JP4803965B2 - 接合ゲート型静電誘導型サイリスタおよび当該接合ゲート型静電誘導型サイリスタを用いた高圧パルス発生装置 - Google Patents

接合ゲート型静電誘導型サイリスタおよび当該接合ゲート型静電誘導型サイリスタを用いた高圧パルス発生装置 Download PDF

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Description

本発明は、高圧パルス発生装置に用いられる接合ゲート型静電誘導型サイリスタに関する。
高圧パルスによるプラズマを用いてレーザー発振やガス分解を行う技術が従来より検討されている。当該技術では、短パルス幅の高圧パルスの利用が望まれるが、従来短パルス幅の高圧パルスを発生させるためには高電圧の入力電源が必要等大規模な高圧パルス発生装置が必要であった。
一方、短パルス幅の高圧パルスを小型・低コストで実現するための高圧パルス発生装置が非特許文献1に開示されている。非特許文献1の高圧パルス発生装置に採用されている回路は、静電誘導型サイリスタのターンオフ動作を主に活用しており、IES(Inductive Energy Storage)回路と称される。
清水尚博 他:「誘導エネルギー蓄積型パルス電源におけるSIサイリスタの動作解析」,The 16th Symposium of Static Induction Devices,ISSN 1340-5853,SSID-03-8,PP.49-53(June.13,2003)
上述のIES回路は、小型・低コストで構築可能であるという優れた特徴を有するが、使用される静電誘導型サイリスタ(以降 SIThyとも称す)の具体的構成は十分に検討されていない。このため、高圧パルス発生装置の動作条件によってはSIThyが破壊される場合や、短パルス幅の高圧パルスを発生させることができない場合があった。しかしIES回路用に用いられるSIThyに関しては必要以上の冗長設計が行われてSIThyが大型化し製造コストが増加したりSIThy部での発生損失が大きいことにより発生周波数が上げられない等の場合もあった。
本発明は、この問題を解決するためになされたもので、動作中に破壊される危険が少なく、短パルス幅の高圧パルスを発生させることができる高圧パルス発生装置用の小型・低コストのSIThyを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、誘導性素子を用いた高圧パルス発生装置において用いられ、アノード・カソード間が前記誘導性素子と直列に接続される接合ゲート型静電誘導型サイリスタであって、発生する高圧パルスのエネルギーに対応して前記電源から供給される電気エネルギーを増加させたときに前記高圧パルスの飽和電圧が、前記静電誘導型サイリスタのゲート・カソード間短絡時のアノード・カソード間順方向耐圧以下の飽和電圧で飽和する特性を有することを特徴とする。
請求項1の発明は、(a)前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタのオン状態において主電流が流れる半導体基板内のベース層の厚みと、前記高圧パルス発生装置の高圧パルス発生動作においてアノード・カソード間への電流の供給を停止した時に前記ベース層に生じる空乏層の厚み幅とが、前記飽和電圧において一致するように、前記ベース層の厚みおよび不純物濃度が決定されていることと、(b)アノードエミッタ層と前記ベース層との間にバッファ層を備え、静特性としてのアノード・カソード間順方向耐圧に相当する電圧が前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタのアノード・カソード間の順方向に印可された場合に、前記半導体基板内に生じる空乏層が前記バッファ層と前記アノードエミッタ層との界面に達するように、前記バッファ層の厚みおよび不純物濃度が決定されていることと特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の接合ゲート型静電誘導型サイリスタであって、アノード電極に接続されたpエミッタ領域と、前記pエミッタ領域上に設けられたnバッファ領域と、前記nバッファ領域上に設けられたnベース領域と、前記nベース領域に埋め込まれたpベース領域と、前記nベース領域上に設けられ、カソード電極に接続されたnエミッタ領域と、を備え、ゲート電極を介した電流導通が可能なゲート電極と前記pベース領域とがオーミック接触されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の接合ゲート型静電誘導型サイリスタにおいて、前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタが形成されている半導体基板の材質がSi,SiCおよびGaNからなる群より選択される1つ以上からなることを特徴とする。
