JP4809347B2 - ポリペプチド製造用シグナルペプチド - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、ポリペプチドに対して外来であるシグナルペプチドを使用するポリペプチドを製造する方法、前記シグナルペプチドおよびポリペプチドをコードする第1および第2 ヌクレオチド配列を含んでなる核酸構築物、および前記ヌクレオチド配列を含んでなる発現ベクターおよび宿主細胞に関する。
発明の背景
真菌宿主細胞、特に糸状真菌細胞、例えば、アスペルギルス (Aspergillus) または酵母細胞、例えば、サッカロマイセス (Saccharomyces) における異種タンパク質の組換え産生は、商業的に関係する品質でタンパク質を産生するいっそう望ましいベヒクルを提供することができる。
一般に、異種タンパク質の組換え産生は、タンパク質をコードするDNAが、宿主細胞に適当な調節された遺伝子から切除されたプロモーターの発現制御下に配置されている発現カセットを構築することによって達成される。発現カセットは宿主細胞中に導入される。次いで、異種タンパク質の産生は、発現カセット上に含有されるプロモーターを適切に機能化するために必要な誘導条件下に、形質転換された宿主細胞を培養することによって達成される。
一般に、タンパク質の組換え産生の改良は、宿主細胞中のタンパク質の発現をコントロールするために適当な、新しい調節配列が入手可能であることを要求する。
本発明の目的は、シグナルペプチド配列を使用して真菌宿主細胞中でポリペプチドを産生する改良された方法を提供することである。
発明の要約
本発明は、下記の段階を含んでなる、分泌されたポリペプチドを製造する方法を提供する:
(a) ポリペプチドの産生を促す培地中で真菌宿主細胞を培養し、ここで宿主細胞はポリペプチドをコードする第2 ヌクレオチド配列に作用可能に連結されたシグナルペプチドをコードする第1ヌクレオチド配列を含んでなる核酸構築物を含んでなり、そして第1ヌクレオチド配列は第2 ヌクレオチド配列に対して外来であり、第1ヌクレオチド配列の3’末端は第2 ヌクレオチド配列から直ぐ上流に存在し、そして第1ヌクレオチド配列は下記から成る群から選択され:
(i) 配列番号1に対して少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列;
(ii) 配列番号2に対して少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列; および
(iii) ストリンジェント条件下に配列番号2のヌクレオチドまたはその相補的鎖とハイブリダイズするヌクレオチド配列、ここでストリンジェンシイ条件は0.9 M NaCl、0.09 M Tris-HCl、pH 7.6、6 mM EDTA、0.5% NP-40、1×デンハルト溶液、1 mM ピロリン酸ナトリウム、1 mM 一塩基性リン酸ナトリウム、0.1 mM ATPおよび0.2 mg 酵母RNA/ml中の計算したTmよりも5〜10℃低い温度におけるプレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーション後の洗浄、および計算したTmよりも5〜10℃低い温度において6×SSC + 0.1% SDSを使用する15分間の1回の洗浄および各回6×SSCを使用する15分間の2回の洗浄として定義される;
(b) 分泌されたポリペプチドを培地から単離する。
さらに、本発明は、ポリペプチドをコードする第2 ヌクレオチド配列に作用可能に連結されたシグナルペプチドをコードする第1ヌクレオチド配列を含んでなる核酸構築物を提供し、ここで第1ヌクレオチド配列は第2 ヌクレオチド配列に対して外来であり、そして第1ヌクレオチド配列の3’末端は第2 ヌクレオチド配列から直ぐ上流に存在し、そして第1ヌクレオチド配列は下記から成る群から選択される:
(i) 配列番号1に対して少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列;
(ii) 配列番号2に対して少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列; および
(iii)ストリンジェント条件下に配列番号2のヌクレオチドまたはその相補的鎖とハイブリダイズするヌクレオチド配列、ここでストリンジェンシイ条件は0.9 M NaCl、0.09 M Tris-HCl、pH 7.6、6 mM EDTA、0.5% NP-40、1×デンハルト溶液、1 mM ピロリン酸ナトリウム、1 mM 一塩基性リン酸ナトリウム、0.1 mM ATPおよび0.2 mg 酵母RNA/ml中の計算したTmよりも5〜10℃低い温度におけるプレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーション後の洗浄、および計算したTmよりも5〜10℃低い温度において6×SSC + 0.1% SDSを使用する15分間の1回の洗浄および各回6×SSCを使用する15分間の2回の洗浄として定義される。
本発明は、また、前記核酸構築物を含んでなる発現ベクターおよび宿主細胞を提供する。
発明の詳細な説明
定義
用語 「変異型」 は、他のポリペプチドまたはヌクレオチド配列を参照して使用するとき、本発明の関係において、他のポリペプチド (すなわち、それと比較してポリペプチド/ヌクレオチド配列の変異型である) に比較して1または2以上のアミノ酸またはヌクレオチドの置換、欠失および/または挿入を含んでなるポリペプチドまたはヌクレオチド配列として理解すべきである。特に、変化は小さい特質、例えば、保存的アミノ酸置換、またはヌクレオチド配列について、ポリペプチドの活性に有意に影響を与えない保存的アミノ酸置換; または小さい欠失、典型的には変化がなされるポリペプチドの大きさに依存して1〜20アミノ酸の欠失であることができる。
保存的置換の例は、塩基性アミノ酸 (アルギニン、リシンおよびヒスチジン) 、酸性アミノ酸 (グルタミン酸およびアスパラギン酸) 、極性アミノ酸 (グルタミンおよびアスパラギン) 、疎水性アミノ酸 (ロイシン、イソロイシンおよびバリン) 、芳香族アミノ酸 (フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシン) および小アミノ酸 (グリシン、アラニン、セリン、トレオニンおよびメチオニン) のグループ内である。一般に比活性を変更しないアミノ酸置換は、この分野において知られており、そして、例えば、H. NeurathおよびR. L. Hill、1979、The Proteins、Academic Press、 New Yorkに記載されている。最も普通に起こる交換は次の通りである: Ala/Ser、Val/Ile、 Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/GluおよびAsp/Glyならびにこれらの逆。
本発明の方法
本発明は、下記の段階を含んでなる、分泌されたポリペプチドを製造する方法に関する: (a) ポリペプチドの産生を促す培地中で真菌宿主細胞を培養し、ここで宿主細胞はポリペプチドをコードする第2 ヌクレオチド配列に作用可能に連結されたシグナルペプチドをコードする第1ヌクレオチド配列を含んでなる核酸構築物を含んでなり、そして第1ヌクレオチド配列は第2 ヌクレオチド配列に対して外来であり、第1ヌクレオチド配列の3’末端は第2 ヌクレオチド配列から直ぐ上流に存在し、そして第1ヌクレオチド配列は下記から成る群から選択され: (i) 配列番号1に対して少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列; (ii) 配列番号2に対して少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列; および (iii) ストリンジェント条件下に配列番号2のヌクレオチドまたはその相補的鎖とハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列、ここでストリンジェンシイ条件は0.9 M NaCl、0.09 M Tris-HCl、pH 7.6、6 mM EDTA、0.5% NP-40、1×デンハルト溶液、1 mM ピロリン酸ナトリウム、1 mM 一塩基性リン酸ナトリウム、0.1 mM ATPおよび0.2 mg 酵母RNA/ml中の計算したTmよりも5〜10℃低い温度におけるプレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーション後の洗浄、および計算したTmよりも5〜10℃低い温度において6×SSC + 0.1% SDSを使用する15分間の1回の洗浄および各回6×SSCを使用する15分間の2回の洗浄として定義される; そして (b) 分泌されたポリペプチドを培地から単離する。
本発明の方法において、真菌宿主細胞は、この分野において知られている方法に従い、ポリペプチドの産生を促す培地、すなわち、ポリペプチドの産生に適当な栄養培地中で培養する。例えば、震蘯フラスコの培養により、または適当な培地中でポリペプチドの発現および/または単離を可能とする条件下に実行される実験室または工業用発酵槽中の小規模または大規模の発酵 (連続的、バッチ式供給バッチ式または固体状態の発酵を包含する) により、細胞を培養することができる。培養は、この分野において知られている手順に従い、炭素源、窒素原および無機塩を含んでなる適当な栄養培地中で実施することができる。培地は商業的供給会社から入手可能であるか、あるいは発表された組成に従い調製することができる (例えば、American Type Culture Collectionのカタログ) 。
ポリペプチドは、ポリペプチドに対して特異的であるこの分野において知られている方法に従い、検出することができる。このような検出法は、特異的抗体の使用、酵素産物の生成または酵素基質の消失を包含するであろう。
本発明の方法において、真菌宿主細胞は、同一産生条件下に培養するとき、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に作用可能に連結された自然シグナルペプチド配列を含有する真菌細胞に関して、特に少なくとも約25%より多い、より特に少なくとも約50%より多い、より特に少なくとも約75%より多い、より特に少なくとも約100%より多い、なおより特に少なくとも約200%より多い、最も特に少なくとも約300%より多い、なお最も特に少なくとも約400%より多いポリペプチドを産生することができる。
生ずる分泌されたポリペプチドは、この分野において知られている方法により、培地から直接回収することができる。例えば、ポリペプチドは、下記を包含するが、これらに限定されない慣用手順により栄養培地から回収することができる: 遠心、濾過、抽出、噴霧乾燥、蒸発または沈降。
ポリペプチドは下記を包含するが、これらに限定されない種々の手順により精製することができる: クロマトグラフィー (例えば、イオン交換、アフィニティー、疎水性、クロマトフォーカシングおよびサイズ排除クロマトグラフィー) 、電気泳動手順 (例えば、調製用等電点電気泳動) 、分別溶解度 (例えば、硫酸アンモニウム沈降法) 、SD-PAGEまたは抽出 (例えば、Protein Purification、J.-C. JansonおよびLars Ryden編、VCH Publishers、New York、1989) 。
シグナルペプチド
本発明の第1ヌクレオチド配列は本発明のシグナルペプチドをコードする。用語 「シグナルペプチド」 または 「シグナルペプチド配列」 は、細胞膜 (原核生物において原形質膜および真核生物において小胞体膜) を横切ってまたはその中にポリペプチドを向ける、新しく合成された分泌または膜ポリペプチドのN-末端に通常存在するペプチド配列として本明細書において定義される。通常、それは引き続いて除去される。特に、前記シグナルペプチドはポリペプチドを細胞の分泌経路中に向けることができる。
用語 「作用可能に連結された」 は、制御配列がコード配列によりコードされるポリペプチドの産生を指令するように、制御配列、例えば、シグナルペプチド配列がコード配列に関する位置に適当に配置されている立体配置として本明細書において定義される。
用語 「コード配列」 は、適当な制御配列の制御下に配置されたとき、ポリペプチドに翻訳されるヌクレオチド配列として本明細書において定義される。一般に、コード配列の境界は、オープンリーディングフレームの開始 (5’末端) に位置する開始コドンおよびオープンリーディングフレームの3’末端に位置する停止コドンにより決定される。コード配列は下記を包含するが、これらに限定されない:ゲノムDNA、cDNA、RNA、半合成、合成および組換えヌクレオチド配列。
本発明のポリペプチドのコード配列の5’末端は、ポリペプチドの成熟 (またはpro-型) をコードするヌクレオチド配列のセグメントと自然に連鎖されたシグナルペプチドをコードする自然ヌクレオチド配列であることができる。この場合において、本発明のシグナルペプチドは自然シグナルペプチドを置換することができる。選択的に、本発明のポリペプチドは自然シグナルペプチドを欠如することができる。この関係において、用語 「自然」 は天然に存在するとして理解すべきである。
本発明の方法において、シグナルペプチド配列は問題のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に対して外来であるが、シグナルペプチド配列またはヌクレオチド配列は真菌宿主細胞に対して自然であることができる。この関係において、用語 「外来」 は、ポリペプチドに対して自然でないシグナルペプチドとして理解すべきである、すなわち、それはポリペプチドよりも他の遺伝子に由来する。
