JP4805429B2 - 環状ホルマールの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホルムアルデヒド、またはホルムアルデヒドとグリコール類から製造される環状ホルマールからホルムアルデヒドを除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、反応後分離した1,3-ジオキソラン、1,3,5-トリオキセパン、1,4-ブタンジオールホルマール、1,4-ブタンジオールジホルマール、ジエチレングリコールホルマール、4-メチル-1,3- ジオキソラン、1,3-プロパンジオールホルマール、1,3-プロパンジオールジホルマール、ジプロピレングリコールホルマール、トリオキサン、テトラオキサンなどの環状ホルマールには不純物としてホルムアルデヒドを含まれる。これらの環状ホルマールからホルムアルデヒドを除去する方法としては蒸留による方法が公知である。
【0003】
しかしながら、目的物とホルムアルデヒドが共沸する場合や両者の沸点が近い場合、蒸留による分離が困難であったり、蒸留塔の段数を多くする必要があり、経済的な負担が大きくなる場合がある。また、ホルムアルデヒドは水と共沸し、さらに溶液状態で会合性を持つため蒸留時の挙動が特殊であり、しばしば蒸留による分離に支障が生じる。更に、メタノールなどの脂肪族アルコールが共存する場合、ホルムアルデヒドは脂肪族アルコールと平衡反応により付加物を形成するため、ホルムアルデヒドのみならず脂肪族アルコールまでもが、蒸留による分離が困難となる場合がある。
【0004】
例えば、トリオキサン、1,3-ジオキソラン、1,3,5-トリオキセパン、1,4-ブタンジオールホルマール、1,4-ブタンジオールジホルマール、ジエチレングリコールホルマール、4-メチル-1,3- ジオキソラン、1,3-プロパンジオールホルマール、1,3-プロパンジオールジホルマール、ジプロピレングリコールホルマール、テトラオキサンなどの環状ホルマールをホルムアルデヒドあるいはホルムアルデヒドを発生する物質を原料として用いて製造する場合やガス状に揮散したこれらの環状ホルマールを水などに吸収させ回収する場合には、それらの粗生成物にはホルムアルデヒドやメタノールを不純物として含んでおり、その微量のホルムアルデヒドやメタノールが精製物に混在すると、ホルムアルデヒドはギ酸へ転化し易く、環状ホルマールの保存安定性に悪影響を及ぼす。また、メタノールはポリアセタールの重合を阻害するか重合物の分子量を低下させるため、両者共に高度な分離が不可欠である。
【0005】
一方、亜硫酸水素ナトリウムや二硫化ナトリウムによる処理によりホルムアルデヒドを除去する方法は公知である。しかしながら、これらの物質を使用した場合、装置材質もしくは排水処理に対する制約が大きい。
【0006】
また、西ドイツ特許1172687号ではホルムアルデヒドや水を不純物として含む粗製1,3-ジオキソランを不活性有機溶媒により抽出し、抽出層をアルカリまたはアルカリ土類水溶液により処理することにより、ホルムアルデヒドが除去された1,3-ジオキソランが得られることが開示されている。
【0007】
また、西ドイツ特許1279025号ではホルムアルデヒドや水を不純物として含む粗製1,3-ジオキソランを液体状態でフィードし、水酸化アルカリおよび/またはアルカリ濃水溶液と向流接触させることにより、ホルムアルデヒドを高度に分離した1,3-ジオキソランが得られることが開示されている。
【0008】
しかし、これらの方法ではアルカリ溶液中への1,3-ジオキソランの損失を防ぎ、また、アルカリを再使用するために、使用後のアルカリ水溶液を濃縮し、1,3-ジオキソランと共に回収するプロセスが、付帯設備として必要である。また、これらの方法ではホルムアルデヒドに対して大過剰の高濃度の強アルカリを使用するため、カニッツアーロ反応が促進され、回収ホルムアルデヒドの損失と共に、不純物であるメタノールの生成が著しい。
【0009】
