前述したように、営業員は、顧客から注文や問い合わせを受けたときに、端末装置で口座コードを入力して顧客情報データベースにアクセスすることにより顧客情報を把握し、顧客に応対する。
しかし、1人の営業員が担当する顧客は、数百人になることがあり、これらの顧客の口座コードを覚えておくことは不可能である。従って、前述したように、営業員は、顧客から注文や問い合わせを受けると、端末装置で顧客カナ名等を入力して顧客情報データベースの検索を行うことにより、目的の顧客の口座コードを特定して把握し(同姓同名の顧客が存在するので、複数の口座コードの中からの特定作業が発生する場合がある。)、その後、把握した口座コードを入力して顧客情報を把握するという作業手順をとっている。このような2段階の検索を行う作業手順は、手間がかかるうえ、顧客への応対の迅速性を確保するうえでも好ましくない。
一方、日常業務においては、比較的短い期間をとってみると、取引のある顧客の数は、ある程度の数に限られており、かつ、同じ顧客について、週に数回の顧客情報データベースへのアクセスが発生している。このため、営業員は、短期間のうちに何回か応対しなければならない顧客の口座コードについては、一旦、検索して把握した後には、付箋紙に書いて自己の端末装置等に貼り付けておいたり、自己のノートに書き留めておく等の対応をとっている場合もある。しかし、このような対応も、営業員にとっては、手間がかかることに変わりはないので、このような手間をなくし、顧客情報閲覧システムの使い勝手の向上を図ることが望まれる。
また、インターネットに関する一般的な技術としては、ユーザによるWebページの再閲覧を容易にするために、Webブラウザに「お気に入り」としてユーザ自身が利用頻度の高いWebページのURLやサイト名を登録しておくことができる機能や、前述した特許文献2のように個人専用に特化したブックマークをWWWサーバで自動作成して記憶しておく機能が開発・提案されているものの、多数の顧客を抱える営業員が自己の担当する顧客の顧客情報を迅速に閲覧する必要があるという状況下で、この場合の特殊事情を考慮し、営業員の日常業務を円滑にするようにした閲覧ツールは、未だ開発されていないのが現状である。
本発明の目的は、顧客情報データベースへのアクセス時間の短縮、営業員の手間の軽減、使い勝手の向上を図ることができる顧客情報閲覧システムおよび顧客情報提示方法、並びにプログラムを提供するところにある。
本発明は、顧客識別情報と対応させて顧客情報を記憶する顧客情報データベースと、営業員による閲覧対象となる顧客についての顧客識別情報が与えられたときにこの顧客識別情報をキーとして顧客情報データベースに記憶された顧客情報の中から目的の顧客情報を検索する顧客情報検索手段と、この顧客情報検索手段による検索結果として得られた顧客情報を表示手段の画面上に表示する処理を行う顧客情報表示処理手段とを備えた顧客情報閲覧システムにおいて、各営業員の担当する顧客についての顧客情報のうち顧客名を含む一部の情報を、顧客識別情報と対応させて、各営業員毎に個別に用意された各営業員専用の顧客名簿への登録情報として記憶する顧客名簿データベースと、営業員による顧客識別情報の入力を受け付けてこの顧客識別情報をキーとする顧客情報の検索処理を顧客情報検索手段に行わせるために顧客識別情報を顧客情報検索手段に送る顧客識別情報入力受付手段と、この顧客識別情報入力受付手段により受け付けられた顧客識別情報をキーとする顧客情報検索手段による検索結果として得られた顧客情報のうち顧客名を含む一部の情報を、顧客識別情報と対応させて、顧客識別情報の入力を行った営業員専用の顧客名簿への登録情報として顧客名簿データベースに記憶させる顧客名簿作成手段と、顧客名簿データベースに記憶された顧客名簿のうち顧客情報を閲覧しようとしている営業員専用の顧客名簿を表示手段の画面上に表示する処理を行う顧客名簿表示処理手段と、この顧客名簿表示処理手段により表示手段の画面上に表示された自己の顧客名簿を参照した営業員による顧客名簿内の顧客名の中からの閲覧対象の顧客名の選択入力を受け付けてこの顧客名に対応する顧客識別情報を顧客名簿から取得してこの顧客識別情報をキーとする顧客情報の検索処理を顧客情報検索手段に行わせるために顧客識別情報を顧客情報検索手段に送る顧客名選択入力受付手段とを備えたことを特徴とするものである。
ここで、「顧客名簿表示処理手段」により表示手段の画面上に表示される「顧客名簿」には、顧客名が含まれていればよく、顧客識別情報は必ずしも表示手段の画面上に表示される必要はない。また、「顧客名簿表示処理手段」により表示手段の画面上に表示される顧客名簿の「顧客名」は、例えば、ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字等、いずれの表示でもよい。
また、「顧客識別情報入力受付手段」による「顧客識別情報の入力」、および「顧客名選択入力受付手段」による「顧客名の選択入力」は、例えば、マウスのクリック操作による入力、キー入力、タッチパネルによる入力、音声入力等、いずれの入力方法でもよい。
さらに、「顧客名の選択入力」とは、マウスのクリック操作による入力やタッチパネルによる入力の場合等には、顧客名の表示部分の真上をクリックしたり、タッチすることに限定されず、例えば、目的の顧客名を含む画面領域、あるいは目的の顧客名に対応する画面領域をクリックしたり、タッチしてもよく、結果的にその顧客名が選択されたことになればよい。そして、キー入力や音声入力等の場合には、顧客名そのものを入力することに限定されず、例えば、「1.大和太郎…」、「2.大和花子…」等の表示となっていれば、目的の顧客名に対応する番号や記号(「1」や「2」等)を入力してもよく、結果的にその顧客名が選択されたことになればよい。
このような本発明の顧客情報閲覧システムにおいては、営業員が、一旦、顧客識別情報(例えば、口座コード等)を入力して顧客情報データベースの検索を行い、顧客情報を閲覧すれば、その顧客の顧客名と顧客識別情報とが、その営業員専用の顧客名簿に登録されて顧客名簿データベースに記憶されるので、次回からは、営業員は、顧客識別情報を入力しなくても、表示手段の画面上に表示された自己の顧客名簿内の顧客名の中から閲覧対象の顧客名を選択することでその顧客の顧客情報を閲覧することが可能となる。このため、顧客識別情報がわからなくても、顧客カナ名等を入力して顧客識別情報を検索する作業を行う必要がなくなり、また、付箋紙に顧客識別情報を書いて端末装置に貼り付けたり、自分のノートに顧客識別情報を書き留めておく等の作業を行う必要もなくなる。従って、自己の顧客についての顧客情報を閲覧するにあたり、顧客情報データベースへのアクセス時間が短縮され、顧客に対して迅速な応対をすることが可能となるうえ、営業員の手間が軽減され、システムの使い勝手の向上が図られ、これらにより前記目的が達成される。
また、前述した顧客情報閲覧システムにおいて、顧客名簿データベースには、顧客識別情報と対応させて、顧客名とともに顧客識別情報をキーとする直近の検索処理が行われた検索日時が記憶され、顧客名簿作成手段は、顧客識別情報入力受付手段により受け付けられた顧客識別情報または顧客名選択入力受付手段により取得された顧客識別情報をキーとする顧客情報検索手段による検索処理が行われた場合に、キーとされた顧客識別情報に対応する検索日時を更新することにより、検索日時を最新の検索日時に保つとともに、検索日時が現時点から一定期間内であるか否かを判断し、現時点から一定期間内でない検索日時となっている顧客についての登録情報を顧客名簿から削除する構成とされていることが望ましい。
