JP4808886B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

Description

技術分野
本発明は、構造を簡略化でき、かつ交換可能な吸収体（尿パッド）を併用可能な使い捨ておむつに関する。
背景技術
従来、使い捨ておむつとしては、外面側シートと肌面側シートの間に吸収体が設けられると共に、肌面側シートの上側で吸収体の両側の位置に、尿等の横漏れを防止するための立ち上がり帯材（カフ）が設けられると共に、この立ち上がり帯材と肌面側シートとの間に、肌面側シート外側縁から外側へ延出するサイドシートが設けられたものがある。
上記従来の使い捨ておむつでは、立ち上がり帯材とサイドシートとを別々に設け、立ち上がり帯材の内側縁に添設した立ち上がり用弾性糸で立ち上がり用ギャザーを形成すると共に、外面側シートと肌面側シートとの間の外側縁に添設したレッグ用弾性糸でレッグ用ギャザーを形成していた。
また、従来の使い捨ておむつは、本来、失禁量の多少にかかわらず、交換することを前提としたものであるが、失禁量が少なくて失禁回数が多いような場合には、交換の手間を省いたり、経済性の観点から、立ち上がり帯材の上に交換可能な吸収体（尿パッド）を置いて使用することが実際に行われていた。
しかしながら、立ち上がり帯材とサイドシートとを別々に設けたうえ、立ち上がり帯材に立ち上がり用弾性糸を添設し、外面側シートと肌面側シートとの間のレッグ用弾性糸を添設していたから、構造及び製造工程が複雑になるという問題があった。
また、交換可能な吸収体（尿パッド）は、立ち上がり帯材の上に置くことになるから、吸収体（尿パッド）が位置ずれしたり、立ち上がり帯材が立ち上がらなくなって、尿等が横漏れして衣服を汚すことがあるという問題があった。
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、構造及び製造工程を簡略化でき、かつ交換可能な尿パッドを併用しても位置ずれや尿等の横漏れを有効に防止できる使い捨ておむつを提供することを目的とするものである。
発明の開示
本発明は、外面側シートと肌面側シートとの間に第１吸収体が設けられ、上記肌面側シートの上側の両側にサイドシートが設けられ、各サイドシートの内側縁のほぼ全長に亘って立ち上がり用弾性糸が添設されるとともに外側縁の脚部付近にレッグ用弾性糸が添設されて、各サイドシートは、レッグ用弾性糸の外側位置でサイドシートの略全長に亘って肌面側シートに接着され、レッグ用弾性糸の内側位置でレッグ用弾性糸の略全長に亘って肌面側シートに線状で接着されると共に、前端部分と後端部分とが肌面側シートに接着されていることを特徴とする使い捨ておむつを提供するものである。
本発明によれば、肌面側シートの両側に設けた各サイドシートに、立ち上がり用弾性糸とレッグ用弾性糸を所定の関係でそれぞれ添設して、各サイドシートを所定の関係で肌面側シートに接着することにより、各サイドシートに立ち上がり用ギャザーとレッグ用ギャザーとを同時に形成できるようになる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。第１図は使い捨ておむつの展開状態の正面図、第２図（ａ）は第１図のＡ−Ａ線に相当する断面概略図、第２図（ｂ）は第１図のＢ−Ｂ線に相当する断面概略図、第３図は使い捨ておむつの分解斜視図、第４図は使い捨ておむつの使用状態の正面図である。
第３図に示すように、使い捨ておむつは、基本的には、外面側シート１と、第１吸収体２と、肌面側シート３と、左右一対のサイドシート４とで構成されている。
上記外面側シート１は、撥水性を有する合成樹脂繊維製不織布又は合成樹脂製フィルムで成形され、前腹部Ｐと後背部Ｑとの間の股部Ｒの両側には脚穴部Ｓが形成されている。
上記外面側シート１の前腹部Ｐと後背部Ｑの上面には、幅方向に伸長状態で複数本のウェスト用弾性糸５がそれぞれ添設されている。
また、外面側シート１の前腹部Ｐの下面にはフロンタルテープ６が取付けられると共に、後背部Ｑの下面の両側には、第４図に示すように、使用時にフロンタルテープ６に貼付けて、使い捨ておむつを立体的に組み立てるためのファスニングテープ７がそれぞれ取付けられている。
上記第１吸収体２は、天然パルプ繊維、合成樹脂繊維や高吸水性樹脂材料などを混合又は積層したもので、上記外面側シート１よりも一回り程度小さい略砂時計形状または略長方形状の扁平体に成形されて外周が薄葉紙で包み込まれている。この第１吸収体２は、外面側シート１の上面に接着されている。
