JP4800783B2 - 水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物の製造方法 - Google Patents

水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物の製造方法に関し、さらに詳しくは、難分散顔料であるメチルバイオレットレーキ顔料をより効率よく分散させるために、フラッシング処理することを特徴とする水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物の製造方法に関する。
水系で製造される顔料は、その生成時に一次粒子として非常に微細なものが得られても、水分が除去されると共に凝集して粗大化し、特にフィルタープレスなどのろ過工程を経た後、加熱乾燥工程の段階で強固な凝集体が形成される。
顔料を着色剤とするインキや塗料の分野では、この様な顔料の凝集体のままでは、良好な発色性や流動性、あるいは保存安定性が得られないため、インキや塗料を製造する際に、再度、一次粒子径に近いところまで分散させる必要がある。この分散の処理に多くのエネルギーを要し、あるいは微細に分散させることが困難な顔料は難分散(性)顔料と呼ばれている。
メチルバイオレットレーキ顔料も難分散顔料の一つであり、顔料を製造した後、完全に乾燥させてしまうと、微細な粒子に再分散させることは極めて困難である。そこで、フィルタープレスなどの工程を、ある程度水を除去した段階で止めて、あまり凝集力の強くない含水プレスケーキと呼ばれる状態のものが分散処理されている。
一方、この様な顔料の分散処理に利用する分散機としては、各種の練肉機(ミル)と呼ばれる装置が一般的であり、とりわけ、低粘度の分散系では、金属やセラミック製のビーズを攪拌して、その衝突力やせん断力により顔料を分散させるビーズミルが主流となっている。しかし、重量のあるビーズを高速で攪拌するためには、多くの動力エネルギーが必要であり、また、ビーズの衝突力やせん断力がかかる部分は限られているため、分散効率が低いなど、ビーズミルにもいくつかの欠点がある。
そこで、含水プレスケーキの状態の顔料と樹脂とを混合して、水性相の顔料を樹脂相に移行させることにより、より少ない動力エネルギーで顔料を微細分散できるフラッシングと呼ばれる処理が、カラーチップ(固形の顔料・樹脂混合物)や油性印刷インキの分野ではしばしば利用されている(例えば、カラーチップの製造方法としては特許文献1参照、油性インキの製造方法としては特許文献2参照)。
しかしながら、フラッシング処理により水性相の顔料を樹脂相に移行させるためには、顔料と樹脂の組み合わせに選択性があり、特にメチルバイオレットレーキ顔料はその選択性が極めて強いものである。これまで、メチルバイオレットレーキ顔料をフラッシング処理により分散させるために利用できる材料は、一切知られていないばかりか、フラッシング処理できるかどうかすら不明であった。
特開平02−175770号公報 特開平01−156383号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、難分散顔料であるメチルバイオレットレーキ顔料について、フラッシング処理を可能とする樹脂を見出して、水性の分散組成物をより効率よく製造する方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、モノプロポキシエチルマレート、メチルメタクリレート、およびスチレンを、特定の組成比率で共重合して得られるアルカリ可溶性樹脂が、メチルバイオレットレーキ顔料のフラッシング処理を可能とすることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、(1)含水率が10〜85質量%であるメチルバイオレットレーキ顔料のプレスケーキ、モノプロポキシエチルマレート50〜60質量%、メチルメタクリレート15〜20質量%、およびスチレン25〜30質量%のモノマーユニットからなるアルカリ可溶性樹脂、並びに、当該樹脂の中和量に対して2〜3.5当量の塩基性化合物を含有する混合物をフラッシング処理し、分離した水を除去した後、さらに水と、アルカリ可溶性樹脂の中和量の1.0〜2.0当量の塩基性化合物とを加えて、メチルバイオレットレーキ顔料を水性媒体中に分散させることを特徴とする水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、(2)前記塩基性化合物が有機アミン類またはアンモニア水である前記(1)項記載の