ここで、「顧客名選択入力受付手段により取得された顧客識別情報」のみならず、「顧客識別情報入力受付手段により受け付けられた顧客識別情報」をキーとする顧客情報検索手段による検索処理が行われた場合についても、検索日時が更新されることがある記載とされているのは、既に顧客名簿に登録されている顧客についての顧客情報を閲覧する際に、顧客名簿内の顧客名の中から閲覧対象の顧客名を選択入力するのではなく、顧客識別情報を入力して閲覧を行う場合もあり得ることを考慮したものである。
このように現時点から一定期間内でない検索日時となっている顧客についての登録情報を顧客名簿から削除する構成とした場合には、顧客情報を閲覧する必要のなくなった顧客または閲覧する可能性の少なくなった顧客についての登録情報を、その顧客を担当する営業員専用の顧客名簿から削除することができるので、顧客名簿内の顧客名の数を適宜な数に保つことが可能となる。このため、顧客名簿内の顧客名の中から目的の顧客名を選択する作業が容易になり、アクセス時間がより短縮されるうえ、顧客名簿データベースの記憶容量を低く抑えることが可能となる。従って、営業員とこの営業員が担当する任意の1人の顧客とのやりとりが、比較的、ある一定期間内に集中するという事情や、営業員の応対すべき顧客が、期間の経過とともに移り変わっていくという事情等を考慮したシステム運用を図ることが可能となる。
また、前述した顧客情報閲覧システムにおいて、顧客名簿データベースには、顧客識別情報と対応させて、顧客名とともに顧客識別情報をキーとする直近の検索処理が行われた検索日時が記憶され、顧客名簿作成手段は、顧客識別情報入力受付手段により受け付けられた顧客識別情報または顧客名選択入力受付手段により取得された顧客識別情報をキーとする顧客情報検索手段による検索処理が行われた場合に、キーとされた顧客識別情報に対応する検索日時を更新することにより、検索日時を最新の検索日時に保つとともに、顧客名簿への登録を行う際に、顧客名簿の顧客数が一定数を超える場合には、検索日時が最も古い日時の顧客についての登録情報を顧客名簿から削除する構成としてもよい。
このように顧客名簿の顧客数が一定数を超えたら検索日時が最も古い日時の顧客についての登録情報を顧客名簿から削除する構成とした場合には、顧客情報を閲覧する必要のなくなった顧客または閲覧する可能性の少なくなった顧客についての登録情報を、その顧客を担当する営業員専用の顧客名簿から削除することができるので、顧客名簿内の顧客名の数を適宜な数に保つことが可能となる。このため、顧客名簿内の顧客名の中から目的の顧客名を選択する作業が容易になり、アクセス時間がより短縮されるうえ、顧客名簿データベースの記憶容量を低く抑えることが可能となる。従って、この場合にも、営業員とこの営業員が担当する任意の1人の顧客とのやりとりが、比較的、ある一定期間内に集中するという事情や、営業員の応対すべき顧客が、期間の経過とともに移り変わっていくという事情等を考慮したシステム運用を図ることが可能となる。
なお、上記のような顧客名簿の顧客数が一定数を超えたら検索日時が最も古い日時の顧客についての登録情報を顧客名簿から削除する構成と、前述した現時点から一定期間内でない検索日時となっている顧客についての登録情報を顧客名簿から削除する構成とは、組み合わせて適用すれば、より効果的である。
さらに、前述した顧客情報閲覧システムにおいて、顧客名簿データベースには、顧客識別情報と対応させて、顧客名とともに顧客の住所が記憶され、顧客名簿表示処理手段は、顧客名と対応させて住所を表示手段の画面上に表示する処理を行う構成とされていることが望ましい。
このように顧客名と合わせて住所を画面表示して顧客名の選択入力を行わせる構成とした場合には、営業員は、顧客名と住所とを関連付けながら記憶していることがあるので、閲覧対象としたい顧客を、容易に特定することが可能となるうえ、同姓同名の顧客が存在する場合でも、住所を参照することで目的の顧客名を容易に特定することが可能となる。このため、アクセス時間が、より一層短縮される。
そして、前述した顧客情報閲覧システムにおいて、顧客名簿データベースには、顧客識別情報と対応させて、顧客名とともに顧客の電子メールアドレスが記憶され、顧客名簿表示処理手段は、顧客名と対応させて電子メールアドレスを表示手段の画面上に表示する処理を行う構成とされ、表示手段の画面上に表示された電子メールアドレスの選択操作が行われたときにこの電子メールアドレスを送信先とする電子メールの作成画面を表示手段の画面上に表示する処理を行う電子メール作成画面表示処理手段を備えていることが望ましい。
ここで、「電子メールの作成画面を表示手段の画面上に表示する処理」には、既存のメーラー(電子メール閲覧プログラム)を立ち上げる処理も含まれる。
このように電子メール作成画面表示処理手段を備えた構成とした場合には、顧客へ送信する電子メールの作成を容易に行うことができるようになり、例えば、顧客情報を閲覧後に、閲覧した内容を電子メールで顧客に報告する作業を容易に行うことが可能となり、営業員の手間が、より一層軽減される。
また、前述した顧客情報閲覧システムにおいて、顧客名簿データベースには、顧客識別情報と対応させて、顧客名とともに顧客の電話番号が記憶され、顧客名簿表示処理手段は、顧客名と対応させて電話番号を表示手段の画面上に表示する処理を行う構成とされ、表示手段の画面上に表示された電話番号の選択操作が行われたときにこの電話番号に電話をかける処理を行う通話処理手段を備えていることが望ましい。
ここで、「通話処理手段」は、固定電話により顧客に電話をかける処理を行う構成でもよく、携帯電話(PHSも含む)により顧客に電話をかける処理を行う構成でもよい。
このように通話処理手段を備えた構成とした場合には、顧客に電話をかける作業を容易に行うことができるようになり、例えば、顧客情報を閲覧後に、閲覧した内容を電話で顧客に報告する作業を容易に行うことが可能となり、営業員の手間が、より一層軽減される。
さらに、前述した顧客情報閲覧システムにおいて、顧客名簿表示処理手段は、営業員の選択操作に従って顧客名簿内の顧客名の並び順を顧客名のあいうえお順と検索日時順とで切替表示が可能な構成とされていることが望ましい。
このように顧客名の並び順を顧客名のあいうえお順と検索日時順とで切替表示が可能な構成とした場合には、営業員の記憶、癖、イメージ、能力、個性等に応じて表示を切り替えることができるので、目的の顧客名の選択入力を迅速に行うことができるようになり、アクセス時間が、より一層短縮される。
そして、以上に述べた顧客情報閲覧システムは、コンピュータにより構築されるが、その構築形態は任意であり、例えば、(1)1台のコンピュータによるスタンドアロン型の構成としてもよく、(2)ネットワークで接続されたサーバ・クライアント型の構成としてもよく、(3)金融機関等で大規模な顧客情報管理に使用されるようなメインフレームによるホストコンピュータと端末装置とがサーバ経由で接続される構成としてもよく、(3)の構成とする場合には、例えば、次のような構成を採用することができる。
すなわち、以上に述べた顧客情報閲覧システムにおいて、顧客情報データベースと顧客情報検索手段とは、ホストコンピュータに設けられ、顧客名簿データベースは、営業員が操作する端末装置とホストコンピュータとを中継するサーバに設けられ、顧客識別情報入力受付手段は、端末装置で営業員により入力された顧客識別情報を通信回線を介してサーバを経由してホストコンピュータの顧客情報検索手段に送信する構成とされ、顧客名簿作成手段は、顧客情報検索手段による検索結果としてホストコンピュータから通信回線を介して送信されてくる顧客情報をサーバで受信し、サーバで顧客情報のうち顧客名を含む一部の情報を顧客名簿へ登録して顧客名簿データベースに記憶させる構成とされ、顧客名簿表示処理手段は、端末装置を操作する営業員の要求に応じてこの営業員専用の顧客名簿をサーバに設けられた顧客名簿データベースから取得して通信回線を介して端末装置へ送信し、端末装置で受信した顧客名簿を端末装置に設けられた表示手段の画面上に表示する処理を行う構成とされ、顧客名選択入力受付手段は、端末装置で営業員により選択入力された顧客名に対応する顧客識別情報を端末装置上の顧客名簿から取得し、取得した顧客識別情報を通信回線を介してサーバを経由してホストコンピュータの顧客情報検索手段に送信する構成とすることができる。