請求項4の発明は、誘導性素子と、アノード・カソード間が前記誘導性素子と直列に接続された接合ゲート型静電誘導型サイリスタと、直列接続された前記誘導性素子と前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタのアノード・カソード間とに電流を供給する電源とを備え、前記電源からの電流の供給停止時に前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタのゲートを介して前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタ内のベース領域からキャリアを引き抜くことによって前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタに空乏層を生成させるとともに、前記空乏層によって容量性素子として機能するようになった前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタに電流を転流することによって前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタに電荷を蓄積し、しかる後に当該電荷を放電させることによって高圧パルスを発生する高圧パルス発生装置であって、前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタとして、請求項1ないし請求項3のいずれかの接合ゲート型静電誘導型サイリスタが使用されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、高圧パルスの電圧がSIThyの耐電圧を大幅に超えない上、発生する順方向のパルス電圧上昇率が抑えられるため、SIThyの破壊を防止可能である。
請求項2または請求項3の発明によれば、所定の半導体領域から高速にキャリアを引き抜くことが可能になるので、SIThyのターンオフ動作が高速になり、立ち上がりの早い高圧パルスを発生させることが可能になる。
請求項4の発明によれば、小型の高圧パルス発生装置を実現可能である。
SIThyのターンオフ機能を用いオープニングスイッチとしたパルス発生装置の場合、過度の電圧上昇率、dV/dtが例えば2kV/μs以上SIThyに印加されるとSIThyが永久破壊することがある。このSIThyの弱点を解決するための新たな高圧パルス発生装置がIES回路であり、この回路によりSIThyの耐電圧上昇率を半導体基板破壊の限界値(100kV/μs以上)に到達させることが可能となる。以下では、このようなIES回路を用いた高圧パルス発生装置について説明する。
実施形態に係る高圧パルス発生装置は、直流電源から供給される電気エネルギーを用いて短パルス幅の高圧パルスを発生させる。当該高圧パルス発生装置は、例えば、ガス分解用の放電プラズマを発生させるために用いられる。当該高圧パルス発生装置は、特に、使用電源および設置スペースの制約が厳しい自動車に搭載される、窒素酸化物等の大気汚染物質を分解するための小型排ガス処理装置を構成する高圧パルス発生装置等として用いられる。
当該高圧パルス発生装置は、体積が数10cm以下の小型の筐体に収納された状態で提供される。当該高圧パルス発生装置は、SIThyの良好なターンオフ特性を利用して短パルス幅の高圧パルスを発生させる。すなわち、当該高圧パルス発生装置は、SIThyをクロージングスイッチ及びオープニングスイッチとして利用して短パルス幅の高圧パルスを発生させる。
<パルス電源のIES回路>
実施形態に係る高圧パルス発生装置1は、SIThyのクロージングスイッチ機能の他、オープニングスイッチング機能を用いてターンオフを行い、当該ターンオフによりSIThyのゲート・アノード間に高圧を発生させるIES(Inductive Energy Storage)回路である。図1は、高圧パルス発生装置1のIES回路2を例示する回路図である。
IES回路2は、電流供給源となる低電圧直流電源11を備える。低電圧直流電源11の具体的態様は制限されないが、例えば、自動車用等の低電圧の鉛蓄電池を低電圧直流電源11として利用可能である。低電圧直流電源11の電圧Vは、IES回路2が発生させる高圧パルスのピーク電圧Pより著しく低い電圧であることが許容される。例えば、後述する昇圧トランス13の1次側T1に発生させる1次側電圧Vのピーク電圧Pが4kVに達しても、電圧Vは数10V〜数100V、典型的には40V〜150Vであることが許容される。この電圧値の下限は後述するSIThy14のラッチング電圧以上で決定される。IES回路2は、このような低電圧の直流電源を電気エネルギー源として利用可能であるので、小型・低コストに構築可能である。
低電圧直流電源11には、昇圧パルス発生部PCと充電用コンデンサ12とが並列接続される。充電用コンデンサ12は、低電圧直流電源11のインピーダンスを見かけ上低下させることにより低電圧直流電源11の放電能力を強化する。低電圧直流電源11の電圧Vは、昇圧パルス発生部PCで昇圧されるが、この昇圧パルス発生部PCは、昇圧トランス13、SIThy14、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)(以下では単に「FET」とも称する)15、ゲート駆動回路16およびダイオード17を備えている。
