JP4808101B2 - 重質炭化水素原料油の水素変換方法 - Google Patents

重質炭化水素原料油の水素変換方法 Download PDF

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Description

本発明は、低沸点炭化水素製品製造のための、触媒を含む重炭化水素原料油の新規な水素変換方法に関する。具体的には、本発明方法は、原油精製により得られる低沸点残渣(アスファルテン、真空及び油圧下での蒸留残渣、及び熱触媒処理により生ずる無用な重質物質)、重油、天然ビチューメン、及びビチューメン含有砂に利用可能である。また本発明方法は、精油工業分野におけるガス、ガソリン留分、蒸留ガス油、金属を含む灰濃縮物及び化学肥料の製造にも利用可能である。
石油産業において、重炭化水素原料油の低沸点液体への変換は重要な関心事である。重炭化水素類の上質化には重油の水素添加が利用される。かかる処理方法を採ることにより、重炭化水素類はより比重の軽い製品及び低沸点の中間蒸留液体へと変換される。Co、MoあるいはNiの硫化物等の異なる成分から成る触媒が酸化アルミニウム支持体上において用いられる。
触媒表面へ原油の高分子量成分が吸着されることによって該触媒の孔及び活性部位が閉塞され、それによって水素添加反応活性の重大な低下がひき起こされる。原油中のアスファルテン及び有機化合物が分離されて触媒表面へ沈着し、それによって該触媒の活性が失われる。炭化水素の分子量が大きくなればなる程、触媒の有効期間は短くなる。このような水素添加処理においては、水素分圧を常に高く保持することが一つの要件となる。
US4,637,870には、水素添加精製方法に関する記載がある。この方法では、リン及びモリブデン含有触媒が水溶液中へ添加される。この処理中に、リン酸がリン・モリブデン酸へと変化する。この溶液へ炭化水素を混合させることにより、前記触媒の一次溶液が得られる。得られたこの一次溶液は脱水及び硫化され、原料油(重油あるいは重質残渣)へ加えられ、次いで水素添加反応用の反応器中へ導入されて反応が開始される。上記反応過程においては、市販のリン・モリブデン酸がP/Mo原子比で0.08〜1あるいは0.1〜1となるように用いられる。リン・モリブデン酸がコークスの生成を減ずるために添加される場合には、前記P/Mo原子比は0.12〜1あるいは0.45〜1の範囲内でなければならない。
この方法の欠点は、多量のコークスが生成されること、触媒を調製し及び該触媒が反応器へ入いる前に原料油へ触媒を添加することが困難なことである。さらに、用いられる触媒が極めて高価であるため非経済的な方法となることである。
US4,659,454には、重油の水素化分解方法に関する記載がある。この方法では、沸点400℃以上の留分の75%以上が沸点150〜400℃の蒸留留分の5〜50%と混合される。この混合物中に存在するIV、V、VI、VII及びVIII族移金属元素化合物は加熱される結果として分解される。原料油へは酸性ゼオライト固体触媒が該原料油に対する比として0.1〜10重量%添加される。この方法は、250〜500℃の温度範囲内及び25〜50MPaの圧力下で、混合あるいはプラグフロー反応器中において0.1〜10/時間の液体時間毎空間の速度で実施される。
この方法の欠点は、該方法において圧力(25MPa以上)を加える必要があり、そのための特別な装置が必要となること、低比重炭化水素留分の生成が比較的少ないこと、及び触媒再生及び原料油中に存在する金属の分離に優れた方法を欠いていることである。
さらにFR2,631,631には、430℃において、移金属硫化物を用いて原料油を懸濁させることによって水素添加を実施する別の方法が開示されている。
前記方法における触媒は下記手順に従って調製される。
・Mo等のVIB、VIIB、及びVIII族元素の金属化合物、リン・モリブデン酸、及びリン・モリブデン酸の塩をアスファルテン及び原料油を含む有機多硫化物と混合する。
・得られた混合物を、水素ガス存在下及び5〜20MPaの圧力下、260〜450℃の温度範囲内において加熱する。
・得られた濃縮された触媒を前記原料油中へ添加する。
しかしながら、前記触媒調製における困難性、前記方法を困難かつ高価にする多硫化物使用の必要性、及び触媒再生に適する溶液の欠如が前記方法の欠点である。
US5,039,392では、硫黄を第一濃縮触媒溶液の調製における硫化元素として用いる前記方法の変形が開示されている。
この方法には、炭化水素溶液中へ触媒水溶液を分散させ、脱水し、硫化し、得られた混合物を原料油へ添加し、これによって得られた第二混合物を反応器中へ導入して反応を開始させる操作が含まれている。
前記方法における触媒の使用濃度は約50〜300ppmの範囲内であり、生成されたコークス(固体生成物)の量は約2質量%、少なくとも1.8質量%である。
このように多量のコークスが生成されること、及び脱水及び加硫工程に基因する触媒調製の困難性が前記方法における欠点である。
WO93/03117には、水素(50〜5000psig)を用い、かつ濃縮された触媒を添加した、343〜515℃の温度範囲内における重炭化水素の低沸点製品への水素添加変換に関する記載がある。この方法における前記濃縮触媒は下記手順に従って調製される。
・沸点が570℃より高い炭化水素留分を周期律表のII、III、IV、V、VIB、VIIB及びVIII族金属の金属化合物水溶液と混合して、前記原料油中の前記金属の量が0.2〜2質量%の範囲内となるように第一触媒溶液を調製する。
・前記第一工程において調製された第一触媒溶液を加熱し、275〜425℃の温度範囲内において硫黄元素を硫化剤として用いて前記第一触媒の硫化を行う。
しかしながら、特別な条件及び不必要に複雑化された工程に従って濃縮触媒が調製されること、高価なリン・モリブデン酸を使用すること、及び触媒再生に関する難点を解消する方策をもたないことがこの方法の欠点である。
US6,004,454には重油及び残油の水素化分解の別法、すなわち原料油中に分散される分散タイプの触媒を用いる水素化分解方法が示されている。