このようにホストコンピュータと端末装置とがサーバ経由で接続される構成とした場合には、このような形態による顧客情報管理が、比較的大規模なものであることが多いため、全体の顧客数が多く、かつ、営業員も多くなることから、アクセス時間の短縮等の本発明の効果が、より顕著に発揮される。
また、以上に述べた本発明の顧客情報閲覧システムにより実現される顧客情報提示方法として、以下のような本発明の顧客情報提示方法が挙げられる。
すなわち、本発明は、顧客識別情報と対応させて顧客情報を顧客情報データベースに記憶させておき、営業員が顧客情報を閲覧する際に、顧客情報検索手段が、与えられた顧客識別情報をキーとして顧客情報データベースに記憶された顧客情報の中から目的の顧客情報を検索し、顧客情報表示処理手段が、顧客情報検索手段による検索結果として得られた顧客情報を表示手段の画面上に表示する顧客情報提示方法において、顧客識別情報入力受付手段が、営業員による顧客識別情報の入力を受け付けてこの顧客識別情報を顧客情報検索手段に送り、顧客情報検索手段が、顧客識別情報入力受付手段により受け付けた顧客識別情報をキーとする顧客情報の検索処理を行い、顧客名簿作成手段が、顧客情報検索手段による検索結果として得られた顧客情報のうち顧客名を含む一部の情報を、顧客識別情報と対応させて、顧客識別情報の入力を行った営業員専用の顧客名簿への登録情報として顧客名簿データベースに記憶させ、その後、顧客名簿表示処理手段が、顧客名簿データベースに記憶された顧客名簿のうち顧客情報を閲覧しようとしている営業員専用の顧客名簿を表示手段の画面上に表示する処理を行い、顧客名選択入力受付手段が、前記顧客名簿表示処理手段により表示手段の画面上に表示された自己の顧客名簿を参照した営業員による顧客名簿内の顧客名の中からの閲覧対象の顧客名の選択入力を受け付け、この顧客名に対応する顧客識別情報を顧客名簿から取得してこの顧客識別情報を顧客情報検索手段に送り、顧客情報検索手段が、顧客名選択入力受付手段により取得された顧客識別情報をキーとする顧客情報の検索処理を行うことを特徴とするものである。
このような本発明の顧客情報提示方法においては、前述した本発明の顧客情報閲覧システムで得られる作用・効果がそのまま得られ、これにより前記目的が達成される。
また、ホストコンピュータと端末装置とをサーバ経由で接続する場合には、例えば、次のようにすることができる。すなわち、上述した顧客情報提示方法において、顧客情報データベースおよび顧客情報検索手段を、ホストコンピュータに設けるとともに、顧客名簿データベースを、営業員が操作する端末装置とホストコンピュータとを中継するサーバに設けておき、顧客識別情報入力受付手段により顧客識別情報の入力を受け付ける際には、端末装置で営業員により入力された顧客識別情報を通信回線を介してサーバを経由してホストコンピュータの顧客情報検索手段に送信し、顧客名簿作成手段により営業員専用の顧客名簿を作成する際には、顧客情報検索手段による検索結果としてホストコンピュータから通信回線を介して送信されてくる顧客情報をサーバで受信し、サーバで受信した顧客情報のうち顧客名を含む一部の情報を顧客名簿へ登録して顧客名簿データベースに記憶させ、その後、顧客名簿表示処理手段により顧客名簿を表示手段の画面上に表示する際には、端末装置を操作する営業員の要求に応じてこの営業員専用の顧客名簿をサーバに設けられた顧客名簿データベースから取得して通信回線を介して端末装置へ送信し、端末装置で受信した顧客名簿を端末装置に設けられた表示手段の画面上に表示する処理を行い、顧客名選択入力受付手段により顧客名の選択入力を受け付ける際には、端末装置で営業員により選択入力された顧客名に対応する顧客識別情報を端末装置上の顧客名簿から取得し、取得した顧客識別情報を通信回線を介してサーバを経由してホストコンピュータの顧客情報検索手段に送信するようにすることができる。
そして、本発明は、顧客識別情報と対応させて顧客情報を記憶する顧客情報データベースと、営業員による閲覧対象となる顧客についての顧客識別情報が与えられたときにこの顧客識別情報をキーとして顧客情報データベースに記憶された顧客情報の中から目的の顧客情報を検索する顧客情報検索手段と、この顧客情報検索手段による検索結果として得られた顧客情報を表示手段の画面上に表示する処理を行う顧客情報表示処理手段とを備えた顧客情報閲覧システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラムにおいて、各営業員の担当する顧客についての顧客情報のうち顧客名を含む一部の情報を、顧客識別情報と対応させて、各営業員毎に個別に用意された各営業員専用の顧客名簿への登録情報として記憶する顧客名簿データベースと、営業員による顧客識別情報の入力を受け付けてこの顧客識別情報をキーとする顧客情報の検索処理を顧客情報検索手段に行わせるために顧客識別情報を顧客情報検索手段に送る顧客識別情報入力受付手段と、この顧客識別情報入力受付手段により受け付けられた顧客識別情報をキーとする顧客情報検索手段による検索結果として得られた顧客情報のうち顧客名を含む一部の情報を、顧客識別情報と対応させて、顧客識別情報の入力を行った営業員専用の顧客名簿への登録情報として顧客名簿データベースに記憶させる顧客名簿作成手段と、顧客名簿データベースに記憶された顧客名簿のうち顧客情報を閲覧しようとしている営業員専用の顧客名簿を表示手段の画面上に表示する処理を行う顧客名簿表示処理手段と、この顧客名簿表示処理手段により表示手段の画面上に表示された自己の顧客名簿を参照した営業員による顧客名簿内の顧客名の中からの閲覧対象の顧客名の選択入力を受け付けてこの顧客名に対応する顧客識別情報を顧客名簿から取得してこの顧客識別情報をキーとする顧客情報の検索処理を顧客情報検索手段に行わせるために顧客識別情報を顧客情報検索手段に送る顧客名選択入力受付手段とを備えたことを特徴とする顧客情報閲覧システムとして、コンピュータを機能させるためのものである。
なお、上記のプログラムまたはその一部は、例えば、光磁気ディスク(MO)、コンパクトディスク(CD)を利用した読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)を利用した読出し専用メモリ(DVD−ROM)、DVDを利用したランダム・アクセス・メモリ(DVD−RAM)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等の記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能であるとともに、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等の有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に載せて搬送することも可能である。さらに、上記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