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、(3)前記有機アミン類が、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモルホリンからなる群から選ばれる1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする前記(2)項記載の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、(4)前記フラッシング処理のためにフラッシャーを用いることを特徴とする前記(1)〜(3)項のいずれか1つに記載の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、(5)前記(1)〜(4)項のいずれか1つに記載の製造方法で製造した水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物に関する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物の製造方法は、含水率が10〜85質量%であるメチルバイオレットレーキ顔料のプレスケーキ、モノプロポキシエチルマレート50〜60質量%、メチルメタクリレート15〜20質量%、およびスチレン25〜30質量%のモノマーユニットからなるアルカリ可溶性樹脂、並びに、当該樹脂の中和量に対して2〜3.5当量の塩基性化合物を含有する混合物をフラッシング処理することからなる。
まず、フラッシング処理に用いる各成分について説明する。
<メチルバイオレットレーキ顔料のプレスケーキ>
メチルバイオレットレーキ顔料は、トリフェニルメタン系の塩基性染料メチルバイオレットを水に溶解し、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステン・モリブデン酸などを加えて塩形成により不溶化させたものである。
本発明では、メチルバイオレットレーキ顔料のプレスケーキとして、水系で通常の方法により顔料化されたメチルバイオレットレーキ顔料を、フィルタープレスなどのろ過の工程でとどめるか、あるいはさらに乾燥工程を経て、含水率が10〜85質量%であるものを利用する。含水率が10質量%より少ない時は、フラッシング処理が困難となり、一方、85質量%を超えると、高い顔料濃度を必要とする顔料分散組成物が得られにくくなる。
含水率としては、概ね30〜70質量%が好ましく、フラッシング処理による分散性、顔料濃度の面でも良好な顔料分散組成物が得られる。上記含水率は、顔料のプレスケーキを秤量皿に適量(10〜20g)秤取し、130℃のオーブン中に1時間置いた時に減じた重量を水分として測定した時の、顔料のプレスケーキ中の含水率の値である。
<アルカリ可溶性樹脂>
本発明では、顔料を樹脂相に移行させるために、モノプロポキシエチルマレート50〜60質量%、メチルメタクリレート15〜20質量%、およびスチレン25〜30質量%のモノマーユニットからなるアルカリ可溶性樹脂を用いる。
上記アルカリ可溶性樹脂は、通常の方法により共重合して得られるものを利用することができる。上記モノマーユニット比は、好ましくはモノプロポキシエチルマレートが52〜58質量%である。
さらに、上記アルカリ可溶性樹脂は、質量平均分子量が2000〜200000であると、上記顔料を分散させる際に適度のせん断力を付加できることから好ましい。より好ましくは5000〜100000である。なお、上記質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した値である。
また、メチルバイオレットレーキ顔料のプレスケーキ、アルカリ可溶性樹脂、及び後記の塩基性化合物の混合物は、フラッシング処理の間に発熱して昇温するが、アルカリ可溶性樹脂のガラス転移温度に近くなると、顔料が樹脂相に移行しやすくなる。そこで、アルカリ可溶性樹脂のガラス転移温度は、低い方が早期にフラッシング処理を完了できるという点で有利となる。上記アルカリ可溶性樹脂のガラス転移温度は、80℃以下が好ましい。
<塩基性化合物>
本発明では、メチルバイオレットレーキ顔料のプレスケーキ中の水分にアルカリ可溶性樹脂を溶解させるために、さらに塩基性化合物を上記の2成分と混合する。その際に利用できる塩基性化合物としては、通常、塗料や印刷インキなどで用いられている、アンモニア水;モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリンなどの有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ化合物などを挙げることができる。これらの塩基性化合物は、1種又は2種以上を用いることができる。