上記肌面側シート３は、親水性を有する合成樹脂繊維製不織布等で成形され、上記外面側シート１と同じ外形状に形成されて、この肌面側シート３の下面と上記外面側シート１の上面とは、第１吸収体２とウェスト用弾性糸５とを介装した状態で接着剤８ａ（第２図参照）等により適宜接着されている。なお、肌面側シート３は、接着剤８ｃが塗布できる幅（第３図参照）の長方形状であってもよい。
上記左右一対のサイドシート４は撥水性を有する合成樹脂繊維製不織布等で成形され、上記外面側シート１及び肌面側シート３とほぼ同じ長さを有すると共に、脚穴部Ｒに相当する部分には同形状の脚穴部が形成されている。
この各サイドシート４は、内側部分が下向き内側に深く折り返されていて、この折り返し部４ｃの内側縁４ａが第１吸収体２の上面両側を覆っている。また、前腹部Ｐや後背部Ｑにおいては、サイドシート４の外側縁４ｂの下面は、肌面側シート３の上面に接着剤８ｂ（第２図（ｂ）参照）等により適宜接着されている。
この各サイドシート４の折り返し部４ｃの内側縁４ａには、サイドシート４のほぼ全長に亘って立ち上がり用弾性糸９が伸長状態で添設される。また、外側縁４ｂの脚穴部Ｒ付近に相当する位置においては、この折り返し部４ｃの折り返し端付近に、外側縁４ｂの脚穴部Ｒ付近に位置する複数本のレッグ用弾性糸１０が伸長状態で接着されている。これにより、サイドシート４の折り返し部４ｃの間で立ち上がり用弾性糸９とレッグ用弾性糸１０とを挟み込むようになる。
上記各弾性糸５，９，１０は、帯状や糸状の天然ゴム又は合成ゴムであり、各弾性糸５，９，１０の収縮力でウェスト用ギャザー、立ち上がり用ギャザー、レッグ用ギャザーが自然に形成されるようになる。
上記各サイドシート４は、各サイドシート４の外縁部４ｂ寄りで、レッグ用弾性糸１０の直ぐ外側位置において、サイドシート４の略全長に亘って上記肌面側シート３の上面に接着剤８ｃ（第１図、第２図、第３図参照）により線状に接着される。また、各サイドシート４の内縁部４ａ寄りで、レッグ用弾性糸１０の直ぐ内側位置においても、レッグ用弾性糸１０の略全長に亘って上記肌面側シート３の上面に接着剤８ｄ（第１図、第２図、第３図参照）により線状に接着されている。なお、「線状」には、点線状も含まれる。
上記接着剤８ｃと前記接着剤８ｂ（第２図（ｂ）参照）は、別々の接着部として設ける必要はなく、この両接着剤８ｃ，８ｂによる接着部の間を、接着剤で全面接着あるいはドット状またはスパイラル状に間欠接着しても良い。
すなわち、上記各サイドシート４は、レッグ用弾性糸１０の直ぐ外側位置で、サイドシート４の略全長に亘り線状に肌面側シート３に接着しているが、レッグ用弾性糸１０の直ぐ内側位置では、レッグ用弾性糸１０の略全長に亘り、接着長さＬ１の短い長さで線状に接着しているのみである。
また、各サイドシート４の前端部分と後端部分の下面は、上記肌面側シート３の上面に、第１吸収体２の前端部と後端部にそれぞれ僅かに重なり合う程度の短い長さＬ２で接着剤８ｅ（第１図、第２図、第３図参照）により間欠接着されて、それぞれ立ち上がらないようになっている。なお、第１図、第３図及び第５図においては、接着剤８ｃ，８ｄ，８ｅの位置や幅を明らかにするために、特に黒べた塗りで表示している（８ｂは省略している）。
上記のように、接着剤８ｃによる線状の全長接着、接着剤８ｄによる線状の長さＬ１の接着、及び接着剤８ｅによる長さＬ２の間欠接着によって、第５図及び第６図に示すように、上記各接着剤８ｃ〜８ｅによる接着部で囲まれた肌面側シート３と各サイドシート４との間に、幅Ｗ１，Ｗ２と長さＬ３とを有して、第２吸収体（尿パッド）１１を交換可能に位置決めして挿入できるポケット１２が形成されるようになる。
上記第２吸収体１１は、第１吸収体２と同様に、天然パルプ繊維、合成樹脂繊維や高吸水性樹脂材料などを混合又は積層したもので、第１吸収体２よりも一回り程度小さい砂時計形状の扁平体に成形されて外周が薄葉紙で包み込まれたものである。なお、第２吸収体１１は砂時計形状である必要は必ずしもなく、ポケット１２で位置決めできるのであれば長方形状であっても良い。
上記のように構成した使い捨ておむつにおいては、各サイドシート４に、立ち上がり用弾性糸９とレッグ用弾性糸１０とを上記の関係を持たせてそれぞれ添設し、各サイドシート４を上記の関係で肌面側シート３に接着することにより、立ち上がり用弾性糸９の収縮により各サイドシート４の内縁部４ａが長さＬ３の範囲で立ち上がって立ち上がり用ギャザーが形成されると同時に（第２図の二点鎖線参照）、レッグ用弾性糸１０の収縮により長さＬ１の範囲で脚穴部Ｓの付近にレッグ用ギャザーが形成されるようになる。
