Bの内側には複数の従動プーリ94が取り付けられており、駆動プーリ93と従動プーリ94には駆動ベルト95が掛け渡されている(図11では一方の梁構造77B側の従動プーリ94及び駆動ベルト95のみが表れている。)。各駆動ベルト95には、それぞれ基板保持スライダ79A,79Bのスライダ本体81A,81Bの一部が固定されている。
モータ88の回転は、プーリ92A,92B、ベルト91、及び駆動プーリ93を介して駆動ベルト95に伝達され、モータ88の回転方向に応じて駆動ベルト95が矢印D1又は矢印D2で示す方向に移動する。駆動ベルト95が矢印D1の方向に移動すると、基板保持スライダ79A,79Bは+X方向に、すなわち第1基板受渡位置P1から第2基板受渡位置P2に向かって移動する。また、駆動ベルト95が矢印D2の方向に移動すると、基板保持スライダ79A,79Bは−X方向に、すなわち第2基板受渡位置P2から第1基板受渡位置P1に向かって移動する。
梁構造77Aの第1及び第2基板受渡位置P1,P2に対応する位置には、それぞれリミットスイッチ96A,96Bが配設されている。これらのリミットスイッチ96A,96Bが基板保持スライダ79A側のスイッチ操作片97により操作されることにより、基板保持スライダ79A,79Bが第1及び第2基板受渡位置P1,P2に到達したことが検出される。
次に、反り矯正装置25Aを説明する。図8及び図12を参照すると、第2基板受渡位置P2では、基板搬送装置24Aの上方にY軸方向に延びる支持梁101が配設されている。また、この支持梁101に基端側が連結された支持アーム102の先端にエアシリンダ103が取り付けられている。エアシリンダ103は、そのロッド103aが鉛直方向下向きとなる姿勢で支持アーム102に取り付けられている。ロッド103aの下端に固定されたブラケット104には、弾性ないしは可撓性を有する3個の緩衝パッド105が取り付けられている。
エアシリンダ103を駆動するためのエア源106は、バルブ107を介してエアシリンダ103に接続されている。バルブ107を閉弁してエア源106からエアシリング103を遮断した状態では、エアシリンダ103のロッド103aは図12において実線で示す上昇位置HP1にある。この上昇位置HP1では緩衝パッド105は基板搬送装置24Aや基板ステージ21Bに対して間隔を隔てて対向し、基板12と接触しない。一方、バルブ107が開弁してエア源106をエアシリンダ103に連通させると、エアシリンダ103のロッド103aは図12において破線で示す降下位置HP2に移動する。後に詳述するように、この降下位置HP2では緩衝パッド105が基板ステージ21Bに保持された基板12の上面に当接し、基板12を基板ステージ21Bへ向けて押圧する。
反り矯正装置25Aを使用しない場合には、矢印Eで示すように支持アーム102を回動させてエアシリンダ103を第2基板受渡位置P2から待避させることができる。詳細には、支持アーム102は支持梁101側のボルト108回りに回動可能であり、ナット109の締め付けにより図8及び図12に示す姿勢を維持している。ナット109を緩め、かつ回り止め110を押し下げて止め孔111から抜けば、支持アーム102をボルト回りに回動できる。符号112A,112Bは支持アーム102の回動範囲を制限する規正部材である。
後に詳述するように、基板受渡位置P2における基板12の移載時に、基板ステージ21Bによる基板12の保持力が十分でない場合、エアシリンダ103のロッド103aが降下位置HP2に降下し、緩衝パッド105が基板12を基板ステージ21Bに押圧する。そのため、反りの低減された適切な平面度を有する状態で、基板ステージ21Bに基板12を移載でき、基板12の反りに起因する受渡時の基板12の位置ずれを防止できる。その結果、作業部23Bにおける基板12に対する仮圧着工程の精度を向上できる。さらに、基板12の反りを矯正することにより、基板ステージ21Bが基板12を吸着保持する保持する保持力が速やかに上昇するので、基板の受渡に要する時間を短縮し、タクト向上を図ることができる。なお、他の反り矯正装置25B,25Cも同様の効果がある。
