JP4802065B2 - アイロンパーマ方法 - Google Patents
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Description
例えば、コールドパーマ法は、頭部全域の毛髪を対象として、シャンプーし、顧客のお好みのヘアースタイルに合わせて、例えば図8に示すように一定域の毛髪毎にロット巻き(通常、数十個所のロット巻きの完了までに20〜50分要する)し、1剤をロット部の毛髪に万遍なく行き渡るように塗布し、チオグリコール酸(塩類)やシステイン(塩類)等の“1剤”(還元剤)の塗布後、10〜20分放置して1剤の毛髪への浸透を図った後、ロット巻きした状態で毛髪の1剤を丹念に洗い、中和処理し、毛髪の水分をふき取った後、臭素酸又は過硼素酸(又は塩類)又は過酸化水素等の“2剤”(酸化剤)を十分に塗布し、放置するが、この放置時間は2剤の成分によって5〜20分と異なる。しかる後、ロットを外し、水洗し、乾燥して仕上げる。この方法では、一般的には所用時間は図12のフロー図に示すように合計で90〜120分程度要するのが普通である。時間の多くは、ロット巻き、1剤及び2剤という2種の液の塗布、放置の時間であり、しかも1剤及び2剤の薬剤のために毛髪に損傷を与えやすく、毛髪を乾かした段階では、折角のカール状態が伸びてしまうコールドパーマ特有の問題点があった。
また、本加熱パーマ法は、いわゆる“電髪法”に代表されるが、最大の問題点は、図9に示すように、電源直結のヘアーカーラー、温度に対応する電源部、温風部、そのための電源コード等の大仕掛けな設備の設置が必須であり、経済性の上で大きな負担となっていた。
また、アイロンこてを使用するパーマ処理法も公知である(特許文献4)。いわゆる“アイロンこて法”は、図10に示すようにアイロン棒22に、通称“グローブ”と称する毛髪掴み板を組み合わせたもので、アイロン本体部31と把持部23を掴んでアイロン棒22とグローブ12の間に毛髪を毛先から挟み込んで熱カールしていく方法である。この方法では、毛髪の根元側は毛髪数が多いのに対して、毛先側は毛切れなどで毛が切断されて長さが一定でなく、短い長さの毛も多いために、アイロン本体部22とグローブ12で挟み難い短髪毛があり、顧客のヘアースタイルの希望に合わせて短髪毛を長い毛とともに挟み込むには手数がかかるばかりでなく、高度の職人技が必要であり、毛髪全体を仕上げるまでに長時間を要し、毛髪の加熱時間が長くなり、毛先部の熱履歴が重なり、結果的に毛髪の損傷度合いが大きいという問題があった。
そこで、本発明では、アイロン棒と熱伝播補助具としてのクリップの組合せ使用により短時間で、職人技を要することなく、短時間にパーマ処理できる方法を提供することを目的とする。
[1]ヘアーアイロンと熱伝播補助具としてクリップを使用してなるアイロンパーマ方法であって、該ヘアーアイロンはヒーターを内蔵した円筒形又は多角形のアイロン棒と温度切換スイッチを設けたハンドルからなり、該クリップは内面片側が熱伝導の良いクリップ伝熱板、内面対面側が耐熱性弾性体及びそれらを覆う熱絶縁被覆材からなり、該クリップ伝熱板は、一定領域の毛髪を揃え易いよう櫛状に形成してあり、熱伝導の良い金属板から形成されていて、該ヘアーアイロンと該クリップを使用して熱カールを行うことを特徴とするアイロンパーマ方法。
[2]前記ヘアーアイロンを使用し、毛髪の根元付近から一定域の毛髪を揃え、円筒形又は多角形の前記アイロン棒に巻きつけながら該毛髪をクリップで挟み、次いで該毛髪を前記クリップと該アイロン棒の間に挟み込みながら該クリップを回転して該アイロン棒の外周に該毛髪を巻付け、該クリップによる巻き込みを該アイロン棒の先端方向に進め、前記の巻き込み間に該毛髪の熱カールを行い、該処理を必要域の毛髪に繰り返して行うことを特徴とする[1]に記載のアイロンパーマ方法。
[3]前記クリップによる巻き込みは、クリップ外周に設けた開閉摘みを利用したクリップの開閉によることを特徴とする[1]又は[2]のいずれかに記載のアイロンパーマ方法。
[4]前記クリップ外周には、前記開閉摘みに加えて補助開閉摘みを設けたことを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のアイロンパーマ方法。
[5]前記クリップは、前記ヘアーアイロンの置台として使用できることを徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載のアイロンパーマ方法。
[6]前記熱カール処理は、頭部の必要域の毛髪に対して、シャンプー、1剤塗布、放置、水洗中和、アイロン処理、2剤塗布、放置、水洗、仕上げの各処理を施すことを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のアイロンパーマ方法。
また、従来のアイロンこて法のように、毛髪毛先から巻付け処理するのでなく、毛髪根元からアイロンに巻付けるので、毛髪に与える加熱による損傷度合いも少なく、毛髪巻き込みにともなう職人技も必要なく、短い訓練時間で誰でもが職人技の仕上げが可能になる。
さらに、本発明では、円筒形又は多角形のアイロン棒と熱伝播補助具のクリップを組合せ使用することにより、顧客のオーダーしたヘアーデザインに対応するために煩雑な作業となっていたロット巻き工程が不要となったので、平均的な技量の美容師であれば、誰でもが安定したヘアー処理ができると共に、パーマ処理工程の時間が大幅に短縮でき、しかも加熱パーマ後の毛髪の仕上がりは、乾かした後でも、ふんわりとした強いウエーブを保つことができる。
