JP4804246B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、静電記録方式や電子写真方式を用いた複写機やプリンター等画像形成装置に係り、特にクリーニング装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、ドラム状あるいはベルト状の感光体上にトナー像を形成し、このトナー像をドラム状あるいはベルト状の中間転写ベルトに転写し、更にこの中間転写ベルト上のトナー像を転写材(例えば、紙、透明フィルム)に転写する画像形成装置が広く知られている。
そして、近年のカラー化に伴い、トナー像を感光体上に形成する画像形成部を複数有し、複数色のトナー像を中間転写体上に形成するタンデム(4ドラム)方式の電子写真方式の画像形成装置が広く認知されてきている。
このような装置について図1を用いて詳しく説明する。
画像形成装置本体内には、矢印X1方向に回転移動(走行)する無端状の中間転写ベルト5が配設されている。給紙カセット9から取り出された転写材、例えば紙は、レジストローラ9a等のレジストローラを経て、同図における矢印X2方向に搬送される。
中間転写ベルト5の上方には、ほぼ同様の構造をした4個の画像形成部である画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdが直列状に配置されている。ここで、このうちの画像形成ステーションPaを例にとり、その構成を説明する。該画像形成ステーションPaは、回転可能に配置されたドラム状の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という)1aを備えている。感光ドラム1aの周囲には、一次帯電器2a、露光装置3a、現像器4a、第1の転写部材51a、感光体クリーニング装置6a等のプロセス機器が配置されている。
そして、他の画像形成ステーションPb,Pc,Pdは、画像形成ステーションPaと同様の構成を備えている。図1に示すように、画像形成ステーションPb,Pc,Pdには、それぞれ感光ドラム1b,1c,1dの周りに,一次帯電器2b,2c,2d、露光装置3b,3c,3d、及び現像器4b,4c,4d等が配置されている。更に、第1の転写部材51b,51c,51d、及び感光体クリーニング装置6b,6c,6d等が、画像形成ステーションPaと同様に配置されている。これら画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdの異なる点は、それぞれがマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色のトナー像を形成する点である。
上記各画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdに配置した現像器4a,4b,4c,4dには、それぞれマゼンタトナー、シアントナー、イエロートナー及びブラックトナーが収納されているものとする。静電潜像のトナー現像方法としては、一般に次の(a)〜(d)の4種類に大別される。
(a)非磁性トナーについてはブレード等でスリーブ上にコーティングし、磁性トナーは磁気力によってコーティングして搬送し、感光体に対して非接触状態で現像する方法(1成分非接触現像)。
(b)上記のようにしてコーティングしたトナーを感光体に対して接触状態で現像する方法(1成分接触現像)。
(c)トナー粒子に対して磁性のキャリアを混合したものを現像剤として用いて磁気力によって搬送し感光体に対して接触状態で現像する方法(2成分接触現像)。
(d)上記の2成分現像剤を非接触状態にして現像する方法(2成分非接触現像)。
上記のうちで、低コスト、高耐久性の面から(a)の磁性トナーを用いた一成分非接触現像法、画像の高画質化や高安定性の面から(c)の2成分接触現像法が広く用いられている。
図1に示す画像形成装置では、原稿のマゼンタ成分色による画像信号に基づいたレーザビームが、露光装置3aから感光ドラム1a上に投射されて静電潜像が形成され、これに現像器4aからマゼンタトナーが供給されることで静電潜像がマゼンタトナー像となる。このトナー像が感光ドラム1aの回転に伴い、感光ドラム1aと中間転写ベルト5とが当接する転写部位に到来すると、第1の転写部材51aによって印加される第1の転写バイアスによって、上記したマゼンタトナー像が中間転写ベルト5へと転写される。そして、このマゼンタトナー像が転写(担持)された中間転写ベルト5が回転移動され、画像形成ステーションPbの位置まで搬送される。すると、画像形成ステーションPbにて上述と同様の方法で感光ドラム1b上に形成されたシアントナー像が、イエロートナー像上へ転写(転移)される。