この触媒には、Moが2〜15質量%、Niが0.1〜2質量%、及びリンが0.1〜3質量%が含まれている。Mo及びNiの酸化物あるいは塩が水に溶解されて触媒が調製される。
未処理原油及び主原料(重質残渣)と前記触媒が混合され、得られた混合物は加熱されて、反応器中へ投入される。水素化分解反応は380〜460℃の温度範囲内において10〜15MPaの圧力下で実施される。
前記触媒は、前記活性金属濃度が150〜1500ppmの範囲内に達するような量で添加される。この工程における留出留分の生成は約70質量%であり、該留分にはコークスは殆んど含まれていない。
前記留出留分の生成量が少ないこと、プロセスフローが高度であるため高価な方法となること、及び触媒分離を行う適当な方法を欠くことがこの方法の欠点である。
RU2,146,274には重炭化水素の変換方法に関する記載がある。
この方法では、触媒は原料油中に均質に分散される。この触媒は、原料油をモリブデン酸塩を含む水溶液と混合することによって得られる乳状液から反応域において直接生成される。オイル状の触媒乳状液(水溶液)は事前に調製される。前記調製された乳状液へ水素含有ガスを送り込んで接触させることにより前記混合液の水素添加が果たされる。留出物の70%を含む軽質留分は500℃に及ぶ沸騰温度において反応を起こし、及び水素添加によって精製される。反応生成物は、350℃以下の沸騰温度によって数留出留分へ分けられ、また350℃以上の沸騰温度によって数残渣へ分けられる。この場合、350℃以上の沸騰温度をもつすべての残渣は、触媒再生及び原料油中に存在する金属の分離のため焼成される。
この方法の欠点は、軽質水素添加生成物の量が少ないことである。重要な留分を含む水素添加残渣のかなりの量(1〜40%)がさらに加熱された際に消失されるため、この方法の環境及び経済指数は低い。この方法のさらに別の欠点は、350℃以上の沸騰温度をもつ残渣が前記水素変換工程へ戻ること、またこの方法によればコークス等のビスコース物質、アスファルテン及び使用済み触媒が含まれ、これら含有物によってこの方法による収率が低下することである。
本発明は、上記欠点を解消あるいは少なくとも軽減し、及び触媒リサイクルを考慮した効率的方式で低沸点炭化水素製品を製造するための炭化水素原料油の水素変換方法を提供することを目的とする。
前記目的は、下記工程から構成される、低沸点炭化水素製品製造のための、触媒を含む重炭化水素原料油の新規な水素変換方法によって達成される。すなわち、本発明に従った水素変換方法は、
(a)改質剤(modifier)としての接触クラッキングガス油及び安定剤としてのケトンを添加して重質炭化水素原料油を活性化する工程、
(b)予め活性化された重炭化水素原料油、水、及び触媒化合物から成る乳状液を含む触媒複合組成物を調製する工程、
(c)水素ガス及び前記工程(b)において述べた触媒複合組成物乳状液の存在下において、残存活性化重炭化水素原料油の水素添加を行う工程、
(d)前記工程(c)において得られた生成物を常圧及び/または真空蒸留を用いて液体/ガス流として分別する工程、
(e)前記蒸留処理によって生じた残渣を、固体粒子含有物の分離後に、前記工程(a)へ戻す工程、及び
(f)前記固体粒子から触媒元素を分離して、該触媒元素を予備触媒複合組成物調製装置へリサイクルする工程から構成される。
本発明は高大気圧イオン化(API)炭化水素の水素添加による上質化方法を提供するものであり、本方法は、
−上記処理による変換率が高く(95%以上)、
−触媒タイプ及び水素の存在に基因するコークスの生成が全く無く、
−原料油及びそれに含まれる金属及び固体物質に対する所謂「敏感性」がなく、
−前記敏感性がないことから、前記原料油に事前処理作業が必要とされず、
−脱硫率が60%以上にまで達し、
−原料油から重金属を完全に除去することができ、
−従来方法に比較して設備により低コストしか要せず、及び
−効率的な再利用によって実際に経済的である等の特徴を有する。
本発明の前記及びさらに以下において記載される目的、特徴及び利点は、添付図面を参照しながら説明される以下の詳細な説明によってさらに明らかにされ、かつ容易に理解される。
本発明は、原油残渣中に存在する高分子量粗炭化水素類及び炭化水素類を含む他材料を、パラモリブデン酸アンモニウム水溶液の混合液を含む乳状触媒複合組成物の存在下で、水素添加により上質化する方法を提供するものである。
環境安全指数は、使用触媒の効率を高めることによる中間蒸留留分流出量の増加、脱硫による製品の最適化、及び存在する場合は最終製品中におけるコークス生成をひき起こす最終製品中の未変換化合物量の減少によって最適化される。
下記操作によって本発明における方法パラメータの最適化が齎される。すなわち、
−重炭化水素原料油の親液性を高める核種を分散及び適用することによって原料油を活性化させる。活性化された重炭化水素原料油の分散を高レベルに維持することにより処理効率が高められる。
−前記触媒複合組成物を、前記活性化された重炭化水素原料油中において触媒化合物水溶液を乳状化させることによって調製する。
−前記触媒乳状液を反応域へ段階的に添加することにより触媒活性を高め、結果的に一定レベルの変換を得るための処理に必要とされる触媒量を減ずる。
−沸点520℃以上の留分濾過により得られた固体残渣を燃焼することにより触媒を再生させる。すなわち、真空蒸留残渣の濾過により残存した固体残渣及び前記中間乳状材料の濾過残渣を燃焼させる。生成された灰を収集し、この灰から触媒元素を抽出し、通常の炭酸アンモニア法を用いて洗浄し、パラモリブデン酸アンモニウムの形態で処理工程へ戻す。
−前記原料油中に存在する金属(Ni、V等)を含む濃縮灰を収集する。
−SOxガスを、化学肥料である硫安へ変換することにより触媒を再生する間に生成されるガスを精製することにより環境安全度を高め、かつ硫黄及び二酸化窒素のそれぞれ98%及び60%を除去できるように流出ガスへオゾンを加えて二酸化窒素の放出を減ずる。