1つの態様において、第1ヌクレオチド配列は、配列番号1に対して、少なくとも70%、特に少なくとも約75%、より特に少なくとも約80%、より特に少なくとも約85%、なおより特に少なくとも約90%、最も特に少なくとも約95%、なお最も特に少なくとも約97%の同一性を有するアミノ酸配列を有するシグナルペプチドをコードすることができ、前記シグナルペプチドは細胞膜中にまたは細胞膜を横切って、例えば、細胞の分泌経路中にポリペプチドを向ける能力を有する (以後 「相同的シグナルペプチド」 ) 。
特定の面において、相同的シグナルペプチドは、配列番号1と5つのアミノ酸、特に4つのアミノ酸、より特に3つのアミノ酸、なおより特に2つのアミノ酸、最も特に1つアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を有することができる。本発明の目的に対して、2つのアミノ酸配列間の同一性または同一性の程度は、同一性の表および下記の多重アラインメントのパラメーターとともにLASERGENETM MEGALIGNTM ソフトウェア (DNASTAR, Inc.、ウィスコンシン州マディソン) を使用してクルスタル (Clustal) 法(Higgins、1989、CABIOS 5: 151-153) により決定される: ギャップペナルティー10およびギャップ長さペナルティー10。ペアーワイズアラインメントのパラメーターは次の通りである: Ktuple = 1、ギャップペナルティー = 3、ウィンドウズ = 5およびダイアゴナルス = 5。
特に、第1ヌクレオチド配列は、配列番号1のアミノ酸配列またはそのアレレ変異型; または細胞膜中にまたは細胞膜を横切って、例えば、細胞の分泌経路中にポリペプチドを向ける能力を有するそのペプチドフラグメントを含んでなるシグナルペプチドをコードすることができる。より特定の面において、本発明の第1ヌクレオチド配列は配列番号1アミノ酸配列を含んでなるシグナルペプチドをコードする。他の特定の面において、第1ヌクレオチド配列は配列番号1のアミノ酸配列から成るシグナルペプチドまたはそのフラグメントをコードし、ここでシグナルペプチドのフラグメントは細胞膜中にまたは細胞膜を横切って、例えば、細胞の分泌経路中にポリペプチドを向ける能力を有する。他のより特定の面において、本発明のヌクレオチド配列は、配列番号1のアミノ酸配列から成るシグナルペプチドをコードする。
本発明は、また、遺伝暗号のデジェネラシーのために配列番号2と異なる、配列番号1のアミノ酸配列を有するシグナルペプチドをコードする第1ヌクレオチド配列を包含する。また、本発明は、細胞膜中にまたは細胞膜を横切って、例えば、細胞の分泌経路中にポリペプチドを向ける能力を有する配列番号1のアミノ酸配列をコードする、配列番号2のサブ配列またはフラグメントに関する。
配列番号2のサブ配列は、5’末端および/または3’末端から1または2以上のヌクレオチドが欠失されている以外、配列番号2に包含される核酸配列である。特に、サブ配列は少なくとも30ヌクレオチド、例えば、少なくとも35ヌクレオチドまたは少なくとも40ヌクレオチドまたは少なくとも45ヌクレオチドまたは少なくとも50ヌクレオチドまたは少なくとも52ヌクレオチドまたは少なくとも53ヌクレオチドを含有する。配列番号1のフラグメントは、アミノ酸配列のアミノ末端および/またはカルボキシ末端から1または2以上のアミノ酸が欠失されているポリペプチドである。特に、フラグメントは少なくとも10アミノ酸残基または少なくとも12アミノ酸残基または少なくとも13アミノ酸残基または少なくとも14アミノ酸残基または少なくとも15アミノ酸残基または少なくとも16アミノ酸残基または少なくとも17アミノ酸残基を含有する。
特に、第1および第2 ヌクレオチド配列が酵母細胞中で発現される場合、酵母においてシグナルペプチドがアミノ酸残基16と17との間で (AA↓LPにおいて) 切断されることを本発明の発明者らは観察したので、シグナルペプチドは配列番号1のアミノ酸残基1〜16を含んでなることができるが、宿主細胞が糸状真菌である場合、アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) においてシグナルペプチドの切断は配列番号1のアミノ酸残基18 以後において起こることを本発明の発明者らは観察したので、シグナルペプチドは特に配列番号1の18アミノ酸残基を含んでなることができる。これにより示されるように、シグナル配列の切断のための切断部位として認識される配列において、酵母と糸状真菌との間に差が存在することがある。
アレレ変異型は、同一染色体遺伝子座を占有する遺伝子の2またはそれ以上の選択的形態を意味する。アレレ変異型は突然変異に通して発生し、そして集団中に多形性を生ずることがある。遺伝子の突然変異はサイレント (コード化されたシグナルペプチドにおいて変化なし) であるか、あるいは変更されたアミノ酸配列を有するシグナルペプチドをコードすることができる。シグナルペプチドのアレレ変異型は、遺伝子のアレレ変異型によりコードされるペプチドである。
特定の面において、第1ヌクレオチド配列はフミコラ・インソレンス (Humicola insolens) DSM 1800中に含有されるクチナーゼ遺伝子のシグナルペプチドコード配列 (配列番号1) である。
第2の面において、シグナルペプチドをコードする本発明の第1ヌクレオチド配列は、配列番号2に対して少なくとも約70%、特に少なくとも約75%、より特に少なくとも約80%、より特に少なくとも約85%、なおより特に少なくとも約90%、最も特に少なくとも約95%、なお最も特に少なくとも約97%の同一性の程度を有することができ、シグナルペプチド; または細胞の分泌経路中にポリペプチドを向ける能力を有するシグナルペプチドフラグメントをコードする配列番号2のアレレ変異型およびサブ配列をコードする。
本発明の目的に対して、2つの核酸配列の相同性の程度は、同一性の表および下記の多重アラインメントのパラメーターとともにLASERGENETM MEGALIGNTM ソフトウェア (DNASTAR, Inc.、ウィスコンシン州マディソン) を使用してウィルバー-リプマン (Wilbur-Lipman) 法 (WilburおよびLipman、1983、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 80: 726-730) により決定される: ギャップペナルティー10およびギャップ長さペナルティー10。ペアーワイズアラインメントのパラメーターは次の通りである: Ktuple = 3、ギャップペナルティー = 3およびウィンドウズ = 20。
第3の面において、本発明の第1ヌクレオチド配列はシグナルペプチドをコードし、ここで前記第1ヌクレオチド配列はストリンジェント条件下に配列番号1のアミノ酸配列またはその相補的鎖とハイブリダイゼーションする (J. Sambrook、E. F. FritschおよびT. Maniatis、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー) 。
配列番号2ヌクレオチド配列またはそのサブ配列、ならびに配列番号1のアミノ酸配列またはそのフラグメントをこの分野においてよく知られている方法に従い使用して、シグナルペプチドをコードするDNAを異なる属または種から同定し、クローニングする核酸プローブを設計することができる。標準サザンブロッティング手順に従い、このようなプローブを問題の属または種のゲノムDNAまたはcDNAとのハイブリダイゼーションに使用して、その中の対応する遺伝子を同定し、単離することができる。このようなプローブは全配列よりもかなり短いことができるが、特に少なくとも15、例えば、少なくとも25またはより特に少なくとも35ヌクレオチド長さであることができる。DNAおよびRNAプローブの両方を使用できる。典型的には、プローブは対応する遺伝子を検出するために標識化することができる (例えば、32P、3H、35S、ビオチンまたはアビジンを使用して) 。このようなプローブは本発明に包含される。
こうして、このような他の生物から調製されたゲノムDNAまたはcDNAライブラリーを、前述のプローブとハイブリダイゼーションし、そしてシグナルペプチドをコードするDNAについてスクリーニングすることができる。このような他の生物からのゲノムDNAまたは他のDNAは、アガロースまたはポリアクリルアミドゲル電気泳動または他の分離技術により分離することができる。
ライブラリーからのDNAまたは分離されたDNAをニトロセルロースまたは他の適当な担体物質に移し、その上に固定化して、配列番号2またはそのサブ配列と相同的であるクローンまたはDNAを同定することができ、担体物質はサザンブロットにおいて使用される。本発明の目的に対して、ハイブリダイゼーションにおいて、核酸配列は本明細書において規定したストリンジェント条件下に配列番号2に示す核酸配列、その相補的鎖またはそのサブ配列に対応する標識化核酸プローブにハイブリダイゼーションすることが示される。核酸プローブがこれらの条件下にハイブリダイゼーションする分子は、X線フィルムを使用して検出することができる。
特定の面において、核酸プローブは配列番号1のシグナルペプチドまたはそのサブ配列をコードするヌクレオチド配列である。他の特定の面において、核酸プローブは配列番号2である。他の特定の面において、核酸プローブはフミコラ・インソレンス (Humicola insolens) DSM 1800中に含有されるクチナーゼ遺伝子のシグナルペプチド配列 (WO 96/13580の配列番号2) である。
約15〜約60ヌクレオチド長さである短いプローブについて、ストリンジェンシイ条件は0.9 M NaCl、0.09 M Tris-HCl、pH 7.6、6 mM EDTA、0.5% NP-40、1×デンハルト溶液、1 mM ピロリン酸ナトリウム、1 mM 一塩基性リン酸ナトリウム、0.1 mM ATPおよび0.2 mg 酵母RNA/ml中のBoltonおよびMcCarty (1962、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 48: 1390) に従い計算したTmよりも5〜10℃低い温度における標準サザンブロット手順に従うプレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーション後の洗浄として定義される。
約15〜約60ヌクレオチド長さである短いプローブについて、担体物質は計算したTmよりも5〜10℃低い温度において6×SSC + 0.1% SDSを使用して15分間1回の洗浄し、そして各回6×SSCを使用して15分間2回洗浄する。
第4の面において、第1ヌクレオチド配列は1または2以上のアミノ酸の置換、欠失、および/または挿入を含んでなる配列番号1のアミノ酸配列を有するシグナルペプチドの変異型をコードすることができる。
変異型シグナルペプチドのアミノ酸配列は、1または2以上のアミノ酸残基の挿入または欠失および/または異なるアミノ酸残基による1または2以上のアミノ酸残基の置換により、配列番号1のアミノ酸配列と異なる。特に、アミノ酸の変化は小さい特質、例えば、シグナルペプチドの活性に有意に影響を与えない保存的アミノ酸置換; または小さい欠失、典型的には1〜約5アミノ酸の欠失であることができる。
保存的置換の例は、塩基性アミノ酸 (アルギニン、リシンおよびヒスチジン) 、酸性アミノ酸 (グルタミン酸およびアスパラギン酸) 、極性アミノ酸 (グルタミンおよびアスパラギン) 、疎水性アミノ酸 (ロイシン、イソロイシンおよびバリン) 、芳香族アミノ酸 (フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシン) および小アミノ酸 (グリシン、アラニン、セリン、トレオニンおよびメチオニン) のグループ内である。一般に比活性を変更しないアミノ酸置換は、この分野において知られており、そして、例えば、H. NeurathおよびR. L. Hill、1979、The Proteins、Academic Press、 New Yorkに記載されている。最も普通に起こる交換は次の通りである: Ala/Ser、Val/Ile、 Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/GluおよびAsp/Glyならびにこれらの逆。
ポリペプチド
本発明の第2 ヌクレオチド配列は、本発明のコード化ポリペプチドをコードする。前記ポリペプチドはそれが産生される真菌宿主細胞に対して自然であるか、あるいは異種であることができる。
用語 「ポリペプチド」 は、特定の長さのコード化生成物を言及することを意味せず、したがって、ペプチド、オリゴペプチドおよびタンパク質を包含する。用語 「異種ポリペプチド」 は、真菌細胞に対して自然ではないポリペプチド、自然配列を変更する修飾がなされている自然ポリペプチド、またはポリペプチドをコードする遺伝子が組換えDNA技術により操作されている結果、発現が定量的に変更されている自然ポリペプチドとして本明細書において定義される。真菌細胞はポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の1または2以上のコピーを含有することができる。
特に、ポリペプチドはホルモンまたはホルモン変異型、酵素、レセプターまたはその一部分、抗体またはその一部分、アレルゲンであることができる。特定の面において、ポリペプチドはダーマトファゴイデス・プテロニッシヌス (Dermatophagoides pteronyssinus) 、ダーマトファゴイデス・ファリネ (Dermatophagoides farinae) 、ダーマトファゴイデス・シボネイ (Dermatophagoides siboney) 、ダーマトファゴイデス・ミクロセウス (Dermatophagoides microceaus) 、ブロミア・トロピカリス (Blomia tropicalis) およびエウログリフス・マイネイ (Euroglyphus maynei) に由来するアレルゲン、または引き続いて修飾された前記生物の1つからのアレルゲンであることができる。
