JP4799884B2

JP4799884B2 - 身体用弛緩予防および改善具

Info

Publication number: JP4799884B2
Application number: JP2005069433A
Authority: JP
Inventors: 茂樹森本; 善姫白石
Original assignee: 恩翔株式会社
Priority date: 2005-03-11
Filing date: 2005-03-11
Publication date: 2011-10-26
Anticipated expiration: 2025-03-11
Also published as: JP2006247195A

Description

本発明は、顔面および手足などの身体の各部位の弛みの矯正、皺の伸展および筋の固定などに好適に実施することができる身体用弛緩予防および改善具に関する。

従来の技術では、顔面の頬上部から後頭部襟足付近にかけてヘアバンド状に取り付けることができる伸縮自在な第１の帯状体に、左右いずれか一方を耳たぶ付近に固定し、あごの部分を介して他方の耳たぶ付近で脱着できる伸縮自在な第２の帯状体を設け、第１の帯状体の額上方中心部から後頭部襟足付近にかけて脱着できる伸縮自在な第３の帯状体を設け、顔面を上、下および左右側面の各方向から引張って、皮膚を張りつめた状態に保つことができる美顔のための皮膚のばし用バンドが周知である。

具体的には、前記皮膚のばし用バンドは、前記第１および第２の帯状体は、伸ばそうとする顔の皮膚を押さえ、第３の帯状体は第１の帯状体が皮膚に接触する面を引き上げて、主に耳から上の皮膚を上方に伸ばして、皮膚を引き上げた状態に保つ。また、第２の帯状体は、主に耳から下の皮膚を下方に伸ばし、第１の帯状体と第２の帯状体とが連結した状態で第３の帯状体を後頭部襟足付近に連結することによって、顔面の皮膚を上下方向に引張り、かつ第１および第２の帯状体が耳たぶ付近の結合点を介して第３の帯状体によって後方に引張られ、左右両側面からも後方に引張られる状態となって、第１および第２の帯状体によって囲んだ顔面の皮膚全体を張りつめた状態に保つことが提案されている（たとえば、特許文献１参照）。

他の従来の技術では、中間部が顎および頬を覆うように上端部および下端部に比べて幅広に形成された一対の本体と、各本体の顎側間を連結する下部連結体と、各本体の頭側間を連結する上部連結体とを有し、下部連結体と上部連結部との少なくとも一方の長さが伸縮自在に調整可能な顎頬の弛み矯正具が周知である。

具体的には、前記弛み矯正具は、前記各本体が皮材、ゴム材またはプラスチックなどのある程度の剛性と可撓性とを有する材料から成り、顎および頬にほぼ沿った凹曲面形状とされ、各本体の内面に柔軟な薄い発泡体またはゴムなどから成るパットを設け、このパットによって顎および頬を刺激して血行を促進させ、新陳代謝を改善して顎および頬などの弛みを矯正することが提案されている（たとえば、特許文献２参照）。

特開昭６０−８３６０８号公報実用新案登録第３０９７４１３号公報

前述の特許文献１に記載される従来の技術では、第１の帯状体は、顔面の頬上部から後頭部襟足付近にかけてヘアバンド状に取り付けられ、第２の帯状体は、左右いずれか一方を耳たぶ付近に固定し、あごの部分を介して他方の耳たぶ付近で脱着することができ、第３の帯状体は、第１の帯状体の額上方中心部から後頭部襟足付近にかけて脱着することができ、これらの第１〜第３の帯状体によって顔面を上、下および左右側面の各方向から引張って皮膚を張りつめた状態に保つことができるように構成されるが、装着部位が頭部に限られるとともに、目尻の両側および頬などを含む広い範囲に密着して、面方向に引張力を作用させることはできず、皮膚に対して引張力を作用させることができる範囲が狭いという問題がある。また、第１〜第３の帯状体は、装着部位に応じて幅および長さなどの形態が相互に異なる部材からなるので、部品点数が多く、製造コストが高価であるという問題がある。

前述の特許文献２に記載される従来の技術では、中間部が顎および頬を覆うように上端部および下端部に比べて幅広に形成された一対の本体と、各本体の顎側間を連結する下部連結体と、各本体の頭側間を連結する上部連結体と、顎および頬にほぼ沿った凹曲面形状とされ、各本体の内面に設けられるパットとによって構成されるが、装着部位は頭部に限られるとともに、顔の皮膚に直接接触するのはパットだけであり、しかもこのパットは顎および頬の限られた領域を単に圧迫するだけであり、広い範囲に面方向に引張力を与えることはできないという問題がある。また、各本体、下部連結体、上部連結体およびパットは、構造および材質などの形態が相互に異なる部材からなるので、前述の従来の技術と同様に、部品点数が多く、製造コストが高価であるという問題がある。