以上に述べたように本発明によれば、営業員が、一旦、顧客識別情報を入力して顧客情報データベースの検索を行い、顧客情報を閲覧すれば、その顧客の顧客名と顧客識別情報とが、その営業員専用の顧客名簿に登録されて顧客名簿データベースに記憶されるので、次回からは、営業員は、顧客識別情報を入力しなくても、表示手段の画面上に表示された自己の顧客名簿内の顧客名の中から閲覧対象の顧客名を選択することでその顧客の顧客情報を閲覧することができるため、顧客情報データベースへのアクセス時間の短縮、営業員の手間の軽減、システムの使い勝手の向上を図ることができるという効果がある。
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の顧客情報閲覧システム10の全体構成が示されている。図2には、顧客情報閲覧システム10の構成が、信号処理の流れやデータの流れとともに示されている。また、図3には、顧客名簿データベース50の構造が示され、図4には、顧客情報データベース70の構造が示されている。さらに、図5には、顧客情報閲覧システム10により顧客情報の閲覧を行う際の処理の流れがフローチャートで示され、図6には、閲覧処理に伴う画面例が示されている。
図1および図2において、顧客情報閲覧システム10は、通信回線であるネットワーク2にそれぞれ接続された1台または複数台の端末装置20と、この端末装置20とネットワーク2で接続されて端末装置20の制御を行うサーバ40と、通信回線である専用線3を介してサーバ40と接続されたホストコンピュータ60とを備えて構成されている。
ここで、ネットワーク2は、例えば、インターネット、イントラネット、エクストラネット、LAN、MAN、WAN、あるいはこれらの組合せ等であり、有線であるか無線であるかは問わない。また、端末装置20とサーバ40とを接続する通信回線は、ネットワーク2ではなく、専用線としてもよく、サーバ40とホストコンピュータ60とを接続する通信回線は、専用線3ではなく、ネットワークとしてもよい。
端末装置20は、例えば証券会社等の営業員(オペレータも含む。)が操作する装置であり、主としてパーソナル・コンピュータあるいはその上位機種のコンピュータ等により構成されるが、例えば、携帯電話機(PHSも含む。)や携帯情報端末(PDA)等であってもよい。また、サーバ40は、コンピュータにより構成され、ホストコンピュータ60は、いわゆるメインフレームであり、大型コンピュータにより構成される。
ここで、端末装置20は、営業員の所持する従業員カード等のカード5(図2参照)を挿入するカード挿入部を備え、営業員が自己のカード5をカード挿入部に挿入すると、カード5からその営業員に付与されている営業員コード(営業員識別情報)が読み取られ、その端末装置20は、その営業員専用の端末装置となる。また、カード5の挿入ではなく、例えば、営業員が自己の営業員コードおよびパスワードを入力すると、その端末装置20が、その営業員専用の端末装置となるようにしてもよい。従って、物理的に1台の端末装置20が、複数の営業員のそれぞれの端末装置となり得る。なお、各営業員に端末装置20を物理的に1台ずつ割り当ててもよい。
また、図1には、1台のホストコンピュータ60に対し、1台のサーバ40が設けられている状態が記載されているが、複数台のサーバ40を設け、各サーバ40にそれぞれ1台または複数台の端末装置20を接続してもよい。
図1において、端末装置20は、顧客情報の閲覧のための各種処理を行う処理手段20Aと、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示手段30と、キーボードやマウス等の入力手段31とを備えている。
処理手段20Aは、端末側顧客識別情報検索手段21と、顧客識別情報入力受付手段22と、端末側顧客名簿表示処理手段23と、顧客名選択入力受付手段24と、端末側顧客情報表示処理手段25と、電子メール作成画面表示処理手段26と、通話処理手段27とを含んで構成されている。
端末側顧客識別情報検索手段21は、営業員による口座コード検索用の検索キー(本実施形態では、顧客カナ名とする。)の入力を受け付け、この顧客カナ名を、ネットワーク2、サーバ40、専用線3を介してホストコンピュータ60のホスト側顧客識別情報検索手段61に送信するとともに、ホスト側顧客識別情報検索手段61による検索結果としてホストコンピュータ60から専用線3、サーバ40、ネットワーク2を介して送信されてくる口座コードを受信し、この口座コードを端末装置20の表示手段30の画面上に表示する処理を行うものである。
顧客識別情報入力受付手段22は、営業員による顧客識別情報(本実施形態では、口座コード)の入力を受け付け、この口座コードをキーとする顧客情報の検索処理をホストコンピュータ60の顧客情報検索手段62に行わせるために、受け付けた口座コードを顧客情報検索手段62に送る処理を行うものである。より具体的には、顧客識別情報入力受付手段22は、端末装置20の表示手段30の画面上に表示された口座コードの入力用画面を用いて営業員により入力された口座コードを、ネットワーク2を介してサーバ40へ送信し、さらにサーバ40から専用線3を介してホストコンピュータ60の顧客情報検索手段62へ送信させる。なお、口座コードの入力用画面は、端末装置20上のプログラムのみで表示してもよく、あるいは営業員による端末装置20からの要求に応じてサーバ40またはホストコンピュータ60から送信されてきた口座コードの入力用画面の表示用情報に基づき、端末装置20上のプログラム(汎用のブラウザでもよい。)で表示してもよい。また、営業員識別情報である営業員コードは、顧客識別情報入力受付手段22により口座コードとともにサーバ40に送信してもよく、あるいはそれ以前のアクセス時(例えば、営業員の認証時)にサーバ40に送信してもよい。
端末側顧客名簿表示処理手段23は、サーバ40に設けられたサーバ側顧客名簿表示処理手段42とともに、サーバ40の顧客名簿データベース50に記憶された顧客名簿のうち顧客情報を閲覧しようとしている営業員専用の顧客名簿を、端末装置20の表示手段30の画面上に表示する処理を行うものである。より具体的には、端末側顧客名簿表示処理手段23は、端末装置20の表示手段30の画面上に表示されたメニュー表示区画101(図6参照)で営業員による自己の顧客名簿(マイ名簿)の表示要求を受け付け、この要求信号(営業員コードを含む。)をサーバ40のサーバ側顧客名簿表示処理手段42に送信するとともに、サーバ側顧客名簿表示処理手段42によりサーバ40から送信されてくる顧客名簿の情報を受信し、端末装置20の表示手段30の画面上に顧客名簿を表示する。この際、端末側顧客名簿表示処理手段23は、サーバ40から顧客名簿の情報として口座コードも受信し(本実施形態では、一例として、顧客名、住所、電話番号、電子メールアドレス、直近の検索日時を、口座コードとともに受信する。)、口座コードを含む顧客名簿の情報を端末装置20のメモリ上に記憶保持させておくが、口座コードについては顧客名簿表示部103(図6参照)に表示せず、顧客名から口座コードへの自動翻訳に必要となることから内部情報としてメモリ上に記憶しておくのみである。但し、口座コードを顧客名簿表示部103に表示するようにしてもよい。
また、端末側顧客名簿表示処理手段23は、営業員の選択操作に従って、顧客名簿表示部103(図6参照)に表示する顧客名簿内の顧客名の並び順を、顧客名のあいうえお順と、検索日時順とで、切り替える。なお、本実施形態では、直近の検索日時を顧客名簿表示部103(図6参照)に表示しているが、並び順の切替処理を行うための内部情報としてメモリ上に記憶しておくのみとし、直近の検索日時を画面表示しないようにしてもよい。
