JP4806640B2 - 光伝送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光信号を用いて情報を伝送するための光伝送装置および光受信装置に関する。特に、本発明は、波長多重された光伝送信号を一括して光増幅中継する波長多重光通信システムを安定的かつ柔軟に運用することのできる光伝送装置および光受信装置に関するものである。
波長多重された光伝送信号を、一括して光増幅する従来技術によるシステムの基本構成例を図8に示す。従来の波長多重光通信システムは、図8のように、所望の波長数の電気信号を光信号に変換する電気/光変換器(E/O)911と、それぞれの信号光電力を調節する光減衰器(ATT)913と、それらの光信号を多重する合波器916からなる光送信部910と、波長多重された光信号を増幅中継するための、光ファイバとその光ファイバの所定距離ごとに接続された複数の光増幅器931からなる光伝送部と、光信号を波長ごとに波長分離する分波器951と、その分波器951により波長分離された各光信号を電気信号に変換する光/電気変換器(O/E)952からなる光受信部から構成される。
この場合に使用される光増幅器931は、多重化された光信号を一括して増幅するもので、例えば、EDFA(Erbium−doped Fiber Amplifier;エルビウムドープ光ファイバアンプ)などが用いられている。このような光増幅器の制御方法には、2つの方式、光出力一定制御方式と利得一定制御方式があるが、一般的に広く用いられているのが光出力一定制御方式である。
特許文献1には、光出力一定制御方式を用いる光増幅中継器であって、それぞれの電気信号に制御信号を重畳して光信号に変換し、各光増幅中継器において重畳した制御信号を復号し、光増幅器の利得を制御する光増幅中継器が記載されている。
特許文献2では、波長数の増減による利得不足を低減することを目的として、波長数に応じて光増幅器の出力電力を制御する光増幅器が考えられている。
特許文献3には、エルビウム添加ファイバ増幅器の励起電流を直接制御する構成とともに、制御方法のひとつとして、波長数が変化した場合に変化した光信号の光電力をダミー光で供給する構成が記載されている。
特開平6−021897号公報 特開2001−086081号公報 特開平9−289503号公報
波長多重光通信システムにおいては、一般に、それぞれの波長における信号光電力を適正に設定する必要がある。すなわち、それぞれの波長における信号光電力が所定値以下になると、受信側における所望の信号電力対雑音電力比(SN比)が確保できない。一方、それぞれの波長あたりの信号光電力がある値以上に大きくなると、自己位相変調などの非線形光学効果により、光信号波形の歪みが大きくなり、SN比の劣化につながるという問題もある。
しかし、広く用いられている光増幅器は、前述の光出力一定制御方式により、多重化された信号光電力(波長あたりの信号光電力の総和)を一定に保つように制御され、それぞれの波長の信号光電力を制御するものではない。従って、一部の波長で障害が発生した際や波長数が増減した際など、光増幅器入力において、多重化された信号光電力が変動すると、出力を一定に保つために利得が変動する。利得の変動により、1波長あたりの入力信号光電力が適正範囲外になると、光増幅器の内部雑音が増えることによる光増幅器出力でのSN比劣化や、他の光信号との相互干渉による光信号波形の歪みが大きくなる場合があるという問題がある。
また、光出力一定制御方式の光増幅器において波長数が少なくなった場合、1波長あたりの出力信号光電力が過大となり、非線形光学効果によるSN比劣化が問題となり得る。一方で、利得一定制御方式において波長数が少なくなった場合、光増幅器の利得を調整することによりSN比改善が可能となるにもかかわらず、光増幅器の利得が一定に保たれているため、SN比は改善されない。つまり伝送路の信号空間の利用効率に無駄が生じるとともに、光増幅器の増幅性能を十分に活用できない。
また一般に、光増幅器は70km(キロメートル)程度の間隔で設置される場合が多く、各設置場所で光増幅器の利得調整などの設定変更を必要な時にその都度行う作業は運用上不都合である。遠隔地からの設定変更が可能な機能を具備する光増幅器も存在するが、制御用の別回線が必要であり、運用性が悪い。
特許文献1に記載されている光増幅中継器では、各光増幅中継器において重畳されている制御信号を復号しているため、構成が複雑になるという問題がある。
特許文献2の技術は、特に波長数が少ない場合に生じ得る、非線形光学効果による信号劣化の問題を解決できない。
本発明は、上記の課題認識に基づいて行なわれたものであり、波長多重光通信システムにおいて、波長数の増減などによる信号光電力の変動に対して、その都度、光増幅器の設定を変更することなく、容易に柔軟な運用が可能な適応的な光通信システムの実現を目的とする。
またさらに、特に中継地点等に設置される光増幅器が、特定波長の信号のみを取り出したり追加したりする機能を有する構成の場合にも、波長数の増減などによる信号光電力の変動に応じて、容易且つ柔軟に良好な信号電力を維持できる光通信システムの実現を目的とする。
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様による光伝送装置は、波長多重された複数の波長の信号光を送出する光伝送装置であって、前記信号光のいずれの波長とも異なる波長の補助用光を前記信号光の波長数に応じた所定電力で出力する補助用光出力手段と、複数の前記信号光とともに前記補助用光出力手段から出力される補助用光を合波して出力する合波手段とを備える。
これによれば、補助用光の波長は信号光のいずれの波長とも異なるため、補助用光が信号光に直接干渉することはない。また、合波手段は、信号光と補助用光とを合波して出力する。このとき、信号光の波長数に応じて補助用光出力手段が補助用光電力を制御するため、合波された出力光における各信号光電力と補助用光電力の比を制御できる。すると、合波した後の増幅器において、出力一定制御による増幅を行なう場合には、上記電力比はそのまま維持される。つまり、当該増幅器における増幅後の出力電力は一定であるため、当該電力比によって増幅後の各信号光電力が決まる。つまり、本光伝送装置により増幅後の各信号光電力を制御することができ、よって、各信号光電力を非線形光学効果による影響を受けないように制御でき、且つまた、その範囲内においてできるだけSN比が良くなるように制御することができる。なお、上記の増幅器は、本光伝送装置の内部に設けられている場合もあり、本伝送装置から伝送路を介して長距離(数キロメートルから数十キロメートルあるいはそれ以上)離れている場所に設けられている場合もある。