IES回路2では、昇圧トランス13の1次側T1と、SIThy14のアノードA・カソードK間と、FET15のドレインD・ソースS間とが直列接続される。すなわち、昇圧トランス13の1次側T1の一端P1が低電圧直流電源11の正極に、昇圧トランス13の1次側T1の他端P2がSIThy14のアノードAに、SIThy14のカソードKがFET15のドレインDに、FET15のソースSが低電圧直流電源11の負極に接続される。これにより、低電圧直流電源11からこれらの回路素子に電流を供給可能になる。また、IES回路2では、SIThy14のアノードA・ゲートG間がダイオード17を介して昇圧トランス13の1次側T1と並列接続される。すなわち、SIThy14のゲートGがダイオード17のアノードAに、ダイオード17のカソードKが一端P1(低電圧直流電源11の正極)に接続される。FET15のゲートG・ソースS間には、ゲート駆動回路16が接続される。
昇圧トランス13は、1次側T1に与えられた高圧パルスをさらに昇圧して2次側T2に出力する場合に付加される。昇圧トランスの2次側T2には負荷LDが接続される。昇圧トランス13の1次側T1は自己インダクタンスLを有する誘導性素子になっている。
SIThy14は、ゲートGに与えられる信号に応答してターンオンおよびターンオフが可能である。SIThy14は、昇圧トランス13の1次側T1に所望の電圧の高圧パルスを発生させた場合のピーク電圧P以上の実用耐電圧(アノードA・カソードK間の順方向耐電圧、以下も同じ)を有する。ここでいう「実用耐電圧」とは、SIThy14に非可逆的な変化を与える限界耐電圧(アノードA・カソードK間の順方向耐電圧、以下も同じ)VAKSより低い電圧であり、典型的には当該限界耐電圧VAKSの約80%の電圧である。また、上記の限界耐電圧VAKSはSIThy 14のゲートG・カソードK間が短絡状態(以下では「GK短絡状態」とも称する)のアノードA・カソードK間の順方向耐電圧に相当する。
FET15は、ゲート駆動回路16から与えられる信号に応答してドレインD・ソースS間の導通状態が変化するスイッチング素子である。FET15のオン電圧ないしはオン抵抗は低いことが望ましい。また、FET15の耐圧は電圧Vより高いことを要する。
ダイオード17は、SIサイリスタ14のゲートGに正バイアスを与えた場合に流れる電流を阻止するため、すなわち、SIThy14のゲートGに正バイアスを与えた場合にSIThy14が電流駆動とならないようにするために設けられる。
<SIサイリスタの概略構成>
SIThy14は、正のゲート電圧をゲートGに印加することによりターンオンが可能であるとともに、負のゲート電流をゲートGに流すことによりターンオフが可能である。以下では、このようなSIThy14の概略構成を説明する。
SIThy14は、n型の半導体基板に、不純物拡散およびエピタキシャル成長により複数の半導体領域を形成することによって得られる。n型の半導体基板の材質は、例えば、Si,SiCおよびGaNからなる群より選択される1つ以上からなる。
図2は、略円板形状を有するSIThy14の断面構造を模式的に示す断面模式図である。
SIThy14は、pエミッタ(アノードエミッタ)領域141、nバッファ領域142、nベース領域143、pベース領域144およびnエミッタ(カソードエミッタ)領域145を備える。pエミッタ領域141、nバッファ領域142、nベース領域143およびnエミッタ領域145は、この記載順で隣接して積層されており、pベース領域144はnベース領域143に埋め込まれた複数の埋め込み領域として存在している。pベース領域144の各埋め込み領域の中間部はキャリアが通過するチャネル146となっている。すなわち、SIThy14は、nベース領域143にpベース領域144が埋め込まれたチャネル構造を備えている。
pエミッタ領域141、pベース領域144およびnエミッタ領域145は、それぞれ、アノード電極147、ゲート電極148およびカソード電極149と接続される。ゲート電極148は、金属ないしはポリシリコン等の低抵抗の多結晶半導体からなり、pベース領域144に接合される。すなわち、SIThy14は、ゲート電極148がpベース領域144に酸化物膜を介さずに直接接触させられる接合ゲート構造を有する。これにより、SITHY14では、ターンオフ時に電流駆動によりキャリアの移動(ホールの引き抜き)を高速に行うことが可能である。
上述の各領域のうち、pエミッタ領域141、pベース領域144およびnエミッタ領域145は不純物を高濃度に含む領域となっている。一方、nベース領域143の不純物濃度は1012から1013/cm程度であり、nバッファ領域142よりも不純物濃度が低い。