顧客名選択入力受付手段24は、端末側顧客名簿表示処理手段23により表示手段30の画面上に表示された自己の顧客名簿を参照した営業員による顧客名簿内の顧客名の中からの閲覧対象の顧客名の選択入力を受け付け、この顧客名に対応する顧客識別情報(本実施形態では、口座コード)を顧客名簿から取得し、この口座コードをキーとする顧客情報の検索処理をホストコンピュータ60の顧客情報検索手段62に行わせるために、取得した口座コードを顧客情報検索手段62に送る処理を行うものである。より具体的には、顧客名選択入力受付手段24は、端末装置20の表示手段30の画面上で、営業員による顧客名簿内の顧客名の中からの閲覧対象の顧客名の選択入力を受け付け、端末装置20上で、選択入力された顧客名を口座コードに自動翻訳し、すなわち選択入力された顧客名に対応する口座コードを、端末装置20のメモリ上に記憶されている顧客名簿の情報から取得し、取得した口座コードを、ネットワーク2を介してサーバ40へ送信し、さらにサーバ40から専用線3を介してホストコンピュータ60の顧客情報検索手段62へ送信させる。なお、顧客名から口座コードへの自動翻訳は、端末装置20上で行うのではなく、サーバ40上で行ってもよい。この場合には、端末装置20で選択入力された顧客名を、ネットワーク2を介してサーバ40へ送信し、サーバ40上で、その顧客名に対応する口座コードを、顧客名簿データベース50に記憶された顧客名簿から取得し、取得した口座コードを、専用線3を介してホストコンピュータ60の顧客情報検索手段62へ送信する。
端末側顧客情報表示処理手段25は、ホスト側顧客情報表示処理手段63によりホストコンピュータ60からサーバ40を経由して送信されてくる顧客情報を受信し、端末装置20の表示手段30の画面上に表示する処理を行うものである。
電子メール作成画面表示処理手段26は、端末側顧客名簿表示処理手段23により顧客名簿表示部103(図6参照)に顧客名と対応させて表示された電子メールアドレスの選択操作(マウスによるクリック操作等)が行われたときに、この電子メールアドレスを送信先とする電子メールの作成画面(宛先のアドレスが自動設定された画面)を、表示手段30の画面上に自動的に表示する処理を行うものである。
通話処理手段27は、端末側顧客名簿表示処理手段23により顧客名簿表示部103(図6参照)に顧客名と対応させて表示された電話番号の選択操作(マウスによるクリック操作等)が行われたときに、この電話番号に自動的に電話をかける処理を行うものである。
サーバ40は、顧客情報の閲覧のための各種処理を行う処理手段40Aと、この処理手段40Aに接続された顧客名簿データベース50とを備えている。
処理手段40Aは、顧客名簿作成手段41と、サーバ側顧客名簿表示処理手段42とを含んで構成されている。
顧客名簿作成手段41は、顧客識別情報入力受付手段22により受け付けられた顧客識別情報(本実施形態では、口座コード)をキーとする顧客情報検索手段62による検索結果として得られた顧客情報のうち顧客名を含む一部の情報を、口座コードと対応させて、その口座コードの入力を行った営業員専用の顧客名簿への登録情報として顧客名簿データベース50(図3参照)に記憶させる処理を行うものである。この際、登録を行う対象となる顧客名簿がいずれの営業員のものであるかは、顧客識別情報入力受付手段22により端末装置20からサーバ40へ口座コードが送信されたとき、あるいはその前のアクセス段階で、既に営業員コードがサーバ40に送信されてサーバ40のメモリ上に記憶保持されているので、この営業員コードを用いて判断される。より具体的には、ホスト側顧客情報表示処理手段63によりホストコンピュータ60から送信されてくる検索結果としての顧客情報を処理手段40Aが受信したときに、顧客名簿作成手段41は、処理手段40Aが受信した顧客情報のうち、本実施形態では、一例として、顧客名、住所、電話番号、電子メールアドレスを、口座コードと対応させて顧客名簿データベース50に記憶させる。この際、顧客名簿作成手段41は、口座コードと対応させて検索日時も顧客名簿データベース50に記憶させる。なお、ホスト側顧客情報表示処理手段63が、顧客情報のうち主として営業員による閲覧対象となる情報(例えば、残高情報、注文の約定の情報等)と、顧客情報のうち主として顧客名簿の作成に用いられる情報(例えば、口座コード、顧客名、住所、電話番号、電子メールアドレス等)とを別々に送信してくる場合には、顧客名簿作成手段41は、後者の顧客名簿作成用の情報を受信し、顧客名簿データベース50に記憶させる。
また、顧客名簿作成手段41は、既に顧客名簿に登録されている顧客について、顧客識別情報入力受付手段22により受け付けられた口座コードをキーとする顧客情報検索手段62による検索処理が行われた場合、または顧客名選択入力受付手段24により顧客名を自動翻訳して得られた口座コードをキーとする顧客情報検索手段62による検索処理が行われた場合に、キーとされた口座コードに対応する検索日時を更新することにより、顧客名簿に登録された各顧客についての検索日時を最新の検索日時に保つ。
さらに、顧客名簿作成手段41は、定期的に、またはいずれかの顧客についての検索処理が行われたときに、顧客名簿に登録された各顧客についての検索日時が、現時点から一定期間内であるか否かを判断し、現時点から一定期間内でない検索日時となっている顧客についての登録情報、すなわち直近の検索日時から一定期間が経過している顧客についての登録情報を、顧客名簿から削除する。
また、顧客名簿作成手段41は、顧客名簿への登録を行う際に、顧客名簿の顧客数が一定数を超える場合には、その顧客名簿の中で検索日時が最も古い日時の顧客についての登録情報を、顧客名簿から削除する。
そして、本実施形態では、顧客名簿作成手段41は、直近の検索日時から一定期間が経過している顧客についての登録情報の削除処理と、顧客名簿の顧客数が一定数を超える場合における登録情報の削除処理とを並行して行う。このため、例えば、顧客名簿に登録しておく一定期間を直近の検索日時から1週間とし、顧客名簿の顧客数の上限を100名とすれば、顧客数が100名を超えていなくても、直近の検索日時から1週間以上経過した顧客についての登録情報は削除し、また、追加登録を行うと顧客数が100名を超えてしまう場合には、直近の検索日時から未だ1週間経過していない顧客についての登録情報であっても検索日時の古い順に削除する。
サーバ側顧客名簿表示処理手段42は、端末側顧客名簿表示処理手段23により端末装置20からネットワーク2を介して送信されてくる顧客名簿の要求信号(営業員コードを含む)を受信し、顧客名簿データベース50から、受信した営業員コードに対応する営業員専用の顧客名簿を読み込み、読み込んだ顧客名簿の情報を、ネットワーク2を介して端末装置20へ送信する処理を行うものである。この際、サーバ側顧客名簿表示処理手段42は、本実施形態では、一例として、顧客名、住所、電話番号、電子メールアドレス、直近の検索日時を、口座コードとともに端末装置20へ送信する。なお、営業員が顧客名簿の表示要求を行う際に、既に営業員コードがサーバ40に送信されてサーバ40のメモリ上に記憶保持されている場合には、顧客名簿の要求信号に営業員コードを含ませなくてもよい。
また、処理手段40Aは、端末側顧客識別情報検索手段21により端末装置20からネットワーク2を介して送信されてくる口座コード検索用の検索キー(顧客カナ名)を受信し、この受信データを用いて、ホスト側顧客識別情報検索手段61による処理を行うことができる形式の上り電文データを生成し、専用線3を介してホストコンピュータ60へ送信するとともに、ホスト側顧客識別情報検索手段61によりホストコンピュータ60から専用線3を介して送信されてくる下り電文データとしての口座コードを受信し、この受信データを用いて、端末側顧客識別情報検索手段21による処理を行うことができる形式のデータを生成し、ネットワーク2を介して端末装置20へ送信する処理を行う。