ここで、波長数とは、波長分割多重方式などにより波長ごとに独立にデータ伝送を行うために光ファイバ等で異なる波長の光を同時に伝送する場合の信号光の波長の数である。以下において同様。
[2]また、本発明の一態様による光伝送装置においては、入力される電気信号を各波長の光信号に変換する複数の電気/光変換器を備え、前記補助用光出力手段は、補助用光を発生する光源と、前記光源からの補助用光が前記信号光の波長数に応じた所定電力になるように制御する制御部と、を含んで構成されることを特徴とする。
これにより、この光伝送装置は、電気信号を光信号に変換して送信する送信装置の機能を有する。そして、前述のとおり、伝送路を介して離れて存在する増幅器において出力一定制御による増幅を行なう場合にも、増幅後の信号光電力を、この光伝送装置で制御することが可能となる。
[3]また、本発明の一態様による光伝送装置においては、前記制御部は、後段の増幅器における所与の増幅器総出力光電力Pamp_outと所与の光信号しきい値電力Pthと前記信号光の波長数Nと各波長の信号光の出力電力Ptxとに応じて、後段の増幅器における各波長の信号光の出力電力が前記光信号しきい値電力Pthより大きくならないように、前記補助用光の出力電力を制御することを特徴とする。
これにより、当該後段の増幅器における増幅後の各波長の信号光電力はPthより大きくならないため、非線形光学効果による影響を受けず、伝送品質を良好に保つことができる。なお、このような制御は、後述する式(4)に基づいて行なう。
[4]また、本発明の一態様による光伝送装置においては、前記合波手段から出力される光を増幅する増幅手段を備え、前記補助用光出力手段は、入力される波長多重された複数の波長の信号光電力を検出する入力電力検出手段と、入力された前記信号光の波長数を検出する波数カウンタ手段と、補助用光を発生する光源と、前記入力電力検出手段が検出した光電力と前記波数カウンタ手段が検出した波長数に基づき、前記光源からの補助用光が前記信号光の波長数に応じた所定電力になるように制御する制御部とから構成されることを特徴とする。
この構成により、この光伝送装置は、光送信装置と光受信装置との間の伝送路上で光信号を中継する装置とすることができる。本光伝送装置では、波長多重された複数の波長の信号光を入力し、入力電力検出手段がその電力を検出し、波数カウンタ手段が信号光の波長数を検出し、これら検出された電力および波長数に基づいて制御部が補助用光の電力を制御する。そして、上記の多重化された信号光と補助用光を合波手段が合波し、合波された光を増幅手段が増幅する。つまり、入力される信号光を増幅するが、このときに制御部の制御によって、増幅後の各波長の信号光電力を制御することができる。
[5]また、本発明の一態様による光伝送装置においては、前記制御部は、前記増幅手段における所与の増幅器総出力電力Pamp_outと所与の光信号しきい値電力Pthと前記信号光の波長数Nと入力される信号光の電力Pinとに応じて、前記増幅手段における各波長の信号光の出力電力が前記光信号しきい値電力Pthより大きくならないように、前記補助用光の出力電力を制御することを特徴とする。
これにより、増幅後の各波長の信号光電力はPthより大きくならないため、非線形光学効果による影響を受けず、伝送品質を良好に保つことができる。なお、このような制御は、後述する式(6)に基づいて行なう。
[6]また、本発明の一態様による光伝送装置においては、前記合波手段から出力される光を増幅する増幅手段を備え、前記補助用光出力手段は、入力光に含まれる信号光と補助用光とを分離する補助用光分離手段と、前記補助用光分離手段から出力される複数の波長の信号光電力を検出する入力電力検出手段と、前記補助用光分離手段から出力される前記信号光の波長数を検出する波数カウンタ手段と、前記入力電力検出手段が検出した光電力と前記波数カウンタ手段が検出した波長数に基づき、前記補助用光分離手段で分離された補助用光が前記信号光の波長数に応じた所定電力になるように制御する制御部と
から構成されることを特徴とする。
この構成により、この光伝送装置は、光送信装置と光受信装置との間の伝送路上で光信号を中継する装置とすることができる。本光伝送装置では、波長多重された複数の波長の信号光と補助用光が合波された光を入力する。補助用光分離手段は、入力された光から補助用光のみを取り出す。補助用光が取り出された後の多重化された信号光について、入力電力検出手段がその光電力を検出し、波数カウンタ手段が信号光の波長数を検出し、これら検出された光電力および波長数に基づいて制御部が補助用光の光電力を制御する。なお、補助用光分離手段によって分離された補助用光を必要に応じて増幅し、その電力を制御部が制御する。そして、上記の多重化された信号光と補助用光を合波手段が合波し、合波された光を増幅手段が増幅する。つまり、入力される信号光を増幅するが、このときに制御部の制御によって、増幅後の各波長の信号光電力を制御することができる。
[7]また、本発明の一態様による光伝送装置においては、前記補助用光分離手段の前段に、特定波長の信号光のみを取り出し又は追加する光アドドロップマルチプレクサを設けたことを特徴とする。
この構成により、この光伝送装置において、信号光を取り出したり追加したりすることができる。つまり、中継地点にこの光伝送装置を設けるときには、この地点において多重化された信号光の中で、一部の波長の信号光のみを取り出したり追加したりできる。そして、補助用光分離手段の前段にこの光アドドロップマルチプレクサを設けているため、たとえ一部の波長の信号を取り出したり追加したりしても、その後の電力や波長数に基づいて制御部が補助用光の制御をすることができ、よって、増幅後の信号光電力を適切に制御することが可能となる。