さらに詳しくは、前記アレルゲンはDer p 1、例えば、ダーマトファゴイデス・プテロニッシヌス (Dermatophagoides pteronyssinus) からのDer p 1 (配列番号3) であることができる。特に、ポリペプチドは配列番号3のアミノ酸19〜320の配列であることができる。より特定の態様において、ポリペプチドは配列番号3のアミノ酸19〜320のポリペプチド配列の変異型であることができる。さらに詳しくは、前記変異型はS54XまたはN52Xであることができ、ここで前記変異型がDer p 1をN-グリコシル化部位を崩壊するので、「X」は任意のアミノ酸を意味する。特に、前記変異型はS54NまたはN52Qであることができる。しかしながら、Der p 1の他の変異型が考慮される。
他の特定の態様において、酵素はオキシドレダクターゼ、トランスフェラーゼ、ヒドロラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼまたはリガーゼであることができる。より特定の面において、ポリペプチドはアミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、セロビオヒドロラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エンドグルカナーゼ、エステラーゼ、α-ガラクトシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、β-グルコシダーゼ、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンノシダーゼ、ムタナーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペルオキシダーゼ、ホスホリパーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ、キシラナーゼまたはβ-キシラナーゼである。
関係するセルラーゼの例は、ムコル・シシネリデス (Mucor cicinellides) 、例えば、ムコル・シシネリデス (M. cicinellides) IFO4554 (配列番号4) を包含するが、これらに限定されない。タンパク質分解酵素の例は下記を包含するが、これらに限定されない:システインプロテアーゼ、例えば、トリフォリウム・レペンス (Trifolium repens) Lからのシステインプロテアーゼ5 (配列番号5) 、ことに成熟ペプチドをコードする配列番号5のアミノ酸109〜327、またはトリプシン、例えば、フザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum) からのトリプシン (配列番号7) 。関係するフィターゼの例は、ペニオホラ・リシイ (Peniophora lycii) からのフィターゼ、例えば、ペニオホラ・リシイ (P. lycii) CBS 686.96 (配列番号9) を包含するが、これらに限定されない。
本発明のポリペプチドをコードする第2 ヌクレオチド配列は、任意の原核生物、真核生物または他の源から得ることができる。本発明の目的に対して、用語 「から得られる」 は、所定の源と関連して本明細書において使用するとき、ポリペプチドが前記源により産生されるか、あるいは前記源からの遺伝子が挿入されている細胞により産生されることを意味する。
問題のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を単離またはクローニングするために使用する技術はこの分野において知られており、そしてゲノムDNAからの単離、cDNAからの調製またはそれらの組み合わせを包含する。このようなゲノムDNAからの第2 ヌクレオチド配列のクローニングは、例えば、よく知られているポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) により実施することができる。例えば、下記の文献を参照のこと: Innis 他、1990、PCR Protocols A Guide to Methods and Applications、Academic Press、New York。クローニング手順は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる必要なヌクレオチドフラグメントの切除および単離、ベクター分子中へのフラグメントの挿入、およびヌクレオチド配列のコピーまたはクローンが複製される突然変異真菌細胞中への組換えベクターの組込みを包含することができる。第2 ヌクレオチド配列は、ゲノムDNA、cDNA、RNA、半合成、合成由来またはそれらの任意の組み合わせからの配列であることができる。
本発明の方法において、ポリペプチドは、また、他のポリペプチドがポリペプチドまたはそのフラグメントのN-末端またはC-末端において融合されている、融合またはハイブリッドポリペプチドであることができる。融合ポリペプチドは、1つのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列 (またはその一部分) を、本発明のポリペプチドをコードする第2 ヌクレオチド配列 (またはその一部分) に融合することによって製造される。
融合ポリペプチドを製造する技術はこの分野において知られており、そしてポリペプチドをコードするコード配列がインフレームであり、かつ融合ポリペプチドの発現が1または2以上の同一プロモーターおよびターミネーターの制御下にあるように、前記コード配列を連結することを包含する。ハイブリッドポリペプチドは、1または2以上が突然変異真菌細胞に対して異種である、少なくとも2つの異なるポリペプチドから得られた部分的または完全なポリペプチド配列の組合わせを含んでなることができる。
核酸構築物
本発明は、また、本発明のポリペプチドをコードする第2 ヌクレオチド配列に作用可能に連結された本発明の第1ヌクレオチド配列のシグナルペプチドを含んでなる核酸構築物に関する。
「核酸構築物」 は、天然に存在する遺伝子から単離されるか、あるいはそうでなければ天然に存在しない方法で組合わされ、並列された核酸のセグメントを含有する修飾された、一本鎖または二本鎖のヌクレオチド分子として本明細書において定義される。用語 「核酸構築物」 は、核酸構築物がコード配列およびコード配列の発現のために要求されるすべての制御配列を含有するとき、用語 「発現カセット」 と同義である。
ポリペプチドをコードする第2 ヌクレオチド配列は、ポリペプチドを発現するように、種々の方法でさらに操作することができる。ベクター中に挿入する前のヌクレオチド配列の操作は、発現ベクターに依存して望ましいか、あるいは必要であることがある。ヌクレオチド配列を操作する技術はこの分野においてよく知られている。
本発明の方法において、核酸構築物は1または2以上の自然制御配列を含んでなることができるか、あるいは1または2以上の自然制御配列を核酸構築物の第1および/または第2 ヌクレオチド配列で置換して、ポリペプチドをコードする第2 ヌクレオチド配列の宿主細胞中の発現を改良することができる。
用語 「制御配列」 は、第2 ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドの発現に必要であるか、あるいは好都合であるすべての成分を包含するとして本明細書において定義される。各制御配列はポリペプチドをコードする第2 ヌクレオチド配列に対して自然または外来であることができる。このような制御配列は、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、本発明のシグナルペプチド配列、および転写ターミネーターを包含するが、これらに限定されない。最小、制御配列は本発明のシグナルペプチド配列、および転写および翻訳停止シグナルを包含する。制御配列は、制御配列とポリペプチドをコードする第2 ヌクレオチド配列との連結を促進する特異的制限部位を導入する目的で、リンカーを有することができる。
制御配列は、核酸配列を発現する宿主細胞により認識される、適当なプロモーター配列であることができる。プロモーター配列は、ポリペプチドの発現を仲介する転写制御配列を含有する。プロモーターは、選択した宿主細胞において転写活性であることを示す任意の核酸配列であることができ、突然変異体、トランケーテッドおよびハイブリッドプロモーターを包含し、そして宿主細胞に対して相同的または異種的である、細胞外または細胞内のポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。
糸状真菌宿主細胞中で本発明の核酸構築物の転写を指令するために適当なプロモーターの例は、下記の遺伝子から得られるプロモーターおよびそれらの突然変異体、トランケーテッドおよびハイブリッドプロモーターである: アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) TAKAアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイ (Rhizomucor miehei) アスパラギン酸プロテイナーゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) 中性α-アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) 酸安定性α−アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) またはアスペルギルス・アワモリ (Aspergillus awamori) グルコアミラーゼ (glaA) 、リゾムコル・ミエヘイ (Rhizomucor miehei) リパーゼ、アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) アルカリ性プロテアーゼ、アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) トリオースリン酸イソメラーゼ、アスペルギルス・ニヅランス (Aspergillus nidulans) アセトアミダーゼ、フザリウム・ベネナツム (Fusarium venenatum) アミログリコシダーゼ、フザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum) トリプシン様プロテアーゼ (WO 96/00787) 、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) セロビオヒドロラーゼI、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) セロビオヒドロラーゼII、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) エンドグルカナーゼI、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) エンドグルカナーゼII、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) エンドグルカナーゼIII、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) エンドグルカナーゼIV、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) エンドグルカナーゼV、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) キシラナーゼI、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) キシラナーゼII、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) β-キシロシダーゼ、ならびにNA2-tpiプロモーター (アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) 中性α-アミラーゼおよびアスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) トリオースリン酸イソメラーゼの遺伝子からのプロモーターのハイブリッド) 。
酵母宿主において、有効なプロモーターは下記の遺伝子から得られるプロモーターを包含するが、これらに限定されない: サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) エノラーゼ (ENO-1) 、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) ガラクトキナーゼ (GAL1) 、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) アルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ (ADH1、ADH2/GAP) 、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) トリオースリン酸イソメラーゼ (TPI) 、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) メタロチオネイン (CUP1) 、およびサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) 3-ホスホグリセリン酸キナーゼ。酵母宿主細胞に有効な他のプロモーターは下記の文献に記載されている: Romanos 他、1992、Yeast 8: 423-488。