本発明の目的は、簡単な構成によって製造コストの低減を図り、頭部およびその他の部位に装着可能とし、広い範囲で面方向に引張力を作用させることができる身体用弛緩予防および改善具を提供することである。

本発明は、身体の所定部位に伸張状態で装着される身体用弛緩予防および改善具であって、伸縮性を有する弾性構造体から成り、
前記弾性構造体は、ポリウレタン弾性フィラメントが積層状態で相互に接合された弾性繊維不織布であり、目付５０ｇ／ｍ ^２〜２００ｇ／ｍ ^２、伸度１５％以上、ポリウレタン弾性繊維の混用率３０％以上で通気性を有する薄い不織布シートであって、２００％〜３００％の等方的伸縮性を有し、肌に対して適度の摩擦力を発生させて密着しかつ通気性を有し、
前記弛緩予防および改善具は、頭頂部または前頭部から耳下腺咬筋部を経由して、オトガイ部およびオトガイ下部にわたる領域を覆う基部に、側頭部から外側眼瞼交連部近傍にわたる領域を覆う一対の目尻被覆部が一体に形成されることを特徴とする身体用弛緩予防および改善具である。

本発明に従えば、身体の頭部、腕、手首、大腿、脹脛および足首などの所定部位に伸張状態で装着された状態では、身体用弛緩予防および改善具は伸縮性を有する弾性構造体から成るので、前記所定部位の外方に凸に湾曲した凸状部分に圧接して密着し、その凸状部分に面方向に引張力を作用させ、皮膚に対して適度の緊張力を与えることができる。これによって頭部、頸部、脚部、腕部、胸部、腹部などの所望の部位に装着して、ずれることなく、適度な締付け力で広い範囲を覆った状態とし、その範囲の凸状部分を緊張して、その緊張状態を保ち、皮膚の皺および弛みを矯正することができる。

また、本発明は、前記弛緩予防および改善具は、頭頂部または前頭部から耳下腺咬筋部を経由して、オトガイ部およびオトガイ下部にわたる領域を覆う基部に、後頭部に巻き掛けられる分岐部が一体的に連なって形成されることを特徴とする。

さらに本発明は、遠赤外線または磁力線発生物質が塗布されていることを特徴とする。
さらに本発明は、アロエまたはコラーゲン薬効成分含有物質が塗布されていることを特徴とする。

本発明によれば、身体用弛緩予防および改善具は伸縮性を有する弾性構造体から成るので、簡単な構成によって製造コストの低減を図り、頭部およびその他の部位に装着可能とし、広い範囲で面方向に引張力を作用させることができる。

図１は、本発明の実施の一形態の顔面用弛緩予防および改善具１の装着状態を示す側面図である。本実施の形態の顔面用弛緩予防および改善具１は、通気性を有しかつ等方的に伸縮性を有する弾性構造体、具体的には、弾性繊維不織布から成り、身体である頭部２の所定部位に伸張状態で装着され、頭部２の外方に凸に湾曲した凸状部分に圧接して、その凸状部分に面方向に引張力を作用させることができる。

前記頭部２の所定部位は、頭頂部３または前頭部４から耳下腺咬筋部５を経由して、オトガイ部６およびオトガイ下部７にわたる左右両側の領域である。

図２は、顔面用弛緩予防および改善具１の斜視図であり、図３は顔面用弛緩予防および改善具１の周方向展開図である。前記顔面用弛緩予防および改善具１は、前記頭頂部３または前頭部４から耳下腺咬筋部５を経由して、オトガイ部６およびオトガイ下部７にわたる領域を覆う基部１０に、側頭部１１から外側眼瞼交連部１２近傍にわたる領域を覆う一対の目尻被覆部１３が一体に形成される環状の帯状体から成り、伸張されていない自然状態における周方向の長さＬは２４ｃｍ〜３０ｃｍに選ばれ、好ましくは２８ｃｍに選ばれる。前記基部１０は、幅Ｂが５ｃｍ〜９ｃｍに選ばれ、好ましくは８ｃｍに選ばれる。