なお、上記の光アドドロップマルチプレクサは、複数設けてもよく、これにより、複数の波長の信号光を取り出したり、複数の波長の信号光を追加したり、ある波長の信号光を取り出すとともに同波長あるいは異なる波長の信号光を追加するように構成することができる。
[8]また、本発明の一態様による光伝送装置においては、前記制御部は、前記増幅手段における所与の増幅器総出力電力Pamp_outと所与の光信号しきい値電力Pthと前記補助用光分離手段から出力される前記信号光の波長数Nと前記補助用光分離手段から出力される前記信号光の出力電力Ptxとに応じて、前記増幅手段における各波長の信号光の出力電力が前記光信号しきい値電力Pthより大きくならないように、前記補助用光の出力電力を制御することを特徴とする。
これにより、増幅後の各波長の信号光電力はPthより大きくならないため、非線形光学効果による影響を受けず、伝送品質を良好に保つことができる。なお、このような制御は、後述する式(7)に基づいて行なう。
[9]また、本発明の一態様による光伝送装置においては、前記補助用光の周波数fctrlは、複数の前記信号光の周波数のうち任意の3つの周波数をf、f、fとしたときにf≠f+f−fctrl且つf≠f+fctrl−fであるような周波数fctrlとすることを特徴とする。
このように周波数を適切に選択することにより、周波数fおよび周波数fの信号光と、周波数fctrlの補助用光とが、周波数fの信号光に四波混合の影響を与えることがない。つまり、周波数fctrlの補助用光が、使用されるいずれの周波数の信号光にも四波混合の影響を与えないようにすることができる。
[10]また、本発明の一態様による光伝送装置においては、前記補助用光の波長λctrlは、複数の前記信号光の波長のうち任意の波長をλとしたときにλctrlとλとの差が、略110ナノメートルとならない波長λctrlとすることを特徴とする。
このように周波数を適切に選択することにより、波長λctrlの補助用光が波長λの信号光に対してラマン散乱の作用を及ぼさない。つまり、波長λctrlの補助用光が、使用されるいずれの波長の信号光にもラマン散乱の影響を与えないようにすることができる。
[11]また、本発明の一態様による光受信装置は、上述したいずれかの光伝送装置から送出される多重化された光信号を受信し、この多重化された光信号を各波長の光信号に分波する分波器と、前記分波器により分波された各々の波長の光信号を電気信号に変換する複数の光/電気変換器とを備えることを特徴とする。
これにより、上述した光伝送装置から送出される多重化された光信号を受信し、電気信号に戻すことができる。
本発明によれば、光伝送装置が補助用光の電力を制御することによって、出力一定制御などの増幅器によって増幅された後の、各波長の信号光電力を制御することができる。このような光伝送装置を用いることにより、波長多重された光信号を一括して光増幅する波長多重光通信システムにおいて、光増幅器出力の波長あたりの信号光電力を一定に保つことで、波長数の増減や光送信機の故障等で生じる波長あたりの信号光電力の変動による非線形光学効果等の信号光品質の劣化を低減する光通信システムを提供することができる。つまり、信号光電力を非線形しきい値電力以下に設定できるために非線形光学効果の影響を受けないとともに、波長の波長数に応じて利用できる最大限の電力に信号光を調整するため、光増幅器の増幅性能を最大限利用できる。
また、本発明の光伝送装置の構成を、光信号を送信する源となる光送信装置として実現することにより、伝送路上の中継地点等に設けられる既存の光増幅装置を変更することなく、波長あたりの信号光電力を適切に制御することができる。
また、本発明によれば、光伝送装置で用いる補助用光の波長(周波数)を適切に選択することにより、四波混合やラマン散乱などの影響を与えることなく、光信号の伝送品質を良好に維持することができる。
また、本発明によれば、中継地点等において、所定の波長の光信号のみを取り出したり追加したりする場合にも、取り出した後のあるいは追加した後の光信号電力や波長数に基づいて補助用光の電力を制御するため、中継地点等における増幅器での増幅後の各波長の光信号電力を適切なレベルに制御することができ、よって、伝送品質の劣化を防ぐことができる。
[第1の実施の形態]
図1は本実施形態による光伝送システム全体の構成を示したブロック図である。本システムは大別すると、光信号を送信する光送信装置(光伝送装置)10と、光ファイバ等の伝送路および光増幅装置(光伝送装置)31とからなる伝送部30と、光信号を受信する光受信装置50とから成る。本システムは、波長分割多重(WDM;Wavelength Division Multiplexing)方式により、波長数Nの光信号を伝送するものである。なお、波長数Nの構成を図示しているが、波長数は最大でNmaxまで拡張可能である。
光送信装置10は、波長λ、λ、・・・、λにそれぞれ対応した複数の電気/光変換器(E/O)11と、電気/光変換器11に対応した複数の光減衰器(ATT)13と、補助光のための光源12と、光源12からの補助光を可変的に減衰する可変光減衰器(ATT)14と、可変光減衰器14による減衰量等を制御する制御部15と、各光減衰器13および可変光減衰器14からの出力を合波する光合波器(合波手段)16とを含む構成である(光源12と制御部15と可変光減衰器14が補助用光出力手段)。
光受信装置50は、受信した光信号を分波する分波器51と、分波された各波長(λ、λ、・・・、λ)の光信号を電気信号に変換する複数の光/電気変換器(O/E)52とを含む構成である。
次に、本システムにおける各装置および各部の動作と制御方法について説明する。
光送信装置10において、入力されるN個の電気信号がそれぞれ、N個の電気/光変換器(E/O)11で光信号(波長はλ,λ,・・・,λ、それぞれ対応する周波数は、f,f,・・・,f)に変換される。なお、波長λ(i=1,2,・・・,N)と周波数fとの関係は言うまでもなく、λ=c/f(cは光速)である。そして、変換された光信号は、各々の波長用の光減衰器13により適切な光電力値へ減衰される。出力光電力は、波長ごとにそれぞれ設定可能となっている。