作業部23Bは、基板12に対して仮圧着工程を実行するために必要な種々の機構を備える。図1を参照すると、作業部23Bは、基板12の第1及び第2実装領域12a,12bを下面側から支持するバックアップステージ63Bを備える。また、作業部23Bは、テープ式の部品供給装置115を備える。部品反転装置116により部品供給装置115から部品13(図3参照)が取り出され、取り出された部品13はX軸方向及びY軸方向に移動する部品移載装置117に移される。部品移載装置117から回転ステージを備える別の部品移載装置118に移され、仮圧着ヘッド119が部品移載装置118から部品13をピックアップする。さらに、作業部23Bは部品13及び基板12を認識するためのアンダーカメラ67Bを備える。
図9を参照すると、コントローラ28Aは、操作盤29Aから入力される指令と、真空圧センサ37B,37C、及び他のセンサ120(リミットスイッチ96A,96Bとアンダーカメラ67Aを含む)の検出値とに基づいて、仮圧着装置16のXYZθテーブル22B、真空源35、バルブ36,作業部23B、基板搬送装置24A、及び反り矯正装置25Aの動作を制御する。
仮圧着装置16の動作を説明する。まず、第2基板受渡位置P2において、基板搬送装置24Aの基板保持スライダ79A,79Bから基板ステージ21Bに基板12が載置される。この際、必要に応じて反り矯正装置25Aにより基板12の反りが矯正される。この基板12の受渡については後に詳述する。
基板ステージ21Bに基板12を保持している状態では、バルブ36B,36Cの両方が開弁している。第1及び第2実装領域12a,12bの近傍の第1及び第2被支持部位12c,12dでは基板12の下面側は剛体部71に載置される。また、真空源35Bの吸引力が吸引流路34B及び吸着孔73Aを介し第1及び第2被支持部位12c,12dに作用し、この吸引力によって基板12の第1及び第2被支持部位12c,12dの下面側が剛体部71に吸着保持される。剛性を有する剛体部71により第1及び第2被支持部位12c,12dが支持されるので、実装領域12a,12bは反りが矯正された高い平面度を有する状態で保持される。一方、第1及び第2実装領域12a,12bから離れた第3被支持部位12eは、基板ステージ21Bの凹部72に設けられた吸着パッド31Bに載置される。真空源35Bの吸引力が吸引流路34C及び吸着パッド31Bを介して基板12の第3被支持部位12eの下面側に作用する。吸着パッド31Bは基板12の下面に密着するので漏れが生じず、吸着パッド31Bから作用する吸引力で基板が確実に保持される。また、吸着パッド31Bから基板12の下面に強力な吸引力が作用することにより、実装領域12a,12b近傍である基板12の第1及び第2被支持部位12c,12dが基板ステージ21Bの剛体部71に強く押し付けられるので、実装領域12a,12bの平面度が高まる。
次に、XYZθテーブル22Bが基板12を保持した基板ステージ21Bを作業部23Bへ移動させる。作業部23Bでは仮圧着ヘッド119が基板12の第1及び第2実装領域12a,12bにそれぞれ部品13を仮圧着する。例えば、まず基板12の第1実装領域12aがバックアップステージ63B上に位置決めして載置され、アンダーカメラ67Bの認識結果に基づいて仮圧着ヘッド119により所定位置に部品13が仮圧着される。次に、XYZθテーブル22Bによって基板ステージ21が90度だけθ方向に回転され、第2実装領域12bが2バックアップステージ63B上に位置決めして載置される。第2実装領域12bにも同様にして部品13が仮圧着される。
前述のように第1及び第2実装領域12a,12bの近傍である基板12の第1及び第2被支持部位12dの下面側は剛性を有する剛体部71によって確実に支持されており、高い平面度を有する。従って、作業部23Bにおいて部品を仮圧着する際に、第1及び第2実装領域12a,12bが変位することがなく、高い位置精度で部品を仮圧着できる。一方、第1及び第2実装領域12a,12bから離れている第3被支持部位12eは、第1及び第2被支持部位と比較すれば、作業部23Bにおける仮圧着を考慮して高い平面度とする必要性は低い。本実施形態では、この第3被支持部位12eを剛体ではなく吸着パッド31Bで確実に保持している。このように、第1及び第2実装領域12a,12b近傍を剛体部71に吸着保持し、第1及び第2実装領域12a,12bから離れた部位を吸着パッド31Bで吸着保持することにより、平面度を高めることによる作業部23Bにおける仮圧着工程の作業精度向上と、基板ステージ21Bに対する基板12の強固な保持との両方を達成できる。また、基板受渡位置P2における基板12の移載時に基板ステージ21Bによる基板12の保持が十分でない場合には、反り矯正装置25Aによって基板12を基板ステージ21Bに押し付ける。従って、基板12は確実に第1及び第2実装領域12a,12bが高い平面度を有し、かつ反りに起因する位置ずれのない状態で基板ステージ21Bに保持されている。これによっても仮圧着工程の作業精度を向上できる。