本発明の好ましい一実施態様においては、以下に述べるように、本発明方法によって重炭化水素原料油の上質化に関する問題を解決することが可能である。
炭化水素原料油は、強力な改質剤を適用することによって分散される。前記改質剤としては、熱安定性環状炭化水素を少なくとも60%含有する原油留分が用いられる。好ましくは、原油精製中に抽出された触媒分解性ガス油、熱分解樹脂、あるいは芳香族化合物が改質剤として使用される。前記改質剤は、前記重炭化水素原料油の粘度を最大効率で減じられるような量で使用可能である。好ましくは、前記改質剤の量は前記原料油の質量の0.5〜3.5%に相当する量とされる。
極めてよく分散された表面張力の高い重炭化水素原料油を安定化させるため、好ましくはアセトン、ジエチルケトン及びニトロベンゼン等の極性結合をもつ化合物が安定剤として使用される。好ましくは、前記安定剤の使用量は前記原料油質量の0.001〜0.01%の範囲内である。さらに、好ましくは前記前記安定剤の使用量によって凝集比は約1.9とされるべきである。
本発明においては、前記重炭化水素質量対水質量対パラモリブデン酸塩の比が1対0.005〜0.05対5×10−5〜8×10−3となり、生じた混合物が60〜98℃の均質化温度範囲内で均質化され、100〜7000nmの滴径、より好ましくは200〜600nmの滴径をもち、かつ1cm中の粒子数が1×1014〜1×1016の範囲内となる前記触媒複合組成物の安定な乳状液が生ずるように、活性化された重炭化水素の5〜10質量%がパラモリブデン酸アンモニウム水溶液と混合される。
本発明に従った水素添加方法によって、活性化された重炭化水素はその90質量%までの大部分が水素添加される。水素添加処理に際しては、触媒乳状液及びH含有ガスが用いられる。触媒乳状液の第一部分及びH含有ガスが約300〜400℃にあるヒーター中へ入りつつある活性化された重炭化水素へ噴霧されてモリブデン化合物濃度が0.001〜0.01質量%となる混合物が生成される。前記触媒複合組成物乳状液の次の部分とH含有ガスは温度400〜500℃にされた反応器へ2〜4部分、より好ましくは3部分に分けて直接噴霧される。
前記乳状液の量は、反応域におけるMo化合物濃度が0.005〜0.05質量%となる量とされる。
水素添加処理は、約430〜470℃の温度範囲内、約1〜15MPaの圧力下、約0.5〜5/時間の原料油時間毎空間の速度、及び容器中の原料油1リットル当り約500〜1500リットルの対原料油Hガス容積比において実施される。
本発明に従った方法においては、水素添加工程において得られた生成物は常圧/真空蒸留装置中において液体流及びガス流へ分けられ、520℃未満の沸点をもつ留出留分の少なくとも約90%が生成される。520℃以上の沸点をもつ残渣は部分的あるいは完全に濾過される。真空蒸留物質残渣からの濃縮金属の分離条件を変更するため、前記真空蒸留塔の頂部において約3〜10質量%のガス油が真空蒸留残渣へ添加される。固体粒子を約0.2質量%含む濾液は再度原料油と混合される。触媒再生処理は真空蒸留物質の少なくとも99質量%に対して実施される。好ましくは、残りの固体材料は中間乳状層の濾過で残存した固体材料と共に燃焼され、アンモニア−炭酸塩洗浄法を用いて触媒がパラモリブデン酸として抽出され、この触媒は触媒複合組成物調製装置の原料油へ添加される。金属の抽出には原料油中に存在した金属のこの濃縮灰が用いられる。前記再生処理によって生じたガスはオゾン処理されるため、大気中へ放出されるNOx化合物量は減じられる。好ましくは、前記ガスに対してアンモニア処理も行われ、次いでSOx化合物は硫安へ変換される。
さらに、本発明方法に用いる原料油は、真空及び常圧塔における原油蒸留の重質残渣であって、かつ好ましくは多量の硫黄化合物及び高濃度の重金属が含まれる、高分子量未精製炭化水素材料であってもよい。
好ましくは、本発明方法において使用される触媒には移金属の水溶性化合物が含まれる。これら水溶性化合物は、本発明の操作条件において触媒化合物、好ましくはMoSへと変化可能であり、また水素添加及び水和化能を有する。
本発明方法によれば、反応域中の全Mo量が原料油の0.005〜0.05質量%に達するように、触媒複合組成物乳状液をいくつかの留分において反応器へ連続的に噴霧することが可能である。
さらに、触媒MoSは好ましくは反応器中において前記乳状液から生成される。最も好ましくは、前記乳状液は前記活性化された原料油とMo化合物水溶液との混合物から生成される。
約350℃の沸点をもつ蒸留留分、約350〜520℃の沸点をもつ真空ガス油、及び約520℃以上の沸点をもつ残存物質は本発明方法に従って得られる生成物の例である。
好ましくは、約520℃以上の沸点をもつ濾過残渣は中間乳状層から分離される固体物質と混合され、生じた可燃性混合物は5〜25%の過剰大気中で燃焼され、その中に含まれる有機含有物が燃焼される。
本発明に従って、前記触媒化合物(酸化モリブデン、及びある程度までなら酸化ニッケル)は、通常の炭酸アンモニア洗浄法を用いて前記灰から分離可能である。好ましくは、前記灰は反応器中に置かれ、この灰は温度80℃において7〜11質量%のアンモニア水溶液及び3〜6質量%の炭酸アンモニウム水溶液と、前記灰の前記水溶液に対する質量比が1対2〜5となるように混合される。得られた懸濁液を濾過し、その液相を反応器へ戻して10質量%のパラモリブデン酸アンモニウムを得ることが可能である。所望の濃度が得られたら、前記溶液を触媒複合組成物調製装置へ送入可能である。
好ましくは、中に含まれていた酸化金属が除去された流出ガスはOと混合され、該ガス中のNOxの分子状Nへの変換が果たされる。次の工程において、前記ガスを濃度25%のアンモニア溶液で処理することにより、該ガス中に含まれるSOxを硫安へ変換することが可能である。
本発明の前記目的及び付加的目的、特徴及び利点は以下における図面の詳細な説明からさらに容易に理解される。