更に、上記中間転写ベルト5上のトナー像は、画像形成ステーションPc、Pdに同様に進行するにつれ、その各転写部位において、イエロートナー像、ブラックトナー像がそれぞれ重畳転写される。このようにトナー像が重畳転写された中間転写ベルト5は、給紙カセット9から取り出されて転写部位52へと転写材が達した時点において、該転写材に印加された転写バイアスによって上述の4色のトナー像を転写材上に転写し、更に定着部8へと搬送させる。定着部8では、熱と圧力とによってトナーを転写材上に固着させる工程を行う。上記したようなトナー像が定着された転写材は、排紙トレイ(不図示)へと排紙されるが、自動で両面画像を形成させる場合には、転写材反転パス(不図示)を通過させ、両面用カセットへと収納し、両面画像が形成された後に給紙されることとなる。そして、中間転写ベルト5における上記転写部位52の下流位置に、中間転写ベルトクリーニング部材7を配設させることにより、中間転写ベルト5に付着したトナー等を除去する。
ところで、複写機やプリンター等は未だ白黒機が主流である。これは、本体コスト、ランニングコストの点において、フルカラー機に比して低価格となる場合が多いためである。近年は、転写材としてさまざまな用紙が用いられることが多く、白黒複写機等においてもそれに対応するために、中間転写ベルトを用いることがある。これは、感光体の形状や材質によらず、さまざまな転写材に対応するのに、この2次転写部の構成が適しているからである。
このため、本体コスト及びランニングコストが従来の白黒機と等価な中間転写ベルトを用いた構成のプリンターが期待され、TCO(ユーザーから見た全体の必要費用)を画期的に低下させることが可能な技術の開発が望まれている。このような観点から中間転写ベルトの寿命を大幅に向上させるために、本従来例ではベルトの材質に電子導電性物質であるカーボンを分散したポリイミド樹脂を採用している。ポリイミド樹脂は非常に強度の高い樹脂で、中間転写ベルトの長寿命化には最適な材料である。また、装置の小型化、コストダウンのためにベルトにカーボンを分散し、その表面抵抗率が1010〜1013Ω/□となり、その体積抵抗率が10〜1011Ω・cmとなるように設定されている。もちろんベルト材質としてはポリイミドに限るものではなく、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム及びポリフッ化ビニリデン樹脂フィルム等のような誘電体樹脂であってもよい。また、ウレタンやクロロプレン等のゴム弾性を有する有機化合物、又は上述したような樹脂とゴム弾性を有する物質の複合体であってもかまわない。
このような中間転写ベルトに用いるクリーニング部材は、ゴムブレードを用いたブレードクリーニング方式が、簡易で性能も高く、一般的なものとなっている。このクリーニングブレード方式を用いる場合、該ブレード材質は被クリーニング部材への当接均一性をもたせるために一般的にゴム材質のものを用いる。なお、このブレードクリーニング方式において、ブレードの上流側に被クリーニング部材(中間転写ベルト等)上の残留トナーを掻き乱して回収させるファーブラシ等のような部材を設けることは一般的なこととなっている。
そして、上記したような画像形成装置において、黒以外の有色トナーを用いる場合には、発色のよい磁性トナーの開発が課題となっていることにより、1成分現像方式による製品化は遅れている。しかし、黒トナーを用いる場合には、磁性トナーにおける1成分現像方式を用いることが非常に有効であることが知られており、ランニングコストを非常に低く押さえることができるメリットからも、1成分現像システムが既に白黒機を中心に製品化されている。このような1成分現像システムは、2成分方式に比較してトナーとキャリアの割合を一定に保つための装置や工夫等が不要となり、メンテナンスやランニングコストの面で非常に有利なものとなっている。