第1及び第2実装領域12a,12bへの部品の仮圧着後、XYZθテーブル22Bが基板12を保持した基板ステージ21Bを第3基板受渡位置P3に移動させる。この第3基板受渡位置P3において、基板ステージ21Bから基板搬送装置24Bに基板12が移載される。基板12の移載については後に詳述する。基板12の移載後、XYZθテーブル22Bが基板ステージ21Bを第2基板受渡位置P2に戻す。
次に、図1、図2、図8、図9、図13A、及び図13Bを参照して、第1本圧着装置17を説明する。図1、図2、及び図8に示すように、第1本圧着装置17は、基板ステージ21C、XYZθテーブル22C、基板搬送装置24B、反り矯正装置25B(図1には図示しない)、及び作業部23Cを備える。
図13A及び図13Bを参照すると、基板ステージ21Cは基板ステージ21A,21Bと同様に、平面視で基板12よりも小さい長方形状であり、基板ステージ21Cに載置された基板12の第1及び第2実装領域12a,12bは、平面視で基板ステージ21Cよりも外側に位置している。
図3を併せて参照すると、基板ステージ21Cは、基板12の第1被支持部位12c、すなわち基板12の第1実装領域12a近傍の部位の下面側が配置される、平面視で真直な帯状の剛体部71を備える。この剛体部71は基板12が載置された場合に実質的に変形しない程度の剛性を有する。また、基板ステージ21Cには、基板12の第1被支持部位12c以外の部位、すなわち第2実装領域12bの近傍の第2被支持部位12d及び第3被支持部位12eと対向する凹部72が形成されている。凹部72の平面視で剛体部71と対向する位置には基板ステージ21Cの長辺よりも十分に短い支持部125Aが形成されている。
剛体部71に複数の吸着孔73Bが形成されている。一方、凹部72には可撓性を有し、かつ貫通孔が形成された複数の吸着パッド31Cが配置されている。また、凹部72Aの底部には、軽量化のために厚み方向に貫通する4個の円形孔38Cが設けられている。
吸着孔73Bは基板ステージ21Cの内部に形成された内部流路33Dを含む吸引流路34Dを介して真空源35Cに接続されている。この吸引流路34Dにはバルブ36Dと真空圧センサ37Dが介設されている。一方、吸着パッド31Cも基板ステージ21Cの内部に形成された内部流路33Eを含む別系統の吸引流路34Eを介して吸着孔73Bと共通の真空源35Cに接続されている。この吸引流路34Cにもバルブ36Eと真空圧センサ37Eが介設されている。
第1本圧着装置17のXYZθテーブル22Cの構造は、ACF貼付装置15及び仮圧着装置16のXYZθテーブル22A,22Bと同一である(図7参照)。また、第1本圧着装置17の基板搬送装置24Bの構造は、仮圧着装置16の基板搬送装置24Aと同一である(図11参照)。さらに、第1本圧着装置17の反り矯正装置25Bの構造は、仮圧着装置16の反り矯正装置25Aと同一である(図12参照)。
作業部23Cは、基板12の第1実装領域12aに対して本圧着工程を実行するために必要な種々の機構を備える。図1を参照すると、作業部23Cは、基板12の第1実装領域12aを下面側から支持するバックアップステージ63Cを備える。さらに、作業部23Cは、第1実装領域12aに仮圧着された複数の部品13に対して仮圧着ヘッド119よりも大きい圧着力を同時に加えて固定するために、複数個の本圧着ヘッド126を備える。
コントローラ28Bは、操作盤29Bから入力される指令と、真空圧センサ37D,37E、及び他のセンサ120の検出値とに基づいて、第1本圧着装置17のXYZθテーブル22C、真空源C、バルブ36D,36E、作業部23C、基板搬送装置24B、及び反り矯正装置25Bの動作を制御する(図9参照)。
第1本圧着装置17の動作を説明する。まず、第4基板受渡位置P4において、基板搬送装置24Bの基板保持スライダ79A,79Bから基板ステージ21Cに基板12が載置される。この際、必要に応じて反り矯正装置25Bにより基板12の反りが矯正される。この基板12の受渡については後に詳述する。