SIThy14は、ゲートG・カソードK間が正バイアスされた状態になるとゲートポテンシャルが正方向に低下する。これにより、SIThy14は、チャネル146に電子が注入されターンオンが可能な状態となる。なお、SIThy14は、ゲートGを電流駆動してキャリアを高速注入すれば50ns〜100nsの時間でターンオンが可能であるが、ゲートGの電圧駆動によっても1μs以内でターンオンが可能である。
一方、SIThy14は、ゲートG・カソードK間が逆バイアスされた状態になると、ゲートGからホールが引き抜かれゲートポテンシャルが負方向に上昇する。これにより、SIThy14には、pベース領域144を中心とした空乏層DLが生成する。図3は、SIThy14のnベース領域143に空乏層DL(ハッチング部)が生成した状態を示す断面模式図である。
nベース領域143に空乏層DLが生成した状態になると、SIThy14のアノードA・ゲートG間は空乏層容量Cを有する容量性素子と等価な素子として機能する。また、空乏層DLには電界が生ずるので、SIThy14に空乏層DLが生成した状態となるとSIサイリスタのアノードA・ゲートG間には電位差が生じる。空乏層DLは、SIThy14のゲートGから引き抜かれたホール量が増加するにつれて拡大し、最終的にはnバッファ層142に到達して拡大が緩やかになる。空乏層DLがnバッファ層142に到達し、nベース層143の厚みと空乏層DLの厚みとが一致した状態を以下では「パンチスルー状態」と呼ぶ。図4は、SIThy14のパンチスルー状態を示す断面模式図である。SIThy14が急峻なスイッチング動作によるパンチスルー状態となると、nベース領域143とnバッファ層142の境を中心に急峻な電界が発生し、SIThy14のアノードA・ゲートG間には当該急峻な電界によって局所的にキャリアが誘起されこの移動による漏れ電流が流れる。一般的にこのパンチスルー型の半導体デバイスはパンチスルーしないノンパンチスルー型に比べ、主電極間の基板厚みを薄くできるため、主電極間の電流の流れが速くでき、また導通抵抗を低く出来るためオン損失が低いのが特徴である。IES電源ではSIThyのクロージングスイッチ機能も重要なため、SIThyの基板構造としてはパンチスルー型を用いるのが望ましいが、nバッファ層の厚みが厚すぎたり濃度が濃すぎたりするとこのオン性能は悪化する。
<パルス電源としての動作>
図5は、昇圧トランス13の1次側T1の1次側電流Iおよび1次側電圧Vの、1回の高圧パルス発生における時間変化を示す図である。以下では、図5を参照しながら、1回の高圧パルス発生におけるIES回路2およびSIThy14の動作を動作過程(A)〜(C)の順に説明する。
○動作過程(A);
図5の時間範囲(A)に係る動作過程(A)は、高圧パルスのエネルギー源を磁界エネルギーとして誘導性素子である昇圧トランス13の1次側T1(以下では単に「誘導性素子」とも称する)に蓄積する動作過程である。
まず、ゲート駆動回路16からFET15にオン信号が与えられてFET15のドレインD・ソースS間がオン状態となる。これにより、SIThy14のゲートGがカソードKに対して正バイアスされた状態になるので、ゲートポテンシャルは低下する。ゲートポテンシャルの低下により、チャネル146には電子が注入されて、SIThy14がターンオンする。
SIThy14がターンオンすると、昇圧トランス13の1次側T1には電流が流れはじめる(この時のIES回路中の主電流を図1の(A)の矢印で示す)。この電流の時間増加率dI/dtは式(1)で与えられる。
Figure 0004803965
動作過程(A)では、ダイオード17は逆バイアスされている。このため、動作過程(A)では、ゲートGを電流駆動することによりSIThy14を高速でターンオンさせないで、ゲートGを電圧駆動することにより1μs以下の時間でSIThy14のターンオンを行っている。このようにSIThy14のゲートGを電圧駆動することにより、SIThy14は積極的なゲートからのホール注入は無いものの正常にオンする。
また、動作過程(A)では、SIThy14のターンオン直後に過渡オン電圧VONTが発生し、過渡オン電圧VONTが消滅後に定常的なオン電圧VONが発生する。過渡オン電圧VONTの発生は、ターンオン直後にはSIThy14の基板内部にキャリア充満度が不足していることに起因する。
○動作過程(B);
図5の時間範囲(B)に係る動作過程(B)は、空乏層DLによって容量性素子として機能するようになったSIThy14に電荷を蓄積して高圧を発生させる動作過程である。すなわち、誘導性素子に蓄積された磁界エネルギーを容量性素子に蓄積される電界エネルギーに移行して高圧を発生させる動作過程である。なお、電界エネルギーが蓄積される容量性素子を形成する空乏層DLは、SIThy14のnベース領域143近傍からゲート電極148を介してキャリアであるホールを引き抜くことによって生成される。
まず、電流Iがピーク電流Iに達するあたりの時点でゲート駆動回路16からFET15にオフ信号が与えられてFET15のドレインD・ソースS間がオフ状態となり、低電圧直流電源11から誘導性素子への電流供給が停止される。この時点までで低電圧直流電源11から誘導性素子に供給された電気エネルギーEは式(2)で与えられる。
