JP4803673B2 - 空気冷媒冷凍装置 - Google Patents
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しかし、圧縮・膨張操作で液/ガスの相変化を伴うフロン系冷媒或いはアンモニア冷媒冷凍装置に比べて、潜熱利用のできない空気冷媒冷凍装置では、従来の利用頻度の多い温度域において効率(COP:成績係数)が低い。また装置が大型化するなどの難点があった。
この冷熱回収用熱交換器52は熱効率を向上させるために用いられ、特に、圧縮機53の吐出圧力を低く維持したい場合に好適に用いられ、吐出圧力が小さくても所望の温度まで空気を冷却することができるようになる。
従って、本発明は上記従来の技術の問題点に鑑み、設備の小型化且つ簡素化を可能として設備コストを低減でき、またエネルギ効率の高い空気冷媒冷凍装置を提供することを目的とする。
前記冷凍空間を断熱材を介して2つの連通する空間に仕切り、一の空間は被冷却物を冷却する作用空間とし、他の空間は冷却に使用された空気を排出する排出空間とし、
前記排出空間内に、前記一次冷却器を経て一次冷却された空気が通過する冷熱吸収経路を設け、該冷熱吸収経路が前記膨張機の吸引側に接続されるようにし、
前記冷熱吸収経路を通過する空気が、前記作用空間から流入して前記排出空間を通過する低温空気との熱交換により所定温度まで冷却されるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、冷凍室に飛散した異物を異物除去フィルタで除去することができ、冷凍サイクルの系内に異物が混入することを防止し、異物が圧縮機に詰まって故障するなどの不具合を防止することができる。
また、本発明では、異物除去フィルタを略常温の雰囲気下にて用いることができるため、該異物除去フィルタの構造を簡単にすることができ、またメンテナンスが容易に行える。メンテナンスでは、異物除去フィルタを定期的または連続的に洗浄するが、この洗浄の際にも冷凍空間へ与える熱負荷が小さくて済む。
本発明によれば、異物除去フィルタとしてロールフィルタを用いることで、異物を連続的に除去することができる。また、ロールフィルタを用いることにより、洗浄装置はフィルタの一部に設けるのみで全体の洗浄、メンテナンスを行うことができるため、洗浄装置の小型化が可能である。また圧縮機の吸引圧力に基づいてフィルタ洗浄手段を作動させることにより、フィルタの目詰まりを感知しきれない場合であっても自動的にフィルタ洗浄を行うことができるようになる。勿論、フィルタ洗浄を行う際には、ロールフィルタの巻き取り操作も同時に行うものとする。
前記一次冷却器にて得られた温排水をフィルタ面に対して下方から噴射する温排水噴射手段と、前記ロールフィルタの移動方向に対して少なくとも前記温排水噴射手段の後側に設置されて該ロールフィルタに付着した異物を掻き取る掻き取り手段と、からなることを特徴とする。
このように、一次冷却器から得られた温排水をフィルタ洗浄に用いることで、他から洗浄水を導入する必要がなく、また従来は洗浄水の加熱に使用していたボイラの重油を削減でき、省水、省エネルギー化が実現できる。
本発明によれば、排出空間の上流側に吸入側フィルタを設置することで、水分負荷が増加した際に発生する大きな氷(雪を含む)を除去することができる。また、大型の異物の混入に対して、異物除去フィルタのみではすぐに閉塞を起こす可能性があるため、本発明のごとく2段階のフィルタリングを行うことによって系内への異物の侵入を阻止することができる。
これによれば、従来は一次冷却器から外気へ捨てていた熱を、温水タンクで回収し、貯蔵することで熱の有効利用が可能となる。
また、排出空間の下流側に異物除去フィルタを設置することにより、冷凍室内で発生した異物が冷凍サイクルに侵入することを回避でき、圧縮機の故障等の冷凍サイクルの不具合を防止することができる。さらに、異物除去フィルタを略常温の雰囲気下にて用いることができるため、該異物除去フィルタの構造を簡単にすることができ、またメンテナンスが容易に行える。