制御配列は適当な転写停止配列であることができ、これは転写を停止するために宿主細胞により認識される配列である。ターミネーター配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の3’末端に作用可能に連結されている。選択した宿主細胞中で機能的である任意のターミネーターを本発明において使用することができる。
糸状真菌宿主細胞に適当なターミネーターは下記の遺伝子から得られるターミネーターを包含するが、これらに限定されない: アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) TAKAアミラーゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) グルコアミラーゼ、アスペルギルス・ニヅランス (Aspergillus nidulans) アントラニル酸シンターゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) α-グルコシダーゼおよびフザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum) トリプシン様プロテアーゼ。
酵母宿主細胞に適当なターミネーターは下記の遺伝子から得られるターミネーターを包含するが、これらに限定されない: サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) エノラーゼ、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) シトクロムC (CYC1) およびサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ。酵母宿主細胞に有効な他のターミネーターは下記の文献に記載されている: Romanos 他、1992、前掲。
また、制御配列は、適当なリーダー配列、すなわち、宿主細胞による翻訳に重要であるmRNAの非翻訳領域であることができる。一般に、リーダー配列はポリペプチドをコードする核酸配列の5’末端に作用可能に連結されている。選択した宿主細胞中で機能的である任意のリーダー配列を本発明において使用することができる。
糸状真菌宿主細胞に適当なリーダーは、アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) TAKAアミラーゼおよびアスペルギルス・ニヅランス (Aspergillus nidulans) トリオースリン酸イソメラーゼの遺伝子から得られるものを包含するが、これらに限定されない。
酵母宿主細胞に適当なリーダーは下記の遺伝子から得られるリーダーであるを包含するが、これらに限定されない: サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) エノラーゼ (ENO-1) 、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) 3-ホスホグリセリン酸キナーゼ、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) α-因子およびサッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) アルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ (ADH2/GAP) 。
また、制御配列は、ポリアデニル化配列であることができ、これはヌクレオチド配列の3’末端に作用可能に連結されており、そして転写されたとき、ポリアデノシン残基を転写されたmRNAに付加するシグナルとして宿主細胞により認識される配列である。選択した宿主細胞中で機能的である任意のポリアデニル化配列を本発明において使用することができる。
糸状真菌宿主細胞に適当なポリアデニル化配列は下記の遺伝子から得られるものを包含するが、これらに限定されない: アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) TAKAアミラーゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) グルコアミラーゼ、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) アントラニル酸シンターゼ、フザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum) トリプシン様プロテアーゼおよびアスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) α-グルコシダーゼ。
酵母宿主細胞に有効なポリアデニル化配列は下記の文献に記載されている: GuoおよびSherman、1995、Molecular Cellular Biology 15: 5983-5990。
制御配列は、また、ポリペプチドのアミノ末端に位置するアミノ酸配列をコードするポリペプチドコード配列であることができる。生ずるポリペプチドはプロ酵素またはプロポリペプチド (またはある場合においてチモーゲン) として知られている。一般に、プロポリペプチドは、プロポリペプチドからのポリペプチドの触媒的または自己触媒的切断により、成熟活性ポリペプチドに転化されることができる。プロペプチドコード配列の例は、下記から得られるものを包含するが、これらに限定されない: ダーマトファゴイデス・プテロニッシヌス (Dermatophagoides pteronyssinus) Der p 1の遺伝子またはダーマトファゴイデス (Dermatophagoides) 、フザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum) トリプシン、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) α-因子、リゾムコル・ミエヘイ (Rhizomucor miehei) アスパラギン酸プロテアーゼおよびミセリオフトラ・サーモフィラ (Myceliophthora thermophila) ラッカーゼ (WO 95/33836) からの他の遺伝子。
シグナルペプチドおよびプレプロペプチドの両方の領域がポリペプチドのアミノ末端に存在する場合、プロペプチド領域はポリペプチドのアミノ末端の次に位置し、そしてシグナルペプチド領域はプロペプチド領域のアミノ末端の次に位置する。プロペプチドが存在する場合、切断部位は1つの態様においてプロペプチドと成熟ポリペプチドとの間に存在することができる。用語「切断部位」は、この部位においてポリペプチドを切断することができるタンパク質分解酵素により認識されるアミノ酸配列として理解すべきである。このような部位の例はkex部位、特にkex-II部位を包含する。
また、宿主細胞の生長に関してポリペプチドの発現の調節を可能とする調節配列を付加することが望ましいことがある。調節系の例は、化学的または物理的刺激、例えば、調節化合物の存在に応答して遺伝子の発現をオンまたはオフにする系である。酵母において、ADH2系またはGAL1系を使用することができる。糸状真菌において、TAKAα-アミラーゼのプロモーター、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) グルコアミラーゼのプロモーターおよびアスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) グルコアミラーゼのプロモーターを調節配列として使用することができる。
調節配列の他の例は、遺伝子の増幅を可能とするものである。真核生物系において、これらはメトトレキセートの存在下に増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子および重金属で増幅されるメタロチオネイン遺伝子を包含する。これらの場合において、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は調節配列と作用可能に連結されるであろう。
発現ベクター
本発明は、また、本発明のヌクレオチド構築物を含んでなる組換え発現ベクターに関する。本発明のそれぞれシグナルペプチドおよびポリペプチドをコードする第1ヌクレオチド配列および第2 ヌクレオチド配列を含んでなるほかに、前記発現ベクターは特に転写停止シグナルおよび翻訳停止シグナルを含んでなることができる。前述の種々のヌクレオチド配列および制御配列を一緒に結合させて、1または2以上の好都合な制限部位を包含することができる組換え発現ベクターを製造し、このような部位におけるプロモーターおよび/またはポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の挿入または置換を可能とすることができる。
選択的に、核酸構築物を適当な発現用ベクター中に挿入して、第2 ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドを発現させることができる。発現ベクターをつくるとき、本発明のポリペプチドをコードする第2 ヌクレオチド配列が本発明のシグナルペプチド配列および発現のために適当な1または2以上の制御配列に作用可能に連結されるように、前記配列をベクター中に位置決定する。
組換え発現ベクターは、組換えDNA手順に好都合に付すことができかつヌクレオチド配列を発現させることができる任意のベクター (例えば、プラスミドまたはウイルス) であることができる。典型的には、ベクターの選択は、ベクターを導入すべき宿主細胞とのベクターの適合性に依存するであろう。ベクターは線形または閉じた円形のプラスミドであることができる。
本発明のベクターは、特に形質転換された細胞の容易な選択を可能とする1または2以上の選択可能なマーカーを含有できる。選択可能なマーカーは、その産物が生物致死剤またはウイルスに対する耐性、重金属に対する耐性、栄養要求性株に対するプロトトロフィーおよびその他を提供する遺伝子である。酵母宿主細胞に適当なマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1およびURA3を包含するが、これらに限定されない。
糸状真菌宿主細胞において使用する選択可能なマーカーは下記のものを包含するが、これらに限定されない:amdS (アセトアミダーゼ) 、argB (オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ) 、bar (ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ) 、hygB (ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ) 、niaD (硝酸レダクターゼ) 、pyrG (オロチジン-5’-ホスフェートデカルボキシラーゼ) 、sC (硫酸アデニルトランスフェラーゼ) 、trpC (アントラニレートシンターゼ) ならびにそれらの同等物。特にアスペルギルス (Aspergillus) 細胞において、アスペルギルス・ニヅランス (Aspergillus nidulans) またはアスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) のamdSおよびpyrG遺伝子およびストレプトマイセス・ヒグロスコピカス (Streptomyces hygroscopicus) のbar遺伝子が使用される。
ベクターは自律的に複製するベクター、すなわち、染色体外の実在物として存在するベクターであることができ、その複製は染色体の複製に対して独立である。このようなベクターの例は、プラスミド、染色体外因子、ミニ染色体または人工的染色体である。ベクターは自己複製を保証する手段を含有することができる。選択的に、ベクターは、宿主細胞中に導入したとき、ゲノム中に組込まれ、そしてそれが組込まれている1または2以上の染色体と一緒に複製するものであることができる。さらに、単一のベクターまたはプラスミドまたは一緒になって宿主細胞のゲノムの中に導入すべき全DNAを含有する2またはそれ以上のベクターまたはプラスミド、またはトランスポゾンを使用することができる。
本発明のベクターは、宿主細胞ゲノム中への安定な組込みまたはゲノムに対して独立に細胞中のベクターの自律的複製を可能とする、1または2以上の因子を含有することができる。
宿主細胞ゲノム中への組込みのために、ベクターは、ポリペプチドをコードする第2 ヌクレオチド配列または相同的または非相同的組換えによりベクターをゲノム中に安定に組込むベクターの任意の他の因子に頼ることができる。選択的に、ベクターは、相同的組換えにより組込みを宿主細胞ゲノム中に向ける追加のヌクレオチド配列を含有することができる。追加のヌクレオチド配列は、1または2以上の染色体中の1または2以上の正確な位置において宿主細胞ゲノム中にベクターを組込むことができる。
正確な位置における組込みの確度を増加させるために、組込み因子は好ましくは十分な数のヌクレオチド、例えば、100〜1,500塩基対、より好ましくは400〜1,500塩基対、最も好ましくは800〜1,500塩基対を含有し、これらは対応するターゲット配列と高度に相同的であって相同的組換えの確率を増加させる。組込み因子は、宿主細胞ゲノム中のターゲット配列と相同的である任意の配列であることができる。さらに、組込み因子は非エンコーディングまたはコーディングヌクレオチド配列であることができる。他方において、ベクターは非相同的組換えにより宿主細胞ゲノム中に組込むことができる。
自律的複製のために、ベクターは問題の宿主細胞中でベクターを自律的に複製させる複製起点をさらに含んでなることができる。複製起点は、細胞中で機能する自律的複製を仲介する任意のプラスミドレプリケーターであることができる。用語 「複製起点」 または 「プラスミドレプリケーター」 は、プラスミドまたはベクターのin vivo複製を可能とするヌクレオチド配列として本明細書において定義される。
