JP4807892B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料タンクで発生する蒸発燃料を吸気通路にパージする蒸発燃料処理装置に関する。
従来、内燃機関の吸気通路と燃料タンクとをパージ通路で連通し、燃料タンク内で発生する蒸発燃料を吸気通路にパージする蒸発燃料処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。燃料タンク内の蒸発燃料は通常飽和状態にあり、発生している燃料タンク内の蒸発燃料量も多いので、燃料タンクの蒸発燃料を一旦キャニスタに吸着し、キャニスタから吸気通路に蒸発燃料をパージする場合に比べ、パージされる蒸発燃料濃度の変動は少ない。また、燃料タンク内の燃料から蒸発した蒸発燃料の燃焼効率は、燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧よりも高い。したがって、例えば内燃機関の始動時に燃料タンクから吸気通路に蒸発燃料をパージすることにより、内燃機関の始動性を向上できる。
特許文献1では、燃料タンク内の圧力と温度とを測定し、これら測定値に応じて燃料タンク内の蒸発燃料濃度を設定し、燃料タンクから吸気通路にパージされる蒸発燃料量を制御しようとしている。
しかしながら、蒸気圧は燃料の成分毎に異なるので、燃料性状、つまり燃料の成分、または燃料中の成分割合が異なると、燃料タンク内の圧力と温度とが同じであっても、燃料性状によって燃料タンク内の蒸発燃料濃度は異なる。したがって、特許文献1のように、燃料タンク内の圧力と温度とから蒸発燃料濃度を設定すると、設定した蒸発燃料濃度と実際の蒸発燃料濃度とが燃料性状によって異なる場合がある。その結果、吸気通路にパージされる蒸発燃料量を高精度に制御できないという問題が生じる。
特開2005−90281号公報
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、燃料性状に関わらず燃料タンクから吸気通路にパージする蒸発燃料量を高精度に制御する蒸発燃料処理装置を提供することを目的とする。
請求項1から7に記載の発明によると、燃料タンク内の蒸発燃料濃度を計測するので、燃料性状に関わらず燃料タンク内の実際の蒸発燃料濃度を正確に知ることができる。この計測した蒸発燃料濃度に基づきパージ弁の開度を制御するので、燃料タンクから吸気通路にパージする蒸発燃料量を高精度に制御できる。
ところで、燃料タンクから吸気通路に蒸発燃料が常時パージされると、燃料タンク内の燃料において揮発性の高い燃料成分がパージされて減少し、揮発性の低い燃料成分の割合が高くなる。すると、燃料噴射弁から噴射される燃料の揮発性が低下するので、燃料噴霧の微粒化が妨げられることがある。
そこで、請求項1に記載の発明によると、キャニスタの蒸発燃料濃度が所定値よりも低い場合はパージ弁を閉弁し燃料タンクから吸気通路に蒸発燃料をパージしない。このようにキャニスタの蒸発燃料濃度に応じてパージの実行を停止するので、燃料タンク内の揮発性の高い燃料成分が必要以上にパージされることを防止できる。
また請求項1に記載の発明によると、燃料タンクおよびキャニスタの蒸発燃料濃度を共通の濃度計測手段で計測するので、蒸発燃料処理装置の部品点数を低減できる。
請求項2に記載の発明によると、請求項1に記載の発明において、燃料タンク内の蒸発燃料濃度と、燃料タンク内の温度と、燃料タンク内の圧力とから燃料タンク内の燃料性状を計測し、燃料タンク内の温度と、燃料タンク内の圧力と、燃料タンク内の燃料性状とから、燃料タンク内の蒸発燃料濃度を算出している。したがって、減圧装置を作動させて燃料タンク内の蒸発燃料濃度を一旦計測すれば、その計測値から燃料性状を計測できる。したがって、減圧装置を常時作動させて燃料タンク内の蒸発燃料濃度を計測し、燃料性状を計測する必要がない。減圧装置はポンプ等を使用し大きな電力を消費するので、減圧装置の作動回数を極力減らすことにより、電力消費を低減できる。
燃料タンクに新たに燃料が給油されると、季節または給油場所によって給油される燃料性状が異なることがある。そこで請求項3に記載の発明によると、燃料タンクに燃料が給油されると燃料性状を計測するので、給油による燃料性状の変化を計測できる。
請求項4に記載の発明によると、内燃機関の始動直後に燃料性状を計測するので、内燃機関を停止している期間が長く燃料性状が変化している場合にも、燃料性状の変化を計測できる。
請求項5に記載の発明によると、内燃機関の運転中に燃料性状を計測するので、例えば周囲温度の上昇等により内燃機関の運転中に燃料タンク内から多量の蒸発燃料がパージされて燃料タンク内の燃料性状が変化しても、燃料性状の変化を計測できる。
請求項6に記載の発明によると、キャニスタと燃料タンクとを連通する連通管は、燃料タンク内の液面上に浮く浮力構造を有するので、キャニスタから蒸発燃料の脱離が進み、キャニスタから燃料タンクに新気が導入されても、液面付近に新気が導入される。その結果、燃料タンク内の燃料からの蒸発が促進されるので、燃料タンクの蒸発燃料濃度の低下を防止できる。
請求項7に記載の発明によると、燃料タンクの液面上に浮かぶ連通管の浮力構造が燃料タンクからキャニスタ側への燃料流れを規制する逆流防止構造を有するので、給油等で連通管内に進入した燃料がキャニスタ側に逆流することを防止する。燃料タンク内に発生している蒸発燃料は、逆止弁を通り燃料タンクからキャニスタに吸着される。逆止弁は燃料タンクの上方に設置されるので、燃料タンク内の燃料は逆止弁の位置に殆ど達しない。したがて、逆止弁を通って燃料タンクからキャニスタ側に燃料が逆流することを防止する。