さらにまた、異物除去フィルタをロールフィルタとすることにより、フィルタの洗浄装置を小型化できる。また圧縮機の吸引圧力に基づいてフィルタ洗浄手段を作動させることにより、フィルタの目詰まりを感知しきれない場合であっても自動的にフィルタ洗浄を行うことができるようになる。
さらに、一次冷却器から得られた温排水をフィルタ洗浄、若しくは冷凍室洗浄に用いることで、省水、省エネルギー化が実現できる。
図1は本発明の実施例1に係る空気冷媒冷凍装置の構成図、図2は本発明の実施例2に係る空気冷媒冷凍装置の構成図、図3は図2の実施例2を応用した図、図4は図3のフィルタを説明する図、図5は図2及び図3の実施例2を応用した図、図6は本発明の実施例3に係る空気冷媒冷凍装置の構成図、図7は本発明の実施例3に係るフィルタ洗浄装置の概略図である。
本実施例に係る空気冷媒冷凍装置は、断熱材により囲繞された冷凍空間を有し、該冷凍空間にて被冷却物を低温空気と接触させて冷凍温度以下まで冷却する冷凍庫(冷凍室)1を備えている。この冷凍庫1の空気排出口から排出された空気は、圧縮機3、一次冷却器5、膨張機2の順に配設された冷凍サイクルによって冷却され、生成した低温空気は冷凍庫1の空気吸入口より庫内に供給されるようになっている。
具体的には、冷凍庫1の空気排出口は、空気排出経路23を介して圧縮機3の吸引側に接続され、該圧縮機3の吐出側は一次冷却器5の空気入口に接続される。該一次冷却器5は、井戸水や水道水等の冷却水との熱交換により圧縮機3からの高温高圧空気を冷却する装置である。また一次冷却器5の出口側は、後述する冷凍庫1の冷熱吸収経路22を通って膨張機2の吸入側に接続される。膨張機2の吐出側は、冷凍庫1の空気吸入口に接続される。前記圧縮機3と膨張機2の回転軸は、モータ4の駆動軸に同軸的に接続されて駆動する構成となっている。
具体的には、冷凍庫1内の冷凍空間を、断熱材10を介して2つの連通する空間に仕切り、空気吸入口側に位置する空間を、被冷却物30を冷却する作用空間11とし、空気排出口側に位置する空間を、冷却後の低温空気を排出する排出空間15としている。そしてこの排出空間15には、前記一次冷却器5を経て一次冷却された空気が通過する冷熱吸収経路22を設けている。ここでは、冷熱吸収経路22を通過する高温側の空気と、作用空間11から排出空間15に流入する低温側の空気とを熱交換するようになっており、冷熱吸収経路22を経た空気は、冷凍庫1内の低温空気から冷熱を与えられて冷却(二次冷却)され膨張機2に導かれる。一方、排出空間15を通過する空気は、冷熱吸収経路22内の空気との熱交換により昇温されて冷凍庫1の空気排出口より排出される。
尚、本実施例においては、系内に除湿手段を設けることが好ましい。この除湿手段の構成は特に限定されないが、例えば、系内に除湿装置を設置したり、高分子化合物等の除湿剤を装置に組み込む構成が採用できる。
まず、冷凍庫1の空気吸入口から−60℃以下、大気圧の空気が冷凍空間内に流入し、空気噴流部12を介して作用空間11に噴出して被冷却物30が冷却される。該作用空間11を通過した−60℃程度の低温空気は排出空間15に流入し、冷熱吸収経路22を通過する40℃の高温側空気と熱交換され、該低温空気は35℃程度まで昇温して空気排出口より排出される。一方、冷熱吸収経路22を通過した40℃の高温側空気は、−55℃程度まで二次冷却されて排出される。
冷熱回収経路22を出た空気は膨張機3に導入され、該膨張機3にて大気圧近傍まで膨張され−60℃以下、好適には−80℃程度の低温空気を得て、この低温空気を冷凍庫1に直接供給し、庫内を冷凍空間に保つようになっている。