酵母宿主細胞において使用する複製起点の例は、2ミクロンの複製起点、ARS1、ARS4、ARS1とCEN3との組合わせ、およびARS4とCEN6との組合わせである。複製起点は、宿主細胞においてその機能を温度感受性とする突然変異を有するものであることができる (例えば、下記の文献を参照のこと: Ehrlich、1978、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75: 1433) 。
糸状真菌宿主細胞において有効な複製起点の例は、AMA1およびANS1 (Gems 他、Gene 98: 61-67; Cullen 他、1987、Nucleic Acids Research 15: 9163-9175; WO 00/24883) である。AMA1遺伝子の単離およびプラスミドまたはベクターの構築は、WO 00/24883に開示されている方法に従い達成することができる。
本発明のヌクレオチド配列の2以上のコピーを宿主細胞中に挿入して、遺伝子産物の産生を増加させることができる。ヌクレオチド配列のコピー数は、宿主細胞ゲノム中に少なくとも1つ追加の配列のコピーを組込むか、あるいは細胞が選択可能なマーカー遺伝子の増幅したコピーを含有する場合、ヌクレオチド配列をもつ増幅可能、選択可能なマーカーを含めることによって増加させることができ、これにより細胞を適当な選択可能な因子の存在下に培養することによって、ヌクレオチド配列の追加のコピーを選択することができる。
前述の因子を結合して本発明の組換え発現ベクターを構築するために使用する手順は、この分野においてよく知られている (例えば、下記の文献を参照のこと: Sambrook 他、1989、前掲) 。
宿主細胞
本発明は、ポリペプチドを真菌宿主細胞中で製造する方法、および本発明の核酸構築物を含んでなる組換え宿主細胞に関する。
ポリペプチドをコードする第2 ヌクレオチド配列に作用可能に連結された本発明のシグナルペプチドをコードする第1ヌクレオチド配列を含んでなるベクターが、前述したように染色体組込み体としてまたは自己複製性染色体外ベクターとして維持されるように、前記ベクターを真菌宿主細胞の中に導入する。用語 「宿主細胞」 は、複製間に起こる突然変異のために親細胞と同一ではない親細胞の子孫を包含する。宿主細胞の選択は、大きい程度にポリペプチドをコードする遺伝子およびその源に依存するであろう。
宿主細胞は本発明の方法において有効な真菌細胞であることができる。「真菌」は、本明細書において使用するとき、下記のものを包含する: 子嚢菌門 (Ascomycota) 、担子菌門 (Basidiomycota) 、ツボカビ菌門 (Chytridiomycota) および接合菌門 (Zygomycota) (下記において定義されている: Hawksworth 他、Alnsworth and Bisby’s Dictionary of The Fungi、第8版、1995、CAB International、University Press、英国ケンブリッジ) ならびに卵菌門 (Oomycota) (下記の文献に記載されている: Hawksworth 他、1995、前掲、p. 171) およびすべての栄養胞子真菌 (Hawksworth 他、1995、前掲) 。
特定の面において、真菌宿主細胞は酵母細胞である。「酵母」は、本明細書において使用するとき、下記のものを包含する: 子嚢胞子酵母 (腸内細菌科 (Enterobacteriaceae)) 、担子胞子酵母および不完全菌類 (Fungi Imperfecti) に属する酵母 (ブラストミセテス (Blastomycetes)) 。酵母の分類は、この出願の目的に対して、将来において変化することがあるが、酵母はBiology and Activities of Yeast に記載されているように定義されるであろう (Skinner F. A. およびDavenport R. R. 編者、Soc. App. Bacteriol. Symposium Series No. 9、1980) 。
より特定の面において、酵母宿主細胞は、カンジダ (Candida)、ハンゼヌラ (Hansenula)、クルイベロマイセス (Kluyveromyces)、ピキア (Pichia)、サッカロマイセス (Saccharomyces)、シゾサッカロマイセス (Scizosaccharomyces) またはヤロウィア (Yarrowia) 細胞である。
最も特定の面において、酵母宿主細胞はサッカロマイセス・カリスベルゲンシス (Saccharomyces carisbergensis)、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae)、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) YNG318、サッカロマイセス・ジアスタチカス (Saccharomyces diastaticus)、サッカロマイセス・ドウグラシイ (Saccharomyces douglasii)、サッカロマイセス・クルイベリ (Saccharomyces kluyveri)、サッカロマイセス・ノルベンシス (Saccharomyces norbensis) 、サッカロマイセス・オビフォルミス (Saccharomyces oviformis) 、クルイベロマイセス・ラクチス (Kluyveromyces lactis) またはヤロウィア・リポリチカ (Yarrowia lipolytica) 細胞である。
他の特定の面において、真菌宿主細胞は糸状真菌の細胞である。「糸状真菌」は、亜門の真菌門 (Eumycota) および卵菌門 (Oomycota) のすべての糸の形態を包含する (Hawksworth 他、1995、前掲において定義されている) 。糸状真菌は、キチン、セルロース、グルカン、マンナンおよび他の複合多糖から構成されている菌糸体壁により特徴づけられる。栄養成長は菌糸の伸長により、そして炭素異化作用は無条件的に好気性である。対照的に、酵母、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) による栄養成長は単細胞葉状体の発芽により、そして炭素異化作用は発酵的である。
より特定の面において、糸状真菌宿主細胞の例は、下記のものを包含するが、これらに限定されない種の細胞である: アクレモニウム (Acremonium)、アスペルギルス (Aspergillus)、フザリウム (Fusarium)、フミコラ (Humicola)、ケカビ (Mucor)、ミセリオフトラ (Myceliophthora)、ニューロスポラ (Neurospora)、ペニシリウム (Penicillium)、チエラビア (Thielavia)、トリポクラジウム (Tolypocladium) またはトリコデルマ (Trichoderma)。
なおより特定の面において、糸状真菌宿主細胞は次の通りである: アスペルギルス・アワモリ (Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フェチヅス (Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・ジャポニカス (Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニヅランス (Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger) またはアスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) 細胞。
他のより特定の面において、糸状真菌宿主細胞は次の通りである: フザリウム・バクトリディオイデス (Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス (Fusarium cerealis)、フザリウム・クルックウェレンセ (Fusarium crookwellense)、フザリウム・クルモルム (Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム (Fusarium graminearum) 、フザリウム・グラミナム (Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポルム (Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンジ (Fusarium negundi)、フザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum)、フザリウム・レチクラツム (Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロセウム (Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシヌム (Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロウム (Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スポロトリキオイデス (Fusarium sporotrichioides)、フザリウム・スルフレウム (Fusarium sulphureum)、フザリウム・トルロクム (Fusarium torulocum)、フザリウム・トリコテキオイデス (Fusarium trichothecioides) またはフザリウム・ベネナツム (Fusarium venenatum) 細胞。
他のなおより特定の面において、糸状真菌親細胞は次の通りである: フミコラ・インソレンス (Humicola insolens)、フミコラ・ラヌギノサ (Humicola lanuginosa)、ムコール・ミエヘイ (Mucor miehei)、ミセリオフトラ・サーモフィラ (Myceliophthora themophila)、ニューロスポラ・クラッサ (Neurospora crassa)、ペニシリウム・パープロゲナム (Penicillium purpurogenum)、チエラビア・テレストリス (Thielavia terrestris)、トリコデルマ・ハルジアナム (Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギイ (Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアツム (Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) またはトリコデルマ・ビリデ (Trichoderma viride) 細胞。
最も特定の面において、フザリウム・ベネナツム (Fusarium venenatum) 細胞は次の通りである: フザリウム・ベネナツム (Fusarium venenatum) A3/5 (これは本来フザリウム・グラミネアラム (Fusarium graminearum) ATCC 20334として受託され、最近フザリウム・ベネナツム (Fusarium venenatum) として分類された: YoderおよびChristianson、1998、Fungal Genetics and Biology 23: 62-80およびO’Donnell 他、1998、Fungal Genetics and Biology 23: 57-67; ならびにそれらが現在知られている種名に無関係にフザリウム・ベネナツム (Fusarium venenatum) の分類学上の同等物。他の特定の面において、フザリウム・ベネナツム (Fusarium venenatum) 細胞は、WO 97/26330に開示されているような、フザリウム・ベネナツム (Fusarium venenatum) A3/5またはフザリウム・グラミネアラム (Fusarium graminearum) ATCC 20334の形態学的突然変異株である。
最も特定の面において、トリコデルマ (Trichoderma) 細胞は次の通りである: トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) ATCC 56765、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) ATCC 13631、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) CBS 526.94、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) CBS 529.94、トリコデルマ・ロンギブラキアツム (Trichoderma longibrachiatum) CBS 528.94、トリコデルマ・ロンギブラキアツム (Trichoderma longibrachiatum) ATCC 2106、トリコデルマ・ロンギブラキアツム (Trichoderma longibrachiatum) CBS 592.94、トリコデルマ・ビリデ (Trichoderma viride) NRRL 3652、トリコデルマ・ビリデ (Trichoderma viride) CBS 517.94またはトリコデルマ・ビリデ (Trichoderma viride) NIBH FERM/BP 447。
真菌細胞は、それ自体知られている方法におけるプロトプラストの形成、プロトプラストの形質転換および細胞壁の再生を包含する方法により形質転換することができる。アスペルギルス (Aspergillus) 宿主細胞の形質転換に適当な手順は下記の文献に記載されている: EP 238 023およびYelton 他、1984、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 81: 1470-1474。トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) 宿主細胞の形質転換に適当な手順は下記の文献に記載されている: Penttila 他、Gene 61: 155-164およびGruber 他、1990、Curr. Genet. 18(1): 71-6。