またこれらの光信号の他に、光源12から、さらに1波の無変調の補助用光(波長λctrl、周波数fctrl、光信号の速度をcとしたときλctrl=c/fctrl)が加えられる。光源12からの補助用無変調光は、可変光減衰器14によって適切な光電力値へ減衰される。この補助用無変調光の光電力は、制御部15によって制御される。
そして、光合波器16は、各々の光減衰器13と可変光減衰器14とを合波し、多重化された光信号を光伝送部30へ出力する。
次に、補助用無変調光の波長λctrlの選び方について説明する。λctrlとしては、伝送する信号波長λ〜λへの干渉がない波長或いは干渉の影響が少ない波長を以下のように選択する。
まず、波長λctrlは、信号波長λ〜λと同一にならないように選択する。さらに、特に、光ファイバ中で発生する非線形光学効果のうち、他の信号に影響する四波混合、相互位相変調、ラマン散乱などの影響を考慮して選択する。
まず、四波混合は、光周波数f、f、fの3つの光信号が光ファイバに入射されたとき、f=f+f−fを満たす周波数fの光が光ファイバ内部で発生する現象である。f、f、fの内の一つをfctrl、他の2つを伝送する光信号の周波数としたとき、四波混合によって発生する周波数fの光が、伝送する光信号の周波数と一致しないように、fctrlを選択する。
つまり、本システムで使用される光信号周波数(f,f,・・・,f)のうち任意に選択した2周波数をf、fとしたとき、f+f−fctrlとf+fctrl−fのいずれもが本システムで使用される光信号周波数と同一ではない、fctrlを選択する。言い換えると、信号光周波数のうち任意の3つの周波数をf、f、fとしたときにf≠f+f−fctrl且つf≠f+fctrl−fであるような周波数fctrlを選択して使用する。これにより四波混合の影響を抑えることができる。
例えば、信号周波数f〜fがITU−Tが勧告(ITU−T 勧告G.694)したWDMグリッド、すなわち193.10THz(テラヘルツ)をアンカー周波数として、50GHz(ギガヘルツ)、100GHz、200GHzのいずれかの整数倍の間隔を持つ周波数に設定されているときには、補助用無変調光の周波数fctrlとしてWDMグリッドを満たさない周波数を選ぶことで、四波混合の影響を抑えることができる。
相互位相変調は、他の光信号の光強度に依存して光位相が変化する現象である。相互位相変調の影響は、光周波数の間隔を200GHz(波長間隔 約1.6nm(ナノメートル))以上離すことで避けることができる。
つまり、本システムで使用される光信号周波数(f,f,・・・,f)のいずれの周波数からも200GHz以上離れた周波数を、補助用無変調光の周波数fctrlとして選択するようにする。これにより相互位相変調の影響を抑えることができる。
ラマン散乱による影響は、波長と波長との間隔が約110nmのときに最も大きくなる。つまり、約110nmの波長間隔を避ければ、ラマン散乱の影響を回避できる。
本システムでは、使用される光信号波長(λ,λ,・・・,λ)のいずれとも約110nmの間隔にならないように、補助用無変調光λctrlを選択する。つまり、複数の信号光波長のうち任意の波長をλとしたときにλctrlとλとの差が約110ナノメートルとならないような波長λctrlを選択して使用する。これにより、ラマン散乱による影響を抑えることができる。
例えば、信号光の波長数をN=10として、前述の「ITU−T 勧告G.694」における50GHz間隔グリッドのうち、周波数193.40THz(テラヘルツ)から192.95THzまでのチャネルを使用する場合、これらの周波数に対応する波長は1550.12nmから1553.73nmまでである。よって、この場合には補助用無変調光の波長としては、1440nm〜1444nmおよび1660nm〜1664nmのあたりを避けるようにする。
なお、非線形光学効果の1つである自己位相変調は、その光信号自身の光強度に依存して光位相が変化する現象であり他の光信号に影響しないため、本システムにおける補助用無変調光の波長の選択にあたっては、自己位相変調を考慮しない。
以上の点を考慮して、その波長多重光通信システムで使用する光増幅器の対応する波長範囲内で波長λctrlを選ぶ。
光伝送部30では、光ファイバの挿入損失を補償するため、前述のとおり光増幅装置31が挿入されている。この光増幅装置31は、多重された光信号を一括して増幅する一般的な出力一定制御の光増幅器を用いている。
光受信装置50では、多重化された光信号を光伝送部30から受信し、これを分波器51でλからλまでのN本の各波長の光信号に分波し、この光信号を光/電気変換器(O/E)52で電気信号に変換する。
出力一定制御の光増幅器を用いる場合、その光増幅器の入力に含まれる補助用無変調光の電力を制御することにより、光増幅器の出力に含まれる信号光電力を制御することができる。以下では、光送信装置10の制御部15による、補助用無変調光の光電力強度の制御について説明する。
N波の光信号のそれぞれが同一電力であり、非線形光学効果による影響を受けない範囲における1波あたりの最大信号光電力(非線形しきい値電力、光信号しきい値電力)をPthとする。逆に言うと、ある1波長の光信号の光電力がPthを超えると非線形光学効果による影響を受け問題が生じ得る。
つまり、光増幅器出力における1波あたりの光信号の電力Pが、波長数Nによらず常にPth以下(P≦Pth)で可能な限り大きくなるように、補助用無変調光電力を制御すればよい。
光増幅器出力において、N波の信号光が多重化された信号光電力の合計をPamp_sig、補助用無変調光電力をPamp_ctrl、両者の和である全光電力(つまり、増幅器総出力電力)をPamp_outとすると、式(1)が成り立つ。
Figure 0004806640
増幅性能を最大限に生かすためには、可能な限りにおいて、光増幅器出力における1波あたりの信号光電力PがそれぞれPthとなることが望ましい。そのためには、光増幅器出力におけるPamp_ctrlを式(2)のように設定するとよい。
Figure 0004806640