さらに、処理手段40Aは、顧客識別情報入力受付手段22や顧客名選択入力受付手段24により端末装置20からネットワーク2を介して送信されてくる口座コードを受信し、この受信データを用いて、顧客情報検索手段62による処理を行うことができる形式の上り電文データを生成し、専用線3を介してホストコンピュータ60へ送信するとともに、ホスト側顧客情報表示処理手段63によりホストコンピュータ60から専用線3を介して送信されてくる下り電文データとしての顧客情報を受信し、この受信データを用いて、端末側顧客情報表示処理手段25による処理を行うことができる形式のデータを生成し、ネットワーク2を介して端末装置20へ送信する処理を行う。
顧客名簿データベース50は、図3に示すように、営業員A専用の顧客名簿の記憶領域50A、営業員B専用の顧客名簿の記憶領域50B、営業員C専用の顧客名簿の記憶領域50C、…という具合に、各営業員専用の顧客名簿を個別に記憶するために、各営業員毎の記憶領域を備えている。この顧客名簿データベース50の各営業員専用の顧客名簿を構成する各レコードには、口座コード、顧客名、住所、電話番号、電子メールアドレス、直近の検索日時が登録されて記憶されている。なお、営業員識別情報である営業員コードを各レコードに登録することにより、各営業員毎の記憶領域を形成してもよい。
ホストコンピュータ60は、顧客情報の閲覧のための各種処理を行う処理手段60Aと、この処理手段60Aに接続された顧客情報データベース70とを備えている。
処理手段60Aは、ホスト側顧客識別情報検索手段61と、顧客情報検索手段62と、ホスト側顧客情報表示処理手段63とを含んで構成されている。
ホスト側顧客識別情報検索手段61は、営業員により入力されて端末側顧客識別情報検索手段21により端末装置20からサーバ40を経由して送信されてくる口座コード検索用の検索キー(本実施形態では、顧客カナ名とする。)を受信し、受信した顧客カナ名をキーとして顧客情報データベース70を検索して顧客カナ名に対応する口座コードを取得するとともに、検索結果として得られた口座コードを、サーバ40を経由して端末装置20の端末側顧客識別情報検索手段21へ送信する処理を行うものである。この際、同姓同名の顧客が存在するときには、検索結果として、1つの顧客カナ名に対し、複数の口座コードが得られる場合もあり、この場合には、複数の口座コードを端末装置20へ送信する。
顧客情報検索手段62は、営業員による閲覧対象となる顧客についての顧客識別情報(本実施形態では、口座コード)が与えられたときに、この口座コードをキーとして顧客情報データベース70に記憶された顧客情報の中から、目的の顧客情報を検索する処理を行うものである。
ホスト側顧客情報表示処理手段63は、顧客情報検索手段62による検索結果として得られた顧客情報を、端末装置20の表示手段30の画面上に表示するために、サーバ40を経由して端末装置20の端末側顧客情報表示処理手段25へ送信する処理を行うものである。なお、ホスト側顧客情報表示処理手段63は、顧客情報のうち主として営業員による閲覧対象となる情報(例えば、残高情報、注文の約定の情報等)と、顧客情報のうち主として顧客名簿の作成に用いられる情報(例えば、口座コード、顧客名、住所、電話番号、電子メールアドレス等)とを別々にサーバ40へ送信してもよい。
顧客情報データベース70は、証券会社等の各顧客についての顧客情報を記憶するものであり、図4に示すように、顧客情報データベース70を構成する各レコードには、顧客識別情報である口座コードと対応させて、例えば、顧客名、顧客カナ名、住所、電話番号、電子メールアドレス、残高情報、注文の約定の情報等が記憶されている。
以上において、端末装置20の処理手段20Aの各手段21〜27、サーバ40の処理手段40Aの各手段41,42、およびホストコンピュータ60の処理手段60Aの各手段61〜63は、端末装置20、サーバ40、およびホストコンピュータ60のそれぞれの内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、サーバ40の顧客名簿データベース50、およびホストコンピュータ60の顧客情報データベース70は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
このような本実施形態においては、以下のようにして顧客情報閲覧システム10を用いて営業員による顧客情報の閲覧が行われる。
図5において、営業員は、自己の担当する顧客について1回目の顧客情報の閲覧(全く初めての閲覧に限らず、一定期間閲覧を行っていなかった顧客についての久しぶりの閲覧を含む。)を行うに際し、その顧客の口座コードが不明な場合には、先ず、端末装置20で入力手段31を用いて顧客カナ名を入力する。入力された顧客カナ名は、端末側顧客識別情報検索手段21により、ネットワーク2を介してサーバ40へ送信され(ステップS1)、さらにサーバ40から専用線3を介してホストコンピュータ60へ送信され(ステップS2)、ホスト側顧客識別情報検索手段61により受信される(ステップS3)。
続いて、ホスト側顧客識別情報検索手段61により、受信した顧客カナ名をキーとして顧客情報データベース70の検索が行われ、受信した顧客カナ名に対応する口座コード、顧客名、住所等が得られる(ステップS4)。これらの検索結果として得られた口座コード、顧客名、住所等は、ホスト側顧客識別情報検索手段61により、専用線3を介してサーバ40へ送信され(ステップS5)、さらにサーバ40からネットワーク2を介して端末装置20へ送信され(ステップS6)、端末側顧客識別情報検索手段21により受信され、端末装置20の表示手段30の画面上に表示される(ステップS7)。
営業員は、表示手段30の画面上に表示された口座コードを参照することにより、顧客情報の閲覧を行いたい自己の顧客についての口座コードを把握することができるが、同姓同名の顧客が存在し、複数の口座コードが表示されている場合には、口座コード以外の情報、例えば住所等を参照することにより、閲覧対象の顧客についての口座コードを特定する(ステップS8)。
それから、営業員は、端末装置20で入力手段31を用いて口座コードを入力する。入力された口座コードは、顧客識別情報入力受付手段22により、ネットワーク2を介してサーバ40へ送信され(ステップS9)、さらにサーバ40から専用線3を介してホストコンピュータ60へ送信され(ステップS10)、顧客情報検索手段62により受信される(ステップS11)。
続いて、顧客情報検索手段62により、受信した口座コードをキーとして顧客情報データベース70の検索が行われ、受信した口座コードに対応する顧客情報が得られる(ステップS12)。検索結果として得られる顧客情報は、例えば、口座コード、顧客名、住所、電話番号、電子メールアドレス、残高情報、注文の約定の情報等であり、これらの顧客情報は、ホスト側顧客情報表示処理手段63により、専用線3を介してサーバ40へ送信される(ステップS13)。