そして、ゴム材質からなるクリーニングブレードを有したクリーニング装置を用いた画像形成装置においては、該ブレードのエッジ部におけるゴムの磨耗等の耐久性が課題となることが多く見られる。これにより、例えば、磁性現像剤を用いる画像形成装置の場合、磁界発生手段を設けることでクリーニングブレードのエッジ部に潤滑剤としての現像剤を供給し、高耐久性を達成させるような構成のものが提案されている(特許文献1参照)。
また、クリーニング装置を有した画像形成装置にあっては、その保守の際に、クリーニング装置や中間転写ベルト等の交換作業を要する場合が生じる。そのような際、それら部材の交換容易性を達成するために、中間転写ベルト等の被クリーニング部材とクリーニング装置をユニット化し、それらを一体で交換可能とするような構成のものが見受けられる。
特開2004−347795号公報
ところで、上記特許文献1に示したような従来の一般的な画像形成装置にあって、これに搭載させるクリーニング装置は、中間転写ベルト上の残留トナーを収拾して排出する機能を有している。これにより、クリーニング装置単体を分離させる際には、該クリーニング装置を移動させる方向、つまり多くの場合において重力方向に対する移動に制約が生じるものとなっていた。これは、クリーニング装置が、例えば中間転写ベルトに対してその上部から配設されているような場合、これを引き上げるように分離させると、開口部近傍に残った残留トナー(廃トナー)が落下して下方に配されている部材や床等を汚す虞があったことによる。従って、従来においては、クリーニング装置における開口部が上方を向くように形成又は配設されているときのみ、該クリーニング装置の分離を容易に行うことが可能となっていた。
そこで、クリーニング装置が、廃トナーの落下等を招きにくい状態で、かつ中間転写ベルトから分離させ易いものにするためには、その開口部の向きを上側に規定して配することが望ましいものと考えられる。しかしながら、クリーニング装置における開口部が上側を向くように規定することは、装置全体の設計や製造等といった本体構成上の制約が大きくなり、実際は手間と時間のかかる交換作業となっていた。
そこで本発明は、保守や点検等の必要性に基づき、像担持体とクリーニング装置とを分離させる際に生じ得る不具合を抑制させるように構成し、もって上述した課題を解決した画像形成装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、画像形成時にトナー像を担持して所定方向に移動する像担持体と、前記像担持体に接触し、該トナー像が転写された後に前記像担持体に残留する残留トナーを収容部へと回収し前記像担持体をクリーニングするクリーニング装置と、前記像担持体に接触した前記クリーニング装置と前記像担持体とを分離する分離手段と、を有し、前記クリーニング装置は、下部に開口部を有するケーシングと、前記開口部よりも前記所定方向下流側に配置され、前記像担持体に残留する残留トナーを掻き取るクリーニングブレードと、前記クリーニングブレードよりも前記所定方向上流側に配設され、回転して残留トナーを前記開口部から前記収容部へと回収する回収機構と、を備えた画像形成装置において、前記クリーニング装置は、前記像担持体と摺接し、前記回収機構の前記所定方向上流側の外周部を沿うように覆うカバー部材を有し、前記分離手段は、前記クリーニング装置と前記像担持体とが分離される際、前記像担持体を前記所定方向と逆方向に、少なくとも前記クリーニングブレードと前記カバー部材との前記像担持体上の間隔以上移動させると共に、前記回収機構を前記像担持体の逆方向の移動に沿う方向に回転させた後に、前記クリーニング装置と前記像担持体とを分離する、ことを特徴とするものである。
本発明によれば、クリーニング装置が像担持体から分離されて移動された場合等に、像担持体のクリーニング装置の接触位置に残った残留トナーが、像担持体上や床等に脱落したり飛散したりすることを可及的に防ぐことができる。従って、像担持体とクリーニング装置とを分離させて行う作業、例えばクリーニング装置や像担持体の交換等に係る作業を効率的かつ容易に行うことができる。