とりわけ、早期にフラッシング処理が完了できるという点から、アンモニア水、有機アミン類を利用することが好ましい。
<その他の材料>
その他、フラッシング処理を阻害しない範囲で、低級アルコールなどの水混和溶剤、界面活性剤、顔料分散剤なども利用できる。
<フラッシング処理時のメチルバイオレットレーキ顔料のプレスケーキ、アルカリ可溶性樹脂、塩基性化合物の混合処方>
上記フラッシング処理において、アルカリ可溶性樹脂は、メチルバイオレットレーキ顔料を水性媒体中に分散させた後の分散安定性等を考慮すると、メチルバイオレットレーキ顔料の純分に対して、概ね20〜500質量%程度用いることが好ましい。プレスケーキ中の含水率が多い場合は、フラッシング処理の際に混合物に適度なせん断力がかかるように、さらに樹脂分を多くして混合物の粘度を高く維持することが好ましい。上記アルカリ可溶性樹脂の配合量は、より好ましくは50〜200質量%である。
また、塩基性化合物の配合量は、前記アルカリ可溶性樹脂の中和量に対して2〜3.5当量である。塩基性化合物の量がこの範囲より少なくなると、フラッシング処理が困難となり、一方、多くなると、系中に過剰の塩基性化合物が残存する恐れがあり、得られる水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物の耐水性などが低下して、利用する分野によっては性能面で不利となる。好ましくは2.2〜3.0当量である。
<フラッシング処理方法>
上記3成分を用いた混合物のフラッシング処理の方法としては、フラッシング処理専用のニーダータイプのフラッシャーを利用して、各材料の所定量を仕込み、攪拌して処理する方法が好適であるが、デゾルバータイプ、インペラータイプ等の高速攪拌機等を利用してフラッシング処理できるものについては簡易的にそれらを用いても良い。フラッシャーの具体例としては、例えばフラッシャー(商品名、井上製作所社製)等が挙げられ、デゾルバータイプの高速攪拌機としては、例えばDESPA(商品名、井上製作所社製)等が挙げられ、インペラータイプの高速攪拌機としては、例えばインペラーミル(商品名、セイシン企業社製)等が挙げられる。
フラッシング処理の初期の段階では、メチルバイオレットレーキ顔料のプレスケーキ、アルカリ可溶性樹脂は共に固形の状態であるが、混合が進むと、プレスケーキ中の水分と塩基性化合物によって、アルカリ可溶性樹脂がプレスケーキ中の水分に溶解して粘稠な混合物となり、顔料が水性相から樹脂相に移行すると水分が系から排出される。通常は、十分に水分が排出されるまで攪拌して、排出される水分がなくなった時点で処理を終了する。攪拌の速度や時間は、各成分の配合量や組成によるが、10〜60rpmで、0.5〜5時間程度行うことが好ましい。
なお、顔料を水性相から樹脂相に移行させるためには、混合物に適度なせん断力を付加することが必要であり、混合物の粘度や量に応じて、攪拌力などを調節することが好ましい。また、利用するアルカリ可溶性樹脂のガラス転移温度により、混合物の温度の方が高くなると、フラッシング処理に要する時間は短くなる傾向があり、通常、フラッシング処理の間に発熱して、混合物の温度は高くなるが、アルカリ可溶性樹脂のガラス転移温度が高い場合は、早く混合物の温度が高くなるように加熱などを行うことが好ましい。
本発明の製造方法において、フラッシング処理を行った後、分離した水を除去し、通常、除去した水中にフラッシング処理で利用した塩基性化合物の大部分を含んでいるので、さらに水と、アルカリ可溶性樹脂を水中に溶解させるために必要な量の塩基性化合物とを加えてメチルバイオレットレーキ顔料を水性媒体中に分散させることより、水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物を調製することができる。
すなわち、本発明では、フラッシング処理した後、メチルバイオレットレーキ顔料のプレスケーキから分離した水分を、塩基性化合物を含んだままで一度除去して、さらに所定量の水と塩基性化合物を添加混合し、水性媒体中に顔料を分散させて水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物を得る。
この時添加する塩基性化合物は、フラッシング処理時に用いたものと同じものであってもよいし、上記で例示した他の塩基性化合物であってもよい。アルカリ可溶性樹脂を水中に溶解させるために必要な量の塩基性化合物とは、アルカリ可溶性樹脂の中和量の1.0〜2.0当量程度であり、1.2〜1.5当量が好ましい。