図1は、本発明に従った高分子量炭化水素の水素変換方法の好ましい一実施態様の全体を示した模式図である。図中、FPは前記原料油調製装置、CPは前記触媒複合組成物調製装置、Hは原料油及び水素用ヒーター、Rは前記水素添加反応器、ADは前記ガス分離及び生成物常圧蒸留装置、VDは350℃以上の沸点をもつ残渣蒸留用の前記真空蒸留塔、及びRCは流出ガスの生成と同時に前記水素添加処理の残渣の一部を燃焼させる前記触媒再生装置である。
高分子量炭化水素(パイプライン1)は、混合及び化学物理的処理の実施後に、ホモジェナイザー・ミキサーFP装置中で520℃以上の沸点をもつ前記水素添加残渣濾液の戻り流(パイプライン26)、前記改質剤(パイプライン2)、及び安定剤(パイプライン3)と共に均質化されて、前記重炭化水素粘度の1/2〜1/3の粘度をもつ活性化混合物が得られる。
本発明方法において、前記重炭化水素は原油精製の高沸点残渣、高API油、標準または高硫黄含有油、天然ビチューメン、ビチューメン含有砂であってもよい。本発明において使用される前記改質剤は熱安定性環状炭化水素を少なくとも60%含む原油留分である。前記安定剤としては、それらの殆どが極性結合を含むアセトン、ジエチルケトン、ニトロベンゼン等の高表面張力物質が用いられる。
前記触媒複合組成物調製装置においては、ミキサー・乳化機(CP)中、75〜95℃の温度範囲内において、新たに調製されたパラモリブデン酸溶液が(パイプライン4を通して)、パラモリブデン酸アンモニウムの形態で前記触媒を含む前記精製溶液(パイプライン25)及び前記活性化された重炭化水素(パイプライン7)と混合されて消費されたモリブデンが補充される。前記溶液の懸濁状態は、液滴径が100〜7000nm、好ましくは200〜600nmの範囲内である安定な乳状液が得られるまで持続される。この段階における前記活性化された重炭化水素の量は5〜10質量%である。
炭化水素の残存活性化混合物は前記ヒーター(H)及び水素添加反応器(R)へ転送される(パイプライン8)。水素ガスは注入ミキサーを用いて前記ヒーター(パイプライン10)及び前記反応器(パイプライン11)へ同時に注入される。この注入ミキサー中において、水素ガスは前記触媒複合組成物に吸収される。水素は前記触媒複合組成物と共に、条件によって2〜4箇所において、ヒーター取入れ口において原料油流へ、及び反応器の高さに沿った上昇流へ噴霧される。前記反応混合物は水素圧3〜8MPa及び温度範囲420〜500℃の条件下で水素添加される。
図2は触媒変換循環系を体系的に示した図である。前記触媒複合組成物乳状液が高温域へ噴霧されると、微小な爆発が起こって、その水相の蒸発及び溶液のさらなる分散がひき起こされ、その結果として、パラモリブデン酸アンモニウムから水とアンモニウムが分離され、酸化モリブデン(MoO)がある程度生成される。乳状液粒子の熱分解の結果として、粒子周囲の分散相成分だけでなく、粒子自体も分解されて、前記乳状液粒子よりもずっとサイズの小さい酸化物粒子が生成される。前記処理が継続している間に前記酸化モリブデンは硫化され、その結果として、サイズが2〜9nm、より好ましくは3〜5nmの範囲内である二硫化モリブデンの極めて小さな粒子の高分散懸濁液が生成され、この懸濁液は炭化水素媒体中に一様に分散される。
酸化モリブデン及びニッケル化合物の硫化は、原料油中に存在する硫黄支持化合物及び/または水素添加に用いられるガス組成物中の硫化水素によるものである。新たな触媒の成分が硫化されることにより、反応生成物の脱硫化レベルが高められる。これは、硫黄支持化合物の水素添加分解に加えて、触媒再生段階において硫黄が煙状ガス状態の硫黄酸化物の形態で該反応系から取り除かれるためである。
炭化水素中に分散されたパラモリブデン酸アンモニウム粒子は前記原油媒質中の小粒子によって取り囲まれる。さらに、ナノ粒子形状にあるアスファルテン粒子がこれら粒子を可能な限り近接して取り囲み、天然安定剤としての役割を果たすことにより、モリブデン酸アンモニウムの核が中に存在する菌糸状安全層が形成される。前記乳状液がその水相が直ぐに蒸発される適所にある場合、前記ナノ粒子が再度ばらばらにされて新たなヘテロ原子ナノ粒子が形成され、これらへテロ原子ナノ粒子はモリブデン及び他の金属酸化物から成る触媒複合組成物の熱分解残存物との反応に加わる。
前記触媒の利点は、いかなる形状及び寸法をもつ有機分子の接近を受けることができる大きな表面積をもつことである。
炭化水素中に存在する硫黄粒子により前記触媒活性の増大が齎される。別言すれば、金属硫化物の生成によって触媒活性が非常に増加される。
反応媒体中の硫黄含量が増加すると、前記水素添加処理に変化が齎される。前記反応による生成物は常圧蒸留装置(AD)へ入り、ガス及び液体留分へ分離される。沸点350℃未満の留分はエンジン燃料として用いられる。前記中間乳状液(20)は、触媒再生装置へ移される前に、冷間分離機中に蓄積される。蒸留残渣、すなわち沸点が350℃以上の留分は真空蒸留装置(VD)へと送出される。
前記真空蒸留装置において、沸点350℃以上の留分は沸点520℃未満の蒸留留分と沸点520℃以上の残渣へ分離され、前記残渣は2%未満の擬似コークス固体物質、吸収されたアスファルテン樹脂材料によって部分的に不活性化されたMoSの形態を取る固体触媒、及び原料油中に存在していた金属硫化物を含む。前記触媒の再生及び分離に要するコストを低減するため、前記沸点520℃以上の残渣は濾過され、固体粒子を多くても0.2質量%含むその濾液はFP装置へ戻され(パイプライン26)、この戻しは前記濾液が新たな原料油、改質剤及び安定剤と混合されるミキサー及びホモジェナイザーによって助長される。得られた沸点520℃以上の留分の固体残渣は前記中間乳状層から得られ、かつ前記触媒再生装置中で燃焼された固体残渣と混合され、金属酸化物及び発生ガスを含む灰混合物が生成される。この工程において得られた熱は蒸気発生に利用される。固体残渣は完全に燃焼されるように添加空気(加圧)の存在下で燃焼される。
燃焼により生じた固体生成物及びガスの分離後、前記灰混合物は加熱されている反応器へ移され、該反応器においてアルカリ溶液を用いて洗浄され、前記灰混合物中に含まれるMoが分離される。