Figure 0004803965
電流供給停止により、昇圧トランス13の1次側T1からSIThy14に電流が転流される(この時のIES回路中の主電流を図1の(B)の矢印で示す)。この電流により、SIThy14のnベース領域143からホールが引き抜かれ、pベース領域144を中心とした空乏層DLがnベース領域143に拡大する。空乏層DLの拡大に応じてSIThy14のアノードA・ゲートG間の電位差が拡大するので、SIThy14のターンオフ後にある程度時間が経過するとSIThy14のアノードA・ゲートG間にはピーク電圧Vの高圧が発生する。なお、ホールの引き抜きのためにダイオード17に流れる電流は順方向電流であるので、動作過程(B)におけるターンオフは電流駆動により高速に行われる。したがって、上述のピーク電圧Vは数nsの時間で急激に立ち上がる。このピーク電圧Vは、トランス13の1次側T1に印加され、必要により昇圧されて2次側T2から出力される。また、ピーク電圧Vは、誘導性素子に蓄積された磁界エネルギー(電気エネルギーEに等しい)の大きさに応じて高くなる。したがって、IES回路2では、SIThy14のオン期間におけるピーク電流Iを変化させることにより、SIThy14のターンオフ後に発生させるパルスのピーク電圧Vを変化させることができる。
○動作過程(C)
図5の時間範囲(C)に係る動作過程(C)は、容量性素子に蓄積された電荷を放電する動作過程である。
まず、誘導性素子(トランス13の1次側T1)に蓄積されたエネルギーが、回路損失分を除いて容量性素子(SIThy14)に移行すると、動作過程(B)とは逆方向の電流がIES回路に流れる(この時のIES回路中の主電流を図1の(C)の矢印で示す)。この電流は、逆回復現象により逆導通状態となったダイオード17を介してSIThy14のアノードAからゲートGに流れる。この電流により、SIThy14のアノードA・ゲートG間の電位差は急激に低下する。また、動作過程(C)では、ゲートポテンシャルも低下してチャネル146も導通状態となり、SIThy14のアノードA・ゲートG間の電位差を急激に低下させるのに寄与している。
IES回路2においては、式(2)で示される電気エネルギーEから回路の損失によって失われる損失エネルギーを除いたエネルギーを高圧パルスのエネルギーとして取り出すことが可能である。SIThy14は、過渡オン電圧VONTの影響が小さくオン電圧VONが比較的小さいので、エネルギー損失を小さくすることが可能であり低損失の高圧パルス発生回路を実現可能である。
また、動作過程(B)〜(C)で発生した高圧パルスPLのパルス幅tは、上述の誘導性素子と容量性素子との共振周波数の逆数に比例しており、式(3)の近似式で与えられる。
Figure 0004803965
<nベース領域の厚みおよび不純物濃度>
図6は、目標ピーク電圧1000V〜5000Vを得るためにピーク電流Iを50A〜350Aの間で5通りに変化させた場合の、nベース領域143における空乏層DLの状態、オン電圧VON、ピーク電圧Vおよびパルス幅tを示す図である。
図6から明らかなように、ピーク電流Iが250A(目標ピーク電圧が4000V)に達するまでは、ピーク電流Iの増加につれて空乏層DLの厚みWが増加する。しかし、ピーク電流Iをそれ以上に増加させても空乏層DLの厚みWは増加しない。これが先述したパンチスルー状態である。
オン電圧VONは、ピーク電流Iの増加につれて増加する。ピーク電圧Vも電流Iの増加につれて増加するが、SIThy143がパンチスルー状態となる250A以上では増加が飽和傾向となる。すなわち、パンチスルー状態となった後にピーク電流Iを250Aから350Aへと増加させてもピーク電圧Vは4000Vから4200Vにしか増加せず、目標ピーク電圧(パンチスルー現象が起きない場合に実現可能なピーク電圧V)である5000Vには到達しない。一方、パルス幅tは250A以上では増加している。これは、先述したように、パンチスルー状態となるとnバッファ層142に急峻で強い電界が発生しそこで局所的キャリア発生が生じ、漏れ電流が順方向に流れるため、順方向電圧の上昇が抑えられることに起因する。この点は、“清水尚博 他:「SIサイリスタへの印加電圧とパルススイッチング特性,平成15年度電気学会全国大会(March.23,2003)“にも記載されている。また、急峻なパンチスルー状態となるとSIThy14内のキャリアが増大するためターンオフ速度は遅くなり、オープニングスイッチとしてのスイッチング特性が緩和されてIES電源の出力電圧の変化率dV/dtは低下するため安全機能として活用できる。
図6に示す特性を有するSIThy14は、パンチスルー状態となるピーク電流Iによって実現されるピーク電圧V(ここでは4000V)が、SIThy14の静特性として限界耐電圧である5000Vを超えないように構成されている。すなわち、SIThy14は、低電圧直流電源11から供給される電気エネルギーEの増加に対するピーク電圧Vの増加が限界耐電圧(ここでは5000V)以下の飽和電圧(ここでは4000V)近傍で飽和するように構成されている。このような構成により、ピーク電流Iを増加させてもピーク電圧VがSIThy14の限界耐電圧を超えることがない、破壊を自律的に防止する自己保護作用を有するSIサイリスタを実現することができる。