また、キャニスタから燃料タンクに流入する流体は逆止弁ではなく連通管を通って燃料タンクの液面上に導入される。したがって、キャニスタ側から燃料タンクの上方に新気が直接導入され、燃料タンクからパージされることを防止できる。
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、またはそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
第1実施形態による蒸発燃料処理装置を示す構成図。 第1実施形態の蒸発燃料処理のメインルーチン1。 燃料性状計測ルーチン。 他の燃料性状計測ルーチン。 他の燃料性状計測ルーチン。 他の燃料性状計測ルーチン。 濃度計測ルーチン1。 燃料揮発性算出ルーチン。 (A)は燃料性状と燃料揮発性RVPとの対応図、(B)は温度と蒸気圧との関係を示す特性図。 始動時エバポ噴射量調整ルーチン。 パージルーチン1。 パージルーチン1。 パージルーチン2を実行する場合のメインルーチン2。 パージルーチン2。 パージルーチン2。 第2実施形態による連通管を示す模式図。 第3実施形態による逆止弁を示す模式図。 第4実施形態による逆止弁を示す模式図。 第5実施形態の切換弁の構成を示す模式図。 第6実施形態による蒸発燃料処理装置を示す構成図。 第7実施形態の弁構成を示す模式図。 第8実施形態による蒸発燃料処理装置を示す構成図。 第8実施形態の蒸発燃料処理のメインルーチン3。 キャニスタ吸着量算出ルーチン。 濃度計測ルーチン2。 第9実施形態による蒸発燃料処理装置を示す構成図。
以下、本発明の複数の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の蒸発燃料処理装置を図1に示す。図1に示す蒸発燃料処理装置1においては、燃料タンク10内の空気と蒸発燃料との混合気における蒸発燃料濃度を計測し、計測した蒸発燃料濃度に応じて、パージ弁16の開度、ならびに図示しない燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御している。
燃料タンク10と吸気通路12とはパージ通路100により接続されている。パージ弁16はデューティ比に応じて開度を調整される電磁弁であり、パージ通路100を流れる流体流量をデューティ比制御する。デューティ比制御される電磁弁に代えてリニア制御される電磁弁をパージ弁16に採用してもよい。
第1キャニスタ18は通路102により燃料タンク10と連通しているので、燃料タンク10内で発生する蒸発燃料は、通路102を通り第1キャニスタ18内の活性炭等の吸着材に吸着される。また、第1キャニスタ18は、通路104によりフィルタ24を介して大気開放されている。パージ弁16を開弁すると、吸気通路12の負圧により、第1キャニスタ18に吸着されている蒸発燃料は脱離して燃料タンク10内に流入し、燃料タンク10内の蒸発燃料はパージ通路100を通り吸気通路12にパージされる。
制御装置(ECU)20は、図示しないCPU、ROM、EEPROM、RAM等から構成されており、記憶されている制御プログラムを実行し、スロットル装置14、パージ弁16、ポンプ22、電磁弁32、および燃料噴射弁等を作動させる。ECU20は、特許請求の範囲に記載したパージ弁制御手段、濃度計測手段、濃度算出手段、および燃料性状計測手段を構成している。
絞り30は計測通路112に設置されている。絞り30の一方側の計測通路112には絞り30と燃料タンク10との間に電磁弁32が設置されている。絞り30の電磁弁32と反対側の計測通路112には、第2キャニスタ34、ポンプ22、フィルタ26が絞り32からこの順に設置されている。通路114は、ポンプ22の吐出側であるポンプ22とフィルタ26との間の計測通路112と、電磁弁32とを接続している。
切換弁としての電磁弁32は三方電磁弁であり、絞り30と燃料タンク10側の通路110との連通と、絞り30と大気側の通路114との連通と、絞り30と通路110および通路114との連通の遮断と、を切り換える。電磁弁32は、通電オフの状態で絞り30と通路114とを連通する切換状態にある。
第2キャニスタ34は、絞り30とポンプ22との間の計測通路112に設置されている。第2キャニスタ34は、第1キャニスタ18と同様に活性炭等の吸着材を収容している。したがって、電磁弁32が絞り30と通路110とを連通する切換状態においてポンプ22が作動して計測通路112を減圧すると、燃料タンク10内の蒸発燃料が計測通路112に吸引され、絞り30を通過した空気と蒸発燃料との混合気が第2キャニスタ34を通過するときに第2キャニスタ34は蒸発燃料を吸着し、混合気から蒸発燃料を除去する。したがって、空気と蒸発燃料との混合気が絞り30を通過しても、圧力センサ40が検出するのは、絞り30を通過した空気の圧力である。このように、ポンプ22と絞り30との間に第2キャニスタ34を設置し、絞り30を通過した混合気から蒸発燃料を除去すると、第2キャニスタ34を設置しない場合に比べ、空気だけが絞り30を通過するときに圧力センサ40が検出する空気圧ΔPAIRと、空気と蒸発燃料との混合気とが絞り30を通過するときに圧力センサ40が検出する混合気圧ΔPGASとの差分値が大きくなるので、圧力センサ40の圧力分解能に対して十分に大きな検出ゲインGを確保できる。混合気中の蒸発燃料濃度は、ΔPGAS/ΔPAIRをパラメータの一つとして求められるので、空気圧ΔPAIRと混合気圧ΔPGASとの差分値が大きくなることにより、空気圧ΔPAIRに対する混合気圧ΔPGASの相対検出精度、ひいては蒸発燃料濃度の算出精度が向上する。