前記分離を行うため、アンモニアを7〜11質量%及び炭酸アンモニウムを3〜6質量%含む水溶液が、前記濾過器へ送る前に、灰の該水溶液に対する質量比が1から2−5となる範囲内で前記反応器へ送られる。前記濾過器によって分離された沈殿物は洗浄され、濾液は循環系へ加えられ、該循環は前記溶液中のMo濃度が所望の数値に達するまで継続され、そして前記溶液は触媒乳状液調製装置(ミキサー・乳化機容器)へ戻される。
炭酸アンモニウム溶液を用いた灰浸出処理中、前記灰中に存在するニッケル酸化物の一部(60%以下)はパラモリブデン酸アンモニウム溶液へ移され、該溶液は前記触媒調製装置へ戻される。ニッケルは水素添加反応においてMoSの触媒活性の強力改質剤であることが知られており、ニッケルがパラモリブデン酸アンモニウム溶液中に存在することによって軽質留分量が増加し、触媒孔を塞ぐ材料が減じられ、また中間留出留分の水素による飽和が増大される。本発明おいては、ニッケルは各Mo原子当り0.1〜1原子の割合、より好ましくは各Mo原子当たり0.5原子の割合で用いられる。
灰残渣からMo及びある程度のNiを抽出した後には、重炭化水素中に存在するバナジウム酸アンモニウム及び他金属酸化物を含む水不溶性物質が残る。
前記灰残渣は、その後における該残渣中の金属抽出処理に耐えられるように乾燥される。
前記灰から放出される前記触媒再生装置からの流出ガスは、含有物であるNOx及びSOxを除去するための一般的方法を用いて精製される。この精製を行うため、該ガスのSOx及びNOx精製系への入口において前記ガス流へオゾンが注入される。これらガスは次いでミキサー容器中で25%アンモニア溶液と混合される。硫黄及び窒素酸化物がそれぞれオゾン及びアンモニアと反応する結果、NOxはN分子へ還元され、またSOxは硫安へと変換される。
前記提供された方法による真空残渣の処理においては、下記材料、すなわち、5〜7質量%のC−C炭化水素ガス、硫化水素、14〜22質量%の沸点180℃以下及びヨウ素数6〜8のCガソリン留分、35〜42質量%の温度180〜350℃留分であり及び臭素数10〜14であるガス油留分、28〜36質量%の温度350〜520℃留分であり及び金属含量が3ppm未満及び硫安含量が0.3〜1%である真空ガス油留分を見出すことができる。脱硫程度は40〜80%の範囲内である。
前記本発明方法は、例えばガス、ガソリン留分、真空ガス油、金属及び化学肥料を含む濃縮灰の製造を行う製油工業において利用可能である。
要約すれば、本発明方法の好ましい一実施態様においては、触媒を用いて重炭化水素原料油を水素添加処理して低沸点炭化水素製品が製造される。この本発明方法は、
(a)改質としての触媒クラッキングガス油及び安定剤としてのケトンを添加して重質炭化水素原料油を活性化する工程、
(b)予め活性化された重炭化水素原料油、水、及び触媒化合物から成る乳状液を含む触媒複合組成物を調製する工程、
(c)水素ガス及び工程(b)において調製された触媒複合組成物の存在下で残存する活性化された重炭化水素原料油を水素添加する工程、
(d)工程(c)において得られた生成物を常圧及び真空蒸留によって液体/ガス流として分別し、固体粒子含有物の分離後に、蒸留処理残渣を工程(a)の処理へ戻す工程、及び
(e)固体粒子から触媒成分を分離して、該触媒成分を予備触媒複合組成物調製装置へリサイクルする工程から構成される。
前記触媒再生工程から放出されるガスは精製可能であり、この精製においてNOxガスはオゾン注入の結果として分子状窒素へ還元され、他方SOxガスはアンモニアの注入により化学肥料である硫安へと変換される。低沸点炭化水素生成物の大部分は沸点520℃未満の炭化水素類から成るものである。
工程(c)における生成物は常圧及び真空蒸留塔を用いて液体/ガス流として分別可能である。
前記触媒成分は酸化法を用いて前記固体粒子から分離される。
炭化水素を活性化させるため、物理化学的作用を与えて分散程度が高められる。
分散相核種は減成されて高分子数原子団へ変換され、前記分散相を形成するより活性の高い炭化水素が同時に添加され、また付加的表面エネルギーをもつ安定剤も添加される。
前記改質剤には、少なくとも60質量%が熱安定性多核環状炭化水素から成る原油留分が含まれる。
前記熱安定性多核環状炭化水素はクラッキングガス油、熱分解樹脂、あるいは原油精製抽出物から選択的に選定される。
前記改質剤の使用量は開始時原料油量の0.5〜3.5質量%の範囲内であるが、その量は重炭化水素の種類に依存して異なる。
また表面活性洗浄剤が安定剤として使用される。
アセトン、ジエチルケトン、ニトロベンゼン等の極性結合をもつ化合物が0.001〜0.01質量%の割合で原料油へ添加される。
前記触媒は水溶性移金属化合物から成るものであってもよい。
前記触媒化合物は触媒的に活性な硫化物へ変換可能である。前記水溶性移金属化合物にはMoが含まれる。また、同化合物にはパラモリブデン酸アンモニウムも含まれる。
触媒複合組成物乳状液の調製は、触媒の水溶液を原油留分と該触媒複合組成物成分の沸点よりも低い温度において混合することによって可能である。パラモリブデン酸アンモニウムが用いられる場合、その均質化温度は60〜98度の範囲内である。
前記原油留分の源は工程(a)において最初に調製された前記活性化された重炭化水素の一部であってもよい。前記原油留分の使用量は使用される原料油全量の5〜10重量%の範囲内である。
前記触媒複合組成物乳状液の調製において、前記活性化された原料油の水及びパラモリブデン酸アンモニウムに対する質量比は、原料油を1としてそれぞれ0.005〜0.05及び5×10−5〜8×10−3とすることができる。前記生成された乳状液は次いで、液滴径100〜7000nm、より好ましくは200〜600nmの安定な乳状液が得られるように、また前記乳状液の粒子数が1×1014〜1×1016/cmの範囲内となるように均質化される。
前記活性化された重炭化水素をモリブデン水溶液と混合して触媒乳状液を得ることができ、また調製された触媒複合組成物を活性化された重炭化水素の残渣、触媒複合組成物乳状液及びモリブデン化合物含有物約0.005〜0.05質量%と接触させることにより、反応は直ちに開始可能となる。