基板ステージ21Cに基板12を保持している状態では、バルブ36D,36Eの両方が開弁している。第1実装領域12aの近傍の第1被支持部位12cでは基板12の下面側は剛体部71に載置される。また、真空源35Cの吸引力が吸引流路34D及び吸着孔73Bを介し第1被支持部位12cに作用し、この吸引力によって基板12の第1被支持部位12cの下面側が剛体部71に吸着保持される。剛性を有する剛体部71により第1被支持部位12cが支持されるので、第1実装領域12aは反りが矯正された高い平面度を有する状態で保持される。一方、第1実装領域12aから離れた第2及び第3被支持部位12d,12eは、基板ステージ21の凹部72に設けられた吸着パッド31Cに載置される。真空源35Cの吸引力が吸引流路34E及び吸着パッド31Cを介して基板12の第2及び第3被支持部位12d,12eの下面側に作用する。吸着パッド31Cは基板12の下面に密着するので漏れが生じず、吸着パッド31Cから作用する吸引力で基板が確実に保持される。また、吸着パッド31Eから基板12の下面に強力な吸引力が作用することにより、第1実装領域12a近傍である基板12の第1被支持部位12cが基板ステージ21Cの剛体部71に強く押し付けられるので、第1実装領域12aの平面度が高まる。
次に、XYZθテーブル22Cが基板12を保持した基板ステージ21Cを作業部23Cへ移動させ、第1実装領域12aを作業部23Cに対して位置決めする。作業部23Cでは本圧着ヘッド126が基板12の第1実装領域12aに部品13を本圧着する。
前述のように第1実装領域12aの近傍である基板12の第1被支持部位12cの下面側は剛性を有する剛体部71によって確実に支持されており、高い平面度を有する。従って、作業部23Cにおいて部品13を本圧着する際に、第1実装領域12aが変位することによる部品13のずれ等を生じず、高精度で部品13を第1実装領域12aに本圧着できる。一方、第1実装領域12aから離れている第2及び第3被支持部位12d,12eは剛体ではなく吸着パッド31Cで確実に保持している。このように、第1実装領域12a近傍を剛体部71に吸着保持し、第1実装領域12aから離れた部位を吸着パッド31Eで吸着保持することにより、平面度を高めることによる作業部23Cにおける第1実装領域12aに対する本圧着工程の作業精度向上と、基板ステージ21Cに対する基板12の強固な保持との両方を達成できる。また、基板受渡位置P4における基板12の移載時に基板ステージ21Cによる基板12の保持が十分でない場合には、反り矯正装置25Bによって基板12を基板ステージ21Bに押し付けられる。従って、基板12は確実に第1実装領域12aが高い平面度を有し、かつ反りに起因する位置ずれのない状態で基板ステージ21Cに保持されている。これによっても本圧着工程の作業精度を向上できる。
第1実装領域12aへの部品13の本圧着後、XYZθテーブル22Cが基板12を保持した基板ステージ21Cを第5基板受渡位置P5に移動させる。この第5基板受渡位置P5において、基板ステージ21Cから基板搬送装置24Cに基板12が移載される。基板12の移載については後に詳述する。基板12の移載後、XYZθテーブル22Cが基板ステージ21Cを第4基板受渡位置P4に戻す。
次に、図1、図2、図8、図9、図14A、及び図14Bを参照して、第2本圧着装置18を説明する。図1、図2、及び図8に示すように、第2本圧着装置18は、基板ステージ21D、XYZθテーブル22D、基板搬送装置24C、反り矯正装置25C(図1には図示しない)、及び作業部23Dを備える。
図14A及び図14Bを参照すると、第2本圧着装置18の基板ステージ21Dは基板ステージ21A,21B,21Cと同様に、平面視で基板12よりも小さい長方形状であり、基板ステージ21Cに載置された基板12の第1及び第2実装領域12a,12bは、平面視で基板ステージ21Cよりも外側に位置している。
図3を併せて参照すると、基板ステージ21Dは、基板12の第2被支持部位12d、すなわち基板12の第2実装領域12b近傍の部位の下面側が配置される、平面視で真直な帯状の剛体部71を備える。この剛体部71は基板12が載置された場合に実質的に変形しない程度の剛性を有する。基板ステージ21Dには、基板12の第2被支持部位12d以外の部位、すなわち第1実装領域12aの近傍の第1被支持部位12c及び第3被支持部位12eと対向する凹部72が形成されている。凹部72の平面視で剛体部71と対向する位置には基板ステージ21Cの短辺よりも十分に短い支持部125Bが形成されている。