図2を参照して、本実施例2の空気冷媒冷凍装置は実施例1の構成に加えて、冷凍庫1の排出空間15の下流側、若しくは冷凍庫1と圧縮機3の間に、排出空間15を通過した空気中に存在する異物を除去する異物除去フィルタ16を備えた構成となっている。該異物除去フィルタ16は排出空間15を横断するごとく配設され、排出空間15にて昇温された35℃程度の空気がこのフィルタを通過するように構成される。同図にて、異物除去フィルタ16は排出空間15内に設置した構成としているが、冷凍庫1の空気排出口直後の空気排出経路23に設けるようにしてもよい。異物除去フィルタ16は、作用空間11にて被冷却物30の冷却時に発生して庫内に飛散する物粉を除去するものである。
また、本実施例では、異物除去フィルタ16を略常温(本実施例では35℃)の雰囲気下にて用いることができるため、該異物除去フィルタ16の構造を簡単にすることができ、またメンテナンスが容易に行える。メンテナンスでは、異物除去フィルタ16を定期的または連続的に洗浄するが、この洗浄の際にも冷凍空間へ与える熱負荷が小さくて済む。
また、圧縮機2の吸引圧力を検知する圧力センサ33を設けており、検知された圧縮機吸引圧力に基づいて、ロールフィルタ31及び洗浄装置32の作動を制御するようになっている。即ち、圧縮機吸引圧力が予め設定された所定の圧力以下となったらロールフィルタ31の巻き取り操作を行い、同時に洗浄装置32を作動させるようにする。
これは、ロールフィルタ31面に物粉が付着すると、空気流路が狭まり、圧縮機吸引側の圧力が低下する。従って、この吸引圧力を検知することで、フィルタの目詰まりを感知しきれない場合であっても自動的にフィルタ31の巻き取り、洗浄を行うことができるようになる。
また、ロールフィルタ31を用いることにより洗浄装置32の小型化が可能である。その理由を、図4を参照して説明する。図4(A)は本実施例のロールフィルタを具備した冷凍装置の側面図、(B)は比較例の固定式フィルタを具備した冷凍装置の側面図である。
同図において、作用空間11は横長に形成され、該空間を貫通するごとく搬送コンベア13が設けられている。この構成は、特開平11−63777号公報に記載されており、本実施例は、これに適用できるものである。
また、作用空間11のコンベア搬送方向の上流側には前室14aが設けられ、下流側には後室14bが設けられている。前室14a及び後室14bは、外気との連通部位を有しており、作用空間11の冷却雰囲気を保持する目的で設けられている。作用空間11の上方には、排出空間15が形成されており、この排出空間15の後流側には異物除去フィルタ31が設けられている。
これに対して、図4(A)に示した本実施例のロールフィルタを具備した例では、フィルタの一部に洗浄装置35を設けることで全体の洗浄・メンテナンスを行うことができ、洗浄装置32及び点検口35を小型化することができる。
この吸入側フィルタ17は、作用空間11にて発生した氷(雪を含む)を除去するものである。
本実施例によれば、排出空間15の上流側に吸入側フィルタ17を設置することで、水分負荷が増加した際の大きな雪、氷を除去することができる。また、大型の物粉の混入に対して、異物除去フィルタ16のみではすぐに閉塞を起こす可能性があるため、2段階のフィルタリングによって系内への物粉の流入を阻止することができる。
まず、図6を参照して、本実施例の空気冷媒冷凍装置は、一次冷却器5にて昇温された温排水21を貯留する温水タンク37と、該温水タンク37の温排水を冷凍庫1に供給する温排水供給経路39とが設けられた構成となっている。温排水供給経路39を介して冷凍庫1に供給された温排水は、冷凍庫1の洗浄に使用される。
また、別の構成として、温排水と、洗浄用水とを熱交換して、熱エネルギを回収する構成としてもよい。この場合、温排水は冷却されて再度一次冷却器5の熱交換に用いることができ、バルブ38により一次冷却器5への供給量が調整される。