水素添加反応は、反応器中、420〜500℃の温度範囲内、1.0〜15.0MPaの圧力下において、水素ガスを注入することによって実施可能である。注入される水素ガス量は原料油1リットルに対して500〜1500リットルの範囲内である。
前記触媒乳状液を前記活性化された重油と十分に混合させるため、反応域中のMo化合物濃度が原料油に対して約0.05〜0.005質量%に達するように、触媒複合組成物乳状液の1部分が反応器前のヒーターへ入る活性化された重炭化水素へ水素ガスと共に加えられ、及び前記触媒乳状液の2〜4部分、より好ましくは3部分が反応器内の反応混合物へ水素ガスと共に噴霧される。
前記触媒複合組成物の最初の部分液を、反応器前のヒーターへ入る前記活性化された重炭化水素へHガスと共に噴霧することができ、他方、Mo化合物を濃度0.01〜0.001%で含む溶液が得られるように、前記活性化された重炭化水素は340〜400℃の温度まで加熱される。前記触媒複合組成物の第二部分液を水素ガスと共に反応器へ400〜500℃の温度範囲内で噴霧することによりMo化合物を0.03〜0.003質量%含む混合物を得ることができ、また前記重炭化水素混合物中におけるMo化合物濃度が約0.05〜0.005質量%に達するように前記触媒複合組成物の第三部分液を水素ガスと共に反応器へ400〜500℃の温度範囲内で噴霧することが可能である。
前記反応生成物の分離は、圧力が10mmHgから7MPaまで変化する常圧及び真空蒸留塔を用いて実施可能である。前記蒸留塔の残渣には重炭化水素の有機金属化合物及び縮合反応による重質生成物(コークス及び炭素粒子、炭化水素類及びアスファルテン物質)を含む固形物質が含まれている。
前記真空蒸留塔の上部から得られるガス油を、その含量が3〜10質量%となるように前記真空蒸留塔の残渣へ注入することが可能である。
触媒再生処理を前記真空蒸留塔残渣の約90質量%に対して実施可能である。前記残渣からの濃縮金属の分離後、またヘプタン類中の未溶解化合物量が多くても0.2質量%である間に、前記残渣を再度リサイクルして前記水素変換装置へ送ることが可能である。
中間乳状層濾過の固形残渣を約520℃の沸点をもつ蒸留塔濾過の固形残渣と混合して、得られた可燃性分散物を燃焼させることが可能である。金属酸化物灰に対して溶媒処理を行って触媒元素を還元し、この還元された触媒元素を触媒複合組成物調製工程へ戻すことが可能である。濃縮物として濾過器中に残った灰残渣には金属酸化物が含まれている。
触媒再生装置からの流出ガスへオゾンを注入することにより窒素酸化物を分子状窒素へ還元し、他方アンモニアを注入することにより硫黄酸化物を硫安へ変換することが可能である。
Mo含有触媒複合組成物の調製は、ニッケル等の水和性触媒元素を含む化合物の適用によって促進可能である。ニッケルは使用されるMo原子当り0.1〜1原子の割合で使用可能であるが、この割合は好ましくは0.5である。
以下に記載する実施例は本発明方法の適用範囲にいかなる限定を与えるものでなく、本発明をより詳細に説明するために示されたものである。これらの実施例においては、2つの真空残渣サンプル(A,B)が重炭化水素として用いられ、触媒クラッキングにより得られたガス油が改質剤として用いられている。これら物質についての詳細は表1に示されている。
Figure 0004808101
実施例1〜20
炭化水素の活性化
炭化水素の活性化は物理化学的処理及び高表面張力改質剤の同時添加によって行った。この活性化処理を行うため、重油残渣は混合容器中において前記改質剤と混合された。次いで、芳香族炭化水素改質剤を含む原油留分を添加して分散及び均質化処理を実施した。この分散及び均質化処理は、特別の設備において、高速かつ高パルス流の、高電圧下で作動する振動−真空機構によるか、又は、超音速の蒸気−液体流の水力学的作用を利用して行われた。
得られた混合物(懸濁液、乳状液、コロイド状溶液)の分散体の大きさは多くても200〜500nmの範囲内であった。実験室条件においては、上記分散及び均質化系にはより低効率の機械的ディスクスプレーの使用が有効であり、この場合前記分散体の大きさは約300nmとなる。
前記活性傾向は粘度低下を伴って起こり、粘度に変化が起こらなければ活性傾向は停止した。このような場合には、付加的シフト作用によっても粘度変化は見られなかった。
重油残渣Aの活性化において得られた結果を表2に示す。
Figure 0004808101
試験1〜3は、前記改質剤が1質量%以下の量で添加される場合には前記粘度は極端に減少するが、それ以上の量(2質量%以下)の改質剤が添加される場合には前記粘度は徐々に減少することを示している。
実施例4及び5では、ケトンの添加によって粘度減少及び前記系の安定性増大が齎されている。
実施例4では、原料油の活性化において満足される結果が得られることが示されている。活性化温度は前記系の流動特性に対して著しい影響を及ぼす。分散及び均質化温度を下げることによって粘度の大幅な低下がひき起こされ(実施例6)、他方シフト電圧の増加によって起こる前記噴霧系の電荷を増加させることによってアスファルテン集塊体の質の低下が起こる。
実施例8〜11では、原料油が沸点520℃以上の再循環濾液残渣(実施例8〜10)及び沸点520℃以上の未濾過残渣(実施例11)と混合された場合の該原料油の活性化結果が示されている。約0.16質量%の固形物質を含む沸点520℃以上の残渣濾液によっては前記系の流動特性は減じられない。生じた溶液は低粘度及び高安定性であるが、沸点520℃以上の残渣中へ固形物質を1.4質量%の割合で添加することにより、混合物のパラメータが低下され、すなわちより詳細には、前記系の粘度が増加され、さらに重要な点として前記系の安定性が減じられる。
実施例12〜20では、重油残渣Bから成る重質原料油の活性化条件が示されている(表3)。この重質原料油において、樹脂量は通常の約2倍であり、及びアスファルテン及び、へテロ有機金属及び硫黄化合物は高含量である。
Figure 0004808101