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態にかかる画像形成装置1を、図1及び図2に沿って説明する。図1は第1の実施の形態における画像形成装置の概略断面図、図2はクリーニング装置等が中間転写体から離間された状態を示す概略断面図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、電子写真方式のフルカラー複写機であって、例えば図示しないコンピュータ等からネットワークを介して送られる画像信号に従って記録媒体(例えば紙)に画像を形成するものである。該画像形成装置1は、4色分の画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdを有し、各ステーションPa,〜,Pdで形成された4色分の画像を中間転写ベルト(像担持体)5上でフルカラー画像として形成する。そして、この中間転写ベルト5は、主に、回転の駆動力を伝達する駆動ローラ80、中間転写ベルト5の張力に影響を与えるテンションローラ81、中間転写ベルト5を挟んで2次転写ローラ52に対向する従動ローラ82に掛け渡された状態で回転駆動される。更に、中間転写ベルト5を回転駆動する駆動ローラ80は、不図示のマイクロコンピュータ等からなる回転制御部(補集手段)83によってその回転速度や回転の向きが適時に制御されるものとなっている(後述する図3参照)。
また、例えば、上記した第1番目の画像形成ステーションPaでは、画像形成装置1における感光体1aが、帯電手段2aによって一様に帯電され、更にレーザー発振器3aから画像信号に基づいて光線が照射される。感光体1a上の上記光線が照射された部分は、電荷が減衰することで静電潜像が形成されると共に、現像装置4aにて現像剤であるトナーによって現像されて可視像化される。中間転写ベルト5は、一次転写ローラ51aによって感光体1aに押し当てられており、一次転写ローラ51aに転写電圧が印加されることによって感光体1a上に可視像化されたトナー像が転写される。
また、他の第2番目から4番目までの画像形成ステーションPb,Pc,Pdにあっては、それぞれに感光体1b,1c,1dを有している。そして、上記した画像形成ステーションPaと同様、帯電手段2b,2c,2d、レーザー発振器3b,3c,3d、現像装置4b,4c,4d、及び一次転写ローラ51b,51c,51dによって各色のトナー像を中間転写ベルト5に転写する。ここで、上記一次転写ローラ51dは分離手段として構成されている。そして、フルカラー画像を形成するためには、前述した画像形成ステーションPaにて転写されたトナー像の上から、画像形成ステーションPb,Pc,Pdにて転写された各色のトナー像が重ねて転写される。
その後、記録媒体であるシートが、カセット9から2次転写ローラ52部位に給紙され、4色分のトナー像が一括転写され、シート上に転写されたトナー像は、定着手段8によって熱と圧力とが加えられることで定着される。その後、感光体1a,1b,1c,1d上に残留したトナーは、それぞれ感光体クリーニング装置6a,6b,6c,6dによって回収・除去され、再び画像形成に供される。また、中間転写ベルト5上に残留したトナーは、中間転写体クリーニング装置7(以下クリーニング装置7と略す)によって回収・除去され、再び画像形成に供されることとなる。
一方、作像動作時にあっては、テンションローラ(分離手段)53及び一次転写ローラ51dにより、中間転写ベルト5の上部が、上方へと押し上げられた状態(図2の破線Aに示す位置)に維持されている。これにより、感光体1a,1b,1c,1dと中間転写ベルト5とが近接した状態となり、トナー像の転写がなされる。しかし、これらテンションローラ53及び一次転写ローラ51dは、画像形成装置1に設けられた不図示のレバーの操作によって下方へ下げることができ、それに伴って中間転写ベルト5自体を下方側へ移動し維持させることができる。作業者は、このようなレバー操作を行うことにより、中間転写ベルト5を下方側へと移動させ、中間転写ベルト5とクリーニング装置7とを分離させた状態で各種の保守・メンテナンス作業を行う。
なお、本実施の形態における感光体1a,〜,1dには、チタニルフタロシアニン顔料を用いた電荷発生層とビスフェノールZ型ポリカーボネートをバインダーとする電荷輸送層として塗布したOPC(有機光半導体)感光体を用いるものとする。しかし、それらに限定されることなくa−Si感光体やSe感光体等を用いてもよい。
また、本実施の形態におけるトナーは、樹脂層にスチレン−ブチルアクリレートをバインダーとして顔料等を混合した、粉砕法によって得られたトナーを用いるものとする。