剛体部71に複数の吸着孔73Cが形成されている。一方、凹部72には可撓性を有し、かつ貫通孔が形成された複数の吸着パッド31Dが配置されている。また、凹部72の底部には、軽量化のために厚み方向に貫通する4個の円形孔38Dが設けられている。
吸着孔73Cは基板ステージ21Dの内部に形成された内部流路33Fを含む吸引流路34Fを介して真空源35Dに接続されている。この吸引流路34Fにはバルブ36Fと真空圧センサ37Fが介設されている。一方、吸着パッド31Gも基板ステージ21Dの内部に形成された内部流路33Gを含む別系統の吸引流路34Gを介して吸着孔73Cと共通の真空源35Dに接続されている。この吸引流路34Gにもバルブ36Gと真空圧センサ37Gが介設されている。
第2本圧着装置18のXYZθテーブル22Dの構造は、ACF貼付装置15、仮圧着装置16、及び第1本圧着装置17のXYZθテーブル22A〜22Cと同一である(図7参照)。また、第1本圧着装置17の基板搬送装置24Cの構造は、仮圧着装置16及び第1本圧着装置17の基板搬送装置24A,24Bと同一である(図11参照)。さらに、第2本圧着装置18の反り矯正装置25Cの構造は、仮圧着装置16及び第1本圧着装置17の反り矯正装置25A,25Bと同一である(図12参照)。
作業部23Dは、基板12の第2実装領域12bに対して本圧着工程を実行するために必要な種々の機構を備える。図1を参照すると、作業部23Dは、基板12の第2実装領域12bを下面側から支持するバックアップステージ63Dを備える。さらに、作業部23Dは、第2実装領域12bに仮圧着された複数の部品13に対して仮圧着ヘッド119よりも大きい圧着力を同時に加えて固定するために、複数個の本圧着ヘッド127を備える。
コントローラ28Bは、操作盤29Bから入力される指令と、真空圧センサ37F,37G、及び他のセンサ120の検出値とに基づいて、第2本圧着装置18のXYZθテーブル22D、真空源D、バルブ36F,36G、作業部23D、基板搬送装置24C、及び反り矯正装置25Cの動作を制御する(図9参照)。
第2本圧着装置18の動作を説明する。まず、第6基板受渡位置P6において、基板搬送装置24Cの基板保持スライダ79A,79Bから基板ステージ21Dに基板12が載置される。この際、必要に応じて反り矯正装置25Cにより基板12の反りが矯正される。この基板12の受渡については後に詳述する。
基板ステージ21Dに基板12を保持している状態では、バルブ36F,36Gの両方が開弁している。第2実装領域12bの近傍の第2被支持部位12dでは基板12の下面側は剛体部71に載置される。また、真空源35Dの吸引力が吸引流路34F及び吸着孔73Cを介し第2被支持部位12dに作用し、この吸引力によって基板12の第2被支持部位12dの下面側が剛性を有する剛体部71に吸着保持される。剛性を有する剛体部71により第2被支持部位12dが支持されるので、第2実装領域12bは反りが矯正された高い平面度を有する状態で保持される。一方、第2実装領域12bから離れた第1及び第3被支持部位12c,12eは、基板ステージ21の凹部72に設けられた吸着パッド31Gに載置される。真空源35Dの吸引力が吸引流路34G及び吸着パッド31Dを介して基板12の第1及び第3被支持部位12c,12eの下面側に作用する。吸着パッド31Dは基板12の下面に密着するので漏れが生じず、吸着パッド31Dから作用する吸引力で基板が確実に保持される。また、吸着パッド31Dから基板12の下面に強力な吸引力が作用することにより、第2実装領域12b近傍である基板12の第2被支持部位12dが基板ステージ21Dの剛体部71に強く押し付けられるので、第2実装領域12bの平面度が高まる。
次に、XYZθテーブル22Dが基板12を保持した基板ステージ21Dを作業部23Dへ移動させ、第2実装領域12bを作業部23Dに対して位置決めする。作業部23Dでは本圧着ヘッド127が基板12の第2実装領域12bに部品13を本圧着する。