このような顔面用弛緩予防および改善具１は、図３の周方向展開図において、長手方向（図３の上下方向）中央部１４が頭頂部３または前頭部４に当接し、この中央部１４に関して長手方向両側に各目尻被覆部１３が左右対称に形成されている。各目尻被覆部１３の幅ｂは、０．５ｃｍ程度である。このような各目尻被覆部１３には、顔面用弛緩予防および改善具１の頭部２への装着によって基部１０が長手方向に引き伸ばされ、矢符Ａで示されるように、面方向に緊張され、顔面の側頭部３から外側眼瞼交連部１２近傍にわたる領域に密着して同方向Ａに皮膚を緊張することができる。

前記顔面用弛緩予防および改善具１の材料としては、ポリウレタン弾性フィラメントが積層状態で相互に接合された弾性繊維不織布であり、目付５０ｇ／ｍ^２〜２００ｇ／ｍ^２、破断強度が０．４ｋｇ／ｃｍ以上、伸度１５％以上のポリウレタン弾性繊維を混用率３０％以上で含む通気性を有する薄い不織布シートが用いられる。この不織布の伸縮特性については、図４の伸長率λ（％）に対する伸長応力σ（ｃＮ／ｃｍ）の関係を示すグラフから明らかなように、不可逆的な伸長応力の減衰が極めて少ない弾性繊維不織布が選ばれる。

前記積層されたフィラメントは、その接触点が当該フィラメント自体が相互に接合されており、等方的に伸縮性を有する。このフィラメントを構成するモノフィラメントは、直径が１０μｍ以上でかつ３０μｍ以下に選ばれ、好ましくは１０μｍ以上でかつ２５μｍ以下に選ばれ、さらに好ましくは１０μｍ以上でかつ２０μｍ以下に選ばれる。

このような弾性繊維不織布を用いる利点は、２００％〜３００％という極めて伸縮性を有し、肌に対して適度の摩擦力を発生させて密着し、この状態で面方向に引張力を作用させることができる。しかも、通気性が高く、肌が蒸れず、長時間装着しても、皮膚への過度の圧迫がなく、かぶれなどを生じるおそれはない。

顔面用弛緩予防および改善具１を製造するにあたっては、前記弾性繊維不織布を打ち抜き加工することによって、図１〜図３に示されるような形状、あるいはその他の所望の形状とすることができ、簡単な構成によって製造コストの低減を図り、頭部２に装着して、広い範囲で面方向に引張力を作用させることができる顔面用弛緩予防および改善具１を実現することができる。

このような顔面用弛緩予防および改善具１によれば、身体の頭部２の所定部位に伸張状態で装着することによって、頬および下顎などの比較的大きく外方に凸に湾曲した凸状部分に加えて、前記頬および下顎に比べて平坦状に近い前記側頭部１１から外側眼瞼交連部１２近傍にわたる領域、特に外側眼瞼交連部１２およびその周囲にも圧接して密着し、これらの凸状部分に面方向に引張力を作用させ、ずれることなく適度の締付け力で装着状態を維持し、皮膚に対して適度の緊張力を与え、通気性を確保しかつ各凸状部分の皮膚を緊張して、その緊張状態を保ち、皮膚の皺および弛みを矯正することができる。

図５は、本発明の実施のさらに他の形態の顔面用弛緩予防および改善具１ｂの装着状態を示す側面図である。なお、図１〜図４の前述の実施の各形態と対応する部分には、同一の参照符を付す。本実施の形態の顔面用弛緩予防および改善具１ｂは、基部１０に後頭部３０に巻き掛けられる分岐部３１が一体的に連なって形成される。これによって、より安定した装着状態を得ることができるとともに、頬３２に対して前記分岐部３１の張力による引張力Ｃを作用させることができる。

本発明の実施のさらに他の形態では、前述の顔面用弛緩予防および改善具１，１ｂの装着状態における顔面に臨む内面に、遠赤外線発生物質が塗布されてもよい。これによって、体温による遠赤外線の発生によって装着部位を暖め、血行を促進することができる。また遠赤外線発生物質と同様に、磁力線発生物質が塗布されてもよい。これによって、装着部位の血行を促進することができる。

本発明の実施のさらに他の形態では、前述の顔面用弛緩予防および改善具１，１ｂの装着状態における顔面に臨む内面に、アロエまたはコラーゲン薬効成分含有物質が塗布されてもよい。これによって、薬効成分を肌への浸透させて、美容効果を得ることができる。