また、本実施の形態における中間転写ベルト5は、厚さ100μmのポリイミド樹脂シート(体積抵抗率10〜1010Ωcm程度)を用いるものとする。しかし、ベルト材質としてはポリイミドに限るものではなく、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム及びポリフッ化ビニリデン樹脂フィルム等のような誘電体樹脂であってよいことは勿論である。更に、ウレタンやクロロプレン等のゴム弾性を有する有機化合物、又は上述したような樹脂とゴム弾性を有する物質の複合体であってもよい。
次に、本実施の形態におけるクリーニング装置7について、図3ないし図5に沿って説明する。図3は本実施の形態におけるクリーニング装置7の作像時の動作を示す概略側断面図、図4は本実施の形態におけるクリーニング装置7の停止時の動作を示す概略側断面図、図5は本実施の形態におけるクリーニング装置7の離間時の動作を示す概略側断面図である。なお、回転制御部83は、図3のみに示しているが他の図4,5ではその記載を省略している。
図3ないし図5に示すように、クリーニング装置7は、クリーニングブレード71、クリーニングブレード補助部材(回収機構)72、及びすくいシート(カバー部材)76を有してなる。これらの部材は、全てクリーニング装置7に設けられた開口部78近傍に配設されており、クリーニング装置7自体は該開口部78を有したケーシング75を備えるものとなっている。
クリーニングブレード71は、耐磨耗性や塑性変形の観点から熱可塑性ポリウレタンゴムを使用し、そのゴム硬度はJIS Aで70°とする。このクリーニングブレード71は、中間転写ベルト5におけるトナー像の移動方向(所定方向、矢印X1参照)を基準としたクリーニング装置7下部の比較的下流側(開口部78よりも所定方向下流側)に取り付けられ、不図示の支持部材によって支持されている。該クリーニングブレード71は、一辺のエッジが中間転写ベルト5との接触位置71aに当接されている。このエッジ部分は、中間転写ベルト5を介した背面側に位置するテンションローラ53からの押圧力を受けることにより摺動性が向上され、2次転写ローラ52にて転写されなかった残留トナーTが該エッジへと達した際には、これによって掻き取られることとなる。
クリーニングブレード補助部材72(以下、ファーブラシ72という)は、金属性の芯部材72b上に導電性繊維からなるブラシ層(外周部)72cが配設され、外形としては略々円柱形状を呈したファーブラシからなる。ファーブラシ72は、クリーニング装置7の開口部78の直下方、つまりクリーニングブレード71の所定方向上流側(矢印X1方向を基準として)近傍に配設され、接触位置(位置)72aにて中間転写ベルト5と接触している。ファーブラシ72は、この接触位置72aにてブラシ層72cに残留トナーを静電的に付着させることで収拾する。ファーブラシ72は、回転制御部83(図3参照)によって回転速度や回転の向きが制御され、接触位置72aにてブラシ層72cに残留トナーを静電的に付着させることで収拾する。なお、上記したようにファーブラシ72が用いられると、ブラシ層72cによって中間転写ベルト5上の残留トナーが掻き乱されることにより、クリーニングブレード71による残留トナーの掻き取り効果を向上させることができる。
すくいシート76は、ファーブラシ72の所定方向上流側(矢印X1方向を基準として)近傍に配設され、ファーブラシ72の外周部であるブラシ層72cの外形を沿うように覆い、接触位置76aにて中間転写ベルト5と摺接するように配設されている。該すくいシート76は、クリーニングブレード71にて掻き取られた残留トナーや、ファーブラシ72によって収拾される残留トナーがこれらから離脱し、すくいシート76より上流側(矢印X1方向を基準として)に戻らないように受容するものとなっている。このすくいシート76を配設することにより、該すくいシート76より上流側に位置する中間転写ベルト5に向って残留トナーが逆流し、中間転写ベルト5が繰り返し汚れてしまうような状況が生じることを抑制させることができる。