つまり、式(2)に示した意味は次のとおりである。光増幅器出力に余裕がある場合、即ちPamp_out−N×Pth>0のときには、各波長の信号光電力PがPthを超えないようにPamp_ctrlがPamp_out−N×Pthになるようにする。一方で、増幅器総出力電力Pamp_outが所定の値よりも小さい場合、即ちPamp_out−N×Pth≦0のときには、各波長の信号光電力PがPthを超えないので、できるだけ光信号電力を大きくするように、Pamp_ctrlが0になるようにする。
多重化した光信号を一括して増幅する光増幅器の場合、波長あたりの信号光電力と補助用無変調光電力の比は、一般に伝送路内でほとんど変化しない。つまり、光増幅器出力における波長あたりの信号光電力(光信号しきい値電力)Pthと補助用無変調光電力Pamp_ctrlの比は、光送信装置10における波長あたりの信号光電力Ptxと補助用無変調光電力Pctrlの比にほぼ等しいため、式(3)の関係が成り立つと仮定してよい。
Figure 0004806640
そして、式(2)と式(3)から、式(4)が得られる。
Figure 0004806640
式(4)に示すように、光送信部出力における補助用無変調光電力Pctrlは、システム設計時に既知で波長数に無依存の定数であるPamp_outおよびPthと、送信側で設定できるNおよびPtxとから一意に求められる。つまり、補助用無変調光電力の制御は、光送信部で可能となる。
図2の(a)から(c)は、上記数式等に基づいて補助用無変調光電力Pctrlを制御したときの光スペクトル(各波長の信号光電力)を示すグラフである。
図2(a)は、光増幅器出力における波長数Nmax(図2(a)に示す例ではNmax>7の場合)の信号光の波長あたりの電力が同一であり、かつ、非線形しきい値以下(つまり、Pamp_out≦N×Pth)である場合の、光増幅器出力におけるスペクトル例を示す。図2(a)に示す状態では、上記の条件から、波長λctrlの補助用無変調光の出力電力Pamp_ctrlは、式(2)によりPamp_ctrl=0であり、Pthよりも十分に小さい。また、各波長λ1,λ2,・・・,λNmaxの信号光の出力電力Pも、Pthよりも十分に小さい値となる。
次に、図2(b)は、光増幅器出力における信号光波長数Nが図2(a)の場合より小さく、かつPamp_out>N×Pthである場合の、光増幅器出力におけるスペクトル例を示す。この例では、N=5であり、各信号光の波長はλ1,λ2,λ4,λ5,λ7であり、つまりλ3,λ6,およびλ8以上の波長は不使用である。この状態では、波長λctrlの補助用無変調光の出力電力Pamp_ctrlは、式(2)によりPamp_ctrl=Pamp_out−N×Pthである。
出力一定制御の光増幅器を用いていることと、上記のような補助用無変調光の存在により、各信号光の出力電力PがPthより大きくならず、よって非線形光学効果の影響を受けず良好な伝送品質を得ることができる。また、上記のような補助用無変調光の存在により、各信号光の出力電力PがPthより小さくならず、光増幅器出力の性能を充分に生かしてSN比を良くすることができ、よって良好な伝送品質を得ることができる。なお、式(4)に示したように光信号装置10における補助用無変調光電力Pctrlを制御することで、光増幅装置31においてこのような所望の補助用無変調光電力Pamp_ctrlおよび信号光電力Pが得られる。
従来技術における出力一定制御の光増幅器を用いる場合では、信号光の波長数が少なくなったときに1波あたりの利得が大きくなってしまい、非線形光学効果の影響がでる信号光電力まで増加してしまう可能性があった。このような従来技術と比べると、本実施形態による制御では、格段に良い伝送品質を得ることができる。
図2(c)は、図2(b)の場合よりもさらに信号光波長数Nが小さくなった場合の、光増幅器出力におけるスペクトル例を示す。この例では、N=2であり、各信号光の波長はλ,λである。この例では、補助用無変調光の出力電力Pamp_ctrlは、式(2)によりPamp_ctrl=Pamp_out−N×Pthである。
Nが小さいためにPamp_ctrlがPthよりも大きくなり、補助用無変調光の光電力は非線形光学効果による影響が出る値になっているが、前述のように補助用無変調光の波長λctrlを適切に選んでいるために、他の光信号へ影響が及ぶことはない。また、補助用無変調光自身には自己位相変調の影響が出る可能性があるが、この補助用無変調光には情報が載せられていないため、特に問題は生じない。このように、本実施形態によると、補助用無変調光の波長が適切に選択されているため、その出力光電力がPthより大きくなってもなお、良好な伝送品質を得ることができる。
図3は、波長数が変化したときの、光増幅器出力における1波あたりの信号光電力Pと波長数との関係、および光送信部出力における補助用無変調光電力Pctrlと波長数との関係を示すグラフである。
図示するように、波長数NをNmaxから減少させていくにつれて、光増幅器の出力一定制御により、Pは増加していく。この領域においては、N×P=Pamp_outであり、また、Pctrl=0である。さらに波長数Nを減少させていくと所定の波長数においてPが光信号しきい値電力Pthに達するが、ここからは式(4)に従った制御によりPctrlが徐々に増加していき、その結果、P=Pthと一定に保たれる。
なお、Pctrlが大きくなりすぎると接続点においてブリュリアン散乱が起こる場合がある。このブリュリアン散乱が起こる条件は様々な要因によるが、これら要因に応じて波長数Nを適切に維持するなど、この点に留意して本システムを運用するようにする。
上述したような制御を用いることで、既存の光増幅器などを変更せず、光送信装置10の構成を改良するだけで、運用時の波長数の変化や障害時における信号光電力の変動が生じても、他の光信号に影響を及ぼすことはなく、波長多重光通信システムの柔軟で安定的な運用が可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4は、本実施形態による光伝送システム全体の構成を示すブロック図である。本システムは大別すると、光信号を送信する光送信装置(光伝送装置)110と、光ファイバ等の伝送路および光増幅装置(光伝送装置)131とからなる伝送部130と、光信号を受信する光受信装置150とから成る。本システムは、第1の実施形態と同様に波長分割多重方式により、波長数Nの光信号を伝送するものである。なお、波長数Nの構成を図示しているが、波長数は最大でNmaxまで拡張可能である。