続いて、このようなSIThy14を実現するためのより具体的な構成について説明する。
パンチスルー状態となるピーク電流Iによって実現されるピーク電圧Vは、nベース領域143の総キャリア数に依存している。当該総キャリア数は、nベース領域の不純物濃度と物理的サイズである厚みWによって決定され、その関係は式(4)で与えられる関係を有する。ここで、εは誘電率、qはキャリアの電荷素量、Nは基板の不純物濃度である。
Figure 0004803965
式(4)から算出されるピーク電圧VがSIThy14の限界耐電圧以下、好ましくは限界耐電圧の約80%(実用耐圧とする)となるようにnベース領域143の厚みWおよび不純物濃度を決定することにより、上述の自己保護作用を有するSIThy14を実現することができる。一方SIThyの静特性的耐圧においては、SIThyは実用耐圧以上の順方向耐圧を有する安全な構成が必要である。そのため、Pエミッタ層141上に主耐圧を確保するのに最低限必要な濃度と厚みを有するnバッファ層142を設ける必要がある。より具体的には、上述のパンチスルー状態となるピーク電流以上にピーク電流を増加させて行くと空乏層DLがnバッファ領域142にまで広がり、最終的には図8に示すようにpエミッタ層141とnバッファ層142との界面Tにまで空乏層DLが拡大し、SIThy14のアノードA・ゲート間に流れる電流が急激に増大する。したがって、nバッファ層142のキャリアドープ量を決定するする厚みおよび不純物濃度は、発生させる電圧が静特性的耐圧(非パルス動作による耐圧)に相当する電圧に至るまで、空乏層DLがpエミッタ層141とnバッファ層142との界面Tに到達しないように決定する。
一方、バッファ層142の厚みまたは不純物濃度を増加させると、nバッファ層142のキャリアドープ量が増加し、SIThy14の損失およびスイッチングスピードが劣化するので、バッファ層142の厚みおよび不純物濃度はIES回路2で許容される損失およびスイッチングスピードの範囲内でできる限り小さく決定される。このため、望ましい形態としては、発生させる電圧が静特性的耐圧に相当する電圧に達した時点で、空乏層DLがpエミッタ層141とnバッファ層142との界面Tにちょうど到達するようにバッファ層142の厚みおよび不純物濃度決定する。これにより、SIThy14の耐圧を確保できるとともに、ロスおよびスイッチングスピードの劣化を防止可能である。
<SIサイリスタの有効チャネル面積>
図7は、SIThy14の有効チャネル面積SをS〜6Sの間で6通りに変化させた場合の、ピーク電流Iと、高圧パルスPLの立ち上がり時における1次側電圧Vの時間変化率(以下で「パルス立ち上がり」とも称する)G=dV/dtとの関係を示す図である。図7では、電圧Vは150Vであり、SIThy14の有効チャネル面積S以外の基板厚・各領域の不純物濃度等は同等となっている。SIThy14の電流容量は有効チャネル面積Sに依存しているので、図7は、SIThy14の電流容量を50A〜300Aの間で6通りに変化させた場合の、電流Iとパルス立ち上がりGとの関係を示す図であるともいえる。あるいは、SIThy14のサイズ(SIThy14を構成する半導体積層構造の主面の面積)と有効チャネル面積S(主面に平行な面方向での断面積)とは正の相関を有するので、図7は、SIThy14のサイズをs〜6sの間で6通りに変化させた場合の、電流Iとパルス立ち上がりGとの関係を示す図であるともいえる。
図7から明らかなように、SIThy14の有効チャネル面積Sが一定の場合、ピーク電流Iすなわち電気エネルギーEとパルス立ち上がりGとは正の相関を有する。これは、SIThy14がパンチスルー状態に至るまでは、電流Iが大きくなるにつれてピーク電圧Vが高くなるのに対して、電流Iのパルス幅tへの寄与が小さいことに起因している。
一方、電流Iが一定の場合、SIThy14の有効チャネル面積Sとパルス立ち上がりGとは負の相関を有する。これは、SIThy14の有効チャネル面積Sが小さくなると、空乏層DLによりSIThy14が容量性素子として機能するようになった場合の当該容量性素子の静電容量Cが小さくなり、パルス幅tが狭くなることに起因している。容量Cと電流Iと発生電圧Vとの相関関係で、SIThyの容量をC、dV/dt=I/Cの関係による。
上記の特徴により、IES回路2において回路損失を勘案して高圧パルスの必要エネルギーから決定される電気エネルギーEすなわちピーク電流Iが決定されるとともに、必要な高圧パルスを得るためのパルス立ち上がりGが決定されれば、SIThy14の最大有効チャネル面積Smaxが決定される。例えば、IES回路2において、所望の高圧パルスを得るためにピーク電流I=50A、パルス立ち上がりG=120kV/μsが必要である場合、SIThy14の有効チャネル面積SはS以下に決定される。SIThy14の有効チャネル面積S(ないしは電流容量またはサイズ)をこのように構成することにより、SIThy14を必要最小限の大きさとすることができる。