水の添加量は、最終的に得られる組成物中の顔料やアルカリ可溶性樹脂の濃度が所望する範囲になるよう調整する。
上記塩基性化合物と水の添加は、攪拌下で行うことが好ましい。
上記水性媒体としては、水のみであってもよく、水混和性の有機系分散媒体との併用であってもよい。
上述の製造方法で製造した水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物も、本発明のひつとである。
本発明の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物は、最終的に印刷インキ組成物や塗料などで利用できるが、これらの最終用途に合わせて、組成物中の顔料濃度は1〜50質量%(ハイコンクベースインキなどと呼ばれる)、アルカリ可溶性樹脂の濃度は5〜30質量%が好ましい。また、水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物のpHは、特に限定されないが、8.0〜9.5程度が好ましい。
これまで、メチルバイオレットレーキ顔料をフラッシング処理するために、どの様な樹脂を利用すればよいか、また、塩基性化合物を含めてどのような混合組成であれば良いかが、一切不明であった。従って、フラッシング処理よりも動力エネルギーをたくさん必要とし、また、分散の効率の低い(多くの時間を必要とする)ビーズミルなどを用いて分散処理を行わざるをえなかった。
フラッシング処理により顔料を分散させる本発明の方法で得られる効果としては、まず、顔料として含水率が10〜85質量%のプレスケーキを用いることから、顔料自体の製造における乾燥および粉砕の工程と、凝集体を再分散させるための練肉におけるほとんどの工程とを省くことができ、省エネルギーであることが挙げられる。更なる効果として、プレスケーキ中では、顔料は一次粒子に近い状態のままで柔らかい凝集体を形成しており、また、分散装置としてもより効率の高いものが利用できることから、顔料を短時間のうちに一次粒子に近い状態まで分散でき、この組成物を用いて得られた印刷インキや塗料等は、良好な発色性と高い光沢や色濃度を有する。
<水性印刷インキ組成物の製造>
上記の方法で得られた水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物に、さらに水性印刷インキ組成物の分野で通常利用される各種材料、例えば、水、水混和性有機溶剤、水溶性樹脂、水分散性樹脂エマルジョン、消泡剤、レベリング剤等を必要に応じて加え、最終的な目的の一つである水性印刷用インキ組成物を得ることができる。
この様にして得られた水性印刷用インキ組成物は、顔料の粒子径が小さく、さらに粒度分布も狭いというフラッシング処理の長所がそのまま反映され、非常に優れた発色性(光沢、鮮明性)を有し、着色濃度も高いものである。
本発明は、メチルバイオレットレーキ顔料をフラッシング処理により分散させるという、従来になかった方法を提供するものであり、上記に挙げたフラッシング処理により、顔料を短時間のうちに一次粒子に近い状態まで分散できるといった顔料分散組成物の製造の効果を得ることができる。そして、本発明により製造されたメチルバイオレットレーキ顔料の分散組成物を利用した印刷インキや塗料等は、良好な発色性と高い光沢や色濃度を有し、それぞれの分野において優れた性能を発揮できるものである。
以下、実施例でもって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、特にことわりのない限り、部および%とあるのは「質量部」又は「質量%」である。
アルカリ可溶性樹脂の調製
調製例1 アルカリ可溶性樹脂Aの調製
攪拌装置、温度計、及び冷却装置を備えた反応容器にキシレン200質量部を仕込み、130℃に昇温させた後、モノマー成分としてモノプロポキシエチルマレート54.5質量%、メチルメタクリレート17.1質量%、およびスチレン28.4質量%と、ジ−tert−ブチルパーオキサイド4質量部を滴下し、さらに130℃で4時間かけて反応を完結させた後、キシレンを留去してアルカリ可溶性樹脂Aを得た。質量平均分子量は12000であった。
調製例2 アルカリ可溶性樹脂Bの調製
モノマー成分をモノプロポキシエチルマレート58.0質量%、メチルメタクリレート17.0質量%、およびスチレン25.0質量%に代える以外は調製例1と同様に共重合を行ってアルカリ可溶性樹脂Bを得た。質量平均分子量は11000であった。
調製例3 アルカリ可溶性樹脂Cの調製