光送信装置110は、波長λ、λ、・・・、λにそれぞれ対応した複数の電気/光変換器(E/O)111と、電気/光変換器111に対応した複数の光減衰器(ATT)113と、各光減衰器113出力を合波する光合波器116とを含む構成である。
光受信装置150は、受信した光信号を分波する分波器151と、分波された各波長(λ、λ、・・・、λ)の光信号を電気信号に変換する複数の光/電気変換器(O/E)152とを含む構成である。
図4に示す構成では、光伝送部130に、1段の光増幅装置(光伝送装置)131が設けられている。
この光増幅装置131は、入力信号光を分岐する分岐器134と、入力される信号光電力を検出する入力検出部(入力電力検出手段)135と、入力信号光の波長数を検出する手段である波数カウンタ(波数カウンタ手段)136と、波長λctrlの補助用無変調光のための光源138と、補助用無変調光を減衰して出力電力を調整するための可変光減衰器(ATT)139と、出力電力を制御するための制御部137と、入力信号光と補助用無変調光とを混合するための混合器(合波手段)140と、光増幅器(増幅手段)141と、所定の波長の光を遮断するフィルタ142とを含む構成である(光源138と制御部137と可変光減衰器139が補助用光出力手段)。
次に、光増幅装置131の動作を説明する。分岐器134は、入力側伝送路から入力された光電力Pinの波長多重信号光を所定の既知の分岐比で3系統に分岐する。3系統のうちの1系統は他の2系統に比べて十分に大きな光電力を有する本線の伝送回線である。上記3系統のうちの他の1系統は入力検出部135に入力され、他の1系統は波数カウンタ136に入力される。
入力検出部135は、入力される信号光の電力を検出する。上記の通り、分岐器134の分岐比は既知であるため、入力検出部135が検出した光電力により、本線信号の光電力および波数カウンタ136に入力される信号光電力も求めることができる。
波数カウンタ136は、入力された信号光から、波長数Nを検出する。波数カウンタ136を実現する方法は、例えば次のとおりである。即ち、入力された波長多重光信号を電気信号に変換した後、並列配置された各周波数帯のバンドパスフィルタに通す。これらバンドパスフィルタは、それぞれ、波長λ,λ,・・・,λ,・・・,λNmaxを含む十分に狭い帯域の信号のみを通す特性を有している。各バンドパスフィルタの出力はそれぞれ対応するレベル検出回路に入力され、これらのレベル検出回路で検出される光電力が所定のしきい値以上であるかどうかを、それぞれ対応する識別回路が識別し、各識別回路は所定のしきい値以上であれば「1」に相当する信号を出力し、その他の場合には「0」に相当する信号を出力する。そして、各識別回路からの出力をデジタル加算器またはアナログ加算器によって加算する。これにより、入力された波長多重光信号の波長数Nをカウントすることができる。
光源138は、波長λctrlの補助用無変調光を供給する。可変光減衰器139は、制御部137の制御により、この光源138からの補助用無変調光電力を所定の値まで減衰する。なお、制御部137は、入力検出部135が検出した入力光電力Pinと波数カウンタ136が検出した波長数Nとに基づき可変光減衰器139を制御する。これにより、可変光減衰器139から出力される補助用無変調光の電力の調整を行なえる。
混合器140は、分波器134からの出力のうちの1系統である本線の伝送回線の信号光と、可変光減衰器139から出力される補助用無変調光とを、混合する。
そして、光増幅器141は、出力一定制御の増幅器であり、混合器140からの出力光を増幅する。混合器140からの出力には、各信号光の波長(λ,λ,・・・,λ)成分と補助用無変調光の波長λctrlの成分とが含まれているが、光増幅器141は、各波長の電力比をほぼ維持したまま全体の光電力を増幅する。
フィルタ142は、光増幅器141からの出力のうち、波長λctrlの補助光無変調光のみを遮断し、各信号光を透過する。
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、波長あたりの信号光電力と補助用無変調号光電力の比について、式(5)が成り立つ条件を用いて制御を行う。
Figure 0004806640
ここで、Pamp_outは光増幅器141の出力電力であり、Pthは非線形しきい値電力(光信号しきい値電力)である。つまり、増幅後の1波長あたりの信号光電力がPthとなり、かつ、増幅前の補助用無変調光電力Pctrlと増幅前の一波長信号あたりの信号光電力Pin/Nとの比は、増幅後の無変調信号光電力Pamp_out−N×Pthと増幅後の一波長あたりの信号光電力がPthとの比に等しい、という条件を用いる。
この式(5)より、補助用無変調光電力Pctrlは、式(6)を満たすように制御すればよい。
Figure 0004806640
式(6)によると、波長数Nが変動するにつれてPinも変化するが、Pctrlもそれに追従して変化するため、光増幅器出力における1波あたりの信号光電力をPth以下に保つことができる。
図4では、光伝送路中の光増幅装置131が1段の場合の例を示したが、本実施形態の変形例として、伝送部130における光増幅器が複数段にわたる場合にも本装置の適用が可能である。
多段の光増幅器の出力光電力が同一の場合には、多段増幅器のすべてを図4の光増幅装置131に変更する必要はなく、1段目の光増幅器のみを図4の光増幅装置131に置き換えればよい。このように、1段目の光増幅器のみを図4の光増幅装置131に置き換え、後段の増幅器では通常の補助用無変調光を混合せずに増幅を行なう場合には、1段目で混合された補助用無変調光を光受信部まで伝送する必要があるため、図4における波長フィルタ142を削除した構成とする。
図5は、そのような、光増幅装置131の変形構成例を示すブロック図である。図5に示す光増幅装置の特徴は、図4のような波長フィルタを設けず、光増幅器141からの出力をそのまま出力する構成としている点である。これにより、波長λctrlが遮断されず、補助用無変調光を含んだ光信号が伝送路に出力される。