フザリウム (Fusarium) 種の形質転換に適当な方法は下記の文献に記載されている: Malardier 他、1989、Gene 78: 147-156およびWO 96/00787。酵母は下記の文献に記載されている手順を使用して形質転換することができる: BeckerおよびGuarente、編者Abelson J. N. およびSimon M. I. 、Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology、Methods in Enzymology Vol. 194、pp. 182-187、Academic Press, Inc.、New York; Ito 他、1983、Journal of Bacteriology 153: 163; およびHinnen 他、1978、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75: 1920。
材料および方法
株およびプラスミド

大腸菌 (E. coli) DH12S (Gibco BRL から入手可能である) を酵母プラスミドレスキュウーのために使用する。
サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) YNG318: MATa Dpep4[cir+] ura3-52、key2-d2、his 4-539は下記の文献に記載されている: J. Biol. Chem. 272 (15) 、9720-9727、1997。
プラスミド
すべての発現ベクターは、WO 01/10038に記載されているpJC039から構築された、TPIプロモーターの制御下のサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) および大腸菌 (E. coli) シャトルベクターである。
遺伝子
ダーマトファゴイデス・プテロニッシヌス (Dermatophagoides pteronyssinus) NCBI受け入れ番号: P08176からのDer p 1、アミノ酸配列は配列番号3に示されている。
トリフォリウム・レペンス (Trifolium repens) (シロクロー バー) からのシステインプロテアーゼ遺伝子は、EMBL: AY192363として受託された配列である。
α-因子 (酵母交配に必要なフェロモン) 遺伝子は、インビトロゲン (Invitrogen) から商業的に入手可能であるpPICZαAベクター中の配列である。
フザリウム・オキシスポラム (Fusarium oxysporum) からのトリプシン遺伝子は、EMBL: S63827として受託され、それに対するcDNA配列が配列番号6に示されている配列である。
ペニオホラ・リシイ (Peniophora lycii) 株CBS 686.96からのフィターゼ遺伝子は、EMBL: PLY310696として受託され、それに対するcDNA配列が配列番号8に示されている配列である。
プライマー
ムコル・シシネリデス (Mucor cicinellides) からのセルラーゼの発現のため
cDNAクローニングのため:
MCE-BC1 F (44マー)
5’-CAACTGGTGATCACCACCATGAAGTTCACCGTTGCTATTACTTC-3’
MCE-Nru R (39マー):
5’-TCTCGAGCTCGCGATTACTTTCTTTCGCAACCTGAGCGAG-3’
酵母ベクター構築のため:
M61 F (50マー):
5’-CCAGCTTCCGCAAACAAAGTCGCCAACATGAAGTTCACCGTTGCTATTAC-3’
M61Cutisig f (50マー):
5’-CGCCAGCCTTGTTGCTGCTCTCCCCGCCGCTTCTTGCAGCTCTGTCTATG-3’
C-term R61 R (49マー):
5’-TAATTACATGATGCGGCCCTCTAGATTACTTTCTTTCGCAACCTGAGCG-3’
トリフォリウム・レペンス (Trifolium repens) Lからのシステインプロテアーゼの発現のため
α-シグナル-MunI (49マー):
5’-ATAAACGACGGGACCCGGGGATCCAATTGATGAGATTCCCATCAATTTT-3’
α-シグナル-CysPro R (42マー):
5’-GCCCACGATGGAGAAATCGCGAGCTTCAGCTTCTCTTTTCTC-3’
α-シグナル-CysPro F (42マー):
5’-GAAAAAAGAGAAGCTGAAGCTCGCGATTTCTCCATCGTGGGC-3’
Spe-CysPro R (50マー):
5’-ACTAATTACATGATGCGGCCCACTAGTTCATTTCTTCTTAGTAGGATAAG-3’
Cuti-Sig-CysPro (50マー):
5’-GCACCGCCAGCCTTGTTGCTGCTCTCCCCCGCGATTTCTCCATCGTGGGC-3’
CysPro C-term (50マー):
5’-TAATTACATGATGCGGCCCGCGGCCGCTCATTTCTTCTTAGTAGGATAAG-3’
フザリウム (Fusarium) からのトリプシンの発現のため
酵母-F (43マー):
5’-ACGACGGTACCCGGGGATCAAGCTTATGGTCAAGTTCGCTTCC-3’
酵母-R (43マー):
5’-AACTAATTACATGATGCGGCCCTCTAGATTAAGCATAGGTGTC-3’
cuti-pre (45マー):
5’-CGTTCCTGAACTTGTTGCCCGGGTTGGTGGCACTTCTGCCAGCGC-3’
TP2-Kex F (32マー):
5’-GTTCCTGAACTTGTTCGGCGGGTTGGTGGCAC-3’
TP2-Kex R (32マー):
5’-GTGCCACCAACCCGCCGAACAAGTTCAGGAAC-3’
Cuti-pre F (29マー):
5’-GTTGCTGCTCTCCCCGTTGGTGGCACTTC-3’
Cuti-pre R (29マー):
5’-GAAGTGCCACCAACGGGGAGAGCAGCAAC-3’
CUTIpre-TPpro F (42マー):
5’-TCCTCAGGAGATCCCCAACATTGTTGGTGGCACTTCTGCCAG-3’
CUTIpre-TPpro R (40マー):
5’-GTTGGGGATCTCCTGAGGAGCGGGGAGAGCAGCAACAAGG-3’
ペニオホラ (Peniophora) からのフィターゼの発現のため
PP 1F (50マー):
5’-AAACGACGGTACCCGGGGATCAAGCTTATGGTTTCTTCGGCATTCGCACC-3’
PP R (50マー):
5’-ACTAATTACATGATGCGGCCCTCTAGACTATTCCGACGGAACAAAGCCGC-3’
PP 2F (50マー):
5’-CCGCCAGCCTTGTTGCTGCTCTCCCCCAGCTACCTATCCCCGCACAAAAC-3’
培地および基質
RS-25: 40 g/l 大豆粉末、40 g/l グルコース、10 g/l KH2PO4、0.25 g/l MgSO4、0.01 g/l FeSO4、2.5 g/l NH4NO3; pH 6。
YPD: 20 g/l グルコース、20 g/l ペプトンおよび10 g/l 酵母エキス。
10×基本溶液: 66.8 g/l 酵母窒素塩基w/oアミノ酸 (DIFCO) 、100 g/l スクシネートおよび60 g/l NaOH。
SC-グルコース (またはSC-培地): 100 ml/l 20% グルコース (すなわち、2%の最終濃度 = 2 g/100 ml) 、4 ml/l 5% トレオニン、10 ml/l 1% トリプトファン、25 ml/l 20% カザミノ酸および100 ml/l 10×基本溶液。この溶液を0.20ミクロンの孔大きさのフィルターで滅菌した。寒天およびH2O (ほぼ761 ml) を一緒にオートクレーブ処理し、そして別々に滅菌したSC-グルコースを寒天溶液に添加する。
PEG/LiAc溶液: 50 ml 40% PEG 4000 (オートクレーブ処理により滅菌した) および1 ml 5M 酢酸リチウム (オートクレーブ処理により滅菌した) 。
方法
酵母の形質転換
この方法を実施例2〜5において使用した。
酵母を形質転換するために、in vivo組換え機構を利用し、これにより酵母はベクター配列およびPCRフラグメントをin vivo組換えして発現ベクターをつくることができ、ここでベクター配列およびPCRフラグメントの両方は同一フランキング領域を有する。
0.5μlのベクター (EcoRI-NotI消化した) および1μlのPCRフラグメントを混合することによって、DNA混合物を調製した。サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) YNG318コンピテント細胞を氷上で融解した。
100μlの細胞をDNA混合物および10μlの担体DNA (Clontech) と12 ml ポリプロピレン管 (Falcon 2059) 中で混合した。これに0.6 ml PEG/LiAc溶液を添加し、おだやかに混合し、次いで30℃および200 rpmにおいて30分間インキュベートした。その後、それを42℃において30分間インキュベートし (熱ショック) した後、それをエッペンドルフ管に移し、5秒間遠心した。上清を取出し、3 mlのYPD中に溶解した。次いで、この細胞懸濁液を30℃および200 rpmにおいて30分間インキュベートした後、SC-グルコースプレート上に注いだ。
PCR反応
特記しない限り、PCR反応は下記の条件下に実施した:
PCR反応は38.9μlのH2O、5μlの10×反応緩衝液、1μlのKlen Taq LA (Clontech) 、4μlの10 mM 各dNTP、0.3μlの2×200 pmol/μlのプライマーおよび0.5μlのテンプレートDNAを含有し、下記の条件下に実施した: 30サイクルの98℃における10秒および68℃における90秒、および最後に68℃における10分。
サンドイッチELISA
イムノプレート (Nunc Mxisorb; Nunc-Nalgene) を、4℃において適当な投与量のポリクローナルウサギ抗Der p 1抗体で一夜被覆した。次いで0.05% Tween 20 (PBST) を含有する0.15 M リン酸塩緩衝液 (PBS) でプレートを十分に洗浄し、残りの部位をPBSおよび2%のスキムミルク粉末で室温において1時間ブロックした。試料は精製することができ、半精製した組換えグループ1ダニポリペプチド変異型アレルゲンまたは問題のタンパク質を含有する粗製ブロスを適当な投与量または投与量範囲で添加した。次いでプレートを0.15 M PBSTで十分に洗浄した後、室温においてビオチニル化モノクローナル抗Der p 1抗体 (INDOOR) と1時間インキュベートすることによって、アレルゲンを検出した。
次いでプレートを再び0.15 M PBSTで洗浄した後、室温においてストレプトアビジン-セイヨウワサビペルオキシダーゼの複合体 (Kierkegaard & Perry) と1時間複合化した。洗浄工程を反復し、次いで3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン過酸化水素 (TMB Plus、Kem-En-Tec) の添加により、プレートを現像した後、0.2 M H2SO4の添加により反応を停止させた。450 nmにおける光学密度(OD) は免疫グロブリンに対するアレルゲンの結合を反映し、次いでELISAにおいて既知濃度の投与量範囲で添加した自然Der p 1 (Indoor Biotechnologiesから入手可能である、NA-DP1) について得られたデータと比較することによって、結合したアレルゲンの量を決定した。
他の方法
酵母プラスミドをレスキュウーする大腸菌 (E. coli) の形質転換は、エレクトロポレーション (Bio-Rad Gene Pulser) により実施した。
Qiagen(商標) プラスミドキットを使用して、DNAプラスミドを調製した。Qiagenゲル抽出キットにより、DNAフラグメントをアガロースゲルから回収した。
PTC-200 DNAエンジンにより、PCRを実施した。
すべてのDNA配列の決定に、ABI PRISMTM 310 遺伝学的アナライザーを使用した。
下記の文献に記載されているRobzykおよびKassirの方法により、酵母全DNAを抽出した: Nucleic Acids Research Vol. 20、No. 14 (1992) 3790。
酵素アッセイ
システインプロテアーゼアッセイ
96ウェルのマイクロタイタープレートのアッセイ:
下記の成分を各ウェルに添加した: 10μlの0.5 M 酢酸ナトリウム緩衝液 (pH 5) 、10μlのM NaCl (700μlのメルカプトエタノール/100 mlを含んでなる) 、45μlのD. W. (蒸留水) および10μlの酵素試料。次いでプレートを室温において5〜10分間インキュベート (ペプチダーゼの成熟のため) した後、25μlの40μM Z-Phe-Arg-MCA (0.1% DMSO) を添加した。最後に、460 nmにおけるMCA (4-メチル-クマリル-7-アミド) の発光をフルオロメーターにより測定した。
トリプシンアッセイ (フザリウム (Fusarium) トリプシンのPNAアッセイ)
基質:
50 gのNα-ベンゾイル-DL-アルギニン-p-ニトロアニリド (BAPNA、Sigma B-4875) を1 mlのDMSO中に溶解し、-20℃に保持した。この溶液をアッセイにおいて使用直前に100×に希釈した。
アッセイ緩衝液:
50 mM ホウ酸塩-NaOH (pH 10.5) + 2 mM CaCl2
方法:
20μlの試料および200μMのアッセイ緩衝液を96ウェルのマイクロタイタートレー中で混合し、δOD/分を405 nmにおいて5分間測定した。
フィターゼアッセイ
10μlの希釈した酵素試料 (0.1 M 酢酸ナトリウム、0.01% Tween 20、pH 5.5中で希釈した) を0.1 M 酢酸ナトリウム、0.01% Tween 20、pH 5.5中の250μlの5 mM フィチン酸ナトリウム (Sigma) (pHはフィチン酸ナトリウムの溶解後に調節した; 基質を予熱した) 中に添加し、37℃において30分間インキュベートした。250μlの10% TCAの添加により反応を停止させ、100 mlのモリブデート試薬 (8 mlのH2SO4中の2.5 gの (NH4)6Mo7O24・4H2O、250 mlに希釈した) 中の500μlの7.3 g FeSO4の添加により、遊離リン酸塩を測定した。96ウェルのマイクロタイタープレート中で200μlの試料について、760 nmにおける吸収を測定した。基質および酵素のブランクを含めた。また、リン酸塩の標準曲線を含めた (0〜2 mM リン酸塩) 。1 Uは所定の条件下に1μMのリン酸塩/分を放出する酵素の量に等しい。
実施例1.サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 中のDer p 1の発現
ダーマトファゴイデス・プテロニッシヌス (Dermatophagoides pteronyssinus) からのDer p 1システインプロテアーゼ (配列番号3に示すアミノ酸配列) をコードする遺伝子は、酵母発現ベクターpYES 2.0に由来するベクターpSteD212中に位置した (Invtrogen、Kofod 他、1994、J. Biol. Chem. 269: 29182-29189およびChristgau 他、1994、Biochem. Mol. Biol. Int. 33: 917-925) 。
このプラスミドは大腸菌 (E. coli) およびサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) の両方において複製した。サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) において、Der p 1はこのプラスミドから発現された。
組換えDer p 1はDer p 1プロペプチドを使用して発現され、そして成熟配列内のN-グルコシル化モチーフのみを崩壊する突然変異S54NまたはN52Qを有した。
酵母における分泌のために、プロ-Der p 1遺伝子から上流に2つの異なるシグナルペプチドを導入することによって、それらの発現効率について試験した。DNAフラグメントをクローニングすることによって、シグナルペプチドを有する発現構築物を作った (Sambrook 他、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor、1989) 。1つのシグナルペプチドはアミノ酸配列MKIVLAIASLLALSAVYAをもつ天然に存在するダーマトファゴイデス・プテロニッシヌス (Dermatophagoides pteronyssinus) Der p 1シグナルペプチドであり、そして他のシグナルペプチドはアミノ酸配列MKFFTTILSTASLVAALPをもつフミコラ・インソレンス (Humicola insolens) からのクチナーゼに由来した (配列番号1) 。ほこりダニDer p 1シグナルペプチドをもつ酵母株および構築物をpre-pro-Der p 1と命名し、そしてクチナーゼシグナルペプチドをもつ酵母株および構築物をcuti-pro-Der p 1と命名した。
これらの構築物をサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) 中に形質転換した。Der p 1を発現する酵母形質転換体をスクリーニングするために、形質転換溶液をSC-寒天プレート上に配置して30℃において3日間コロニー生成させた。各管が10 mlのSC培地を含有する50 mlの無菌のプラスチック管に、コロニーを接種した。100 mlのSC培地を含有する500 mlのエルレンマイヤーフラス中で、管を30℃において4日間発酵させた。これらの発酵からの培養ブロスをサンドイッチELISAにおいて使用して、発現されたタンパク質の濃度を決定した。
pre-pro Der p 1 S54Nおよびpre-pro Der p 1 N52Q形質転換体によるDer p 1の発現レベルは、方法の節において前述したサンドイッチELISAにより、同一レベル±8%であると決定された。pre-pro Der p 1をもつ2つの株の発現レベルは、2つの突然変異S54NおよびN52Qを使用した発現レベルに対して独立であることが結論された。
他の実験において、4.5リットルのpre-pro Der p 1 (N52Q) およびcuti-pro Der p 1 (S54N) の培養ブロスを4日間発酵させ、発酵間の各日に試料を採取し、Der p 1の量を前述のサンドイッチELISAにより測定して発現レベルを追跡した。cuti-pro Der p 1およびpre-pro Der p 1の発現収量間の比を下に示す。
Figure 0004809347
各発酵日について、cuti-pro Der p 1はpre-pro Der p 1よりも6〜10倍多いDer p 1を発現し、pro-Der p 1の前のクチナーゼシグナルペプチドが自然ほこりダニDer p 1シグナルペプチドの使用と比較してpro-Der p 1の発現レベルを増加させることを示す。
実施例2.サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) におけるムコル・シシネリデス (Mucor cicinellides) からのセルラーゼの発現
RS-25 + 0.5%ラッカーゼ培地を含有する震蘯フラスコ中で、ムコル・シシネリデ(Mucor cicinellides) IFO4554を30℃において1日間培養した。菌糸体を収集し、mRNAの調製に使用し、これを引き続いてcDNAに逆転写した。MCE-BC1 FおよびMCE-Nru Rプライマー対および下記のPCR条件を使用することによって、cDNAからのPCRにより、ほぼ1 kbのフラグメントを増幅した: 94℃において2分; 35サイクルの94℃において1分、45℃において1,分および72℃において2.5分; および最後に、72℃において8分。増幅されたフラグメントをT-ベクター (Novagene) 中にクローニングした。
プライマー対、M61FおよびC-term R61 R、およびM61 Cutisig FおよびC-term R61 Rを使用して、T-ベクター中のフラグメント (ケカビ (Mucor) セルラーゼ遺伝子) を再増幅し、ここで前者の対をもとのシグナル配列 (ケカビ (Mucor) セルラーゼ遺伝子のシグナル配列) をもつ構築物について使用し、そして後者の対を使用してフミコラ・インソレンス (Humicola insolens) クチナーゼ (配列番号2) およびケカビ (Mucor) セルラーゼ遺伝子からのシグナル配列を含んでなる核酸配列を構築した。
生ずるPCRフラグメントを、それぞれHindIIIおよびXbaI、およびPvuIIおよびXbaIで消化したpJC039と一緒にサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) YNG318中に導入することによって、酵母を形質転換した。
YPD培地を含有する24ウェルのプレート中で、得られたフラグメントを30℃および180 rpmにおいて3日間培養した。0.2%のCMC (カルボキシメチルセルロース) を含有する寒天プレートpH 8.5中の孔に、培養上清を適用した。下記表において、フミコラ・インソレンス (Humicola insolens) クチナーゼシグナルペプチドまたはケカビ (Mucor) クチナーゼ遺伝子からのシグナルペプチドをもつケカビ (Mucor) からセルラーゼを発現する酵母菌細胞からの培養上清を含有する孔を取り囲むハローの大きさ。セルラーゼはCMCを分解し、これによりハローをつくるので、ハローの大きさは特に孔の中に配置された培養上清中に存在するセルラーゼに量に相関する。こうして、大きいハローは多い量のセルラーゼを示すが、小さいハローは少量のセルラーゼを示す。
Figure 0004809347
これらの結果が示すように、ケカビ (Mucor) セルラーゼの酵母における発現は、それ自体のシグナルペプチド配列 (ケカビ (Mucor) セルラーゼ遺伝子) で発現されるときよりも、フミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼ遺伝子からのシグナルペプチド配列で発現されるとき、非常に高い。
実施例3.サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) におけるトリフォリウム・レペンス (Trifolium repens) からのシステインプロテアーゼの発現
α-因子からのシグナルペプチドおよびトリフォリウム・レペンス (Trifolium repens) Lからのシステインプロテアーゼを含んでなる発現ベクターを構築するために、プライマー対、α-シグナル-MunIおよびα-シグナル-CysProRを使用して、α-因子シグナルペプチドをコードするDNAフラグメントを再増幅した。テンプレートとしてEMBL:AY192363配列を使用して、プライマー対、α-シグナル-CysPro FおよびSpe-Cys ProRで、トリフォリウム・レペンス (Trifolium repens) Lからのシステインプロテアーゼのpro-成熟領域をコードする遺伝子を再増幅した。これらの2つのPCRフラグメントをHindIIIおよびXbaIで消化したpJC039と一緒に混合することによって、酵母を形質転換し、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) YNG318の中に導入した。
フミコラ・インソレンス (H. insolens) からのシグナルペプチドおよびトリフォリウム・レペンス (Trifolium repens) Lからのシステインプロテアーゼを含んでなる発現ベクターを構築するために、プライマー対、Cuti-Sig-CysProおよびCysPro C-termを使用して、トリコデルマ・リーセイ (Trichoderma reesei) Lからのシステインプロテアーゼのpro-成熟領域をコードする遺伝子を再増幅した。得られたPCRフラグメントをHindIIIおよびXbaIで消化したpJC039と一緒に混合することによって、酵母を形質転換し、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) YNG318の中に導入した。1 mlのYPDを含有する24ウェルプレート中で得られた形質転換体を27℃において3日間培養し、次いで方法の節に記載するように上清をシステインプロテアーゼ活性について試験した。システインプロテアーゼ活性の測定値を下記表に示す。
Figure 0004809347
これらの結果が示すように、シロクローバーからのシステインプロテアーゼの酵母における発現レベルは、α-因子シグナルペプチドを使用するときよりもフミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼシグナルペプチドを使用するとき、10倍より高い。
実施例4.サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) におけるフザリウム (Fusarium) からのトリプシンの発現
テンプレートとしてEMBL: S63827配列、すなわち、配列番号6に示すcDNA配列を使用して、プライマー対、酵母-Fおよび酵母-R、およびcuti-preおよび酵母-Fで、フザリウム (Fusarium) からのトリプシン遺伝子を再増幅した。
酵母-F/酵母-Rプライマー対を使用してシグナルペプチドをコードする核酸配列、トリプシン遺伝子のpro-領域および成熟部分を含んでなる配列を構築したが、cuti-pre/酵母-Rを使用してフミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼのシグナルペプチドおよびpro-領域およびフザリウム (Fusarium) からの成熟トリプシン遺伝子を含んでなる核酸配列を構築した。生ずるPCRフラグメントを、HindIIIおよびXbaI、およびPvuIIおよびXbaIで消化したpJC039と一緒に、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) の中に導入することによって、酵母を形質転換した。
YPD培地を含有する24ウェルプレート中で、得られた形質転換体 (pTM-TP1およびpTM-TP2) を30℃、180 rpmにおいて3日間培養した。
pTM-TP1: フザリウム (Fusarium) トリプシンシグナル + フザリウム (Fusarium) トリプシンPro + 成熟トリプシン
pTM-TP2: フミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼシグナル + フミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼPro + 成熟トリプシン