また、水を含む粗製1,3-ジオキソランにアンモニアを加え、精留することにより、不純物であるホルムアルデヒドおよびギ酸が除去された水を含む粗製1,3-ジオキソランが得られることは公知である(特開昭49-62469号公報参照)。しかし、アンモニアの沸点は−33℃と非常に低いため、精製1,3-ジオキソラン中へ未反応のアンモニアが混入し、それを蒸留により分離することが必要である。その際に、通常の凝縮器によりアンモニアを完全に液化することが難しく、大気放出防止もしくは回収のためには新たな吸収設備が必要となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、不純物としてホルムアルデヒドを含む環状ホルマールからホルムアルデヒドを除去する方法として簡素な工業的に有利な方法を提供することにある。また、ポリアセタール樹脂等の製造用モノマーとして使用できるトリオキサン、1,3-ジオキソラン、1,3,5-トリオキセパン、1,4-ブタンジオールホルマール、1,4-ブタンジオールジホルマール、ジエチレングリコールホルマール、4-メチル-1,3- ジオキソラン、1,3-プロパンジオールホルマール、1,3-プロパンジオールジホルマール、ジプロピレングリコールホルマール、テトラオキサンなどの環状ホルマールからホルムアルデヒドを除去する方法として簡素な工業的に有利な方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、不純物としてホルムアルデヒドを含む環状ホルマールからホルムアルデヒドを除去する方法について鋭意検討した結果、ホルムアルデヒドを含む環状ホルマールを蒸留する際に、アルカリ性物質を添加することにより、不純物として存在するホルムアルデヒドを除去できることを見い出し本発明に至った。
【0012】
【発明の実施の形態】
即ち、本発明は、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物およびアミン化合物から選ばれたアルカリ性物質の存在下に、ホルムアルデヒドを含む環状ホルマールを蒸留する環状ホルマールの製造方法である。
【0013】
本発明のホルムアルデヒドを含む環状ホルマールとは、ホルムアルデヒドあるいはホルムアルデヒドを発生させる物質を原料として用いて製造された環状ホルマールの粗生成物、あるいはガス状に揮散した環状ホルマールを水などに吸収させ回収した混合物であり、具体的には、1,3-ジオキソラン、1,3,5-トリオキセパン、1,4-ブタンジオールホルマール、1,4-ブタンジオールジホルマール、ジエチレングリコールホルマール、4-メチル-1,3- ジオキソラン、1,3-プロパンジオールホルマール、1,3-プロパンジオールジホルマール、ジプロピレングリコールホルマール、トリオキサン、テトラオキサンなどの粗生成物や混合物があげられる。
【0014】
例えば、1,3-ジオキソランの粗生成物の場合、一般には、酸触媒の存在下に、ホルムアルデヒドあるいはホルムアルデヒドを発生させる物質とエチレングリコールを反応させ、生成した1,3-ジオキソランおよび水を反応器から蒸留塔を介して蒸留分離することにより得られる。この取り出された1,3-ジオキソランを含む反応蒸留液には、1,3-ジオキソランの他、原料ホルマリン中の水及び副生成物としての水、未転化のホルムアルデヒド、不純物のメタノールおよびギ酸が含まれる。
【0015】
この反応蒸留液を蒸留を、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物およびアミン化合物から選ばれたアルカリ性物質の存在下に、行うことによって、1,3-ジオキソランを損失することなく、不純物のホルムアルデヒド含量を低減し、1,3-ジオキソラン−水共沸組成(水を8.5wt%含有)まで濃縮することができる。
【0016】
回分法で行う場合には、アルカリ性物質を蒸留前に蒸留缶に添加するか、蒸留中に蒸留缶もしくは蒸留塔内に直接添加することが好ましい。
【0017】
連続法で行う場合には、上記反応蒸留液を蒸留塔に供給し、同時にアルカリ性物質を供給液中もしくは蒸留塔内に直接添加することが好ましい。供給液中に添加する場合は、アルカリ性物質を連続的に添加し、供給液と充分に混ざり合わせてから、蒸留塔に供給することが好ましい。
【0018】
回分法、連続法いずれの場合も、蒸留塔内へ直接添加する場合は、塔下部から塔上部までのいずれの部分へ添加しても良いが、還流液中または蒸留塔濃縮部内へ連続的に添加することが好ましい。
【0019】