本発明は、前述の実施の各形態に限るものではなく、材質としては熱可塑性エラストマー樹脂が、ポリウレタン、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、またはポリアミド系エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも１種の熱可塑性エラストマー樹脂を紡糸した繊維から成る不織布以外に、たとえばポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、および土中、水中でバクテリアなどの微生物によって水、二酸化炭素の分解される。コットン、麻などの天然繊維、デンプン・糖質の天然高分子、合成高分子ポリカプロラクトンを合成した繊維などの生分解性ポリマから成る繊維のうちから選ばれた１つを素材とする弾性繊維不織布を用いるようにしてもよい。

また、本発明の身体用弛緩予防および改善具は、前述の顔面用弛緩予防および改善具に限らず、たとえば腕、手首、大腿、脹脛および足首などの所定部位に伸張状態で装着するように構成されてもよい。これらの部位に装着した場合にも、前述の実施の各形態と同様に、通気性を有しかつ等方的に伸縮性を有する弾性繊維不織布から成るので、所定部位の外方に凸に湾曲した凸状部分に圧接して密着し、その凸状部分に面方向に引張力を作用させ、皮膚に対して適度の緊張力を与え、ずれることなく、適度な締付け力で広い範囲を覆った状態とし、その範囲の通気性を確保しかつ凸状部分を緊張して、その緊張状態を保ち、皮膚の皺および弛みを矯正することができる。

また、本発明の身体用弛緩予防および改善具は、前述の顔面用弛緩予防および改善具の図５に示す形態の応用として他の形態では、目尻の皺を伸ばすシートに応用でき、２方向の伸張作用のうち、１つは粘着剤を、他方には粘着剤を使用しないことによって目尻の皺伸ばしに効果的である。皮膚の表面から下部に構成されたセルライト、皮下脂肪および中性脂肪の順に緊張状態を保つことによって脂肪分が分解し、その後の皮質の変形や脂肪のもみ出しによって皺が伸ばされ、弛緩が改善され、顔面を矯正することができる予防と改善に至ることになる。
前述の実施の各形態、各実施例は、本発明の一例である。

本発明の実施の一形態の顔面用弛緩予防および改善具１の装着状態を示す側面図である。顔面用弛緩予防および改善具１の斜視図である。顔面用弛緩予防および改善具１の周方向展開図である。弾性繊維不織布の伸長率λに対する伸長応力σの関係を示すグラフである。本発明の実施のさらに他の形態の顔面用弛緩予防および改善具１ｂの装着状態を示す側面図である。

符号の説明

１，１ｂ顔面用弛緩予防および改善具
２頭部
３頭頂部
４前頭部
５耳下腺咬筋部
６オトガイ部
７オトガイ下部
１０基部
１１側頭部
１２外側眼瞼交連部
１３目尻被覆部
１４中央部
２０，２１面状ファスナ
３０後頭部
３１分岐部
３２頬

Claims

身体の所定部位に伸張状態で装着される身体用弛緩予防および改善具であって、伸縮性を有する弾性構造体から成り、
前記弾性構造体は、ポリウレタン弾性フィラメントが積層状態で相互に接合された弾性繊維不織布であり、目付５０ｇ／ｍ ^２〜２００ｇ／ｍ ^２、伸度１５％以上、ポリウレタン弾性繊維の混用率３０％以上で通気性を有する薄い不織布シートであって、２００％〜３００％の等方的伸縮性を有し、肌に対して適度の摩擦力を発生させて密着しかつ通気性を有し、
前記弛緩予防および改善具は、頭頂部または前頭部から耳下腺咬筋部を経由して、オトガイ部およびオトガイ下部にわたる領域を覆う基部に、側頭部から外側眼瞼交連部近傍にわたる領域を覆う一対の目尻被覆部が一体に形成されることを特徴とする身体用弛緩予防および改善具。
前記弛緩予防および改善具は、頭頂部または前頭部から耳下腺咬筋部を経由して、オトガイ部およびオトガイ下部にわたる領域を覆う基部に、後頭部に巻き掛けられる分岐部が一体的に連なって形成されることを特徴とする請求項１に記載の身体用弛緩予防および改善具。
遠赤外線または磁力線発生物質が塗布されていることを特徴とする請求項１または２に記載の身体用弛緩予防および改善具。
アロエまたはコラーゲン薬効成分含有物質が塗布されていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の身体用弛緩予防および改善具。