圧力センサ40は、絞り30と第2キャニスタ34との間の計測通路112に接続しており、ポンプ22と絞り30との間の計測通路112の圧力を検出する。圧力センサ40は背圧側を大気開放しているので、圧力センサ40が検出する圧力は、ポンプ22と絞り30との間の計測通路112の圧力と大気との差圧に相当する。電磁弁32が絞り30と通路110または通路114とを連通しているときには、通路110または通路114の圧力は大気圧にほぼ相当するので、圧力センサ40が検出する圧力は絞り30の差圧に実質的に相当する。圧力センサ40に代えて、絞り30の両端の差圧を直接差圧センサで検出してもよい。
(蒸発燃料処理装置1の作動)
以下に説明する各ルーチンは、ECU20内に記憶されている制御プログラムにより実行される。
(メインルーチン1)
図2に示すーチンは、燃料タンク10内の蒸発燃料濃度に基づいて、燃料タンク10から吸気通路12にパージする蒸発燃料量を制御するためのメインルーチン1である。
ECU20は、ステップ300において、イグニションキーがオンされたかを判定する。イグニションキーがオンされると、ECU20は、ステップ302において、内燃機関の始動直後に燃料タンク10から吸気通路12にパージする蒸発燃料のパージ量を調整するルーチンを実行する。
ステップ302において、内燃機関の始動直後のパージ量を調整すると、ECU20は、ステップ304において、パージ実行条件が成立しているかを判定する。パージ実行条件が成立していると、ECU20はステップ306においてパージルーチン1を実行する。パージルーチン1は、燃料タンク10内の蒸発燃料濃度に基づいて、燃料タンク10から吸気通路12に蒸発燃料をパージするルーチンである。
パージ実行条件が成立していない場合は、燃料タンク10内の蒸発燃料濃度を計測してから所定時間が経過しているかを判定する(ステップ310)。蒸発燃料濃度を計測してから所定時間が経過している場合は、燃料タンク10内の蒸発燃料量が変化し、蒸発燃料濃度が変化している恐れがある。また、蒸発燃料処理装置1の温度等の周囲環境が変化し、空気圧ΔPAIRおよび後述する締切圧Ptが変化している恐れがある。そこで、燃料タンク10内の蒸発燃料濃度を計測してから所定時間が経過している場合、ECU20は、ステップ312、314、316において求めた燃料タンク10内の燃料性状である燃料揮発性RVP(Reid Vapor Pressure)、大気圧Pa、燃料温度Tから、後述する式(1)、(2)に基づきステップ318において燃料タンク10内の蒸発燃料濃度Cを算出し、ステップ304に処理を移行する。
(燃料性状計測ルーチン)
図2に示すメインルーチン1において始動時エバポ噴射量調整ルーチンが実行される前に、ECU20は、図3、4、5、6のいずれかのルーチンを実行することにより、燃料タンク10内の燃料性状を計測する。
図3のステップ330においてECU20は、フューエルキャップが開いているかを判定する。フューエルキャップが開いていると、ECU20は燃料タンク10に給油されていると判断する。ECU20は、燃料タンク10に給油されると、前回給油された燃料と性状の異なる燃料が給油される可能性があると判断し、ステップ338、340、342を実行し、計測日時を記憶するとともに、燃料性状を計測する。フューエルキャップが開いておらず、イグニションキーがオンされていない場合(ステップ332)、ECU20はステップ330に処理を戻す。
イグニションキーがオンされていれば、ステップ334においてECU20は、前回の濃度計測から所定時間が経過しているかを判定する。前回の濃度計測から所定時間が経過していれば、ECU20は、時間経過により前回濃度計測したときから燃料タンク10内の燃料性状が変化している可能性があると判断し、ステップ338、340、342を実行し、計測日時を記憶するとともに、燃料性状を計測する。
前回の濃度計測から所定時間が経過していなければ、ステップ336においてECU20は、燃料温度Tが所定温度T0よりも高いかを判定する。燃料温度Tが所定温度T0よりも高くない場合、ECU20はステップ330に処理を戻す。燃料温度Tが所定温度T0よりも高い場合、ECU20は燃料タンク10内の燃料から揮発性の高い燃料成分が大量に蒸発し、燃料性状が変化している可能性が高いと判断する。そこでECU20は、燃料温度Tが所定温度T0よりも高い場合、ステップ338、340、342を実行し、計測日時を記憶するとともに、燃料性状を計測する。
ステップ338においてECU20は、現在の日時を濃度計測した時間として記憶する。次に、ステップ340においてECU20は、燃料タンク10内の蒸発燃料濃度を計測し、計測した蒸発燃料濃度から燃料タンク10内の燃料性状を計測する。
図4に示す燃料性状計測ルーチンでは、ECU20は、図3のステップ330に代えてステップ360においてフューエルリッドが開いているかを判定する。フューエルリッドが開いていると、ECU20は燃料タンク10に給油されていると判断し、ステップ338、340、342を実行し、計測日時を記憶するとともに、燃料性状を計測する。
図5に示す燃料性状計測ルーチンでは、ECU20は、図3のステップ330に代えてステップ362において燃料タンク10内の燃料量が所定量以上増加したかを判定する。燃料量が所定量以上増加していると、ECU20は燃料タンク10に給油されていると判断し、ステップ338、340、342を実行し、計測日時を記憶するとともに、燃料性状を計測する。