前述のように第2実装領域12bの近傍である基板12の第2被支持部位12dの下面側は剛性を有する剛体部71によって確実に支持されており、高い平面度を有する。従って、作業部23Dにおいて部品13を本圧着する際に、第2実装領域12bが変位することによる部品13の位置のずれ等を生じず、高精度で部品13を第1実装領域12aに本圧着できる。一方、第2実装領域12bから離れている第1及び第3被支持部位12c,12eは剛体ではなく吸着パッド31Dで確実に保持することにより、基板12の反りを矯正して平面度を高めている。このように、第2実装領域12b近傍を剛体部71に吸着保持し、第2実装領域12bから離れた部位を吸着パッド31Eで吸着保持することにより、平面度を高めることによる作業部23Dにおける第2実装領域12bに対する本圧着工程の作業精度向上と、基板ステージ21Dに対する基板12の強固な保持との両方を達成できる。また、基板受渡位置P6における基板12の移載時に基板ステージ21Dによる基板12の保持が十分でない場合には、反り矯正装置25Cによって基板12を基板ステージ21Dに押し付ける。従って、基板12は確実に第2実装領域12bが高い平面度を有し、かつ反りに起因する位置ずれのない状態で基板ステージ21Dに保持されている。これによっても本圧着工程の作業精度を向上できる。
第2実装領域12bへの部品13の本圧着後、XYZθテーブル22Dが基板12を保持した基板ステージ21Dをアンローダ27との基板受渡位置に移動する。基板12は基板ステージ21Dからアンローダ27に載置され、部品実装装置11の外部に搬出される。基板12の移載後、XYZθテーブル22Dが基板ステージ21Dを第6基板受渡位置P6に戻す。
次に、基板搬送装置24A〜24Cと、基板ステージ21A〜21Dとの間での基板12の移載について説明する。図15を参照すると、仮圧着装置16の基板ステージ21Bには基板受渡位置P2において基板搬送装置24Aから基板12が移載される。また、基板ステージ21Bに保持された基板12は基板受渡位置P3において基板搬送装置24Bに移載される。第4及び第6基板受渡位置P4,P6における基板搬送装置21B,21Cから第1及び第2本圧着装置17,18の基板ステージ21C,21Dへの基板12の移載の手順は基板受渡位置P2と同じである。また、第1及び第5基板受渡位置P1,P5におけるACF貼付装置15及び第1本圧着装置17の基板ステージ21A,21Cから基板搬送装置24A,24Cへの基板12の移載の手順も基板受渡位置P3と同じである。従って、第2及び第3基板受渡位置P2,P3における基板12の移載の手順を以下に説明する。
まず、第2基板受渡位置P2における基板搬送装置24Aから仮圧着装置16の基板ステージ21Bへの基板12の移載を説明する。以下の説明では、図16のフローチャートと図17Aから図17Hの模式図を主として参照する。また、図17Aから図17Hに図示されていない要素については、図3及び図7から図12を参照する。
図17Aに示すように、基板12を保持している基板搬送装置24Aの基板保持スライダ79A,79Bは第2基板受渡位置P2まで移動している。バルブ86は開弁しており、真空源85から吸着パッド83に作用する吸引力により基板保持スライダ79A,79Bの基板載置アーム82A,82B上に基板12が保持されている。一方、基板ステージ21Bは、その上面が基板保持スライダ79A,79Bに保持された基板12の下面よりも下方の高さ位置HS1に位置している。また、バルブ86は開弁している。
図16のステップS16−1において、基板ステージ21Bが第2基板受渡位置P2に向かって−X方向に移動する。図17Bに示すように、基板ステージ21Bは基板保持スライダ79A,79Bの間隔G2に移動する。その結果、基板ステージ21Bは基板保持スライダ79A,79Bで保持された基板12の下方に位置する。
基板ステージ21Bは、搬送方向Cに沿って−X方向に移動するだけで基板保持スライダ79A,79Bの間隔G2に接近ないしは移動することができる。換言すれば、基板ステージ21Bは、基板保持スライダ79A,79Bとの干渉を避けるために搬送方向Cと直交する方向(Y軸方向)に移動する必要がない。これによって第2基板受渡位置P2における基板12の移載を効率的に行うことができる。また、基板12の受け渡しのために基板ステージ21Bは搬送方向Cと直交する方向に移動する必要がないので、搬送方向Cと直交する方向の仮圧着装置16の寸法を縮小できる。
次に、ステップS16−2において、基板ステージ21Bが上昇する。図17B及び図17Cに示すように、基板ステージ21Bはその上面が基板保持スライダ79A,79Bに保持された基板12の下面に当接する高さ位置HS2まで上昇する。