したがって、従来のような別体の立ち上がり帯材が不要となって構造が簡略化すると共に、立ち上がり用弾性糸９とレッグ用弾性糸１０とをサイドシート４のみに添設すれば良いので、製造工程も簡略化するようになる。
また、第５図及び第６図に示したように、肌面側シート３と各サイドシート４との間にポケット１２が形成され、このポケット１２に第２吸収体（尿パッド）１１を交換可能に挿入できるから、尿等が少量であるときには、第２吸収体（尿パッド）１１のみを交換すれば良いので経済的であると共に、尿等が多量であるときでも、第２吸収体１１からあふれた尿等が第１吸収体２でも吸収できるようになるので、尿等の横漏れを有効に防止することができる。
この場合、上記ポケット１２は、幅Ｗ１と、Ｗ１よりも長い幅Ｗ２と、長さＬ３とを有していて、砂時計型の空間を形成することから、このポケット１２に、前後端が幅広で中央部が幅狭く形成された砂時計形状の第２吸収体（尿パッド）１１を位置決めして挿入することにより、第２吸収体（尿パッド）１１は、幅方向及び長さ方向いずれにおいても位置ずれしなくなる。
また、このポケット１２に挿入された第２吸収体１１の両側には、各サイドシート４により立ち上がり用ギャザーが形成されているので、尿等が横漏れすることがない。
上記実施形態は使い捨ておむつであったが、外面側シートに積層された肌面側シートの上に第１吸収体を取付けた構成等の使い捨てパンツにも適用できることは言うまでもない。
以上の説明からも明らかなように、本発明は、肌面側シートの両側に設けた各サイドシートに、立ち上がり用弾性糸とレッグ用弾性糸を所定の関係でそれぞれ添設して、各サイドシートを所定の関係で肌面側シートに接着することにより、各サイドシートに立ち上がり用ギャザーとレッグ用ギャザーとを同時に形成できるようになるから、立ち上がり帯材が不要となって構造が簡略化すると共に、立ち上がり用弾性糸とレッグ用弾性糸とをサイドシートのみに添設すれば良いので、製造工程も簡素化するようになる。
また、各接着部で囲まれた肌面側シートと各サイドシートとの間に、交換可能な第２吸収体、好ましくは砂時計形状の第２吸収体（請求の範囲第３項）を位置決めして挿入できるポケットが形成されるので（請求の範囲第２項）、このポケットに、第２吸収体（尿パッド）を位置ずれしないよう交換可能に挿入できると共に、この挿入した第２吸収体の両側にも各サイドシートによって立ち上がり用ギャザーが形成されるので、尿等の横漏れを有効に防止できるようになる。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明の使い捨ておむつは、交換可能な尿パッドと併用するための使い捨ておむつあるいは使い捨てパンツとして有用である。
【図面の簡単な説明】
第１図は、本発明の使い捨ておむつの展開状態の正面図である。
第２図（ａ）は第１図のＡ−Ａ線に相当する断面概略図、（ｂ）は第１図のＢ−Ｂ線に相当する断面概略図である。
第３図は、使い捨ておむつの分解斜視図である。
第４図は、使い捨ておむつの使用状態の正面図である。
第５図は、第２吸収体を挿入した使い捨ておむつの展開状態の正面図である。
第６図の（ａ）は第５図のＣ−Ｃ線に相当する断面概略図、（ｂ）は第５図のＤ−Ｄ線に相当する断面概略図である。

Claims (1)

1. 外面側シートと肌面側シートとの間に第１吸収体が設けられ、上記肌面側シートの上面の両側にサイドシートが設けられ、各サイドシートの内側縁のほぼ全長に亘って立ち上がり用弾性糸が添設されるとともに、各サイドシートの外側縁の脚部付近にはレッグ用弾性糸が添設されており、各サイドシートは、前記レッグ用弾性糸の外側位置でサイドシートの略全長に亘って肌面側シートに接着され、かつ、前記レッグ用弾性糸の内側位置でレッグ用弾性糸の略全長に亘って肌面側シートに線状で接着されると共に、各サイドシートの前端部分と後端部分とが肌面側シートに接着されており、前記各接着部で囲まれた肌面側シートと各サイドシートとの間に、交換可能な第２吸収体を位置決めして挿入できるポケットが形成されており、前記第２吸収体は前後端が幅広で中央部が幅狭く形成された砂時計形状であり、該第２吸収体は、その幅狭く形成された中央部が前記レッグ用弾性糸の内側位置の前記接着部に沿うように位置決めされることを特徴とする使い捨ておむつ。

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