上記したような構成のクリーニング装置7では、中間転写ベルト5上を矢印X1の方向に移動される残留トナーが、回転状態にあるファーブラシ72のブラシ層72cに付着することで、逐次収拾される状態となる。更に、該残留トナーを収拾したファーブラシ72が回転されると、ブラシ層72cがフリッカーバー74に接触することにより、該ブラシ層72cにおけるブラシが上方へはね上がる。これにより、ブラシ層72cに収拾された残留トナーは、ファーブラシ72の回転方向へと跳ね飛ばされ、残留トナーが開口部78から搬送手段(収容部)73へくみ上げられるようにして回収されることとなる。ここで、該搬送手段73は、ケーシング75内に配置されており、ファーブラシ72に収拾されて該ケーシング75内に回収された残留トナーを、例えば図3の紙面奥行き方向に搬送し、クリーニング装置7から排出させるものである。このような構成とすることにより、ケーシング75内に回収した残留トナーが詰まったり或いは蓄積されたりすることを防ぐものとしている。
そして、本発明における補集手段は、前述した回転制御部83を有し、中間転写ベルト5、ファーブラシ72、すくいシート76、及び駆動ローラ80によって実現されるものである。
次に、クリーニング装置7を中間転写ベルト5から離間する際の流れについて、前述した図1ないし図5に加え、図6を併せて参照しつつ説明する。図6は、クリーニング装置7と中間転写ベルト5とを分離する際の各部の経時変化を示すタイミングチャートである。
画像形成装置1にあって、中間転写ベルト5や感光体1a,〜,1d等を保守・交換するような場合には、図2に示すように、中間転写ベルト5を破線Aの作像状態の位置から下方に分離させる。このように、中間転写ベルト5が下方に移動されると、該中間転写ベルト5とクリーニング装置7とが離間し、中間転写ベルト5や感光体1a,〜,1d等の交換を容易に行うことが可能となる。この中間転写ベルト5の移動動作は、画像形成装置1に設けられた不図示のレバーを、作業者が操作(以下、この操作を加圧解除動作という)することを契機として起動される。
上記加圧解除動作は、上記レバーに対する作業者の操作が契機となり(図6(a)のグラフが動作状態へ変位)、その操作指令がカム等を介して中間転写ベルト5における移動駆動機構へと伝達されることにより実行される。従って、レバーの回動動作が契機とはなるものの、該レバーの回動動作とは時間差をおいた形で加圧解除動作が実行されるものとなる。通常の作像時(画像形成時)の状態において、中間転写ベルト5は、矢印X1に示される向き(所定方向)に無端状に回転されると共に、ファーブラシ72は矢印Bに示される向きに回転されている。この最中、転写後の残留トナーがクリーニング装置7の方に逐次移動され、摺動しているファーブラシ72に接触した際には、ブラシ層72cにて静電的に付着されて収拾される。ファーブラシ72にて収拾された残留トナーは、すくいシート76に覆われたファーブラシ72の上流側外周面に沿って運ばれ、搬送手段73へと回収されることとなる。
このような中で、前述したような加圧解除動作のためのレバー操作が行われると、まず回転制御部83の制御によって中間転写ベルト5が作像時と(所定方向と)逆方向に回転駆動される(図6(b)のグラフが動作状態へ変位)。これにより、クリーニングブレード71にて掻き取られて滞留している残留トナーが、ファーブラシ72の直下方まで後退されることとなる。このときの態様は図4に示されており、中間転写ベルト5が矢印X3に示される方向に後退することで、クリーニングブレード71近傍にて掻き取られた残留トナーが作像時の方向とは逆向きに移動していく。このとき、中間転写ベルト5は、クリーニングブレード71先端とすくいシート76先端とで形成される間隙にあって、少なくともその幅以上(少なくともクリーニングブレード71とすくいシート76との中間転写ベルト5上の間隔以上)の距離が後退するように移動される。
次いで、中間転写ベルト5が作像時と逆方向に回転駆動され、上記したように残留トナーを後退させている最中にあっては、ファーブラシ72は矢印Bに示す向き(中間転写ベルト5の逆方向の移動に沿う方向)に回転(図6(c)のグラフが動作状態へ変位)される。これにより、クリーニングブレード71から後退移動されてきた残留トナーは、ファーブラシ72におけるブラシ層72cにて静電的に付着され、逐次収拾されることとなる。そして、このブラシ層72cに収拾された残留トナーは、ファーブラシ72の回収経路をなす外周面に沿うように移動される、つまりファーブラシ72の上流側に位置するすくいシート76にて覆われた側から回収動作されることとなる。