基板ステージ21Bの上面が基板12の下面に当接した後、ステップS16−3において基板ステージ21Bの吸着パッド31Bと真空源35Bの間に介設されたバルブ36Cを開弁する。その結果、吸着パッド31Bを介して作用する真空源35Bの吸引力により、基板12の第3被支持部位12e(第1及び第2実装領域12a,12bから離れた部位)が基板ステージ21Bに吸着保持される。吸着パッド31Bは基板12の下面に密着するので、基板12の第3被支持部位12eの下面側は基板ステージ21Bに確実に保持される。また、第1及び第2被支持部位12c,12dが剛体部17に強く押し付けられることにより反りが矯正される。
次に、ステップS16−4において、真空源35Bと吸着パッド31Bの間に介設された真空圧センサ37Cの検出値を予め定められた閾値と比較する。真空圧センサ37Cの検出値が閾値以上である場合、すなわち吸着パッド31Bによる基板12の保持力が十分であれば、ステップS16−5に移行する。
ステップS16−5では、基板ステージ21Bの剛体部71に設けられた吸着孔73Aと真空源35Bの間に介設されたバルブ36Bを開弁する。その結果、吸着孔73Aを介して作用する真空源35Bの吸引力により、基板12の第1及び第2被支持部位12c,12d(第1及び第2実装領域12a,12b近傍)が基板ステージ21Bに吸着保持される。基板12の第1及び第2被支持部位12c,12dの下面側は剛体部により確実に支持されるので、第1及び第2実装領域12a,12bは反りが矯正され高い平面度を有する状態で保持される。
前述のステップS16−4において吸着パッド31Bによる吸着を開始した後、ステップS16−5において剛体部71の吸着孔73Aによる吸着を開始することで、より好適に基板12を基板ステージ21Bに保持することができる。詳細には、エア漏れの生じにくい吸着パッド31Bにより基板12を強く吸着すると、第1及び第2実装領域12a,12b近傍の第1及び第2被支持部位12c,12dが剛体部71の上面に押し付けられる。この状態で吸着孔73Aによる吸着を開始すれば、吸着孔73Aにおけるエア漏れを防止し、第1及び第2被支持部位12c,12dの下面側を剛体部71に確実に保持できる。
ステップS16−7において、真空源35Bと吸着孔73Bの間に介設された真空圧センサ37Bの検出値を予め定められた閾値と比較する。真空圧センサ37Bの検出値が閾値以上である場合、すなわち剛体部71の吸着孔71による基板12の保持力が十分であれば、ステップS16−8に以降する。
ステップS16−8において、バルブ86を閉弁する。その結果、基板搬送装置24Aの基板保持スライダ79A,79Bによる基板12の保持が解除される。ステップS16−3,S16−5,S16−8におけるバルブ36B,36C,86の操作により、基板搬送装置24Aの基板保持スライダ79A,79Bに基板12が保持されている状態から、基板ステージ21Bにより基板12が保持されている状態に切り替わる。
ステップS16−4において真空圧センサ37Cの検出値が閾値未満の場合、すなわち吸着パッド31Bによる基板12の保持力が不足している場合、ステップS16−6において反り矯正装置25Aによる12の反り矯正工程を実行する。同様に、ステップS16−7において真空圧センサ37Bの検出値が閾値未満の場合、すなわち剛体部71の吸着孔73Aによる基板12の保持力が不足している場合、ステップS16−9において反り矯正工程を実行する。
ステップS16−6,S16−9の反り矯正工程では、まず図17C及び図17Dに示すように、反り矯正装置25Aのエアシリンダ103のロッド103aが上昇位置HP1から降下位置HP2まで降下する。降下位置HP2では、緩衝パッド105が基板12の上面に当接し、基板12を基板ステージ21Bの上面に対して下向きに押圧する。その結果、基板12は反りが低減された適切な平面度を有する状態で基板ステージ21Bに保持される。予め定められた時間だけ緩衝パッド105で基板12を押圧した後、図17Eに示すように、エアシリンダ103のロッド103aは降下位置HP2から上昇位置HP1に戻る。反り矯正工程を実行することにより、基板12の反りに起因する受渡時の基板12の位置ずれを防止できる。その結果、作業部23Bにおける基板12に対する仮圧着工程の精度を向上できる。さらに、基板12の反りを矯正することにより、漏れが低減されるので、吸着パッド31Bや吸着孔73Aが基板ステージ21Bに基板12を吸着保持する保持力が速やかに上昇する。これによって基板12の受渡に要する時間を短縮し、タクト向上を図ることができる。