図6に示す燃料性状計測ルーチンのステップ380においてECU20は、燃料揮発性計測条件が成立しているかを判定する。ステップ380の燃料揮発性計測条件とは、給油しているか、燃料温度が所定温度を超えているか、前回の濃度計測から所定時間が計測しているか等、燃料タンク10内の燃料性状を計測すべき条件のことである。燃料揮発性計測条件が成立していれば、ステップ382、384、386において、計測日時を記憶するとともに、燃料揮発性すなわち燃料性状を計測する。
図3から図6の燃料性状計測ルーチンを実行することにより、燃料タンク10に給油されるときだけでなく、内燃機関の始動後の通常運転中においても、燃料揮発性計測条件が成立すれば燃料タンク10の燃料性状は計測される。したがって、経時変化による燃料性状の変化を計測できる。
(濃度計測ルーチン1)
図7に示す濃度計測ルーチン1は、締切圧Pt、空気圧ΔPAIRおよび混合気圧ΔPGASから燃料タンク10内の蒸発燃料濃度を計測するルーチンである。
図7に示すルーチンのステップ400においてECU20は、まずポンプ22を駆動し、電磁弁32を切換制御して絞り30のポンプ22と反対側の計測通路112を閉塞する(ステップ402)。つまり、絞り30の大気側を閉塞する。絞り30の大気側が閉塞された状態で、ステップ404において圧力センサ40が検出する圧力は締切圧Ptである。
次に、ECU20は、電磁弁32を切換制御して絞り30のポンプ22と反対側の計測通路112をフィルタ24を介して大気開放する(ステップ406)。この状態では、空気だけが絞り30を通過するので、ステップ408において圧力センサ40が検出する圧力は空気圧ΔPAIRである。
次に、ECU20は、電磁弁32を切換制御して絞り30のポンプ22と反対側の計測通路112を燃料タンク10側の通路110と連通させる(ステップ410)。この状態では、燃料タンク10内の蒸発燃料と空気との混合気が絞り30を通過するので、ステップ412において圧力センサ40が検出する圧力は混合気圧ΔPGASである。
このようにして検出した締切圧Pt、空気圧ΔPAIRおよび混合気圧ΔPGASから、ECU20は燃料タンク10内の蒸発燃料濃度Cを算出する(ステップ414)。そして、ECU20は、ポンプ22の駆動を停止し(ステップ416)、電磁弁32を切換制御して絞り30のポンプ22と反対側の計測通路112をフィルタ24を介して大気開放する(ステップ418)。このようにして計測した蒸発燃料濃度Cを、ECU20はRAM等のメモリに記憶させ(ステップ420)、本ルーチンを終了する。
本実施形態では、ポンプ22を一定回転数制御していないので、絞り30の両端の差圧が大きくなりポンプ22の負荷が大きくなると、ポンプ22の回転数が減少し流量が減少する。そこで、絞り30の大気側を閉塞してポンプ22の締切圧Ptを検出し、締切圧Pt、空気圧ΔPAIRおよび混合気圧ΔPGASから燃料タンク10内の蒸発燃料濃度を計測した。これに対し、ポンプ22を一定回転数制御する場合は、締切圧Ptを検出する必要はなく、空気圧ΔPAIRおよび混合気圧ΔPGASから燃料タンク10内の蒸発燃料濃度を計測できる。
(燃料揮発性算出ルーチン)
図8に示す燃料揮発性算出ルーチンは、図7の濃度計測ルーチン1で計測された燃料タンク10内の蒸発燃料濃度から燃料タンク10内の燃料揮発性、つまり燃料性状を算出するルーチンである。
図8に示すルーチンにおいてECU20は、まず濃度計測ルーチン1でRAM等に記憶された蒸発燃料濃度Cを読み込む(ステップ440)。そして、ステップ442においてECU20は、大気圧Pa、つまり燃料タンク10内の圧力を検出する。この大気圧Paは、大気開放されている圧力センサ40のセンサ出力を用いてもよいし、他の圧力センサが検出する大気圧でもよい。また、燃料タンク10に直接設置した圧力センサのセンサ出力を用いてもよい。
ステップ444においてECU20は、ステップ440、442で取得した蒸発燃料濃度Cと大気圧Paとから、燃料タンク10内の蒸気圧Pevを算出する。具体的には、次式(1)から蒸気圧Pevを算出する。
C=Pev/Pa・・・(1)
そして、ステップ446においてECU20は、燃料タンク10内の燃料温度Tを検出する。燃料温度Tとして、水温または吸気温を採用してもよい。
ここで図9に示すように、燃料温度Tと蒸気圧Pevとの関係は、性状の異なる燃料A、B、C、D、E、Fによって異なる。したがって、蒸気圧Pevと燃料温度Tとから、ステップ448においてECU20は、燃料性状を燃料揮発性RVPとして算出できる。具体的には、次式(2)から燃料揮発性RVPを算出する。逆に、燃料温度Tと蒸気圧Pevと燃料揮発性RVPとが分かれば、式(1)、(2)から蒸発燃料濃度Cを算出できる。燃料揮発性RVPは、図9の(A)に示すように、燃料性状毎に37.8℃における蒸気圧として表される。
Pev=10[6.15-{311×(6.15-logRVP)}/(T+273.15)] ・・・(2)
ステップ450においてECU20は、算出した燃料揮発性RVPをRAM等に記憶する。
(始動時エバポ噴射量調整ルーチン)
図10に示すルーチンのステップ470においてECU20は、図8に示す燃料揮発性算出ルーチンで算出した燃料揮発性RVPを読み込む。さらにステップ472、474において検出した燃料タンク10内の大気圧Pa、燃料温度Tに基づき、ステップ476において燃料タンク10内の蒸発燃料濃度Cを式(1)、(2)から算出する。ステップ478において、ECU20は、各種センサから内燃機関の運転状態を検出する。ECU20は、内燃機関の運転状態として、エンジン回転数、吸気量、吸気圧等を検出する。吸気量から吸気圧を算出してもよい。ステップ480においてECU20は、内燃機関の運転状態に応じて内燃機関に必要な燃料量Fnをマップ等から読み込む。