前記混合物の流動特性に対する改質剤の効果の均斉度は、サンプルAの重油残渣に関して述べた実施例と同様であり、改質剤の添加によって粘度が劇的に減少されるが、ここでは改質剤の最適量が3倍高くなっている。沸点520℃以上のリサイクル残渣中に固形物質が存在することによって起こる前記溶液の流動特性に対する負の作用は極めて明らかである(実施例19及び20)。
実施例21〜39
触媒複合組成物の調製
前記触媒複合組成物の調製に関する実施例については表4及び5に示されている。前記触媒複合組成物は触媒元素水溶液をオイル製品中に高度に分散させた乳状液である。このような乳状液を調製するため、所望濃度の混和性パラモリブデン酸アンモニウム(APM)が80〜90℃まで加熱された活性化原料油中に溶解され、次いで生じた分散液が分解、混合、及び均質化されることにより安定な乳状液が得られる。得られた乳状液の品質はその粘度、単位容積当りの滴下数、及び粒径に基づいて評定される。実施例21〜31では、実施例4において用いた活性化物質と同等な活性化物質が用いられた。
Figure 0004808101
前記分散相の効果を評定するため、実施例22〜24においては、Mo量を一定に保つ一方において水量が増加された。実施例21では、パラモリブデン酸アンモニウム(APM)を水相ではない予め活性化された原料油中に分散した。水の添加によって前記乳状液の粘度が劇的に減少し、また水相の質を高めることによっても前記粘度が減少する。しかしながら、前記粘度を減ずるために最も有効な方法は約20質量%の水を乳状液へ添加することであり、この場合、前記乳状液1cm当りの滴下数は6×1014〜8×1016の範囲内であり、前記乳状液の液滴径は50〜350nmの範囲に及ぶが、その大部分、すなわち約80%は90〜200nmの範囲内である。30質量%以上となる水の添加では前記粘度には全く変化が生じない。実施例25及び26では、同一条件下で不活性重質残渣へ水を20%添加した場合の前記乳状液の質が示されている。実施例25における前記乳状液の質は、実施例26の乳状液に比較して大きく劣っている。乳状液の粘度が高ければ、1cm当りの滴下数は少なく、また液滴径は大きくなる。
不活性重油残渣を用いて調製された実施例26における乳状液の質はある程度改善されている。分散程度及び均質化時間は、実施例25に比較しておよそ2倍となっている。
実施例27〜29では、液相量が一定レベルに維持されていることに加えて、触媒添加物(APM)の量が0.05%から2%へ変わっている。最適条件は、乳状液を原油生成物・水・APMの比で1対0.012〜0.25対3.4×10−14〜6.8×10−3となるようにそれらを用いて調製することである。これら条件下において、原料油中、前記乳状液の液滴の90%は0.5〜6μmの大きさ及び1015〜1016滴/cmの密度をもち、これにより活性化された原料油中の触媒成分の分散が相対的に常に多くなり、水素添加品質が高められる。
実施例32〜39では、実施例13に従った活性化された重油サンプルBの残渣を用いた触媒複合組成物の調製結果が示されている。実施例32〜36においては、使用水量は0〜30%と増加しているがAPM量は一定である。水を添加した結果、乳状液粘度は減少している。最大粘度液滴は水量が10〜20質量%の時に観察される。水がさらに添加されると、粘度液滴曲線は、重油残渣Aの場合、なだらかな傾斜を描く。実施例36での活性でない重油残渣を用いた触媒複合組成物の調製においては、乳状液粘度は高く、1cm当りの乳状液液滴数は活性化された重油残渣を用いる場合と比較して1000倍少ない。APM溶液の濃度を高めることにより乳状液粒子濃度は少しだけ高くなる。高度に分散された乳状液を得ようとしても、90℃未満の温度では満足できる結果は得られない。しかしながら、90℃においては高品質の触媒複合乳状液が得られる。
Figure 0004808101
実施例42〜63
Figure 0004808101
Figure 0004808101
Figure 0004808101
水素変換試験
水素変換試験を2kg/時間の処理能力の反応器で実施した。この反応器は1000cmの容積をもつ縦型円筒形タイプであり、3部分から成る補償電気ヒーターが装備されている。水素及び触媒の注入は、反応器入口にあるヒーターの前方部位と、該ヒーターの第一部及び第二部において実施した。
実施例42〜44では、実施例4に従って活性化された重油残渣Aのサンプルの水素分解を実施例22〜24に従って調製された前記触媒複合組成物の10質量%及び10〜30質量%の範囲内に相当する水を添加して実施した。
実施例44において水量が原料油の3質量%であれば、水素変換指数は適当でなく、変換及び脱硫量は減少する。実施例42において、水素添加パラメータに関する数値は生成物流出によって定義されているが、基準としての脱硫も良好とは言えない。実施例45ではMo量が1/10量まで減じられて水素添加が不十分となっているが、この水素添加量はサンプルに対する水素添加が原料油の活性化が為されず、また高Mo濃度を用いて実施されている実施例46のレベルに相当するものである。活性化された原料油及び触媒複合組成物を用いて実施された実施例42〜45の結果及び原料油が一部のセグメントへ入れられた実施例47〜49の結果と実施例46との比較から、本発明によれば、本発明方法の指標値である原料油変換、(触媒孔を塞ぐ)閉塞性生成物の流出の減少、及び脱硫化の増加が実質的に大きくなっていることが明らかである。
水量が原料油の2質量%である実施例43ではより好ましい結果が得られている。実施例47〜49から、前記触媒複合組成物の導入によって重油残渣の水素添加指数に影響が及ぶことが理解される。
最良の結果は、前記触媒複合組成物が3及び4部に分けて注入されている実施例48及び49において得られている。