モノマー成分をモノプロポキシエチルマレート64.0質量%、メチルメタクリレート17.1質量%、およびスチレン18.9質量%に代える以外は調製例1と同様に共重合を行ってアルカリ可溶性樹脂Cを得た。質量平均分子量は11000であった。
調製例4 アルカリ可溶性樹脂Dの調製
モノマー成分をモノプロポキシエチルマレート45.5質量%、メチルメタクリレート17.1質量%、およびスチレン37.4質量%に代える以外は調製例1と同様に共重合を行ってアルカリ可溶性樹脂Dを得た。質量平均分子量は12000であった。
実施例1
含水率が67質量%のメチルバイオレットレーキ顔料のプレスケーキ(住化カラー社製)65質量部、アルカリ可溶性樹脂A15質量部、および25質量%アンモニア水(アンモニア25質量%、水75質量%、アルカリ可溶性樹脂の中和量に対して2.5当量)7質量部をフラッシャー(商品名:フラッシャー、井上製作所社製)に仕込み、50℃で30分間フラッシング処理して分離した水を除去した。次に除去した水と同量の水を加え、さらにpH9.0となるまで25質量%アンモニア水を加えて混合し、実施例1の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物を得た。
実施例2
含水率が40質量%のメチルバイオレットレーキ顔料のプレスケーキ21質量部、水20質量部、アルカリ可溶性樹脂A15質量部、および25質量%アンモニア水7質量部をフラッシャーに仕込み、50℃で30分間フラッシング処理して分離した水を除去した。次に除去した水と同量の水を加え、さらにpH9.0となるまで25質量%アンモニア水を加えて混合し、実施例2の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物を得た。
実施例3
含水率が70質量%のメチルバイオレットレーキ顔料のプレスケーキ65質量部、アルカリ可溶性樹脂B15質量部、および25質量%アンモニア水7.4質量部(アルカリ可溶性樹脂の中和量に対して2.5当量)をフラッシャーに仕込み、50℃で30分間フラッシング処理して分離した水を除去した。次に除去した水と同量の水を加え、さらにpH9.0となるまで25質量%アンモニア水を加え混合し、実施例3の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物を得た。
実施例4
含水率が70質量%のメチルバイオレットレーキ顔料のプレスケーキ65質量部、アルカリ可溶性樹脂A15質量部、および25質量%アンモニア水7質量部をタンクに仕込み、50℃でディゾルバー(商品名:DESPA、井上製作所社製)にて50分間混練して分離した水を除去した。次に除去した水と同量の水を加え、さらにpH9.0となるまで25質量%アンモニア水を加えて混合し、実施例4の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物を得た。
比較例1
メチルバイオレットレーキ顔料(水分がなくなるまで乾燥させたパウダー品、住化カラー社製)15質量部、水50質量部、前記樹脂A15質量部、および25質量%アンモニア水7質量部を混合タンクに仕込み、常温でディゾルバーにて30分間混合し、さらに60分かけてビーズミル(商品名:ダイノミル、WAB社製)を通して練肉処理した後、混合タンクにとった練肉物にpH9.0となるまで25質量%アンモニア水を加え、比較例1の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物を得た。
比較例2
含水率が70質量%のメチルバイオレットレーキ顔料のプレスケーキ65質量部、アルカリ可溶性樹脂C15質量部、およびアンモニア水8.2質量部(アルカリ可溶性樹脂の中和量に対して2.5当量)をフラッシャーに仕込み、50℃で30分間攪拌処理したが、水が分離しなかったため、さらにpH9.0となるまで25質量%アンモニア水を加えて混合し、比較例2の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物を得た。
比較例3
含水率が70質量%のメチルバイオレットレーキ顔料のプレスケーキ65質量部、アルカリ可溶性樹脂D15質量部、およびアンモニア水5.8質量部(アルカリ可溶性樹脂の中和量に対して2.5当量)をフラッシャーに仕込み、50℃で30分間攪拌処理したが、水が分離しなかったため、さらにpH9.0となるまで25質量%アンモニア水を加えて混合し、比較例3の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物7を得た。
比較例4