ステップ482においてECU20は、内燃機関始動時のパージ全開流量Qs100をROM等から読み込む。Qs100は、パージ通路100を流れる流体が空気100%、パージ弁16の開度が100%のときに、内燃機関の始動直後の吸気通路12の吸気圧でパージ通路100を流れる空気量を表している。このパージ全開流量Qs100と蒸発燃料濃度Cとから、ECU20は、パージ弁16の全開時にパージされる蒸発燃料量Fpを算出する(ステップ484)。
ステップ486においてECU20は、燃料噴射弁の最低噴射量Fiを読み込む。そして、ステップ488においてECU20は、Fn≦Fpを判定する。Fn≦Fpであれば、パージ弁16を全開するときにパージされる蒸発燃料量が必要な燃料量以上であるから、ECU20は、ステップ494においてパージ弁16の開度を調節する。具体的には、パージ弁16の開度をX%とすると、X=100×(Fn/Fp)に設定される。
Fn≦FpでなければFpは必要燃料量Fnより少ないので、ステップ490へ進み、Fn≦Fp+Fiを判定する。Fn≦Fp+Fiであれば、燃料噴射弁が最低噴射量Fiを噴射すると、パージ弁16を全開するときにパージされる蒸発燃料量が必要なパージ量以上になるので、ステップ492において、ECU20はFp=Fn−Fiとする。そして、ステップ494において、パージ弁16の開度を算出し、パージ弁の開度をX、燃料噴射弁の噴射量をFiとして制御する。Fn≦Fp+Fiでなければ、ステップ496においてパージ弁16の開度X%をX=100とし、燃料噴射弁の噴射量FをF=Fn−Fpとして制御する。
ステップ498においてECU20は、燃料タンク10内の蒸発燃料を内燃機関にパージして内燃機関を始動する条件が終了すれば、本ルーチンを終了する。例えば、エンジン回転数が所定回転数以上になると、始動条件が終了したと判断する。始動条件が終了していなければ、ECU20はステップ472に戻って処理を続ける。
図10の始動時エバポ噴射量調整ルーチンを実行することにより、燃料タンク10内の蒸発燃料濃度に基づいて、内燃機関の始動時に適切な蒸発燃料量を吸気通路12にパージできる。これにより、内燃機関の始動性が向上する。
(パージルーチン1)
図11、12に示すパージルーチン1では、ECU20は、まず内燃機関の運転状態を検出する(ステップ510)。ECU20は、内燃機関の運転状態として、エンジン回転数、吸気量を検出する。
次に、ステップ512において、ECU20は吸気通路12に蒸発燃料をパージする許容量Fmを算出する。内燃機関の運転状態により、吸気通路12にパージできる許容量Fmは決定される。ステップ514においてECU20は、吸気通路12の吸気圧Pmを検出する。ステップ510において検出した吸気量から吸気圧Pmを算出してもよい。ステップ516においてECU20は、吸気通路12の吸気圧Pmに応じて規定される基準流量Q100を算出する。基準流量Q100は、パージ通路100を流れる流体が空気100%、パージ弁16の開度が100%のときに、現在の吸気通路12の吸気圧Pmでパージ通路100を流れる空気量を表している。
この基準流量Q100と蒸発燃料濃度Cとから、ECU20は予想流量Qcを算出する(ステップ518)。予想流量Qcは、パージ弁16の開度を100%として、パージ通路100を流れる蒸発燃料濃度Cの混合気の流量を表している。ステップ520においてECU20は、予想流量Qcと蒸発燃料濃度Cとから、パージ弁16の開度を100%として、パージ通路100を流れる蒸発燃料流量Fcを算出する。
次に、図12に示すステップ522において、ECU20はFc≦Fmを判定する。Fc≦Fmであれば、蒸発燃料流量Fcは許容量Fmを超えていないので、ECU20はパージ弁16の開度を100%に設定する(ステップ524)。蒸発燃料流量Fcが許容量Fmを超えている場合にパージ弁16の開度を100%にすると、過度の蒸発燃料が吸気通路12にパージされるので、ECU20は、ステップ526においてパージ弁16の開度を調節する。具体的には、パージ弁16の開度をX%とすると、X=(Fm/Fc)×100に設定される。
このようにして設定した開度に応じて、ECU20はパージ弁16を開弁する(ステップ528)。パージ弁16の開度により、燃料タンク10からパージされる蒸発燃料量は決定される。燃料噴射弁の噴射量は、パージが開始される前に設定された噴射量の初期値から、パージされる蒸発燃料量を元に補正される。ところで、燃料タンク10から蒸発燃料がパージされることにより燃料タンク10内の蒸発燃料量が減少すると、燃料タンク10から吸気通路12にパージされる蒸発燃料量が減少し、空燃比が低下する。燃料噴射弁の噴射量は、空燃比をフィードバックして補正されるので、燃料タンク10から吸気通路12にパージされる蒸発燃料量が減少し空燃比が低下すると、空燃比を上昇させるために燃料噴射弁の噴射量は増加するように設定される。その結果、設定された噴射量と噴射量の初期値との差である噴射量補正量は減少する。
そこで、ステップ530において、ECU20は噴射量補正量が減少したかを判定する。噴射量補正量が減少していない場合、つまり空燃比が低下しておらずパージされる蒸発燃料量が減少していない場合、ECU20はパージ停止条件が成立しているかを判定し(ステップ532)、パージ停止条件が成立していない場合はステップ530に処理を戻しパージを継続する。パージ停止条件が成立している場合、ECU20はパージ弁16を閉弁し(ステップ534)、パージルーチンを終了する。