その結果、塔頂からホルムアルデヒド含量が低減された1,3-ジオキソラン−水共沸組成(水を8.5wt%含有)の粗製1,3-ジオキソランが得られ、塔底から1,3-ジオキソランを含まない、水を主成分とし、アルカリ性物質、ホルムアルデヒド、ギ酸およびそれらの変性物などからなる水溶液が分離される。また、塔底から分離されたホルムアルデヒドを含む水溶液は、そのままもしくは、ホルムアルデヒドを回収した後、活性汚泥槽などにより処理される。
【0020】
本発明のアルカリ性物質は、アルカリ金属、アルカリ土類金属 アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物、第一アミンまたは第二アミンである。また、有機アルカリ金属化合物、例えばアルキルリチウム、アルキルナトリウムなどや、有機アルカリ土類金属化合物、例えばアルキルマグネシウム、アルキルカルシウムなどや、脂肪族アルコール類のアルカリ金属塩、例えばリチウムアルコキサイド、ナトリウムアルコキサイド、芳香族アルコール類のアルカリ金属塩、例えばリチウムフェノキサイド、ナトリウムフェノキサイドなどの加水分解しアルカリ性を示す物質でも良い。また、アルカリ金属と弱酸の塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸リチウム、アルカリ土類金属と弱酸の塩、例えば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウムなどでも良い。
【0021】
また、第1アミンまたは第2アミンとしては、下記一般式(1)で表される第一アミンまたは第二アミンが好適である。
【0022】
【化2】
(式中、R1 は水素原子、炭化水素基、あるいは窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、リン原子、硫黄原子のいずれか1種または2種以上を含む炭化水素基を示し、R2 は炭化水素基、あるいは窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ケイ素原子、リン原子、硫黄原子のいずれか1種または2種以上を含む炭化水素基を示す。)
【0023】
具体的には、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ベリリウムおよび水酸化ストロンチウム等が例示される。
【0024】
また、第一アミンまたは第二アミンとしては、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、n-プロピルアミン、ジ-n- プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジ- イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミン、sec-ブチルアミン、ジ-n- ブチルアミン、ジ- イソブチルアミン、ジ-secブチルアミン、n-アミルアミン、イソアミルアミン、tert- アミルアミン、n-ヘキシルアミン、2-エチルヘキシルアミン、ジ- (2- エチルヘキシル)アミン、n-ラウリルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、n-プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジ-n- プロパノールアミン、ジ- イソプロパノールアミン、3-メトキシプロピルアミン、3-エトキシプロピルアミン、ジアリルアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、3-メチルアミノ- プロピルアミン、3-ジメチルアミノ- プロピルアミン、3-ジエチルアミノ- プロピルアミン、3-(ジ- n-ブチルアミノ)- プロピルアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、3,3'- イミノ- ビスプロピルアミン、3,3'- メチルイミノ- ビスプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、アニリン、、メチルアニリン、o-トルイジン、m-トルイジン、p-トルイジン、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、o-アニシジン、p-アニシジン、p-フェネチジン、ジフェニルアミン、ベンジジン、o-トリジン、o-ジアニシジン等が例示されるが、不純物としてホルムアルデヒドを含む混合物中の目的物よりも沸点が高いアミンが好ましい。