含水率が70質量%のメチルバイオレットレーキ顔料のプレスケーキ65質量部、アルカリ可溶性樹脂D15質量部、およびアンモニア水5.8質量部をフラッシャーに仕込み、50℃で30分間攪拌処理したのち、さらに30分かけてビーズミルを通して練肉処理した後、混合タンクにとった練肉物にpH9.0となるまで25質量%アンモニア水を加え、比較例4の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物を得た。
水性印刷インキ組成物の調製
実施例1〜4、および比較例1〜4の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物について、さらに25℃においてザーンカップ5号(リゴー社製)で流出秒数が12秒となるように水を加えて、水性印刷インキ組成物1〜8を得た。
<性能評価>
上記で得た水性印刷インキ組成物1〜8を上質紙に一滴ずつたらし、へら引きした時の色相、光沢、色濃度の比較から性能を評価し、その結果を表1に示した。なお、色相、光沢、色濃度の良否は次のように判断した。
(色相)
水性印刷インキ組成物8(比較例4の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物を希釈したもの)を標準として、目視にて色相が下記の状態のどれに当てはまるかを判断した。
A:標準より鮮明に見える
B:標準の色相である
C:標準より不鮮明に見える
(光沢)
水性印刷インキ組成物8を標準として、目視にて光沢が下記の状態のどれに当てはまるかを判断した。
A:標準より光沢がある
B:標準の光沢である
C:標準より光沢がない
(色濃度)
水性印刷インキ組成物8を標準として、目視にて色濃度が下記の状態のどれに当てはまるかを判断した。
A:標準より色濃度が高い
B:標準の色濃度である
C:標準より色濃度が低い
Figure 0004800783
実施例と比較例で具体的な例を挙げて比較した結果、次のように言えるものである。
実施例1〜4をインキ化したものは、多くの動力エネルギーを必要とするビーズミルで乾燥した顔料を練肉処理した比較例1、および、フラッシング処理で分散できなかった比較例2、3をインキ化したものよりも、良好な色相と高い光沢や色濃度を有するものである。また、フラッシング処理で分散できなかった比較例3の分散処方について、さらにビーズミルで練肉処理した比較例4をインキ化したものに対しても、同等以上の色相、光沢、色濃度を有する。
すなわち、本発明の方法に従えば、水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物において、既知の技術で望みうる性能と同等以上のレベルを、より少ない動力エネルギーと、高い効率で実現することが可能である。

Claims (5)

  1. 含水率が10〜85質量%であるメチルバイオレットレーキ顔料のプレスケーキ、モノプロポキシエチルマレート50〜60質量%、メチルメタクリレート15〜20質量%、およびスチレン25〜30質量%のモノマーユニットからなるアルカリ可溶性樹脂、並びに、当該樹脂の中和量に対して2〜3.5当量の塩基性化合物を含有する混合物をフラッシング処理し、分離した水を除去した後、さらに、水と、アルカリ可溶性樹脂の中和量の1.0〜2.0当量の塩基性化合物とを加えてメチルバイオレットレーキ顔料を水性媒体中に分散させることを特徴とする水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物の製造方法。
  2. 前記塩基性化合物が有機アミン類またはアンモニア水である請求項1記載の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物の製造方法。
  3. 前記有機アミン類が、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモルホリンからなる群から選ばれる1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項2記載の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物の製造方法。
  4. 前記フラッシング処理のためにフラッシャーを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法で製造した水性メチルバイオレットレーキ顔料分散組成物。
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