これによれば、従来は一次冷却器5から外気へ捨てていた熱を、温水タンク37で回収し、貯蔵することで熱の有効利用が可能となる。
一般に、冷凍装置の終業後には、冷凍庫1内部の洗浄工程が入る。従来は洗浄工程にて、ボイラによって加熱された温水を利用していたが、本実施例の構成とすることで、一次冷却器5からの排熱を回収し、得られた温排水を終業後の庫内洗浄に用いることで、従来ボイラにより加熱されていた分のエネルギを削減することができ、エネルギ効率の向上が図れる。
この洗浄装置32では、フィルタ洗浄時に噴射ノズル32aから温排水を噴射して、フィルタ面に付着した物粉を除去するとともに、フィルタ面に氷結して固着した物粉を温排水の熱により融解させ、後側の掻き取りブレード32bにより掻き取ることにより、フィルタ面を洗浄する。本実施例における洗浄は、連続的若しくは断続的に行うようになっている。
2 膨張機
3 圧縮機
5 一次冷却器
10 断熱材
11 作用空間
12 空気噴流部
13 搬送コンベア
15 排出空間
16 異物除去フィルタ
17 吸入側異物除去フィルタ
22 冷熱吸収経路
23 空気排出経路
24 圧縮空気供給経路
31 ロールフィルタ
32 洗浄装置
32a 噴射ノズル
32b 掻き取りブレード
33 圧力センサ
37 温水タンク
39 温排水利用経路
Claims (6)
- 冷凍空間を形成する冷凍室と、該冷凍室の空気を吸引して断熱圧縮する圧縮機と、圧縮空気を冷却用流体との熱交換により冷却する一次冷却器と、冷却圧縮空気を断熱膨張する膨張機とを有し、該膨張機により得られた低温空気を前記冷凍室に供給して前記冷凍空間を形成するようにした空気冷媒冷凍装置において、
前記冷凍空間を断熱材を介して2つの連通する空間に仕切り、一の空間は被冷却物を冷却する作用空間とし、他の空間は冷却に使用された空気を排出する排出空間とし、
前記排出空間内に、前記一次冷却器を経て一次冷却された空気が通過する冷熱吸収経路を設け、該冷熱吸収経路が前記膨張機の吸引側に接続されるようにし、
前記冷熱吸収経路を通過する空気が、前記作用空間から流入して前記排出空間を通過する低温空気との熱交換により所定温度まで冷却されるようにしたことを特徴とする空気冷媒冷凍装置。 - 前記作用空間から前記排出空間に流入した空気の流れ方向に対して前記排出空間の下流側、若しくは前記冷凍室と前記圧縮機の間に、前記排出空間を通過した空気中に存在する異物を除去する異物除去フィルタを設けたことを特徴とする請求項1記載の空気冷媒冷凍装置。
- 前記異物除去フィルタがロールフィルタであり、該ロールフィルタの一部にフィルタ洗浄手段を設けるとともに、前記圧縮機の吸引圧力を検知する圧力センサを設け、該検知された吸引圧力に基づいて前記フィルタ洗浄手段の作動を制御することを特徴とする請求項2記載の空気冷媒冷凍装置。
- 前記フィルタ洗浄手段が、前記ロールフィルタの下方に設置され、
前記一次冷却器にて得られた温排水をフィルタ面に対して下方から噴射する温排水噴射手段と、前記ロールフィルタの移動方向に対して少なくとも前記温排水噴射手段の後側に設置されて該ロールフィルタに付着した異物を掻き取る掻き取り手段と、からなることを特徴とする請求項3記載の空気冷媒冷凍装置。 - 前記排出空間の上流側若しくは前段に、前記異物除去フィルタよりも目開きが大きい吸入側フィルタを設け、前記作用空間を通過した低温空気中の異物及び氷を除去することを特徴とする請求項2若しくは3記載の空気冷媒冷凍装置。
- 前記一次冷却器にて得られた温排水を貯留する温水タンクと、該温水タンク内の温排水を前記冷凍室に供給する温排水供給経路とを備え、前記温排水を前記冷凍室の洗浄に用いるようにしたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の空気冷媒冷凍装置。
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