本実施形態では、ステップS16−4,S16−7で真空圧センサ37B,37Cの検出値が閾値以上となるまで、ステップS16−6,16−9の反り矯正工程が繰り返される。しかし、1回又は複数回の反り矯正工程を実行しても、真空圧センサ37B,37Cの検出値が閾値以上とならない場合、すなわち反り矯正工程を実行しても基板ステージ21Bに基板12を十分な保持力で保持できない場合には、装置の動作停止等のエラー処理を実行してもよい。
ステップS16−8において基板12が基板ステージ21Bで保持される状態となった後、ステップS16−10において、図17E及び図17Fに示すように、基板ステージ21Bが上昇する。基板ステージ21Bは高さ位置HS2から基板保持スライダ79A,79Bよりも上方の高さ位置HS3まで上昇する。基板ステージ21Bが高さ位置HS3に上昇すると、基板12は基板保持スライダ79A,79Bから浮き上がる。
最後に、ステップS16−11において、基板12を保持した基板ステージ21Bが第2基板受渡位置P2から作業部23Bへ移動する。詳細には、図17Gに示すように、まず基板ステージ21Bは+X方向(搬送方向C)に移動して基板保持スライダ79A,79B間の間隔G2から離れる。この際、基板ステージ21Bは基板保持スライダ79A,79Bとの干渉を避けるために、搬送方向Cと直交する方向(Y軸方向)に移動する必要がない。次に、基板受渡位置P2から離れた基板ステージ21Bは、図17Hに示すように高さ位置HS1まで降下し、作業部23Bへ向けて移動する。以上の動作により、第2基板受渡位置P2における基板搬送装置24Aから仮圧着装置16の基板ステージ21Bへの基板12の移載が完了する。
次に、第3基板受渡位置P3における基板ステージ21Bから基板搬送装置24Bへの基板12の移載を説明する。以下の説明では、図18のフローチャートと、図19Aから図19Dの模式図を主として参照する。また、図19Aから図19Dに図示されていない要素については、図3及び図7から図12を参照する。
図19Aに示すように、基板搬送装置24Bの基板保持スライダ79A,79Bは第3基板受渡位置P3まで移動している。バルブ86Bは閉弁している。一方、バルブ36B,36Cは開弁しており、吸着孔73A及び吸着パッド31Bを介して作用する真空源35Bの吸引力により基板12が基板ステージ21Bに保持されている。また、基板ステージ21Bは高さ位置HS3に位置している。
図18のステップS18−1において、基板ステージ21Bが第3基板受渡位置P3に向かって+X方向に移動する。図19A,19Bに示すように、基板ステージ21Bは基板保持スライダ79A,79Bの間隔G2に移動する。その結果、基板ステージ21B及び基板12は、基板保持スライダ79A,79Bの上方に位置する。
次に、ステップS18−2において、基板ステージ21Bが降下する。図19B及び図19Cに示すように、基板ステージ21Bは高さ位置HS3から高さ位置HS2まで降下する。その結果、基板ステージ21Bに保持された基板12の下面は基板保持スライダ79A,79Bの上面と当接する。
基板12の下面が基板保持スライダ79A,79Bと当接した後、ステップS18−3においてバルブ86を開弁する。これによって基板12の下面には、吸着パッド83を介して真空源85の吸引力が作用し、基板12が基板搬送装置24Bの基板保持スライダ79A,79Bに吸着保持される。続いて、ステップS18−4において、バルブ36Bを閉弁する。これによって剛体部71の吸着孔73Aによる基板12の第1及び第2被支持部位12c,12d(第1及び第2実装領域12a,12bの近傍の部位)の保持が解除される。さらに、さらに、ステップS18−5において、バルブ36Cを開弁する。これによって吸着パッド31Bによる基板12の第3被支持部位12e(第1及び第2実装領域12a,12bから離れた部位)の保持が解除される。ステップS18−3,S18−4,S18−5におけるバルブ36B,36C,86の操作により、基板ステージ21Bに基板12が保持されている状態から、基板搬送装置24Aの基板保持スライダ79A,79Bに基板12が保持されている状態に切り替わる。
ステップS18−6において、基板ステージ21Bが高さ位置HS1に降下し、基板ステージ12が基板12の下面から離れる。その後、ステップS18−7において、基板ステージ21は−X方向に移動して第3基板受渡位置P3から第2基板受渡位置P2へ移動する。以上の動作により、第3基板受渡位置P3における基板ステージ21Bから基板搬送装置24Bへの基板12の移載が完了する。