【0025】
即ち、粗製1,3-ジオキソランの場合は、ジ-n- プロピルアミン、ジ- イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、ジ- n-ブチルアミン、ジ- イソブチルアミン、ジ-sec- ブチルアミン、n-アミルアミン、イソアミルアミン、tert- アミルアミン、n-ヘキシルアミン、2-エチルヘキシルアミン、ジ- (2-エチルヘキシル)アミン、n-ラウリルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、n-プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジ- n-プロパノールアミン、ジ- イソプロパノールアミン、3-メトキシプロピルアミン、3-エトキシプロピルアミン、ジアリルアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、3-メチルアミノ- プロピルアミン、3-ジメチルアミノ- プロピルアミン、3-ジエチルアミノ- プロピルアミン、3-(ジ- n-ブチルアミノ)- プロピルアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、3,3'- イミノ- ビスプロピルアミン、3,3'- メチルイミノ- ビスプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、アニリン、メチルアニリン、o-トルイジン、m-トルイジン、p-トルイジン、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、o-アニシジン、p-アニシジン、p-フェネチジン、ジフェニルアミン、ベンジジン、o-トリジン、o-ジアニシジンが好ましい。
【0026】
本発明のアルカリ性物質は、1種または、2種以上の混合物として使用することもできる。
【0027】
本発明のアルカリ性物質は、添加を容易にするため、あるいは拡散を促進するために、水溶液もしくはプロセスに悪影響を起こさない他の溶媒による溶液として使用することもできる。また、アルカリ性物質を溶液として添加する場合には、その濃度は高濃度である必要はなく、アルカリ性物質が溶解可能であれば任意の濃度で添加することができる。
【0028】
本発明のアルカリ性物質の使用量は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の場合は供給液中のホルムアルデヒド1モルに対し、100当量以下が好ましく、20当量以下がより好ましく、3当量以下が最も好ましい。第一アミンまたは第二アミンの場合は供給液中のホルムアルデヒド1モルに対し100モル以下が好ましく、20モル以下がより好ましく、3モル以下が最も好ましい。
【0029】
ここで使用される蒸留塔は、例えば通常の棚段塔あるいは充填塔である。この場合、濃縮部の段数は1段〜40段、回収部の段数は2段〜55段が好ましい。また、還流比は通常0.5〜10が好ましい。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、これらは本発明の範囲をなんら制限するものではない。
【0031】
実施例1
1,3-ジオキソラン混合物(1,3-ジオキソラン;69.9wt%、水;29.4wt%、ホルムアルデヒド;0.5wt%、メタノール;0.2wt%、ギ酸;0.01wt%)をガラス製多孔板式連続蒸留塔(内径50mm)へ200g/hの速度でフィ−ドした。また、同時に塔頂の還流液中にアルカリ性物質として20wt%水酸化ナトリウム水溶液を7.85g/hの速度でフィードした。添加した水酸化ナトリウムはフィード液中ホルムアルデヒド1モルに対して、1.1当量である。塔構成は回収部10段、濃縮部8段とし、還流比は2とした。蒸留塔内温度が安定した後、下記の流量、組成の塔頂液および塔底液を得た。
【0032】
実施例2