ステップ530において噴射量補正量が減少している場合、つまり空燃比が低下しておりパージされる蒸発燃料量が減少している場合、ECU20は、燃料タンク10からパージされる蒸発燃料量を増やすために、パージ弁16の開度を大きくする(ステップ536)。パージ弁16の開度は最大で100%に設定される(ステップ538、540)。パージ弁16の開度を設定した後、ECU20は、ステップ532の判定を行う。
(パージルーチン2)
図11、12に示すパージルーチン1に代えて、図14、15に示すパージルーチン2を実行してもよい。パージルーチン2は、パージルーチン2内で燃料タンク10内の蒸発燃料濃度を算出するので、パージルーチン2を実行する場合は、図13のメインルーチン2を実行する。図13に示すメインルーチン2では、図2のメインルーチン1で蒸発燃料濃度を算出するステップを省略している。
図14、15に示すパージルーチン2のステップ550、560〜576は、図11、12に示すパージルーチン1のステップ510〜528に対応し同じ処理を実行する。ECU20は、ステップ550において内燃機関の運転状態を検出すると、ステップ552〜558において、燃料タンク10内の蒸発燃料濃度Cを算出し、ステップ560に処理を移行する。
パージルーチン2では、パージルーチン1で行った空燃比によるパージ弁16の開度のフィードバック制御は行わない。その代わりパージルーチン2では、ステップ578においてECU20がパージ停止条件が成立していないと判定した場合、ステップ552に処理を戻し、蒸発燃料濃度Cを算出してパージ弁16の開度を制御する。パージ停止条件が成立している場合、ECU20はパージ弁16を閉弁し(ステップ580)、パージルーチン2を終了する。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図16に示す。尚、第1実施形態と実質的に同一構成部分には同一符号を付している。
キャニスタ18と燃料タンク10とを連通する連通管120の燃料タンク10側の管端部122は、例えば発泡性樹脂で形成されており、燃料液面上に浮く浮力構造を有している。したがって、管端部122は、燃料タンク10内の燃料量が増減しても、常に燃料液面上に浮いている。
この構成によれば、キャニスタ18から蒸発燃料の脱離が進行しても、キャニスタ18から燃料タンク10内の燃料液面付近に新気が導入される。この燃料液面上に導入された新気により燃料液面付近の蒸発燃料濃度が低下するので、燃料がさらに蒸発する。したがって、燃料タンク10内の蒸発燃料が吸気通路12にパージされても、燃料タンク10内の蒸発燃料濃度を飽和状態に保持できる。
管端部122とキャニスタ18との間には、車両転倒時の燃料流出を防ぐ流出防止弁を設置してもよい。この流出防止弁を、パージ通路100、通路110にも設置してもよい。
(第3、第4実施形態)
本発明の第3実施形態を図17に、第4実施形態を図18に示す。尚、既述の実施形態と実質的に同一構成部分には同一符号を付している。
図17に示す第3実施形態では、キャニスタ18と燃料タンク10とを連通する連通管130の燃料タンク10側の管端部132は、発泡性樹脂等の材質で薄い肉厚に形成されている。したがって、管端部132は、第2実施形態と同様に燃料タンク10内の燃料液面上に浮く浮力構造を有している。さらに、管端部132は、キャニスタ18から燃料タンク10側への流体流れは許容するが、燃料タンク10内の燃料が給油時等に管端部132内に進入しようとすると燃料圧力で押しつぶされる逆流防止構造を有している。したがって、燃料タンク10内からキャニスタ18側に連通管130を燃料が逆流することを防止できる。
ただし、給油時に管端部132が押しつぶされると、給油時に燃料タンク10内に発生する蒸発燃料を連通管130を通してキャニスタ18に吸着できないので、燃料タンク10の上方に、燃料タンク10内の蒸発燃料の圧力により、弁部材135がスプリング136の荷重に抗してリフトし、蒸発燃料が連通管130のキャニスタ18側に流れることを許容する逆止弁134を設置している。逆止弁134は、キャニスタ18から燃料タンク10に新気が導入されるときに、逆止弁134を通って燃料タンク10の上方に新気が導入されパージ通路100に流出しないように、キャニスタ18から燃料タンク10に流体が流れるときに閉弁する。
図18に示す第4実施形態の逆止弁140は、ばね部材等の荷重を受けない弁構造である。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態を図19に示す。尚、既述の実施形態と実質的に同一構成部分には同一符号を付している。第5実施形態では、第1実施形態の電磁弁32に代えて、電磁弁50と電磁弁52とを組み合わせて切換弁を構成している。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態を図20に示す。尚、既述の実施形態と実質的に同一構成部分には同一符号を付している。
第6実施形態の蒸発燃料処理装置2では、絞り30と第2キャニスタ34との間の計測通路112とキャニスタ18との間に電磁弁60を設置している。電磁弁60は、キャニスタ18、通路102、燃料タンク10、およびパージ通路100で構成されているパージ系のリークチェック用に設置されている。第6実施形態では、絞り30は、パージ系で許容されるリーク量に相当する穴径に設定されており、リークチェック時の基準絞りを兼ねている。