なお、パルス立ち上がりGを増加させるためには、有効チャネル面積Sをできる限り小さくすることが望まれるが、有効チャネル面積Sの過度の減少によりサイズが小さくなると放熱が困難になりIES回路2の動作中に熱暴走が起こる可能性があるので、有効チャネル面積Sの下限はSIThy14で発生する熱を放熱可能な熱抵抗を有するサイズとすることが望まれる。
<チャネルの構造>
図8は、SIThy14のチャネル146の形成方法を示す工程フロー図(断面模式図)である。図8では、チャネル146の付近の拡大図が示されている。以下では、図8を参照しながら、SIThy14のチャネル146の詳細について説明する。
まず、SiO膜201が表面に形成されたn型の半導体基板202の非マスク部分203からp型不純物を拡散させることにより、nベース領域204(n型の半導体基板202)の中にpベース領域205を形成する(図8(a))。しかる後に、SiO膜203を除去し、n型領域206およびnエミッタ領域207をエピタキシャル成長させることにより、チャネル146の形成を行う(図8(b))。
pベース領域205の中心205a付近の不純物濃度は5×1018/cm以上である。また、pベース領域205のn型半導体基板202内の深さtは3〜15μmである。pベース領域205のエピタキシャル成長部分内の深さtは2〜10μmである。さらに、pベース領域205の中間部分の幅すなわちチャネル幅yは0.5μm以上2.5μm以下であることが望まれる。
なぜならば、チャネル幅yが上限値である2.5μm以上となると、図9に示すように、GK短絡状態の限界耐電圧VAKSがゲートに負バイアスを与えた時の耐電圧VPN、またはチャンネルが無く、平坦なPベース層を有する基板構造の順方向耐圧値より顕著に低下するからである。このため、チャネル構造がpベース領域144のみからなる場合におけるゲートG・カソードA間短絡時のアノード・ゲート間耐圧を維持可能となるように前記チャネル構造におけるチャネルの幅yおよび不純物濃度が決定されている。そして、限界耐電圧VAKSが基板設計電圧である耐電圧VPNと略同一の範囲すなわち0.9倍以上1.1倍以下の範囲外となるとIES回路2において耐電圧VPNと同程度の電圧の高圧パルスを発生させることが困難になる。
一方、チャネル幅yが下限値である0.5μm以下となると、図10に示すように、ターンオン損失EONが顕著に増加し、比較的低電圧である電圧V(図10では48V)でのターンオンが実質的に困難になるからである。
なお、上述の上限値および下限値は、各領域の不純物濃度や物理的形状に依存しているので、これらを考慮して素子ごとに検討することが望ましい。
なお、チャネルの幅yおよび不純物濃度は、ゲートポテンシャルに基づいて決定することも可能である。この点について、図12および図13を参照しながら説明する。図12は、SIThy14のオフ状態における、図2のチャネル部分の点線Dおよび非チャネル部分の実線Lに沿ったポテンシャル変化P1を示す図である。図13は、SIThy14のオン状態における、図2の点線D部分および実線Lに沿ったポテンシャル変化P2を示す図である。
ポテンシャル変化P1に示すように、オン状態においては、チャネル部分のゲートポテンシャルGtは非チャネル部分より正方向に低下し、チャネルが導通状態となっている。一方、ポテンシャル変化P2に示すように、チャネル部分のゲートポテンシャルGtが非チャネル部分のゲートポテンシャルに近づき、チャネルが非導通状態となっている。IES回路2においては、オフ状態では、カソードKが閉回路から切り離された状態となっておりゲートG・カソードKにはバイアスが与えられていないが、当該状態でもチャネル部ポテンシャル変化P2が実現されるように、チャネルの幅yおよび不純物濃度を決定することにより、高圧パルスを発生可能となる。
IES回路2のIES回路の一例を示す回路図である。 SIThy14の断面構造を模式的に示す断面模式図である。 SIThy14のnベース領域143に空乏層DLが生成した状態を示す断面模式図である。 SIThy14のパンチスルー状態を示す断面模式図である。 昇圧トランス13の1次側T1の1次側電流Iおよび1次側電圧Vの、1回の高圧パルス発生における時間変化を示す図である。 目標ピーク電圧1000V〜5000Vを得るためにピーク電流Iを50A〜350Aの間で5通りに変化させた場合の、nベース領域143における空乏層DLの状態、オン電圧VON、ピーク電圧Vおよびパルス幅tを示す図である。 SIThy14の有効チャネル面積Sを変化させた場合の、ピーク電流Iとパルス立ち上がりGとの関係を示す図である。 空乏層DLが界面Tに到達した状態を示す断面模式図である。 SIThy14のチャネル146の形成方法を示す工程フロー図である。 チャネル幅yと耐電圧VAKSとの関係を示す図である。 チャネル幅yとオン損失EONとの関係を示す図である。 SIThy14のオフ状態における、図2の点線D部分および実線Lに沿ったポテンシャル変化を示す図である。 SIThy14のオン状態における、図2の点線D部分および実線Lに沿ったポテンシャル変化を示す図である。