そして、サーバ40では、処理手段40Aにより顧客情報を受信すると(ステップS14)、受信した顧客情報を、端末装置20の端末側顧客情報表示処理手段25による処理を行うことができるデータ形式に変換した後、ネットワーク2を介して端末装置20へ送信する(ステップS15)。また、顧客名簿作成手段41により、受信した顧客情報のうち顧客名を含む一部の情報(本実施形態では、一例として、口座コード、顧客名、住所、電話番号、電子メールアドレスとする。)を、検索日時とともに、アクセス中の営業員専用の顧客名簿へ追加登録して顧客名簿データベース50(図3参照)に記憶させる(ステップS16)。この際、アクセス中の営業員専用の顧客名簿の把握は、ステップS1またはステップS9の送信時、あるいはそれ以前のアクセス時(例えば、営業員の認証時等)にサーバ40に送信されてサーバ40のメモリ上に記憶保持されている営業員コードを用いて行われる。
さらに、顧客名簿作成手段41は、アクセス中の営業員専用の顧客名簿への追加登録を行う際に、その顧客名簿の顧客数が、追加登録を行うことで一定数を超えてしまうか否かを判断し、一定数を超える場合には、検索日時の最も古い顧客についての登録情報を、その顧客名簿から削除する。
一方、端末装置20では、端末側顧客情報表示処理手段25により顧客情報が受信されると、表示手段30の画面上のコンテンツ表示区画106に顧客情報(例えば、残高情報、注文の約定の情報等)が表示されるので(ステップS17)、営業員は、この顧客情報を閲覧する(ステップS18)。
次に、営業員が、2回目の顧客情報の閲覧を行う場合(例えば、1回目の検索から何時間か経過後、あるいは翌日、翌々日等、1回目の検索から一定期間内に、同じ営業員が、再び、同じ顧客について閲覧を行う場合)には、表示手段30の画面上に表示されたメニュー表示区画101(図6参照)で、入力手段31であるマウスを用いて「マイ名簿」選択部102をクリックすると、端末側顧客名簿表示処理手段23により、端末装置20からネットワーク2を介してサーバ40へ顧客名簿の要求信号(営業員コードを含む。)が送信される(ステップS19)。なお、営業員コードは、より以前のアクセス時(例えば、営業員の認証時等)に既にサーバ40へ送信されてサーバ40のメモリ上に記憶保持されている場合には、顧客名簿の要求信号に含ませて送信しなくてもよい。
サーバ40では、サーバ側顧客名簿表示処理手段42により、顧客名簿の要求信号を受信すると(ステップS20)、顧客名簿データベース50から営業員コードに対応する顧客名簿、すなわちアクセス中の営業員専用の顧客名簿の情報(本実施形態では、一例として、口座コード、顧客名、住所、電話番号、電子メールアドレス、直近の検索日時とする。)を読み込み(ステップS21)、この顧客名簿の情報をネットワーク2を介して端末装置20へ送信する(ステップS22)。
端末装置20では、端末側顧客名簿表示処理手段23により、顧客名簿の情報を受信し、表示手段30の画面上のメニュー表示区画101に、図6に示すような顧客名簿表示部103を表示する(ステップS23)。この顧客名簿表示部103には、アクセス中の営業員の担当する顧客についての顧客名、住所、電話番号、電子メールアドレス、直近の検索日時が、各顧客毎に表示される。なお、図6の例では、口座コードは、画面表示されていないが、端末装置20のメモリ上に記憶保持されている。また、顧客名簿表示部103には、顧客名の表示の並び順を、顧客名のあいうえお順にするための「あいうえお順」ボタン104と、検索日時順にするための「検索日時順」ボタン105とが設けられている。いずれかの表示方法を予め既定の表示方法として設定しておくことができる。
それから、図6の顧客名簿表示部103において、営業員が、入力手段31であるマウスを用いて、顧客情報を参照したい顧客についての顧客名の表示部分をクリックして選択すると(ステップS24)、顧客名選択入力受付手段24により、端末装置20のメモリ上に記憶保持されている顧客名簿の情報を用いて、顧客名から口座コードへの自動翻訳、すなわち営業員が選択した顧客名に対応する口座コードの取得が行われる。そして、得られた口座コードは、顧客名選択入力受付手段24により、ネットワーク2を介してサーバ40へ送信され(ステップS25)、さらにサーバ40から専用線3を介してホストコンピュータ60へ送信され(ステップS26)、顧客情報検索手段62により受信される(ステップS27)。なお、ステップS24において、図6の顧客名簿表示部103に表示された自己の顧客名簿の中に、目的の顧客名が無い場合には、その顧客の口座コードがわかるとき(例えば、営業員が覚えているか、メモしているとき等)には、ステップS9の処理に戻り、その顧客の口座コードがわからないときには、ステップS1の処理に戻る。
続いて、顧客情報検索手段62により、ステップS12の処理と同様に、受信した口座コードをキーとして顧客情報データベース70の検索が行われ、受信した口座コードに対応する顧客情報が得られる(ステップS28)。検索結果として得られた顧客情報は、ステップS13の処理と同様に、ホスト側顧客情報表示処理手段63により、専用線3を介してサーバ40へ送信される(ステップS29)。
そして、サーバ40では、ステップS14,S15の処理と同様に、処理手段40Aにより顧客情報を受信すると(ステップS30)、受信した顧客情報を、端末装置20の端末側顧客情報表示処理手段25による処理を行うことができるデータ形式に変換した後、ネットワーク2を介して端末装置20へ送信する(ステップS31)。また、顧客名簿作成手段41により、アクセス中の営業員専用の顧客名簿を更新登録して顧客名簿データベース50(図3参照)に記憶させる(ステップS32)。この際、ステップS24において図6の顧客名簿表示部103に表示された自己の顧客名簿の中から顧客名の選択入力が行われている場合には、既にその顧客については顧客名簿に登録されて顧客名簿データベース50に記憶されているので、その顧客についての登録情報(受信した顧客情報に含まれる口座コードに対応する登録情報)のうち、検索日時を新たな検索日時に更新する処理を行う。
一方、端末装置20では、ステップS17,S18の処理と同様に、端末側顧客情報表示処理手段25により顧客情報が受信されると、表示手段30の画面上のコンテンツ表示区画106に顧客情報(例えば、残高情報、注文の約定の情報等)が表示されるので(ステップS33)、営業員は、この顧客情報を閲覧する(ステップS34)。
また、営業員は、コンテンツ表示区画106に表示された残高情報、注文の約定の情報等の顧客情報を参照して把握し、この顧客情報について顧客への報告を行う際には、ステップS23において表示されてそのまま画面上に残っている図6の顧客名簿表示部103で、入力手段31であるマウスを用いて、電話で連絡を取りたい顧客の電話番号の表示部分をクリックする。すると、通話処理手段27により、その顧客に自動的にダイヤルアップされ、営業員は、コンテンツ表示区画106に表示された顧客情報を参照しながら、顧客への電話による報告を行うことができる。さらに、図6の顧客名簿表示部103で、営業員が、入力手段31であるマウスを用いて、電子メールを送信したい顧客の電子メールアドレスの表示部分をクリックすると、電子メール作成画面表示処理手段26により、表示手段30の画面上に、その顧客のアドレスを宛先とする電子メール作成画面が自動的に表示され(例えば、別のウィンドウが自動的に開かれる等)、営業員は、コンテンツ表示区画106に表示された顧客情報を参照しながら、顧客への報告用の電子メールを作成することができる。
その後、営業員が、3回目以降の顧客情報の閲覧を行う場合も同様であり、ステップS19〜S34の処理を繰り返す。この際、ステップS24において、図6の顧客名簿表示部103に表示された自己の顧客名簿の中に、目的の顧客名が無い場合には、その顧客の口座コードがわかるとき(例えば、営業員が覚えているか、メモしているとき等)には、ステップS9の処理に戻り、その顧客の口座コードがわからないときには、ステップS1の処理に戻る。