トリオキサン混合物(トリオキサン;10.5wt%、水;88.7wt%、ホルムアルデヒド;0.5wt%、メタノール;0.2wt%、ギ酸;0.01wt%)をガラス製多孔板式連続蒸留塔(内径50mm)へ200g/hの速度でフィ−ドした。また、同時に塔頂の還流液中にアルカリ性物質として20wt%水酸化ナトリウム水溶液を7.8g/hの速度でフィードした。添加した水酸化ナトリウムはフィード液中ホルムアルデヒド1モルに対して、1.1当量である。塔構成は回収部20段、濃縮部20段とし、還流比は5とした。蒸留塔内温度が安定した後、下記の流量、組成の塔頂液および塔底液を得た。
【0033】
実施例3
1,3-ジオキソラン混合物(1,3-ジオキソラン;69.9wt%、水;29.4wt%、ホルムアルデヒド;0.5wt%、メタノール;0.2wt%、ギ酸;0.01wt%)をガラス製多孔板式連続蒸留塔(内径50mm)へ200g/hの速度でフィ−ドした。また、同時にアルカリ性物質として5wt%水酸化ナトリウム水溶液を塔頂から3段目に31.5g/hの速度でフィードした。添加した水酸化ナトリウムはフィード液中ホルムアルデヒド1モルに対して、1.1当量である。塔構成は回収部10段、濃縮部8段とし、還流比は2とした。蒸留塔内温度が安定した後、下記の流量、組成の塔頂液および塔底液を得た。
【0034】
実施例4
1,3-ジオキソラン混合物(1,3-ジオキソラン;69.9wt%、水;29.4wt%、ホルムアルデヒド;0.5wt%、メタノール;0.2wt%、ギ酸;0.01wt%)をガラス製多孔板式連続蒸留塔(内径50mm)へ200g/hの速度でフィ−ドした。また、同時にアルカリ性物質として5wt%エタノールアミン水溶液を塔頂から3段目に34.3g/hの速度でフィードした。添加したエタノールアミンはフィード液中ホルムアルデヒド1モルに対して、0.79モルである。塔構成は回収部10段、濃縮部8段とし、還流比は2とした。蒸留塔内温度が安定した後、下記の流量、組成の塔頂液および塔底液を得た。
【0035】
比較例1
1,3-ジオキソラン混合物(1,3-ジオキソラン;69.9wt%、水;29.4wt%、ホルムアルデヒド;0.5wt%、メタノール;0.2wt%、ギ酸;0.01wt%)をガラス製多孔板式連続蒸留塔(内径50mm)へ200g/hの速度でフィ−ドした。塔構成は回収部10段、濃縮部8段とし、還流比は2とした。蒸留塔内温度が安定した後、下記の流量、組成の塔頂液および塔底液を得た。
【0036】
比較例2
トリオキサン混合物(トリオキサン;10.5wt%、水;88.7wt%、ホルムアルデヒド;0.5wt%、メタノール;0.2wt%、ギ酸;0.01wt%)をガラス製多孔板式連続蒸留塔(内径50mm)へ200g/hの速度でフィ−ドした。塔構成は回収部20段、濃縮部20段とし、還流比は5とした。蒸留塔内温度が安定した後、下記の流量、組成の塔頂液および塔底液を得た。
【0037】
比較例3
1,3-ジオキソラン混合物(1,3-ジオキソラン;69.9wt%、水;29.4wt%、ホルムアルデヒド;0.5wt%、メタノール;0.2wt%、ギ酸;0.01wt%)をガラス製多孔板式連続蒸留塔(内径50mm)へ200g/hの速度でフィ−ドした。また、同時にアルカリ性物質として5wt%尿素水溶液を塔頂から3段目に33.7g/hの速度でフィードした。添加した尿素はフィード液中ホルムアルデヒド1モルに対して、0.79モルである。塔構成は回収部10段、濃縮部8段とし、還流比は2とした。蒸留塔内温度が安定した後、下記の流量、組成の塔頂液および塔底液を得た。
【0038】
【発明の効果】
本発明の環状ホルマールの製造方法によれば、アルカリ性物質の存在下に蒸留するという簡単な操作により、ホルムアルデヒドを含む混合物から不純物として存在するホルムアルデヒドを、環状ホルマールの損失することなく、アルカリ性物質の混入や不純物であるメタノールの生成を抑制し、装置材質や排水処理に関する制約が少なく除去でき、工業的意義は大きい。
Claims (2)
- ホルムアルデヒドを含む1,3-ジオキソランを連続法で蒸留する方法において、エタノールアミンを蒸留塔の還流液中に添加することを特徴とする1,3-ジオキソランの製造方法。
- エタノールアミンの添加量がホルムアルデヒド1当量に対して3当量以下である請求項1記載の1,3-ジオキソランの製造方法。
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