この方法によれば、蒸留留分の流出及び脱硫量が劇的に増加され、また閉塞性流出生成物(沸点が520℃以上である固形残渣)が減じられる。実施例50〜52では、水素添加に対する温度効果が明らかにされている。前記温度が440℃まで降下されることによって変換が減じられ、また脱硫化も減少するが、全脱硫量は猶高いレベルに維持される。前記温度を450℃以上まで上昇させることによりコークス生成が助長される。前記残渣中に2%以上の沸点520℃以上の固形物質が存在することが確証されている。前記容積比を得るための理想的温度は440〜450℃である。
実施例53〜63は重油Bから得られた重質残渣の水素添加に関する結果を示している。実施例54〜56からは、圧力を4から9.5MPaへ高め、同時に他の有効パラメータを最適値に保持することにより蒸留収率が高められることが分かる。脱硫化が増大し、及びガス放出反応が増進する。
実施例55及び57〜59からは、本発明方法の指標に対するリサイクル流の増大効果及び原料に対するMo比の増大効果、及び新たに注入されたAPM量あるいはリサイクル流中に存在する硫化モリブデンとしての触媒量と前記指標間の相関が明らかである。
実施例55の実施例57及び58、さらに実施例59との比較から、反応域へMoをAPMの形態で注入することがより好ましいことが示される。かかる規則は、実施例60〜63においてより濃縮されたAPMを用いた試験において、また新たに再生されたAPM溶液を用いることによって強調されている。
多数の固形物質を含む真空蒸留残渣のリサイクルによって本発明方法の指標価値は低下される。実施例55〜63では、520℃以上の沸点をもつ残渣におけるリサイクル流中の固形物質量に関する水素添加結果が示されている。前記残渣中の前記固形物質の最適量は多くても0.2%である。
上記の好ましい実施態様は単に本発明を明らかにするための例示であり、本発明範囲を限定することを意図したものではない。本発明の精神に従って当業者によって為されるいかなる変更及び変形も本発明の範囲内に含まれることが理解されなければならない。
本発明に従った方法の好ましい一実施態様を示す全体図である。 本発明に従った触媒変換循環系の好ましい一実施態様を示す概略図である。

Claims (15)

  1. (a)改質としての触媒クラッキングガス油及び安定剤としてのケトンを添加することによって重質炭化水素を活性化する工程、
    (b)予備活性化された重炭化水素原料油、水及び触媒化合物から成る乳状液を含む触媒複合組成物を調製する工程、
    (c)残存する活性化された重炭化水素原料油を水素ガス及び工程(b)で調製された触媒複合組成物の存在下で水素添加する工程、
    (d)常圧及び/または真空蒸留を用いて工程(c)において得られた生成物を液体−ガス流として分別する工程、
    (e)前記蒸留処理によって生じた残渣を、該残渣中の固体粒子含有物の分離後に工程(a)へ戻す工程、及び
    (f)前記固体粒子から触媒成分を分離し、分離した触媒成分を予備触媒複合組成物調製装置へリサイクルする工程から構成される、重炭化水素原料油の水素変換による低沸点炭化水素製品の製造方法。
  2. 前記工程(c)において得られた生成物が、常圧及び真空蒸留塔を用いて、液体−ガス流として分別されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記リサイクルされた蒸留処理残渣中に残存する固体粒子含量が0.2重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記触媒成分が、酸化法を用いて、前記固体粒子から分離されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  5. 炭化水素原料油活性化のために分散程度を高めるため重質炭化水素は改質剤としての触媒クラッキングガス油と混合容器内で混合されること、その後に高速かつ高パルス流の、高電圧下で作動する振動−真空機構によるか、超音速の蒸気−流体流の水力学的作用によるか、又はディスクスプレーによる装置が利用されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  6. 前記改質としての触媒クラッキングガス油の使用量が当初の原料油に対して0.5〜3.5質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに項記載の方法。
  7. 安定剤としてのケトン重質炭化水素原料油に対して0.001〜0.01%の割合で添加されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  8. 前記触媒に、水溶性でありかつ移金属を含む化合物が含まれることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  9. 前記触媒化合物が触媒として活性な硫化物へ変換可能であることを特徴とする請求項項記載の方法。
  10. 前記移金属がMoであることを特徴とする請求項8または9項記載の方法。
  11. 前記水溶性でありかつ移金属を含む化合物にパラモリブデン酸アンモニウムが含まれることを特徴とする請求項項記載の方法。
  12. 前記移金属がMo及びNiであることを特徴とする請求項8または9項記載の方法。
  13. 触媒複合乳状液の調製のため、触媒水溶液がそのいずれの成分の沸点よりも低い温度において活性化された重質炭化水素原料油と最初に混合されることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記方法を改良するため、触媒複合乳状液の一部分が、反応器前のヒーターへ入る活性化された重炭化水素原料油へ水素ガスと共に添加され、及び前記触媒複合乳状液2〜4部分に分けて反応器内の反応混合物へ水素ガスと共に噴霧されることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 反応器内のMo化合物濃度は0.02716〜0.0475質量%である請求項10〜14のいずれかに記載の方法。
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