方法の節において前述したように、トリプシン活性を測定した。NeutraseTM (マチュラーゼとして) を添加してさえ、両方の培養上清における活性は観察されなかった。しかしながら、トリプシンのpro-型 (クチナーゼpro-成熟トリプシン) はpTM-TP2を使用するウェスタンブロッティングにより検出された。
したがって、下記の構築物を作った:
pTM-TP2-Kex: フミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼシグナルペプチド + フミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼpro-領域 + KexII部位 + 成熟フザリウム (Fusarium) トリプシン
pTM-TP2w/o pro: フミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼシグナルペプチド + 成熟フザリウム (Fusarium) トリプシン
pTM-TP2 TPpro: フミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼシグナルペプチド + フザリウム (Fusarium) トリプシンpro-領域 + フザリウム (Fusarium) 成熟トリプシン
プライマー対、TP2-Kex FおよびR、Cuti-pre FおよびRおよびCUTIpre-TPpro FおよびRの各々を使用して、それぞれそれらをEagIで消化したpTM-TPベクターと混合することによって、pTM-TP2-Kex、pTM-TP2w/o proおよびpTM-TP2 TPproを調製し、そしてこの混合物をサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) YNG318の中に導入した。
YPD培地を含有する24ウェルプレート中で、得られた形質転換体を30℃、180 rpmにおいて3日間培養した。
Figure 0004809347
ここで「-」はウェスタンブロットにおいて活性またはバンドを検出できなかったことを意味し、「+」はトリプシン活性が検出可能であることを意味し、「pro-型」はそれが検出可能であるトリプシンのpro-型であることを意味し、「N.T.」は「試験せず」を意味し、そしてpTM-TP2 w/oについてproは成熟よりも大きいタンパク質が検出可能であるが、この構築物はpro-領域を含むように設計せず、こうしてpro-型ではないことを意味する。
Neutraseを上清 (最終濃度0.5 AU/ml) に添加したとき、pTM-TP2TPproベクターを使用してトリプシン活性が検出された。これらの結果が示すように、フザリウム (Fusarium) トリプシンそれ自体のシグナルペプチドは酵母においてトリプシンの発現のための効率よく働かないが、フミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼシグナルペプチドは働く。フザリウム (Fusarium) トリプシン (7アミノ酸) からのpro-領域は、トリプシンの適切なフォールディングおよび活性化に必要であるように見える。
実施例5.サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) におけるペニオホラ (Peniophora) からのフィターゼの発現
テンプレートとしてEMBL: PLY3106966配列、すなわち、配列番号8に示すcDNA配列を使用して、プライマー対 (PP1 FおよびPP R、およびPP2 FおよびPP R) で、ペニオホラ (Peniophora) フィターゼ遺伝子を増幅した。
PP1 F/PP Rプライマー対を使用してペニオホラ (Peniophora) フィターゼ遺伝子からのシグナルペプチドおよびペニオホラ (Peniophora) フィターゼの成熟タンパク質をコードする核酸配列を構成したが、PP2 F/PP Rを使用してフミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼ遺伝子からのシグナルペプチドおよび成熟ペニオホラ (Peniophora) フィターゼタンパク質をコードする核酸配列を構成した。生ずるPCRフラグメントをHindIIIおよびXbaI、およびPvuIIおよびXbaIで消化したpJC039ベクターと一緒にサッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) YNG318の中に導入することによって、酵母を形質転換した。
YPD培地を含有する24ウェルプレートおよび500 mlの震蘯フラスコ中で、得られた形質転換体を30℃、180 rpmにおいて3日間培養した。
pTMPP1構築物はペニオホラ (Peniophora) フィターゼからのシグナルペプチド配列を含んでなるが、pTMPP2構築物はフミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼシグナルペプチドを含んでいた。方法の節において前述したように、24ウェルプレートまたは震蘯フラスコ中で培養したpTMPP1またはpTMPP2構築物を含んでなる形質転換体の培養上清中で、フィターゼ活性を測定した。結果を下に示す。
Figure 0004809347
これらの結果が示すように、pTMPP2構築物を含んでなる形質転換体はpTMPP1構築物を含んでなる形質転換体よりも高いフィターゼ活性を発現し、フミコラ・インソレンス (H. insolens) シグナルペプチドがフィターゼ自体のシグナルペプチドと比較して酵母におけるフィターゼの発現を増加させることを示す。
実施例6.アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) におけるペニオホラ (Peniophora) からのフィターゼの発現
実施例5に記載するそれ自体のシグナルペプチドをもつフィターゼ遺伝子およびフミコラ・インソレンス (H. insolens) クチナーゼシグナルペプチドをもつフィターゼ遺伝子を含んでなる構築物を下記の文献に記載されているように使用して、アスペルギルス (Aspergillus) の発現ベクターを構築し、アスペルギルス (Aspergillus) の中に形質転換した: Lassen 他 (2001) Applied and Environmental Microbiology 67: 4701-4707。
構築物の各々について、49株を単離し、精製し、上記方法の節に記載されているように前記形質転換体を震蘯フラスコ中で培養することによって、フィターゼの産生を測定した。フィターゼを高いレベルで発現する構築物の2つのグループからの株を比較するとき、クチナーゼシグナルペプチドをもつ構築物を含んでなる株はフィターゼシグナルペプチドを含んでなるものよりもほぼ1.4倍多いフィターゼを発現することが発見された。同様に、最高量のフィターゼを発現する各グループからの5株において発現されたフィターゼの平均量を比較したとき、クチナーゼシグナルペプチドをもつ構築物を含んでなる株はフィターゼシグナルペプチドをもつ構築物を含んでなるものよりもほぼ1.3倍多いフィターゼを発現した。

Claims (18)

  1. 下記の段階:
    (a)ポリペプチドの産生を促す培地中で真菌宿主細胞を培養し、ここで宿主細胞はポリペプチドをコードする第2ヌクレオチド配列に作用可能に連結されたシグナルペプチドをコードする第ヌクレオチド配列を含んでなる核酸構築物を含んでなり、そして第1ヌクレオチド配列は第2ヌクレオチド配列に対して外来であり、第1ヌクレオチド配列の3'末端は第2ヌクレオチド配列から直ぐ上流に存在し、そして第1ヌクレオチド配列は下記から成る群から選択され:
    (i)配列番号1に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列から成るシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列;及び
    (ii)配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列;
    (b)分泌されたポリペプチドを培地から単離する;
    を含んでなる、分泌されたポリペプチドを製造する方法。
  2. 第1ヌクレオチド配列が配列番号1のアミノ酸配列から成るシグナルペプチドをコードする、請求項1に記載の方法。
  3. 第1ヌクレオチド配列が配列番号2から成る、請求項1に記載の方法。
  4. 第2ヌクレオチド配列が真菌宿主細胞に対して内在性であるポリペプチドをコードする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  5. 第2ヌクレオチド配列が真菌宿主細胞に対して外来性であるポリペプチドをコードする、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  6. 真菌宿主細胞が第2ヌクレオチド配列の1または2以上のコピーを含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. 第2ヌクレオチド配列がホルモンまたはホルモン変異型、酵素、レセプターまたはその一部分、抗体またはその一部分、アレルゲンまたはリポーターをコードする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. 酵素がオキシドレダクターゼ、トランスフェラーゼ、ヒドロラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼまたはリガーゼである、請求項に記載の方法。
  9. 酵素がアミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、セロビオヒドロラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エンドグルカナーゼ、エステラーゼ、α-ガラクトシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、β-グルコシダーゼ、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンノシダーゼ、ムタナーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペルオキシダーゼ、ホスホリパーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ、キシラナーゼまたはβ-キシラナーゼである、請求項に記載の方法。
  10. 第2ヌクレオチド配列がアレルゲン、例えば、ダーマトファゴイデス・プテロニッシヌス (Dermatophagoides pteronyssinus) からのDer p 1、特に配列番号3のアミノ酸19〜320またはその変異型をコードする、請求項に記載の方法。
  11. 真菌宿主細胞がフィラメント状真菌宿主細胞、例えば、アスペルギルス (Aspergillus) 細胞、例えば、アスペルギルス・オリゼ (Aspergillus oryzae) である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 真菌宿主細胞が酵母細胞、例えば、サッカロマイセス (Saccharomyces) 細胞、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ (S. cerevisiae) である、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  13. ポリペプチドをコードする第2ヌクレオチド配列に作用可能に連結されたシグナルペプチドをコードする第1ヌクレオチド配列を含んでなる核酸構築物、ここで第1ヌクレオチド配列は第2ヌクレオチド配列に対して外来であり、そして第1ヌクレオチド配列の3'末端は第2ヌクレオチド配列から直ぐ上流に存在し、そして第1ヌクレオチド配列は下記から成る群から選択される:
    (i)配列番号1に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列から成るシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列;及び
    (ii)配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列。
  14. 第1ヌクレオチド配列が配列番号1のアミノ酸配列から成るシグナルペプチドをコードする、請求項13に記載の核酸構築物。
  15. 第1ヌクレオチド配列が配列番号2から成る、請求項13に記載の核酸構築物。
  16. 請求項1315のいずれかに記載の核酸構築物を含んでなる組換え発現ベクター。
  17. 請求項1315のいずれかに記載の核酸構築物または請求項16に記載の発現ベクターを含んでなる組換え宿主細胞。
  18. ポリペプチドを製造するためのシグナルペプチドの使用、ここで前記シグナルペプチドは第1ヌクレオチド配列によりコードされ、前記ポリペプチドは第1ヌクレオチド配列に対して外来である第2ヌクレオチド配列により発現され、そして第1ヌクレオチド配列の3'末端は第2ヌクレオチド配列から直ぐ上流に存在し、そして第1ヌクレオチド配列は下記から成る群から選択される:
    (i)配列番号1に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列から成るシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列;及び
    (ii)配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列。
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