このように、ファーブラシ72は、その外周面をすくいシート76に覆われた側へと回転することにより、収拾した残留トナーがすくいシート76の内方に受容されるような位置へと移動し、補集されるものとなる。これにより、クリーニング装置7と中間転写ベルト5とを分離する際、クリーニング装置7の開口部78近傍の(クリーニングブレード71とすくいシート76との間に残留する)残留トナー、主にクリーニングブレード71に堆積した残留トナーを、脱落させず、床や中間転写ベルト5等を汚さずに行うことができるようになる。従って、クリーニング装置7や中間転写ベルト5等を交換する際、両者が別体である場合にあっても、トナー汚れを生じさせずに交換作業を行うことができるようになる。
また、残留トナーを取り込むための開口部78を、一般的なクリーニング装置と同じ機体下部に有する態様のまま、残留トナーの落下防止を実現させることができるようになる。これにより、残留トナーの落下防止を目的とするクリーニング装置の設計の幅を広げることができると共に、クリーニング装置7及び画像形成装置1の製造を効率的に行うことができるようになる。
そして、上記したようにファーブラシ72が残留トナーを収拾し、該残留トナーを補集すると、図3に示すように、中間転写ベルト5及びファーブラシ72における回転はそれぞれに停止される(図6(b),(c)のグラフが非動作状態へ変位)。そして、これと同時に、テンションローラ53及び一次転写ローラ51a,〜,51dが移動駆動機構によって下方に移動され(図6(d)のグラフが動作状態を経て非動作状態へと変位)、クリーニング装置7と中間転写ベルト5とが分離された状態となる。上記したように、クリーニング装置7と中間転写ベルト5とが分離されると、レバーにより起動される一連の処理動作が終了する(図6(a)が非動作状態へ)。
なお、図3にあっては、ファーブラシ72の回転方向(矢印B)は、中間転写ベルト5の進行方向(矢印X1)に対してカウンター方向に設定してある。しかし、残留トナーの回収性や被クリーニング部材である中間転写ベルト5の研磨清掃能力等に応じ、その回転方向や速度等を設定すればよいものとする。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態にかかるマグネットローラ77を用いたクリーニング装置7を、図7及び図8を用いて説明する。図7は第2の実施の形態におけるクリーニング装置7の作像時の動作を示した概略側断面図、図8は本実施の形態におけるクリーニング装置7の離間時の動作を示した概略側断面図である。但し、図1ないし図5と共通する構成については同じ符号を付し、それぞれの符号の説明を援用する。なお、トナーとして少なくとも一色は磁性体を内包した磁性トナーが用いられることから、本第2の実施の形態における画像形成装置1では、通常よく用いられる黒トナーに磁性トナーを用いるものとしている。
すなわち、図7に示すマグネットローラ(回収機構)77は、6極対称の磁極配置となった芯部77bと、その外周面を覆う外周部77cとからなっており、磁力の発生する部位の磁束密度は50mTとなっている。マグネットローラ77は円柱形状をしており、接触位置(位置)77aにおいて外周部77cの一部が中間転写ベルト5の表面に摺接されながら回転されている。これにより、該マグネットローラ77は、その外周面の表面に生じる磁力によって、中間転写ベルト5の表面にある残留トナーを付着させて収拾動作する。
通常の作像動作中にあっては、残留トナーを捕捉(付着)したマグネットローラ77が、被クリーニング部材である中間転写ベルト5に摺接することでクリーニングブレード71エッジ部に残留トナーを供給するように矢印C1方向に回転している。これにより、クリーニングブレード71の摺動性が向上されるものとなっている。
そして、作像動作時における回転方向は矢印C1に示すものとなっているが、クリーニング装置7と中間転写ベルト5とが分離される際には、マグネットローラ77の回転方向は作像動作時と逆回転(矢印C2、中間転写ベルト5の逆方向の移動に沿う方向)となる。矢印C2方向に回転したマグネットローラ77は、その外周面に磁力によって残留トナーを付着させ、該外周面がすくいシート76内に受容される上流側に向って回転することで残留トナーの補集を行う。