符号の説明
1 高圧パルス発生装置
2 IES回路
14 SIThy
141 pエミッタ領域
142 nバッファ領域
143 nベース領域
144 pベース領域
145 nエミッタ領域
146 チャネル
147 アノード電極
148 ゲート電極
149 カソード電極
201 SiO
202 n型の半導体基板
203 非マスク部分
204 nベース領域
205 pベース領域
206 nベース領域
207 nエミッタ領域
DL 空乏層

Claims (4)

  1. 誘導性素子を用いた高圧パルス発生装置において用いられ、アノード・カソード間が前記誘導性素子と直列に接続される接合ゲート型静電誘導型サイリスタであって、
    発生する高圧パルスのエネルギーに対応して電源から供給される電気エネルギーを増加させたときに前記高圧パルスの電圧が、前記静電誘導型サイリスタのゲート・カソード間短絡時のアノード・カソード間順方向耐圧以下の飽和電圧で飽和する特性を有し、
    (a)前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタのオン状態において主電流が流れる半導体基板内のベース層の厚みと、前記高圧パルス発生装置の高圧パルス発生動作においてアノード・カソード間への電流の供給を停止した時に前記ベース層に生じる空乏層の厚み幅とが、前記飽和電圧において一致するように、前記ベース層の厚みおよび不純物濃度が決定されていることと、
    (b)アノードエミッタ層と前記ベース層との間にバッファ層を備え、静特性としてのアノード・カソード間順方向耐圧に相当する電圧が前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタのアノード・カソード間の順方向に印可された場合に、前記半導体基板内に生じる空乏層が前記バッファ層と前記アノードエミッタ層との界面に達するように、前記バッファ層の厚みおよび不純物濃度が決定されていることと、
    を特徴とする接合ゲート型静電誘導型サイリスタ。
  2. 請求項1に記載の接合ゲート型静電誘導型サイリスタであって、
    アノード電極に接続されたpエミッタ領域と、
    前記pエミッタ領域上に設けられたnバッファ領域と、
    前記nバッファ領域上に設けられたnベース領域と、
    前記nベース領域に埋め込まれたpベース領域と、
    前記nベース領域上に設けられ、カソード電極に接続されたnエミッタ領域と、
    を備え、
    ゲート電極を介した電流導通が可能なゲート電極と前記pベース領域とがオーミック接触されていることを特徴とする接合ゲート型静電誘導型サイリスタ。
  3. 請求項2に記載の接合ゲート型静電誘導型サイリスタにおいて、
    前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタが形成されている半導体基板の材質がSi,SiCおよびGaNからなる群より選択される1つ以上からなることを特徴とする接合ゲート型静電誘導型サイリスタ。
  4. 誘導性素子と、
    アノード・カソード間が前記誘導性素子と直列に接続された接合ゲート型静電誘導型サイリスタと、
    直列接続された前記誘導性素子と前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタのアノード・カソード間とに電流を供給する電源と、
    を備え、
    前記電源からの電流の供給停止時に前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタのゲートを介して前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタ内のベース領域からキャリアを引き抜くことによって前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタに空乏層を生成させるとともに、
    前記空乏層によって容量性素子として機能するようになった前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタに電流を転流することによって前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタに電荷を蓄積し、しかる後に当該電荷を放電させることによって高圧パルスを発生する高圧パルス発生装置であって、
    前記接合ゲート型静電誘導型サイリスタとして、請求項1ないし請求項3のいずれかの接合ゲート型静電誘導型サイリスタが使用されていることを特徴とする高圧パルス発生装置。
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