通電をオンすると、電磁弁60は、絞り30と第2キャニスタ34との間の計測通路112とキャニスタ18とを連通する切換状態になる。リークチェックをしないときには、電磁弁60への通電はオフされている。通電オフの状態では、電磁弁60は図20に示す切換状態にあるので、キャニスタ18は通路104により大気側に開放されている。
電磁弁32、60が図20に示す状態のときにパージ弁16を閉弁し、ポンプ22を作動させると、圧力センサ40が検出する圧力はパージ系のリークを判定する基準圧になる。
次に、電磁弁60への通電をオンして、絞り30と第2キャニスタ34との間の計測通路112とキャニスタ18とを連通させ、電磁弁32を切換制御して絞り30のポンプ22と反対側の計測通路112を閉塞する。この状態でポンプ22を作動させ、圧力センサ40が検出する圧力と、先に検出した基準圧とを比較することにより、パージ系のリークをチェックする。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態を図21に示す。尚、既述の実施形態と実質的に同一構成部分には同一符号を付している。第7実施形態では、第6実施形態の電磁弁60に代えて、電磁弁62と電磁弁64とを組み合わせて使用している。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態を図22に示す。尚、既述の実施形態と実質的に同一構成部分には同一符号を付している。
第8実施形態では、電磁弁32と電磁弁70とを組み合わせて切換弁を構成することにより、絞り30と大気との連通と、絞り30と燃料タンク10との連通と、絞り30とキャニスタ18との連通と、絞り30のポンプ22と反対側の計測通路112の閉塞、つまり絞り30の大気側の閉塞とを切り換えている。
この構成により、第8実施形態では、燃料タンク10内の蒸発燃料濃度に加え、キャニスタ18に吸着されている蒸発燃料濃度を計測する。電磁弁32、70は通電オフの状態で図22に示す状態にある。
(メインルーチン3)
図23に示すルーチンは、第8実施形態において、燃料タンク10内の蒸発燃料濃度およびキャニスタ18内の蒸発燃料濃度を算出し、燃料タンク10から吸気通路12にパージする蒸発燃料量を制御するためのメインルーチン3である。図23のメインルーチン3のステップ600、602、608〜622は、図2のメインルーチン1のステップ300〜318にそれぞれ対応しており、実質的に同じ処理を行う。
図23のメインルーチン3では、ECU20は、ステップ608においてパージ条件が成立しているかを判定する前に、ステップ604においてキャニスタ18の吸着量、つまりキャニスタ18に吸着されている蒸発燃料濃度を計測する。そして、ステップ606においてECU20は、ステップ604のキャニスタ吸着量算出ルーチンで設定したパージ停止フラグFの値によりキャニスタ18の蒸発燃料濃度を判定する。この判定により、キャニスタ18の蒸発燃料濃度が所定値よりも高ければ、ECU20はステップ608においてパージ実行条件が成立しているかを判定する。キャニスタ18の蒸発燃料濃度が所定値以下であれば、ECU20はステップ614に処理を移行し、パージルーチン1を実行しない。つまり、キャニスタ18の蒸発燃料濃度が所定値以下であれば、ECU20はパージ弁16を開弁しない。このように、キャニスタ18の蒸発燃料濃度に応じてパージ処理を実行するか否かを判定するので、パージ条件が成立しているときに燃料タンク10から常時蒸発燃料がパージされることを防止する。これにより、揮発性の高い燃料成分が燃料タンク10から過度にパージされることを防止し、燃料タンクの燃料において揮発性の低い燃料成分の割合の上昇を抑制するので、燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧の微粒化の低下を抑制できる。
(キャニスタ吸着量算出ルーチン)
図24のルーチンのステップ640においてECU20は、図22に示す電磁弁32、70の状態から、電磁弁70への通電をオンし、絞り30とキャニスタ18とを連通させる。そして、ステップ642においてECU20は、濃度計測ルーチン2を実行し、キャニスタ18の蒸発燃料濃度を計測する。
ステップ644においてECU20は、計測したキャニスタ18の蒸発燃料濃度Cが所定値C0よりも低いと、キャニスタ18に吸着されている蒸発燃料量が少ないと判断し(ステップ646)、ステップ648においてパージ停止フラグFを1に設定する。計測したキャニスタ18の蒸発燃料濃度Cが所定値C0以上であると、ECU20はキャニスタ18に吸着されている蒸発燃料量が多いと判断し(ステップ650)、ステップ652においてパージ停止フラグFを0に設定する
(濃度計測ルーチン2)
図25に示す濃度計測ルーチン2は、締切圧Pt、空気圧ΔPAIRおよび混合気圧ΔPGASからキャニスタ18内の蒸発燃料濃度を計測するルーチンである。濃度計測ルーチン2のステップ670〜678、ステップ682〜690は、図7の濃度計測ルーチン1のステップ400〜408、ステップ412〜420に対応している。濃度計測ルーチン2では、ステップ680においてECU20が電磁弁32、70を切換制御することにより、絞り30とキャニスタ18とを連通させる点が濃度計測ルーチン1のステップ410と異なっている。
(第9実施形態)
本発明の第9施形態を図26に示す。尚、既述の実施形態と実質的に同一構成部分には同一符号を付している。