従って、本第2の実施の形態に示すような構成とすることで、クリーニング装置7と中間転写ベルト5とを分離した際にあっても、クリーニング装置7近傍で未回収にある残留トナーが下方にぼた落ちすることを可及的に防ぐことができるようになる。これにより、画像形成装置1を保守・点検等する場合において、クリーニング装置7と中間転写ベルト5とを容易に分離させることができ、部材交換等を容易にすることができるものとなる。
以上のように、本発明にかかる画像形成装置は、保守・部品交換等を効率的に行う際に有用であり、特に、作業の迅速性が要求される画像形成装置に適している。
第1の実施の形態における画像形成装置の概略断面図である。 クリーニング装置等が中間転写体から離間された状態を示す概略断面図である。 本実施の形態におけるクリーニング装置の作像時の動作を示す概略側断面図である。 本実施の形態におけるクリーニング装置の停止時の動作を示す概略側断面図である。 本実施の形態におけるクリーニング装置の離間時の動作を示す概略側断面図である。 クリーニング装置と中間転写ベルトとを分離する際の各部の経時変化を示すタイミングチャートである。 第2の実施の形態におけるクリーニング装置の作像時の動作を示した概略側断面図である。 本実施の形態におけるクリーニング装置の離間時の動作を示した概略側断面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
5 像担持体(中間転写ベルト)
7 クリーニング装置
51d 分離手段(一次転写ローラ)
53 分離手段(テンションローラ)
71 クリーニングブレード
72 回収機構(クリーニングブレード補助部材、ファーブラシ)、ファーブラシ
72a 位置(接触位置)
72c 外周部(ブラシ層)、ブラシ層
73 収容部(搬送手段)
76 カバー部材(すくいシート)
77 回収機構(マグネットローラ)、マグネットローラ
77a 位置(接触位置)
77c 外周部
83 補集手段(回転制御部)
T 残留トナー

Claims (4)

  1. 画像形成時にトナー像を担持して所定方向に移動する像担持体と、前記像担持体に接触し、該トナー像が転写された後に前記像担持体に残留する残留トナーを収容部へと回収し前記像担持体をクリーニングするクリーニング装置と、前記像担持体に接触した前記クリーニング装置と前記像担持体とを分離する分離手段と、を有し、
    前記クリーニング装置は、下部に開口部を有するケーシングと、前記開口部よりも前記所定方向下流側に配置され、前記像担持体に残留する残留トナーを掻き取るクリーニングブレードと、前記クリーニングブレードよりも前記所定方向上流側に配設され、回転して残留トナーを前記開口部から前記収容部へと回収する回収機構と、を備えた画像形成装置において、
    前記クリーニング装置は、前記像担持体と摺接し、前記回収機構の前記所定方向上流側の外周部を沿うように覆うカバー部材を有し、
    前記分離手段は、前記クリーニング装置と前記像担持体とが分離される際、前記像担持体を前記所定方向と逆方向に、少なくとも前記クリーニングブレードと前記カバー部材との前記像担持体上の間隔以上移動させると共に、前記回収機構を前記像担持体の逆方向の移動に沿う方向に回転させた後に、前記クリーニング装置と前記像担持体とを分離する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記像担持体は、中間転写ベルトであり、
    前記中間転写ベルトは、前記分離手段により前記クリーニング装置と接触した状態から下方に分離される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記回収機構は、外周部に導電性のブラシ層を有するファーブラシであり、前記像担持体に残留する残留トナーを該外周部に静電的に付着させて回収する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記回収機構は、外周部に磁力を発生するマグネットローラであり、前記像担持体に残留する残留トナーを該外周部に磁気的に付着させて回収する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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