このカール処理の際に、適宜、アイロン棒の先端方向でクリップの回転を休止して、毛髪のカール処理を充分に行うこともできる。
前記本発明の熱カール処理を行うには、予め頭部全域の毛髪に対して、シャンプー、1剤塗布、該1剤液浸透のための放置、水洗の処理を行った後に、前記加熱アイロンを用いたアイロン処理、2剤塗布、放置、水洗、仕上げの各処理を施すことによって、簡便に、迅速にアイロンパーマ処理を行うことができる。
本発明のアイロンパーマ方法には、図1のヘアーアイロン1と図3のクリップ7の使用が適当である。
具体的には、図1のヘアーアイロン1は、円筒形又は多角形のアイロン棒2とハンドル3から構成されている。また、図3のクリップは、毛髪をアイロン棒に巻付けるときの熱伝播補助具として用いる。アイロン棒2は、円筒状又は多角形状のアルミパイプ(銅パイプにメッキを施しても良い)で、表面は防食加工のアルマイト処理が施してある。該アイロン棒に用いるアルミパイプの中には、発熱体(図示せず)、温度感熱素子(図示せず)、温度過昇防止器(図示せず)及び制御部等(図示せず)が組みこまれている。電源コード6は、椅子等(図示せず)に設置したコンセント(図示せず)に差込みヘアーアイロン1に電気を供給するためのものである。
図3〜図5に示すクリップ7は、熱伝播補助具として毛髪のカール処理を効率よく行うもので、2つの略半円筒状の片が組み合わさるように開閉自在に形成されている。すなわち、片側の略半円筒状の片は、熱電導の良い銅板等の湾曲金属板10で形成されており、対面の略半円筒状の片は毛髪を押さえるためのシリコンゴム等の耐熱弾性体でできた押さえ板9を内側に有する熱絶縁材のプラスチック製のクリップカバー8からなっている。
なお、該クリップ外側の湾曲金属板10の10’は、以下に説明するように毛髪をアイロン棒2に巻付けやすいように、適宜、外側に折り返ししているが、この折り返し10’は設けてもよいし、設けなくてもよい。
以上のような、巻付け、アイロン処理を頭部のヘアースタイリングに必要な域の毛髪に繰り返して施術する。通常、標準的なヘアースタイリングの場合であれば、十数回程度の繰り返しで終了するが、全体の施術時間は60〜90分程度で十分であり、60分と90分という施術時間の差は美容師の技量差というよりは、ヘアースタイリング差の方が大きい。
前記クリップ7は、図4に示すようにクリップ開閉摘み11が形成され、該クリップ開閉摘み11を机に置くことで、図7に示すようにアイロン棒2の置台として使用できる。アイロン棒2が高温の時は机を焦がすことなく、また、アイロンを加熱して使用中、置台として安全に安定して置くことができる。また、アイロン時に毛髪を確実に押さえるために、該開閉摘み11に加えて、さらに補助的な補助開閉摘み13を設けて利用する態様は、図14〜図16に示すとおりである。
12 グローブ(従来)
2 アイロン棒
22 アイロン棒(従来)
23 こて部(従来)
24 アイロン棒−ハンドル中間部
3 ハンドル
4 電源スイッチ兼用温度切換スイッチ
5 温度表示部
6 電源コード
7 クリップ
8 クリップカバー
9 クリップ押さえ板
10 クリップ伝熱板
10’ 外側へのめくれ部
11 クリップ開閉摘み
12 グローブ(従来)
13 補助開閉摘み
22 アイロン棒
23 把持部
31 アイロン本体部(従来)
Claims (6)
- ヘアーアイロンと熱伝播補助具としてクリップを使用してなるアイロンパーマ方法であって、
該ヘアーアイロンは、ヒーターを内蔵した円筒形又は多角形のアイロン棒と温度切換スイッチを設けたハンドルからなり、
該クリップは内面片側が熱伝導の良いクリップ伝熱板、内面対面側が耐熱性弾性体及びそれらを覆う熱絶縁被覆材からなり、
該クリップ伝熱板は、一定領域の毛髪を揃え易いよう櫛状に形成してあり、熱伝導の良い金属板から形成されていて、
該ヘアーアイロンと該クリップを使用して熱カールを行うことを特徴とするアイロンパーマ方法。 - 前記ヘアーアイロンを使用し、毛髪の根元付近から一定域の毛髪を揃え、円筒形又は多角形の前記アイロン棒に巻きつけながら該毛髪をクリップで挟み、次いで該毛髪を前記クリップと該アイロン棒の間に挟み込みながら該クリップを回転して該アイロン棒の外周に該毛髪を巻付け、該クリップによる巻き込みを該アイロン棒の先端方向に進め、前記の巻き込みの間に該毛髪の熱カールを行い、該一連の処理を繰り返して、必要域の毛髪の熱カールを行うことを特徴とする請求項1に記載のアイロンパーマ方法。
- 前記クリップによる巻き込みは、クリップ外周に設けた開閉摘みを利用したクリップの開閉によることを特徴とする請求項1又は2に記載のアイロンパーマ方法。
- 前記クリップ外周には、前記開閉摘みに加えて補助開閉摘みを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアイロンパーマ方法。
- 前記クリップは、クリップ外周に設けた開閉摘みによって前記ヘアーアイロンの置台として使用できることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアイロンパーマ方法。
- 頭部の必要域の毛髪に対して、順次、シャンプー、1剤塗布、放置、水洗中和、アイロン処理、2剤塗布、放置、水洗、仕上げの各処理を施すことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアイロンパーマ方法。
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