なお、さらなる変形例として、多段増幅器の全てを図4の光増幅装置131に置き換えてもよい。
また一方、多段の光増幅器それぞれの出力光電力が同一ではない場合には、多段の増幅器の全てを図4の光増幅装置131に置き換えればよい。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図6は、特定の波長の光信号を取り出す中継点用の光増幅装置の機能構成を示すブロック図である。
この第3の実施形態は、光伝送路中のある地点で特定の波長の光信号を取り出す場合であり、図1に示した構成の光送信装置10や光受信装置50の構成を変えずに、光増幅装置31を図6に示す光増幅装置(光伝送装置)231に置き換えるものである。
図6を参照しながら、この光増幅装置231の構成および動作を説明する。
光増幅装置231は、入力光から特定波長λのみを取り出す光アドドロップマルチプレクサ(OADM; Optical Add Drop Multiplexer、光分岐挿入装置)245と、入力光から波長λctrlの補助用無変調光を取り出す光アドドロップマルチプレクサ(補助用光分離手段)247と、補助用無変調光を増幅する光増幅器248と、補助用無変調光を可変的に減衰する可変光減衰器239とを含む構成である。また、制御部237が可変光減衰器239を制御する(光増幅器248と制御部237と可変光減衰器239が補助用光出力手段)。
光増幅装置231の動作としては、まず、光アドドロップマルチプレクサ245は、伝送路側からの入力光から波長λの信号光のみを取り出し、他の信号光および補助用無変調光を透過させる。取り出された波長λの信号光は、そのまま他の伝送路に分岐されても良いし、この中継地点で復調されても良い。
次に、光アドドロップマルチプレクサ245を透過した光は、光アドドロップマルチプレクサ247に入力される。光アドドロップマルチプレクサ247は、波長λctrlの補助用無変調光を取り出し、残りの信号光を透過させる。ここで、取り出された補助用無変調光を光増幅器248が十分な光電力まで増幅する。そして、可変光減衰器239が光増幅器248からの出力光を可変的に減衰する。
なお、可変光減衰器239による補助用無変調光の減衰量は制御部237によって制御される。分岐器234で分岐された光によって、入力検出部(入力電力検出手段)235が入力光電力を検出し、また波数カウンタ(波数カウンタ手段)236が入力信号光の波長数N'を検出し、これらの検出結果に基づいて制御部237が制御を行う点は、図4に示した構成と同様である。なお、図からも明らかなように、波長λの信号光と波長λctrlの補助用無変調光が取り出された後の光について、入力検出部235が電力を検出し、波数カウンタ236が波長数を検出する。
混合器(合波手段)240は、分波器234から出力される本線上の信号光と可変光減衰器239から出力される補助用無変調光を多重し、その多重化された光信号を光増幅器(増幅手段)241が一括して出力一定制御により増幅し下流の光伝送路へ入力する。
上記において、制御部237は、式(7)の条件を用いて、可変光減衰器239から出力される補助用無変調光の電力Pctrlを制御する。
Figure 0004806640
ここで、N'は光アドドロップマルチプレクサ247から出力される信号光の波長数であり、POADM_outはそれらN'多重の信号光の総電力である。
式(7)は、増幅後の1波長あたりの信号光電力がPthとなり、かつ、増幅前の補助用無変調光電力Pctrlと増幅前のN'多重の信号光の総電力POADM_outとの比が、増幅後の補助用無変調電力Pamp_out−N'×Pthと増幅後の一波長あたりの信号光電力がPthとの比に等しい、という条件に基づくものである。
制御部237が上記のように補助用無変調光電力Pctrlを制御することにより、増幅後の1波長あたりの信号光電力が光信号しきい値電力Pthを超えないようにすることができ、非線形光学効果による影響を受けないようにできる。
なお、図6に示した構成では、光アドドロップマルチプレクサ245において波長λの信号光のみを取り出していたが、複数の波長の信号光を取り出すようにしても良い。
これらのような構成にすることで、ある特定の波長の光信号を取り出したり、追加したりしても、他の波長や前後の光伝送路へ影響をおよぼすことなく、安定的な運用ができる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図7は、特定の波長の光信号を取り出すとともに特定波長の光信号を挿入する中継点用の光増幅装置の機能構成を示すブロック図である。
図7に示す光増幅装置(光伝送装置)331の構成は、図6に示した光増幅装置231構成と類似であるが、光アドドロップマルチプレクサ345において波長λの信号光を取り出した後に、波長λの信号光を追加する光アドドロップマルチプレクサ346を設けている。そして、波長λの信号光が追加された状態の多重光信号が光アドドロップマルチプレクサ(補助用光分離手段)347に入力される。なお、追加される波長λの信号光電力は、伝送路側から入力される他の波長の信号光電力と、レベルをそろえるようにする。
この後の構成および動作は、図6に示したものと同様であり、光アドドロップマルチプレクサ247と347、分岐器234と334、入力検出部(入力電力検出手段)235と335、波数カウンタ(波数カウンタ手段)236と336、制御部237と337、光増幅器248と348、可変光減衰器239と339、混合器(合波手段)240と340、光増幅器(増幅手段)241と341が、それぞれ対応している。
制御部337は、式(7)を満たすように補助用無変調光電力Pctrlを制御する。
なお、波長λの信号光だけでなく、複数の波長の信号光を追加するようにしても良い。また、光アドドロップマルチプレクサ345を設けて波長λの信号光を取り出さずに信号光を追加するのみの構成にしても良い。これらいずれの構成にしても、信号光を追加した後、即ち光アドドロップマルチプレクサ347に入力される点での光信号の波長数N’が、最大波長数Nmax以下となるようにする。
このような構成にすることで、ある特定の波長の光信号を取り出したり、追加したりしても、他の波長や前後の光伝送路へ影響をおよぼすことなく、安定的な運用ができる。