また、サーバ40では、以上のステップS1〜S34の処理と並行して、顧客名簿作成手段41により、顧客名簿データベース50に記憶されている全ての営業員の顧客名簿の中の全ての顧客についての登録情報のうちの検索日時を、例えば毎日、毎時間等のように定期的にチェックし、直近の検索日時から一定期間(例えば1週間等)以上経過した顧客についての登録情報、すなわち顧客名簿への登録情報として顧客名簿データベース50に記憶されている検索日時が、現時点から一定期間内にない顧客についての登録情報を削除する。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、顧客情報閲覧システム10では、営業員が、一旦、口座コードを入力して顧客情報データベース70の検索を行い、顧客情報を閲覧すれば、その顧客の顧客名と口座コードとが、その営業員専用の顧客名簿に登録されて顧客名簿データベース50に記憶されるので、次回からは、営業員は、口座コードを入力しなくても、表示手段30の画面上に表示された自己の顧客名簿内の顧客名の中から閲覧対象の顧客名を選択することでその顧客の顧客情報を閲覧することができる。
このため、口座コードがわからなくても、顧客カナ名を入力して口座コードを検索する作業を行う必要がなくなり、また、付箋紙に口座コードを書いて端末装置20に貼り付けたり、自分のノートに口座コードを書き留めておく等の作業を行う必要もなくなるので、自己の顧客についての顧客情報を閲覧するにあたり、顧客情報データベース70へのアクセス時間を短縮することができ、顧客に対して迅速な応対をすることができるうえ、営業員の手間を軽減することができ、システムの使い勝手の向上を図ることができる。
また、顧客名簿作成手段41は、現時点から一定期間内でない検索日時となっている顧客についての登録情報を顧客名簿から削除する構成とされているので、顧客情報を閲覧する必要のなくなった顧客、または閲覧する可能性の少なくなった顧客についての登録情報を、その顧客を担当する営業員専用の顧客名簿から削除することができる。このため、顧客名簿内の顧客名の数を適宜な数に保つことができるので、顧客名簿内の顧客名の中から目的の顧客名を選択する作業を容易に行うことができ、アクセス時間をより短縮することができるうえ、顧客名簿データベース50の記憶容量を小さく抑えることができる。従って、証券会社等の営業員とこの営業員が担当する任意の1人の顧客とのやりとりが、比較的、ある一定期間内に集中するという事情や、営業員の応対すべき顧客が、期間の経過とともに移り変わっていくという事情等を考慮したシステム運用を図ることができる。
さらに、顧客名簿作成手段41は、顧客名簿の顧客数が一定数を超えたときに、検索日時が最も古い日時の顧客についての登録情報を顧客名簿から削除する構成とされているので、この点でも、顧客名簿内の顧客名の数を適宜な数に保つことができるため、上述した現時点から一定期間内でない検索日時となっている顧客についての登録情報を顧客名簿から削除する処理で得られる効果と同様な効果を得ることができる。
そして、端末側顧客名簿表示処理手段23およびサーバ側顧客名簿表示処理手段42により図6の顧客名簿表示部103に表示される顧客名簿には、顧客名とともに住所も表示されるので、営業員は、顧客名の選択入力を行うに際し、顧客名と合わせて住所も参照することができる。このため、営業員は、顧客名と住所とを関連付けながら記憶していることがあるので、閲覧対象としたい顧客を、容易に特定することができるうえ、同姓同名の顧客が存在する場合でも、住所を参照することで目的の顧客名を容易に特定することができる。従って、顧客情報データベース70へのアクセス時間を、より一層短縮することができる。
また、顧客情報閲覧システム10は、電子メール作成画面表示処理手段26を備えているので、顧客へ送信する電子メールの作成を容易に行うことができ、例えば、顧客情報を閲覧後に、閲覧した内容を電子メールで顧客に報告する作業を容易に行うことができる。このため、営業員の手間を、より一層軽減することができる。
さらに、顧客情報閲覧システム10は、通話処理手段27を備えているので、顧客に電話をかける作業を容易に行うことができ、例えば、顧客情報を閲覧後に、閲覧した内容を電話で顧客に報告する作業を容易に行うことができる。このため、営業員の手間を、より一層軽減することができる。
そして、端末側顧客名簿表示処理手段23は、営業員の選択操作に従って、顧客名簿内の顧客名の並び順を、顧客名のあいうえお順と検索日時順とで切替表示可能な構成とされているので、営業員は、目的の顧客名の選択入力を迅速に行うことができ、アクセス時間を、より一層短縮することができる。例えば、昨日、応対した顧客、一昨日、応対した顧客という具合に、時間的な記憶を頼りに目的の顧客名を探すのが得意な営業員は、検索日時順に表示し、あいうえお順の後半の方の顧客、前半の方の顧客、真ん中当たりの顧客という具合に、場所的な記憶を頼りに目的の顧客名を探すのが得意な営業員は、あいうえお順に表示すれば、効率的な選択作業を行うことができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
すなわち、前記実施形態では、顧客名簿データベース50および顧客名簿作成手段41がサーバ40に設けられていたが、これらをホストコンピュータ60に設けてもよく、この場合には、顧客名簿表示処理手段を、端末側顧客名簿表示処理手段とホスト側顧客名簿表示処理手段とにより構成し、端末側顧客名簿表示処理手段が、端末装置20で営業員による顧客名簿の表示要求を受け付け、この要求信号(営業員コードを含む)をサーバ40を経由させてホストコンピュータ60へ送信するとともに、ホストコンピュータ60からサーバ40を経由して送信されてくる顧客名簿の情報を受信し、表示手段30の画面上に顧客名簿を表示する処理を行い、ホスト側顧客名簿表示処理手段が、端末装置20からサーバ40を経由して送信されてくる顧客名簿の要求信号を受信し、ホストコンピュータ60に設けられた顧客名簿データベース50から顧客名簿を読み込み、読み込んだ顧客名簿の情報を、ホストコンピュータ60からサーバ40を経由させて端末装置20へ送信する処理を行うようにすればよい。
また、顧客名簿データベース50および顧客名簿作成手段41を端末装置20に設けてもよい。なお、この場合において、前記実施形態のようにカード5(図2参照)を挿入したコンピュータを自己の端末装置20として使用する構成とするのであれば、顧客名簿データベース50のデータ管理上の観点や営業員の利便性向上の観点から、各営業員は、自己の端末装置20として使用するコンピュータを固定的にすること、すなわち物理的に同じコンピュータを使用することが好ましい。
さらに、前記実施形態では、顧客情報閲覧システム10は、端末装置20と、サーバ40と、ホストコンピュータ60とにより構成されていたが、本発明の顧客情報閲覧システムは、端末装置20とホストコンピュータ60との間にこれらを中継するサーバ40を設置しない構成としてもよく、この場合には、端末装置20とホストコンピュータ60とのいずれの側に顧客名簿データベースを設けてもよい。また、メインフレームによるホストコンピュータを使用した大規模な顧客情報管理ではなく、比較的小規模の顧客情報管理を行う場合には、本発明の顧客情報閲覧システムは、通常のサーバ・クライアント型の構成としてもよく、この場合には、サーバとクライアント端末装置とのいずれの側に顧客名簿データベースを設けてもよい。さらに、より小規模な顧客情報管理を行う場合には、本発明の顧客情報閲覧システムは、1台のコンピュータによるスタンドアロン型の構成としてもよい。