第9実施形態では、第8実施形態において、絞り30と第2キャニスタ34との間の計測通路112とキャニスタ18との間に電磁弁60をさらに設置している。電磁弁60は、第6実施形態と同様に、キャニスタ18、通路102、燃料タンク10、およびパージ通路100で構成されているパージ系のリークチェック用に設置されている。したがって、絞り30は、パージ系で許容されるリーク量に相当する穴径に設定されており、リークチェック時の基準オリフィスを兼ねている。
(他の実施形態)
以上説明した上記複数の実施形態に対し、燃料タンク10に給油されるとき、または内燃機関の始動直後、または内燃機関の始動後の通常運転中だけに燃料タンク10の燃料性状を計測してもよい。
また上記複数の実施形態では、締切圧Pt、空気圧ΔPAIRおよび混合気圧ΔPGASを検出して燃料タンク10内の蒸発燃料濃度またはキャニスタ18内の蒸発燃料濃度を計測したが、燃料タンク10に設置した濃度センサにより蒸発燃料濃度を計測してもよい。
また、上記複数の実施形態では、ポンプ22と絞り30との間の計測通路112に第2キャニスタ34を設置し、空気圧ΔPAIRと混合気圧ΔPGASとの差分値の検出ゲインGを大きくしたが、第2キャニスタ34を設置しない構成でもよい。
また、上記複数の実施形態では圧力センサ40が絞り30と第2キャニスタ34との間の計測通路112に接続されていたが、第2キャニスタ34とポンプ22との間の計測通路112に接続されてもよい。
このように、本発明は、上記複数の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
1、2、3、4:蒸発燃料処理装置、10:燃料タンク、18:第1キャニスタ、20:ECU(濃度計測手段、濃度算出手段、パージ弁制御手段、燃料性状計測手段)、22:ポンプ(減圧装置)、30:絞り、32:電磁弁(切換弁)、50、52:電磁弁(切換弁)、40:圧力センサ、70:電磁弁(切換弁)、100:パージ通路、112:計測通路、120、130:連通管、122、132:管端部(浮力構造、逆流防止構造)、134、140:逆止弁

Claims (7)

  1. 燃料タンクと、
    内燃機関の吸気通路と前記燃料タンクとを連通するパージ通路と、
    前記パージ通路に設置され、前記燃料タンクから前記吸気通路にパージされる蒸発燃料量を制御するパージ弁と、
    前記燃料タンク内の蒸発燃料濃度を計測する濃度計測手段と、
    前記濃度計測手段が計測した蒸発燃料濃度に基づき前記パージ弁の開度を制御するパージ弁制御手段と、
    前記燃料タンク内に発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、
    を備え、
    前記濃度計測手段は、
    通路中に絞りを有する計測通路と、
    前記絞りを挟んで前記計測通路の一方側に設置され、前記絞りと大気との連通と、前記絞りと前記燃料タンクとの連通と、前記絞りと前記キャニスタとの連通とを切り換える切換弁と、
    前記絞りを挟んで前記切換弁と反対側の前記計測通路に接続し、前記計測通路を減圧する減圧装置と、
    前記絞りと前記減圧装置との間の計測通路の圧力を検出する圧力センサと、
    を有し、
    前記濃度計測手段は、前記減圧装置が作動しており、前記絞りと大気とが連通しているときに前記圧力センサが検出する空気圧と、前記燃料タンクから前記吸気通路への蒸発燃料のパージ停止中に前記絞りと前記燃料タンクまたは前記キャニスタとが連通しているときに前記圧力センサが検出する空気と蒸発燃料との混合気の混合気圧と、に基づき前記混合気中の蒸発燃料濃度を計測し、
    前記パージ弁制御手段は、前記濃度計測手段が計測した前記キャニスタ内の蒸発燃料濃度が所定値よりも低い場合、前記パージ弁を開弁しない蒸発燃料処理装置。
  2. 前記濃度計測手段が計測した前記燃料タンク内の蒸発燃料濃度と、前記燃料タンク内の温度と、前記燃料タンク内の圧力とから前記燃料タンク内の燃料性状を計測する燃料性状計測手段と、
    前記燃料タンク内の温度と、前記燃料タンク内の圧力と、前記燃料性状計測手段が計測した燃料性状とから前記燃料タンク内の蒸発燃料濃度を算出する濃度算出手段と、
    をさらに備え、
    前記パージ弁制御手段は、前記濃度計測手段または前記濃度算出手段から取得する前記燃料タンク内の蒸発燃料濃度に基づき前記パージ弁の開度を制御する請求項1に記載の蒸発燃料処理装置。
  3. 前記燃料性状計測手段は、前記燃料タンクに燃料が給油されると燃料性状を計測する請求項2に記載の蒸発燃料処理装置。
  4. 前記燃料性状計測手段は、前記内燃機関の始動直後に燃料性状を計測する請求項2または3に記載の蒸発燃料処理装置。
  5. 前記燃料性状計測手段は、前記内燃機関の運転中に燃料性状を計測する請求項2から4のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  6. 前記キャニスタと前記燃料タンクとを連通する連通管は、前記燃料タンク内の液面上に浮く浮力構造を有する請求項1に記載の蒸発燃料処理装置。
  7. 前記浮力構造は前記燃料タンクから前記キャニスタ側への燃料の逆流を防止する逆流防止構造をさらに有し、
    前記燃路タンクの上方に設置され、前記浮力構造を迂回して前記浮力構造よりも前記キャニスタ側の前記連通管への前記燃料タンクからの流体流れを許容し、前記キャニスタから前記燃料タンクへの流体流れを規制する逆止弁をさらに備える請求項6に記載の蒸発燃料処理装置。
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