なお、上述した実施形態における光伝送装置の一部、例えば、補助用無変調光を制御する制御部の機能をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、複数の実施形態を説明したが、本発明はさらに次のような変形例でも実施することが可能である。
例えば、前述の実施形態では、波長λctrlの補助用無変調光の電力を調整する際に、図1の符号14や図4・図5の符号139の可変光減衰器を用いているが、補助用無変調光の電力の調整は、光源(図1の符号12、図4・図5の符号138)に供給する電流または電圧を制御する方法でも良い。
また、前述の実施形態では、同様に補助用無変調光の電力を調整する際に、図6の符号239、図7の符号339の可変光減衰器を用いているが、代わりに、図6の符号248や図7の符号348の光増幅器の増幅度を制御する方法でも良い。
また、図4・図5の符号140や図6の符号240や図7の符号340の混合器は、波長多重器で置き換えても良い。
また、前述の各実施形態において、良好な信号光電力を得るために制御用無変調光を用いた制御を行なったが、この制御用無変調光の代わりに、変調光を用いても良い。これらの制御用無変調光あるいは制御用変調光は、本発明では、その光電力を所望の値に制御できれば十分であり、本質的に変調されていてもされていなくても問題ない。変調光とする場合には、この制御用変調光にも情報を載せることが可能であるが、その電力値によっては自己位相変調などが発生する場合や、式(4)・式(6)・式(7)により電力値をゼロに設定する場合もあるので、それらを考慮して情報の種類や伝送レートを適切に選定する。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本発明の実施形態による光伝送システム全体の構成を示したブロック図である。 本実施形態により伝送される多重化された光信号の光スペクトルの例を示したグラフである。 本発明の実施形態による、波長数と光送信部出力における補助用無変調光との関係を示したグラフ、および波長数と光増幅器出力における1波あたりの信号光電力との関係を示したグラフである。 本発明の第2の実施形態による光伝送システム全体の構成を示したブロック図である。 本発明の第2の実施形態の変形例による光増幅装置(光伝送装置)の構成を示したブロック図である。 本発明の第3の実施形態による光増幅装置(光伝送装置)の構成を示したブロック図である。 本発明の第4の実施形態による光増幅装置(光伝送装置)の構成を示したブロック図である。 従来技術による光伝送システム全体の構成を示したブロック図である。
符号の説明
10,110 光送信装置(光伝送装置)
11,111 電気/光変換器(E/O)
12 光源
13,113 光減衰器(ATT)
14 可変光減衰器(ATT)
15 制御部
16 光合波器(合波手段)
116 光合波器
30 光伝送部
31,131,231 光増幅装置(光伝送装置)
134,234,334 分岐器
135,235,335 入力検出部(入力電力検出手段)
136,236,336 波数カウンタ(波数カウンタ手段)
137,237,337 制御部
138 光源
139,239,339 可変光減衰器
140,240,340 混合器(合波手段)
141,241,341 光増幅器(増幅手段)
142 波長フィルタ
245,345,346 光アドドロップマルチプレクサ(OADM)
247,347 光アドドロップマルチプレクサ(OADM)(補助用光分離手段)
248,348 光増幅器
50,150 光受信装置
51,151 分波器
52,152 光/電気変換器(O/E)

Claims (5)

  1. 波長多重された複数の波長の信号光を送出する光伝送装置であって、
    前記信号光のいずれの波長とも異なる波長の補助用光を前記信号光の波長数に応じた所定電力で出力する補助用光出力手段と、
    複数の前記信号光とともに前記補助用光出力手段から出力される補助用光を合波して出力する合波手段
    前記合波手段から出力される光を増幅する増幅手段と、
    を備え、
    前記補助用光出力手段は、
    入力される光に含まれる信号光と補助用光とを分離する補助用光分離手段と、
    前記補助用光分離手段から出力される複数の波長の信号光の電力を検出する入力電力検出手段と、
    前記補助用光分離手段から出力される前記信号光の波長数を検出する波数カウンタ手段と、
    前記入力電力検出手段が検出した電力と前記波数カウンタ手段が検出した波長数に基づき、前記補助用光分離手段で分離された補助用光が前記信号光の波長数に応じた所定電力になるように制御する制御部と
    、を備えることを特徴とする光伝送装置。
  2. 請求項に記載の光伝送装置であって、
    前記補助用光分離手段の前段に、特定波長の信号光のみを取り出し又は追加する光アドドロップマルチプレクサを設けたことを特徴とする光伝送装置。
  3. 請求項または請求項のいずれかに記載の光伝送装置であって、
    前記制御部は、前記増幅手段における所与の増幅器総出力電力と所与の光信号しきい値電力と前記補助用光分離手段から出力される前記信号光の波長数と前記補助用光分離手段から出力される前記信号光の出力電力とに応じて、前記増幅手段における各波長の信号光の出力電力が前記光信号しきい値電力より大きくならないように、前記補助用光の出力電力を制御する
    ことを特徴とする光伝送装置。
  4. 請求項1からまでのいずれかに記載の光伝送装置であって、
    前記補助用光の周波数fctrlは、複数の前記信号光の周波数のうち任意の3つの周波数をf、f、fとしたときにf≠f+f−fctrl且つf≠f+fctrl−fである周波数fctrlとすることを特徴とする光伝送装置。
  5. 請求項1からまでのいずれかに記載の光伝送装置であって、
    前記補助用光の波長λctrlは、複数の前記信号光の波長のうち任意の波長をλとしたときにλctrlとλとの差が略110ナノメートルとならない波長λctrlとすることを特徴とする光伝送装置。
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